JP3296367B2 - 浮き電極をもつ内部反射一方向性弾性表面波素子 - Google Patents

浮き電極をもつ内部反射一方向性弾性表面波素子

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は一方向性弾性表面波素子
に関し、殊にトランスバーサル型弾性表面波フィルタを
構成する際に使用する変換器であってすだれ状電極変換
器(インターディジタルトランスジユーサ、以下ID
T)の電極指間に浮き電極を設けた内部反射一方向性弾
性表面波素子に関する。
【0002】
【従来技術】通常の弾性表面波を励振受信するデバイ
ス、即ちIDT電極によって励振された弾性表面波が当
該デバイスの左右双方向に均等に伝搬する波動を送受
(λ出力)する変換器として用いるタイプのトランスバ
ーサル型弾性表面波フィルタにおいて基本的に存在する
6dBのロスを減少せしめる為、従来から各種の一方向
牲弾性表面波素子が提案されてきた。これらの一方向性
弾性表面波素子は大別すると、(a)3種のIDT電極
指に各々零度、120度及び240度の位相差を有する
信号を印加する三相一方向性弾性表面波変換器。 (b)一般のIDT電極指間を縫ってミアンダラインを
設け、これを接地電極とする、グループ型一方向牲弾性
表面波変換器。 (c)アルミニウムIDT電極指を金の如き大密度金属
の電極指(弾性表面波反射用)とをペアとし弾性表面波
の励振の中心と反射の中心との間隔を励起した波動の波
長の1/8とした内部反射一方向性弾性表面波変換器。
の三種が存在するが、(a)の三相一方向性弾性表面波
変換器は広い周波数範組で波動伝搬の一方向性が保たれ
るものの3本のバスバーの1本から延びる電極指を他の
1本のバスバー上をオーバーブリッジせしめる必要があ
るため、製造が極めて困難であり高価なものとなる。ま
た、かなり複雑な位相器を要するという欠点もある。ま
た、(b)のグループ型一方向性弾性表面波変換器も9
0度位相器(具体的にはコイル)を必要とする上、ミア
ンダラインの総延長が長くなり、オーミックな損失に基
づくフィルタの挿λ損失が大きくなるという欠点があっ
た。さらに(c)の内部反射一方向性弾性表面波変換器
は位相器は不要であるが、アルミニウム電極指の他にこ
れとペアになる金電極指を別途蒸着する必要があり、工
程が複雑になるという欠点があり、いずれも満足すべき
ものではなかった。そこで、本発明者は、一部の電極指
の幅を大きくすることで他の電極指より質量を大きく
し、反射波の対称性を崩すことによって一方向性を得る
技術を提案した(特開平3−204212号)。しか
し、この技術には、電極指の幅が統一されていないこと
により、製造時にホトリソグラフィー工程で電極パター
ンを光学的に露光・現像する際に光ムラが生じやすく、
精度低下による損失が生じるという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述したごと
き従来の一方向性弾性表面波素子の欠陥を除去すべくな
されたものであって、デバイスの製造工程が簡易でかつ
位相器のごとき外部に付加すべき回路を必要とせず、し
かも損失の少ない内部反射一方向性弾性表面波素子を提
供せんとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】上述の課題を解決するた
めに、本発明にかかる内部反射一方向性弾性表面波素子
は、圧電・電歪物質基板の表面或いは圧電薄膜基板にす
だれ状電極変換器を配置して弾性表面波を励振或いは伝
搬してきた弾性表面波を受信する弾性表面素子におい
て、前記すだれ状電極変換器は、正電極指、負電極指、
負電極指、浮き電極指、負電極指、という順に、これら
を一周期として複数周期分の電極指を一方向に等間隔に
並設してなり、基本動作周波数での波長をλとしたと
き、当該すだれ状電極変換器の相隣接する電極指の中心
間距離をλ/5、各電極の幅をλ/10としたものであ
る。
【0005】
【実施例】以下、本発明を図面に示した実施例に基づい
て詳細に説明する。さて、実施例の説明にλる前に本発
明の理解を助けるため、本発明をなすに至った基本的な
考え方について説明するに、庄電・電歪基板上に通常一
般の正負IDT電極を設け、それぞれの電極指の間隔を
λ/2とし、これら両電極問に周波数f=v/λ(ただ
し、vは励起する波動の伝搬速度)なる交流電界を印加
すればλにほぼ等しい弾性表面波が励起され、励起した
弾性表面波は、庄電・電歪基板表面をIDT電極指列に
沿って左右均等に伝搬することは周知である。ここで図
2のように、正負IDT電極2、3を圧電・電歪基板上
に設け、これからすだれ状に延びるIDT電極指4、5
の幅及び空隙を例えばλ/8と仮定し、これらの電極指
間隙の間にいずれの部分とも電気的に非接続の幅及び空
隙がλ/8の浮き電極指7を設けたとしても電極構成の
対称性の為、前記IDT電極指によって励起された波動
の前記浮き電極7による反射は左右均等になされるの
で、このような電極構成を有するデバイスの波動伝搬は
やはり左右均等である。
【0006】そこで、図2において、正電極指4の幅を
λ/10とし、電極指5の幅を電極指4の幅の3倍、即
ち3λ/10とした後、この電極指5を、図1に示すよ
うに、幅が共にλ/10の2つの電極指5、6に分割
し、更に、浮き電極指7の幅をλ/10とし、その隣に
幅がλ/10の負電極指8を設け、相隣接する電極指間
の空隙幅をλ/10として、これらを一周期として周期
的に電極指を形成すれば、励起波と反射波の対称性が崩
れIDT電極指列の左右いずれか一方の方向、この場合
は矢印9の方向に波動エネルギが大となるであろう。即
ち、図1は上述したごとき考え方に基づいて構成した本
発明にかかる浮き電極を有する内部反射一方向性弾性表
面波素子の基本実施例を示す電極構成図であって、基本
動作周波数での波長をλとして、幅がλ/10の正電極
指4を設け、その隣に正電極指4との中心問距離がλ/
5でその幅がλ/10の負電極指5を設け、その隣に負
電極指5との中心問距離がλ/5でその幅がλ/10の
負電極指6を設け、その隣に負電極指6との中心問距離
がλ/5でその幅がλ/10であり、いずれの電極にも
接続されていない開放型の浮き電極指7を設け、その隣
に浮き電極指7との中心問拒離がλ/5でその幅がλ/
10の負電極指8を設け、その隣に負電極指8との中心
問距離がλ/5でその幅がλ/10の正電極指4を設け
て、これらを一周期として電極指を周期的に形成してな
るすだれ状電極変換器とすることにより、励起した波動
エネルギが一方向に強く伝搬するいわゆる一方向性弾性
表面波素子が得られる。この場合、電極指の幅及び間隙
は必ずしも正確にこれらの値である必要はなく、中心周
波数で各々の波の位相が同位相となるような値であれば
よく、すだれ状電極変換器の帯域幅を考えると、上記の
値の±80%の範囲まで許容できる。上述した本発明に
かかる内部反射一方向性弾性表面波素子は、電極指の幅
及び間隙を統一した単純な電極指配列を有しつつも、励
起波と反射波の対称性を崩すことによって一方向性を得
ることができるものであり、本発明者の先の出願(特開
平3−204212号)のものと比べて電極構造が大幅
に単純化されている。したがって、本発明によれば、当
該先の出願のものと比べて電極の設計が容易になるとと
もに、ホトリソグラフィーなどによる電極パターンの形
成精度も向上するため、低損失の内部反射一方向性弾性
表面波素子を当該先の出願のものよりも容易に且つ安価
に製造することができる。また、唯一度の蒸着−露光−
エッチング工程を以て電極形成が可能であり、格別の位
相器も必要としないため、通常一般の弾性表面波素子デ
バイスと同等のコストで安価にデバイスを製造すること
ができる。しかも格別の損失を発生する要因が存在しな
い為、これをλ出力変換器に用いれば、一方向牲弾性表
面波素子本来の特性たるTTE(トリプルトランジット
エコー)に基づくリップルが少なく、挿λ損失の小さな
フィルタを安価に提供することができる。参考までに、
図1の電極構成の内部反射一方向性弾性表面波素子を用
いたフィルタの周波数−挿λ損失特性の測定結果を図3
に示す。この測定結果では、中心周波数4.091Hzで挿λ
損失6.18dBという良好な特性が得られている。なお、以
上の内部反射一方向性弾性表面波素子の動作周波数は、
基本動作周波数における動作角周波数をωとすると、
ω、2ω、3ω、・・・のどの高調波周波数であっても
よい。特に、2倍高調波に対しては、図3に示すように
良好な特性が得られる。また、上記の説明では電極2を
正電極、電極3を負電極としたが、電極2を負電極、電
極3を正電極としてもよいことはいうまでもない。ま
た、同じ位相の浮き電極同士を配線で接続する構造も特
性を良好にする上で有効である。この種の配線は陽極酸
化多層配線法などを用いて容易に形成することができ、
配線を付加することによる素子の特性への影響はない。
【0007】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、デ
バイスの製造工程が簡易でかつ位相器のごとき外部に付
加すべき回路を必要とせず、しかも損失の少ない内部反
射一方向性弾性表面波素子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる浮き電極をもつ内部反射一方向
性弾性表面波素子の実施例を示す電極構成の平面図及び
断面図である。
【図2】本発明の理解を助けるための説明に用いた従来
の弾性表面波素子の平面図である。
【図3】本発明にかかる浮き電極をもつ内部反射一方向
性弾性表面波素子を用いたフィルタの周波数−挿λ損失
特性の測定結果の一例を示す図である。
【符号の説明】
1 基板 2 正IDT電極 3 負IDT電極 4 正電極指 5 負電極指 6 負電極指 7 浮き電極指 8 負電極指 9 波動のエネルギの大さくなる方向

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電・電歪物質基板の表面或いは圧電薄
    膜基板にすだれ状電極変換器を配置して弾性表面波を励
    振或いは伝搬してきた弾性表面波を受信する弾性表面素
    子において、前記すだれ状電極変換器は、正電極指、負
    電極指、負電極指、浮き電極指、負電極指、という順
    に、これらを一周期として複数周期分の電極指を一方向
    に等間隔に並設してなり、基本動作周波数での波長をλ
    としたとき、当該すだれ状電極変換器の相隣接する電極
    指の中心間距離をλ/5、各電極の幅をλ/10とした
    ことを特徴とする浮き電極をもつ内部反射一方向性弾性
    表面波素子。
  2. 【請求項2】 前記基本動作周波数における動作角周波
    数をωとすると、各周波数がNω(但し、N=1、2、
    3、・・・)で動作せしめたことを特徴とする請求項1
    記載の浮き電極をもつ内部反射一方向性弾性表面波素
    子。
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