JPH1059733A - ガラス板の曲げ成形装置、曲げ成形型およびその製造方法 - Google Patents

ガラス板の曲げ成形装置、曲げ成形型およびその製造方法

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JPH1059733A
JPH1059733A JP22926796A JP22926796A JPH1059733A JP H1059733 A JPH1059733 A JP H1059733A JP 22926796 A JP22926796 A JP 22926796A JP 22926796 A JP22926796 A JP 22926796A JP H1059733 A JPH1059733 A JP H1059733A
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glass plate
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curved
forming
bending
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Toshimi Yajima
敏巳 矢島
Junji Tanaka
淳二 田中
Kazumine Suzuki
一峯 鈴木
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03BMANUFACTURE, SHAPING, OR SUPPLEMENTARY PROCESSES
    • C03B23/00Re-forming shaped glass
    • C03B23/02Re-forming glass sheets
    • C03B23/023Re-forming glass sheets by bending
    • C03B23/025Re-forming glass sheets by bending by gravity
    • C03B23/0258Gravity bending involving applying local or additional heating, cooling or insulating means

Abstract

(57)【要約】 【課題】 設計形状のガラス板を成形でき、ガラス板を
車体に組み付けたときの組付け適合性を向上させる。 【解決手段】 成形型5の成形面6を成形型5を加熱し
たときの変形成形面と規定曲面9をもつマスターガラス
形状10のガラス板を加熱したときの変形曲面とが略等
しい湾曲状曲面となるように形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加熱炉内にてガラ
ス板を曲げ加工し、例えば自動車のフロントガラス、リ
ヤガラス等を成形する曲げ成形装置、それに用いる曲げ
成形型およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、自動車の風防窓であるフロント
ガラス、リヤガラス等は、自動車のデザイン上の理由か
ら湾曲状のものが要求されるため、平板状のガラス板を
適宜曲げ成形することが必要になる。この曲げ成形を行
うガラス板の曲げ成形装置としては、凹湾曲状の成形面
をもつ曲げ型を備えたものが知られている。そして、こ
の曲げ型によるガラス板の成形は、まずガラス板を所定
の外周形状に切断し、このガラス板を曲げ型の成形面上
に載置する。そして、ガラス板を載置した状態で曲げ型
を加熱炉内に搬入すると共に、ガラス板をガラス軟化温
度まで加熱し、前記曲げ型の成形面に沿ってガラス板の
自重により曲げ成形する。そして、このようなガラス板
の曲げ成形装置では、成形ガラス板の曲率を決定する曲
げ型の成形面は加熱曲げ加工されるべき規定曲面と等し
い曲面に形成されている。
【0003】また、近年の自動車の形状はより湾曲した
形状のものが多く見られる。そのため、自動車用フロン
トガラスの形状として、その外周縁が大きく湾曲した形
状を求められるようになってきた。このフロントガラス
の車体への組付けは、外周縁によって行われているた
め、この組付け適合性は外周縁の曲率に左右されること
が多く、外周縁の曲率をより正確に規定曲面と一致させ
ることが要求されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるガラス板の曲げ成形装置では、曲げ型の成
形面は常温では規定曲面に一致するが、加熱炉内では熱
膨張により変形する。このとき、曲げ型上に載置された
ガラス板は、ガラス軟化温度まで加熱されたときに自重
によって撓み、変形した曲げ型の成形面に沿って自重曲
げ加工される。そして、ガラス板を常温まで冷却したと
きには、ガラス板と曲げ型との熱膨張率に差があるた
め、ガラス板の湾曲面と曲げ型の成形面との間にずれが
生じ、ガラス板の湾曲面は規定曲面に一致しないという
問題がある。
【0005】また、曲げ型の成形面は熱膨張によって曲
率が小さくなり易いから、上述の外周縁の曲率が大きい
ガラス板を成形した場合には、外周縁付近でガラス板の
湾曲面と規定曲面とのずれが大きくなり、このようなガ
ラス板を車体に組み付けたときには、その組付け適合性
が低下するという問題がある。
【0006】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、規定曲面をもつガラス板を成形でき、ガ
ラス板を車体に組み付けたときの組付け適合性を向上さ
せるガラス板の曲げ成形装置を提供することを目的とす
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、請求項1の発明は、ガラス板を軟化点以上まで
加熱する加熱炉と、ガラス板を載置する湾曲状を呈した
成形面を有して、前記加熱炉内を搬送することによって
成形面上でガラス板を曲げ成形する曲げ成形型とを備え
たガラス板の曲げ成形装置に適用される。
【0008】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記曲げ成形型の成形面は、当該曲げ成形型が
常温時の規定成形面から加熱による熱膨張によって変形
した変形成形面と、常温で所望の規定曲面を有するガラ
ス板が加熱されたときに熱膨張によって変形した変形曲
面とが略等しい湾曲状曲面となるように形成されている
ことにある。
【0009】上記構成において、曲げ成形型の成形面は
常温時には規定成形面を呈し、加熱時には熱膨張によっ
て変形した変形成形面を呈する。そして、軟化点以上ま
で加熱したガラス板を変形成形面に沿って曲げ加工させ
ることによって、変形成形面に略等しい変形曲面をもっ
たガラス板を成形できる。ここで、ガラス板の載置され
た曲げ成形型を加熱温度から常温まで冷却すると、曲げ
成形型の成形面は変形成形面から規定成形面になる。一
方、曲げ成形型の変形成形面は、常温でガラス板の設計
形状である規定曲面を有するガラス板が加熱されたとき
の変形曲面に略等しくなるように設定されているので、
変形曲面をもったガラス板は、常温まで冷却されること
によってガラス板の熱膨張率に基づき収縮し、規定曲面
をもったガラス板形状として成形することができる。
【0010】また、請求項2の発明は、ガラス板を載置
する湾曲状を呈した成形面を有し、成形面にガラス板を
載置して加熱炉内を搬送させることによってガラス板を
曲げ成形するガラス板の曲げ成形型に適用される。
【0011】そして、請求項2の発明が採用する構成の
特徴は、前記曲げ成形型の成形面は、当該曲げ成形型が
常温時の規定成形面から加熱による熱膨張によって変形
した変形成形面と、常温で所望の規定曲面を有するガラ
ス板が加熱されたときに熱膨張によって変形した変形曲
面とが略等しい湾曲状曲面となるように形成されている
ことにある。
【0012】上記構成において、曲げ成形型の成形面は
常温時には規定成形面を呈し、加熱時には熱膨張によっ
て変形した変形成形面を呈する。そして、加熱したガラ
ス板を変形成形面に沿って曲げ加工させることによっ
て、変形成形面に略等しい変形曲面をもったガラス板を
成形できる。ここで、ガラス板の載置された曲げ成形型
を加熱温度から常温まで冷却すると、曲げ成形型の成形
面は変形成形面から規定成形面になる。一方、曲げ成形
型の変形成形面は、常温でガラス板の設計形状である規
定曲面を有するガラス板が加熱されたときの変形曲面に
略等しくなるように設定されているので、変形曲面をも
ったガラス板は、常温まで冷却されることによってガラ
ス板の熱膨張率に基づき収縮し、規定曲面をもったガラ
ス板形状として成形することができる。
【0013】さらに、請求項3の発明は、ガラス板を載
置する湾曲状を呈した成形面を有し、成形面にガラス板
を載置して加熱炉内を搬送させることによってガラス板
を曲げ成形するガラス板の曲げ成形型の製造方法に適用
される。
【0014】そして、請求項3の発明が採用する方法の
特徴は、加熱曲げ加工された後の常温での成形ガラス板
の規定曲面を設定する工程と、ガラス板が加熱されたと
きに熱膨張によって変形する前記規定曲面を有するガラ
ス板の変形曲面を設定する工程と、曲げ成形型が加熱さ
れたときに熱膨張によって変形する前記曲げ成形型の変
形成形面を前記ガラス板の変形曲面と略等しく設定する
工程と、曲げ成形型の熱膨張率に基づき該曲げ成形型の
変形成形面から常温時の規定成形面を決定する工程とを
含んでいることにある。
【0015】上記の製造方法では、規定曲面設定工程で
は、加熱曲げ加工された後の常温での成形ガラス板の規
定曲面を定める。次の変形曲面設定工程では、前述した
規定曲面に対しガラス板が加熱されたときに熱膨張によ
って変形する前記規定曲面を有するガラス板の変形曲面
を定める。次の変形成形面設定工程では、曲げ成形型が
加熱されたときに生じる熱膨張によって変形する前記曲
げ成形型の変形成形面とガラス板が加熱されたときの変
形曲面とが略等しくなるように定める。さらに規定成形
面決定工程では、曲げ成形型の熱膨張率に基づき前述し
た変形成形面から常温時の曲げ成形型の規定成形面を決
定した上で、ガラス板の曲げ成形型を製造する。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係るガラス板の曲
げ成形装置について、その実施の形態を添付図面に従っ
て詳細に説明する。
【0017】ここで、図1ないし図9は本発明の実施例
を示し、1はガラス板をガラス軟化温度まで加熱する加
熱炉で、該加熱炉1は断熱耐火材等で矩形筒状に形成さ
れ、その内部には炉の入口側に加熱部1Aが、出口側に
冷却部1Bが設けられている。そして、加熱炉1内に搬
送された後述のガラス板7は加熱部1Aで加熱曲げ加工
された後に冷却部1Bを通過することによって常温程度
まで冷却され、成形ガラス板12になる。
【0018】2は図2および図3に示すように、加熱炉
1内の加熱部1Aに設けられた加熱源としてのヒータ
で、後述の成形型5等を取囲むように加熱炉1内の側面
と上面とに設けられる。そして、ヒータ2は例えば電気
ヒータやガスバーナー等からなりガラス板7を成形温度
(580〜700℃)まで加熱するものである。
【0019】3は加熱炉1内を入口側から出口側へと延
伸するレール等の搬送路で、搬送路3は加熱炉1の炉床
に埋設されている。そして、後述の成形型5を搭載する
台車4が搬送路3上に載置され、台車4等はチェーンコ
ンベア等(図示せず)によって搬送路3上を移動する。
【0020】5は凹湾曲した輪郭形状を有する曲げ成形
型としての成形型を示し、該成形型5は、その成形面6
にガラス板7を載置して加熱炉1内を搬送することによ
ってガラス板7を自重曲げ加工する。このため、成形型
5の上面は凹湾曲をなした成形面6となっている。ま
た、成形型5は加熱炉1内のガラス板の成形温度に耐え
られる程度の耐熱材(例えば、ステンレス等)で形成さ
れる。そして、成形型5は複数本の支柱4Aを介して台
車4上に固定され、チェーンコンベア等(図示せず)に
よって台車4と共に加熱炉1内に搬入される。
【0021】また、成形型5上に載置されたガラス板7
は加熱部1Aのヒータ2によってガラス軟化温度(例え
ば550〜650℃)まで加熱されて軟化し、自重によ
って垂下する。そして、ガラス板7は成形型5の成形面
6に沿って曲げ加工された湾曲状ガラス板8となる。こ
のとき、湾曲状ガラス板8と成形型5とが接触する湾曲
状ガラス板8の湾曲状曲面は、自動車用ガラス板の設計
形状である規定曲面9をもったガラス板形状(後述する
マスターガラス形状10)のガラス板を加熱したときに
熱膨張によって変形した変形曲面11となっている。さ
らに、成形型5を冷却部1Bに搬入することによって、
湾曲状ガラス板8は常温程度まで冷却されて固化し、自
動車用ガラス板の設計形状である規定曲面9を有する成
形ガラス板12に成形される。
【0022】ここで、成形型5の上面に設けられる成形
面6は、常温時には図4に示すようにマスターガラス形
状10の規定曲面9よりも大きな曲率(深い凹湾曲状)
の規定成形面6Aとなるが、加熱時には図5に示すよう
に成形型5の熱膨張によって規定曲面9よりも小さな曲
率(浅い凹湾曲状)の変形成形面6Bに変形する。そし
て、成形面6は加熱時の変形成形面6Bがマスターガラ
ス形状10のガラス板を加熱したときに熱膨張によって
変形した変形曲面11に略等しくなるように形成されて
いる。このため、成形温度まで加熱された湾曲状ガラス
板8は変形成形面6Bに沿って曲げ加工され、湾曲状ガ
ラス板8と成形型5とが接触する湾曲状ガラス板8の湾
曲面は変形曲面11にほぼ一致する。
【0023】さらに、図5の加熱時から常温まで冷却さ
れたときには図6に示すように、成形型5の成形面6は
変形成形面6Bから規定成形面6Aに復元する。一方、
湾曲状ガラス板8は、湾曲状ガラス板8の熱膨張率と成
形型5の熱膨張率との差によって規定成形面6Aには沿
わず、マスターガラス形状10と等しい形状の成形ガラ
ス板12となる。
【0024】本実施例によるガラス板の曲げ成形装置
は、上述の如き構成を有するもので、成形型5を製造す
るときの製造方法について図8を参照しつつ説明する。
【0025】まず、ステップ1による規定曲面設定工程
において、加熱曲げ加工された後の常温での成形ガラス
板12の規定曲面9を自動車用ガラス板の設計形状(マ
スターガラス形状10)から定める。
【0026】次に、ステップ2による変形曲面設定工程
では、湾曲状ガラス板8の形状を、規定曲面9を有する
マスターガラス形状10、成形温度およびガラス板の熱
膨張率等に基づき計算機を用いて算出し、マスターガラ
ス形状10のガラス板を成形温度まで加熱したときに熱
膨張によって変形した湾曲状ガラス板8の変形曲面11
を定める。
【0027】そして、ステップ3による変形成形面設定
工程では、成形温度での成形型5の変形成形面6Bを変
形曲面11に略等しくなるように定め、熱膨張よって変
形した成形型5の形状を定める。
【0028】さらに、ステップ4による規定成形面決定
工程では、常温での成形型5の形状を、変形成形面6B
を有する成形型5の形状、成形温度および成形型5の熱
膨張率等に基づき計算機を用いて算出し、常温での成形
型5の規定成形面6Aを決定した上で、ガラス板の曲げ
成形型を製造することができる。
【0029】このようにして製造された成形型5は、図
9に示すように、成形面13Aが規定曲面9と等しくな
るように形成された従来の成形型13に対して成形型5
の長さ方向両端側が例えば4.4mm程度の寸法Aだけ
内側に収縮した形状に形成される。
【0030】本実施例によるガラス板の曲げ加工装置は
上述の如く構成されたものであり、次に上記構成からな
る曲げ加工装置を用いて、ガラス板を曲げ加工する場合
の加工動作について、図1を参照しつつ説明する。
【0031】まず、平板状のガラス板7は成形型5に載
置され、チェーンコンベア等(図示せず)を介して移動
する台車4によって該成形型5と共に加熱炉1内の加熱
部1Aに搬送される。加熱部1Aではヒータ2によって
ガラス板7がガラス軟化温度(550〜650℃)まで
加熱されて軟化し、ガラス板7は自重によって垂下す
る。このとき、成形型5の成形面6は、成形型5の熱膨
張によって規定成形面6Aから浅く湾曲した変形成形面
6Bに変形する。そして、軟化したガラス板7は変形成
形面6Bに沿って曲げ加工され、変形成形面6Bに略等
しい変形曲面11をもつ湾曲状ガラス板8に成形され
る。
【0032】次に、成形型5は湾曲状ガラス板8を載置
した状態で加熱炉1内の冷却部1Bに搬送され、成形型
5と湾曲状ガラス板8は常温程度まで冷却される。この
とき、成形型5の成形面6は成形型5の収縮によって変
形成形面6Bから規定成形面6Aに復元される。一方、
湾曲状ガラス板8は成形型5の収縮途中で固化し、成形
ガラス板12に成形される。ここで、成形ガラス板12
は湾曲状ガラス板8の熱膨張率と成形型5の熱膨張率と
の差によって規定成形面6Aには沿わず、成形ガラス板
12と成形型5との間に隙間が生じる。
【0033】然るに、本実施例では、成形型5の変形成
形面6Bを湾曲状ガラス板8の変形曲面11に略等しく
なるように形成したから、成形温度での湾曲状ガラス板
8はマスターガラス形状10のガラス板が熱膨張したと
きの形状とほぼ一致する。また、湾曲状ガラス板8を常
温まで冷却したときに湾曲状ガラス板8は自動車用ガラ
ス板の設計形状である規定曲面9をもった成形ガラス板
12に成形される。
【0034】このとき、成形ガラス板12は図7に示す
ように、湾曲状ガラス板8よりも深く湾曲した形状にな
り、マスターガラス形状10に対して例えば最大誤差が
±0.3mm以内の形状に成形される。
【0035】ここで、図10に示す比較例にあっては、
従来から用いられている成形型13の成形面13Aを、
規定曲面9と等しい凹湾曲状曲面で構成した場合を示し
ている。この成形型13で曲げ加工された成形ガラス板
14は、成形温度では成形型13の成形面13Aに沿っ
た形状となるが、常温程度まで冷却したときには成形型
13の熱膨張率とガラス板の熱膨張率との違いによっ
て、成形面13Aには沿わず成形面13Aよりも浅く湾
曲した形状に成形される。このため、成形ガラス板14
の形状はマスターガラス形状10とは一致せず、規定曲
面9を得ることができない。
【0036】従って、従来用いられている成形型13で
曲げ加工された成形ガラス板14では規定の曲率が得ら
れないから、成形ガラス板14を自動車に組み付けると
きの組付け適合性が低下する。これに対し、本実施例に
よる成形型5は、成形型5の変形成形面6Bを湾曲状ガ
ラス板8の変形曲面11に略等しくなるように形成した
から、成形温度での湾曲状ガラス板8はマスターガラス
形状10のガラス板が熱膨張したときの形状とほぼ一致
し、湾曲状ガラス板8を常温まで冷却したときの成形ガ
ラス板12はマスターガラス形状10と等しい形状にな
る。
【0037】かくして、本実施例によれば、成形型5を
加熱したときの変形成形面6Bとマスターガラス形状1
0のガラス板を加熱したときの変形曲面11とが略等し
い湾曲状曲面となるように成形型5の成形面6を形成し
たから、平板状のガラス板7を変形成形面6Bに沿って
曲げ加工でき、変形成形面6Bに略等しい変形曲面11
をもった湾曲状ガラス板8を成形できると共に、湾曲上
ガラス板8を冷却することによってマスターガラス形状
10と等しい成形ガラス板12を成形することができ
る。従って、成形ガラス板12は自動車用ガラス板の設
計形状である規定曲面9をもつから、外周縁付近で深く
湾曲したガラス板を曲げ加工する場合でも、成形ガラス
板12を自動車に組み付けるときの組付け適合性を向上
できる。
【0038】なお、前記実施例では、1枚のガラス板を
加熱曲げ加工する場合を例に挙げて説明したが、本発明
はこれに限らず、合せガラス用の2枚のガラス板を同時
に曲げ成形する場合にも適用することができる。
【0039】また、前記実施例では、曲げ成形型として
の成形型5は成形ガラス板の輪郭形状に構成するものと
したが、本発明はこれに限らず面状に構成した曲げ成形
型でもよく、また、曲げ成形型に通常のたわみ曲げ技法
では得られない鋭い湾曲を得るためにヒンジ付きの端部
を設けてもよい。
【0040】また、前記実施例では、曲げ成形型として
の成形型5はステンレス等のようなガラス板よりも熱膨
張率の大きな材料で形成するするものとしたが、本発明
はこれに限らず、熱膨張率がほぼ等しい材料や例えばセ
ラミックスのようなガラス板よりも熱膨張率の小さな材
料によって曲げ成形型を形成してもよい。
【0041】さらに、前記実施例では、ガラス板の曲げ
成形をガラス板の軟化による自重曲げによって行ってい
るが、ガラス板を水平状態あるいは上端を吊り治具によ
って支持しガラス板を垂下させた垂直状態で、加熱炉内
に搬送させ、曲げ成形型を面状に構成してガラス板をプ
レス曲げ成形することもできる。
【0042】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1の発明によ
れば、ガラス板の曲げ成形装置に曲げ成形型を用い、曲
げ成形型の成形面を、曲げ成形型が加熱による熱膨張に
よって変形した変形成形面と、常温で規定曲面を有する
ガラス板を加熱したときに熱膨張によって変形した変形
曲面とが略等しい湾曲状曲面となるように形成したか
ら、加熱したガラス板を変形成形面に沿って曲げ加工
し、変形成形面に略等しい変形曲面をもったガラス板を
成形できると共に、変形曲面をもったガラス板を冷却す
ることによって規定曲面をもつ成形ガラス板を成形する
ことができる。従って、曲げ成形装置によって確実に規
定曲面をもつ成形ガラス板を曲げ成形できるから、成形
ガラス板を自動車に組み付けるような場合でも、成形ガ
ラス板の組付け適合性を向上できる。
【0043】また、請求項2の発明によれば、曲げ成形
型の成形面を、曲げ成形型が加熱による熱膨張によって
変形した変形成形面と、常温で規定曲面を有するガラス
板を加熱したときに熱膨張によって変形した変形曲面と
が略等しい湾曲状曲面となるように形成したから、加熱
したガラス板を変形成形面に沿って曲げ加工し、変形成
形面に略等しい変形曲面をもったガラス板を成形できる
と共に、変形曲面をもったガラス板を冷却することによ
って規定曲面をもつ成形ガラス板を成形することができ
る。従って、曲げ成形型によって曲げ加工した成形ガラ
ス板を自動車に組み付けるような場合でも、成形ガラス
板の組付け適合性を向上できる。
【0044】さらに、請求項3の発明によれば、成形ガ
ラス板として加熱曲げ加工されるべき常温での規定曲面
を設定した後に、ガラス板を加熱したときに熱膨張によ
って変形した変形曲面を設定し、さらに曲げ成形型を加
熱したときに該曲げ成形型の熱膨張によって変形した変
形成形面を前記ガラス板の変形曲面と略等しく設定した
後に、曲げ成形型の熱膨張率に基づき該成形型の変形成
形面から常温時の規定成形面を決定する製造方法を採用
したから、曲げ成形型が加熱による熱膨張によって変形
した変形成形面と、常温で所望の規定曲面を有するガラ
ス板を加熱したときに熱膨張によって変形した変形曲面
とが略等しくなるような常温時に規定成形面となる成形
面を有した曲げ成形型を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による成形型が適用される曲げ
加工装置の全体構成図である。
【図2】図1中の加熱炉内を示す縦断面図である。
【図3】本発明の実施例による成形型等を加熱炉内に配
置した状態で示す図2中の矢示III−III 方向からみた
拡大断面図である。
【図4】加熱前のガラス板と成形型とを示す正面図であ
る。
【図5】加熱時の成形温度での湾曲状ガラス板と成形型
とを示す正面図である。
【図6】常温まで冷却した際の成形ガラス板と成形型と
を示す正面図である。
【図7】本発明の実施例で成形された成形ガラス板と成
形温度で加熱時の湾曲状ガラス板とを比較して示す正面
図である。
【図8】本発明の実施例による製造工程を示す説明図で
ある。
【図9】本発明の実施例による成形型と従来技術による
成形型とを比較して示す正面図である。
【図10】比較例として従来技術による成形型と成形ガ
ラス板とを示す正面図である。
【符号の説明】
1 加熱炉 5 成形型(曲げ成形型) 6 成形面 6A 規定成形面 6B 変形成形面 7 ガラス板 8 湾曲状ガラス板 9 規定曲面 10 マスターガラス形状 11 変形曲面 12 成形ガラス板

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ガラス板を軟化点以上まで加熱する加熱
    炉と、ガラス板を載置する湾曲状を呈した成形面を有し
    て、前記加熱炉内を搬送することによって成形面上でガ
    ラス板を曲げ成形する曲げ成形型とを備えたガラス板の
    曲げ成形装置において、前記曲げ成形型の成形面は、当
    該曲げ成形型が常温時の規定成形面から加熱による熱膨
    張によって変形した変形成形面と、常温で所望の規定曲
    面を有するガラス板が加熱されたときに熱膨張によって
    変形した変形曲面とが略等しい湾曲状曲面となるように
    形成されていることを特徴とするガラス板の曲げ成形装
    置。
  2. 【請求項2】 ガラス板を載置する湾曲状を呈した成形
    面を有し、成形面にガラス板を載置して加熱炉内を搬送
    させることによってガラス板を曲げ成形するガラス板の
    曲げ成形型であって、前記曲げ成形型の成形面は、当該
    曲げ成形型が常温時の規定成形面から加熱による熱膨張
    によって変形した変形成形面と、常温で所望の規定曲面
    を有するガラス板が加熱されたときに熱膨張によって変
    形した変形曲面とが略等しい湾曲状曲面となるように形
    成されていることを特徴とするガラス板の曲げ成形型。
  3. 【請求項3】 ガラス板を載置する湾曲状を呈した成形
    面を有し、成形面にガラス板を載置して加熱炉内を搬送
    させることによってガラス板を曲げ成形するガラス板の
    曲げ成形型の製造方法において、加熱曲げ加工された後
    の常温での成形ガラス板の規定曲面を設定する工程と、
    ガラス板が加熱されたときに熱膨張によって変形する前
    記規定曲面を有するガラス板の変形曲面を設定する工程
    と、曲げ成形型が加熱されたときに熱膨張によって変形
    する前記曲げ成形型の変形成形面を前記ガラス板の変形
    曲面と略等しく設定する工程と、曲げ成形型の熱膨張率
    に基づき該曲げ成形型の変形成形面から常温時の規定成
    形面を決定する工程とを有することを特徴とするガラス
    板の曲げ成形型の製造方法。
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