JPH1056695A - 超音波トランスデューサ - Google Patents

超音波トランスデューサ

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JPH1056695A
JPH1056695A JP8229359A JP22935996A JPH1056695A JP H1056695 A JPH1056695 A JP H1056695A JP 8229359 A JP8229359 A JP 8229359A JP 22935996 A JP22935996 A JP 22935996A JP H1056695 A JPH1056695 A JP H1056695A
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piezoelectric plate
electrode
plate
piezoelectric
elastic wave
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JP8229359A
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Koji Toda
耕司 戸田
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 弾性波を効率よく非圧電板の内部に伝搬する
ことと、非圧電板の内部に伝搬している弾性波を短い応
答時間で効率良く電気信号に変換すること。 【解決手段】 すだれ状電極1を入力用として用いる場
合、電極I1と接地電極2との間および電極I2と接地電
極2との間に位相差を有する電気信号E1およびE2を移
相器5を介して入力すると、圧電磁器板3とアクリル板
4とから成る2層構造部に一方向性を有する弾性波が励
振されて、アクリル板4中に伝搬される。また、すだれ
状電極1を出力用として用いる場合には、アクリル板4
中に伝搬している弾性波がすだれ状電極1において電気
信号に変換される。

Description

【発明の詳細な説明】
【発明の属する技術分野】本発明は少なくとも1組のす
だれ状電極を備えた圧電板と非圧電板とを含む超音波ト
ランスデュ−サに関する。
【従来の技術】非圧電板に超音波を励振する従来の方法
としては、バルク波振動子を用いたくさび形トランスデ
ューサにより間接的に励振する方法、圧電薄膜トランス
デューサにより直接的に励振する方法等が挙げられる。
くさび形トランスデューサは超音波による非破壊検査等
に用いられているが、くさび角の工作精度の問題等から
比較的低い周波数領域においてのみ用いられる。圧電薄
膜トランスデューサはZnO等の圧電薄膜を基板に蒸着
しすだれ状電極により超音波を励振する方法で、すだれ
状電極の構成により種々の伝送特性を示すことから高周
波デバイスとして用いられるが、UHF,VHF帯に限
られるとともに加工性や量産性に問題がある。このよう
にして、従来の方法では工作精度、加工性および量産性
等に問題があり、使用周波数領域も制限されている。そ
こで、これらの問題点を解決する超音波トランスデュ−
サが本願発明者により特願平4−218335で出願さ
れた。この超音波トランスデュ−サは、圧電薄板とすだ
れ状電極とから成る超音波デバイスを非圧電板に設けて
成り、低消費電力で効率良く弾性表面波を非圧電板に励
振することができるだけでなく、非圧電板に励振してい
る弾性表面波を効率良く電気信号に変換することができ
る。しかし、この超音波トランスデュ−サは弾性表面波
を利用するものであり、非圧電板の表面近傍に超音波を
励振したり、非圧電板の表面近傍に励振されている超音
波を電気信号に変換するものである。従って、非圧電板
の内部に超音波を励振したり非圧電板の内部に励振され
ている超音波を電気信号に変換することは不可能であっ
た。また、この超音波トランスデュ−サではすだれ状電
極の電極指に垂直な双方向に均等に超音波が励振される
ことから、少なくとも超音波エネルギーの半分を浪費し
ていたことになるばかりでなく、圧電薄板の厚さによっ
ては不要信号を引き起こすもととなっていた。
【発明が解決しようとする課題】従来の超音波トランス
デュ−サでは工作精度、加工性および量産性等に問題が
あるばかりでなく、超音波エネルギーの浪費や不要信号
の発生等にも問題があった。本発明の目的は、加工性や
量産性に優れ、低消費電力で効率よく弾性波を非圧電板
の内部に伝搬することができる超音波トランスデューサ
を提供することにある。また、本発明のもう一つの目的
は、非圧電板の内部に伝搬している弾性波を短い応答時
間で効率良く電気信号に変換することができる超音波ト
ランスデューサを提供することにある。
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の超音波
トランスデューサは、1組のすだれ状電極を備えた圧電
板を非圧電板に設けて成る超音波トランスデュ−サであ
って、前記すだれ状電極は前記圧電板の一方の板面に設
けられ、前記圧電板は前記圧電板の前記一方の板面また
はもう一方の板面を介して前記非圧電板の一方の板面に
固着されていて、前記すだれ状電極は前記すだれ状電極
の電極周期長pにほぼ対応する周波数の電気信号を入力
されることにより、前記圧電板と前記非圧電板とから成
る2層構造部に前記電極周期長pとほぼ等しい波長を有
する弾性波を励振し、該弾性波を前記非圧電板中に伝搬
させ、前記2層構造部に励振される前記弾性波はS0
ードおよび1次以上の高次モードの波で、前記2層構造
部に励振される前記弾性波の位相速度は、前記弾性波の
波数Kと前記圧電板の厚さDとの積KDが零の場合のS
0モードの弾性波の位相速度Vkd= 0とほぼ等しく、前記
圧電板の厚さDは前記電極周期長pとほぼ等しいかまた
はそれ以下であり、前記非圧電板の厚さは前記圧電板の
厚さDとほぼ等しいかまたはそれ以上で、前記圧電板の
厚さDのほぼ2.5倍以下であり、前記非圧電板単体に
伝搬する弾性波の位相速度は、前記圧電板単体に伝搬す
る弾性波の位相速度よりも小さい。請求項2に記載の超
音波トランスデューサは、1組のすだれ状電極を備えた
圧電板を非圧電板に設けて成る超音波トランスデュ−サ
であって、前記すだれ状電極は前記圧電板の一方の板面
に設けられ、前記圧電板は前記圧電板の前記一方の板面
またはもう一方の板面を介して前記非圧電板の一方の板
面に固着されていて、前記すだれ状電極は、前記非圧電
板中に励振されている弾性波を前記圧電板と前記非圧電
板とから成る2層構造部に伝搬させ、該2層構造部に伝
搬した弾性波を前記すだれ状電極の電極周期長pにほぼ
対応する周波数の電気信号に変換して出力し、前記2層
構造部に伝搬した前記弾性波はS0モードおよび1次以
上の高次モードの波で、前記2層構造部に伝搬した前記
弾性波の波長は前記電極周期長pとほぼ等しく、前記2
層構造部に伝搬した前記弾性波の位相速度は、前記弾性
波の波数Kと前記圧電板の厚さDとの積KDが零の場合
のS0モードの弾性波の位相速度Vkd=0とほぼ等しく、
前記圧電板の厚さDは前記電極周期長pとほぼ等しいか
またはそれ以下であり、前記非圧電板の厚さは前記圧電
板の厚さDとほぼ等しいかまたはそれ以上で、前記圧電
板の厚さDのほぼ2.5倍以下であり、前記非圧電板単
体に伝搬する弾性波の位相速度は、前記圧電板単体に伝
搬する弾性波の位相速度よりも小さい。請求項3に記載
の超音波トランスデューサは、1組のすだれ状電極およ
び接地電極を備えた圧電板と、非圧電板と、移相器とを
備えて成る超音波トランスデュ−サであって、前記すだ
れ状電極は前記圧電板の一方の板面に設けられ、前記接
地電極は前記圧電板のもう一方の板面に設けられてお
り、前記圧電板は前記もう一方の板面を介して前記非圧
電板の一方の板面に固着されていて、前記すだれ状電極
は、電極I1およびI2から成り、前記電極I1の電極指
と前記電極I2の電極指との間の距離には2種類あり、
前記電極I1およびI2の入力端は前記移相器に並列に接
続され、前記移相器は少なくとも1つのコイルL1を含
み、前記すだれ状電極および前記接地電極は、前記電極
1と前記接地電極との間および前記電極I2と前記接地
電極との間に位相差2πyを有する電気信号E1および
2を前記移相器を介して入力されることにより、前記
圧電板と前記非圧電板とから成る2層構造部に弾性波を
励振し、該弾性波を前記非圧電板中に伝搬させ、前記電
気信号E1およびE2の周波数は前記すだれ状電極の電極
周期長pにほぼ対応しており、前記2層構造部に励振さ
れる前記弾性波はS0モードおよび1次以上の高次モー
ドの波で、前記2層構造部に励振される前記弾性波の波
長は前記電極周期長pとほぼ等しく、前記2層構造部に
励振される前記弾性波の位相速度は、前記弾性波の波数
Kと前記圧電板の厚さDとの積KDが零の場合のS0
ードの弾性波の位相速度Vkd= 0とほぼ等しく、前記圧電
板の厚さDは前記電極周期長pとほぼ等しいかまたはそ
れ以下であり、前記非圧電板の厚さは前記圧電板の厚さ
Dとほぼ等しいかまたはそれ以上で、前記圧電板の厚さ
Dのほぼ2.5倍以下であり、前記非圧電板単体に伝搬
する弾性波の位相速度は、前記圧電板単体に伝搬する弾
性波の位相速度よりも小さい。請求項4に記載の超音波
トランスデューサは、前記電極I1の電極指と前記電極
2の電極指との間の距離のうち短い方の距離xpにお
いて、x<1/2で、同時に、前記位相差2πyにおい
て、x+y=±1/2が成り立つ。請求項5に記載の超
音波トランスデューサは、前記圧電板が圧電セラミック
で成り、該圧電セラミックの分極軸の方向は該圧電セラ
ミックの厚さ方向と平行である。請求項6に記載の超音
波トランスデューサは、前記圧電板がPVDFその他の
圧電性高分子化合物で成る。請求項7に記載の超音波ト
ランスデューサは、前記非圧電板がアクリルその他の高
分子化合物で成る。
【発明の実施の形態】本発明の超音波トランスデューサ
の第1の構造は、1組のすだれ状電極を備えた圧電板を
非圧電板に設けて成るものである。この場合、すだれ状
電極は圧電板の一方の板面に設けられ、圧電板はそのす
だれ状電極の設けられた方の板面またはもう一方の板面
を介して非圧電板の一方の板面に固着される。すだれ状
電極を入力用とし、すだれ状電極の電極周期長pにほぼ
対応する周波数の電気信号をこのすだれ状電極に入力す
る構造を採用することにより、すだれ状電極の電極周期
長pとほぼ等しい波長を有する弾性波を圧電板と非圧電
板とから成る2層構造部に励振させ、その弾性波を非圧
電板中に伝搬させることができる。このとき、2層構造
部に励振される弾性波はS0モードおよび1次以上の高
次モードの波(つまりA0モードを除く波)であって、
この2層構造部に励振される弾性波の位相速度が、弾性
波の波数Kと圧電板の厚さDとの積KDが零の場合のS
0モードの弾性波の位相速度Vkd=0とほぼ等しくなるよ
うな構造を採用することにより、すだれ状電極から加え
られる電気的エネルギーが弾性波に変換される度合を大
きくすることができるだけでなく、圧電板と非圧電板と
の界面での音響インピーダンスの不整合等によって生じ
る反射等を除去することができる。すだれ状電極を出力
用とする構造を採用することにより、非圧電板中に励振
されている弾性波をこのすだれ状電極から電気信号とし
て出力させることができる。このとき、非圧電板に励振
されている弾性波はいったん2層構造部に伝搬された
後、すだれ状電極から電気信号として出力される。この
場合、2層構造部に伝搬する弾性波はS0モードおよび
1次以上の高次モードの波である。この弾性波の波長が
電極周期長pとほぼ等しくなるように電極周期長pを設
定し、この弾性波の位相速度が、弾性波の波数Kと圧電
板の厚さDとの積KDが零の場合のS0モードの弾性波
の位相速度Vkd=0とほぼ等しくなるような構造を採用す
ることにより、2層構造部に伝搬した弾性波をすだれ状
電極から効率よく電気信号として出力することができ
る。また、圧電板と非圧電板との界面での音響インピー
ダンスの不整合等によって生じる反射等を除去すること
ができる。このようにして、アクースティック・エミッ
ション等への応用が可能であり、超音波レベルの異常音
の検出が可能となる。たとえば、円弧状すだれ状電極を
備えた圧電板を非圧電板上に設ければ、その非圧電板の
内部に生じる超音波レベルの異常音の検出が可能とな
る。本発明の超音波トランスデューサの第2の構造は、
1組のすだれ状電極および接地電極を備えた圧電板と、
非圧電板と、移相器とを備えたものである。この場合、
すだれ状電極は圧電板の一方の板面に設けられ、接地電
極は圧電板のもう一方の板面に設けられている。圧電板
は接地電極が設けられた方の板面を介して非圧電板に固
着されている。すだれ状電極は、電極I1およびI2から
成り、電極I1の電極指と電極I2の電極指との間の距離
には長いものと短いものとの2種類がある。すだれ状電
極および接地電極を入力用とし、電極I1およびI2の入
力端を移相器に並列に接続し、電極I1と接地電極との
間および電極I2と接地電極との間に互いに位相の異な
る電気信号E1およびE2を移相器を介して入力する構造
を採用することにより、2層構造部に一方向性の弾性波
を励振し、その弾性波を非圧電板中に伝搬させることが
できる。一方向性の弾性波の励振は、よりいっそうの低
消費電力駆動を可能にする。移相器は少なくとも1つの
コイルL1を含むことを必要とし、コイルL1は電極I1
またはI2の入力端に接続される。電気信号E1およびE
2の位相差は2πyで表わされ、電気信号E1およびE2
の周波数はすだれ状電極の電極周期長pにほぼ対応して
いる。ここで、電極I1の電極指と電極I2の電極指との
間の距離のうち短い方の距離xpにおいて、x<1/2
で、同時に、位相差2πyにおいて、x+y=±1/2
が成り立つ場合には2層構造部に一方向性の弾性波が励
振される。たとえば、xが1/4のときにはy=1/4
またはy=−3/4となる。つまり、距離xpをp/4
とし、位相差2πyをπ/2(90°)または−3π/
2(−270°)とする電気信号E1およびE2を入力す
ることにより、2層構造部に一方向性の弾性波を励振す
ることが可能となる。2層構造部に励振される弾性波は
0モードおよび1次以上の高次モードの波であり、こ
の弾性波の波長は電極周期長pとほぼ等しい。また、2
層構造部に励振される弾性波の位相速度が、弾性波の波
数Kと圧電板の厚さDとの積KDが零の場合のS0モー
ドの弾性波の位相速度Vkd=0とほぼ等しくなるような構
造を採用することにより、すだれ状電極から加えられる
電気的エネルギーが弾性波に変換される度合を大きくす
ることができるだけでなく、圧電板と非圧電板との界面
での音響インピーダンスの不整合等によって生じる反射
等を除去することができる。すだれ状電極および接地電
極を出力用とし、電極I1およびI2の出力端を移相器に
並列に接続する構造を採用することにより、非圧電板中
に励振されている弾性波を2層構造部に伝搬させ、その
2層構造部に伝搬した弾性波を位相差2πyを有する電
気信号E1およびE2として電極I1と接地電極との間お
よび電極I2と接地電極との間から出力することができ
る。移相器は少なくとも1つのコイルL1を含む必要が
あり、コイルL1は電極I1またはI2の出力端に接続さ
れる。このようにして、出力された電気信号E1および
2は移相器によって同じ位相の電気信号に合成され
る。このとき、電気信号E1およびE2の周波数はすだれ
状電極の電極周期長pにほぼ対応している。ここで、x
<1/2であって、x+y=±1/2の場合には、すだ
れ状電極および接地電極は2層構造部に伝搬している一
方向性の弾性波のみを検出して電気信号E1およびE2
して出力する。すなわち、一方向から伝搬する弾性波の
みをとらえる能力を有することから、超音波の発生源を
特定の範囲に限定すること等が可能となる。たとえば、
xが1/4のときにはy=1/4またはy=−3/4と
なる。つまり、距離xpをp/4とすれば、位相差2π
yがπ/2(90°)または−3π/2(−270°)
である電気信号E1およびE2が電極I1と接地電極との
間および電極I2と接地電極との間から出力される。ま
た、2層構造部に伝搬する弾性波はS0モードおよび1
次以上の高次モードの波である。この弾性波の波長が電
極周期長pとほぼ等しくなるように電極周期長pを設定
し、2層構造部に伝搬した弾性波の位相速度が、弾性波
の波数Kと圧電板の厚さDとの積KDが零の場合のS0
モードの弾性波の位相速度Vkd=0とほぼ等しくなるよう
な構造を採用することにより、2層構造部に伝搬した弾
性波を効率よく電気信号E1およびE2として出力するこ
とができるだけでなく、圧電板と非圧電板との界面での
音響インピーダンスの不整合等によって生じる反射等を
除去することができる。本発明の超音波トランスデュー
サの第1および第2の構造において、圧電板の厚さDを
電極周期長pとほぼ同じかまたはそれ以下に設定すると
ともに、非圧電板の厚さを圧電板の厚さDとほぼ同じか
それ以上に設定し、また、非圧電板の厚さを圧電板の厚
さDのほぼ2.5倍以下にする構造を採用することによ
り、すだれ状電極を入力用として用いた場合、2層構造
部に効率よくS0モードおよび1次以上の高次モードの
弾性波を励振することが可能となる。つまり、すだれ状
電極から加えられる電気的エネルギーがS0モードおよ
び1次以上の高次モードの弾性波に変換される度合を増
大させることができる。すだれ状電極を出力用として用
いた場合には、非圧電板中に励振しているS0モードお
よび1次以上の高次モードの弾性波を効率よく2層構造
部に伝搬させた後、すだれ状電極から電気信号として出
力させることが可能となる。つまり、S0モードおよび
1次以上の高次モードの弾性波が電気信号に変換される
度合を増大させることができる。また、圧電板と非圧電
板との界面での音響インピーダンスの不整合等によって
生じる反射等を除去することができる。本発明の超音波
トランスデューサの第1および第2の構造において、圧
電板として圧電セラミックを採用し、その圧電セラミッ
クの分極軸の方向と厚さ方向とを平行にする構造を採用
することにより、2層構造部に効率よく弾性波を励振し
非圧電板中に伝搬させること、または非圧電板中に励振
している弾性波を効率よく2層構造部に伝搬させ、すだ
れ状電極から電気信号として出力させることができる。
本発明の超音波トランスデューサの第1および第2の構
造において、圧電板としてPVDFその他の高分子圧電
フィルムを採用することにより、2層構造部に効率よく
弾性波を励振し非圧電板中に伝搬させること、または非
圧電板中に励振している弾性波を効率よく2層構造部に
伝搬させ、すだれ状電極から電気信号として出力させる
ことができる。本発明の超音波トランスデューサの第1
および第2の構造において、非圧電板として、非圧電板
単体に伝搬する弾性波の位相速度が圧電板単体に伝搬す
る弾性波の位相速度よりも小さい物質、たとえばアクリ
ル樹脂その他の高分子化合物を採用することにより、2
層構造部に効率よく弾性波を励振し非圧電板中に伝搬さ
せること、または非圧電板中に伝搬している弾性波を効
率よく2層構造部に伝搬させ、すだれ状電極から電気信
号として出力させることができる。
【実施例】図1は本発明の超音波トランスデューサの第
1の実施例を示す断面図である。本実施例はすだれ状電
極1、接地電極2、圧電磁器板3、アクリル板4および
移相器5から成る。すだれ状電極1および接地電極2は
アルミニウム薄膜で成る。圧電磁器板3は厚さ400μ
mのTDK製101A材(製品名)で成る。アクリル板
4は厚さ1mmのアクリル樹脂で成る。すだれ状電極1
は圧電磁器板3上に設けられ、圧電磁器板3は厚さ約2
0μmのエポキシ系樹脂によってアクリル板4上に固着
されている。圧電磁器板3単体を伝搬する弾性波の横波
の速度は2450m/sであり、縦波の速度は4390
m/sである。アクリル板4単体を伝搬する弾性波の横
波の速度は1461m/sであり、縦波の速度は271
8m/sであって、圧電磁器板3単体を伝搬する弾性波
の横波速度および縦波速度それぞれのほぼ0.6倍であ
る。図2は図1の超音波トランスデューサの斜視図であ
る。すだれ状電極1は10対の電極指を有する正規型の
ものであり、電極I1およびI2から成る。すだれ状電極
1の電極周期長pは460μmである。すだれ状電極1
の電極指間の距離には長いものと短いものとの2種類が
あり、短い方の距離xpは115μmである。移相器5
はコイルL1を含む。すだれ状電極1を入力用として用
いた場合、電極I1と接地電極2との間および電極I2
接地電極2との間に位相差が90°または−270°の
電気信号E1およびE2を移相器5を介して入力すると、
電気信号E1およびE2の周波数のうちすだれ状電極1の
示す中心周波数とその近傍の周波数の電気信号のみが一
方向性を有する弾性波に変換されて圧電磁器板3とアク
リル板4とから成る2層構造部を伝搬し、さらにその弾
性波はアクリル板4中に伝搬される。すだれ状電極1を
出力用として用いた場合には、もしもアクリル板4中に
一方向性を有する弾性波が励振していたら、その弾性波
は2層構造部に伝搬され、その2層構造部に伝搬された
弾性波のうちすだれ状電極1の示す中心周波数とその近
傍の周波数の弾性波のみが位相差が90°または−27
0°の電気信号E1およびE2に変換されて、電極I1
接地電極2との間および電極I2と接地電極2との間か
ら出力される。出力された電気信号E1およびE2は移相
器5を介することにより位相差が零の単一の電気信号と
して検出される。つまり、一方向から伝搬する弾性波の
みをとらえる能力を有することから、超音波の発生源の
特定等が可能となる。また、移相器5を介することによ
り2つの電気信号E1およびE2が合成されて単一の電気
信号となり強度が増大することから、超音波の検出感度
が増大される。図3は圧電磁器板3単体に伝搬する弾性
波の位相速度を示す特性図であり、弾性波の波数Kと圧
電磁器板3の厚さDとの積(KD)に対する各モードの
位相速度を示す図である。図4は図1の2層構造部を伝
搬する弾性波の速度分散曲線を示す特性図であり、KD
値に対する各モードの位相速度を示す図である。図5は
図1の2層構造部における圧電磁器板3の異なる2つの
電気的境界条件下での位相速度差から算出した電気機械
結合係数K2とKD値との関係を示す特性図である。但
し、図5はS2モードについての特性図を示す。図1の
超音波トランスデューサの2層構造部にはS0モードお
よび1次(A1およびS1)以上の高次モードの弾性波が
効率よく励振されることが確認されている。S2モード
については、KD値が約1.4のときにK2は最大値の
約6.4%を示す。つまり、すだれ状電極1に加えられ
る電気的エネルギーがS2モードの弾性波に最も変換さ
れやすいのはKD値が約1.4のときであることが分か
る。ここでのK2値は、弾性表面波用の圧電基板として
実用域にあるLiNbO3単結晶が5%程度の値である
ことと比較しても評価に値することが明らかである。ま
た、図4および5より、K2が最大値を示す位相速度
は、弾性波の波数Kと圧電磁器板3の厚さDとの積KD
が零の場合のS0モードの弾性波の位相速度Vkd=0とほ
ぼ等しいことが分かる。図6は図1の2層構造部におけ
る圧電磁器板3の異なる2つの電気的境界条件下での位
相速度差から算出した電気機械結合係数K2とKD値と
の関係を示す特性図である。但し、図6はS4モードに
ついての特性図を示す。KD値が約2.1のときにK2
は最大値の約7.0%を示す。つまり、すだれ状電極1
に加えられる電気的エネルギーがS4モードの弾性波に
最も変換されやすいのはKD値が約2.1のときである
ことが分かる。また、K2が最大値を示す位相速度は、
位相速度Vkd=0とほぼ等しい。図7は図1の2層構造部
における圧電磁器板3の異なる2つの電気的境界条件下
での位相速度差から算出した電気機械結合係数K2とK
D値との関係を示す特性図である。但し、図7はA5
ードについての特性図を示す。KD値が約2.6のとき
にK2は最大値の約7.6%を示す。つまり、すだれ状
電極1に加えられる電気的エネルギーがA5モードの弾
性波に最も変換されやすいのはKD値が約2.6のとき
であることが分かる。また、K2が最大値を示す位相速
度は、位相速度Vkd=0とほぼ等しい。図8は図7におけ
るK2の最大値近傍のKD値(2.6)での変位分布を
示す特性図である。縦軸は2層構造部の深さを規格化し
た値で示したもので、圧電磁器板3とアクリル板4との
界面は深さが零の場合に相当する。横軸は変位を規格化
した値で示したものである。アクリル板4の内部にA5
モードの弾性波が効率よく伝搬することが分かる。図9
は本発明の超音波トランスデューサの第2の実施例を示
す断面図である。本実施例はすだれ状電極6、圧電磁器
板3およびアクリル板4から成る。すだれ状電極6はア
ルミニウム薄膜で成る。すだれ状電極6は圧電磁器板3
上に設けられ、圧電磁器板3はそのすだれ状電極6が設
けられた方の板面を介して厚さ約20μmのエポキシ系
樹脂によってアクリル板4上に固着されている。図10
は図9の超音波トランスデューサの斜視図である。すだ
れ状電極6は10対の電極指を有する正規型のものであ
り、電極周期長pは460μmである。すだれ状電極6
を入力用として用いた場合、すだれ状電極6から電気信
号を入力するとその電気信号の周波数のうちすだれ状電
極6の示す中心周波数とその近傍の周波数の電気信号の
みが弾性波に変換されて圧電磁器板3とアクリル板4と
から成る2層構造部を伝搬し、さらにその弾性波はアク
リル板4中に伝搬される。すだれ状電極6を出力用とし
て用いた場合には、アクリル板4中を伝搬している弾性
波は2層構造部に伝搬され、その2層構造部に伝搬され
た弾性波のうちすだれ状電極6の示す中心周波数とその
近傍の周波数の弾性波のみが電気信号に変換されてすだ
れ状電極6から出力される。図9の超音波トランスデュ
ーサでは、圧電磁器板3はすだれ状電極6が設けられた
方の板面を介してアクリル板4上に固着されているが、
すだれ状電極6が設けられていない方の板面を介してア
クリル板4上に固着されている場合にも同様な効果が見
られた。図1および図9の2つの超音波トランスデュー
サを比較した場合、図1の方がより低消費電力で低電圧
駆動が可能であり、しかも感度がよい。図11は本発明
の超音波トランスデューサの第3の実施例を示す断面図
である。本実施例は図1の超音波トランスデューサのア
クリル板4がアクリル板7に置き換わったものである。
アクリル板7は厚さ400μmで、アクリル板4と同様
な材質で成る。図12は図11の2層構造部を伝搬する
弾性波の速度分散曲線を示す特性図であり、KD値に対
する各モードの位相速度を示す図である。図13は図1
1の2層構造部における圧電磁器板3の異なる2つの電
気的境界条件下での位相速度差から算出したK2値とK
D値との関係を示す特性図である。但し、図13はS1
モードについての特性図を示す。KD値が1.8近傍の
ときにK2は最大値の約7.6%を示す。つまり、すだ
れ状電極1に加えられる電気的エネルギーがS1モード
の弾性波に最も変換されやすいのはKD値が1.8近傍
のときであることが分かる。また、図12および13よ
り、K2が最大値を示す位相速度は、位相速度Vkd=0
ほぼ等しいことがわかる。図14は図11の2層構造部
における圧電磁器板3の異なる2つの電気的境界条件下
での位相速度差から算出したK2値とKD値との関係を
示す特性図である。但し、図14はA3モードについて
の特性図を示す。KD値が約3.1のときにK2は最大
値の約7.5%を示す。つまり、すだれ状電極1に加え
られる電気的エネルギーがA3モードの弾性波に最も変
換されやすいのはKD値が約3.1のときであることが
分かる。また、K2が最大値を示す位相速度は、位相速
度Vk d=0とほぼ等しい。図15は本発明の超音波トラン
スデューサの第4の実施例を示す断面図である。本実施
例は図9の超音波トランスデューサのアクリル板4がア
クリル板7に置き換わったものである。すだれ状電極6
を入力用として用いた場合、すだれ状電極6から電気信
号を入力するとその電気信号の周波数のうちすだれ状電
極6の示す中心周波数とその近傍の周波数の電気信号の
みが弾性波に変換されて圧電磁器板3とアクリル板7と
から成る2層構造部を伝搬し、さらにその弾性波はアク
リル板7中に伝搬される。すだれ状電極6を出力用とし
て用いた場合には、アクリル板7中を伝搬している弾性
波は2層構造部に伝搬され、その2層構造部に伝搬され
た弾性波のうちすだれ状電極6の示す中心周波数とその
近傍の周波数の弾性波のみが電気信号に変換されてすだ
れ状電極6から出力される。図15の超音波トランスデ
ューサでは、圧電磁器板3はすだれ状電極6が設けられ
た方の板面を介してアクリル板7上に固着されている
が、すだれ状電極6が設けられていない方の板面を介し
てアクリル板7上に固着されている場合にも同様な効果
が見られた。図11および図15の2つの超音波トラン
スデューサを比較した場合、図11の方がより低消費電
力で低電圧駆動が可能であり、しかも感度がよい。
【発明の効果】すだれ状電極を入力用として用いる場
合、圧電板と非圧電板とから成る2層構造部にS0モー
ドおよび1次以上の高次モードの弾性波を励振させ、そ
の弾性波を非圧電板中に伝搬させることができる。この
弾性波の位相速度が、弾性波の波数Kと圧電板の厚さD
との積KDが零の場合のS0モードの弾性波の位相速度
k d=0とほぼ等しくなるような構造を採用することによ
り、すだれ状電極から加えられる電気的エネルギーが弾
性波に変換される度合を大きくすることができるだけで
なく、圧電板と非圧電板との界面での音響インピーダン
スの不整合等によって生じる反射等を除去することがで
きる。すだれ状電極を出力用として用いる場合、非圧電
板中に励振されているS0モードおよび1次以上の高次
モードの弾性波をこのすだれ状電極から電気信号として
出力させることができる。このとき、この弾性波の位相
速度が、弾性波の波数Kと圧電板の厚さDとの積KDが
零の場合のS0モードの弾性波の位相速度Vkd= 0とほぼ
等しくなるような構造を採用することにより、非圧電板
から2層構造部に伝搬した弾性波をすだれ状電極から効
率よく電気信号として出力することができる。また、圧
電板と非圧電板との界面での音響インピーダンスの不整
合等によって生じる反射等を除去することができる。電
極指間の距離が2種類あるようなすだれ状電極を含む構
造を採用することにより、すだれ状電極を入力用として
用いる場合には、2層構造部に一方向性の弾性波を励振
し、その弾性波を非圧電板中に伝搬させることができ
る。一方向性の弾性波の励振は、よりいっそうの低消費
電力駆動を可能にするばかりでなく、不要信号の発生を
抑制する。また、すだれ状電極を出力用として用いる場
合には、非圧電板に励振されている一方向性の弾性波を
このすだれ状電極から電気信号として出力することがで
き、超音波の発生源を特定の範囲に限定すること等が可
能となる。圧電板の厚さDを電極周期長pとほぼ同じか
またはそれ以下に設定するとともに、非圧電板の厚さを
圧電板の厚さDとほぼ同じかそれ以上に設定し、また、
非圧電板の厚さを圧電板の厚さDのほぼ2.5倍以下に
する構造を採用することにより、すだれ状電極から加え
られる電気的エネルギーがS0モードおよび1次以上の
高次モードの弾性波に変換される度合を増大させること
ができる。また、非圧電板中に励振しているS0モード
および1次以上の高次モードの弾性波が電気信号に変換
される度合を増大させることができる。非圧電板とし
て、非圧電板単体に伝搬する弾性波の位相速度が圧電板
単体に伝搬する弾性波の位相速度よりも小さい物質を採
用することにより、2層構造部に効率よく弾性波を励振
し非圧電板中に伝搬させること、または非圧電板中に伝
搬している弾性波を効率よく2層構造部に伝搬させ、す
だれ状電極から電気信号として出力させることができ
る。圧電板として圧電セラミックやPVDFその他の高
分子圧電フィルムを採用することにより、2層構造部に
効率よく弾性波を励振し非圧電板中に伝搬させること、
または非圧電板中に励振している弾性波を効率よく2層
構造部に伝搬させ、すだれ状電極から電気信号として出
力させることができる。圧電板として圧電セラミックを
採用する場合には、その圧電セラミックの分極軸の方向
と厚さ方向とを平行にする構造が採用される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波トランスデューサの第1の実施
例を示す断面図。
【図2】図1の超音波トランスデューサの斜視図。
【図3】圧電磁器板3単体に伝搬する弾性波の位相速度
を示す特性図。
【図4】図1の2層構造部を伝搬する弾性波の速度分散
曲線を示す特性図。
【図5】図1の2層構造部における圧電磁器板3の異な
る2つの電気的境界条件下での位相速度差から算出した
2値とKD値との関係を示す特性図。
【図6】図1の2層構造部における圧電磁器板3の異な
る2つの電気的境界条件下での位相速度差から算出した
2値とKD値との関係を示す特性図。
【図7】図1の2層構造部における圧電磁器板3の異な
る2つの電気的境界条件下での位相速度差から算出した
2値とKD値との関係を示す特性図。図6中のS2モー
ドについての特性図。
【図8】図7におけるK2の最大値近傍のKD値(2.
6)での変位分布を示す特性図。
【図9】本発明の超音波トランスデューサの第2の実施
例を示す断面図。
【図10】図9の超音波トランスデューサの斜視図。
【図11】本発明の超音波トランスデューサの第3の実
施例を示す断面図。
【図12】図11の2層構造部を伝搬する弾性波の速度
分散曲線を示す特性図。
【図13】図11の2層構造部における圧電磁器板3の
異なる2つの電気的境界条件下での位相速度差から算出
したK2値とKD値との関係を示す特性図。
【図14】図11の2層構造部における圧電磁器板3の
異なる2つの電気的境界条件下での位相速度差から算出
したK2値とKD値との関係を示す特性図。
【図15】本発明の超音波トランスデューサの第4の実
施例を示す断面図。
【符号の説明】
1 すだれ状電極 2 接地電極 3 圧電磁器板 4 アクリル板 5 移相器 6 すだれ状電極 7 アクリル板 L1 コイル

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1組のすだれ状電極を備えた圧電板を非
    圧電板に設けて成る超音波トランスデュ−サであって、 前記すだれ状電極は前記圧電板の一方の板面に設けら
    れ、 前記圧電板は前記圧電板の前記一方の板面またはもう一
    方の板面を介して前記非圧電板の一方の板面に固着され
    ていて、 前記すだれ状電極は前記すだれ状電極の電極周期長pに
    ほぼ対応する周波数の電気信号を入力されることによ
    り、前記圧電板と前記非圧電板とから成る2層構造部に
    前記電極周期長pとほぼ等しい波長を有する弾性波を励
    振し、該弾性波を前記非圧電板中に伝搬させ、 前記2層構造部に励振される前記弾性波はS0モードお
    よび1次以上の高次モードの波で、 前記2層構造部に励振される前記弾性波の位相速度は、
    前記弾性波の波数Kと前記圧電板の厚さDとの積KDが
    零の場合のS0モードの弾性波の位相速度Vkd= 0とほぼ
    等しく、 前記圧電板の厚さDは前記電極周期長pとほぼ等しいか
    またはそれ以下であり、 前記非圧電板の厚さは前記圧電板の厚さDとほぼ等しい
    かまたはそれ以上で、前記圧電板の厚さDのほぼ2.5
    倍以下であり、 前記非圧電板単体に伝搬する弾性波の位相速度が、前記
    圧電板単体に伝搬する弾性波の位相速度よりも小さい超
    音波トランスデューサ。
  2. 【請求項2】 1組のすだれ状電極を備えた圧電板を非
    圧電板に設けて成る超音波トランスデュ−サであって、 前記すだれ状電極は前記圧電板の一方の板面に設けら
    れ、 前記圧電板は前記圧電板の前記一方の板面またはもう一
    方の板面を介して前記非圧電板の一方の板面に固着され
    ていて、 前記すだれ状電極は、前記非圧電板中に励振されている
    弾性波を前記圧電板と前記非圧電板とから成る2層構造
    部に伝搬させ、該2層構造部に伝搬した弾性波を前記す
    だれ状電極の電極周期長pにほぼ対応する周波数の電気
    信号に変換して出力し、 前記2層構造部に伝搬した前記弾性波はS0モードおよ
    び1次以上の高次モードの波で、 前記2層構造部に伝搬した前記弾性波の波長は前記電極
    周期長pとほぼ等しく、 前記2層構造部に伝搬した前記弾性波の位相速度は、前
    記弾性波の波数Kと前記圧電板の厚さDとの積KDが零
    の場合のS0モードの弾性波の位相速度Vkd=0とほぼ等
    しく、 前記圧電板の厚さDは前記電極周期長pとほぼ等しいか
    またはそれ以下であり、 前記非圧電板の厚さは前記圧電板の厚さDとほぼ等しい
    かまたはそれ以上で、前記圧電板の厚さDのほぼ2.5
    倍以下であり、 前記非圧電板単体に伝搬する弾性波の位相速度が、前記
    圧電板単体に伝搬する弾性波の位相速度よりも小さい超
    音波トランスデューサ。
  3. 【請求項3】 1組のすだれ状電極および接地電極を備
    えた圧電板と、非圧電板と、移相器とを備えて成る超音
    波トランスデュ−サであって、 前記すだれ状電極は前記圧電板の一方の板面に設けら
    れ、前記接地電極は前記圧電板のもう一方の板面に設け
    られており、 前記圧電板は前記もう一方の板面を介して前記非圧電板
    の一方の板面に固着されていて、 前記すだれ状電極は、電極I1およびI2から成り、 前記電極I1の電極指と前記電極I2の電極指との間の距
    離には2種類あり、 前記電極I1およびI2の入力端は前記移相器に並列に接
    続され、 前記移相器は少なくとも1つのコイルL1を含み、 前記すだれ状電極および前記接地電極は、前記電極I1
    と前記接地電極との間および前記電極I2と前記接地電
    極との間に位相差2πyを有する電気信号E1およびE2
    を前記移相器を介して入力されることにより、前記圧電
    板と前記非圧電板とから成る2層構造部に弾性波を励振
    し、該弾性波を前記非圧電板中に伝搬させ、 前記電気信号E1およびE2の周波数は前記すだれ状電極
    の電極周期長pにほぼ対応しており、 前記2層構造部に励振される前記弾性波はS0モードお
    よび1次以上の高次モードの波で、 前記2層構造部に励振される前記弾性波の波長は前記電
    極周期長pとほぼ等しく、 前記2層構造部に励振される前記弾性波の位相速度は、
    前記弾性波の波数Kと前記圧電板の厚さDとの積KDが
    零の場合のS0モードの弾性波の位相速度Vkd= 0とほぼ
    等しく、 前記圧電板の厚さDは前記電極周期長pとほぼ等しいか
    またはそれ以下であり、 前記非圧電板の厚さは前記圧電板の厚さDとほぼ等しい
    かまたはそれ以上で、前記圧電板の厚さDのほぼ2.5
    倍以下であり、 前記非圧電板単体に伝搬する弾性波の位相速度が、前記
    圧電板単体に伝搬する弾性波の位相速度よりも小さい超
    音波トランスデューサ。
  4. 【請求項4】 前記電極I1の電極指と前記電極I2の電
    極指との間の距離のうち短い方の距離xpにおいて、x
    <1/2で、同時に、前記位相差2πyにおいて、x+
    y=±1/2が成り立つ請求項3に記載の超音波トラン
    スデューサ。
  5. 【請求項5】 前記圧電板が圧電セラミックで成り、該
    圧電セラミックの分極軸の方向は該圧電セラミックの厚
    さ方向と平行である請求項1,2,3または4に記載の
    超音波トランスデューサ。
  6. 【請求項6】 前記圧電板がPVDFその他の圧電性高
    分子化合物で成る請求項1,2,3または4に記載の超
    音波トランスデューサ。
  7. 【請求項7】 前記非圧電板がアクリルその他の高分子
    化合物で成る請求項1,2,3,4,5または6に記載
    の超音波トランスデューサ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2001304929A (ja) * 2000-04-21 2001-10-31 Koji Toda 超音波液体流速センサ
JP6097987B1 (ja) * 2016-10-13 2017-03-22 正裕 井尻 酸水素発生装置と、酸水素発生装置を備えたハイブリッド車両、または燃料電池車両。

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