JPH1193281A - 建築物外装パネルの目地工法 - Google Patents

建築物外装パネルの目地工法

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JPH1193281A
JPH1193281A JP26940097A JP26940097A JPH1193281A JP H1193281 A JPH1193281 A JP H1193281A JP 26940097 A JP26940097 A JP 26940097A JP 26940097 A JP26940097 A JP 26940097A JP H1193281 A JPH1193281 A JP H1193281A
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Toshio Tamakoshi
敏男 玉越
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 建築物における外装パネルの目地の止水を行
うにあたり、不定形弾性シール材を使用する場合に比し
て容易かつ均一に施工できるだけでなく、目地からの雨
水浸入に対して、止水性能が非常に高く、しかも、その
止水性能を長年月にわたって維持でき、施工ミス等によ
って室内側への漏水が発生しても、不良箇所をつきとめ
ることが容易で、迅速に対応できるようにする。 【解決手段】 縦目地と横目地に粘着性成型シール7を
押し込んで目地内の段部に接着し、その外側に、中央板
部8aと3枚のヒレ8b,8c,8dをもつガスケット
8A,8Bを押し込んで粘着性成型シールに接着し、各
ガスケットの中央板部の両側に二重の排水路6a,6b
を形成し、十字目地部分には、上段の縦目地における二
重の排水路と横目地における二重の排水路からの排水機
能と、下段の縦目地における二重の排水路を大気に開放
する機能をもった十字状成型品10を押し込んで粘着性
成型シールに接着し、十字目地部分ごとに排水と通気を
行うようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建築物外装パネル
の目地工法とそれに用いる十字状成型品およびガスケッ
トに関するものである。
【0002】
【従来の技術】図17は、従来の建築物外装パネルの目
地工法の一例を示す。図において、1は金属表層材1a
と金属補強材1bとで構成された金属製の外装パネル。
2Aは外装パネル1,1の縦目地、30は縦目地2Aを
シールする不定形の弾性シール材(例えば、ポリサルフ
ァイド系弾性シール材)であり、左右二面が縦目地2A
の両側面(金属表層材1a,1aの縦目地側端縁)に接
着している。40はバックアップ材であり、例えば、発
泡ポリエチレンの成型品が使用される。
【0003】施工の手順は、次の通りである。先ず、外
壁コンクリート50に固定用金物3をヒルティー等の固
定用ピン60にて固定し、固定用金物3に前記外装パネ
ル1を溶接5にて取り付ける。この溶接作業は、金属表
層材1aの縦目地側端縁の一部に切欠き部4を設け、こ
の切欠き部4を通して行われる。しかる後、縦目地2A
に前記バックアップ材40を押し込み、その外側から前
記弾性シール材30を充填するのである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上記の従来例において
は、次のような問題点があった。 目地は、日照等に起因する外装パネル1の温度変化
による伸縮の影響を受けるから、縦目地2Aに充填され
た弾性シール材30は、日光に曝される条件下で、相当
量の伸縮を毎日繰り返すことになる。このような条件下
では、弾性シール材30の老化がかなり早い。弾性シー
ル材30が老化すると、金属表層材1aの界面で剥がれ
たり、破断したりして、漏水の原因となる。 不定形の弾性シール材30を現場施工するため、シ
ール厚さが不均一になりやすく、しかも、外装パネル1
との接着面や弾性シール材30の打継部にピンホールが
できやすい。シール厚さの薄い部位では、外装パネル1
の伸縮により、弾性シール材30が破断して漏水の原因
となり、ピンホールがあると、そこから雨水が浸入し、
漏水原因となる。 弾性シール材30の老化による破断や剥がれが生じ
た時、必ずシールの打ち替えを行わねばならない(通常
は、10〜15年ピッチで行われる)。この作業には、
外部足場が必要となり、莫大な費用がかかる。
【0005】尚、外壁の構造には、図17で示しよう
に、外壁コンクリート50に外装パネル1を取り付けた
ものの他、鉄骨柱や胴縁等で構成される骨組みに、コン
クリートや金属のパネル(このパネルは、壁を構成する
外壁パネルでもあり、壁の仕上げ層を構成する外装パネ
ルでもある。)を取り付けた所謂カーテンウォールもあ
る。この場合には、目地からの浸水が即、室内への漏水
となり、上記の弊害がより顕著である。
【0006】本発明は、上記の問題点を踏まえてなされ
たものであって、その主たる目的とするところは、不定
形の弾性シール材とそのバックアップ材に代えて、ガス
ケットと粘着性成型シール材を使用することにより、容
易かつ均一に施工できるだけでなく、目地からの雨水浸
入に対して、止水性能が非常に高く、しかも、その止水
性能を長年月にわたって維持でき、たとえ施工ミスや材
質劣化等によって室内側への漏水が発生しても、不良箇
所をつきとめることが容易で、迅速に対応できる建築物
外装パネルの目地工法を提供することにある。本発明の
他の目的は、上記工法に用いるのに好適な十字状成型品
を提供することにある。本発明の他の目的は、上記工法
に用いるのに好適なガスケットを提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めに、本発明が講じた技術的手段は、次のとおりであ
る。即ち、本発明による建築物外装パネルの目地工法
は、建築物における外装パネルの縦目地および横目地の
内部に、外方から粘着性成型シールを押し込んで、当該
粘着性成型シールを縦目地および横目地の内部に形成さ
れた段部に接着し、その外側には、中央板部と、当該中
央板部の前端と中間部と後端から夫々両側へ突出した3
枚のヒレとを備えて成るガスケットを、その後端が前記
粘着性成型シールに当接し、且つ、各ヒレの先端側が相
対向する目地内側面に弾性的に接する状態に押し込ん
で、各ガスケットの中央板部の両側に、夫々、二重の排
水路を形成する一方、縦,横目地がクロスする十字目地
部分には、上段の縦目地における二重の排水路と横目地
における二重の排水路に浸入した雨水を外部に排出する
機能と、下段の縦目地における二重の排水路を大気に開
放する機能とを持った十字状成型品を、その後端が前記
粘着性成型シールに当接する状態に押し込んで、十字目
地部分ごとに排水と通気を行うようにすることを特徴と
している。
【0008】尚、外装パネルとしては、例えば、外壁コ
ンクリートの仕上げ層を構成する金属等のパネルや、鉄
骨柱や胴縁等で構成される骨組みに取り付けられるコン
クリート、金属、ガラス等のパネル(このパネルは、壁
を構成する外壁パネルと、壁の仕上げ層を構成する外装
パネルとを兼ねている。)でもよい。
【0009】上記の構成によれば、縦目地および横目地
の内部に粘着性成型シールを押し込んで目地内の段部に
接着し、しかる後、ガスケットや十字状成型品を粘着性
成型シールに当接するまで目地内に押し込み、粘着性成
型シールに接着されて保持されるようにしている。
【0010】従って、容易かつ均一な施工が可能であ
り、それでいて、ガスケットのヒレによる三重の止水機
構と、粘着性成型シールによる最終的な止水機構とが働
くことになり、高い止水性能が得られる。しかも、日照
等により一番外のヒレが老化しても、二番目のヒレが止
水の役割を果たし、二番目のヒレが老化しても、三番目
のヒレが止水の役割を果たし、最終的には粘着性成型シ
ールが止水の役割を果たすといったように、漏水に対す
る防備が多重になっているため、高い止水性能が長年月
にわたって維持されることになり、目地シールの耐用年
数が増大することによって総合的な低コスト化が可能と
なる。
【0011】殊に、本発明では、縦,横目地がクロスす
る十字目地部分に、上段の縦目地における二重の排水路
と横目地における二重の排水路に浸入した雨水を外部に
排出する機能と、下段の縦目地における二重の排水路を
大気に開放する機能とを持った十字状成型品を押し込ん
で、十字目地部分ごとに排水と通気を行うようにしてい
るので、縦目地および横目地における二重の排水路が、
外気と等圧になり、雨水の吸い込みが防止され、非常に
高い止水性能が得られるのである。また、ガスケットの
二重の排水路での通気により、ガスケットの冷却効果が
発揮され、夏期のガスケットの高温化による材質劣化が
抑制され、ガスケットの耐久性が増す。
【0012】しかも、十字目地部分ごとに排水を行うの
で、外壁低位置の縦目地に雨水が集中せず、二重の排水
路に雨水が充満してしまう恐れがなくなり、雨水の吸い
込みを防止するという上記の等圧機構が確実に働くこと
になる。
【0013】また、十字目地部分ごとに排水を行うの
で、たとえ施工ミスや材質劣化等によって室内側への漏
水が発生しても、不良箇所をつきとめることが容易であ
り、迅速に対応できることになる。
【0014】本発明による十字状成型品は、中央板部
と、当該中央板部の前端と中間部と後端から夫々両側へ
突出した3枚のヒレとを有する縦横二つの直線的部材が
互いに直交した状態に連設され、横方向の直線的部材に
おける中央板部には、縦方向の中央板部と近接する位置
に縦方向の排水のための第1の貫通孔が形成され、縦方
向の直線的部材の下端には、前下がりに傾斜した底板部
が連設され、底板部の傾斜下端側に排水口が形成され、
縦方向の直線的部材における中間部のヒレの下端には、
当該中間部のヒレと後端のヒレとの間に形成される内側
排水路と、当該中間部のヒレと前端のヒレとの間に形成
される外側排水路とを連通させる第2の貫通孔が形成さ
れ、底板部には、縦方向の直線的部材における中間部の
ヒレと後端のヒレとの間の位置に第3の貫通孔が形成さ
れて成るものである。
【0015】この十字状成型品を用いることにより、十
字目地部分ごとに排水と通気を行うことができる。即
ち、上段の縦目地における二重の排水路に浸入した雨水
は、十字状成型品における内,外側排水路へと流下し、
さらに、第1の貫通孔を経て、十字状成型品の底板部へ
と流下する。尚、縦目地における二重の排水路のうち、
後方(内側)の排水路を流下する雨水(これは、一番外
のヒレと二番目のヒレを通過して浸入した雨水であるか
ら、外側の排水路を流下する雨水に比して、水量が遙か
に少ない。)は、十字状成型品の内側排水路へと流下
し、第2の貫通孔を経て外側排水路に合流する。また、
両側の横目地における二重の排水路に浸入した雨水は、
第1の貫通孔を経て、縦目地における二重の排水路を流
下した雨水と合流し、十字状成型品の底板部へと流下す
る。
【0016】そして、これらの雨水は、十字状成型品に
おける底板部の傾斜下端側の排水口から外部へ排出され
ることになる。
【0017】尚、底板部に形成されている第3の貫通孔
を経て下段の縦目地へと流下した雨水は、下段の十字目
地部分にある十字状成型品により、上記と同様にして、
外部へ排出されることになる。
【0018】また、底板部の傾斜下端側の排水口での通
気により、上段の縦目地における二重の排水路と横目地
における二重の排水路が大気開放となり、さらに、底板
部には、縦方向の直線的部材における中間部のヒレと後
端のヒレとの間の位置に第3の貫通孔があり、この第3
の貫通孔での通気により、下段の縦目地における二重の
排水路の上端側も大気開放となる。従って、雨水の吸い
込みを防止するという上記の等圧機構が確実に働くこと
になり、排水口からの雨水の排出も円滑に行われること
になる。
【0019】本発明によるガスケットは、中央板部と、
当該中央板部の前端と中間部と後端から夫々両側へ突出
した3枚のヒレとを備えて成るガスケットであって、各
ヒレを、中央板部に対して直角状に連設された厚肉板部
と、厚肉板部の両端に段差を付けて連設された薄肉板部
とから構成してあることを特徴としている。
【0020】このガスケットを用いれば、中央板部の両
側に形成する二重の排水路が不測に潰れる恐れがなく、
排水路の断面積を確保できる。即ち、このガスケットで
は、3枚のヒレが、中央板部に対して直角状に連設され
た厚肉板部と、厚肉板部の両端に段差を付けて連設され
た薄肉板部とから構成されているので、ヒレの先端側
(薄肉板部)が段差から折れ曲がりやすく、厚肉板部で
は曲がりにくい。従って、縦目地や横目地にガスケット
を押し込んだ際、ヒレ全体が中央板部から折れ曲がって
しまうことを防止でき、ヒレの厚肉板部間に必要とする
断面積の排水路を形成できるのである。
【0021】
【発明の実施の形態】図1〜図11は、本発明に係る建
築物外装パネルの目地工法を示す。図において、1は、
金属表層材1aと金属補強材1bとで構成された縦約1
500mm、横約1200mmの金属製の外装パネルであ
る。2Aは隣接する外装パネル1,1の縦目地、2Bは
横目地である。縦目地2Aや横目地2Bの内端には、前
記金属表層材1aを折曲加工して段部2a,2bを形成
してある。また、横目地2Bの下面は、水返しの効果が
得られるように、外下がりの傾斜面に形成してある。
【0022】外装パネル1は、図17で示した従来例と
同じ施工手段によって外壁コンクリート50に取り付け
られている。3はヒルティー等の固定用ピン(図示せ
ず)によって外壁コンクリートに固定された固定用金物
である。図示しないが、金属表層材1aの縦目地側端縁
(前記段部2a)の一部に、溶接5を行うための切欠き
部が形成されている。
【0023】縦目地2Aの内部には、図2、図5に示す
ように、外方からブチルゴム等の粘着性成型シール7を
押し込んで、当該粘着性成型シール7を縦目地2A内端
の段部2aに接着してある。そして、更に、その外方か
ら、中央板部8aと、当該中央板部8aの前端と中間部
と後端から夫々両側へ突出した3枚のヒレ8b,8c,
8dとを備えて成るガスケット8Aを、その後端が前記
粘着性成型シール7に当接し、且つ、各ヒレ8b,8
c,8dの先端側が相対向する目地内側面に弾性的に接
する状態に押し込んで、当該ガスケット8Aを粘着性成
型シール7に接着して支持させ、ガスケット8Aの中央
板部8aの両側に、二重の排水路6a,6bを形成して
ある。ガスケット8Aの材質は、ネオプレンゴム、シリ
コンゴム等である。
【0024】横目地2Bの内部には、図3、図5に示す
ように、縦目地2Aと同様に、外方からブチルゴム等の
粘着性成型シール7を押し込んで、当該粘着性成型シー
ル7を横目地2B内端の段部2bに接着した後、更に、
その外方から、前記ガスケット8Aと同じ材質で同じ断
面形状のガスケット8B、つまり、ネオプレンゴム、シ
リコンゴム等で作製され、中央板部8aと、当該中央板
部8aの前端と中間部と後端から夫々両側へ突出した3
枚のヒレ8b,8c,8dとを備えたガスケット8B
を、その後端が前記粘着性成型シール7に当接し、且
つ、各ヒレ8b,8c,8dの先端側が相対向する目地
内側面に弾性的に接する状態に押し込んで、当該ガスケ
ット8Bを粘着性成型シール7に接着して支持させ、ガ
スケット8Aの中央板部8aの両側に、二重の排水路6
a,6bを形成してある。
【0025】ガスケット8A,8Bは、押出成型により
作製されたもので、その断面形状の代表的なものを、図
12の(イ),(ロ),(ハ)に例示したように、中央
板部8aの前端と中間部と後端から夫々両側へ突出した
3枚のヒレ8b,8c,8dを、中央板部8aに対して
直角状に連設された厚肉板部aと、厚肉板部aの両端に
段差bを付けて連設された薄肉板部cとから構成してあ
る。
【0026】従って、このガスケット8A,8Bを用い
れば、中央板部8aの両側に形成する二重の排水路6
a,6bが不測に潰れる恐れがなく、排水路の断面積を
確保できる。即ち、このガスケット8A,8Bでは、3
枚のヒレ8b,8c,8dが、中央板部8aに対して直
角状に連設された厚肉板部aと、厚肉板部aの両端に段
差bを付けて連設された薄肉板部cとから構成されてい
るので、ヒレ8b,8c,8dの先端側(薄肉板部c)
が段差bから折れ曲がりやすく、厚肉板部aは曲がりに
くい。従って、縦目地2Aや横目地2Bにガスケット8
A,8Bを押し込んだ際、ヒレ8b,8c,8d全体が
中央板部8aから折れ曲がってしまうことを防止でき、
ヒレ8b,8c,8dの厚肉板部a,a間に必要とする
断面積の排水路6a,6bを形成できるのである。
【0027】縦,横目地2A,2Bがクロスする十字目
地部分には、図5、図9、図11に示すように、上段の
縦目地2Aにおける二重の排水路6a,6bと横目地2
Bにおける二重の排水路6a,6bに浸入した雨水を外
部に排出する機能(後述する第1の貫通孔11a、第2
の貫通孔11b、排水口13等により発揮される機能)
と、下段の縦目地2Aにおける二重の排水路6a,6b
を大気に開放する機能(後述する第3の貫通孔11d、
第2の貫通孔11b、排水口13等により発揮される機
能)とを持った十字状成型品10を、粘着性成型シール
7の外方から当該十字状成型品10の後端が粘着性成型
シール7に当接するまで押し込んで、当該粘着性成型シ
ール7に接着してある。
【0028】十字状成型品10は、前記ガスケット8
A,8Bと同じ材料を金型に注入して成型(例えば、射
出成型法などである。)されたもので、図6〜図8、図
10に示すように、ガスケット8A,8Bと同じ断面形
状の垂直部分と水平部分、つまり、中央板部10aと、
当該中央板部10aの前端と中間部と後端から夫々両側
へ突出した3枚のヒレ10b,10c,10dとを有す
る縦横二つの直線的部材が互いに直交した状態に連設さ
れ、横方向の直線的部材における中央板部10aには、
縦方向の中央板部10aと近接する位置に縦方向の排水
のための第1の貫通孔11aが形成され、縦方向の直線
的部材の下端には、前下がりに傾斜した底板部12が連
設され、底板部12の傾斜下端側に下向きに開口する排
水口13が形成され、縦方向の直線的部材における中間
部のヒレ10cの下端には、当該中間部のヒレ10cと
後端のヒレ10dとの間に形成される内側排水路14a
と、当該中間部のヒレ10cと前端のヒレ10bとの間
に形成される外側排水路14bとを連通させる第2の貫
通孔11bが形成され、底板部12には、縦方向の直線
的部材における中間部のヒレ10cと後端のヒレ10d
との間の位置に第3の貫通孔11cが形成されて成る。
【0029】縦目地2Aに押し込むガスケット8Aの上
端は、図5、図8に示すように、中央板部8aとヒレ8
b,8cの一部を水平に切除して、後端のヒレ8dだけ
を他の部分よりも立ち上げてある。
【0030】一方、十字状成型品10の垂直部分(縦方
向の直線的部材)の上端は、図5、図6、図8に示すよ
うに、前端のヒレ10b、中間部のヒレ10c、後端の
ヒレ10dの順に、一定長ずつ上方へ延ばして、階段状
に形成してある。
【0031】ガスケット8Aの下端は、図5、図8に示
すように、一部を切除して、十字状成型品10上端の階
段状に対応した階段状に形成してあり、さらに、中央板
部8aの下端には、中間部のヒレ8cに近接する部分と
後端のヒレ8dに近接する部分とを切除して、ヒレ8
c,8dの厚みに相当する幅のスリット15a,15b
を形成してある。
【0032】また十字状成型品10の水平部分(横方向
の直線的部材)の両端は、図7、図10に示すように、
内側のヒレほど横長となるような階段状に形成されてい
る。横目地2Bに挿入されるガスケット8Bの両端は、
図10に示すように、中央板部8aとヒレ8c,8dの
一部を階段状に切除して、十字状成型品10の水平部分
両端の階段状に対応した階段状に形成してあり、更に、
中央板部8aの端部には、中間部のヒレ8cに近接する
部分と後端のヒレ8dに近接する部分とを切除して、ヒ
レ8c,8dの厚みに相当する幅のスリット16a,1
6bを形成してある。これらのスリット15a,15
b、16a,16bは、後述する通り、ガスケット8
A,8Bと十字状成型品10のヒレが重なり合う際、外
側に来るヒレの弾性変形を容易にするためである。
【0033】次に、上記目地工法の施工手順を説明する
と、外装パネル1の取付け後、縦目地2Aおよび横目地
2Bに、夫々、粘着性成型シール7を挿入し、しかる
後、これらの粘着性成型シール7をバックアップ材とし
て、ガスケット8A,8Bおよび十字状成型品10を挿
入する。
【0034】ガスケット8A,8Bおよび十字状成型品
10の挿入順を、図8〜図1に基づいて説明すると、先
ず、下段の外装パネル1に対応する縦目地2Aにガスケ
ット8Aを挿入した後、当該ガスケット8Aの上端側に
位置する縦,横目地2A,2Bがクロスする十字目地部
分に、十字状成型品10を、下段のガスケット8Aの上
部後端に立ち上がったヒレ8dの外側に重なるように挿
入する(図9参照)。
【0035】しかる後、左右の十字状成型品10間に位
置する横目地2Bにガスケット8Bを、その端部に位置
する8b,ヒレ8c,8dが十字状成型品10の水平部
分の両端に位置するヒレ10b,10c,10dの外側
に各々重なるように挿入する(図11参照)。
【0036】しかる後、上段の外装パネル1に対応する
縦目地2Aにガスケット8Aを、その下端側に位置する
ヒレ8b,ヒレ8c,8dが十字状成型品10の垂直部
分の上端側に位置するヒレ10b,10c,10dの外
側に各々重なるように挿入するのである(図9参照)。
【0037】以上の実施例によれば、不定形の弾性シー
ル材とそのバックアップ材に代えて、ガスケット8A,
8Bと粘着性成型シール材7を使用するので、シール厚
さが不均一になったり、ピンホールが生じる心配がな
く、容易かつ均一な施工が可能である。
【0038】それでいて、縦,横目地2A,2Bのいず
れにおいても、ガスケット8A,8Bのヒレ8b,8
c,8dによる三重の止水機構と、粘着性成型シール7
による最終的な止水機構とが働くことになり、高い止水
性能が得られる。しかも、日照等により一番外のヒレ8
bが老化しても、二番目のヒレ8cが止水の役割を果た
し、二番目のヒレ8cが老化しても、三番目のヒレ8d
が止水の役割を果たし、最終的には粘着性成型シール7
が止水の役割を果たすといったように、漏水に対する防
備が多重になっているため、高い止水性能が長年月にわ
たって維持されることになり、目地シールの耐用年数
(更新の期間)が増大することによって総合的な低コス
ト化が可能となる。
【0039】殊に、縦,横目地2A,2Bがクロスする
十字目地部分に、上段の縦目地2Aにおける二重の排水
路6a,6bと横目地2Bにおける二重の排水路6a,
6bに浸入した雨水を外部に排出する機能と、下段の縦
目地2Aにおける二重の排水路6a,6bを大気に開放
する機能とを持った十字状成型品10を押し込んで、十
字目地部分ごとに排水と通気を行うようにしているの
で、縦目地2Aおよび横目地2Bにおける二重の排水路
6a,6bが、外気と等圧になり、雨水の吸い込みが防
止され、非常に高い止水性能が得られるのである。
【0040】即ち、上記の構成によれば、上段の縦目地
2Aにおける二重の排水路6a,6bに浸入した雨水
は、十字状成型品10における内,外側排水路14a,
14bへと流下し、さらに、第1の貫通孔11aを経
て、十字状成型品10の底板部12へと流下する。縦目
地2Aにおける二重の排水路6a,6bのうち、後方
(内側)の排水路6aを流下する雨水(これは、一番外
のヒレ8bと二番目のヒレ8cを通過して浸入した雨水
であるから、外側の排水路6bを流下する雨水に比し
て、水量が遙かに少ない。)は、十字状成型品10の内
側排水路14aへと流下し、第2の貫通孔11bを経て
外側排水路14bに合流する。また、両側の横目地2B
における二重の排水路6a,6bに浸入した雨水は、第
1の貫通孔11aを経て、縦目地2Aにおける二重の排
水路6a,6bを流下した雨水と合流し、十字状成型品
10の底板部12へと流下する。そして、これらの雨水
は、十字状成型品10における底板部12の傾斜下端側
の排水口13から外部へ排出されることになる。
【0041】また、底板部12の傾斜下端側の排水口1
3での通気により、上段の縦目地2Aにおける二重の排
水路6a,6bと横目地2Bにおける二重の排水路6
a,6bが大気開放となり、さらに、底板部12には、
縦方向の直線的部材における中間部のヒレ10cと後端
のヒレ10dとの間の位置に第3の貫通孔11cがあ
り、この第3の貫通孔11cでの通気により、下段の縦
目地2Aにおける二重の排水路6a,6bの上端側も大
気開放となる。従って、雨水の吸い込みが防止され、排
水口13からの雨水の排出も円滑に行われることにな
る。
【0042】しかも、十字目地部分ごとに排水を行うの
で、外壁低位置の縦目地に雨水が集中せず、二重の排水
路6a,6bに雨水が充満してしまう恐れがなくなり、
雨水の吸い込みを防止するという上記の等圧機構が確実
に働くことになる。
【0043】また、十字目地部分ごとに排水を行うの
で、たとえ施工ミスや材質劣化等によって室内側への漏
水が発生しても、不良箇所をつきとめることが容易であ
り、迅速に対応できることになる。
【0044】また、ガスケット8A,8Bの二重の排水
路6a,6bでの通気により、ガスケット8A,8Bの
冷却効果が発揮され、夏期のガスケット8A,8Bの高
温化による材質劣化が抑制され、ガスケット8A,8B
の耐久性が増すことになる。
【0045】尚、第3の貫通孔11cを経て下段の縦目
地2Aへと流下した雨水は、下段の十字目地部分にある
十字状成型品10により、上記と同様にして、外部へ排
出されることになる。最上段の縦目地2Aの上端は、図
4に示すように、パラペットの張出し部の直下に設けた
ステンレス製の通気孔金物17を介して大気に開放して
あり、最下段の縦目地2Aの下端には、ステンレス製の
排水金物18を設けて通気と排水が行われるようにして
ある。
【0046】上記の実施の形態では、図8に示すよう
に、十字状成型品10の垂直部分の下端側背面を、それ
に重なるガスケット8Aの後端のヒレ8dの厚さ相当
分、凹入19させる一方、十字状成型品10の垂直部分
の上端側のヒレに重なる上段のガスケット8Aのヒレ
を、その肉厚分、前方へ変形させることによって、図9
に示すように、十字状成型品10の垂直部分の背面と、
その上下に位置する縦方向のガスケット8A,8Aの背
面とが面一状になるように構成したが、粘着性成型シー
ル7が肉厚かつ柔軟な場合には、図13〜図16に示す
ように、十字状成型品10の垂直部分の下端側背面を、
それに重なるガスケット8Aの後端のヒレ8dの厚さ相
当分、凹入19させると共に、十字状成型品10の垂直
部分の上端側のヒレと水平部分の両端側のヒレを、夫
々、それらの前面に重なるガスケット8A,8Bのヒレ
の厚さ相当分、後方へ凹入20した断面形状に成型し、
十字状成型品10背面とガスケット8A,8B背面との
間に生じる段差を、粘着性成型シール7の変形によって
吸収するようにしてもよい。
【0047】この場合には、十字状成型品10のヒレの
外側に重ねるガスケット8A,8Bの端部に、ヒレ8
b,8c,8dを前方へ変形させやすくするための切欠
きを形成しなくても済むから、図13や図15に示すよ
うに、ガスケット8A,8Bの端部の形状が単純にな
り、ガスケット8A,8B端部の二次加工が容易になる
利点がある。
【0048】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、不定形の
弾性シール材とそのバックアップ材を使用する場合に比
して、容易かつ均一に施工できるだけでなく、目地から
の雨水浸入に対して、止水性能が非常に高く、しかも、
その止水性能を長年月にわたって維持でき、たとえ施工
ミスや材質劣化等によって室内側への漏水が発生して
も、不良箇所をつきとめることが容易で、迅速に対応で
きる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る建築物外装パネルの目地工法を説
明するための外壁の概略正面図である。
【図2】図1のA−A線断面図である。
【図3】図1のB−B線断面図である。
【図4】縦目地部分の施工完了状態を示す概略縦断側面
図である。
【図5】構成部材を説明するための分解斜視図である。
【図6】十字状成型品の斜視図である。
【図7】十字状成型品の平面図である。
【図8】十字目地部分の施工手順を説明する縦断側面図
である。
【図9】十字目地部分の施工完了状態を示す縦断側面図
である。
【図10】十字目地部分の施工手順を説明する横断平面
図である。
【図11】十字目地部分の施工完了状態を示す横断平面
図である。
【図12】ガスケットの断面形状を例示するガスケット
の断面図である。
【図13】本発明の他の実施形態を示すもので、図8に
対応する縦断側面図である。
【図14】本発明の他の実施形態を示すもので、図9に
対応する縦断側面図である。
【図15】本発明の他の実施形態を示すもので、図10
に対応する横断平面図図である。
【図16】本発明の他の実施形態を示すもので、図11
に対応する横断平面図図である。
【図17】従来例を説明する横断平面図である。
【符号の説明】
1…外装パネル、2A…縦目地、2B…横目地、6a,
6a…排水路、7…粘着性成型シール、8A,8B…ガ
スケット、8a…中央板部、8b,8c,8d…ヒレ、
10…十字状成型品、10a…中央板部、10b,10
c,10d…ヒレ、11a…第1の貫通孔、11b…第
2の貫通孔、11c…第3の貫通孔、12…底板部、1
3…排水口、14…内側排水路、14b…外側排水路。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建築物における外装パネルの縦目地およ
    び横目地の内部に、外方から粘着性成型シールを押し込
    んで、当該粘着性成型シールを縦目地および横目地の内
    部に形成された段部に接着し、その外側には、中央板部
    と、当該中央板部の前端と中間部と後端から夫々両側へ
    突出した3枚のヒレとを備えて成るガスケットを、その
    後端が前記粘着性成型シールに当接し、且つ、各ヒレの
    先端側が相対向する目地内側面に弾性的に接する状態に
    押し込んで、各ガスケットの中央板部の両側に、夫々、
    二重の排水路を形成する一方、縦,横目地がクロスする
    十字目地部分には、上段の縦目地における二重の排水路
    と横目地における二重の排水路に浸入した雨水を外部に
    排出する機能と、下段の縦目地における二重の排水路を
    大気に開放する機能とを持った十字状成型品を、その後
    端が前記粘着性成型シールに当接する状態に押し込ん
    で、十字目地部分ごとに排水と通気を行うようにするこ
    とを特徴とする建築物外装パネルの目地工法。
  2. 【請求項2】 中央板部と、当該中央板部の前端と中間
    部と後端から夫々両側へ突出した3枚のヒレとを有する
    縦横二つの直線的部材が互いに直交した状態に連設さ
    れ、横方向の直線的部材における中央板部には、縦方向
    の中央板部と近接する位置に縦方向の排水のための第1
    の貫通孔が形成され、縦方向の直線的部材の下端には、
    前下がりに傾斜した底板部が連設され、底板部の傾斜下
    端側に排水口が形成され、縦方向の直線的部材における
    中間部のヒレの下端には、当該中間部のヒレと後端のヒ
    レとの間に形成される内側排水路と、当該中間部のヒレ
    と前端のヒレとの間に形成される外側排水路とを連通さ
    せる第2の貫通孔が形成され、底板部には、縦方向の直
    線的部材における中間部のヒレと後端のヒレとの間の位
    置に第3の貫通孔が形成されて成ることを特徴とする十
    字状成型品。
  3. 【請求項3】 中央板部と、当該中央板部の前端と中間
    部と後端から夫々両側へ突出した3枚のヒレとを備えて
    成るガスケットであって、各ヒレを、中央板部に対して
    直角状に連設された厚肉板部と、厚肉板部の両端に段差
    を付けて連設された薄肉板部とから構成してあることを
    特徴とするガスケット。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010222889A (ja) * 2009-03-24 2010-10-07 Daiwa House Industry Co Ltd 外壁目地の止水構造
CN105863087A (zh) * 2015-01-19 2016-08-17 任丘市永基建筑安装工程有限公司 预制外墙板防水技术
CN117432087A (zh) * 2023-12-21 2024-01-23 河南省防腐企业集团有限公司 一种建筑防水伸缩缝

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