JP4026031B2 - 超音波タッチパネル - Google Patents

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【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は超音波送受波手段を備えた圧電基板を有する非圧電板の板面に人指または物体が接触した位置を検出する超音波タッチパネルに関する。
【0002】
【従来の技術】
超音波方式による従来のタッチパネルは、非圧電板に弾性表面波を励振させ、その非圧電板に接触することにより弾性表面波が減衰するということを利用したものである。非圧電板に弾性表面波を励振する従来の方法としては、バルク波振動子を用いたくさび形トランスデューサにより間接的に励振する方法、圧電薄膜トランスデューサにより直接的に励振する方法等が挙げられる。くさび形トランスデューサは超音波による非破壊検査等に用いられているが、くさび角の工作精度の問題等から比較的低い周波数領域においてのみ用いられる。圧電薄膜トランスデューサはZnO等の圧電薄膜を基板に蒸着しすだれ状電極により弾性表面波を励振する方法で、すだれ状電極の構成により種々の伝送特性を示すことから高周波デバイスとして用いられるが、UHF,VHF帯に限られるとともに加工性や量産性に問題がある。このようにして、従来の超音波タッチパネルでは応答時間、感度、耐久性、工作精度、加工性、量産性および使用しやすさ等の点で問題があり、使用周波数領域も制限されている。また、従来のタッチパネルは、信号処理の仕方が複雑にならざるを得なかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の超音波タッチパネルでは感度、工作精度、加工性、量産性、消費電力等に問題があるばかりでなく、信号処理の仕方や回路構成等にも問題があった。
本発明の目的は、加工性、耐久性および量産性に優れ、低消費電力駆動で応答時間が短く、信号処理の仕方が簡単で、回路の規模も小さく、使用しやすさに優れた超音波タッチパネルを提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の超音波タッチパネルは、非圧電板、2つの超音波送受波手段、および前記2つの超音波送受波手段に接続された情報処理部から成る超音波タッチパネルであって、前記各超音波送受波手段は入力用および出力用圧電基板と、少なくとも1組の入力用すだれ状電極と、前記入力用すだれ状電極に対応する出力用すだれ状電極から成り、前記入力用および出力用すだれ状電極は、前記入力用および出力用圧電基板それぞれの一方の板面に設けられ、前記入力用および出力用圧電基板は、前記入力用および出力用圧電基板それぞれの前記一方の板面またはもう一方の板面を介して前記非圧電板の一方の板面に固着され、前記出力用すだれ状電極の電極指の交差領域は、1個のグループR(i=1)から成るか、またはN個のグループR(i=1,2,……,N)と2つの前記グループRおよびR(i+1)に挟まれた(Nー1)個の部分Q{i=1,2,……,(N−1)}から成り、前記各グループRは2つの部分RiaおよびRibと、それらに挟まれた部分Rimから成り、前記部分RiaおよびRibそれぞれの電極指の方向は前記入力用すだれ状電極の電極指の方向と平行で、前記部分RiaおよびRibそれぞれの電極周期長は前記入力用すだれ状電極の電極周期長Pと等しく、前記部分Rimの電極指は前記入力用すだれ状電極の電極指に対し角αの傾きを有し、前記部分Rimの電極指に直交する方向での電極指の周期長PRNは、前記電極周期長Pとcosαとの積に等しく、前記部分Rimの電極交差幅には、前記部分Rimの電極指の方向での交差幅LRPと、前記入力用すだれ状電極の電極指に平行な方向での交差幅LRNとの2種類があり、前記交差幅LRPは、前記交差幅LRNとsecαとの積に等しいとともに、前記電極周期長Pの半分とcosecαとの積に等しく、前記部分Qの電極指は前記入力用すだれ状電極の電極指に対し角±βの傾きを有し、前記部分Qの電極指に直交する方向での電極指の周期長PQNは、前記電極周期長Pとcosβとの積に等しく、前記部分Qの電極交差幅には、前記部分Qの電極指の方向での交差幅LQPと、前記入力用すだれ状電極の電極指に平行な方向での交差幅LQNとの2種類があり、前記交差幅LQPは前記交差幅LQNとsecβとの積に等しく、前記部分RiaおよびRibそれぞれの電極交差幅と、前記交差幅LRNと、前記交差幅LQNの合計は、前記入力用すだれ状電極の電極交差幅Lとほぼ等しく、前記入力用すだれ状電極は、前記電極周期長Pにほぼ対応する周波数の電気信号を入力されることにより、前記入力用圧電基板と前記非圧電板から成る2層構造部Bに前記電極周期長Pとほぼ等しい波長を有する弾性波を励振し、その弾性波を前記非圧電板に伝搬させた後、前記出力用圧電基板と前記非圧電板から成る2層構造部Bに伝搬させ、前記部分RiaおよびRibは、前記弾性波を電気信号EiaおよびEib(i=1,2,……,N)にそれぞれ変換し、前記電気信号EiaおよびEibを合成することにより生ずる電気信号の振幅は零であり、前記入力用および出力用すだれ状電極は、前記非圧電板において、前記部分RiaおよびRibそれぞれに対応する超音波伝搬路ZiaおよびZib(i=1,2,……,N)を形成し、前記非圧電板のどちから一方の板面における位置FiaおよびFib(i=1,2,……,N)は前記超音波伝搬路ZiaおよびZibにそれぞれ対応し、前記出力用すだれ状電極は、前記位置FiaまたはFibに人指または物体が接触して前記超音波伝搬路ZiaまたはZibが遮断されたときにのみ、前記電気信号EibまたはEiaを出力し、前記情報処理部は、前記位置Fiaのうちの1つFXaに接触したことを、前記位置FXaと対を成す位置FXbに対応する電気信号EXbが前記出力用すだれ状電極から出力されることにより感知するか、または前記位置FXbに接触したことを、前記位置FXaに対応する電気信号EXaが前記出力用すだれ状電極から出力されることにより感知する。
【0005】
請求項2に記載の超音波タッチパネルは、前記交差幅LQPが、前記電極周期長Pを前記グループRの数Nの2倍で除した値と、cosecβとの積に等しい。
【0006】
請求項3に記載の超音波タッチパネルは、非圧電板、2つの超音波送受波手段、および前記2つの超音波送受波手段に接続された情報処理部から成る超音波タッチパネルであって、前記各超音波送受波手段は入力用および出力用圧電基板と、少なくとも1組の入力用すだれ状電極と、前記入力用すだれ状電極に対応する出力用すだれ状電極から成り、前記入力用および出力用すだれ状電極は、前記入力用および出力用圧電基板それぞれの一方の板面に設けられ、前記入力用および出力用圧電基板は、前記入力用および出力用圧電基板それぞれの前記一方の板面またはもう一方の板面を介して前記非圧電板の一方の板面に固着され、前記入力用すだれ状電極の電極指の交差領域は、N個の部分A(i=1,2,……,N)と、2つの前記部分AおよびA(i+1)に挟まれた(N−1)個の部分B{i=1,2,……,(N−1)}から成り、前記出力用すだれ状電極の電極指の交差領域は、(N+1)個の部分C{i=1,2,……,(N+1)}と、2つの前記部分CおよびC(i+1)に挟まれたN個の部分D(i=1,2,……,N)から成り、前記部分Aの電極指の方向は前記部分Cの電極指の方向と平行で、前記部分Bの電極指は前記部分Aの電極指に対し角−βの傾きを有し、前記部分Bの電極指に直交する方向での電極指の周期長PBNは、前記部分AおよびCの電極周期長Pとcosβとの積に等しく、前記部分Bの電極交差幅には、前記部分Bの電極指の方向での交差幅LBPと、前記部分Aの電極指に平行な方向での交差幅LBNとの2種類があり、前記交差幅LBPは前記交差幅LBNとsecβとの積に等しく、前記部分Dの電極指は前記部分Cの電極指に対し角αの傾きを有し、前記部分Dの電極指に直交する方向での電極指の周期長PDNは、前記電極周期長Pとcosαとの積に等しく、前記部分Dの電極交差幅には、前記部分Dの電極指の方向での交差幅LDPと、前記部分Cの電極指に平行な方向での交差幅LDNとの2種類があり、前記交差幅LDPは、前記交差幅LDNとsecαとの積に等しいとともに、前記電極周期長Pの半分とcosecαとの積に等しく、前記部分Aの電極指の交差幅および前記交差幅LBNの合計は、前記部分Cの電極指の交差幅および前記交差幅LDNの合計にほぼ等しく、前記入力用すだれ状電極は、前記電極周期長Pにほぼ対応する周波数の電気信号を入力されることにより、前記入力用圧電基板と前記非圧電板から成る2層構造部Bに前記電極周期長Pとほぼ等しい波長を有する弾性波を励振し、その弾性波を前記非圧電板に伝搬させた後、前記出力用圧電基板と前記非圧電板から成る2層構造部Bに伝搬させ、前記出力用すだれ状電極は、前記弾性波をN個の電気信号Eia(i=1,2,……,N)およびN個の電気信号Eib(i=1,2,……,N)に変換し、前記電気信号EiaおよびEibを合成することにより生ずる電気信号の振幅は零であり、前記入力用および出力用すだれ状電極は、前記非圧電板において、N個の超音波伝搬路Zia(i=1,2,……,N)およびN個の超音波伝搬路Zib(i=1,2,……,N)を形成し、前記非圧電板のどちらか一方の板面における位置FiaおよびFib(i=1,2,……,N)は前記超音波伝搬路ZiaおよびZibにそれぞれ対応し、前記出力用すだれ状電極は、前記位置FiaまたはFibに人指または物体が接触して前記超音波伝搬路ZiaまたはZibが遮断されたときにのみ、前記電気信号EibまたはEiaを出力し、前記情報処理部は、前記位置Fiaのうちの1つFXaに接触したことを、前記位置FXaと対を成す位置FXbに対応する電気信号EXbが前記出力用すだれ状電極から出力されることにより感知するか、または前記位置FXbに接触したことを、前記位置FXaに対応する電気信号EXaが前記出力用すだれ状電極から出力されることにより感知する。
【0007】
請求項4に記載の超音波タッチパネルは、前記交差幅LBPが、前記電極周期長Pを前記部分Aの数Nの2倍で除した値と、cosecβとの積に等しい。
【0008】
請求項5に記載の超音波タッチパネルは、前記情報処理部が増幅器および信号処理器から成り、前記出力用すだれ状電極の出力端は、前記増幅器を介して前記入力用すだれ状電極の入力端および前記信号処理器の入力端に接続され、前記電気信号EiaおよびEibは、それぞれ周波数fiaおよびfibを有し、前記信号処理器は、接触した前記位置FXaを前記電気信号EXbの周波数fXbを検出することにより特定するか、または接触した前記位置FXbを前記電気信号EXaの周波数fXaを検出することにより特定する。
【0009】
請求項6に記載の超音波タッチパネルは、前記各超音波送受波手段が2つの基準用すだれ状電極を含み、前記基準用すだれ状電極の一方は入力用として、もう一方は出力用として用いられ、2つの前記基準用すだれ状電極の電極指の方向は互いに平行で、前記情報処理部は増幅器、位相比較器および信号処理器から成り、前記もう一方の基準用すだれ状電極の出力端は、前記増幅器を介して、前記一方の基準用すだれ状電極および前記入力用すだれ状電極それぞれの入力端に接続されるとともに前記位相比較器の入力端に接続され、前記出力用すだれ状電極の出力端は前記位相比較器を介して前記信号処理器の入力端に接続され、前記一方の基準用すだれ状電極は、前記電極周期長Pにほぼ対応する周波数の電気信号を入力されることにより、前記2層構造部Bに前記電極周期長Pとほぼ等しい波長を有する弾性波を励振し、その弾性波を前記非圧電板中に伝搬させた後、前記2層構造部Bに伝搬させ、前記もう一方の基準用すだれ状電極は、前記弾性波を位相θbaseを有する電気信号に変換して出力し、前記電気信号EiaおよびEibは、それぞれ位相θiaおよびθibを有し、前記位相比較器は前記位相θbaseと、前記位相θiaまたはθibとの差を検出し、前記信号処理器は、接触した前記位置FXaを前記位相θbaseと前記電気信号EXbの位相θXbとの差に基づいて特定するか、または接触した前記位置FXbを前記位相θbaseと前記電気信号EXaの位相θXaとの差に基づいて特定する。
【0010】
請求項7に記載の超音波タッチパネルは、前記2層構造部Bに励振する前記弾性波はSモードおよび1次以上の高次モードの波で、前記2層構造部Bに励振される前記弾性波の位相速度は、前記弾性波の周波数fと前記各圧電基板の厚さdとの積fdが零の近傍にある場合のSモードの弾性波の位相速度Vfd=0とほぼ等しく、前記非圧電板の厚さhは前記各圧電基板の厚さdよりも小さく、前記各圧電基板の厚さdは前記電極周期長Pよりも小さく、前記非圧電板単体に伝搬する弾性波の位相速度は、前記各圧電基板単体に伝搬する弾性波の位相速度よりも大きい。
【0011】
請求項8に記載の超音波タッチパネルは、前記2層構造部Bに励振する前記弾性波はSモードおよび1次以上の高次モードの波で、前記2層構造部Bに励振される前記弾性波の位相速度は、前記弾性波の周波数fと前記各圧電基板の厚さdとの積fdが零の近傍にある場合のSモードの弾性波の位相速度Vfd=0とほぼ等しく、前記非圧電板の厚さhは前記各圧電基板の厚さdとほぼ等しく、前記各圧電基板の厚さdは前記電極周期長Pよりも小さく、前記非圧電板単体に伝搬する弾性波の位相速度は、前記各圧電基板単体に伝搬する弾性波の位相速度とほぼ等しい。
【0012】
請求項9に記載の超音波タッチパネルは、前記2層構造部Bに励振する前記弾性波はSモードおよび1次以上の高次モードの波で、前記2層構造部Bに励振される前記弾性波の位相速度は、前記弾性波の周波数fと前記各圧電基板の厚さdとの積fdが零の近傍にある場合のSモードの弾性波の位相速度Vfd=0とほぼ等しく、前記非圧電板の厚さhは前記各圧電基板の厚さdよりも大きく、前記各圧電基板の厚さdは前記電極周期長Pよりも小さく、前記非圧電板単体に伝搬する弾性波の位相速度は、前記各圧電基板単体に伝搬する弾性波の位相速度よりも小さい。
【0013】
請求項10に記載の超音波タッチパネルは、前記各圧電基板が圧電セラミックで成り、前記圧電セラミックの分極軸の方向は前記圧電セラミックの厚さ方向と平行である。
【0014】
請求項11に記載の超音波タッチパネルは、一方の前記超音波送受波手段における前記超音波伝搬路ZiaおよびZibと、もう一方の前記超音波送受波手段における前記超音波伝搬路ZiaおよびZibとが互いに直交している。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明の超音波タッチパネルは非圧電板と、その非圧電板の一方の板面に設けられた2つの超音波送受波手段と、その2つの超音波送受波手段に接続された情報処理部から成る。各超音波送受波手段は入力用および出力用圧電基板と、少なくとも1組の入力用すだれ状電極と、入力用すだれ状電極に対応する出力用すだれ状電極から成る。入力用および出力用すだれ状電極はそれぞれ入力用および出力用圧電基板の一方の板面に設けられている。入力用および出力用圧電基板は、それらの一方の板面またはもう一方の板面を介して非圧電板の一方の板面に固着されている。
【0016】
本発明の超音波タッチパネルの第1の構造では、入力用すだれ状電極は正規型の構造を有する。出力用すだれ状電極の電極指の交差領域は、1個のグループR(i=1)のみから成るか、またはN個のグループR(i=1,2,……,N)と2つのグループRおよびR(i+1)に挟まれた(Nー1)個の部分Q{i=1,2,……,(N−1)}から成る。各グループRは2つの部分RiaおよびRibと、それらに挟まれた部分Rimから成る。部分RiaおよびRibそれぞれの電極指の方向は入力用すだれ状電極の電極指の方向と平行で、部分RiaおよびRibそれぞれの電極周期長は入力用すだれ状電極の電極周期長Pと等しい。部分Rimの電極指は入力用すだれ状電極の電極指に対し角αの傾きを有し、部分Rimの電極指に直交する方向での電極指の周期長PRNは、電極周期長Pとcosαとの積に等しい。部分Rimの電極交差幅には、部分Rimの電極指の方向での交差幅LRPと、入力用すだれ状電極の電極指に平行な方向での交差幅LRNとの2種類があり、交差幅LRPは、交差幅LRNとsecαとの積に等しいとともに、電極周期長Pの半分とcosecαとの積に等しい。部分Qの電極指は入力用すだれ状電極の電極指に対し角±βの傾きを有し、部分Qの電極指に直交する方向での電極指の周期長PQNは、電極周期長Pとcosβとの積に等しい。部分Qの電極交差幅には、部分Qの電極指の方向での交差幅LQPと、入力用すだれ状電極の電極指に平行な方向での交差幅LQNとの2種類があり、交差幅LQPは交差幅LQNとsecβとの積に等しい。さらに、交差幅LQPは、電極周期長PをグループRの数Nの2倍で除した値(P/2N)と、cosecβとの積に等しい値をとることが可能である。部分RiaおよびRibそれぞれの電極交差幅と、交差幅LRNと、交差幅LQNの合計は、入力用すだれ状電極の電極交差幅Lとほぼ等しい。
【0017】
本発明の超音波タッチパネルの第1の構造では、入力用すだれ状電極に電極周期長Pにほぼ対応する周波数の電気信号を入力することにより、入力用圧電基板と非圧電板から成る2層構造部Bに電極周期長Pとほぼ等しい波長を有する弾性波を励振することができる。弾性波は非圧電板に伝搬された後、出力用圧電基板と非圧電板から成る2層構造部Bに伝搬され、部分RiaおよびRibによって電気信号EiaおよびEib(i=1,2,……,N)にそれぞれ変換される。このとき、電気信号EiaおよびEibを合成することにより生ずる電気信号の振幅は零となる。これは、交差幅LRPが、交差幅LRNとsecαとの積に等しいとともに、電極周期長Pの半分とcosecαとの積に等しいことに起因する。入力用および出力用すだれ状電極は、非圧電板において、部分RiaおよびRibそれぞれに対応する超音波伝搬路ZiaおよびZib(i=1,2,……,N)を形成する。すなわち、入力用および出力用すだれ状電極で励起あるいは受波される弾性波は、電極指に直交する方向で、しかも弾性波の波面の幅はすだれ状電極の交差幅に相当するものとみなされていることから、入力用および出力用すだれ状電極の間には、非圧電板において、部分R ia およびR ib それぞれに対応する超音波伝搬路Z ia およびZ ib が形成されることとなる。このようにして、入力用および出力用すだれ状電極の間に、グループRの数Nの2倍(2N個)の超音波伝搬路が存在することになり、非圧電板のどちから一方の板面における位置FiaおよびFib(i=1,2,……,N)を超音波伝搬路ZiaおよびZibにそれぞれ対応させることができる。従って、非圧電板のどちらか一方の板面のいずれかの位置を接触する場合には、その接触位置は、必ず超音波伝搬路Z ia およびZ ib に対応することとなる。言い換えれば、非圧電板のどちらか一方の板面上には、必ず超音波伝搬路Z ia およびZ ib それぞれに対応する位置F ia およびF ib が存在することとなる。
もしも、位置FiaまたはFibを人指または物体が接触すると、位置FiaまたはFibそれぞれに対応する超音波伝搬路ZiaまたはZibが遮断され、このとき、電気信号EibまたはEiaが出力用すだれ状電極から出力される。すなわち、電気信号E ib またはE ia のみが出力信号として姿を見せることになるのである。このようにして、情報処理部は、位置Fiaのうちの1つFXaに接触したことを、その位置FXaと対を成す位置FXbに対応する電気信号EXbが出力用すだれ状電極から出力されることにより感知している。つまり、位置F Xa におけるxはiのうちの1つであり、たとえばi=2の場合には、F Xa =F 2a となるが、この場合、位置F 2a と対を成す位置F 2b に対応する電気信号E 2b が出力用すだれ状電極から出力されることとなり、このようにして、位置F 2a に接触したことが感知される。同様にして情報処理部は、位置FXbに接触したことを、位置FXaに対応する電気信号EXaが出力用すだれ状電極から出力されることにより感知している。このようにして、本発明の超音波タッチパネルは、接触された位置FiaまたはFibにそれぞれ対応する電気信号EibまたはEiaを出力することを可能にしている。
【0018】
本発明の超音波タッチパネルの第2の構造では、入力用すだれ状電極の電極指の交差領域は、N個の部分A(i=1,2,……,N)と、2つの部分AおよびA(i+1)に挟まれた(N−1)個の部分B{i=1,2,……,(N−1)}から成り、出力用すだれ状電極の電極指の交差領域は、(N+1)個の部分C{i=1,2,……,(N+1)}と、2つの部分CおよびC(i+1)に挟まれたN個の部分D(i=1,2,……,N)から成る。部分Aの電極指の方向は部分Cの電極指の方向と平行である。部分Bの電極指は部分Aの電極指に対し角−βの傾きを有し、部分Bの電極指に直交する方向での電極指の周期長PBNは、部分AおよびCの電極周期長Pとcosβとの積に等しい。部分Bの電極交差幅には、部分Bの電極指の方向での交差幅LBPと、部分Aの電極指に平行な方向での交差幅LBNとの2種類がある。交差幅LBPは交差幅LBNとsecβとの積に等しい。さらに、交差幅LBPは、電極周期長Pを部分Aの数Nの2倍で除した値(P/2N)と、cosecβとの積に等しい値をとることが可能である。部分Dの電極指は部分Cの電極指に対し角αの傾きを有し、部分Dの電極指に直交する方向での電極指の周期長PDNは、電極周期長Pとcosαとの積に等しい。部分Dの電極交差幅には、部分Dの電極指の方向での交差幅LDPと、部分Cの電極指に平行な方向での交差幅LDNとの2種類がある。交差幅LDPは、交差幅LDNとsecαとの積に等しいとともに、電極周期長Pの半分とcosecαとの積に等しい。部分Aの電極指の交差幅および交差幅LBNの合計は、部分Cの電極指の交差幅および交差幅LDNの合計にほぼ等しい。
【0019】
本発明の超音波タッチパネルの第2の構造では、入力用すだれ状電極に電極周期長Pにほぼ対応する周波数の電気信号を入力することにより、2層構造部Bに電極周期長Pとほぼ等しい波長を有する弾性波を励振することができる。弾性波は非圧電板に伝搬された後、2層構造部Bに伝搬され、出力用すだれ状電極によってN個の電気信号Eia(i=1,2,……,N)およびN個の電気信号Eib(i=1,2,……,N)に変換される。電気信号EiaおよびEibを合成することにより生ずる電気信号の振幅は零となる。これは、交差幅LDPが、交差幅LDNとsecαとの積に等しいとともに、電極周期長Pの半分とcosecαとの積に等しいことに起因する。入力用および出力用すだれ状電極は、非圧電板において、N個の超音波伝搬路Zia(i=1,2,……,N)およびN個の超音波伝搬路Zib(i=1,2,……,N)を形成する。つまり、入力用および出力用すだれ状電極の間に、部分Aの数Nの2倍(2N個)の超音波伝搬路が存在することになり、超音波伝搬路Ziaは部分AとCの間に、超音波伝搬路Zibは部分AとC(i+1)の間にある。非圧電板のどちから一方の板面における位置FiaおよびFib(i=1,2,……,N)を超音波伝搬路ZiaおよびZibにそれぞれ対応させることができる。もしも、位置FiaまたはFibを人指または物体が接触すると、位置FiaまたはFibそれぞれに対応する超音波伝搬路ZiaまたはZibが遮断され、このとき、電気信号EibまたはEiaが出力用すだれ状電極から出力される。情報処理部は、位置Fiaのうちの1つFXaに接触したことを、その位置FXaと対を成す位置FXbに対応する電気信号EXbが出力用すだれ状電極から出力されることにより感知している。同様にして情報処理部は、位置FXbに接触したことを、位置FXaに対応する電気信号EXaが出力用すだれ状電極から出力されることにより感知している。このようにして、本発明の超音波タッチパネルは、接触された位置FiaまたはFibにそれぞれ対応する電気信号EibまたはEiaを出力することを可能にしている。
【0020】
本発明の超音波タッチパネルでは、接触された位置FiaまたはFibを、出力電気信号EibまたはEiaそれぞれの周波数fibまたはfiaによって特定することが可能である。この場合、情報処理部は増幅器および信号処理器から成る。出力用すだれ状電極の出力端は、増幅器を介して入力用すだれ状電極の入力端および信号処理器の入力端に接続される。信号処理器は、接触された位置FXaを電気信号EXbの周波数fXbを検出することにより特定する。同様にして、接触された位置FXbを電気信号EXaの周波数fXaを検出することにより特定する。つまり、位置F ia のうちの1つ位置F Xa を接触する場合、位置F Xa におけるxはiのうちの1つであり、たとえばi=2の場合には、F Xa =F 2a となるが、この場合、位置F 2a と対を成す位置F 2b に対応する出力電気信号E 2b の周波数f 2b が検出されることとなり、結果として、位置F 2a に接触したことが特定される。同様にして、位置F ib のうちの1つ位置F Xb を接触する場合、i=2の場合には、F Xb =F 2b となり、位置F 2b と対を成す位置F 2a に対応する出力電気信号E 2a の周波数f 2a が検出されることとなり、結果として、位置F 2b に接触したことが特定される。
【0021】
本発明の超音波タッチパネルでは、接触された位置FiaまたはFibを、出力電気信号EibまたはEiaそれぞれの位相θibまたはθiaと、基準となる位相θbaseとの差から特定することが可能である。この場合、情報処理部は増幅器、位相比較器および信号処理器から成り、各超音波送受波手段は2つの基準用すだれ状電極を含み、その一方は入力用として、もう一方は出力用として用いられる。2つの基準用すだれ状電極の電極指の方向は互いに平行である。出力用としての基準用すだれ状電極の出力端は、増幅器を介して、入力用としての基準用すだれ状電極および入力用すだれ状電極それぞれの入力端に接続されるとともに、位相比較器の入力端に接続される。出力用すだれ状電極の出力端は位相比較器を介して信号処理器の入力端に接続される。入力用としての基準用すだれ状電極に電極周期長Pにほぼ対応する周波数の電気信号を入力することにより、2層構造部Bに電極周期長Pとほぼ等しい波長を有する弾性波を励振することができる。弾性波は非圧電板に伝搬された後、2層構造部Bに伝搬され、出力用としての基準用すだれ状電極によって位相θbaseを有する電気信号に変換して出力される。もしも位置F ib のうちの1つ位置FXbに接触すると、電気信号E Xa が出力されるので、位相比較器において位相θbase、電気信号E Xa の位相θXaとの差(θbase−θXa)が検出され、位置F ia のうちの1つ位置FXaに接触すると位相比較器において位相θbase、電気信号E Xb の位相θ Xb との差(θbaseθ Xb )が検出される。信号処理器は、接触された位置FXaを位相差(θbase−θXb)に基づいて特定する。同様にして、接触された位置FXbを位相差(θbase−θXa)に基づいて特定する。このようにして、もしも位置F ib のうちの1つ位置F Xb に接触する場合、位置F Xb におけるxはiのうちの1つであり、たとえばi=2の場合には、F Xb =F 2b となるが、この場合、位置F 2b と対を成す位置F 2a に対応する電気信号E 2a が出力されるので、位相比較器においては位相θ base とθ 2a との差(θ base −θ 2a )が検出されることとなり、結果として、位置F 2b に接触したことが特定される。同様にして、位置F ia のうちの1つ位置F Xa を接触する場合、i=2の場合には、F Xa =F 2a となり、位置F 2a と対を成す位置F 2b に対応する電気信号E 2b が出力されるので、位相比較器においては位相θ base とθ 2b との差(θ base −θ 2b )が検出されることとなり、結果として、位置F 2a に接触したことが特定される。
【0022】
本発明の超音波タッチパネルでは、非圧電板の厚さhが各圧電基板の厚さdよりも小さく、各圧電基板の厚さdが電極周期長Pよりも小さいような構造が可能である。この場合、非圧電板として、非圧電板単体に伝搬する弾性波の位相速度が各圧電基板単体に伝搬する弾性波の位相速度よりも大きい物質が採用される。入力用すだれ状電極に電気信号を入力することにより2層構造部Bに励振される弾性波はSモードおよび1次以上の高次モードの波であり、その位相速度は、弾性波の周波数fと各圧電基板の厚さdとの積fdが零の近傍にある場合のSモードの弾性波の位相速度Vfd=0とほぼ等しくなる。
【0023】
本発明の超音波タッチパネルでは、非圧電板の厚さhが各圧電基板の厚さdとほぼ等しく、各圧電基板の厚さdが電極周期長Pよりも小さいような構造が可能である。この場合、非圧電板として、非圧電板単体に伝搬する弾性波の位相速度が各圧電基板単体に伝搬する弾性波の位相速度とほぼ等しい物質が採用される。入力用すだれ状電極に電気信号を入力することにより2層構造部Bに励振される弾性波はSモードおよび1次以上の高次モードの波であり、その位相速度は、Vfd=0値とほぼ等しくなる。
【0024】
本発明の超音波タッチパネルでは、非圧電板の厚さhが各圧電基板の厚さdよりも大きく、各圧電基板の厚さdが電極周期長Pよりも小さいような構造が可能である。この場合、非圧電板として、非圧電板単体に伝搬する弾性波の位相速度が各圧電基板単体に伝搬する弾性波の位相速度よりも小さい物質が採用される。入力用すだれ状電極に電気信号を入力することにより2層構造部Bに励振される弾性波はSモードおよび1次以上の高次モードの波であり、その位相速度は、Vfd=0値とほぼ等しくなる。
【0025】
本発明の超音波タッチパネルでは、圧電基板として圧電セラミックを採用し、その圧電セラミックの分極軸の方向が厚さdの方向と平行であるような構造を採用することにより、設計しやすさに優れたデバイスを提供することができる。
【0026】
本発明の超音波タッチパネルでは、一方の超音波送受波手段における超音波伝搬路ZiaおよびZibと、もう一方の超音波送受波手段における超音波伝搬路ZiaおよびZibとが互いに直交する構造を採用することにより、互いに直交するそれらの伝搬路をそれぞれX軸およびY軸とする2次元の座標によって接触位置を表わすことが可能となる。
【0027】
【実施例】
図1は本発明の超音波タッチパネルの第1の実施例を示す断面図である。本実施例は非圧電板1、X軸方向の超音波送受波手段X、Y軸方向の超音波送受波手段Yおよび情報処理部Zから成る。各超音波送受波手段は入力用すだれ状電極3、および出力用すだれ状電極4を含む。また、各超音波送受波手段は共通の基板としての圧電基板2を含む。図1では非圧電板1および超音波送受波手段Xのみが描かれている。すだれ状電極3および4はアルミニウム薄膜で成り、10対の電極指を有し、圧電基板2の下端面に設けられている。非圧電板1はガラスの他、フッ素樹脂、アクリル樹脂またはプラスチック等の高分子化合物で成り、その厚さhは150μmである。圧電基板2は枠型構造を成し、厚さdが1mmの圧電セラミックで成り、その分極軸の方向は厚さdの方向と平行である。圧電基板2は非圧電板1の下端面に固着されている。非圧電板1と圧電基板2は2層構造部BおよびBを形成する。
【0028】
図2は図1の超音波タッチパネルを下方から見たときの平面図である。但し、図2では情報処理部Zは描かれていない。圧電基板2は枠型構造の一方の端にすだれ状電極3が、もう一方の端にすだれ状電極4が設けられている。圧電基板2の代わりに、それぞれ独立した4つの圧電基板を採用し、その4つの圧電基板それぞれにすだれ状電極3または4を設けた構造も可能である。
【0029】
図3はすだれ状電極3と4との間の相対的な構造を示す図である。すだれ状電極3は正規型の構造を有し、その電極周期長Pは1.6mmで、電極交差幅Lは15mmである。すだれ状電極4の電極指の交差領域は、1個のグループRから成り、グループRは2つの部分R1aおよびR1bとそれらに挟まれた部分R1mから成る。部分R1aおよびR1bそれぞれの電極指の方向はすだれ状電極3の電極指の方向と平行で、部分R1aおよびR1bそれぞれの電極周期長はすだれ状電極3の電極周期長Pと等しい。
【0030】
図4は部分R1mの拡大平面図である。部分R1mの電極指はすだれ状電極3の電極指に対し角αの傾きを有し、部分R1mの電極指に直交する方向での電極指の周期長PRNは、電極周期長Pとcosαとの積に等しい。部分R1mの電極交差幅には、部分R1mの電極指の方向での交差幅LRPと、すだれ状電極3の電極指に平行な方向での交差幅LRNとの2種類がある。交差幅LRPは、交差幅LRNとsecαとの積に等しいとともに、電極周期長Pの半分とcosecαとの積に等しい。なお、部分R1aおよびR1bそれぞれの電極交差幅(7mm)と、部分R1mの交差幅LRN(1mm)の合計は、すだれ状電極3の電極交差幅L(15mm)と等しい。
図3および4より、部分R 1m とR 1a との境界付近と、部分R 1m とR 1b との境界付近とでは、すだれ状電極3からの距離において、電極周期長Pの半分に相当する分の相違を生ずることがわかる。このことは、すだれ状電極3と部分R 1a との距離と、すだれ状電極3と部分R 1b との距離とでは、電極周期長Pの半分に相当する分の相違があることを意味する。
【0031】
図5は図1の超音波タッチパネルの回路構成図である。図5の回路には情報処理部Zが含まれ、情報処理部Zは増幅器5および信号処理器6から成る。すだれ状電極4の出力端は、増幅器5を介してすだれ状電極3の入力端および信号処理器6の入力端に接続されている。電極周期長Pにほぼ対応する周波数の電気信号をすだれ状電極3に入力すると、2層構造部Bに電極周期長Pとほぼ等しい波長を有する弾性波が励振される。この弾性波は非圧電板1に伝搬された後、2層構造部Bに伝搬される。このとき、部分R 1m という電極部に注目した場合、部分R 1m が入力用のすだれ状電極3に対して傾斜していることから、すだれ状電極3から伝搬する弾性波を受信することができず、その結果、部分R 1m 自体における電気信号の出力は零となる。一方、入力用のすだれ状電極3に対して平行な部分R 1a およびR 1b に着目した場合、部分R 1a およびR 1b が、すだれ状電極3からの距離において、【0030】で述べたように、電極周期長Pの半分に相当する分の相違があることから、すだれ状電極3から部分R 1a に至る遅延伝搬距離と、すだれ状電極3から部分R 1b に至る遅延伝搬距離が、伝搬する弾性波の波長の 2 分の1周期分ずれるという結果をもたらすこととなる。その結果、部分R 1a およびR 1b に到達した弾性波が、部分R1aおよびR1bによって周波数f1aおよびf1bを有する電気信号E1aおよびE1bにそれぞれ変換される際、電気信号E1aおよびE1bを合成することにより生ずる電気信号の振幅は、部分R 1m という電極部で電気的に結合する結果として零となる。従って、部分R 1a およびR 1b の電気信号の和の出力は零となる。その結果、すだれ状電極4全体から電気信号が出力されることはない。
このようにして、部分R 1m が、部分R 1a およびR 1b の間に存在し、しかも、【0030】および図4で明示されている条件を具備することが、結果として、すだれ状電極4での出力電気信号を零とする。
すだれ状電極3および4は、2層構造部BおよびBに挟まれた非圧電板1において、部分R1aおよびR1bそれぞれに対応する超音波伝搬路Z1aおよびZ1bを形成する。非圧電板1の上端面または下端面における位置F1aおよびF1bを超音波伝搬路ZiaおよびZibにそれぞれ対応させることができる。もしも、位置F1aを人指または物体が接触すると、位置F1aに対応する超音波伝搬路Z1aが遮断され、このとき、電気信号E1bが出力用すだれ状電極4から出力される。同様にして、位置F1bを接触すると位置F1bに対応する超音波伝搬路Z1bが遮断され、電気信号E1aが出力用すだれ状電極4から出力される。言い換えれば、位置F 1b を接触すると、位置F 1b と対を成す位置F 1a に対応する電気信号E 1a がすだれ状電極4から出力され、位置F 1a を接触すると、位置F 1a と対を成す位置F 1b に対応する電気信号E 1b がすだれ状電極4から出力されることとなる。すなわち、接触しない場合には、部分R 1m を含むすだれ状電極4全体としての出力電気信号は零であるが、接触することにより電気信号E 1a またはE 1b がすだれ状電極4から出力されることとなる。つまり、非圧電板1の板面を接触しない場合には、すだれ状電極4から電気信号が出力されることはないが、位置F1bを接触すると周波数f1aを有する電気信号E1aが、位置F1aを接触すると周波数f1bを有する電気信号E1bが信号処理器6で検出される。このようにして、信号処理器6で検出される電気信号の周波数から、位置F1aおよびF1bのどちらに接触したかが分かる。しかも、超音波送受波手段Xに関する接触位置と、超音波送受波手段Yに関する接触位置は同時に検出される。本実施例では、2つの超音波送受波手段XおよびYが用いられ、超音波送受波手段Xにおける超音波伝搬路Z1aおよびZ1bと、超音波送受波手段Yにおける超音波伝搬路Z1aおよびZ1bとが互いに直交していることから、互いに直交するそれらの伝搬路をそれぞれX軸およびY軸とする2次元の座標によって接触位置を表わすことが可能となる。すだれ状電極4から出力される電気信号E1aまたはE1bは増幅器5によって増幅され、増幅された電気信号の一部はすだれ状電極3に再び入力される。このようにして、接触時にのみ超音波伝搬路Z1aまたはZ1bを遅延素子とする発振器が構成されることから、低消費電力駆動が可能となるばかりでなく、回路構成も簡単になる。
【0032】
図6は図1の2層構造部Bにおける圧電基板2単体の異なる2つの電気的境界条件下での位相速度差から算出した電気機械結合係数kと、弾性波の周波数fと圧電基板2の厚さdとの積(fd)との関係を示す特性図である。但し、図6では、非圧電板1が非圧電板1単体を伝搬する弾性波の横波の速度が4203m/sで縦波の速度が7604m/sであるような材質で成る場合の特性図が示される。この横波速度4203m/sおよび縦波速度7604m/sという値は、圧電基板2単体の場合の横波速度2450m/sおよび縦波速度4390m/sそれぞれのほぼ1.7倍である。図6ではAモードのk値のみが常に5%を下回っている。従って、Aモードを除くモード、つまりSモードおよび1次(AおよびS)以上の高次モードの弾性波が効率よく2層構造部Bに励振されることが分かる。すだれ状電極3に加えられる電気的エネルギーは、たとえばAモードの弾性波に最も変換されやすいのはfd値が約3.8MHz・mmのときであり、このときk値は最大値の約14%に達する。ここでのk値は、弾性表面波用の圧電基板として実用域にあるLiNbO単結晶が5%程度の値であることと比較しても評価に値することが明らかである。
【0033】
図7は図1の2層構造部Bを伝搬する弾性波の速度分散曲線を示す特性図であり、fd値に対する各モードの位相速度を示す図である。但し、図7では、非圧電板1が図6と同様な材質で成る場合の特性図が示される。●印は、すだれ状電極3に加えられる電気的エネルギーが各モードの弾性波に最も効率よく変換されるfd値(図6から算出した値で、kが最大値を示すfd値)を示す。図7ではfd値が零の近傍にある場合のSモードの弾性波の位相速度Vfd=0は約3750m/sである。●印における位相速度はほぼVfd=0値と等しいことが分かる。このようにして、2層構造部Bに励振される弾性波の位相速度とVfd=0値とがほぼ一致するときのfd値がkの最大値をもたらすことが分かる。
【0034】
図8は本発明の超音波タッチパネルの第2の実施例を示す平面図である。図8は超音波タッチパネルを下方から見たときの平面図であり、図2に対応している。本実施例は非圧電板1、超音波送受波手段XおよびY、および情報処理部Zから成る。但し、図8では情報処理部Zは描かれていない。各超音波送受波手段は4つのすだれ状電極3およびそれらに対応する4つのすだれ状電極4を含む。また、各超音波送受波手段は共通の基板としての圧電基板2を含む。
【0035】
図9は図8の超音波タッチパネルの回路構成図である。図9の回路ではスイッチ7と情報処理部Zが含まれ、情報処理部Zは増幅器5および信号処理器6から成る。すだれ状電極4の出力端は互いに1つの接続点で接続され、その接続点は、増幅器5を介してスイッチ7の入力端および信号処理器6の入力端に接続されている。スイッチ7は、4つのすだれ状電極3に順番に電気信号を入力する機能を有する。スイッチ7を介してすだれ状電極3から電気信号を入力すると、2層構造部Bに弾性波が励振される。この弾性波は非圧電板1に伝搬された後、2層構造部Bに伝搬され、部分R1aおよびR1bによって、周波数f1aおよびf1bを有する電気信号E1aおよびE1bにそれぞれ変換される。もしも、位置F1bを接触すると周波数f1aを有する電気信号E1aが、位置F1aを接触すると周波数f1bを有する電気信号E1bが信号処理器6で検出される。このようにして、信号処理器6で検出される電気信号の周波数と、電気信号が検出された時に接続されていた唯1つのすだれ状電極3を判別することにより接触位置が明らかになる。超音波送受波手段Xに関する接触位置と、超音波送受波手段Yに関する接触位置は同時に検出される。すだれ状電極4から出力される電気信号E1aまたはE1bは増幅器5によって増幅され、増幅された電気信号の一部はスイッチ7を介してすだれ状電極3に再び入力される。このようにして、接触時にのみ超音波伝搬路Z1aまたはZ1bを遅延素子とする発振器が構成されることから、低消費電力駆動が可能となるばかりでなく、回路構成も簡単になる。
【0036】
図10は本発明の超音波タッチパネルの第3の実施例を示す平面図である。図10は超音波タッチパネルを下方から見たときの平面図であり、図2に対応している。本実施例は非圧電板1、超音波送受波手段XおよびY、および情報処理部Zから成る。但し、図10では情報処理部Zは描かれていない。各超音波送受波手段は基準用すだれ状電極8および9と、4つのすだれ状電極3およびそれらに対応する4つのすだれ状電極4を含む。また、各超音波送受波手段は共通の基板としての圧電基板2を含む。
【0037】
図11は図10の超音波タッチパネルの回路構成図である。図11の回路では増幅器5、スイッチ7および情報処理部Zが含まれ、情報処理部Zは増幅器10、位相比較器11および信号処理器6から成る。すだれ状電極4の出力端は互いに1つの接続点で接続され、その接続点は、増幅器5を介して位相比較器11の入力端に接続されている。すだれ状電極9の出力端は、増幅器10を介して、すだれ状電極8の入力端およびスイッチ7の入力端に接続されるとともに位相比較器11の入力端に接続されている。スイッチ7は、4つのすだれ状電極3に順番に電気信号を入力する機能を有する。すだれ状電極8から電気信号を入力すると、2層構造部Bに弾性波が励振される。この弾性波は非圧電板1に伝搬された後、2層構造部Bに伝搬され、すだれ状電極9によって位相θbaseを有する電気信号に変換され出力されて、増幅器10によって増幅される。増幅された電気信号の一部(マル1)はすだれ状電極8およびスイッチ7に入力される。このようにして、すだれ状電極8と9との間の超音波伝搬路を遅延素子とする発振器を構成することができる。増幅された電気信号の残部(マル2)は位相比較器11に入力される。スイッチ7を介してすだれ状電極3から電気信号を入力すると、2層構造部Bに弾性波が励振される。この弾性波は非圧電板1に伝搬された後、2層構造部Bに伝搬され、部分R1aおよびR1bによって、位相θ1aおよびθ1bを有する電気信号E1aおよびE1bにそれぞれ変換される。もしも、位置F1bを接触すると電気信号E1aが、位置F1aを接触すると電気信号E1bがすだれ状電極4から出力される。このとき、位相比較器11では位相θbaseと、位相θ1aまたはθ1bとの差が検出される。信号処理器6はこの位相差と、この位相差が検出された時に接続されていた唯1つのすだれ状電極3を判別することにより接触位置を特定している。超音波送受波手段Xに関する接触位置と、超音波送受波手段Yに関する接触位置は同時に検出される。
【0038】
図12は本発明の超音波タッチパネルの第4の実施例を示す平面図である。本実施例は第1の実施例の出力用すだれ状電極4が出力用すだれ状電極12に置き換わった構造を有する。但し、図12では非圧電板1、圧電基板2、すだれ状電極3および12のみが描かれている。図12は超音波タッチパネルを下方から見たときの平面図であり、図2に対応している。
【0039】
図13はすだれ状電極3と12との間の相対的な構造を示す図である。図13は図3に対応している。すだれ状電極12の電極指の交差領域は、2個のグループRおよびRと1個の部分Qから成り、部分QはグループRおよびRの間にある。グループRは2つの部分R1aおよびR1bとそれらに挟まれた部分R1mから成り、グループRは2つの部分R2aおよびR2bとそれらに挟まれた部分R2mから成る。部分R1a,R1b,R2aおよびR2bそれぞれの電極指の方向はすだれ状電極3の電極指の方向と平行で、部分R1a,R1b,R2aおよびR2bそれぞれの電極周期長はすだれ状電極3の電極周期長Pと等しい。部分R1mおよびR2mの構造は図4に示されている構造と同様である。
【0040】
図14は部分Qの拡大平面図である。部分Qの電極指はすだれ状電極3の電極指に対し角−βの傾きを有する。本実施例では、このように−βの傾きを有するが、+βの傾きを有する場合も可能である。部分Qの電極指に直交する方向での電極指の周期長P は、電極周期長Pとcosβとの積に等しい。部分Qの電極交差幅には、部分Qの電極指の方向での交差幅LQPと、すだれ状電極3の電極指に平行な方向での交差幅LQNとの2種類がある。交差幅LQPは、交差幅LQNとsecβとの積に等しく、また、電極周期長Pを4で除した値(P/4)とcosecβとの積に等しい。なお、部分R1a,R1b,R2aおよびR2bそれぞれの電極交差幅(3mm)と、部分R1mおよびR2mそれぞれの交差幅LRN(1mm)と、部分Qの交差幅LQN(1mm)の合計は、すだれ状電極3の電極交差幅L(15mm)と等しい。
【0041】
第4の実施例の超音波タッチパネルを駆動する場合、図5の回路構成が用いられる。但し、図5のすだれ状電極4はすだれ状電極12に置き換えられる。すだれ状電極3から電気信号を入力することにより2層構造部Bに励振された弾性波は、非圧電板1を介して2層構造部Bに伝搬され、すだれ状電極12に到達することとなるが、部分Q という電極部に注目した場合、部分Q が入力用のすだれ状電極2に対して傾斜していることから、すだれ状電極2から伝搬する弾性波を受信することができず、その結果、部分Q 自体における電気信号の出力は、【0031】で述べた部分R 1m の場合と同様にして零となる。一方、グループR およびR に着目すれば、グループR を構成する部分R 1a およびR 1b と、グループR を構成する部分R 2a およびR 2b は、【0031】で述べた部分R 1a およびR 1b と同様に考えることができるので、グループR 自体およびグループR 自体における電気信号の出力はともに零となる。このようにして、弾性波が部分R1a,R1b,R2aおよびR2bによって電気信号E1a,E1b,E2aおよびE2bにそれぞれ変換される際、電気信号E1aおよびE1bを合成することにより生ずる電気信号の振幅および電気信号E2aおよびE2bを合成することにより生ずる電気信号の振幅はともに零となる。このことは、すだれ状電極12全体としての出力電気信号が零となることを意味する。
このようにして、部分R 1m が部分R 1a とR 1b の間に、部分R 2m が部分R 2a とR 2b の間にそれぞれ存在し、しかも部分R 1m およびR 2m が【0030】で明示されている条件を具備し、部分Q が、グループR およびR の間に存在するとともに【0040】で明示されている条件を具備することが、結果として、すだれ状電極12での出力電気信号を零とする。
すだれ状電極3および12は、2層構造部BおよびBに挟まれた非圧電板1において、部分R1a,R1b,R2aおよびR2bそれぞれに対応する超音波伝搬路Z1a,Z1b,Z2aおよびZ2bを形成する。非圧電板1の上端面または下端面における位置F1a,F1b,F2aおよびF2bを超音波伝搬路Zia,Zib,Z2aおよびZ2bにそれぞれ対応させることができる。もしも、位置F1a,F1b,F2aまたはF2bを人指または物体が接触すると、位置F1a,F1b,F2aまたはF2bにそれぞれ対応する超音波伝搬路Z1a,Zib,Z2aまたはZ2bが遮断され、このとき、電気信号E1b,E1a,E2bまたはE2aが出力用すだれ状電極12からそれぞれ出力される。つまり、位置F1a,F1b,F2aまたはF2bを接触すると、周波数f1b,f1a,f2bまたはf2aをそれぞれ有する電気信号E1b,E1a,E2bまたはE2aが信号処理器6で検出される。このようにして、信号処理器6で検出される電気信号の周波数から、どの位置に接触したかが分かる。しかも、超音波送受波手段Xに関する接触位置と、超音波送受波手段Yに関する接触位置は同時に検出される。
【0042】
図8の第2の実施例の超音波タッチパネルでは、すだれ状電極4がすだれ状電極12に置き換わった構造が可能である。このような構造の超音波タッチパネルを駆動する場合、図9の回路構成が用いられる。但し、図9のすだれ状電極4はすだれ状電極12に置き換えられる。スイッチ7を介してすだれ状電極3から電気信号を入力することにより2層構造部Bに励振された弾性波は、非圧電板1に伝搬された後、2層構造部Bに伝搬され、部分R1a,R1b,R2aおよびR2bによって、周波数f1a,f1b,f2aおよびf2bを有する電気信号E1a,E1b,E2aおよびE2bにそれぞれ変換される。もしも、位置F1b,F1a,F2bまたはF2aを接触すると、電気信号E1a,E1b,E2aまたはE2bが信号処理器6で検出される。このようにして、信号処理器6で検出される電気信号の周波数と、電気信号が検出された時に接続されていた唯1つのすだれ状電極3を判別することにより接触位置が明らかになる。
【0043】
図10の第3の実施例の超音波タッチパネルでは、すだれ状電極4がすだれ状電極12に置き換わった構造が可能である。このような構造の超音波タッチパネルを駆動する場合、図11の回路構成が用いられる。但し、図11のすだれ状電極4はすだれ状電極12に置き換えられる。スイッチ7を介してすだれ状電極3から電気信号を入力することにより2層構造部Bに励振された弾性波は、非圧電板1に伝搬された後、2層構造部Bに伝搬され、部分R1a,R1b,R2aおよびR2bによって位相θ1a,θ1b,θ2aまたはθ2bを有する電気信号E1a,E1b,E2aまたはE2bにそれぞれ変換される。もしも、位置F1b,F1a,F2bまたはF2aを接触すると、電気信号E1a,E1b,E2aまたはE2bがすだれ状電極12から出力される。このとき、位相比較器11では位相θbaseと、位相θ1a,θ1b,θ2aまたはθ2bとの差が検出される。信号処理器6はこの位相差と、この位相差が検出された時に接続されていた唯1つのすだれ状電極3を判別することにより接触位置を特定している。
【0044】
図15は本発明の超音波タッチパネルの第5の実施例を示す平面図である。本実施例は第1の実施例の入力用すだれ状電極3および出力用すだれ状電極4が入力用すだれ状電極13および出力用すだれ状電極14に置き換わった構造を有する。但し、図15では非圧電板1、圧電基板2、すだれ状電極13および14のみが描かれている。図15は超音波タッチパネルを下方から見たときの平面図であり、図2に対応している。
【0045】
図16はすだれ状電極13と14との間の相対的な構造を示す図である。図16は図3に対応している。すだれ状電極13の電極指の交差領域は、2個の部分AおよびAと1個の部分Bから成り、部分Bは部分AおよびAの間にある。また、すだれ状電極14の電極指の交差領域は、3個の部分C,CおよびCと、2個の部分DおよびDから成り、部分Dは部分CおよびCの間にあり、部分Dは部分CおよびCの間にある。部分AおよびAそれぞれの電極指の方向は、部分C,CおよびCそれぞれの電極指の方向と平行である。部分A,A,C,CおよびCそれぞれの電極周期長Pは1.6mmである。
【0046】
図17は部分Bの拡大平面図である。部分Bの電極指は部分AおよびAの電極指に対し角−βの傾きを有し、部分Bの電極指に直交する方向での電極指の周期長PBNは、電極周期長Pとcosβとの積に等しい。部分Bの電極交差幅には、部分Bの電極指の方向での交差幅LBPと、部分AおよびAの電極指に平行な方向での交差幅LBNとの2種類がある。交差幅LBPは交差幅LBNとsecβとの積に等しい。さらに、交差幅LBPは、電極周期長Pを4で除した値(P/4)とcosecβとの積に等しい。
【0047】
図18は部分Dの拡大平面図である。部分Dも部分Dと同様な構造を成す。部分Dの電極指は部分C,CおよびCの電極指に対し角αの傾きを有し、部分Dの電極指に直交する方向での電極指の周期長PDNは、電極周期長Pとcosαとの積に等しい。部分Dの電極交差幅には、部分Dの電極指の方向での交差幅LDPと、部分C,CおよびCの電極指に平行な方向での交差幅LDNとの2種類がある。交差幅LDPは、交差幅LDNとsecαとの積に等しいとともに、電極周期長Pの半分とcosecαとの積に等しい。部分Dについても同様である。部分AおよびAそれぞれの電極交差幅(7mm)と、部分Bの交差幅LBN(1mm)の合計(15mm)は、部分CおよびCそれぞれの電極交差幅(3mm)と、部分Cの電極交差幅(7mm)と、部分DおよびDそれぞれの交差幅LDN(1mm)の合計(15mm)に等しい。
【0048】
第5の実施例の超音波タッチパネルを駆動する場合、図5の回路構成が用いられる。但し、図5のすだれ状電極3および4はすだれ状電極13および14に置き換えられる。図15の場合においては、図16からも明らかなように、部分A からC に至る遅延伝搬距離と、部分A からC に至る遅延伝搬距離は、部分D が存在するために異なり、部分A からC に至る遅延伝搬距離と、部分A からC に至る遅延伝搬距離は、部分B が存在するために異なり、部分A からC に至る遅延伝搬距離と、部分A からC に至る遅延伝搬距離は、部分D が存在するために異なることがわかる。つまり、すだれ状電極13および14の間の遅延伝搬距離には4種類あり、それぞれの距離に対応する部分のすだれ状電極14で、すだれ状電極13からの弾性波を受波することとなる。このようにして、すだれ状電極13から電気信号を入力することにより2層構造部Bに励振された弾性波は、非圧電板1に伝搬された後、2層構造部Bに伝搬され、すだれ状電極14によって2個の電気信号E1aおよびE2aと、2個の電気信号E1bおよびE2bに変換されることとなるが、その際、部分B ,D およびD の存在により、結果として、電気信号E1aおよびE1bを合成することにより生ずる電気信号の振幅は零となり、電気信号E2aおよびE2bを合成することにより生ずる電気信号の振幅は零となる。
このようにして、部分B が、部分A とA の間に存在するとともに【0046】で明示されている条件を具備し、部分D が部分C とC の間に、部分D が部分C とC の間にそれぞれ存在し、しかも部分D およびD
【0047】で明示されている条件を具備することが、結果として、すだれ状電極14での出力電気信号を零とする。
すだれ状電極13および14は、2層構造部BおよびBに挟まれた非圧電板1において、超音波伝搬路Z 1a ,Z 1b ,Z 2a およびZ 2b を形成する。これら4個の超音波伝搬路は上記の4個の遅延伝搬距離に対応するものであって、超音波伝搬路Z1aは部分AとCとの間に、超音波伝搬路Z1bは部分AとCとの間に、超音波伝搬路Z2aは部分AとCとの間に、超音波伝搬路Z2bは部分AとCとの間にそれぞれ存在する。非圧電板1の上端面または下端面における位置F1a,F1b,F2aおよびF2bを超音波伝搬路Zia,Zib,Z2aおよびZ2bにそれぞれ対応させることができる。もしも、位置F1a,F1b,F2aまたはF2bを人指または物体が接触すると、周波数f1b,f1a,f2bまたはf2aをそれぞれ有する電気信号E1b,E1a,E2bまたはE2aが信号処理器6で検出される。このとき、位置F1b,F1a,F2bまたはF2aを接触してもしなくても部分DおよびDで変換される電気信号が出力されることはない。このようにして、信号処理器6で検出される電気信号の周波数から、位置F1a,F1b,F2aおよびF2bのどれに接触したかが分かる。しかも、超音波送受波手段Xに関する接触位置と、超音波送受波手段Yに関する接触位置は同時に検出される。
【0049】
図8の第2の実施例の超音波タッチパネルでは、すだれ状電極3および4がすだれ状電極13および14に置き換わった構造が可能である。このような構造の超音波タッチパネルを駆動する場合、図9の回路構成が用いられる。但し、図9のすだれ状電極3および4はすだれ状電極13および14に置き換えられる。スイッチ7を介してすだれ状電極13から電気信号を入力することにより2層構造部Bに励振された弾性波は、非圧電板1に伝搬された後、2層構造部Bに伝搬され、部分R1a,R1b,R2aおよびR2bによって、周波数f1a,f1b,f2aおよびf2bを有する電気信号E1a,E1b,E2aおよびE2bにそれぞれ変換される。もしも、位置F1b,F1a,F2bまたはF2aを接触すると、電気信号E1a,E1b,E2aまたはE2bが信号処理器6で検出される。このようにして、信号処理器6で検出される電気信号の周波数と、電気信号が検出された時に接続されていた唯1つのすだれ状電極13を判別することにより接触位置が明らかになる。
【0050】
図10の第3の実施例の超音波タッチパネルでは、すだれ状電極3および4がすだれ状電極13および14に置き換わった構造が可能である。このような構造の超音波タッチパネルを駆動する場合、図11の回路構成が用いられる。但し、図11のすだれ状電極3および4はすだれ状電極13および14に置き換えられる。スイッチ7を介してすだれ状電極13から電気信号を入力することにより2層構造部Bに励振された弾性波は、非圧電板1に伝搬された後、2層構造部Bに伝搬され、部分R1a,R1b,R2aおよびR2bによって位相θ1a,θ1b,θ2aまたはθ2bを有する電気信号E1a,E1b,E2aまたはE2bにそれぞれ変換される。もしも、位置F1b,F1a,F2bまたはF2aを接触すると、電気信号E1a,E1b,E2aまたはE2bがすだれ状電極14から出力される。このとき、位相比較器11では位相θbaseと、位相θ1a,θ1b,θ2aまたはθ2bとの差が検出される。信号処理器6はこの位相差と、この位相差が検出された時に接続されていた唯1つのすだれ状電極13を判別することにより接触位置を特定している。
【0051】
図19は本発明の超音波タッチパネルの第6の実施例を示す断面図である。本実施例は図1の非圧電板1が、非圧電板15に置き換わった構造を有する。非圧電板15は厚さhが1mmである。図19では非圧電板15、圧電基板2、すだれ状電極3および4のみが描かれている。非圧電板15と圧電基板2は2層構造部BおよびBを形成する。
【0052】
第6の実施例の超音波タッチパネルでは、すだれ状電極4がすだれ状電極12に置き換わった構造が可能であるとともに、すだれ状電極3および4がすだれ状電極13および14に置き換わった構造が可能である。いずれの構造においても図5の回路構成が用いられる。
【0053】
第6の実施例の超音波タッチパネルでは、図8の第2の実施例のように、各超音波送受波手段が4つのすだれ状電極3および4つのすだれ状電極4から成る構造が可能であり、この場合、図9の回路構成が用いられる。さらに、このような構造において、すだれ状電極4がすだれ状電極12に置き換わった構造が可能であるとともに、すだれ状電極3および4がすだれ状電極13および14に置き換わった構造が可能である。いずれの構造においても図9の回路構成が用いられる。
【0054】
第6の実施例の超音波タッチパネルでは、図10の第3の実施例のように、各超音波送受波手段が基準用すだれ状電極8および9と、4つのすだれ状電極3および4つのすだれ状電極4から成る構造が可能であり、この場合、図11の回路構成が用いられる。さらに、このような構造において、すだれ状電極4がすだれ状電極12に置き換わった構造が可能であるとともに、すだれ状電極3および4がすだれ状電極13および14に置き換わった構造が可能である。いずれの構造においても図11の回路構成が用いられる。
【0055】
図20は図19の2層構造部Bにおける圧電基板2単体の異なる2つの電気的境界条件下での位相速度差から算出したk値と、fd値との関係を示す特性図である。但し、図20では、非圧電板15が、非圧電板15単体を伝搬する弾性波の横波の速度が2297m/sで縦波の速度が4155m/sであるような材質で成る場合の特性図が示される。この横波速度2297m/sおよび縦波速度4155m/sという値は、圧電基板2単体の場合の横波速度2450m/sおよび縦波速度4390m/sそれぞれとほぼ等しい。図20ではAモードのk値のみが常に5%を下回っている。従って、Aモードを除くモード、つまりSモードおよび1次(AおよびS)以上の高次モードの弾性波が効率よく2層構造部Bに励振されることが分かる。すだれ状電極3に加えられる電気的エネルギーは、たとえばSモードの弾性波に最も変換されやすいのはfd値が約1.8MHz・mmのときであり、このときk値は最大値の約9.5%に達する。
【0056】
図21は図19の2層構造部Bを伝搬する弾性波の速度分散曲線を示す特性図であり、fd値に対する各モードの位相速度を示す図である。但し、図21では、非圧電板15が図20と同様な材質で成る場合の特性図が示される。●印は、すだれ状電極3に加えられる電気的エネルギーが各モードの弾性波に最も効率よく変換されるfd値(図20から算出した値で、kが最大値を示すfd値)を示す。図21ではVfd=0値は約3670m/sである。●印における位相速度はほぼVfd=0値と等しいことが分かる。このようにして、2層構造部Bに励振される弾性波の位相速度とVfd=0値とがほぼ一致するときのfd値がkの最大値をもたらすことが分かる。
【0057】
図22は本発明の超音波タッチパネルの第7の実施例を示す断面図である。本実施例は図1の非圧電板1が、非圧電板16に置き換わった構造を有する。非圧電板16は厚さhが1.5mmである。図22では非圧電板16、圧電基板2、すだれ状電極3および4のみが描かれている。非圧電板16と圧電基板2は2層構造部BおよびBを形成する。
【0058】
第7の実施例の超音波タッチパネルでは、すだれ状電極4がすだれ状電極12に置き換わった構造が可能であるとともに、すだれ状電極3および4がすだれ状電極13および14に置き換わった構造が可能である。いずれの構造においても図5の回路構成が用いられる。
【0059】
第7の実施例の超音波タッチパネルでは、図8の第2の実施例のように、各超音波送受波手段が4つのすだれ状電極3および4つのすだれ状電極4から成る構造が可能であり、この場合、図9の回路構成が用いられる。さらに、このような構造において、すだれ状電極4がすだれ状電極12に置き換わった構造が可能であるとともに、すだれ状電極3および4がすだれ状電極13および14に置き換わった構造が可能である。いずれの構造においても図9の回路構成が用いられる。
【0060】
第7の実施例の超音波タッチパネルでは、図10の第3の実施例のように、各超音波送受波手段が基準用すだれ状電極8および9と、4つのすだれ状電極3および4つのすだれ状電極4から成る構造が可能であり、この場合、図11の回路構成が用いられる。さらに、このような構造において、すだれ状電極4がすだれ状電極12に置き換わった構造が可能であるとともに、すだれ状電極3および4がすだれ状電極13および14に置き換わった構造が可能である。いずれの構造においても図11の回路構成が用いられる。
【0061】
図23は図22の2層構造部Bにおける圧電基板2単体の異なる2つの電気的境界条件下での位相速度差から算出したk値と、fd値との関係を示す特性図である。但し、図23では、非圧電板16が、非圧電板16単体を伝搬する弾性波の横波の速度が1988m/sで縦波の速度が3597m/sであるような材質で成る場合の特性図が示される。この横波速度1988m/sおよび縦波速度3597m/sという値は、圧電基板2単体の場合の横波速度2450m/sおよび縦波速度4390m/sそれぞれのほぼ0.8倍である。図23ではAモードのk値のみが常に5%を下回っている。従って、Aモードを除くモード、つまりSモードおよび1次(AおよびS)以上の高次モードの弾性波が効率よく2層構造部Bに励振されることが分かる。
【0062】
図24は図22の2層構造部Bを伝搬する弾性波の速度分散曲線を示す特性図であり、fd値に対する各モードの位相速度を示す図である。但し、図24では、非圧電板16が図23と同様な材質で成る場合の特性図が示される。●印は、すだれ状電極3に加えられる電気的エネルギーが各モードの弾性波に最も効率よく変換されるfd値(図23から算出した値で、kが最大値を示すfd値)を示す。図24ではVfd=0値は約3500m/sである。●印における位相速度はほぼVfd=0値と等しいことが分かる。このようにして、2層構造部Bに励振される弾性波の位相速度とVfd=0値とがほぼ一致するときのfd値がkの最大値をもたらすことが分かる。
【0063】
【発明の効果】
本発明の超音波タッチパネルは非圧電板と、2つの超音波送受波手段と、その2つの超音波送受波手段に接続された情報処理部から成る。各超音波送受波手段は入力用および出力用圧電基板と、入力用圧電基板の一方の板面に設けられた少なくとも1組の入力用すだれ状電極と、出力用圧電基板の一方の板面に入力用すだれ状電極に対応するように設けられた出力用すだれ状電極から成る。入力用および出力用圧電基板は、それらの一方の板面またはもう一方の板面を介して非圧電板の一方の板面に固着されている。
【0064】
本発明の超音波タッチパネルの第1の構造では、入力用すだれ状電極は正規型の構造を有する。出力用すだれ状電極の電極指の交差領域は、1個のグループR(i=1)のみから成るか、またはN個のグループR(i=1,2,……,N)と2つのグループRおよびR(i+1)に挟まれた(Nー1)個の部分Q{i=1,2,……,(N−1)}から成る。各グループRは2つの部分RiaおよびRibと、それらに挟まれた部分Rimから成る。もしも、入力用すだれ状電極に電極周期長Pにほぼ対応する周波数の電気信号を入力すると、入力用圧電基板と非圧電板から成る2層構造部Bに電極周期長Pとほぼ等しい波長を有する弾性波を励振することができる。弾性波は非圧電板に伝搬された後、出力用圧電基板と非圧電板から成る2層構造部Bに伝搬され、部分RiaおよびRibによって電気信号EiaおよびEib(i=1,2,……,N)にそれぞれ変換される。入力用および出力用すだれ状電極は、非圧電板において、部分RiaおよびRibそれぞれに対応する超音波伝搬路ZiaおよびZib(i=1,2,……,N)を形成する。非圧電板のどちから一方の板面における位置FiaおよびFib(i=1,2,……,N)を超音波伝搬路ZiaおよびZibにそれぞれ対応させることができる。
【0065】
本発明の超音波タッチパネルの第2の構造では、入力用すだれ状電極の電極指の交差領域は、N個の部分A(i=1,2,……,N)と、2つの部分AおよびA(i+1)に挟まれた(N−1)個の部分B{i=1,2,……,(N−1)}から成り、出力用すだれ状電極の電極指の交差領域は、(N+1)個の部分C{i=1,2,……,(N+1)}と、2つの部分CおよびC(i+1)に挟まれたN個の部分D(i=1,2,……,N)から成る。もしも、入力用すだれ状電極に電極周期長Pにほぼ対応する周波数の電気信号を入力することにより、2層構造部Bに電極周期長Pとほぼ等しい波長を有する弾性波を励振することができる。弾性波は非圧電板に伝搬された後、2層構造部Bに伝搬され、出力用すだれ状電極によってN個の電気信号Eia(i=1,2,……,N)およびN個の電気信号Eib(i=1,2,……,N)に変換される。入力用および出力用すだれ状電極は、非圧電板において、N個の超音波伝搬路Zia(i=1,2,……,N)およびN個の超音波伝搬路Zib(i=1,2,……,N)を形成する。非圧電板のどちから一方の板面における位置FiaおよびFib(i=1,2,……,N)を超音波伝搬路ZiaおよびZibにそれぞれ対応させることができる。
【0066】
本発明の超音波タッチパネルでは、もしも位置FiaまたはFibを人指または物体が接触すると、位置FiaまたはFibそれぞれに対応する超音波伝搬路ZiaまたはZibが遮断され、このとき、電気信号EibまたはEiaが出力用すだれ状電極から出力される。情報処理部は、位置FXaに接触したことを、その位置FXaと対を成す位置FXbに対応する電気信号EXbが出力用すだれ状電極から出力されることにより感知し、位置FXbに接触したことを、位置FXaに対応する電気信号EXaが出力用すだれ状電極から出力されることにより感知している。
【0067】
本発明の超音波タッチパネルでは、接触された位置FiaまたはFibを、出力電気信号EibまたはEiaそれぞれの周波数fibまたはfiaによって特定することが可能である。この場合、情報処理部は信号処理器を含み、信号処理器は、接触位置FXaを電気信号EXbの周波数fXbを検出することにより特定し、接触位置FXbを電気信号EXaの周波数fXaを検出することにより特定する。
【0068】
本発明の超音波タッチパネルでは、接触された位置FiaまたはFibを、出力電気信号EibまたはEiaそれぞれの位相θibまたはθiaと、基準となる位相θbaseとの差から特定することが可能である。この場合、情報処理部は位相比較器および信号処理器を含み、各超音波送受波手段は2つの基準用すだれ状電極を含む。入力用の基準用すだれ状電極に電極周期長Pにほぼ対応する周波数の電気信号を入力することにより、2層構造部Bに電極周期長Pとほぼ等しい波長を有する弾性波を励振することができる。弾性波は非圧電板に伝搬された後、2層構造部Bに伝搬され、出力用の基準用すだれ状電極によって位相θbaseを有する電気信号に変換して出力される。もしも位置FXbに接触すると位相差(θbase−θXa)が、位置FXaに接触すると位相差(θbase−θXb)が位相比較器で検出される。信号処理器は、接触位置FXaを位相差(θbase−θXb)に基づいて特定し、接触位置FXbを位相差(θbase−θXa)に基づいて特定する。
【0069】
本発明の超音波タッチパネルでは、非圧電板の厚さhが各圧電基板の厚さdよりも小さく、各圧電基板の厚さdが電極周期長Pよりも小さいような構造が可能である。この場合、非圧電板として、非圧電板単体に伝搬する弾性波の位相速度が各圧電基板単体に伝搬する弾性波の位相速度よりも大きい物質が採用される。入力用すだれ状電極に電気信号を入力することにより2層構造部Bに励振される弾性波はSモードおよび1次以上の高次モードの波であり、その位相速度は、弾性波の周波数fと各圧電基板の厚さdとの積fdが零の近傍にある場合のSモードの弾性波の位相速度Vfd=0とほぼ等しくなる。
【0070】
本発明の超音波タッチパネルでは、非圧電板の厚さhが各圧電基板の厚さdとほぼ等しく、各圧電基板の厚さdが電極周期長Pよりも小さいような構造が可能である。この場合、非圧電板として、非圧電板単体に伝搬する弾性波の位相速度が各圧電基板単体に伝搬する弾性波の位相速度とほぼ等しい物質が採用される。入力用すだれ状電極に電気信号を入力することにより2層構造部Bに励振される弾性波はSモードおよび1次以上の高次モードの波であり、その位相速度は、Vfd=0値とほぼ等しくなる。
【0071】
本発明の超音波タッチパネルでは、非圧電板の厚さhが各圧電基板の厚さdよりも大きく、各圧電基板の厚さdが電極周期長Pよりも小さいような構造が可能である。この場合、非圧電板として、非圧電板単体に伝搬する弾性波の位相速度が各圧電基板単体に伝搬する弾性波の位相速度よりも小さい物質が採用される。入力用すだれ状電極に電気信号を入力することにより2層構造部Bに励振される弾性波はSモードおよび1次以上の高次モードの波であり、その位相速度は、Vfd=0値とほぼ等しくなる。
【0072】
本発明の超音波タッチパネルでは、圧電基板として圧電セラミックを採用し、その圧電セラミックの分極軸の方向が厚さdの方向と平行であるような構造を採用することにより、設計しやすさに優れたデバイスを提供することができる。
【0073】
本発明の超音波タッチパネルでは、一方の超音波送受波手段における超音波伝搬路と、もう一方の超音波送受波手段における超音波伝搬路とを互いに直交させることにより、互いに直交するそれらの伝搬路をそれぞれX軸およびY軸とする2次元の座標によって接触位置を表わすことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の超音波タッチパネルの第1の実施例を示す断面図。
【図2】 図1の超音波タッチパネルを下方から見たときの平面図。
【図3】 すだれ状電極3と4との間の相対的な構造を示す図。
【図4】 部分R1mの拡大平面図。
【図5】 図1の超音波タッチパネルの回路構成図。
【図6】 図1の2層構造部Bにおける圧電基板2単体の異なる2つの電気的境界条件下での位相速度差から算出したk値と、fd値との関係を示す特性図。
【図7】 図1の2層構造部Bを伝搬する弾性波の速度分散曲線を示す特性図。
【図8】 本発明の超音波タッチパネルの第2の実施例を示す平面図。
【図9】 図8の超音波タッチパネルの回路構成図。
【図10】 本発明の超音波タッチパネルの第3の実施例を示す平面図。
【図11】 図10の超音波タッチパネルの回路構成図。
【図12】 本発明の超音波タッチパネルの第4の実施例を示す平面図。
【図13】 すだれ状電極3と12との間の相対的な構造を示す図。
【図14】 部分Qの拡大平面図。
【図15】 本発明の超音波タッチパネルの第5の実施例を示す平面図。
【図16】 すだれ状電極13と14との間の相対的な構造を示す図。
【図17】 部分Bの拡大平面図。
【図18】 部分Dの拡大平面図。
【図19】 本発明の超音波タッチパネルの第6の実施例を示す断面図。
【図20】 図19の2層構造部Bにおける圧電基板2単体の異なる2つの電気的境界条件下での位相速度差から算出したk値と、fd値との関係を示す特性図。
【図21】 図19の2層構造部Bを伝搬する弾性波の速度分散曲線を示す特性図。
【図22】 本発明の超音波タッチパネルの第7の実施例を示す断面図。
【図23】 図22の2層構造部Bにおける圧電基板2単体の異なる2つの電気的境界条件下での位相速度差から算出したk値と、fd値との関係を示す特性図。
【図24】 図22の2層構造部Bを伝搬する弾性波の速度分散曲線を示す特性図。
【符号の説明】
1,15,16 非圧電板
2 圧電基板
3,13 入力用すだれ状電極
4,12,14 出力用すだれ状電極
5 増幅器
6 信号処理器
7 スイッチ
8,9 基準用すだれ状電極
10 増幅器
11 位相比較器

Claims (11)

  1. 非圧電板、2つの超音波送受波手段、および前記2つの超音波送受波手段に接続された情報処理部から成る超音波タッチパネルであって、前記各超音波送受波手段は入力用および出力用圧電基板と、少なくとも1組の入力用すだれ状電極と、前記入力用すだれ状電極に対応する出力用すだれ状電極から成り、前記入力用および出力用すだれ状電極は、前記入力用および出力用圧電基板それぞれの一方の板面に設けられ、前記入力用および出力用圧電基板は、前記入力用および出力用圧電基板それぞれの前記一方の板面またはもう一方の板面を介して前記非圧電板の一方の板面に固着され、前記出力用すだれ状電極の電極指の交差領域は、1個のグループR(i=1)から成るか、またはN個のグループR(i=1,2,……,N)と2つの前記グループRおよびR(i+1)に挟まれた(Nー1)個の部分Q{i=1,2,……,(N−1)}から成り、前記各グループRは2つの部分RiaおよびRibと、それらに挟まれた部分Rimから成り、前記部分RiaおよびRibそれぞれの電極指の方向は前記入力用すだれ状電極の電極指の方向と平行で、前記部分RiaおよびRibそれぞれの電極周期長は前記入力用すだれ状電極の電極周期長Pと等しく、前記部分Rimの電極指は前記入力用すだれ状電極の電極指に対し角αの傾きを有し、前記部分Rimの電極指に直交する方向での電極指の周期長PRNは、前記電極周期長Pとcosαとの積に等しく、前記部分Rimの電極交差幅には、前記部分Rimの電極指の方向での交差幅LRPと、前記入力用すだれ状電極の電極指に平行な方向での交差幅LRNとの2種類があり、前記交差幅LRPは、前記交差幅LRNとsecαとの積に等しいとともに、前記電極周期長Pの半分とcosecαとの積に等しく、前記部分Qの電極指は前記入力用すだれ状電極の電極指に対し角±βの傾きを有し、前記部分Qの電極指に直交する方向での電極指の周期長PQNは、前記電極周期長Pとcosβとの積に等しく、前記部分Qの電極交差幅には、前記部分Qの電極指の方向での交差幅LQPと、前記入力用すだれ状電極の電極指に平行な方向での交差幅LQNとの2種類があり、前記交差幅LQPは前記交差幅LQNとsecβとの積に等しく、前記部分RiaおよびRibそれぞれの電極交差幅と、前記交差幅LRNと、前記交差幅LQNの合計は、前記入力用すだれ状電極の電極交差幅Lとほぼ等しく、前記入力用すだれ状電極は、前記電極周期長Pにほぼ対応する周波数の電気信号を入力されることにより、前記入力用圧電基板と前記非圧電板から成る2層構造部Bに前記電極周期長Pとほぼ等しい波長を有する弾性波を励振し、その弾性波を前記非圧電板に伝搬させた後、前記出力用圧電基板と前記非圧電板から成る2層構造部Bに伝搬させ、前記部分RiaおよびRibは、前記弾性波を電気信号EiaおよびEib(i=1,2,……,N)にそれぞれ変換し、前記電気信号EiaおよびEibを合成することにより生ずる電気信号の振幅は零であり、前記入力用および出力用すだれ状電極は、前記非圧電板において、前記部分RiaおよびRibそれぞれに対応する超音波伝搬路ZiaおよびZib(i=1,2,……,N)を形成し、前記非圧電板のどちから一方の板面における位置FiaおよびFib(i=1,2,……,N)は前記超音波伝搬路ZiaおよびZibにそれぞれ対応し、前記出力用すだれ状電極は、前記位置FiaまたはFibに人指または物体が接触して前記超音波伝搬路ZiaまたはZibが遮断されたときにのみ、前記電気信号EibまたはEiaを出力し、前記情報処理部は、前記位置Fiaのうちの1つFXaに接触したことを、前記位置FXaと対を成す位置FXbに対応する電気信号EXbが前記出力用すだれ状電極から出力されることにより感知するか、または前記位置FXbに接触したことを、前記位置FXaに対応する電気信号EXaが前記出力用すだれ状電極から出力されることにより感知する超音波タッチパネル。
  2. 前記交差幅LQPは、前記電極周期長Pを前記グループRの数Nの2倍で除した値と、cosecβとの積に等しい請求項1に記載の超音波タッチパネル。
  3. 非圧電板、2つの超音波送受波手段、および前記2つの超音波送受波手段に接続された情報処理部から成る超音波タッチパネルであって、前記各超音波送受波手段は入力用および出力用圧電基板と、少なくとも1組の入力用すだれ状電極と、前記入力用すだれ状電極に対応する出力用すだれ状電極から成り、前記入力用および出力用すだれ状電極は、前記入力用および出力用圧電基板それぞれの一方の板面に設けられ、前記入力用および出力用圧電基板は、前記入力用および出力用圧電基板それぞれの前記一方の板面またはもう一方の板面を介して前記非圧電板の一方の板面に固着され、前記入力用すだれ状電極の電極指の交差領域は、N個の部分A(i=1,2,……,N)と、2つの前記部分AおよびA(i+1)に挟まれた(N−1)個の部分B{i=1,2,……,(N−1)}から成り、前記出力用すだれ状電極の電極指の交差領域は、(N+1)個の部分C{i=1,2,……,(N+1)}と、2つの前記部分CおよびC(i+1)に挟まれたN個の部分D(i=1,2,……,N)から成り、前記部分Aの電極指の方向は前記部分Cの電極指の方向と平行で、前記部分Bの電極指は前記部分Aの電極指に対し角−βの傾きを有し、前記部分Bの電極指に直交する方向での電極指の周期長PBNは、前記部分AおよびCの電極周期長Pとcosβとの積に等しく、前記部分Bの電極交差幅には、前記部分Bの電極指の方向での交差幅LBPと、前記部分Aの電極指に平行な方向での交差幅LBNとの2種類があり、前記交差幅LBPは前記交差幅LBNとsecβとの積に等しく、前記部分Dの電極指は前記部分Cの電極指に対し角αの傾きを有し、前記部分Dの電極指に直交する方向での電極指の周期長PDNは、前記電極周期長Pとcosαとの積に等しく、前記部分Dの電極交差幅には、前記部分Dの電極指の方向での交差幅LDPと、前記部分Cの電極指に平行な方向での交差幅LDNとの2種類があり、前記交差幅LDPは、前記交差幅LDNとsecαとの積に等しいとともに、前記電極周期長Pの半分とcosecαとの積に等しく、前記部分Aの電極指の交差幅および前記交差幅LBNの合計は、前記部分Cの電極指の交差幅および前記交差幅LDNの合計にほぼ等しく、前記入力用すだれ状電極は、前記電極周期長Pにほぼ対応する周波数の電気信号を入力されることにより、前記入力用圧電基板と前記非圧電板から成る2層構造部Bに前記電極周期長Pとほぼ等しい波長を有する弾性波を励振し、その弾性波を前記非圧電板に伝搬させた後、前記出力用圧電基板と前記非圧電板から成る2層構造部Bに伝搬させ、前記出力用すだれ状電極は、前記弾性波をN個の電気信号Eia(i=1,2,……,N)およびN個の電気信号Eib(i=1,2,……,N)に変換し、前記電気信号EiaおよびEibを合成することにより生ずる電気信号の振幅は零であり、前記入力用および出力用すだれ状電極は、前記非圧電板において、N個の超音波伝搬路Zia(i=1,2,……,N)およびN個の超音波伝搬路Zib(i=1,2,……,N)を形成し、前記非圧電板のどちらか一方の板面における位置FiaおよびFib(i=1,2,……,N)は前記超音波伝搬路ZiaおよびZibにそれぞれ対応し、前記出力用すだれ状電極は、前記位置FiaまたはFibに人指または物体が接触して前記超音波伝搬路ZiaまたはZibが遮断されたときにのみ、前記電気信号EibまたはEiaを出力し、前記情報処理部は、前記位置Fiaのうちの1つFXaに接触したことを、前記位置FXaと対を成す位置FXbに対応する電気信号EXbが前記出力用すだれ状電極から出力されることにより感知するか、または前記位置FXbに接触したことを、前記位置FXaに対応する電気信号EXaが前記出力用すだれ状電極から出力されることにより感知する超音波タッチパネル。
  4. 前記交差幅LBPは、前記電極周期長Pを前記部分Aの数Nの2倍で除した値と、cosecβとの積に等しい請求項3に記載の超音波タッチパネル。
  5. 前記情報処理部が増幅器および信号処理器から成り、前記出力用すだれ状電極の出力端は、前記増幅器を介して前記入力用すだれ状電極の入力端および前記信号処理器の入力端に接続され、前記電気信号EiaおよびEibは、それぞれ周波数fiaおよびfibを有し、前記信号処理器は、前記位置F ia のうち接触した前記位置FXaを前記電気信号EXbの周波数fXbを検出することにより特定するか、または前記位置F のうち接触した前記位置FXbを前記電気信号EXaの周波数fXaを検出することにより特定する請求項1,2,3または4に記載の超音波タッチパネル。
  6. 前記各超音波送受波手段が2つの基準用すだれ状電極を含み、前記基準用すだれ状電極の一方は入力用として、もう一方は出力用として用いられ、2つの前記基準用すだれ状電極の電極指の方向は互いに平行で、前記情報処理部は増幅器、位相比較器および信号処理器から成り、前記もう一方の基準用すだれ状電極の出力端は、前記増幅器を介して、前記一方の基準用すだれ状電極および前記入力用すだれ状電極それぞれの入力端に接続されるとともに前記位相比較器の入力端に接続され、前記出力用すだれ状電極の出力端は前記位相比較器を介して前記信号処理器の入力端に接続され、前記一方の基準用すだれ状電極は、前記電極周期長Pにほぼ対応する周波数の電気信号を入力されることにより、前記2層構造部Bに前記電極周期長Pとほぼ等しい波長を有する弾性波を励振し、その弾性波を前記非圧電板中に伝搬させた後、前記2層構造部Bに伝搬させ、前記もう一方の基準用すだれ状電極は、前記弾性波を位相θbaseを有する電気信号に変換して出力し、前記電気信号EiaおよびEibは、それぞれ位相θiaおよびθibを有し、前記位相比較器は前記位相θbaseと、前記位相θiaまたはθibとの差を検出し、前記信号処理器は、前記位置F ia のうち接触した前記位置FXaを前記位相θbaseと前記電気信号EXbの位相θXbとの差に基づいて特定するか、または前記位置F のうち接触した前記位置FXbを前記位相θbaseと前記電気信号EXaの位相θXaとの差に基づいて特定する請求項1,2,3または4に記載の超音波タッチパネル。
  7. 前記2層構造部Bに励振する前記弾性波はSモードおよび1次以上の高次モードの波で、前記2層構造部Bに励振される前記弾性波の位相速度は、前記弾性波の周波数fと前記各圧電基板の厚さdとの積fdが零の近傍にある場合のSモードの弾性波の位相速度Vfd=0とほぼ等しく、前記非圧電板の厚さhは前記各圧電基板の厚さdよりも小さく、前記各圧電基板の厚さdは前記電極周期長Pよりも小さく、前記非圧電板単体に伝搬する弾性波の位相速度は、前記各圧電基板単体に伝搬する弾性波の位相速度よりも大きい請求項1,2,3,4,5または6に記載の超音波タッチパネル。
  8. 前記2層構造部Bに励振する前記弾性波はSモードおよび1次以上の高次モードの波で、前記2層構造部Bに励振される前記弾性波の位相速度は、前記弾性波の周波数fと前記各圧電基板の厚さdとの積fdが零の近傍にある場合のSモードの弾性波の位相速度Vfd=0とほぼ等しく、前記非圧電板の厚さhは前記各圧電基板の厚さdとほぼ等しく、前記各圧電基板の厚さdは前記電極周期長Pよりも小さく、前記非圧電板単体に伝搬する弾性波の位相速度は、前記各圧電基板単体に伝搬する弾性波の位相速度とほぼ等しい請求項1,2,3,4,5または6に記載の超音波タッチパネル。
  9. 前記2層構造部Bに励振する前記弾性波はSモードおよび1次以上の高次モードの波で、前記2層構造部Bに励振される前記弾性波の位相速度は、前記弾性波の周波数fと前記各圧電基板の厚さdとの積fdが零の近傍にある場合のSモードの弾性波の位相速度Vfd=0とほぼ等しく、前記非圧電板の厚さhは前記各圧電基板の厚さdよりも大きく、前記各圧電基板の厚さdは前記電極周期長Pよりも小さく、前記非圧電板単体に伝搬する弾性波の位相速度は、前記各圧電基板単体に伝搬する弾性波の位相速度よりも小さい請求項1,2,3,4,5または6に記載の超音波タッチパネル。
  10. 前記各圧電基板が圧電セラミックで成り、前記圧電セラミックの分極軸の方向は前記圧電セラミックの厚さ方向と平行である請求項1,2,3,4,5,6,7,8または9に記載の超音波タッチパネル。
  11. 一方の前記超音波送受波手段における前記超音波伝搬路ZiaおよびZibと、もう一方の前記超音波送受波手段における前記超音波伝搬路ZiaおよびZibとが互いに直交している請求項1,2,3,4,5,6,7,8,9または10に記載の超音波タッチパネル。
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