JPH1057943A - フラッシュ操作を用いた反応生成スラリの廃水の分離方法 - Google Patents

フラッシュ操作を用いた反応生成スラリの廃水の分離方法

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JPH1057943A
JPH1057943A JP8222845A JP22284596A JPH1057943A JP H1057943 A JPH1057943 A JP H1057943A JP 8222845 A JP8222845 A JP 8222845A JP 22284596 A JP22284596 A JP 22284596A JP H1057943 A JPH1057943 A JP H1057943A
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slurry
reaction
flash
product slurry
reaction product
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JP8222845A
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Osamu Kameda
修 亀田
Yoshihiro Omiya
吉博 大宮
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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  • Heat Treatment Of Water, Waste Water Or Sewage (AREA)
  • Treatment Of Sludge (AREA)
  • Processing Of Solid Wastes (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 脱ガス操作を行わない場合のアルカリ性物質
の注入量に比較して注入するアルカリ性物質量を少なく
できる。 【解決手段】 廃棄物スラリを反応器内で水熱反応させ
た後、多段状に直列配設されたフラッシュドラム内にフ
ラッシュさせて、有機酸、炭酸ガス、水蒸気などのフラ
ッシュガスを放出するとともに、脱ガス後の反応生成ス
ラリを分離手段にて分離し得られた製品スラリと廃水の
うち、前記廃水の一部を前処理手段に再利用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ごみや産業廃
棄物などの有機固形分を含む廃棄物の水熱分解反応後の
反応生成スラリを多段フラッシュさせ、得られた脱ガス
反応生成スラリを分離手段により製品スラリと廃水とに
分離して、前記廃水を循環水として再利用するようにし
たフラッシュ操作を用いた反応生成スラリの廃水の分離
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市ごみ等の一般廃棄物や工場等から排
出される産業廃棄物等のいわゆる固形廃棄物は年々増加
しており、従来の埋立方式などによる処分処理方法では
対応し切れなくなっている。このような観点から、固形
廃棄物を水中破砕し、水スラリの状態で再資源可能な
鉄、アルミニウム、ガラス等の有用物を回収した後に、
適宜な水分値を有した状態まで脱水し、次いで高温(2
50〜350℃)、高圧(100〜150Kg/cm2G)の条
件下、所定の滞留時間にて水熱反応で処理して得られた
高温・高圧の反応生成スラリを最終的に大気圧まで減圧
して製品スラリを得ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図3に示す
ように、都市ごみや産業廃棄物を未分別のままこれを破
砕して水相を伴う廃棄物スラリとし、これにアルカリ性
物質を添加し水熱反応によって生成した反応生成スラリ
の顕熱を利用して、自己熱交換器16において廃棄物ス
ラリを間接加熱する方法がある。しかしながら、当該自
己熱交換器16ではチューブ側に廃棄物スラリが流れ、
またシェル側には反応器14内で水熱反応により生成し
た反応生成スラリが流れるためにシェル側の流速が小さ
くなり、反応生成スラリ中に含有される固形分がシェル
内に沈降分離して堆積するか、あるいは反応生成スラリ
中に含まれるプラスチック溶融物が伝熱管の外面に付着
して伝熱効率が低下するといった問題があった。さら
に、反応生成スラリ中に含有される有機酸は、最後の分
離手段24にてフラッシュされた際にフラツシュガスと
して放出されるために、1段のみでフラッシュされるこ
ととなり、炭酸ガスと少量の有機酸しか放出されずに大
部分の有機酸は廃水中に残存することとなる。このた
め、廃水中の有機酸の濃度が高く循環水として前処理手
段などに再利用する際にアルカリ添加量が増加するなど
の問題があった。
【0004】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、本発明の目的は反応器内で水熱分解反応によっ
て生成した反応生成スラリを多段フラッシュしてフラッ
シュガスと脱ガス反応生成スラリを得る際、フラッシュ
ガス側で有機酸や炭酸ガスなどを除去することにより、
有機酸や炭酸ガスなどの除去された脱ガス生成スラリを
循環水として再利用するようにした反応生成スラリから
分離した廃水の再利用方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、有機固形物を含む廃棄物を前処
理工程にてスラリ化し、この廃棄物スラリにアルカリ性
物質を加え、このアルカリ性廃棄物スラリを反応器にて
水熱反応させて得られた高圧の反応生成スラリを多段フ
ラッシュドラム内にフラッシュさせて有機酸、炭酸ガ
ス、水蒸気などを有したフラッシュガスと脱ガス反応生
成スラリとに分離した後、引続き前記脱ガス反応生成ス
ラリを再度分離手段にて製品スラリと廃水とに分離後、
前記廃水の一部を前処理手段への循環水として再利用す
るようにした。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る反応生成ス
ラリから分離した廃水の再利用方法を図1および図2を
用いて詳細に説明する。
【0007】図1は本発明の反応生成スラリから分離し
た廃水の再利用方法を実施するシステムの構成ブロック
図、図2は反応生成スラリを多段フラッシュさせる場合
のフロー図である。
【0008】以下、図1を用いて固形廃棄物処理につい
て詳細に説明すると、未分別状態にある固形廃棄物を処
理する場合、再資源可能な鉄、アルミニウム、ガラス等
の有用物を含んでいるので、最初にこれを回収するとと
もに、固形廃棄物処理システムの連続運転のために固形
廃棄物を搬送可能な程度までスラリ化する必要がある。
このための前処理手段10が設けられており、この前処
理手段10は破砕装置と有用物の分離装置、並びに脱水
装置などから構成される。
【0009】したがって、この前処理手段では、未分別
状態にある有機固形物を含む固形廃棄物を水中破砕によ
り水スラリ化させるようにし、このスラリ化の段階で、
破砕物中に含まれる不燃物の比重差を利用して、再資源
可能な鉄、アルミニウム、ガラス等の有用物を回収する
ようにしている。そして、不燃物の除去された有機固形
物を含む水スラリを約10〜20重量%の固形物含有量
まで脱水し、後段の処理工程への搬送ができる程度に粘
性を調整している。
【0010】このような前処理手段10で処理された貯
槽タンク12に貯溜され、ここで前処槽タンク12の廃
棄物スラリは常温スラリである。貯槽タンク12内の廃
棄物スラリは高圧ポンプ(図示せず)等の圧送手段によ
り後段の反応器14に送給するようにして、反応器14
内を流通させる途中で水熱反応を生じるようにしてい
る。
【0011】反応器14内の操作温度を250〜350
℃程度の適当な温度に昇温させるが、前記高圧ポンプに
より170気圧程度まで加圧した状態でスラリを送り込
むとともに、実施例では、第1熱交換器16と第2熱交
換器18で反応温度まで段階的に昇温させてから反応器
14に送給するようにしている。これにより昇温された
廃棄物スラリは反応器14を通過する過程で、反応温度
を維持しつつ、またその反応温度の飽和水蒸気以上に設
定され、数分ないしは数十分間の反応時間で、水熱反応
により熱分解されるのである。
【0012】ところで、都市ごみ等の原料廃棄物には、
熱分解に伴い塩化水素を発生する塩化ビニル等の有機塩
素系樹脂が含まれるので、水熱反応に処するスラリにア
ルカリ性物質を添加することにより塩化水素を中和処理
するようにしている。このため、アルカリタンク20が
設けられ、このタンク20から供給されるアルカリ性物
質を連続的に注入供給している。このアルカリ性物質
は、Na2 CO3 、NaOH等が用いられる。
【0013】アルカリ性物質は、反応によって塩酸等が
生じることにより反応器や熱交換器、その他の配管等の
接液部に腐食が生じることを防止する目的で添加され
る。アルカリタンク20からのアルカリ性物質の供給量
は、連続注入方式とされ、通常、廃棄物スラリの固形分
に対して10重量%未満、望ましくは4〜8重量%の割
合で注入されるが、これは固形廃棄物の種類にもよる
が、発生する塩化水素の中和に必要な量である。
【0014】このようなアルカリ性物質の注入のため、
アルカリ供給ポンプ22が供給配管に設けられ、特に、
前記貯槽タンク12の直下流部に接続して固形廃棄物ス
ラリに注入するようにしている。ポンプ22は反応生成
物のpH値をpH計32で測定して得られた結果をフイ
ードバックし、注入するアルカリ量を制御手段34を介
して調整できるような可変ポンプとされる。
【0015】反応器14における水熱反応後の生成スラ
リを、当該実施例では、反応器14から、フラッシュド
ラム23を介してフラッシュさせて得られたフラッシュ
ガスは第1熱交換器16に供給して反応前スラリと熱交
換を成すようになっている。また、前記第1熱交換器1
6の下流側には第2熱交換器18が配設してあり、第1
熱交換器16で加熱された反応前スラリを所定の反応温
度まで昇温するために、外部から熱媒または高圧スチー
ムを導入して加熱するようになっている。フラッシュド
ラム23でフラッシュされて得られた液(スラリ)と気
体(フラッシュガス)のうち、反応生成スラリは分離手
段24に供給され、ここで大気圧まで減圧されるととも
に、遠心濾過などで濃縮する過程で、フラッシュガスお
よび塩化物などを含む廃水を分離し、製品スラリとす
る。
【0016】ところで、本発明では、反応器14から排
出された反応生成スラリは、図2に示すように、直列配
設された多段フラッシュドラム23(23A、23B、
23C)の入口にそれぞれ配設された減圧弁35(35
A、35B、35C)で一旦減圧するようになってい
る。ここで、第1フラッシュドラム23A、第2フラッ
シュドラム23Bおよび第3フラッシュドラム23Cは
全て構造が同一となっていることから、第1フラッシュ
ドラム23Aを代表して説明する。
【0017】さらに、図2に示すように、反応器14で
一定の反応条件下(ここでは、例えば、反応温度325
℃、圧力125Kg/cm2以上、滞留時間15分とする)で
固形廃棄物を反応させて反応生成スラリを得た後、多段
配設されたフラッシュドラム23(23A、23B、2
3C)内で逐次フラッシュさせながら降温するようにな
っている。この場合、図2に示す制御系は次のように構
成されている。
【0018】反応器14から第1フラッシュドラム23
Aにフラッシュされる反応生成スラリは、一旦減圧弁3
5Aで1次減圧されて降温されるが、この時、反応器1
4から第1フラッシュドラム23A間に配設された導入
管46内の圧力を検出してPIC42で減圧弁35Aを
制御するようになっている。また、第1フラッシュドラ
ム23Aの上部には、等エンタルピ膨張によって生じた
分解ガスを含むフラッシュガスを外部に排出するための
ガス排出管57が配設されており、当該ガス排出管上に
は圧力制御弁54が設けられており、当該第1フラッシ
ュドラム23A内の圧力が、例えば55Kg/cm2になるよ
うに圧力制御するようになっている。
【0019】第1フラッシュドラム23Aにフラッシュ
された反応生成スラリは、減圧弁35Bで2次減圧され
るが、この時、第1フラッシュドラム23A内の液深が
所定の深さになるまで、LIC43で減圧弁35Bを制
御するようになっている。また、第2フラッシュドラム
23Bの上部には、前記同様に、第1フラッシュドラム
23Aからの反応生成スラリを減圧弁35Bを介して第
2フラッシュドラム23Bに導入した場合、等エンタル
ピ膨張によって生じたフラッシュガスを外部に排出する
ためのガス排出管58が配設されており、当該ガス排出
管58上には圧力制御弁55が設けられており、当該第
1フラッシュドラム23A内の圧力が、例えば9Kg/cm2
になるように圧力制御するようになっている。
【0020】同様に、第2フラッシュドラム23Bにフ
ラッシュされた反応生成スラリは、減圧弁35Cで3次
減圧されるが、この時、第2フラッシュドラム23B内
の液深が所定の深さになるまで、LIC44で減圧弁3
5Cを制御するようになっている。そして、第3フラッ
シュドラム23Cの上部には、前記同様に、第2フラッ
シュドラム23Bからの反応生成スラリを減圧弁35C
を介して第3フラッシュドラム23Cに導入した場合、
等エンタルピ膨張によって生じたフラッシュガスを外部
に排出するためのガス排出管59が配設されており、当
該ガス排出管59上には圧力制御弁56が設けられてお
り、当該第2フラッシュドラム23B内の圧力が、例え
ば2.5Kg/cm2になるように圧力制御するようになって
いる。
【0021】最後に、フラッシュタンク50にフラッシ
ュされた脱ガス反応生成スラリは、ボール弁52で4次
減圧されるが、この場合も、前記同様、第3フラッシュ
ドラム23C内の液深が所定の深さになるまで、LIC
45でボール弁52で制御するようになっている。そし
て、フラッシュタンク50の上部には大気開放されたベ
ント管51が設けられていることから、次工程に送出さ
れる場合は、フラッシュタンク50に放出された脱ガス
反応生成スラリが、少なくとも100℃以下に降温され
るようになっている。
【0022】反応生成スラリをフラッシュドラム23
(23A、23B、23C)でフラッシュして得られた
フラッシュガスは各ガス排出管57、58、59から排
出管60を通ってフラッシュガス型の熱交換器いわゆる
第1熱交換器16に供給されるようになつている。そし
て第1熱交換器16のシェル側にフラッシュガスが流
れ、またチューブ側に反応前スラリ(廃棄物スラリ)が
流れるようになっており、フラッシュガスに同伴した水
蒸気の凝縮潜熱により前記反応前スラリを予熱するよう
になっている。予熱を完了した後のフラッシュガスはフ
ラッシュセパレータ65に導入され、ここでフラッシュ
ガスと凝縮水とに分離されるようになっている。
【0023】一方、フラッシュタンク50に貯溜された
脱ガス反応生成スラリは次工程の分離手段24にて例え
ば50〜55重量%の濃度を有した製品スラリと廃水と
に分離され、分離後の廃水の一部は再利用のために、前
処理手段10に返すようになっている。
【0024】以上述べた本発明のフラッシュ操作を用い
た反応生成スラリの廃水の分離方法の具体的内容を説明
する。
【0025】都市ごみや産業廃棄物などの有機固形物を
含むいわゆる固形廃棄物は、混合未分別の状態で処理シ
ステムに導入される。未分別廃棄物は最初の前処理手段
10にて粉砕して水相スラリとなし、これから鉄やアル
ミニウム等の有用無機物質を分離して有機固形物を含む
廃棄物スラリを生成する。
【0026】粉砕処理は水中破砕によって固形物が数m
m程度になるように行えばよく、これにより水相スラリ
とするとともに、水中破砕の際に鉄等を分離除去する。
次いで、この水相スラリはサイクロンに投入され、ここ
でアルミニウム、ガラス等の有用物を分離し、有機性固
形物を含むスラリを脱水装置を介してポンプ輸送可能な
含水率(約14重量%)となるように調整して貯槽タン
ク12に投入するのである。前処理が終了した廃棄物ス
ラリは高圧ポンプにより反応器14に送給されるが、貯
槽タンク12の出口部でアルカリタンク20から連続的
にアルカリ性物質が廃棄物スラリ中に注入される。
【0027】都市ごみ等の固形廃棄物中には、熱分解に
伴い塩化水素を発生する塩化ビニル等の有機塩素系樹脂
が含まれるので、反応器14内で水熱反応に処する廃棄
物スラリにアルカリ性物質を注入することにより、塩化
水素を中和処理するようになっている。
【0028】アルカリ性物質としては、水酸化ナトリウ
ム(NaOH)、炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )、水
酸化カルシウム(Ca(OH)2 )等の他、炭酸カリウ
ム(K2 CO3 )、炭酸水素ナトリウム(NaHC
3 )、炭酸水素カリウム(KHCO3 )、ギ酸ナトリ
ウム(NaHCOO)等のアルカリ金属化合物もしくは
アルカリ土類金属化合物を用いることができるが、実地
的検討から炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )が最も望ま
しい。
【0029】このようなアルカリ性物質は反応器14の
出口の反応生成物スラリのpHが弱酸性のpH=3〜5
となるように、アルカリ性物質の添加量を調整すればよ
い。処理する固形廃棄物は多種多様であるため、固形廃
棄物スラリの単位送給量に対して1〜5重量%の添加量
とするが、反応器14の出口pHを検出しつつアルカリ
添加量を調整することができる。
【0030】高圧ポンプ(図示略)により送給されるア
ルカリが添加された廃棄物スラリは反応器14に供給さ
れる前段で予め常温から反応温度まで加熱される。この
ため、第1熱交換器16、第2熱交換器18にて段階的
に昇温させている。適宜な温度まで昇温された廃棄物ス
ラリは反応器14に供給される。当該反応器14内の反
応温度は250〜350℃、好ましくは280〜300
℃であり、反応圧力はその反応温度における飽和蒸気圧
以上であればよい。
【0031】反応時間は通常5〜60分、好ましくは1
0〜30分である。反応温度は滞留時間との関連で決め
られ、反応時間を長くすることにより反応温度を下げる
ことができ、また逆に、反応温度を上げることにより反
応時間を短くすることができるが、基本的には当該廃棄
物スラリの中で反応が律速となる固形物にあわせて決め
ることが望ましい。
【0032】このように、アルカリ性物質を廃棄物スラ
リ内に供給し、第1熱交換器16、第2熱交換器18を
経由して送られる廃棄物スラリは、反応器14内で吸熱
反応による水熱反応処理された後、次工程のフラッシュ
ドラム23に供給される。そして、各フラッシュドラム
23で発生したフラッシュガスはガス排出管57、5
8、59からガス排出管60を介して第1熱交換器16
に導入される。当該第1熱交換器16を通る反応前の廃
棄物スラリを予熱し、引続き熱媒により第2熱交換器1
8を通る反応前の廃棄物スラリを、反応温度250〜3
50℃、望ましくは325℃程度まで昇温されて反応器
14に導入される。このスラリは反応器14内で数十分
間保持され、液圧はその温度における飽和蒸気圧より高
圧となるようにして沸騰が防止されている。
【0033】反応器14で水熱反応を完了した反応生成
スラリは減圧弁35Aを介して、第1フラッシュドラム
23Aに送給するとフラッシュにより減圧され、減圧に
より降温された温度に見合う反応生成スラリ中に含有さ
れる有機酸、炭酸ガス、一酸化炭素、水素などのガスを
蒸気とともにいわゆるフラッシュガスとして放出する。
特に、有機酸としては、例えば強酸性成分の脂肪族カル
ボン酸や芳香族カルボン酸や弱酸性成分のフェノール類
などがあり、例えばフラッシュ後の飽和蒸気圧が55Kg
/cm2であれば、飽和温度269℃以下の低沸点成分に属
する有機酸がフラッシュガスとともに逃げていくことに
なるのである。なお、炭酸ガスは多段フラッシュドラム
23の内、第1フラッシュドラム23Aへのフラッシュ
時に大部分は逃げていくことになる。
【0034】以下、第2フラッシュドラム23B、第3
フラッシュドラム23Cについても前述した第1フラッ
シュドラム23Aと同様のフラッシュを行なうことがで
きるとともに、より脱ガスが徹底し、フラッシュガスに
よって第1熱交換器16内を流通する反応前スラリを高
い温度まで昇温できるのである。多段フラッシュによっ
てエンタルピの高い反応生成スラリは、等エンタルピ膨
張によりフラッシュガスを放出して最後の第3フラッシ
ュドラム23Cから大気オープンされたベント管51を
有したフラッシュタンク50へと移送されて、100℃
以下まで冷却されて脱ガス反応生成スラリとなる。
【0035】また、フラッシュタンク50へと移送され
た脱ガス反応生成スラリは、さらに、次の分離手段24
にてスラリ相(製品スラリ)と水相(廃水)とに分離さ
れるが、当該分離手段24としては、重力分離や遠心分
離機などがあるが、遠心分離機が最も望ましく、当該遠
心分離機によってさらに水を分離して固形分濃度50〜
55重量%の製品スラリを得るのである。
【0036】前記分離手段24によって脱水分離された
50〜55重量%の反応生成スラリの粒径分布が大きい
ことから、図示しない次工程の湿式粉砕機にて幾何平均
径が125μ以下になるまで粉砕して製品スラリを得る
ようにしてもよい。なお、本実施例では3槽のフラッシ
ュドラム23を直列に配設した場合について述べたが、
これに限定せずに2槽にしてもよいし、4槽以上にして
もよく、またフラッシュドラム23の槽数に合わせて第
1熱交換器16の基数を増やすこともでき、その場合特
に槽の数を増やすとより一層脱ガスおよび熱回収が徹底
して行われることとなる。
【0037】一方、分離手段24により分離された廃水
のpH値は、約4〜6であり、前記フラッシュドラム2
3(23A、23B、23C)において酸性成分を有す
る有機酸や炭酸ガスなどをフラッシュガスとして放出し
たことにより、反応器14から排出された反応生成スラ
リのpH値3〜5より中性側に移行している。前記した
多段フラッシュなどの脱ガス操作により反応生成スラリ
中に溶存する有機酸や炭酸ガスなどが脱ガスされるが、
特に、低沸点成分の脂肪族カルボン酸や芳香族カルボン
酸などの強酸性成分の有機酸がフラッシュガスとして反
応生成スラリから分離促進されるために、分離手段24
で分離された廃水中のpH値はより一層弱酸性に移行す
ることになる。このことから、廃水の一部を循環水(W
1)として再利用しても水熱反応のために注入するアル
カリ性物質の量は、従来のようにフラッシュによる脱ガ
ス操作を行なわない場合に比べて少なくできるのであ
る。
【0038】本実施例では、系内の水バランスから前記
廃水をさらに廃水処理装置(図示略)で処理するための
廃水処理用水(W2)と前処理手段10にて再利用する
ための循環水(W1)との比率を1:3として、前記循
環水(W1)の再利用を積極的に行なうようにしたが、
当該比率は限定されたものではなく、反応器14中で固
形廃棄物を脱炭酸反応させ固形廃棄物の炭化を促進させ
る(ドライベースにおける発熱量を増加)ために反応温
度や滞留時間を増加すると、結果的に循環水中に含有さ
れる有機酸が増加することとなるため、循環水(W1)
を減少せざるを得なくなる。このことから、反応器14
の反応温度や滞留時間を少なくするなどして、可能な限
り反応生成スラリ中に有機酸を含有しないような適正な
操作下で操作することが重要となる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明では、反応器で水熱反応して得られた反応生
成スラリを多段フラッシュさせて有機酸や炭酸ガスなど
の脱ガスを行なうことにより、脱ガス反応生成スラリを
分離手段で得られた廃水中のpH値をより一層弱酸性側
に移行できるため、前処理手段への循環水として再利用
でき、また再利用した場合でも当該循環水を中和するた
めのアルカリ性物質の注入量を少なくできる。さらに、
フラッシュして得られたフラッシュガスを反応前スラリ
の予熱に熱源として利用する際に、フラッシュガスを熱
交換器のシェル側に流通しながら加熱できるため、伝熱
効率の低下を防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る本発明の反応生成スラリから分離
した廃水の再利用方法を実施するシステムの構成ブロッ
ク図である。
【図2】反応生成スラリを多段フラッシュさせる場合の
フロー図である。
【図3】従来の自己熱交換器を用いた場合の固形廃棄物
処理システムの構成ブロック図である。
【符号の説明】
10 前処理手段 12 貯槽タンク 14 反応器 16 第1熱交換器 18 第2熱交換器 20 アルカリタンク 22 アルカリ供給ポンプ 23(23A、23B、23C) フラッシュドラム 23a 円筒部 23b 上部鏡板 23c 下部鏡板 24 分離手段 32 pH計 34 制御手段 35(35A、35B、35C) 減圧弁 42 PIC 43〜45 LIC 46 導入管 50 フラッシュタンク 51 ベント管 52 ボール弁 54〜56 圧力制御弁 57〜60 ガス排出管 65 フラッシュセパレータ

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機固形物を含む廃棄物を前処理工程に
    てスラリ化し、この廃棄物スラリにアルカリ性物質を加
    え、このアルカリ性廃棄物スラリを反応器にて水熱反応
    させて得られた高圧の反応生成スラリを多段フラッシュ
    ドラム内にフラッシュさせて有機酸、炭酸ガス、水蒸気
    などを有したフラッシュガスと脱ガス反応生成スラリと
    に分離した後、引続き前記脱ガス反応生成スラリを再度
    分離手段にて製品スラリと廃水とに分離後、前記廃水の
    一部を前処理手段への循環水として再利用するようにし
    たことを特徴とするフラッシュ操作を用いた反応生成ス
    ラリの廃水の分離方法。
JP8222845A 1996-08-23 1996-08-23 フラッシュ操作を用いた反応生成スラリの廃水の分離方法 Pending JPH1057943A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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