JPH1058551A - 光学素子の製造方法ならびに製造装置、および光学素子製造用重合装置 - Google Patents

光学素子の製造方法ならびに製造装置、および光学素子製造用重合装置

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JPH1058551A
JPH1058551A JP8219775A JP21977596A JPH1058551A JP H1058551 A JPH1058551 A JP H1058551A JP 8219775 A JP8219775 A JP 8219775A JP 21977596 A JP21977596 A JP 21977596A JP H1058551 A JPH1058551 A JP H1058551A
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optical element
furnace
plastic optical
raw material
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JP8219775A
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Norio Yasunaka
範夫 安中
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Abstract

(57)【要約】 【課題】空気中で加熱硬化させても周辺部に泡が生じな
い。 【解決手段】水分量3.5ppm以下の乾燥雰囲気で原
料組成物の加熱重合を行う。炉20内の水分量をセンサ
24で検知して制御ユニット25が、炉20内の空気を
除湿ユニット21に導く流路26の風量を、水分量に応
じてコントロールすることにより、重合炉20内の雰囲
気を水分量3.5ppm以下に保つ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プラスチック光学
素子の製造に係り、間隙を樹脂部材により固定された母
型を用いて成形する場合に特に適するプラスチック光学
素子の製造方法および製造装置と、該製造装置に用いら
れる重合装置とに関する。
【0002】
【従来の技術】プラスチックレンズの製造方法として、
テープ成形法が知られている。このテープ成形法は、通
常、図3に示すように、所望の曲面を有する2枚の母型
を、ポリエチレンテレフタレート、ポリビニルアルコー
ルなどの粘着テープにて所定の間隙が保たれるように固
定し(ステップ31)、該粘着テープにより注入口を除
いて封止された母型間の間隙に原料組成物を型内に注入
した後(ステップ32)、原料組成物を加熱して硬化さ
せ(ステップ33)、成形品を離型して(ステップ3
4)、プラスチックレンズを得るものである(ステップ
35)。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このテープ成
形法では、イソシアネート系化合物などのモノマを空気
中で加熱硬化させると、得られるプラスチック成形体の
周辺部に泡が生じるという問題があった。
【0004】そこで、本発明は、空気中で加熱硬化させ
ても周辺部に泡が生じることのない、プラスチック光学
素子の製造方法および製造装置と、該製造装置に用いら
れる重合装置とを提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の周辺部に生じる泡
は、空気中の水分が、母型の固定部材(テープ材)を透
過して、母型間隙に充填された原料組成物に含まれるモ
ノマに接触することにより発生すると考えられる。これ
は、イソシアネート系化合物などのモノマが、水と反応
して二酸化炭素ガスを生じるためである。
【0006】そこで、この気泡の発生を回避するため
に、透湿係数の小さい材料を、母型の固定部材(テープ
材)として用いることが考えられるが、透湿係数が小さ
く、かつ重合炉内での加熱に耐える耐熱性を備えた安価
な材料がない。例えば、透湿係数の小さい材料には二軸
延伸ポリプロピレンがあるが、この二軸延伸ポリプロピ
レンは耐熱性に乏しく、熱重合時に重合炉内で加熱する
と母型から剥離しやすい。
【0007】そこで、本発明では、重合炉内雰囲気の含
む水分量を抑えることにより、このプラスチック成形体
周辺部の気泡を抑制する。雰囲気中の水分量を抑えれ
ば、固定部材の透湿係数が大きくとも、該部材を透過し
てモノマに接触する水を減らすことができ、重合時の泡
の発生を防ぐことができる。本発明者らは、鋭意検討し
た結果、雰囲気中の水分量を3.5ppm以下にするこ
とにより、成形体周辺部の気泡をほぼ完全に抑制するこ
とができることを見出し、本発明に至った。
【0008】本発明では、所定の間隙が保持されるよう
に樹脂部材を用いて固定された母型の、該間隙に原料組
成物を注入する注入工程と、該原料組成物を加熱して、
原料組成物に含まれるモノマを熱重合させ、プラスチッ
クレンズとする重合工程とを備えるプラスチック光学素
子の製造方法であって、上記熱重合が、水分量が3.5
ppm以下の雰囲気内において行われるプラスチック光
学素子の製造方法が提供される。なお、原料組成物の加
熱を重合炉内で行う場合は、遅くとも上記重合工程の前
に、重合炉内の水分を、該重合炉内雰囲気の水分量が
3.5ppm以下になるように除去する水分除去工程
を、さらに備えることが望ましい。
【0009】さらに、本発明では、内部を加熱する機構
を備える重合炉と、重合炉内の水分を除去する水分除去
機構とを備えるプラスチック光学素子製造用重合装置
と、該重合装置を備えるプラスチック光学素子製造装置
とが提供される。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明では、例えば、図1に示す
ように、つぎの(1)〜(4)の工程により、プラスチ
ック光学素子を製造する。
【0011】(1)所望の曲面を有する2個の母型を対
向させて位置決めし、これら両母型の縁に樹脂からなる
テープ状の固定部材を巻回することにより母型の間隙を
固定する。この際、固定部材により、二母型間の間隙が
封止されるようにする(ステップ11)。
【0012】(2)固定部材により封止された2母型間
の間隙に、原料組成物を注入する(注入工程:ステップ
12)。
【0013】(3)除湿ユニット13aにより雰囲気中
の水分量を3.5ppm以下とした重合炉内で、原料組
成物を加熱硬化させる(重合工程:ステップ13)。
【0014】(4)固定部材を母型より取り除き、母型
から成形体(プラスチック光学素子)15を剥離する
(ステップ14)。
【0015】なお、遅くとも工程(3)の前に、重合炉
内の雰囲気の水分量を、3.5ppm以下とする工程
(水分除去工程)を、さらに備えることが望ましい。重
合炉内の雰囲気の水分を除去する方法としては、所定の
乾燥度を達成できるものであれば、どのような方法を用
いてもよいが、例えば、重合炉内の雰囲気(通常は空
気)を乾燥剤中に通して除湿する方法を用いることがで
きる。乾燥剤としては、例えば、乾燥シリカゲルや、活
性炭に塩化リチウムを含浸させたものや、アルミナを主
成分とする分子ふるい(molecular sieve)などを用い
ることができるが、コストや再利用の容易さ、乾燥効率
などから、工業的には、乾燥させた分子ふるいを用いる
ことが好ましい。
【0016】本発明では、内部を加熱する機構22(図
2に図示)を備える炉と、炉内の水分を除去する水分除
去機構とを備えるプラスチック光学素子製造用重合装置
29が提供される。水分除去機構としては、例えば、図
2に示すように、雰囲気中に含まれる水分を除去する除
湿ユニット21と、重合炉20内の雰囲気を上記除湿ユ
ニットに導くための第1の流路26と、除湿ユニット2
1により除湿された雰囲気を上記炉20内に導くための
第2の流路27と、第1の流路26および/または第2
の流路27を流れる雰囲気の風量を制御するダンパ23
と、炉内の水分量を検知する湿度センサ24と、湿度セ
ンサ24の検知した水分量の値を基に、上記ダンパ23
を制御する制御ユニット25とを備えるものが挙げられ
る。
【0017】重合反応が脱水縮合反応である場合には、
重合開始時に炉内の水分量を所定の値以下にしたとして
も、反応の進行に伴って、雰囲気中に含まれる水分が増
加してしまう。しかし、原料組成物を加熱している間
は、常に、炉内の水分量が3.5ppm以下に保持され
ていることが望ましい。そこで、例えば、炉内の水分量
(湿度)を検出し、水分量が3.5ppm以上であれ
ば、炉内へ流入させる乾燥空気の流量(風量)を増やす
ようにフィードバック制御することにより、炉内を所定
の乾燥度に保つことが望ましい。制御ユニットに、炉内
の湿度が3.5ppm以上であれば、風量を増やすよう
に上記風量ダンパを制御する手段を設ければ、このよう
なフィードバック制御を行うことができる。
【0018】また、除湿ユニット21に、使用中の乾燥
剤を未使用の(すなわち乾燥した)乾燥剤に交換する機
構28を備えることが望ましく、制御ユニットに、この
乾燥剤交換機構28を制御する手段を設けることが望ま
しい。乾燥空気の流量を増やしても水分量を3.5pp
m以下にできない場合には、制御ユニットが、乾燥剤交
換機構を制御して、乾燥剤を交換させるようにすれば、
手作業による乾燥剤交換作業を行うことなく、長時間、
所定の乾燥状態を維持することができる。
【0019】なお、制御ユニットとして、中央演算処理
装置と主記憶装置とを備える情報処理装置を用いてもよ
く、また、所定の判断を行う専用回路からなる装置を用
いてもよい。
【0020】また、本発明のプラスチック光学素子製造
装置は、所定の間隙が保持されるように樹脂部材を用い
て固定された母型の、該間隙に原料組成物を注入する注
入機構と、該母型間隙に注入された原料組成物を加熱し
て、該組成物に含まれるモノマを熱重合させ、プラスチ
ック光学素子とする重合機構とを備え、重合機構が、上
述のプラスチック光学素子製造用重合装置を備える。
【0021】本発明の光学素子製造装置には、例えば、
図6に示すようなものがある。この図6に示した装置
は、注入機構61と、重合機構62とを備え、重合機構
62が、図2に示した重合装置29を備える。注入機構
61は、固定部材により固定された母型を保持する保持
部611と、保持部に保持された母型の間隙に、固定部
材(樹脂テープ)に注入針をさして原料組成物を注入す
るシリンジ612と、シリンジ612に原料組成物を供
給する原料供給部613とを備える。なお、図6に示し
た装置では、注入機構61と重合機構62との間に母型
を搬送して炉20内に格納する搬送機構63が設けられ
ているが、この搬送機構63はなくてもよい。
【0022】本発明では、透湿性に拘りなく、十分な耐
熱性と接着性とを備えるものであればどのような樹脂テ
ープであっても固定部材として用いることができ、例え
ば、従来技術では気泡が発生する原因となったポリエチ
レンテレフタレートでも問題なく用いることができ、ま
た、ナイロンやポリイミドなどのテープを用いてもよ
い。
【0023】なお、本発明は、プラスチックレンズ、特
に眼鏡用プラスチックレンズの製造に適している。プラ
スチックレンズは、一般に、イソシアネートとチオール
(通常ジチオール)とを重合させて作製されるが、上述
のように、イソシアネートは水と反応して二酸化炭素を
生じる。従って、従来は、レンズの縁の部分に気泡が生
じるため、この部分を削り取らなければならなかった。
しかし、本発明によれば、イソシアネートを用いるプラ
スチックレンズであっても、縁に気泡を生じることなく
作製することができるため、このような気泡を含む部分
を削り取る工程が不要である。
【0024】イソシアネートとチオールとを重合させて
プラスチック光学素子を作製する場合、原料組成物とし
て、イソシアネートとチオールとを含み、さらに、必要
に応じて適宜、反応性希釈剤や、離型剤、重合開始剤、
紫外線吸収剤などを添加した溶液(ワニスを含む)を用
いる。
【0025】イソシアネート、すなわち、イソシアン酸
エステルの具体例としては、トリレンジイソシアネー
ト、キシレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイ
ソシアネート、ポリメリック型ジフェニルメタンジイソ
シアネート、ナフチレンジイソシアネート、ヘキサメチ
レンジイソシアネート、水添ジフェニルメタンジイソシ
アネート、リジンジイソシアネート、トリフェニルメタ
ンジイソシアネート、トリスチオフォスフェート、トラ
ンス−シクロヘキサレン1,4−ジイソシアネート、p
−フェニレンジイソシアネート、1,8−ジイソシアネ
ート−4−イソシアネートメチルオクタン、リジンエス
テルトリイソシアネート、1,3,6−ヘキサメチレン
トリイソシアネート、ビシクロヘキサントリイソシアネ
ート、および、イソホロンジイソシアネート等が挙げら
れる。さらに、これらのイソシアネートのアルキル基ま
たは芳香環に、例えば、ハロゲン基(ClまたはBr)
など、何らかの置換基が導入されたイソシアネートも、
本発明においてモノマとして用いることができる。
【0026】また、これらのイソシアネートの、アロフ
ァネート変成体、ビュレット変成体、イソシアヌレート
変成体、ポリオール変成体又は、ポリチオールとのアダ
クト変成体等も用いることができる。上述のイソシアネ
ートおよび変性体のうちから選ばれる一種の化合物を用
いてもよく、二種以上の化合物を混合して用いてもよ
い。
【0027】これらの化合物のうち、キシレンジイソシ
アネート、イソホロンジイソシアネート、およびヘキサ
メチレンジイソシアネート等の無黄変型イソシアネート
化合物が、特に本発明に適している。
【0028】チオールとしては、メルカプト基を一分子
中に2個以上備えるものが好ましく、具体例としては、
1,2−エタンジチオール、1,2−ジメルカプト−3
−プロパノール、1,3−ジメルカプト−2−プロパノ
ール、2,3−ジメルカプト−1−プロパノール、1,
4−ジメルカプト−2,3−ジヒドロキシブタン、1,
1−プロパンジチオール、1,2−プロパンジチオー
ル、1,3−プロパンジチオール、2,2−プロパンジ
チオール、1,2−ブタンジチオール、1,3−ブタン
ジチオール、1,4−ブタンジチオール、2,3−ブタ
ンジチオール、1,5−ペンタンジチオール、1,1−
シクロヘキサンジチオール、1,2−シクロヘキサンジ
チオール、2,5−ジクロロベンゼン−1,3−ジチオ
ール、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプ
トプロピオネート)、4−メルカプトメチル−3,6−
ジチア−1,8−オクタンジチオール、ペンタエリスリ
トールテトラキス(チオグリコレート)等が挙げられ
る。これらのうち一種類のチオールを用いてもよく、二
種以上のチオールを混合して用いてもよい。
【0029】
【実施例】
<実施例>以下に、本発明の実施例について、図面を用
いて説明するが、本発明はこれに限られるものではな
い。
【0030】まず、図4(a)に示すように、所定の2
枚のガラス製母型41を対向させて位置決めし、母型の
縁にポリエチレンテレフタレートテープ(厚さ38μ
m、幅25mm)42を巻いて、所定の間隙43が保た
れるように母型41を固定した。これにより、間隙43
は固定部材であるポリエチレンテレフタレートテープ
(厚さ38μm、幅25mm)42により封止された。
【0031】つぎに、シリンジを用いて、空隙43に原
料組成物44を注入した(図4(b))。本実施例で
は、原料組成物44として、m−キシレンジイソシアネ
ート100重量部(イソシアネート)と、4−メルカプ
トメチル−3,6−ジチア−1,8−オクタンジチオー
ル92重量部(チオール)と、リン酸ジ(n−ブチル)
1重量部(離型剤:デュポン社製「ゼレックUN」)
と、ジブチル錫ジクロライド0.02重量部(重合開始
剤)と、2−(2’−ヒドロキシ−5’−t−オクチル
フェニル)ベンゾトリアゾール0.2重量部(紫外線吸
収剤:共同薬品(株)製「Viosorb 583」)
とを混合して得られる組成物を用いた。
【0032】この原料組成物44が注入された型41
を、熱重合装置の除湿熱重合炉20に入れ、20℃から
14時間かけて50℃まで昇温した後、50℃から2時
間かけて120℃まで昇温し、120℃で2時間保持し
て熱重合させた(図4(c))。
【0033】最後に、母型41からポリエチレンテレフ
タレートテープ42を取り除いて、成形品から母型41
を剥離し、直径86mmのプラスチックレンズ15を得
た(図4(d))。
【0034】本実施例の熱重合装置は、図2に示すよう
に、加熱機構(ヒータ)22を備える炉20と、除湿ユ
ニット21と、ダンパ23と、湿度センサ24と、制御
ユニット25とを備える。除湿ユニット21と各重合炉
内部とは、流路26,27により連通されている。除湿
ユニット21は、乾燥剤交換機構28を備えている。
【0035】制御ユニット25は、湿度センサ24によ
り検出された炉内の水分量に応じて、ダンパ23および
乾燥剤交換機構28を制御する。この制御ユニット25
による処理の流れを図5に示す。なお、制御ユニット2
5は、接続されている各重合炉20ごとに、図5に示し
た処理を並行して行う。
【0036】制御ユニット25は、まず、ダンパ23を
制御して流路26,27の風量をあらかじめ定められた
初期値とした後(ステップ51)、湿度センサ24から
の水分量の通知を受け付け(ステップ52)、該水分量
が3.5ppm以下であれば(ステップ53)、処理を
ステップ52へ戻す。
【0037】ステップ53において水分量が3.5pp
mより高ければ、制御ユニット25は、流路26,27
の風量が最大値となっているか否か検査し(ステップ5
4)、最大値になっていなければ、ダンパ23を制御し
て風量を所定量増加させ(ステップ55)、処理をステ
ップ52へ戻す。
【0038】ステップ55において風量が最大値に達し
ていれば、制御ユニット25は、乾燥剤交換機構28を
制御して乾燥剤を未使用のものに交換させ(ステップ5
6)、一定時間待った後(ステップ57)、処理をステ
ップ51へ戻す。
【0039】以上により、重合炉20内の雰囲気は、常
に水分量3.5ppm以下になるようにコントロールさ
れることになる。なお、除湿ユニットに乾燥剤交換機構
28がない場合には、ステップ56〜57の代わりに、
警報を発するなどすればよい。また、ダンパ23を設け
ず、流路26,27内の風量は一定として、炉内の水分
量が3.5ppmより高ければ、乾燥剤を交換するよう
にしてもよい。
【0040】本実施例によれば、レンズの縁(周辺部)
に発泡は見られず、良品が得られた。
【0041】<比較例1,2>重合炉内の水分量を、比
較例1では9.5ppmに、比較例2では7.8ppm
に、それぞれ変更した他は、実施例1と同様にしてプラ
スチックレンズを作製したところ、レンズ周辺部に発泡
が見られた。実施例および比較例における炉内湿度、水
分量および発泡状態を、表1に示す。
【0042】
【表1】
【0043】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明によれ
ば、空気中で加熱硬化させても、成形体周辺部に泡が生
じることがなく、品質の良好なプラスチック光学素子を
歩留まりよく製造することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の一態様である、除湿熱重合炉
を用いたプラスチックレンズの製造工程を示す説明図で
ある。
【図2】 本発明の光学素子製造用重合装置の一態様を
示す構成図である。
【図3】 従来のプラスチックレンズの製造工程を示す
説明図である。
【図4】 実施例におけるプラスチックレンズの製造工
程を示す説明図である。
【図5】 実施例における制御ユニットの処理の流れを
示す流れ図である。
【図6】 本発明の光学素子製造装置の一態様を示す構
成図である。
【符号の説明】
15…成形品、20…重合炉、21…除湿ユニット、2
2…加熱機構、23…ダンパ、24…湿度センサ、25
…制御ユニット、26,27…流路、28…乾燥剤交換
機構、29…重合装置、41…母型、42…固定部材、
43…母型間の間隙、44…原料組成物、61…注入機
構、611…母型保持部、612…シリンジ、613…
原料供給部、62…重合機構、63…搬送機構。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】所定の間隙が保持されるように樹脂部材を
    用いて固定された母型の、該間隙に原料組成物を注入す
    る注入工程と、該原料組成物を加熱して熱重合させ、プ
    ラスチック光学素子とする重合工程とを備えるプラスチ
    ック光学素子の製造方法において、 上記熱重合を、水分量が3.5ppm以下の雰囲気内に
    おいて行うことを特徴とするプラスチック光学素子の製
    造方法。
  2. 【請求項2】請求項1において、 上記原料組成物は、イソシアン酸エステルを含むことを
    特徴とするプラスチック光学素子の製造方法。
  3. 【請求項3】請求項1において、 上記原料組成物の加熱は重合炉内で行われ、 遅くとも上記重合工程の前に、 上記重合炉内の水分を、該重合炉内雰囲気の水分量が
    3.5ppm以下になるように除去する水分除去工程
    を、さらに備えることを特徴とするプラスチック光学素
    子の製造方法。
  4. 【請求項4】請求項1において、 上記光学素子は、眼鏡用レンズであることを特徴とする
    プラスチック光学素子の製造方法。
  5. 【請求項5】内部を加熱する機構を備える重合炉と、 上記重合炉内の水分を除去する水分除去機構とを備える
    ことを特徴とするプラスチック光学素子製造用重合装
    置。
  6. 【請求項6】請求項5において、 上記水分除去機構は、 雰囲気中に含まれる水分を除去する除湿ユニットと、 上記重合炉内の雰囲気を上記除湿ユニットに導くための
    第1の流路と、 上記除湿ユニットにより除湿された雰囲気を上記重合炉
    内に導くための第2の流路と、 上記第1の流路および上記第2の流路の少なくとも一方
    を流れる雰囲気の風量を制御するダンパと、 上記重合炉内の水分量を検知する湿度センサと、 上記湿度センサの検知した水分量の値を基に、上記ダン
    パを制御する制御ユニットとを備えることを特徴とする
    プラスチック光学素子製造用重合装置。
  7. 【請求項7】請求項6において、 上記制御ユニットは、 上記重合炉内の水分量が3.5ppm以上であれば、風
    量を増やすように上記風量ダンパを制御する手段を備え
    ることを特徴とするプラスチック光学素子製造用重合装
    置。
  8. 【請求項8】所定の間隙が保持されるように樹脂部材を
    用いて固定された母型の、該間隙に原料組成物を注入す
    る注入機構と、該母型間隙に注入された原料組成物を加
    熱して熱重合させ、プラスチック光学素子とする重合機
    構とを備えるプラスチック光学素子製造装置において、 上記重合機構は、 請求項5記載のプラスチック光学素子製造用重合装置を
    備えることを特徴とするプラスチック光学素子製造装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007199297A (ja) * 2006-01-25 2007-08-09 Fujifilm Corp 光学フィルムの製造方法、並びに光学フィルム、偏光板、及び画像表示装置
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