JP3488980B2 - 超音波タッチパネル - Google Patents

超音波タッチパネル

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JP3488980B2 JP16047393A JP16047393A JP3488980B2 JP 3488980 B2 JP3488980 B2 JP 3488980B2 JP 16047393 A JP16047393 A JP 16047393A JP 16047393 A JP16047393 A JP 16047393A JP 3488980 B2 JP3488980 B2 JP 3488980B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【産業上の利用分野】本発明は超音波送受波手段を基板
の板面に備えることにより、その板面に人指、物体また
はレーザー光のスポットが接触したことを感知し、その
接触した位置を特定する超音波タッチパネルに関する。
【従来の技術】タッチパネルはパネル上への人指または
物体による接触がすばやい応答性をもって感知されるこ
とが要求され、その接触位置が高い分解能をもって特定
されることが望まれる。接触位置を検出する従来の方式
には抵抗膜方式、光学方式および超音波方式など様々な
方式がある。抵抗膜方式や光学方式は低消費電力である
ものの応答時間、感度、耐久性等の点で問題を有してい
る。超音波方式によるタッチパネルとしては反射アレイ
を用いた弾性表面波タッチパネルが挙げられる。これは
予め弾性表面波をくさび形トランスデューサを用いて励
振させておいたパネル上に接触することによりその弾性
表面波が減衰することを利用したものであって、耐環境
性に優れる等の利点を有する反面、反射アレイの製作に
高度な技術を必要とするとともにくさび形トランスデュ
ーサの工作精度がタッチパネルとしての機能を左右し、
さらに低電圧駆動に難点を有している。このようにし
て、従来のタッチパネルは応答時間、分解能、耐久性、
工作精度、加工性および量産性等に問題を有している。
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は基板の
板面に超音波送受波手段を備えることにより加工性、耐
久性および量産性に優れ、小型軽量化が可能な超音波タ
ッチパネルを提供することにある。また、低消費電力、
低電圧で効率良く弾性表面波を基板の板面に励振するこ
とができ、その板面への接触による弾性表面波の減衰に
対する応答時間が短く感度が良好で、しかも接触した位
置を高分解能をもって特定できる超音波タッチパネルを
提供することにある。さらに、人指や物体だけでなく、
レーザー光のスポットによる板面への接触を感知できる
超音波タッチパネルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の超音波
タッチパネルは、ほぼ透明な基板の一方の板面F1に少
なくとも2つの超音波送受波手段を備えた超音波タッチ
パネルであって、前記超音波送受波手段は1組のすだれ
状電極Pと、前記すだれ状電極Pに対応する1組のすだ
れ状電極Qとを含み、前記すだれ状電極PおよびQは前
記すだれ状電極PおよびQの中心線に平行な方向に沿っ
てそれぞれの電極周期長が連続的に変化する構造を成
し、前記すだれ状電極Pの電極周期長にほぼ対応して連
続的に変化する周波数の電気信号を前記すだれ状電極P
に入力し、前記板面F1に弾性表面波を励振する手段
と、前記板面F1に励振された該弾性表面波に応じて前
記すだれ状電極Qに現れる電気信号を出力する手段とが
設けてあり、前記すだれ状電極PとQとは前記弾性表面
波の送受波の指向軸を共通にして互いに1対1に対をな
して配置されていて、1つの前記超音波送受波手段にお
ける前記すだれ状電極PとQとの間の弾性表面波の伝搬
路と、別の前記超音波送受波手段における前記すだれ状
電極PとQとの間の弾性表面波の伝搬路とが互いに直交
していて、前記伝搬路の一部に人指、物体またはレーザ
ー光のスポットが接触したことを、前記すだれ状電極Q
に出力される前記電気信号における周波数成分の大きさ
から感知し、前記伝搬路における人指、物体またはレー
ザー光のスポットによる接触位置を前記周波数成分のう
ちで変動した周波数成分から検出する装置に接続される
ことを特徴とする。請求項2に記載の超音波タッチパネ
ルは、前記接触位置と前記変動周波数成分とが直線関係
にあることを特徴とする。請求項3に記載の超音波タッ
チパネルは、前記基板がほぼ透明な圧電セラミックで成
り、該圧電セラミックの分極軸の方向は該圧電セラミッ
クの厚さ方向と平行であることを特徴とする。請求項4
に記載の超音波タッチパネルは、前記基板がほぼ透明な
非圧電板にほぼ透明な圧電薄板を設けた2層構造を成
し、前記すだれ状電極PおよびQが該圧電薄板上に設け
られていることを特徴とする。請求項5に記載の超音波
タッチパネルは、前記基板がほぼ透明な非圧電板で成
り、前記超音波送受波手段が圧電薄板Aに前記すだれ状
電極Pを設けて成る超音波デバイスTと、圧電薄板Bに
前記すだれ状電極Qを設けて成る超音波デバイスRとか
ら成り、前記圧電薄板AおよびBは前記板面F1に設け
られていて、前記圧電薄板Aの厚さは前記すだれ状電極
Pの電極周期長以下であり、前記圧電薄板Bの厚さは前
記すだれ状電極Qの電極周期長以下であって、前記すだ
れ状電極PおよびQの電極周期長は1次モードまたは2
次以上のモードの弾性表面波の波長にほぼ等しく、前記
1次モードまたは2次以上の前記モードの弾性表面波の
位相速度は前記非圧電板単体に励振される弾性表面波の
伝搬速度にほぼ等しいことを特徴とする。請求項6に記
載の超音波タッチパネルは、前記圧電薄板AまたはBが
前記すだれ状電極PおよびQが設けられている方の板面
で前記非圧電板に固着されていることを特徴とする。
【作用】本発明の超音波タッチパネルは、基板の一方の
板面F1上に超音波送受波手段を少なくとも2つ備えて
成る簡単な構造を有することから、装置の小型軽量化が
可能である。超音波送受波手段は1組のすだれ状電極P
と、すだれ状電極Pに対応する1組のすだれ状電極Qと
から成る。すだれ状電極PおよびQはすだれ状電極Pお
よびQの中心線に平行な方向に沿ってそれぞれの電極周
期長が連続的に変化する構造を成す。このとき、このす
だれ状電極PおよびQの中心線とは各すだれ状電極にお
いてすだれ状電極を線対称に2等分する線とする。すだ
れ状電極Pの電極周期長にほぼ対応して連続的に変化す
る周波数の電気信号、たとえば時間とともに周波数が直
線的に変化する線形チャープ信号をすだれ状電極Pに入
力する構造を採用することにより、それぞれの電極周期
長に応じた部分のすだれ状電極Pからその電極周期長に
ほぼ等しい波長を有する弾性表面波を基板の板面F1上
に電極交叉幅に応じて連続的に励振することができる。
このとき、電極交叉幅が大きいほど広い範囲にわたって
弾性表面波を励振できる。本発明の超音波タッチパネル
は、低消費電力、低電圧で効率良く弾性表面波を板面F
1上に励振することができる。すだれ状電極Qを出力用
とし、すだれ状電極Pに対して弾性表面波の送受波の指
向軸が共通になるよう配置する構造を採用することによ
り、板面F1に励振されているそれぞれの弾性表面波を
すだれ状電極Qから電気信号として効率よく出力させる
ことができる。この際、それぞれの弾性表面波の波長に
ほぼ対応する周波数の電気信号が弾性表面波の波長とほ
ぼ等しい電極周期長の部分のすだれ状電極Qから連続的
に出力される。板面F1における弾性表面波の伝搬路
(すなわちすだれ状電極PとQとの間)の一部に人指ま
たは物体で接触すると、板面F1に励振されている弾性
表面波のうちその接触位置に対応する弾性表面波が減衰
または消滅する。従って、接触位置に対応する部分のす
だれ状電極Qに出力される電気信号も減衰または消滅す
る。また、板面F1における弾性表面波の伝搬路の一部
にレーザー光のスポットを当てると、板面F1に励振さ
れている弾性表面波のうちそのレーザー光のスポットが
当たった位置に対応する弾性表面波に異常をきたす。従
って、レーザー光のスポットが当たった位置に対応して
すだれ状電極Qに出力される電気信号にも異常が発生す
る。人指または物体による接触位置をすだれ状電極Qに
出力される電気信号における周波数成分のうちで減衰す
る成分から検出する構造を採用することにより、その位
置を特定することができる。また、レーザー光のスポッ
トが当たった位置をすだれ状電極Qに出力される電気信
号における周波数成分のうちで異常を来した成分から検
出する構造を採用することにより、その位置を特定する
ことができる。この際、すだれ状電極Qに出力される周
波数の帯域はより平坦であることが望ましく、平坦であ
るほど減衰周波数成分や異常を来した成分の検出感度が
向上し信号処理が容易になり回路構成が簡単になる。周
波数帯域が平坦な構造を成すすだれ状電極としてたとえ
ば双曲線形すだれ状電極が挙げられる。このようにし
て、本発明の超音波タッチパネルは応答時間が短く感度
が良い。なお、前記物体としては基板よりも軟らかく超
音波を吸収しやすい物質であることが必要で、人の指な
どもその特徴を有する。板面F1に超音波送受波手段を
少なくとも2つ設けた構造を採用し、しかも1つの超音
波送受波手段におけるすだれ状電極PとQとの間の弾性
表面波の伝搬路と、別の超音波送受波手段におけるすだ
れ状電極PとQとの間の弾性表面波の伝搬路とを互いに
直交させる構造を採用することにより、板面F1におけ
る人指または物体による接触位置またはレーザー光のス
ポットが当たった位置をさらに繊細に特定できる。ま
た、超音波送受波手段の数を増やすことも可能で、基板
の大きさに対応して超音波送受波手段の数を増減した
り、またはすだれ状電極PおよびQの大きさを調整した
りする等の手段をとることができる。このようにして、
基板の大きさに左右されることなく人指または物体によ
る接触位置またはレーザー光のスポットが当たった位置
のきめ細かな特定が可能となる。基板のもう一方の板面
F2には少なくとも1種類の色で表示される表示装置の
表示画面を備えることが可能である。この場合、基板と
して透光性を有する構造を採用し、さらに基板における
接触位置またはレーザー光のスポットが当たった位置に
対応する形の情報を所定の時間、表示画面に表示させて
おく構造を採用することにより、たとえば基板よりも軟
らかく超音波を吸収しやすい物質で文字などを板面F1
に描いた場合、その文字を基板を介して表示画面に映し
出すことができる。このようにして、文字、記号、その
他の情報を板面F1に直接書き込むことにより、それら
の情報の入力ができるばかりでなく、表示画面に画像と
して映し出すことが可能になる。基板として圧電セラミ
ックを採用し、その圧電セラミックの分極軸の方向と厚
さ方向とを平行にする構造を採用することにより、圧電
セラミックに効率よく弾性表面波を励振することができ
る。また、圧電セラミックの板面の面内での等方性を利
用することにより、1つの超音波送受波手段におけるす
だれ状電極PとQとの間の弾性表面波の伝搬路と、別の
超音波送受波手段におけるすだれ状電極PとQとの間の
弾性表面波の伝搬路とを互いに直交させる構造を採用し
た場合、一方のすだれ状電極Qともう一方のすだれ状電
極Qに出力される電気信号のレベルをほぼ同一にするこ
とができる。従って回路構成が簡単になり装置の小型軽
量化が促進できるばかりでなく、出力信号を常に均一化
できるので信号処理が正確になり感度が向上する。さら
に分解能も上昇する。圧電セラミックの板面に弾性表面
波を伝搬させるためには圧電セラミックの厚さはすだれ
状電極PおよびQの電極周期長の3倍以上であることが
望ましい。圧電セラミックの厚さが電極周期長よりも小
さく、薄い場合にはラム波が伝搬するが、位置検出装置
としての機能を果たしうるモードが存在するならば、ラ
ム波の利用も可能である。基板としてLa添加ジルコン
・チタン酸鉛(PLZT)磁器などの透光性の圧電セラ
ミックを採用することにより、前記表示画面に現われる
文字、記号、その他の前記情報を板面F1上から見るこ
とができる。PLZTは透明でありしかも加工性、耐久
性に優れていることから基板として有望である。基板と
しては圧電セラミックの他にLiNbO3,LiTaO
3 等の圧電性の単結晶が考えられる。これらの単結晶は
透明でしかも圧電性を有している。しかし、結晶として
の異方性を有していることから電気機械結合係数を含め
て設計の段階で工夫を必要とし、余分な電子回路を必要
とする可能性がある。基板として非圧電板と圧電薄板と
を接着した2層構造基板を採用し、すだれ状電極Pおよ
びQを圧電薄板上に設けた構造を採用することにより、
圧電薄板に効率よく弾性表面波を励振することができ
る。圧電薄板としては圧電セラミックの他にLiNbO
3,LiTaO3 等の圧電性の単結晶が考えられる。ま
た、PVDFその他の高分子圧電フィルムも有望であ
る。非圧電板と圧電薄板とがともに透光性を有する構造
を採用することにより、前記表示画面に現われる文字、
記号、その他の前記情報を板面F1上から見ることがで
きる。基板として非圧電体を採用し、超音波送受波手段
が圧電薄板Aにすだれ状電極Pを設けて成る超音波デバ
イスTと、圧電薄板Bにすだれ状電極Qを設けて成る超
音波デバイスRとから成る構造を採用することにより、
超音波デバイスTに接触する部分の基板の板面F1に1
次モードまたは2次以上のモードの弾性表面波を励振さ
せることができる。このときこの弾性表面波の位相速度
が基板単体における弾性表面波の伝搬速度にほぼ等しく
なるような構造を採用することにより、すだれ状電極P
から加えられる電気的エネルギーが弾性表面波に変換さ
れる度合を大きくすることができるだけでなく、圧電薄
板Aと基板との界面での音響インピーダンスの不整合等
によって生じる反射等を除去することができる。このよ
うにして、低消費電力で高電圧を印加すること無しに効
率良く弾性表面波を基板の板面F1に励振することがで
きる。その上、板面F1の面積を比較的大規模にもでき
ることから、幅広い応用が可能である。なお、圧電薄板
AおよびBは板面F1に設けられている。非圧電体で成
る基板が透光性を有する構造を採用することにより、前
記表示画面に現われる文字、記号、その他の前記情報を
板面F1上から見ることができる。超音波デバイスTに
おける圧電薄板Aの厚さをすだれ状電極Pの電極周期長
以下にし、超音波デバイスRにおける圧電薄板Bの厚さ
をすだれ状電極Qの電極周期長以下にし、すだれ状電極
PおよびQの電極周期長を1次モードまたは2次以上の
モードの弾性表面波の波長にほぼ等しくする構造を採用
することにより、すだれ状電極から加えられる電気的エ
ネルギーが弾性表面波に変換される度合を大きくするこ
とができるだけでなく、圧電薄板と非圧電性基板との界
面での音響インピーダンスの不整合等によって生じる反
射等を除去することができる。なお、すだれ状電極の電
極周期長すなわち弾性表面波の波長λに対する圧電薄板
の厚さdの割合(d/λ)が小さいほど効果は大きい。
圧電薄板AおよびBとして圧電セラミックを採用し、そ
の圧電セラミックの分極軸の方向と厚さ方向とを平行に
する構造を採用することにより、非圧電体で成る基板に
効率よく1次モードまたは2次以上のモードの弾性表面
波を励振することができる。圧電薄板としてPVDFそ
の他の高分子圧電フィルムを採用することにより、非圧
電体で成る基板に効率よく1次モードまたは2次以上の
モードの弾性表面波を励振することができる。すだれ状
電極Pを非圧電体で成る基板と圧電薄板Aとの界面に設
け、すだれ状電極Qを非圧電体で成る基板と圧電薄板B
との界面に設けた構造を採用することにより、すだれ状
電極Pに加えられる電気的エネルギーを効率よく弾性表
面波に変換し、その弾性表面波を効率よくすだれ状電極
Qにおいて電気信号に変換することができる。
【実施例】図1は本発明の超音波タッチパネルの第1の
実施例を示す平面図である。本実施例は圧電基板1、す
だれ状電極TX,TY,RXおよびRYから成る。圧電
基板1は長さ55mm、幅55mm、厚さ5mmの圧電
セラミックで成る。圧電セラミックの分極軸の方向は該
圧電セラミックの厚さ方向と平行である。前記各すだれ
状電極はアルミニウム薄膜で成り、双曲線形を成してい
る。すだれ状電極TXおよびTYは入力用として、すだ
れ状電極RXおよびRYは出力用として用いられてい
る。すだれ状電極TXとRXとの間の電極間距離、およ
びすだれ状電極TYとRYとの間の電極間距離はともに
36.4mmである。図2は図1の超音波タッチパネル
におけるすだれ状電極TXを示す平面図である。すだれ
状電極TY,RXおよびRYはすだれ状電極TXと同様
な形状を成し、同様な特性を有している。すだれ状電極
TX,TY,RXおよびRYは電極周期長が260μm
〜390μmで26.5対の電極指を有し電極交叉幅は
23.4mmである。図3は図1の超音波タッチパネル
の断面図であって、すだれ状電極TXおよびRXの関係
を示している。すだれ状電極TYおよびRYの関係もす
だれ状電極TXおよびRXの関係と同様である。図4は
図1のすだれ状電極TX,TY,RXおよびRYの代わ
りに用いられるすだれ状電極の一実施例を示す平面図で
ある。このすだれ状電極は6つの部分に分割されている
が、このような分割された形状のすだれ状電極を用いる
ことによっても、すだれ状電極TX,TY,RXおよび
RYを用いたときと同様な効果が見られた。また、図2
や図4に示されるような電極指が双曲線形のものだけで
なく、電極周期長が連続的に変化するものであれば電極
指が直線形のものであっても同様な機能を果たす。図1
の超音波タッチパネルの駆動時、すだれ状電極TXおよ
びTYには時間とともに周波数が変化する線形チャープ
信号が印加され、すだれ状電極TXおよびTYの電極周
期長(260μm〜390μm)にほぼ対応する周波数
を有する電気信号のみが弾性表面波に変換されて圧電基
板1を連続的に伝搬する。圧電基板1を伝搬している弾
性表面波のうちすだれ状電極RXおよびRYの示す電極
周期長にほぼ等しい波長の弾性表面波のみが遅延電気信
号に変換されてすだれ状電極RXおよびRYから出力さ
れる。すなわち、すだれ状電極TXおよびTYの各電極
周期長を示す部分からその電極周期長にほぼ対応する周
波数を有する電気信号が弾性表面波に変換されて圧電基
板1を伝搬し、すだれ状電極RXおよびRYの各電極周
期長にほぼ等しい波長の弾性表面波が遅延電気信号に変
換されて、すだれ状電極RXおよびRYの各電極周期長
を示す部分から出力される。このとき、すだれ状電極T
XとRXとの間の弾性表面波の伝搬路とすだれ状電極T
YとRYとの間の弾性表面波の伝搬路とは互いに直行す
る。すだれ状電極RXにおいてはそれぞれの電極周期長
に応じた周波数成分を有する遅延電気信号が受信され、
また、すだれ状電極RYにおいてもそれぞれの電極周期
長に応じた周波数成分を有する遅延電気信号が受信され
る。圧電基板1上の弾性表面波の伝搬路を圧電基板1よ
りも軟らかく超音波を吸収しやすい物質で接触すると、
接触位置に対応する弾性表面波が消滅または減衰するの
で、その接触位置に対応する周波数成分を有する遅延電
気信号が消滅または減衰する。接触位置はこのようにし
て消滅または減衰した遅延電気信号の周波数から検出で
きるようになっている。すなわちすだれ状電極RXおよ
びRYに現われる遅延電気信号のうち消滅または減衰し
た周波数を読みとることにより、接触位置を明確にでき
る。また、圧電基板1上の弾性表面波の伝搬路にレーザ
ー光のスポットを当てると、スポットの位置に対応する
弾性表面波に異常が起こる。従って、スポットの位置に
対応する周波数成分を有する遅延電気信号にも異常が起
こる。スポットの位置はこのようにして異常を来した遅
延電気信号の周波数から検出できるようになっている。
すなわちすだれ状電極RXおよびRYに現われる遅延電
気信号のうち異常を来した周波数を読みとることによ
り、スポットの位置を明確にできる。図5はすだれ状電
極TX,RX間またはTY,RY間における周波数に対
する挿入損失の関係を示す特性図である。但し上から順
に、接触しない場合の特性、圧電基板1よりも軟らかく
超音波を吸収しやすい物質で低周波数側を接触した場合
の特性、前記物質で中心周波数付近を接触した場合の特
性、前記物質で高周波数側を接触した場合の特性を示
す。挿入損失における接触した場合と接触しない場合と
の間の差は図1の超音波タッチパネルの信号処理を行な
う上で十分な変化である。このようにして、圧電基板1
上の接触位置に対応して振幅が極小となるディップの周
波数を読みとることにより、接触位置が検出できる。図
6は接触位置と周波数との関係を示す特性図である。但
し圧電基板1を接触する際、ペン先が直径2mmのゴム
製で成る接触ペンを使用した。また、この接触ペンは接
触圧を一定に保つためにバネを介して固定物に固定され
ている。一方、圧電基板1は移動可能なステージ上に固
定されている。このステージはステッピングモータによ
り最小2μm移動する。圧電基板1上の接触位置に対応
するディップの周波数を読みとる場合、接触ペンを圧電
基板1上に接触させステージを移動させながらそのとき
のディップの周波数をネットワークアナライザにより測
定した。図6は接触ペンを弾性表面波の伝搬方向に対し
垂直に移動させたときの結果、すなわち圧電基板1上の
すだれ状電極TX,RX間またはTY,RY間における
弾性表面波の伝搬方向に対し垂直な直線を描いた結果を
示す。接触位置と周波数とが良好な直線関係にあること
がわかる。接触位置の誤差はペン先の直径の2mm以内
であり、良好な直線性を維持している。分解能の限界は
波長のオーダで決まり、ペン先を波長以下で移動させた
場合には周波数は一定の値を示す。図1の超音波タッチ
パネルの最小分解能は0.54mmである。このように
して、接触位置と周波数とは良好な直線関係にありその
分解能も高いことが確認された。図7は接触ペンを用い
て圧電基板1に数字の9を入力した場合の接触位置を示
す特性図である。但し、接触位置はすだれ状電極RXま
たはRYに対応するディップの周波数および図6の特性
をもとに検出されたものである。この結果は本発明の超
音波タッチパネルが文字入力に十分対応可能であること
を示す。図8は本発明の超音波タッチパネルの第2の実
施例を示す断面図である。本実施例は図1の第1の実施
例における圧電基板1を圧電薄板2と非圧電板3との2
層構造基板に置き換えたものである。図8ではすだれ状
電極TXおよびRXの関係が示されている。すだれ状電
極TYおよびRYの関係もすだれ状電極TXおよびRX
の関係と同様である。圧電薄板2は厚さ230μmのT
DK製101A材(製品名)で成る。非圧電板3は厚さ
1.9mmのパイレックスガラスで成る。圧電薄板2は
厚さ約20μmのエポキシ系樹脂によって非圧電板3上
に固着されている。図8の超音波タッチパネルにおいて
も、図1の超音波タッチパネルを駆動する場合と同様な
駆動方法が採用される。すだれ状電極TXおよびTYに
線形チャープ信号を印加することにより圧電薄板2に弾
性表面波が励振される。圧電薄板2を伝搬している弾性
表面波は再び遅延電気信号に置換されてすだれ状電極R
XおよびRYから出力される。図8の超音波タッチパネ
ルを使用することにより、圧電薄板2上の弾性表面波の
伝搬路を接触ペンで接触した場合の接触位置、またはレ
ーザー光を当てた場合のスポットの位置を明確に指定す
ることができる。図9は非圧電板3を伝搬する弾性表面
波の速度分散曲線を示す特性図であり、弾性表面波の波
数kと圧電薄板2の厚さdとの積(kd)または弾性表
面波の波長λに対するdの割合(d/λ)に対する各モ
ードの位相速度を示す図である。但し、圧電薄板2は、
圧電薄板2の非圧電板3と接触する方の板面(ガラス側
板面)が電気的に開放状態にあってもう一方の空気に接
触する方の板面(空気側板面)が電気的に短絡状態にあ
るものと、圧電薄板2のガラス側板面と空気側板面とが
共に電気的に短絡状態にあるものである。本実施例にお
いては圧電薄板2の板面に金属薄膜を被覆することによ
りその板面を電気的に短絡状態にしている。本図におい
て”short”は短絡状態を、”open”は開放状
態であることを示す。弾性表面波には複数個のモードが
ある。零次モードは基本レイリー波であり、零次モード
はkd値が零のとき非圧電板3のレイリー波速度に一致
していて、kd値が大きくなるにつれて圧電薄板2のレ
イリー波速度に収束している。1次以上のモードではカ
ットオフ周波数が存在し、kd値がそれぞれの最小のと
き非圧電板3の横波速度に収束している。本図において
○印は実測値を示す。図10は非圧電板3を伝搬する弾
性表面波の速度分散曲線を示す特性図であり、kd値ま
たはd/λ値に対する各モードの位相速度を示す図であ
る。但し、圧電薄板2は、圧電薄板2のガラス側板面と
空気側板面とが共に電気的に開放状態にあるものと、圧
電薄板2のガラス側板面が電気的に短絡状態にあって空
気側板面が電気的に開放状態にあるものを用いた。零次
モードではkd値が零のとき非圧電板3のレイリー波速
度に一致していて、kd値が大きくなるにつれて圧電薄
板2のレイリー波速度に収束している。1次以上のモー
ドではカットオフ周波数が存在し、kd値がそれぞれの
最小のとき非圧電板3の横波速度に収束している。本図
において○印は実測値を示す。図11は圧電薄板2の異
なる2つの電気的境界条件下での位相速度差から算出し
た実効的電気機械結合係数k2 とkd値との関係を示す
特性図である。但し、圧電薄板2は、圧電薄板2のガラ
ス側板面を電気的に短絡状態にし空気側板面にすだれ状
電極(IDT)を設けたものを用いている。kd値がほ
ぼ2.7付近以上のとき零次モードのk2 は高次モード
に比べて大きな値を示す。図12は圧電薄板2の異なる
2つの電気的境界条件下での位相速度差から算出した実
効的電気機械結合係数k2 とkd値との関係を示す特性
図である。但し、圧電薄板2は、圧電薄板2のガラス側
板面を電気的に開放状態にし空気側板面にすだれ状電極
を設けたものを用いている。零次モードのk2 は高次モ
ードに比べて大きな値を有している。図9〜12より、
圧電薄板2を伝搬する零次モードの弾性表面波の速度は
kd値が大きくなるにつれて圧電薄板2単体を伝搬する
弾性表面波の速度に収束し、kd値がほぼ2付近のとき
2 が最大値を示すことがわかる。図11および図12
より、圧電薄板2の空気側板面にすだれ状電極を設けガ
ラス側板面を電気的に短絡または開放状態にした構造に
おいてすだれ状電極に加えられる電気的エネルギーが弾
性表面波に変換される度合が大きくなることがわかる。
kd値が2を越える領域での零次モード表面波の位相速
度は速度分散がきわめて小さく、波長に比べて十分な厚
さを有する圧電薄板2単体でのレイリー表面波速度とほ
とんど一致することになる。このことは厚い圧電板を使
用することなく薄い圧電板とガラス等の非圧電体との層
状構成によって所望の特性を実現できることを示してい
る。図13は本発明の超音波タッチパネルの第3の実施
例を示す平面図である。本実施例は圧電薄板4、非圧電
板5、すだれ状電極TX,TY,RXおよびRYから成
る。非圧電板5は長さ55mm、幅55mm、厚さ1.
9mmのパイレックスガラスで成る。圧電薄板4は厚さ
230μmのTDK製101A材(製品名)で成り、弾
性表面波の伝搬領域を囲むような形で非圧電板5上に厚
さ約20μmのエポキシ系樹脂によって固着されてい
る。図14は図13の超音波タッチパネルの断面図であ
る。図14ではすだれ状電極TXおよびRXの関係が示
されている。すだれ状電極TYおよびRYの関係もすだ
れ状電極TXおよびRXの関係と同様である。各すだれ
状電極は圧電薄板4において非圧電板5に接する方の板
面に設けられている。図13の超音波タッチパネルにお
いても、図1の超音波タッチパネルを駆動する場合と同
様な駆動方法が採用される。すだれ状電極TXおよびT
Yに線形チャープ信号を印加することにより圧電薄板4
に励振された弾性表面波は非圧電板5に伝搬される。非
圧電板5を伝搬している弾性表面波は再び遅延電気信号
に置換されてすだれ状電極RXおよびRYから出力され
る。図13の超音波タッチパネルを使用することによ
り、非圧電板5上の弾性表面波の伝搬路を接触ペンで接
触した場合の接触位置、またはレーザー光を当てた場合
のスポットの位置を明確に指定することができる。非圧
電板5を伝搬する弾性表面波の速度分散曲線は図9およ
び図10に示す非圧電板3を伝搬する弾性表面波の速度
分散曲線と同様である。非圧電板5を伝搬する弾性表面
波の各モードのうち零次モードはkd値が零のとき非圧
電板5のレイリー波速度に一致していて、kd値が大き
くなるにつれて圧電薄板4のレイリー波速度に収束して
いる。1次以上のモードではカットオフ周波数が存在
し、kd値がそれぞれの最小のとき非圧電板5の横波速
度に収束している。図15は圧電薄板4の異なる2つの
電気的境界条件下での位相速度差から算出した実効的電
気機械結合係数k2 とkd値との関係を示す特性図であ
る。但し、圧電薄板4は、圧電薄板4のガラス側板面に
すだれ状電極を設け空気側板面を電気的に短絡状態にし
たものを用いている。高次モードのk2 は零次モードに
比べて大きな値を示す。特に1次モードではkd=1.
8においてk2 =17.7%という最大値を示してい
る。図16は圧電薄板4の異なる2つの電気的境界条件
下での位相速度差から算出した実効的電気機械結合係数
2 とkd値との関係を示す特性図である。但し、圧電
薄板4は、圧電薄板4のガラス側板面にすだれ状電極を
設け空気側板面を電気的に開放状態にしたものを用いて
いる。高次モードのk2 は零次モードに比べて大きな値
を示す。図9,10,15および16より、図13の超
音波タッチパネルの非圧電板5を伝搬する1次以上のモ
ードの弾性表面波の速度が非圧電板5単体を伝搬する弾
性表面波の速度と等しいときk2 が最大値を示すことが
わかる。
【0045】図15および図16より、圧電薄板4のガ
ラス側板面にすだれ状電極を設け空気側板面を電気的に
短絡状態にした構造においてすだれ状電極に加えられる
電気的エネルギーが弾性表面波に変換される度合が大き
くなることがわかる。
【発明の効果】本発明の超音波タッチパネルによれば、
すだれ状電極Pの電極周期長にほぼ対応して連続的に変
化する周波数の電気信号をすだれ状電極Pに入力する構
造を採用することにより、それぞれの電極周期長に応じ
た部分のすだれ状電極Pからその電極周期長にほぼ等し
い波長を有する弾性表面波を基板におけるすだれ状電極
PおよびQを有する板面F1上に電極交叉幅に応じて連
続的に励振することができる。しかも、低消費電力で高
電圧を印加すること無しに効率良く弾性表面波を励振す
ることができる。すだれ状電極Qをすだれ状電極Pに対
して弾性表面波の送受波の指向軸が共通になるよう配置
する構造を採用することにより、弾性表面波をすだれ状
電極Qから電気信号として効率よく出力させることがで
きる。この際、それぞれの弾性表面波の波長にほぼ対応
する周波数の電気信号が弾性表面波の波長とほぼ等しい
電極周期長の部分のすだれ状電極Qから連続的に出力さ
れる。弾性表面波の伝搬路の一部に人指または物体で接
触すると、その接触位置に対応する弾性表面波が減衰ま
たは消滅するので、接触位置に対応する部分のすだれ状
電極Qに出力される電気信号も減衰または消滅する。接
触位置をすだれ状電極Qに出力される電気信号における
周波数成分のうちで減衰する成分から検出する構造を採
用することにより、接触位置を特定することができる。
接触する物体としては基板よりも軟らかく超音波を吸収
しやすい物質であることが必要で、人の指などもその特
徴を有する。また、弾性表面波の伝搬路の一部にレーザ
ー光のスポットを当てると、そのスポットが当たった位
置に対応する弾性表面波に異常をきたす。従って、その
スポットが当たった位置に対応してすだれ状電極Qに出
力される電気信号にも異常が発生する。スポットが当た
った位置をすだれ状電極Qに出力される電気信号におけ
る周波数成分のうちで異常を来した成分から検出する構
造を採用することにより、その位置を特定することがで
きる。すだれ状電極Qに出力される周波数の帯域はより
平坦であることが望ましく、平坦であるほど減衰周波数
成分や異常を来した成分の検出感度が向上し信号処理が
容易になり回路構成が簡単になる。周波数帯域が平坦な
構造を成すすだれ状電極としてたとえば双曲線形すだれ
状電極が挙げられる。このようにして、本発明の超音波
タッチパネルは応答時間が短く感度が良い。基板におけ
る1つの超音波送受波手段におけるすだれ状電極PとQ
との間の弾性表面波の伝搬路と、別の超音波送受波手段
におけるすだれ状電極PとQとの間の弾性表面波の伝搬
路とを互いに直交させる構造を採用することにより、人
指または物体による接触位置またはレーザー光のスポッ
トが当たった位置をさらに繊細に特定できる。また、超
音波送受波手段の数を増やすことも可能で、基板の大き
さに対応して超音波送受波手段の数を増減したり、また
はすだれ状電極PおよびQの大きさを調整したりする等
の手段をとることができる。このようにして、基板の大
きさに左右されることなく接触位置のきめ細かな特定が
可能となる。基板のもう一方の板面F2に少なくとも1
種類の色で表示される表示装置の表示画面を備え、基板
として透光性を有する構造を採用し、さらに基板におけ
る人指または物体による接触位置またはレーザー光のス
ポットが当たった位置に対応する形の情報を所定の時
間、表示画面に表示させておく構造を採用することによ
り、文字などを板面F1に描いた場合、その文字を基板
を介して表示画面に映し出すことができる。すなわち、
文字、記号、その他の情報を板面F1に直接書き込むこ
とにより、それらの情報の入力ができるばかりでなく、
表示画面に画像として映し出すことが可能になる。基板
として圧電セラミックを採用し、その圧電セラミックの
分極軸の方向と厚さ方向とを平行にする構造を採用する
ことにより、圧電セラミックに効率よく弾性表面波を励
振することができる。また、圧電セラミックの板面の面
内での等方性を利用することにより、1つの超音波送受
波手段におけるすだれ状電極PとQとの間の弾性表面波
の伝搬路と、別の超音波送受波手段におけるすだれ状電
極PとQとの間の弾性表面波の伝搬路とを互いに直交さ
せる構造を採用した場合、一方のすだれ状電極Qともう
一方のすだれ状電極Qに出力される電気信号のレベルを
ほぼ同一にすることができる。従って回路構成が簡単に
なり装置の小型軽量化が促進できるばかりでなく、出力
信号を常に均一化できるので信号処理が正確になり感度
が向上する。さらに分解能も上昇する。基板としてLa
添加ジルコン・チタン酸鉛(PLZT)磁器などの透光
性の圧電セラミックを採用することにより、前記表示画
面に現われる文字、記号、その他の前記情報を板面F1
上から見ることができる。PLZTは透明でありしかも
加工性、耐久性に優れていることから基板として有望で
ある。基板としては圧電セラミックの他にLiNb
3,LiTaO3 等の圧電性の単結晶が考えられる。
これらの単結晶は透明でしかも圧電性を有しているもの
の、結晶としての異方性を有していることから電気機械
結合係数を含めて設計の段階で工夫を必要とし、余分な
電子回路を必要とする可能性がある。基板として非圧電
板と圧電薄板とを接着した2層構造基板を採用し、すだ
れ状電極PおよびQを圧電薄板上に設けた構造を採用す
ることにより、圧電薄板に効率よく弾性表面波を励振す
ることができる。圧電薄板としては圧電セラミックの他
にLiNbO3,LiTaO3 等の圧電性の単結晶が考
えられる。また、PVDFその他の高分子圧電フィルム
も有望である。非圧電板と圧電薄板とがともに透光性を
有する構造を採用することにより、前記表示画面に現わ
れる文字、記号、その他の前記情報を板面F1上から見
ることができる。超音波送受波手段が圧電薄板Aにすだ
れ状電極Pを設けて成る超音波デバイスTと、圧電薄板
Bにすだれ状電極Qを設けて成る超音波デバイスRとか
ら成る構造を採用することにより、非圧電体で成る基板
に1次モードまたは2次以上のモードの弾性表面波を励
振させることができる。このときこの弾性表面波の位相
速度が基板単体における弾性表面波の伝搬速度にほぼ等
しくなるような構造を採用することにより、すだれ状電
極Pから加えられる電気的エネルギーが弾性表面波に変
換される度合を大きくすることができるだけでなく、圧
電薄板と基板との界面での音響インピーダンスの不整合
等によって生じる反射等を除去することができる。この
とき、すだれ状電極Pを基板と圧電薄板Aとの界面に設
け、すだれ状電極Qを基板と圧電薄板Bとの界面に設け
た構造を採用することにより、すだれ状電極Pに加えら
れる電気的エネルギーを効率よく弾性表面波に変換し、
その弾性表面波を効率よくすだれ状電極Qにおいて電気
信号に変換することができる。このようにして、低消費
電力で高電圧を印加すること無しに効率良く弾性表面波
を基板の板面F1に励振することができる。その上、板
面F1の面積を比較的大規模にもできることから、幅広
い応用が可能である。なお、基板が透光性を有する構造
を採用することにより、前記表示画面に現われる文字、
記号、その他の前記情報を板面F1上から見ることがで
きる。圧電薄板Aの厚さをすだれ状電極Pの電極周期長
以下にし、圧電薄板Bの厚さをすだれ状電極Qの電極周
期長以下にし、すだれ状電極PおよびQの電極周期長を
1次モードまたは2次以上のモードの弾性表面波の波長
にほぼ等しくする構造を採用することにより、すだれ状
電極から加えられる電気的エネルギーが弾性表面波に変
換される度合を大きくすることができるだけでなく、圧
電薄板と非圧電性基板との界面での音響インピーダンス
の不整合等によって生じる反射等を除去することができ
る。なお、すだれ状電極の電極周期長すなわち弾性表面
波の波長λに対する圧電薄板の厚さdの割合(d/λ)
が小さいほど効果は大きい。圧電薄板AおよびBとして
圧電セラミックを採用し、その圧電セラミックの分極軸
の方向と厚さ方向とを平行にする構造を採用することに
より、非圧電体で成る基板に効率よく1次モードまたは
2次以上のモードの弾性表面波を励振することができ
る。また、圧電薄板としてPVDFその他の高分子圧電
フィルムを採用することにより、非圧電体で成る基板に
効率よく1次モードまたは2次以上のモードの弾性表面
波を励振することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の超音波タッチパネルの第1の実施例を
示す平面図。
【図2】図1の超音波タッチパネルにおけるすだれ状電
極TXを示す平面図。
【図3】図1の超音波タッチパネルの断面図。
【図4】図1のすだれ状電極TX,TY,RXおよびR
Yの代わりに用いられるすだれ状電極の一実施例を示す
平面図。
【図5】すだれ状電極TX,RX間またはTY,RY間
における周波数に対する挿入損失の関係を示す特性図。
【図6】接触位置と周波数との関係を示す特性図。
【図7】接触ペンを用いて圧電基板1に数字の9を入力
した場合の接触位置を示す特性図。
【図8】本発明の超音波タッチパネルの第2の実施例を
示す断面図。
【図9】非圧電板3を伝搬する弾性表面波の速度分散曲
線を示す特性図。
【図10】非圧電板3を伝搬する弾性表面波の速度分散
曲線を示す特性図。
【図11】圧電薄板2の異なる2つの電気的境界条件下
での位相速度差から算出した実効的電気機械結合係数k
2 とkd値との関係を示す特性図。
【図12】圧電薄板2の異なる2つの電気的境界条件下
での位相速度差から算出した実効的電気機械結合係数k
2 とkd値との関係を示す特性図。
【図13】本発明の超音波タッチパネルの第3の実施例
を示す平面図。
【図14】図13の超音波タッチパネルの断面図。
【図15】圧電薄板4の異なる2つの電気的境界条件下
での位相速度差から算出した実効的電気機械結合係数k
2 とkd値との関係を示す特性図。
【図16】圧電薄板4の異なる2つの電気的境界条件下
での位相速度差から算出した実効的電気機械結合係数k
2 とkd値との関係を示す特性図。
【符号の説明】
1 圧電基板 2 圧電薄板 3 非圧電板 4 圧電薄板 5 非圧電板 TX,TY,RX,RY すだれ状電極

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ほぼ透明な基板の一方の板面F1に少な
    くとも2つの超音波送受波手段を備えた超音波タッチパ
    ネルであって、 前記超音波送受波手段は1組のすだれ状電極Pと、前記
    すだれ状電極Pに対応する1組のすだれ状電極Qとを含
    み、 前記すだれ状電極PおよびQは前記すだれ状電極Pおよ
    びQの中心線に平行な方向に沿ってそれぞれの電極周期
    長が連続的に変化する構造を成し、 前記すだれ状電極Pの電極周期長にほぼ対応して連続的
    に変化する周波数の電気信号を前記すだれ状電極Pに入
    力し、前記板面F1に弾性表面波を励振する手段と、 前記板面F1に励振された該弾性表面波に応じて前記す
    だれ状電極Qに現れる電気信号を出力する手段とが設け
    てあり、 前記すだれ状電極PとQとは前記弾性表面波の送受波の
    指向軸を共通にして互いに1対1に対をなして配置され
    ていて、 1つの前記超音波送受波手段における前記すだれ状電極
    PとQとの間の弾性表面波の伝搬路と、別の前記超音波
    送受波手段における前記すだれ状電極PとQとの間の弾
    性表面波の伝搬路とが互いに直交していて、 前記伝搬路の一部に人指、物体またはレーザー光のスポ
    ットが接触したことを、前記すだれ状電極Qに出力され
    る前記電気信号における周波数成分の大きさから感知
    し、前記伝搬路における人指、物体またはレーザー光の
    スポットによる接触位置を前記周波数成分のうちで変動
    した周波数成分から検出する装置に接続されることを特
    徴とする超音波タッチパネル。
  2. 【請求項2】 前記接触位置と前記変動周波数成分とが
    直線関係にあることを特徴とする請求項1に記載の超音
    波タッチパネル。
  3. 【請求項3】 前記基板がほぼ透明な圧電セラミックで
    成り、該圧電セラミックの分極軸の方向は該圧電セラミ
    ックの厚さ方向と平行であることを特徴とする請求項1
    または2に記載の超音波タッチパネル。
  4. 【請求項4】 前記基板がほぼ透明な非圧電板にほぼ透
    明な圧電薄板を設けた2層構造を成し、前記すだれ状電
    極PおよびQが該圧電薄板上に設けられていることを特
    徴とする請求項1または2に記載の超音波タッチパネ
    ル。
  5. 【請求項5】 前記基板がほぼ透明な非圧電板で成り、 前記超音波送受波手段が圧電薄板Aに前記すだれ状電極
    Pを設けて成る超音波デバイスTと、圧電薄板Bに前記
    すだれ状電極Qを設けて成る超音波デバイスRとから成
    り、 前記圧電薄板AおよびBは前記板面F1に設けられてい
    て、 前記圧電薄板Aの厚さは前記すだれ状電極Pの電極周期
    長以下であり、前記圧電薄板Bの厚さは前記すだれ状電
    極Qの電極周期長以下であって、 前記すだれ状電極PおよびQの電極周期長は1次モード
    または2次以上のモードの弾性表面波の波長にほぼ等し
    く、 前記1次モードまたは2次以上の前記モードの弾性表面
    波の位相速度は前記非圧電板単体に励振される弾性表面
    波の伝搬速度にほぼ等しいことを特徴とする請求項1ま
    たは2に記載の超音波タッチパネル。
  6. 【請求項6】 前記圧電薄板AまたはBは前記すだれ状
    電極PおよびQが設けられている方の板面で前記非圧電
    板に固着されていることを特徴とする請求項5に記載の
    超音波タッチパネル。
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