JPH1056353A - 弾性表面波フィルタ - Google Patents
弾性表面波フィルタInfo
- Publication number
- JPH1056353A JPH1056353A JP22932596A JP22932596A JPH1056353A JP H1056353 A JPH1056353 A JP H1056353A JP 22932596 A JP22932596 A JP 22932596A JP 22932596 A JP22932596 A JP 22932596A JP H1056353 A JPH1056353 A JP H1056353A
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- Japan
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- electrode
- output
- distance
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- Surface Acoustic Wave Elements And Circuit Networks Thereof (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 FEUDTを入出力に用いた一方向性トラン
スバーサルフィルタにおいては、挿入損失は大幅に改善
されたが、TTEを十分には減衰させることはできず、
通過域特性は平坦さを欠くという欠点があった。本発明
は通過域内の特性を改善したトランスバーサルフィルタ
を提供することを目的とする。 【解決手段】 トランスバーサル型SAWフィルタにお
いて、入出力IDTのうち少なくとも一方を浮き電極型
内部反射一方向性IDTとし、IDT間の中心間距離L
を調整し、単峰フィルタ特性にTTEモードを重畳させ
通過域特性を平坦にしたトランスバーサル型SAWフィ
ルタである。
スバーサルフィルタにおいては、挿入損失は大幅に改善
されたが、TTEを十分には減衰させることはできず、
通過域特性は平坦さを欠くという欠点があった。本発明
は通過域内の特性を改善したトランスバーサルフィルタ
を提供することを目的とする。 【解決手段】 トランスバーサル型SAWフィルタにお
いて、入出力IDTのうち少なくとも一方を浮き電極型
内部反射一方向性IDTとし、IDT間の中心間距離L
を調整し、単峰フィルタ特性にTTEモードを重畳させ
通過域特性を平坦にしたトランスバーサル型SAWフィ
ルタである。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は弾性表面波フィルタ
に関し、特に、通信機のIFフィルタ等に用いられるト
ランスバーサル型SAWフィルタにおいて挿入損失と通
過域を改善したフィルタに関する。
に関し、特に、通信機のIFフィルタ等に用いられるト
ランスバーサル型SAWフィルタにおいて挿入損失と通
過域を改善したフィルタに関する。
【0002】
【従来の技術】近年、弾性表面波フィルタ(以下、SA
Wフィルタと云う)は多くの通信機等の電子機器に利用
され、特に高周波、小型及び量産性という特徴からペー
ジャー、携帯電話等の無線機器に多量に使われている。
従来のトランスバーサル型SAWフィルタ(以下トラン
スバーサルフィルタと称す)においては、入出力IDT
間の繰り返し反射波、所謂トリプル・トランジット・エ
コー(以下TTEと称す)に起因するリップルが通過域
内に存在していた。このTTEは周知のように、入力I
DTで励起された表面波が圧電基板の表面を伝搬して出
力IDTに到達し、その大部分は該IDTによりピック
アップされるが、その一部は入力IDTの方向へ反射さ
れ、さらに入力IDTによって出力IDTの方向へ反射
された表面波が出力IDTでピックアップされる表面波
である。TTEによる通過域内のリップルを減少させる
ため、図3に示すようにトランスバーサルフィルタのI
DTを所謂スプリット電極とし、IDTの電極指の幅を
λ/8(λは所望の周波数の波長)として、2本ずつの
電極指の組で正負IDTを構成する手段が一般的であっ
た。
Wフィルタと云う)は多くの通信機等の電子機器に利用
され、特に高周波、小型及び量産性という特徴からペー
ジャー、携帯電話等の無線機器に多量に使われている。
従来のトランスバーサル型SAWフィルタ(以下トラン
スバーサルフィルタと称す)においては、入出力IDT
間の繰り返し反射波、所謂トリプル・トランジット・エ
コー(以下TTEと称す)に起因するリップルが通過域
内に存在していた。このTTEは周知のように、入力I
DTで励起された表面波が圧電基板の表面を伝搬して出
力IDTに到達し、その大部分は該IDTによりピック
アップされるが、その一部は入力IDTの方向へ反射さ
れ、さらに入力IDTによって出力IDTの方向へ反射
された表面波が出力IDTでピックアップされる表面波
である。TTEによる通過域内のリップルを減少させる
ため、図3に示すようにトランスバーサルフィルタのI
DTを所謂スプリット電極とし、IDTの電極指の幅を
λ/8(λは所望の周波数の波長)として、2本ずつの
電極指の組で正負IDTを構成する手段が一般的であっ
た。
【0003】しかし上記のスプリット電極を用いたトラ
ンスバーサルフィルタにおいては、TTEによる通過域
内リップルは改善することができたが、トランスバーサ
ルフィルタが本質的に持っている6dBの挿入損失を低
減するすべがなく、更に3倍の高調波が励起されやすい
という問題もあった。
ンスバーサルフィルタにおいては、TTEによる通過域
内リップルは改善することができたが、トランスバーサ
ルフィルタが本質的に持っている6dBの挿入損失を低
減するすべがなく、更に3倍の高調波が励起されやすい
という問題もあった。
【0004】トランスバーサルフィルタにおいて本質的
に存在する6dBの損失を減少させるため、各種の一方
向性IDTが提案さてきたが、浮き電極内部反射型一方
向性弾性表面波変換器(以下FEUDTと略記する)も
その1つであり、特公平3−20929、特公平3−7
0933、信学技報Vol.87No.410US87-71等に、FEU
DTの構成とその作用が詳細に開示されている。即ち、
図4に示すように圧電基板11上に正負IDT電極1
2、13を設け、これから延びるIDT電極指14、1
5の幅を例えばλ/8として電極指間隙を大とし、その
間にいずれの部分とも電気的に非接続の浮き電極16、
16、・・を設ける。該浮き電極16をIDT電極指1
4、15間の中央からずれた位置に配置すれば、IDT
14、15によって励起された表面波が浮き電極16、
16、・・によって反射される際、表面波の対称性が崩
れIDT電極指列の左右いずれか一方に伝搬する波動エ
ネルギーが大となる。
に存在する6dBの損失を減少させるため、各種の一方
向性IDTが提案さてきたが、浮き電極内部反射型一方
向性弾性表面波変換器(以下FEUDTと略記する)も
その1つであり、特公平3−20929、特公平3−7
0933、信学技報Vol.87No.410US87-71等に、FEU
DTの構成とその作用が詳細に開示されている。即ち、
図4に示すように圧電基板11上に正負IDT電極1
2、13を設け、これから延びるIDT電極指14、1
5の幅を例えばλ/8として電極指間隙を大とし、その
間にいずれの部分とも電気的に非接続の浮き電極16、
16、・・を設ける。該浮き電極16をIDT電極指1
4、15間の中央からずれた位置に配置すれば、IDT
14、15によって励起された表面波が浮き電極16、
16、・・によって反射される際、表面波の対称性が崩
れIDT電極指列の左右いずれか一方に伝搬する波動エ
ネルギーが大となる。
【0005】電極指14と浮き電極16とのそれぞれの
中心間距離をXとし、Xをλ/8<X<λ/4の範囲に
選べば一方向性のIDTを実現することができ、さら
に、Xを適切に選ぶことにより波動エネルギーが一方向
に強く伝搬する所謂一方向性IDTを構成できることは
知られている。例えば、図4のようにIDTを構成した
場合、実験よって調べた結果によるとLiNbO3基板
を用いると左方向の波動振幅が大となり、水晶基板を用
いた場合は右方向への波動振幅が大となった。また、浮
き電極を電極指の間を縫って電気的に接続した連続浮き
電極としてもよく、このように構成するとそれぞれ独立
した浮き電極により構成した場合に比べて180度反転
した方向性が得られることが知られている。
中心間距離をXとし、Xをλ/8<X<λ/4の範囲に
選べば一方向性のIDTを実現することができ、さら
に、Xを適切に選ぶことにより波動エネルギーが一方向
に強く伝搬する所謂一方向性IDTを構成できることは
知られている。例えば、図4のようにIDTを構成した
場合、実験よって調べた結果によるとLiNbO3基板
を用いると左方向の波動振幅が大となり、水晶基板を用
いた場合は右方向への波動振幅が大となった。また、浮
き電極を電極指の間を縫って電気的に接続した連続浮き
電極としてもよく、このように構成するとそれぞれ独立
した浮き電極により構成した場合に比べて180度反転
した方向性が得られることが知られている。
【0006】上記したFEUDTを入出力に用いてトラ
ンスバーサルフィルタを構成すると一方向性変換器の本
来の特性であるTTEに基づくリップルが少なく、挿入
損失の小さいフィルタを実現出来ると前記特許公報に記
述されている。しかし上記FEUDTを用いてトランス
バーサルフィルタを実際に構成してみると、挿入損失は
小さくなり改善できたが、TTEは十分に減少せしめる
ことができず、通過帯域内にリップルが存在するという
問題は未解決のままである。
ンスバーサルフィルタを構成すると一方向性変換器の本
来の特性であるTTEに基づくリップルが少なく、挿入
損失の小さいフィルタを実現出来ると前記特許公報に記
述されている。しかし上記FEUDTを用いてトランス
バーサルフィルタを実際に構成してみると、挿入損失は
小さくなり改善できたが、TTEは十分に減少せしめる
ことができず、通過帯域内にリップルが存在するという
問題は未解決のままである。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】FEUDTを入出力に
用いた一方向性トランスバーサルフィルタにおいては、
浮き電極の位置を適切に選ぶことにより波動エネルギー
を一方向へ強く伝搬させることが可能となったため、挿
入損失は大幅に改善されたが、TTEに関しては理論上
はともかく、実際のフィルタではTTEを十分には減衰
させることはできず、通過域特性は平坦さを欠くという
欠点があった。本発明は上記欠点を解決するためになさ
れたものであって、挿入挿入損失を小さくすると共に通
過域内の特性を改善したトランスバーサルフィルタを提
供することを目的とする。
用いた一方向性トランスバーサルフィルタにおいては、
浮き電極の位置を適切に選ぶことにより波動エネルギー
を一方向へ強く伝搬させることが可能となったため、挿
入損失は大幅に改善されたが、TTEに関しては理論上
はともかく、実際のフィルタではTTEを十分には減衰
させることはできず、通過域特性は平坦さを欠くという
欠点があった。本発明は上記欠点を解決するためになさ
れたものであって、挿入挿入損失を小さくすると共に通
過域内の特性を改善したトランスバーサルフィルタを提
供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る弾性表面波フィルタの請求項1記載の発
明は、入力IDTで励起した表面弾性波を出力IDTで
受信し電気信号に変換するトランスバーサル型SAWフ
ィルタにおいて、前記入出力IDTの少なくとも一方を
浮き電極型内部反射一方向性IDTとし、励起と受信に
関わる電極指のうち最内側の電極指の中心間距離Lを、
単峰フィルタ特性にTTEモードが重畳し通過域特性が
平坦になるように構成したことを特徴とするトランスバ
ーサル型SAWフィルタである。
に本発明に係る弾性表面波フィルタの請求項1記載の発
明は、入力IDTで励起した表面弾性波を出力IDTで
受信し電気信号に変換するトランスバーサル型SAWフ
ィルタにおいて、前記入出力IDTの少なくとも一方を
浮き電極型内部反射一方向性IDTとし、励起と受信に
関わる電極指のうち最内側の電極指の中心間距離Lを、
単峰フィルタ特性にTTEモードが重畳し通過域特性が
平坦になるように構成したことを特徴とするトランスバ
ーサル型SAWフィルタである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示した実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係るト
ランスバーサルフィルタの電極構成を示す図である。図
1に示すように、水晶基板1の主面上に入力IDT2と
出力IDT3を設け、入出力IDT1、2間の距離をL
とする。入出力IDT1および2の電極構成は浮き電極
を設けたFEUDT構成とする。即ち、電極指4と5の
間に浮き電極6を設けると共に該浮き電極を電極指4と
5の中心より電極指4の方へずらして配置する。他の浮
き電極指についても同様の配置を施すものとする。電極
指4と浮き電極6とのそれぞれの中心間距離をXとし、
Xをλ/8<X<λ/4の範囲でXを適切に選ぶことに
より波動エネルギーが一方向(右方向)に強く伝搬する
所謂一方向性IDTを構成できることは前述の通りであ
る。出力IDT3の浮き電極構成は入力IDT2の場合
と基板中央に関し対称の構成とし、一方向性を左方向に
設定してある。本発明の特徴は上述した一方向性IDT
即ち、FEUDTの電極指間距離Lにある。従来のトラ
ンスバーサルフィルタは2つのIDT間距離については
厳密に規定してなかったが、本発明に係るトランスバー
サルフィルタでは距離Lは図1に示すように、浮き電極
を除いた励起および受信に関与する入出力IDT1、2
のうち最内側にある電極指、即ち7と8との中心間距離
とし、これを後述するように適切に選び上記欠点、即ち
挿入損失の低減と通過域の特性を解決することにある。
形態に基づいて詳細に説明する。図1は本発明に係るト
ランスバーサルフィルタの電極構成を示す図である。図
1に示すように、水晶基板1の主面上に入力IDT2と
出力IDT3を設け、入出力IDT1、2間の距離をL
とする。入出力IDT1および2の電極構成は浮き電極
を設けたFEUDT構成とする。即ち、電極指4と5の
間に浮き電極6を設けると共に該浮き電極を電極指4と
5の中心より電極指4の方へずらして配置する。他の浮
き電極指についても同様の配置を施すものとする。電極
指4と浮き電極6とのそれぞれの中心間距離をXとし、
Xをλ/8<X<λ/4の範囲でXを適切に選ぶことに
より波動エネルギーが一方向(右方向)に強く伝搬する
所謂一方向性IDTを構成できることは前述の通りであ
る。出力IDT3の浮き電極構成は入力IDT2の場合
と基板中央に関し対称の構成とし、一方向性を左方向に
設定してある。本発明の特徴は上述した一方向性IDT
即ち、FEUDTの電極指間距離Lにある。従来のトラ
ンスバーサルフィルタは2つのIDT間距離については
厳密に規定してなかったが、本発明に係るトランスバー
サルフィルタでは距離Lは図1に示すように、浮き電極
を除いた励起および受信に関与する入出力IDT1、2
のうち最内側にある電極指、即ち7と8との中心間距離
とし、これを後述するように適切に選び上記欠点、即ち
挿入損失の低減と通過域の特性を解決することにある。
【0010】所望のトランスバーサルフィルタを構成す
る表面波とTTEとなる表面波とは、その伝搬経路がほ
ぼ3倍異なるため、電極指間距離Lの値を適切に選ぶこ
とにより、前記2つの表面波の位相差を相対的に変える
ことができ、TTEによるリップルの凹凸の位置を制御
することが可能となる。従って、電極指間距離Lの値を
適切に選ぶことによりTTEリップルによるトランスバ
ーサルフィルタの濾波特性における凹部を通過帯域の中
心部に設定することが可能である。即ち、設計したトラ
ンスバーサルフィルタの単峰特性にTTEによるリップ
ルを重畳させ、実用上十分な通過域特性の平坦化が図ら
れる訳である。このように、本発明になる弾性表面波フ
ィルタは挿入損失を小さくすると共に通過域の平坦化も
可能とした。
る表面波とTTEとなる表面波とは、その伝搬経路がほ
ぼ3倍異なるため、電極指間距離Lの値を適切に選ぶこ
とにより、前記2つの表面波の位相差を相対的に変える
ことができ、TTEによるリップルの凹凸の位置を制御
することが可能となる。従って、電極指間距離Lの値を
適切に選ぶことによりTTEリップルによるトランスバ
ーサルフィルタの濾波特性における凹部を通過帯域の中
心部に設定することが可能である。即ち、設計したトラ
ンスバーサルフィルタの単峰特性にTTEによるリップ
ルを重畳させ、実用上十分な通過域特性の平坦化が図ら
れる訳である。このように、本発明になる弾性表面波フ
ィルタは挿入損失を小さくすると共に通過域の平坦化も
可能とした。
【0011】一般的に、通過域平坦特性のトランスバー
サルフィルタを構成するには、設計されたIDTのサイ
ドローブをIDTパターンとして十分に取り入れること
が必要なため、平坦化図るには必然的にフィルタの外形
形状が大きくなる。これに対し本発明になるトランスバ
ーサルフィルタは、上記したように単峰特性の設計を基
準とするためメインローブのみの構成となるため、本フ
ィルタは通常のトランスバーサルフィルタと比べて小さ
く構成できるという利点も合わせ持っている。
サルフィルタを構成するには、設計されたIDTのサイ
ドローブをIDTパターンとして十分に取り入れること
が必要なため、平坦化図るには必然的にフィルタの外形
形状が大きくなる。これに対し本発明になるトランスバ
ーサルフィルタは、上記したように単峰特性の設計を基
準とするためメインローブのみの構成となるため、本フ
ィルタは通常のトランスバーサルフィルタと比べて小さ
く構成できるという利点も合わせ持っている。
【0012】図2は試作した本発明に係るトランスバー
サルフィルタの濾波特性を示す図であり、試作条件は、
圧電基板としてSTカット水晶基板を用い、入出力ID
Tは共に正規型FEUDTとした。中心周波数は180
MHZ、電極指対数として入出力IDTとも180対、
交叉指幅はW/λ=65、膜厚H=1050オングスト
ロームとした。図2において、曲線1は電極指間距離L
を20λに設定した場合の濾波特性であり、曲線2、3
および4はそれぞれLを(20λ+1/12λ)、(2
0λ+2/12λ)および(20λ+3/12λ)に設
定した場合のトランスバーサルフィルタの濾波特性であ
る。縦軸は減衰量を、横軸は周波数を表す。
サルフィルタの濾波特性を示す図であり、試作条件は、
圧電基板としてSTカット水晶基板を用い、入出力ID
Tは共に正規型FEUDTとした。中心周波数は180
MHZ、電極指対数として入出力IDTとも180対、
交叉指幅はW/λ=65、膜厚H=1050オングスト
ロームとした。図2において、曲線1は電極指間距離L
を20λに設定した場合の濾波特性であり、曲線2、3
および4はそれぞれLを(20λ+1/12λ)、(2
0λ+2/12λ)および(20λ+3/12λ)に設
定した場合のトランスバーサルフィルタの濾波特性であ
る。縦軸は減衰量を、横軸は周波数を表す。
【0013】図2から明らかなように電極指間距離を2
0λとしたときに、単峰特性にTTEによるリップルが
重畳して、フィルタの通過域が最も平坦化される。ま
た、電極指間距離Lを変えることによりトランスバーサ
ルフィルタの通過域特性を、ある程度任意に変えること
ができ、Lを±λ/12の範囲で適宜設定すればいかな
る場合においても平坦化が実現し得ることが判明した。
なお、同図において電極指間距離Lは20λを基準とし
λ/12ずつ増加させたが、これとは逆に電極指間距離
Lは20λを基準としλ/12ずつ減少させれば、その
濾波特性の変化は図2に示した特性曲線を、中心周波数
を中心軸として対称移動したものに概ね一致することを
確認した。
0λとしたときに、単峰特性にTTEによるリップルが
重畳して、フィルタの通過域が最も平坦化される。ま
た、電極指間距離Lを変えることによりトランスバーサ
ルフィルタの通過域特性を、ある程度任意に変えること
ができ、Lを±λ/12の範囲で適宜設定すればいかな
る場合においても平坦化が実現し得ることが判明した。
なお、同図において電極指間距離Lは20λを基準とし
λ/12ずつ増加させたが、これとは逆に電極指間距離
Lは20λを基準としλ/12ずつ減少させれば、その
濾波特性の変化は図2に示した特性曲線を、中心周波数
を中心軸として対称移動したものに概ね一致することを
確認した。
【0014】本発明は以下のように変形してもよい。即
ち、正規型FEUDTに代えて重み付けをしたFEUD
Tを用いてもよく、あるいは一方向性IDTと通常のI
DTの組み合わせでもよい。また、上記説明は表面波を
用いて進めたが、例えばリーキーSAW等IDTで励振
し得る他の波を用いたフィルタに適用しても、同様の効
果があることは言うまでもない。
ち、正規型FEUDTに代えて重み付けをしたFEUD
Tを用いてもよく、あるいは一方向性IDTと通常のI
DTの組み合わせでもよい。また、上記説明は表面波を
用いて進めたが、例えばリーキーSAW等IDTで励振
し得る他の波を用いたフィルタに適用しても、同様の効
果があることは言うまでもない。
【0015】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成した
ので、FEUDTの本来の特徴である挿入損失の低減を
図ると同時に、2つのIDT電極指間の距離を微細に設
定することによりトランスバーサルフィルタ単峰特性に
TTEのリップルを重畳させることにより通過域を平坦
化することが可能となった。これは、従来のようにサイ
ドローブを取り入れたIDTパターンを用いるまでもな
く、メインローブに重み付けを施したIDTパターンを
用いることで平坦な通過域特性を実現することができる
ため、大幅に小型なフィルタを実現することができると
いう利点もある。
ので、FEUDTの本来の特徴である挿入損失の低減を
図ると同時に、2つのIDT電極指間の距離を微細に設
定することによりトランスバーサルフィルタ単峰特性に
TTEのリップルを重畳させることにより通過域を平坦
化することが可能となった。これは、従来のようにサイ
ドローブを取り入れたIDTパターンを用いるまでもな
く、メインローブに重み付けを施したIDTパターンを
用いることで平坦な通過域特性を実現することができる
ため、大幅に小型なフィルタを実現することができると
いう利点もある。
【図1】本発明に係るトランスバーサル型SAWフィル
タの実施の一形態例を示す図である。
タの実施の一形態例を示す図である。
【図2】本発明に係るトランスバーサル型SAWフィル
タにおいて電極指間距離Lをパラメータとした時の濾波
特性の変化を示す図である。
タにおいて電極指間距離Lをパラメータとした時の濾波
特性の変化を示す図である。
【図3】従来のスプリット電極を用いるトランスバーサ
ル型SAWフィルタの電極構成を示す図である。
ル型SAWフィルタの電極構成を示す図である。
【図4】浮き電極内部反射型一方向性弾性表面波変換器
(FEUDT)の電極構成を示す図である。
(FEUDT)の電極構成を示す図である。
【符号の説明】 1 圧電基板 2、3 FEUDT 4、5、7、8 電極指 6 浮き電極 X 電極指と浮き電極の中心間距離 L 2つのFEUDTの最内側電極指間距離 λ 所望表面波の波長
Claims (1)
- 【請求項1】 入力IDTで励起した表面弾性波を出力
IDTで受信し電気信号に変換するトランスバーサル型
SAWフィルタにおいて、前記入出力IDTの少なくと
も一方を浮き電極型内部反射一方向性IDTとし、励起
と受信に関わる電極指のうち最内側の電極指の中心間距
離Lを、単峰フィルタ特性にTTEモードが重畳し通過
域特性が平坦になるように構成したことを特徴とするト
ランスバーサル型SAWフィルタ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22932596A JPH1056353A (ja) | 1996-08-12 | 1996-08-12 | 弾性表面波フィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP22932596A JPH1056353A (ja) | 1996-08-12 | 1996-08-12 | 弾性表面波フィルタ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1056353A true JPH1056353A (ja) | 1998-02-24 |
Family
ID=16890389
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP22932596A Pending JPH1056353A (ja) | 1996-08-12 | 1996-08-12 | 弾性表面波フィルタ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1056353A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2368988A (en) * | 2000-10-11 | 2002-05-15 | Samsung Electro Mech | Floating electrode SAW device of the FEUDT type |
WO2014034215A1 (ja) * | 2012-08-30 | 2014-03-06 | 株式会社村田製作所 | フィルタ装置及びデュプレクサ |
CN112653413A (zh) * | 2020-12-16 | 2021-04-13 | 武汉大学 | 调节超高频体声波谐振器有效机电耦合系数的系统及方法 |
-
1996
- 1996-08-12 JP JP22932596A patent/JPH1056353A/ja active Pending
Cited By (5)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
GB2368988A (en) * | 2000-10-11 | 2002-05-15 | Samsung Electro Mech | Floating electrode SAW device of the FEUDT type |
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JPWO2014034215A1 (ja) * | 2012-08-30 | 2016-08-08 | 株式会社村田製作所 | フィルタ装置及びデュプレクサ |
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