JPH1053686A - ブロックコポリマーを主成分とするエラストマー組成物 - Google Patents

ブロックコポリマーを主成分とするエラストマー組成物

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JPH1053686A
JPH1053686A JP13678897A JP13678897A JPH1053686A JP H1053686 A JPH1053686 A JP H1053686A JP 13678897 A JP13678897 A JP 13678897A JP 13678897 A JP13678897 A JP 13678897A JP H1053686 A JPH1053686 A JP H1053686A
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poly
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styrene
block copolymer
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JP13678897A
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English (en)
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Deursen Josephus Hubertus Van
ヨセフス・ヒユーベルトウス・フアン・ドールセン
Petrus Anthonius Joha Hendriks
ペトルス・アントニウス・ヨハンネス・マリア・ヘンドリツクス
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Shell Internationale Research Maatschappij BV
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Shell Internationale Research Maatschappij BV
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 エラストマー組成物の耐熱性の改良。 【解決手段】 (i)少なくとも1つの任意に水素化さ
れたブロックコポリマーと、(ii)そのエラストマー
組成物全体を基準として50重量%未満の量の、ラセミ
ペンタドとして30%以上のシンジオタクチック構造を
有するスチレンを主成分とするポリマーとからなるエラ
ストマー組成物であって、前記ブロックコポリマーが少
なくとも1つのポリ(モノビニル芳香族炭化水素)ブロ
ックと少なくとも1つのポリ(共役ジエン)ブロックと
を含む前記組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、少なくとも1つの
ブロックコポリマーと、微量のシンジオタクチック構造
を有するスチレンを主成分とするポリマーとからなるエ
ラストマー組成物に係わる。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】少量の
エンジニアリング熱可塑性プラスチック(例えば、ポリ
フェニレンエーテル(PPE)又はそのコポリマー)を
ポリスチレン/エラストマーブロックコポリマーに混合
することによって、ポリスチレン/エラストマーブロッ
クコポリマーの耐熱性を改善することは公知である。例
えば、EP 0,209,874B1には、スチレン−
ブタジエン−スチレンブロックコポリマーの耐熱性を、
このブロックコポリマーに少量のポリフェニレンエーテ
ルを混合することによって改善できることが開示されて
いる。
【0003】
【課題を解決するための手段】驚くべきことに、多量の
ブロックコポリマーにシンジオタクチック構造を有する
スチレンを主成分とするポリマーを少量混合することに
よって、1つ以上の利点を有する、特に、従来のポリフ
ェニレンエーテル含有エラストマー組成物に比較して高
い耐熱性を示すエラストマー組成物が得られることがこ
こで知見された。更には、より高い均一性を有するエラ
ストマー組成物を、より容易に製造できることが知見さ
れた。
【0004】従って、本発明は、(i)少なくとも1つ
のポリ(モノビニル芳香族炭化水素)ブロックと少なく
とも1つのポリ(共役ジエン)ブロックとを含み、水素
化されていてもよいブロックコポリマーの少なくとも1
つと、(ii)そのエラストマー組成物全体を基準とし
て50重量%未満の量の、ラセミペンタドとして30%
以上のシンジオタクチック構造を有するスチレンを主成
分とするポリマーとからなるエラストマー組成物を提供
する。
【0005】
【発明の実施の形態】上記ポリ(モノビニル芳香族炭化
水素)ブロックは典型的には実質的に非晶質であり、即
ち、結晶質(シンジオタクチック)構造を有するポリマ
ーを5重量%未満しか、好ましくは全く含まない。
【0006】30%以上のシンジオタクチック構造を有
するスチレンを主成分とするポリマーはそれ自体公知で
あり、EP 380,968B1とEP 291,53
6B1に記載されているような方法によって製造するこ
とができる。
【0007】スチレンを主成分とするポリマーのシンジ
オタクチック構造は、公知の13C−NMR法によって定
量できる。13C−NMR法によって定量されるタクチシ
ティ(立体規則性)は、互いに連続的にカップリングし
た構造ユニット、即ち、5個の構造ユニットが互いに結
合したペンタド(pentad)の割合として表され
る。スチレンを主成分とするポリマーは、ペンタド(ラ
セミペンタド)の割合が30%以上であり、好ましくは
50%以上であり、より好ましくは80%以上であり、
更に好ましくは95%以上であるようなシンジオタクチ
ック配置を有する。
【0008】本発明によるブロックコポリマーは、好ま
しくは、少なくとも2つの末端ポリ(モノビニル芳香族
炭化水素)ブロックと少なくとも1つの内部ポリ(共役
ジエン)ブロックを含む。
【0009】好ましいブロックコポリマーを、式A(B
A)m 又は式(AB)n Xのブロックコポリマーから成
るグループから選択することが好ましく、前記式中Aは
主にポリ(モノビニル芳香族炭化水素)からなるブロッ
クコポリマーを表し、Bは主にポリ(共役ジエン)から
なるブロックを表し、Xは多価カップリング剤の残基を
表し、nは1より大きい整数(好ましくは2から8まで
の整数、更に好ましくは2から6までの整数、特に2、
3、又は、4)を表し、及び、mは1以上の整数(好ま
しくは1から8までの整数、更に好ましくは1から4ま
での整数、特に1)を表す。
【0010】ポリ(モノビニル芳香族炭化水素)ブロッ
クAの製造に使用するための好ましいモノビニル芳香族
炭化水素モノマーは、スチレン、アルキル置換スチレ
ン、アルコキシ置換スチレン、ビニルナフタレン及びア
ルキル置換ビニルナフタレンを含む。このモノビニル芳
香族炭化水素がスチレン及び/又はアルキル置換スチレ
ンであることが更に好ましく、スチレンであることが特
に好ましい。アルキル置換基又はアルコキシ置換基は、
典型的には1個から6個までの炭素原子を含み、好まし
くは1個から4個までの炭素原子を含む。アルキルもし
くはアルコキシ置換基が存在する場合には、分子1個当
たりのアルキルもしくはアルコキシ置換基の数は1個か
ら3個までの範囲内であり、好ましくは1個である。
【0011】ポリ(共役ジエン)ブロックBの製造に使
用するための好ましい共役ジエンモノマーは、4個から
24個までの炭素原子を含む共役ジエン、例えば、1,
3−ブタジエン、イソプレン、ピペリレン、メチルペン
タジエン、2−フェニル−1,3−ブタジエン、3,4
−ジメチル−1,3−ヘキサジエン及び4,5−ジエチ
ル−1,3−オクタジエンを含む。好ましい共役ジエン
は、4個から12個までの炭素原子を含む共役ジエンで
あり、更に好ましくは4個から6個までの炭素原子を含
む共役ジエンである。イソプレンとブタジエンが、コス
トが安く入手し易いという点で、本発明で使用するのに
最も適した共役ジエンモノマーである。
【0012】Aブロックが主にポリ(スチレン)からな
るブロックを表し、Bブロックが主にポリ(ブタジエ
ン)からなるブロック、主にポリ(イソプレン)からな
るブロック又はイソプレン/ブタジエンコポリマーブロ
ックを表す。
【0013】ブロックAに関して、「主に」とは、この
ブロックが、モノビニル芳香族炭化水素モノマー(例え
ばスチレン)と、20重量%以下(好ましくは10重量
%以下)の別のモノビニル芳香族炭化水素モノマー(例
えば、α−メチルスチレン)、又は10重量%以下(好
ましくは5重量%以下)の共役ジエンモノマー(例え
ば、ブタジエン及び/又はイソプレン)とから得られる
ことを意味する。
【0014】ブロックBに関して、「主に」とは、この
ブロックが、共役ジエンモノマー又は2つ以上(好まし
くは2つ)の共役ジエンモノマーの混合物と、10重量
%以下(好ましくは5重量%以下)のモノビニル芳香族
炭化水素モノマーとから得られることを意味する。
【0015】使用する多価カップリング剤は、当業界で
公知のカップリング剤を含む。
【0016】適切な多価カップリング剤の例は、2個か
ら8個、好ましくは2個から6個、更に好ましくは2、
3、又は、4個の官能基を含む。
【0017】3個より多い官能基を有する多価カップリ
ング剤に対するカップリング効率は立体障害のために非
常に低くなり得ることが既に判明している。
【0018】(AB)n 枝のカップリングの際に平均で
多価カップリング剤のカップリング部位(官能基)の1
個以上がAB枝に非結合のまま残るような立体障害を回
避するためには、多価カップリング剤に対して結合させ
るポリマーブロックBの末端部分が実質的に線状である
AB枝を使用することが必要だろう。こうした末端部分
が存在する場合には、この末端部分が典型的にはポリマ
ーブロックB全体の5重量%以下を構成する。従って、
ポリマーブロックBが主にポリ(イソプレン)からなる
場合には、多価カップリング剤に結合されるべき末端部
分が、例えば、(「1,4」の形で重合していることが
好ましい)ポリブタジエンからなることが望ましい。
【0019】このブロックコポリマーが、純粋なポリ
(スチレン)ブロックと、純粋なポリ(イソプレン)ブ
ロック、純粋なポリ(ブタジエン)ブロック、又はイソ
プレン/ブタジエンコポリマーブロックとを含むことが
更に好ましい。
【0020】少なくとも1つのポリ(モノビニル芳香族
炭化水素)ブロックと少なくとも1つのポリ(共役ジエ
ン)ブロックとを含み、任意に水素化されたブロックコ
ポリマーは、当業界で公知であり、市販もされている。
【0021】こうしたブロックコポリマーを、例えば米
国特許第4,764,572号、同第3,231,63
5号、同第3,700,633号、及び、同第5,19
4,530号に記載されている第二ブチルリチウムのよ
うなアルカリ金属開始剤を使用するアニオン重合によっ
て製造することが可能である。
【0022】このブロックコポリマーのポリ(共役ジエ
ン)ブロックを、水素化前のそのブロックの初期不飽和
含量を基準として、典型的には20%以下、更に好まし
くは5%以下、最も好ましくは2%以下の残留エチレン
性不飽和が得られるように選択的に水素化してもよい。
本発明の組成物に使用するためのブロックコポリマーは
選択的に水素化されていることが好ましい。水素化は、
米国特許再発行27,145号に開示されているように
選択的に行うことが可能である。ラネーニッケル触媒、
貴金属(例えば、白金等)触媒、可溶性遷移金属触媒、
及び、米国特許第5,039,755号に開示されてい
るチタン触媒の存在下での水素化を含む、様々な確立さ
れた方法によって上記ポリマー及びコポリマーの水素化
を行うことが可能である。こうしたポリマーは、異なっ
たジエンブロックを有することが可能であり、これらの
ポリマーを米国特許第5,299,464号に開示され
ているように選択的に水素化することが可能である。
【0023】使用するブロックコポリマーが構造「AB
A」を有することが最も好ましく、前記式中、Aは3,
000g/molから100,000g/mol、好ま
しくは5,000g/molから40,000g/mo
lの重量平均分子量を有し、且つ、Bは10,000g
/molから250,000g/mol、好ましくは4
0,000g/molから200,000g/molの
重量平均分子量を有する。
【0024】(水素化)ポリ(ブタジエン)ブロックの
ビニル含量が、25mol%から75mol%までの範
囲であることが好ましく、25mol%から65mol
%までの範囲であることがより好ましく、35mol%
か55mol%までの範囲であることが更に好ましい。
そのビニル含量は、ブタジエンの1,4−重合ではな
く、1,2−重合から生じる。
【0025】(水素化)ポリ(イソプレン)ブロックの
ビニル含量は広い範囲に亙って変更可能であり、典型的
には0mol%から75mol%、好ましくは0mol
%から20mol%までの範囲である。
【0026】本発明で使用するブロックコポリマーは、
一般的に、10重量%から60重量%、好ましくは15
重量%から45重量%の量の重合ビニル芳香族モノマー
を含む。
【0027】ブロックコポリマー全体の重量平均分子量
は、一般的に、15,000g/molから350,0
00g/mol、好ましくは40,000g/molか
ら250,000g/molまでの範囲である。
【0028】適したブロックコポリマーの例として、K
RATON G−1651、KRATON G−165
2、KRATON G−1702、KRATON G−
1654、KRATON G−1657、KRATON
G−1650、KRATON G−1701、KRA
TON D−1101、KRATON D−1102、
KRATON D−1107、KRATON D−11
11、KRATOND−1116、KRATON D−
1117、KRATON D−1118、KRATON
D−1122、KRATON D−1135X、KR
ATON D−1184、KRATON D−1144
X、KRATON D−1300X、KRATON D
−4141、KRATON D−4262、KRATO
N D−4240、KRATON D−1186、及
び、KRATON D−4158(KRATONは登録
商標である)が挙げられる。
【0029】異なった骨格構造を有するポリマー(例え
ば、アイソタクチック及びアタクチックポリプロピレ
ン)の相容性は低いことが知られているので、本発明の
エラストマー組成物が高度に均質であり且つ高い耐熱性
を示すことは驚くべきことである。
【0030】本発明のエラストマー組成物は、0.2:
1から2:1までの範囲のシンジオタクチックポリスチ
レン/非晶質ポリスチレン重量比を有することが適切で
ある。
【0031】シンジオタクチックポリスチレン/非晶質
ポリスチレン重量比が0.5から1:1までの範囲であ
ることが好ましい。
【0032】本発明で使用するスチレンを主成分とする
ポリマーは、2,000g/molから500,000
g/molまでの範囲の重量平均分子量を有することが
適切であり、40,000g/molから300,00
0g/molまでの範囲の重量平均分子量を有すること
が好ましい。
【0033】本発明は更に、本発明のエラストマー組成
物と、当業者に公知の1つ以上の添加剤(例えば、ポリ
オレフィン、ポリ(共役ジエン)ブロック相容性粘着付
与樹脂、ポリ(モノビニル芳香族炭化水素)ブロック相
容性樹脂、充填剤、安定剤及び/又は可塑剤)とを含む
配合物(コンパウンド)に係わる。
【0034】適切なポリオレフィンの例は、結晶質ポリ
オレフィンとエラストマーポリオレフィンを含む。
【0035】特に好ましいポリオレフィンは、エチレン
コポリマー、プロピレンコポリマー及びブチレンコポリ
マーを含む、ポリエチレン、ポリプロピレン及びポリブ
チレンを含む。2つ以上のポリオレフィンのブレンドを
使用してもよい。
【0036】このポリオレフィンは、例えば米国特許明
細書第5,322,728号と同第5,272,236
号に開示されているようなメタロセン触媒を用いて製造
するポリオレフィンである、メタロセンポリオレフィン
であってもよい。
【0037】メタロセンポリオレフィンは、典型的に
は、エチレンと、8重量%から30重量%までの4個か
ら12個までの炭素原子を有するα−オレフィンコモノ
マーとのコポリマーである。
【0038】上記ポリオレフィンに加えて、又は、上記
ポリオレフィンの代わりに、1つ以上のポリ(共役ジエ
ン)ブロック相容性粘着付与樹脂を使用することも可能
である。
【0039】本発明の組成物で使用可能な粘着付与樹脂
の例は、炭化水素樹脂、合成ポリテルペン、ロジンエス
テル及び天然テルペンを含む。使用される粘着付与樹脂
は、外界温度で半固体又は固体であり、典型的には70
℃から150℃までの範囲の温度において、更に好まし
くは85℃から120℃までの範囲の温度において、軟
化するか液化し、即ち、環球法軟化点(ASTM E
28−58T)を有する。
【0040】上記ブロックコポリマーを選択的に水素化
する場合には、上記粘着付与樹脂も同様に水素化するこ
とが好ましい。
【0041】本発明による配合物中に1つ以上のポリ
(モノビニル芳香族炭化水素)ブロック相容性樹脂を含
むことは、場合によっては望ましい。
【0042】こうした樹脂は、クマロン−インデン樹
脂、ポリα−メチルスチレン樹脂、ビニルトルエン−α
−メチルスチレンコポリマー及びポリインデン樹脂を含
む。本発明では、本発明のエラストマー組成物のスチレ
ンを主成分とするポリマーは、ポリ(モノビニル芳香族
炭化水素)ブロック相容性樹脂ではないと見なしてい
る。
【0043】炭酸カルシウムのような炭酸塩、耐熱酸化
物(例えば、シリカ、チタニア、酸化亜鉛)、ケイ酸塩
(例えば、クレイ及びタルク)、すす、黒鉛及び繊維
(例えば、ガラス繊維)を含む、様々な充填剤を使用す
ることが可能である。
【0044】適した可塑剤の例は、石油誘導油、合成油
(例えば、フィッシャー−トロプシュ合成によって製造
される合成油)、オレフィンオリゴマー、植物油、動物
油及びこれらの誘導体を含む。
【0045】使用可能な石油誘導油は、芳香族炭化水素
を低い割合(好ましくはその油の30重量%未満、更に
好ましくは15重量%未満)で含む、比較的高い沸点を
有する物質である。或いは、完全に非芳香族な油であっ
てもよい。
【0046】植物油と動物油は、脂肪酸のグリセリルエ
ステルと、その重合生成物を含む。
【0047】オレフィンオリゴマーは典型的には、C2
−C12オレフィンモノマーのオリゴマーであり、好まし
くはC2 −C6 オレフィンモノマーのオリゴマーであ
る。適したオレフィンオリゴマーの例は、ポリ(ブチレ
ン)、ポリ(ドデセン)、水素化ポリ(イソプレン)、
水素化ポリ(ブタジエン)、水素化ポリ(ピペリレン)
及び水素化ピペリレン−イソプレンコポリマーを含む。
オレフィンオリゴマーは典型的には350g/molか
ら35,000g/mol、好ましくは500g/mo
lから10,000g/molまでの範囲の重量平均分
子量を有する。
【0048】様々な安定剤が当業者に周知であり、市販
もされている。
【0049】本発明の実施に使用される安定剤は、ヒン
ダードフェノール誘導体、ヒンダードアミン又はトリア
ジン誘導体、リン及び/又は硫黄含有ヒンダード化合物
又はこれらの混合物を含む。
【0050】適切な安定剤の例は、欧州特許明細書N
o.0,659,787に開示されている安定剤であ
る。
【0051】代表的な好ましい安定剤は、ペンタエリト
リチル−テトラキス(3,5−ジ第三ブチル−4−ヒド
ロキシ−ヒドロシンナメート)(IRGANOX 10
10)、3,5−ビス(1,1−ジ−メチルエチル)−
4−ヒドロキシベンゼンプロパン酸のオクタデシルエス
テル(IRGANOX 1076)、2,4−ビス(n
−オクチルチオ)−6−(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
−第三ブチルアニリノ)−1,3,5−トリアジン(I
RGANOX 565)、2−第三ブチル−6−(3−
第三ブチル−2′−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)
−4−メチルフェニルアクリラート(SUMILIZE
R GM)、トリス(ノニルフェニル)ホスファイト、
トリス(混合モノ−及びジ−フェニル)−ホスファイ
ト、ビス(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ペンタエ
リトリトールジホスファイト(ULTRANOX 62
6)、ジステアリルペンタエリトリトールジホスファイ
ト(WESTON 618)、スチレン化ジフェニルア
ミン(NAUGARD 445)、N−1,3−ジメチ
ルブチル−N′−フェニル−パラフェニレンジアミン
(SUMILIZER 116 PPD)、トリス
(2,4−ジ−第三ブチルフェニル)ホスファイト(I
RGAFOS 168)、4,4−ブチリデン−ビス−
(3−メチル−6−第三ブチルフェノール)(SUMI
LIZER BBMS)、及びEPON 1004とジ
ラウリルチオジプロピオナート(IRGANOX PS
800)のようなエポキシ樹脂、又はこれらの組合せ
である。IRGANOX、EPON、SUMILIZE
R、ULTRANOX、WESTON、NAUGARD
及びIRGAFOSは、登録商標である。
【0052】本発明の配合物は、典型的には、次の組成
を有する。
【0053】100部 本発明によるエラストマー組成
物 0−200phr 可塑剤 0−200phr ポリオレフィン 0−100phr ポリ(共役ジエン)ブロック相容性
粘着付与樹脂 0−100phr ポリ(モノビニル芳香族炭化水素)
ブロック相容性樹脂 0−200phr 充填剤 0.05−1.0重量% 安定剤 (但し、phr=エラストマー組成物100重量部当た
りの重量部)。
【0054】可塑剤の量は150phr以下であること
が好ましく、特に0phrから50phrであることが
好ましい。可塑剤の量が20phr以上であることが更
に好ましい。
【0055】ポリオレフィンが0.1phrから100
phrまでの量で含まれることが好ましく、1phrか
ら50phrまでの量で含まれることが更に好ましい。
【0056】ポリ(モノビニル芳香族炭化水素)ブロッ
ク相容性樹脂の量が20phr以下であることが好まし
く、5phr以下であることが更に好ましい。本明細書
に定義したこの樹脂が本発明による配合物に含まれない
ことが最も好ましい。
【0057】充填剤の量が、10phrから200ph
rまでの範囲であることが好ましく、20phrから1
50phrまでの範囲であることが更に好ましい。
【0058】安定剤の合計量が0.1重量%から0.5
重量%までの範囲に保たれることが好ましい。
【0059】本発明のエラストマー組成物とこの組成物
を含む配合物を、上記した少なくとも1つの任意に水素
化されたブロックコポリマーをスチレンを主成分とする
ポリマー及び他の追加の成分と溶液混合又は好ましくは
溶融混合することによって製造することが適切である。
適切な製造条件は当業界で公知の条件を含む。溶融混合
の場合には、200℃から320℃までの範囲内の温度
を適用することが適切である。
【0060】本発明の配合物を、例えば、シーラント、
可撓性チューブ、フィルム、及びケーブル絶縁材のよう
な様々な用途、特に、自動車用途、特に高温自動車用
途、医療用途、建設用途、及び、ソフトタッチ用途に使
用することが可能である。
【0061】更に、本発明の配合物を、食品に間接的又
は直接的にその配合物が接触する用途に使用することも
可能である。こうした用途は、飲料容器用のキャップシ
ール及びライナー、特に、水蒸気滅菌が必要とされる天
然果汁のような飲料用の飲料容器キャップシール及びラ
イナーを含む。
【0062】本発明の配合物は、典型的には30℃から
150℃までの範囲、好ましくは40℃から125℃ま
での範囲、更に好ましくは50℃から90℃までの範囲
の高温度の用途に特に有用である。
【0063】本発明の配合物を含む物品を、典型的には
公知の射出成形法を使用して成形する。
【0064】
【実施例】以下、本発明を下記実施例によって説明す
る。
【0065】実施例1 本発明によるエラストマー組成物(組成物1)を次の通
りに製造した。
【0066】ステップA 各ローラーの速度が各々に10rpmと14rpmであ
る2ローラーミルを使用して、3分間、160℃の温度
で、市販されている水素化スチレン−ブタジエン−スチ
レンブロックコポリマーであるKRATON G−16
54(Shell製)100pbwを、ラセミペンタド
として98%のシンジオタクチック構造を有するスチレ
ン30pbw、及び、Irganox 565(Cib
a Geigy製、フェノール性酸化防止剤)0.5p
bwと共に予混合した。
【0067】ステップB カップ容積が55mLである混合機(Brabende
r plasticorder)を使用して、290℃
から300℃までの温度で、ステップAで得た予備混合
物を溶融混合した。そのカップを満たすのに20rpm
で3分間を要し、その後で予備混合物を100rpmで
5分間混練した。こうして得た組成物の加工性のデータ
を表1に示す。
【0068】ステップC その後で、ステップBで得た組成物を、ステップAで使
用した条件と同じ条件で2ローラミルでシート状にし
た。
【0069】ステップD 更に、プレート温度が270℃の500kN水圧圧縮成
形プレスを使用して、100kNで、3分間、ステップ
Cで得たシートを圧縮成形することによって、試験シー
ト(10x10x0.2cm)を作成した。その後で、
試験シートを外界温度に冷却し、この冷却中圧力100
kNを維持した。試験シートに対して、ダンベル形試験
片(DIN 53 504、モデル S3A)を使用し
て、23℃と70℃の温度の各々においてISO 22
85−1981手順で試験を行った。試験の条件は、2
4時間、ひずみ100%であり、サンプルひずみの解放
30分後に永久伸びを測定した。組成物1の試験シート
の永久伸びデータを表2に示す。ダンベル形試験片(D
IN 53 504、モデル S3A)を使用して、2
00mm/分の試験速度で、組成物1の試験シートに関
する破断時の引張ひずみを測定した。組成物1の試験シ
ートの破壊時ひずみのデータを表3に示す。
【0070】実施例2(比較) 比較のために、ポリフェニレンエーテル含有エラストマ
ー組成物(組成物2)を、この実施例ではシンジオタク
チックポリスチレンの代わりにポリフェニレンエーテル
(PPE 803、General Electric
製)を使用したことを除いて、実施例1で説明した手順
と同様の手順で製造した。組成物2の様々なデータも表
1から表3に示す。
【0071】
【表1】
【0072】この表1から、本発明のエラストマー組成
物(組成物1)が、従来のPPE含有エラストマー組成
物(組成物2)に比較して高い粘度と加工性(組成物1
の場合のトルクが組成物2の場合のトルクより低いこと
に留意されたい)とを示すことが明らかであろう。更
に、組成物1の配合性(compoundability )は、組成物
2の配合性よりも有利であると考えられる(組成物1の
塊温度が組成物2の塊温度より低いことに留意された
い)。
【0073】
【表2】
【0074】この表2から、本発明のエラストマー組成
物(組成物1)が、従来のPPE含有エラストマー組成
物(組成物2)よりも有利であることが明らかである。
【0075】
【表3】
【0076】この表3から、本発明のエラストマー組成
物(組成物1)が、従来のPPE含有エラストマー組成
物(組成物2)の比較して高い弾性を示すことが明らか
である。
【0077】これらの結果を総合すると、本発明のエラ
ストマー組成物は従来のPPE含有エラストマー組成物
を上回る改善を示すことが明らかである。
【0078】実施例3 本発明のエラストマー組成物、可塑剤、ポリプロピレ
ン、充填剤及び安定剤を含む配合物を製造し、シンジオ
タクチックポリスチレンではなくポリフェニレンエーテ
ル又はアタクチックポリスチレンを含む類似の配合物と
比較した。
【0079】表4は、製造した配合物の組成を重量部で
示す。
【0080】
【表4】
【0081】Kraton G1651は、スチレン3
0重量%を含む水素化SBSブロックコポリマーであ
り、Shell製の市販品である。
【0082】a−PS N5000は、Bredase
Polystyreen Maatschappij
(オランダ)から市販されているアタクチックポリスチ
レンである。
【0083】s−PSは、実施例1で使用したのと同じ
シンジオタクチックポリスチレンである。
【0084】PPE 820は、General El
ectric Co.から市販されているポリフェニレ
ンエーテルである。
【0085】Primol 352は可塑剤(増量油)
である。
【0086】Durcal 5はCaCO3 充填剤であ
る。
【0087】PP PM−6100は、Montell
Polyolefinsから市販されている、メルト
インデックスが5g/10分のポリプロピレンである。
【0088】Irganox 1010、Irgano
x PS800、及び、Epon1004は安定剤であ
る。
【0089】この配合物を次のように製造した。
【0090】ステップA: 成分の予混合 Kraton G 1651ゴムとPrimol 35
2との第1の予備混合物を製造した。上記油を、ローラ
ーテーブル上で室温で一晩ローリングすることによっ
て、上記ゴムの中に染み込ませた。この第1の予備混合
物を3つの部分A、B、Cに分割し、第1の予備混合物
部分を、実施例1の条件と同じ条件で、2ローラーミル
を使用して、配合物A、B、Cのポリプロピレン以外の
表4の成分と混合した。こうして得た生成物を第2の予
備混合物と呼ぶ。
【0091】ステップB: 成分の溶融混合 ステップAで得た第2の予備混合物を、温度が280℃
であることを除いて実施例1の手順と同様の手順でポリ
プロピレンと溶融混合した。こうして得た組成物の加工
性データを次の表5に示す。
【0092】
【表5】
【0093】この表5から、本発明のエラストマー組成
物(組成物A)が、従来のPPE含有エラストマー組成
物(組成物B)に比較して優れた粘度と加工性(組成物
Aの場合のトルクが組成物Bの場合のトルクより低いこ
とに留意されたい)とを示すことが明らかである。更
に、組成物Aの配合性は、組成物Bの配合性よりも有利
であると考えられる(組成物Aの塊温度が組成物Bの塊
温度より低いことに留意されたい)。
【0094】しかし、油の濃度が比較的高いために、こ
の表5の全ての組成物の粘度が表1の組成物の粘度より
も著しく低いということが理解できるであろう。
【0095】ステップC: 組成物のシート化 ステップBの組成物を実施例1のステップCの手順と同
じ手順でシート状にした。
【0096】その後で、200℃のプレート温度を使用
したことを除いて実施例1のステップDの手順と同じ手
順で試験シートを成形した。
【0097】配合物A、B及びCの引張強さと破断時ひ
ずみとを、実施例1で説明した通りに測定した。この結
果を次の表6と表7に示す。
【0098】
【表6】
【0099】
【表7】
【0100】表6と表7とから明らかなように、23℃
から70℃までの範囲の温度における強度と弾性とに関
して、配合物A(本発明による)は、配合物B及び配合
物C(本発明によらない)に比べて遜色がない。より高
い温度では、PPEの添加(配合物B)は、より良好な
性能をもたらす。
【0101】しかし、その配合物の調合をPPEに関し
て最適化してある。
【0102】上記では、本発明者にとって現時点で最善
と考えれる本発明の実施様態を開示したが、更に定型的
実験を行うことによって、本発明によるシンジオタクチ
ックポリスチレンを含む配合物(配合物A)を更に最適
化し、高温度特性の更なる改善を得ることが可能である
ことが意図されている。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ペトルス・アントニウス・ヨハンネス・マ リア・ヘンドリツクス オランダ国、1031・セー・エム・アムステ ルダム、バドハイスウエヒ・3

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (i)少なくとも1つの任意に水素化さ
    れたブロックコポリマーと、(ii)そのエラストマー
    組成物全体を基準として50重量%未満の量の、ラセミ
    ペンタドとして30%以上のシンジオタクチック構造を
    有するスチレンを主成分とするポリマーとからなるエラ
    ストマー組成物であって、前記ブロックコポリマーが少
    なくとも1つのポリ(モノビニル芳香族炭化水素)ブロ
    ックと少なくとも1つのポリ(共役ジエン)ブロックと
    を含む前記組成物。
  2. 【請求項2】 前記ブロックコポリマーが、少なくとも
    2つの末端ポリ(モノビニル芳香族炭化水素)ブロック
    と、少なくとも1つの内部ポリ(共役ジエン)ブロック
    とを含む請求項1に記載の組成物。
  3. 【請求項3】 前記共役ジエンがブタジエン及び/又は
    イソプレンである請求項1又は2に記載の組成物。
  4. 【請求項4】 前記モノビニル芳香族炭化水素がスチレ
    ンである請求項1から3のいずれか一項に記載の組成
    物。
  5. 【請求項5】 水素化後の前記ポリ(共役ジエン)ブロ
    ック中の残留エチレン性不飽和が5%以下であるように
    前記ブロックコポリマーが水素化される請求項1から4
    のいずれか一項に記載の組成物。
  6. 【請求項6】 前記スチレンを主成分とするポリマーが
    ラセミペンタドとして50%以上のシンジオタクチック
    構造を有する請求項1から5のいずれか一項に記載の組
    成物。
  7. 【請求項7】 前記シンジオタクチックポリスチレン/
    非晶質ポリスチレンの重量比が0.2:1から2:1ま
    での範囲内である請求項1から6のいずれか一項に記載
    の組成物。
  8. 【請求項8】 請求項1から7のいずれか一項に記載の
    前記エラストマー組成物と、ポリオレフィン、ポリ(共
    役ジエン)ブロック相容性粘着付与樹脂、ポリ(モノビ
    ニル芳香族炭化水素)ブロック相容性樹脂、充填剤、安
    定剤及び/又は可塑剤から選択される1つ以上の添加剤
    とを含む配合物。
  9. 【請求項9】 請求項1から7のいずれか一項に記載の
    前記エラストマー組成物を含む物品。
  10. 【請求項10】 30℃から150℃の高温で使用する
    ための請求項8に記載の配合物の使用。
JP13678897A 1996-05-29 1997-05-27 ブロックコポリマーを主成分とするエラストマー組成物 Pending JPH1053686A (ja)

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EP96303816 1996-05-29
NL96303816.1 1996-05-29

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JP (1) JPH1053686A (ja)
DE (1) DE69703862T2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1095886A (ja) * 1996-09-23 1998-04-14 Bridgestone Corp エラストマー類とシンジオタクテイツクポリスチレンのブレンド物から生じさせた増量ポリマー組成物

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH1095886A (ja) * 1996-09-23 1998-04-14 Bridgestone Corp エラストマー類とシンジオタクテイツクポリスチレンのブレンド物から生じさせた増量ポリマー組成物

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DE69703862D1 (de) 2001-02-15
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