JPH10156306A - 廃棄物処理に使用したアルカリ性物質の回収方法 - Google Patents

廃棄物処理に使用したアルカリ性物質の回収方法

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JPH10156306A
JPH10156306A JP8319211A JP31921196A JPH10156306A JP H10156306 A JPH10156306 A JP H10156306A JP 8319211 A JP8319211 A JP 8319211A JP 31921196 A JP31921196 A JP 31921196A JP H10156306 A JPH10156306 A JP H10156306A
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JP
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slurry
waste
sodium carbonate
wastewater
liquid
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JP8319211A
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English (en)
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Osamu Kameda
修 亀田
Yoshihiro Omiya
吉博 大宮
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Ube Corp
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Ube Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固形廃棄物を反応器内で反応処理した反応生
成スラリを分離、濃縮、燃焼、晶析の各工程を経て系内
処理する過程で、一度使用した後のアルカリ性物質を回
収し循環使用する。 【解決手段】 未分別状態にある有機固形物を含む廃棄
物を水中破砕し水スラリの状態で不燃物を除去した後に
アルカリを添加して水熱反応に処した後、反応後のスラ
リを多段フラッシュさせ、遠心分離器で分離した濾液の
一部をフラッシュガスの余剰熱を利用して第1濃縮工程
で濃縮させる。廃水中に含まれる高濃度の有機物を燃焼
炉で燃焼させて余剰分の有機酸ソーダを炭酸ソーダとし
て得た後、さらに、第2濃縮工程にて濃縮後、晶析工程
にて濃縮液を冷却し析出した炭酸ソーダを回収して循環
使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、都市ごみや産業廃
棄物などの有機固形分を含む廃棄物処理に係わり、特に
一度使用した後のアルカリ性物質を回収し循環使用する
ようにした廃棄物処理に使用したアルカリ性物質の回収
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】都市ごみ等の一般廃棄物や工場等から排
出される産業廃棄物等のいわゆる固形廃棄物は年々増加
しており、従来の埋立方式などによる処分処理方法では
対応し切れなくなっている。このような観点から、固形
廃棄物を水中破砕し、水スラリの状態で再資源可能な
鉄、アルミニウム、ガラス等の有用物を回収した後に、
適宜な水分値を有した状態まで脱水し、次いで高温(2
50〜350℃)、高圧(100〜150Kg/cm2G)の条
件下、所定の滞留時間にて水熱反応で処理して得られた
高温・高圧の反応生成スラリを最終的に大気圧まで減圧
して製品スラリを得ていた。
【0003】都市ごみ等の原料廃棄物には、熱分解に伴
い塩化水素を発生する塩化ビニル等の有機塩素系樹脂が
含まれるので、水熱反応に処するスラリにアルカリ性物
質を添加することにより塩化水素を中和処理するように
している。このため、アルカリタンク20が設けられ、
このタンク20から供給されるアルカリ性物質を連続的
に注入供給している。このアルカリ性物質は、Na2
3 、NaOH等が用いられる。
【0004】アルカリ性物質は、反応によって塩酸等が
生じることにより反応器や熱交換器、その他の配管等の
接液部に腐食が生じることを防止する目的で添加され
る。アルカリタンク20からのアルカリ性物質の供給量
は、連続注入方式とされ、通常、廃棄物スラリの固形分
に対して10重量%未満、望ましくは4〜8重量%の割
合で注入されるが、これは固形廃棄物の種類にもよる
が、発生する塩化水素の中和に必要な量以上である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
添加されたアルカリ性物質は、一度使用した後はそのま
ま廃水等と一緒に燃焼処理されるか、あるいは廃水処理
設備にて中和処理されたりすることから、回収して再利
用することがないために、アルカリ性物質の添加量は一
般的に廃棄物量の増加に伴って増える傾向にあり、廃棄
物生成スラリで得られたスラリ単価が高価になるといっ
た問題があった。
【0006】本発明は上記問題点に鑑みてなされたもの
であり、本発明の目的は固形廃棄物を反応器内で水熱分
解反応によって生成した反応生成スラリを製品スラリと
廃水とに分離後、廃水中に含有されるアルカリ性物質の
中でも炭酸ソーダに限定して回収し循環使用するように
して新規に供給するメークアップ分のアルカリ性物質
(炭酸ソーダ)量を低減するようにした廃棄物処理に用
いたアルカリの廃水からの回収方法を提供することにあ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る第1の発明では、有機固形物を含む廃
棄物を前処理工程にてスラリ化し、この廃棄物スラリに
アルカリ性物質を加え、このアルカリ性廃棄物スラリを
反応器にて水熱反応させて得られた高圧の反応生成スラ
リを多段フラッシュ、分離手段などにより製品スラリと
廃水とに分離するに際し、前記遠心分離後の廃水の一部
を多段フラッシュして得られたフラッシュガスの余剰熱
を利用して第1濃縮工程で濃縮させた後、前記廃水中に
含まれる高濃度の有機物を燃焼炉で燃焼させて余剰分の
有機酸ソーダを炭酸ソーダとて得た後、さらに第2濃縮
工程にて濃縮後、析出工程にて前記濃縮液を冷却し析出
した炭酸ソーダを回収して循環使用するようにした。ま
た、第1の発明を主体とする第2の発明では、廃水中に
含まれる高濃度の有機物を燃焼炉で燃焼させ、燃焼生成
した排ガスを燃焼炉下部の廃水貯溜槽で冷却し、該冷却
時に分離除去された灰分を貯溜液の抜き出し時に濾過器
にて除去した後の濃縮液を濃縮工程および析出工程を経
て炭酸ソーダを回収するようにした。
【0008】
【発明の実施の形態】以下に、本発明に係る廃棄物処理
に使用したアルカリ性物質の回収方法を図1ないし図4
を用いて詳細に説明する。
【0009】図1は本発明の廃棄物処理に使用したアル
カリ性物質の回収方法を実施するシステムの構成ブロッ
ク図、図2は第1濃縮工程周辺のフロー図、図3は燃焼
炉と第2濃縮工程周辺のフロー図、図4は晶析工程のフ
ロー図である。
【0010】以下、図1を用いて固形廃棄物処理につい
て詳細に説明すると、未分別状態にある固形廃棄物を処
理する場合、再資源可能な鉄、アルミニウム、ガラス等
の有用物を含んでいるので、最初にこれを回収するとと
もに、固形廃棄物処理システムの連続運転のために固形
廃棄物を搬送可能な程度までスラリ化する必要がある。
このための前処理手段10が設けられており、この前処
理手段10は破砕装置と有用物の分離装置、並びに脱水
装置などから構成される。
【0011】したがって、この前処理手段では、未分別
状態にある有機固形物を含む固形廃棄物を水中破砕によ
り水スラリ化させるようにし、このスラリ化の段階で、
破砕物中に含まれる不燃物の比重差を利用して、再資源
可能な鉄、アルミニウム、ガラス等の有用物を回収する
ようにしている。そして、不燃物の除去された有機固形
物を含む水スラリを約10〜20重量%の固形物含有量
まで脱水し、後段の処理工程への搬送ができる程度に粘
性を調整している。
【0012】このような前処理手段10で処理された貯
槽タンク12に貯溜され、ここで貯槽タンク12の廃棄
物スラリは常温スラリである。貯槽タンク12内の廃棄
物スラリは高圧ポンプ(図示せず)等の圧送手段により
後段の反応器14に送給するようにして、反応器14内
を流通させる途中で水熱反応を生じるようにしている。
【0013】高圧ポンプ(図示略)により送給されるア
ルカリが添加された廃棄物スラリは反応器14に供給さ
れる前段で予め常温から反応温度まで加熱される。この
ため、第1熱交換器16、第2熱交換器18にて段階的
に昇温させている。適宜な温度まで昇温された廃棄物ス
ラリは反応器14に供給される。当該反応器14内の反
応温度は250〜350℃、好ましくは280〜300
℃であり、反応圧力はその反応温度における飽和蒸気圧
以上であればよい。
【0014】反応時間は通常5〜60分、好ましくは1
0〜30分である。反応温度は滞留時間との関連で決め
られ、反応時間を長くすることにより反応温度を下げる
ことができ、また逆に、反応温度を上げることにより反
応時間を短くすることができるが、基本的には当該廃棄
物スラリの中で反応が律速となる固形物にあわせて決め
ることが望ましい。
【0015】反応器14内の操作温度を250〜350
℃程度の適当な温度に昇温させるが、前記高圧ポンプに
より170気圧程度まで加圧した状態でスラリを送り込
むとともに、実施例では、第1熱交換器16と第2熱交
換器18で反応温度まで段階的に昇温させてから反応器
14に送給するようにしている。これにより昇温された
廃棄物スラリは反応器14を通過する過程で、反応温度
を維持しつつ、またその反応温度の飽和水蒸気圧以上に
設定され、数分ないしは数十分間の反応時間で、水熱反
応により熱分解されるのである。
【0016】ところで、都市ごみ等の原料廃棄物には、
熱分解に伴い塩化水素を発生する塩化ビニル等の有機塩
素系樹脂が含まれるので、水熱反応に処するスラリにア
ルカリ性物質を添加することにより塩化水素を中和処理
するようにしている。このため、アルカリタンク20が
設けられ、このタンク20からアルカリ供給ポンプ22
を介して供給されるアルカリ性物質を連続的に注入供給
している。このアルカリ性物質としては、水酸化ナトリ
ウム(NaOH)、炭酸ソーダ(Na2 CO3)を用い
ることができるが、実地的検討から炭酸ソーダ(Na2
CO3 )が最も望ましく、実施例については炭酸ソーダ
の回収例について後述する。
【0017】このようなアルカリ性物質は反応器14の
出口の反応生成物スラリのpHが弱酸性のpH=3〜5
となるように、アルカリ性物質の添加量を調整すればよ
い。処理する固形廃棄物は多種多様であるため、固形廃
棄物スラリの単位送給量に対して1〜5重量%の添加量
とするが、反応器14の出口pHを検出しつつアルカリ
添加量を調整することができる。
【0018】アルカリ性物質は、反応によって塩酸等が
生じることにより反応器や熱交換器、その他の配管等の
接液部に腐食が生じることを防止する目的で添加され
る。アルカリタンク20からのアルカリ性物質の供給量
は、連続注入方式とされ、通常、廃棄物スラリの固形分
に対して10重量%未満、望ましくは4〜8重量%の割
合で注入されるが、これは固形廃棄物の種類にもよる
が、発生する塩化水素の中和に必要な量である。
【0019】系内に回収炭酸ソーダ(Na2 CO3 )の
蓄積がまったく無い場合の運転には、運転開始当初、液
状の水酸化ナトリウム(NaOH)かまたは固形状の炭
酸ソーダ(Na2 CO3 )に予め水を添加して適量の炭
酸ソーダスラリとしたものを使用するが、一旦運転が開
始され系内蓄積された炭酸ソーダが使用可能な状態にな
った後は、アルカリタンク20からのアルカリ性物質の
供給はあくまでもメークアップ用として限定使用され
る。
【0020】このような前者のイニシアル時のアルカリ
性物質の注入のため、アルカリ供給ポンプ22が供給配
管に設けられ、特に、前記貯槽タンク12の直下流部に
接続して固形廃棄物スラリに注入するようにしている。
ポンプ22は反応生成物のpH値をpH計32で測定し
て得られた結果をフイードバックし、注入するアルカリ
量を制御手段34を介して調整できるような可変ポンプ
とされる。なお、後者の系内蓄積された回収炭酸ソーダ
(Na2 CO3 )を循環使用する場合には、イニシアル
時のアルカリ性物質の注入時と同様に反応生成物のpH
値をpH計32で測定して得られた結果をフイードバッ
クし、メークアップ側に設けられたアルカリ供給ポンプ
22の回転数を変え得るようにした可変ポンプとされ
る。
【0021】反応器14における水熱反応後の生成スラ
リを、当該実施例では、反応器14から、フラッシュド
ラム23を介してフラッシュさせて得られたフラッシュ
ガスは第1熱交換器16に供給して反応前スラリと熱交
換を成すようになっている。また、前記第1熱交換器1
6の下流側には第2熱交換器18が配設してあり、第1
熱交換器16で加熱された反応前スラリを所定の反応温
度まで昇温するために外部から熱媒または高圧スチーム
を導入して加熱するようになっている。フラッシュドラ
ム23でフラッシュされて得られた液(スラリ)と気体
(フラッシュガス)のうち、反応生成スラリは分離手段
24に供給され、ここで大気圧まで減圧されるととも
に、遠心濾過などで濃縮する過程で、フラッシュガスお
よび塩化物などを含む廃水を分離し、製品スラリとす
る。
【0022】一方、フラッシュドラム23を介してフラ
ッシュさせて得られたCO2 、CO、H2 などのフラッ
シュガスは図2に示すように、第1熱交換器16に供給
して反応前スラリと熱交換を成した後、フラッシュガス
の一部は凝縮され気・液混相流となり、第1凝縮水セパ
レータ40に供給されて、フラッシュガスと凝縮水とに
分離される。当該フラッシュガスはライン43を通って
第3熱交換器44のシェル側に供給される。そして、当
該第3熱交換器44では後述する分離手段24で分離さ
れた循環水の一部を第3熱交換器44のチューブ側に流
通して、循環加熱する間にライン43を通って流通する
前記フラッシュガスにより循環水のエンタルピは増加さ
れるようになっている。
【0023】循環水の加熱に利用されたフラッシュガス
の一部は凝縮し、気・液混相流れを形成してライン45
を通って第2凝縮水セパレータ46に供給されて、フラ
ッシュガスと凝縮水とに分離される。そして、さらにフ
ラッシュガスはライン53を通って燃焼炉70へ送られ
て濃縮廃水とともに、焼却処理されるようになってい
る。また、第1凝縮水セパレータ40で分離されて底部
に貯溜された凝縮水は、ライン65を通って前処理手段
10に送給されて再利用されるが、途中、ライン42を
通って流入する循環水および第2凝縮水セパレータ46
の底部から排出される凝縮水とともに、ライン52を通
って前処理手段10に送給されるようになっている。
【0024】他方、分離手段24で分離された循環水の
一部は、第1濃縮工程100の一部を構成する前記第3
熱交換器44と蒸発缶48および濃縮循環ポンプ50間
をライン47、ライン49、ライン51で循環可能に連
結されているライン51にライン41を介して供給され
るようになっている。なお、第1濃縮工程100は、前
記した第3熱交換器44、蒸発缶48、濃縮ポンプ50
以外に、第2凝縮水セパレータ46、濃縮廃水ポンプ5
5、第1回収水セパレータ59、第1回収水排出ポンプ
62および第1真空ポンプ120から構成されている。
【0025】循環中に前記第3熱交換器44のチューブ
側を流通中に加熱され、エンタルピの増加した循環水は
蒸発缶48でフラッシュして気・液分離されるようにな
っている。蒸発缶48で等エンタルピ膨張により分離生
成した水蒸気とフランジなどからの漏れ込み空気(非凝
縮ガス)との混合ガスはライン57を通って熱交換器5
8で熱交換した後凝縮して気・液混相流となり、第1回
収水セパレータ59に供給されて、気・液分離されるよ
うになっている。そして、分離されたガスは約200T
orrの真空を有する第1真空ポンプ120より、吸引
され排出される。なお、第1回収水セパレータ59で気
・液分離されたガスは、第1真空ポンプ120で吸引排
出する際に、例えばライン57やライン60の接続に用
いられるフランジ部などから配管内に漏入した空気を主
として含むいわゆる非凝縮ガスである。
【0026】分離された液(回収水)は第1回収水排出
ポンプ62によりライン63を介して分離手段24へ送
給され、例えば反応生成スラリを遠心濾過機で濾過した
後の洗浄水として再利用されるようになっている。ま
た、約70℃の温度下で約200Torrの真空圧を有
する蒸発缶48でフラッシュされて分離した濃縮廃水は
蒸発缶48の底部に一旦貯溜されて、ライン49を介し
て濃縮循環ポンプ50に送給されるようになっている。
そして、当該ライン49の途中からライン54を介して
一部の濃縮廃水を濃縮廃水ポンプ55から抜き出し、ラ
イン56を通って燃焼炉70へ送給して高BODおよび
CODの濃縮廃水を処理するようになっている。
【0027】次に、図3に示すように、前記第1凝縮水
セパレータ40、第3熱交換器44および第2凝縮水セ
パレータ46(操作温度約80℃)を介してフラッシュ
ガスの持つエンタルピを回収後のフラッシュガスと、分
離手段24から第1濃縮工程100を経てライン56を
介して排出される濃縮廃水は弱酸性のpH4〜6のもの
であり、それぞれ約900〜950℃の炉内温度を有し
た燃焼炉70で燃焼処理される。当該濃縮廃水中には灰
分や塩化ナトリウム(NaCl)や塩基性有機分および
酢酸ソーダ(CH3 COONa)などの有機酸ソーダを
含有しており、燃焼炉70で燃焼処理すると灰分や塩化
ナトリウム(NaCl)などの他に、有機酸ソーダは炭
酸ソーダ(Na2 CO3 )や炭酸水素ナトリウム(Na
HCO3)となることから、廃水貯溜槽72内のpH値
は強アルカリの約11〜12となる。
【0028】また、該フラッシュガスおよび濃縮廃水の
燃焼処理に際しては、分離手段24で分離された50〜
55重量%の製品スラリを助燃剤として使用し、適宜な
過剰空気を吹き込みながら燃焼させるのである。なお、
製品スラリを助燃剤として使用する場合に、事前に製品
スラリと例えば石炭などの補助燃料を混合してカロリー
アップを図るようにしてもよい。
【0029】濃縮廃水はライン56を介して燃焼炉70
に供給され、濃縮廃水中に含有される有機物はほぼ完全
燃焼し、灰分を同伴した燃焼ガスとなる。濃縮廃水と同
様に第2凝縮水セパレータ46から出たフラッシュガス
はライン53を通って燃焼炉70に供給され、焼却処理
される。当該燃焼ガスは燃焼炉70の下部のディップチ
ューブ71を介して廃水貯溜槽72内に吹き込まれる。
当該ディップチューブ71の下部域は廃水貯溜槽72内
の貯溜液中に浸漬されており、燃焼ガスに同伴した灰分
は貯溜液中を通る間に洗浄されてクリーンな燃焼ガスに
なるようになっている。
【0030】前記廃水貯溜槽72には貯溜液供給ポンプ
88からライン89を介して前記ディップチューブ71
の上部に供給され、供給された貯溜液はディップチュー
ブ71の内壁面を濡壁状態を呈しながら流下する循環ラ
インが形成されている。貯溜液を循環ライン中で長時間
循環していると、貯溜液中に灰分や未燃物が次第に系内
に蓄積されていくのを防止するために、循環ライン内で
循環中の貯溜液の一部をライン90を介して抜き出し次
工程の第2濃縮工程200に送給するのである。前記ラ
イン90を介して抜き出し弁91、濾過器96から抜き
出される貯溜液の抜き出し量は、廃水貯溜槽72内の液
深が一定となるようにレベルコントロールLC87で制
御されている。なお、濾過器96を介して抜き出される
貯溜液中に含有される灰分の大部分は、濾材としての濾
布に編目の小さいものを使用しているために、ほぼ完全
に除去されるようになっている。濾布の目詰まりにより
廃水処理が不可能になるのを防止するために、同一の濾
過器96を一対並列配設して適宜切り換え可能な構成と
なっている。
【0031】廃水貯溜槽72内の貯溜液で灰分などを洗
浄・除去されるとともに、冷却された燃焼ガスは、ライ
ン73を介して第4熱交換器74のシェル側に供給さ
れ、該燃焼ガスの持つ顕熱で循環ライン内から抜き出さ
れて第4熱交換器74のチューブ側を流通中の貯溜液に
顕熱を付与し加熱した後、生成した凝縮水はライン10
5を通って再度廃水貯溜槽72に戻されるが、貯溜液に
顕熱を付与した燃焼ガスはライン99を通ってベンチュ
リースクラバ101に送給される。ここで、燃焼ガスに
同伴する灰分などを除去するために、第7セパレータ1
06、循環ポンプ107をライン110、111を介し
て循環する循環水としてベンチュリースクラバー101
を通して噴霧するのである。
【0032】また、約900〜950℃の燃焼ガスを燃
焼炉70の下部のディップチューブ71を介して廃水貯
溜槽72内に吹き込ませて80〜90℃に急冷すること
により、燃焼ガス中に含まれるダイオキシンの発生を皆
無にすることが可能である。さらに、第7セパレータ1
06へはライン109を通って外部から補給水が補給さ
れ、第7セパレータ106の底部の貯溜液がオーバーフ
ロにて一定となるようにライン108を通って液の抜き
出しが行なわれる。
【0033】抜き出された液はライン108から廃水貯
溜槽72へ戻されるのである。さらに、前述した循環ラ
イン90から抜き出された貯溜液の一部は、第2濃縮工
程200の一部を構成する第4熱交換器74、濃縮缶7
6および貯溜液循環ポンプ79をそれぞれライン75、
77、78で連結して晶析を行うための循環ラインを形
成するライン77に連結され、前記循環ライン内の貯溜
液の循環中により一層濃縮が行われるようになってい
る。なお、第2濃縮工程200は、第4熱交換器74、
濃縮缶76、第2回収水セパレータ82、貯留液循環ポ
ンプ79、第2回収水排出ポンプ85、濃縮液抜き出し
ポンプ93、遠心分離機95、分離液戻りポンプ97、
第2真空ポンプ125から構成されている。
【0034】燃焼ガスにより加熱された抜き出し貯溜液
は前記第4熱交換器74を流通中に燃焼ガスにより加熱
された後、ライン75を通って濃縮缶76(操作条件は
圧力100Torr、温度60〜65℃)に供給され、
等エンタルピ膨張により貯溜液から水蒸気を生成する。
当該水蒸気はライン80を通って熱交換器81で冷却水
と熱交換した後凝縮され、引続き漏れ込み空気(非凝縮
性ガス)と凝縮水のいわゆる気・液混相流を形成した状
態で第2回収水セパレータ82に供給されて、気・液分
離が行われる。
【0035】約100Torrの真空圧を有する第2真
空ポンプ125によって第2回収水セパレータ82の頂
部からは非凝縮性ガスが大気中に吸引・放出され、分離
後の凝縮水は第2回収水セパレータ82の底部に貯溜さ
れライン84を介して第2回収水排出ポンプ85からラ
イン83を通って分離手段24へ回収水として送給され
る。そして、分離手段24では洗浄水として利用され
る。
【0036】また、濃縮缶76でフラッシュにより分離
された濃縮液中の炭酸ソーダ(Na 2 CO3 )の濃度は
約20%(濃縮液の温度は約60〜65℃)であり、一
旦濃縮缶76に貯溜された後、ライン92を介して濃縮
液抜き出しポンプ93で抜き出され、次工程の晶析工程
300へと送給される。なお、当該晶析工程300は第
5熱交換器302、第6熱交換器304、第6熱交換
器、晶析用循環ポンプ306、晶析槽308、晶析液抜
き出しポンプ310、晶析液分離器312、分離液抜き
出しポンプ314、炭酸ソーダ調整タンク316および
炭酸ソーダ回収ポンプから構成されている。
【0037】前記濃縮液抜き出しポンプ93からライン
330を介して抜き出された約60〜65℃の濃縮缶7
6中の濃縮液は、第5熱交換器302にて後述する廃水
処理液と熱交換にて約20〜25℃まで冷却された後、
ライン332を通って第6熱交換器304、晶析槽30
8および晶析用循環ポンプ306間をライン334、3
36、338で循環可能に連結されているライン334
の途中に供給されるようになっている。
【0038】晶析用循環ポンプ306からライン336
を介して第6熱交換器304のチューブ側を流通中に冷
凍機320からのエチレングリコール水溶液などの冷媒
を第6熱交換器304のシェル側に循環流通させて約0
℃まで冷却される。因みに、冷凍機320から第6熱交
換器304へ送給されるエチレングリコール水溶液の温
度は約−10℃であり、第6熱交換器304内では濃縮
缶76からの濃縮液と第6熱交換器304と晶析槽30
8間を循環中の循環液との混合液が第6熱交換器304
のチューブ側を並流にて流通する間に約0℃まで冷却す
ることにより、第6熱交換器304の出口側のエチレン
グリコール水溶液の温度は約−5℃となる。
【0039】第6熱交換器304を流通する間に濃縮缶
76から抜き出された約20%濃度の炭酸ソーダ(Na
2 CO3 )は、約0℃まで冷却されてNa2 CO3 の溶
解度は約7%濃度(7g/100gH2 O)となり、第
6熱交換器304、晶析槽308間を循環流通する。約
0℃まで冷却されたことで、残りの約13%濃度(13
g/100gH2 O)のNa2 CO3 は析出されること
となり、晶析した循環液は晶析槽308に流入する。こ
のことから、第6熱交換器304内での循環液とエチレ
ングリコールとを向流接触させると、チューブ側を流通
する循環液中に含有されるNa2 CO3 の一部が析出し
てチューブ内壁面に付着し、汚れ係数が大きくなり伝熱
効率が低下する一因となるために、当該事項を防止する
ためにはチューブ内の流速を増加させたり、あるいは第
6熱交換器304を併設して切替え使用することが望ま
しい。因みに、第5熱交換器302内では、チューブ側
を流通する循環液中に含有されるNa2 CO3 の一部が
析出してチューブ内壁面に付着し、汚れ係数が大きくな
り伝熱効率が低下する一因となるために、当該事項を防
止するためには並流にて流通させるようにすることが望
ましい。
【0040】晶析槽308に流入した晶析液の一部はラ
イン340から晶析液抜き出しポンプ310を介して抜
き出され、さらにライン341を介して例えば遠心分離
器などで構成される晶析液分離器312に送給され、遠
心分離されて濾液を成す水、溶解した炭酸ソーダ分、塩
化ナトリウム(NaCl)と、晶析されて濾滓を成す炭
酸ソーダ(Na2 CO3 )とに分離される。なお、遠心
分離された後の約0℃の廃水は分離液抜き出しポンプ3
14を介して第5熱交換器302に送給され、第5熱交
換器302で濃縮缶76から抜き出された60〜65℃
の濃縮液と熱交換して約40℃まで昇温され、図示しな
い廃水処理設備に排出されるようになっている。
【0041】一方、遠心分離して回収された後のNa2
CO3 は、炭酸ソーダ調整タンク316に送給された
後、新たに約20℃の工業用水を適量供給して、例えば
30%濃度の炭酸ソーダ(Na2 CO3 )スラリとして
調整される。このようにして、回収された炭酸ソーダ
(Na2 CO3 )スラリは図1に示すように、定量供給
ポンプを成す炭酸ソーダ回収ポンプ318からライン3
52を介してアルカリ供給ポンプ22と貯槽タンク12
の直下流部に接続されたライン21に接続され、回収さ
れた必要分の炭酸ソーダが循環使用されるようになって
いる。
【0042】
【発明の効果】以上説明したことからも明らかなよう
に、本発明では、反応器で水熱反応して得られた反応生
成スラリを第1濃縮工程、燃焼炉、第2濃縮工程および
晶析工程を経て系内処理された炭酸ソーダを再使用する
ため、従来のように濾液や濾滓とに分離後に系外に排出
されて順次新規のアルカリ性物質を使用することもな
く、新規のアルカリ性物質の使用量を低減できる。ま
た、燃焼炉で燃焼した濃縮廃水はガスの洗浄を成す廃水
貯溜槽にて灰分などの不要分は濾過器にてほぼ完全に除
去されるために、晶析した炭酸ソーダには不純物はほと
んどなくアルカリ性物質として有効利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の廃棄物処理に使用したアルカリ性物質
の回収方法を実施するシステムの構成ブロック図であ
る。
【図2】第1濃縮工程周辺のフロー図である。
【図3】燃焼炉と第2濃縮工程周辺のフロー図である。
【図4】晶析工程のフロー図である。
【符号の説明】
10 前処理手段 12 貯槽タンク 14 反応器 16 第1熱交換器 18 第2熱交換器 20 アルカリタンク 22 アルカリ供給ポンプ 23 フラッシュドラム 24 分離手段 32 pH計 34 制御手段 40 第1凝縮水セパレータ 44 第3熱交換器 46 第2凝縮水セパレータ 48 蒸発缶 50 濃縮循環ポンプ 55 濃縮廃水ポンプ 59 第1回収水セパレータ 62 第1回収水排出ポンプ 70 燃焼炉 72 廃水貯溜槽 74 第4熱交換器 76 濃縮缶 79 貯溜液循環ポンプ 82 第2回収水セパレータ 85 第2回収水排出ポンプ 88 貯溜液供給ポンプ 91 抜き出し弁 93 濃縮液抜き出しポンプ 96 濾過器 100 第1濃縮工程 101 ベンチュリースクラバ 102 煙突 106 第7セパレータ 107 循環ポンプ 120 第1真空ポンプ 125 第2真空ポンプ 200 第2濃縮工程 300 晶析工程 302 第5熱交換器 304 第6熱交換器 306 晶析用循環ポンプ 308 晶析槽 310 晶析液抜き出しポンプ 312 晶析液分離器 314 分離液抜き出しポンプ 316 炭酸ソーダ調整タンク 318 炭酸ソーダ回収ポンプ 320 冷凍機

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機固形物を含む廃棄物を前処理工程に
    てスラリ化し、この廃棄物スラリにアルカリ性物質を加
    え、このアルカリ性廃棄物スラリを反応器にて水熱反応
    させて得られた高圧の反応生成スラリを多段フラッシ
    ュ、分離手段などにより製品スラリと廃水とに分離する
    に際し、前記遠心分離後の廃水の一部を多段フラッシュ
    して得られたフラッシュガスの余剰熱を利用して第1濃
    縮工程で濃縮させた後、前記廃水中に含まれる高濃度の
    有機物を燃焼炉で燃焼させて余剰分の有機酸ソーダを炭
    酸ソーダとて得た後、さらに第2濃縮工程にて濃縮後、
    晶析工程にて前記濃縮液を冷却し析出した炭酸ソーダを
    回収して循環使用するようにしたことを特徴とする廃棄
    物処理に使用したアルカリ性物質の回収方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の廃水中に含まれる高濃
    度の有機物を燃焼炉で燃焼させ、燃焼生成した排ガスを
    燃焼炉下部の廃水貯溜槽で冷却し、該冷却時に分離除去
    された灰分を貯溜液の抜き出し時に濾過器にて除去した
    後の濃縮液を濃縮工程および晶析工程を経て炭酸ソーダ
    を回収するようにしたことを特徴とする廃棄物処理に使
    用したアルカリ性物質の回収方法。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110270582A (zh) * 2019-07-23 2019-09-24 山东凯瑞英材料科技有限公司 硝基甲烷生产中固体废渣的处理装置和工艺

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