JPH1058014A - 継目無鋼管のエロンゲータ圧延法 - Google Patents
継目無鋼管のエロンゲータ圧延法Info
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- JPH1058014A JPH1058014A JP22155796A JP22155796A JPH1058014A JP H1058014 A JPH1058014 A JP H1058014A JP 22155796 A JP22155796 A JP 22155796A JP 22155796 A JP22155796 A JP 22155796A JP H1058014 A JPH1058014 A JP H1058014A
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- JP
- Japan
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- plug
- guide
- rolled
- lcmax
- rolling
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- Reduction Rolling/Reduction Stand/Operation Of Reduction Machine (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 エロンゲータ圧延における、ガイドが関係す
る外面疵の低減、ガイドの長寿命化を可能とする圧延法
を提供する。 【解決手段】 穿孔機により穿孔した後の中空素管をエ
ロンゲータで延伸圧延する場合において、プラグと被圧
延材の管軸方向接触長Lxと周方向投影接触弧長Lcの
最大値Lcmax の比Lx/Lcmax を Lx/Lcmax ≦6.4 かつ、半回転毎の肉厚圧下率Rtの最大値Rtmax を Rtmax ≦30% 但し、Rt=(ta −tb )/ta (tb は肉厚圧下率を計算する管軸方向当該位置でのロ
ールとプラグ間の隙間、ta は管軸方向当該位置より半
回転前の管軸方向位置でのロールとプラグ間の隙間)と
し、圧延を行う。 【効果】 プラグ寿命を著しく低下させることなく、ガ
イドが関係する外面疵の低減およびガイドの長寿命化が
図れる。
る外面疵の低減、ガイドの長寿命化を可能とする圧延法
を提供する。 【解決手段】 穿孔機により穿孔した後の中空素管をエ
ロンゲータで延伸圧延する場合において、プラグと被圧
延材の管軸方向接触長Lxと周方向投影接触弧長Lcの
最大値Lcmax の比Lx/Lcmax を Lx/Lcmax ≦6.4 かつ、半回転毎の肉厚圧下率Rtの最大値Rtmax を Rtmax ≦30% 但し、Rt=(ta −tb )/ta (tb は肉厚圧下率を計算する管軸方向当該位置でのロ
ールとプラグ間の隙間、ta は管軸方向当該位置より半
回転前の管軸方向位置でのロールとプラグ間の隙間)と
し、圧延を行う。 【効果】 プラグ寿命を著しく低下させることなく、ガ
イドが関係する外面疵の低減およびガイドの長寿命化が
図れる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、継目無鋼管の延伸
圧延工程に用いられるエロンゲータ圧延法に関するもの
である。
圧延工程に用いられるエロンゲータ圧延法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】エロンゲータは、図1に示すように傾斜
して対向する一対の樽型圧延ロール1と樽型圧延ロール
1の中間に配されたプラグ2により延伸圧延を行うもの
である。このロール1とプラグ2により被圧延材3が圧
延される際に被圧延材3の外径が拡大するのを抑えるた
めガイドシュー4が一対の樽型ロール1と直交する位置
におかれている。
して対向する一対の樽型圧延ロール1と樽型圧延ロール
1の中間に配されたプラグ2により延伸圧延を行うもの
である。このロール1とプラグ2により被圧延材3が圧
延される際に被圧延材3の外径が拡大するのを抑えるた
めガイドシュー4が一対の樽型ロール1と直交する位置
におかれている。
【0003】ここで、一対のロール1は同一方向に回転
し、被圧延材はそれに伴い回転することになる。即ち、
被圧延材3は回転しながら前進し、ロール1とプラグ2
により圧延され肉厚が薄い管になる。ここで、問題とな
るのはガイドシュー4であり、被圧延材3が回転するに
も係わらず固定されているため、ガイドシュー4と被圧
延材3の接触状態は完全な滑りを起こしている。そのた
め、ガイドシュー4表面に被圧延材3の微小剥離片が焼
き付き、さらにそれが堆積成長後、ガイドシュー4から
剥離し、被圧延材3の外表面に付着し、その後の圧延工
程で付着したまま残存し飛び込み疵となるか、圧延途中
の段階で離脱し、ピット疵となり製品品質を著しく損な
う。
し、被圧延材はそれに伴い回転することになる。即ち、
被圧延材3は回転しながら前進し、ロール1とプラグ2
により圧延され肉厚が薄い管になる。ここで、問題とな
るのはガイドシュー4であり、被圧延材3が回転するに
も係わらず固定されているため、ガイドシュー4と被圧
延材3の接触状態は完全な滑りを起こしている。そのた
め、ガイドシュー4表面に被圧延材3の微小剥離片が焼
き付き、さらにそれが堆積成長後、ガイドシュー4から
剥離し、被圧延材3の外表面に付着し、その後の圧延工
程で付着したまま残存し飛び込み疵となるか、圧延途中
の段階で離脱し、ピット疵となり製品品質を著しく損な
う。
【0004】また、SUS304等のステンレス鋼圧延
時には、被圧延材3がガイドシュー4表面に生じた焼き
付き片により引っかかれてシューマークを呼ばれる疵が
発生する。そのため、手入れを必要とするかそのまま屑
になっている。
時には、被圧延材3がガイドシュー4表面に生じた焼き
付き片により引っかかれてシューマークを呼ばれる疵が
発生する。そのため、手入れを必要とするかそのまま屑
になっている。
【0005】このような問題の解決策として、特開昭6
1−144205号公報で、プラグの細径先端側部分を
比較的テーパ角の小なるガイド部とし、大径後端部分を
比較的テーパ角の小なるリーリング部とし、中間部分を
ガイド部およびリーリング部のそれぞれに連なり、比較
的テーパ角の大なるハンプ部とするプラグを用い、圧延
途中での拡管を抑制する方法が述べられている。この方
法の実施例で述べられている形状のプラグを使用する
と、圧延途中での拡管が抑制できる反面、ハンプ部で急
激な肉厚の圧下を行うためプラグに作用する面圧が高く
なり、プラグ寿命が著しく悪化する問題があった。ま
た、このガイドシューの焼き付きを軽減するため、自己
潤滑機能を有するダクタイル等を用いると早期に摩耗す
るため、ガイドシューコストが増加するばかりでなく、
その交換頻度が増すため作業性が低下する問題がある。
1−144205号公報で、プラグの細径先端側部分を
比較的テーパ角の小なるガイド部とし、大径後端部分を
比較的テーパ角の小なるリーリング部とし、中間部分を
ガイド部およびリーリング部のそれぞれに連なり、比較
的テーパ角の大なるハンプ部とするプラグを用い、圧延
途中での拡管を抑制する方法が述べられている。この方
法の実施例で述べられている形状のプラグを使用する
と、圧延途中での拡管が抑制できる反面、ハンプ部で急
激な肉厚の圧下を行うためプラグに作用する面圧が高く
なり、プラグ寿命が著しく悪化する問題があった。ま
た、このガイドシューの焼き付きを軽減するため、自己
潤滑機能を有するダクタイル等を用いると早期に摩耗す
るため、ガイドシューコストが増加するばかりでなく、
その交換頻度が増すため作業性が低下する問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、プラグ寿命
を著しく低下させることなく、飛び込み、ピット、シュ
ーマーク疵等のガイドシュー起因の外表面疵を軽減し、
合わせてガイドシューの摩耗も軽減するエロンゲータ圧
延法を提供するものである。
を著しく低下させることなく、飛び込み、ピット、シュ
ーマーク疵等のガイドシュー起因の外表面疵を軽減し、
合わせてガイドシューの摩耗も軽減するエロンゲータ圧
延法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】即ち本発明は、穿孔機に
より穿孔した後の中空素管をエロンゲータで延伸圧延す
る場合において、プラグと被圧延材の管軸方向接触長L
xと周方向投影接触弧長Lcの最大値Lcmax の比Lx
/Lcmax を Lx/Lcmax ≦6.4 かつ、半回転毎の肉厚圧下率Rtの最大値Rtmax を Rtmax ≦30% 但し、Rt=(ta −tb )/ta (tb は肉厚圧下率を計算する管軸方向当該位置でのロ
ールとプラグ間の隙間、ta は管軸方向当該位置より半
回転前の管軸方向位置でのロールとプラグ間の隙間)と
し、圧延を行うことを特徴とする。
より穿孔した後の中空素管をエロンゲータで延伸圧延す
る場合において、プラグと被圧延材の管軸方向接触長L
xと周方向投影接触弧長Lcの最大値Lcmax の比Lx
/Lcmax を Lx/Lcmax ≦6.4 かつ、半回転毎の肉厚圧下率Rtの最大値Rtmax を Rtmax ≦30% 但し、Rt=(ta −tb )/ta (tb は肉厚圧下率を計算する管軸方向当該位置でのロ
ールとプラグ間の隙間、ta は管軸方向当該位置より半
回転前の管軸方向位置でのロールとプラグ間の隙間)と
し、圧延を行うことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明による圧延法につい
て詳細に説明する。エロンゲータ圧延におけるガイドシ
ュー、ローラーディスクシュー等のガイドの役割は、圧
延により管軸方向に垂直な断面で拡がろうとする被圧延
材を拘束することにより、管軸方向に延伸を生じさせる
ことである。このようにガイドは管軸方向に垂直な断面
で拡がろうとする被圧延材を拘束し、被圧延材の外径を
絞り込むため上述のごとく、外面疵の発生、ガイド寿命
の低下等の問題点が発生する。
て詳細に説明する。エロンゲータ圧延におけるガイドシ
ュー、ローラーディスクシュー等のガイドの役割は、圧
延により管軸方向に垂直な断面で拡がろうとする被圧延
材を拘束することにより、管軸方向に延伸を生じさせる
ことである。このようにガイドは管軸方向に垂直な断面
で拡がろうとする被圧延材を拘束し、被圧延材の外径を
絞り込むため上述のごとく、外面疵の発生、ガイド寿命
の低下等の問題点が発生する。
【0009】そこで、本発明者らはガイドに関するこれ
らの問題点を解決するため、管軸方向に垂直な断面での
被圧延材の拡がりを抑制することを検討した。そして、
発明者らは検討を重ねた結果、圧延途中での被圧延材の
管軸方向に垂直な断面での拡がりは、被圧延材とプラグ
の接触形状に多大な影響を受けることを見出した。圧延
に限らず、鍛造などの全ての圧縮加工においては、圧縮
力の加わる投影面が細長い形状の場合、最初に狭かった
方向への面積の拡大が大きく、最初に長かった方向への
延伸は小さいことが知られており(「機械の研究」第4
4巻 第9号 P981〜P986)、接触形状がメタ
ルフローに影響を与えることが示唆されている。
らの問題点を解決するため、管軸方向に垂直な断面での
被圧延材の拡がりを抑制することを検討した。そして、
発明者らは検討を重ねた結果、圧延途中での被圧延材の
管軸方向に垂直な断面での拡がりは、被圧延材とプラグ
の接触形状に多大な影響を受けることを見出した。圧延
に限らず、鍛造などの全ての圧縮加工においては、圧縮
力の加わる投影面が細長い形状の場合、最初に狭かった
方向への面積の拡大が大きく、最初に長かった方向への
延伸は小さいことが知られており(「機械の研究」第4
4巻 第9号 P981〜P986)、接触形状がメタ
ルフローに影響を与えることが示唆されている。
【0010】さらに鋭意研究を重ねた結果、管軸方向に
垂直な断面での被圧延材の拡がりは、以下に述べる計算
によるプラグと被圧延材の管軸方向接触長Lxと周方向
投影接触弧長Lcの最大値Lcmax の比、Lx/Lcma
x によりほぼ決まるという重要な知見を得た。
垂直な断面での被圧延材の拡がりは、以下に述べる計算
によるプラグと被圧延材の管軸方向接触長Lxと周方向
投影接触弧長Lcの最大値Lcmax の比、Lx/Lcma
x によりほぼ決まるという重要な知見を得た。
【0011】以下に周方向投影接触弧長Lcの計算方法
を説明する。図2(a)に示すように、管軸方向のある
位置Xaから半回転前進後、即ち管軸方向に距離ΔX離
れた位置Xbでの周方向投影接触弧長Lcを計算するに
は、以下に述べるように管軸方向位置Xaでのロールと
プラグ間の隙間ta 、管軸方向位置Xbでのロールとプ
ラグ間の隙間tb 、ロール半径Rr、プラグ半径Rpが
必要となるが、これらは幾何学的に求めることができ
る。
を説明する。図2(a)に示すように、管軸方向のある
位置Xaから半回転前進後、即ち管軸方向に距離ΔX離
れた位置Xbでの周方向投影接触弧長Lcを計算するに
は、以下に述べるように管軸方向位置Xaでのロールと
プラグ間の隙間ta 、管軸方向位置Xbでのロールとプ
ラグ間の隙間tb 、ロール半径Rr、プラグ半径Rpが
必要となるが、これらは幾何学的に求めることができ
る。
【0012】被圧延材は図2(b)に示すようにロール
バイト入・出側でフラットとし、ロールと被圧延材の周
方向投影接触弧長ならびにプラグと被圧延材の周方向投
影接触弧長を同一でLcとすると、Lcは幾何学的に求
めることができのようになる。
バイト入・出側でフラットとし、ロールと被圧延材の周
方向投影接触弧長ならびにプラグと被圧延材の周方向投
影接触弧長を同一でLcとすると、Lcは幾何学的に求
めることができのようになる。
【数1】
【0013】式中のプラグ側の肉厚圧下量Δtp は幾
何学的に式で求めることができる。
何学的に式で求めることができる。
【数2】
【0014】ここで、被圧延材の半回転前進後の距離Δ
Xが計算できれば、上述のように管軸方向の任意の位置
での周方向投影接触弧長Lcを求めることができる。そ
こで以下に、管軸方向位置Xaから半回転前進後の距離
ΔXの計算方法を説明する。被圧延材の体積一定より次
式が導かれる。 (Da −ta )・ta ・Vsa=(Dout −tout )・tout ・Vsout ・・ ここで、Da :管軸方向位置Xaでの外径(パスライ
ンとロールの隙間・・図2(a)参照) ta :管軸方向位置Xaでの肉厚(ロールとプラグの
隙間・・図2(a)参照) Vsa :管軸方向位置Xaでの被圧延材管軸方向速度 Dout :出側外径(図2(a)参照) tout :出側肉厚(図2(a)参照) Vsout:出側での被圧延材管軸方向速度
Xが計算できれば、上述のように管軸方向の任意の位置
での周方向投影接触弧長Lcを求めることができる。そ
こで以下に、管軸方向位置Xaから半回転前進後の距離
ΔXの計算方法を説明する。被圧延材の体積一定より次
式が導かれる。 (Da −ta )・ta ・Vsa=(Dout −tout )・tout ・Vsout ・・ ここで、Da :管軸方向位置Xaでの外径(パスライ
ンとロールの隙間・・図2(a)参照) ta :管軸方向位置Xaでの肉厚(ロールとプラグの
隙間・・図2(a)参照) Vsa :管軸方向位置Xaでの被圧延材管軸方向速度 Dout :出側外径(図2(a)参照) tout :出側肉厚(図2(a)参照) Vsout:出側での被圧延材管軸方向速度
【0015】出側での被圧延材管軸方向速度は次式で
求めることができる。 Vsout=Vg・sinβ・ηx ・・・・・・ ここで、Vg:ゴージ(ロール最大径部)でのロール周
速 β :傾斜角(パスラインとロール軸のなす角度) ηx:前進効率
求めることができる。 Vsout=Vg・sinβ・ηx ・・・・・・ ここで、Vg:ゴージ(ロール最大径部)でのロール周
速 β :傾斜角(パスラインとロール軸のなす角度) ηx:前進効率
【0016】式,より、管軸方向位置Xaでの被圧
延材管軸方向速度Vsaは次式のようになる。
延材管軸方向速度Vsaは次式のようになる。
【数3】
【0017】被圧延材が半回転進むに要する時間Taは
次式で近似できる。
次式で近似できる。
【数4】
【0018】半回転後の前進距離ΔXは式のようにな
る。 ΔX=Vsa・Ta ・・・・・・
る。 ΔX=Vsa・Ta ・・・・・・
【0019】式,を式に代入して、ΔXは式に
ようになる。
ようになる。
【数5】
【0020】ここで、前進効率ηxは、圧延機の出側2
ケ所(距離S)に取り付けた被圧延材検出用のセンサー
により被圧延材がそのセンサー間を通過する時間ΔTを
計測し、S/ΔTにより出側の被圧延材の管軸方向速度
を計算し、それをVg・sinβ(Vgはゴージでのロ
ール周速、βは傾斜角)で割って求めることができる。
前進効率の値は85%程度である。
ケ所(距離S)に取り付けた被圧延材検出用のセンサー
により被圧延材がそのセンサー間を通過する時間ΔTを
計測し、S/ΔTにより出側の被圧延材の管軸方向速度
を計算し、それをVg・sinβ(Vgはゴージでのロ
ール周速、βは傾斜角)で割って求めることができる。
前進効率の値は85%程度である。
【0021】以上の方法で周方向投影接触弧長Lcを管
軸方向に計算した一例を図3に示す。図3に示すように
周方向投影接触弧長Lcの最大値をLcmax 、被圧延材
とプラグの接触開始から接触終了までの管軸方向距離を
管軸方向接触長Lxとする。入側外径76.3mm、入側
肉厚19.4mmの炭素鋼を出側外径75.2mm、出側肉
厚6.6mmに圧延する際に、プラグの最大径が60.7
mmで同一で、Lx/Lcmax の異なる5種類のプラグを
用いて、ガイドの隙間一定のもとで圧延を行った。圧延
途中止めを行い、管軸方向に垂直な断面での被圧延材の
拡がりの程度を表すバルジ径(図1の符号5参照)の最
大値(最大バルジ径)を測定した。
軸方向に計算した一例を図3に示す。図3に示すように
周方向投影接触弧長Lcの最大値をLcmax 、被圧延材
とプラグの接触開始から接触終了までの管軸方向距離を
管軸方向接触長Lxとする。入側外径76.3mm、入側
肉厚19.4mmの炭素鋼を出側外径75.2mm、出側肉
厚6.6mmに圧延する際に、プラグの最大径が60.7
mmで同一で、Lx/Lcmax の異なる5種類のプラグを
用いて、ガイドの隙間一定のもとで圧延を行った。圧延
途中止めを行い、管軸方向に垂直な断面での被圧延材の
拡がりの程度を表すバルジ径(図1の符号5参照)の最
大値(最大バルジ径)を測定した。
【0022】Lx/Lcmax と最大バルジ径/入側外径
の関係を図4に示す。Lx/Lcmax が小さくなると、
バルジ径が減少し、バルジ径はLx/Lcmax によりほ
ぼ決まる。このようにLx/Lcmax が小さくなるほ
ど、圧延途中での管軸方向に垂直な断面での被圧延材の
拡がりが抑制される(バルジ径が減少する)ため、ガイ
ドによる被圧延材の拘束力が軽減され、ガイド摩耗の減
少、ガイドと被圧延材の焼付き起因の外表面疵が減少す
ると発想した。
の関係を図4に示す。Lx/Lcmax が小さくなると、
バルジ径が減少し、バルジ径はLx/Lcmax によりほ
ぼ決まる。このようにLx/Lcmax が小さくなるほ
ど、圧延途中での管軸方向に垂直な断面での被圧延材の
拡がりが抑制される(バルジ径が減少する)ため、ガイ
ドによる被圧延材の拘束力が軽減され、ガイド摩耗の減
少、ガイドと被圧延材の焼付き起因の外表面疵が減少す
ると発想した。
【0023】図5にLx/Lcmax とガイドに作用する
荷重(ガイド荷重)の関係を示す。この図よりLx/L
cmax が小さくなるとガイド荷重が軽減されること、即
ち、ガイドによる被圧延材の拘束力が小さくなることが
わかる。そこで、Lx/Lcmax とガイドが関係する外
表面疵およびガイドの摩耗の関係を調査した。その結
果、Lx/Lcmax が小さくなるとガイド荷重が軽減さ
れるため、外表面疵、ガイドの摩耗ともに減少される
が、十分な効果を得るにはバルジ径/入側外径を1.1
以下、望ましくは1.07以下にすれば良いことを確認
した。以上の結果より、 Lx/Lcmax ≦6.4 望ましくは Lx/Lcmax ≦4.8 とした。
荷重(ガイド荷重)の関係を示す。この図よりLx/L
cmax が小さくなるとガイド荷重が軽減されること、即
ち、ガイドによる被圧延材の拘束力が小さくなることが
わかる。そこで、Lx/Lcmax とガイドが関係する外
表面疵およびガイドの摩耗の関係を調査した。その結
果、Lx/Lcmax が小さくなるとガイド荷重が軽減さ
れるため、外表面疵、ガイドの摩耗ともに減少される
が、十分な効果を得るにはバルジ径/入側外径を1.1
以下、望ましくは1.07以下にすれば良いことを確認
した。以上の結果より、 Lx/Lcmax ≦6.4 望ましくは Lx/Lcmax ≦4.8 とした。
【0024】次に、半回転毎の肉厚圧下率の最大値を3
0%以下に限定した理由を説明する。図2に示すよう
に、管軸方向位置Xbでの半回転毎の肉厚圧下率Rtを
次式で定義した。 Rt=(ta −tb )/ta
0%以下に限定した理由を説明する。図2に示すよう
に、管軸方向位置Xbでの半回転毎の肉厚圧下率Rtを
次式で定義した。 Rt=(ta −tb )/ta
【0025】Lx/Lcmax を小さくするには、Lcma
x を大きくするとともに、肉厚圧下を早期に終了し、L
xを小さくするため、式から容易に推定できるように
肉厚圧下量(ta −tb )を局部的に大きくする必要が
ある。しかし、肉厚圧下量(ta −tb )を大きくする
と肉厚圧下率が増加し、加工量が増加するため、プラグ
外表面が塑性流動し皺状になりプラグ寿命が低下する
が、発明者らはこの肉厚圧下率とプラグ寿命の関係を詳
細に調査した結果、肉厚圧下率が30%を超えるとプラ
グ寿命の低下が大きくなることを突き止めた。この知見
をもとに、半回転毎の肉厚圧下率の最大値Rtmax を Rtmax ≦30% とした。
x を大きくするとともに、肉厚圧下を早期に終了し、L
xを小さくするため、式から容易に推定できるように
肉厚圧下量(ta −tb )を局部的に大きくする必要が
ある。しかし、肉厚圧下量(ta −tb )を大きくする
と肉厚圧下率が増加し、加工量が増加するため、プラグ
外表面が塑性流動し皺状になりプラグ寿命が低下する
が、発明者らはこの肉厚圧下率とプラグ寿命の関係を詳
細に調査した結果、肉厚圧下率が30%を超えるとプラ
グ寿命の低下が大きくなることを突き止めた。この知見
をもとに、半回転毎の肉厚圧下率の最大値Rtmax を Rtmax ≦30% とした。
【0026】さらに、炭素鋼に比べて変形抵抗の高いS
US304等のステンレス鋼を圧延する場合、上記発明
に用いるプラグとして、3%Cr−1%Ni系低合金鋼
材質に断熱性を確保するため、熱処理により表層にFe
3 O4 ,FeO等の酸化スケールを形成させたプラグを
用いるより1000℃での引張強度が20kgf/mm2 〜3
5kgf/mm2 のプラグを用いた方が、圧延途中での管軸方
向に垂直な断面での被圧延材の拡がりが抑制されるばか
りでなく、プラグ寿命も向上する。
US304等のステンレス鋼を圧延する場合、上記発明
に用いるプラグとして、3%Cr−1%Ni系低合金鋼
材質に断熱性を確保するため、熱処理により表層にFe
3 O4 ,FeO等の酸化スケールを形成させたプラグを
用いるより1000℃での引張強度が20kgf/mm2 〜3
5kgf/mm2 のプラグを用いた方が、圧延途中での管軸方
向に垂直な断面での被圧延材の拡がりが抑制されるばか
りでなく、プラグ寿命も向上する。
【0027】1000℃での引張強度を20kgf/mm2 以
上に限定する理由を以下に述べる。3%Cr−1%Ni
系低合金鋼の1000℃での引張強度は8kgf/mm2 程度
で、このような1000℃での引張強度が20kgf/mm2
未満のプラグを用いた場合、圧延本数の増加につれて塑
性流動が生じプラグ表面が凹凸状になったり、さらに激
しい場合は溶損する。一方、1000℃での引張強度が
35kgf/mm2 を超えるようなプラグを用いると熱衝撃に
より割れが発生することがわかった。
上に限定する理由を以下に述べる。3%Cr−1%Ni
系低合金鋼の1000℃での引張強度は8kgf/mm2 程度
で、このような1000℃での引張強度が20kgf/mm2
未満のプラグを用いた場合、圧延本数の増加につれて塑
性流動が生じプラグ表面が凹凸状になったり、さらに激
しい場合は溶損する。一方、1000℃での引張強度が
35kgf/mm2 を超えるようなプラグを用いると熱衝撃に
より割れが発生することがわかった。
【0028】かかる熱間強度を有する金属材料として
は、Fe基あるいはNi基の耐熱超合金の実用合金が含
まれ、通常使用されるようなCr:10〜30%、N
i:20〜70%を含みさらに必要に応じてMo:1〜
30%、Co:1〜20%を含み、さらに適量のW,N
b,Ti,Alなどを含有し、残部が実質的に鉄からな
る材料を意味する。
は、Fe基あるいはNi基の耐熱超合金の実用合金が含
まれ、通常使用されるようなCr:10〜30%、N
i:20〜70%を含みさらに必要に応じてMo:1〜
30%、Co:1〜20%を含み、さらに適量のW,N
b,Ti,Alなどを含有し、残部が実質的に鉄からな
る材料を意味する。
【0029】また、このような、表層に酸化スケールが
生じにくいFe基あるいはNi基の耐熱超合金を用いる
場合、メタル−メタル接触による焼付きを防止するため
潤滑剤を用いることが望ましい。潤滑剤については特に
規定はしないが、Fe2 O3等の酸化鉄を主体とし、重
量%で15%のガラスを含んだ潤滑剤を適用するとより
良い効果が得られる。
生じにくいFe基あるいはNi基の耐熱超合金を用いる
場合、メタル−メタル接触による焼付きを防止するため
潤滑剤を用いることが望ましい。潤滑剤については特に
規定はしないが、Fe2 O3等の酸化鉄を主体とし、重
量%で15%のガラスを含んだ潤滑剤を適用するとより
良い効果が得られる。
【0030】
(実施例1)以下、本発明の実施例を説明する。穿孔機
により穿孔された外径256mm、肉厚59mm、長さ34
00mmの炭素鋼素管を、エロンゲータを用いて外径25
2mm、肉厚17.1mmに熱間圧延した。その際、最大径
が200mmで形状の異なるA,B,C,Dの4種類のプ
ラグを用い、Lx/Lcmax 、Rtmax が表1になるよ
うに圧延を行った。また、ガイド隙は全ての条件で同一
にした。TEST1,2は本発明を適用しない場合であ
り、TEST3,4は本発明を適用した場合である。
により穿孔された外径256mm、肉厚59mm、長さ34
00mmの炭素鋼素管を、エロンゲータを用いて外径25
2mm、肉厚17.1mmに熱間圧延した。その際、最大径
が200mmで形状の異なるA,B,C,Dの4種類のプ
ラグを用い、Lx/Lcmax 、Rtmax が表1になるよ
うに圧延を行った。また、ガイド隙は全ての条件で同一
にした。TEST1,2は本発明を適用しない場合であ
り、TEST3,4は本発明を適用した場合である。
【0031】以上の条件で圧延を行った結果、表2に示
す結果が得られた。結果は比較例TEST1を1として
相対比較で示した。TEST2では外面疵発生率、ガイ
ド寿命共に良好であるが、Rtmax が39.3%で高
く、その結果プラグ寿命が著しく低下した。TEST3
では、プラグ寿命を低下させることなく、外面疵発生率
が減少し、ガイド寿命も向上した。TEST3ではプラ
グ寿命が若干低下するものの、大幅な外面疵発生率の低
減効果およびガイド寿命の向上効果が得られた。
す結果が得られた。結果は比較例TEST1を1として
相対比較で示した。TEST2では外面疵発生率、ガイ
ド寿命共に良好であるが、Rtmax が39.3%で高
く、その結果プラグ寿命が著しく低下した。TEST3
では、プラグ寿命を低下させることなく、外面疵発生率
が減少し、ガイド寿命も向上した。TEST3ではプラ
グ寿命が若干低下するものの、大幅な外面疵発生率の低
減効果およびガイド寿命の向上効果が得られた。
【0032】
【表1】
【0033】
【表2】
【0034】(実施例2)穿孔機により穿孔された外径
256mm、肉厚59mm、長さ2100mmのSUS304
鋼素管を、エロンゲータを用いて外径252mm、肉厚1
7.1mmに熱間圧延した。その際、最大径が200mmで
形状と材質が異なる5種類のプラグを用い、表3に示す
条件で圧延を行った。また、ガイド隙は全ての条件で同
一にした。TEST1,2は本発明を適用しない場合で
あり、TEST3,4,5は本発明を適用した場合であ
る。TEST1〜4は表4の鋼Aのプラグ材質、TES
T5は表4の鋼Bのプラグ材質を用いた。また、TES
T5においては、圧延直前の素管内面に表5の組成の潤
滑剤を素管内表面1m2 に対し1000gの割合で供給
した。なお、ガラスは表6に示す組成のガラスを使用
し、酸化鉄Fe2 O3 の粒径は5μm以下のものを用い
た。
256mm、肉厚59mm、長さ2100mmのSUS304
鋼素管を、エロンゲータを用いて外径252mm、肉厚1
7.1mmに熱間圧延した。その際、最大径が200mmで
形状と材質が異なる5種類のプラグを用い、表3に示す
条件で圧延を行った。また、ガイド隙は全ての条件で同
一にした。TEST1,2は本発明を適用しない場合で
あり、TEST3,4,5は本発明を適用した場合であ
る。TEST1〜4は表4の鋼Aのプラグ材質、TES
T5は表4の鋼Bのプラグ材質を用いた。また、TES
T5においては、圧延直前の素管内面に表5の組成の潤
滑剤を素管内表面1m2 に対し1000gの割合で供給
した。なお、ガラスは表6に示す組成のガラスを使用
し、酸化鉄Fe2 O3 の粒径は5μm以下のものを用い
た。
【0035】
【表3】
【0036】
【表4】
【0037】
【表5】
【0038】
【表6】
【0039】以上の条件で圧延を行った結果、表7に示
す結果が得られた。結果は比較例TEST1を1として
相対比較で示した。TEST2では外面疵発生率、ガイ
ド寿命共に良好であるが、Rtmax が39.3%で高
く、その結果プラグ寿命が著しく低下した。TEST3
では、プラグ寿命を低下させることなく、外面疵発生率
が減少し、ガイド寿命も向上した。TEST4ではプラ
グ寿命が若干低下するものの、大幅な外面疵発生率の低
減効果およびガイド寿命の向上効果が得られた。TES
T5ではプラグ材質を鋼Bとし、潤滑剤を適用したた
め、大幅な外面疵発生率の低減効果、ガイド寿命の向上
効果が得られ、さらにプラグ寿命も向上した。
す結果が得られた。結果は比較例TEST1を1として
相対比較で示した。TEST2では外面疵発生率、ガイ
ド寿命共に良好であるが、Rtmax が39.3%で高
く、その結果プラグ寿命が著しく低下した。TEST3
では、プラグ寿命を低下させることなく、外面疵発生率
が減少し、ガイド寿命も向上した。TEST4ではプラ
グ寿命が若干低下するものの、大幅な外面疵発生率の低
減効果およびガイド寿命の向上効果が得られた。TES
T5ではプラグ材質を鋼Bとし、潤滑剤を適用したた
め、大幅な外面疵発生率の低減効果、ガイド寿命の向上
効果が得られ、さらにプラグ寿命も向上した。
【0040】
【表7】
【0041】また、本発明はガイドシューのみならずロ
ータリーディスクシュー、ローラーガイドを備えたエロ
ンゲータに適用可能である。
ータリーディスクシュー、ローラーガイドを備えたエロ
ンゲータに適用可能である。
【0042】
【発明の効果】本発明により、継目無鋼管圧延製造プロ
セスの中のエロンゲータにおいて、プラグ寿命を著しく
低下させることなく、ガイドが関係する外面疵の低減お
よびガガイド寿命の長寿命化が可能である。
セスの中のエロンゲータにおいて、プラグ寿命を著しく
低下させることなく、ガイドが関係する外面疵の低減お
よびガガイド寿命の長寿命化が可能である。
【図1】傾斜圧延装置の概略図。
【図2】(a)半回転前進後の距離ΔX、周方向投影接
触弧長Lcの説明図。(b)は(a)のB−B線断面を
示す。
触弧長Lcの説明図。(b)は(a)のB−B線断面を
示す。
【図3】周方向投影接触弧長Lcの最大値Lcmax 、管
軸方向接触長Lxの説明図。
軸方向接触長Lxの説明図。
【図4】Lx/Lcmax と最大バルジ径/入側外径の関
係を示す図。
係を示す図。
【図5】Lx/Lcmax とガイド荷重の関係を示す図。
1 エロンゲータの樽型圧延ロール 2 エロンゲータのプラグ 3 エロンゲータにおける被圧延材 4 エロンゲータのガイドシュー 5 バルジ径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 古庄 弘一 福岡県北九州市戸畑区飛幡町1番1号 新 日本製鐵株式会社八幡製鐵所内 (72)発明者 和田 康裕 千葉県富津市新富20−1 新日本製鐵株式 会社技術開発本部内
Claims (1)
- 【請求項1】 穿孔機により穿孔した後の中空素管をエ
ロンゲータで延伸圧延する場合において、プラグと被圧
延材の管軸方向接触長Lxと周方向投影接触弧長Lcの
最大値Lcmax の比Lx/Lcmax を Lx/Lcmax ≦6.4 かつ、半回転毎の肉厚圧下率Rtの最大値Rtmax を Rtmax ≦30% 但し、Rt=(ta −tb )/ta (tb は肉厚圧下率を計算する管軸方向当該位置でのロ
ールとプラグ間の隙間、ta は管軸方向当該位置より半
回転前の管軸方向位置でのロールとプラグ間の隙間)と
することを特徴とするエロンゲータ圧延法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22155796A JPH1058014A (ja) | 1996-08-22 | 1996-08-22 | 継目無鋼管のエロンゲータ圧延法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22155796A JPH1058014A (ja) | 1996-08-22 | 1996-08-22 | 継目無鋼管のエロンゲータ圧延法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1058014A true JPH1058014A (ja) | 1998-03-03 |
Family
ID=16768598
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22155796A Withdrawn JPH1058014A (ja) | 1996-08-22 | 1996-08-22 | 継目無鋼管のエロンゲータ圧延法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1058014A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007290020A (ja) * | 2006-04-27 | 2007-11-08 | Jfe Steel Kk | 中径シームレス鋼管の製造方法 |
-
1996
- 1996-08-22 JP JP22155796A patent/JPH1058014A/ja not_active Withdrawn
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007290020A (ja) * | 2006-04-27 | 2007-11-08 | Jfe Steel Kk | 中径シームレス鋼管の製造方法 |
JP4609372B2 (ja) * | 2006-04-27 | 2011-01-12 | Jfeスチール株式会社 | 中径シームレス鋼管の製造方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20031104 |