JPH1058744A - 露光装置、露光方法および印刷装置 - Google Patents

露光装置、露光方法および印刷装置

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JPH1058744A
JPH1058744A JP22198996A JP22198996A JPH1058744A JP H1058744 A JPH1058744 A JP H1058744A JP 22198996 A JP22198996 A JP 22198996A JP 22198996 A JP22198996 A JP 22198996A JP H1058744 A JPH1058744 A JP H1058744A
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JP
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light emitting
emitting element
time
temperature
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JP22198996A
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English (en)
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Fumitaka Murayama
文孝 村山
Kuniyoshi Itou
郁義 伊東
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Cycolor System Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 サイカラーメディアなどの感光性のメディア
に対し、LEDなどの発光素子を用いて露光する露光装
置において、温度などによる露光条件の補正機能と、多
階調レベルを表現するために十分な分解能を発揮できる
露光装置を提供する。 【解決手段】 LED31に供給される電流値をダイナ
ミックに制御できる電力供給回路23と、LED31に
電力が供給されるタイミングを制御し露光時間を制御で
きるスイッチング回路22を設け、電力供給回路23を
制御してLED31の輝度をダイナミックに制御可能と
し、輝度を制御することによって温度や感光性用紙の感
度のばらつきなどの環境の変化に対する露光条件の補正
を行う。これにより、露光時間の制御は多階調制御に専
有できるので、多階調表現に十分な分解能を確保でき、
温度などの環境の変化に対して安定した高画質の印刷を
行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サイカラーメディ
アなどの感光性の用紙に画像を形成する印刷装置に用い
られる露光装置および露光方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】カラー写真やカラープリントを作成する
1つの方法として、感光性の用紙を露光して絵や文字と
いった画像を形成する方法がある。感光性の用紙には、
一枚の支持体に感色性の異なる感光乳剤を三層重ねて感
光材とした多層乳剤発色現象法を用いたものや、各乳剤
層に色素と現像主剤を含んだフィルムを用いて露光と同
時に現像できるようにしたものもある。また、サイカラ
ーメディアと称される発色物質とフォトイニシエータを
含んだマイクロカプセル(サイリス)を感光材として用
いたものがある。このサイカラーメディアは、薄いポリ
エステルなどの支持体の表面に非常に小さなサイリスが
無数にコーディングされており、これらに光を当ててサ
イリスを硬化あるいは軟化させることにより特定の色の
サイリスのみを活性化したのち、圧力をかけてつぶすこ
とにより所定の色の画像を形成することができるような
っている。他の感光性用紙においても、発色の原理は異
なるが、画像の色、あるいはその補色の光を照射して感
光性用紙を露光し、画像を形成する必要がある。
【0003】このような感光性用紙を露光する方法とし
ては、白色光をフィルターなどで3原色に分離して、そ
れぞれの原色で画像を形成したのち、これらを組み合わ
せて所定の色の画像あるいはその補色の画像を感光性用
紙の上に形成する方法が多く用いられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】近年、特開平5−21
1666号、あるいは特開平5−278260号公報に
開示されているように、赤、緑および青の光を発するL
EDやレーザーを発光源として用い、これらの発光源を
制御することにより感光性用紙上に所定の色の画像を合
成し露光する技術が開発されている。このような色別の
光源を採用することにより、発光源をコンパクトにで
き、さらに、色によって露光時間や輝度を制御すること
も可能となるので、色毎に露光特性の異なる感光材を備
えた感光性用紙に対して、色毎に適当な露光時間や輝度
を設定できる。従って、感光材の露光特性が色によって
異なっているメディアに対してもカラーバランスが良
く、色の歪みなども少ない画像を形成することができ
る。
【0005】現在、図1に示すようなLEDやレーザー
などの発光素子を用いた露光装置を備えた印刷装置10
が検討されている。この印刷装置10においては、露光
用ヘッド15がキャリッジ13に搭載され、このキャリ
ッジ13がシャフト12に沿って走査方向Xに動かされ
る。また、サイカラーメディアなどの感光性用紙は、紙
送りローラー11によって所定の方向Yに紙送りされ
る。このため、露光用ヘッド15の発光素子に対し感光
性用紙全体が相対的に動かされ、感光性用紙全体が露光
用ヘッド15のLEDあるいはレーザーからの光によっ
て露光され画像が形成される。
【0006】図2に、LEDが搭載された露光用ヘッド
15の構成例を、赤色(R)のLED31の周辺の構成
を例に示してある。この露光用ヘッド15においては、
1つの色当たりに4個のLED31を用いた発光源21
によって露光するようになっており、この発光源21の
それぞれのLED31が電力供給回路23から電力の供
給を受けて発光し、スイッチング回路22によってLE
D31の発光時間(露光時間)が制御できるようになっ
ている。電力供給回路23は、定電圧電源34と、それ
ぞれのLED31毎に供給される電力をLED31毎の
輝度に合わせて設定する半固定抵抗33を備えており、
これらの半固定抵抗33を工場組立時あるいは出荷直前
に調整して出荷時の赤色(R)、緑色(G)および青
(B)の各発光源の輝度が所定の値になるようにしてい
る。LEDは固体差が大きく、発光光量(輝度)のばら
つきが大きい。また、感光性用紙は、波長によって感度
が異なる。従って、LEDのばらつきや波長による感光
性用紙の基礎的な特性に合わせてそれぞれのLEDに供
給される電力を設定しておく必要がある。
【0007】また、スイッチング回路22は、各LED
31毎にトランジスタスイッチ32が設けられており、
画素の階調情報に基づきCPU25がタイミング発生回
路24を制御し、このタイミング発生回路24からの信
号によってトランジスタスイッチ32がオン・オフされ
るようになっている。このタイミング発生回路24から
の信号によって各LED31に電力が供給される時間が
制御されるので、感光性用紙に対する露光時間を各色お
よび各LED31毎に制御できる。
【0008】この露光用ヘッド15は、簡単な回路構成
でありながら、半固定抵抗を用いて各々のLEDの固体
差を吸収することが可能であり、露光の対象となる感光
性用紙の基礎的特性に合わせて初期設定することができ
る。しかしながら、LEDの順方向電圧やトランジスタ
スイッチのコレクタ・エミッタ間電圧が温度によって変
化するので、露光用ヘッド15の使用状況や室温の変化
によってLEDに供給されるドライブ電流の値が変化し
てしまう。この結果、使用状況によって色調が変わった
り色むらが発生するなどの問題が起きやすい。
【0009】図3に、LEDが搭載された露光用ヘッド
15の異なった構成例を示してある。この露光用ヘッド
15は、電力供給回路23に発光源21のそれぞれのL
ED31に対応した定電流回路35を設け、この定電流
回路35から個々のLED31に供給される電流の設定
値を半固定抵抗33で初期セットできるようにしてい
る。従って、使用状況によって温度が変化してもLED
31には一定の電流が供給されるので、比較的安定した
色調の画像を得ることができる。
【0010】しかしながら、図3に示した露光用ヘッド
15においても、LEDの個数分の半固定抵抗を設け、
これらの半固定抵抗を工場出荷時などの初期セット時に
調整する必要がある。また、半固定抵抗は、一度調整す
ると変更することは不可能であり、温度変化による輝度
の変動、感光性用紙の感度のばらつき、感光性用紙の温
度による感度の変化、さらに、ユーザーの好みによる明
るさや色調の変更などを電力供給回路23の側で行うこ
とは不可能である。このため、印刷装置の使用中にLE
Dの輝度調整が必要になる場合は、スイッチング回路2
2の制御を用いてLEDの露光時間を変更することが必
要になる。
【0011】LEDの露光時間はスイッチング回路22
によって制御されており、このスイッチング回路22、
およびCPU25、タイミング発生回路24は階調制御
を行うために256〜1024程度の分解能を備えた制
御機構が用いられている。このため、スイッチング回路
によって輝度調整を行うためには、さらに分解能の高い
制御機構を採用する必要があり、非常に高価になってし
まう。また、輝度調整のために1ドットの露光サイクル
当たりの露光時間が短くなると、階調制御のために十分
な時間軸方向の分解能が取れなくなり、十分な階調表現
が得られるなくなってしまう。この結果、温度や感光性
用紙の感度などによって画像の解像度が低下したり、所
望のカラー表現ができないなどの問題が発生する。
【0012】そこで、本発明においては、LEDなどの
発光素子に対する温度や感光性用紙の感度などの環境状
態に変化による補正を簡単に何時でも行うことが可能で
あり、さらに、十分な階調表現の得られる露光装置、露
光方法および印刷装置を安価に提供することを目的とし
ている。さらに、発光素子の初期セットを簡易な構成の
回路で簡単に行え、工場出荷後であってもユーザーなど
が発光素子の露光条件の更正を簡単に行うことができる
露光装置および露光方法を提供することを目的としてい
る。
【0013】
【課題を解決するための手段】このため、本発明におい
ては、発光素子に供給される電流を制御してダイナミッ
クに変更可能な電流制御手段と、露光時間を制御してダ
イナミックに変更可能な時間制御手段を設け、これらの
一方により階調表示を行い、他方で環境変化による露光
条件の補正を行うようにしている。これにより、階調表
現に必要な分解能を減ずることなく温度や感光性用紙の
感度のばらつきに対する補正も行うことができる。すな
わち、本発明の露光装置は、感光性用紙を露光するため
の光を出射する発光素子と、この発光素子に供給される
電流を制御可能な電流制御手段と、発光素子による露光
時間を制御可能な時間制御手段とを有し、電流制御手段
および時間制御手段のいずれか一方の手段により感光性
用紙に形成する画像の階調表示を行い、他方の手段によ
り露光時の環境変化に伴い露光条件を補正することを特
徴としている。現状では、スイッチング制御により時間
制御手段の方が高い分解能が得られるので、時間制御手
段により階調表示を行い、電流制御手段により補正を行
うことが望ましい。このように印刷環境による補正を階
調表示と分けて制御できるようにすることにより、階調
表示を行う時間制御手段に対する負荷が小さくなるので
回路的にも簡易な回路を使用することができるので、時
間制御手段を安価に構成することが可能になる。
【0014】LEDや半導体レーザーなどの発光素子に
供給する電流を制御可能とし、ダイナミックに変更でき
るようにすることにより、発光素子の輝度をダイナミッ
クに調整することができる。従って、温度の変化による
発光素子の特性の変化を補正することができ、また、感
光性用紙のロット毎の感度のばらつきや温度変化による
感度の変化に対しても発光素子の輝度を調整することに
よって対処することができる。さらに、ユーザーの好み
による明るさの変更や色調の変更も発光素子の輝度を制
御することによって対応できる。このように、印刷環境
の変化によって補正が必要になる露光条件は全て発光素
子の輝度をダイナミックに変更することによって調整で
きるので、露光時間は階調情報に基づき制御するだけで
良い。従って、階調表現をするために必要な階調制御の
時間を十分に確保することができるので、分解能が圧迫
されずに高い分解能を確保することができる。このた
め、本発明の露光装置を用いることにより、時間制御手
段の分解度を画像データを再生するために必要とされる
以上に高解像度にする必要はなく、小型で簡易な時間制
御手段を用いて画像品質が高く、多階調表現された画像
を印刷できる小型の露光装置および印刷装置を安価に提
供できる。
【0015】電流制御手段において発光素子近傍の温度
による補正を行う場合は、電流制御手段から発光素子に
供給する電流値を変更可能な設定値制御手段と、発光素
子の近傍の温度を検出する温度検出手段と、発光素子の
輝度を更正したときの電流値および温度に係るデータを
記憶可能な記憶手段とを設け、設定値制御手段によっ
て、記憶手段のデータと温度検出手段によって検出され
た温度に基づき電流制御手段の電流値を制御するように
すれば良い。また、感光性用紙の感度情報を入力可能な
手段を設け、設定値制御手段において感度情報によって
電流値をさらに補正することにより、感光性用紙の感度
のばらつきに対し露光条件を補正することができる。ま
た、更正したときの電流の設定値および温度を記憶手段
に記憶できるようにしてあるので、露光条件の初期セッ
トを簡単に行うことができ、また、使用中に露光条件を
更正することも簡単に行える。
【0016】このような露光装置においては、以下の工
程を備えた露光方法により露光条件の補正と階調制御を
行うことができる。
【0017】1.発光素子の近傍を温度を検出する。
【0018】2.発光素子の輝度を更正したときの温度
と上記の第1の工程で検出した温度を比較し、更正した
ときに発光素子に供給した電流値に基づき露光時に発光
素子に供給する電流値を設定する。
【0019】3.画像の階調情報に基づき発光素子の露
光時間を決定する。
【0020】4.設定された電流値の電流を露光時間に
基づき発光素子に供給して感光性用紙を露光する。
【0021】このような露光方法は、論理回路としてハ
ードウェア的に提供することも可能であり、また、マイ
クロコンピュータなどを制御するソフトウェアとしてR
OMなどのコンピュータに読み取り可能な媒体に収納し
て提供することも可能である。
【0022】このように、本発明の露光装置は、温度や
感光性用紙の感度のばらつきなどの環境の変化による露
光条件の補正がダイナミックに行え、さらに、階調制御
のために必要な分解能も確保できるので、本発明の露光
装置と、感光性用紙に対し発光素子を相対的に動かす送
り手段とを備えた印刷装置により、温度や感光性用紙の
感度のばらつきに影響されない安定した品質の高いカラ
ー画像を印刷できる小型の印刷装置を安価に提供するこ
とができる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下に図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。図4に、本発明に係るの印刷装置
10をブロック図を用いて示してある。本例の印刷装置
(プリンター)10の概略構成は図1に示した印刷装置
と同様であり、露光用ヘッド15がキャリッジ13に搭
載されて感光性のメディア1に対し走査方向Xに移動
し、メディア1が走査方向Xに直交する方向Yに紙送り
されるので、メディア1全体に画像を形成できるように
なっている。本例のプリンター10は、中央制御装置で
あるCPU25によって全体が制御されるようになって
おり、CPU25の制御の下に感光性の印刷用紙(メデ
ィア)1の各々のドットを露光する露光周期に合わせて
露光用ヘッド15およびメディア1を移動できるように
なっている。このような制御を行うために、CPU25
は、紙送りローラー11を紙送り制御部17を介して制
御する機能と、キャリッジ13をシャフト12に沿って
走査方向Xに往復動するキャリッジモーター14をキャ
リッジ制御部18を介して制御する機能とを備えてい
る。また、CPU25は、バッファ19を介してパソコ
ンなどのホスト側の機器から階調データなどを含んだ画
像データを受信し、この画像データに基づき露光用ヘッ
ド15を制御しメディア1を露光する機能を備えてい
る。
【0024】本例の露光装置20は、発光素子としてL
ED31を採用しており、3色(赤(R)、緑(G)お
よび青(B))のLED31を、それぞれの色毎に複数
個(本例では4個づつ)用いた光源部29R、29Gお
よび29Bを備えている。これらの光源部29R、29
Gおよび29Bは、同一の構成であるので、以下におい
ては赤色の光源部29Rを代表して説明する。光源部2
9Rは、4つのLED31を発光素子として用いた発光
源21と、これらのLED31に供給される電流を制御
する電流制御機能を備えた電力供給回路23と、LED
31に通電する時間を制御することにより露光時間を制
御する時間制御機能を備えたスイッチング回路22を備
えている。スイッチング回路22は、それぞれのLED
31のオン・オフを行うためのトランジスタスイッチ3
2を備えており、本例においては、npn型のトランジ
スタスイッチ32のコレクタ側をLED31に接続し、
エミッタ側をエミッタ抵抗36を介して接地してある。
そして、このトランジスタスイッチ32のベース側には
タイミング発生回路24からオン・オフのタイミングを
制御するタイミング信号が供給されている。このタイミ
ング信号はオン時にはオープンコレクタとなり、オフ時
には接地側に接続されて低電位となる信号である。
【0025】LED31に供給される電力を制御する電
力供給回路23は、CPU25からデジタル信号によっ
て供給された設定値Dsをアナログの電圧信号に変換す
るD/Aコンバータ39と、このD/Aコンバータ39
から供給された設定電圧Vsにトランジスタスイッチ3
2のベース側の電位を保持するためのオペアンプ38
と、トランジスタスイッチ32を制御する際に流れる電
流を制限するためのプルアップ抵抗37を備えている。
このような本例の光源部29Rにおいては、タイミング
発生回路24からのタイミング信号がオープンコレクタ
となると、トランジスタスイッチ32のベース側の電位
がD/Aコンバータ39から供給された設定電圧Vsに
よって上昇しトランジスタスイッチ32がオンする。従
って、LED31が発光する。エミッタ抵抗36の電圧
降下によって発生する電位が設定電圧Vsに達するまで
トランジスタスイッチ32を通過する電流、すなわち、
LED31に供給される電流は増加し、設定電圧Vsに
達するとその電流値が保持される。一方、タイミング信
号が接地電位になると、トランジスタスイッチ32のベ
ース側の電位が低下し、トランジスタスイッチ32がオ
フとなる。このため、LED31に電力が供給されなく
なるのでLED31は消灯する。このように、タイミン
グ信号を制御することにより、LED31のオン・オフ
のタイミングを制御し、LED31が発光してメディア
1に対して露光を行う露光時間を制御することができ
る。
【0026】本例の光源部29Rにおいては、それぞれ
のLED31の点灯時間、すなわち、露光時間をタイミ
ング発生回路から供給されるタイミング信号によって制
御することができ、他の光源部29Gおよび29Bにお
いても同様である。さらに、本例の光源部29R、29
Gおよび29Bにおいては、LED31の点灯中は設定
電圧Vsによって決定される一定の値Isの電流がLE
D31に流れ、設定電圧Vsを変えることによって電流
値Isを自由に制御することができる。この設定電圧V
sは、CPU25から供給されるデジタル値Dsによっ
て設定される。従って、本例の露光装置20において
は、LED31に供給される電流の値をCPU25から
供給されるデジタルの設定値Dsによって制御すること
が可能である。さらに、図示してあるように、本例の露
光装置20においては、それぞれの光源部29R、29
Gおよび29Bに対して、CPU25から別々にデジタ
ルの設定値Dsを供給できるようになっており、それぞ
れの光源部29R、29Gおよび29BのLED31に
供給される電流値をダイナミックに制御できるようにな
っている。
【0027】本例の露光装置20は、これらの光源部2
9R、29Gおよび29Bに加え、上述したようにそれ
ぞれの光源部29R、29Gおよび29BのLED31
の発光時間を制御するためのタイミング発生回路24を
備えている。このタイミング発生回路24には、バッフ
ァ19に入力された画像データに基づきCPU25から
色および階調に関する信号が供給され、その色および階
調表示に適した露光時間のタイミングで、それぞれの光
源部29R、29Gおよび29Bのスイッチング回路2
2を構成する各々のトランジスタスイッチ32を制御す
るタイミング信号が出力される。本例の露光装置20に
おいては、光源部29R、29Gおよび29B、および
タイミング発生回路24が露光用ヘッド15に搭載され
ており、これらに対しCPU25から色および階調に関
する信号と、光源部29R、29Gおよび29Bに供給
される電流値を制御する設定値Dsがフレキシブルケー
ブルなどを介して供給されるようになっている。
【0028】本例の露光装置20は、さらに、露光用ヘ
ッド15内の温度を検出する温度センサー28と、更正
時のデータや温度補正を行うための温度係数テーブルが
収納された記憶部(EE−PROM)27を有してお
り、これらに対しCPU25が随時アクセスできるよう
になっている。EE−PROM(以下においてはRO
M)27には、発光源のLED31の輝度を更正した時
の温度および、その時に各光源部29R、29Gおよび
29Bに供給された電流値に対応する設定値Dsが記憶
されている。このため、CPU25は、温度センサー2
8によって検出された温度を更正時の温度と比較し、更
正時の設定値Dsを温度係数テーブルの値に従って補正
することにより、露光用ヘッド15の内部温度に適した
設定値Dsを算出して各々の光源部29R、29Gおよ
び29Bに供給できるようになっている。
【0029】さらに、本例の露光装置20は、バッファ
19を介してホスト側から感光性用紙の感度のばらつき
に関するデータや、ユーザーの好みの画像の明るさなど
のデータを受信し、そのデータでEE−PROM27の
内部のデータを更新し保持できるようになっている。従
って、露光用ヘッド15の内部温度に基づき算出した設
定値Dsを、さらに、感光性用紙の感度のばらつきや画
像の明るさなどの印刷環境上の条件でさらに調整し、こ
れらのファクターも含めて最終的に算出された設定値D
sを各光源部29R、29Gおよび29Bに供給するこ
とができる。感光性用紙の感度のばらつきなどのデータ
は、ホスト側から提供される他に、プリンター10に直
に入力するようにすることも可能であるし、また、感光
性用紙にバーコードなどを用いて感度のばらつきなどを
示すデータを付記しておき、露光する際にデータを読み
取ってプリンター10の内部で自動的に設定値Dsを調
整するようにすることももちろん可能である。このよう
に、本例の露光装置20は、設定値Dsを調整すること
により、LED31の固体差、感光性用紙の基本特性へ
の対応、露光用ヘッド15の温度によるLED31の輝
度の変化を加味した補正ができ、さらに、感光性用紙の
感度のばらつきやユーザーの好みによる印刷画像の明る
さ、あるいは色調などの要因による補正も行える。この
ため、タイミング発生回路24から供給されるタイミン
グ信号は、階調表現を行うために露光サイクルをフルに
活用することができ、分解能の高い信号をスイッチング
回路22のトランジスタスイッチ32に供給できる。従
って、本例の露光装置20を用いることにより、多階調
で高画質の画像を得ることができる。また、スイッチン
グ回路22、タイミング発生回路24およびCPU25
などは、露光時間を制御することにより画像データに従
った階調表現を行えば良いので、256〜1024の階
調表示に合致した解像度のデータを取り扱う機構のもの
で良く、温度などの印刷環境を加味したさらに解像度の
高い機構は不要となる。従って、多階調で高画質のカラ
ープリントが可能な露光装置20およびプリンター10
を小型化でき、安価に提供することができる。
【0030】図5に、本例の露光装置20における処理
をフローチャートを用いて示してある。本例の露光装置
20は、上述したように、ステップ51において、温度
センサー28を用いて露光用ヘッド15のLED31の
近傍の温度を検出する。LED31の順方向電圧やスイ
ッチング回路に用いているトランジスタスイッチ32の
コレクタ・エミッタ間電圧は温度によって変化する。従
って、LED31の輝度を一定に保つためには、温度に
よってLED31に供給される電流値をダイナミックに
制御することが必要であり、また、電流値を制御する際
にトランジスタスイッチ32の温度特性の変化も考慮に
入れることが望ましい。このため、ステップ51で検出
した温度を、本例の露光装置20においては、ステップ
52で、EE−PROM27に記憶された更正時の温度
と比較する。EE−PROM27には、更正時との温度
差と、その温度差によって電流値(本例においては電圧
供給回路23に供給する設定値Ds)を補正する係数が
対応づけられた温度係数テーブルが記憶されている。本
例の露光装置20は、ステップ52において計測された
温度を比較すると共に、更正時の設定値Dsを温度係数
テーブルの値で補間し、温度差が補正された設定値Ds
を算出する。
【0031】温度差が補正された設定値Dsに対し、本
例の露光装置20は、さらに、ステップ53において、
感光性用紙の感度のばらつきや画像の明るさなどの条件
によってさらに補正された設定値Dsを算出する。本例
の露光装置20は、ステップ52および53において、
温度、感光性用紙の感度のばらつきあるいはユーザーの
好みといった露光装置20の環境の変化によって設定値
Dsを制御することができる。本例の露光装置20は設
定値DsによってLED31に供給される電流の値を自
由に制御できるので、LED31の輝度を制御すること
で印刷環境の変化に基づいてLEDなどの発光素子によ
る露光条件を補正することができる。
【0032】次に、ステップ54において、露光する画
素の階調情報に基づき露光時間が設定され、ステップ5
5において、その露光時間に基づきタイミング発生回路
24からLED31を発光あるいは消灯するタイミング
信号がスイッチング回路32に対し供給される。従っ
て、スイッチング回路22のトランジスタスイッチ32
がオンし、上記のステップにて設定された設定値Dsに
基づく所定の値の電流がそれぞれのLED31に供給さ
れ露光が行われる。露光が終了すると、ステップ51に
戻って再度温度を検出する。
【0033】このように、図2および図3に基づき先に
説明した半固定抵抗を用いてLEDの初期設定を行う印
刷装置においては、温度などの印刷環境の変化に輝度調
整できないのに対し、本例の露光装置、および上記の露
光方法においては、露光用ヘッド15の内部温度の変動
や感光性用紙の交換などによって、それに適した設定値
Dsを算出することが可能であり、この設定値Dsを介
してLED31に供給される電流値をダイナミックに制
御することができる。このため、印刷環境の変化に対し
て輝度を調整することで対応できるので、露光のタイミ
ングを変えなくとも、様々な印刷環境下で安定した高画
質の画像を印刷することができる。
【0034】本例の露光装置20においては、各光源部
29R、29Gおよび29Bに供給される設定値Dsが
EE−PROM27に記憶された更正時の設定値Dsを
基準として算出される。更正時の設定値Dsは、プリン
ターの製造過程においてLED31の輝度調整を行うこ
とによって求められる。その1つは、輝度測定装置によ
ってLED各色の4個のLED31のトータルの輝度を
測定し、その輝度をCPUにフィードバックすることに
より、予め設定された所定の光量(輝度)となる各色毎
の設定値Dsを求める方法である。そして、所定の光量
が得られたときの各色毎の設定値Dsと温度をEE−P
ROM27に書き込んで更正作業を終了する。
【0035】第2の方法は、感光性材料を用いたもので
あり、以下の手順で行われる。
【0036】1.D/Aコンバーター39に供給される
設定値Dsを適当な値(例えば中間値)にセットする。
【0037】2.各色のグレースケールのプリントを行
う。
【0038】3.プリント結果を反射濃度計で測定し各
色が適正濃度になっているグレーレベルを読み取る。
【0039】4.反射濃度計で測定された値から設定値
Dsの適正値を算出し、セットしなおす。
【0040】5.再び、各色のグレースケールをプリン
トし、その濃度を計測する。
【0041】6.上記4および5のステップを適正な濃
度が得られるまで繰り返し、適正な濃度が得られたらそ
の設定値Dsと温度(露光用ヘッド内の)をEE−PR
OM27に書き込む。
【0042】上記の第2の方法で更正したときは、さら
に、使用した感光性用紙の感度に関するデータもEE−
PROM27に書き込む。EE−PROM27に書き込
まれる設定値Dsのデータは、更正時の温度や感光性用
紙の感度のばらつきが含まれた値であってもよく、ある
いは、所定の温度および感光性用紙の感度に規格化した
値を書き込むことも可能である。このように、本例の露
光装置20は、CPU制御によるデジタル補正で輝度の
調整ができるので、更正作業を全自動化することも可能
であり、従来のような半固定抵抗による煩雑な作業を省
くことができる。さらに、更正作業も含めてプリンター
の組立作業を自動化することが可能となるので、本発明
により、コストダウンに大きく貢献することができる。
【0043】本例の露光装置20においては、LEDの
特性を調整するために半固定抵抗を調整するのではな
く、更正時のデータが書換えできるEE−PROM27
に格納される。従って、工場内にかぎらず市販された後
にユーザーが自ら更正するとも可能である。例えば、プ
リンター10をパソコンに接続し、バッファ19を介し
て更正用のプログラムによってプリンター10を制御す
ることが可能である。そして、例えば、上記の第2の方
法を用いる場合は、更正用の感光性用紙を露光して基準
濃度と比較しながら色毎の設定値Dsを変え、所定の濃
度が得られたときにEE−PROM27に収納された設
定値Dsなどのデータを書き換えるように指示をだすこ
とができる。また、同様の方法で、ユーザーの好みの色
や色調がでるようにEE−PROM27の設定値Dsを
書き換えることも可能である。そして、更正が済むと、
更新された更正時の設定値Dsや温度を基に、露光時の
露光用ヘッド15内の温度や露光対象となる感光性用紙
の感度、さらに、ユーザーの好みを加味して、その露光
時に適当な設定値Dsをダイナミックに算出し、各光源
部29R〜29Bの露光条件を制御することができる。
【0044】なお、上記にて説明した電力供給回路およ
びスイッチング回路は1つのトランジスタスイッチを用
いて定電流制御とオンオフのタイミング制御を可能にし
た小型で安価な回路例であるが、上述した回路に限定さ
れないことはもちろんである。CPUからの設定値に対
応した所定の電流をLEDに供給する機能を備えた電力
供給回路は、例えば、PWM制御などの他の制御方法に
よって構成することも可能である。また、スイッチング
回路はMOSなどの他のスイッチング素子を用いて構成
することももちろん可能であり、本発明においては、画
像の階調レベルに合った解像度のスイッチング回路を用
いて十分な品質の高い画像を得ることができる。さら
に、本例の露光用ヘッドは1色あたり、4つのLEDを
備えた発光源を採用しているが、LEDの数が4つに限
られないことは勿論であるし、LEDに代わり半導体レ
ーザーなどの他の発光素子を用いることも可能である。
【0045】また、本例の露光装置および露光方法は、
図1に示した露光用ヘッドが移動するタイプの印刷装置
に限らず、LEDなどの発光素子を印刷用紙の幅方向に
アレイ状に配置した印刷装置など、発光素子を用いた全
ての印刷装置に適用できることはもちろんである。そし
て、発光素子に対し相対的に印刷用紙を移動できる手段
を設けることにより印刷用紙に安定した高画質の画像を
形成できる小型で信頼性の高い印刷装置を安価に提供す
ることができる。
【0046】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明において
は、LEDなどの発光素子に供給される電流を制御して
ダイナミックに変更可能な電流制御機能を備えた電力供
給回路と、露光時間を制御して発光のタイミングをダイ
ナミックに変更可能な時間制御機能を備えたタイミング
発生回路とを備えており、タイミング発生回路を用いて
階調制御を行い、電力供給回路を用いた輝度調整によっ
て温度などの環境変化による露光条件の補正を行えるよ
うにしている。従って、階調制御の側に負担をかけずに
温度や感光性用紙の感度のばらつきに対する補正も行え
るので、異なった温度や感光性用紙の印刷環境下でも最
適な条件で露光ができる。さらに、階調制御の側に温度
などの補正の負担がかからないので、階調表現を損ねる
ことなく感光材の温度特性の補正やロット間のばらつき
などの補正を行うことができ、多階調で分解能が高く品
質の良い印刷を行うことができる。
【0047】また、本発明の露光装置は、CPU制御に
よるデジタル補正とすることができるので、半固定抵抗
による煩雑な調整を無くすことが可能であり、製造ライ
ンでの露光装置の更正も含めて全自動化することがで
き、製造コストを大幅に低減することも可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】LEDを発光素子として用いて感光性用紙を露
光する印刷装置の概略構成を模式的に示す図である。
【図2】LEDの輝度のばらつきを調整する機能を備え
た露光装置の一例を示す図である。
【図3】LEDの輝度のばらつきを調整する機能を備え
た露光装置の異なる例を示す図である。
【図4】本発明に係る印刷装置の概略構成を示すブロッ
ク図である。
【図5】本発明の露光方法を示すフローチャートであ
る。
【符号の説明】
1・・感光性メディア 10・・印刷装置 11・・紙送りローラー 12・・シャフト 13・・キャリッジ 14・・キャリッジモーター 15・・露光用ヘッド 17・・紙送り制御部 18・・キャリッジ制御部 19・・バッファ 20・・露光装置 21・・発光部 22・・スイッチング回路 23・・電力供給回路 24・・タイミング発生回路 25・・CPU 27・・EE−PROM 28・・温度センサー 29・・光源部 31・・LED 32・・トランジスタスイッチ 36・・エミッタ抵抗 37・・プルアップ抵抗 38・・オペアンプ 39・・D/Aコンバータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H04N 1/036 1/407

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 感光性用紙を露光するための光を出射す
    る発光素子と、 この発光素子に供給される電流を制御可能な電流制御手
    段と、 前記発光素子による露光時間を制御可能な時間制御手段
    とを有し、 前記電流制御手段および時間制御手段のいずれか一方の
    手段により前記感光性用紙に形成する画像の階調表示を
    行い、他方の手段により露光時の環境変化に伴う露光条
    件を補正することを特徴とする露光装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、前記時間制御手段に
    より前記階調表示を行い、前記電流制御手段により前記
    補正を行うことを特徴とする露光装置。
  3. 【請求項3】 請求項2において、前記電流制御手段か
    ら前記発光素子に供給される電流値を変更可能な設定値
    制御手段と、 前記発光素子の近傍の温度を検出する温度検出手段と、 前記発光素子の輝度を更正したときの前記電流値および
    温度に係るデータを記憶可能な記憶手段とを有し、 前記設定値制御手段は、前記記憶手段のデータと、温度
    検出手段によって検出された温度に基づき前記電流値を
    制御することを特徴とする露光装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、前記感光性用紙の感
    度情報を入力可能な手段を有し、 前記設定値制御手段は、前記感度情報によって前記設定
    値を補正することを特徴とする露光装置。
  5. 【請求項5】 感光性用紙を発光素子によって露光して
    画像を形成する露光方法であって、 前記発光素子の近傍を温度を検出する第1の工程と、 前記発光素子の輝度を更正したときの温度と前記第1の
    工程で検出した温度を比較し、前記更正したときに前記
    発光素子に供給した電流値に基づき露光時の前記発光素
    子に供給する電流値を設定する第2の工程と、 前記画像の階調情報に基づき前記発光素子の露光時間を
    決定する第3の工程と、 前記設定された電流値の電流を前記露光時間に基づき前
    記発光素子に供給して前記感光性用紙を露光する第4の
    工程とを有することを特徴とする露光方法。
  6. 【請求項6】 請求項1に記載の露光装置と、前記感光
    性用紙に対し前記発光素子を相対的に動かす送り手段と
    を有することを特徴とする印刷装置。
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US09/029,909 US6130700A (en) 1996-07-09 1997-07-07 Aligner, exposure method and printer
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2006006762A (ja) * 2004-06-29 2006-01-12 Hitachi Ltd 個人識別装置
JP2010228437A (ja) * 2009-03-06 2010-10-14 Fuji Xerox Co Ltd 露光装置、画像形成装置、及び露光制御プログラム

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