JPH1053036A - 四輪駆動車の差動制限装置及び2方向差動クラッチ - Google Patents

四輪駆動車の差動制限装置及び2方向差動クラッチ

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JPH1053036A
JPH1053036A JP21160296A JP21160296A JPH1053036A JP H1053036 A JPH1053036 A JP H1053036A JP 21160296 A JP21160296 A JP 21160296A JP 21160296 A JP21160296 A JP 21160296A JP H1053036 A JPH1053036 A JP H1053036A
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shaft
wheel
clutch
shaft member
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JP21160296A
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Kaoru Sawase
薫 澤瀬
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Mitsubishi Motors Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】四輪駆動車の差動制限装置において、前後輪に
出力配分する差動装置のロック・アンロックの切り換え
がスムーズに応答性良く行えるようにし、副次的には前
後輪側出力要素等の動力伝達部材を接続する上でレイア
ウト的な自由度が得られることにある。 【解決手段】 駆動装置21からの駆動力を入力要素2
6にて入力し、前輪側の駆動軸47へ伝達する前輪側出
力要素31と後輪側の駆動軸36へ伝達する後輪側出力
要素33とに配分する差動装置24と、前輪側出力要素
31と後輪側出力要素33と入力要素26とのうちの2
つの要素の間に設けられ、後輪側出力要素33の回転速
度が前輪側出力要素31の回転速度よりも大きくなった
ときに2つの要素を連結する2方向クラッチ55とを有
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、入力要素側と前輪
側出力要素及び前記後輪側出力要素との回転の伝達又は
遮断を可能とする四輪駆動車の差動制限装置、及び、差
動制限装置を成す2方向差動クラッチに関する。
【0002】
【従来の技術】四輪駆動車の動力伝達系には入力要素か
らの回転力を、左右輪に分岐して、或いは前後輪に分岐
して伝達する差動装置(デファレンシャル)や差動装置
(センタデフ)が使用されている。処で、パートタイム
式の四輪駆動車は、オンロード走行時には2輪駆動に保
持され、入力要素からの回転力を後輪(或いは前輪)に
のみ伝え、オフロード走行時には4輪駆動に保持され、
入力要素からの回転力を前後輪に分岐して伝える。これ
によって、オンロード走行時には駆動抵抗を低減させ、
オフロード走行時には一部の車輪が低μ路でスリップし
たり溝へ脱輪した時の車両の走破性を向上させている。
このパートタイム式の四輪駆動車の内、2輪駆動と4輪
駆動との切り換えを前後車輪に回転差が発生するときに
自動的に行える様にしたものが知られている。
【0003】例えば、パートタイム式の4輪駆動車の前
輪側に差動制限装置の一種であるオーバランニング型ク
ラッチが装着されたものがある。このオーバランニング
型クラッチは前輪ハブが駆動軸より速く回転するように
設定され、2輸駆動時は駆動軸の回転は前輪ハブに伝達
されず、後輪がスリップして駆動軸の回転が上がると、
駆動軸と前輪ハブの隙間に挿人されたローラ又はボール
の楔作用によって駆動軸と前輪ハブが噛み合い、4輪駆
動状態になり、回転が前輪に伝えられる。しかし、オー
バランニング型クラッチではこれが楔作用を生じさせる
のは一方向の回転においてのみであり、後進時には前輸
を駆動できない。そこで、前後進時に差動クラッチ作用
を働かせる2方向差動クラッチが提案されている。例え
ば、特公平7−81599号公報には、図10に示すよ
うな2方向差動クラッチが開示される。
【0004】この装置では、インプットギヤ1側の円筒
面とアウトプットギヤ2側の円筒面とを間隙を持たせて
相対回転可能に配設し、この間隙に複数のスプラグ3を
介装している。図11(a)に示すように、スプラグ3
は、インプットギヤ1側の回転軸5の円筒面に固設され
た第1保持部材4のポケットと、アウトプットギヤ2側
の円筒面に隣接して円周方向に摺動可能に配設された第
2保持部材6のポケット内に格納される。しかもスプラ
グ3は、その中心線L1の方向の長さが最も短く形成さ
れており、インプットギヤ1側の円筒而とアウトプット
ギヤ2側の円筒面に共に係合しない中立位置(その中心
線L1を放射方向に向けた状態)から、図11(a),
(b)に示すように両円筒面に係合するクラッチ差動位
置に亘り傾動可能に配設されている。ここでインプット
ギヤ1に隣接されるサブギヤ7はインプットギヤ1より
歯数が1つ多く形成され、入力要素側のギアに共に噛み
合い、相対的に回転変位する。しかも、第2保持部材6
はインプットギヤ1の回転に対応して差速を発生するサ
ブギヤ7と連携される。このため、差速が生じると、回
転軸5及びインプットギヤ1に対して第2保持部材6が
円周方向へ相対的に摺動し、スブラグ3をクラッチ作動
位置へ傾動する。
【0005】図11(a)はインプットギヤ1(回転軸
5)が右方向に回転する場合を、図11(b)はインプ
ットギヤ1(回転軸5)が左方向に回転する場合を示し
た。これによって、インプットギヤ1(後輪側)の左又
は右方向の何れの回転においでも、インプットギヤ1側
が高回転するとインプットギヤ1とアウトブットギヤ2
(前輪側)とを連結し、その回転をアウトブットギヤ2
に伝達でき、しかも、インプットギヤ1に対しアウトプ
ットギヤ2側が高回転するとスプラグ3が中立位置に傾
動して空転し、インプットギヤ1(回転軸5)とアウト
プットギヤ2を遮断し、2輪駆動とすることができる。
【0006】更に、図8に示すような2方向差動クラッ
チも提案されている。この装置では、インプットギヤ1
側の円筒面とアウトプットギヤ2側の回転軸5の円筒面
とを間隙を持たせて相対回転可能に配設し、この間隙に
複数のスプラグ3を介装している。図9(a),(b)
に示すように、スプラグ3は、インプットギヤ1側の円
筒面に固設された外側保持部材6のポケットと、アウト
プットギヤ2側の回転軸5の円筒面に隣援して円周方向
に摺動可能に配設された内側保持部材4のポケット内に
格納される。しかもスプラグ3は、インプットギヤ1側
の円筒而とアウトプットギヤ2側の回転軸5の円筒面に
係合しない中立位置から、両円筒面に係合するクラッチ
差動位置に亘り傾動可能に配設されている。内側保持部
材4はインプットギヤ1の一側端側にボス部を形成さ
れ、ここにスイッチングプレート8を係止する。
【0007】このスイッチングプレート8は皿ばね9に
よってインプットギヤ1の一側面に摺動可能に圧接され
る。このスイッチングプレート8はその外周縁の一部を
ハウジング10に係止されるため、内側保持部材4はス
イッチングプレート8によって回転を抑制される力を受
ける。このため、回転しないスイッチングプレート8に
摺接する内側保持部材4はインプットギヤ1の回転変動
時に、インプットギヤ1の回転に対し差動しその上で連
動回転する。この場合も、インプットギヤ1と一体の外
側保持部材6と内側保持部材4との差動に応じ、スブラ
グ3をクラッチ作動位置へ傾動する。図9(a)はイン
プットギヤ1及び外側保持部材6が図において左(反時
計回り)方向に回転する場合を、図9(b)はインプッ
トギヤ1及び外側保持部材6が図において右(時計回
り)方向に回転する場合を示した。
【0008】これによって、インプットギヤ1(後輪
側)の左又は右方向の何れの回転においでも、インプッ
トギヤ1側が高回転するとスプラグ3の傾動(その中心
線L1が放射方向に対し傾く)によりインプットギヤ1
とアウトブットギヤ2(前輪側)とが連結され、その駆
動力をアウトブットギヤ2(前輪側)に伝達でき、しか
も、インプットギヤ1に対しアウトプットギヤ2側が高
回転するとスプラグ3が中立位置に傾動してインプット
ギヤ1とアウトプットギヤ2を遮断し、2輪駆動とする
ことができる。
【0009】この様に、特公平7−81599号及び図
8に示すような2方向差動クラッチは右回転時も左回転
時も、即ち正転時も逆転時も差動クラッチ作用を働か
せ、パートタイム式の四輪駆動車の2輪駆動と4輪駆動
との切り換えを前後車輪に回転差が発生したときに行う
ことが出来る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】処で、上述のパートタ
イム式の四輪駆動車の差動制限装置では、2輪駆動と4
輪駆動との切り換えを自動的に行えるが、この切り換え
時に動力配分が急激に変動することより、切り換え時の
ショックが比較的大きく、運転者に不快感を与える場合
があった。これに対し、フルタイム式の四輪駆動車の場
合、常時、入力要素からの回転力を前後車輪の回転差を
許容しつつ前後輪に分岐して伝達する差動装置(センタ
デフ)が使用されている。このため、2輪駆動と4輪駆
動との切り換え変動が無く、動力配分の変動ショックと
いった問題は生じない。しかし、溝等で脱輪状態に落ち
いった場合、センタデフの差動作用によって脱輪状態の
駆動輪が空転する可能性がある。そこで、センタデフの
差動を規制する四輪駆動車の差動制限装置が望まれてい
る。
【0011】この四輪駆動車の差動制限装置として前後
輪の出力要素間にビスカスカップリング(VCU)を設
け油の粘性力によってセンタデフの差動を規制するもの
や、油圧式多板クラッチなどを用いたものがあるが、こ
れらを用いることにより差動装置が全体として大きくな
り、レイアウト的な制約が起こったり、また組立て整備
といった点での問題が生じていた。そこで、どのような
差動制限装置を構成するかがフルタイム式四輪駆動車の
における大きな課題となる。そして、この課題を解決す
るために本発明の如く2方向差動クラッチの採用が想定
される。しかし、上述の各2方向差動クラッチを差動制
限装置としてセンタデフの装備されるフルタイム式の四
輪駆動車に組み込む場合、次のような副次的な問題があ
る。
【0012】即ち、特公平7−81599号及び図8に
示すような各2方向差動クラッチは、そのインプットギ
ヤ1とアウトプットギヤ2とが互いに対抗し、インプッ
トギヤ1の軸方向端部にサブギヤ7やスイッチングプレ
ート8を配備している。
【0013】このため、インプットギヤ1とアウトプッ
トギヤ2とが互いに対抗する部位に動力伝達部材を接続
することはレイアウト的に困難である。このため、従来
の2方向差動クラッチを差動制限装置として用い、これ
に対し、前後輪側出力要素や差動装置(センタデフ)等
の動力伝達部材を接続するという構造を採ることはレイ
アウト的な自由度が少なく、問題と成っている。
【0014】本発明の目的は、前後輪に出力配分する差
動装置のロック・アンロックの切り換えがスムーズに応
答性良く行える四輪駆動車の差動制限装置を提供するこ
とにあり、副次的には前後輪側出力要素等の動力伝達部
材を接続する上でレイアウト的な自由度が得られる2方
向差動クラッチを提供することにある。
【0015】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、駆動
装置からの駆動力を入力要素にて入力し、前輪側の駆動
軸へ伝達する前輪側出力要素と後輪側の駆動軸へ伝達す
る後輪側出力要素とに配分する差動装置と、前記前輪側
出力要素と前記後輪側出力要素と前記入力要素とのうち
の2つの要素の間に設けられ、後輪側出力要素の回転速
度が前輪側出力要素の回転速度よりも大きくなったとき
に前記2つの要素を連結する2方向クラッチとを有する
ことを特徴とする。
【0016】従って、後輪側出力要素の回転速度が前輪
側出力要素の回転速度よりも大きくなったときに2方向
クラッチが2つの要素を連結作動するので、ロック・ア
ンロックの切り換え、即ち、後輪側出力要素と前輪側出
力要素の回転速度差が生じた比較的回転速度差が小さい
時点で切り換えがスムーズに応答性良く行われることと
なる。
【0017】例えば、2方向クラッチが前輪出力要素と
後輪出力要素との間に設けられている場合には、後輪側
の回転速度が速い場合、前輪出力要素を後輪出力要素に
連結するよう2方向クラッチが作動することでセンタデ
フロック状態にする。
【0018】また例えば、2方向クラッチが後輪出力要
素と入力要素との間に設けられている場合には、後輪側
の回転速度が速い場合、前記後輪出力要素の回転速度が
入力要素の回転速度よりも速いので入力要素を後輪出力
要素に連結するように2方向クラッチが作動することで
センタデフロック状態にする。
【0019】また例えば、2方向クラッチが入力要素と
前輪出力要素との間に設けられている場合には、後輪側
の回転速度が速い場合、前記入力要素の回転速度が前輪
出力要素の回転速度よりも速いので前輪出力要素を入力
要素に連結するように2方向クラッチが作動することで
センタデフロック状態にする。
【0020】請求項2の発明は、請求項1記載の四輪駆
動車の差動制限装置において、前記差動装置が、入力ト
ルクに応じて差動制限力を発生することを特徴とする。
【0021】従って、駆動輪の滑り開始時点で差動装置
内の差動制限装置による差動制限力がある程度働いてい
るため、2方向クラッチによる差動制限配分は小さく、
トルク配分変化はなめらかに成される。
【0022】請求項3の発明は、請求項1または2記載
の四輪駆動車の差動制限装置において、前記差動装置
は、後輪側への駆動力配分が大きく設定されていること
を特徴とする。
【0023】従って、前輪側よりも後輪側から滑り始め
るように設定されるので、前輪側のみ滑ることはなく常
時駆動輪へトルクが伝えられる。
【0024】請求項4の発明は、回転可能に設けられた
第1軸部材と、前記第1軸部材に相対回転可能に外嵌す
る第2軸部材と、前記第1軸部材と第2軸部材との間に
介装され、少なくとも第1軸部材または第2軸部材の一
方が一方向へ回転するとき一方の軸部材に対し第1の位
置に規制され他方向へ回転するとき第2の位置に規制さ
れて一方の軸部材と共に回転する保持部材と、前記第1
軸部材と第2軸部材との間に介装され、前記保持部材の
位置により一方の軸部材が他方の軸部材より速く回転し
ようとすると第1及び第2軸軸部材同士を連結させる位
置に規制される規制部材と、を有する2方向差動クラッ
チにおいて、前記第2軸部材は、円周方向に延びる複数
の孔又は溝が形成され、前記保持部材は、前記孔又は溝
を貫通して外方向に延び前記第2軸部材の外側にて固定
部材に押圧手段により当接された周設部材を有し、前記
孔又は溝は前記保持部材の第1の位置と第2の位置とを
摺動可能な距離だけ円周方向に延びていることを特徴と
する。
【0025】従って、例えば、第1軸部材を四輪駆動車
の前輪側へ駆動力を伝達する前輪側出力部材とし、第2
軸部材を四輪駆動車の後輪側へ駆動力を伝達する後輪側
出力部材とした場合に、第1軸部材とこれに外嵌する第
2軸部材との間に規制部材を配備し、第2軸部材上の孔
又は溝を貫通して外方向に周設部材を延ばし、その周設
部材の外周部を皿ばね等の押圧手段によりトランスファ
ケース等の固定部材に当接させるようにできる。従っ
て、2方向差動クラッチのレイアウト的な自由度が増
し、2方向差動クラッチを使用した装置のコンパクト化
が図れ、四輪駆動車の差動制限装置等に用いて好適なも
のとなっている。
【0026】
【発明の実施の形態】図1及び図2には本発明の適用さ
れた四輪駆動車の差動制限装置とそこで用いる2方向差
動クラッチを示した。この四輪駆動車の差動制限装置は
フルタイム式の四輪駆動車20に装着される。この四輪
駆動車20はエンジン21の回転をクラッチ22を介し
変速機23で受けて変速し、変速機23からの回転を差
動装置としてのセンタデフ24に入力する。センタデフ
24は変速機23のファイナルギア25からの回転を入
力要素であるリングギア26で受け、リングギア26と
一体のケーシング27を回転駆動する。ケーシング内に
は複数のピニオンギア28が枢支され、同ピニオンギア
28に前後サイドギア29,30が噛合する。
【0027】前サイドギア29は前輪側出力要素として
の前分岐軸31を介しフロントデフ32に、後サイドギ
ア30は後輪側出力要素としての後分岐軸33を介し椀
状の後回転部材34に一体結合される。図2に示すよう
に、このセンタデフ24、後回転部材34及びその内部
のフロントデフ32がトランスファーTの要部を成し、
このトランスファのハウジング39内に後回転部材34
がベアリング40を介し枢支される。
【0028】後回転部材34はその外周縁にリングギア
35を装着し、同リングギア35はピニオンギア36に
噛合し、同ピニオンギア36はペラシャフト63を介し
リアデフ37に連結されている。リアデフ37はその出
力を後左右駆動輪38L,38Rに分岐して伝達する。
図2に示すように、フロントデフ32は前分岐軸31か
らの回転を受け、後述の操舵輪としての前左右駆動輪5
3L,53Rに回転を分配するものであり、そのケーシ
ング42が後回転部材34の内周壁にベアリング41
(図3参照)を介し枢支される。
【0029】フロントデフ32のケーシング42は内周
歯43を形成され、これに第1ピニオン44が噛合し、
同第1ピニオンに第2ピニオン45が噛合し、第2ピニ
オン45が右駆動軸47と一体のサンギア46に噛合す
る。第1ピニオン44、第2ピニオン45は左右リテー
ナ48,52に枢支される。左リテーナ48は左駆動軸
54にスプライン嵌合され、左駆動輪53Lに連結され
る。
【0030】前輪出力要素としてのケーシング42と後
輪出力要素としての後回転部材34の間に2方向差動ク
ラッチ55が設けられている。この2方向差動クラッチ
55は、後輪側出力要素34の回転速度が前輪側出力要
素42の回転速度よりも大きくなったときに2つの要素
34,42を一体的に連結し、センタデフ24をセンタ
デフロック状態とするという機能を備える。
【0031】図3に示すように、この2方向差動クラッ
チ55は、第1軸部材をなすケーシング42と、第1軸
部材に相対回転可能に外嵌する第2軸部材をなす後回転
部材34と、ケーシング42と後回転部材34との間に
介装される内側保持部材56(保持部材)と、内側保持
部材56の外周面に隙間を介し対設され、後回転部材3
4の内周壁に一体的に取り付けられた外側保持部材60
と、ケーシング42と後回転部材34との間に介装され
る規制部材としてのスプラグ57と、内側保持部材56
に連結され、ハウジング39に当接された周設部材58
とを有する。ケーシング42はその一端の小径部421
を前分岐軸31にスプライン嵌合され、その外周側にベ
アリング41を介し後回転部材34を枢支される。内側
保持部材56はそのボス部561がベアリング60を介
し小径部421に枢支される。
【0032】第2軸部材をなす後回転部材34には円周
方向に延びる複数(ここでは4つ)の孔59が形成さ
れ、この孔59に周設部材58のピン581が貫通す
る。
【0033】周設部材58は、図3,図4に示すよう
に、リング部582と4つのピン581とから成り、リ
ング部582がハウジング39の縦壁61(固定部材)
に摺接し、ピン581の内側端が内側保持部材56のボ
ス部561に係止される。ここでリング部582は皿ば
ね62(押圧手段)によって縦壁61に押圧され、これ
により、周設部材58に係止された内側保持部材56に
摺動抵抗を与えている。
【0034】ここで、孔59は円周方向(図3では紙面
表裏方向)に延びる長穴状に形成され、これにより、内
側保持部材56がその第1の位置p1(図9(a)中に
第1保持部材4の位置p1として示した)と、第2の位
置p2(図9(b)中の第1保持部材4の位置p2とし
て示した)とを摺動可能なように構成される。なお、こ
の孔59に代えてボス部561の側端より形成される長
溝(図示せず)を用いても良い。
【0035】規制部材としてのスプラグ57は外側保持
部材60及び内側保持部材56の両ポケット部(図9
(a),(b)中に符号aとして示した)に嵌合され
る。このスプラグ57は図9(a),(b)に示したス
プラグ3と同様にその中心線L1の方向の長さが最も短
い。このため、後回転部材34側の円筒而とケーシング
42側の円筒面に係合しない中立位置(図4に示すよう
に中心線L1の方向を放射方向に向けた位置)にある
と、両円筒面を係合せず、後回転部材34(図3参照)
がケーシング42より早く回転しようとするとスプラグ
57(図9(a),(b)中の符号3のスプラグ参照)
が傾動し、両円筒面を係合するクラッチ差動位置に配設
される。
【0036】つまり、車両の前進時及び後進時において
もスプラグ57は中立位置に保持され、後回転部材34
がケーシング42より早く回転しようとするとスプラグ
57の外形方向端部が回転方向へ傾動し、後回転部材3
4の駆動力がスプラグ57を介してケーシング42に伝
達される。よって後回転部材34とケーシング42とが
連結された状態(ロック状態)で回転される。このよう
な四輪駆動車の差動制限装置の差動を説明する。
【0037】四輪駆動車20の走行時において、エンジ
ン21の回転がクラッチ22、変速機23、ファイナル
ギア25を経てセンタデフ24に伝達され、センタデフ
24の回転はトランスファーTに伝達される。センタデ
フ24のケーシング27の回転は前サイドギア29を介
し前輪側出力要素としての前分岐軸31及びフロントデ
フ32に、後サイドギア30を介し後輪側出力要素とし
ての後分岐軸33及び後回転部材34に分岐して伝達さ
れる。後回転部材34の回転はリングギア35、ピニオ
ンギア36、ペラシャフト63を介しリアデフ37に伝
達され、リアデフ37はその回転力を後左右駆動輪38
L,38Rに分岐して伝達する。
【0038】一方、前分岐軸31よりフロントデフ32
のケーシング42に達した回転力は第1ピニオン44、
第2ピニオン45、リテーナ48を経て左駆動軸54及
び左駆動輪53Lに伝達され、サンギア46、右駆動軸
47を経て右駆動輪53Rに伝達される。また、右リテ
ーナ52は電磁式のリミットスリップ機構50側の入力
軸501にスプライン嵌合され、同リミットスリップ機
構50を介し右駆動軸47に連結される。この電磁式の
リミットスリップ機構50は、図示しないコントローラ
により制御され、右リテーナ52と右駆動軸53Rとの
間の差動を規制し、フロントデフ32のデフロック等の
差動制限を行うことが出来る。よって車両の走行状態に
応じて差動制限を行い最適な左右輪の駆動力配分を行う
ことができる。
【0039】このような前後のデフ32,37により前
後各左右駆動輪53L,53R,38L,38Rの差動
が成され、これと同時にセンタデフ24による前後差動
が成される。この際、差動制限装置が働くことにより前
後輪へ常時確実に駆動力を伝達することができる。即
ち、車両が平坦路を前進で直進走行する場合、前後側出
力要素であるケーシング42及び後回転部材34が等速
回転し、周設部材58のリング部582が縦壁61に対
して摺動するので、内側保持部材56は後回転部材34
に対して中立位置から少し遅れた位置(第1の位置p
1、図9(a)参照)に規制されて後回転部材34と共
に回転する。
【0040】車両が旋回走行に入ると前後駆動輪の間に
回転差が生じ、センタデフ24はこの前後駆動輪の回転
差を許容して前後輪へ駆動力を伝達する。この旋回走行
における前後駆動輪の回転は前輪が後輪より少し速くな
る。このため、スプラグ57は中立位置に保持され、ケ
ーシング42及び後回転部材34の両内筒面は係合され
ることなくケーシング42と後回転部材34の相対回転
が許容される。次に、車両の後輪が低μ路を走行したり
或いは溝に脱輪したような場合には後輪が前輪よりも速
く回転しようとする。
【0041】この状態に入ると、図9(a)に示した状
態同様に、スプラグ37が傾動して両回転面間に噛み合
い、即ち、ここでは後回転部材34とケーシング42の
両円筒面を係合し、センタデフ24をデフロック状態に
保持する。このようにセンタデフ24がデフロック状態
に入ると、低μ路或いは溝に脱輪した後輪38L,38
Rの駆動力が前輪53L,53R側に伝わり、前輪53
L,53Rの発する駆動力で車両は走行を継続出来、走
破性を向上出来る。
【0042】更に、2輪駆動より4輪駆動に入る場合の
ように駆動力配分が大きく変わることが無く、ここで
は、センタデフ24による四輪駆動状態中に特にデフロ
ック状態に切り替わるだけであり、各輪の駆動力分担の
変化による切り換えショックが乗員に不快感を与えると
いうことを排除出来る。更に、スプラグ37の傾動を規
制する内側保持部材56を後回転部材34に設けた孔5
9を通してハウジングの縦壁61に当接させたので、2
方向差動クラッチ54のレイアウト的な自由度が増し、
2方向差動クラッチ54を用いた装置のコンパクト化を
図れる。また、コンパクト化によって形成された空間を
有効利用し、例えば、電磁式前輪差動制限装置を配置す
ることができ、車両の走行安定性向上に役立てることが
できる。
【0043】図5乃至図7には本発明の第2の実施態様
例を示した。この四輪駆動車の差動制限装置は図1に示
した四輪駆動車の差動制限装置と比較し、センタデフ2
4aの構成が相違する点を除くと同一部材を多く含み、
ここでは同一部材には同一符号を付し、重複説明を略
す。この四輪駆動車20aの差動制限装置はエンジン2
1の回転をクラッチ22、変速機23を経てセンタデフ
24aに入力する。このセンタデフ24aの回転はフロ
ントデフ32及び後回転部材34に分岐して伝達され
る。
【0044】後回転部材34の回転はリアデフ37を介
し後左右駆動輪38L,38Rに分岐して伝達され、フ
ロントデフ32の回転は左駆動輪53L、右駆動輪53
Rに伝達される。ここでのセンタデフ24aは図6、図
7に示すように、デフケース27内に一対の前後サイド
キヤ65,66が配備されており.前サイドギヤ65は
前分岐軸31にスプライン結合され、後サイドギヤ66
は後分岐軸33にスブライン結合されている。
【0045】前後サイドギヤ65,66はそれぞれの円
筒部651,661がデフケース27に回転自在に支承
される。デフケース27には円筒状の一対の収納孔6
7,67が4箇所に分散して設けられ、各収納孔にはピ
ニオンギヤ68,69が回転自在に支承されている。各
ピニオン68,69は歯福の広い歯車70,71と歯福
の狭い歯車72,73と、これらを連結する軸部74,
75とから成っている。歯車70と歯車72及ぴ歯車7
1と歯車73は互いにねじれ角の方向が逆のはす歯平歯
車であり、ピニオンキヤ68,69は歯車70と歯車7
3及び歯車71と歯車72との噛み合いにより互いに噛
合されている。
【0046】前後サイドキヤ65,66は同一方向のね
しれ角を持ったばす歯平歯車であり.前サイドギヤ65
はピニオンキヤ68の歯車70と噛合し、後サイドギヤ
66はピニオンキヤ69の歯車71と噛合する。デフケ
ース27に入力したエンジンの駆動力は、ピニオンギヤ
68から前サイドギヤ65を介し前分岐軸31に迭ら
れ、ピニオンギヤ69から後サイドキヤ66を介して後
分岐軸33に送られる。又、前分岐軸31側の前輪53
L,53Rと後分岐軸33側の後輪38L,38Rとの
間に駆動抵抗差が生じるとピニオンキヤ68,69の自
転によりエンジン21の駆動力は左右各輪に差動分配さ
れる。
【0047】特に、ピニオンキヤ68,69と前後サイ
ドキヤ65,66とをはす歯平歯車で構成され、前後サ
イドギヤ65,66のねじれ角の方向を同一にしたの
で、例えぱ車両の前進時にデフケース27が図7の矢印
Rの方向に回転すると、前後サイドギヤ65,66には
右方向のスラスト力が与えられる。このうち前サイトギ
ヤ65のスラスト力による前後サイドギヤ65,66対
向部の摩擦力が同サイドキヤ間に大きな差動制限力を働
かせる。なお、逆回転の場合も同様である。このように
センタデフ24aは前後差動制限機構付きとしての機能
を備え、しかも、その前サイドギア65は前輪側出力要
素としての前分岐軸31を介しフロントデフ32に、後
サイドギア66は後輪側出力要素としての後分岐軸33
を介し椀状の後回転部材34に一体結合される。
【0048】後回転部材34は、図2に示したと同様
に、リングギア35、ピニオンギア36、ペラシャフト
63を介しリアデフ37に連結され、リアデフ37が入
力回転を左右駆動輪38L,38Rに分配している。フ
ロントデフ32は前分岐軸31からの回転を左右駆動輪
53L,53Rに分配する。前輪出力要素としてのケー
シング42と後輪出力要素としての後回転部材34の間
に、図2に示したと同様に、2方向差動クラッチ55が
設けられており、この2方向差動クラッチ55が、後回
転部材34の回転速度がケーシング42の回転速度より
も大きくなったときに2つの要素34,42を連結し、
センタデフ24をセンタデフロック状態とするという機
能を備える。このような四輪駆動車20aの差動制限装
置の差動を説明する。
【0049】四輪駆動車20aの走行時において、エン
ジン21の回転がセンタデフ24aに伝達され、センタ
デフ24aによる前後差動が成され、前左右駆動輪53
L,53Rと後左右駆動輪38L,38Rとに駆動力を
分岐して伝達する。これと同時にセンタデフ24aが前
後差動制限機構付きのため、少なくとも一方の駆動輪に
駆動トルクが伝達されるとこれ自体の差動制限機能が働
き、前後駆動輪へ駆動力が伝達される。
【0050】しかも、センタデフ24aに連結されたケ
ーシング42と後回転部材34の間に2方向差動クラッ
チ55が設けられ、これが差動制限装置として働く。こ
の2方向差動クラッチ55は、後回転部材34の回転速
度がケーシング42の回転速度よりも大きくなったとき
に2つの要素34,42を連結し、センタデフ24をセ
ンタデフロック状態とする。この2方向差動クラッチ5
5は、車両が平坦路を直進走行する場合、前後側出力要
素であるケーシング42及び後回転部材34が等速回転
し、この場合、スプラグ37は外側保持部材60及び内
側保持部材56の両ポケット部(図9(a),(b)中
に符号aとして示した)において中立状態に保持され
る。
【0051】車両が旋回走行に入ると前後駆動輪の回転
差を保持しての回転配分がセンタデフ24によって成さ
れ、後輪が前輪より多少遅れるという差動状態に入る
が、この状態は許容回転差の範囲内にあるため、スプラ
グ37は外側保持部材60及び内側保持部材56の両ポ
ケット部aにおいて中立状態に保持され、ケーシング4
2及び後回転部材34の両円筒面は係合されず、センタ
デフは差動許容状態に保持される。次に、車両の後輪が
低μ路等を走行した場合、前後駆動輪の間に比較的大き
な回転差が生じようとする。この前後駆動輪の回転差は
センタデフ24aのによって許容されるが、この時、ケ
ーシング42と後回転部材34間の前後回転差は前もっ
て設定されている前後駆動輪の設定回転差を大きく上回
る。
【0052】この状態に入ると、スプラグ37が傾動し
て、図9(a)に示したスプラグ3と同様に両回転面間
に噛み合い、センタデフ24aをデフロック状態に保持
する。このように、ここでの四輪駆動車の差動制限装置
はセンタデフ24aがそれ自体の差動制限機能に加え、
2方向差動クラッチ55の差動制限機能であるデフロッ
クを併用出来る。このため、低μ路等で空転する後輪3
8L,38Rの回転は確実に前輪53L,53Rに伝わ
り、前輪53L,53Rの発する駆動力で車両は走行を
継続出来、走破性を向上出来る。
【0053】特にこの場合、2方向差動クラッチ55の
分担する差動制限機能が小さくて済み、2方向差動クラ
ッチ55の小型化を図れ、この点でレイアウト的に自由
度が増大する。しかも、ここではセンタデフ24aによ
り差動制限状態に入ると共にデフロック状態に入るの
で、この切り換え時の切り換えショックが極めて少な
く、乗員に不快感を与えるということを確実に排除出来
る。第2実施態様例において、図6、7に示される差動
装置の例を挙げたが、この構造に限らず入力トルクに応
じて差動制限力を発するトルク感応型の差動装置であれ
ばよい。
【0054】上述のところにおいて、センタデフ24,
24aは前輪側より後輪側への駆動力配分が大きく成る
ように設定されても良い。即ち、車両が低μ路を走行し
たり、急激な駆動トルクが与えられたりした場合に後輪
側から滑り始めようとする。よって、後輪が滑っても差
動制限装置により前輪側へ駆動力が伝達されるので、確
実に駆動輪へ駆動力が伝えられ、安定した走行性能が得
られる。上述のところにおいて、2方向差動クラッチ5
5は前分岐軸31と後分岐軸33との間に設けられ、後
分岐軸33の回転速度が前分岐軸31の回転速度よりも
大きくなったときに2つの要素を連結し、センタデフ2
4,24aをセンタデフロック状態に切り換えていた。
【0055】しかし、これに限らず、2方向差動クラッ
チ54を、後分岐軸33と入力要素26との間に設けて
もよい。この場合、後輪側の回転速度が速い場合、後分
岐軸33の回転速度が入力要素26の回転速度よりも速
くなるので入力要素26を後分岐軸33に連結し、セン
タデフ24,24aをセンタデフロック状態に切り換え
ることができ、後分岐軸33と入力要素26の回転速度
差が比較的小さい時点でセンタデフロック状態への切り
換えが行われる。更に、2方向差動クラッチ54を、入
力要素26と前分岐軸31との間に設けてもよい。この
場合、後輪側の回転速度が速い場合、入力要素26の回
転速度が前分岐軸31の回転速度よりも速くなるので前
分岐軸31を入力要素26に連結し、センタデフ24,
24aをセンタデフロック状態に切り換えることがで
き、前分岐軸31と入力要素26の回転速度差が比較的
小さい時点でセンタデフロック状態への切り換えが行わ
れる。
【0056】このように2方向差動クラッチ54の配置
を変化させても、正転、逆転の何れの場合も2方向差動
クラッチ54がスムーズに応答性良く切り換わり、セン
タデフロック状態への切り換え時の車両挙動の変化やシ
ョックが小さくなる。
【0057】
【発明の効果】請求項1記載の発明によれば、後輪側出
力要素の回転速度が前輪側出力要素の回転速度よりも大
きくなったときに2方向クラッチが2つの要素を連結作
動するので、ロック・アンロックの切り換え、即ち、後
輪側出力要素と前輪側出力要素の回転速度差が生じた比
較的回転速度差が小さい時点で切り換えがスムーズに応
答性良く行われることとなる。
【0058】このため、正転、逆転の何れの場合も後輪
側出力要素と前輪側出力要素の回転速度差が比較的小さ
い時点で2方向クラッチがスムーズに応答性良く切り換
わり、切り換わり時のトルク配分の変化が小さく、車両
挙動の変化やショックが小さくなる。
【0059】また上述した実施態様例において、2方向
差動クラッチにスプラグを用いた例を掲げたが、特公平
7−81598号公報に開示されているようなローラ式
の2方向差動クラッチを用いても良い。
【0060】また図9(a),(b)に開示されるよう
に、2方向差動クラッチのスプラグの傾動を内側保持部
材で規制している例を挙げたが、図9(a),(b)に
示されるように、外側保持部材で規制するようにしても
良い。この場合内側回転部材(第1軸部材)が後輪側出
力要素となり、後側回転部材(第2軸部材)が前輪側出
力要素となり、後輪側が速く回転しようとすると、両要
素を連結させる。たとえば、RR式の四輪駆動車などに
使用する場合などがある。
【0061】請求項2の発明によれば、請求項1記載の
四輪駆動車の差動制限装置において、タイヤの滑り開始
時点で差動装置内の差動制限装置による差動制限力があ
る程度働いているため、2方向差動クラッチによる差動
制限配分は小さく成るので、トルク配分変化はなめらか
に成され、ショックが小さくなる。
【0062】また、2方向差動クラッチの小型化が可能
となり、装置自体のコンパクト化が図れる。
【0063】請求項3の発明によれば、請求項1または
2記載の四輪駆動車の差動制限装置において、後輪側が
最初に滑り始めるので、後輪側が滑った場合でも2方向
差動クラッチにより前輪側へ駆動力を伝達出来、確実に
駆動力を駆動輪へ伝達できる。
【0064】請求項4の発明によれば、例えば、第1軸
部材を四輪駆動車の前輪側へ駆動力を伝達する前輪側出
力部材とし、第2軸部材を四輪駆動車の後輪側へ駆動力
を伝達する後輪側出力部材とした場合に、第1軸部材と
これに外嵌する第2軸部材との間に周設部材及び規制部
材を配備し、第2軸部材上の孔又は溝を貫通して外方向
に周設部材を延ばせ、その周設部材の外周部を皿ばね等
の押圧手段によりトランスファケース等の固定部材に当
接させるようにできる。
【0065】このため、2方向差動クラッチのレイアウ
トの自由度が増し、2方向差動クラッチを使用した装置
自体のコンパクト化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の適用された四輪駆動車の差動制限装置
を備えた車両の動力伝達系の概略図である。
【図2】図1の四輪駆動車の差動制限装置の拡大断面図
である。
【図3】図1の四輪駆動車の差動制限装置内の2方向差
動クラッチの拡大断面図である。
【図4】図3のA−A線断面図である。
【図5】本発明の他の実施態様例である四輪駆動車の差
動制限装置を備えた車両の動力伝達系の概略図である。
【図6】図6の四輪駆動車の差動制限装置が用いるセン
タデフの拡大断面図である。
【図7】図6のB−B線断面図である。
【図8】従来の四輪駆動車の差動制限装置が用いる2方
向差動クラッチの断面図である。
【図9】図8の2方向差動クラッチのロック、アンロッ
ク差動説明図であり、(a)は正転時、(b)は逆転時
を示す。
【図10】従来の他の四輪駆動車の差動制限装置が用い
る2方向差動クラッチの断面図である。
【図11】図10の2方向差動クラッチのロック、アン
ロック差動説明図であり、(a)は正転時、(b)は逆
転時を示す。
【符号の説明】
20 四輪駆動車 20a 四輪駆動車 21 エンジン 24 センタデフ 24a センタデフ 27 デフケース 29 前サイドギア 30 後サイドギア 31 前分岐軸 32 フロントデフ 33 後分岐軸 34 後回転部材 39 ハウジング 42 ケーシング 53L 左駆動輪 53R 右駆動輪 55 2方向差動クラッチ 56 内側保持部材 57 スプラグ 58 周設部材 581 ピン 582 リング部 59 孔 60 外側保持部材 62 皿ばね 65 前サイドキヤ 66 後サイドキヤ a 両ポケット部 p1 第1の位置 p2 第2の位置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】駆動装置からの駆動力を入力要素にて入力
    し、前輪側の駆動軸へ伝達する前輪側出力要素と後輪側
    の駆動軸へ伝達する後輪側出力要素とに配分する差動装
    置と、前記前輪側出力要素と前記後輪側出力要素と前記
    入力要素とのうちの2つの要素の間に設けられ、後輪側
    出力要素の回転速度が前輪側出力要素の回転速度よりも
    大きくなったときに前記2つの要素を連結する2方向ク
    ラッチとを有することを特徴とする四輪駆動車の差動制
    限装置。
  2. 【請求項2】前記差動装置が、入力トルクに応じて差動
    制限力を発生することを特徴とする請求項1記載の四輪
    駆動車の差動制限装置。
  3. 【請求項3】前記差動装置が、後輪側への駆動力配分が
    大きく設定されていることを特徴とする請求項1または
    2記載の四輪駆動車の差動制限装置。
  4. 【請求項4】回転可能に設けられた第1軸部材と、前記
    第1軸部材に相対回転可能に外嵌する第2軸部材と、前
    記第1軸部材と第2軸部材との間に介装され、少なくと
    も第1軸部材または第2軸部材の一方が一方向へ回転す
    るとき一方の軸部材に対し第1の位置に規制され他方向
    へ回転するとき第2の位置に規制されて一方の軸部材と
    共に回転する保持部材と、前記第1軸部材と第2軸部材
    との間に介装され、前記保持部材の位置により一方の軸
    部材が他方の軸部材より速く回転しようとすると第1及
    び第2軸軸部材同士を連結させる位置に規制される規制
    部材と、を有する2方向差動クラッチにおいて、 前記第2軸部材は、円周方向に延びる複数の孔又は溝が
    形成され、前記保持部材は、前記孔又は溝を貫通して外
    方向に延び前記第2軸部材の外側にて固定部材に押圧手
    段により当接された周設部材を有し、前記孔又は溝は前
    記保持部材の第1の位置と第2の位置とを摺動可能な距
    離だけ円周方向に延びていることを特徴とする2方向差
    動クラッチ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN110594313A (zh) * 2019-09-23 2019-12-20 浙江铃丰科技有限公司 一种新型离合器总成
US11236811B1 (en) * 2020-09-18 2022-02-01 The Hilliard Corporation Center differential and drive system for four wheel drive

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