JPH1059071A - 車両用リヤビューミラー - Google Patents

車両用リヤビューミラー

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JPH1059071A
JPH1059071A JP24414896A JP24414896A JPH1059071A JP H1059071 A JPH1059071 A JP H1059071A JP 24414896 A JP24414896 A JP 24414896A JP 24414896 A JP24414896 A JP 24414896A JP H1059071 A JPH1059071 A JP H1059071A
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JP
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zone
normal
curvature
mirror
view
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JP24414896A
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English (en)
Inventor
Shoji Okano
尚司 岡野
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Sakae Riken Kogyo Co Ltd
Original Assignee
Sakae Riken Kogyo Co Ltd
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  • Rear-View Mirror Devices That Are Mounted On The Exterior Of The Vehicle (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 曲面の変化に無理の無い可変曲率ミラーを形
成する。 【解決手段】 ミラー本体1を、当該ミラー本体1の中
央部に設けられるものであって、一定の曲率半径(R)
を有する正規視野ゾーン11と、当該正規視野ゾーン1
1の側方部に、当該正規視野ゾーン11に連続して設け
られるものであって当該正規視野ゾーン11の曲率半径
(R)よりも小さな曲率半径(rA )を有する側方視野
拡大ゾーン12と、上記正規視野ゾーン11の下方部
に、当該正規視野ゾーン11に連続して設けられるもの
であって当該正規視野ゾーン11の曲率半径(R)より
も小さな曲率半径(rB )を有する下方視野拡大ゾーン
13と、これら両視野拡大ゾーン12、13の交叉部に
設けられる移行部ゾーン14と、からなるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用リヤビュー
ミラーに関するものであり、特に、その外側の側方部、
及び下方部に、法規上規定される正規視野ゾーンの外
に、当該正規視野ゾーンの鏡面部の曲率半径よりも小さ
な曲率半径を有する拡大視野ゾーンを設けるようにした
車両用リヤビューミラーに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来の、このような曲率半径の異なった
鏡面部を有する車両用リヤビューミラー(バックミラ
ー)としては、例えば実開昭62−118750号公
報、あるいは特開昭55−51637号公報記載のもの
の如く、ミラーの外方側面部において、または下方部に
おいて、その曲率半径を異ならせるようにしたもの等、
いずれか一つの方向においてのみ、その曲率半径を異な
らせるようにしたものが、そのほとんどである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来のも
のは、側方部のみ、あるいは下方部のみ等、いずれか一
方の方向(面)についてのみ、その視野拡大が可能であ
るにすぎなかった。ところで、最近の自動車、特に乗用
車等においては、車体の外側方に設けられるリヤビュー
ミラーが、サイドドアに取り付けられる、いわゆるドア
ミラータイプのものが主流となっている。この場合、ド
ライバにとっては、側方部の視野及び下方部の視野、特
に、後車輪位置付近の視野が不十分となるおそれがあ
る。このような問題点を解決するために、側方部の視野
拡大ゾーンを設けるようにするとともに、下方部の視野
拡大ゾーンをも設けるようにした車両用リヤビューミラ
ーを提供しようとするのが、本発明の目的(課題)であ
る。
【0004】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明においては、次のような手段を講ずることと
した。すなわち、請求項1記載の発明においては、凸面
鏡からなる車両用リヤビューミラーに関して、ミラー本
体の中央部に形成されるものであって所定の一定曲率半
径を有する正規視野ゾーンと、当該正規視野ゾーンの側
方部に、当該正規視野ゾーンに連続して設けられるもの
であって当該正規視野ゾーンの曲率半径よりも小さな曲
率半径を有する側方視野拡大ゾーンと、上記正規視野ゾ
ーンの下方部に、当該正規視野ゾーンに連続して設けら
れるものであって当該正規視野ゾーンの曲率半径よりも
小さな曲率半径を有する下方視野拡大ゾーンと、からな
り、これらが一枚の鏡面体(ミラー本体)にて一体的に
形成されるようにした構成を採ることとした。
【0005】このような構成を採ることにより、本発明
のものにおいては次のような作用を呈することとなる。
すなわち、まず、正規視野ゾーンによって、正規の後方
視界が確保されることとなる。これに加えて、更に、上
記正規視野ゾーンの外方側方部に設けられる側方視野拡
大ゾーンの働きにより、側方部の視野が拡大されること
となる。これによって、側方斜め後方から接近する車両
等の確認が出来るようになる。また、これら視野範囲に
加えて、更に、上記正規視野ゾーンの下方部に設けられ
た下方視野拡大ゾーンによって、後方下方部、特に、左
右後車輪周りの視野が拡大されることとなる。特に、こ
れら視野拡大ゾーンは、上記正規視野ゾーンに較べて、
その鏡面部の曲率半径が小さくなっているので、像は小
さくなるが、視野の範囲はより拡大されることとなる。
これによって、側方後方部あるいは下方後方部の視野拡
大が図られることとなり、安全性の向上が図られること
となる。
【0006】次に、請求項2記載の発明について説明す
る。このものも、その基本的な点は、上記請求項1記載
のものと同じである。その特徴とするところは、上記請
求項1記載のものに加えて、上記正規視野ゾーンと側方
視野拡大ゾーンとの境界線上における曲面(曲率)の変
化を、ミラー本体の上下幅方向における、その中心線
(緯線)上における断面部(図1のLL線上)において
のみ、その変曲点における法線方向を合致させるように
し、その他の部分においてはミラー本体の外郭形状を規
制することによって形成される自由曲面からなるように
するとともに、上記正規視野ゾーンと下方視野拡大ゾー
ンとの境界線上における曲面(曲率)の変化を、ミラー
本体の横幅方向における、その中心線(子午線)上にお
ける(図1のNN線上)においてのみ、その変曲点にお
ける法線方向を合致させるようにし、その他の部分にお
いてはミラー本体の外郭形状を規制することによって形
成される自由曲面からなるようにしたことである。
【0007】このような構成を採ることにより、本発明
のものにおいては、正規視野ゾーンから各視野拡大ゾー
ンへの曲面の変化が比較的円滑に行なわれることとな
る。すなわち、ミラー本体の上下幅方向の中心線上断面
部(図1のLL断面部)、及び横幅方向の中心線上断面
部(図1のNN断面部)における正規視野ゾーンから視
野拡大ゾーンへの曲率半径の変化は、図2及び図3に示
す如く、それぞれの変曲点(A点,B点)における法線
の方向が合致するようになっているので、これら両断面
部においては、像の極端な歪みの無い状態で視野の拡大
作用が行なわれることとなる。
【0008】このような状態において、一方、各視野拡
大ゾーンの上下あるいは左右の端部においては、正規視
野ゾーンを区画する区画線(図1のA線及びB線)の厚
み方向の値及びミラー本体の外郭線(図2及び図3にお
けるDの値)を規制することによって自然に決定される
自由曲面からなるようにしたので、本ミラー本体全体
(全面)の、その曲面変化(曲率変化)が円滑に得られ
るようになり、本ミラー本体の成形加工が円滑に行なわ
れることとなる。すなわち、ミラー本体全面にわたって
の極端な像の歪み等の発生が防止されるようになる。
【0009】また、このような構成からなるものにおい
て、側方視野拡大ゾーンと下方視野拡大ゾーンとの交叉
する部分、すなわち、移行部ゾーン(図1参照)につい
ては、その曲率半径が複雑に変化し、像の歪みも激しく
なるおそれがあるが、本来、この部分は、正規の視野が
得られなくとも良い部分であるので、像が乱れた状態の
ままであっても、特に問題は生じない。また、場合によ
っては、ミラー本体から、この部分(移行部ゾーン)を
削除するように外郭形状の成形をするか、あるいは、こ
の移行部ゾーンのところに適当なマスキング処理を施す
ことによって視野の生じないようにすることも考えられ
る。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の形態について、図
1ないし図6を基に説明する。本発明の実施の形態に関
する、その構成は、図1に示す如く、凸面鏡からなるも
のであって、一定の曲率半径(R)を有する正規視野ゾ
ーン11と、当該正規視野ゾーン11の一方の側方部
に、当該正規視野ゾーン11に連続して設けられるもの
であって上記正規視野ゾーン11の曲率半径(R)より
も小さな曲率半径(rA )を有する側方視野拡大ゾーン
12と、上記正規視野ゾーン11の下方部に、当該正規
視野ゾーン11に連続して設けられるものであって上記
正規視野ゾーン11の曲率半径(R)よりも小さな曲率
半径(rB )を有する下方視野拡大ゾーン13と、これ
ら両視野拡大ゾーン12、13の交叉する部分に形成さ
れる移行部ゾーン14と、からなることを基本とするも
のである。
【0011】このような基本構成において、上記正規視
野ゾーン11は、一定の曲率半径、例えばR=1400
mm程度の値を有するようになっているものであり、図4
及び図5に示す如く、ドライバ(運転者)が正規のドラ
イビングポジションを採った状態において、法規上規定
される所定範囲の視界(視野)θ1 、θ2 を確保するこ
とができるようになっているものである。
【0012】このような構成からなる正規視野ゾーン1
1に連続して設けられるものであって、図4に示すよう
な側方視野の拡大(α)を目的とした側方視野拡大ゾー
ン12は、図1及び図2に示す如く、上記正規視野ゾー
ン11に連続して設けられるものであって、本ミラー本
体1がサイドリヤビューミラーとして使用される場合に
おいて、上記正規視野ゾーン11の外方側方部に設けら
れるようになっているものである。そして、この外方側
方部の視野拡大を目的とした側方視野拡大ゾーン12
の、その基本的断面形態は、図2に示す如く、大きな曲
率半径(R)を有する正規視野ゾーン11に連続して設
けられるものであって、A点を変曲点として、それより
も小さな曲率半径(rA )を有するようになっているも
のである。
【0013】そして、この変曲点(A点)においては、
正規視野ゾーン11側の曲面の法線と、本側方視野拡大
ゾーン12側の曲面の法線とが合致するようになってい
るものである。これによって、曲面の変化が円滑にな
り、像の歪みが最小限の状態に抑えられることとなる。
なお、このような曲面(曲率)の変化の行なわれる部分
は、本側方視野拡大ゾーン12の中央部においてのみで
あり、本側方視野拡大ゾーン12について言えば、図1
のLL断面部においてである。その他の部分について
は、図1における正規視野ゾーン11を形成するA線及
びミラー本体1の外郭を形成する外郭線(外郭部)19
にて規制されるミラー厚み(DA )を特定することによ
って自然に形成される自由曲面からなるようにしている
ものである。このような曲面を形成させることによっ
て、ミラー本体1全体の曲面変化を円滑に成させしめ、
本リヤビューミラーが形成する像の歪みを最小限の状態
に抑えることとしている。
【0014】次に、上記正規視野ゾーン11の下方部に
形成される下方視野拡大ゾーン13について説明する。
この部分も、基本的には、上記側方視野拡大ゾーン12
と同じである。すなわち、本下方視野拡大ゾーン13
は、図1に示す如く、正規視野ゾーン11の下方部に、
当該正規視野ゾーン11を区画する区画線B線を介して
設けられるようになっているものである。そして、ドラ
イバがリヤビューミラーを見て後方部を視認するに際し
ては、図5に示す如く、正規視野ゾーン11にて確保さ
れる正規視野範囲(θ2 )に対して、更にβの値の拡大
範囲が得られるようになっているものである。
【0015】このような構成からなる下方視野拡大ゾー
ン13は、また、図3に示すような基本断面形態からな
るものである。すなわち、ミラー本体1の横幅方向の中
心線(子午線)上における断面部(図1のNN断面部)
において、大きな曲率半径(R)を有する正規視野ゾー
ン11に連続して形成されるとともに、図3のB点を変
曲点として、上記正規視野ゾーン11における曲率半径
(R)よりも小さな曲率半径(rB )を有するようにな
っているものである。そして、この変曲点(B点)にお
いては、正規視野ゾーン11側の曲面の法線と、本下方
視野拡大ゾーン13側における曲面の法線とが合致する
ようになっているものである。これによって曲面の変化
が円滑になり、像の歪みが最小限の状態に抑えられるこ
ととなる。なお、このような曲面(曲率)の変化の行な
われる部分は、本下方視野拡大ゾーン13の中央部にお
いてのみであり、本下方視野拡大ゾーン13について言
えば、図1のNN断面部においてである。その他の部分
については、図1における正規視野ゾーン11を区画す
るB線、及びミラー本体1の外郭を形成する外郭線19
にて規制されるミラー厚み(DB )を特定することによ
って自然に形成される自由曲面からなるようにしている
ものである。このような曲面を形成させることによっ
て、ミラー本体1全体の曲面変化を円滑に成させしめ、
本リヤビューミラーが形成する像の歪みを最小限の状態
に抑えることとしている。
【0016】次に、これら両視野拡大ゾーン12、13
の交叉する部分となる移行部ゾーン14は、正規視野ゾ
ーン11を区画するA線及びB線にて規制されるミラー
本体1の厚みと、本ミラー本体1の外郭線(外郭部)1
9にて規制される厚みとの間において、自然に形成され
る自由曲面からなるようにしたものである。従って、こ
の移行部ゾーン14においては、像の歪みも激しくな
り、明確な像は得られないかもしれないが、本来、この
部分(ゾーン)は、結像を必要としない部分であるの
で、場合によっては、ミラー本体1のトリミング時に、
この移行部ゾーン14を削除してしまうか、あるいは、
この部分に不透明なマスキング処理を施すことによっ
て、視野を得られないようにすることも考えられる。
【0017】次に、このような構成からなるミラー本体
1の製造に使われる型、特に、その下型について説明す
る。本下型9は、図6に示す如く、ミラー本体1の曲面
に合わせた状態で形成されるようになっているものであ
る。そして、ミラー本体1の正規視野ゾーン11に対応
する部分91については、図1の正規視野ゾーン11を
形成する曲率半径(R)、あるいは、それよりも若干小
さめの曲率半径(R’≦R)を有する曲面からなるよう
にする。そして、その範囲は、図1のA線及びB線にて
区画される範囲に対応させた9A線及び9B線にて区画
される域内とする。次に、上記正規視野ゾーン11に連
続して形成される側方視野拡大ゾーン12に対応する部
分92については、その中心部である9LL線上におい
て、図2に示す断面形状に対応させることとする。すな
わち、本下型9の9LL線上において、9A点を変曲点
とするとともに、当該側方視野拡大ゾーン12に対応す
る部分92の曲率半径(r’A )をミラー本体1側の側
方視野拡大ゾーン12の曲率半径(rA )と同等、若し
くはそれより若干小さめの値となるように設定する。す
なわち、r’A ≦rA となるようにする。また、図1の
下方視野拡大ゾーン13に対応する部分93について
も、同様に、その中心部に形成される9NN線上におい
て、図3に示す断面形状に対応させて、9B点を変曲点
とするようにするとともに、当該下方視野拡大ゾーン1
3に対応する部分93の曲率半径(r’B )をミラー本
体1側の曲率半径(rB )と同等、若しくはそれより若
干小さめの値となるように設定する。すなわち、r’B
≦rB となるようにする。
【0018】このように、それぞれのゾーン対応部の中
心断面部においては、それぞれの曲率半径(R’,r’
A ,r’B )を設定することとし、それ以外の部分にお
いては、ミラー本体1の外郭部(外郭線)19を形成す
るミラー本体1の厚み(D)の値に合致させるようにす
る。すなわち、ミラー本体1の外郭線19に対応させて
下型9の外郭線99を設定する。このような状態におい
て、曲率半径の規制されない部分は、本ミラー本体1の
成形時における本ミラー本体1の自然降下(重力降下)
によって生ずる自由曲面が形成されるのに十分な空間部
(逃げ部)を設けておくようにする。従って、このよう
な構成からなる下型9上に、ミラー本体1を形成するこ
ととなるガラス板材等を載せ(設置し)、更に、適宜方
法による加熱成形あるいはプレス成形等を施すことによ
って、図1に示すような正規視野ゾーン11、側方視野
拡大ゾーン12、下方視野拡大ゾーン13を有する可変
曲率のミラー本体1が形成されることとなる。
【0019】次に、このような構成からなる本実施の形
態のものについての、その作用等について説明する。す
なわち、図4及び図5に示す如く、正規視野ゾーン11
にて正規の後方視界(θ1 ,θ2 )が確保されることと
なる。これらに加えて、更に、図4に示す如く、上記正
規視野ゾーン11の外方側方部に設けられた側方視野拡
大ゾーン12の働きにより、側方部の視野(α)が拡大
されることとなる。これによって、側方斜め後方から接
近する車両等の確認が成されることとなる。また、これ
ら各視野範囲に加えて、更に、上記正規視野ゾーン11
の下方部に設けられた下方視野拡大ゾーン13によっ
て、図5に示す如く、後方下方部、特に左右後車輪周り
の視野(β)が拡大されることとなる。特に、これら視
野拡大ゾーン12、13は、上記正規視野ゾーン11に
較べて、その鏡面部の曲率半径(rA ,rB )が小さく
なっているので、像は小さくなるが、視野の範囲(α,
β)は、より拡大されることとなる。これによって、側
方後方部あるいは下方後方部の視野拡大が成されること
となり、安全性の向上が図られることとなる。
【0020】また、このような各視野拡大ゾーン12、
13の設定にあたっては、ミラー本体1の上下幅方向の
中心線上断面部(図1のLL断面部)、及び横幅方向の
中心線上断面部(図1のNN断面部)における正規視野
ゾーン11から各視野拡大ゾーン12、13への曲率半
径の変化を、図2及び図3に示す如く、それぞれの変曲
点(A点,B点)における法線方向を合致させた状態で
行なわせるようにしたので、これら両断面部において
は、像の極端な歪み等の生ずることが無くなる。そし
て、このような状態において、各視野拡大ゾーン12、
13の上下あるいは左右の端部においては、正規視野ゾ
ーン11を区画する区画線(図1のA線及びB線)の厚
み方向の値及びミラー本体1の外郭線19を規制するこ
とによって自然に決定される自由曲面からなるようにし
たので、本ミラー本体1全体(全面)における、その曲
面変化(曲率変化)が円滑に行なわれることとなる。従
って、本ミラー本体1の成形加工が円滑に行なわれるこ
ととなる。
【0021】また、このような構成からなるものにおい
て、側方視野拡大ゾーン12と下方視野拡大ゾーン13
との交叉する部分、すなわち、移行部ゾーン14につい
ては、その曲率半径が複雑に変化し、像の歪みも激しく
なるおそれがあるが、本来、この部分は、正規の視野が
得られなくとも良い部分であるので、像が乱れた状態の
ままであっても、特に問題は生じない。また、場合によ
っては、ミラー本体1から、この部分(移行部ゾーン1
4)を削除するように成形加工をするか、あるいは、こ
の移行部ゾーン14のところに適当なマスキング処理を
施すことによって視野の生じないようにすることも考え
られる。
【0022】このように、本実施の形態のものにおいて
は、ミラー本体1の中心線上の各断面部(LL線上,N
N線上)、更には、外郭線19上の位置(厚みD)のみ
を規制することとし、他の部分は、ミラー本体1の加熱
成形加工時における自然降下(重力降下)に基づく自由
曲面からなるようにしたので(図6参照)、ミラー本体
1全体の曲面変化が円滑に行なわれるようになるととも
に、可変曲率を有するミラー本体1の製造効率の向上が
図られることとなる。
【0023】
【発明の効果】本発明によれば、凸面鏡からなる車両用
リヤビューミラーに関して、ミラー本体の中央部に形成
されるものであって所定の一定曲率半径を有する正規視
野ゾーンと、当該正規視野ゾーンの側方部に、当該正規
視野ゾーンに連続して設けられるものであって当該正規
視野ゾーンの曲率半径よりも小さな曲率半径を有する側
方視野拡大ゾーンと、上記正規視野ゾーンの下方部に、
当該正規視野ゾーンに連続して設けられるものであって
当該正規視野ゾーンの曲率半径よりも小さな曲率半径を
有する下方視野拡大ゾーンと、からなり、これらが一枚
の鏡面体(ミラー本体)にて一体的に形成されるように
した構成を採ることとしたので、正規視野ゾーンにて正
規の後方視界が確保されることの外に、更に、側方視野
拡大ゾーン及び下方視野拡大ゾーンの働きにより、後方
部の視野範囲が拡大されるようになり、安全性の向上が
図られるようになった。
【0024】また、このような視野拡大ゾーンを有する
可変曲率型ミラーの形成に当っては、ミラー本体を、そ
の中心線上(LL線上,NN線上)における断面部及び
ミラー本体の外郭線上におけるミラー本体の厚み(D)
のみを規制することとし、その他の部分においては、ミ
ラー本体成形加工時における自然降下(重力降下)によ
って生ずる自由曲面からなるようにしたので、ミラー本
体全面における、その曲面変化(曲率変化)が円滑に得
られるようになり、像の極端な歪み等を生ずること無
く、可変曲率ミラーを得ることができるようになった。
また、これに対応するような下型を用いることによっ
て、可変曲率ミラーの製造を円滑に行なうことができる
ようになり、可変曲率ミラーの生産性の向上を図ること
ができるようになった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の全体構成を示す正面図である。
【図2】本発明にかかる側方視野拡大ゾーンの構成を示
す図であって、図1のLL断面図である。
【図3】本発明にかかる下方視野拡大ゾーンの構成を示
す図であって、図1のNN断面図である。
【図4】本発明にかかる側方視野拡大状態を示す平面図
である。
【図5】本発明にかかる下方視野拡大状態を示す立面図
である。
【図6】本発明にかかる可変曲率ミラーの製造に用いら
れる下型の構造を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 ミラー本体 11 正規視野ゾーン 12 側方視野拡大ゾーン 13 下方視野拡大ゾーン 14 移行部ゾーン 19 外郭線(外郭部) 9 下型 91 正規視野ゾーン対応部 92 側方視野拡大ゾーン対応部 93 下方視野拡大ゾーン対応部 99 外郭線対応部(下型外郭部)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 凸面鏡からなる車両用リヤビューミラー
    において、ミラー本体の中央部に形成されるものであっ
    て所定の一定曲率半径を有する正規視野ゾーンと、当該
    正規視野ゾーンの側方部に、当該正規視野ゾーンに連続
    して設けられるものであって当該正規視野ゾーンの曲率
    半径よりも小さな曲率半径を有する側方視野拡大ゾーン
    と、上記正規視野ゾーンの下方部に、当該正規視野ゾー
    ンに連続して設けられるものであって当該正規視野ゾー
    ンの曲率半径よりも小さな曲率半径を有する下方視野拡
    大ゾーンと、からなるとともに、これらが一枚の鏡面体
    (ミラー本体)にて一体的に形成されるようにしたこと
    を特徴とする車両用リヤビューミラー。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の車両用リヤビューミラー
    において、上記正規視野ゾーンと側方視野拡大ゾーンと
    の境界線上における曲率の変化を、ミラー本体の上下幅
    方向における、その中心線(緯線)上における断面部に
    おいてのみ、その変曲点における法線方向を合致させる
    ようにし、その他の部分においてはミラー本体の外郭形
    状を規制することによって形成される自由曲面からなる
    ようにするとともに、上記正規視野ゾーンと下方視野拡
    大ゾーンとの境界線上における曲率の変化を、ミラー本
    体の横幅方向における、その中心線(子午線)上におい
    てのみ、その変曲点における法線方向を合致させるよう
    にし、その他の部分においてはミラー本体の外郭形状を
    規制することによって形成される自由曲面からなるよう
    にしたことを特徴とする車両用リヤビューミラー。
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