JPH1058693A - インクジェットヘッドの回復装置 - Google Patents

インクジェットヘッドの回復装置

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JPH1058693A
JPH1058693A JP21717996A JP21717996A JPH1058693A JP H1058693 A JPH1058693 A JP H1058693A JP 21717996 A JP21717996 A JP 21717996A JP 21717996 A JP21717996 A JP 21717996A JP H1058693 A JPH1058693 A JP H1058693A
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ink
cap member
suction
jet head
ejection
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JP21717996A
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Motohito Muraki
基人 村木
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Brother Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 空吸引を伴う吸引回復動作を行うインクジェ
ットヘッドの回復装置において、空吸引時におけるイン
クジェットヘッドのノズル噴射口へのインクの逆流を低
減する。 【解決手段】 インクジェットヘッドの噴射ノズル面を
開閉自在に覆うキャップ面を有し、噴射ノズル面に設け
られた複数の噴射口11aの下端よりも下方においてキ
ャップ面に吸引口14bが設けられたキャップ部材14
と、吸引口14bに連通されておりインクジェットヘッ
ドの吸引回復動作を行うための吸引ポンプと、キャップ
部材14を噴射ノズル面に対して当接位置と退避位置と
に移動させる移動手段とを備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はインクジェット型プ
リンタ等に用いられるインクジェットヘッドの回復装置
の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、インクジェットヘッドの噴射ノズ
ルを保護したり、ノズルの乾燥を防止したり、印字開始
に際して噴射ノズル内の増粘インクや気泡等を強制的に
吸引したりする装置として、凹形状をなすキャップ面に
より噴射ノズル面を開閉自在に覆うキャップ部材と、該
キャップ部材と噴射ノズル面との間の空間(パージ室)
を介してノズル内を吸引するポンプ装置とを備えたイン
クジェットヘッドの回復装置が知られている。
【0003】この種の回復装置はより具体的には、印字
開始に際して、ポンプ装置によりパージ室を介してノズ
ル内を吸引(パージ)した後、例えば、キャップ部材の
上側を開きながらキャップ部材をリリースしつつ、更に
吸引(空吸引)を行ってノズルからパージ室に吸引され
ノズル面に付着したインクをポンプ装置により吸引する
ように構成されている。この結果、ノズル内のインクの
詰まりを防止あるいは解消することができ、増粘インク
を吸引して廃棄したり、インクカートリッジの交換時に
インクジェットヘッドにインクを導入することができ
る。尚、キャップ面が噴射ノズル面と平行のままにキャ
ップ部材を引き離すと、パージ室内に過度の負圧が発生
し、この負圧による空気の巻き込みがインクを飛散させ
たり、気泡をノズル内のインクに混入させたりしてしま
うため、キャップ部材をリリースする際には、上述のよ
うにキャップ部材を上側から開くように傾斜させるので
ある。このような技術は、特開平3−93548号公報
等に開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述の
従来例では、キャップ部材をリリースしつつ空吸引を行
う際に、噴射ノズル面に設けられた複数の噴射口のうち
下端等に位置する少なくとも一部が、空吸引を完了する
までの間に、パージ室内に残されたインクと接触する。
このため、空吸引を完了するまでの間に、キャップ部材
のリリース時に発生するインクの液流や気流の乱れによ
り、このインクと接触する噴射口を介して、ノズル内へ
気泡と共にインクが巻き込まれて逆流してしまう。
【0005】より具体的には例えば図6に示すように、
キャップ部材214は、噴射ノズル211の複数の噴射
口211aの下端よりも上方においてキャップ面に吸引
口214bが設けられている。即ち、図6左部に示すよ
うに、キャップ部材214の下端側の噴射ノズル211
との当接部214aから吸引口214bの上部までの距
離aと、当接部214aから噴射口211aの下端まで
の距離bとについて、a>bの関係が成立している。従
って、本実施の形態によれば、空吸引を完了するまでの
間に、キャップ部材214のリリース時に発生するイン
クの液流や気流の乱れにより、噴射口211a内へ気泡
と共にインク100が巻き込まれて逆流してしまう。
【0006】従って上述の従来例によれば、このように
ノズル内へ逆流した気泡等を含むインクにより、印字開
始時における噴射不良(不吐出)が引き起こされてしま
う。この結果、吸引回復の効果が薄れ、印字不良が引き
起こされ、近時における高品質印字というインクジェッ
トヘッドの技術分野における一般的な要請に沿うことが
できない。
【0007】本発明は上述の問題点に鑑みなされたもの
であり、空吸引を伴う吸引回復動作を行うインクジェッ
トヘッドの回復装置において、空吸引時におけるインク
ジェットヘッドのノズル噴射口へのインクの逆流を低減
することができるインクジェットヘッドの回復装置を提
供することを課題とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載のインク
ジェットヘッドの回復装置は前記課題を解決するため
に、インクジェットヘッドのインク噴射面を開閉自在に
覆うキャップ面を有し、前記インク噴射面に設けられた
複数の噴射口の下端よりも下方において前記キャップ面
に吸引口が設けられたキャップ部材と、前記吸引口に連
通されており前記インクジェットヘッドの吸引回復動作
を行うための吸引ポンプと、前記キャップ部材を前記イ
ンク噴射面に対して当接位置と退避位置とに移動させる
移動手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】請求項1に記載のインクジェットヘッドの
回復装置によれば、インクジェットヘッドの非動作時
(退避時)に、移動手段によりキャップ部材がインクジ
ェットヘッドのインク噴射面に対して当接位置に移動さ
れると、キャップ部材の有するキャップ面により、イン
クジェットヘッドのインク噴射面が覆われる。即ち、イ
ンク噴射面は、キャップ部材によりキャップされる。従
って、インク噴射面は液密又は気密状態に保たれ、イン
ク噴射面にある噴射口でインクが乾くことにより、次の
印字動作を開始する際の噴射機能が低下することはなく
なる。次に、インクジェットヘッドの印字動作に際して
は、キャップ面に設けられた吸引口に連通された吸引ポ
ンプによりインクジェットヘッドの吸引回復動作が行わ
れる。この吸引回復動作により、キャップ面とインク噴
射面との間及び噴射口内にあるインクや気泡等の除去が
行われるので、良好な印字動作を開始することができ
る。更に、移動手段によりキャップ部材がインク噴射面
に対して退避位置に向けて移動され始めると、キャップ
部材がインク噴射面からリリースされる。この時、ポン
プ装置により、吸引(空吸引)が行われて、キャップ面
とインク噴射面との間の空間(パージ室)に噴射口から
吸引されてインク噴射面に付着したインクがポンプ装置
により吸引される。ここで、本発明によれば、キャップ
部材の吸引口が、インク噴射面に設けられた複数の噴射
口の下端よりも下方においてキャップ面に設けられてい
るので、噴射口は、空吸引を完了するまでの間に、パー
ジ室内に残されたインクと殆ど又は全く接触しない。こ
のため、空吸引を完了するまでの間に、キャップ部材の
リリース時に発生するインクの液流や気流の乱れによ
り、噴射口内へ気泡と共にインクが巻き込まれて逆流す
る事態が阻止される。従って、本発明によれば、このよ
うに逆流するインクによる噴射不良(インク不吐出)を
引き起こさないようにできる。
【0010】請求項2に記載のインクジェットヘッドの
回復装置は、前記請求項1に記載のインクジェットヘッ
ドの回復装置において、前記吸引口は、前記複数の噴射
口の下端よりも所定距離だけ下方に設けられたことを特
徴とする。
【0011】請求項2に記載のインクジェットヘッドの
回復装置によれば、キャップ部材のリリース時に吸引口
に吸引されるインクの上面が噴射口の下端にかからない
ように、吸引口は、複数の噴射口の下端よりも、例え
ば、キャップ部材をリリースする際にキャップ部材に作
用する吸引圧力、キャップ部材をリリースする際のキャ
ップ面とインク噴射面との角度、インク噴射面の大きさ
や特に幅、インクの濡れ性等の各種の要因により予め定
められる所定距離だけ下方に設けられている。従って、
本発明によれば、空吸引を完了するまでの間に、キャッ
プ部材のリリース時に発生するインクの液流や気流の乱
れにより、噴射口内へ気泡と共にインクが巻き込まれて
逆流する事態が上述した請求項1に記載の発明の場合よ
りも更に完璧に阻止される。従って、本発明によれば、
このように逆流するインクによる噴射不良をより確実に
引き起こさないようにできる。
【0012】請求項3に記載のインクジェットヘッドの
回復装置は、前記請求項1又は2に記載のインクジェッ
トヘッドの回復装置において、前記移動手段は、前記キ
ャップ部材の前記当接位置から前記退避位置への移動動
作に連動させて、前記キャップ面が前記インク噴射面に
対して上側から開くように前記キャップ部材を傾斜さ
せ、前記キャップ部材が傾斜した際に前記インク噴射面
に当接する前記キャップ部材の下端部は、前記複数の噴
射口の下端よりも下方に位置し、前記吸引口は前記キャ
ップ部材の下端部の上側に隣接して設けられたことを特
徴とする。
【0013】請求項3に記載のインクジェットヘッドの
回復装置によれば、キャップ部材のリリース時には、キ
ャップ部材の当接位置から退避位置への移動動作に連動
して、キャップ面がインク噴射面に対して上側から開く
ように、キャップ部材は移動手段により傾斜させられ
る。ここで特に、キャップ部材が傾斜した際にインク噴
射面に当接するキャップ部材の下端部は、複数の噴射口
の下端よりも下方に位置し、吸引口はキャップ部材の下
端部の上側に隣接して設けられているので、キャップ部
材をリリースする際に発生するキャップ面とインク噴射
面との間に発生する負圧を、キャップ部材の上側からの
空気(外気)の流入により低減し、空気の流入に起因し
た気流の乱れにより噴射口内に気泡と共にインクが巻き
込まれて逆流する事態が効率的に阻止される。
【0014】請求項4に記載のインクジェットヘッドの
回復装置は、前記請求項3に記載のインクジェットヘッ
ドの回復装置において、前記吸引ポンプが前記吸引口を
介して前記インク噴射面を吸引した状態で、前記移動手
段は、前記キャップ部材を傾斜させることを特徴とす
る。
【0015】請求項4に記載のインクジェットヘッドの
回復装置によれば、キャップ部材のリリース時には、吸
引ポンプが吸引口を介してインク噴射面を吸引した状態
で、キャップ部材は移動手段により傾斜させられる。よ
って、キャップ部材をリリースする際に、キャップ面と
インク噴射面との間に発生する負圧をキャップ部材の上
側からの空気(外気)の流入により低減しつつ、吸引に
よりキャップ面とインク噴射面との間及び噴射口内にあ
るインクや気泡等の除去を的確に行える。
【0016】請求項5に記載のインクジェットヘッドの
回復装置は、請求項1から4のいずれか一項に記載のイ
ンクジェットヘッドの回復装置において、キャップ部材
は、キャップ面を有する凹形状の弾性体を備えているこ
とを特徴とする。
【0017】請求項5に記載のインクジェットヘッドの
回復装置によれば、キャップ面を有する凹形状の弾性体
を備えたキャップ部材が当接位置にあると、この弾性体
によりインク噴射面は良好に液密又は気密状態に保たれ
る。また、キャップ部材によるキャップがリリースされ
る際にも、良好に吸引回復動作が行われる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。図1は本実施形態におけるイ
ンクジェット型プリンタ1の概略構成を示す図である。
図1に示すように、本実施形態におけるインクジェット
型プリンタ1には、軸方向に延びた円筒状のプラテン2
が備えられており、当該プラテン2は図示しない軸を介
してフレーム3に矢印H方向に回転可能に取り付けられ
ている。
【0019】インク噴射ヘッド4はこのプラテン2に対
向するようにキャリッジ5上に載置されており、キャリ
ッジ5はプラテン2の軸に平行に設けられたガイドロッ
ド6に摺動可能に支持されると共に、一対のプーリ7,
8に巻き付けられたタイミングベルト9に係合されてい
る。従って、一方のプーリ7がキャリッジ駆動モータ1
0により回転され、タイミングベルト9が送られること
により、キャリッジ5はプラテン2に沿って矢印K方向
へ移動される。
【0020】このような機構により記録時に予め定めら
れた記録範囲内において往復動されるインク噴射ヘッド
4は、図示しない多数個のインク流路と、それらインク
流路に対応して設けられた多数個の噴射口をそれぞれ持
つ複数個の噴射ノズル11を備えている。そして、前記
インク流路には、フレーム3に固定され、あるいはキャ
リッジ5に載置された図示しないインク供給装置からイ
ンクが供給されるようになっており、前記インク流路の
壁を形成する振動板が図示しない制御装置の指令に基づ
いて図示しない駆動回路により変形されると、その変形
に起因する圧力変化によりインクが噴射ノズル11の噴
射口から噴射される。インクは、プラテン2とインク噴
射ヘッド4との間に供給される記録用紙12に、キャリ
ッジ5の移動に伴って噴射され、それにより1行分の画
像が形成される。1行分の画像形成が終了したならば、
プラテン2の回転により記録用紙12が1行分送られ、
再び1行分の画像の形成が行われる。この繰り返しによ
り、記録用紙12全体の画像形成が行われる。なお、記
録用紙12は、フレーム3の後方の図示しない用紙供給
口から矢印L方向へ供給され、プラテン2の回転によっ
て矢印M方向に送られ、図示しない用紙排出口から排出
される。
【0021】以上のような記録動作が終了すると、イン
ク噴射ヘッド4は非記録位置に退避させられるが、この
非記録位置におけるインク噴射ヘッド4に対向する位置
には、回復装置13が設けられている。回復装置13は
プラテン2の側方に設けられており、弾性体の一例とし
てのゴム製のキャップ部材14を有している。このキャ
ップ部材14には、噴射ノズル11と対応した矩形の凹
部が形成されており、印刷動作停止時に、キャリッジ5
が回復装置13の位置まで移動して来た場合には、移動
手段の一例を構成するカム15及びその駆動機構を用い
てキャップ部材14を移動させ、インク噴射ヘッド4の
噴射ノズル11に液密状態に嵌合させる。
【0022】前記キャップ部材14の前記凹部は、図2
(A)に示すように前記カム15により動作するポンプ
16にチューブ17を介して連結されており、インク噴
射ヘッド4内の増粘したインクは前記のように嵌合状態
にあるキャップ部材14の前記凹部を介して吸引され、
吸引されたインクは排出口16aから廃液フォーム18
に排出されるようになっている。
【0023】本実施の形態では特にキャップ部材14
は、図3に示すように、噴射ノズル11の複数の噴射口
11aの下端よりも下方においてキャップ面に吸引口1
4bが設けられている。即ち、キャップ部材14の下端
側の噴射ノズル11との当接部14aから吸引口14b
の上部までの距離aと、当接部14aから噴射口11a
の下端までの距離bとについて、a<bの関係が成立し
ている。
【0024】そしてこの場合図3の右部に示すように、
キャップ部材14の上側が開放角度θだけ開かれて空吸
引を開始する際のインク100の上面100aが噴射口
11aの下端よりも低いのがより好ましい。即ち、例え
ば、キャップ部材14をリリースする際にキャップ部材
14に作用する吸引圧力、開放角度θ、噴射ノズル面の
大きさや特に幅、インク100の濡れ性等の各種の要因
により予め定められる所定距離だけ、噴射口11aの下
端よりも下方においてキャップ面に吸引口14bが設け
られているのが好ましい。このような所定距離は、実験
的に求めてもよいし、コンピュータを用いたシミュレー
ション、チャート、手計算等の手法により求めてもよ
い。
【0025】従って本実施の形態によれば、空吸引を完
了するまでの間に、キャップ部材14のリリース時にパ
ージ室14cで発生するインクの液流や気流の乱れによ
り、噴射口11a内へ気泡と共にインク100が巻き込
まれて逆流する事態(図6参照)が阻止される。
【0026】再び、図1及び図2(B)において、前記
回復装置13に隣接して、ワイパー装置が設けられてお
り、カム15の回転に応じて、ゴム製のワイパーブレー
ド19を図1に示すN方向に前進または後退させて前記
のように吸引された後の噴射ノズル11の先端面に残っ
ているインクを拭き取る作用をなしている。
【0027】次に、本実施形態における回復装置13に
ついて詳しく説明する。図2(A)は図1の矢印A方向
から見た側面図、図2(B)は図2(A)のB−B断面
図、図2(C)は矢印A方向とは反対方向から見た側面
図である。
【0028】図2(A)、(B)に示すように、キャッ
プ部材14は支持部材20に支持され、当該支持部材2
0はカム15と係合するカムフォロワ21aを備えた移
動部材21に、バネ22により付勢されて取り付けられ
ている。
【0029】また、前記支持部材20は、図4に示すよ
うに移動部材21に対して回動可能に設けられているた
め、キャップ部材14が噴射ノズル11から離れた状態
では、図4において実線で示すように噴射ノズル面に対
して傾斜した状態となっている。他方、キャップ部材1
4が噴射ノズル11に当接した状態では、図4において
破線で示すように噴射ノズル面に対して平行な状態とな
っている。
【0030】なお、図4に示すようにキャップ部材14
には吸引凹部24が設けられ、当該吸引凹部24と連通
した吸引口14bには、上述したように前記ポンプ16
と連結されたチューブ17が接続されている。
【0031】以上のような本実施形態の回復装置の動作
について図5を用いて説明する。図5において、噴射ヘ
ッド4が非記録位置に移動して来た際には、図5(A)
に示すように、移動部材21は噴射ヘッド11に対して
退避位置にあり、退避位置においては支持部材20がバ
ネ22により付勢されて傾斜した状態にあるため、キャ
ップ部材14のキャップ面も噴射ノズル面に対して傾斜
した状態となっている。
【0032】次に、カム15の動作により移動部材21
が移動され、移動部材21が支持部材20及びキャップ
部材14を噴射ノズル11側へ移動させると、図5
(B)に示すように、キャップ部材14は噴射ノズル1
1に対して当接位置に至り、キャップ部材14の一部
(当接部14a)が噴射ノズル面に当接する。
【0033】次に、移動部材21が更に移動されると、
支持部材20は回動し、図5(C)に示すようにキャッ
プ部材14のキャップ面全体が、噴射ノズル面に密着
し、噴射ノズル面を覆う状態となる。この状態におい
て、ポンプ16による吸引動作が行われ、噴射ノズル1
1内のインクが吸引される。
【0034】吸引後においても、噴射ノズル11の噴射
口を乾燥から防ぎ、ゴミ等の進入を防ぐために、キャッ
プ部材14による密封状態が継続されるが、記録動作が
開始される場合には、図5(D)に示すように移動部材
21がカム15の動作により退避位置へと移動され、こ
れに伴って支持部材20も噴射ノズル11から引き離さ
れるように移動させられるが、上述したように支持部材
20は回動可能であり、且つ、移動部材21に対してバ
ネ22により付勢されているので、支持部材20は、回
動してキャップ面を傾斜させる。これにより、キャップ
部材14はその上側から開放しつつ噴射ノズル面から徐
々に引き離され、密封されていた噴射ノズル面は徐々に
開放されるので、空気の巻き込みは発生しない。
【0035】この際、吸引によりキャップ部材14のパ
ージ室14cの内部負圧が例えば、0.05atm以下
といったように十分に下がった状態で、移動部材21が
退避位置に向けて移動されることにより、図5(E)に
示すようにキャップ部材14は上側から開放され、図4
に詳しく示したようにポンプ16により空吸引が行われ
る。その後、図5(F)に示すように、キャップ部材1
4は、噴射ノズル11より完全に引き離され、回復動作
が終了する。なお、この終了状態において、移動部材2
1はキャップ部材14及び支持部材20並びバネ22を
一体的に移動させるため、噴射ノズル11の回復装置1
3との対向位置には所定の空間が形成され、噴射ヘッド
4が記録位置側へ移動すれば、保守作業等に必要な領域
を確保することができる。
【0036】以上のような工程中、図5(E)に示した
空吸引を行う際に、図3及び図4を参照して説明したよ
うに、キャップ部材14の下端側の噴射ノズル11との
当接部14aから吸引口14bの上部までの距離aと、
当接部14aから噴射口11aの下端までの距離bとに
ついて、a<bの関係が存在しているので、噴射口11
aは、空吸引を完了するまでの間に、パージ室14b内
に残されたインク100と殆ど又は全く接触しない。こ
のため、空吸引を完了するまでの間に、キャップ部材1
4のリリース時に発生するインク100の液流や気流の
乱れにより、噴射口11a内へ気泡と共にインク100
が巻き込まれて逆流しない。従って、本発明によれば、
このように逆流するインクによる噴射不良(インク不吐
出)を引き起こさないようにできる。
【0037】尚、上述した実施形態では、単一の噴射ノ
ズルを備えた噴射ヘッドを持つモノカラー用のインクジ
ェットヘッドの回復装置に本発明を適用した場合につい
て説明したが、本発明はこれに限られるものではなく、
複数の噴射ノズルを備えたカラー用のインクジェットヘ
ッドの回復装置においても適用可能である。この場合に
は、噴射ノズルの数だけ上述した吸引機能を持つキャッ
プ部材を備えても良いし、或いは、吸引機能を持つキャ
ップ部材は一つにして各噴射ノズルをこのキャップ部材
まで移動させて吸引動作を行い、噴射ノズルの乾燥等を
防ぐための吸引機能を持たないキャップ部材を噴射ノズ
ルの数に応じて複数用意するように構成しても良い。
【0038】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、請求項1に
記載のインクジェットヘッドの回復装置によれば、空吸
引を実行する際に、キャップ部材のリリース時に発生す
るインクの液流や気流の乱れにより、噴射口を介して噴
射口内へ気泡と共にインクが巻き込まれて逆流する事態
を阻止することができ、このように逆流するインクによ
る噴射不良(インク不吐出)を引き起こさないようにで
きる。
【0039】請求項2に記載のインクジェットヘッドの
回復装置によれば、空吸引を実行する際に、噴射口を介
して噴射口内へ気泡と共にインクが巻き込まれて逆流す
る事態をより完璧に阻止することができる。
【0040】請求項3に記載のインクジェットヘッドの
回復装置によれば、キャップ部材をリリースする際に発
生するキャップ面とインク噴射面との間に発生する負圧
を、キャップ部材の上側からの空気(外気)の流入によ
り低減し、空気の流入に起因した気流の乱れにより噴射
口内に気泡と共にインクが巻き込まれて逆流する事態を
効率的に阻止でき、逆流するインクによる噴射不良(イ
ンク不吐出)を引き起こさないようにできる。
【0041】請求項4に記載のインクジェットヘッドの
回復装置によれば、キャップ部材をリリースする際に、
キャップ面とインク噴射面との間に発生する負圧をキャ
ップ部材の上側からの空気(外気)の流入により低減し
つつ、吸引回復動作によりキャップ面とインク噴射面と
の間及び噴射口内にあるインクや気泡等の除去を的確に
行える。
【0042】請求項5に記載のインクジェットヘッドの
回復装置によれば、凹形状の弾性体弾性体によりインク
噴射面を良好に液密又は気密状態に保つことができ、キ
ャップ部材によるキャップがリリースされる際にも、良
好に吸引回復動作を行うことができる。
【0043】以上の結果、本発明により、空吸引を伴う
吸引回復動作を行うインクジェットヘッドの回復装置に
おいて、空吸引時におけるインクジェットヘッドのノズ
ル噴射口へのインクの逆流を低減することができ、高品
質印字を可能ならしめるインクジェットヘッドの回復装
置を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態におけるインクジェット型
プリンタの概略構成を示す斜視図である。
【図2】図1のインクジェット型プリンタにおける回復
装置の側面図及び横断面図である。
【図3】本発明の一実施形態における回復装置に備えら
れたキャップ部材の構成及び動作を示す断面図である。
【図4】本発明の一実施形態における回復装置が空吸引
を行う状態を示す断面図である。
【図5】本発明の一実施形態における回復装置の動作を
順を追って説明する断面図である。
【図6】従来の回復装置に備えられたキャップ部材の構
成及び動作を示す断面図である。
【符号の説明】
1…インクジェット型プリンタ 2…プラテン 3…フレーム 4…インク噴射ヘッド 5…キャリッジ 6…ガイドロッド 7…プーリー 8…プーリー 9…タイミングベルト 10…駆動モータ 11…噴射ノズル 12…記録用紙 13…回復装置 14…キャップ部材 14a…当接部 14b…噴射口 14c…パージ室 15…カム 16…ポンプ 17…チューブ 18…廃液フォーム 19…ワイパーブレード 20…支持部材 21…移動部材 22…バネ 100…インク

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクジェットヘッドのインク噴射面を
    開閉自在に覆うキャップ面を有し、前記インク噴射面に
    設けられた複数の噴射口の下端よりも下方において前記
    キャップ面に吸引口が設けられたキャップ部材と、 前記吸引口に連通されており前記インクジェットヘッド
    の吸引回復動作を行うための吸引ポンプと、 前記キャップ部材を前記インク噴射面に対して当接位置
    と退避位置とに移動させる移動手段とを備えたことを特
    徴とするインクジェットヘッドの回復装置。
  2. 【請求項2】 前記吸引口は、前記複数の噴射口の下端
    よりも所定距離だけ下方に設けられたことを特徴とする
    請求項1に記載のインクジェットヘッドの回復装置。
  3. 【請求項3】 前記移動手段は、前記キャップ部材の前
    記当接位置から前記退避位置への移動動作に連動させ
    て、前記キャップ面が前記インク噴射面に対して上側か
    ら開くように前記キャップ部材を傾斜させ、 前記キャップ部材が傾斜した際に前記インク噴射面に当
    接する前記キャップ部材の下端部は、前記複数の噴射口
    の下端よりも下方に位置し、前記吸引口は前記キャップ
    部材の下端部の上側に隣接して設けられたことを特徴と
    する請求項1又は2に記載のインクジェットヘッドの回
    復装置。
  4. 【請求項4】 前記吸引ポンプが前記吸引口を介して前
    記インク噴射面を吸引した状態で、前記移動手段は、前
    記キャップ部材を傾斜させることを特徴とする請求項3
    に記載のインクジェットヘッドの回復装置。
  5. 【請求項5】 前記キャップ部材は、前記キャップ面を
    有する凹形状の弾性体を備えていることを特徴とする請
    求項1から4のいずれか一項に記載のインクジェットヘ
    ッドの回復装置。
JP21717996A 1996-07-09 1996-08-19 インクジェットヘッドの回復装置 Pending JPH1058693A (ja)

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JP21717996A JPH1058693A (ja) 1996-08-19 1996-08-19 インクジェットヘッドの回復装置
US08/889,552 US6010203A (en) 1996-07-09 1997-07-08 Apparatus for recovering an ink jet head and ink jet recorder including the same

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2013000952A (ja) * 2011-06-15 2013-01-07 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2013000952A (ja) * 2011-06-15 2013-01-07 Ricoh Co Ltd 画像形成装置

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