JP3245688B2 - 超音波トランスデューサ - Google Patents

超音波トランスデューサ

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JP3245688B2 JP21833592A JP21833592A JP3245688B2 JP 3245688 B2 JP3245688 B2 JP 3245688B2 JP 21833592 A JP21833592 A JP 21833592A JP 21833592 A JP21833592 A JP 21833592A JP 3245688 B2 JP3245688 B2 JP 3245688B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は圧電薄板とすだれ状電極
とから成る超音波デバイスを非圧電基板に設けて成る超
音波トランスデユ−サに関する。
【0002】
【従来の技術】非圧電基板に弾性表面波を励振する従来
の方法としては、バルク波振動子を用いたくさび形トラ
ンスデューサにより間接的に励振する方法、圧電薄膜ト
ランスデューサにより直接的に励振する方法等が挙げら
れる。くさび形トランスデューサは超音波による非破壊
検査等に用いられているが、くさび角の工作精度の問題
等から比較的低い周波数領域においてのみ用いられる。
圧電薄膜トランスデューサはZnO等の圧電薄膜を基板
に蒸着しすだれ状電極により弾性表面波を励振する方法
で、すだれ状電極の構成により種々の伝送特性を示すこ
とから高周波デバイスとして用いられるが、UHF,V
HF帯に限られるとともに加工性や量産性に問題があ
る。このようにして、従来の方法では工作精度、加工性
および量産性等に問題があり、使用周波数領域も制限さ
れている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、加工
性や量産性に優れ、低消費電力で効率良く弾性表面波を
非圧電基板に励振することができるだけでなく非圧電基
板に励振している弾性表面波を効率良く電気信号に変換
することができ、応答時間が短く、感度の良い超音波ト
ランスデューサを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の超音波
トランスデューサは、圧電薄板とすだれ状電極とから成
る超音波デバイスを非圧電基板に設けて成る超音波トラ
ンスデューサであって、前記すだれ状電極は前記圧電薄
板における2つの板面a,bのうちの板面aに設けられ
ていて、前記圧電薄板の厚さは前記すだれ状電極の電極
周期長以下であって、前記すだれ状電極の電極周期長は
1次モードまたは2次以上のモードの弾性表面波の波長
にほぼ等しいことを特徴とする。但し、前記すだれ状電
極の互いに隣接する2つの電極指の中心線間の距離の2
倍が前記すだれ状電極の電極周期長に相当する。
【0005】請求項2に記載の超音波トランスデューサ
は、前記超音波デバイスのすだれ状電極を入力用とし、
該すだれ状電極から電気信号を入力することにより該超
音波デバイスが固着された非圧電基板に1次モードまた
は2次以上のモードの弾性表面波を励振させる超音波ト
ランスデユ−サであって、該1次モードまたは2次以上
の該モードの弾性表面波の位相速度は該非圧電基板単体
における弾性表面波の伝搬速度にほぼ等しいことを特徴
とする。
【0006】請求項3に記載の超音波トランスデューサ
は、前記超音波デバイスのすだれ状電極を出力用とし、
該超音波デバイスが固着された非圧電基板に励振されて
いる1次モードまたは2次以上のモードの弾性表面波を
該すだれ状電極から電気信号として出力させる超音波ト
ランスデユ−サであって、該非圧電基板に励振されてい
る該1次モードまたは2次以上の該モードの弾性表面波
の伝搬速度は、該非圧電基板単体に伝搬される弾性表面
波の伝搬速度とほぼ等しいことを特徴とする。
【0007】請求項4に記載の超音波トランスデューサ
は、前記圧電薄板が圧電セラミックで成り、該圧電セラ
ミックの分極軸の方向は該圧電セラミックの厚さ方向と
平行であることを特徴とする。
【0008】請求項5に記載の超音波トランスデューサ
は、前記圧電薄板がPVDFその他の高分子圧電フィル
ムで成ることを特徴とする。
【0009】請求項6に記載の超音波トランスデューサ
は、前記圧電薄板は前記板面aを介して前記非圧電基板
に固着されていることを特徴とする。
【0010】請求項7に記載の超音波トランスデューサ
は、前記圧電薄板の前記板面bは金属薄膜で被覆されて
いることを特徴とする。
【0011】
【作用】本発明の超音波トランスデューサは、圧電薄板
とすだれ状電極とから成る超音波デバイスを非圧電基板
に設けて成る簡単な構造を有する。すだれ状電極を入力
用としこのすだれ状電極から電気信号を入力する構造を
採用することにより、非圧電基板に1次モードまたは2
次以上のモードの弾性表面波を励振させることができ
る。このときこの弾性表面波の位相速度が非圧電基板単
体における弾性表面波の伝搬速度にほぼ等しくなるよう
な構造を採用することにより、すだれ状電極から加えら
れる電気的エネルギーが弾性表面波に変換される度合を
大きくすることができるだけでなく、圧電薄板と非圧電
基板との界面での音響インピーダンスの不整合等によっ
て生じる反射等を除去することができる。また、すだれ
状電極を出力用とする構造を採用することにより、非圧
電基板に励振されている弾性表面波をそのすだれ状電極
から電気信号として出力させることができる。従って、
アクースティック・エミッション等への応用が可能であ
り、超音波レベルの異常音の検出が可能となる。たとえ
ば、圧電薄板に円弧状すだれ状電極を設けた超音波デバ
イスを被検体としての非圧電基板上に備えれば、その非
圧電基板に生じる超音波レベルの異常音の検出が可能と
なる。
【0012】圧電薄板の厚さをすだれ状電極の電極周期
長以下にし、すだれ状電極の電極周期長を1次モードま
たは2次以上のモードの弾性表面波の波長にほぼ等しく
する構造を採用することにより、すだれ状電極から加え
られる電気的エネルギーが弾性表面波に変換される度合
を大きくすることができるだけでなく、圧電薄板と非圧
電基板との界面での音響インピーダンスの不整合等によ
って生じる反射等を除去することができる。なお、すだ
れ状電極の電極周期長すなわち弾性表面波の波長λに対
する圧電薄板の厚さdの割合(d/λ)が小さいほど効
果は大きい。
【0013】圧電薄板として圧電セラミックを採用し、
その圧電セラミックの分極軸の方向と厚さ方向とを平行
にする構造を採用することにより、非圧電基板に効率よ
く1次モードまたは2次以上のモードの弾性表面波を励
振することができる。
【0014】圧電薄板としてPVDFその他の高分子圧
電フィルムを採用することにより、非圧電基板に効率よ
く1次モードまたは2次以上のモードの弾性表面波を励
振することができる。
【0015】すだれ状電極を圧電薄板と非圧電基板との
界面に設け圧電薄板の空気側を電気的に短絡状態にした
構造を採用することにより、すだれ状電極に加えられる
電気的エネルギーを効率よく弾性表面波に変換すること
ができる。電気的に短絡状態にするには板面に金属薄膜
を被覆する方法が有効である。
【0016】
【実施例】図1は本発明の超音波トランスデューサの第
1の実施例を示す断面図である。本実施例は圧電磁器薄
板1、すだれ状電極2およびガラス基板3から成る。圧
電磁器薄板1は厚さ220μmのTDK製91A材(製
品名)で成る。すだれ状電極2はアルミニウム薄膜で成
る。ガラス基板3は厚さ1.9mmの硼珪酸ガラスで成
る。すだれ状電極2は圧電磁器薄板1上に設けられ、圧
電磁器薄板1はガラス基板3上に設けられている。圧電
磁器薄板1は厚さ20μmのエポキシ系樹脂によってガ
ラス基板3上に設けられている。すだれ状電極2は10
対の電極指を有する正規型のものであり、電極周期長は
660μm、中心周波数は5.1MHzである。図1で
は電極周期長が2Pで表されている。すだれ状電極2を
入力用として用いた場合、すだれ状電極2から電気信号
を入力すると、その電気信号の周波数のうちすだれ状電
極2の示す中心周波数とその近傍の周波数の電気信号の
みが弾性表面波に変換されて圧電磁器薄板1を伝搬し、
さらにガラス基板3を伝搬する。すだれ状電極2を出力
用として用いた場合には、ガラス基板3を励振している
弾性表面波のうちすだれ状電極2の示す中心周波数とそ
の近傍の周波数の弾性表面波のみが、電気信号に変換さ
れてすだれ状電極2から出力される。
【0017】図2は図1の超音波トランスデューサを伝
搬する弾性表面波の速度分散曲線を示す特性図であり、
弾性表面波の周波数fと圧電磁器薄板1の厚さdとの積
に対する各モードの位相速度を示す図である。但し、圧
電磁器薄板1は、圧電磁器薄板1のガラス基板3と接触
する方の板面(ガラス側板面)が電気的に開放状態にあ
ってもう一方の空気に接触する方の板面(空気側板面)
が電気的に短絡状態にあるものと、圧電磁器薄板1のガ
ラス側板面と空気側板面とが共に電気的に短絡状態にあ
るものを用いた。本実施例においては圧電磁器薄板1の
板面に金属薄膜を被覆することによりその板面を電気的
に短絡状態にしている。本図において“short”は
短絡状態を、“open”は開放状態であることを示
す。弾性表面波には複数個のモードがある。零次モード
は基本レイリー波であり、零次モードはfd値が零のと
きガラス基板3のレイリー波速度に一致していて、fd
値が大きくなるにつれて圧電磁器薄板1のレイリー波速
度に収束している。1次以上のモードではカットオフ周
波数が存在し、fd値がそれぞれの最小のときガラス基
板3の横波速度に収束している。本図において○印は実
測値を示す。
【0018】図3は図1の超音波トランスデューサを伝
搬する弾性表面波の速度分散曲線を示す特性図であり、
弾性表面波の周波数fと圧電磁器薄板1の厚さdとの積
に対する各モードの位相速度を示す図である。但し、圧
電磁器薄板1は、圧電磁器薄板1のガラス側板面と空気
側板面とが共に電気的に開放状態にあるものと、圧電磁
器薄板1のガラス側板面が電気的に短絡状態にあって空
気側板面が電気的に開放状態にあるものを用いた。零次
モードではfd値が零のときガラス基板3のレイリー波
速度に一致していて、fd値が大きくなるにつれて圧電
磁器薄板1のレイリー波速度に収束している。1次以上
のモードではカットオフ周波数が存在し、fd値がそれ
ぞれの最小のときガラス基板3の横波速度に収束してい
る。本図において○印は実測値を示す。
【0019】図4は圧電磁器薄板1の異なる2つの電気
的境界条件下での位相速度差から算出した実効的電気機
械結合係数k2 とfd値との関係を示す特性図である。
但し、圧電磁器薄板1は、圧電磁器薄板1のガラス側板
面にすだれ状電極2(IDT)を設け空気側板面を電気
的に短絡状態にしたものを用いている。高次モードのk
2 は零次モードに比べて大きな値を示す。特に1次モー
ドではfd=0.9MHz・mmにおいてk2 =17.
7%という最大値を示している。
【0020】図5は圧電磁器薄板1の異なる2つの電気
的境界条件下での位相速度差から算出した実効的電気機
械結合係数k2 とfd値との関係を示す特性図である。
但し、圧電磁器薄板1は、圧電磁器薄板1のガラス側板
面にすだれ状電極2を設け空気側板面を電気的に開放状
態にしたものを用いている。高次モードのk2 は零次モ
ードに比べて大きな値を示す。
【0021】図6は圧電磁器薄板1の異なる2つの電気
的境界条件下での位相速度差から算出した実効的電気機
械結合係数k2 とfd値との関係を示す特性図である。
但し、圧電磁器薄板1は、圧電磁器薄板1のガラス側板
面を電気的に短絡状態にし空気側板面にすだれ状電極2
を設けたものを用いている。
【0022】図7は圧電磁器薄板1の異なる2つの電気
的境界条件下での位相速度差から算出した実効的電気機
械結合係数k2 とfd値との関係を示す特性図である。
但し、圧電磁器薄板1は、圧電磁器薄板1のガラス側板
面を電気的に開放状態にし空気側板面にすだれ状電極2
を設けたものを用いている。
【0023】図2〜7より、1次以上のモードでは図1
の超音波トランスデューサを伝搬する弾性表面波の速度
がガラス基板3単体を伝搬する弾性表面波の速度と等し
いときk2 が最大値を示すことがわかる。
【0024】図4〜7より、圧電磁器薄板1のガラス側
板面にすだれ状電極2を設け空気側板面を電気的に短絡
状態にした構造においてすだれ状電極2に加えられる電
気的エネルギーが弾性表面波に変換される度合が大きく
なることがわかる。
【0025】図8は1次モードにおけるk2 の最大値近
傍のfd値(1.0MHz・mm)での変位分布を示す
特性図である。但し、圧電磁器薄板1は、圧電磁器薄板
1のガラス側板面と空気側板面とが共に電気的に開放状
態にあるものを用いている。U1 ,U3 はそれぞれ水平
成分、垂直成分の変位を示している。縦軸は圧電磁器薄
板1の厚さ(X3 )方向の長さ(深さ)を厚さdで規格
化したものである。本図において深さ0は圧電磁器薄膜
1とガラス基板3との界面を示す。横軸はそれぞれの成
分の変位を最大値(U1 2 +U3 21/2で規格化したもの
である。1次モードのガラス基板3中の変位成分の割合
は58%である。
【0026】図9は2次モードにおけるk2 の最大値近
傍のfd値(2.0MHz・mm)での変位分布を示す
特性図である。但し、圧電磁器薄板1は、圧電磁器薄板
1のガラス側板面と空気側板面とが共に電気的に開放状
態にあるものを用いている。2次モードのガラス基板3
中の変位成分の割合は52%である。
【0027】図10は3次モードにおけるk2 の最大値
近傍のfd値(3.0MHz・mm)での変位分布を示
す特性図である。但し、圧電磁器薄板1は、圧電磁器薄
板1のガラス側板面と空気側板面とが共に電気的に開放
状態にあるものを用いている。3次モードのガラス基板
3中の変位成分の割合は47%である。
【0028】図11は零次モードにおけるfd=0.7
MHz・mmでの変位分布を示す特性図である。但し、
圧電磁器薄板1は、圧電磁器薄板1のガラス側板面が電
気的に開放状態にあって空気側板面が電気的に短絡状態
にあるものを用いた。すだれ状電極2は空気側に設けら
れている。零次モードの波は圧電磁器薄板1の表面近傍
に集中している波であり、fd値が∞で圧電磁器薄板1
の表面波に収束する波である。
【0029】図8〜11より、ガラス基板3へ弾性表面
波を励振するためには1次モードまたは2次以上の高次
モードの使用が有効であることがわかる。これはガラス
基板3中の変位成分が大きいモードの方が有効であるか
らである。
【0030】図1に示す超音波トランスデューサにおい
てガラス基板3に弾性表面波を励振する場合、圧電磁器
薄板1とガラス基板3との界面で音響インピーダンスの
不整合等によって生じる反射等を考慮する必要がある。
反射係数を最小にする手段としては、超音波トランスデ
ューサにおける表面波速度とガラス基板3単体の表面波
速度とが等しくなるように超音波トランスデューサを設
計すること、表面波の波長λに対する圧電磁器薄板1の
厚さdの割合(d/λ)が小さくなるように超音波トラ
ンスデューサを設計すること等が挙げられる。d値が一
定である場合には3次よりは2次、2次よりは1次モー
ドの方が有効である。
【0031】図12は図2のfd値を弾性表面波の波数
kとdとの積(kd)または弾性表面波の波長λに対す
るdの割合(d/λ)に換算した場合の速度分散曲線を
示す特性図である。本図からも明らかなように、弾性表
面波の波長λに対し圧電磁器薄板1の厚さdが小さくな
るように超音波トランスデューサを設計すればガラス基
板3に効率よく弾性表面波を励振できることが分かる。
【0032】図13は本発明の超音波トランスデューサ
の第2の実施例を示す平面図である。本実施例は圧電磁
器薄板11、すだれ状電極12、すだれ状電極13、す
だれ状電極14、すだれ状電極15および被検体16か
ら成る。圧電磁器薄板11は直径14mm、厚さ220
μmの円板状の圧電セラミックで成り、圧電磁器薄板1
1の分極軸の方向は圧電磁器薄板11の厚さ方向と平行
である。すだれ状電極12,13,14および15はア
ルミニウム薄膜で成り、圧電磁器薄板11上においてそ
れぞれが2.5対の電極指を有する4分割形の円弧状を
成し、それぞれの電極周期長は660μm、開口角は4
5°である。図13の下方部における楕円内には電極指
の部分拡大平面図が示されており、電極周期長が2Pで
表されている。圧電磁器薄板11は厚さ20μmのエポ
キシ系樹脂によって被検体16上に固着されている。被
検体16は厚さ1.5mmの硼珪酸ガラスで成る。図1
3に示す超音波トランスデューサの使用時、すだれ状電
極12,13,14および15を出力用として用いる。
もしも被検体16において超音波レベルの異常音が発生
していれば、被検体16を励振している弾性表面波のう
ちすだれ状電極12,13,14および15の示す中心
周波数とその近傍の周波数の弾性表面波のみが電気信号
に変換されてすだれ状電極12,13,14および15
から出力される。このようにして被検体16に発生する
異常音を検出できる。従って、アクースティック・エミ
ッション等への応用が可能である。
【0033】
【発明の効果】本発明の超音波トランスデューサによれ
ば、すだれ状電極を入力用としこのすだれ状電極から電
気信号を入力する構造を採用することにより、非圧電基
板に弾性表面波を励振させることができる。このときこ
の弾性表面波の位相速度が非圧電基板単体における弾性
表面波の伝搬速度にほぼ等しくなるような構造を採用す
ることにより、すだれ状電極から加えられる電気的エネ
ルギーが弾性表面波に変換される度合を大きくすること
ができるだけでなく、圧電薄板と非圧電基板との界面で
の音響インピーダンスの不整合等によって生じる反射等
を除去することができる。また、すだれ状電極を出力用
とする構造を採用することにより、非圧電基板に励振さ
れている弾性表面波をそのすだれ状電極から電気信号と
して出力させることができる。従って、アクースティッ
ク・エミッション等への応用が可能であり、超音波レベ
ルの異常音の検出が可能となる。たとえば、圧電薄板に
円弧状すだれ状電極を設けた超音波デバイスを被検体と
しての非圧電基板上に備えれば、その非圧電基板に生じ
る超音波レベルの異常音の検出が可能となる。
【0034】すだれ状電極の電極周期長すなわち弾性表
面波の波長λに対する圧電薄板の厚さdの割合(d/
λ)をできるだけ小さくし、すだれ状電極の電極周期長
を1次モードまたは2次以上のモードの弾性表面波の波
長にほぼ等しくする構造を採用することにより、すだれ
状電極から加えられる電気的エネルギーが弾性表面波に
変換される度合を大きくすることができるだけでなく、
圧電薄板と非圧電基板との界面での音響インピーダンス
および場の不整合等によって生じる反射等を除去するこ
とができる。なお、圧電薄板の厚さdを一定にする構造
を採用するならば、すだれ状電極の電極周期長を3次よ
りは2次、2次よりは1次モードの弾性表面波の波長に
ほぼ等しくする構造を併用することにより効果が増大す
る。このことは、たとえば図5に示された関係から理解
することができる。図5においてkのピーク値は3次
よりは2次、2次よりは1次モードの方が大きい。k
が大きいほどすだれ状電極から加えられる電気的エネル
ギーが弾性表面波に変換される度合が大きいことから、
すだれ状電極の電極周期長を3次よりは2次、2次より
は1次モードの弾性表面波の波長に等しくすれば、すだ
れ状電極から加えられる電気的エネルギーが弾性表面波
に変換される度合を増大できる。また、図5から圧電薄
板の厚さdが一定の場合には低周波数側の1次モードの
弾性表面波が最も効率よく圧電薄板に励振されやすいこ
とが分かる。低次の弾性表面波は圧電薄板と非圧電基板
との界面での反射を抑制させる効果がある。従って、圧
電薄板の厚さdを一定にする構造と、すだれ状電極の電
極周期長を3次よりは2次、2次よりは1次モードの弾
性表面波の波長にほぼ等しくする構造とを併用すれば、
すだれ状電極において電気的エネルギーを弾性表面波に
変換する効果を増大できるだけでなく、圧電薄板と非圧
電基板との界面で生じる反射等を除去する効果を増大で
きる。
【0035】圧電薄板として圧電セラミック、PVDF
その他の高分子圧電フィルムを採用することにより、非
圧電基板に効率よく1次モードまたは2次以上のモード
の弾性表面波を励振することができる。圧電セラミック
はその分極軸の方向を厚さ方向と一致させる構造を採用
することにより、非圧電基板に効率よく1次モードまた
は2次以上のモードの弾性表面波を励振することができ
る。
【0036】すだれ状電極を圧電薄板と非圧電基板との
界面に設け圧電薄板の空気側を電気的に短絡状態にした
構造を採用することにより、すだれ状電極に加えられる
電気的エネルギーを効率よく弾性表面波に変換すること
ができる。電気的に短絡状態にするには板面に金属薄膜
を被覆する方法が有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波トランスデューサの第1の実施
例を示す断面図。
【図2】図1の超音波トランスデューサを伝搬する弾性
表面波の速度分散曲線を示す特性図。
【図3】図1の超音波トランスデューサを伝搬する弾性
表面波の速度分散曲線を示す特性図。
【図4】圧電磁器薄板1の異なる2つの電気的境界条件
下での位相速度差から算出した実効的電気機械結合係数
2 とfd値との関係を示す特性図。
【図5】圧電磁器薄板1の異なる2つの電気的境界条件
下での位相速度差から算出した実効的電気機械結合係数
2 とfd値との関係を示す特性図。
【図6】圧電磁器薄板1の異なる2つの電気的境界条件
下での位相速度差から算出した実効的電気機械結合係数
2 とfd値との関係を示す特性図。
【図7】圧電磁器薄板1の異なる2つの電気的境界条件
下での位相速度差から算出した実効的電気機械結合係数
2 とfd値との関係を示す特性図。
【図8】1次モードにおけるk2 の最大値近傍のfd値
(1.0MHz・mm)での変位分布を示す特性図。
【図9】2次モードにおけるk2 の最大値近傍のfd値
(2.0MHz・mm)での変位分布を示す特性図。
【図10】3次モードにおけるk2 の最大値近傍のfd
値(3.0MHz・mm)での変位分布を示す特性図。
【図11】零次モードにおけるfd=0.7MHz・m
mでの変位分布を示す特性図。
【図12】図2のfd値を弾性表面波の波数kとdとの
積(kd)または弾性表面波の波長λに対するdの割合
(d/λ)に換算した場合の速度分散曲線を示す特性
図。
【図13】本発明の超音波トランスデューサの第2の実
施例を示す平面図。
【符号の説明】
1 圧電磁器薄板 2 すだれ状電極 3 ガラス基板 11 圧電磁器薄板 12 すだれ状電極 13 すだれ状電極 14 すだれ状電極 15 すだれ状電極 16 被検体

Claims (7)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電薄板とすだれ状電極とから成る超音
    波デバイスを非圧電基板に設けて成る超音波トランスデ
    ユ−サであって、 前記すだれ状電極は前記圧電薄板における2つの板面
    a,bのうちの板面aに設けられていて、 前記圧電薄板の厚さは前記すだれ状電極の電極周期長以
    下であって、 前記すだれ状電極の電極周期長は1次モードまたは2次
    以上のモードの弾性表面波の波長にほぼ等しいことを特
    徴とする超音波トランスデューサ。
  2. 【請求項2】 前記超音波デバイスのすだれ状電極を入
    力用とし、該すだれ状電極から電気信号を入力すること
    により該超音波デバイスが固着された非圧電基板に1次
    モードまたは2次以上のモードの弾性表面波を励振させ
    る超音波トランスデユ−サであって、 該1次モードまたは2次以上の該モードの弾性表面波の
    位相速度は該非圧電基板単体における弾性表面波の伝搬
    速度にほぼ等しいことを特徴とする請求項1に記載の超
    音波トランスデューサ。
  3. 【請求項3】 前記超音波デバイスのすだれ状電極を出
    力用とし、該超音波デバイスが固着された非圧電基板に
    励振されている1次モードまたは2次以上のモードの弾
    性表面波を該すだれ状電極から電気信号として出力させ
    る超音波トランスデユ−サであって、 該非圧電基板に励振されている該1次モードまたは2次
    以上の該モードの弾性表面波の伝搬速度は、該非圧電基
    板単体に伝搬される弾性表面波の伝搬速度とほぼ等しい
    ことを特徴とする請求項1に記載の超音波トランスデュ
    ーサ。
  4. 【請求項4】 前記圧電薄板が圧電セラミックで成り、
    該圧電セラミックの分極軸の方向は該圧電セラミックの
    厚さ方向と平行であることを特徴とする請求項1,2ま
    たは3に記載の超音波トランスデューサ。
  5. 【請求項5】 前記圧電薄板がPVDFその他の高分子
    圧電フィルムで成ることを特徴とする請求項1,2また
    は3に記載の超音波トランスデューサ。
  6. 【請求項6】 前記圧電薄板は前記板面aを介して前記
    非圧電基板に固着されていることを特徴とする請求項
    1,2,3,4または5に記載の超音波トランスデュー
    サ。
  7. 【請求項7】 前記圧電薄板の前記板面bは金属薄膜で
    被覆されていることを特徴とする請求項6に記載の超音
    波トランスデューサ。
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