JPH1052992A - 液式筆記具 - Google Patents

液式筆記具

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Publication number
JPH1052992A
JPH1052992A JP8211233A JP21123396A JPH1052992A JP H1052992 A JPH1052992 A JP H1052992A JP 8211233 A JP8211233 A JP 8211233A JP 21123396 A JP21123396 A JP 21123396A JP H1052992 A JPH1052992 A JP H1052992A
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JP
Japan
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valve
ink
pen
valve body
pen body
Prior art date
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Pending
Application number
JP8211233A
Other languages
English (en)
Inventor
Shinichi Ishikawa
真一 石川
Shohei Toyama
松平 外山
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Zebra Pen Corp
Original Assignee
Zebra Pen Corp
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Publication date
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  • Pens And Brushes (AREA)
  • Mechanical Pencils And Projecting And Retracting Systems Therefor, And Multi-System Writing Instruments (AREA)

Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 軸筒内の内圧の変化、特に内圧上昇に影響さ
れることなく、筆記毎に所定量(適量)のインクをペン
体に安定供給することができる液式筆記具を提供する。 【解決手段】インクMを収容する軸筒1内のインク収容
部2側とペン体5側とを開閉可能に区画する弁機構を、
ペン体5の後端側を挿入保持し得る内径で前端を開口す
ると共に、筆圧により後退するペン体5に押されて軸方
向に弾性変形するその弾性作用により開弁される第1弁
口6を設けた弾性部材からなる有底筒状の弁体3と、こ
の弁体3との間に適宜のインク溜め間隙13をおいて該弁
体3を同軸状に包囲する内径と長さで前端を開口する囲
繞筒部4-1 の後端に、弁体3の前記弾性作用により閉弁
される第2弁口7を開口してなる弁枠4とから構成して
いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明が属する技術分野】本発明は、サインペン、マー
キングペン、或いは塗布具(通称、修正具と称されてい
る)等の液式筆記具に係り、特に筆圧により後退するペ
ン体に押されて開弁せしめられる弁機構を、インク収容
部側とペン体側とを開閉可能に区画する軸筒内に備えて
なる液式筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、筆記時にペン体を用紙面に押
し付ける。つまり、筆圧によりペン体を後退させること
で、インクが直接収容されている軸筒内のインク収容部
側とペン体側とを開閉可能に区画する弁機構を開弁せし
めて、インク収容部からペン体にインクが供給される構
成の液式筆記具は数多く知られている(例えば、特公平
6−33027 号等の公報に開示されている)。この特公平
6−33027 号の液式筆記具における弁機構は、弁座と、
この弁座に弾発部材により当接(着座)せしめられる弁
体とをインク収容部側とペン体側とを開閉可能に区画す
る軸筒内に配設してなる。然るに、弾発部材によって弁
座に当接せしめられて閉弁状態を保つ弁体が、筆圧によ
り後退するペン体に押されて弁座から離脱後退すること
で、開弁状態となり、この開弁状態が筆記中において常
時保たれてインク収容部からペン体にインクが供給され
るようになっている。つまり、この従来の液式筆記具の
弁機構は筆記中において軸筒内のインク収容部側とペン
体側とが常時連通せしめられた状態に保たれてインク収
容部からペン体にインクが継続的に送り出され供給され
るようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、この種の液
式筆記具は放置された状態において軸筒を伝わってくる
外気温度、或いは筆記中に軸筒を伝わってくる使用者の
体温等によりインク収容部のインクが膨脹、そしてイン
クの消費に応じて生じる空気交換によりインク収容部に
入り込んだ空気が膨脹して内圧が上昇したり、或いはそ
の逆の作用を受けた場合には低下すると言った様に軸筒
内の内圧が温度等に左右されて変化する傾向にある。従
って、上記した従来液式筆記具の弁機構のように筆記
中において、インク収容側とペン体側とが常時連通せし
めた状態(弁体が弁座から離脱せしめた開弁状態)にな
っていると、内圧上昇によりインク収容部のインクが過
剰にペン体側に押し出されてペン体から吹き出すインク
のボタ落ちが発生する等の不具合を有していた。又、従
液式筆記具の弁機構は部品点数が多く、構造が複雑
であるばかりか、軸筒内に組み込む際には各部品毎に行
わなければならないことから、組み立てが面倒で手間が
掛かることにより生産コストの面で不利となるものであ
った。
【0004】本発明はこの様な従来事情に鑑みてなされ
たもので、その目的とする処は、軸筒内の内圧の変化、
特に内圧上昇に影響されることなく、筆記毎に所定量
(適量)のインクをペン体に安定供給することができ、
しかも構造の簡素化と生産性の向上を図った弁機構を備
えた液式筆記具を提供することにある。
【0005】
【課題を達成するための手段】課題を達成するために本
発明は、インクを収容する軸筒内のインク収容部側と開
閉可能に区画する弁機構を介してペン体が軸方向に摺動
自在に備えられ、ペン体の進退動作により弁機構の開閉
が行われる液式筆記具に於いて、毛細管力にてインクを
誘導する繊維束や多孔質体等のチップからなるペン体の
後端側を挿入保持し得る内径で、筆圧により後退するペ
ン体に押されて軸方向に弾性変形するその弾性作用によ
り開弁される第1弁口を設けたシリコンゴム等の弾性部
材からなる有底筒状の弁体と、この弁体との間に適宜の
インク溜め間隙をおいて該弁体を同軸状に包囲する内径
と長さを有する円筒状の囲繞筒部の後端に、弁体の前記
弾性作用により閉弁される第2弁口を開口してなる弁枠
とをインク収容部側とペン体側とを開閉可能に区画する
軸筒内に配設してなる。又、上記弁体の閉鎖された後端
部を弁体の軸方向の弾性作用により弁枠の第2弁口に当
接せしめて該第2弁口を閉弁する弁部として、この弁部
と第2弁口の開口座部との離間距離を 0.1〜2.0mm に設
定したことである。又、上記弁体の内面と、この弁体内
に挿入内在するペン体の後部側外面との隙間を0.05〜1.
0mm に設定したことである。斯る技術的手段によれば、
筆圧によりペン体が後退すると、後退するペン体に押さ
れて弁体は後端の弁部が弁体の第2弁口に当接(着座)
する該第2弁口との離間距離 0.1〜2.0mm の範囲内で軸
方向に弾性変形せしめる。すると、弁体の第1弁口はそ
の弾性作用により開弁せしめて弁体回りのインク溜め間
隙からペン体にインクを供給する。この時、インク溜め
間隙からペン体へのインクの供給は弁体内に挿入内在す
るペン体の後部側と弁体の筒壁との間が隙間0.05〜1.0m
m の範囲に抑えられていることから、該隙間0.05〜1.0m
m の範囲内で第1弁口からペン体に亘り作用する毛細管
力により行われる。一方、弁枠の第2弁口は当接(着
座)せしめた弁体の弁部により閉弁せしめられる。それ
により、ペン体のインクの消費に対応して該ペン体にイ
ンクを継続的に供給する役目をなす弁体回りのインク溜
め間隙と、このインク溜め間隙にインクを貯溜するイン
ク収容部側との連通が遮断されることから、インク収容
部の内圧が必要以上に上昇してもその圧力変化はペン体
側には一切伝わらない。つまり、ペン体側はインク収容
部側の圧力変化に一切影響されることなく、弁体回りの
インク溜め間隙からのみインクが安定供給される。そし
て、ペン体から筆圧が解除されると、ペン体は弁体が弾
性変形する前の元の状態に戻るその復帰作用(復元力)
により前進状態(突出状態)まで前進押し戻されると共
に第1弁口は閉弁せしめられる。一方、弁枠の第2弁口
は弁体の弁部の離脱により開弁される。それにより、弁
体回りのインク溜め間隙とインク収容部側とが連通さ
れ、インク溜め間隙には第2弁口を通してインク収容部
からインクが新に供給貯溜される。
【0006】又、上記弁枠は囲繞筒部の第2弁口からイ
ンク収容部側に同軸状に連設突出せしめたインク導入部
を一体に備えると共にこのインク導入部内に、囲繞筒部
内に内在する弁体の弁部に亘り弾発力を20〜200gf に設
定した弾発部材を弾装せしめて、弁体をその弁部側から
20〜200gf の弾発力にて弾発するようにしたことであ
る。斯る技術的手段によれば、上記した如くペン体の筆
圧が解除されると、弁体はペン体により押されて弾性変
形せしめたその変形状態(伸張状態)から変形前の元の
状態に戻る際のその復帰動作が弾発部材により助長され
る。そして、筆記時にペン体に掛かる筆圧は弾発部材の
20〜200gf の範囲内に抑えられることから、筆圧により
後退するペン体の動きは筆記者(使用者)の指先に伝わ
らない。
【0007】又、上記弁体の前端開口縁にリング状の鍔
部を設ける一方、この鍔部を軸筒の内面に設けた挟持段
部とにより挟持せしめて弁体を軸筒内に同軸状に定着保
持する弁枠の囲繞筒部の前端開口部からその内面に、弁
体の筒壁外面に接触しない程度の突出高さで軸方向に延
びる複数本の縦リブを周方向に適宜の間隔をおいて設け
たことである。斯る技術的手段によれば、軸筒内面の挟
持段部とにより弁体の鍔部を軸方向から挟持せしめる弁
枠の囲繞筒部の前端開口部にはその内面軸方向に延びる
複数本の縦リブ端部が存在位置することで、当該前端開
口部の前記鍔部を挟持するその挟持断面積が広くなる。
それにより、弁体の鍔部を広い挟持断面積により前記挟
持段部とによりしっかり挟持せしめて弁体を軸筒内に定
着保持させることができる。
【0008】更に、上記弁体の筒壁と弁枠の囲繞筒部と
の間に、互いに嵌合し合う乗越え嵌合部を設けて、この
互いの嵌合により弁体を囲繞筒部内に組み込み保持し得
るように形成したことである。斯る技術的手段によれ
ば、弁体並びに弁枠を軸筒内に組み込む際、乗越え嵌合
部同志の嵌合により弁体を弁枠の囲繞筒部内に予め組み
込み内在させた状態で弁枠と共に組み込むことができ
る。
【0009】更に、上記弁枠のインク導入部内に、弁体
の弾性変形によりその後端の弁部が第2弁口に当接せし
めた時点で該弁部を受け止めるストッパーを設けたこと
である。斯る技術的手段によれば、筆圧により後退する
ペン体に押されて弁体が軸方向に弾性変形せしめてその
後端の弁部が弁枠の第2弁口に当接(着座)せしめて該
第2弁口を閉弁せしめる時点で該弁部はストッパーによ
り受け止められる。それにより、弁体の弁部が第2弁口
を閉弁せしめてから更にペン体に押されて必要以上に弾
性変形せしめられる虞れはなく、第2弁口に当接せしめ
た時点でその動きが確実に止められて第2弁口を閉弁せ
しめる。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明の実施の具体例を図面に基
づいて説明する。図1は本発明液式筆記具の実施の一例
を示した縦断面図で、インクMを収容する軸筒1の先端
側に、軸筒1内のインク収容部2側と開閉可能に区画す
る弁体3と弁枠4からなる弁機構を介してペン体5を軸
方向に摺動自在に組み込み装着してなる単頭式を示し、
筆圧により後退するペン体5に押されて弾性部材からな
る弁体3が軸方向に弾性変形することで、その弾性変形
により弁体3の後述する第1弁口6を開弁せしめる一方
で、弁体3の後述する弁部3-1 が弁枠4の後述する第2
弁口7の開口弁部7-1 に当接(着座)せしめて該第2弁
口7を閉弁せしめる様に構成してなる。
【0011】軸筒1は、合成樹脂材料等からなる成型品
であり、その先端側を漸次先細状とし、後端を開口させ
た適宜の長さと太さに成形され、他の部分よりも肉厚状
に形成されると共にペン体5を摺動自在に組み込み挿入
し得る孔径にて同軸状に開口したペン保持孔8を有する
その先端には合成樹脂材料等からなるキャップ9が抜き
差し自在に装着される様になっている。そして、開口す
る後端には弁機構を組み込み内設すると共にインクMを
インク収容部2に充填した後に、合成樹脂材料等からな
る尾栓10を圧入により取り付けて該後端開口部を液密状
に閉鎖するようにしてなる。図中9-1 は、キャップ9の
内底部側に同軸一体に設けられてキャップ9が軸筒1の
装着された状態において、軸筒1の先端から外部に突出
するペン体5の先部(筆記部)を密封せしめて当該先部
からのインクMの揮発を防ぐ密封キャップである。
【0012】ペン保持孔8は、ペン体5の先部(筆記
部)を外部に突出させた状態で該ペン体5を接触又は非
接触状態で軸方向に摺動自在に挿入保持し得る孔径にて
軸筒1の先端面から同内部のインク収容部2側とペン体
5側とを開閉可能に区画する当該区画部位に向けて同軸
状に開設して、ペン体5の前部側を摺動自在に挿入保持
するようにしてなる。そして、このペン保持孔8の前記
区画部位側に臨む開口端面を、弁体3の後述する鍔部3-
2 を弁枠4の後述する囲繞筒部4-1 とにより軸方向から
挟み込む挟持段部11とし、軸筒1の先端面からこの挟持
段部11に向けたペン保持孔8の内面には軸方向に延びる
複数本の縦溝12を設ける。
【0013】縦溝12は、ペン体5にインクMが過剰に供
給された場合にペン体5からインクMの過剰分を毛細管
力により貯溜するインキ貯溜部としての役目と、そして
インクMの消費に応じてインク収容部2の空気交換が行
われる際の空気流通部としての役目を成すもので、周方
向に一定の間隔をおいて適宜の溝幅と深さにて放射状に
刻設せしめてペン保持孔8の内面に設けてなる(図2参
照)。
【0014】ペン体5は、インクMを弁体3に挿入内在
される後部側から軸筒1の先端から突出する先部(筆記
部)へと毛細管力により誘導する繊維束や多孔質体等の
チップからなり、その後部側を前部側よりも一回り程細
く形成した小径後部5-1 として、この小径後部5-1 側を
弁体3に挿入内在させるようにしてなる。
【0015】弁体3は、シリコンゴム等の所望な弾性部
材からなる成形品であり、ペン体5の小径後部5-1 側を
挿入内在し得る程度の内径で、外径を弁枠4の囲繞筒部
4-1との間にインク溜め間隙13を確保し得る様に該囲繞
筒部4-1 の内径よりも小さくして前端を開口させた有底
筒状に成形され、厚めに形成した筒壁に第1弁口6を設
けると共に、閉鎖された後端部を弁枠4の第2弁口7の
開閉を行う弁部3-1 として、筆圧により後退するペン体
5に押されて軸方向(第2弁口7方向)に弾性変形する
ことで、第1弁口6が開弁、そして後端の弁部3-1 が弁
枠4の第2弁口7の後述する開口座部7-1 に当接(着
座)せしめて該第2弁口7を閉弁せしめるように形成し
てなる(図7(ロ)の状態)。
【0016】そして、この弁体3の前端開口部から後端
の弁部3-1 に至る長さLは前端開口部の鍔部3-2 を弁枠
4の囲繞筒部4-1 の前端開口部に当接させて該囲繞筒部
4-1内に組み込み内在させた状態で後端の弁部3-1 が囲
繞筒部4-1 の第2弁口7の開口座部7-1 との間に離間距
離L1 をおいて該第2弁口7と対向位置する長さに形成
して、筆記時にこの離間距離L1 範囲内にて弁体3が軸
方向に弾性変形せしめるようにしてなる。
【0017】又、弁体3の内部形状はその前端開口部か
ら内底部近傍に至る内径をペン体5の小径後部5-1 の外
径と略同径に形成すると共に、当該部位から内底部に至
る内径を小径後部5-1 の外径より一回り程小さくした段
付き孔形状に形成して、ペン体5の小径後部5-1 を挿入
内在させた状態において、小径後部5-1 の後端部を除く
その外面と弁体3の内面との間に、弁体3の弾性変形を
妨げない程度で尚且つ第1弁口6から有効な毛細管力に
てペン体5にインクMを導くための隙間L2 が確保さ
れ、そしてその後端部のみが圧入された状態で弁体3の
内底部側に接続保持される様にしてなる(図1参照)。
【0018】又、弁体3の前端開口部には軸筒1の内径
に相当する外径と適宜の厚さにてリング状に突出させた
鍔部3-2 を設けて、この鍔部3-2 が軸筒1内面の挟持段
部11と弁枠4の囲繞筒部4-1 の前端開口部とにより挟持
(挾着)されることで、弁体3が軸筒1内に定着保持さ
れるように形成してなる。そして、この鍔部3-2 の近傍
における弁体3の外面には弁枠4の囲繞筒部4-1 内面の
後述する乗越え嵌合部14と互いに嵌合し合う乗越え嵌合
部15を設ける(図1の拡大図並びに図5参照)。
【0019】又、弁体3の弁部3-1 には弁枠4の第2弁
口7側に向けて該第2弁口7の口径よりも小さく且つペ
ン体5の小径後部5-1 の外径と略同径とする突出外径に
て凸部16を設けて、この凸部16により後端の弁部3-1 を
含む弁体3の後端側部分に剛性を付与せしめて、該後端
側がペン体5に押されて弁体3の筒壁が軸方向に弾性変
形せしめる際にその後端側のみが弁枠4の第2弁口7側
に弾性変形せしめると言ったことがなく、弁体3の筒壁
全体が均等に弾性変形せしめて該筒壁の第1弁口6の開
弁、そして後端の弁部3-1 が弁枠4の第2弁口7に当接
(着座)せしめて該第2弁口7を閉弁せしめるこれら双
方作用が確実に成されるようにしてなる。
【0020】第1弁口6は、弁体3回りのインク溜め間
隙13と内部のペン体5とを解放連通せしめたり、その連
通を遮断する役目を成すもので、弁枠4の囲繞筒部4-1
との間にインク溜め間隙13を確保すると共に、内在する
ペン体5の小径後部5-1 との間に隙間L2 を確保する弁
体3の筒壁部分における周方向の相対する2カ所に適宜
の幅にて切り込みを入れてスリット状に形成してなる
(図1の拡大図、図3並びに図5参照)。尚、この第1
弁口6の弁体3に対する形成は該弁体3の成形と同時
に、或いは弁体3を成形した後に後加工にて行うも自由
である。
【0021】弁枠4は、弁体3を同軸状に内在包囲する
と共に後端に第2弁口7を開口してなる囲繞筒部4-1
と、この囲繞筒部4-1 の第2弁口7から同軸状に連設突
出せしめてなるインク導入部4-2 とを合成樹脂材料等を
用いて一体に成形してなる(図1並びに図5参照)。
【0022】囲繞筒部4-1 は、上記した弁体3の構成説
明において詳述した様に、弁体3の筒壁との間にインク
溜め間隙13をおいて該弁体3を内在包囲し得る内径で、
外径を軸筒1の内径と略同径とする前端を開口した円筒
状を成し、その後端に第2弁口7を同軸状に開口すると
共に、前端開口側の内面には弁体3の乗越え嵌合部15と
互いに嵌合し合う乗越え嵌合部14を設けて、弁体3並び
に弁枠4を軸筒1内に組み込む際、これら乗越え嵌合部
14,15同士の嵌合により弁体3を囲繞筒部4-1内に予め
組み込み内在させた状態で弁枠4と共に軸筒1内に組み
込み内在し得るように形成してなる(図6参照)。尚、
乗越え嵌合部14,15同士の嵌合状態は図1の拡大図に示
したように、弁体3の鍔部3-2 が囲繞筒部4-1 の前端開
口部に弾性的に当接せしめた状態において弁体3の乗越
え嵌合部15が囲繞筒部4-1 の乗越え嵌合部14の内側に嵌
合掛止せしめる様にそれらの突出位置を設計して、弁体
3が囲繞筒部4-1 内に同軸状に内在保持されるようにす
る。
【0023】又、囲繞筒部4-1 の内面にはその前端開口
部から弁体3の筒壁外面に接触しない程度の突出高さで
軸方向に延びる複数本の縦リブ17を周方向に適宜の間隔
をおいて設けて、軸筒1内面の挟持段部11とにより軸方
向から挟持せしめる弁体3の鍔部3-2 を広い挟持断面積
にてしっかり挟持し得るように形成してなる(図1の拡
大図並びに図3参照)。
【0024】第2弁口7は、筆圧により後退するペン体
5に押されて弁体3が軸方向に弾性変形せしめるその弾
性作用により後端の弁部3-1 により閉弁せしめられるこ
とで、弁体3回りのインク溜め間隙13側とインク収容部
2側との連通を遮断(区画)せしめる一方で、ペン体5
から筆圧が解除されて弁体3が変形前の元の状態に戻る
復帰作用により後端の弁部3-1 が離脱せしめて開弁せし
められることで、前記インク溜め間隙13にインク収容部
2からインクMが貯溜(補充)されるようにインク溜め
間隙13側とインク収容部2側とを連通せしめる役目を成
すもので、弁体3の外径よりも小さい口径にて囲繞筒部
4-1 の後端軸芯に開口して、その内側開口周面を閉弁時
に弁体3の弁部3-1 が当接(着座)せしめる開口座部7-
1 としてなる。
【0025】この第2弁口7からインク収容部2側に連
設突出する弁枠4のインク導入部4-2 は、インク収容部
2のインクMを周面のインク導入口4-20から囲繞筒部4-
1の第2弁口7へと導く、そして、第2弁口7を貫通せ
しめて囲繞筒部4-1 内の弁体3をその後端の弁部3-1 側
から弾発するための弾発部材18を同軸状に内在保持させ
るところで、周面にインク導入口4-20を形成する如く数
本の脚部19を第2弁口7の外側開口周面からインク収容
部2側に向けて突設せしめると共に、各脚部19の突端部
をリング状に連設せしめた略櫓状に形成して(図4及び
図5参照)、その突端部及び周面のインク導入口4-20か
らインク収容部2のインクMが第2弁口7、この第2弁
口7を通して弁体3回りのインク溜め間隙13へとインク
Mが導かれて該インク溜め間隙13に貯溜されるようにし
てなる。そして、各脚部19間内にその突端部から囲繞筒
部4-1 内の弁体3の弁部3-1 に亘り弾発部材18を同軸状
に弾装せしめる。
【0026】弾発部材18は、インク導入部4-2 のインク
導入口4-20から第2弁口7を通って弁体3回りのインク
溜め間隙13へと流れ込むインクMの流れを乱す流動障害
物とならないように螺旋外径を第2弁口7の口径よりも
一回り程小さく形成したコイルバネからなり、筆圧程度
の弾発力にて弁体3をその後端の弁部3-1 側から弾発せ
しめて、筆記時に弁体3がペン体5に押されて弾性変形
せしめたその変形状態(伸張状態)から変形する前の元
の状態に戻るその動きを助長する役目を成す。つまり、
弁体3の弾性作用により開弁せしめた同弁体3の第1弁
口6を閉弁せしめるその閉弁動作と、後端の弁部3-1 を
弁枠4の第2弁口7から離脱せしめて該第2弁口7を開
弁せしめるその開弁動作とを助長する役目を成すもので
ある。
【0027】又、図8乃至図9の例示した実施例の様
に、弁枠4のインク導入部4-2 内に弁体3の弁部3-1 が
第2弁口7の開口座部7-1 に当接せしめて該第2弁口7
を閉弁せしめた時点で該弁部3-1 を受け止めるストッパ
ー20を設けて、弁体3の弁部3-1 が第2弁口7を閉弁せ
しめてから更にペン体5に押されて必要以上に弾性変形
せしめられないようにしてなる。つまり、弁体3の弁部
3-1 が第2弁口7に当接せしめた時点でその動きが止め
られることで、弁部3-1 の第2弁口7に対する当接状態
が確実に成され、第2弁口7を確実に閉弁せしめると共
にその閉弁状態がより確実に保たれるようにしてなる。
【0028】ストッパー20は、インク導入部4-2 の後端
部から囲繞筒部4-1 の第2弁口7に向けて弾性部材18の
螺旋内径よりも小さい外径(太さ)にてインク導入部4-
2 内に同軸一体に設けられて、弁体3の弁部3-1 が第2
弁口7を閉弁せしめた状態において該第2弁口7からイ
ンク導入部4-2 側に僅かに突出臨む弁部3-1 の凸部16を
受け止めるようにしてなる(図8の状態)。そして、イ
ンク導入部4-2 のインク導入口4-20と対面するストッパ
ー20の周面にはインク導入口4-20からインク導入部4-2
内へのインクMの導入開口面積が大きく確保される様
に、軸方向の溝21を該インク導入口4-20の開口幅よりも
幅広にて設けて(図9参照)、インク収容部2のインク
Mがインク導入口4-20からインク導入部4-2 内に速かに
導入されて第2弁口7を通して弁体3回りのインク溜め
間隙13に貯溜されるようにしてなる。
【0029】本発明においては上記した弁体3の弁部3-
1 と弁枠4の第2弁口7の開口座部7-1 との離間距離L
1 を 0.1〜2.0mm の範囲内に抑えることが必要である。
然るに、本発明は筆圧により後退するペン体5により弁
体3を、弁枠4の第2弁口7方向に弾性変形せしめるこ
とで、その筒壁の第1弁口6を開弁せしめて弁体3回り
のインク溜め間隙13から弁体3内部のペン体5にインク
Mを供給する一方で、弁枠4の第2弁口7を弁体3の弁
部3-1 により閉弁せしめてインク収容部2の圧力変化、
特に内圧が上昇した場合にその圧力が弁体3回りのイン
ク溜め間隙13を介してペン体5側に及ばないようにイン
ク収容部2側との連通を遮断する構成である。従って、
第1弁口6からペン体5へのインクMの供給量を図るそ
の開口断面積と、第2弁口7を閉弁するその遮断タイミ
ングはペン体5に押されて弾性変形する弁体3の弾性変
形量(距離)により設定されるものであるから、その弾
性変形量を設定する弁体3の弁部3-1 と弁枠4の第2弁
口7の開口座部7-1 との離間距離L1 を 0.1〜2.0mm の
範囲内に抑えることが本発明を成立させるものであり、
好ましくは 0.3〜1.5mm の範囲であり、特に好ましくは
0.5〜0.8mm の範囲である。
【0030】又、第1弁口6の開口断面積は使用するイ
ンクMの粘度等の物理的特性に応じて変える必要があ
る。つまり、流動性が高い低粘度インクの場合は離間距
離L1を小さく、そして流動性が低い高粘度のインクの
場合には離間距離L1 を大きくして第1弁口6の開口断
面積を変えることで、どの様な物理的特性のインクであ
っても第1弁口6からペン体5に対する供給量を一定に
保って安定した筆記を可能とするものである。
【0031】又、離間距離L1 は言うまでもないが、筆
圧により後退するペン体5の後退ストロークとなること
から、この離間距離L1 が2.0mm を越えると、後退する
ペン体5の動きが指先に伝わるなどにより筆記時に使用
者に対して違和感を与える虞れがある。従って、離間距
離L1 は最大でも2.0mm 以内に抑える事が必要である。
【0032】そして、上記した弁体3の筒壁内面とペン
体5の小径後部5-1 の外面との間の隙間L2 を0.05〜1.
0mm の範囲内に抑えることが必要である。その理由は、
隙間L2 が0.05mm以下では、筆記時にペン体5に押され
て弾性変形する弁体3の筒壁の動きがペン体5の小径後
部5-1 との接触力により鈍る虞れがある。つまり、筆圧
により後退するペン体5の動きが悪くなったり、筒壁の
第1弁口6の開弁が確実に行われない状態が起きたり、
更には弁枠4の第2弁口7に対する弁体3の弁部3-1 の
当接(着座)状態が曖昧になって第2弁口7の閉弁が確
実に成されない状態が起こる虞れがあるからであり、隙
間L2 が1.0mm を越えると、前述した不具合は解消され
る反面、ペン体5に押されて弾性変形せしめることで開
弁される弁体3の第1弁口6から内部のペン体5に対す
るインクMの受け渡し供給が悪くなる。つまり、毛細管
力を利用して第1弁口6からペン体5に対してインクM
の供給が行われる構造形態においては隙間L2 が1.0mm
を越えると、その毛細管力の低下を招いてインクMのペ
ン体5に対する供給が悪くなるからである。従って、弁
体3の筒壁内面とペン体5の小径後部5-1 の外面との間
の隙間L2 を0.05〜1.0mm の範囲内に抑えることが本発
明を成立させるものであり、好ましくは0.05〜0.5mm で
あり、特に好ましくは 0.1〜0.2mm である。
【0033】更に、弾性部材18の弾発力を20〜200gf の
範囲内に抑えることが必要である。その理由は弾発力が
20gf以下では、弾性部材18本来の弾発作用が得られな
い。つまり、上記した様に、弁体3を変形状態(伸張状
態)から変形する前の元の状態に戻るその動きを助長す
る役目を果たせなくなるからであり、弾発力が200gfを
越えると、筆圧により後退するペン体5の動きを妨げる
原因となる。換言すれば、筆記時にペン体5の後退する
動きが筆記者(使用者)の指先に伝わり、それが筆記者
に対して違和感を与える原因となるばかりか、ペン体5
を短期間で損傷せしめる虞れがあるからである。従っ
て、繊維束や多孔質体等のチップからなるペン体5を用
いるこの種の筆記具においては弾発部材18の弾発力を20
〜200gf の範囲内に抑えることが必要であり、好ましく
は40〜100gf であり、特に好ましくは50〜70gfである。
【0034】以上、明らかな様に本発明を成立させるた
めには弾性部材からなる弁体3の弁部3-1 と弁枠4の第
2弁口7の開口座部7-1 との離間距離L1 を 0.1〜2.0m
m の範囲内に抑えること、そして、ペン体5の小径後部
5-1 の外面と弁体2の筒壁内面との間の隙間L2 を0.05
〜1.0mm の範囲内に抑えること、更には弾発部材18の弾
発力を20〜200gf の範囲内に抑えることが必要不可欠の
条件となる。
【0035】而して、以上の如く構成した液式筆記具に
よれば、ペン体5に筆圧が作用していない状態、つまり
筆記(使用)していない状態では弁体3の第1弁口6は
閉弁された状態に保たれ、一方、弁枠4の第2弁口7は
開弁された状態に保たれる。それにより、筆記していな
い状態では弁体3回りのインク溜め間隙13には開弁状態
にある第2弁口7を介して連通するインク収容部2から
インクMが貯溜されることになる(図7(イ)の状
態)。そして、ペン体5を用紙面Pに押し付けて該ペン
体5を後退させる筆記行為を行うと、筆圧により後退す
るペン体5に押されて弾性変形する弁体3は後端の弁部
3-1 が弁枠4の第2弁口7の開口座部7-1 に当接(着
座)する該開口座部7-1との離間距離L1 範囲で弾性変
形せしめる。すると、弁体3の第1弁口6はその弾性作
用により開弁せしめて弁体3回りのインク溜め間隙13か
らペン体5へインクMを供給する。この時、インク溜め
間隙13からペン体5へのインクMの供給は弁体3内に挿
入内在するペン体5の小径後部5-1 と弁体3の筒壁との
間が隙間L 2 範囲内に抑えられていることから、該隙間
2 範囲内で第1弁口6からペン体5に亘り作用する毛
細管力により行われると共に、弁枠4の第2弁口7は当
接(着座)せしめた弁体3の弁部3-1 により閉弁され
る。それにより、筆記で消費した分だけのインクMをペ
ン体5に供給する弁体3回りのインク溜め間隙13と、こ
のインク溜め間隙13にインクMを貯溜するインク収容部
2側との連通が遮断される(図7(ロ)の状態)。
【0036】従って、本発明によれば、ペン体5に筆圧
が作用している筆記中においてはインク収容部2の内圧
が必要以上に上昇してもその圧力変化はペン体5側には
一切伝わらない。つまり、インク収容部2側の圧力変化
に一切影響されることなく、ペン体5には弁体3回りの
インク溜め間隙13から第1弁口6を通して筆記で消費し
た分だけの所定量(適量)のインクMが安定供給される
ものである。そして、筆記行為を途中で中断したり、或
いは筆記を取り止たり、つまり、ペン体5から筆圧が解
除されると、ペン体5は弁体3が変形前の元の状態に戻
る際の復帰作用(復元力)と弾発部材18の弾発力とによ
り元の前進状態(突出状態)まで前進押し戻されると共
に筒壁の第1弁口6は閉弁される一方で、弁体3の弁部
3-1 が弁枠4の第2弁口7から離脱せしめて該第2弁口
7を開弁する。それにより、弁体3回りのインク溜め
13とインク収容部2側とが連通状態に戻され、該イン
ク溜め間隙13には第2弁口7を通してインク収容部2か
らインクMが新に貯溜される(図7(イ)の状態に戻さ
れる)。
【0037】図10は軸筒1の両端に太書き用ペン体50と
細書き用ペン体51とを上述した構成の弁体3と弁枠4か
らなる弁機構を介して装着してなる本発明液式筆記具の
両頭式の例を示した他の実施例でる。斯る実施例におい
ては太書き、細書き用ペン体50,51を夫々装着し得るよ
うに軸筒1の形態を変えた以外の構成においては上記し
た実施例詳述と基本的に同じであることから同じ構成部
分に同じ符号を用いることでその詳細についての説明を
省略する。又、太書き用ペン体50側を使用した場合と細
書き用ペン体51側を使用した場合ではその筆圧が異なる
だけで弁体3と弁枠4からなる弁機構の作用は上記した
実施例詳述と同じである。
【0038】
【発明の効果】本発明の液式筆記具は叙上の如く構成し
てなるから、下記の作用効果を奏する。 .請求項1乃至3によれば、筆圧によりペン体が後退
すると、後退するペン体に押されて弁体は後端の弁部が
弁体の第2弁口の開口座部に当接(着座)する該第2弁
口との離間距離L1 の範囲で軸方向に弾性変形せしめる
と共にこの弾性作用により弁体の第1弁口は開弁せしめ
られる一方で、弁枠の第2弁口は開口座部に当接せしめ
た弁体の弁部により閉弁せしめられる。つまり、第1弁
口を通して弁体回りのインク溜め間隙からペン体にイン
クが供給される一方で、第2弁口が閉弁により弁体回り
のインク溜め間隙とインク収容部側との連通が遮断され
る。従って、ペン体に筆圧が作用している筆記中におい
てはインク収容部の内圧が必要以上に上昇してもその圧
力変化はペン体側には一切伝わらない。そして、第1弁
口を通して行われるインク溜め間隙からペン体へのイン
クの供給は弁体内に挿入内在するペン体の後部側と弁体
の筒壁との間が隙間L2 の範囲に抑えられていること
で、該隙間L2 の範囲内で第1弁口からペン体に亘り作
用する毛細管力により確実に成される。
【0039】.請求項4によれば、ペン体の筆圧が解
除されると、弁体は弾性変形せしめたその変形状態(伸
張状態)から弾性変形する前の元の状態に戻る際のその
復帰動作が弾発部材により助長されることから、その第
1弁口を閉弁状態まで戻すその閉弁動作の確実性が図ら
れる。そして、ペン体に掛かる筆圧は弾発部材の20〜20
0gf の範囲内に抑えられていることから、筆圧により後
退するペン体の動きは筆記者(使用者)の指先に伝わら
ない。つまり、筆記時にペン体が後退する際の動きによ
る違和感を筆記者に対して与えることはない。
【0040】.請求項5によれば、軸筒内面の挟持段
部とにより弁体の鍔部を軸方向から挟持せしめる弁枠の
囲繞筒部の前端開口部にはその内面軸方向に延びる複数
本の縦リブ端部が存在位置することで、当該前端開口部
の前記鍔部を挟持するその挟持断面積が広くなることか
ら、弁体の鍔部を広い挟持断面積により前記挟持段部と
によりしっかり挟持せしめて弁体を軸筒内に定着保持さ
せることができる。
【0041】.請求項6によれば、弁体並びに弁枠を
軸筒内に組み込む際、乗越え嵌合部同志の嵌合により弁
体を弁枠の囲繞筒部内に予め組み込み内在させた状態で
弁枠と共に組み込むことができる。つまり、軸筒内のイ
ンク収容部側とペン体側とを開閉可能に区画する弁機構
を弁体と弁枠との2部品から構成してなることから、従
来の液式筆記具の弁機構に比べて構造が大幅に簡素化さ
れ、しかも、軸筒内に同時に組み込むことができること
から、組立性の向上が期待できる。
【0042】.請求項7によれば、筆圧により後退す
るペン体に押されて弁体が軸方向に弾性変形せしめてそ
の後端の弁部が弁枠の第2弁口の開口座部に当接(着
座)せしめて該第2弁口を閉弁せしめる時点で該弁部は
ストッパーにより受け止められるようにしてなることか
ら、弁部が第2弁口を閉弁せしめてから更にペン体に押
されて必要以上に弾性変形せしめられる虞れはない。つ
まり、筆記者によって異なる筆圧の強弱に影響されるこ
となく、弁部は第2弁口の開口座部に当接せしめた時点
でその動きが止められることから、第2弁口を確実に閉
弁せしめると共に安定させた閉弁作用が長期に亘り期待
でき、ひいては信頼性の向上が図られる。
【0043】従って、本発明によれば、筆記中において
インク収容部の内圧が必要以上に上昇してもその圧力変
化はペン体側には一切伝わらない構造の弁機構を採用し
てなることから、筆記初期時や筆記中においてインク収
容部のインクが過剰にペン体側に押し出されてペン体か
ら吹き出すと言ったインクのボタ落ち等を確実に防止す
ることができると共に、長期に亘り筆記毎に所定量(適
量)のインクをペン体に安定供給する品質の安定化が期
待できる。つまり、この種の液式筆記具の要求される筆
記で消費した分だけのインクをペン体に安定供給するこ
とができる。又、部品点数が従来の液式筆記具に比べて
少ない、つまり構造が大幅に簡素化され、しかも、軸筒
に対して同時に組み込むことができることから、インク
のボタ落ちを確実に防いで尚且つ筆記毎に所定量(適
量)のインクをペン体に安定供給し得る弁機構を具備し
た液式筆記具を低コストで製作提供し得る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明液式筆記具の実施の一例を示した縦断
面図で、単頭式を示す
【図2】 図1のII−II線拡大横断面図で、一部を省略
して示す
【図3】 図1の III−III 線拡大横断面図で、一部を
省略して示す
【図4】 図1のIV−IV線拡大横断面図
【図5】 弁体並びに弁枠を示した分解斜視図
【図6】 弁体を弁枠の囲繞筒部内に内在させた状態で
軸筒内に組み込む過程を示した要部の縦断面図
【図7】 要部の縦断面図で、(イ)はペン体に筆圧が
作用してない状態、つまり、第1弁口が閉弁状態で、第
2弁口が開弁している状態、(ロ)はペン体に筆圧が作
用している状態、つまり、第1弁口が開弁され、第2弁
口が閉弁された状態
【図8】 他の実施例を示した要部の縦断面図
【図9】 図8のIX−IX線拡大横断面図
【図10】 本発明液式筆記具の他の実施例を示した縦断
面図で、両頭式を示す
【符号の説明】
1…軸筒 2…インク収容
部 3…弁体 3-1 …弁部 3-2 …鍔部 4…弁枠 4-1 …囲繞筒部 4-2 …インク導
入部 4-20…インク導入口 5,50,51…ペン体 5-1 …小径後部 6…第1弁口 7…第2弁口 7-1 …開口座部 8…ペン保持孔 11…挟持段部 12…縦溝 13…インク溜め
間隙 14,15…乗越え嵌合部

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクを収容する軸筒内のインク収容部
    側と開閉可能に区画する弁機構を介してペン体が軸方向
    に摺動自在に備えられ、ペン体の進退動作により弁機構
    の開閉が行われる液式筆記具に於いて、 ペン体の後端側を挿入保持し得る内径で前端を開口する
    と共に、筆圧により後退するペン体に押されて軸方向に
    弾性変形するその弾性作用により開弁される第1弁口を
    設けた弾性部材からなる有底筒状の弁体と、この弁体と
    の間に適宜のインク溜め間隙をおいて該弁体を同軸状に
    包囲する内径と長さで前端を開口する囲繞筒部の後端
    に、弁体の前記弾性作用により閉弁される第2弁口を開
    口してなる弁枠とをインク収容部側とペン体側とを開閉
    可能に区画する軸筒内に配設してなる事を特徴とする液
    式筆記具。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液式筆記具において、 弁体の閉鎖された後端部を弁体の軸方向の弾性作用によ
    り弁枠の第2弁口に当接せしめて該第2弁口を閉弁せし
    める弁部として、この弁部から第2弁口までの離間距離
    を 0.1〜2.0mm に設定した事を特徴とする液式筆記具。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の液式筆記具におい
    て、 弁体の内面とこの弁体内に挿入内在するペン体の後部側
    外面との隙間を0.05〜1.0mm に設定した事を特徴とする
    液式筆記具。
  4. 【請求項4】 請求項1乃至3いずれかに記載の液式筆
    記具において、 弁枠は囲繞筒部の第2弁口からインク収容部側に同軸状
    に連設突出せしめたインク導入部を一体に備えると共に
    このインク導入部内に、囲繞筒部内に内在する弁体の弁
    部に亘り弾発力を20〜200gf に設定した弾発部材を弾装
    せしめた事を特徴とする液式筆記具。
  5. 【請求項5】 請求項1乃至4いずれかに記載の液式筆
    記具において、 弁体の前端開口部にリング状に突出させた鍔部を設ける
    一方、この鍔部を軸筒の内面に設けた挟持段部とにより
    挟持せしめて弁体を軸筒内に定着保持する弁枠の囲繞筒
    部の前端開口部からその内面に、弁体の外面に接触しな
    い程度の突出高さで軸方向に延びる複数本の縦リブを設
    けた事を特徴とする液式筆記具。
  6. 【請求項6】 請求項1記載の液式筆記具において、 弁体と弁枠の囲繞筒部との間に互いに嵌合し合う乗越え
    嵌合部を設けて、弁体を囲繞筒部内に組み込み保持する
    ように形成した事を特徴とする液式筆記具。
  7. 【請求項7】 請求項4記載の液式筆記具において、 弁枠のインク導入部内に、弁体の弁部が第2弁口に当接
    せしめた時点で該後端弁部を受け止めるストッパーを設
    けた事を特徴とする液式筆記具。
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