JPH1054091A - 建築物外装パネルの目地工法 - Google Patents

建築物外装パネルの目地工法

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JPH1054091A
JPH1054091A JP22777496A JP22777496A JPH1054091A JP H1054091 A JPH1054091 A JP H1054091A JP 22777496 A JP22777496 A JP 22777496A JP 22777496 A JP22777496 A JP 22777496A JP H1054091 A JPH1054091 A JP H1054091A
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fin
joint
ribs
vertical
gasket
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JP22777496A
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Toshio Tamakoshi
敏男 玉越
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築物における外装パネルの目地の止水を行
うにあたり、不定形弾性シール材を使用する場合に比し
て容易かつ均一に施工できるだけでなく、目地からの雨
水浸入に対して、止水性能が非常に高く、しかも、その
止水性能を長年月にわたって維持できるようにする。 【解決手段】 建築物における外装パネル1の縦目地2
Aの相対向する側面に外下がりに傾斜した多数のリブ6
Aを設ける一方、縦目地2Aの内部には、粘着性成型シ
ール7を押し込んで、縦目地内の段部2aに接着した
後、ガスケット8Aを押し込んで、粘着性成型シール7
に接着する。ガスケット8Aには、三重のヒレ8b,8
c,8dを設けておき、前端のヒレ8bの先端部と中間
部のヒレ8cの先端部をリブ6Aによりジグザグ状に変
形させ、変形により生じる微小な隙間S1 により、ガス
ケット8A内の空間9Aを外気と等圧にする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物外装パネル
の目地工法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】図16は、従来の建築物外装パネルの目
地工法の一例を示す。図において、1は金属表層材1a
と金属補強材1bとで構成された金属製の外装パネル。
2Aは外装パネル1,1の縦目地、30は縦目地2Aを
シールする不定形の弾性シール材(例えば、ポリサルフ
ァイド系弾性シール材)であり、左右二面が縦目地2A
の両側面(金属表層材1a,1aの縦目地側端縁)に接
着している。40はバックアップ材であり、例えば、発
泡ポリエチレンの成型品が使用される。
【0003】施工の手順は、次の通りである。先ず、外
壁コンクリート50に固定用金物3をヒルティー等の固
定用ピン60にて固定し、固定用金物3に前記外装パネ
ル1を溶接5にて取り付ける。この溶接作業は、金属表
層材1aの縦目地側端縁の一部に切欠き部4を設け、こ
の切欠き部4を通して行われる。しかる後、縦目地2A
に前記バックアップ材40を押し込み、その外側から前
記弾性シール材30を充填するのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来例において
は、次のような問題点があった。 目地は、日照等に起因する外装パネル1の温度変化
による伸縮の影響を受けるから、縦目地2Aに充填され
た弾性シール材30は、日光に曝される条件下で、相当
量の伸縮を毎日繰り返すことになる。このような条件下
では、弾性シール材30の老化がかなり早い。弾性シー
ル材30が老化すると、金属表層材1aの界面で剥がれ
たり、破断したりして、漏水の原因となる。 不定形の弾性シール材30を現場施工するため、シ
ール厚さが不均一になりやすく、しかも、外装パネル1
との接着面や弾性シール材30の打継部にピンホールが
できやすい。シール厚さの薄い部位では、外装パネル1
の伸縮により、弾性シール材30が破断して漏水の原因
となり、ピンホールがあると、そこから雨水が浸入し、
漏水原因となる。 弾性シール材30の老化による破断や剥がれが生じ
た時、必ずシールの打ち替えを行わねばならない(通常
は、10〜15年ピッチで行われる)。この作業には、
外部足場が必要となり、莫大な費用がかかる。
【0005】尚、外壁の構造には、図16で示しよう
に、外壁コンクリート50に外装パネル1を取り付けた
ものの他、鉄骨柱や胴縁等で構成される骨組みに、コン
クリートや金属のパネル(このパネルは、壁を構成する
外壁パネルでもあり、壁の仕上げ層を構成する外装パネ
ルでもある。)を取り付けた所謂カーテンウォールもあ
る。この場合には、目地からの浸水が即、室内への漏水
となり、上記の弊害がより顕著である。
【0006】本発明は、上記の問題点を踏まえてなされ
たものであって、その目的とするところは、不定形の弾
性シール材とそのバックアップ材に代えて、ガスケット
と粘着性成型シール材を使用することにより、容易かつ
均一に施工できるだけでなく、目地からの雨水浸入に対
して、止水性能が非常に高く、しかも、その止水性能を
長年月にわたって維持できるようにすることにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明では、建築物における外装パネルの縦目地
の内部に、粘着性成型シールを押し込んで、当該粘着性
成型シールを縦目地内の段部に接着している。しかる
後、少なくとも三重のヒレを有するガスケットを縦目地
の内部に、前記粘着性成型シールに当接するまで押し込
み、粘着性成型シールに接着されて保持されるようにし
ている。
【0008】従って、容易かつ均一な施工が可能であ
り、それでいて、ガスケットのヒレによる少なくとも三
重の止水機構と、粘着性成型シールによる最終的な止水
機構とが働くことになり、高い止水性能が得られる。し
かも、日照等により一番外のヒレが老化しても、二番目
のヒレが止水の役割を果たし、二番目のヒレが老化して
も、三番目のヒレが止水の役割を果たし、最終的には粘
着性成型シールが止水の役割を果たすといったように、
漏水に対する防備が多重になっているため、高い止水性
能が長年月にわたって維持されることになり、目地シー
ルの耐用年数が増大することによって総合的な低コスト
化が可能となる。
【0009】殊に、本発明では、縦目地の相対向する両
側面に、外下がりに傾斜したリブを適当間隔おきに多数
設け、少なくとも三重のヒレを有するガスケットを縦目
地の内部に押し込むことより、前端のヒレの先端部と中
間部のヒレの先端部が前記リブで押圧されて正面視ジグ
ザグ状に変形し、これらの変形したヒレ先端部とリブと
の間に多数の微小な隙間が生じるようにしている。
【0010】従って、前端のヒレと中間部のヒレとの間
および中間部のヒレと後端のヒレとの間に形成された空
間は、外気と等圧になり、縦目地への雨水の吸い込みが
防止され、非常に高い止水性能が得られるのである。
【0011】しかも、リブは外下がりに傾斜しているの
で、リブ自体に水返しの効果があり、ヒレ先端部とリブ
との間の隙間から雨水が浸入しにくく、浸入した雨水
は、リブに沿って傾斜下方へと自然流下して、速やかに
外部に排出され、たとえリブの途中から縦目地側面を垂
直に伝い落ちても、次々と下段のリブによって傾斜下方
へと案内され、やがて外部に排出されることになる。従
って、ガスケットのヒレ間の空間に雨水が充満してしま
う恐れがなく、雨水の吸い込みを防止するという上記の
等圧機構が確実に働くことになる。
【0012】また、本発明では、横目地においても、縦
目地の場合と同じような手段を講じている。即ち、横目
地の外下がりに傾斜した下面に、外下がりに傾斜したリ
ブを2列に、且つ、各列で位置を半分ピッチずつずらし
た状態に多数設け、横目地の内部に、縦目地の場合と同
様に、粘着性成型シールを押し込んで、当該粘着性成型
シールを横目地内の段部に接着した後、少なくとも三重
のヒレを有するガスケットを押し込むことより、前端の
ヒレの下端部と中間部のヒレの下端部が2列のリブで個
別に押圧されて正面視ジグザグ状に変形し、これらの変
形したヒレ下端部とリブとの間に多数の微小な隙間が生
じるようにしている。
【0013】従って、横目地においても、前端のヒレと
中間部のヒレとの間および中間部のヒレと後端のヒレと
の間に形成された空間は、外気と等圧になり、横目地へ
の雨水の吸い込みが防止され、非常に高い止水性能が得
られるのである。
【0014】殊に、2列のリブは、位置が互いに半ピッ
チずれているので、前端のヒレ下端部と前列のリブとの
間に形成される微小な隙間と、中間部のヒレ下端部と後
列のリブとの間に形成される微小な隙間とが一直線にな
らず、雨水が浸入しにくい。それでいて、横目地の下面
が外下がりに傾斜しているので、浸入した雨水は、横目
地の傾斜下面に沿って流下し、前記隙間から外部に排出
される。
【0015】従って、横目地においても、ガスケットの
ヒレ間の空間に雨水が充満してしまう恐れがなく、雨水
の吸い込みを防止するという上記の等圧機構が確実に働
くことになる。
【0016】尚、縦,横目地のクロス部分に、ガスケッ
トと同じ断面形状で、且つ、水平方向の中央板部には、
縦方向の中央板部と近接する位置に縦方向の連通孔を形
成して成る十字状成型品を使用することは、上段の外装
パネルの縦目地から下段の外装パネルの縦目地へと連続
した排水路を形成するだけでなく、横目地の内部に浸入
した雨水が縦目地へと流れることも可能となるので、浸
入した雨水の排水性能を向上させ得る点で、望ましいも
のである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明は、建築物における外装パ
ネルの縦目地の相対向する両側面に、外下がりに傾斜し
たリブを適当間隔おきに多数設ける一方、縦目地の内部
には、外方からブチルゴム等の粘着性成型シールを押し
込んで、当該粘着性成型シールを縦目地内端の段部に接
着した後、中央板部と、当該中央板部の前端と中間部と
後端から夫々両側へ突出した複数のヒレとを備えたネオ
プレンゴムやシリコンゴム等で作製されたガスケット
を、その後端が前記粘着性成型シールに当接し、且つ、
前端のヒレの先端部と中間部のヒレの先端部が前記リブ
で押圧されて正面視ジグザグ状に変形した状態に押し込
んで、これらの変形したヒレ先端部とリブとの間に生じ
る隙間により、前端のヒレと中間部のヒレとの間および
中間部のヒレと後端のヒレとの間に形成された空間を外
気と等圧にする建築物外装パネルの目地工法として実施
できる。
【0018】また、本発明は、建築物における外装パネ
ルの横目地の外下がりに傾斜した下面に、外下がりに傾
斜したリブを2列に、且つ、各列で位置を半ピッチずら
した状態に多数設ける一方、横目地の内部には、外方か
ら粘着性成型シールを押し込んで、当該粘着性成型シー
ルを横目地内の段部に接着した後、中央板部と、当該中
央板部の前端と中間部と後端から夫々両側へ突出した複
数のヒレとを備えて成るガスケットを、その後端が前記
粘着性成型シールに当接し、且つ、前端のヒレの下端部
と中間部のヒレの下端部が前列のリブと後列のリブで個
別に押圧されて正面視ジグザグ状に変形した状態に押し
込んで、これらの変形したヒレ下端部とリブとの間に生
じる隙間により、前端のヒレと中間部のヒレとの間およ
び中間部のヒレと後端のヒレとの間に形成された空間を
外気と等圧にする建築物外装パネルの目地工法として実
施できる。
【0019】尚、中間部のヒレは1枚でもよく、2枚以
上であってもよい。前記ガスケットの縦,横目地内へ入
り込む深さが浅すぎると、直射日光に曝されやすく、ガ
スケットの継目や施工誤差によるガスケットの波打ちも
目に付きやすく、逆に、ガスケットが深すぎると、施工
が困難になる。従って、前記ガスケットを外壁パネルの
前面から縦,横目地の幅と略同程度の距離だけ縦目地内
方へ入り込ませることが望ましい。例えば、目地幅が2
0mmであれば、外装パネル前面からガスケット前面まで
の奥行きを15〜20mm、目地幅が25mmであれば、外
装パネル前面からガスケット前面までの奥行きを20〜
25mm、目地幅が30mmであれば、外装パネル前面から
ガスケット前面までの奥行きを25〜30mm程度に設定
することが望ましい。このようにすれば、ガスケットへ
の日光の直射を極力回避できるので、ガスケットの老化
を遅くして、耐用年数を格段に向上させることができ、
また、ガスケットの継目や施工誤差による波打ちも目立
たなくなり、ガスケットの施工もさほど難しくなること
がない。
【0020】外装パネルとしては、例えば、外壁コンク
リートの仕上げ層を構成する金属等のパネルや、鉄骨柱
や胴縁等で構成される骨組みに取り付けられるコンクリ
ート、金属、ガラス等のパネル(このパネルは、壁を構
成する外壁パネルと、壁の仕上げ層を構成する外装パネ
ルとを兼ねている。)でもよい。
【0021】
【実施例】図1〜図14は、本発明に係る建築物外装パ
ネルの目地工法の一実施例を示す。図において、1は、
金属表層材1aと金属補強材1bとで構成された縦約1
500mm、横約1200mmの金属製の外装パネルであ
る。2Aは隣接する外装パネル1,1の縦目地、2Bは
横目地である。縦目地2Aや横目地2Bの内端には、前
記金属表層材1aを折曲加工して段部2a,2bを形成
してある。また、横目地2Bの下面は、水返しの効果が
得られるように、外下がりの傾斜面に形成してある。
【0022】外装パネル1は、図16で示した従来例と
同じ施工手段によって外壁コンクリート(図示せず)に
取り付けられている。3はヒルティー等の固定用ピン
(図示せず)によって外壁コンクリートに固定された固
定用金物、4は、溶接5を行うために金属表層材1aの
縦目地側端縁(前記段部2a)の一部に形成された切欠
き部である。
【0023】外装パネル1,1の縦目地2Aの両側面、
つまり、金属表層材1aの縦目地形成用折曲板部には、
外下がりに傾斜したリブ6Aが適当間隔おきに、且つ、
下段のリブ6Aの傾斜上端が上段のリブ6Aの傾斜下端
よりも上方に位置する状態に多数設けられている。横目
地2Bの外下がりに傾斜した下面には、外下がりに傾斜
した多数のリブ6Bが、奥行き方向において2列に、且
つ、各列で位置を半ピッチずらした状態に形成されてい
る。
【0024】縦目地2Aの内部には、外方からブチルゴ
ム等の粘着性成型シール7を押し込んで、当該粘着性成
型シール7を縦目地2A内端の段部2aに接着してあ
る。そして、更に、その外方から、中央板部8aと、当
該中央板部8aの前端と中間部と後端から夫々両側へ突
出した複数のヒレ8b,8c,8dとを備えて成るガス
ケット8Aを、その後端が前記粘着性成型シール7に当
接するまで押し込み、当該ガスケット8Aを粘着性成型
シール7に接着して支持させると共に、前端のヒレ8b
の先端部と中間部のヒレ8cの先端部を前記リブ6Aで
押圧して、図1に示すように、正面視ジグザグ状に変形
させ、これらの変形した左右のヒレ先端部とリブ6Aと
の間に生じる多数の微小な隙間S1 により、前端のヒレ
8bと中間部のヒレ8cとの間および中間部のヒレ8c
と後端のヒレ8dとの間に形成された空間9Aを外気と
等圧にしてある。ガスケット8Aの材質は、ネオプレン
ゴム、シリコンゴム等である。
【0025】横目地2Bの内部には、図2、図4に示す
ように、縦目地2Aと同様に、外方からブチルゴム等の
粘着性成型シール7を押し込んで、当該粘着性成型シー
ル7を横目地2B内端の段部2bに接着した後、更に、
その外方から、前記ガスケット8Aと同じ材質で同じ断
面形状のガスケット8B、つまり、ネオプレンゴム、シ
リコンゴム等で作製され、中央板部8aと、当該中央板
部8aの前端と中間部と後端から夫々両側へ突出した複
数のヒレ8b,8c,8dとを備えたガスケット8B
を、その後端が前記粘着性成型シール7に当接するまで
押し込み、当該ガスケット8Bを粘着性成型シール7に
接着して支持させると共に、前端のヒレ8bの下端部を
前列のリブ6Bで押圧し、中間部のヒレ8cの下端部を
後列のリブ6Bで押圧して、図1に示すように、正面視
ジグザグ状に変形させてある。そして、これらの変形し
たヒレ下端部と各列のリブ6Bとの間に生じる多数の微
小な隙間S2 により、中央板部8aの下側において前端
のヒレ8bと中間部のヒレ8cとの間および中間部のヒ
レ8cと後端のヒレ8dとの間に形成された空間9Bを
外気と等圧にすると共に、浸入した雨水が容易に外部に
排出されるようにしてある。
【0026】縦,横目地2A,2Bのクロス部には、粘
着性成型シール7の外方から十字状成型品10を、その
後端が粘着性成型シール7に当接するまで押し込んで、
当該粘着性成型シール7に接着してある。
【0027】十字状成型品10は、前記ガスケット8
A,8Bと同じ材料により、ガスケット8A,8Bと同
じ断面形状の垂直部分と水平部分、つまり、中央板部1
0aと、当該中央板部10aの前端と中間部と後端から
夫々両側へ突出した複数のヒレ10b,10c,10d
とを有する二つの直線的部材が互いに直交した状態に一
体成型したもので、水平方向の中央板部10aには、図
7に示すように、縦方向の中央板部10aと近接する位
置に縦方向の排水のための連通孔a,aを形成してあ
る。
【0028】縦目地2Aに押し込むガスケット8Aの上
端は、図5に示すように、中央板部8aとヒレ8b,8
cの一部を階段状に切除して、後端のヒレ8dよりも中
間部のヒレ8cを低くし、中間部のヒレ8cよりも前端
のヒレ8bを低くしてある。
【0029】一方、十字状成型品10の垂直部分の下端
は、図5に示すように、前記ガスケット8Aの上端の形
状に対応した階段状とし、更に、中央板部10aの下端
には、中間部のヒレ10cに近接する部分と後端のヒレ
10dに近接する部分とを切除して、ヒレ10c,10
dの厚みに相当する幅のスリット11a,11bを形成
してある。また、十字状成型品10の垂直部分の上端
は、図5に示すように、前記ガスケット8Aの上端と同
じ階段状に形成してある。
【0030】ガスケット8Aの下端は、図5に示すよう
に、十字状成型品10の垂直部分の下端と同じ階段状に
形成してあり、中央板部8aの下端には、中間部のヒレ
8cに近接する部分と後端のヒレ8dに近接する部分と
を切除して、ヒレ8c,8dの厚みに相当する幅のスリ
ット12a,12bを形成してある。
【0031】また十字状成型品10の水平部分の両端
は、図7に示すように、内側のヒレほど横長となるよう
な階段状に形成されている。横目地2Bに挿入されるガ
スケット8Bの両端は、中央板部8aとヒレ8c,8d
の一部を階段状に切除して、十字状成型品10の水平部
分の両端に対応した階段状に形成され、更に、中央板部
8aの端部には、中間部のヒレ8cに近接する部分と後
端のヒレ8dに近接する部分とを切除して、ヒレ8c,
8dの厚みに相当する幅のスリット13a,13bを形
成してある。これらのスリット11a,11b、12
a,12b、13a,13bは、後述する通り、ガスケ
ット8A,8Bと十字状成型品10のヒレが重なり合う
際、外側に来るヒレの弾性変形を容易にするためであ
る。
【0032】次に、上記目地工法の施工手順を説明する
と、外装パネル1の取付け後、縦目地2Aおよび横目地
2Bに、夫々、粘着性成型シール7を挿入し、しかる
後、これらの粘着性成型シール7をバックアップ材とし
て、ガスケット8A,8Bおよび十字状成型品10を挿
入する。
【0033】ガスケット8A,8Bおよび十字状成型品
10の挿入順を、図5〜図8に基づいて説明すると、先
ず、下段の外装パネル1に対応する縦目地2Aにガスケ
ット8Aを挿入した後、当該ガスケット8Aの上端側に
位置する縦,横目地のクロス部分に、十字状成型品10
を、その垂直部分の下端側に位置するヒレ10b,10
c,10dが前記ガスケット8Aの上端側に位置するヒ
レ8b,8c,8dの外側に各々重なるように挿入する
(図5,6参照)。
【0034】しかる後、左右の十字状成型品10間に位
置する横目地2Bにガスケット8Bを、その端部に位置
する8b,ヒレ8c、8dが十字状成型品10の水平部
分の両端に位置するヒレ10b,10c,10dの外側
に各々重なるように挿入する(図7,8参照)。
【0035】しかる後、上段の外装パネル1に対応する
縦目地2Aにガスケット8Aを、その下端側に位置する
ヒレ8b,ヒレ8c、8dが十字状成型品10の垂直部
分の上端側に位置するヒレ10b,10c,10dの外
側に各々重なるように挿入するのである(図5,6参
照)。
【0036】以上の実施例によれば、不定形の弾性シー
ル材とそのバックアップ材に代えて、ガスケット8A,
8Bと粘着性成型シール材7を使用するので、シール厚
さが不均一になったり、ピンホールが生じる心配がな
く、容易かつ均一な施工が可能である。
【0037】それでいて、縦,横目地のいずれにおいて
も、ガスケット8A,8Bのヒレ8b,8c,8dによ
る三重の止水機構と、粘着性成型シール7による最終的
な止水機構とが働くことになり、高い止水性能が得られ
る。しかも、日照等により一番外のヒレ8bが老化して
も、二番目のヒレ8cが止水の役割を果たし、二番目の
ヒレ8cが老化しても、三番目のヒレ8dが止水の役割
を果たし、最終的には粘着性成型シール7が止水の役割
を果たすといったように、漏水に対する防備が多重にな
っているため、高い止水性能が長年月にわたって維持さ
れることになり、目地シールの耐用年数(更新の期間)
が増大することによって総合的な低コスト化が可能とな
る。
【0038】殊に、上記の実施例では、縦目地2Aの相
対向する両側面に、外下がりに傾斜したリブ6Aを適当
間隔おきに多数設け、三重のヒレ8b,8c,8dを有
するガスケット8Aを縦目地2Aの内部に押し込むこと
より、前端のヒレ8bの先端部と中間部のヒレ8cの先
端部が前記リブ6Aで押圧されて、図1に示すように、
正面視ジグザグ状に変形し、これらの変形したヒレ先端
部とリブ6Aとの間に多数の微小な隙間S1 が生じて、
前端のヒレ8bと中間部のヒレ8cとの間および中間部
のヒレ8cと後端のヒレ8dとの間に形成された空間9
Aが、外気と等圧になるように構成したので、縦目地2
Aへの雨水の吸い込みが防止され、非常に高い止水性能
が得られるのである。
【0039】しかも、リブ6Aは外下がりに傾斜してい
るので、リブ6A自体に水返しの効果があり、ヒレ先端
部とリブ6Aとの間の隙間S1 から雨水が浸入しにく
く、浸入した雨水は、リブ6Aに沿って傾斜下方へと自
然流下して、速やかに外部に排出され、たとえリブ6A
の途中から縦目地側面を垂直に伝い落ちても、次々と下
段のリブ6Aによって傾斜下方へと案内され、やがて外
部に排出されることになる。
【0040】また、横目地2Bの外下がりに傾斜した下
面に、外下がりに傾斜したリブ6Bを2列に、且つ、各
列で位置を半分ピッチずつずらした状態に多数設け、三
重のヒレ8b,8c,8dを有するガスケット8Bを横
目地2Bの内部に押し込むことより、前端のヒレの下端
部と中間部のヒレの下端部が2列のリブ6Bで個別に押
圧されて正面視ジグザグ状に変形し、これらの変形した
ヒレ下端部とリブ6Bとの間に多数の微小な隙間S2
生じて、横目地においても、中央板部8aの下側におい
て前端のヒレ8bと中間部のヒレ8cとの間および中間
部のヒレ8cと後端のヒレ8dとの間に形成された空間
9Bが、外気と等圧になるように構成したので、横目地
への雨水の吸い込みが防止され、非常に高い止水性能が
得られるのである。
【0041】しかも、2列のリブ6Bは、位置が互いに
半ピッチずれているので、前端のヒレ8b下端部と前列
のリブ6Bとの間に形成される微小な隙間S2 と、中間
部のヒレ8c下端部と後列のリブ6Bとの間に形成され
る微小な隙間S2 とが一直線にならず、雨水が浸入しに
くい。それでいて、横目地2Bの下面が外下がりに傾斜
しているので、浸入した雨水は、横目地2Bの傾斜下面
に沿って流下し、前記隙間S2 から外部に排出されるこ
とになる。
【0042】従って、縦,横目地2A,2Bのいずれに
おいても、ガスケット8A,8Bのヒレ間の空間9A,
9Bに雨水が充満してしまう恐れがなく、雨水の吸い込
みを防止するという上記の等圧機構が確実に働くことに
なる。
【0043】縦,横目地2A,2B、リブ6A,6B、
ガスケット8A,8B等の寸法は適宜設定し得るもので
あるが、この実施例では、図9に示すように、リブ6A
の幅L1 が10mm、リブ6AのピッチL2 が40mm、リ
ブ6Aの傾斜下端から傾斜上端までの距離L3 が50m
m、リブ6Aの前端と外装パネル1の前面までの距離L
4 が10mm、リブ6Aの奥行き(平面視におけるリブ6
Aの長さ)L5 が30mm、リブ6Aの後端から段部2a
までの距離L6 が25mmに設定されいる。
【0044】さらに、この実施例では、図10に示すよ
うに、縦目地2Aの幅L7 が20mm、リブ6Bの高さL
8 が6mm、リブ6Bの平面視における前後方向の長さL
9 が30mm、リブ6Bの前端と外装パネル1の前面まで
の距離L10が10mm、横目地にも共通な粘着性成型シー
ル7の厚みL11が10mm、外装パネル1の前面からガス
ケット8Aまでの深さL12が15mmに設定されている。
【0045】また、図12、図13に示すように、横目
地2Bの下面に設けるリブ6Bの高さL13が6mm、幅L
14が10mm、長さL15が30mm、各列におけるリブ6B
のピッチL16が60mmに設定されている。
【0046】上記の実施例では、縦目地側面のリブ6A
を、プレス加工により製造しており当該リブ6Aを、図
14に示すように、丸みのある断面形状に形成してある
が、図15の(イ)に示すように、縦目地側面に対して
直角な上面を持つ角形断面形状のリブ6Aや、図15の
(ロ)に示すように、上記の角形断面を二次加工により
上方へ変形させて、縦目地側面に対して鋭角をなす上面
を持った断面形状のリブ6Aにすれば、浸入した雨水が
リブ6Aの途中で垂直に流れ落ちるのをできるだけ防止
することができるので、リブ6Aの傾斜上面による排水
案内の作用がより一層確実に発揮される。また、上記各
実施例では、いずれも、外装パネル1が金属製であり、
リブ6A,6Bをプレス加工により形成しているが、本
発明はコンクリート製の外装パネルについても適用可能
である。因に、外装パネル1がコンクリート製である場
合は、リブ形成用の凹部を有する型枠を使用してコンク
リートを打設することによりリブ6A,6Bを形成する
ことができる。
【0047】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、不定形の
弾性シール材とそのバックアップ材を使用する場合に比
して、容易かつ均一に施工できるだけでなく、目地から
の雨水浸入に対して、止水性能が非常に高く、しかも、
その止水性能を長年月にわたって維持できる等の効果が
ある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建築物外装パネルの目地工法を説
明するための一部を拡大して示した概略正面図である。
【図2】構成部材を説明するための分解斜視図である。
【図3】図1のA−A線断面図である。
【図4】図1のB−B線断面図である。
【図5】縦目地部分の施工手順を説明する側面図であ
る。
【図6】縦目地部分の施工完了状態を示す側面図であ
る。
【図7】横目地部分の施工手順を説明する平面図であ
る。
【図8】横目地部分の施工完了状態を示す平面図であ
る。
【図9】縦目地側面のリブの寸法を説明するための要部
の側面図である。
【図10】縦目地側面のリブの寸法を説明するための粘
着成型シールとガスケットを取り除いた状態における要
部の横断平面図である。
【図11】縦目地側面のリブの寸法を説明するための要
部の横断平面図である。
【図12】横目地下面のリブの寸法を説明するための粘
着成型シールとガスケットを取り除いた状態における要
部の縦断側面図である。
【図13】横目地側面のリブの寸法を説明するための要
部の平面図である。
【図14】縦目地側面に形成されるリブの一例を示す斜
視図である。
【図15】縦目地側面に形成されるリブの他の例を示す
斜視図である。
【図16】従来例を説明する横断平面図である。
【符号の説明】
1…外装パネル、2A…縦目地、2B…横目地、6A,
6B…リブ、7…粘着性成型シール、8A,8B…ガス
ケット、8a…中央板部、8b,8c,8d…ヒレ、9
A,9B…空間、S1 ,S2 …隙間。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物における外装パネルの縦目地の相
    対向する両側面に、外下がりに傾斜したリブを適当間隔
    おきに多数設ける一方、縦目地の内部には、外方から粘
    着性成型シールを押し込んで、当該粘着性成型シールを
    縦目地内の段部に接着した後、中央板部と、当該中央板
    部の前端と中間部と後端から夫々両側へ突出した複数の
    ヒレとを備えて成るガスケットを、その後端が前記粘着
    性成型シールに当接し、且つ、前端のヒレの先端部と中
    間部のヒレの先端部が前記リブで押圧されて正面視ジグ
    ザグ状に変形した状態に押し込んで、これらの変形した
    ヒレ先端部とリブとの間に生じる隙間により、前端のヒ
    レと中間部のヒレとの間および中間部のヒレと後端のヒ
    レとの間に形成された空間を外気と等圧にすることを特
    徴とする建築物外装パネルの目地工法。
  2. 【請求項2】 建築物における外装パネルの横目地の外
    下がりに傾斜した下面に、外下がりに傾斜したリブを2
    列に、且つ、各列で位置を半ピッチずらした状態に多数
    設ける一方、横目地の内部には、外方から粘着性成型シ
    ールを押し込んで、当該粘着性成型シールを横目地内の
    段部に接着した後、中央板部と、当該中央板部の前端と
    中間部と後端から夫々両側へ突出した複数のヒレとを備
    えて成るガスケットを、その後端が前記粘着性成型シー
    ルに当接し、且つ、前端のヒレの下端部と中間部のヒレ
    の下端部が前列のリブと後列のリブで個別に押圧されて
    正面視ジグザグ状に変形した状態に押し込んで、これら
    の変形したヒレ下端部とリブとの間に生じる隙間によ
    り、前端のヒレと中間部のヒレとの間および中間部のヒ
    レと後端のヒレとの間に形成された空間を外気と等圧に
    することを特徴とする建築物外装パネルの目地工法。
  3. 【請求項3】 縦,横目地のクロス部分には、中央板部
    と、当該中央板部の前端と中間部と後端から夫々両側へ
    突出した複数のヒレとを有する二つの直線的部材が互い
    に直交した状態に一体成型し、水平方向の中央板部に
    は、縦方向の中央板部と近接する位置に縦方向の排水の
    ための連通孔を形成して成る十字状成型品を、その後端
    が縦,横目地の粘着性成型シールに当接した状態に押し
    込んであることを特徴とする請求項1又は2に記載の建
    築物外装パネルの目地工法。
JP22777496A 1996-08-09 1996-08-09 建築物外装パネルの目地工法 Pending JPH1054091A (ja)

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