JPH1052850A - 押出成形用ダイの製造方法 - Google Patents
押出成形用ダイの製造方法Info
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- JPH1052850A JPH1052850A JP8213543A JP21354396A JPH1052850A JP H1052850 A JPH1052850 A JP H1052850A JP 8213543 A JP8213543 A JP 8213543A JP 21354396 A JP21354396 A JP 21354396A JP H1052850 A JPH1052850 A JP H1052850A
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- Japan
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- die
- lip
- resin
- extrusion die
- layer
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- B—PERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
- B29—WORKING OF PLASTICS; WORKING OF SUBSTANCES IN A PLASTIC STATE IN GENERAL
- B29C—SHAPING OR JOINING OF PLASTICS; SHAPING OF MATERIAL IN A PLASTIC STATE, NOT OTHERWISE PROVIDED FOR; AFTER-TREATMENT OF THE SHAPED PRODUCTS, e.g. REPAIRING
- B29C48/00—Extrusion moulding, i.e. expressing the moulding material through a die or nozzle which imparts the desired form; Apparatus therefor
- B29C48/25—Component parts, details or accessories; Auxiliary operations
- B29C48/255—Flow control means, e.g. valves
- B29C48/2556—Flow control means, e.g. valves provided in or in the proximity of dies
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- Engineering & Computer Science (AREA)
- Mechanical Engineering (AREA)
- Powder Metallurgy (AREA)
- Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)
- Moulds For Moulding Plastics Or The Like (AREA)
- Extrusion Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】作業を簡素化することができ、押出成形用ダイ
のコストを低くすることができるようにする。 【解決手段】押出成形用ダイにおける樹脂と接触する面
に、Ni基合金から成る粉末材料を配設し、該粉末材料
が配設された押出成形用ダイにCIP処理を施すことに
よって、前記粉末材料のコーティング層を形成し、その
後、該コーティング層が形成された押出成形用ダイにH
IP処理を施すことによってNi基合金接合層26を形
成する。この場合、予備成形として粉末材料のコーティ
ング層が形成されるので、Ni基合金接合層26を形成
する際に中子型を使用する必要がなくなる。したがっ
て、作業を簡素化することができるとともに、押出成形
用ダイのコストをその分低くすることができる。
のコストを低くすることができるようにする。 【解決手段】押出成形用ダイにおける樹脂と接触する面
に、Ni基合金から成る粉末材料を配設し、該粉末材料
が配設された押出成形用ダイにCIP処理を施すことに
よって、前記粉末材料のコーティング層を形成し、その
後、該コーティング層が形成された押出成形用ダイにH
IP処理を施すことによってNi基合金接合層26を形
成する。この場合、予備成形として粉末材料のコーティ
ング層が形成されるので、Ni基合金接合層26を形成
する際に中子型を使用する必要がなくなる。したがっ
て、作業を簡素化することができるとともに、押出成形
用ダイのコストをその分低くすることができる。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、押出成形用ダイの
製造方法に関するものである。
製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、フィルム、シート等の成形品を成
形したり、ラミネート加工品を成形したりするための押
出装置においては、押出機の先端に押出成形用ダイが配
設され、前記押出機において溶融させられた樹脂を押出
成形用ダイから押し出すようになっている。
形したり、ラミネート加工品を成形したりするための押
出装置においては、押出機の先端に押出成形用ダイが配
設され、前記押出機において溶融させられた樹脂を押出
成形用ダイから押し出すようになっている。
【0003】図2は従来の押出成形用ダイの断面図、図
3は従来の押出成形用ダイの調整リップの断面図、図4
は従来の押出成形用ダイの調整リップの要部拡大図であ
る。図において、11、12は押出成形用ダイを構成す
る一対のTダイ本体である。該Tダイ本体11、12
は、成形品、ラミネート加工品等の幅に対応させて設定
された長さを有し、相互に対向させて配設され、両者間
にマニホルド13及びスリット14を形成する。
3は従来の押出成形用ダイの調整リップの断面図、図4
は従来の押出成形用ダイの調整リップの要部拡大図であ
る。図において、11、12は押出成形用ダイを構成す
る一対のTダイ本体である。該Tダイ本体11、12
は、成形品、ラミネート加工品等の幅に対応させて設定
された長さを有し、相互に対向させて配設され、両者間
にマニホルド13及びスリット14を形成する。
【0004】また、前記Tダイ本体11に調整リップ1
5が移動自在に取り付けられ、Tダイ本体12に固定リ
ップ16が固定される。そして、調整ボルト17を回転
させることによって前記調整リップ15をTダイ本体1
1に対してスライドさせ、前記スリット14のギャップ
を変更することができる。また、前記マニホルド13
は、図示しない押出機からの樹脂を受ける樹脂注入口1
9、該樹脂注入口19と連通させて形成された主マニホ
ルド部分13a、及び該主マニホルド部分13aより下
方に延在して前記スリット14に至るランド部13bか
ら成る。
5が移動自在に取り付けられ、Tダイ本体12に固定リ
ップ16が固定される。そして、調整ボルト17を回転
させることによって前記調整リップ15をTダイ本体1
1に対してスライドさせ、前記スリット14のギャップ
を変更することができる。また、前記マニホルド13
は、図示しない押出機からの樹脂を受ける樹脂注入口1
9、該樹脂注入口19と連通させて形成された主マニホ
ルド部分13a、及び該主マニホルド部分13aより下
方に延在して前記スリット14に至るランド部13bか
ら成る。
【0005】したがって、前記押出機において溶融させ
られた樹脂は、樹脂注入口19を介してマニホルド13
に送られ、該マニホルド13内で成形品、ラミネート加
工品等の幅方向に広がり、スリット14から押し出され
る。ところで、前記Tダイ本体11、12の母材は、通
常、鋼によって形成されるが、溶融された高温の樹脂が
Tダイ本体11、12の樹脂流動面に沿って流れると、
樹脂が付着しやすくなるだけでなく、樹脂によっては腐
食することがある。
られた樹脂は、樹脂注入口19を介してマニホルド13
に送られ、該マニホルド13内で成形品、ラミネート加
工品等の幅方向に広がり、スリット14から押し出され
る。ところで、前記Tダイ本体11、12の母材は、通
常、鋼によって形成されるが、溶融された高温の樹脂が
Tダイ本体11、12の樹脂流動面に沿って流れると、
樹脂が付着しやすくなるだけでなく、樹脂によっては腐
食することがある。
【0006】そこで、前記Tダイ本体11、12の樹脂
と接触する部分、例えばマニホルド13の内周面a、ラ
ンド13b、スリット14の表面b、及び該スリット1
4の周囲の面cに、めっき処理を施して、被覆層として
の硬質クロームめっき層21を形成し、前記Tダイ本体
11、12の樹脂流動面の平滑度及び硬度を高くし、流
動性、耐摩耗性及び耐腐食性を向上させるようにしてい
る。この場合、Tダイ本体11と調整リップ15との
間、及びTダイ本体12と固定リップ16との間にも同
時にめっき処理が施される。
と接触する部分、例えばマニホルド13の内周面a、ラ
ンド13b、スリット14の表面b、及び該スリット1
4の周囲の面cに、めっき処理を施して、被覆層として
の硬質クロームめっき層21を形成し、前記Tダイ本体
11、12の樹脂流動面の平滑度及び硬度を高くし、流
動性、耐摩耗性及び耐腐食性を向上させるようにしてい
る。この場合、Tダイ本体11と調整リップ15との
間、及びTダイ本体12と固定リップ16との間にも同
時にめっき処理が施される。
【0007】また、前記調整リップ15、固定リップ1
6等の角部31に硬質クロームめっき層21の盛上がり
現象(花咲き現象)が生じることがあるので、図4に示
すように、めっき処理を施す前の前記角部31に径の大
きなアール部Rを形成するようにしている。なお、前記
調整リップ15の長さLが約80〔mm〕、硬質クロー
ムめっき層21の厚さdC が30〜50〔μm〕である
場合、角部31に0.2〜0.3〔mm〕程度の径のア
ール部Rが形成される。
6等の角部31に硬質クロームめっき層21の盛上がり
現象(花咲き現象)が生じることがあるので、図4に示
すように、めっき処理を施す前の前記角部31に径の大
きなアール部Rを形成するようにしている。なお、前記
調整リップ15の長さLが約80〔mm〕、硬質クロー
ムめっき層21の厚さdC が30〜50〔μm〕である
場合、角部31に0.2〜0.3〔mm〕程度の径のア
ール部Rが形成される。
【0008】ところが、前記構成の押出成形用ダイの製
造方法においては、次のような問題が生じる。すなわ
ち、第1に、前記硬質クロームめっき層21の表面に
は、無数のピンホール、マイクロクラック等が形成され
ているので、調整リップ15及び固定リップ16に付着
した酸化性及び劣化性の高い樹脂を銅ヘラ等によって除
去する際に、前記ピンホール、マイクロクラック等が起
因となり、前記硬質クロームめっき層21が剥(はく)
離してしまうことがある。
造方法においては、次のような問題が生じる。すなわ
ち、第1に、前記硬質クロームめっき層21の表面に
は、無数のピンホール、マイクロクラック等が形成され
ているので、調整リップ15及び固定リップ16に付着
した酸化性及び劣化性の高い樹脂を銅ヘラ等によって除
去する際に、前記ピンホール、マイクロクラック等が起
因となり、前記硬質クロームめっき層21が剥(はく)
離してしまうことがある。
【0009】第2に、前記ピンホール、マイクロクラッ
ク等に樹脂が滞留し、滞留した樹脂が、時間の経過と共
に劣化して樹脂焼けを発生させてしまう。第3に、前記
ピンホール、マイクロクラック等が硬質クロームめっき
層21とTダイ本体11、12の母材との界面に到達す
ると、母材が腐食してしまう。第4に、前記アール部R
は手作業によって形成されるようになっているので、ア
ール部Rの径を押出成形用ダイの幅方向において均一に
することは困難である。また、硬質クロームめっき層2
1自体の厚さdC にも5〜10〔μm〕程度のばらつき
が生じる。したがって、成形品、ラミネート加工品等の
精度が低くなってしまう。
ク等に樹脂が滞留し、滞留した樹脂が、時間の経過と共
に劣化して樹脂焼けを発生させてしまう。第3に、前記
ピンホール、マイクロクラック等が硬質クロームめっき
層21とTダイ本体11、12の母材との界面に到達す
ると、母材が腐食してしまう。第4に、前記アール部R
は手作業によって形成されるようになっているので、ア
ール部Rの径を押出成形用ダイの幅方向において均一に
することは困難である。また、硬質クロームめっき層2
1自体の厚さdC にも5〜10〔μm〕程度のばらつき
が生じる。したがって、成形品、ラミネート加工品等の
精度が低くなってしまう。
【0010】そこで、Tダイ本体11、12を形成する
ために、あらかじめ一対の素材を形成し、各素材間に前
記マニホルド13に対応する形状を有する中子型を配設
し、前記素材と中子型との間の隙(すき)間にライニン
グ用粉末を充填(てん)し、HIP処理(Hot Is
ostatic Pressing:熱間等方圧加圧処
理)を施すようにした押出成形用ダイの製造方法が提供
されている(特公平6−61818号公報参照)。
ために、あらかじめ一対の素材を形成し、各素材間に前
記マニホルド13に対応する形状を有する中子型を配設
し、前記素材と中子型との間の隙(すき)間にライニン
グ用粉末を充填(てん)し、HIP処理(Hot Is
ostatic Pressing:熱間等方圧加圧処
理)を施すようにした押出成形用ダイの製造方法が提供
されている(特公平6−61818号公報参照)。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前記従
来の押出成形用ダイの製造方法においては、一対の素材
間に中子型を配設する必要があるので、作業が煩わし
く、押出成形用ダイのコストがその分高くなってしま
う。本発明は、前記従来の押出成形用ダイの製造方法の
問題点を解決して、作業を簡素化することができ、押出
成形用ダイのコストを低くすることができる押出成形用
ダイの製造方法を提供することを目的とする。
来の押出成形用ダイの製造方法においては、一対の素材
間に中子型を配設する必要があるので、作業が煩わし
く、押出成形用ダイのコストがその分高くなってしま
う。本発明は、前記従来の押出成形用ダイの製造方法の
問題点を解決して、作業を簡素化することができ、押出
成形用ダイのコストを低くすることができる押出成形用
ダイの製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】そのために、本発明の押
出成形用ダイの製造方法においては、押出成形用ダイに
おける樹脂と接触する面に、Ni基合金から成る粉末材
料を配設し、該粉末材料が配設された押出成形用ダイに
CIP処理を施すことによって、前記粉末材料のコーテ
ィング層を形成し、その後、該コーティング層が形成さ
れた押出成形用ダイにHIP処理を施すことによってN
i基合金接合層を形成する。
出成形用ダイの製造方法においては、押出成形用ダイに
おける樹脂と接触する面に、Ni基合金から成る粉末材
料を配設し、該粉末材料が配設された押出成形用ダイに
CIP処理を施すことによって、前記粉末材料のコーテ
ィング層を形成し、その後、該コーティング層が形成さ
れた押出成形用ダイにHIP処理を施すことによってN
i基合金接合層を形成する。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の
実施の形態における押出成形用ダイの断面図である。図
において、11、12は押出成形用ダイを構成する一対
のTダイ本体である。該Tダイ本体11、12は、成形
品、ラミネート加工品等の幅に対応させて設定された長
さを有し、相互に対向させて配設され、両者間にマニホ
ルド13及びスリット14を形成する。
て図面を参照しながら詳細に説明する。図1は本発明の
実施の形態における押出成形用ダイの断面図である。図
において、11、12は押出成形用ダイを構成する一対
のTダイ本体である。該Tダイ本体11、12は、成形
品、ラミネート加工品等の幅に対応させて設定された長
さを有し、相互に対向させて配設され、両者間にマニホ
ルド13及びスリット14を形成する。
【0014】また、前記Tダイ本体11に調整リップ1
5が移動自在に取り付けられ、Tダイ本体12に固定リ
ップ16が固定される。そして、調整ボルト17を回転
させることによって前記調整リップ15をTダイ本体1
1に対してスライドさせ、前記スリット14のギャップ
を変更することができる。なお、前記固定リップ16に
代えて、図示しない調整リップをTダイ本体12に移動
自在に取り付けることもできる。
5が移動自在に取り付けられ、Tダイ本体12に固定リ
ップ16が固定される。そして、調整ボルト17を回転
させることによって前記調整リップ15をTダイ本体1
1に対してスライドさせ、前記スリット14のギャップ
を変更することができる。なお、前記固定リップ16に
代えて、図示しない調整リップをTダイ本体12に移動
自在に取り付けることもできる。
【0015】そして、前記マニホルド13は、図示しな
い押出機からの樹脂を受ける樹脂注入口19、該樹脂注
入口19と連通させて形成された主マニホルド部分13
a、及び該主マニホルド部分13aより下方に延在して
前記スリット14に至るランド部13bから成る。な
お、前記主マニホルド部分13aの断面はほぼ円形状で
あり、ランド部13bの断面は細溝状である。
い押出機からの樹脂を受ける樹脂注入口19、該樹脂注
入口19と連通させて形成された主マニホルド部分13
a、及び該主マニホルド部分13aより下方に延在して
前記スリット14に至るランド部13bから成る。な
お、前記主マニホルド部分13aの断面はほぼ円形状で
あり、ランド部13bの断面は細溝状である。
【0016】したがって、前記押出機において溶融させ
られた樹脂は、樹脂注入口19を介してマニホルド13
に送られ、該マニホルド13内で成形品、ラミネート加
工品等の幅方向に広がり、スリット14から押し出され
る。ところで、前記Tダイ本体11、12の母材は、通
常、鋼(SCM材、SUS材等)によって形成される
が、溶融された高温の樹脂がTダイ本体11、12の樹
脂流動面に沿って流れると、樹脂が付着しやすくなるだ
けでなく、樹脂によっては腐食することがある。
られた樹脂は、樹脂注入口19を介してマニホルド13
に送られ、該マニホルド13内で成形品、ラミネート加
工品等の幅方向に広がり、スリット14から押し出され
る。ところで、前記Tダイ本体11、12の母材は、通
常、鋼(SCM材、SUS材等)によって形成される
が、溶融された高温の樹脂がTダイ本体11、12の樹
脂流動面に沿って流れると、樹脂が付着しやすくなるだ
けでなく、樹脂によっては腐食することがある。
【0017】そこで、押出成形用ダイにおける樹脂と接
触する部分、例えば、マニホルド13の内周面a、ラン
ド13b、スリット14の表面b、及び該スリット14
の周囲の面cに、CIP処理(Cold Isosta
tic Pressing:低温静水圧加圧法)及びH
IP処理を施して樹脂の流動性、耐摩耗性及び耐腐食性
を向上させるようにしている。
触する部分、例えば、マニホルド13の内周面a、ラン
ド13b、スリット14の表面b、及び該スリット14
の周囲の面cに、CIP処理(Cold Isosta
tic Pressing:低温静水圧加圧法)及びH
IP処理を施して樹脂の流動性、耐摩耗性及び耐腐食性
を向上させるようにしている。
【0018】また、Tダイ本体11と調整リップ15と
の間、及びTダイ本体12と固定リップ16との間に
も、同様にCIP処理及びHIP処理を施して前記スリ
ット14のギャップ精度を高くしている。そのために、
まず、Ni基合金から成る図示しない粉末材料を前記T
ダイ本体11、12、調整リップ15、固定リップ16
等の母材上に配設し、粉末材料が配設されたTダイ本体
11、12にCIP処理を施し、予備成形として前記粉
末材料のコーティング層を形成する。前記CIP処理に
おいて、前記粉末材料が配設されたTダイ本体11、1
2は、常温で4000〔kg/cm2 〕の圧力下に置か
れ、粉末材料が固められる。
の間、及びTダイ本体12と固定リップ16との間に
も、同様にCIP処理及びHIP処理を施して前記スリ
ット14のギャップ精度を高くしている。そのために、
まず、Ni基合金から成る図示しない粉末材料を前記T
ダイ本体11、12、調整リップ15、固定リップ16
等の母材上に配設し、粉末材料が配設されたTダイ本体
11、12にCIP処理を施し、予備成形として前記粉
末材料のコーティング層を形成する。前記CIP処理に
おいて、前記粉末材料が配設されたTダイ本体11、1
2は、常温で4000〔kg/cm2 〕の圧力下に置か
れ、粉末材料が固められる。
【0019】続いて、前記コーティング層が形成された
Tダイ本体11、12に前記HIP処理が施される。該
HIP処理において、前記コーティング層が形成された
Tダイ本体11、12は、Arガスの雰囲気下におい
て、900〜1200〔℃〕の温度で1000〜200
0〔kg/cm2 〕程度の圧力下に置かれる。このと
き、前記コーティング層内において結晶粒が成長し、H
IP接合層26、すなわち、Ni基合金接合層が形成さ
れるとともに、Tダイ本体11、12の母材とHIP接
合層26との界面に拡散接合層が形成される。
Tダイ本体11、12に前記HIP処理が施される。該
HIP処理において、前記コーティング層が形成された
Tダイ本体11、12は、Arガスの雰囲気下におい
て、900〜1200〔℃〕の温度で1000〜200
0〔kg/cm2 〕程度の圧力下に置かれる。このと
き、前記コーティング層内において結晶粒が成長し、H
IP接合層26、すなわち、Ni基合金接合層が形成さ
れるとともに、Tダイ本体11、12の母材とHIP接
合層26との界面に拡散接合層が形成される。
【0020】したがって、前記Tダイ本体11、12、
調整リップ15、固定リップ16等の母材が摩耗した
り、腐食したりするのを防止することができる。しか
も、HIP接合層26は密度が高く、大きい結合力によ
ってTダイ本体11、12の母材を被覆するので、ピン
ホールが形成されるのを防止することができ、また、N
i基合金の熱膨張率は母材の熱膨張率に近いので、マイ
クロクラックが形成されるのを防止することもできる。
調整リップ15、固定リップ16等の母材が摩耗した
り、腐食したりするのを防止することができる。しか
も、HIP接合層26は密度が高く、大きい結合力によ
ってTダイ本体11、12の母材を被覆するので、ピン
ホールが形成されるのを防止することができ、また、N
i基合金の熱膨張率は母材の熱膨張率に近いので、マイ
クロクラックが形成されるのを防止することもできる。
【0021】そして、調整リップ15及び固定リップ1
6に付着した酸化性及び劣化性の高い樹脂を銅ヘラ等に
よって除去する際に、HIP接合層26が脱落したり、
調整リップ15、固定リップ16等の母材からHIP接
合層26が剥離したりすることがなくなる。さらに、H
IP接合層26が母材から剥離することがないので、焼
結後の樹脂流動面に研磨加工等の超仕上げを施すことが
でき、面粗度RS を0.3以下の値、例えば、0.1〜
0.2の値にすることができる。したがって、スリット
14のギャップ精度をその分高くすることができるだけ
でなく、幅方向における偏肉精度を高くすることができ
る。
6に付着した酸化性及び劣化性の高い樹脂を銅ヘラ等に
よって除去する際に、HIP接合層26が脱落したり、
調整リップ15、固定リップ16等の母材からHIP接
合層26が剥離したりすることがなくなる。さらに、H
IP接合層26が母材から剥離することがないので、焼
結後の樹脂流動面に研磨加工等の超仕上げを施すことが
でき、面粗度RS を0.3以下の値、例えば、0.1〜
0.2の値にすることができる。したがって、スリット
14のギャップ精度をその分高くすることができるだけ
でなく、幅方向における偏肉精度を高くすることができ
る。
【0022】そして、盛上がり現象が生じることがない
ので、調整リップ15、固定リップ16等の角部31
(図4参照)に径の大きなアール部Rを形成する必要が
なくなる。さらに、HIP接合層26を形成する際に中
子型を使用する必要がないので、作業を簡素化すること
ができるとともに、コストをその分低くすることができ
る。
ので、調整リップ15、固定リップ16等の角部31
(図4参照)に径の大きなアール部Rを形成する必要が
なくなる。さらに、HIP接合層26を形成する際に中
子型を使用する必要がないので、作業を簡素化すること
ができるとともに、コストをその分低くすることができ
る。
【0023】図5は本発明の実施の形態における調整リ
ップの断面図、図6は本発明の実施の形態における調整
リップの要部拡大図である。図において、15は調整リ
ップ、26は該調整リップ15に形成されたHIP接合
層、31は調整リップ15の角部である。なお、HIP
接合層26の厚さd H は2〜3〔mm〕である。
ップの断面図、図6は本発明の実施の形態における調整
リップの要部拡大図である。図において、15は調整リ
ップ、26は該調整リップ15に形成されたHIP接合
層、31は調整リップ15の角部である。なお、HIP
接合層26の厚さd H は2〜3〔mm〕である。
【0024】この場合、HIP接合層26においては、
盛上がり現象が生じることがないので、調整リップ1
5、固定リップ16等の角部31に径の大きなアール部
Rを形成する必要がない。また、本実施の形態におい
て、アール部Rの径を0.05〔mm〕より小さくする
ことができるので、前記角部31に硬質クロームめっき
層を形成した場合のように、調整リップ15及び固定リ
ップ16の先端に酸化性及び劣化性の高い樹脂が付着す
るのを抑制することもできる。
盛上がり現象が生じることがないので、調整リップ1
5、固定リップ16等の角部31に径の大きなアール部
Rを形成する必要がない。また、本実施の形態におい
て、アール部Rの径を0.05〔mm〕より小さくする
ことができるので、前記角部31に硬質クロームめっき
層を形成した場合のように、調整リップ15及び固定リ
ップ16の先端に酸化性及び劣化性の高い樹脂が付着す
るのを抑制することもできる。
【0025】なお、本発明は前記実施の形態に限定され
るものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形する
ことが可能であり、それらを本発明の範囲から排除する
ものではない。
るものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々変形する
ことが可能であり、それらを本発明の範囲から排除する
ものではない。
【0026】
【発明の効果】以上詳細に説明したように、本発明によ
れば、押出成形用ダイの製造方法においては、押出成形
用ダイにおける樹脂と接触する面に、Ni基合金から成
る粉末材料を配設し、該粉末材料が配設された押出成形
用ダイにCIP処理を施すことによって前記粉末材料の
コーティング層を形成し、その後、該コーティング層が
形成された押出成形用ダイにHIP処理を施すことによ
ってNi基合金接合層を形成する。
れば、押出成形用ダイの製造方法においては、押出成形
用ダイにおける樹脂と接触する面に、Ni基合金から成
る粉末材料を配設し、該粉末材料が配設された押出成形
用ダイにCIP処理を施すことによって前記粉末材料の
コーティング層を形成し、その後、該コーティング層が
形成された押出成形用ダイにHIP処理を施すことによ
ってNi基合金接合層を形成する。
【0027】この場合、予備成形として粉末材料のコー
ティング層が形成されるので、Ni基合金接合層を形成
する際に中子型を使用する必要がなくなる。したがっ
て、作業を簡素化することができるとともに、押出成形
用ダイのコストをその分低くすることができる。また、
Ni基合金接合層と母材との界面に拡散接合層が形成さ
れ、粒子間の結合力及び密着力が大きくなるので、Tダ
イ本体、調整リップ、固定リップ等の母材が摩耗した
り、腐食したりするのを防止することができるととも
に、ピンホール、マイクロクラック等が形成されるのを
防止することもできる。
ティング層が形成されるので、Ni基合金接合層を形成
する際に中子型を使用する必要がなくなる。したがっ
て、作業を簡素化することができるとともに、押出成形
用ダイのコストをその分低くすることができる。また、
Ni基合金接合層と母材との界面に拡散接合層が形成さ
れ、粒子間の結合力及び密着力が大きくなるので、Tダ
イ本体、調整リップ、固定リップ等の母材が摩耗した
り、腐食したりするのを防止することができるととも
に、ピンホール、マイクロクラック等が形成されるのを
防止することもできる。
【0028】そして、Ni基合金接合層が脱落したり、
調整リップ、固定リップ等の母材から剥離したりするこ
とがなくなる。さらに、Ni基合金接合層が母材から剥
離することがないので、焼結後の樹脂流動面に研磨加工
等の超仕上げを施すことができ、面粗度を低くすること
ができる。また、スリットのギャップ精度をその分高く
することができるだけでなく、盛上がり現象が生じるこ
とがないので、調整リップ、固定リップ等の角部に径の
大きなアール部を形成する必要がなくなる。したがっ
て、幅方向における偏肉精度を高くすることができる。
調整リップ、固定リップ等の母材から剥離したりするこ
とがなくなる。さらに、Ni基合金接合層が母材から剥
離することがないので、焼結後の樹脂流動面に研磨加工
等の超仕上げを施すことができ、面粗度を低くすること
ができる。また、スリットのギャップ精度をその分高く
することができるだけでなく、盛上がり現象が生じるこ
とがないので、調整リップ、固定リップ等の角部に径の
大きなアール部を形成する必要がなくなる。したがっ
て、幅方向における偏肉精度を高くすることができる。
【図1】本発明の実施の形態における押出成形用ダイの
断面図である。
断面図である。
【図2】従来の押出成形用ダイの断面図である。
【図3】従来の押出成形用ダイの調整リップの断面図で
ある。
ある。
【図4】従来の押出成形用ダイの調整リップの要部拡大
図である。
図である。
【図5】本発明の実施の形態における調整リップの断面
図である。
図である。
【図6】本発明の実施の形態における調整リップの要部
拡大図である。
拡大図である。
11、12 Tダイ本体 26 Ni基合金接合層
Claims (1)
- 【請求項1】 (a)押出成形用ダイにおける樹脂と接
触する面に、Ni基合金から成る粉末材料を配設し、
(b)該粉末材料が配設された押出成形用ダイにCIP
処理を施すことによって、前記粉末材料のコーティング
層を形成し、(c)その後、該コーティング層が形成さ
れた押出成形用ダイにHIP処理を施すことによってN
i基合金接合層を形成することを特徴とする押出成形用
ダイの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8213543A JPH1052850A (ja) | 1996-08-13 | 1996-08-13 | 押出成形用ダイの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8213543A JPH1052850A (ja) | 1996-08-13 | 1996-08-13 | 押出成形用ダイの製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH1052850A true JPH1052850A (ja) | 1998-02-24 |
Family
ID=16640943
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP8213543A Withdrawn JPH1052850A (ja) | 1996-08-13 | 1996-08-13 | 押出成形用ダイの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH1052850A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010162823A (ja) * | 2009-01-19 | 2010-07-29 | Mazda Motor Corp | 発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置 |
JP2013166974A (ja) * | 2012-02-14 | 2013-08-29 | Hirai Kogyo Kk | ペレット製造用のダイ |
-
1996
- 1996-08-13 JP JP8213543A patent/JPH1052850A/ja not_active Withdrawn
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2010162823A (ja) * | 2009-01-19 | 2010-07-29 | Mazda Motor Corp | 発泡樹脂成形品の成形方法及び成形装置 |
US8337186B2 (en) | 2009-01-19 | 2012-12-25 | Mazda Motor Corporation | Method and apparatus for molding resin foam product |
EP2208598A3 (en) * | 2009-01-19 | 2017-11-22 | Mazda Motor Corporation | Method and apparatus for molding resin foam product |
JP2013166974A (ja) * | 2012-02-14 | 2013-08-29 | Hirai Kogyo Kk | ペレット製造用のダイ |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Application deemed to be withdrawn because no request for examination was validly filed |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20031104 |