JPH1057446A - ガスバリアー性を有する薬剤容器及びその製造方法 - Google Patents

ガスバリアー性を有する薬剤容器及びその製造方法

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JPH1057446A
JPH1057446A JP8241055A JP24105596A JPH1057446A JP H1057446 A JPH1057446 A JP H1057446A JP 8241055 A JP8241055 A JP 8241055A JP 24105596 A JP24105596 A JP 24105596A JP H1057446 A JPH1057446 A JP H1057446A
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container
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amorphous silicon
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Kazuya Araki
和也 荒木
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 樹脂容器の光学特性を維持したまま、樹脂容
器に簡単に水蒸気バリアー性及び酸素バリアー性を付与
して薬剤の保存性を高めた薬剤容器及びその製造方法を
提供。 【構成】 固体或いは液体が液密に充填される樹脂容器
からなる薬剤容器において、上記樹脂容器の壁面に、
0.05乃至20μmの厚みで形成したポリシラザン膜
を酸化性雰囲気中で焼成した90%以上のアモルファス
酸化珪素(SiOm)層を設けてなるガスバリアー性を
有する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、樹脂容器に薬剤が充填
られたバイアル、輸液容器、或いは注射器(プレフィー
ルドシリンジ)等の薬剤容器に関するものであり、より
詳細には、樹脂容器の光学特性を維持したまま、樹脂容
器に簡単に水蒸気バリアー性及び酸素バリアー性を付与
して薬剤の保存性を高めた薬剤容器に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】最近、バイアル、輸液容器、注射器等の
ように予め薬剤が収容された薬剤容器として熱可塑性樹
脂の成形物が汎用されてきている。これは従来のガラス
製に比べて焼却廃棄が容易であり、軽量であり、しかも
破損しない点にある。しかしながら、樹脂容器にあって
は、光学特性、水蒸気透過性、酸素透過性等の点でガラ
ス容器より劣る。このため、樹脂製の薬剤容器内にグル
コースやアミノ酸等の薬液が長期間充填される場合に
は、水や酸素が容器壁から容器内に容易に透過し、かか
る薬剤の変質等が生じる。そこで、かかる薬剤容器をガ
スバリアー性の高いフィルム、例えば、塩化ポリビニル
デン等の包装材で包装し、包装体内に脱酸素剤等を共存
させたものが提案されている。また、薬剤容器の外壁面
を蒸着法で単純に酸化珪素を主成分としたセラミックス
で被覆したものが提案されている(特開平8−1827
40号公報)。かかるセラミック被膜は、水蒸気バリア
ー性及び酸素バリアー性の点でポリ塩化ビニリデンより
優れたものとなっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
樹脂製の薬剤容器及びその製造方法には以下の問題が生
じている。第一に、塩化ビニリデン等のフィルムで包装
した薬剤容器では、その包装材がガスバリアー性のもの
に限られ、包装材の取り扱いが煩雑な場合があり、また
脱酸素剤等の共存からその包装に手間がかかる。また、
塩化ビニリデン等を樹脂容器の樹脂層に直接積層する
と、塩化ビニリデン等のフィルムは塩素等を徐々に発生
するおそれがあり、収容薬剤に悪影響を与えるおそれが
ある。第二に、樹脂外壁面が酸化珪素で単純に被覆され
た層を有する樹脂製薬剤容器(特開平8−182740
号公報)は、被覆層が蒸着法によるものに限られる。こ
れはゾルゲルコーティング法では400℃以上での加熱
処理が必要であり、樹脂容器は加熱に耐えられないから
である。また、このような蒸着法による被膜層では、珪
素酸化物粒子が集合して層を形成しているものであり、
こうした粒子の集合体により形成される層には、結晶粒
界というものが存在し、十分なガスバリアー性を得るこ
とができない場合がある。また、蒸着法では、大気中の
雰囲気状態と異なる状態で行われるため、樹脂容器内に
予め薬剤を充填した状態で被覆層を形成することができ
ない。また、樹脂容器内を密封状態にしてから、被覆処
理をしなければならないという煩雑さがある。従って、
本発明は、樹脂容器の光学特性を維持したまま、樹脂容
器に簡単に水蒸気バリアー性及び酸素バリアー性を付与
して薬剤の保存性を高めた薬剤容器及びその製造方法を
提供することを目的としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は、固体或いは液
体の薬剤が液密に充填される樹脂容器からなる薬剤容器
において、上記樹脂容器の壁面に、0.05乃至20μ
mの厚みで形成したポリシラザン膜を酸化性雰囲気中で
焼成した90%以上のアモルファス酸化珪素(Si
m)層を設けてなるガスバリアー性を有する薬剤容器
を提供することにより、上記目的を達成したものであ
る。
【0005】上記樹脂容器は透明性を有した樹脂成形物
からなり、樹脂成形物は熱可塑性樹脂である。また樹脂
成形物は単一構造でも良く、また複数素材の積層構造で
も良い。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプ
ロピレン、4−メチルペンテンー1、スチレン系樹脂、
ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリビニルアル
コール、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビ
ニルアルコール共重合体、ポリアクリロニトリル、環状
ジェン系重合体、アクリル系樹脂、ポリアミド、ポリエ
ステル、ポリカーボネート、ポリアセタール、フッ素系
樹脂等がある。特に、薬剤を収容するため、塩素や金属
等の溶出物のないオレフィン系樹脂が望ましく、中でも
安全性及び透明性を備えた、ポリエチレン、ポリプロピ
レン、4−メチルペンテン−1、環状ジェン系重合体を
最内層とする樹脂成形物が望ましい。特に、オートクレ
ーブ滅菌処理等により、100℃以上の加温をする場合
には、非晶質の耐熱性の環状ジェン系であるシクロペン
タジェン、ジシクロペンタジェン、ノルボルナジェン等
や4−メチルペンテン1等が望ましい。
【0006】薬剤容器が輸液容器等の場合は可撓性壁を
有したソフト容器であり、薬剤容器がバイアルや注射器
(プレフィールドシリンジ)等の場合は定容性のハード
容器である。ソフト容器の場合は、樹脂シートを重ねて
周縁を熱溶着シールして成形したもの、或いはブロー成
形したものであっても良く、また定容性のハード容器の
場合は、射出成形物、筒状の押出成形物からなるもので
も良い。樹脂容器の壁面に形成されたポリシラザン膜を
酸化性雰囲気中で焼成した90%以上のアモルファス酸
化珪素層は、壁面の最外層或いは中間層に存在してい
る。中間層にアモルファス酸化珪素層が存在する場合、
最外層に保護膜等を設けることが望ましい。アモルファ
ス酸化珪素層は、0.05乃至20μmの厚み、特に
1.0乃至16.0μmの厚みの範囲にあることが望ま
しい。厚みが上記範囲を下回ると、膜欠陥が発生し易
く、またガスバリアー性が十分に得られない。また厚み
が上記範囲を上回ると、アモルファス酸化珪素層にクラ
ックが生じやすくなる。また、焼成前のポリシラザン膜
は、分子量Mnが300乃至15000のパーヒドロポ
リシラザン{(SiNabn:ここで、a=1乃至
3、b=0乃至4であり、nは整数である。}であるこ
とが望ましい。分子量が上記範囲を下回れば、ガスバリ
アー性の十分なアモルファス層が得られない。また分子
量が上記範囲を上回れば、その焼成時の取り扱いが難し
くなる。更に、アモルファス酸化珪素層は焼成により9
0%以上、特に95%以上酸化珪素となっていることが
望ましい。かかる比率が高いほど、アモルファス酸化珪
素層の水蒸気バリアー性及び酸素バリアー性が良くな
る。樹脂容器に充填される薬剤は、バイアルであれば凍
結乾燥品等の固形物が主であり、輸液容器であれば、ア
ミノ酸、グルコース等を含む電解質溶液であり、注射器
等であれば、粉末薬剤の他に、それを溶解する溶解液、
薬液等である。薬剤充填後の薬剤容器の開口の密封に
は、ゴム栓やガスケット等の弾性部材が使用される。従
って、このような薬剤容器においては、アモルファス酸
化珪素膜が結晶粒界等を生じていないため、水蒸気透過
度が0.6g/m2・24hr・atm以下で、酸素透
過度が0.5cc/m2・24hr・atm以下のもの
が得られ、薬剤の長期間の保存が可能となる。
【0007】本発明に係る輸液容器或いは注射器の製造
方法において、上記樹脂容器内に上記薬剤を充填した
後、上記樹脂容器の壁面に上記ポリシラザンを塗布、噴
霧、浸漬して膜を形成し、その後、温度60乃至200
℃の範囲で酸化性雰囲気中で該ポリシラザン膜を焼成し
て該外壁面に90%以上のアモルファス酸化珪素層を形
成することを特徴とする輸液容器或いは注射器の製造方
法を提供することにより、上記目的を達成したものであ
る。
【0008】例えば、輸液容器を製造する方法の場合、
先ず、排出口(又は充填口)を有した樹脂容器、例えば
内層がポリエチレン系樹脂で外層がポリエチレンテレフ
タレート系の二色の樹脂容器を形成し、排出口から薬剤
を充填する。次に、排出口をゴム栓等で密栓し、かかる
排出口を点滴用注射針の刺通部とする。そして、かかる
薬剤を樹脂容器と共にオートクレーブ滅菌処理する。処
理後、かかる樹脂容器をポリシラザン溶液に浸積して樹
脂容器の外壁面にポリシラザン膜を形成する。ポリシラ
ザン溶液は、芳香族炭化水素系溶媒、石油エーテル等を
溶液とし5乃至40%の範囲の濃度で用いることが望ま
しい。浸積処理により膜を形成する以外に、噴霧処理、
塗布処理等を行うことができる。ポリシラザン膜の厚み
は、その溶液の濃度に応じて所定の厚みとする。次に、
溶媒回収装置を備えた乾燥機内でポリシラザン膜から溶
媒を除去して乾燥する。かかる乾燥時の温度は60℃以
下であることが望ましい。乾燥後、樹脂容器を60乃至
150℃の温度範囲に調整された焼成室に送り、焼成を
行う。焼成時、酸性化雰囲気で焼成することが望まし
い。特に簡便な方法としては大気中で行うことが望まし
い。上記範囲を下回れば、十分な焼成ができず、時間が
かかる。また上記範囲を上回れば、樹脂容器自体に悪影
響が生じる。ポリシラザンを非酸化性雰囲気、例えば、
窒素ガス雰囲気中で行うと、窒化珪素のアモルファス量
が多くなり好ましくない。従って、酸性化雰囲気は、酸
化珪素を90%以上含むような酸素雰囲気とすることが
望ましい。このように製造された輸液容器では、ガスバ
リアー層がアモルファス酸化珪素層であるため、透明性
を有し、焼却の際に塩素ガス等を発生しない。更に、ア
モルファス酸化珪素膜は、湿度依存性がないため輸液剤
等の水蒸気と接触してもそのガスバリアー性が低下する
ことはない。また、製造においては、蒸着設備を必要と
しないため、樹脂容器に薬剤を収容した前後にかかわら
ず簡単にアモルファス酸化珪素膜を樹脂壁に形成するこ
とができる。
【0009】例えば、注射器を製造する方法の場合、先
ず、外筒、プランジャーのロッド、及びガスケット等の
各部材を成形する。そして、外筒に上述のポリシラザン
溶液を噴霧して外筒壁にポリシラザン膜を形成する。次
に、かかるポリシラザン膜を上述と同様な方法により溶
媒を除去して乾燥する。その後、外筒を60℃乃至20
0℃の温度で焼成し、外筒壁面にアモルファス酸化珪素
膜を輸液容器と同様に形成する。かかる酸化珪素膜の形
成後、エポキシ樹脂等の保護膜を最外層として形成す
る。かかる部材の準備ができた段階で、各部材を洗浄し
滅菌処理する。組立は無菌室で行い、先ず外筒にガスケ
ット等を装着し、射出口から注射剤等を充填し、射出口
を液密にゴム栓等で密封する。注射剤を外筒と共にオー
トクレーブ滅菌処理する。オートクレーブ滅菌処理の温
度は、100℃乃至140℃、特に105℃乃至120
℃の範囲であることが望ましい。外筒は樹脂製故に、耐
熱性を考慮するれば、120℃以下のオートクレーブ滅
菌処理が望ましく、また、温度が105℃を下回ると、
滅菌処理時間が長くなり、また滅菌保証も確実すること
ができなくなる場合がある。このように製造される注射
器においても、輸液容器と同様に長期間の保存が可能と
なる。
【0010】
【実施例】以下、本発明に係る注射器の好ましい実施例
を添付図面を参照しながら詳述する。図1(A)及び
(B)は本発明に係る注射器の第一実施例における側断
面図及び横断面図である。図2(A)乃至(C)は第一
実施例の注射器における製造時の側断面図である。
【0011】図1及び図2に示す第一実施例の注射器1
は、固体或いは液体の薬剤が液密に充填される樹脂外筒
からなる薬剤容器である。注射器1の樹脂外筒2は、射
出口部材3、筒部材4、及び指架け部材5からなり、筒
部材4の壁面に、0.05乃至20μmの厚みで形成し
たポリシラザン膜を酸化性雰囲気中で焼成した90%以
上のアモルファス酸化珪素(SiOm)層を有してなる
ものである。本実施例を更に説明すると、注射器1の外
筒2は、射出口部材3と、筒部材4と、指架け部材5と
を組み立てて形成されており、これらは樹脂成形物から
なる。特に筒部材4は耐熱性の環状オレフィン樹脂から
なり、かかる樹脂は、密度が1.00乃至1.05g/
cm3の範囲で、熱変形温度(ASTM D648、4.6kg/
cm2)が110℃以上、特に120乃至140℃の範
囲のものが用いられる。このような耐熱性樹脂を筒部材
4とすると、オートクレーブ滅菌処理の加熱時、内壁面
2Aにガスケット8の弾性力が常にかかっていても熱変
形を起こすおそれがすくない。射出口部材3及び指架け
部材5は耐熱性のポリプロピレン成形物である。尚、外
筒2の各部材は上記樹脂に限ることはなく、その他のポ
リオレフィン系樹脂の使用が可能であり、また成形方法
は射出成形に限ることはない。
【0012】注射剤9は従来からアンプル等に収納され
ている薬剤、薬液等である。注射剤3は射出口に取り付
けた栓体6と筒部材4内のガスケット8との間に無菌的
に充填されているものである。また、本実施例では注射
剤9は熱的に安定であり、滅菌保証を高めるため筒部材
4と共にオートクレーブ滅菌処理されている。ガスケッ
ト8は摺動性及び液密性の高いシリコンゴムからなり、
シリコンオイルからなる滑剤が塗布されている。また、
ガスケット8にはロッド11が取付られ、プランジャー
7が形成される。
【0013】図1(B)に示す如く、筒部材4は内層か
ら順に環状オレフィン樹脂層11/接着層(無水マレイ
ン酸変性ポリプロピレン層)12/ポリエチレンテレフ
タレート(PET)層13/アモルファス酸化珪素層1
4/エポキシ樹脂層15からなる。ポリプロピレン層1
1の厚みは3.0mm、接着層12の厚みは300μ
m、PET層13の厚みが1.0mm、アモルファス酸
化珪素層14の厚みが1μm、及びエポキシ樹脂層15
の厚みが12μmとなっている。また、アモルファス酸
化珪素層14の酸化珪素は99.9%以上である。この
ような筒部材4のガスバリアー性は、水蒸気透過度が
0.4g/m2・24hr・atm以下で、酸素透過度
が0.3cc/m2・24hr・atm以下である。ま
た光透過率は200乃至2500nmで90%以上であ
る。
【0014】次に、図2に従って本発明に係るガスバリ
アー性を有する注射器の製造方法を説明する。上述の環
状オレフィン樹脂層11乃至PET層13を押出成形に
より、長さ1m、内径6mmの筒体を形成し、筒体の外
壁面に20%ポリシラザン−キシレン溶液を1μmの厚
みとなるように塗布する。塗布後、溶媒回収装置付き乾
燥機内で常温で乾燥し、その乾燥後、150℃、30分
間、及び酸素を所要量添加した大気中でポリシラザン膜
を焼成する。次に、保護膜としてエポキシ樹脂層15を
その焼成アモルファス酸化珪素層14に形成し、所定の
長さ80.0mmに裁断して図2(A)に示す如く筒部
材4を得る。射出口部材3、筒部材4及び指架け部材5
を洗浄した後、筒部材4の基端部にガスケット8を液密
に挿入し、筒部材4の先端に射出口部材3を熱容着して
取付け、射出口から注射剤9を充填し射出口に栓体6を
液密に被せる。筒部材4の基端部に指架け部材5をはめ
込み、図2(B)に示す如く注射器を組み立てる。そし
て、かかる筒部材4と共に注射剤9をオートクレーブ滅
菌処理する。滅菌処理温度は115℃で行う。図2
(C)に示す如く、ロッド11の先端部12をガスケッ
ト8の取付穴10に挿入し、包装体17で包装し、密封
後、電子線照射滅菌を施し、注射器1の表面を包装体1
7越しに滅菌処理する。
【0015】このように構成された注射器1は、上述の
ように筒部材4が極めて高いガスバリアー性を有し、ま
た光透過性も十分にあるため、長期間の保存に際しても
酸素ガス等が筒部材4内に侵入するおそれがなく、注射
剤の変質が防止される。また、かかるアモルファス酸化
珪素膜14は焼却時に塩素等を発生することもなく、そ
の焼却も安全に行うことができる。また、成形物が筒体
等であれば、その内壁面に悪影響を与えることなく、そ
の外壁面にアモルファス酸化珪素膜14を容易且つ安全
に、また大量に形成することができ、安全な薬剤容器を
提供することができる。また、かかるアモルファス酸化
珪素膜14は従来と異なり、注射剤、即ち、薬剤の充填
後にも容易に形成できるため、製造上の制約が極めて少
なくなる。尚、上記実施例では注射器1に適用したが、
輸液容器等のソフト容器やバイアル等のハード容器に簡
単に適用することができる。
【0016】
【発明の効果】以上説明したように本発明に係る固体或
いは液体が液密に充填される樹脂容器からなる薬剤容器
において、上記樹脂容器の壁面に、0.05乃至20μ
mの厚みで形成したポリシラザン膜を酸化性雰囲気中で
焼成した90%以上のアモルファス酸化珪素(Si
m)層を設けたので、樹脂容器の光学特性を維持した
まま、樹脂容器に簡単に水蒸気バリアー性及び酸素バリ
アー性を付与して薬剤の保存性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)及び(B)は本発明に係る注射器の第一
実施例における側断面図及び横断面図である。
【図2】(A)乃至(C)は第一実施例の注射器におけ
る製造時の側断面図である。
【符号の説明】
1 注射器 2 外筒 2A 内壁面 3 射出口部材 4 筒部材 5 指架け部材 6 栓体 7 プランジャー 8 ガスケット 9 注射剤 10 ガスケットの穴 11 ロッド 12 ロッドの先端部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固体或いは液体が液密に充填される樹脂
    容器からなる薬剤容器において、上記樹脂容器の壁面
    に、0.05乃至20μmの厚みで形成したポリシラザ
    ン膜を酸化性雰囲気中で焼成した90%以上のアモルフ
    ァス酸化珪素(SiOm)層を設けてなるガスバリアー
    性を有する薬剤容器。
  2. 【請求項2】 上記ポリシラザン膜は、分子量Mnが3
    00乃至15000のパーヒドロポリシラザン{(Si
    abn:ここで、a=1乃至3、b=0乃至4であ
    り、nは整数である。}からなることを特徴とする請求
    項1記載の薬剤容器。
  3. 【請求項3】 上記請求項1又は2記載の樹脂容器が輸
    液容器又は注射器である薬剤容器。
  4. 【請求項4】 上記請求項3記載の輸液容器或いは注射
    器の製造方法において、上記樹脂容器内に上記薬剤を充
    填した後、上記樹脂容器の外壁面に上記ポリシラザンを
    塗布、噴霧、浸漬して膜を形成し、その後、温度60乃
    至200℃の範囲で酸化性雰囲気中で該ポリシラザン膜
    を焼成して該壁面に90%以上のアモルファス酸化珪素
    層を形成することを特徴とする輸液容器或いは注射器の
    製造方法。
JP8241055A 1996-08-23 1996-08-23 ガスバリアー性を有する薬剤容器及びその製造方法 Pending JPH1057446A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2011101796A (ja) * 2009-11-10 2011-05-26 Fluoron Gmbh 注入器
US7998120B2 (en) 2003-01-28 2011-08-16 Nipro Corporation Prefilled syringe and production method for a barrel thereof

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