JPH10156307A - 廃棄物処理中に回収した回収水の再利用方法 - Google Patents

廃棄物処理中に回収した回収水の再利用方法

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JPH10156307A
JPH10156307A JP8319213A JP31921396A JPH10156307A JP H10156307 A JPH10156307 A JP H10156307A JP 8319213 A JP8319213 A JP 8319213A JP 31921396 A JP31921396 A JP 31921396A JP H10156307 A JPH10156307 A JP H10156307A
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water
slurry
waste
flash gas
recovered
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JP8319213A
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English (en)
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Osamu Kameda
修 亀田
Yoshihiro Omiya
吉博 大宮
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固形廃棄物中に生じる廃水を蒸発缶を増設し
て、より一層エンタルピを増加させた後、等エンタルピ
膨張させてより多くのフラッシュガスを得るとともに、
当該フラッシュガスを凝縮させて回収水として再利用す
る。 【解決手段】 未分別状態にある有機固形物を含む廃棄
物を水中破砕し水スラリの状態で不燃物を除去した後に
アルカリを添加して水熱反応に処した後、濃縮工程にお
いて反応後のスラリを多段フラッシュさせて得られたフ
ラッシュガスの余剰熱を供給して加熱するとともに、循
環中の濃縮液の一部を抜き出して第1加熱手段に併設さ
れた第2加熱手段の流通中に外部から導入したスチーム
によって付加加熱し、より多くのフラッシュガスを得た
後、当該フラッシュガスを凝縮して回収した回収水を系
内にて循環使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ごみや産業廃
棄物などの有機固形分を含む廃棄物処理に係わり、特に
廃棄物処理中に生じる廃水を蒸発缶を増設して、より一
層エンタルピを増加させた後、等エンタルピ膨張させて
より多くのフラッシュガスを得るとともに、当該フラッ
シュガスを凝縮させて回収水として再利用するようにし
た廃棄物処理中に回収した回収水の再利用方法に関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】都市ごみ等の一般廃棄物や工場等から排
出される産業廃棄物等のいわゆる固形廃棄物は年々増加
しており、従来の埋立方式などによる処分処理方法では
対応し切れなくなっている。このような観点から、前処
理工程の段階にて固形廃棄物を水中破砕し、水スラリの
状態で再資源可能な鉄、アルミニウム、ガラス等の有用
物を回収した後に、適宜な水分値を有した状態まで脱水
し、次いで前記処理工程された廃棄物スラリを高温(2
50〜350℃)、高圧(100〜150Kg/cm2G)の条
件下、所定の滞留時間にて水熱反応で処理して得られた
高温・高圧の反応生成スラリを最終的に大気圧まで減圧
して製品スラリを得ていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前処理工程
で脱水処理などして得られた回収水をポンプなどのシー
水として再利用すると臭気があるために、外部に漏れた
場合は廃棄物処理設備周辺に悪臭が漂い作業環境を悪化
するなどの問題があった。当該事項の防止策として、系
外から工業用水などの清水を新規に供給するようにして
いたために、該シール水量が結局廃棄物の系内持ち込み
同伴水量の同等以上となり、結果的に廃水処理工程の負
荷量が増加することとなる。このため、該廃水を燃焼処
理するための助燃量が多くなり廃棄物処理の原単位が悪
くなるといった問題があった。
【0004】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、本発明の目的は廃水処理量を減らすために、濃
縮工程において外部より低圧スチームを受け入れて廃水
濃縮率を上げるとともに、フラッシュガス量を凝縮して
より多くの回収水を得た後、前記回収水をシール水とし
て再利用するようにした廃棄物処理中に回収した回収水
の再利用方法を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る第1の発明では、有機固形物を含む廃
棄物を前処理工程にてスラリ化し、この廃棄物スラリに
アルカリ性物質を加え、このアルカリ性廃棄物スラリを
反応器にて水熱反応させて得られた高圧の反応生成スラ
リを多段フラッシュ、分離手段などにより製品スラリと
廃水とに分離するに際し、前記遠心分離後の廃水を循環
して濃縮する過程で第1加熱手段に多段フラッシュして
得られたフラッシュガスの余剰熱を供給して加熱すると
ともに、前記循環中の濃縮液の一部を抜き出して第1加
熱手段に併設された第2加熱手段の流通中に外部から導
入したスチームによって付加加熱した濃縮液を蒸発缶に
て等エンタルピ膨張させてより多くのフラッシュガスを
得た後に、前記フラッシュガスを凝縮させて回収した回
収水を系内にて循環使用するようにした。また、第1の
発明を主体とする第2の発明では、第2加熱手段に外部
から低圧スチームを導入して循環濃縮液を昇温し、より
多くのフラッシュガスを得るようにした。
【0006】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る廃棄物処理
中に回収した回収水の再利用方法を図1〜図3を用いて
詳細に説明する。
【0007】図1は本発明の廃棄物処理中に回収した回
収水の再利用方法を実施するシステムの構成ブロック
図、図2は濃縮工程周辺のフロー図、図3は燃焼炉と晶
析工程周辺のフロー図である。
【0008】以下、図1を用いて固形廃棄物処理につい
て詳細に説明すると、未分別状態にある固形廃棄物を処
理する場合、再資源可能な鉄、アルミニウム、ガラス等
の有用物を含んでいるので、最初にこれを回収するとと
もに、固形廃棄物処理システムの連続運転のために固形
廃棄物を搬送可能な程度までスラリ化する必要がある。
このための前処理手段10が設けられており、この前処
理手段10は破砕装置と有用物の分離装置、並びに脱水
装置などから構成される。
【0009】したがって、この前処理手段では、未分別
状態にある有機固形物を含む固形廃棄物を水中破砕によ
り水スラリ化させるようにし、このスラリ化の段階で、
破砕物中に含まれる不燃物の比重差を利用して、再資源
可能な鉄、アルミニウム、ガラス等の有用物を回収する
ようにしている。そして、不燃物の除去された有機固形
物を含む水スラリを約10〜20重量%の固形物含有量
まで脱水し、後段の処理工程への搬送ができる程度に粘
性を調整している。
【0010】このような前処理手段10で処理された貯
槽タンク12に貯溜され、ここで貯槽タンク12の廃棄
物スラリは常温スラリである。貯槽タンク12内の廃棄
物スラリは高圧ポンプ(図示せず)等の圧送手段により
後段の反応器14に送給するようにして、反応器14内
を流通させる途中で水熱反応を生じるようにしている。
【0011】高圧ポンプ(図示略)により送給されるア
ルカリが添加された廃棄物スラリは反応器14に供給さ
れる前段で予め常温から反応温度まで加熱される。この
ため、第1熱交換器16、第2熱交換器18にて段階的
に昇温させている。適宜な温度まで昇温された廃棄物ス
ラリは反応器14に供給される。当該反応器14内の反
応温度は250〜350℃、好ましくは280〜300
℃であり、反応圧力はその反応温度における飽和蒸気圧
以上であればよい。
【0012】反応時間は通常5〜60分、好ましくは1
0〜30分である。反応温度は滞留時間との関連で決め
られ、反応時間を長くすることにより反応温度を下げる
ことができ、また逆に、反応温度を上げることにより反
応時間を短くすることができるが、基本的には当該廃棄
物スラリの中で反応が律速となる固形物にあわせて決め
ることが望ましい。
【0013】反応器14内の操作温度を250〜350
℃程度の適当な温度に昇温させるが、前記高圧ポンプに
より170気圧程度まで加圧した状態でスラリを送り込
むとともに、実施例では、第1熱交換器16と第2熱交
換器18で反応温度まで段階的に昇温させてから反応器
14に送給するようにしている。これにより昇温された
廃棄物スラリは反応器14を通過する過程で、反応温度
を維持しつつ、またその反応温度の飽和水蒸気圧以上に
設定され、数分ないしは数十分間の反応時間で、水熱反
応により熱分解されるのである。
【0014】ところで、都市ごみ等の原料廃棄物には、
熱分解に伴い塩化水素を発生する塩化ビニル等の有機塩
素系樹脂が含まれるので、水熱反応に処するスラリにア
ルカリ性物質を添加することにより塩化水素を中和処理
するようにしている。このため、アルカリタンク20が
設けられ、このタンク20から供給されるアルカリ性物
質を連続的に注入供給している。このアルカリ性物質
は、Na2 CO3 、NaOH等が用いられる。
【0015】アルカリ性物質としては、水酸化ナトリウ
ム(NaOH)、炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )、水
酸化カルシウム(Ca(OH)2 )等の他、炭酸カリウ
ム(K2 CO3 )、炭酸水素ナトリウム(NaHC
3 )、炭酸水素カリウム(KHCO3 )、ギ酸ナトリ
ウム(NaHCOO)等のアルカリ金属化合物もしくは
アルカリ土類金属化合物を用いることができるが、実地
的検討から炭酸ナトリウム(Na2 CO3 )が最も望ま
しい。
【0016】このようなアルカリ性物質は反応器14の
出口の反応生成物スラリのpHが弱酸性のpH=3〜5
となるように、アルカリ性物質の添加量を調整すればよ
い。処理する固形廃棄物は多種多様であるため、固形廃
棄物スラリの単位送給量に対して1〜5重量%の添加量
とするが、反応器14の出口pHを検出しつつアルカリ
添加量を調整することができる。
【0017】アルカリ性物質は、反応によって塩酸等が
生じることにより反応器や熱交換器、その他の配管等の
接液部に腐食が生じることを防止する目的で添加され
る。アルカリタンク20からのアルカリ性物質の供給量
は、連続注入方式とされ、通常、廃棄物スラリの固形分
に対して10重量%未満、望ましくは4〜8重量%の割
合で注入されるが、これは固形廃棄物の種類にもよる
が、発生する塩化水素の中和に必要な量である。
【0018】このようなアルカリ性物質の注入のため、
アルカリ供給ポンプ22が供給配管に設けられ、特に、
前記貯槽タンク12の直下流部に接続して固形廃棄物ス
ラリに注入するようにしている。ポンプ22は反応生成
物のpH値をpH計32で測定して得られた結果をフイ
ードバックし、注入するアルカリ量を制御手段34を介
して調整できるような可変ポンプとされる。
【0019】反応器14における水熱反応後の生成スラ
リを、当該実施例では、反応器14から、フラッシュド
ラム23を介してフラッシュさせて得られたフラッシュ
ガスは第1熱交換器16に供給して反応前スラリと熱交
換を成すようになっている。また、前記第1熱交換器1
6の下流側には第2熱交換器18が配設してあり、第1
熱交換器16で加熱された反応前スラリを所定の反応温
度まで昇温するために外部から熱媒または高圧スチーム
を導入して加熱するようになっている。フラッシュドラ
ム23でフラッシュされて得られた液(スラリ)と気体
(フラッシュガス)のうち、反応生成スラリは分離手段
24に供給され、ここで大気圧まで減圧されるととも
に、遠心濾過などで濃縮する過程で、フラッシュガスお
よび塩化物などを含む廃水を分離し、製品スラリとす
る。
【0020】一方、フラッシュドラム23を介してフラ
ッシュさせて得られたCO2 、CO、H2 などのフラッ
シュガスは図2に示すように、第1熱交換器16に供給
して反応前スラリと熱交換を成した後、フラッシュガス
の一部は凝縮され気・液混相流となり、第1凝縮水セパ
レータ40に供給されて、フラッシュガスと凝縮水とに
分離される。当該フラッシュガスはライン43を通って
第3熱交換器44のシェル側に供給される。そして、当
該第3熱交換器44では後述する分離手段24で分離さ
れた循環水の一部を第3熱交換器44のチューブ側に流
通して、循環加熱する間にライン43を通って流通する
前記フラッシュガスにより循環水のエンタルピは増加さ
れるようになっている。
【0021】循環水の加熱に利用されたフラッシュガス
の一部は凝縮し、気・液混相流れを形成してライン45
を通って第2凝縮水セパレータ46に供給されて、フラ
ッシュガスと凝縮水とに分離される。そして、さらにフ
ラッシュガスはライン53を通って燃焼炉70へ送られ
て濃縮廃水とともに、焼却処理されるようになってい
る。また、第1凝縮水セパレータ40で分離されて底部
に貯溜された凝縮水は、ライン65を通って前処理手段
10に送給されて再利用されるが、途中、ライン42を
通って流入する循環水および第2凝縮水セパレータ46
の底部から排出される凝縮水とともに、ライン52を通
って前処理手段10に送給されるようになっている。
【0022】他方、分離手段24で分離された循環水の
一部は、濃縮工程100の一部を構成する前記第3熱交
換器44と蒸発缶48および濃縮循環ポンプ50間をラ
イン47、ライン49、ライン51で循環可能に連結さ
れているライン51にライン41を介して供給されるよ
うになっている。なお、濃縮工程100は、前記した第
3熱交換器44、蒸発缶48、濃縮ポンプ50以外に、
第2凝縮水セパレータ46、濃縮廃水ポンプ55、第1
回収水セパレータ59、第1回収水排出ポンプ62、第
5熱交換器67および第1真空ポンプ120から構成さ
れている。
【0023】本発明では、図2に示すように、前記第3
熱交換器44と蒸発缶48および濃縮循環ポンプ50間
を循環する循環水は、第1加熱手段を成す前記第3熱交
換器44のチューブ側を流通中に加熱されるとともに、
第3熱交換器44と併設された第2加熱手段を成す第5
熱交換器67のチューブ側を分流中に加熱されるように
なっている。この場合、第5熱交換器67の入口側か
らシェル側に飽和温度が120〜133℃(飽和圧力:
1〜2Kg/cm2)のスチームを吹き込み、チューブ側
を流れる循環水と向流接触して循環水は付加加熱され、
エンタルピの増加した循環水は蒸発缶48でフラッシュ
して気・液分離され、フラッシュガス量の増加となって
現れるようになっている。なお、第5熱交換器67に吹
き込まれたスチームは循環水と熱交換後、出口側から
凝縮水として排出されるのである。
【0024】蒸発缶48で等エンタルピ膨張により分離
生成した水蒸気とフランジなどからの漏れ込み空気(非
凝縮ガス)との混合ガスはライン57を通って熱交換器
58で熱交換した後凝縮して気・液混相流となり、第1
回収水セパレータ59に供給されて、気・液分離される
ようになっている。そして、分離されたフラッシュガス
は約200Torrの真空を有する第1真空ポンプ12
0より、吸引され排出される。なお、第1回収水セパレ
ータ59で気・液分離されたフラッシュガスは、第1真
空ポンプ120で吸引排出する際に、例えばライン57
やライン60の接続に用いられるフランジ部などから配
管内に漏入した空気を主として含むいわゆる非凝縮ガス
である。
【0025】分離された液(回収水)は第1回収水排出
ポンプ62によりライン63を介して分離手段24へ送
給され、例えば反応生成スラリを遠心濾過機で濾過した
後の洗浄水として再利用されるようになっている。ま
た、約70℃の温度下で約200Torrの真空圧を有
する蒸発缶48でフラッシュされて分離した濃縮廃水は
蒸発缶48の底部に一旦貯溜されて、ライン49を介し
て濃縮循環ポンプ50に送給されるようになっている。
そして、当該ライン49の途中からライン54を介して
一部の濃縮廃水を濃縮廃水ポンプ55から抜き出し、ラ
イン56を通って燃焼炉70へ送給して処理するように
なっている。
【0026】次に、図3に示すように、前記第1凝縮水
セパレータ40、第3熱交換器44および第2凝縮水セ
パレータ46(操作温度約80℃)を介してフラッシュ
ガスの持つエンタルピを回収後のフラッシュガスと、分
離手段24から濃縮工程100を経てライン56を介し
て排出される濃縮廃水は、それぞれ約900〜950℃
の炉内温度を有した燃焼炉70で燃焼処理される。該フ
ラッシュガスおよび濃縮廃水の燃焼処理に際しては、分
離手段24で分離された50〜55重量%の製品スラリ
を助燃剤として使用し、適宜な過剰空気を吹き込みなが
ら燃焼させるのである。なお、製品スラリを助燃剤とし
て使用する場合に、事前に製品スラリと例えば石炭など
の補助燃料を混合してカロリーアップを図るようにして
もよい。
【0027】濃縮廃水はライン56を介して燃焼炉70
に供給され、濃縮廃水中に含有される有機物はほぼ完全
燃焼し、灰分を同伴した燃焼ガスとなる。濃縮廃水と同
様に第2凝縮水セパレータ46から出たフラッシュガス
はライン53を通って燃焼炉70に供給され、焼却処理
される。当該燃焼ガスは燃焼炉70の下部のディップチ
ューブ71を介して廃水貯溜槽72内に吹き込まれる。
当該ディップチューブ71の下部域は廃水貯溜槽72内
の貯溜液中に浸漬されており、燃焼ガスに同伴した灰分
は貯溜液中を通る間に洗浄されてクリーンな燃焼ガスに
なるようになっている。
【0028】前記廃水貯溜槽72には貯溜液供給ポンプ
88からライン89を介して前記ディップチューブ71
の上部に供給され、供給された貯溜液はディップチュー
ブ71の内壁面を濡壁状態を呈しながら流下する循環ラ
インが形成されている。貯溜液を循環ライン中で長時間
循環していると、貯溜液中にアッシュ分や未燃物が次第
に系内に蓄積されていくのを防止するために、循環ライ
ン内で循環中の貯溜液の一部をライン90を介して抜き
出し次工程の晶析工程200に送給するのである。前記
ライン90を介して抜き出し弁91から抜き出される貯
溜液の抜き出し量は、廃水貯溜槽72内の液深が一定と
なるようにレベルコントロールLC87で制御されてい
る。
【0029】廃水貯溜槽72内の貯溜液で灰分などを洗
浄・除去されるとともに、冷却された燃焼ガスは、ライ
ン73を介して第4熱交換器74のシェル側に供給さ
れ、該燃焼ガスの持つ顕熱で循環ライン内から抜き出さ
れて第4熱交換器74のチューブ側を流通中の貯溜液に
顕熱を付与し加熱した後、生成した凝縮水はライン10
5を通って再度廃水貯溜槽72に戻されるが、貯溜液に
顕熱を付与した燃焼ガスはライン100を通ってベンチ
ュリースクラバ101に送給される。ここで、燃焼ガス
に同伴する灰分などを除去するために、第7セパレータ
106、循環ポンプ107をライン110、111を介
して循環する循環水としてベンチュリースクラバー10
1を通して噴霧するのである。
【0030】また、約900〜950℃の燃焼ガスを燃
焼炉70の下部のディップチューブ71を介して廃水貯
溜槽72内に吹き込ませて80〜90℃に急冷すること
により、燃焼ガス中に含まれるダイオキシンの発生を皆
無にすることである。第7セパレータ106へはライン
109を通って外部から補給水が補給され、第7セパレ
ータ106の底部の貯溜液がオーバーフロにて一定とな
るようにライン108を通って液の抜き出しが行なわれ
る。
【0031】抜き出された液はライン108から廃水貯
溜槽72へ戻されるのである。さらに、前述した循環ラ
イン90から抜き出された貯溜液の一部は、晶析工程2
00の一部を構成する第4熱交換器74、晶析缶76お
よび貯溜液循環ポンプ79をそれぞれライン75、7
7、78で連結して晶析を行うための循環ラインを形成
するライン77に連結され、前記循環ライン内の貯溜液
の循環中に晶析が行われるようになっている。なお、本
発明では、晶析工程200は、第4熱交換器74、晶析
缶76、第2回収水セパレータ82、貯留液循環ポンプ
79、第2回収水排出ポンプ85、濃縮液抜き出しポン
プ93、遠心分離機95、分離液戻りポンプ97、第2
真空ポンプ125から構成されている。
【0032】燃焼ガスにより加熱された抜き出し貯溜液
は前記第4熱交換器74を流通中に燃焼ガスにより加熱
され、ライン75を通って晶析缶76(操作温度は60
〜65℃)に供給され、等エンタルピ膨張により加熱貯
溜液から水蒸気を生成する。当該水蒸気はライン80を
通って熱交換器81で冷却水と熱交換した後凝縮され、
引続き漏れ込み空気(非凝縮性ガス)と凝縮水のいわゆ
る気・液混相流を形成した状態で第2回収水セパレータ
82に供給されて、気・液分離が行われる。
【0033】約100Torrの真空圧を有する第2真
空ポンプ125によって第2回収水セパレータ82の頂
部からは非凝縮性ガスが大気中に吸引・放出され、分離
後の凝縮水は第2回収水セパレータ82の底部に貯溜さ
れライン84を介して第2回収水排出ポンプ85からラ
イン83を通って分離手段24へ回収水として送給され
る。そして、分離手段24では洗浄水として利用され
る。
【0034】また、晶析缶76でフラッシュにより分離
された貯溜液の濃縮液は一旦晶析缶76に貯溜された
後、ライン92を介して濃縮液抜き出しポンプ93で抜
き出される。そして、ライン94を介して遠心分離器9
5へ供給されて遠心分離に供され、ケーク状のスラッジ
と分離水とに分離される。当該分離水はライン96を介
して分離液戻りポンプ97を通り、ライン98を介して
前述した循環ラインを形成するライン77に再度戻され
るのである。なお、スラッジはライン99を通って抜き
出され、適宜固形剤で固化した後、埋立などの廃棄処分
に処されるようになっている。
【0035】本発明では前述したように、濃縮工程10
0に配設されて第2加熱手段を成す第5熱交換器67を
追加して循環水を付加加熱させたことから、蒸発缶48
でフラッシュされて分離した濃縮廃水は減少し、その分
フラッシュガスがより一層増加することとなるため、当
該フラッシュガスが熱交換器58を流通中に冷却されて
凝縮されたものが、第1回収水セパレータ59に貯溜さ
れる。
【0036】一方、晶析工程200に配設された第4熱
交換器74を流通中の循環液は燃焼ガスによって加熱さ
れ、、晶析缶76においてフラッシされ、等エンタルピ
膨張により加熱貯溜液から水蒸気を生成する。当該水蒸
気は熱交換器81で冷却水と熱交換し凝縮されたものが
第2回収セパレータ82の底部に貯溜される。
【0037】第1回収水セパレータ59に貯溜された凝
縮水と、第2回収セパレータ82の底部に貯溜された凝
縮水はともに回収水として回収され、分離手段24を成
す遠心分離器で反応生成スラリを遠心分離し、遠心分離
器24内に残留している濾滓を洗浄し、濾材の目詰まり
などを防止しながら固・液の分離効率を向上させるため
の洗浄水として利用される。
【0038】第5熱交換器67を追加して循環水を付加
加熱させたことから、前記回収水(A)の回収量は顕著
となり、分離手段24の洗浄水として使用される量を上
回ることから、図1に示す如く、余った回収水は燃焼炉
70の補給水の一部として利用される。
【0039】
【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明では、反応器で水熱反応して得られた反応生
成スラリを濃縮工程において、循環水を付加加熱すべく
加熱手段を増設して循環水のエンタルピを高めたうえ
で、蒸発缶で等エンタルピ膨張するようにしたので、フ
ラッシュガス量がより一層増加し、当該フラッシュガス
を凝縮して回収水をより多く得るようにしたので、回収
水の回収効率が大幅に向上するとともに、燃焼炉にて処
理する廃水量が減少できることから、燃焼炉の処理負荷
量が最少限まで減少し、これに伴って廃水の燃焼処理に
使用される助燃量を大幅に減少できる。また、得られた
回収水は廃棄物スラリを一旦水熱反応器にて反応処理し
た反応生成スラリをさらに製品スラリの生成の過程でフ
ラッシュ操作による固・液分離の促進時に分解ガスなど
の脱ガスも促進されたものを回収水として回収している
ことから、悪臭はほとんどなくポンプなどのシール水や
遠心分離器の洗浄用などの回収水として十分再利用でき
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る廃棄物処理中に回収した回収水の
再利用方法を実施するシステムの構成ブロック図であ
る。
【図2】濃縮工程周辺のフロー図である。
【図3】燃焼炉と晶析工程周辺のフロー図である。
【符号の説明】
10 前処理手段 12 貯槽タンク 14 反応器 16 第1熱交換器 18 第2熱交換器 20 アルカリタンク 22 アルカリ供給ポンプ 23 フラッシュドラム 24 分離手段 32 pH計 34 制御手段 40 第1凝縮水セパレータ 44 第3熱交換器(第1加熱手段) 46 第2凝縮水セパレータ 48 蒸発缶 50 濃縮循環ポンプ 55 濃縮廃水ポンプ 59 第1回収水セパレータ 62 第1回収水排出ポンプ 67 第5熱交換器(第2加熱手段) 70 燃焼炉 72 廃水貯溜槽 74 第4熱交換器 76 晶析缶 79 貯溜液循環ポンプ 82 第2回収水セパレータ 85 第2回収水排出ポンプ 88 貯溜液供給ポンプ 93 濃縮液抜き出しポンプ 95 遠心分離機 97 分離液戻りポンプ 100 濃縮工程 101 ベンチュリースクラバ 106 第7セパレータ 107 循環ポンプ 120 第1真空ポンプ 125 第2真空ポンプ 200 晶析工程

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機固形物を含む廃棄物を前処理工程に
    てスラリ化し、この廃棄物スラリにアルカリ性物質を加
    え、このアルカリ性廃棄物スラリを反応器にて水熱反応
    させて得られた高圧の反応生成スラリを多段フラッシ
    ュ、分離手段などにより製品スラリと廃水とに分離する
    に際し、前記遠心分離後の廃水を循環して濃縮する過程
    で第1加熱手段に多段フラッシュして得られたフラッシ
    ュガスの余剰熱を供給して加熱するとともに、前記循環
    中の濃縮液の一部を抜き出して第1加熱手段に併設され
    た第2加熱手段の流通中に外部から導入したスチームに
    よって付加加熱した濃縮液を蒸発缶にて等エンタルピ膨
    張させてより多くのフラッシュガスを得た後に、前記フ
    ラッシュガスを凝縮させて回収した回収水を系内にて循
    環使用するようにしたことを特徴とする廃棄物処理中に
    回収した回収水の再利用方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の第2加熱手段に外部か
    ら低圧スチームを導入して循環濃縮液を昇温し、より多
    くのフラッシュガスを得るようにしたことを特徴とする
    廃棄物処理中に回収した回収水の再利用方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110285572A (zh) * 2019-06-11 2019-09-27 东南大学 一种补气增焓双源热泵热水器系统
CN110513156A (zh) * 2019-08-14 2019-11-29 华北电力大学(保定) 水热碳化耦合双闪蒸-有机朗肯循环发电系统及发电方法
CN111410350A (zh) * 2019-01-07 2020-07-14 湖南军信环保股份有限公司 一种利用低热值可燃气体协同处理高盐废水的方法

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