JPH1054769A - 隔膜型圧力センサ - Google Patents

隔膜型圧力センサ

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JPH1054769A
JPH1054769A JP8212644A JP21264496A JPH1054769A JP H1054769 A JPH1054769 A JP H1054769A JP 8212644 A JP8212644 A JP 8212644A JP 21264496 A JP21264496 A JP 21264496A JP H1054769 A JPH1054769 A JP H1054769A
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pressure
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Toshio Honma
敏男 本間
Naoki Yoshida
直樹 吉田
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Nagano Keiki Seisakusho KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 温度変化によるセンサ特性の変動が極めて少
ない隔膜型圧力センサを提供する。 【解決手段】 隔膜型圧力センサのダイアフラム部材と
して、被測定物と接触する側のダイアフラム部が、歪ゲ
ージを設置する側のダイアフラム部のバネ定数と比べて
充分に小さな値のバネ定数を有し、被測定物の圧力以外
の影響による変位を吸収し得るものを用いる。或いは、
隔膜型圧力センサにおいて、被測定物側のダイアフラム
と支持体との接触部を、支持体に対する第2ダイアフラ
ム部の圧力印加方向への変位を許容する接合層によって
封止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は圧力センサ及び圧力
センサ用ダイアフラム部材に関し、詳しくは、主に液体
や気体等の流体の圧力を測定するための圧力センサ及び
圧力センサ用ダイアフラム部材に関するものである。本
発明の圧力センサ及び圧力センサ用ダイアフラム部材
は、例えば、人工透析機等の医療用機器に好適に利用さ
れる。
【0002】
【従来の技術】人工透析機等の医療機器には、血圧等の
体液圧或いは生体内圧力を測定するために圧力センサが
組み込まれている。医療機器用圧力センサのダイアフラ
ム部材としては、2枚のステンレス製ダイアフラムを備
えた2重構造型(隔膜型)のものが多用されている。こ
れは、圧力センサのダイアフラム部分における液溜まり
を少なくするためである。このタイプの圧力センサにお
いては、一方のダイアフラムが測定対象である流体と直
接接触して流体圧の圧力印加方向へ一次的変位を起こ
し、この一次的変位が何らかの手段によって他方のダイ
アフラムに伝達されて当該他方のダイアフラムが流体圧
の圧力印加方向へ二次的変位を起こし、この二次的変位
が当該他方のダイアフラムに設置された歪ゲージによっ
て電気信号に変換される。
【0003】2重構造型のダイアフラム部材においてダ
イアフラム間の変位伝達を行うための手段としてよく行
われているのは、2枚のダイアフラムの間にある空洞に
シリコンオイル等の液体を封入する手段や、前記空洞内
において2枚のダイアフラムをロッド等で機械的に連結
する手段などである。
【0004】しかしながら、シリコンオイル等の封入液
を使用する場合には、ダイアフラムに亀裂が生じて封入
液が漏れ出す可能性があり、また、ダイアフラム部材の
形成材料と封入液の熱膨張係数の相違によって圧力セン
サの零点の変動等の熱的な悪影響が生じる場合がある。
【0005】一方、2枚のダイアフラムをロッド等で連
結した構造の場合には、測定環境の温度変化によってセ
ンサ特性が変動し易いので、測定時の温度管理や機器調
整に手間がかかり、また、充分な測定精度を確保しにく
いと言う問題がある。すなわち、ダイアフラム部材を圧
力センサ内に固定する支持体が熱的に膨張又は収縮して
支持体の変位が起きると、その変位が支持体から被測定
物と接触する側のダイアフラムへと両者の接合部を介し
て伝わり、このダイアフラムを圧力が印加されたのと同
等の方向へ変位させる。そして、このようにして被測定
物側ダイアフラムに生じた望ましくない変位は、ロッド
等を介して歪ゲージが設置された側のダイアフラムにも
伝達されるので、被測定物の圧力による変位だけを純粋
に歪ゲージで測定することが困難である。
【0006】このため、温度変化に伴うセンサ特性の変
動を低減するためには、ダイアフラム部材の支持体に生
じた熱的変位(特に圧力印加方向への変位)が被測定物
と接触する側のダイアフラムに伝達されるのを、できる
だけ阻止する必要がある。
【0007】ダイアフラム部材の支持体に生じた熱的変
位が被測定物側ダイアフラムへ伝達するのを阻止する方
法としては、被測定物側ダイアフラムの厚さを薄くする
か又は被測定物側ダイアフラムの直径を大きくする等の
方法がある。このような方法をとれば、被測定物側ダイ
アフラムが支持体に生じた望まない変位を全て吸収して
しまい、2枚のダイアフラムを連結するロッド等にまで
変位が到達しないからである。
【0008】しかしながら、ダイアフラムの厚さを薄く
するには加工上の限界がある。また、被測定物側ダイア
フラムの直径を大きくする場合には、圧力センサが大型
化してしまうので、装置への組み込みが困難になった
り、装置そのものが大型化してしまう。
【0009】ダイアフラム部材の支持体に生じた熱的変
位が被測定物側ダイアフラムへ伝達するのを阻止するた
めの別の方法としては、支持体と被測定物側ダイアフラ
ムの接触部を接合せずに、互いに滑動可能なピストン構
造とすることによって、支持体の変位を接触部で完全に
遮断する方法がある。しかしながら、この場合には、支
持体と被測定物側ダイアフラムの間が充分に封止されな
いので、被測定物である流体が流路から漏れ出すおそれ
がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記の実情
に鑑みて成し遂げられたものであり、その第一の目的
は、測定環境の温度変化によるセンサ特性の変動が極め
て少なく、温度管理や機器調整等の取扱いが簡単で精度
の高い隔膜型圧力センサを提供することにある。
【0011】また、本発明の第二の目的は、測定環境の
温度変化によるセンサ特性の変動が極めて少ないことに
加えて、小型軽量化を図ることができ、封入液が流路に
漏出する可能性や被測定物が流路から漏出する可能性の
ない隔膜型圧力センサを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明においては、先ず第1に、センサ内に、有底
筒状を呈すると共にその底部が歪ゲージを設置すべき第
1ダイアフラム部となっている荷重検出部、被測定物か
らの圧力を直接受けるために前記荷重検出部の開口部を
覆う第2ダイアフラム部、及び、前記荷重検出部の空洞
内において第1ダイアフラム部と第2ダイアフラム部を
連結する連結部を少なくとも備えたダイアフラム部材を
備え、前記第2ダイアフラム部が、前記第1ダイアフラ
ム部のバネ定数と比べて充分に小さな値のバネ定数を有
し、被測定物の圧力以外の影響による変位を吸収し得る
ものであることを特徴とする隔膜型圧力センサを提供す
る。
【0013】前記第2ダイアフラム部のバネ定数は、第
1ダイアフラム部のバネ定数の5%以下の値であること
が好ましい。あるいは、前記荷重検出部は金属製であ
り、前記第2ダイアフラム部はプラスチック製であるこ
とが好ましい。
【0014】また、本発明においては、第2に、被測定
物である流体が通過する流路と当該流路に連通するダイ
アフラム部材設置部とが形成された支持体、及び、有底
筒状を呈し底部が第1ダイアフラム部となっている荷重
検出部、当該荷重検出部の開口部を覆う第2ダイアフラ
ム部、及び前記荷重検出部の空洞内において第1ダイア
フラム部と第2ダイアフラム部を連結する連結部を備え
ていると共に、前記ダイアフラム部材設置部内に設置さ
れたダイアフラム部材を少なくとも備えており、前記ダ
イアフラム部材の第2ダイアフラム部外面が前記流路内
空間に露出し、且つ、前記支持体に対する第2ダイアフ
ラム部の圧力印加方向への変位を許容する接合層によっ
てダイアフラム部材の外面と前記ダイアフラム部材設置
部の内周の間が封止されていることを特徴とする隔膜型
圧力センサを提供する。
【0015】本発明においては、2重構造型のダイアフ
ラム部材に備えられた2枚のダイアフラムのうち、被測
定物と接触する側のダイアフラム(第2ダイアフラム
部)として、前記第1ダイアフラム部のバネ定数と比べ
て充分に小さな値のバネ定数を有し、被測定物の圧力以
外の影響による変位を吸収し得るものを使用することと
した。そのため、ダイアフラム部材を固定する支持体が
温度変化によって被測定物の圧力印加方向に変位したと
しても、その変位は、支持体に形成されたダイアフラム
設置部の内周面と第2ダイアフラム部の外面との接合部
を介して第2ダイアフラム部に伝達された時点で、第2
ダイアフラム部によって吸収されてしまう。その結果、
支持体と連結部との間の相対的な位置関係は変動する
が、連結部の絶対的位置は殆ど変化しないこととなる。
そして、連結部は、第2ダイアフラム部が被測定物の圧
力で押された時だけその絶対的位置を変化させ、第1ダ
イアフラム部を被測定物の圧力印加方向へ変位させる。
従って、本発明の隔膜型圧力センサは、ダイアフラム部
材の支持体に生じた被測定物の圧力印加方向への変位に
殆ど影響されずに、被測定物の圧力による変位のみを第
2ダイアフラム及び連結部を介して第1ダイアフラムま
で伝達することができ、測定環境の温度変化によるセン
サ特性の変動が極めて少ない。
【0016】また、本発明で用いられるダイアフラム部
材は、ダイアフラム部の径を大きくしなくても温度変化
に対する安定性が高いので、小型軽量化を図ることが可
能であり、特に、ダイアフラム部の径を大きくすること
が極めて困難な医療機器用の隔膜型圧力センサに好適で
ある。さらに、このダイアフラム部材は封入液を使用し
ないので、封入液の漏出も起こらない。
【0017】本発明においては、測定環境の温度変化に
よるセンサ特性の変動が極めて少ない圧力センサを提供
するために、上記とは別の手段として、支持体に形成さ
れたダイアフラム部材設置部にダイアフラム部材を固定
する際に、ダイアフラム部材の外面と支持体との接触部
を、支持体に対する第2ダイアフラム部の圧力印加方向
への変位を許容する接合層によって封止するという手段
を採用することができる。
【0018】このような構成とする場合には、ダイアフ
ラム部材を固定する支持体が温度変化によって被測定物
の圧力印加方向に変位したとしても、その変位は接合層
に吸収されてしまう。その結果、支持体と第2ダイアフ
ラム部との間の相対的な位置関係は変動するが、第2ダ
イアフラム部及び連結部の絶対的位置は殆ど変化しない
こととなる。そして、第2ダイアフラム部は、被測定物
の圧力で押された時だけその絶対的位置を変化させ、連
結部を介して第1ダイアフラム部を圧力印加方向へ変位
させる。従って、この隔膜型圧力センサも、ダイアフラ
ム部材の支持体に生じた被測定物の圧力印加方向への変
位に殆ど影響されることなく、被測定物の圧力による変
位のみを第2ダイアフラム及び連結部を介して第1ダイ
アフラムまで伝達することができ、測定環境の温度変化
によるセンサ特性の変動が極めて少ない。
【0019】また、上記第2発明の構造は、第2ダイア
フラム部と支持体の接触部を完全に封止できる点でピス
トン構造と異なっており、液体や気体のような流体の漏
出を完全に防止できる。さらに、この構造をとる場合に
も、ダイアフラム部の径を大きくする必要がないので小
型軽量化が可能であり、封入液を使用しないので封入液
の漏出が起きない。
【0020】
【発明の実施の形態】図を参照しつつ、本発明をさらに
詳しく説明する。図1は、本発明によって提供されるダ
イアフラム部材の一例(101)を一部破断した斜視図
である。このダイアフラム部材101は隔膜型圧力セン
サに使用されるものであり、荷重検出部1の開口部が第
2ダイアフラム部2で覆われてできている。その形状は
略円柱状であり、円柱の頂部と底部が互いに平行な2枚
のダイアフラムとなっている。内部は空洞となってお
り、その空洞内において、ロッド部3とロッド部受け部
4とで構成される連結部が2枚のダイアフラムを連結し
ている。
【0021】荷重検出部1は有底筒状を呈し、その底部
が歪ゲージ(図示せず)を設置すべき第1ダイアフラム
部5となっている。また、荷重検出部の空洞内側底面の
中央乃至略中央には開口部側に向かって垂直に伸びるロ
ッド部3が形成されており、荷重検出部外周にはフラン
ジ6が形成されている。一方、第2ダイアフラム部は深
さの浅い有底筒状を呈し、その空洞内側底面の中央乃至
略中央にはロッド受け部4が形成されている。そして、
荷重検出部1の開口部側端部は第2ダイアフラム部2の
空洞内に嵌入しており、ロッド部3の先端は第2ダイア
フラム部2のロッド受け部4内に嵌入している。
【0022】本発明で提供されるダイアフラム部材にお
いては、第2ダイアフラム部2のバネ定数が第1ダイア
フラム部5のバネ定数と比べて充分に小さな値をとるよ
うに設計されており、それによって、第2ダイアフラム
部2が被測定物の圧力以外の影響による変位(例えば、
支持体の変位等)を吸収する。従って、このダイアフラ
ム部材によって、温度変化によるセンサ特性の変動が阻
止される。
【0023】すなわち、中央に凸部(ロッド部3)を有
し、周囲を固定された第1ダイアフラム部5の中心に集
中荷重Fが加えられる時、第1ダイアフラム部5の変位
ωF1とバネ定数KF1の間には、次の式(1)が成立す
る。
【0024】KF1=F/ωF1 …(1) この時、第1ダイアフラム部5のロッド部3と第2ダイ
アフラム部2のロッド部受け部4とは連結されており、
力(F)の釣り合いがとれているので、次の式(2)が
成立する。
【0025】KF1・ωF1=KF2・ωF2 …(2) ここで、上式中の各記号は、 KF1:力Fを第1ダイアフラム部の一部が集中荷重とし
て受けるときのバネ定数、 KF2:力Fを第2ダイアフラム部の一部が集中荷重とし
て受けるときのバネ定数、 ωF1:第1ダイアフラム部の変位 ωF2:第2ダイアフラム部の変位 この式より、第2ダイアフラム部が受けた圧力以外の因
子による変位(ωF2)に対する第1ダイアフラム部の変
位(ωF1)が小さくなるためには、KF2/KF1が小さな
値をとるほど良い。従って、第1ダイアフラム部と比べ
て充分に小さなバネ定数を持つ材質の第2ダイアフラム
部を用いる場合には、KF2/KF1の値が小さくなり、被
測定物の圧力以外の原因によって支持体に生じた変位は
第2ダイアフラム部自体を変形させるが、歪ゲージを設
置する第1ダイアフラム部にはその変位が伝わらず、圧
力測定の精度が向上する。
【0026】ここで、第1ダイアフラム5に形成された
第1ダイアフラム面のバネ定数(被測定物の圧力印加方
向へのバネ定数)は、下記の式(3)で表すことがで
き、一方、第2ダイアフラム部2に形成された第2ダイ
アフラム面のバネ定数は、下記の式(4)で表すことが
できる。本発明においては、かかる式(4)で表される
第2ダイアフラム面のバネ定数KF2を、第1ダイアフラ
ム面のバネ定数KF1の5%以下の値にするのが好まし
く、2%以下の値にするのが特に好ましい。
【0027】 KF1=1.6209(E1 ・h1 3 /(1−ν1 2 )) …(3) KF2=1.6209(E2 ・h2 3 /(1−ν2 2 )) …(4) ここで、上式中の各記号は、 KF1:力Fを第1ダイアフラム部の一部が集中荷重とし
て受けるときのバネ定数、 KF2:力Fを第2ダイアフラム部の一部が集中荷重とし
て受けるときのバネ定数、 E1 :第1ダイアフラム部のヤング率(材質が金属の場
合、E1 は約20000kgf/mm2 ) E2 :第2ダイアフラム部のヤング率(材質がプラスチ
ックの場合、E2 は約250kgf/mm2 ) ν1 :第1ダイアフラム部のポアッソン比(材質が金属
の場合、ν1 は約0.27) ν2 :第2ダイアフラム部のポアッソン比(材質がプラ
スチックの場合、ν2 は約0.4) h1 :第1ダイアフラム部の厚さ h2 :第2ダイアフラム部の厚さ を意味する。なお、上記の式(3)及び(4)は、次の
ようにして導かれる。
【0028】[式(3)、(4)の根拠]中央に凸部を
有し、周囲を固定されたダイアフラムの中心に集中荷重
Fが加えられるときの変位ωF とバネ定数KF の間に
は、上述の通り、式(1)が成立する。
【0029】KF =F/ωF …(1) ここで、変位の最大は凸部の半径bの位置で発生するの
で、変位ωF は次の式(5)で表される。
【0030】
【数1】 [上式中、aはダイアフラムの半径、bは凸部の半径、
Dは剛性率を示す。]そして、目的とする圧力により異
なるが、a=4、及びb=1.75と仮定し、この値を
上式(5)に代入すると、 ωF =2.5842・(p/D) …(6) となる。この式(6)を上式(1)に代入すると、 KF =F/[2.5842・(p/D)] …(7) となる。さらに、剛性率Dは、 D=E・h3 /12(1−ν2 ) …(8) [上式中、Eはヤング率、hはダイアフラムの厚さ、ν
はポアッソン比を示す。]と表され、集中荷重Fと全面
への圧力pの間には、次の式(9) F=π・a2 ・p …(9) [上式中、πは円周率、aはダイアフラムの半径を示
す。]が成立するので、この式(8)と式(9)を式
(7)に代入して整理すると、次の式(3)及び(4)
が導かれる。
【0031】 KF1=1.6209(E1 ・h1 3 /(1−ν1 2 )) …(3) KF2=1.6209(E2 ・h2 3 /(1−ν2 2 )) …(4) 第2ダイアフラム部のバネ定数を第1ダイアフラム部の
バネ定数よりも充分に小さくするためには、例えば、荷
重検出部1(第1ダイアフラム部5)を金属材料で成形
し、第2ダイアフラム部2をプラスチック材料で成形す
ればよい。荷重検出部1を成形するための金属材料は特
に限定されず、例えば、圧力センサ用ダイアフラムの成
形材料として公知のものを全般的に使用することができ
る。具体的には、SUS630等の金属材料を例示でき
る。また、第2ダイアフラム部2を成形するためのプラ
スチック材料としては、所定の形状に加工することが可
能であり、また隔膜としての強度を有し、第1ダイアフ
ラム部に対して充分に小さいヤング率を有する材料を使
用する。好ましくは、ポリカーボネートや塩化ビニル等
のプラスチックを例示することができ、これらは、耐薬
品性や耐久性にも優れている。
【0032】図2は、上述のダイアフラム部材101を
組み込んだ隔膜型圧力センサの一例(102)である。
このセンサ102は、フロースルー型圧力センサの一種
であり、医療用機器に組み込まれて体液又は体液圧を伝
達する流体を圧力媒体(被測定物)とし、主として人工
透析機内で透析液の圧力を測定するのに使用される。外
観的には、合成樹脂製の支持体11、支持体から突出す
る2つの流路口部12、支持体にネジ15によって固定
された台座13及び電線14が見られる。
【0033】図3は、上記のセンサ102の横断面を模
式的に示した図である。この図は流路に対して垂直に切
断した断面の要部を示している。支持体11には、ダイ
アフラム部材101を入れるダイアフラム部材設置部1
6と、2つの流路口部12同士を結ぶ圧力媒体流路17
の2つの空間が形成されている。ダイアフラム部材10
1は、ダイアフラム部材設置部16内に配置され、台座
13によって支持体11に固定されている。すなわち、
台座13には、溶接層21を介して中継端子台22とダ
イアフラム部材101が取り付けられており、その台座
13がネジ15によって支持体11に固定されている。
また、電線14は、ダイアフラム部材の荷重検知部1と
外部とを電気的に接続している。なお、ダイアフラム部
材101内又はその周囲には、図示されていないその他
の必要な部材又は要素、例えば、第1ダイアフラム部と
歪ゲージの間の絶縁層等が備えられていてもよい。
【0034】さらに図3について説明すると、第2ダイ
アフラム部2のダイアフラム面は、支持体内の連通口1
8から流路17内に露出している。第1ダイアフラム部
5のダイアフラム面の外面側には歪ゲージ19が設置さ
れている。ロッド部とロッド受け部とは、必要に応じて
エポキシ樹脂等の接着剤20によって接着されている。
また、ダイアフラム部材の外面とダイアフラム部材設置
部の内面の間は、少なくともダイアフラム部材の下部側
において接合層23によって封止されており、これによ
って被測定物である流体の漏出が防止される。
【0035】第2ダイアフラム部2のダイアフラム面
は、被測定物から圧力を受けて圧力印加方向(流路の中
心からみて放射方向)に変位するが、この一次的変位は
ロッド部を介して第1ダイアフラム部5に伝達され第1
ダイアフラム部の二次的変位を引き起こし、次いで、こ
の二次的変位が歪ゲージ19によって電気信号に変換さ
れ、この電気信号が電線14を介して外部に取り出され
て圧力変化として読み取られる。
【0036】温度変化によるセンサ特性の変動の大きな
原因の一つとして、支持体11が熱的に膨張又は収縮し
て生じた支持体の変位、とりわけ被測定物の圧力印加方
向への支持体の変位が第2ダイアフラムに伝達されるこ
とが挙げられる。支持体から及ぼされるこのような望ま
しくない影響を阻止するために、本発明で用いられるダ
イアフラム部材においては、上述のように、第2ダイア
フラム部として第1ダイアフラム部と比べて極めてバネ
定数の小さいもの、例えばプラスチック製のものを使用
している。このため図4に示すように、第2ダイアフラ
ム部2と接合しているダイアフラム設置部内面16a
が、基準位置Aから被測定物の圧力印加方向に正の変位
(B)又は負の変位(C)を起こしたとしても、その変
位は第2ダイアフラム部2のダイアフラム面を変形させ
るだけであり、そこから先には変位が伝達されない。す
なわち、ロッド部3の絶対的位置は変化しない。従っ
て、ロッド部3の先にある第1ダイアフラム部(図示せ
ず)には、支持体の望ましくない変位が伝達されること
なく、被測定物の圧力による変位だけが伝達されること
となり、測定環境の温度変化の影響を受けないで済む。
【0037】少なくともダイアフラム部材の下部側の領
域においてダイアフラム部材の外面と連通口18の内周
の間を封止する接合層23は、支持体11に対する第2
ダイアフラム部2の圧力印加方向への相対的な変位を許
容できるものであることが望ましい。そのような接合層
としては、例えば硬化後にゴム状弾性を有する接着剤、
より具体的には室温加硫型シリコーンゴム(RTVゴ
ム)を例示することができる。接合層23としてRTV
ゴム等を使用する場合には、図5に示すように、第2ダ
イアフラム部2と接合しているダイアフラム設置部内面
16aが、基準位置Aから被測定物の圧力印加方向に正
の変位(B)又は負の変位(C)を起こしたとしても、
その相対的変位は接合層23に吸収されるので、第2ダ
イアフラム部2の絶対的位置は変化しない。従って、第
1ダイアフラム部(図示せず)には、支持体の望ましく
ない変位が伝達されることなく、被測定物の圧力による
変位だけが伝達されることとなり、測定環境の温度変化
の影響を受けないで済む。支持体と第2ダイアフラム部
の間の相対的変位を許容するRTVゴム等の接合層は、
それ単独でも温度変化によるセンサ特性の変動を充分に
低減できる。
【0038】
【発明の効果】本発明の隔膜型圧力センサによれば、被
測定物の圧力による変位だけを歪ゲージの設置面に到達
させ、ダイアフラム部材を固定している支持体の熱的変
位は到達させないので、温度変化によるセンサ特性の変
動を極めて少なくすることができる。従って、測定時の
温度管理や機器調整が容易で、精度の高い圧力センサが
提供される。また上述のように、本発明の隔膜型圧力セ
ンサは、センサの小型軽量化、封入液の漏出防止、被測
定物の漏出防止等の効果も兼ね備えている。
【0039】また、本発明において提供又は使用される
ダイアフラム部材は、2枚のダイアフラムを備えた2重
構造型であり液溜まりを極めて少なくすることができる
ので、被測定物の流出入方向が一方向のフロースルー
型、或いは第2ダイアフラム部材が流路内に露出するフ
ラッシュダイアフラム型の圧力センサに好適に利用でき
る。
【0040】さらに、第2ダイアフラム部をプラスチッ
ク製とする場合には、腐食性の強い被測定物の圧力を測
定する圧力センサ(例えば、血液等の体液や各種薬品を
被測定物とする医療機器用圧力センサ等)に好適であ
る。プラスチック製のダイアフラム部は成形性が良いの
で、生産性が高いという効果もある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いられるダイアフラム部材の一例
(101)を一部破断した斜視図である。
【図2】本発明の隔膜型圧力センサの一例(102)の
斜視図である。
【図3】本発明の隔膜型圧力センサ102の横断面を模
式的に示す図である。
【図4】支持体の熱的変位が吸収される様子を示す説明
図である。
【図5】支持体の熱的変位が吸収される様子を示す説明
図である。
【符号の説明】
101…ダイアフラム部材 102…隔膜型圧力センサ 1…荷重検出部 2…第2ダイアフラム部 3…ロッド部 4…ロッド受け部 5…第1ダイアフラム部 6…フランジ 11…支持体 12…流路口部 13…台座 16…ダイアフラム部材設置部 17…流路 18…連通口 19…歪ゲージ 23…接合層

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 センサ内に、有底筒状を呈すると共にそ
    の底部が歪ゲージを設置すべき第1ダイアフラム部とな
    っている荷重検出部、被測定物からの圧力を直接受ける
    ために前記荷重検出部の開口部を覆う第2ダイアフラム
    部、及び、前記荷重検出部の空洞内において第1ダイア
    フラム部と第2ダイアフラム部を連結する連結部を少な
    くとも備えたダイアフラム部材を備え、 前記第2ダイアフラム部が、前記第1ダイアフラム部の
    バネ定数と比べて充分に小さな値のバネ定数を有し、被
    測定物の圧力以外の影響による変位を吸収し得るもので
    あることを特徴とする隔膜型圧力センサ。
  2. 【請求項2】 前記第2ダイアフラム部のバネ定数が前
    記第1ダイアフラム部のバネ定数の5%以下の値である
    ことを特徴とする請求項1記載の隔膜型圧力センサ。
  3. 【請求項3】 前記荷重検出部は金属製であり、前記第
    2ダイアフラム部はプラスチック製であることを特徴と
    する請求項1記載の隔膜型圧力センサ。
  4. 【請求項4】 被測定物である流体が通過する流路と当
    該流路に連通するダイアフラム部材設置部とが形成され
    た支持体、及び、 有底筒状を呈し底部が第1ダイアフラム部となっている
    荷重検出部、当該荷重検出部の開口部を覆う第2ダイア
    フラム部、及び前記荷重検出部の空洞内において第1ダ
    イアフラム部と第2ダイアフラム部を連結する連結部を
    備えていると共に、前記ダイアフラム部材設置部内に設
    置されたダイアフラム部材を少なくとも備えており、 前記ダイアフラム部材の第2ダイアフラム部外面が前記
    流路内空間に露出し、且つ、前記支持体に対する第2ダ
    イアフラム部の圧力印加方向への変位を許容する接合層
    によってダイアフラム部材の外面と前記ダイアフラム部
    材設置部の内周の間が封止されていることを特徴とする
    隔膜型圧力センサ。
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