JPH1056088A - 強誘電体記憶素子及びその素子を用いた強誘電体記憶装置 - Google Patents

強誘電体記憶素子及びその素子を用いた強誘電体記憶装置

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JPH1056088A
JPH1056088A JP8211486A JP21148696A JPH1056088A JP H1056088 A JPH1056088 A JP H1056088A JP 8211486 A JP8211486 A JP 8211486A JP 21148696 A JP21148696 A JP 21148696A JP H1056088 A JPH1056088 A JP H1056088A
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ferroelectric
film
electrode
memory element
depletion layer
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JP8211486A
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English (en)
Inventor
Masahiro Shigeniwa
昌弘 茂庭
Yoshifumi Wakahara
祥史 若原
Kenichi Shoji
健一 庄司
Kazunari Torii
和功 鳥居
Masahiko Hiratani
正彦 平谷
Takayuki Kawahara
尊之 河原
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Hitachi Ltd
Original Assignee
Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】材料、プロセスに関する問題が軽微で、動作原
理上リーク電流の影響を受けず、高集積化が可能な1T
r型強誘電体不揮発性メモリを得る。 【解決手段】半導体性強誘電体膜19に一対の電流入出
力用電極4,5を取り付ける。電流経路にあたる強誘電
体膜の少なくとも一部に対して電圧印加用の一対の制御
電極7,20を設置する。制御電極の一方をショットキ
ー電極20として半導体性強誘電体膜中に空乏層を形成
する。この構成をもって、強誘電体メモリ素子とする。
制御電極7,20に電圧を印加して強誘電体膜中に分極
を誘起する。電圧印加の極性によって異なる均一性の分
極誘起が可能で、均一分極、不均一分極を、それぞれ、
“0”と“1”の記憶情報として定義する。分極の均一
性に基づく電流入出力用電極4,5間の電流コンダクタ
ンスの変化により“0”と“1”の記憶情報の読み出し
を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は強誘電体を用いた不
揮発性記憶素子及びその素子を用いた不揮発性記憶装置
に係り、特にMOSFET(Metal-Oxide-Semiconducto
r Field Effect Transistor)におけるゲート酸化膜の
代わりに強誘電体膜を用いたトランジスタに類似の構造
の素子1個をもって1メモリセルとする1トランジスタ
型(以下、1Tr型と称する)の強誘電体記憶素子及び
その素子を用いた強誘電体記憶装置に関する。
【0002】
【従来の技術】先ず、強誘電体の「電束D(C/c
2)−電界E(V/cm)」特性を図2に示す。電界
により強誘電体の構成イオンが変位することにより、そ
の変位が強誘電体結晶の格子歪みとして残留する。この
ため電界印加後、電界Eを0としても、一定の分極(残
留分極Pr)が保存される。分極の極性は、電界印加の
極性により決定される。一般に、強誘電体メモリは、残
留分極Prを記憶情報として利用する。強誘電体メモリ
は、従来の主記憶装置であるDRAM(Dynamic Random
Access Memory)と同等の高速動作性能(分極反転時間
≦10 nsec)を持つ不揮発性メモリとして注目を
集め、現在急速な発展を遂げつつある携帯用電子機器
(超小型コンピュータ・システム)の将来の主記憶装置
として高く期待されている。
【0003】従来の1Tr型強誘電体メモリの構造とし
ては、MFS(Metal-Ferroelectric-Semiconductor)
FET、MFIS(Metal-Ferroelectric-Insulator-Se
miconductor)FET、およびMFMIS(Metal-Ferro
electric-Metal-Insulator-Semiconductor)FETがあ
り、現在ではMFMISFETの開発が主流である。し
かし、MFISFETもMFMISFETも、MFSF
ETから派生したものであるので、MFSFETの説明
から始める。
【0004】図3に従来のMFSFETの縦断面図を示
す。図3において参照符号1は半導体基板を示し、この
半導体基板1の上に強誘電体膜2を介してゲート電極3
が設置してある。ゲート電極3の両側には、ソース電極
4およびドレイン電極5が配置してある。ソース電極4
とドレイン電極5がそれぞれ接する半導体基板1の表面
には、電極/半導体間でオーム性接触を得るため、高不
純物濃度層6を形成してある。但し、高不純物濃度層6
の電気伝導極性を基板半導体1と逆極性にしてあるの
で、ソースとドレインの高不純物濃度層6間は電気的に
絶縁されている。半導体基板1の下面には、基板の電位
を制御するために基板電極7が設置してある。すなわ
ち、MOSFETのO(Oxide)の代わりに強誘電体膜
2を用いた構成となっている。ゲート・バイアスの極性
により、半導体基板1に接する強誘電体膜2表面の分極
電荷極性を反転させる。
【0005】図3に示したA−A’線に沿ってエネルギ
ー・バンド図を描けば、図4及び図5に示すようにな
る。ここでは、p型半導体基板1を用いた例を示す。図
4は、ゲート電極3に正の電圧印加を行なって強誘電体
膜2の基板側1の表面に正の分極電荷を誘起し、しかる
後に電圧印加を零とした場合のバンド図である。強誘電
体膜2表面の正の残留分極(+Pr)により生じた正の
残留分極電荷8によって、半導体基板1の表面電位が
(+)側にシフトしている。ソース及びドレインの高不
純物濃度領域6(基板と逆極性のn型)の電子にとって
は、表面近傍において基板1のp型領域に流れ込む際の
ポテンシャル・バリアが低下したことになる。このた
め、ソース電極4とドレイン電極5間に電圧を印加する
ことにより、両電極間に電流導通が観測できる。表面電
位の(+)側へのシフトによって基板表面近傍に空乏層
12が形成され、空乏層12中にドーピング不純物(こ
の場合、アクセプタ)による負イオン11が誘起され、
強誘電体2と基板1との界面に電子9が誘起される。ア
クセプタイオン11は、残留分極電荷8と電気力線13
を介して電気的にカップリングしている。また、電子9
は残留分極電荷8を電気的に中和している。この状態
で、熱平衡である。
【0006】図5は、ゲート電極3に負の電圧印加を行
なって強誘電体膜2の基板側の表面に負の残留分極(−
Pr)による負の分極電荷を誘起し、しかる後に電圧印
加を零とした場合のバンド図である。強誘電体膜2表面
の負の残留分極電荷8により半導体基板1表面に正孔1
0が引き寄せられている。この場合、半導体基板1はp
型なので、表面は空乏ではなく蓄積状態になる。表面電
位の(+)側へのシフトは起こらず、電子9に対するポ
テンシャル・バリアの低下は生じない。したがって、ソ
ース電極4とドレイン電極5間の電流導通は観測されな
い。なお、引き寄せられた正孔10は、残留分極電荷8
を電気的に中和している。
【0007】図4及び図5で述べたメカニズムから、M
FSFET構造においては、強誘電体膜2の分極極性は
ゲート電圧により制御され、その分極極性はソース4と
ドレイン5間の導通の有無を調べることにより検出でき
ることがわかる。これが、1Tr型強誘電体メモリの原
理である。ここでは、半導体基板1にp型を用いた例に
ついて説明したが、n型半導体基板を用いた場合でも極
性が逆になるだけで事情は同じである。
【0008】なお、未だMFSFETにおいては十分な
動作特性は得られていない。材料、プロセス上の問題
が、後述するように深刻なためである。代表的な半導体
材料であるSiと、BaTiO3、SrTiO3、SrB
2Ta29、PbTiO3(PT)、PbZr1-xTix
3(PZT)などの強誘電材料とでは格子定数の整合
がとれず、半導体基板1と強誘電体膜2との界面に高密
度の界面準位ができる。図6に示すように、界面準位1
4は帯電して分極電荷を電気的に中和し、分極電荷の半
導体表面電位に対する影響を遮断してしまう。格子定数
は材料固有のもので変えようがなく、このため格子不整
合の問題は本質的で深刻と言える。一つの解決法とし
て、イクステンディド・アブストラクツ・オブ・ザ・1
995・インターナショナル・コンファレンス・オン・
ソリッド・ステート・デバイセズ・アンド・マテリアル
ズの第300頁〜第302頁(Extended Abstracts of
the 1995 International Conference on Solid State D
evices and Materials, pp.300-302)において論じられ
ているように、半導体基板1として強誘電体膜2と同じ
ペロブスカイト結晶構造の常誘電性半導体を用いる試み
がある。しかし、この検討は始まったばかりで、有効性
を議論できる段階にない。現在主流の解決法は、以下に
説明する「緩衝層」を用いる方法である。
【0009】このMFSFETの界面の問題を解決する
方法は、半導体基板1と強誘電体膜2の間に緩衝層とし
て「絶縁膜15(Insulator;I層)」もしくは「金属膜
16(Metal)/絶縁膜15(Insulator)」の2層膜
(MI層)を挿入して、MFIS構造もしくはMFMI
S構造とするものである。具体的には、例えば非晶質の
SiO2膜(I層)、さらには強誘電体膜2との界面特
性も考慮して例えばTiN/SiO2膜(MI層)を挿
入する。メモリ動作の原理は大筋においてMFSFET
と同じである。この緩衝層を用いる方法は、上記の界面
の問題を比較的うまく解決でき、このことから現在の1
Tr型強誘電体メモリの研究開発においてはMFMIS
FETの研究が主流となっている。
【0010】しかし、MFMISFETやMFISFE
Tにおいては、強誘電体膜2にリーク電流が流れると分
極情報が読み出せなくなるという問題がある。MFMI
S構造のエネルギー・バンド図を図7及び図8に示す。
なお、ここでMFMISFETは、図3に示したMFS
FETのA−A’線に沿ったゲート電極3直下の構造に
おいて、半導体基板1と強誘電体膜2間に絶縁膜15と
金属膜16の2層膜を挿入した構造であるが、その断面
図は省略する。図7には、強誘電体膜2の残留分極電荷
により、p型半導体基板1の表面電位が(+)側にシフ
トした様子を示す。強誘電体膜2の分極電荷8により金
属膜16の基板側表面に正孔10が誘起され、これが半
導体基板1の表面電位を(+)側にシフトさせている。
この時、金属膜16の電位は、誘起された正孔10によ
りゲート電極3および半導体基板1よりも高くなってい
る。このため、基板1とゲート電極3中の電子9が、絶
縁膜15と強誘電体膜2のリーク電流として僅かずつで
はあるが金属膜16中に流れ込んでくる。流れ込んだ電
子9は、金属膜16の基板側表面に誘起されていた正電
荷10を中和する。正電荷10の消滅により金属膜16
と半導体基板1間を結ぶ電気力線13の数は減少するの
で、リーク電流の流入に伴い、半導体基板1の表面電位
のシフト量は減少してゆく。最終的には、図8に示すよ
うに、分極電荷と半導体基板1の表面電位との電気的な
連携が切れ、ソース電極とドレイン電極間の電流の導通
/不導通による分極状況の読出しはできなくなってしま
う。
【0011】MFIS構造においても、図9及び図10
に示すように流れ込んだ電子9が金属膜16の代わりに
強誘電体2と絶縁膜15の界面に溜まる点が異なるだけ
で、MFMIS構造と同様である。なお、MFISFE
Tは、図3に示したMFSFETのA−A’線に沿った
ゲート電極3直下の構造において、半導体基板1と強誘
電体膜2間に絶縁膜15を挿入した構造であるが、その
断面図は省略する。
【0012】強誘電体膜のエネルギー・ギャップは約2
〜4eVであり、I層として用いられているSiO2
エネルギー・ギャップ8〜9eVに比べ小さいので、M
FMIS構造およびMFIS構造における電流リークは
主として強誘電体膜2において生ずる。そこで、一例と
してPZTをMFMIS(又はMFIS)構造における
F層すなわち強誘電体膜2として用いた場合を考える。
残留分極Prは30〜50μC/cm2、リーク電流密
度は10-7A/cm2(@1V)であるので、分極電荷
8は数10秒で中和されてしまう計算になる。但し、電
荷が中和されてゆくにつれ接地電位とI層の電位の差が
減少するのでそれに伴いリーク電流が減少し、中和が完
了するまでの時間は、正確には、もう少し長くなる。な
お、MFSFETにおいては、リーク電流として流れ込
んだ可動電荷(基板1がp型の場合は電子9、n型の場
合は正孔10)は、半導体基板1を通って基板電極7等
からアースにこぼれていくので、リーク電流による読出
し機能喪失の問題はない。
【0013】MFMIS構造およびMFIS構造におい
ては、印加電界のほとんどがI層にかかってしまうとい
う問題もある。一般に強誘電体の比誘電率は大きく(P
ZTでは約1500)常誘電体の比誘電率は小さい(S
iの場合、3.9)ためである。強誘電体に分極書き込
みするに充分なだけ電界をかけようとすると、書き込み
電圧はかなり大きくなる。これは、低電圧メモリ用途に
は障害となる。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】前述した従来の1Tr
型強誘電体メモリについて整理すれば、次のようにな
る。1Tr型強誘電体メモリには、MFSFETと、M
FISFETおよびMFMISFETとがある。いずれ
も、スケーリング則が適用でき、ギガビットクラスのメ
モリの大規模集積化に必須なメモリセル微小化に対して
適合性が高いという特長を持つ。MFSFETは、材
料、プロセス上の問題により、少なくとも現在のところ
は、良好な特性のメモリが得られていない。但し、動作
原理上はリーク電流が流れてメモリ機能を失うような心
配はない。一方、MFISFET、MFMISFET
は、材料、プロセス上の問題が比較的軽微なため動作原
理どおりのデバイスが作製できるが、リーク電流により
読出し機能を失うという動作原理に基づく弱点を持つ。
【0015】尚、他に強誘電体メモリとしては、強誘電
体キャパシタをトランジスタのソース又はドレインと直
列接続して分極反転電荷を検出する構成の1トランジス
タ−1キャパシタ(1Tr1C)型強誘電体メモリがあ
るが、この場合トランジスタはキャパシタを選択的にア
クセスするための単なるスイッチとして用いている。こ
の1Tr1C型強誘電体では、分極反転電荷量にスケー
リング則が適用できないので、ギガビットクラスの大容
量メモリの実現は困難である。
【0016】従って、携帯用コンピュータ・システム用
途のギガビットクラスの超高集積の強誘電体不揮発性メ
モリの実現を考えると、材料、プロセスに関し問題が軽
微で、動作原理上リーク電流の影響を受けない1Tr型
強誘電体メモリの登場が強く望まれる。
【0017】そこで、本発明の目的は、ギガビットクラ
スの超高集積化が可能で、しかも動作原理上リーク電流
の影響を受けない1Tr型の強誘電体記憶素子及びその
素子を用いた強誘電体記憶装置を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る強誘電体記憶素子は、強誘電体の分極
状況を記憶情報として用いる強誘電体記憶装置におい
て、電圧を印加して分極状況を制御する少なくとも1個
の分極制御用電極と、強誘電体の分極状況によって強誘
電体中を流れる電流の大きさの変化を検出する少なくと
も1対の電流入出力用電極とを強誘電体に設けたことを
特徴とするものである。この場合、前記強誘電体が、n
型もしくはp型の電気電導性を有する半導体性強誘電体
であれば好適である。
【0019】また、前記分極制御用電極が、前記半導体
性強誘電体中に空乏層を形成する空乏層形成用の制御電
極であれば好適である。また、前記分極制御用電極が複
数から成る場合、少なくとも1個の分極性御用電極は前
記半導体性強誘電体中に空乏層を形成する空乏層形成用
の制御電極であり、他の少なくとも1個の分極制御用電
極は前記半導体性強誘電体にオーム性接触するオーム性
制御電極であれば好適である。
【0020】ここで、前記空乏層形成用の制御電極は、
前記半導体性強誘電体とショットキー接触を形成して前
記半導体性強誘電体中に空乏層を形成するショットキー
電極とすればよい。この場合、図25に示すように、シ
ョットキー電極20の大きさが、オーム性制御電極7よ
りも大きければ好適である。
【0021】また、前記空乏層形成用の制御電極は、前
記半導体性強誘電体に設けたpn接合にオーム性接触し
て半導体性強誘電体中にpn接合による空乏層を形成す
るオーム性電極、例えば図20に示すように、p型半導
体性強誘電体26とn型半導体性強誘電体25とで形成
するpn接合にオーム性接触するゲート電極3で構成し
てもよい。この場合、前記空乏層形成用のオーム性電極
が接触するpn接合の接合面の大きさが、分極制御用の
オーム性制御電極よりも大きければ好適である。
【0022】前記強誘電体記憶素子において、前記記憶
情報を読み出す際、前記空乏層に対して逆バイアスとな
る極性の電圧が前記電流入出力用電極に印加されるよう
に構成されていれば好適である。
【0023】さらに、前記空乏層形成用の制御電極と前
記電流入出力用電極とを、前記強誘電体の異なる面に接
触して設ければ好適である。
【0024】また、前記強誘電体を、複数の前記分極制
御用電極により挟むと共に電気電導率の異なる複数の層
で構成してもよい。
【0025】本発明に係る強誘電体記憶装置は、前記い
ずれかの強誘電体記憶素子を常誘電体基板上に形成した
ことを特徴とするものである。この場合、常誘電体基板
は半導体基板とすれば好適である。更に前記強誘電体記
憶装置において、強誘電体記憶素子が、前記半導体基板
上に形成された電気回路と接続されていれば好適であ
り、この場合、前記半導体基板はSi基板またはGaA
s基板とすればよい。
【0026】
【発明の実施の形態】本発明に係る強誘電体記憶素子の
好適な実施の形態につき、以下説明する。先ず、概要を
説明する。図1は、本発明の1Tr型強誘電体メモリ素
子の縦断面図である。図1において参照符号19は半導
体性の強誘電体膜を示し、この強誘電体膜19に一対の
電流入出力用電極4,5を設け、更に電流経路にあたる
強誘電体膜19の少なくとも一部に対して電圧印加用の
一対の制御電極7,20を設ける。
【0027】このような基本構造を有する1Tr型強誘
電体メモリ素子は、制御電極20に電圧を印加して制御
電極7,20間の強誘電体膜19中に均一電界を誘起
し、膜中に均一に分極が誘起される。また、制御電極2
0により膜中に不均一電界を誘起すれば、制御電極7,
20間の強誘電体膜19中に不均一に分極を誘起するこ
ともできる。この強誘電体膜19中に誘起された「均一
分極」と「不均一分極」の状態を、それぞれ“0”と
“1”の記憶情報として定義する。本発明に係る強誘電
体記憶素子は、このような分極の均一性に基づく電流入
出力用電極4,5間の電流コンダクタンスの変化をもっ
て“0”と“1”の記憶情報の読み出しを行なう。
【0028】尚、強誘電体膜19中への不均一電界、均
一電界を印加すること自体については、1994年のフ
ィズィカル・レビュー・レターズ、第73巻、第15
号、第2107頁〜第2110頁(Physical Review Le
tters, Vol. 73, No. 15, pp.2107-2110, 1994)におい
て論じられている。すなわち、強誘電体膜19にアクセ
プタもしくはドナーを添加して半導体性とし、一方の制
御用電極20をショットキー接触、もう一方の制御用電
極7をオーム性接触とすることにより、均一分極及び不
均一分極を実現できる。電流入出力用電極4,5はオー
ム性接触にしておく。以下に詳細を説明する。
【0029】強誘電体のエネルギ・ギャップは、約2〜
4eVである。通常は絶縁体に分類されているが、ワイ
ド・ギャップの半導体と見ることもでき、事実、十分に
ドーピングされた強誘電体は半導体としてふるまう。こ
こでは、SiやGaAsなど一般に半導体として利用さ
れている常誘電材料と区別する意味で、これを半導体性
強誘電体と呼ぶことにする。半導体性強誘電体としては
セラミクス半導体コンデンサとして用いられる、還元雰
囲気での焼成によりn型半導体化したチタン酸バリウム
やチタン酸ストロンチウムなどがある。また、p型半導
体化したチタン酸鉛(PbTiO3(PT))などもあ
る。この鉛系の強誘電体材料においては、オゾン雰囲気
中成膜や酸素プラズマアニールなど特別な処理を行なわ
ないかぎり酸素空孔ができやすく、酸素空孔はアクセプ
タとしてふるまうからである。
【0030】通常、半導体に電極材料をショットキー接
触させれば半導体表面に空乏層ができるが、ショットキ
ー・バリアが形成されるのは半導体性強誘電体でも同様
である。空乏層中には、電界強度が位置に依存した内部
電界が形成される。即ち、強誘電体を半導体性とし、そ
の表面にショットキー電極を設置すれば、電極界面付近
の強誘電体中に不均一電界を形成することができる。強
誘電体膜の裏面に基板電極を設置し、ショットキー電極
と半導体(基板電極)との間に逆バイアスを印加(p型
半導体の場合、半導体側が負)すれば、空乏層幅が広が
るとともに内部電界は増加する。順バイアス(p型半導
体の場合、半導体側が正)を印加すれば、まず低バイア
スで空乏層が縮んでゆき、内蔵電位Vbiを越えるバイア
スでオーム性電導の状態となってショットキー電極と基
板電極間にわたって半導体性強誘電体膜中に均一な電界
が形成される。即ち、ショットキー電極にかけるバイア
スの極性によって、半導体性強誘電体膜の中に不均一電
界を形成したり、均一電界を形成することができる。印
加電界が強誘電体膜の内部で不均一ならば、誘起される
分極の密度も不均一となる。図2より分かるように、分
極には電界依存性があるからである。
【0031】分極電荷密度の均一性によって電流コンダ
クタンスが変化するメカニズムについて、以下に説明す
る。ショットキー電極に内蔵電位Vbiを越える順バイア
スをかけた場合のように、強誘電体膜内の電界が均一で
ある場合、従って分極密度が均一である場合には、例え
ば図11に強誘電体膜2を挾んで両端に設けたオーム性
接触する金属電極16,16間にバイアスを印加した場
合のエネルギバンドと分極電荷を模式的に示したよう
に、膜中の分極17の電荷は隣り合う電荷同士で正負相
殺しあって電気的に中性化する。相殺の起きない膜表面
においてのみ、空間電荷(この場合は、表面電荷8)が
発生する。これに対し、ショットキー電極20に逆バイ
アスをかけた場合など、分極が不均一な場合は、例えば
図12に半導体性強誘電体膜19を挾んで一方がオーム
性接触電極16で他方のショットキー電極20に逆バイ
アスを印加した場合のエネルギバンドと分極電荷を模式
的に示したように、中和をまぬがれる分極電荷があり、
これが膜中の空間電荷18としてふるまう。半導体性強
誘電体膜19の空間電荷は、この不均一分極による空間
電荷18と、半導体性強誘電体膜19の本来の空間電荷
であるアクセプタ・イオン11による空間電荷によって
構成される。なお、図11及び図12には示さなかった
が、強誘電体膜2,19のそれぞれの表面の分極電荷8
は、金属電極16あるいはショットキー電極20の表面
に誘起された正孔および電子により中和されている。
【0032】さて、図12に示したように、不均一分極
による空間電荷18の極性は、半導体性強誘電体膜19
の本来の空間電荷であるドーピング不純物(p型の場
合、アクセプタ)イオン11の極性とは逆極性である。
したがって、素電荷量をq、不均一分極による空間電荷
18の密度を+qNpol、ドーピング不純物イオン11
による空間電荷密度を−qNDで表せば、半導体性強誘
電体膜19における空間電荷密度は、−qND+qNpol
=−q(ND−Npol)となる。即ち、不均一分極によっ
て空間電荷18が発生すると、半導体性強誘電体膜19
中の空間電荷密度は減少する。これは、実効的にドーピ
ング不純物濃度が減少したことに相当する。ドーピング
不純物濃度が減少すれば、フェルミ・レベルEFはミッ
ド・ギャップEg/2へ向かってシフトし、空乏層の幅
Wは広くなる。Wの増えた分、電流の通り道である中性
領域の幅(d−W)が狭くなり、電流コンダクタンスは
減少する。こうして、分極電荷密度の均一性によって電
流コンダクタンスは変化することになる。
【0033】特に、半導体性強誘電体膜19の厚さd
を、W0<d≦Wpol(W0:不均一分極による空間電荷
がない場合の空乏層幅、Wpol:不均一分極による空間
電荷がある場合の空乏層幅)に設計すれば、不均一分極
の時には電流がオフされ、電流コンダクタンスの増減比
を大きくとることができる。
【0034】ショットキー電極20にかけるバイアスの
極性によって、半導体性強誘電体膜19中に「低コンダ
クタンス状態」と「高コンダクタンス状態」を書き込め
ることを説明した。いずれの状態が書き込まれているか
は、もちろん、電流入出力用電極4,5間に電圧をか
け、電流値を検出することによって簡単に読み出せる。
即ち、ここで述べた図1に示した構成の本発明の強誘電
体記憶素子は、1素子型の強誘電体不揮発性メモリ素子
として用いることができる。
【0035】この強誘電体記憶素子を従来の不揮発性メ
モリであるフラッシュメモリと同様の回路に組み込め
ば、メモリ回路として用いることができる。本発明の強
誘電体記憶素子は、MOSFETと同様にオーム性接触
と空乏層により構成された4端子の素子である。MOS
FET同様にスケーラビリティが高く、ギガビット以上
の大容量化に求められるセルサイズの微小化にも対応す
ることができる。
【0036】図1に示すように、本発明に係る強誘電体
記憶素子の半導体性強誘電体膜19に設けられたオーム
性接触の基板電極7とショットキー電極20との間に電
圧を印加した時の、順バイアス状態、その後の零バイア
ス状態、逆バイアス状態、その後の零バイアス状態にお
ける半導体性強誘電体19膜の(a)分極−電界ヒステ
リシス・ループ上の動作点、(b)分極状態、(c)エ
ネルギー・バンド図の対応の様子を、それぞれ図13、
図14、図15、図16に示す。エネルギー・バンドの
曲がりは分極に関するポアソン方程式、divD=ρ,
D=ε0E+P(D:電束,ρD:ドーピング不純物イオ
ンによる空間電荷密度(=−qND),ε0:真空の誘電
率、E:電界,P:分極)を解いて求めた。ここで、ヒ
ステリシスは傾きα1,α2の直線(P=α1E+Pr,
P=α2E+Pr,P=α1E−Pr,P=α2E−P
r)で構成される平行四辺形により近似(線形近似)し
てある。
【0037】図13は、内蔵電位Vbiより大きな順方向
電圧バイアス(半導体のpn接合及びショットキー接触
の理論に示されているように、V=VbiでE=0)をか
けて強誘電体膜19内に均一に電界を印加し、均一分極
を誘起した状態である。膜内いずれにおいても電界強度
が同じなので、位置x1,x2,x3,x4,x5のいずれ
に着目しても、同図(a)中に示した黒丸で表示される
動作点はヒステリシス・ループの右上の線(P=α1
+Pr)の同じ場所にある。尚、同図中でψは静電ポテ
ンシャルを表す。
【0038】図14は、順バイアス後、零バイアスに戻
した状態である。同図(c)のエネルギー・バンド図に
見るように、半導体性強誘電体膜19中に空乏層12が
形成される。空乏層12内の電界により、同図(a)に
示すように動作点はヒステリシス・ループの左の線(P
=α2E+Pr)上に移動する。空乏層12内の電界強
度が位置によって異なるため、ヒステリシス・ループの
左の線(P=α2E+Pr)上で動作点は幅をもって分
布する。このヒステリシス・ループの線P=α2E+P
rは、傾きが大きい。このため、動作点の場所がわずか
に違っても分極状態すなわち分極密度と極性は、大きく
異なる。既に説明したように、分極状態が不均一な場合
は分極に起因した空間電荷が生じ空乏層12の幅が広が
る。ここでは、図14(c)の下部に示した電界Eの式
の括弧内に、二重線のアンダーラインで強調してあるよ
うに、半導体性強誘電体19の膜の厚さdは、この時の
空乏層幅Wよりも薄くなるように設計してある。従っ
て、半導体性強誘電体膜19は、ショットキー電極20
との界面から基板電極7との界面までのすべての位置に
おいて空乏化して電流導通経路となる中性領域は遮断さ
れ、低コンダクタンス状態である。尚、同図(c)中の
式において、Vbi OFFは不均一分極時の内蔵電位、ρeff
は実効的な空間電荷密度、ρpolは分極に基づく空間電
荷密度である。
【0039】逆バイアスを印加したときの状況を、図1
5に示す。半導体性強誘電体膜19は、同図(c)に示
すように強い電界のもとに完全空乏化している。また、
同図(a)に示すように各動作点は、いずれも、ヒステ
リシス・ループの傾きの小さい左下の線(P=α1E−
Pr)上にまできている。動作点の分布に幅はあるが、
P=α1E−Prの傾きが小さいため分極の電界依存性
は弱く、場所による分極状態の違いは比較的小さい。完
全空乏化している状態の半導体性強誘電体膜19中にお
ける各位置x1,x2,x3,x4,x5の電界Eは、同図
(c)の下部に示した式で表される。
【0040】逆バイアスをかけ、その後バイアスを零に
戻した場合の様子を、図16に示す。動作点は、同図
(a)に示すようにヒステリシス・ループの左下の線
(P=α1E−Pr)上を図中右へ移動し、E=0へ向
かう。E=0になれば正孔10が空間電荷ρEff(ρEff
=ρD+ρpol,ρD=−qND,ρpol=+qNp)を中和
し、その位置を中性領域22とする。空乏層12内の電
界強度は基板電極7側で最も小さく、ショットキー電極
20との界面において最も大きい。これに対応して、中
性領域22はバイアスの緩和に伴って基板電極7側から
ショットキー電極20側へと形成されてゆく。なお、位
置x=x5における電界Eは、同図(c)の下部に示す
式で表される。
【0041】中性領域22にはオーム性電導状態になら
ないかぎり空乏層12と逆方向の電界はかからないか
ら、動作点はE=0を越えて座標軸の反対側へ出ること
はない。図16(a)に見るように、中性領域22内の
位置に対応した動作点は皆、ヒステリシス・ループの左
下の線(P=α1E−Pr)上の同じところ(E,P)
=(0,−Pr)にとどまる。すなわち、中性領域内に
おいて分極の不均一性は解消され、分極により導入され
た空間電荷は消滅(ρpol=0,ρEff=ρD+ρpol=ρ
D)する。空乏層12内には電界が残るが、P=α1E−
Prの傾きが小さいので、ここでもρpolはほとんど零
となる。即ち、空乏層幅Wは本来のドーピング不純物イ
オン11による空間電荷の密度で決まり、図に示すよう
に狭くなる。これらのことから、このバイアス状態にお
いては、正孔10が高密度に存在する導電性の中性領域
22が、同図(c)に示すように、幅広く形成される
(高コンダクタンス状態)。この後、もし順バイアスを
かけたならば、動作点はP=α2E−Prの線上をたど
って図13で説明したようにP=α1E+Prの線上へ
到達する。
【0042】以上の説明を図17を用いて要約すると、
次のようになる。強誘電体に電界印加を行えば、動作点
はヒステリシス・ループ上を左回りに移動する。ところ
で、強誘電体中に空乏層を形成すれば、零バイアス状態
においても強誘電体中に電界が印加される。空乏層内の
電界は正負いずれか一方のみの極性を持つ。この空乏層
電界の非対称性をヒステリシス特性に重ね合わせたと
き、強誘電体において空間電荷密度の2値状態すなわち
空乏層幅の2値状態を実現することが可能となる。即
ち、空乏層電界と同極性の電界がかかるバイアスを印加
した後に零バイアスとした場合、動作点はヒステリシス
上の傾きの小さな領域に留まるが、空乏層電界と逆極性
の電界印加をした後に零バイアスとした場合、動作点は
ヒステリシス上の傾きの大きな領域に留まる。
【0043】空乏層の電界分布により、動作点は分布を
もって存在する。動作点の存在するヒステリシス・ライ
ンの傾き即ち動作点の分布の傾きが大きい場合には、分
極が不均一となって空間電荷が生じる。この空間電荷は
ドーピング不純物イオンによる空間電荷を差し引き、実
効的に強誘電体のドーピング濃度を減少させる。その結
果、強誘電体膜の空乏層幅は増加して電流コンダクタン
スは減少する。これに対し、分極が均一な場合は、空乏
層幅が狭く、高い電流コンダクタンスが得られる。この
コンダクタンスの違いを“0”と“1”の記憶信号とし
て扱うことにより、強誘電体を用いた不揮発性メモリが
得られる。
【0044】本発明の強誘電体メモリ素子の“0”と
“1”の状態は、MFSFETや1Tr1C型メモリセ
ルのキャパシタと同様に熱平衡状態であり、中和される
べきところはすべて中和されている。従って、リーク電
流によって状態が変わってしまうことは動作原理上な
い。また、ショットキー接触やオーム性接触の電極形成
には格子整合の必要がないので、材料・プロセスにおけ
る本質的な問題の懸念もない。
【0045】上記の動作原理の説明では、書き込みバイ
アスの電界強度が図2に示した飽和電界Esを越えてい
たが、携帯用機器など低電圧で動作させたい用途もあ
る。このような低電圧動作の用途では、書き込みバイア
ス電圧が少し小さめであり、書き込み電圧印加時に空乏
層内の一部の電界の強度が飽和電界Esよりも小さくな
っている。以下では、補足としてこのようなバイアス電
圧が少し小さめの場合について説明しておく。
【0046】低コンダクタンス状態を出発点に考える。
この時は、図14に示す状態にある。半導体性強誘電体
膜19は完全空乏化している。やや小さめの逆バイアス
をかけた場合の状況を図18に示す。同図(a)に示す
ように、動作点の分布の一部が、P=α2E+Prの線
上にかかっている。そこでは同図(b)から分かるよう
に分極の不均一が大きく、空間電荷密度は他の位置にお
ける密度より低くなっている。空間電荷密度の低下は空
乏層幅の増加をもたらすが、もともと完全空乏化してい
たので、その点においては変わりない。各位置x1〜x5
における電界Eは、同図(c)の下部に示す式で表され
る。
【0047】半導体性強誘電体膜19にかかるバイアス
を零に戻せば、図19に示す状況になる。同図(c)に
示すように、空乏層はショットキー電極20の界面近傍
に縮み、それ以外は中性領域22となる。但し、オーム
性電極7の付近(図中、x=x1,x2)はE=0でも逆
バイアス下での分極不均一が残り、高抵抗層となってい
る。空乏層とオーム性電極近傍の高抵抗層にはさまれた
低抵抗の中性領域22が電流の通り道になる(高コンダ
クタンス状態)。順バイアスをかけた後、再び零バイア
スに戻せば、図14に示す状況に戻る(低コンダクタン
ス状態)。尚、図19(c)の下部に、位置xにおける
電界E、内蔵電位Vbiを表す式を示してある。ここで、
bi onは均一分極における内蔵電位を表している。
【0048】本発明の強誘電体メモリ素子において必要
なものは、分極のヒステリシス特性と空乏層の一極性電
界である。したがって、ショットキー電極20にかえ
て、図20に示すように、pn接合を強誘電体膜表面に
形成しても同じメカニズムで2値メモリ素子が得られ
る。本明細書においては、単純な記述の重複を避けるた
め、ショットキー電極を用いた場合、pn接合を用いた
場合の双方を、ショットキー電極を用いた場合の記述を
もって代表させている。
【0049】ショットキー電極に順バイアスを印加した
時には、順方向電流が流れる。電流が流れることは低消
費電力の観点からは好ましくない。そこで順バイアスに
より流れる電荷の量を簡単に見積ってみる。強誘電体の
分極反転に要する時間は10ナノ秒(10-8秒)以下と
言われている。順方向電流密度を1A/cm2とし、シ
ョットキー電極の接触面積を0.16×0.16μm2
=0.0256μm2(0.0256×10-8cm2)と
する。順バイアス書き込みの間に、10-8×1×0.0
256×10-8=2.56×10-18Cの電荷が流れる
ことになる。最小加工寸法0.16μmのDRAMの信
号蓄積電荷量が15fC(1.5×10-14C)である
のに比べて大変小さく、問題にならないことがわかる。
以上、本発明の1Tr型強誘電体メモリ素子の構成と動
作原理を説明した。
【0050】次に、本発明に係るメモリ素子の基本素子
構造の例を図21、図22、図24、図25、図27に
示し、簡単に説明する。図21(a)に示した基本構造
のメモリ素子は、p型半導体性強誘電体23とp-型半
導体性強誘電体24の2層構造からなる強誘電体の上面
にショットキー電極20と一対の電流入出力用電極4,
5を配し、下面に基板電極7を配置した構造を有する。
-型半導体性強誘電体24は高抵抗であり、電流はp
型半導体性強誘電体23中を流れる。p型半導体性強誘
電体23中の空乏層12の幅を分極状態により制御し
て、“0”と“1”を記憶する。同図(b)のエネルギ
ー・バンド図に示すように、ショットキー電極20に逆
方向バイアスをかけて不均一分極としたとき、p型半導
体性強誘電体23の膜厚より空乏層12の幅は広くな
り、ショットキー電極20との接触面からp-型半導体
性強誘電体24との接触面まで分布する。すなわち、p
-型半導体性強誘電体24は、空乏層12の幅を広くし
て電流入出力用電極4,5間を低コンダクタンス状態と
したとき、ソース電極4/基板電極7/ドレイン電極5
間を電流が流れるのを阻止するために挿入してある。p
-型半導体性強誘電体24は中性領域であるので、電圧
はここにはかからず、空乏層12にのみかかる。即ち、
空乏層12があるかぎり、p-型半導体性強誘電体24
は素子動作に影響しない。但し、同図(c)のエネルギ
ーバンド図に示すように、内蔵電圧Vbiを越える順方
向バイアスをかけたときには、空乏層12は消滅する。
この場合は、低抵抗層と高抵抗層の2層膜に電圧をかけ
た形になるので、高抵抗のp-型半導体性強誘電体24
により多くの電圧がかかる。従って、低抵抗のp型半導
体性強誘電体23に順バイアスを十分にかけて分極反転
書き込みをするためには、比較的高い電圧が求められ
る。
【0051】図22および図25に示すようにp-型半
導体性強誘電体24を用いない構造で素子を形成するこ
ともできる。図22(a)に示した基本構造のメモリ素
子は、半導体性強誘電体膜19の上面にオーム性電極
4,5,7を配し、下面にショットキー電極20を配し
た構造を有する。図22(b)および(c)に示すよう
に、半導体性強誘電体膜19とショットキー電極20と
の界面近傍には空乏層12ができるので、低コンダクタ
ンス状態におけるソース電極4/半導体性強誘電体膜1
9下側の電極(ショットキー電極20)/ドレイン電極
5間の電流経路を遮断することができる。尚、図22
(b)はショットキー電極20に逆バイアスをかけた不
均一分極時の空乏層の様子を示すであり、低コンダクタ
ンス状態の場合である。また、図22(c)はショット
キー電極20に順バイアスをかけた均一分極時の空乏層
の様子を示す図であり、高コンダクタンス状態の場合で
ある。図25(a)に示した基本構造のメモリ素子は、
絶縁性基板27の上にオーム性電極4,5,7を並べ、
その上に半導体性強誘電体膜19を介してショットキー
電極20を配置した構造を有する。図21(a)の構造
との違いは、基板電極7よりもショットキー電極20の
幅が広いことである。このため、基板電極7が空乏層で
くるまれ、ソース電極4/基板電極7/ドレイン電極5
間の電流経路が遮断される。
【0052】図22(a)と図25(a)に示したいず
れの素子も、読み出しに際しては、ドレイン電極5を負
にバイアスする。これは、それぞれ図23および図26
に読み出し動作時の空乏層12の様子を示すように、シ
ョットキー電極20とドレイン電極5間を逆バイアス状
態にしてこの間を絶縁し、ソース側からの電流のみを検
出できるようにするためである。なお、これらの図より
わかるように、基板電極7とソース電極4は同電位であ
る。したがって、図24および図27に示すように、こ
れらをひとつの電極で兼用することも可能である。電極
がひとつ減った分だけ素子を微細化することができる。
また、図23(a)、図24(b)、図26(a)及び
図27(b)は、それぞれ低コンダクタンス状態の読み
出し動作時の空乏層の様子を示す図であり、図23
(b)、図24(c)、図26(b)及び図27(c)
は、それぞれ高コンダクタンス状態の読み出し動作時の
空乏層の様子を示す図である。
【0053】図22(a)の素子において、電流入出力
用電極4,5との接触界面近傍における強誘電体膜19
を、電流経路にあたる強誘電体膜と同じ電気伝導型で充
分に低抵抗の領域とすれば、寄生抵抗である接触抵抗を
低減することができる。オーム性接触であるべき電流入
出力用電極4,5と強誘電体膜19との接触部に形成さ
れる意図しないショットキー障壁の実効的な障壁高さ
を、低減するからである。もちろん、意図したショット
キー障壁の形成には障害とならないように、この低抵抗
領域の範囲を注意深く設計する必要がある。
【0054】また、この低抵抗領域の形成は、読出し電
圧の設計自由度を拡げる効果も有する。図43(a),
(b)に示すように、読出し電圧はショットキー電極2
0に対して逆方向の電圧印加である。従って、読出し時
に、ショットキー電極20から読出し電極5に向かって
空乏層12が拡がる。読出し電圧をかけすぎると、ショ
ットキー接触による空乏層12が読出し電極5に到達
し、その接触部すなわち読出し電極5と強誘電体膜19
との界面を絶縁してしまう。このため、電位制御電極7
直下のチャネル部となる強誘電体膜19が、低コンダク
タンス状態か高コンダクタンス状態かの検出ができなく
なるという問題がある。読出し電圧をある程度低い値に
選べばこの問題は回避できるが、高速動作をさせる場合
など読出し電圧を高く設定したい用途もある。読出し電
極5近傍を充分に低抵抗化すれば、低抵抗化領域によっ
て空乏層の拡がりが抑えられる。空乏層による読出し電
極5と強誘電体膜19との界面の絶縁という問題が回避
でき、読出し電圧の設計自由度が大幅に拡がる。もちろ
ん、この場合も意図したショットキー障壁の障害となら
ないように、意図したショットキー障壁からある程度離
して低抵抗領域を形成する必要がある。
【0055】なお、ここで示した素子構造の図は、本発
明の強誘電体メモリ素子のみを示したもので、メモリの
駆動回路等にSiデバイスを用いる場合には、ここで示
したメモリ素子をSi基板上に形成する。その場合、図
25における絶縁性基板27は、Si基板上に設けた絶
縁膜と呼ぶべきである。必要に応じて接着層としてTi
N,Ti,Taなどを用いる。
【0056】
【実施例】次に、本発明に係る強誘電体記憶素子及びそ
の素子を用いた強誘電体記憶装置の更に具体的な実施例
につき、添付図面を参照しながら以下詳細に説明する。
【0057】<実施例1>図28は本発明に係る強誘電
体記憶素子の一実施例を示す断面図であり、実施の形態
で説明した図21のメモリ素子構造をSi基板上に形成
して、より具体的に示した図である。以下、本実施例の
メモリ素子構造を実現する製造方法について説明する。
【0058】図28において参照符号30はp型単結晶
Si基板を示し、このp型Si基板30の表面にマスク
を用いたイオン打ち込みを行いn+領域31を形成し
た。次に、選択酸化法により所定の領域に熱酸化膜32
を形成した後、スパッタ堆積法により、TiN膜33
と、Pt膜34を順次形成した。その上に、パルスレー
ザ堆積法によりLa0.5Sr0.5CoO3(以降、LCO
と称する)35を形成した。TiN膜33は、Pt膜3
4を下地のSi基板30と熱酸化膜32に接着する接着
層としての役割をはたすとともに、Pt膜34と基板3
0のSiとの相互拡散を阻止する拡散バリア層としても
働く。Pt膜34は、強誘電体36と比較的格子整合し
た材料であり、かつTiN膜33上に堆積された場合に
<111>配向しやすいので、<111>配向の強誘電
体膜を形成するための下地材料として用いた。また、P
t膜34は図21に示した基板電極7に相当するLCO
35へ電位を供給するための電極として用いる。LCO
35はp+型の電気伝導体であり、p型の強誘電体膜3
6に対するオーム性電極である。強誘電体に格子整合す
るので、下地Pt34の<111>配向をこの上に堆積
する強誘電体36に引き継ぐことができる。マスクを用
いたドライエッチングにより、TiN膜33、Pt膜3
4、LCO35の積層膜をパターニング即ち、下地電極
となるパターンを形成した。
【0059】次に、LCO35上にオゾン雰囲気を用い
た反応性蒸着法により、<111>配向のPbTiO3
膜36を堆積した。このPbTiO3膜36は、絶縁性
(p-型)の強誘電体であり、図21に示した基本素子
構造のp-型半導体性強誘電体24に相当する。更にこ
の上に、パルスレーザ堆積法を用いて<111>配向の
PbTiO3膜37を堆積した。このPbTiO3膜37
はp型の半導体性強誘電体膜であり、図21の基本素子
構造のp型半導体性強誘電体23に相当する。一般に、
PbTiO3やPbZr1-xTix3などのペロブスカイ
ト結晶構造の強誘電体は、<111>配向において顕著
な強誘電特性を得ることができる。p-型PbTiO3
36とp型PbTiO3膜37の2層膜を、マスクを用
いたドライエッチングによりパターニングした。これ
は、メモリ素子領域のバターニングである。この上にオ
ゾン雰囲気でTEOS(Tetraethylooxsilane 又は Tet
raethylorthsilicate, Si(OC2H5)4)を用いたCVD法に
よりSiO2膜39を堆積した。このSiO2膜39は層
間絶縁膜であり、素子分離絶縁膜でもある。オゾンTE
OS−CVD法は現在の半導体プロセスにおいて広く用
いられている技術であり、還元作用が比較的弱いので酸
化物強誘電体の被覆膜堆積法としても好ましい。
【0060】次に、マスクを用いたドライエッチングに
よりメモリ素子領域上のSiO2膜39に開口部を形成
した。Ptをスパッタ堆積法により堆積し、マスクを用
いたドライエッチングでこれをパターニングしてショッ
トキー電極20を形成した。再び、オゾンTEOS−C
VD法により層間絶縁膜としてSiO2膜39を堆積し
た。マスクを用いてこのSiO2膜39をドライエッチ
ングすることにより、素子領域上およびショットキー電
極20の両脇に開口部を形成した。この上に、スパッタ
堆積法でタングステン膜を形成し、マスクを用いてタン
グステン膜をドライエッチングすることにより、ソース
電極4およびドレイン電極5のパターンを形成した。再
び、オゾンTEOS−CVD法によりSiO2膜39を
堆積した。マスクを用いたドライエッチングにより各電
極パターン及び基板のn+領域31上のSiO2膜39の
一部に電気的な接続用の開口部を形成し、メモリ素子と
して完成した。
【0061】このようにして形成した本実施例の強誘電
体記憶素子のショットキー電極20に、正負の電圧を印
加して半導体性強誘電体膜37中に分極書き込みをした
後、ドレイン電極5に負のバイアスをかけて半導体性強
誘電体膜37中の電流コンダクタンスを検出することで
分極状態の読み出しを行い、メモリ素子としての動作を
確認した。
【0062】なお図28では、説明のため、図21の基
板電極7に相当するLCO35の電気的接続方法として
基板30中のn+領域31を介する端子40を用いるや
り方と、基板を介さないで直接LCO35に接続した端
子41を用いるやり方の双方を示したが、実用にあたっ
てはいずれか一方だけで十分である。基板を介するやり
方では、n+領域31に替えてp+領域を形成し、端子4
0を基板30の裏面に設ける方法もある。基板を介さな
い場合には、基板にn+領域31も熱酸化膜32の開口
部も設けずにTiN膜33の成膜以降の工程から始める
方法でもよい。また、強誘電体としてPbTiO3膜3
6を用いたが、PbZr1-xTix3やSrBi2Ta2
9など他の強誘電体を用いることもできる。
【0063】<実施例2>図29は本発明に係る強誘電
体記憶素子の別の実施例を示す断面図であり、実施の形
態で説明した図22のメモリ素子構造をSi基板上に形
成して、より具体的に示した図である。図30〜図33
は、図29に示した構造の強誘電体記憶素子の要部を製
造工程順に示した斜視図である。尚、図29〜図33に
おいて、実施例1の図28に示した構成部分と同一の構
成部分については、同一の参照符号を付してある。以
下、本実施例の強誘電体記憶素子構造を実現する製造方
法について説明する。
【0064】図29において参照符号30はp型単結晶
Si基板を示し、このp型Si基板30の表面にマスク
を用いたイオン打ち込みを行いn+領域31を形成し
た。次に、選択酸化法により所定の領域に熱酸化膜32
を形成した後、スパッタ堆積法により、TiN膜33
と、Pt膜34を順次形成した。Pt膜34は、図22
に示した基本素子構造のショットキー電極20として用
いる。マスクを用いたドライエッチングにより、TiN
膜33とPt膜34の積層膜をパターニングし、ショッ
トキー電極のパターンを形成した。
【0065】この上にパルスレーザ堆積法を用いて、<
111>配向のPbTiO3膜37を堆積した。このP
bTiO3膜37はp型の半導体性強誘電体膜であり、
図22の基本素子構造のp型半導体性強誘電体19に相
当する。p型PbTiO3膜37を、マスクを用いたド
ライエッチングによりパターニングした。これは、メモ
リ素子領域のバターニングである。p型PbTiO3
37をパターニング後の様子を、図30に示す。ただ
し、ここでは上記したショットキー電極のパターニング
の様子は示していない。複数の素子に対する共通電極と
して使うので、TiN膜33とPt膜34の積層膜で構
成するショットキー電極のパターンは、これより大きく
したためである。この上にオゾン雰囲気を用いたTEO
S−CVD法によりSiO2膜39を堆積後、マスクを
用いたドライエッチングによりメモリ素子領域上のSi
2膜39に開口部を形成した。この時の様子を図31
に示す。
【0066】次に、スパッタ堆積法でタングステン膜を
堆積した後、マスクを用いてタングステン膜をドライエ
ッチングし、ソース電極4、ドレイン電極5、基板電極
7のパターンを形成した。この時の様子を図32に示
す。
【0067】再び、オゾンTEOS−CVD法によりS
iO2膜39を堆積し、マスクを用いたドライエッチン
グにより各電極パターン及び基板のn+領域31上のS
iO2膜39の一部に電気的な接続用の開口部を形成
し、図33及び図29に示すように、メモリ素子として
完成した。
【0068】このようにして形成した本実施例の強誘電
体記憶素子の基板電極7に、正負の電圧を印加して半導
体性強誘電体膜37中に分極書き込みをした後、ドレイ
ン電極5に負のバイアスをかけて半導体性強誘電体膜3
7中の電流コンダクタンスを検出することにより分極状
態の読み出しを行い、メモリ素子としての動作を確認し
た。
【0069】図24に示した構造の素子は、本実施例で
述べたプロセスにおいて、タングステン膜を加工してソ
ース電極4、ドレイン電極5、基板電極7を形成する際
のマスクのパターン・レイアウトを変えるだけで作製す
ることができる。
【0070】なお、図29では説明のために、TiN膜
33とPt膜34の積層膜で構成するショットキー電極
との電気的接続方法として基板30中のn+領域31を
介する端子40を用いるやり方と、基板を介さないで直
接ショットキー電極に接続した端子41を用いるやり方
の双方を示したが、実用にあたってはいずれか一方だけ
で十分である。基板を介するやり方では、端子40を基
板30の裏面に設ける方法もある。基板を介さない場合
には、基板にn+領域31も熱酸化膜32の開口部も設
けずにTiN膜33の成膜以降の工程から始める方法で
もよい。また、強誘電体膜としてPbTiO3膜37を
用いたが、PbZr1-xTix3膜やSrBi2Ta29
膜など他の強誘電体膜を用いることもできる。
【0071】<実施例3>図34〜図37は、実施の形
態の項で説明した図22のメモリ素子構造のより具体的
なまた別の実施例であり、要部を製造工程順に示した斜
視図である。なお図34〜図37において、実施例1の
図28に示した構成部分と同一の構成部分については、
同一の参照符号を付してある。以下、本実施例のメモリ
素子の製造方法について説明する。
【0072】まず、p型単結晶Si基板30の表面に熱
酸化膜32を形成した後、スパッタ堆積法により、Ti
N膜33とPt膜34を順次堆積した。Pt膜34は、
図22に示した基本素子構造のショットキー電極20と
して用いる。この上にパルスレーザ堆積法を用いて<1
11>配向のPbTiO3膜37を堆積した。このPb
TiO3膜37はp型の半導体性強誘電体膜であり、図
22に示した基本素子構造のp型半導体性強誘電体膜1
9に相当する。マスクを用いたドライエッチングによ
り、図34に示すように、TiN膜33、Pt膜34、
およびp型PbTiO3膜37からなる3層積層膜をパ
ターニングし、ショットキー電極とメモリ素子領域のパ
ターニングを行なった。
【0073】この上にオゾン雰囲気を用いたTEOS−
CVD法により形成したSiO2膜39で、基板及びメ
モリ素子とショットキー電極パターンを被覆した。これ
に異方性ドライエッチングを行って、TEOS−CVD
法で堆積したSiO2膜39をメモリ素子とショットキ
ー電極パターンの側壁にのみ残した。即ち、図35に示
すように、SiO2膜39のサイドウォールを形成し
た。
【0074】次に、スパッタ堆積法でタングステン膜を
堆積した後、マスクを用いてこのタングステン膜をドラ
イエッチングすることにより、図36に示すように、ソ
ース電極4、ドレイン電極5、および基板電極7のパタ
ーンを形成した。再び、オゾンTEOS−CVD法によ
りSiO2膜39を堆積した後、マスクを用いたドライ
エッチングにより、ソース電極4、ドレイン電極5、基
板電極7、ショットキー電極上のSiO2膜39の一部
に電気的な接続用の開口部を形成し、図37に示すよう
に、メモリ素子として完成した。なお、その際、ショッ
トキー電極上には強誘電体PbTiO3膜37がのって
いるので、ショットキー電極用開口部形成のために専用
マスクを用い、他の開口部形成とは別工程としてドライ
エッチング加工した。すなわち、SiO2膜39をエッ
チング除去した後、さらに強誘電体膜37を除去するこ
とにより、ショットキー電極と外部との電気的接続を可
能とした。
【0075】このようにして形成した本実施例の強誘電
体記憶素子の基板電極7に、正負の電圧を印加して半導
体性強誘電体膜37中に分極書き込みをした後、ドレイ
ン電極5に負のバイアスをかけて半導体性強誘電体膜3
7中の電流コンダクタンスを検出することにより分極状
態の読み出しを行い、メモリ素子としての動作を確認し
た。
【0076】図24に示した構造の素子は、本実施例で
述べたプロセスにおいて、タングステン膜を加工してソ
ース電極4、ドレイン電極5、および基板電極7を形成
する際のマスクのパターン・レイアウトを変えるだけで
作製することができる。
【0077】なお、本実施例では、強誘電体膜としてP
bTiO3膜37を用いたが、PbZr1-xTix3膜や
SrBi2Ta29膜など他の強誘電体膜を用いること
もできる。
【0078】<実施例4>図38〜図41は、実施の形
態の項で説明した図22のメモリ素子構造のより具体的
な更に別の実施例であり、要部を製造工程順に示した斜
視図及び断面図である。なお図38〜図41において、
実施例1の図28に示した構成部分と同一の構成部分に
ついては、同一の参照符号を付してある。以下、本実施
例のメモリ素子の製造方法について説明する。
【0079】まず、p型単結晶Si基板30の表面にマ
スクを用いたイオン打ち込みを行ってn+領域31を形
成した後、スパッタ堆積法により、TiN膜33とPt
膜34を順次堆積した。Pt膜34は、図22に示した
基本素子構造のショットキー電極20として用いる。こ
の上にパルスレーザ堆積法を用いて<111>配向のP
bTiO3膜37を堆積した。このPbTiO3膜37は
p型の半導体性強誘電体膜であり、図22に示した基本
素子構造のp型半導体性強誘電体膜19に相当する。こ
のp型PbTiO3膜37をマスクを用いたドライエッ
チングにより、図38(a)及び図39(a)に示すよ
うに、メモリ素子領域のパターニングを行った。この上
にオゾン雰囲気を用いたTEOS−CVD法により図3
9(b)に示すように、SiO2膜39を堆積した。こ
の試料表面をCMP(Chemical-Mechanical-Polishin
g)法により研磨してSiO2膜39をメモリ素子領域上
においてのみ選択的に削り落とした。即ち、図38
(b)及び図39(c)に示すように、メモリ素子領域
上に開口部を形成した。なお、図39は図38中のI−
I’線に沿った部分の断面図である。
【0080】次に、スパッタ堆積法でタングステン膜を
堆積した後、マスクを用いてタングステン膜をドライエ
ッチングすることにより、図40に示すように、ソース
電極4、ドレイン電極5、および基板電極7のパターン
を形成した。再び、オゾンTEOS−CVD法によりS
iO2膜39を堆積した。マスクを用いたドライエッチ
ングにより、各電極パターン上のSiO2膜39の一部
に電気的な接続用の開口部を形成し、図41に示すよう
に、メモリ素子として完成した。
【0081】このようにして形成した本実施例の強誘電
体記憶素子の基板電極7に、正負の電圧を印加して半導
体性強誘電体膜37中に分極書き込みをした後、ドレイ
ン電極5に負のバイアスをかけて半導体性強誘電体膜3
7中の電流コンダクタンスを検出することにより分極状
態の読み出しを行い、メモリ素子としての動作を確認し
た。なお、図39(b)ではTEOS膜39の厚さをP
bTiO3膜37の厚さよりも薄い場合を示したが、も
っと厚くして通常のCMP法を用いた平坦化処理のよう
にしてもよい。その場合には、次ぎの配線工程でのオー
バーエッチ量を減らすことができ、その分強誘電体のエ
ッチングプラズマによるダメージを低減することができ
る。
【0082】図24に示した構造の素子は、本実施例で
述べたプロセスにおいて、タングステン膜を加工してソ
ース電極4、ドレイン電極5、および基板電極7を形成
する際の加工におけるマスクのパターン・レイアウトを
変えるだけで作製することができる。
【0083】また、本実施例では、強誘電体膜としてP
bTiO3膜37を用いたが、PbZr1-xTix3膜や
SrBi2Ta29膜など他の強誘電体膜を用いること
もできる。
【0084】<実施例5>図42は本発明に係る強誘電
体記憶素子のまた別の実施例を示す断面図であり、実施
の形態の項で説明した図25のメモリ素子構造をより具
体的に示した図である。
【0085】図42において、参照符号27はLaAl
3基板を示し、このLaAlO3基板27の表面にパ
ルスレーザ堆積法を用いてLCO膜を堆積した後、マス
クを用いてドライエッチングすることにより、ソース電
極4、ドレイン電極5、および基板電極7のパターンを
形成した。この上に、パルスレーザ堆積法を用いてPb
TiO3膜37を堆積した。このPbTiO3膜37はp
型の半導体性強誘電体膜であり、図25の基本素子構造
のp型半導体性強誘電体19に相当する。これを再びマ
スクを用いてエッチングすることにより、メモリ素子領
域のバターニングを行なった後、この上にオゾン雰囲気
を用いたTEOS−CVD法によりSiO2膜39を堆
積した。次に、マスクを用いたドライエッチングにより
メモリ素子領域上のSiO2膜39に開口部を形成し
た。
【0086】その後、スパッタ堆積法によりPt膜を堆
積し、マスクを用いてこれをエッチングすることによ
り、ショットキー電極20のパターンを形成した。再
び、オゾンTEOS−CVD法によりSiO2膜39を
堆積した後、マスクを用いたエッチングにより各電極パ
ターン上のSiO2膜39の一部に電気的接続用の開口
部を形成し、図42に示すように、メモリ素子として完
成した。
【0087】このようにして形成した本実施例の強誘電
体記憶素子のショットキー電極20と基板電極7間に、
正負の電圧を印加して半導体性強誘電体膜37中に分極
書き込みをした後、ドレイン電極5に負のバイアスをか
けて半導体性強誘電体膜37中の電流コンダクタンスを
検出することにより分極状態の読み出しを行い、メモリ
素子としての動作を確認した。
【0088】また、図27に示した構造の素子は、本実
施例で述べたプロセスにおいて、LCO膜を加工してソ
ース電極4、ドレイン電極5、および基板電極7を形成
する際の加工におけるマスクのパターン・レイアウトを
変えるだけで作製することができる。
【0089】本実施例では、強誘電体膜としてPbTi
3膜37を用いたが、PbZr1-xTix3膜やSrB
2Ta29膜など他の強誘電体膜を用いることができ
る。
【0090】<実施例6>図44〜図47は実施の形態
の項で説明した図22のメモリ素子構造のより具体的な
また別の実施例であり、要部を製造工程順に示した斜視
図である。本実施例は、図22に示した基本素子構造に
おいて、電流入出力用電極4,5との接触面近傍の強誘
電体膜19中に低抵抗領域を形成した場合である。な
お、図44〜図47において、実施例1の図28に示し
た構成部分と同一の構成部分については、同一の参照符
号を付してある。以下、本実施例のメモリ素子の製造方
法について説明する。
【0091】まず、実施例2で説明した製造工程により
図31に示す構造を形成した後、スパッタ堆積法により
タングステン膜を堆積し、このタングステン膜をマスク
を用いてドライエッチングして、図44に示すように基
板電極7のパターンを形成した。次に、オゾンTEOS
−CVD法によりSiO2膜39を図45に示すように
堆積した後、マスクを用いてドライエッチングにより図
46に示すようにSiO2膜39に開口部42を形成し
た。ここで、不活性ガスのAr雰囲気中で575℃、2
分間の短時間アニールを行った。即ち、開口部42から
強誘電体膜19中の酸素を昇華させて開口部近傍に酸素
欠損による空孔を導入し、開口部42における強誘電体
膜19の表面及びその近傍を低抵抗化した。
【0092】この後、再びスパッタ堆積法によりタング
ステン膜を堆積した後、マスクを用いたドライエッチン
グにより図47に示すように、ソース電極4及びドレイ
ン電極5のパターンを形成した。再び、オゾンTEOS
−CVD法によりSiO2膜39を堆積し、マスクを用
いたドライエッチングにより実施例2の図33で示した
ものと同様に、各電極パターン4,5,7及びSi基板
のn+領域31上のSiO2膜39の一部に電気的な接続
用の開口部を形成し、メモリ素子として完成した。
【0093】このようにして形成することにより、読出
し電極5近傍を充分に低抵抗化でき、この低抵抗化領域
によって空乏層の拡がりが抑えられる。空乏層による読
出し電極5と強誘電体膜19との界面の絶縁という問題
が回避でき、読出し電圧の設計自由度が大幅に拡がる。
意図したショットキー障壁の障害とならないように、意
図したショットキー障壁からある程度離して低抵抗領域
を形成する必要があることは言うまでもない。
【0094】なお、本実施例では強誘電体膜としてPb
TiO3膜37を用いたが、PbZr1-xTix3膜やS
rBi2Ta29膜など他の強誘電体膜を用いることも
できる。
【0095】また、本実施例ではp型半導体性強誘電体
膜19を例に説明したが、図48(a)に示すように、
強誘電体膜がn型半導体性強誘電体膜26’である場合
は、オーム性電極4,5との接触面近傍をn+型領域4
3’による低抵抗領域とすることにより、図48
(b),(c)に示すように、空乏層12の拡がりを阻
止することができ、同様の効果が得られることは勿論で
ある。
【0096】<実施例7>図49は本発明に係る強誘電
体記憶素子のまた別の実施例を示す図であり、同図
(a),(b)は基本素子構造を示し、バイアス印加時
の空乏層の状態も模式的に示した断面図である。本実施
例は、前記実施例までに述べた分極制御用電極がショッ
トキー電極20とオーム性電極の基板電極7との一対を
有する構成とは異なり、分極制御用電極がショットキー
電極20の1個だけを有する構成の場合である。すなわ
ち、図49(a)に示すように、p型半導体性強誘電体
膜23とp-型半導体性強誘電体膜24の2層構造から
なる強誘電体膜の上面に分極制御用電極のショットキー
電極20とオーム性電極である一対の電流入出力用電極
4,5とを配置した構造を有する。
【0097】このような本実施例の構造のメモリ素子に
おいて、p型半導体性強誘電体23の中性領域(空乏層
12以外の領域)の電位はオーム性電極4,5と同電位
となるので、オーム性電極4,5のいずれかとショット
キー電極20の電位差を制御することにより、空乏層に
かかるバイアスを制御することができる。電極の個数を
減らせれば、構造が簡単になることから微細化に有利と
なる。また、基板電極形成に要する工程数が減ることか
ら低コスト化にも有利である。
【0098】しかし、図49(b)に示すように、空乏
層の幅12が広くなって中性領域を分断すると、それ以
降は空乏層に縦方向にはバイアスをかけることができな
くなるので、充分なバイアスをかけて動作させる必要が
ある用途の場合には、前記実施例までの構造のように基
板電極7を設ける必要がある。
【0099】ここで、図49で示した基本構造のメモリ
素子の更に具体的な断面構造の一例を図50に示す。
尚、図50において実施例1の図28に示した構成部分
と同一の構成部分には、同一の参照符号を付してある。
本実施例のメモリ素子の動作原理からすれば、p型半導
体性強誘電体膜37を直接絶縁膜上に形成しても構わな
いが、特性の良好なPbTiO3(PT)膜やPbZr
TiO3(PZT)膜を形成するためには結晶性の制御
のために、PtあるいはIrOxを下地とする必要があ
る。図50に示した素子では、最も多く用いられている
Pt34を下地にしている。また、Pt34とp型半導
体性強誘電体膜37とを絶縁分離するために、この間に
絶縁性強誘電体膜36aを挿入してある。
【0100】Pt34と半導体性強誘電体膜37との接
触はショットキー接触となり、絶縁層である空乏層が半
導体性強誘電体膜37の表面に形成されるので、両者は
電気的に絶縁される。従って、絶縁性強誘電体膜36a
は本実施例の素子の動作原理上は不可欠のものではな
い。但し、絶縁性強誘電体膜36aを省略すれば、下地
Pt34との接触面に形成される空乏層の素子動作に伴
う分布の変化も考慮しなければならなくなるなど設計が
煩雑になる。特に、順バイアスで分極反転させるときに
は、制御電極であるショットキー電極20の下方の空乏
層も縮小しなければならないため、分極反転電圧を高く
設計しなければならなくなり、低電圧回路への用途には
好ましくはない。従って、絶縁性強誘電体膜36aを省
略するか否かは用途によって決めればよい。
【0101】絶縁性強誘電体膜36aを省略した素子の
構成と構造の例を図51及び図52に示す。図51
(a)は、p型半導体性強誘電体膜23上にあるショッ
トキー電極20を電位制御して制御電極として用いてい
る(ここでは、電位制御していることは、端子21を接
続していることにより表現している)。強誘電体膜23
の下にあるショットキー電極20aは電位制御されてお
らず、フローティング状態である。制御電極として用い
るショットキー電極20による空乏層12は、下面側の
ショットキー電極20aの空乏層12aに到達していな
い状態である。従って、制御電極であるショットキー電
極20とオーム性電極4または5との間に電圧を印加す
れば、導電性領域即ち中性領域22内に電圧降下が生じ
ないため、空乏層に電圧が印加される。
【0102】一方、図51(b)に示すように、制御電
極のショットキー電極20による空乏層が、下面側のシ
ョットキー電極20aの空乏層に到達している場合は、
ショットキー電極20とオーム性電極4または5間に電
圧をかけることにより、空乏層12に電圧が印加され
る。但し、電界はショットキー電極20と中性領域22
間の空乏層に集中し、ショットキー電極20直下の空乏
層にはあまり電界がかからない。
【0103】図52は、このような構成のメモリ素子の
より具体的な例を示した断面構造図である。p型半導体
性強誘電体膜37の下地としてPt34を用いて、この
Pt34の電位はフローティングである。Pt34と半
導体性強誘電体膜37との接触はショットキー接触であ
るので、絶縁層である空乏層が半導体性強誘電体膜37
の表面に形成され、両者は電気的に絶縁される。半導体
性強誘電体膜37のコンダクタンス制御のための空乏層
に対するバイアスは、半導体性強誘電体膜37の上側の
電位制御しているPtからなるショットキー電極20
と、オーム性接触電極の電流入出力電極4又は5との間
に電圧をかけることにより行う。
【0104】<実施例8>図53は本発明に係る強誘電
体記憶素子のまた別の実施例を示す図であり、同図
(a),(b)は基本素子構造を示し、バイアス印加時
の空乏層の状態も模式的に示した断面図である。本実施
例は、図53(a)に示すように、分極制御用電極とし
てp型半導体性強誘電体膜23の上面に設けたショット
キー電極20を用い、下面のショットキー電極20aの
電位を固定(0V)した構成の場合である。すなわち、
図51で示した分極性御用電極が1個の素子において、
下面ショットキー電極20aに端子21を設けて電位を
固定した場合である。
【0105】図53(a)に示すように、制御電極とし
て用いるショットキー電極20による空乏層12は、下
面側のショットキー電極20aの空乏層12aに到達し
ていない状態である。従って、制御電極であるショット
キー電極20に正負の電圧印加を行って、オーム性電極
4または5との間に電圧を印加すれば、導電性領域即ち
中性領域22内に電圧降下が生じないため、空乏層に電
圧が印加される。
【0106】一方、図53(b)に示すように、制御電
極のショットキー電極20による空乏層が、下面側のシ
ョットキー電極20aの空乏層に到達している場合は、
ショットキー電極20とオーム性電極4または5間に電
圧をかけることにより、空乏層12に電圧が印加され
る。但し、電界はショットキー電極20と中性領域22
間の空乏層に集中し、ショットキー電極20直下の空乏
層にはあまり電界がかからない。
【0107】図54は、このような構成のメモリ素子の
より具体的な例を示した断面構造図である。p型半導体
性強誘電体膜37の下地としてPt34を用いて、この
Pt34の電位を端子41により0Vに固定している。
なお、Pt34と半導体性強誘電体膜37との接触はシ
ョットキー接触であるので、絶縁層である空乏層が半導
体性強誘電体膜37の表面に形成され、両者は電気的に
絶縁される。半導体性強誘電体膜37のコンダクタンス
制御のための空乏層に対するバイアスは、半導体性強誘
電体膜37の上側の電位制御しているPtからなるショ
ットキー電極20と、オーム性接触電極の電流入出力電
極4又は5との間に電圧をかけることにより行う。前記
実施例7のように下地金属のPt34をフローティング
にしておくと、その電位は容量結合により周囲の配線の
電位変動の影響を受ける。それに伴い、下地側の空乏層
の幅が変動する。従って、高密度配線の集積回路に前記
実施例7のメモリ素子を用いて強誘電体記憶装置を構成
する場合にはこの影響を無視できないので、周囲の影響
を排除してメモリ素子及び回路の設計を簡潔にするため
に下地金属のPt34の電位を固定した場合が本実施例
である。これは、分極用制御電極が2個の場合に相当す
る。
【0108】<実施例9>前記実施例までに説明した本
発明に係るメモリ素子を用いて強誘電体記憶装置、すな
わち強誘電体メモリセルアレーを有する不揮発性メモリ
を構成する場合の一実施例を説明する。図55は、m行
n列のマトリクス配置したAND回路構成のメモリセル
アレーの要部を示す回路図である。図55において、C
11〜Cnmは強誘電体メモリセル、D1〜Dnはデータ線、
1〜Wmはワード線、STD1〜STDnはデータ線側選
択トランジスタ、STS1〜STSnは共通ソース線側選
択トランジスタ、SWDはデータ線側選択トランジスタ
のゲート制御線、SWSは共通ソース線側選択トランジ
スタのゲート制御信号線、およびCSは共通ソース線を
それぞれ示す。第1列目のm個の強誘電体メモリセルC
11〜Cm1のソース同士はそれぞれソース線SS1に、ド
レイン同士はドレイン線DD1に接続されている。他の
列のm個の強誘電体メモリセルC12〜Cm2,……,C1n
〜Cmnも同様にそれぞれソース同士はソース線SS2
……,SSnに、ドレイン同士はDD2,……,DDn
接続されている。各ソース線SS1〜SSnはそれぞれ選
択トランジスタSTS1〜STSnを介して共通ソース線
CSに接続され、各ドレイン線DD1〜DDnは選択トラ
ンジスタSTD1〜STDnを介して各データ線D1〜Dn
に接続される。ワード線W1は、第1行のn個のメモリ
セルC11〜Cn1の各制御電極に接続されている。他の行
のワード線W2〜Wmも同様にn個ずつの各行のメモリセ
ルC12〜C1n,……,Cm1〜Cmnの各制御電極に接続さ
れる。このように接続配置されたAND型構成の強誘電
体メモリセルアレーの書き込み及び読出しの際の電圧の
かけ方は、AND型フラッシュメモリと同様である。
【0109】以下、各強誘電体メモリセルC11〜Cmn
構造としては、実施例2の図29で示したメモリ素子を
用いた場合を例に説明する。
【0110】メモリセルの強誘電体膜厚は、高コンダク
タンス状態の空乏層幅よりやや薄くしておく。即ち、制
御電極7に電圧をかけないときにはメモリセルの記憶状
態にかかわらず空乏層が導電性領域を遮断(ピンチオフ
状態)し、ソース電極4とドレイン電極5との間に電圧
を印加した時にもソース電極4とドレイン電極5間に電
流が流れないようにしておく。
【0111】制御電極7に順バイアスをかければ、空乏
層幅は減少する。メモリセルが高コンダクタンス状態の
場合にはピンチオフ状態が解消し、ソース電極4とドレ
イン電極5との間に電圧を印加することによりソース電
極4とドレイン電極5間に電流が流れる。低コンダクタ
ンス状態の時にはピンチオフ状態は解消せず、ソース電
極4とドレイン電極5間に電流は流れない。なお、順バ
イアスによって記憶状態が反転することを回避するた
め、順バイアスは最大電界が半導体性強誘電体膜37の
抗電圧を越えないようにする。電圧マージンを持たせて
さらに信頼性を確保するためには、半導体性強誘電体膜
37がフラットバンド状態を越えないように、順バイア
スを内蔵電圧Vbi以下に設定する。
【0112】例えば、制御電極7がワード線W1に、ド
レイン電極5がデータ線D2にそれぞれつながっている
メモリセルC12を読み出すときは、ワード線W1とデー
タ線D2の双方に電圧をかける。勿論、このときゲート
制御信号線SWS,SWDによりソース選択トランジス
タSTS2及びドレイン選択トランジスタSTD2をオン
状態にしておく。データ線D2には複数のメモリセルC
21〜C2mが並列接続されているが、ワード線W1につな
がったメモリセル以外は制御電極に電圧がかかっていな
いので、記憶状態によらず電流は流れない。ワード線W
1につながったメモリセルは、記憶状態により電流が流
れたり流れなかったりする。即ち、特定のメモリセルを
選択して読み出しを行うことができる。
【0113】このメモリセルC12に書き込みをする時に
は、他のメモリセルの空乏層にワード線W1の電圧がか
からないようにデータ線D2の電位を工夫する。即ち、
ワード線W1が接続された制御電極がショットキー電極
である場合には、データ線D2以外の電位はワード線W1
の電位と共に上下させる。ワード線W1が接続された制
御電極がオーム性電極であり、基板側の制御電極がショ
ットキー電極で零電位固定である場合には、データ線D
2の電位も零電電位に固定しておく。以上により、特定
のメモリセルを選択して書き込みを行うことができる。
【0114】ここで、図56〜図61を用いて、図55
に示したメモリ回路の製造方法について4セル分を一例
に、メモリセルのソース・ドレイン間の接続を金属配線
により行う場合について説明する。図56は、実施例2
の図29に示した断面構造のメモリ素子の4セル分(4
ビット分)を示す平面図である。Pt膜34上に成膜し
たp型の半導体性強誘電体膜37を、素子間の絶縁分離
のためにマスクを用いたドライエッチングにより矩形の
島状に分断した状態、即ち素子形成領域以外をエッチン
グ除去した状態を示している。点線で囲んだ矩形領域が
1セル分である。図57は、半導体性強誘電体膜37上
をオゾンTEOS−CVD法により形成したSiO2
39で被覆し、後述するようにSiO2膜39に開口部
42を形成して露出した表面層をp+化した領域43を
形成した状態の平面図である。図60は、図57中のα
−β線に沿った部分の製造工程順に示した断面図であ
る。
【0115】まず、図60(a)の断面図に示したよう
に、島状の各半導体性強誘電体膜37間のギャップを埋
めるため、SiO2膜39は半導体性強誘電体膜37の
膜厚よりも厚く(例えば、600nm)堆積した。その
後の開口部形成や膜堆積などの工程を容易にするため、
図60(b)に示すように、半導体性強誘電体膜37上
のSiO2膜39を薄く(例えば、200nm)なるま
でCMP法を用いてエッチバックした。次いで、図60
(c)に示すように、ソース電極4及びドレイン電極5
と、半導体性強誘電体膜37とを接触させるため、マス
クを用いたドライエッチングによりSiO2膜37に開
口部42を形成した。読み出し時の空乏層の広がりが電
流の読み出しを妨げることのないように、開口部42を
形成後、直ちに非酸化性雰囲気であるArガス中で、6
20℃、1分間の短時間熱処理を行い、開口部に露出し
た半導体性強誘電体膜37の表面層をp+化した領域4
3を形成した。
【0116】図58は、表面にW膜を堆積後ドライエッ
チングによりソース電極4及びドレイン電極5を形成
し、再度表面をSiO2膜39で被覆した後、開口部4
2を形成した状態の平面図である。図61は、図58中
のα−β線に沿った部分の製造工程順に示した断面図で
ある。
【0117】まず、図61(a)の断面図に示したよう
に、W膜をスパッタ堆積法により成膜し、マスクを用い
たドライエッチングによりソース電極4及びドレイン電
極5のパターンに成形した。次に、オゾンTEOS−C
VD法を用いてSiO2膜39により再度表面を被覆し
た。その後、制御電極7と半導体性強誘電体膜37とを
接触させるため、マスクを用いたドライエッチッングに
よりSiO2膜39に開口部42を形成すれば図58に
示した平面図のようになる。
【0118】次いで、表面にW膜をスパッタ堆積法によ
り成膜し、マスクを用いたドライエッチングにより制御
電極7のパターンを成形すると図59に示した平面図の
ようになる。このときの図59中にα−β線に沿った部
分の断面構造は、図61(c)に示した通りである。
【0119】更に、この上にオゾンTEOS−CVD法
を用いてSiO2膜39を堆積し、表面保護膜とした
(不図示)。なお、本実施例ではメモリセルを駆動する
ための周辺回路を示していないが、シリコン基板の表面
に通常のLSI技術を用いて形成してある。また、半導
体性強誘電体膜下部の電極の電位を制御するための配線
と、この配線と下部電極を接続する開口部は、メモリセ
ルアレーの遠端にあるため、本実施例の図では省略し
た。
【0120】<実施例10>図50に示した断面構造の
メモリ素子を用いて強誘電体記憶装置、すなわち図55
に示したAND回路構成のメモリセルアレーを有する不
揮発性メモリの一実施例について、図62〜図65を参
照しながら説明する。本実施例は、メモリセルのソース
・ドレイン間の接続を実施例9のように金属配線で行う
のではなく、半導体性強誘電体膜のp+化した領域を用
いて行う場合である。
【0121】まず、図62(a)の平面図に示すよう
に、Pt膜34上に絶縁性強誘電体膜36aおよびp型
の半導体性強誘電体膜37を順次成膜した後、メモリ素
子間の絶縁分離のために、マスクを用いたドライエッチ
ングにより強誘電体膜36a,37を成形した。即ち、
メモリ素子形成領域以外をエッチング除去した。図62
(a)中に、点線で示した矩形領域が1セル分のメモリ
セル領域であり、メモリセルの4セル分即ち4ビット分
を示してある。
【0122】次に、図62(b)の平面図に示すよう
に、CVD法によりSiO2膜39を堆積し、レジスト
マスクを用いたドライエッチングによりこれをパターニ
ングした。直ちに非酸化性雰囲気のArガス中で、62
0℃、1分間の短時間熱処理を行い、露出した半導体性
強誘電体膜37の表面層をp+化した領域43を形成
し、ドライエッチングにより上記SiO2膜39を除去
すると、図63(a)に示した平面図のようになる。そ
の後、図63(b)に示すように、再度CVD法により
SiO2膜39を堆積し、マスクを用いたドライエッチ
ングによりSiO2膜39に開口部42を形成した。
【0123】次いで、W膜をスパッタ堆積法により成膜
し、図64の平面図に示すように、マスクを用いたドラ
イエッチングによりこれを制御電極7パターンに成形し
た。このときの図64中にγ1−γ2線およびδ1−δ2
で示した沿った部分の断面構造は、図65(a),
(b)に示した通りである。更に、この上にオゾンTE
OS−CVD法によりSiO2膜39を堆積し、表面保
護膜とした。図65(b)より、メモリセルのソース同
士及びドレイン同士がp+化した領域43により接続さ
れていることが分かる。
【0124】なお、図59に示した実施例9と同様に、
本実施例でもメモリセルを駆動するための周辺回路は、
シリコン基板30の表面に通常のLSI技術を用いて形
成してある。
【0125】<実施例11>本発明に係るメモリ素子を
用いて強誘電体記憶装置、すなわち強誘電体メモリセル
アレーを有する不揮発性メモリを構成する場合の別の実
施例を説明する。
【0126】図66は、m行n列のマトリクス配置した
NAND回路構成のメモリセルアレーの要部を示す回路
図である。図66において、C11〜Cmnは強誘電体メモ
リセル、D1〜Dnはデータ線、W1〜Wmはワード線、S
TD1〜STDnはデータ線側選択トランジスタ、STS
1〜STSnは共通ソース線側選択トランジスタ、SWD
はデータ線側選択トランジスタのゲート制御線、SWS
は共通ソース線側選択トランジスタのゲート制御信号
線、およびCSは共通ソース線をそれぞれ示す。第1列
目のm個の強誘電体メモリセルC11〜Cm1は選択トラン
ジスタSTD1とSTS1間に直列接続されると共に、選
択トランジスタSTS1を介して共通ソース線CSに、
選択トランジスタSTD1を介してデータ線D1に接続さ
れる。他の列のm個の強誘電体メモリセルC12〜Cm2
……,C1n〜Cmnも同様にそれぞれ直列接続されて各共
通ソース線側選択トランジスタSTS2〜STSnを介し
て共通ソース線に、各データ線側選択トランジスタST
1〜STDnを介して各データ線D2〜Dnに接続されて
いる。ワード線W1は第1行のn個のメモリセルC11
n1の各制御電極に接続されている。他の行のワード線
2〜Wmも同様にn個ずつの各行のメモリセルC21〜C
2n,……,Cm1〜Cmnの各制御電極に接続される。
【0127】このように接続配置されたNAND型構成
の強誘電体メモリセルアレーの書き込み及び読出しの際
の電圧のかけ方は、NAND型フラッシュメモリと同様
である。
【0128】制御電極がワード線W1に、ドレイン電極
5がデータ線D2につながっているメモリセルC12を読
み出すときを例に説明する。なお、各メモリセルの半導
体性強誘電体膜の厚さは、高コンダクタンス状態の空乏
層幅より厚く、低コンダクタンス状態の空乏層幅より薄
くしておく。NAND回路では、ワード線W1以外のワ
ード線に順バイアスをかける。これにより、メモリセル
12のみの記憶状態を検出できる。
【0129】以下、各強誘電体メモリセルC11〜Cmn
構造として、実施例8の図54で示したメモリ素子を用
いた場合を例に、図66に示したメモリ回路の製造方法
を図67〜図71を参照しながら説明する。尚、本実施
例は直列接続するメモリセルのソース及びドレイン間の
接続を金属配線ではなく、半導体性強誘電体膜37のp
+化した領域を用いた場合である。
【0130】図67は、メモリセルの4個分すなわち4
ビット分を示す平面図である。Pt膜34上にp型の半
導体性強誘電体膜37を成膜した後、メモリ素子間の絶
縁分離のために、マスクを用いたドライエッチングによ
り半導体性強誘電体膜37をパターニングした。即ち、
メモリ素子形成領域以外をエッチング除去した。この状
態を図67の平面図は示している。
【0131】次に、CVD法によりSiO2膜39を堆
積し、レジストマスクを用いたドライエッチングにより
これをパターニングして開口部を形成した。直ちに非酸
化性雰囲気のArガス中で、620℃、1分間の短時間
熱処理を行い、図68に示すように、露出した半導体性
強誘電体膜37の表面層をp+化した領域43を形成し
た。
【0132】その後、図69の平面図に示すように、表
面の酸化膜39をドライエッチングにより除去した後、
CVD法により再度SiO2膜39を堆積し、図70の
平面図に示すように、マスクを用いたドライエッチング
によりSiO2膜39に開口部42を形成した。
【0133】次いで、W膜をスパッタ堆積法により成膜
し、図71の平面図に示すように、マスクを用いたドラ
イエッチングにより制御電極7のパターニングを行っ
た。更に、この上にオゾンTEOS−CVD法を用いて
SiO2膜39を堆積し、表面保護膜とした。
【0134】なお、図59に示した実施例9と同様に、
本実施例でもメモリセルを駆動するための周辺回路は、
シリコン基板30の表面に通常のLSI技術を用いて形
成してある。また、実施例9と同様に、半導体性強誘電
体膜下部の電極の電位を制御するための配線と、この配
線と下部電極を接続する開口部は、メモリセルアレーの
遠端にあるため、本実施例の図では省略した。
【0135】<実施例12>本発明に係るメモリ素子を
用いて強誘電体記憶装置、すなわち強誘電体メモリセル
アレーを有する不揮発性メモリを構成する場合のまた別
の実施例について説明する。
【0136】図72は、m行n列のマトリクス配置した
NOR回路構成のメモリセルアレーのワード線4本分を
を示す回路図である。図72において、C11〜C4nは強
誘電体メモリセル、D1〜Dnはデータ線、W1〜W4はワ
ード線、およびCSは共通ソース線をそれぞれ示す。ワ
ード線W1に接続されるメモリセルC11,C12,……,
1nの各ソースは共通ソース線CSに接続されると共に
各ドレインは、ワード線W2に接続されるメモリセルC
21,C22,……,C2nのドレインにそれぞれ接続され
る。また、ワード線W2に接続されるメモリセルC21
22,……,C2nの各ソースは、ワード線W3に接続さ
れるメモリセルC31,C32,……,C3nのソースにそれ
ぞれ接続される。ワード線W3に接続されるメモリセル
31,C32,……,C3nの各ドレインは、ワード線W4
に接続されるメモリセルC41,C42,……,C4nのドレ
インに接続される。以下、同様に各ワード線に接続され
るメモリセルのドレイン同士及びソース同士が接続され
る。そして、第1列目の各メモリセルC11,C21
31,C41…のドレインはデータ線D1に接続され、第
2列目の各メモリセルC12,C22,C32,C42…のドレ
インはデータ線D2に接続され、以下、同様に第n列目
の各メモリセルC1n,C2n,C3n,C4n…はデータ線D
nに接続される。また、全てのメモリセルのソースは共
通ソース線CSに接続される。
【0137】このように接続配置されたNOR型構成の
強誘電体メモリセルアレーの書き込み及び読出しの際の
電圧のかけ方は、NOR型フラッシュメモリと同様であ
る。実施例9のAND型構成の場合と同様に、メモリセ
ルの半導体性強誘電体膜は高コンダクタンス状態の空乏
層幅よりもやや薄くしておく。
【0138】以下、各強誘電体メモリセルC11〜Cmn
構造として、実施例8の図54で示したメモリ素子を用
いた場合を例に、図72に示したメモリ回路の製造方法
を図73〜図79を参照しながら説明する。尚、本実施
例はメモリセル同士の各ソース及び各ドレイン間の接続
を金属配線ではなく、半導体性強誘電体膜のp+化した
領域を用いた場合である。
【0139】図73は、メモリセルの4個分すなわち4
ビット分を示す平面図である。Pt膜34上にp型の半
導体性強誘電体膜37を成膜した後、メモリ素子間の絶
縁分離のために、マスクを用いたドライエッチングによ
り半導体性強誘電体膜37をパターニングした。即ち、
メモリ素子形成領域以外をエッチング除去した。この状
態を図73の平面図は示している。
【0140】次に、CVD法によりSiO2膜39を堆
積し、レジストマスクを用いたドライエッチングにより
これをパターニングして開口部を形成した。このSiO
2膜39のパターンは、次のp+化した領域43を形成す
るためのマスクとして用いる。上記SiO2膜のパター
ニング後、直ちに非酸化性雰囲気のArガス中で、62
0℃、1分間の短時間熱処理を行い、図74に示すよう
に、露出した半導体性強誘電体膜37の表面層をp+
した領域43を形成した。
【0141】その後、図75の平面図に示すように、表
面の酸化膜39をドライエッチングにより除去した後、
CVD法により再度SiO2膜39を堆積し、図76の
平面図に示すように、マスクを用いたドライエッチング
によりSiO2膜39に開口部42を形成した。
【0142】次いで、W膜をスパッタ堆積法により成膜
し、図77の平面図に示すように、マスクを用いたドラ
イエッチングにより制御電極7のパターニングを行っ
た。更に、この上にオゾンTEOS−CVD法を用いて
SiO2膜39を堆積し、図78に示すように、マスク
を用いたドライエッチングにより開口部42aを形成し
た。この開口部42aは、データ線とメモリセルとを接
続するためのコンタクト孔である。
【0143】次に、再度W膜をスパッタ堆積法により成
膜し、マスクを用いたドライエッチングにより、図79
に示すように、データ線D1およびD2を形成した。勿
論、実際にはデータ線はもっと多数形成されるが、ここ
では4セルを接続する2本のデータ線D1とD2を一例と
して示した。更に、この上にオゾンTEOS−CVD法
を用いてSiO2膜39を堆積し、表面保護膜とした。
【0144】なお、図59に示した実施例9と同様に、
本実施例でもメモリセルを駆動するための周辺回路は、
シリコン基板30の表面に通常のLSI技術を用いて形
成してある。また、実施例9と同様に、半導体性強誘電
体膜下部の電極の電位を制御するための配線と、この配
線と下部電極を接続する開口部は、メモリセルアレーの
遠端にあるため、本実施例の図では省略した。
【0145】以上、本発明の好適な実施例について説明
したが、本発明は前記実施例に限定されることなく、本
発明の精神を逸脱しない範囲内において種々の設計変更
をなし得ることは勿論である。
【0146】
【発明の効果】前述した実施例から明らかなように、本
発明の強誘電体記憶素子によれば、動作原理上、リーク
電流によって記憶情報が読み出せなくなってしまう懸念
がなく、しかも格子整合などの材料・プロセスにおける
深刻な問題もない。即ち、材料、プロセスに関する問題
が軽微で、動作原理上リーク電流の影響を受けない1T
r型の強誘電体不揮発性メモリ素子を実現することがで
きる。
【0147】本発明に係る強誘電体記憶素子を用いれ
ば、メモリセルの構成素子数が1素子と小さく、かつ、
メモリセルのスケーラビリティに優れた強誘電体不揮発
性メモリを達成できる。従って、本発明により、ギガビ
ット・スケールの超高集積の強誘電体記憶装置すなわち
強誘電体不揮発性メモリが実現可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る1Tr型強誘電体メモリ素子の構
成を示す縦断面図である。
【図2】強誘電体のヒステリシス特性を示す特性線図で
ある。
【図3】従来のMFSFETの構造を示す断面図であ
る。
【図4】図3中のA−A’線に沿ったMFSFETの強
誘電体膜界面に正の分極電荷が誘起された場合を示すエ
ネルギーバンド図である。
【図5】図3中のA−A’線に沿ったMFSFETの強
誘電体膜界面に負の分極電荷が誘起された場合を示すエ
ネルギーバンド図である。
【図6】図3中のA−A’線に沿ったMFSFETの界
面準位電荷による分極電荷の遮蔽を示す模式図である。
【図7】MFMIS構造においてリーク電流がM層に流
れ込む前の状態を示すエネルギーバンド図である。
【図8】MFMIS構造においてリーク電流がM層に流
れ込んだ後の状態を示すエネルギーバンド図である。
【図9】MFMIS構造においてリーク電流がF/I界
面に流れ込む前の状態を示すエネルギーバンド図であ
る。
【図10】MFMIS構造においてリーク電流がF/I
界面に流れ込んだ後の状態を示すエネルギーバンド図で
ある。
【図11】強誘電体膜を挾んで両端に設けたオーム性接
触電極によりバイアスを印加した場合の空間電荷分布と
エネルギーバンドを示した図である。
【図12】半導体性強誘電体膜を挾んで一方に設けたオ
ーム性接触電極と、他方に設けたショットキー電極によ
りバイアスを印加した場合の空間電荷分布とエネルギー
バンドを示した図である。
【図13】本発明に係る強誘電体メモリ素子に順バイア
スを印加した場合の、(a)ヒステリシス・ループ上の
動作点、(b)分極状態、(c)エネルギーバンド構造
の相関を示す図である。
【図14】本発明に係る強誘電体メモリ素子に順バイア
ス印加後、零バイアスに戻した場合の、(a)ヒステリ
シス・ループ上の動作点、(b)分極状態、(c)エネ
ルギーバンド構造の相関を示す図である。
【図15】本発明に係る強誘電体メモリ素子に逆バイア
スを印加した場合の、(a)ヒステリシス・ループ上の
動作点、(b)分極状態、(c)エネルギーバンド構造
の相関を示す図である。
【図16】本発明に係る強誘電体メモリ素子に逆バイア
ス印加後、零バイアスに戻した場合の、(a)ヒステリ
シス・ループ上の動作点、(b)分極状態、(c)エネ
ルギーバンド構造の相関を示す図である。
【図17】本発明に係る強誘電体メモリ素子の動作点が
ヒステリシス・ループ上を移動する様子を示す図であ
る。
【図18】本発明に係る強誘電体メモリ素子のバイアス
電圧が小さい場合における、(a)ヒステリシス・ルー
プ上の動作点、(b)分極状態、(c)エネルギーバン
ド構造の相関を示す図である。
【図19】本発明に係る強誘電体メモリ素子の小さいバ
イアス電圧印加後、零バイアスに戻した場合の、(a)
ヒステリシス・ループ上の動作点、(b)分極状態、
(c)エネルギーバンド構造の相関を示す図である。
【図20】本発明に係る強誘電体メモリ素子のショット
キー電極に代えてpn接合を用いた場合の構造を示す断
面図である。
【図21】本発明に係る強誘電体メモリ素子の(a)基
本構造の一実施例を示す断面構造、(b)不均一分極時
のエネルギーバンド、(c)均一分極時のエネルギーバ
ンドを示す図である。
【図22】本発明に係る強誘電体メモリ素子の(a)基
本構造の別の実施例を示す断面構造、(b)不均一分極
時の空乏層分布を示す断面図(c)均一分極時の空乏層
分布を示す断面図である。
【図23】図22に示した強誘電体メモリ素子の、
(a)低コンダクタンス状態での読み出し動作時の空乏
層分布、(b)高コンダクタンス状態での読み出し動作
時の空乏層分布を示す断面図である。
【図24】図22に示した強誘電体メモリ素子の基板電
極とソース電極を一つで兼用した場合の、(a)素子の
縦断面構造、(b)低コンダクタンス状態での読み出し
動作時の空乏層分布、(c)高コンダクタンス状態での
読み出し動作時の空乏層分布を示す断面図である。
【図25】本発明に係る強誘電体メモリ素子の(a)基
本構造のまた別の実施例を示す断面構造、(b)不均一
分極時の空乏層分布を示す断面図(c)均一分極時の空
乏層分布を示す断面図である。
【図26】図25に示した強誘電体メモリ素子の、
(a)低コンダクタンス状態での読み出し動作時の空乏
層分布、(b)高コンダクタンス状態での読み出し動作
時の空乏層分布を示す断面図である。
【図27】図25に示した強誘電体メモリ素子の基板電
極とソース電極を一つで兼用した場合の、(a)素子の
縦断面構造、(b)低コンダクタンス状態での読み出し
動作時の空乏層分布、(c)高コンダクタンス状態での
読み出し動作時の空乏層分布を示す断面図である。
【図28】本発明に係る強誘電体記憶素子の一実施例を
示す縦断面図である。
【図29】本発明に係る強誘電体記憶素子の別の実施例
を示す縦断面図である。
【図30】図29に示した強誘電体記憶素子の要部を製
造工程順に示した斜視図である。
【図31】図30に示した製造工程の次の工程を示す斜
視図である。
【図32】図31に示した製造工程の次の工程を示す斜
視図である。
【図33】図32に示した製造工程の次の工程を示す斜
視図である。
【図34】本発明に係る強誘電体記憶素子の別の実施例
の要部を製造工程順に示した斜視図である。
【図35】図34に示した製造工程の次の工程を示す斜
視図である。
【図36】図35に示した製造工程の次の工程を示す斜
視図である。
【図37】図36に示した製造工程の次の工程を示す斜
視図である。
【図38】本発明に係る強誘電体記憶素子のまた別の実
施例の要部を製造工程順に示した斜視図である。
【図39】図38の斜視図中にI−I’線で示した部分
を製造工程順に示した断面図である。
【図40】図38に示した製造工程の次の工程を示す斜
視図である。
【図41】図40に示した製造工程の次の工程を示す斜
視図である。
【図42】本発明に係る強誘電体記憶素子のまた別の実
施例の要部を示す断面図である。
【図43】オーム性読み出し電極の接触面近傍に低抵抗
領域を設けず、かつ、読み出し電圧を高くした場合の、
(a)低コンダクタンス状態での読み出し動作時の空乏
層分布、(b)高コンダクタンス状態での読み出し動作
時の空乏層分布を示す断面図である。
【図44】本発明に係る強誘電体記憶素子のまた別の実
施例の要部を製造工程順に示した斜視図である。
【図45】図44に示した製造工程の次の工程を示す斜
視図である。
【図46】図45に示した製造工程の次の工程を示す斜
視図である。
【図47】図46に示した製造工程の次の工程を示す斜
視図である。
【図48】図22の素子のオーム性読み出し電極の接触
面近傍にp+領域を設けた場合の、(a)素子の断面構
造、(b)低コンダクタンス状態での読み出し動作時の
空乏層分布、(c)高コンダクタンス状態での読み出し
動作時の空乏層分布を示す断面図である。
【図49】本発明に係る強誘電体記憶素子のまた別の実
施例を示す図であり、バイアス印加時の空乏層の状態も
模式的に示した断面図である。
【図50】図49の基本構造の素子を更に具体的に示し
た断面構造図である。
【図51】図49の基本構造で絶縁性誘電体膜を省略し
た場合の実施例を示す図であり、バイアス印加時の空乏
層の状態も模式的に示した断面図である。
【図52】図51の基本構造の素子を更に具体的に示し
た断面構造図である。
【図53】本発明に係る強誘電体記憶素子のまた別の実
施例を示す図であり、バイアス印加時の空乏層の状態も
模式的に示した断面図である。
【図54】図53の基本構造の素子を更に具体的に示し
た断面構造図である。
【図55】本発明に係る強誘電体素子を用いた強誘電体
記憶装置の一実施例を示すAND型構成のメモリセルア
レー回路図である。
【図56】図55に示したメモリセルアレー回路のメモ
リ素子同士のソース間及びドレイン間の接続に金属配線
を用いて形成する場合の製造方法を工程順に示す4セル
分の平面図である。
【図57】図56の次の製造工程を示す平面図である。
【図58】図57の次の製造工程を示す平面図である。
【図59】図58の次の製造工程を示す平面図である。
【図60】図57中のα−β線に沿った部分を製造工程
順に示した断面図である。
【図61】図58中のα−β線に沿った部分を製造工程
順に示した断面図である。
【図62】図55に示したメモリセルアレー回路のメモ
リ素子同士のソース間及びドレイン間の接続にp+領域
を用いて形成する場合の製造方法を工程順に示す4セル
分の平面図である。
【図63】図62の次の製造工程を順に示す平面図であ
る。
【図64】図63の次の製造工程を示す平面図である。
【図65】図64中の、(a)γ1−γ2線に沿った部分
の断面図、(b)δ1−δ2線に沿った部分の断面図であ
る。
【図66】本発明に係る強誘電体素子を用いた強誘電体
記憶装置の別の実施例を示すNAND型構成のメモリセ
ルアレー回路図である。
【図67】図66に示したメモリセルアレー回路のメモ
リ素子同士のソース間及びドレイン間の接続にp+化し
た領域を用いて形成する場合の製造方法を工程順に示す
4セル分の平面図である。
【図68】図67の次の製造工程を示す平面図である。
【図69】図68の次の製造工程を示す平面図である。
【図70】図69の次の製造工程を示す平面図である。
【図71】図70の次の製造工程を示す平面図である。
【図72】本発明に係る強誘電体素子を用いた強誘電体
記憶装置のまた別の実施例を示すNOR型構成のメモリ
セルアレー回路図である。
【図73】図72に示したメモリセルアレー回路のメモ
リ素子同士のソース間及びドレイン間の接続にp+化し
た領域を用いて形成する場合の製造方法を工程順に示す
4セル分の平面図である。
【図74】図73の次の製造工程を示す平面図である。
【図75】図74の次の製造工程を示す平面図である。
【図76】図75の次の製造工程を示す平面図である。
【図77】図76の次の製造工程を示す平面図である。
【図78】図77の次の製造工程を示す平面図である。
【図79】図78の次の製造工程を示す平面図である。
【符号の説明】
1…半導体基板、2…強誘電体膜、3…ゲート電極、4
…電流入出力用電極(ソース電極)、5…電流入出力用
電極(ドレイン電極)、6…高不純物濃度領域、7…基
板電極(制御電極)、8…分極電荷、9…電子、10…
正孔、11…ドーピング不純物イオン、12…空乏層、
13…電気力線、14…界面準位、15…絶縁膜、16
…金属、17…分極、18…不均一分極による空間電
荷、19…半導体性強誘電体、20…ショットキー電
極、21…端子、22…導電性領域、23…p型層、2
4…p-型層、25…n型半導体性強誘電体、26…p
型半導体性強誘電体、26’…n型半導体性強誘電体、
27…絶縁性基板、28…接着層、29…層間絶縁膜、
30…Si基板、31…n+領域、32…熱酸化膜、3
3…TiN膜、34…Pt膜、35…La0.5Sr0.5
oO3(LCO)、36…p-型PbTiO3、37…p
型PbTiO3、38…W膜、39…SiO2膜、40…
基板を介した基板電極接続端子、41…基板を介さない
基板電極接続端子、42…開口部、43…p+化した領
域、43’…n+化した領域。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 H01L 27/108 21/8242 (72)発明者 鳥居 和功 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 平谷 正彦 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 (72)発明者 河原 尊之 東京都国分寺市東恋ケ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】強誘電体の分極状況を記憶情報として用い
    る強誘電体記憶装置において、電圧を印加して分極状況
    を制御する少なくとも1個の分極制御用電極と、強誘電
    体の分極状況によって強誘電体中を流れる電流の大きさ
    の変化を検出する少なくとも1対の電流入出力用電極と
    を強誘電体に設けたことを特徴とする強誘電体記憶素
    子。
  2. 【請求項2】前記強誘電体が、n型もしくはp型の電気
    電導性を有する半導体性強誘電体である請求項1記載の
    強誘電体記憶素子。
  3. 【請求項3】前記分極制御用電極が、前記半導体性強誘
    電体中に空乏層を形成する空乏層形成用の制御電極であ
    る請求項2記載の強誘電体記憶素子。
  4. 【請求項4】前記分極制御用電極が複数から成り、少な
    くとも1個の分極制御用電極は前記半導体性強誘電体中
    に空乏層を形成する空乏層形成用の制御電極であり、他
    の少なくとも1個の分極制御用電極は前記半導体性強誘
    電体にオーム性接触するオーム性制御電極である請求項
    2記載の強誘電体記憶素子。
  5. 【請求項5】前記空乏層形成用の制御電極が、前記半導
    体性強誘電体とショットキー接触を形成して前記半導体
    性強誘電体中に空乏層を形成するショットキー電極であ
    る請求項3または請求項4に記載の強誘電体記憶素子。
  6. 【請求項6】前記ショットキー電極の大きさが、前記オ
    ーム性制御電極よりも大きい請求項5記載の強誘電体記
    憶素子。
  7. 【請求項7】前記空乏層形成用の制御電極が、前記半導
    体性強誘電体に設けたpn接合にオーム性接触して半導
    体性強誘電体中にpn接合による空乏層を形成するオー
    ム性電極で構成されて成る請求項3または請求項4に記
    載の強誘電体記憶素子。
  8. 【請求項8】前記空乏層形成用のオーム性電極が接触す
    るpn接合の接合面の大きさが、分極制御用のオーム性
    制御電極よりも大きい請求項7記載の強誘電体記憶素
    子。
  9. 【請求項9】前記記憶情報を読み出す際、前記空乏層に
    対して逆バイアスとなる極性の電圧が前記電流入出力用
    電極に印加されるように構成されて成る請求項3〜8の
    いずれか1項に記載の強誘電体記憶素子。
  10. 【請求項10】前記空乏層形成用の制御電極と前記電流
    入出力用電極とが、前記強誘電体の異なる面に接触して
    設けられた請求項3〜9のいずれか1項に記載の強誘電
    体記憶素子。
  11. 【請求項11】前記強誘電体が、複数の前記分極制御用
    電極に挟まれると共に電気電導率の異なる複数の層で構
    成されて成る請求項1〜10のいずれか1項に記載の強
    誘電体記憶素子。
  12. 【請求項12】請求項1〜11のいずれか1項に記載の
    強誘電体記憶素子を、常誘電体基板上に形成したことを
    特徴とする強誘電体記憶装置。
  13. 【請求項13】前記常誘電体基板が半導体基板である請
    求項12記載の強誘電体記憶装置。
  14. 【請求項14】前記強誘電体記憶素子が、前記半導体基
    板上に形成された電気回路と更に接続されて成る請求項
    13記載の強誘電体記憶装置。
  15. 【請求項15】前記半導体基板が、Si基板またはGa
    As基板である請求項13または請求項14に記載の強
    誘電体記憶装置。
JP8211486A 1996-08-09 1996-08-09 強誘電体記憶素子及びその素子を用いた強誘電体記憶装置 Pending JPH1056088A (ja)

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