JPH1055242A - 超音波タッチパネル - Google Patents

超音波タッチパネル

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JPH1055242A
JPH1055242A JP22936696A JP22936696A JPH1055242A JP H1055242 A JPH1055242 A JP H1055242A JP 22936696 A JP22936696 A JP 22936696A JP 22936696 A JP22936696 A JP 22936696A JP H1055242 A JPH1055242 A JP H1055242A
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JP
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piezoelectric plate
plate
acoustic wave
surface acoustic
piezoelectric
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JP22936696A
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Koji Toda
耕司 戸田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低消費電力駆動で支持の仕方が簡単で使用し
やすく、高感度で接触したことを感知すること。 【解決手段】 すだれ状電極Tから電気信号を入力する
と、圧電磁器板1の各すだれ状電極が設けられた方の板
面の表面近傍に弾性表面波が励振されて、非圧電板2に
伝搬される。非圧電板2に伝搬された弾性表面波は電気
信号に変換されてすだれ状電極Rから出力される。非圧
電板2上を接触すると、出力電気信号が消滅または減衰
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明はすだれ状電極を備え
た圧電板に非圧電板が固着されることにより、その非圧
電板に人指または物体が接触したことを検出する超音波
タッチパネルに関する。
【従来の技術】従来のタッチパネルには抵抗膜を用いる
方法と超音波を用いる方法が主に挙げられる。抵抗膜を
用いる方法は透明導電性フィルム(抵抗膜)に接触する
ことによりその透明導電性フィルムの抵抗値が変化する
ことを利用したものであり、低消費電力であるものの応
答時間、感度、耐久性等の点で問題を有している。ま
た、パネルの大面積化が難しいという欠点を有する。超
音波を用いる方法は予め弾性表面波を励振させておいた
非圧電板に接触することによりその弾性表面波が減衰す
るということを利用したものである。非圧電板に弾性表
面波を励振する従来の方法としては、バルク波振動子を
用いたくさび形トランスデューサにより間接的に励振す
る方法、圧電薄膜トランスデューサにより直接的に励振
する方法等が挙げられる。くさび形トランスデューサは
超音波による非破壊検査等に用いられているが、くさび
角の工作精度の問題等から比較的低い周波数領域におい
てのみ用いられる。圧電薄膜トランスデューサはZnO
等の圧電薄膜を基板に蒸着しすだれ状電極により弾性表
面波を励振する方法で、すだれ状電極の構成により種々
の伝送特性を示すことから高周波デバイスとして用いら
れるが、UHF,VHF帯に限られるとともに加工性や
量産性に問題がある。このようにして、従来のタッチパ
ネルでは応答時間、感度、耐久性、工作精度、加工性、
量産性および使用しやすさ等の点で問題があり、使用周
波数領域も制限されている。そこで、これらの問題点を
解決する超音波タッチパネルが本願発明者により特願平
4−218336等で出願された。この超音波タッチパ
ネルは、圧電薄板とすだれ状電極とから成る超音波デバ
イスを非圧電板の一方の板面に少なくとも2つ設けて成
り、低消費電力で効率良く弾性表面波を非圧電板の板面
に励振することができる。従って、非圧電板の一方の板
面における弾性表面波の伝搬路に人指または物体が接触
すれば弾性表面波が減衰または消滅することから人指ま
たは物体による接触が感知される。しかし、この超音波
タッチパネルは、弾性表面波を非圧電板の表面近傍に励
振する際に、弾性表面波が非圧電板の内部に漏洩される
割合が大きく、従って、消費電力に問題があるばかりで
なく非圧電板の支持の仕方および不要信号の抑圧に工夫
を要した。また、非圧電板の表面近傍に励振している弾
性表面波を電気信号に変換する際の効率が悪かった。
【発明が解決しようとする課題】従来のタッチパネルで
は応答時間、感度、耐久性、工作精度、加工性、量産性
および使用しやすさ等の点で問題があるばかりでなく、
消費電力、支持の仕方および不要信号の発生等にも問題
があった。本発明の目的は、加工性、耐久性および量産
性に優れ、低消費電力駆動で応答時間が短く、使用しや
すさに優れた超音波タッチパネルを提供することにあ
る。
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の超音波
タッチパネルは、少なくとも1組のすだれ状電極Tと該
すだれ状電極Tに対応するすだれ状電極Rを備えた圧電
板に非圧電板を設けて成る超音波タッチパネルであっ
て、前記各すだれ状電極は前記圧電板の一方の板面に設
けられ、前記非圧電板の下端面は前記圧電板の前記一方
の板面に前記各すだれ状電極を介して固着されていて、
前記すだれ状電極Tは前記すだれ状電極Tの電極周期長
pにほぼ対応する周波数の電気信号を入力されることに
より、前記圧電板の前記一方の板面の表面近傍に前記電
極周期長pとほぼ等しい波長を有する弾性表面波を励振
し、該弾性表面波を前記非圧電板の上端面に伝搬させ、
前記非圧電板に伝搬される前記弾性表面波は0次モード
および1次以上の高次モードの波で、前記0次モードの
弾性表面波の位相速度は、電気的に短絡状態にある前記
圧電板単体に伝搬するレイリー波の速度とほぼ等しく、
前記1次以上の高次モードの弾性表面波の位相速度は、
電気的に開放状態にある前記圧電板単体に伝搬するレイ
リー波の速度とほぼ等しく前記すだれ状電極Rは、前記
非圧電板に伝搬した弾性表面波を前記圧電板の前記一方
の板面の表面近傍に伝搬させ、前記圧電板の前記一方の
板面の表面近傍に伝搬した弾性表面波を前記すだれ状電
極Rの電極周期長pにほぼ対応する周波数の電気信号に
変換して出力し、前記圧電板の前記一方の板面の表面近
傍に伝搬した前記弾性表面波は0次モードおよび1次以
上の高次モードの波で、その波長は前記電極周期長pと
ほぼ等しく、前記0次モードの弾性表面波の位相速度
は、電気的に短絡状態にある前記圧電板単体に伝搬する
レイリー波の速度とほぼ等しく、前記1次以上の高次モ
ードの弾性表面波の位相速度は、電気的に開放状態にあ
る前記圧電板単体に伝搬するレイリー波の速度とほぼ等
しく、前記圧電板の厚さは前記電極周期長pのほぼ3倍
以上であり、前記非圧電板の厚さdは前記電極周期長p
よりも小さく、前記非圧電板単体に伝搬する弾性表面波
の位相速度は、前記圧電板単体に伝搬する弾性表面波の
位相速度よりも小さく、前記非圧電板の上端面に人指ま
たは物体が接触したことを、前記すだれ状電極Rで出力
される前記電気信号の大きさから検出する。請求項2に
記載の超音波タッチパネルは、前記圧電板のもう一方の
板面が支持基板で支持されている。請求項3に記載の超
音波タッチパネルは、前記圧電板が圧電セラミックで成
り、前記圧電セラミックの分極軸の方向は前記圧電セラ
ミックの厚さ方向と平行である。
【発明の実施の形態】本発明の超音波タッチパネルの構
造は、少なくとも1組のすだれ状電極Tとそのすだれ状
電極Tに対応するすだれ状電極Rを備えた圧電板に非圧
電板を設けて成るものである。このとき、各すだれ状電
極は圧電板の一方の板面に設けられ、非圧電板の下端面
は圧電板の各すだれ状電極が設けられた方の板面に固着
されていている。すだれ状電極Tの電極周期長pにほぼ
対応する周波数の電気信号をこのすだれ状電極Tに入力
する構造を採用することにより、圧電板のすだれ状電極
が設けられた方の板面の表面近傍にすだれ状電極Tの電
極周期長pとほぼ等しい波長を有する弾性表面波を励振
させ、その弾性表面波を非圧電板の上端面に伝搬させる
ことができる。このとき非圧電板に伝搬されるのは0次
モードおよび1次以上の高次モードの弾性表面波であ
る。0次モードの弾性表面波の位相速度が、電気的に短
絡状態にある圧電板単体に伝搬するレイリー波の速度と
ほぼ等しくなるような構造および1次以上の高次モード
の弾性表面波の位相速度が、電気的に開放状態にある圧
電板単体に伝搬するレイリー波の速度とほぼ等しくなる
ような構造を採用することにより、すだれ状電極Tから
加えられる電気的エネルギーが弾性表面波に変換される
度合を大きくすることができるだけでなく、圧電板と非
圧電板との界面での音響インピーダンスの不整合等によ
って生じる反射等を除去することができる。また、圧電
板の厚さをすだれ状電極Tの電極周期長pのほぼ3倍以
上とし、非圧電板の厚さdを電極周期長pよりも小さく
するとともに、非圧電板単体に伝搬する弾性表面波の位
相速度が圧電板単体に伝搬する弾性表面波の位相速度よ
りも小さい物質を非圧電板として採用することにより、
圧電板のすだれ状電極が設けられた方の板面の表面近傍
に励振させた弾性表面波を、圧電板の内部には漏洩させ
ることなく、非圧電板に効率よく伝搬させることができ
る。従って、低消費電力駆動が可能となるばかりでな
く、圧電板の支持が容易になる。このとき、圧電板の各
すだれ状電極が設けられた方の板面の表面近傍を除く部
分の支持が可能となる。すだれ状電極TおよびRを弾性
表面波の送受波の指向軸が共通になるように互いに1対
1に対を成すような構造を採用することにより、非圧電
板の上端面に伝搬されている弾性表面波をすだれ状電極
Rから電気信号として出力させることができる。このと
き、非圧電板に伝搬されている弾性表面波はいったん圧
電板のすだれ状電極が設けられた方の板面の表面近傍に
伝搬された後、すだれ状電極Rの電極周期長pにほぼ対
応する周波数の電気信号としてすだれ状電極Rから出力
される。この圧電板に伝搬した弾性表面波は0次モード
および1次以上の高次モードの波である。この弾性表面
波の波長が電極周期長pとほぼ等しくなるように電極周
期長pを設定し、0次モードの弾性表面波の位相速度
が、電気的に短絡状態にある圧電板単体に伝搬するレイ
リー波の速度とほぼ等しくなるような構造および1次以
上の高次モードの弾性表面波の位相速度が、電気的に開
放状態にある圧電板単体に伝搬するレイリー波の速度と
ほぼ等しくなるような構造を採用することにより、圧電
板に伝搬した弾性表面波をすだれ状電極Rから効率よく
電気信号として出力することができる。また、圧電板と
非圧電板との界面での音響インピーダンスの不整合等に
よって生じる反射等を除去することができる。さらに、
圧電板の厚さをすだれ状電極Rの電極周期長pのほぼ3
倍以上とし、非圧電板の厚さdを電極周期長pよりも小
さくし、非圧電板単体に伝搬する弾性表面波の位相速度
が圧電板単体に伝搬する弾性表面波の位相速度よりも小
さい物質を非圧電板として採用することにより、非圧電
板に伝搬されている弾性表面波を、圧電板の内部に漏洩
させることなく、すだれ状電極Rから効率よく電気信号
として出力することができる。従って、低消費電力駆動
が可能となるばかりでなく、圧電板の支持が容易にな
る。このとき、圧電板の各すだれ状電極が設けられた方
の板面の表面近傍を除く部分の支持が可能となる。本発
明の超音波タッチパネルでは、圧電板として圧電セラミ
ックを採用し、その圧電セラミックの分極軸の方向と厚
さ方向とを平行にする構造を採用することにより、圧電
板のすだれ状電極の設けられた方の板面の表面近傍に効
率よく弾性表面波を励振し非圧電板の上端面に伝搬させ
ることを可能にしている。また、非圧電板の上端面に伝
搬している弾性表面波を圧電板のすだれ状電極の設けら
れた方の板面の表面近傍に効率よく伝搬させ、すだれ状
電極Rから電気信号として出力させることを可能にして
いる。
【実施例】図1は本発明の超音波タッチパネルの一実施
例を示す断面図である。本実施例はすだれ状電極T、
R、圧電磁器板1、非圧電板2および支持基板3から成
る。各すだれ状電極はアルミニウム薄膜で成る。圧電磁
器板1は厚さ1.5mmのTDK製101A材(製品
名)で成る。非圧電板2はガラス、フッ素樹脂やアクリ
ル樹脂等の高分子化合物で成り、その厚さは0.15m
mである。圧電磁器板1上には各すだれ状電極が設けら
れ、さらにその上に非圧電板2が設けられている。非圧
電板2がガラス等で成る場合には厚さ約20μmのエポ
キシ系樹脂によって圧電磁器板1上に固着され、非圧電
板2がフッ素樹脂やアクリル樹脂等で成る場合には非圧
電板2は圧電磁器板1上に直接塗布されている。圧電磁
器板1の下方は支持基板3に固着され支持されている。
図2は図1の超音波タッチパネルの部分斜視図であり、
図1の超音波タッチパネルの入力側部分を示すものであ
る。図2では、すだれ状電極R、非圧電板2および支持
基板3は省いて描かれている。各すだれ状電極は10対
の電極指を有する正規型のものである。各すだれ状電極
の電極周期長pは460μmである。すだれ状電極Tか
ら電気信号を入力すると、その電気信号の周波数のうち
すだれ状電極Tの示す中心周波数とその近傍の周波数の
電気信号のみが弾性表面波に変換されて、圧電磁器板1
の各すだれ状電極が設けられた方の板面の表面近傍を伝
搬し、さらにその弾性表面波は非圧電板2に伝搬され
る。非圧電板2に伝搬された弾性表面波のうちすだれ状
電極Rの示す中心周波数とその近傍の周波数の弾性表面
波のみが電気信号に変換されてすだれ状電極Rから出力
される。図3は圧電磁器板1の異なる2つの電気的境界
条件下での位相速度差から算出した電気機械結合係数k
2と、弾性表面波の波数kと非圧電板2の厚さdとの積
(kd)との関係を示す特性図である。但し、図3で
は、非圧電板2がガラス板で成り、そのガラス板単体を
伝搬する弾性表面波の横波の速度が2297m/sで縦
波の速度が4156m/sである場合の特性図が示され
る。この横波速度2297m/sおよび縦波速度415
6m/sという値は、圧電磁器板1単体の場合の横波速
度2340m/sおよび縦波速度4390m/sそれぞ
れのほぼ0.9倍である。図3では、すだれ状電極Tに
加えられる電気的エネルギーは特に0次モードの弾性表
面波に最も効率よく変換され、高次モードになるにつれ
て変換されにくくなる傾向があることが分かる。すだれ
状電極Tに加えられる電気的エネルギーが0次モードの
弾性表面波に最も変換されやすいのはkd値が約1.6
のときで、このときk2は最大値の約15.5%を示
す。ここでのk2値は、弾性表面波用の圧電基板として
実用域にあるLiNbO3単結晶が5%程度の値である
ことと比較しても評価に値することが明らかである。図
4は圧電磁器板1の表面近傍を伝搬する弾性表面波の位
相速度を示す特性図であり、kd値に対する各モードの
位相速度を示す図である。但し、図4では、非圧電板2
が図3と同様な材質のガラス板で成る場合で、圧電磁器
板1の表面が電気的に開放状態という境界条件下での特
性図が示される。1次以上の高次モードではカットオフ
周波数が存在する。○印は、すだれ状電極Tに加えられ
る電気的エネルギーが各モードの弾性表面波に最も効率
よく変換されるkd値(図3から算出した値で、k2
最大値を示すkd値)を示す。0次モードの○印におけ
る位相速度(約2170m/s)は、圧電磁器板1単体
の表面が電気的に短絡状態にあるときの圧電磁器板1単
体のレイリー波速度(2150m/s)とほぼ等しい。
1次以上の高次モードの○印における位相速度はほぼ一
定(約2370m/s)で、圧電磁器板1単体の表面が
電気的に開放状態にあるときの圧電磁器板1単体のレイ
リー波速度(2340m/s)とほぼ等しい。図5は圧
電磁器板1の異なる2つの電気的境界条件下での位相速
度差から算出したk2値と、kd値との関係を示す特性
図である。但し、図5では、非圧電板2がガラス板で成
り、そのガラス板単体を伝搬する弾性表面波の横波の速
度が1989m/sで縦波の速度が3598m/sであ
る場合の特性図が示される。この横波速度1989m/
sおよび縦波速度3598m/sという値は、圧電磁器
板1単体の場合の横波速度2340m/sおよび縦波速
度4390m/sそれぞれのほぼ0.8倍である。図5
では、すだれ状電極Tに加えられる電気的エネルギーは
特に0次モードの弾性表面波に最も効率よく変換され、
高次モードになるにつれて変換されにくくなる傾向があ
ることが分かる。すだれ状電極Tに加えられる電気的エ
ネルギーが0次モードの弾性表面波に最も変換されやす
いのはkd値が約1.6のときで、このときk2は最大
値の約18.5%を示す。図6は圧電磁器板1の表面近
傍を伝搬する弾性表面波の位相速度を示す特性図であ
り、kd値に対する各モードの位相速度を示す図であ
る。但し、図6では、非圧電板2が図5と同様な材質の
ガラス板で成る場合で、圧電磁器板1の表面が電気的に
開放状態という境界条件下での特性図が示される。1次
以上の高次モードではカットオフ周波数が存在する。○
印は、すだれ状電極Tに加えられる電気的エネルギーが
各モードの弾性表面波に最も効率よく変換されるkd値
(図5から算出した値で、k2が最大値を示すkd値)
を示す。0次モードの○印における位相速度(約209
5m/s)は、図4で示される0次モードの○印におけ
る位相速度(約2170m/s)よりも小さいが、圧電
磁器板1単体の表面が電気的に短絡状態にあるときの圧
電磁器板1単体のレイリー波速度(2150m/s)と
ほぼ等しい。1次以上の高次モードの○印における位相
速度はほぼ一定(約2300m/s)で、図4で示され
る1次以上の高次モードの○印における位相速度(約2
370m/s)よりも小さいが、圧電磁器板1単体の表
面が電気的に開放状態にあるときの圧電磁器板1単体の
レイリー波速度(2340m/s)とほぼ等しい。図3
〜6より、非圧電板2に伝搬される弾性表面波は0次モ
ードおよび1次以上の高次モードの波であり、すだれ状
電極Tに加えられる電気的エネルギーが0次モードの弾
性表面波に最も変換されやすい位相速度は、電気的に短
絡状態にある圧電磁器板1単体に伝搬するレイリー波の
速度とほぼ等しい。また、すだれ状電極Tに加えられる
電気的エネルギーが1次以上の高次モードの弾性表面波
に最も変換されやすい位相速度は、電気的に開放状態に
ある圧電磁器板1単体に伝搬するレイリー波の速度とほ
ぼ等しい。さらに、非圧電板2単体を伝搬する弾性表面
波の横波および縦波の速度が小さいほど、圧電磁器板1
から非圧電板2に伝搬される弾性表面波の各モードの位
相速度が小さくなる。同様にして、すだれ状電極Rにお
いて弾性表面波が電気信号に変換される場合には、特に
0次モードの弾性表面波が効率よく電気信号に変換さ
れ、高次モードになるにつれて変換されにくくなる傾向
があることが分かる。0次モードの弾性表面波が効率よ
く電気信号に変換されるのは、その0次モードの弾性表
面波の位相速度が、電気的に短絡状態にある圧電磁器板
1単体に伝搬するレイリー波の速度とほぼ等しい場合で
あり、1次以上の高次モードの弾性表面波が効率よく電
気信号に変換されるのは、その1次以上の高次モードの
弾性表面波の位相速度が、電気的に開放状態にある圧電
磁器板1単体に伝搬するレイリー波の速度とほぼ等しい
場合である。また、非圧電板2単体を伝搬する弾性表面
波の横波および縦波の速度が小さいほど、非圧電板2か
ら圧電磁器板1に伝搬される弾性表面波の各モードの位
相速度が小さくなる。
【発明の効果】本発明の超音波タッチパネルでは、圧電
板のすだれ状電極が設けられた方の板面の表面近傍に0
次モードおよび1次以上の高次モードの弾性表面波を励
振させ、その弾性表面波を非圧電板の上端面に伝搬させ
ることができる。このとき、0次モードの弾性表面波の
位相速度が、電気的に短絡状態にある圧電板単体に伝搬
するレイリー波の速度とほぼ等しくなるような構造およ
び1次以上の高次モードの弾性表面波の位相速度が、電
気的に開放状態にある圧電板単体に伝搬するレイリー波
の速度とほぼ等しくなるような構造を採用することによ
り、すだれ状電極Tから加えられる電気的エネルギーが
弾性表面波に変換される度合を大きくすることができる
だけでなく、圧電板と非圧電板との界面での音響インピ
ーダンスの不整合等によって生じる反射等を除去するこ
とができる。本発明の超音波タッチパネルでは、非圧電
板上端面に伝搬されている0次モードおよび1次以上の
高次モードの弾性表面波を圧電板のすだれ状電極が設け
られた方の板面の表面近傍に伝搬させた後、すだれ状電
極Rから電気信号として出力させることができる。この
とき、0次モードの弾性表面波の位相速度が、電気的に
短絡状態にある圧電板単体に伝搬するレイリー波の速度
とほぼ等しくなるような構造および1次以上の高次モー
ドの弾性表面波の位相速度が、電気的に開放状態にある
圧電板単体に伝搬するレイリー波の速度とほぼ等しくな
るような構造を採用することにより、圧電板に伝搬した
弾性表面波をすだれ状電極Rから効率よく電気信号とし
て出力することができる。また、圧電板と非圧電板との
界面での音響インピーダンスの不整合等によって生じる
反射等を除去することができる。圧電板の厚さをすだれ
状電極の電極周期長pのほぼ3倍以上とし、非圧電板の
厚さdを電極周期長pよりも小さくする構造を採用する
とともに、非圧電板単体に伝搬する弾性表面波の位相速
度が圧電板単体に伝搬する弾性表面波の位相速度よりも
小さい物質を非圧電板として採用することにより、すだ
れ状電極Tから加えられる電気的エネルギーが0次モー
ドおよび1次以上の高次モードの弾性表面波に変換され
る度合を増大させることができる。このとき、圧電板の
内部には弾性表面波を漏洩させることなく、非圧電板の
上端面に効率よく伝搬させることができる。また、非圧
電板の上端面に伝搬されている0次モードおよび1次以
上の高次モードの弾性表面波を圧電板の内部に漏洩させ
ることなく、すだれ状電極Rから効率よく電気信号とし
て出力することができる。従って、低消費電力駆動が可
能となるばかりでなく、圧電板の支持が容易になる。圧
電板を支持する場合には、弾性表面波が伝搬している表
面近傍を除く部分であればどこでも支持が可能である。
圧電板として圧電セラミックを採用することにより、圧
電板のすだれ状電極の設けられた方の板面の表面近傍に
効率よく弾性表面波を励振し非圧電板の上端面に伝搬さ
せることを可能にしている。また、非圧電板に伝搬して
いる弾性表面波を圧電板のすだれ状電極の設けられた方
の板面の表面近傍に効率よく伝搬させ、すだれ状電極R
から電気信号として出力させることを可能にしている。
圧電板として圧電セラミックを採用する場合、その圧電
セラミックの分極軸の方向と厚さ方向とを平行にする構
造が採用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波タッチパネルの一実施例を示す
断面図。
【図2】図1の超音波タッチパネルの部分斜視図。
【図3】圧電磁器板1の異なる2つの電気的境界条件下
での位相速度差から算出したk2値と、kd値との関係
を示す特性図。
【図4】圧電磁器板1の表面近傍を伝搬する弾性表面波
の位相速度を示す特性図。
【図5】圧電磁器板1の異なる2つの電気的境界条件下
での位相速度差から算出したk 2値と、kd値との関係
を示す特性図。
【図6】圧電磁器板1の表面近傍を伝搬する弾性表面波
の位相速度を示す特性図。
【符号の説明】
1 圧電磁器板 2 非圧電板 3 支持基板 T,R すだれ状電極

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも1組のすだれ状電極Tと該す
    だれ状電極Tに対応するすだれ状電極Rを備えた圧電板
    に非圧電板を設けて成る超音波タッチパネルであって、 前記各すだれ状電極は前記圧電板の一方の板面に設けら
    れ、 前記非圧電板の下端面は前記圧電板の前記一方の板面に
    前記各すだれ状電極を介して固着されていて、 前記すだれ状電極Tは前記すだれ状電極Tの電極周期長
    pにほぼ対応する周波数の電気信号を入力されることに
    より、前記圧電板の前記一方の板面の表面近傍に前記電
    極周期長pとほぼ等しい波長を有する弾性表面波を励振
    し、該弾性表面波を前記非圧電板の上端面に伝搬させ、 前記非圧電板に伝搬される前記弾性表面波は0次モード
    および1次以上の高次モードの波で、前記0次モードの
    弾性表面波の位相速度は、電気的に短絡状態にある前記
    圧電板単体に伝搬するレイリー波の速度とほぼ等しく、
    前記1次以上の高次モードの弾性表面波の位相速度は、
    電気的に開放状態にある前記圧電板単体に伝搬するレイ
    リー波の速度とほぼ等しく前記すだれ状電極Rは、前記
    非圧電板に伝搬した弾性表面波を前記圧電板の前記一方
    の板面の表面近傍に伝搬させ、前記圧電板の前記一方の
    板面の表面近傍に伝搬した弾性表面波を前記すだれ状電
    極Rの電極周期長pにほぼ対応する周波数の電気信号に
    変換して出力し、 前記圧電板の前記一方の板面の表面近傍に伝搬した前記
    弾性表面波は0次モードおよび1次以上の高次モードの
    波で、その波長は前記電極周期長pとほぼ等しく、前記
    0次モードの弾性表面波の位相速度は、電気的に短絡状
    態にある前記圧電板単体に伝搬するレイリー波の速度と
    ほぼ等しく、前記1次以上の高次モードの弾性表面波の
    位相速度は、電気的に開放状態にある前記圧電板単体に
    伝搬するレイリー波の速度とほぼ等しく、 前記圧電板の厚さは前記電極周期長pのほぼ3倍以上で
    あり、 前記非圧電板の厚さdは前記電極周期長pよりも小さ
    く、 前記非圧電板単体に伝搬する弾性表面波の位相速度は、
    前記圧電板単体に伝搬する弾性表面波の位相速度よりも
    小さく、 前記非圧電板の上端面に人指または物体が接触したこと
    を、前記すだれ状電極Rで出力される前記電気信号の大
    きさから検出する超音波タッチパネル。
  2. 【請求項2】 前記圧電板のもう一方の板面が支持基板
    で支持されている請求項1に記載の超音波タッチパネ
    ル。
  3. 【請求項3】 前記圧電板が圧電セラミックで成り、前
    記圧電セラミックの分極軸の方向は前記圧電セラミック
    の厚さ方向と平行である請求項1または2に記載の超音
    波タッチパネル。
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