JP3879152B2 - ガラス板の曲げ成形装置、曲げ成形型およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、加熱炉内にてガラス板を曲げ加工し、例えば自動車のフロントガラス、リヤガラス等を成形する曲げ成形装置、それに用いる曲げ成形型およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車の風防窓であるフロントガラス、リヤガラス等は、自動車のデザイン上の理由から湾曲状のものが要求されるため、平板状のガラス板を適宜曲げ成形することが必要になる。この曲げ成形を行うガラス板の曲げ成形装置としては、凹湾曲状の成形面をもつ曲げ型を備えたものが知られている。そして、この曲げ型によるガラス板の成形は、まずガラス板を所定の外周形状に切断し、このガラス板を曲げ型の成形面上に載置する。そして、ガラス板を載置した状態で曲げ型を加熱炉内に搬入すると共に、ガラス板をガラス軟化温度まで加熱し、前記曲げ型の成形面に沿ってガラス板の自重により曲げ成形する。そして、このようなガラス板の曲げ成形装置では、成形ガラス板の曲率を決定する曲げ型の成形面は加熱曲げ加工されるべき規定曲面と等しい曲面に形成されている。
【0003】
また、近年の自動車の形状はより湾曲した形状のものが多く見られる。そのため、自動車用フロントガラスの形状として、その外周縁が大きく湾曲した形状を求められるようになってきた。このフロントガラスの車体への組付けは、外周縁によって行われているため、この組付け適合性は外周縁の曲率に左右されることが多く、外周縁の曲率をより正確に規定曲面と一致させることが要求されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した従来技術によるガラス板の曲げ成形装置では、曲げ型の成形面は常温では規定曲面に一致するが、加熱炉内では熱膨張により変形する。このとき、曲げ型上に載置されたガラス板は、ガラス軟化温度まで加熱されたときに自重によって撓み、変形した曲げ型の成形面に沿って自重曲げ加工される。そして、ガラス板を常温まで冷却したときには、ガラス板と曲げ型との熱膨張率に差があるため、ガラス板の湾曲面と曲げ型の成形面との間にずれが生じ、ガラス板の湾曲面は規定曲面に一致しないという問題がある。
【0005】
また、曲げ型の成形面は熱膨張によって曲率が小さくなり易いから、上述の外周縁の曲率が大きいガラス板を成形した場合には、外周縁付近でガラス板の湾曲面と規定曲面とのずれが大きくなり、このようなガラス板を車体に組み付けたときには、その組付け適合性が低下するという問題がある。
【0006】
本発明は上述した従来技術の問題に鑑みなされたもので、規定曲面をもつガラス板を成形でき、ガラス板を車体に組み付けたときの組付け適合性を向上させるガラス板の曲げ成形装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
上述した課題を解決するために、請求項1の発明は、ガラス板を軟化点以上まで加熱する加熱炉と、ガラス板を載置する湾曲状を呈した成形面を有して、前記加熱炉内を搬送することによって成形面上でガラス板を曲げ成形する曲げ成形型とを備えたガラス板の曲げ成形装置に適用される。
【0008】
そして、請求項1の発明が採用する構成の特徴は、前記曲げ成形型は、ガラス板と異なる熱膨張率を有し、前記曲げ成形型の成形面は、当該曲げ成形型が常温時の規定成形面から加熱による熱膨張によって変形した変形成形面と、常温で所望の規定曲面を有するガラス板が加熱されたときに熱膨張によって変形した変形曲面とが略等しい湾曲状曲面となるように形成されていることにある。
【0009】
上記構成において、曲げ成形型の成形面は常温時には規定成形面を呈し、加熱時には熱膨張によって変形した変形成形面を呈する。そして、軟化点以上まで加熱したガラス板を変形成形面に沿って曲げ加工させることによって、変形成形面に略等しい変形曲面をもったガラス板を成形できる。ここで、ガラス板の載置された曲げ成形型を加熱温度から常温まで冷却すると、曲げ成形型の成形面は変形成形面から規定成形面になる。一方、曲げ成形型の変形成形面は、常温でガラス板の設計形状である規定曲面を有するガラス板が加熱されたときの変形曲面に略等しくなるように設定されている。このため、変形曲面をもったガラス板は、常温まで冷却されることによって、曲げ成形型の熱膨張率とは異なるガラス板の熱膨張率に基づき収縮し、規定曲面をもったガラス板形状として成形することができる。
【0010】
また、請求項2の発明は、ガラス板を載置する湾曲状を呈した成形面を有し、成形面にガラス板を載置して加熱炉内を搬送させることによってガラス板を曲げ成形するガラス板の曲げ成形型に適用される。
【0011】
そして、請求項2の発明が採用する構成の特徴は、前記曲げ成形型は、ガラス板と異なる熱膨張率を有し、前記曲げ成形型の成形面は、当該曲げ成形型が常温時の規定成形面から加熱による熱膨張によって変形した変形成形面と、常温で所望の規定曲面を有するガラス板が加熱されたときに熱膨張によって変形した変形曲面とが略等しい湾曲状曲面となるように形成されていることにある。
【0012】
上記構成において、曲げ成形型の成形面は常温時には規定成形面を呈し、加熱時には熱膨張によって変形した変形成形面を呈する。そして、加熱したガラス板を変形成形面に沿って曲げ加工させることによって、変形成形面に略等しい変形曲面をもったガラス板を成形できる。ここで、ガラス板の載置された曲げ成形型を加熱温度から常温まで冷却すると、曲げ成形型の成形面は変形成形面から規定成形面になる。一方、曲げ成形型の変形成形面は、常温でガラス板の設計形状である規定曲面を有するガラス板が加熱されたときの変形曲面に略等しくなるように設定されている。このため、変形曲面をもったガラス板は、常温まで冷却されることによって、曲げ成形型の熱膨張率とは異なるガラス板の熱膨張率に基づき収縮し、規定曲面をもったガラス板形状として成形することができる。
【0013】
さらに、請求項3の発明は、ガラス板を載置する湾曲状を呈した成形面を有し、成形面にガラス板を載置して加熱炉内を搬送させることによってガラス板を曲げ成形するガラス板の曲げ成形型の製造方法に適用される。
【0014】
そして、請求項3の発明が採用する方法の特徴は、前記曲げ成形型は、ガラス板と異なる熱膨張率を有し、加熱曲げ加工された後の常温での成形ガラス板の規定曲面を設定する工程と、ガラス板が加熱されたときに熱膨張によって変形する前記規定曲面を有するガラス板の変形曲面を設定する工程と、曲げ成形型が加熱されたときに熱膨張によって変形する前記曲げ成形型の変形成形面を前記ガラス板の変形曲面と略等しく設定する工程と、曲げ成形型の熱膨張率に基づき該曲げ成形型の変形成形面から常温時の規定成形面を決定する工程とを含んでいることにある。
【0015】
上記の製造方法では、規定曲面設定工程では、加熱曲げ加工された後の常温での成形ガラス板の規定曲面を定める。次の変形曲面設定工程では、前述した規定曲面に対しガラス板が加熱されたときに熱膨張によって変形する前記規定曲面を有するガラス板の変形曲面を定める。次の変形成形面設定工程では、曲げ成形型が加熱されたときに生じる熱膨張によって変形する前記曲げ成形型の変形成形面とガラス板が加熱されたときの変形曲面とが略等しくなるように定める。さらに規定成形面決定工程では、ガラス板の熱膨張率とは異なる曲げ成形型の熱膨張率に基づき前述した変形成形面から常温時の曲げ成形型の規定成形面を決定した上で、ガラス板の曲げ成形型を製造する。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係るガラス板の曲げ成形装置について、その実施の形態を添付図面に従って詳細に説明する。
【0017】
ここで、図1ないし図9は本発明の実施例を示し、1はガラス板をガラス軟化温度まで加熱する加熱炉で、該加熱炉1は断熱耐火材等で矩形筒状に形成され、その内部には炉の入口側に加熱部1Aが、出口側に冷却部1Bが設けられている。そして、加熱炉1内に搬送された後述のガラス板7は加熱部1Aで加熱曲げ加工された後に冷却部1Bを通過することによって常温程度まで冷却され、成形ガラス板12になる。
【0018】
2は図2および図3に示すように、加熱炉1内の加熱部1Aに設けられた加熱源としてのヒータで、後述の成形型5等を取囲むように加熱炉1内の側面と上面とに設けられる。そして、ヒータ2は例えば電気ヒータやガスバーナー等からなりガラス板7を成形温度(580〜700℃)まで加熱するものである。
【0019】
3は加熱炉1内を入口側から出口側へと延伸するレール等の搬送路で、搬送路3は加熱炉1の炉床に埋設されている。そして、後述の成形型5を搭載する台車4が搬送路3上に載置され、台車4等はチェーンコンベア等(図示せず)によって搬送路3上を移動する。
【0020】
5は凹湾曲した輪郭形状を有する曲げ成形型としての成形型を示し、該成形型5は、その成形面6にガラス板7を載置して加熱炉1内を搬送することによってガラス板7を自重曲げ加工する。このため、成形型5の上面は凹湾曲をなした成形面6となっている。また、成形型5は加熱炉1内のガラス板の成形温度に耐えられる程度の耐熱材(例えば、ステンレス等)で形成される。そして、成形型5は複数本の支柱4Aを介して台車4上に固定され、チェーンコンベア等(図示せず)によって台車4と共に加熱炉1内に搬入される。
【0021】
また、成形型5上に載置されたガラス板7は加熱部1Aのヒータ2によってガラス軟化温度(例えば550〜650℃)まで加熱されて軟化し、自重によって垂下する。そして、ガラス板7は成形型5の成形面6に沿って曲げ加工された湾曲状ガラス板8となる。このとき、湾曲状ガラス板8と成形型5とが接触する湾曲状ガラス板8の湾曲状曲面は、自動車用ガラス板の設計形状である規定曲面9をもったガラス板形状(後述するマスターガラス形状10)のガラス板を加熱したときに熱膨張によって変形した変形曲面11となっている。さらに、成形型5を冷却部1Bに搬入することによって、湾曲状ガラス板8は常温程度まで冷却されて固化し、自動車用ガラス板の設計形状である規定曲面9を有する成形ガラス板12に成形される。
【0022】
ここで、成形型5の上面に設けられる成形面6は、常温時には図4に示すようにマスターガラス形状10の規定曲面9よりも大きな曲率(深い凹湾曲状)の規定成形面6Aとなるが、加熱時には図5に示すように成形型5の熱膨張によって規定曲面9よりも小さな曲率(浅い凹湾曲状)の変形成形面6Bに変形する。そして、成形面6は加熱時の変形成形面6Bがマスターガラス形状10のガラス板を加熱したときに熱膨張によって変形した変形曲面11に略等しくなるように形成されている。このため、成形温度まで加熱された湾曲状ガラス板8は変形成形面6Bに沿って曲げ加工され、湾曲状ガラス板8と成形型5とが接触する湾曲状ガラス板8の湾曲面は変形曲面11にほぼ一致する。
【0023】
さらに、図5の加熱時から常温まで冷却されたときには図6に示すように、成形型5の成形面6は変形成形面6Bから規定成形面6Aに復元する。一方、湾曲状ガラス板8は、湾曲状ガラス板8の熱膨張率と成形型5の熱膨張率との差によって規定成形面6Aには沿わず、マスターガラス形状10と等しい形状の成形ガラス板12となる。
【0024】
本実施例によるガラス板の曲げ成形装置は、上述の如き構成を有するもので、成形型5を製造するときの製造方法について図8を参照しつつ説明する。
【0025】
まず、ステップ1による規定曲面設定工程において、加熱曲げ加工された後の常温での成形ガラス板12の規定曲面9を自動車用ガラス板の設計形状(マスターガラス形状10)から定める。
【0026】
次に、ステップ2による変形曲面設定工程では、湾曲状ガラス板8の形状を、規定曲面9を有するマスターガラス形状10、成形温度およびガラス板の熱膨張率等に基づき計算機を用いて算出し、マスターガラス形状10のガラス板を成形温度まで加熱したときに熱膨張によって変形した湾曲状ガラス板8の変形曲面11を定める。
【0027】
そして、ステップ3による変形成形面設定工程では、成形温度での成形型5の変形成形面6Bを変形曲面11に略等しくなるように定め、熱膨張によって変形した成形型5の形状を定める。
【0028】
さらに、ステップ4による規定成形面決定工程では、常温での成形型5の形状を、変形成形面6Bを有する成形型5の形状、成形温度および成形型5の熱膨張率等に基づき計算機を用いて算出し、常温での成形型5の規定成形面6Aを決定した上で、ガラス板の曲げ成形型を製造することができる。
【0029】
このようにして製造された成形型5は、図9に示すように、成形面13Aが規定曲面9と等しくなるように形成された従来の成形型13に対して成形型5の長さ方向両端側が例えば4.4mm程度の寸法Aだけ内側に収縮した形状に形成される。
【0030】
本実施例によるガラス板の曲げ加工装置は上述の如く構成されたものであり、次に上記構成からなる曲げ加工装置を用いて、ガラス板を曲げ加工する場合の加工動作について、図1を参照しつつ説明する。
【0031】
まず、平板状のガラス板7は成形型5に載置され、チェーンコンベア等(図示せず)を介して移動する台車4によって該成形型5と共に加熱炉1内の加熱部1Aに搬送される。加熱部1Aではヒータ2によってガラス板7がガラス軟化温度(550〜650℃)まで加熱されて軟化し、ガラス板7は自重によって垂下する。このとき、成形型5の成形面6は、成形型5の熱膨張によって規定成形面6Aから浅く湾曲した変形成形面6Bに変形する。そして、軟化したガラス板7は変形成形面6Bに沿って曲げ加工され、変形成形面6Bに略等しい変形曲面11をもつ湾曲状ガラス板8に成形される。
【0032】
次に、成形型5は湾曲状ガラス板8を載置した状態で加熱炉1内の冷却部1Bに搬送され、成形型5と湾曲状ガラス板8は常温程度まで冷却される。このとき、成形型5の成形面6は成形型5の収縮によって変形成形面6Bから規定成形面6Aに復元される。一方、湾曲状ガラス板8は成形型5の収縮途中で固化し、成形ガラス板12に成形される。ここで、成形ガラス板12は湾曲状ガラス板8の熱膨張率と成形型5の熱膨張率との差によって規定成形面6Aには沿わず、成形ガラス板12と成形型5との間に隙間が生じる。
【0033】
然るに、本実施例では、成形型5の変形成形面6Bを湾曲状ガラス板8の変形曲面11に略等しくなるように形成したから、成形温度での湾曲状ガラス板8はマスターガラス形状10のガラス板が熱膨張したときの形状とほぼ一致する。また、湾曲状ガラス板8を常温まで冷却したときに湾曲状ガラス板8は自動車用ガラス板の設計形状である規定曲面9をもった成形ガラス板12に成形される。
【0034】
このとき、成形ガラス板12は図7に示すように、湾曲状ガラス板8よりも深く湾曲した形状になり、マスターガラス形状10に対して例えば最大誤差が±0.3mm以内の形状に成形される。
【0035】
ここで、図10に示す比較例にあっては、従来から用いられている成形型13の成形面13Aを、規定曲面9と等しい凹湾曲状曲面で構成した場合を示している。この成形型13で曲げ加工された成形ガラス板14は、成形温度では成形型13の成形面13Aに沿った形状となるが、常温程度まで冷却したときには成形型13の熱膨張率とガラス板の熱膨張率との違いによって、成形面13Aには沿わず成形面13Aよりも浅く湾曲した形状に成形される。このため、成形ガラス板14の形状はマスターガラス形状10とは一致せず、規定曲面9を得ることができない。
【0036】
従って、従来用いられている成形型13で曲げ加工された成形ガラス板14では規定の曲率が得られないから、成形ガラス板14を自動車に組み付けるときの組付け適合性が低下する。これに対し、本実施例による成形型5は、成形型5の変形成形面6Bを湾曲状ガラス板8の変形曲面11に略等しくなるように形成したから、成形温度での湾曲状ガラス板8はマスターガラス形状10のガラス板が熱膨張したときの形状とほぼ一致し、湾曲状ガラス板8を常温まで冷却したときの成形ガラス板12はマスターガラス形状10と等しい形状になる。
【0037】
かくして、本実施例によれば、成形型5を加熱したときの変形成形面6Bとマスターガラス形状10のガラス板を加熱したときの変形曲面11とが略等しい湾曲状曲面となるように成形型5の成形面6を形成したから、平板状のガラス板7を変形成形面6Bに沿って曲げ加工でき、変形成形面6Bに略等しい変形曲面11をもった湾曲状ガラス板8を成形できると共に、湾曲状ガラス板8を冷却することによってマスターガラス形状10と等しい成形ガラス板12を成形することができる。従って、成形ガラス板12は自動車用ガラス板の設計形状である規定曲面9をもつから、外周縁付近で深く湾曲したガラス板を曲げ加工する場合でも、成形ガラス板12を自動車に組み付けるときの組付け適合性を向上できる。
【0038】
なお、前記実施例では、1枚のガラス板を加熱曲げ加工する場合を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限らず、合せガラス用の2枚のガラス板を同時に曲げ成形する場合にも適用することができる。
【0039】
また、前記実施例では、曲げ成形型としての成形型5は成形ガラス板の輪郭形状に構成するものとしたが、本発明はこれに限らず面状に構成した曲げ成形型でもよく、また、曲げ成形型に通常のたわみ曲げ技法では得られない鋭い湾曲を得るためにヒンジ付きの端部を設けてもよい。
【0040】
また、前記実施例では、曲げ成形型としての成形型5はステンレス等のようなガラス板よりも熱膨張率の大きな材料で形成するものとしたが、本発明はこれに限らず、例えばセラミックスのようなガラス板よりも熱膨張率の小さな材料によって曲げ成形型を形成してもよい。
【0041】
さらに、前記実施例では、ガラス板の曲げ成形をガラス板の軟化による自重曲げによって行っているが、ガラス板を水平状態あるいは上端を吊り治具によって支持しガラス板を垂下させた垂直状態で、加熱炉内に搬送させ、曲げ成形型を面状に構成してガラス板をプレス曲げ成形することもできる。
【0042】
【発明の効果】
以上詳述した如く、請求項1の発明によれば、ガラス板の曲げ成形装置に曲げ成形型を用い、曲げ成形型の成形面を、曲げ成形型が加熱による熱膨張によって変形した変形成形面と、常温で規定曲面を有するガラス板を加熱したときに熱膨張によって変形した変形曲面とが略等しい湾曲状曲面となるように形成したから、加熱したガラス板を変形成形面に沿って曲げ加工し、変形成形面に略等しい変形曲面をもったガラス板を成形できると共に、変形曲面をもったガラス板を冷却することによって規定曲面をもつ成形ガラス板を成形することができる。従って、曲げ成形装置によって確実に規定曲面をもつ成形ガラス板を曲げ成形できるから、成形ガラス板を自動車に組み付けるような場合でも、成形ガラス板の組付け適合性を向上できる。
【0043】
また、請求項2の発明によれば、曲げ成形型の成形面を、曲げ成形型が加熱による熱膨張によって変形した変形成形面と、常温で規定曲面を有するガラス板を加熱したときに熱膨張によって変形した変形曲面とが略等しい湾曲状曲面となるように形成したから、加熱したガラス板を変形成形面に沿って曲げ加工し、変形成形面に略等しい変形曲面をもったガラス板を成形できると共に、変形曲面をもったガラス板を冷却することによって規定曲面をもつ成形ガラス板を成形することができる。従って、曲げ成形型によって曲げ加工した成形ガラス板を自動車に組み付けるような場合でも、成形ガラス板の組付け適合性を向上できる。
【0044】
さらに、請求項3の発明によれば、成形ガラス板として加熱曲げ加工されるべき常温での規定曲面を設定した後に、ガラス板を加熱したときに熱膨張によって変形した変形曲面を設定し、さらに曲げ成形型を加熱したときに該曲げ成形型の熱膨張によって変形した変形成形面を前記ガラス板の変形曲面と略等しく設定した後に、曲げ成形型の熱膨張率に基づき該成形型の変形成形面から常温時の規定成形面を決定する製造方法を採用したから、曲げ成形型が加熱による熱膨張によって変形した変形成形面と、常温で所望の規定曲面を有するガラス板を加熱したときに熱膨張によって変形した変形曲面とが略等しくなるような常温時に規定成形面となる成形面を有した曲げ成形型を製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例による成形型が適用される曲げ加工装置の全体構成図である。
【図2】図1中の加熱炉内を示す縦断面図である。
【図3】本発明の実施例による成形型等を加熱炉内に配置した状態で示す図2中の矢示 III−III 方向からみた拡大断面図である。
【図4】加熱前のガラス板と成形型とを示す正面図である。
【図5】加熱時の成形温度での湾曲状ガラス板と成形型とを示す正面図である。
【図6】常温まで冷却した際の成形ガラス板と成形型とを示す正面図である。
【図7】本発明の実施例で成形された成形ガラス板と成形温度で加熱時の湾曲状ガラス板とを比較して示す正面図である。
【図8】本発明の実施例による製造工程を示す説明図である。
【図9】本発明の実施例による成形型と従来技術による成形型とを比較して示す正面図である。
【図10】比較例として従来技術による成形型と成形ガラス板とを示す正面図である。
【符号の説明】
1 加熱炉
5 成形型(曲げ成形型)
6 成形面
6A 規定成形面
6B 変形成形面
7 ガラス板
8 湾曲状ガラス板
9 規定曲面
10 マスターガラス形状
11 変形曲面
12 成形ガラス板
Claims (3)
- ガラス板を軟化点以上まで加熱する加熱炉と、ガラス板を載置する湾曲状を呈した成形面を有して、前記加熱炉内を搬送することによって成形面上でガラス板を曲げ成形する曲げ成形型とを備えたガラス板の曲げ成形装置において、
前記曲げ成形型は、ガラス板と異なる熱膨張率を有し、
前記曲げ成形型の成形面は、当該曲げ成形型が常温時の規定成形面から加熱による熱膨張によって変形した変形成形面と、常温で所望の規定曲面を有するガラス板が加熱されたときに熱膨張によって変形した変形曲面とが略等しい湾曲状曲面となるように形成されていることを特徴とするガラス板の曲げ成形装置。 - ガラス板を載置する湾曲状を呈した成形面を有し、成形面にガラス板を載置して加熱炉内を搬送させることによってガラス板を曲げ成形するガラス板の曲げ成形型であって、
前記曲げ成形型は、ガラス板と異なる熱膨張率を有し、
前記曲げ成形型の成形面は、当該曲げ成形型が常温時の規定成形面から加熱による熱膨張によって変形した変形成形面と、常温で所望の規定曲面を有するガラス板が加熱されたときに熱膨張によって変形した変形曲面とが略等しい湾曲状曲面となるように形成されていることを特徴とするガラス板の曲げ成形型。 - ガラス板を載置する湾曲状を呈した成形面を有し、成形面にガラス板を載置して加熱炉内を搬送させることによってガラス板を曲げ成形するガラス板の曲げ成形型の製造方法において、
前記曲げ成形型は、ガラス板と異なる熱膨張率を有し、
加熱曲げ加工された後の常温での成形ガラス板の規定曲面を設定する工程と、ガラス板が加熱されたときに熱膨張によって変形する前記規定曲面を有するガラス板の変形曲面を設定する工程と、曲げ成形型が加熱されたときに熱膨張によって変形する前記曲げ成形型の変形成形面を前記ガラス板の変形曲面と略等しく設定する工程と、曲げ成形型の熱膨張率に基づき該曲げ成形型の変形成形面から常温時の規定成形面を決定する工程とを有することを特徴とするガラス板の曲げ成形型の製造方法。
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