JPH10512A - 放電加工による表面処理方法及びその装置 - Google Patents

放電加工による表面処理方法及びその装置

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JPH10512A
JPH10512A JP8151357A JP15135796A JPH10512A JP H10512 A JPH10512 A JP H10512A JP 8151357 A JP8151357 A JP 8151357A JP 15135796 A JP15135796 A JP 15135796A JP H10512 A JPH10512 A JP H10512A
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祥人 今井
Takuji Magara
卓司 真柄
Akihiro Goto
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    • B23H9/00Machining specially adapted for treating particular metal objects or for obtaining special effects or results on metal objects
    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C23COATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; CHEMICAL SURFACE TREATMENT; DIFFUSION TREATMENT OF METALLIC MATERIAL; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL; INHIBITING CORROSION OF METALLIC MATERIAL OR INCRUSTATION IN GENERAL
    • C23CCOATING METALLIC MATERIAL; COATING MATERIAL WITH METALLIC MATERIAL; SURFACE TREATMENT OF METALLIC MATERIAL BY DIFFUSION INTO THE SURFACE, BY CHEMICAL CONVERSION OR SUBSTITUTION; COATING BY VACUUM EVAPORATION, BY SPUTTERING, BY ION IMPLANTATION OR BY CHEMICAL VAPOUR DEPOSITION, IN GENERAL
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  • Other Surface Treatments For Metallic Materials (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電加工のみで工具寿命を大幅に向上させる
改質層を工具切刃先端に均一に形成でき、かつ、切刃の
切れ味を向上させることができること。 【解決手段】 回転工具1を回転させ、回転工具1の切
刃に対向するように、回転工具1と表面処理用電極2と
を回転軸駆動機構8及びZ軸駆動機構7によって相対移
動させ、放電加工用電源18により回転工具1と表面処
理用電極2との間に電圧を印加して放電を発生させるこ
とにより回転工具1の外周切刃逃げ面1a、すくい面1
bに改質層19を形成することができる。改質層19を
回転工具1の切刃先端に均一に形成でき、放電加工のみ
で工具寿命を大幅に向上させ、かつ、切刃の切れ味を向
上させることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、放電加工を利用
した回転工具等の切削工具の切刃先端の表面処理方法及
びその表面処理装置に関するものであり、特に、切削工
具に改質層を形成する放電加工による表面処理方法及び
その装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】放電加工により回転工具切刃に改質層を
形成する方法及び装置としては、特開平7−11232
9号公報に掲載の技術を挙げることができる。前記公報
には、次のような技術が開示されている。図24は従来
の表面処理装置を説明する全体構成図である。図におい
て、101はエンドミル、ドリル等の表面処理を施す回
転切削工具、102は改質材料の粉末を成形した圧粉体
ブロックであり、改質材料としてW−C(タングステン
カーバイト)にCo(コバルト)の粉末を混入したもの
を焼結成形したものが使用される。103は回転切削工
具101の上下方向(Z軸方向)の移動を行う主軸、1
04は圧粉体ブロック102を固定すると共に放電加工
用加工液105を充満する加工槽、106は回転切削工
具101と圧粉体ブロック102の間に電圧を印加する
放電加工用電源、107は回転切削工具101と圧粉体
ブロック102の間の極間電圧または短絡を検出する極
間検出装置、108は極間検出装置107の検出結果か
ら回転切削工具101と圧粉体ブロック102の相対移
動速度を制御する制御装置である。109は回転切削工
具101と共に主軸103をZ方向(上下方向)に駆動
するZ軸駆動装置、110は圧粉体ブロック102と共
に加工槽104をX方向に駆動するX軸駆動装置、11
1は圧粉体ブロック102と共に加工槽104をY方向
の駆動を行うY軸駆動装置で、また、112はZ軸駆動
装置109の回転切削工具101を回転させる回転駆動
装置である。
【0003】次に、この種の従来の表面処理装置の動作
について説明する。主軸103に保持された回転切削工
具101はZ軸駆動装置109の回転駆動装置112に
より回転され、X軸駆動装置110、Y軸駆動装置11
1、Z軸駆動装置109により回転切削工具101と圧
粉体ブロック102を相対移動させることにより圧粉体
ブロック102の切削加工が行われる。具体的には、回
転切削工具101がエンドミルの場合は、側面方向(即
ち、X軸方向、Y軸方向)の切削加工が、また、ドリル
の場合には軸方向(即ち、Z軸方向)の切削加工を行
う。その際、放電加工用電源106により回転切削工具
101と圧粉体ブロック102の間には放電加工用電圧
が印加されているため、切削加工の進行により回転切削
工具101と圧粉体ブロック102の接触が解消される
と、その間隙にて放電が発生する。間隙には切削加工に
より改質材料(W−C)が粉末となって浮遊しているた
め、回転切削工具101の切歯表面においては放電によ
り加工液105中のW−C粉末が混入する。このように
回転切削工具101の送り速度を適性に制御することに
より、切削、放電を繰返しながら連続的に加工が行わ
れ、切歯部分に均一な改質層、即ち、W−C合金が形成
される。即ち、前記公報は、被覆材料を含むブロックを
回転工具で切削しながら放電加工する方法が開示されて
いる。ここでは、改質材料を含むブロックと切刃先端部
分との間に放電を発生させることによって回転工具切刃
先端に改質層を形成している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この方法で
は、改質材料を含むブロックと、回転工具切刃先端が接
触状態にある切削加工と改質材料を含むブロックと、回
転工具切刃先端が非接触状態にある放電加工といった相
反する2つの加工プロセスを複合させているため、安定
した加工を行うことが困難であり、回転工具切刃先端に
対して均一な改質膜を形成することも困難となる。ま
た、切削プロセスでは改質材料を含むブロックとの摩擦
で回転工具切刃先端が摩耗し、放電プロセスでは放電集
中による切刃先端の鈍りが生じ、改質層が形成された切
刃先端を研磨する工程が必要となる。更に、回転工具が
改質材料を含むブロックを切削する際に発生する切削抵
抗のため、通常の放電加工機以上に機械剛性を必要とす
ることになる。
【0005】そこで、この発明は、上記のような従来の
ものの課題を解消するためになされたもので、放電加工
のみで工具寿命を大幅に向上させる改質層を工具切刃先
端に均一に形成でき、かつ、切刃の切れ味を向上させる
ことができる放電加工による表面処理方法及びその装置
の提供を課題とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1にかかる放電加
工による表面処理方法は、回転工具の切刃に沿って改質
材料からなる表面処理用電極を対向させ、前記回転工具
と前記表面処理用電極を相対移動させ、かつ、前記回転
工具の切刃と前記表面処理用電極との間に放電を発生さ
せ、前記回転工具の切刃に改質層を生成するものであ
る。
【0007】請求項2にかかる放電加工による表面処理
方法は、改質材料からなる表面処理用電極と回転工具の
切刃の切刃先端との相対的な位置を検出し、前記回転工
具の外周切刃逃げ角とすくい角との何れか1つ以上と前
記表面処理用電極の直径とを補正の情報として位置補正
し、前記回転工具と前記表面処理用電極の位置を決定
し、前記表面処理用電極を前記回転工具の切刃に沿って
対向させて前記回転工具と前記表面処理用電極を相対移
動させ、前記回転工具の切刃と前記表面処理用電極との
間に放電を発生させ、前記回転工具の切刃に改質層を生
成するものである。
【0008】請求項3にかかる放電加工による表面処理
方法は、改質材料からなる表面処理用電極を円板形状と
し、前記表面処理用電極と回転工具の切刃の切刃先端と
の相対的な位置を検出し、前記回転工具の外周切刃逃げ
角とすくい角との何れか1つ以上と前記表面処理用電極
の直径とを補正の情報として位置補正し、前記回転工具
と前記表面処理用電極の位置を決定し、前記円板形状の
表面処理用電極を回転させながら、前記回転工具の切刃
に沿って対向させて前記回転工具と前記表面処理用電極
を相対移動させ、前記回転工具の切刃と前記表面処理用
電極との間に放電を発生させ、前記回転工具の切刃に改
質層を生成すると共に、前記表面処理用電極を使用する
研削加工により前記回転工具の切刃の切刃先端形状を鋭
利に成形するものである。
【0009】請求項4にかかる放電加工による表面処理
方法は、改質材料からなる表面処理用電極の放電面と回
転工具の切刃の外周切刃逃げ面とのなす角を前記回転工
具の外周切刃逃げ面にエキセントリック刃付けが生成さ
れる角度とし、前記回転工具の切刃に沿って前記表面処
理用電極と前記回転工具の切刃とが相対的に移動しなが
ら、前記回転工具の切刃と前記表面処理用電極との間に
放電を発生させ、前記回転工具のエキセントリック刃付
けされた外周切刃逃げ面に対して改質層を生成するもの
である。
【0010】請求項5にかかる放電加工による表面処理
方法は、改質材料からなる表面処理用電極の放電面と回
転工具の切刃の外周切刃逃げ面とのなす角を前記回転工
具の外周切刃逃げ面にエキセントリック刃付けが生成さ
れる角度とし、前記回転工具の切刃に沿って前記表面処
理用電極と前記回転工具の切刃とが相対的に移動しなが
ら、前記回転工具の切刃と前記表面処理用電極との間に
放電を発生させ、前記回転工具の母材が加工される程度
の放電エネルギーで放電加工を行うことにより、前記回
転工具の外周切刃逃げ面に改質層を生成し、かつ、外周
切刃逃げ面にエキセントリック刃付けを生成するもので
ある。
【0011】請求項6にかかる放電加工による表面処理
方法は、回転工具の切刃の外周切刃逃げ面と面一で、か
つ、すくい面に対して密に接合する補助部材を取付けた
状態で、前記回転工具の切刃及び補助部材と改質材料か
らなる表面処理用電極との間に放電を発生させると共
に、前記回転工具の切刃に沿って前記表面処理用電極を
相対的に移動することにより、外周切刃逃げ面に改質層
を生成し、その後、補助部材を除去するものである。
【0012】請求項7にかかる放電加工による表面処理
方法は、請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の回
転工具と表面処理用電極との相対移動は、前記回転工具
の切刃のねじれ角θ、前記改質層を生成する刃長L、工
具直径Dとするとき、前記回転工具の軸方向の前記刃長
分の送りに対して(360×L×tanθ)/(π×
D)の回転関係を維持することによって、前記回転工具
の切刃と前記表面処理用電極とを相対移動させるもので
ある。
【0013】請求項8にかかる放電加工による表面処理
装置は、回転工具の切刃に改質材料からなる表面処理用
電極によって改質層を生成する放電加工による表面処理
装置において、前記回転工具との間の放電により、前記
回転工具の切刃に改質層を生成する改質材料からなる表
面処理用電極と、前記回転工具を回転させ、前記回転工
具の切刃に対向するように、前記回転工具と前記表面処
理用電極とを相対移動させる相対移動駆動機構と、前記
回転工具の切刃と前記表面処理用電極との間に電圧を印
加する放電加工用電源とを具備するものである。
【0014】請求項9にかかる放電加工による表面処理
装置は、回転工具の切刃に改質材料からなる表面処理用
電極によって改質層を生成する放電加工による表面処理
装置において、前記回転工具との間の放電により、前記
回転工具の切刃に改質層を生成する改質材料からなる表
面処理用電極と、前記回転工具を回転させ、前記回転工
具の切刃に対向するように、前記回転工具と前記表面処
理用電極とを相対移動させる相対移動駆動機構と、前記
回転工具の切刃と前記表面処理用電極との間に電圧を印
加する放電加工用電源と、前記回転工具と前記表面処理
用電極との間の極間電圧を検出する極間検出回路と、前
記極間検出回路の出力によって、前記回転工具の切刃と
前記表面処理用電極との間に発生する放電を制御する制
御回路とを具備するものである。
【0015】請求項10にかかる放電加工による表面処
理装置は、請求項8または請求項9に記載の回転工具の
切刃に改質層を生成する表面処理用電極は、前記表面処
理用電極を前記回転工具の切刃に対向する特定角度に固
定したものである。
【0016】請求項11にかかる放電加工による表面処
理装置は、請求項8または請求項9に記載の回転工具の
切刃に改質層を生成する表面処理用電極は、前記表面処
理用電極を前記回転工具の切刃に対向させ、かつ、その
対向角度を設定できるものである。
【0017】請求項12にかかる放電加工による表面処
理装置は、請求項8から請求項11の何れか1つに記載
の回転工具の切刃に改質層を生成する表面処理用電極
は、前記表面処理用電極を回転させるものである。
【0018】請求項13にかかる放電加工による表面処
理装置は、請求項8から請求項12の何れか1つに記載
の回転工具と表面処理用電極とを相対移動させる相対移
動駆動機構は、前記回転工具の切刃のねじれ角θ、前記
改質層を生成する刃長L、工具直径Dとするとき、前記
回転工具の軸方向の前記刃長分の送りに対して(360
×L×tanθ)/(π×D)の回転関係を維持するこ
とによって、前記回転工具の切刃と前記表面処理用電極
とを相対移動させるものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明の放電加工による表
面処理方法及びその装置の実施の形態について、図を用
いて説明する。なお、図中、各実施の形態における同一
符号及び記号は各実施の形態に共通する構成部分を示す
ものである。
【0020】実施の形態1.図1は本発明の実施の形態
1の放電加工による表面処理装置の全体構成図、また、
図2は本発明の実施の形態1の放電加工による表面処理
装置で加工される回転工具の切刃の切刃先端の要部説明
図である。図において、1は表面処理を施すエンドミル
やドリル等の回転工具、2は改質層を形成する成分、例
えば、Ti C、Ti H2 等で形成した表面処理用電極
で、前記改質材料の粉末で成形したものでもよい。3は
回転工具1を保持するチャッキング機構、4は表面処理
用電極2を保持する電極保持機構で、回転工具1と表面
処理用電極2とをZ軸方向に相対移動させるものであ
る。なお、本発明を実施する場合の電極保持機構4は、
表面処理用電極2をZ軸方向に対して直角に保持できる
ものに限定されるものではなく、所定の距離離れてZ軸
方向に回動自在なものとすることができ、この場合に
は、回転工具1の外周切刃逃げ面1aを回転工具1の中
心軸に対して所定の角度を持った外周切刃逃げ面1aと
することができる。5は回転工具1の上下方向、即ち、
Z軸方向の移動を行う主軸、6は回転工具1の回転を行
う回転軸(C軸)、7は回転工具1と共に主軸5を上下
方向に駆動するZ軸駆動機構、8は回転軸6を回転させ
るモータ等からなる回転軸駆動機構、9は電極保持機構
4を固定すると共に放電加工用の加工液10を収容する
加工槽、11は加工槽9の水平方向(X方向)の移動を
自在とするXテーブル、12は加工槽9の水平方向(Y
方向)の移動を自在とするYテーブル、13はXテーブ
ル11用のX軸駆動機構、14はYテーブル12用のY
軸駆動機構、15はコンピュータ等を内蔵した制御回
路、16は制御回路15内に設けられ、回転工具1の動
作を制御する軌跡移動制御回路で、通常の数値制御回路
に相当するものである。17は回転工具1と表面処理用
電極2の間の極間電圧または短絡を検出する極間検出回
路、18は回転工具1と表面処理用電極2との間で電圧
を印加する放電加工用電源である。ここで、回転工具1
と表面処理用電極2の間の極間電圧または短絡を検出す
る極間検出回路17は、放電加工用電源18の内部抵抗
の電圧降下によって判断するものであり、放電加工用電
源18には図示しない放電抵抗等が存在する。なお、回
転工具1と表面処理用電極2とを相対移動させる回転軸
駆動機構8及びZ軸駆動機構7は、本実施の形態の相対
移動駆動機構を構成している。
【0021】次に、本実施の形態の放電加工による表面
処理装置の動作について説明する。図2に示すように、
本実施の形態の放電加工による表面処理装置で加工され
る回転工具1の切刃の切刃先端は、回転工具1の外周切
刃逃げ角(外周二番角)βの接線で形成される面である
外周切刃逃げ面1aに平行して、表面処理用電極2の先
端面2aからなる放電面を設定する。チャッキング機構
3により保持された回転工具1は、回転軸駆動機構8に
より回転軸6と共に回転し、Z軸駆動機構7により主軸
5と共に上下移動を行う。このとき、上下移動と回転は
同期しており、その同期状態は、放電加工される回転工
具1の切刃のねじれ角θに沿って表面処理用電極2の放
電面が移動するように主軸5の移動量、即ち、回転工具
1の軸方向の刃長分の送りに相当するその回転量が特定
され、それが設定されている。例えば、ねじれ角θ、刃
長L(mm)、直径D(mm)の右ねじれ刃のエンドミ
ルを表面処理する事例で説明する。主軸マイナス方向へ
の移動量、即ち、エンドミルの先端からチャッキング機
構3の方向の移動量を刃長Lとするとき、{(360°
×L×tanθ)/(π×D)}との一定の割合でマイ
ナス方向に右回転させるという関係を維持する。なお、
主軸プラス方向、即ち、チャッキング機構3側からエン
ドミルの先端方向に移動させるときは逆方向へ回転させ
ることになる。これにより、表面処理用電極2の放電面
が、回転工具1の外周切刃逃げ面1aとの加工開始前の
位置関係を維持しながら切刃のねじれに沿って外周切刃
逃げ面1a上を往復移動されることになる。表面処理用
電極2は電極保持機構4に取付けられ、更に、電極保持
機構4は加工液10が満たされた加工槽9内に配設され
る。極間検出回路17は表面処理用電極2と回転工具1
の位置関係を接触によって検出し、検出された情報は制
御回路15に送られ、表面処理用電極2の放電面と回転
工具1の外周切刃逃げ角βを有する面である外周切刃逃
げ面1a、すくい角γを形成する面であるすくい面1b
(図2参照)が互いに対向するように位置決めする場合
に使用される。軌跡移動制御回路16は処理対象の回転
工具1のねじれ角θ、処理する刃長L、直径D、ねじれ
刃の情報(右ねじれ、左ねじれ)、及び、移動速度、移
動回数が入力されると、放電面が外周切刃逃げ面1aを
なぞるような指令を制御回路15に与え、制御回路15
はこの指令に従ってX軸駆動機構13、Y軸駆動機構1
4、Z軸駆動機構7及び、回転軸駆動機構8を制御して
所望の動作を回転工具1に行わせる。なお、1cはエン
ドミルやドリル等の回転工具1のねじれ溝である。
【0022】このようにして、放電部分が加工液10中
に浸漬された状態で、表面処理用電極2を処理刃面にな
ぞらせながら、放電加工用電源18により回転工具1と
表面処理用電極2との間に電圧を印加して放電を発生さ
せることにより回転工具1の外周切刃逃げ面1a、すく
い面1bに改質層19を形成することができる。また、
加工槽9内に設置された表面処理用電極2と回転工具1
の処理部分を加工液10に浸漬させずとも、放電加工部
分に加工液10を吹きかけながら前述の方法で放電加工
することによっても回転工具1の外周切刃逃げ面1aに
改質層19を形成することができ、結果的に、外周切刃
逃げ面1aに改質層19を形成することは、その生成に
よりすくい角γを形成する面、即ち、すくい面1bに改
質層19を形成することになる。
【0023】実施の形態2.図3は本発明の実施の形態
2の放電加工による表面処理装置の回転工具と表面処理
用電極との関係を示す正面図、図4は同じく回転工具と
表面処理用電極との関係を示す側面図、図5は同じく回
転工具と表面処理用電極との位置関係が変位した状態を
示す正面図である。また、図6は本発明の実施の形態2
の放電加工による表面処理装置の回転工具の中心軸と表
面処理用電極との水平面上の位置関係を示す断面の説明
図、図7は同じく回転工具と表面処理用電極の外径線と
の水平面上の位置関係を示す断面の説明図、図8は同じ
く回転工具と表面処理用電極の外径線との水平面上の接
合深さの位置関係を示す断面の説明図、図9は同じく回
転工具と表面処理用電極の外径線との水平面上での当接
位置の関係を示す断面の説明図、図10は同じく回転工
具の切刃先端と表面処理用電極の外径線との位置関係を
示す断面の説明図、図11は同じく回転工具の刃面と表
面処理用電極の端部面との角度関係を示す断面の説明
図、図12は同じく回転工具の刃面と表面処理用電極の
端部面との平行関係を示す断面の説明図、図13は同じ
く回転工具の刃面に改質層を形成する動作の説明図であ
る。なお、本実施の形態の放電加工による表面処理装置
の全体構成図は、図1に示した放電加工による表面処理
装置の全体構成図と同一であるので、その説明を省略す
る。
【0024】図3乃至図13において、1は表面処理を
施すエンドミル、ドリル等の回転工具、2は改質層を形
成する成分からなる表面処理用電極、3は回転工具1を
保持するチャッキング機構、4は表面処理用電極2を保
持する電極保持機構、5は回転工具1のZ軸方向の移動
を行う主軸、6は回転工具1の回転を行う回転軸(C
軸)、7は回転工具1と共に主軸5をZ軸方向に駆動す
るZ軸駆動機構、8は回転軸6を回転させるモータ等か
らなる回転軸駆動機構である。
【0025】次に、本実施の形態の放電加工による表面
処理装置の動作について、図14及び図15に基き図3
乃至図13を参照して説明する。図14及び図15は本
発明の実施の形態2の放電加工による表面処理装置にお
ける回転工具と表面処理用電極との関係を設定して改質
層を形成するフローチャートである。まず、ステップS
1で回転工具1と表面処理用電極2の条件を入力する。
回転工具1の条件としては、ねじれ角θ、刃長L(m
m)、直径D(mm)、左右ねじれ、また、表面処理用
電極2の条件としては、長さM(mm)、直径d(m
m)等を設定する。また、機械的構成として表面処理用
電極2を保持する電極保持機構4の位置は、加工槽9に
取付けた状態で一義的に決定される。また、電極保持機
構4の表面処理用電極2の中心線A−Aも一義的に決定
され、その水平についても機械的取付けによって決定さ
れる。回転工具1の中心線O−Oも主軸5のZ軸方向の
中心線Z−Zによって一義的に決定される。図3に示す
ように、表面処理用電極2と回転工具1の取付け状態で
は、表面処理用電極2の中心線A−Aと回転工具1の中
心線O−O、即ち、主軸5のZ軸方向の中心線Z−Zは
何れにあるか不明である。しかし、表面処理用電極2の
中心線A−Aが機械的に決定されていることから、図4
に示すように、チャッキング機構3に保持された回転工
具1(右ねじれ刃、4枚刃のエンドミル)と電極保持機
構4に保持された表面処理用電極2との位置関係は、回
転工具1と表面処理用電極2のそれぞれの表面処理用電
極2の中心線A−Aと回転工具1の中心線O−Oが直交
するように、電極保持機構4の位置を調整することがで
きる。したがって、ステップS2で動作キーの操作によ
って、ステップS3で電極保持機構4の位置を調整し、
表面処理用電極2の中心線A−Aに対して回転工具1の
中心線O−Oを直交させる。なお、図4に示すAf−A
f線は中心線A−Aによる水平平面を表現したものであ
る。このとき、回転工具1の刃長L(mm)と表面処理
用電極2の長さM(mm)及び直径d(mm)により、
両者が衝突しない位置とする。
【0026】次に、ステップS4及びステップS5で回
転工具1を下降させ、その底刃部分と表面処理用電極2
の上部との接触を極間検出回路17により検出し、回転
工具1の底刃部分が表面処理用電極2の上部と接触した
とき、回転工具1の底刃の位置と表面処理用電極2の中
心線A−Aとの距離d/2から、ステップS6でそのと
きの回転工具1の底刃のZ座標を求める。その後、ステ
ップS7で表面処理用電極2と干渉しない位置まで回転
工具1を退避させた後、回転工具1の刃長Lに基き、図
5に示すように、表面処理用電極2の先端面2aの中心
線A−A上に回転工具1のシャンク側の切刃終端(ネッ
ク)が位置するように回転工具1を移動させる。実際に
移動した表面処理用電極2の中心線A−Aを含むAf−
Af線で示す水平平面における断面をチャッキング機構
3側から見ると、表面処理用電極2の先端面2aと回転
工具1の切刃逃げ面1aの位置関係は、図6または図7
のようになっている。即ち、図6に示すように、表面処
理用電極2の中心線A−Aから回転工具1の中心線O−
Oから右方向に回動している場合、或いは、図7に示す
ように、表面処理用電極2の中心線A−Aから回転工具
1の中心線O−Oから左方向に回動している場合等にな
る。
【0027】そして、図7に示すように、ステップS8
で表面処理用電極2の先端面2aの左右端の延長線A1
−A1 が回転工具中心軸Oを通過するように(直角に交
わるように)、回転工具1の位置を調整する。表面処理
用電極2の左右端の延長線A1 −A1 上とは、回転工具
1のねじれが右ねじれであれば、表面処理用電極2の先
端面2aからみて左端となり、回転工具1のねじれが左
ねじれであれば、表面処理用電極2の先端面2aからみ
て右端となる。また、表面処理用電極2が丸棒状である
場合には最左右周面に接線となり、表面処理用電極2が
角棒状である場合には、最左右端面の接線となる。表面
処理用電極2の左右端の延長線A1 −A1 上は、極間検
出回路17により表面処理用電極2の側面と回転工具1
のシャンク部分との接触を検出することによって得るこ
とができ、また、表面処理用電極2の左右端の延長線A
1 −A1 を確認することができる。本実施の形態では説
明の簡略化のため、表面処理用電極2の半径d/2から
算出したものである。このときの回転工具1の中心線O
−O(中心座標O)をXテーブル11及びYテーブル1
2の移動量から測定する。
【0028】図8に示すように、表面処理用電極2の先
端面2aを回転工具1の切刃先端の軌跡1Aの内側で、
かつ、回転工具1に接触しない位置関係とする。これ
は、表面処理用電極2の先端面2aが回転工具1の中心
線O−OからD/2内にあるときで、極間検出回路17
によって表面処理用電極2と回転工具1との接触を検出
していないときを、ステップS9で判定することにより
行われる。その後、ステップS10で回転工具1を右ね
じれ刃の場合は時計回り(図3乃至図13の右回転)、
左ねじれ刃の場合は反時計回りに回転させて、ステップ
S11で図9に示すように、極間検出回路17により表
面処理用電極2の側面と回転工具1の切刃先端との接触
検出を行う。ステップS12で、このとき、切刃先端の
座標(x0,y0 )を読込む。この切刃先端の座標(x0
,y0 )は、回転工具1の中心線O−O及び半径D/
2並びに表面処理用電極2の先端面2aから回転工具1
の中心線O−Oまでの距離によって求めることができ
る。なお、この切刃先端の座標(x0 ,y0 )を仮想切
刃先端の座標とすることもでき、この仮想切刃先端の座
標とは、極間検出回路17により表面処理用電極2の側
面と回転工具1の切刃先端との接触検出を行った切刃先
端の座標を、回転工具1の中心座標Oから読取り、それ
を座標(x0 =0,y0 =0)としてもよい。何れにせ
よ、回転工具1の切刃先端が特定できればよい。本実施
の形態では切刃先端の座標(x0 ,y0 )を読込んだこ
ととする。
【0029】そして、この当接状態で回転軸6の回動を
停止させて回転位置(以下、単に『C座標』という)を
保持した状態で表面処理用電極2と干渉しない位置まで
回転工具1を、ステップS13で表面処理用電極2の左
端の延長線A1 −A1 から離す方向に移動させる。この
とき、図10に示すように、表面処理用電極2からの移
動量をΔyで、回転工具1の切刃先端の座標は、座標
(x1 ,y1 )となる。図11の状態では、表面処理用
電極2の先端面2aに対して、回転工具1の切刃の外周
切刃逃げ角βの大きさだけ刃面、即ち、外周切刃逃げ面
1aが傾斜しており、この状態で表面処理用電極2の先
端面2aに切刃先端を平行移動して放電加工しても、切
刃先端にも改質層19が形成され、切刃先端が丸く鈍っ
てしまう。そこで、ステップS14で、図12に示すよ
うに、回転工具1の切刃の外周切刃逃げ角βの大きさだ
け回転軸6によって回転工具1を回動し、処理する外周
切刃逃げ面1aが表面処理用電極2の先端面2aに平行
に対向するように設定する。なお、この回転工具1の外
周切刃逃げ面1aである外周切刃逃げ角βは、工具直径
Dやその工具を製造したメーカによっても異なる。そこ
で、この外周切刃逃げ角βは再研削時に使用する工具メ
ーカ発行の外周切刃逃げ角表等から求め、右ねじれ刃で
は右回りに、左ねじれ刃では左回りにその外周切刃逃げ
角βを制御回路15に入力して回転軸駆動機構8によっ
て補正する。本実施の形態においては、外周切刃逃げ角
βの回動により、切刃先端の座標は回転工具1は直径D
であることから、座標x1 ,y1 から座標x1 +D(1
−cosβ)とy1 +D×sinβとなる。ここで、y
1 =y0 −Δyとすれば、x1 +D×(1−cos
β),y0 −Δy+D×sinβとなる。
【0030】次に、ステップS15で表面処理用電極2
の直径dに基づき、少なくとも、回転工具1の切刃先端
が表面処理用電極2の先端面2aのエッジと同一または
それよりも外に位置し、形成された改質層19によって
切刃先端が鈍くならないように、回転工具1をy軸方向
へd−(y0−Δy+D×sinβ)だけ移動させる。
これにより、図12に示すように、切刃先端から表面処
理用電極2がはみ出さず、表面処理用電極2の先端面2
aに対して回転工具1の切刃先端を位置決めすることが
できる。ステップS16で回転工具1と表面処理用電極
2の先端面2aとの間隙Δxが位置決めされた後、ステ
ップS17で表面処理用電極2と外周切刃逃げ面1aと
の間で放電を発生させ、ステップS18で実施の形態1
で説明した表面処理用電極2とのZ軸方向の移動とC軸
方向の回動を行い、両者の相対移動により、表面処理用
電極2の放電面と切刃先端処理面が常に同じ位置関係を
維持しながら切刃の全体の刃長Lに沿って外周切刃逃げ
面1aに均一に改質層19を形成する。ステップS19
で回転工具1の切刃の外周切刃逃げ面1aの全体の刃長
Lに均一に改質層19を形成したか判定し、ステップS
20で回転工具1の刃数に応じて所定の角度回動させ、
ステップS21で回転工具1の刃数の回数だけ処理を行
ったか判定し、刃数の回数だけ処理を行っていないと
き、ステップS3からのルーチンの処理に戻り、同様の
操作を繰返す。ステップS21で回転工具1の刃数の回
数だけ処理を行ったと判定したとき、このルーチンを脱
する。
【0031】なお、放電加工エネルギーを大きくして、
切刃先端が加工されるときは、回転工具1をY軸方向へ
移動する際に、図13のように、更に、移動量を多くし
て切刃先端を表面処理用電極2端面からはみ出させるこ
とで放電加工による切刃先端の鈍りを抑制した改質層1
9を形成することができる。また、この表面処理用電極
2の先端面2aに対して回転工具1の切刃先端を位置決
めする位置決め方法は、処理する回転工具1の直径Dが
異なっても外周切刃逃げ角βと刃長L、回転工具直径、
及び、表面処理用電極直径を制御回路15に入力するだ
けで回転工具1に対する表面処理用電極2の自動位置決
めが可能となる。そして、リーマのような切刃が螺旋状
に形成されていない回転工具1に対しても、その刃面に
対して表面処理用電極2の先端面2aに対して位置決め
が可能であり、表面処理用電極2をなぞらせて外周切刃
逃げ面1a、すくい面1bに均一な改質層19を形成す
ることができる。
【0032】実施の形態3.図16は本発明の実施の形
態3の放電加工による表面処理装置の全体構成図であ
る。図において、1は表面処理を施すエンドミルやドリ
ル等の回転工具、2は改質層を形成する成分で形成した
表面処理用電極である。3は表面処理用電極2を保持す
るチャッキング機構、24は回転工具1を保持する図示
されない回転用モータを内蔵する電極保持機構で、回転
工具1と表面処理用電極2とをX軸方向またはY軸方向
に相対移動させるものである。5は表面処理用電極2を
Z軸方向の移動を行う主軸、6は表面処理用電極2の回
転を行う回転軸(C軸)、7は表面処理用電極2と共に
主軸5を上下方向に駆動するZ軸駆動機構、8は回転軸
6を回転させるモータ等からなる回転軸駆動機構、9は
電極保持機構24を固定すると共に放電加工用の加工液
10を収容する加工槽である。また、11はXテーブ
ル、12はYテーブル、13はX軸駆動機構、14はY
軸駆動機構、15は制御回路、16は軌跡移動制御回
路、17は極間検出回路、18は放電加工用電源であ
り、これらは基本的に実施の形態1の構成と相違するも
のではない。なお、回転工具1と表面処理用電極2とを
相対移動させる電極保持機構24及びX軸駆動機構1
3、Y軸駆動機構14は、本実施の形態の相対移動駆動
機構を構成している。
【0033】次に、本実施の形態の放電加工による表面
処理装置の動作について説明する。表面処理用電極2は
チャッキング機構3により保持され、主軸5に取付けら
れる。回転工具1は電極保持機構24に取付けられ回転
動作を行う。更に、電極保持機構24は加工液10が満
たされた加工槽9内に配設され、Xテーブル11とYテ
ーブル12と共に移動する。制御回路15は電極保持機
構24に内蔵する回転用モータを回転制御する。また、
X軸駆動機構13、Y軸駆動機構14を制御し、電極保
持機構24とXテーブル11とYテーブル12の位置を
制御する。表面処理用電極2は回転工具1の切刃の外周
切刃逃げ面1aに対向するように設置され、更に、回転
工具1はXテーブル、Yテーブル、またはXテーブルと
Yテーブルにより、水平方向の移動をも行う。このとき
の水平移動と回転は同期しており、その同期動作は、放
電加工される回転工具1の切刃のねじれに沿って表面処
理用電極2の放電面、即ち、先端面2aが移動するよう
に主軸5のプラス方向の移動量と回転工具1の回転量が
調整される。例えば、ねじれ角θ、刃長L(mm)、直
径D(mm)の右ねじれ刃のエンドミルを表面処理する
場合には、X軸方向への移動量を刃長Lに等しいとすれ
ば、それに対して、{(360°×L×tanθ)/
(π×D)}の割合でマイナス方向に回転させるという
動作を与える。
【0034】なお、X軸プラス方向へエンドミルを移動
させるときは、回転工具1を逆方向に回転させる。これ
により、表面処理用電極2の放電面が、回転工具1の外
周切刃逃げ面1a、すくい面1bとの加工開始前の位置
関係を維持しながら切刃のねじれに沿って外周切刃逃げ
面1a、すくい面1b上を往復移動することになる。極
間検出回路17は表面処理用電極2と回転工具1の位置
関係を接触によって検出し、検出される情報は制御回路
15に送られ、表面処理用電極2の放電面と回転工具1
の外周切刃逃げ面1a、すくい面1bが互いに対向する
ように位置決めに使用される。軌跡移動制御回路16は
処理対象の回転工具1のねじれ角θ、刃長L、直径D、
ねじれ刃の情報(右ねじれ、左ねじれ)及び、移動(移
動)速度、移動回数が入力されると、放電面が外周切刃
逃げ面1aをなぞるような指令を制御回路15に与え、
制御回路15はこの指令に従ってX軸駆動機構13、Y
軸駆動機構14、Z軸駆動機構7及び電極保持機構24
の回転用モータを制御して所望の動作を回転工具1に行
わせる。即ち、この実施の形態では、実施の形態1の表
面処理を施すエンドミルやドリル等の回転工具1、改質
層19を形成する成分で形成した表面処理用電極2の動
作を逆にしたものである。当然、本実施の形態では、放
電加工の電気条件設定の際の電極極性は実施の形態1の
場合と逆になる。
【0035】このようにして、放電部分が加工液10中
に浸漬された状態で、表面処理用電極2を回転工具1の
刃面になぞらせながら、放電加工用電源18により回転
工具1と表面処理用電極2との間に電圧を印加して放電
を発生させることにより回転工具1の外周切刃逃げ面1
aに改質層19を形成する。また、加工槽9内に設置さ
れた表面処理用電極2と回転工具1の処理部分を加工液
10に浸漬させなくても、放電加工部分に加工液10を
吹きかけながら前述の方法で放電加工することによって
も回転工具1の外周切刃逃げ面1a、すくい面1bに改
質層19を形成することができる。
【0036】実施の形態4.図17は本発明の実施の形
態4の放電加工による表面処理装置の全体構成図であ
る。図において、1は表面処理を施すエンドミルやドリ
ル等の回転工具、2は改質層を形成する成分で形成した
表面処理用電極である。3は回転工具1を保持するチャ
ッキング機構、34は表面処理用電極2を保持する図示
されない回転用モータを内蔵する電極保持機構で、表面
処理用電極2と回転工具1とをX軸方向、Y軸方向、Z
軸方向の1軸方向または2軸方向または3軸方向に同時
に相対移動させるものである。なお、本発明を実施する
場合の電極保持機構34は、表面処理用電極2をZ軸方
向に対して直角に保持できるものに限定されるものでは
なく、所定の距離離れてZ軸方向に回動自在なものとす
ることができ、この場合には、回転工具1の外周切刃逃
げ面1aを回転工具1の中心軸に対して所定の角度を持
った外周切刃逃げ面1aとすることができる。5は回転
工具1のZ軸方向の移動を行う主軸、6は回転工具1の
回転を行う回転軸(C軸)、7は回転工具1と共に主軸
5を上下方向に駆動するZ軸駆動機構、8は回転軸6を
回転させるモータ等からなる回転軸駆動機構、9は電極
保持機構34を固定すると共に放電加工用の加工液10
を収容する加工槽である。また、11はXテーブル、1
2はYテーブル、13はX軸駆動機構、14はY軸駆動
機構、15は制御回路、16は軌跡移動制御回路、17
は極間検出回路、18は放電加工用電源であり、これら
は基本的に実施の形態1の構成と相違するものではな
い。なお、回転工具1と表面処理用電極2とを相対移動
させる電極保持機構34及びX軸駆動機構13、Y軸駆
動機構14は、本実施の形態の相対移動駆動機構を構成
している。
【0037】次に、本実施の形態の放電加工による表面
処理装置の動作について説明する。チャッキング機構3
により保持された回転工具1は、回転軸駆動機構8によ
り回転軸6と共に回転し、Z軸駆動機構7により主軸5
と共に上下移動を行う。このとき、上下移動と回転は同
期しており、その同期動作は、放電加工される回転工具
1の切刃のねじれに沿って表面処理用電極2の放電面が
移動するように主軸5の移動量と回転量が設定される。
例えば、ねじれ角θ、刃長L(mm)、直径D(mm)
の右ねじれ刃のエンドミルを表面処理する場合、主軸5
のマイナス方向への刃長Lに相当する移動量に対して、
{(360°×L×tanθ)/(π×D)}の割合で
マイナス方向に回転させるという動作を与える。なお、
主軸5のプラス方向へエンドミルを移動させるときは逆
方向へ回転させる。また、表面処理用電極2は電極保持
機構34に取付けられて回転している。この回転は、放
電加工される回転工具1の回転と異なり、所定の定速回
転を行えばよい。このときの回転速度は、表面処理用電
極2の外周面が均一になる程度の速度で放電に影響を及
さない速度が望ましい。これにより、表面処理用電極2
の放電面、即ち、表面処理用電極2の長さ方向の外周面
が、回転工具1の外周切刃逃げ面1aとの加工開始前の
位置関係を維持しながら切刃のねじれに沿って外周切刃
逃げ面1a上を往復移動される。更に、回転工具1を回
転上下動させながら、表面電極に沿ってその軸方向へ往
復運動させるような相対動作を行う。特に、この実施の
形態では表面処理用電極2を回転させることにより、表
面処理用電極2の磨耗の影響力を少なくでき、かつ、表
面処理用電極2の外周が均一化でき、仕上げ精度を上げ
ることができる。
【0038】このように、放電部分が加工液中に浸漬さ
れた状態で、表面処理用電極2の外周面によって回転工
具1の刃面になぞらせながら、放電加工用電源18によ
り回転工具1と表面処理用電極2との間に電圧を印加し
て放電を発生させることにより、表面処理用電極2の外
周面全体が加工に使用され、表面処理用電極2が部分的
に消耗することが無くなり、回転工具1の外周切刃逃げ
面1aに改質層19が均一に形成できる。また、加工槽
9内に設置された表面処理用電極2と回転工具1の処理
部分を加工液10に浸漬させなくても、放電加工部分に
加工液10を吹きかけながら前述の方法で放電加工する
ことによっても回転工具1の外周切刃逃げ面1a、すく
い面1bに改質層19を形成することができる。また、
表面処理用電極2が電極保持機構34によって所定の角
度傾けることにより、外周切刃逃げ面1aに生成する改
質層19に所定の角度を持たせることができる。この所
定の角度は、重複する説明を省略するが、図14及び図
15のフローチャートのステップS16で設定すればよ
い。
【0039】実施の形態5.図18は本発明の実施の形
態5の放電加工による表面処理装置の全体構成図であ
る。図において、1は表面処理を施すエンドミルやドリ
ル等のエキセントリック刃付けがなされた回転工具、2
Aは改質層を形成する成分で形成した薄い円柱状、即
ち、偏平円柱状の表面処理用電極であり、回転工具1と
の接触により機械的研削処理ができるものである。3は
回転工具1を保持するチャッキング機構、44は表面処
理用電極2Aを保持する図示されない回転用モータを内
蔵する電極保持機構で、表面処理用電極2Aと回転工具
1とをX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の1軸方向または
2軸方向または3軸方向に同時に相対移動させるもので
ある。なお、本発明を実施する場合の電極保持機構44
は、表面処理用電極2AをZ軸方向に対して直角に保持
できるものに限定されるものではなく、所定の距離離れ
てZ軸方向に回動自在なものとすることができ、この場
合には、回転工具1の外周切刃逃げ面1aを回転工具1
の中心軸に対して所定の角度を持った外周切刃逃げ面1
aとすることができる。5は回転工具1のZ軸方向の移
動を行う主軸、6は回転工具1の回転を行う回転軸(C
軸)、7は回転工具1と共に主軸5を上下方向に駆動す
るZ軸駆動機構、8は回転軸6を回転させるモータ等か
らなる回転軸駆動機構、9は電極保持機構44を固定す
ると共に放電加工用の加工液10を収容する加工槽であ
る。また、11はXテーブル、12はYテーブル、13
はX軸駆動機構、14はY軸駆動機構、15は制御回
路、16は軌跡移動制御回路、17は極間検出回路、1
8は放電加工用電源であり、これらは基本的に実施の形
態1の構成と相違するものではない。なお、回転工具1
と表面処理用電極2Aとを相対移動させる電極保持機構
44及びZ軸駆動機構7は、本実施の形態の相対移動駆
動機構を構成している。
【0040】次に、本実施の形態の放電加工による表面
処理装置の動作について説明する。チャッキング機構3
により保持された回転工具1は、回転軸駆動機構8によ
り回転軸6と共に回転し、Z軸駆動機構7により主軸5
と共に上下移動を行う。このとき、上下移動と回転は同
期しており、その同期動作は、放電加工される回転工具
1の切刃のねじれに沿って表面処理用電極2Aの放電面
が移動するように主軸5の移動量とその回転量が設定さ
れる。例えば、ねじれ角θ、刃長L(mm)、直径D
(mm)の右ねじれ刃のエンドミルを表面処理する場
合、主軸マイナス方向への刃長Lに相当する移動量に対
して、{(360°×L×tanθ)/(π×D)}の
割合でマイナス方向に回転させるという動作を与える。
なお、主軸5のプラス方向へエンドミルを移動させると
きは逆方向へ回転させる。表面処理用電極2Aは改質層
19を形成する成分を持った材料が薄い円柱状に成形さ
れており、その中心を回転中心として電極保持機構44
に取付けられ回転する。この回転は、放電加工される回
転工具1の回転と異なり、所定の定速回転を行えばよ
い。この回転速度は、表面処理用電極2Aの外周面が均
一になる程度の速度で放電に影響を及さない速度が望ま
しい。このとき、表面処理用電極2Aの放電面は、回転
工具1の外周切刃逃げ面1aとの加工開始前の位置関係
を維持しながら、切刃のねじれに沿って外周切刃逃げ面
1a上を往復移動する。更に、回転工具1を回転し、か
つ、上下動させながら、表面電極に沿ってその軸方向へ
往復運動させるような相対動作を行う。
【0041】このようにして、放電部分が加工液中に浸
漬された状態で、表面処理用電極2Aを処理刃面になぞ
らせながら、放電加工用電源18により回転工具1と表
面処理用電極2Aとの間に電圧を印加して放電を発生さ
せることにより、径の大きい円板状の表面処理用電極2
Aの全体の外周が加工に使用され、表面処理用電極2A
が部分的に消耗することが無くなり、回転工具1の外周
切刃逃げ面1aにエキセントリック刃付けがなされた改
質層19が均一に形成される。そして、表面処理用電極
2Aを処理刃面に放電が発生しないとき、即ち、極間検
出回路17が接触を検出しているとき、径の大きい円板
状の表面処理用電極2Aにより改質層19が研削され、
回転工具1の外周切刃逃げ面1aにエキセントリック刃
付けがなされた改質層19が均一に形成され、その刃先
の先端が尖鋭になる。なお、加工槽9内に設置された表
面処理用電極2Aと回転工具1の処理部分を加工液10
に浸漬させなくても、放電加工部分に加工液10を吹き
かけながら放電加工することによっても、回転工具1の
外周切刃逃げ面1a、すくい面1bに改質層19を形成
することができる。このときのエキセントリック刃付け
を行う角度は、重複する説明を省略するが、図14及び
図15のフローチャートのステップS16で設定するこ
とになる。
【0042】実施の形態6.図19は本発明の実施の形
態6の放電加工による表面処理装置の要部構成図であ
る。図において、1は表面処理を施すエンドミルやドリ
ル等の回転工具、2Bは改質層を形成する成分で形成し
た表面処理用電極で、所定の厚みのコーン状の形状に形
成されており、回転工具1との接触により機械的研削処
理ができるものである。5は回転工具1のZ軸方向の移
動を行う主軸、54は表面処理用電極2Bを保持する図
示されない回転用モータを内蔵する電極保持機構で、表
面処理用電極2Bと回転工具1とをX軸方向、Y軸方
向、Z軸方向の1軸方向または2軸方向または3軸方向
に同時に相対移動させるものである。なお、本発明を実
施する場合の電極保持機構54は、表面処理用電極2B
をZ軸方向に対して直角に保持できるものに限定される
ものではなく、所定の距離離れてZ軸方向に回動自在な
ものとすることができ、この場合には、回転工具1の外
周切刃逃げ面1aを回転工具1の中心軸に対して所定の
角度を持った外周切刃逃げ面1aとすることができる。
なお、図において省略されているが、機械的構成及び電
気的構成は、基本的に実施の形態1の構成と相違するも
のではない。また、回転工具1と表面処理用電極2Bと
を相対移動させる電極保持機構54及びZ軸駆動機構7
は、本実施の形態の相対移動駆動機構を構成している。
【0043】次に、本実施の形態の放電加工による表面
処理装置の動作について説明する。改質層19を形成す
る成分を持った材料がコーン形状に成形された表面処理
用電極2Bの中心は、回転軸駆動機構8の回転軸に取付
けられている。また、表面処理用電極2Bの回転工具1
に対向する切刃のねじれに沿って表面処理を行う表面処
理用電極2Bの回転環状面の径は、回転工具1の刃長L
よりも長い直径に設定され、表面処理用電極2Bの回転
環状面に回転工具1が1個所のみ近接するように設定さ
れる。一方、回転工具1は、図示しない回転軸駆動機構
8により回転軸6と共に回転し、Z軸駆動機構7により
主軸5と共に上下移動を行う。このとき、回転工具1の
上下移動とその回転は同期しており、その同期動作は、
放電加工される回転工具1の切刃のねじれに沿って表面
処理用電極2Bの回転環状面の放電面が移動するよう
に、主軸5の移動量とその回転量が設定される。更に、
電極保持機構54は加工液10が満たされた加工槽9内
に設置される。極間検出回路17は表面処理用電極2B
と回転工具1の位置関係を接触によって検出し、検出さ
れた情報は制御回路15に送られ、表面処理用電極2B
の側面と回転工具1の外周切刃逃げ面1a、すくい面1
bが互いに対向するように位置決めに使用される。軌跡
移動制御回路16は処理対象の回転工具1のねじれ角
θ、刃長L(mm)、直径D(mm)、ねじれ刃の情報
(右ねじれ、左ねじれ)、移動速度、処理回数が入力さ
れると、右ねじれ刃のエンドミルを表面処理する場合、
主軸マイナス方向への刃長Lに相当する移動量に対し
て、{(360°×L×tanθ)/(π×D)}の割
合でマイナス方向に回転させるという動作を与え、放電
面が切刃逃げ面1aをなぞるような指令を制御回路15
に与え、制御回路15はこの指令に従ってX軸駆動機構
13、Y軸駆動機構14、Z軸駆動機構7及び電極保持
機構54の回転数を制御して所望の回転移動動作を回転
工具1に行わせる。
【0044】このようにして、表面処理用電極2Bと処
理刃面との間に放電を発生させることにより外周切刃逃
げ面1aに改質層19を形成し、表面処理用電極2Bを
処理刃面に放電が発生しないとき、径の大きいコーン状
の表面処理用電極2Bにより改質層19が研削され、回
転工具1の外周切刃逃げ面1aに改質層19が均一に形
成され、その刃先の先端が尖鋭になる。即ち、放電部分
が加工液10の中に浸漬された状態で、表面処理用電極
2Bを回転させながら回転工具1の外周切刃逃げ面1a
に接触させて切刃先端を表面処理用電極2Bで研削、ま
たは、研磨を行う。更に、同時に、表面処理用電極2B
と処理刃面との間に電圧を印加して放電を発生させるこ
とにより外周切刃逃げ面1aに改質層19を形成する。
また、加工槽9内に設置された表面処理用電極2Bと回
転工具1の処理部分を加工液10に浸漬させなくても、
放電加工部分に加工液10を吹きかけながら放電加工す
ることによっても回転工具1の外周切刃逃げ面1aに改
質層19を形成することができる。また、表面処理用電
極2Bの形状はコーン状以外にも円板形のもの、或いは
カップ砥石と同じ形状のものを使用してもよい。また、
電極保持機構54と回転工具1の外周切刃逃げ面1aと
の接触斯を設定することにより、エキセントリック刃付
けがなされた改質層19を均一に形成し、かつ、刃先の
先端を尖鋭にすることができる。なお、このとき、エキ
セントリック刃付けを行う角度は、重複する説明を省略
するが、図14及び図15のフローチャートのステップ
S16で設定することになる。
【0045】実施の形態7.図20は本発明の実施の形
態7の放電加工による表面処理装置の要部構成図であ
る。図において、1は表面処理を施すエンドミルやドリ
ル等のエキセントリック刃付けがなされた回転工具、2
Cは改質層19を形成する成分で形成した表面処理用電
極で、所定の厚みの円板状の形状に形成されており、回
転工具1との接触により機械的研削処理ができるもので
ある。5は回転工具1をZ軸方向の移動を行う主軸、6
4は表面処理用電極2Cを保持する図示されない回転用
モータを内蔵する電極保持機構で、表面処理用電極2C
と回転工具1とをX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の1軸
方向または2軸方向または3軸方向に同時に相対移動さ
せるものである。なお、本発明を実施する場合の電極保
持機構64は、表面処理用電極2CをZ軸方向に対して
直角に保持できるものに限定されるものではなく、所定
の距離離れてZ軸方向に回動自在なものとすることがで
き、この場合には、回転工具1の外周切刃逃げ面1aを
回転工具1の中心軸に対して所定の角度を持った外周切
刃逃げ面1aとすることができる。なお、図において省
略されているが、機械的構成及び電気的構成は、基本的
に実施の形態1の構成と相違するものではない。また、
回転工具1と表面処理用電極2Cとを相対移動させる電
極保持機構64及びZ軸駆動機構7は、本実施の形態の
相対移動駆動機構を構成している。
【0046】次に、本実施の形態の放電加工による表面
処理装置の動作について説明する。チャッキング機構3
にエキセントリック刃付けがなされた回転工具1を取付
ける。実施の形態2に基づき、表面処理用電極2Cと回
転工具1の切刃先端処理面との位置決めを行う。更に、
表面処理用電極2Cはその表面処理用電極2Cの中心線
A−Aと回転工具1の中心線O−Oに対して図20に示
すように、傾斜角αだけ傾けて設置する。この表面処理
用電極2Cの傾斜角αは回転工具1の直径Dにより異な
り、公知の機械研削盤においてエキセントリック刃付け
が形成される角度にすればよい。例えば、回転工具1の
直径Dが10mmのエンドミルでは傾斜角は9度程度と
する。或いは、図20において、tanα=tanβ×
tanθから算出される角度αとしもよい。ただし、β
は外周切刃逃げ角、θはねじれ角である。本実施の形態
の表面処理用電極2Cの上下移動方法に従って、表面処
理用電極2Cが回転工具1の切刃先端をなぞりながら放
電加工し、処理する回転工具1の刃数に応じて同様の処
理を繰返す。この方法により、エキセントリック刃付け
がなされた回転工具1の切刃に対して均一な改質層19
が生成できる。更に、処理対象の回転工具1がその刃形
がフラット刃付けされた回転工具1の場合、前述の手順
で回転工具1の切刃先端と表面処理用電極2Cの位置決
めを行い、実施の形態1の回転工具1と表面処理用電極
2の相対回転移動方法に従って、表面処理用電極2Cが
回転工具1切刃先端をなぞりながら放電加工する。この
とき、放電によって母材、即ち、回転工具1の切刃先端
が除去加工される程度の放電エネルギーで加工を行うこ
とにより、処理刃面に改質層19を形成しつつ、フラッ
ト刃付けの外周切刃逃げ面からエキセントリック刃付け
の外周切刃逃げ面をもつ回転工具1が形成できる。この
処理についても処理対象の回転工具1の刃数に応じて繰
返す。なお、このとき、エキセントリック刃付けを行う
角度αは、重複する説明を省略するが、図14及び図1
5のフローチャートのステップS16で設定することに
なる。
【0047】実施の形態8.図21は本発明の実施の形
態8の放電加工による表面処理装置の全体構成図であ
る。図において、1は表面処理を施すエンドミルやドリ
ル等のエキセントリック刃付けがなされた回転工具、2
Dは改質層を形成する成分で形成した表面処理用電極
で、所定の厚みの円板状の形状に形成されており、回転
工具1との接触により機械的研削処理ができるものであ
る。74は回転工具1を保持する図示されない回転用モ
ータを内蔵する電極保持機構で、表面処理用電極2Dと
回転工具1とをX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の1軸方
向または2軸方向または3軸方向に同時に相対移動させ
るものである。なお、本発明を実施する場合の電極保持
機構74は、表面処理用電極2DをZ軸方向に対して直
角に保持できるものに限定されるものではなく、所定の
距離離れてZ軸方向に回動自在なものとすることがで
き、この場合には、回転工具1の外周切刃逃げ面1aを
回転工具1の中心軸に対して所定の角度を持った外周切
刃逃げ面1aとすることができる。
【0048】なお、3は表面処理用電極2Dを保持する
チャッキング機構、5は表面処理用電極2DをZ軸方向
の移動を行う主軸、6は表面処理用電極2Dの回転を行
う回転軸(C軸)、7は表面処理用電極2Dと共に主軸
5を上下方向に駆動するZ軸駆動機構、8は回転軸6を
回転させるモータ等からなる回転軸駆動機構、9は電極
保持機構74を固定すると共に放電加工用の加工液10
を収容する加工槽、11はXテーブル、12はYテーブ
ル、13はX軸駆動機構、14はY軸駆動機構、15は
制御回路、16は軌跡移動制御回路、17は極間検出回
路、18は放電加工用電源であり、これらは基本的に実
施の形態7の構成と相違するものではない。また、回転
工具1と表面処理用電極2Dとを相対移動させる電極保
持機構74及びZ軸駆動機構7は、本実施の形態の相対
移動駆動機構を構成している。
【0049】次に、本実施の形態の放電加工による表面
処理装置の動作について説明する。チャッキング機構3
に改質層19を形成する成分からなり、所定の厚みの円
板状の形状に表面処理用電極2Dを取付ける。図示され
ない回転用モータを内蔵する電極保持機構74で、エキ
セントリック刃付けがなされた回転工具1を取付ける。
そして、回転工具1と表面処理用電極2Dの切刃先端処
理面との位置決めを行う。このとき、回転工具1はその
回転工具1の中心線O−O(図20参照)と表面処理用
電極2Dの中心線A−A(図20参照)に対して、所定
の傾斜角だけ傾けて設置する。この回転工具1の傾斜角
は、回転工具1の直径Dにより異なる。或いは、図20
に示すように、tanα=tanβ×tanθから算出
される角度αとしもよい。ただし、βは外周切刃逃げ
角、θはねじれ角である。実施の形態1の回転工具1の
上下移動方法に従って、表面処理用電極2Dで回転工具
1の切刃先端をなぞりながら放電加工し、処理する回転
工具1の刃数に応じて同様の処理を繰返す。この方法に
より、エキセントリック刃付けがなされた表面処理用電
極2Dの切刃に対して均一な改質層19が形成できる。
更に、処理対象の回転工具1の刃形がフラット刃付けさ
れた回転工具1の場合、前述の手順で回転工具1の切刃
先端と表面処理用電極2Dの位置決めを行い、実施の形
態1の表面処理用電極2と回転工具1の相対回転移動方
法に従って、表面処理用電極2Dが回転工具1の切刃先
端をなぞりながら放電加工する。このとき、放電によっ
て母材、即ち、回転工具1の切刃先端が除去加工される
程度の放電エネルギーで加工を行うことにより、処理刃
面に改質層19を形成しつつ、フラット刃付けの外周切
刃逃げ面1aからエキセントリック刃付けの外周切刃逃
げ面1aをもつ回転工具1が形成できる。この処理を処
理対象の回転工具1の刃数に応じて繰返す。なお、この
とき、エキセントリック刃付けを行う角度αは、重複す
る説明を省略するが、図14及び図15のフローチャー
トのステップS16で設定することになる。
【0050】実施の形態9.図22は本発明の実施の形
態9の放電加工による表面処理装置の全体構成図であ
る。図において、1は表面処理を施すエンドミルやドリ
ル等のエキセントリック刃付けがなされた回転工具、2
Eは改質層19を形成する成分で形成した表面処理用電
極で、所定の長さの円柱状に形成されており、回転工具
1との接触により機械的研削処理ができるものである。
84は表面処理用電極2Eを保持する図示されない回転
用モータを内蔵する電極保持機構で、表面処理用電極2
Eと回転工具1とをX軸方向、Y軸方向、Z軸方向の1
軸方向または2軸方向または3軸方向に同時に相対移動
させるものである。電極保持機構84はZ軸方向に回動
自在なものである。回転工具1の外周切刃逃げ面1aを
回転工具1の中心軸に対して所定の角度を持った外周切
刃逃げ面1aとすることができる。なお、3は回転工具
1を保持するチャッキング機構、5は回転工具1をZ軸
方向の移動を行う主軸、6は回転工具1の回転を行う回
転軸(C軸)、7は回転工具1と共に主軸5を上下方向
に駆動するZ軸駆動機構、8は回転軸6を回転させるモ
ータ等からなる回転軸駆動機構、9は電極保持機構84
を固定すると共に放電加工用の加工液10を収容する加
工槽、11はXテーブル、12はYテーブル、13はX
軸駆動機構、14はY軸駆動機構、15は制御回路、1
6は軌跡移動制御回路、17は極間検出回路、18は放
電加工用電源であり、これらは基本的に実施の形態1の
構成と相違するものではない。また、回転工具1と表面
処理用電極2Eとを相対移動させる電極保持機構84及
びZ軸駆動機構7は、本実施の形態の相対移動駆動機構
を構成している。
【0051】次に、本実施の形態の放電加工による表面
処理装置の動作について説明する。図示されない回転用
モータを内蔵する電極保持機構で表面処理用電極2Eを
保持し、表面処理用電極2Eを傾斜角度αの仰角に設定
する。即ち、表面処理用電極2Eはその中心線A−Aと
回転工具1の中心線O−Oに対して図22に示すよう
に、傾斜角αだけ傾けて設置する。そして、チャッキン
グ機構3にエキセントリック刃付けがなされた回転工具
1を取付ける。実施の形態2に基づき、表面処理用電極
2Eと回転工具1の切刃先端処理面との位置決めを行
う。この表面処理用電極2Eの傾斜角αは、回転工具1
の直径Dにより異なり、公知の機械研削盤においてエキ
セントリック刃付けが形成される角度にすればよい。例
えば、回転工具1の直径Dが10mmのエンドミルでは
傾斜角は9度程度とする。或いは、図22において、t
anα=tanβ×tanθから算出される傾斜角αと
しもよい。ただし、βは外周切刃逃げ角、θはねじれ角
である。実施の形態1の表面処理用電極2Eの上下移動
方法に従って、表面処理用電極2Eが回転工具1の切刃
先端をなぞりながら放電加工し、処理する回転工具1の
刃数に応じて同様の処理を繰返す。この方法により、エ
キセントリック刃付けがなされた回転工具1の切刃に対
して均一な改質層19が形成できる。更に、処理対象の
回転工具1がその刃形がフラット刃付けされた回転工具
1の場合、前述の手順で回転工具1の切刃先端と表面処
理用電極2Eの先端面2aとの位置決めを行い、実施の
形態1の回転工具1と表面処理用電極2の先端面2aと
の相対回転移動方法に従って、表面処理用電極2Eが回
転工具1の切刃先端をなぞりながら放電加工する。この
とき、放電によって母材、即ち、回転工具1の切刃先端
が除去加工される程度の放電エネルギーで加工を行うこ
とにより、処理刃面に改質層19を形成しつつ、フラッ
ト刃付け外周切刃逃げ面からエキセントリック刃付けの
外周切刃逃げ面1aをもつ回転工具1が形成できる。こ
の処理を処理対象の回転工具1の刃数に応じて繰返す。
なお、このとき、エキセントリック刃付けを行う角度α
は、重複する説明を省略するが、図14及び図15のフ
ローチャートのステップS16で設定することになる。
【0052】実施の形態10.図23は本発明の実施の
形態10の放電加工による表面処理装置の要部構成図で
ある。図において、1は表面処理を施すエンドミルやド
リル等の回転工具、2は改質層を形成する成分で形成し
た表面処理用電極で、所定の長さの円柱状に形成されて
いる。4は表面処理用電極2を保持する電極保持機構
で、表面処理用電極2と回転工具1とをX軸方向、Y軸
方向、Z軸方向の1軸方向または2軸方向または3軸方
向に同時に相対移動させるものである。26は表面処理
を施すエンドミルやドリル等の回転工具1の刃数にねじ
れ溝1cの形状に合致した突部を有し、回転工具1の刃
部のすくい角1bの面に密着して挿着される補助部材で
ある。補助部材26は、表面処理を施すエンドミルやド
リル等の回転工具1にねじれを有しない場合には、ねじ
れ溝1cの形状が直線状となる溝に合致した突部を有
し、回転工具1の刃部のすくい角1bの面に密着して挿
着されるものとなる。補助部材26を表面処理を施すエ
ンドミルやドリル等の回転工具1のねじれ溝1cに挿着
した状態では、切刃逃げ面1aに連続した面を形成す
る。なお、図において省略されているが、機械的構成及
び電気的構成は、基本的に実施の形態1の構成と相違す
るものではない。
【0053】次に、本実施の形態の放電加工による表面
処理装置の動作について説明する。まず、前述の実施の
形態のチャッキング機構3により回転工具1を保持す
る。この回転工具1のねじれ溝1cに対し、補助部材2
6を挿着し、補助部材26の外周面によって回転工具1
の切刃逃げ面1aに連続した面を形成する。そして、チ
ャッキング機構3により保持された回転工具1及び補助
部材26は、回転軸駆動機構8により回転軸6と共に回
転し、Z軸駆動機構7により主軸5と共に上下移動を行
う。このとき、上下移動と回転は同期しており、その同
期状態は、放電加工される回転工具1の切刃のねじれ角
θに沿って表面処理用電極2の放電面が移動するように
主軸移動量とその回転量が設定されている。例えば、ね
じれ角θ、刃長L(mm)、直径D(mm)の右ねじれ
刃のエンドミルを表面処理する場合、主軸マイナス方向
への移動量、即ち、エンドミルの先端からチャッキング
機構3の方向の刃長Lに相当する移動量とするとき、
{(360°×L×tanθ)/(π×D)}との一定
の割合でマイナス方向に右回転させるという関係を維持
する。このとき、表面処理用電極2の放電面が、回転工
具1の外周切刃逃げ面1aとの加工開始前の位置関係を
維持しながら切刃のねじれに沿って外周切刃逃げ面1a
上を移動することになるが、表面処理用電極2の先端面
2aと回転工具1の切刃逃げ面1aとの関係において
は、表面処理用電極2の先端面2aが回転工具1の切刃
逃げ面1aの切刃先端を越えて対向するようにする。
【0054】このようにして、放電部分が加工液10中
に浸漬された状態で、表面処理用電極2を処理刃面にな
ぞらせながら、放電加工用電源18により回転工具1と
表面処理用電極2との間に電圧を印加して放電を発生さ
せることにより回転工具1の外周切刃逃げ面1aに改質
層19を形成することができる。このとき、図23のよ
うに、補助部材26を外周切刃逃げ角βと面一になるよ
うにすくい面1bに密着させているから、表面処理用電
極2の先端面2aと刃面との間で放電加工して、改質層
19を形成した後、補助部材26を取除くと、放電によ
る切刃先端の鈍りを生じさせず、回転工具1の切刃逃げ
面1aの切刃先端面まで改質層19を形成することがで
きる。また、すくい角1b側からみれば、すくい角1b
にも改質層19を形成することになる。即ち、表面処理
用電極2の電極放電面が切刃先端よりはみ出しても、回
転工具1の切刃先端部分に対する放電集中を減少させる
から、切刃先端形状の鈍り等を抑えることができる。な
お、上記各実施の形態の相対移動駆動機構は、回転工具
1と表面処理用電極2とを相対移動させる回転軸駆動機
構8及びZ軸駆動機構7からなるものであるが、本発明
を実施する場合には、表面処理用電極2を保持する電極
保持機構4との相対的に移動できるように制御できれば
よい。
【0055】ところで、上記各実施の形態の放電加工に
よる表面処理装置は、回転工具1と表面処理用電極2と
の相対移動は、回転工具1の切刃のねじれ角θ、改質層
19を生成する刃長L、工具直径Dとするとき、回転工
具1の軸方向の前記刃長分の送りに対して(360×L
×tanθ)/(π×D)の回転関係を維持することに
よって、回転工具1の切刃と表面処理用電極2とを相対
移動させるものであるが、回転工具1をその軸方向の移
動速度よりも回転速度を速くし、回転工具1の外周切刃
逃げ面1aが対向したときのみ放電加工することもでき
る。また、回転工具1の外周をその長さ方向に繰返し、
平行移動させて、放電加工することもできる。即ち、上
記各実施の形態の放電加工による表面処理装置は、回転
工具1の切刃に改質材料からなる表面処理用電極2,2
A〜2Eによって改質層19を生成する放電加工による
表面処理装置において、回転工具1との間の放電によ
り、回転工具1の切刃に改質層19を生成する改質材料
からなる表面処理用電極2と、回転工具1を回転させ、
回転工具1の切刃に対向するように、回転工具1と表面
処理用電極2とを相対移動させる回転軸駆動機構8及び
Z軸駆動機構7、または電極保持機構24及びX軸駆動
機構13、Y軸駆動機構14、または電極保持機構34
及びX軸駆動機構13、Y軸駆動機構14、または電極
保持機構44及びZ軸駆動機構7、または電極保持機構
54及びZ軸駆動機構7、または電極保持機構64及び
Z軸駆動機構7、または電極保持機構74及びZ軸駆動
機構7、または電極保持機構84及びZ軸駆動機構7か
らなる相対移動駆動機構と、回転工具1の切刃と表面処
理用電極2との間に電圧を印加する放電加工用電源18
とを具備する構成として実施できる。
【0056】この構成を採用することによって、回転工
具1の切刃に改質材料からなる表面処理用電極2によっ
て改質層19を生成する放電加工による表面処理方法に
おいて、回転工具1の切刃に沿って表面処理用電極2を
対向させ、回転工具1と表面処理用電極2を相対移動さ
せ、かつ、回転工具1の切刃と表面処理用電極2との間
に放電を発生させ、回転工具1の切刃に改質層19を生
成する方法を採用することができる。したがって、回転
工具1を回転させ、回転工具1の切刃に対向するよう
に、回転工具1と表面処理用電極2とを相対移動させる
回転軸駆動機構8及びZ軸駆動機構7からなる相対移動
駆動機構によって相対移動させ、放電加工用電源18に
より回転工具1と表面処理用電極2との間に電圧を印加
して放電を発生させることにより回転工具1の外周切刃
逃げ面1a、すくい面1bに改質層19を形成すること
ができる。このとき、改質層19を回転工具1の切刃先
端に均一に形成でき、放電加工のみで工具寿命を大幅に
向上させ、かつ、切刃の切れ味を向上させることができ
る。
【0057】また、上記各実施の形態の放電加工による
表面処理装置は、回転工具1の切刃に改質材料からなる
表面処理用電極2によって改質層19を生成する放電加
工による表面処理装置において、回転工具1との間の放
電により、回転工具1の切刃に改質層19を生成する改
質材料からなる表面処理用電極2と、回転工具1を回転
させ、回転工具1の切刃に対向するように、回転工具1
と表面処理用電極2とを相対移動させる回転軸駆動機構
8及びZ軸駆動機構7からなる相対移動駆動機構と、回
転工具1の切刃と表面処理用電極2との間に電圧を印加
する放電加工用電源18と、回転工具1と表面処理用電
極2との間の極間電圧を検出する極間検出回路17と、
極間検出回路17の出力によって、回転工具1の切刃と
表面処理用電極2との間に発生する放電を制御する制御
回路15とを具備する構成として実施できる。この構成
を採用することによって、表面処理用電極2と回転工具
1の切刃の切刃先端との相対的な位置を検出し、回転工
具1の外周切刃逃げ角βとすくい角γとの何れか1つ以
上と表面処理用電極2の直径Dとを補正の情報として位
置補正し、回転工具1と表面処理用電極2の位置を決定
し、表面処理用電極2を回転工具1の切刃に沿って対向
させて回転工具1と表面処理用電極2を相対移動させ、
回転工具1の切刃と表面処理用電極2との間に放電を発
生させ、回転工具1の切刃に改質層19を生成する制御
を行う方法を採用することができる。即ち、先ず、処理
対象の回転工具1の切刃先端と表面処理材料を円柱、角
柱電極等の単純形状に成形した表面処理用電極2との位
置決めを行い、処理切刃先端と表面処理用電極2との接
触状態を検知することにより、切刃先端処理面と表面処
理用電極2の放電面との位置関係を検出し、切刃先端処
理面と表面処理用電極2の放電面が所定の位置関係にな
るように互いの位置を自動的に修正する。その後、螺旋
状または直線状の切刃に対して、表面処理用電極2を刃
面になぞらせるようにしながら放電加工面を一定速度で
移動させることにより回転工具1の切刃全長に改質層1
9を形成する。したがって、回転工具1を回転させ、回
転工具1の切刃に対向するように、回転工具1と表面処
理用電極2とを相対移動させる例えば、回転軸駆動機構
8及びZ軸駆動機構7等からなる相対移動駆動機構によ
って相対移動させ、放電加工用電源18により回転工具
1と表面処理用電極2との間に電圧を印加して放電を発
生させることにより回転工具1の外周切刃逃げ面1a、
すくい面1bに改質層19を形成することができる。特
に、制御回路15は極間検出回路17の出力によって、
回転工具1の切刃と表面処理用電極2との間に発生する
放電を制御するものであるから、安定した放電が維持で
き、回転工具1の外周切刃逃げ面1a、すくい面1bに
改質層19を均一化できる。
【0058】上記実施の形態3乃至実施の形態9は、回
転工具1の切刃に改質材料からなる表面処理用電極2に
よって改質層19を生成する放電加工による表面処理方
法において、表面処理用電極2を円板形状或いはコーン
形状とし、表面処理用電極2と回転工具1の切刃の切刃
先端との相対的な位置を検出し、回転工具1の外周切刃
逃げ角βとすくい角γとの何れか1つ以上と表面処理用
電極2の直径dとを補正の情報として位置補正し、回転
工具1と表面処理用電極2の位置を決定し、円板形状の
表面処理用電極2を回転させながら、回転工具1の切刃
に沿って対向させて回転工具1と表面処理用電極2を相
対移動させ、回転工具1の切刃と表面処理用電極2との
間に放電を発生させ、回転工具1の切刃に改質層19を
生成すると共に、表面処理用電極2を使用する研削加工
により回転工具1の切刃の切刃先端形状を鋭利に成形す
るものである。
【0059】したがって、表面処理用電極2と回転工具
1との放電加工を行う最適位置を自動設定でき、自動で
表面処理用電極2を処理刃面になぞらせながら、回転工
具1と表面処理用電極2との間に電圧を印加して放電を
発生させることにより回転工具1の切刃に改質層19を
形成することができ、改質層19を工具切刃先端に均一
に形成でき、かつ、切刃の切れ味を向上させ、放電加工
のみで工具寿命を大幅に向上させる。また、回転工具1
の切刃に形成した改質層19を更に切削することにより
回転工具1の切刃の切刃先端形状を鋭利に成形すること
ができる。そして、回転工具1または表面処理用電極2
の一方を固定し、他方を移動するものであるから、従来
の型彫放電加工機がそのまま使用でき、かつ、回転工具
1の回転上下動作により、直線または螺旋溝状に形成さ
れた回転工具1の外周切刃逃げ面1aに対して切刃をな
ぞりながら加工を行うものであるから、その処理機構を
簡単化できる。更に、表面処理用電極2と回転工具1の
切刃先端との接触検知により、その相対位置関係を検出
して所定の位置関係に位置決めするようにしたため、表
面処理用電極2や処理対象回転工具1が変化しても対処
でき、表面処理用電極2と回転工具1の切刃先端との接
触検知により、その相対位置関係を検出して所定の位置
関係になるように補正するようにしたため、位置設定に
ばらつきがなく、処理結果のばらつきを抑えることがで
きる。
【0060】上記実施の形態4乃至実施の形態9は、回
転工具1の切刃に改質材料からなる表面処理用電極2に
よって改質層19を生成する放電加工による表面処理方
法において、表面処理用電極2の放電面と回転工具1の
切刃の外周切刃逃げ面1aとのなす角αを回転工具1の
外周切刃逃げ面1aにエキセントリック刃付けが生成さ
れる角度とし、回転工具1の切刃に沿って表面処理用電
極2と回転工具1の切刃とが相対的に移動しながら、回
転工具1の切刃と表面処理用電極2との間に放電を発生
させ、回転工具1のエキセントリック刃付けされた外周
切刃逃げ面1aに対して改質層19を生成するものであ
る。したがって、エキセントリック刃付けされた回転工
具1と表面処理用電極2との間に電圧を印加して放電を
発生させることにより回転工具1の切刃に改質層19を
形成することができ、放電加工のみで回転工具1の特性
に合致した改質が可能であり、工具寿命を大幅に向上さ
せる改質層19を工具切刃先端に均一に形成でき、か
つ、切刃の切れ味を向上させる。そして、回転工具1ま
たは表面処理用電極2の一方を固定し、他方を移動する
ものであるから、従来の型彫放電加工機がそのまま使用
でき、かつ、回転工具1の回転上下動作により、直線ま
たは螺旋溝状に形成された回転工具1の外周切刃逃げ面
1aに対して切刃をなぞりながら加工を行うものである
から、その処理機構を簡単化できる。
【0061】上記実施の形態4乃至実施の形態9は、回
転工具1の切刃に改質材料からなる表面処理用電極2に
よって改質層19を生成する放電加工による表面処理方
法において、表面処理用電極2の放電面と回転工具1の
切刃の外周切刃逃げ面1aとのなす角を回転工具1の外
周切刃逃げ面にエキセントリック刃付けが生成される角
度とし、回転工具1の切刃に沿って表面処理用電極2と
回転工具1の切刃とが相対的に移動しながら、回転工具
1の切刃と表面処理用電極2との間に放電を発生させ、
回転工具1の母材が加工される程度の放電エネルギーで
放電加工を行うことにより、回転工具1の外周切刃逃げ
面1aに改質層19を生成し、かつ、外周切刃逃げ面1
aにエキセントリック刃付けを生成するものである。し
たがって、エキセントリック刃付けされていない回転工
具1と表面処理用電極2との間に電圧を印加して放電を
発生させることにより回転工具1の切刃にエキセントリ
ック刃付けされた改質層19を形成することができ、放
電加工のみで回転工具1の特性を改善でき、かつ、工具
寿命を大幅に向上させる改質層19を工具切刃先端に均
一に形成でき、かつ、切刃の切れ味を向上させることが
できる。特に、回転工具1の母材をも加工する放電エネ
ルギーで放電加工することにより、機械式研削装置を使
用せずに外周切刃逃げ面がフラット刃付けの刃部からエ
キセントリック刃付けを形成でき、再研削コスト等を低
減させることができる。また、回転工具1または表面処
理用電極2の一方を固定し、他方を移動するものである
から、従来の型彫放電加工機がそのまま使用でき、か
つ、回転工具の回転上下動作により、直線または螺旋溝
状に形成された回転工具1の外周切刃逃げ面に対して切
刃をなぞりながら加工を行うものであるから、その処理
機構を簡単化できる。即ち、回転工具1を構成する母材
をも加工する電気条件で加工するようにしたため、機械
式研削機構を使用せずに外周切刃逃げ面がフラット刃付
けの刃部からエキセントリック刃付けを形成できる。
【0062】上記実施の形態10は、回転工具1の切刃
に改質材料からなる表面処理用電極2によって改質層1
9を生成する放電加工による表面処理方法において、回
転工具1の切刃の外周切刃逃げ面1aと面一で、かつ、
すくい面1bに対して密に接合する補助部材26を取付
けた状態で、回転工具1の切刃及び補助部材26と改質
材料からなる表面処理用電極2との間に放電を発生させ
ると共に、回転工具1の切刃に沿って表面処理用電極2
を相対的に移動することにより、外周切刃逃げ面1aに
改質層19を生成し、その後、補助部材26を除去する
ものである。したがって、処理切刃先端に対して補助部
材26をあてることにより、放電による切刃先端の鈍り
を生じさせないようにしているので、処理する回転工具
1の切れ味を低下させずに工具寿命を延長させることが
できる。
【0063】上記各実施の形態は、回転工具1の切刃に
改質材料からなる表面処理用電極2によって改質層19
を生成する放電加工による表面処理方法において、回転
工具1と表面処理用電極2との相対移動は、回転工具1
の切刃のねじれ角θ、改質層を生成する刃長L、工具直
径Dとするとき、回転工具の軸方向の刃長分の送りに対
して(360×L×tanθ)/(π×D)の回転関係
を維持することによって、前記回転工具の切刃と前記表
面処理用電極とを相対移動させるものである。処理対象
の回転工具1のねじれ角θ、刃長L、直径D、刃のねじ
れ方向から回転工具1の処理面と表面処理用電極2の相
対的な軌跡が得られるから、その軌跡生成を容易にする
ことができる。また、表面処理用電極面2と回転工具1
の処理面が一定速度で移動するから、処理面の放電加工
状態のばらつきが減少し、回転工具逃げ面1aに生成さ
れる改質層19の膜厚さ、面粗さ等を均一にできる。ま
た、処理する回転工具1のねじれ角θと刃長L等を軌跡
生成のデータとしているため、螺旋状の切刃を持たない
回転工具1に対しても対応できる。
【0064】上記実施の形態1乃至実施の形態3等の回
転工具1の切刃に改質層19を生成する表面処理用電極
2は、表面処理用電極2を回転工具1の切刃に対向する
特定角度に固定したものであるから、表面処理用電極2
を保持する機構を最も単純化することができる。
【0065】上記実施の形態4乃至実施の形態9等の放
電加工による表面処理装置は、回転工具1の切刃に改質
層19を生成する表面処理用電極2は、表面処理用電極
2を回転工具1の切刃に対向させ、かつ、その傾斜角α
を設定できるものであるから、回転工具1の処理切刃面
に対して表面処理用電極2の設置角度を自由に設定で
き、切刃の外周切刃逃げ面1aがフラット刃付けまたは
エキセントリック刃付けの回転工具1に対しても対応で
きる。
【0066】上記実施の形態4乃至実施の形態9等の放
電加工による表面処理装置は、回転工具1の切刃に改質
層19を生成する表面処理用電極2は、表面処理用電極
2を回転させるものであるから、表面処理用電極2を回
転させることにより、表面処理用電極2の放電加工によ
る磨耗の影響力を少なくでき、かつ、表面処理用電極2
の外周が均一化でき、仕上げ精度を上げることができ
る。逆に、機械的研削を行わせたり、エキセントリック
刃付けを行うことができる。そして、処理面の放電加工
状態のばらつきが減少し、回転工具1の外周切刃逃げ面
に生成される改質層19の膜厚さや面粗さ等を均一にで
きる。
【0067】なお、上記実施の形態において、切削、放
電の連続プロセスを維持するためには、回転切削工具1
の相対移動速度(送り速度)の制御が重要となる。即
ち、通常の放電加工においては、短絡等の発生時におい
て電極移動軌跡を後退させる(短絡バック)制御が行わ
れるが、この放電加工による表面処理においては、短絡
は切削動作により解消されるため、短絡バックを頻繁に
行う必要がない。むしろ、電極後退動作を行いすぎると
放電加工が主体となるため、切削による極間の改質材粉
末の濃度が低下し、表面改質効果が低下する可能性があ
る。即ち、この放電加工による表面処理においては、切
削加工と放電加工が適当な比率にて行われるよう、電極
後退の比率や電極送り速度の制御を行うのが望ましい。
このため、極間検出回路17は極間における極間電圧を
検出し、この平均電圧から極間における放電周波数、即
ち、放電加工量に相当する量を検出する。制御回路15
はこの結果及び現在の工具送り速度から放電加工と切削
加工の比率を求め、この比率が適当な値に維持されるよ
う工具送り速度を変更制御する。また、工具送り速度を
変更し、切削加工と放電加工の比率を変化させることに
より、改質層19の厚みを変化させることができる。即
ち、処理の初期においては送り速度を高くとることによ
り厚い改質層を形成し、最終仕上げ処理として送り速度
を低下させることにより改質層を薄く均一に仕上ること
が可能となる。放電の安定度は、回転工具1の回転速度
による影響を受けるから、回転速度が高くなり過ぎる
と、極間の放電パルスの期間中における放電点が移動す
るため放電アークの維持が困難となり、放電の効率が低
下する。即ち、回転速度が高いほど切削効率は増大する
のに対して、放電効率は低下し、切削加工の比率が増大
する。一方、回転速度が低くなると逆に切削効率は低下
し、放電効率が増大するから、回転速度によっても、放
電加工と切削加工の比率を変化させることができる。同
一回転速度の場合にも工具直径によって周速が異なるた
め、工具直径に応じて適正な回転速度に制御することが
望ましい。
【0068】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1の放電加
工による表面処理方法は、回転工具の切刃に沿って改質
材料からなる表面処理用電極を対向させ、前記回転工具
と前記表面処理用電極を相対移動させ、かつ、前記回転
工具の切刃と前記表面処理用電極との間に放電を発生さ
せ、前記回転工具の切刃に改質層を生成するものである
から、表面処理用電極を処理刃面になぞらせながら、回
転工具と表面処理用電極との間に電圧を印加して放電を
発生させることにより回転工具の切刃に改質層を形成す
ることができ、放電加工のみで工具寿命を大幅に向上さ
せる改質層を工具切刃先端に均一に形成でき、かつ、切
刃の切れ味を向上させることができる。また、回転工具
または表面処理用電極の一方を固定し、他方を移動する
ものであるから、従来の型彫放電加工機がそのまま使用
でき、かつ、回転工具の回転上下動作により、直線また
は螺旋溝状に形成された回転工具の外周切刃逃げ面に対
して切刃をなぞりながら加工を行うものであるから、そ
の処理機構を簡単化することができる。更に、表面処理
用電極面が回転工具の切刃に対して均一に対向するよう
に設置し、回転工具の処理面が一定速度で移動すること
により、処理面の放電加工状態のばらつきが減少し、回
転工具の外周切刃逃げ面に生成される改質層の膜厚さ、
面粗さ等を均一にできる。表面処理用電極面が回転工具
の切刃に対してのみ改質層を形成するようにしたため、
回転工具1本毎の処理速度を大幅に短縮でき、かつ、表
面処理用電極が回転工具の切刃を移動することによって
改質層を形成できることから、表面処理用電極を無駄に
消耗せず、改質層の生成に有効に使用できる効果があ
る。
【0069】請求項2の放電加工による表面処理方法
は、改質材料からなる表面処理用電極と回転工具の切刃
の切刃先端との相対的な位置を検出し、前記回転工具の
外周切刃逃げ角とすくい角との何れか1つ以上と前記表
面処理用電極の直径とを補正の情報として位置補正し、
前記回転工具と前記表面処理用電極の位置を決定し、前
記表面処理用電極を前記回転工具の切刃に沿って対向さ
せて前記回転工具と前記表面処理用電極を相対移動さ
せ、前記回転工具の切刃と前記表面処理用電極との間に
放電を発生させ、前記回転工具の切刃に改質層を生成す
るものである。したがって、表面処理用電極と回転工具
との放電加工を行う最適位置を自動設定でき、自動で表
面処理用電極を処理刃面になぞらせながら、回転工具と
表面処理用電極との間に電圧を印加して放電を発生させ
ることにより回転工具の切刃に改質層を形成することが
でき、放電加工のみで工具寿命を大幅に向上させる改質
層を工具切刃先端に均一に形成でき、かつ、切刃の切れ
味を向上させることができる。また、表面処理用電極と
回転工具切刃先端との接触検知により、その相対位置関
係を検出して所定の位置関係に位置決めするようにした
ため、表面処理用電極や処理対象回転工具が変化しても
対処でき、表面処理用電極と回転工具切刃先端との接触
検知により、その相対位置関係を検出して所定の位置関
係になるように補正するため、位置設定にばらつきがな
く、処理結果のばらつきを抑えることができる。更に、
表面処理用電極面が回転工具の切刃に対して均一に対向
するように設置し、回転工具の処理面が一定速度で移動
することにより、処理面の放電加工状態のばらつきが減
少し、回転工具の外周切刃逃げ面に生成される改質層の
膜厚さ、面粗さ等を均一にできる。表面処理用電極面が
回転工具の切刃に対してのみ改質層を形成するようにし
たため、回転工具1本毎の処理速度を大幅に短縮でき、
かつ、表面処理用電極が回転工具の切刃を移動すること
によって改質層を形成することから、表面処理用電極を
無駄に消耗せず、改質層の生成に有効に使用できる効果
がある。
【0070】請求項3の放電加工による表面処理方法
は、改質材料からなる表面処理用電極を円板形状とし、
前記表面処理用電極と回転工具の切刃の切刃先端との相
対的な位置を検出し、前記回転工具の外周切刃逃げ角と
すくい角との何れか1つ以上と前記表面処理用電極の直
径とを補正の情報として位置補正し、前記回転工具と前
記表面処理用電極の位置を決定し、前記円板形状の表面
処理用電極を回転させながら、前記回転工具の切刃に沿
って対向させて前記回転工具と前記表面処理用電極を相
対移動させ、前記回転工具の切刃と前記表面処理用電極
との間に放電を発生させ、前記回転工具の切刃に改質層
を生成すると共に、前記表面処理用電極を使用して研削
加工するものである。したがって、表面処理用電極と回
転工具との放電加工を行う最適位置を自動設定でき、自
動で表面処理用電極を処理刃面になぞらせながら、放電
加工のみで工具寿命を大幅に向上させる改質層を工具切
刃先端に均一に形成でき、かつ、切刃の切れ味を向上さ
せ、放電加工のみで工具寿命を大幅に向上させる。ま
た、回転工具の切刃に形成した改質層を更に切削するこ
とにより前記回転工具の切刃の切刃先端形状を鋭利に成
形することができる。更に、表面処理用電極と回転工具
切刃先端との接触検知により、その相対位置関係を検出
して所定の位置関係に位置決めするようにしたため、表
面処理用電極や処理対象回転工具が変化しても対処で
き、表面処理用電極と回転工具切刃先端との接触検知に
より、その相対位置関係を検出して所定の位置関係にな
るように補正するようにしたため、位置設定にばらつき
がなく、処理結果のばらつきを抑えることができる効果
がある。
【0071】請求項4の放電加工による表面処理方法
は、改質材料からなる表面処理用電極の放電面と回転工
具の切刃の外周切刃逃げ面とのなす角を前記回転工具の
外周切刃逃げ面にエキセントリック刃付けが生成される
角度とし、前記回転工具の切刃に沿って前記表面処理用
電極と前記回転工具の切刃とが相対的に移動しながら、
前記回転工具の切刃と前記表面処理用電極との間に放電
を発生させ、前記回転工具のエキセントリック刃付けさ
れた外周切刃逃げ面に対して改質層を生成するものであ
る。したがって、エキセントリック刃付けされた回転工
具と表面処理用電極との間に電圧を印加して放電を発生
させることにより回転工具の切刃に改質層を形成するこ
とができ、放電加工のみで回転工具の特性に合致した改
質が可能であり、工具寿命を大幅に向上させる改質層を
工具切刃先端に均一に形成でき、かつ、切刃の切れ味を
向上させることができる。
【0072】請求項5の放電加工による表面処理方法
は、改質材料からなる表面処理用電極の放電面と回転工
具の切刃の外周切刃逃げ面とのなす角を前記回転工具の
外周切刃逃げ面にエキセントリック刃付けが生成される
角度とし、前記回転工具の切刃に沿って前記表面処理用
電極と前記回転工具の切刃とが相対的に移動しながら、
前記回転工具の切刃と前記表面処理用電極との間に放電
を発生させ、前記回転工具の母材が加工される程度の放
電エネルギーで放電加工を行うことにより、前記回転工
具の外周切刃逃げ面に改質層を生成し、かつ、外周切刃
逃げ面にエキセントリック刃付けを生成するものであ
る。したがって、エキセントリック刃付けされていない
回転工具と表面処理用電極との間に電圧を印加して放電
を発生させることにより回転工具の切刃にエキセントリ
ック刃付けされた改質層を形成することができ、放電加
工のみで回転工具の特性を改善でき、かつ、工具寿命を
大幅に向上させる改質層を工具切刃先端に均一に形成で
き、かつ、切刃の切れ味を向上させることができる。特
に、回転工具の母材をも加工する放電エネルギーで放電
加工することにより、機械式研削装置を使用せずに外周
切刃逃げ面がフラット刃付けの刃部からエキセントリッ
ク刃付けを形成でき、再研削コスト等を低減させること
ができる。即ち、回転工具を構成する母材をも加工する
電気条件で加工するようにしたため、機械式研削機構を
使用せずに外周切刃逃げ面がフラット刃付けの刃部から
エキセントリック刃付けを形成できる効果がある。
【0073】請求項6の放電加工による表面処理方法
は、回転工具の切刃の外周切刃逃げ面と面一で、かつ、
すくい面に対して密に接合する補助部材を取付けた状態
で、前記回転工具の切刃及び補助部材と改質材料からな
る表面処理用電極との間に放電を発生させ、外周切刃逃
げ面に改質層を生成した後、補助部材を除去することに
より、切刃先端の鈍り等を抑える効果がある。即ち、処
理切刃先端に対して補助部材をあてることにより、放電
による切刃先端の鈍りを生じさせないようにしたので、
処理する回転工具の切れ味を低下させずに工具寿命を延
長させる効果がある。
【0074】請求項7の放電加工による表面処理方法
は、請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載の回転工
具と表面処理用電極との相対移動は、前記回転工具の切
刃のねじれ角θ、前記改質層を生成する刃長L、工具直
径Dとするとき、前記回転工具の軸方向の前記刃長分の
送りに対して(360×L×tanθ)/(π×D)の
回転関係を維持することによって、前記回転工具の切刃
と前記表面処理用電極とを相対移動させるものである。
したがって、請求項1乃至請求項6の何れか1つに記載
の効果に加えて、処理対象の回転工具のねじれ角θ、刃
長L、直径D、刃のねじれ方向から回転工具の処理面と
表面処理用電極の相対的な軌跡が得られるから、その軌
跡生成を容易にすることができる。また、表面処理用電
極面と回転工具の処理面が一定速度で移動するから、処
理面の放電加工状態のばらつきが減少し、回転工具逃げ
面に生成される改質層の膜厚さ、面粗さ等を均一にする
効果がある。また、処理回転工具のねじれ角と刃長等を
軌跡生成のデータとしているため、螺旋状の切刃を持た
ない回転工具に対しても処理できる効果がある。
【0075】請求項8の放電加工による表面処理装置
は、回転工具との間の放電により、前記回転工具の切刃
に改質層を生成する改質材料からなる表面処理用電極
と、前記回転工具を回転させ、前記回転工具の切刃に対
向するように、前記回転工具と前記表面処理用電極とを
相対移動させる相対移動駆動機構と、前記回転工具の切
刃と前記表面処理用電極との間に電圧を印加する放電加
工用電源とを具備するものであるから、表面処理用電極
を処理切刃になぞらせながら、回転工具と表面処理用電
極との間に電圧を印加して放電を発生させることにより
回転工具の切刃に改質層を形成することができ、放電加
工のみで工具寿命を大幅に向上させる改質層を工具切刃
先端に均一に形成でき、かつ、切刃の切れ味を向上させ
ることができる。また、回転工具の処理面が一定速度で
移動するようにしたため、処理面の放電加工状態のばら
つきが減少し、回転工具逃げ面に生成される改質層の膜
厚さ、面粗さ等を均一にできる。そして、表面処理用電
極面が回転工具の切刃に対してのみ改質層を形成するよ
うにしたため、工具1本毎の処理速度を大幅に短縮で
き、表面処理用電極を無駄に消耗せず、改質層生成に有
効に使用できる。更に、回転工具または表面処理用電極
の一方を固定し、他方を移動するものであるから、従来
の型彫放電加工機がそのまま使用でき、かつ、回転工具
の回転上下動作により、直線または螺旋溝状に形成され
た回転工具の外周切刃逃げ面に対して切刃をなぞりなが
ら加工を行うものであるから、その処理機構を簡単化す
ることができる。
【0076】請求項9の放電加工による表面処理装置
は、回転工具の切刃に改質材料からなる表面処理用電極
によって改質層を生成する放電加工による表面処理装置
において、前記回転工具との間の放電により、前記回転
工具の切刃に改質層を生成する改質材料からなる表面処
理用電極と、前記回転工具を回転させ、前記回転工具の
切刃に対向するように、前記回転工具と前記表面処理用
電極とを相対移動させる相対移動駆動機構と、前記回転
工具の切刃と前記表面処理用電極との間に電圧を印加す
る放電加工用電源と、前記回転工具と前記表面処理用電
極との間の極間電圧を検出する極間検出回路と、前記極
間検出回路の出力によって、前記回転工具の切刃と前記
表面処理用電極との間に発生する放電を制御する制御回
路とを具備するものである。したがって、表面処理用電
極を処理刃面になぞらせながら、回転工具と表面処理用
電極との間に電圧を印加して放電を発生させることによ
り回転工具の切刃に改質層を形成することができ、放電
加工のみで工具寿命を大幅に向上させる改質層を工具切
刃先端に均一に形成でき、かつ、切刃の切れ味を向上さ
せることができる。また、回転工具または表面処理用電
極の一方を固定し、他方を移動するものであるから、従
来の型彫放電加工機がそのまま使用でき、かつ、回転工
具の回転上下動作により、直線または螺旋溝状に形成さ
れた回転工具の外周切刃逃げ面に対して切刃をなぞりな
がら加工を行うものであるから、その処理機構を簡単化
することができる。更に、表面処理用電極と回転工具の
切刃との接触検知により、その相対位置関係を検出して
所定の位置関係に位置決めできるから、表面処理用電極
や処理対象の回転工具が変化しても対処できる。また、
表面処理用電極と回転工具切刃先端との接触検知によ
り、その相対位置関係を検出して所定の位置関係になる
ように補正するようにしたため、位置設定にばらつきが
なく、処理結果のばらつきを抑える効果がある。
【0077】請求項10の放電加工による表面処理装置
は、請求項8または請求項9に記載の回転工具の切刃に
改質層を生成する表面処理用電極は、前記表面処理用電
極を前記回転工具の切刃に対向する特定角度に固定した
ものである。したがって、請求項8または請求項9に記
載の効果に加えて、前記表面処理用電極を保持する機構
を最も単純化することができる。
【0078】請求項11の放電加工による表面処理装置
は、請求項8または請求項9に記載の回転工具の切刃に
改質層を生成する表面処理用電極は、前記表面処理用電
極を前記回転工具の切刃に対向させ、かつ、その対向角
度を設定できるものである。したがって、請求項8また
は請求項9に記載の効果に加えて、前記回転工具の処理
切刃面に対して表面処理用電極の設置角度を自由に設定
できるようようにしたため、切刃の外周切刃逃げ面がフ
ラット刃付けまたはエキセントリック刃付けの回転工具
に対しても対応できる効果がある。
【0079】請求項12の放電加工による表面処理装置
は、請求項8から請求項11の何れか1つに記載の回転
工具の切刃に改質層を生成する表面処理用電極は、前記
表面処理用電極を回転させるものである。したがって、
請求項8から請求項11の何れか1つに記載の効果に加
えて、表面処理用電極を回転させることにより、表面処
理用電極の放電加工による磨耗の影響力を少なくでき、
かつ、表面処理用電極の外周が均一化でき、仕上げ精度
を上げることができる。逆に、機械的研削を行わせた
り、エキセントリック刃付けを行うことができる。そし
て、処理面の放電加工状態のばらつきが減少し、回転工
具の外周切刃逃げ面に生成される改質層の膜厚さや面粗
さ等を均一にする効果がある。
【0080】請求項13の放電加工による表面処理装置
は、請求項8から請求項12の何れか1つに記載の回転
工具と表面処理用電極とを相対移動させる相対移動駆動
機構は、前記回転工具の切刃のねじれ角θ、前記改質層
を生成する刃長L、工具直径Dとするとき、前記回転工
具の軸方向の前記刃長分の送りに対して(360×L×
tanθ)/(π×D)の回転関係を維持することによ
って、前記回転工具の切刃と前記表面処理用電極とを相
対移動させるものである。したがって、請求項8から請
求項12の何れか1つに記載の効果に加えて、処理対象
の回転工具のねじれ角θ、刃長L、直径D、刃のねじれ
方向から回転工具の処理面と表面処理用電極の相対的な
軌跡が得られるから、その軌跡生成を容易にすることが
できる。また、表面処理用電極面と回転工具の処理面が
一定速度で移動するから、処理面の放電加工状態のばら
つきが減少し、回転工具逃げ面に生成される改質層の膜
厚さ、面粗さ等を均一にする効果がある。また、処理回
転工具のねじれ角と刃長等を軌跡生成のデータとしてい
るため、螺旋状の切刃を持たない回転工具に対しても処
理できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 図1は本発明の実施の形態1の放電加工によ
る表面処理装置の全体構成図である。
【図2】 図2は本発明の実施の形態1の放電加工によ
る表面処理装置で加工される回転工具の切刃の切刃先端
の要部説明図である。
【図3】 図3は本発明の実施の形態2の放電加工によ
る表面処理装置の回転工具と表面処理用電極との関係を
示す正面図である。
【図4】 図4は同じく回転工具と表面処理用電極との
関係を示す側面図である。
【図5】 図5は同じく回転工具と表面処理用電極との
位置関係が変位した状態を示す正面図である。
【図6】 図6は本発明の実施の形態2の放電加工によ
る表面処理装置の回転工具の中心軸と表面処理用電極と
の水平面上の位置関係を示す断面の説明図である。
【図7】 図7は同じく回転工具と表面処理用電極の外
径線との水平面上の位置関係を示す断面の説明図であ
る。
【図8】 図8は同じく回転工具と表面処理用電極の外
径線との水平面上の接合深さの位置関係を示す断面の説
明図である。
【図9】 図9は同じく回転工具と表面処理用電極の外
径線との水平面上での当接位置の関係を示す断面の説明
図である。
【図10】 図10は同じく回転工具の切刃先端と表面
処理用電極の外径線との位置関係を示す断面の説明図で
ある。
【図11】 図11は同じく回転工具の刃面と表面処理
用電極の端部面との角度関係を示す断面の説明図であ
る。
【図12】 図12は同じく回転工具の刃面と表面処理
用電極の端部面との平行関係を示す断面の説明図であ
る。
【図13】 図13は同じく回転工具の刃面に改質層を
形成する動作の説明図である。
【図14】 図14は本発明の実施の形態2の放電加工
による表面処理装置における回転工具と表面処理用電極
との関係を設定して改質層を形成する一部のフローチャ
ートである。
【図15】 図15は本発明の実施の形態2の放電加工
による表面処理装置における回転工具と表面処理用電極
との関係を設定して改質層を形成する残りのフローチャ
ートである。
【図16】 図16は本発明の実施の形態3の放電加工
による表面処理装置の全体構成図である。
【図17】 図17は本発明の実施の形態4の放電加工
による表面処理装置の全体構成図である。
【図18】 図18は本発明の実施の形態5の放電加工
による表面処理装置の全体構成図である。
【図19】 図19は本発明の実施の形態6の放電加工
による表面処理装置の要部構成図である。
【図20】 図20は本発明の実施の形態7の放電加工
による表面処理装置の要部構成図である。
【図21】 図21は本発明の実施の形態8の放電加工
による表面処理装置の全体構成図である。
【図22】 図22は本発明の実施の形態9の放電加工
による表面処理装置の全体構成図である。
【図23】 図23は本発明の実施の形態10の放電加
工による表面処理装置の要部構成図である。
【図24】 図24は従来の表面処理装置を説明する全
体構成図である。
【符号の説明】
1 回転工具、2 表面処理用電極、4,24,34,
44,54,64,74,84 電極保持機構、5 主
軸、6 回転軸、7 Z軸駆動機構、8 回転軸駆動機
構、9 加工槽、10 加工液、13 X軸駆動機構、
14 Y軸駆動機構、15 制御回路、17 極間検出
回路、18 放電加工用電源、19 改質層、26 補
助部材。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斎藤 長男 愛知県春日井市岩成台九丁目12番地の12 (72)発明者 毛利 尚武 愛知県名古屋市天白区八事石坂661−51 (72)発明者 三宅 英孝 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 今井 祥人 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 真柄 卓司 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内 (72)発明者 後藤 昭弘 東京都千代田区丸の内二丁目2番3号 三 菱電機株式会社内

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 回転工具の切刃に改質材料からなる表面
    処理用電極によって改質層を生成する放電加工による表
    面処理方法において、 前記回転工具の切刃に沿って前記表面処理用電極を対向
    させ、前記回転工具と前記表面処理用電極を相対移動さ
    せ、かつ、前記回転工具の切刃と前記表面処理用電極と
    の間に放電を発生させ、前記回転工具の切刃に改質層を
    生成することを特徴とする放電加工による表面処理方
    法。
  2. 【請求項2】 回転工具の切刃に改質材料からなる表面
    処理用電極によって改質層を生成する放電加工による表
    面処理方法において、 前記表面処理用電極と前記回転工具の切刃の切刃先端と
    の相対的な位置を検出し、前記回転工具の外周切刃逃げ
    角とすくい角との何れか1つ以上と前記表面処理用電極
    の直径とを補正の情報として位置補正し、前記回転工具
    と前記表面処理用電極の位置を決定し、前記表面処理用
    電極を前記回転工具の切刃に沿って対向させて前記回転
    工具と前記表面処理用電極を相対移動させ、前記回転工
    具の切刃と前記表面処理用電極との間に放電を発生さ
    せ、前記回転工具の切刃に改質層を生成することを特徴
    とする放電加工による表面処理方法。
  3. 【請求項3】 回転工具の切刃に改質材料からなる表面
    処理用電極によって改質層を生成する放電加工による表
    面処理方法において、 前記表面処理用電極を円板形状とし、前記表面処理用電
    極と前記回転工具の切刃の切刃先端との相対的な位置を
    検出し、前記回転工具の外周切刃逃げ角とすくい角との
    何れか1つ以上と前記表面処理用電極の直径とを補正の
    情報として位置補正し、前記回転工具と前記表面処理用
    電極の位置を決定し、前記円板形状の表面処理用電極を
    回転させながら、前記回転工具の切刃に沿って対向させ
    て前記回転工具と前記表面処理用電極を相対移動させ、
    前記回転工具の切刃と前記表面処理用電極との間に放電
    を発生させ、前記回転工具の切刃に改質層を生成すると
    共に、前記表面処理用電極を使用する研削加工により前
    記回転工具の切刃の切刃先端形状を鋭利に成形すること
    を特徴とする放電加工による表面処理方法。
  4. 【請求項4】 回転工具の切刃に改質材料からなる表面
    処理用電極によって改質層を生成する放電加工による表
    面処理方法において、 前記表面処理用電極の放電面と前記回転工具の切刃の外
    周切刃逃げ面とのなす角を前記回転工具の外周切刃逃げ
    面にエキセントリック刃付けが生成される角度とし、前
    記回転工具の切刃に沿って前記表面処理用電極と前記回
    転工具の切刃とが相対的に移動しながら、前記回転工具
    の切刃と前記表面処理用電極との間に放電を発生させ、
    前記回転工具のエキセントリック刃付けされた外周切刃
    逃げ面に対して改質層を生成することを特徴とする放電
    加工による表面処理方法。
  5. 【請求項5】 回転工具の切刃に改質材料からなる表面
    処理用電極によって改質層を生成する放電加工による表
    面処理方法において、 前記表面処理用電極の放電面と前記回転工具の切刃の外
    周切刃逃げ面とのなす角を前記回転工具の外周切刃逃げ
    面にエキセントリック刃付けが生成される角度とし、前
    記回転工具の切刃に沿って前記表面処理用電極と前記回
    転工具の切刃とが相対的に移動しながら、前記回転工具
    の切刃と前記表面処理用電極との間に放電を発生させ、
    前記回転工具の母材が加工される程度の放電エネルギー
    で放電加工を行うことにより、前記回転工具の外周切刃
    逃げ面に改質層を生成し、かつ、外周切刃逃げ面にエキ
    セントリック刃付けを生成することを特徴とする放電加
    工による表面処理方法。
  6. 【請求項6】 回転工具の切刃に改質材料からなる表面
    処理用電極によって改質層を生成する放電加工による表
    面処理方法において、 前記回転工具の切刃の外周切刃逃げ面と面一で、かつ、
    すくい面に対して密に接合する補助部材を取付けた状態
    で、前記回転工具の切刃及び補助部材と改質材料からな
    る前記表面処理用電極との間に放電を発生させると共
    に、前記回転工具の切刃に沿って前記表面処理用電極を
    相対的に移動することにより、外周切刃逃げ面に改質層
    を生成し、その後、補助部材を除去することを特徴とす
    る放電加工による表面処理方法。
  7. 【請求項7】 前記回転工具と前記表面処理用電極との
    相対移動は、前記回転工具の切刃のねじれ角θ、前記改
    質層を生成する刃長L、工具直径Dとするとき、前記回
    転工具の軸方向の前記刃長分の送りに対して(360×
    L×tanθ)/(π×D)の回転関係を維持すること
    によって、前記回転工具の切刃と前記表面処理用電極と
    を相対移動させることを特徴とする請求項1乃至請求項
    6の何れか1つに記載の放電加工による表面処理方法。
  8. 【請求項8】 回転工具の切刃に改質材料からなる表面
    処理用電極によって改質層を生成する放電加工による表
    面処理装置において、 前記回転工具との間の放電により、前記回転工具の切刃
    に改質層を生成する改質材料からなる表面処理用電極
    と、 前記回転工具を回転させ、前記回転工具の切刃に対向す
    るように、前記回転工具と前記表面処理用電極とを相対
    移動させる相対移動駆動機構と、 前記回転工具の切刃と前記表面処理用電極との間に電圧
    を印加する放電加工用電源とを具備することを特徴とす
    る放電加工による表面処理装置。
  9. 【請求項9】 回転工具の切刃に改質材料からなる表面
    処理用電極によって改質層を生成する放電加工による表
    面処理装置において、 前記回転工具との間の放電により、前記回転工具の切刃
    に改質層を生成する改質材料からなる表面処理用電極
    と、 前記回転工具を回転させ、前記回転工具の切刃に対向す
    るように、前記回転工具と前記表面処理用電極とを相対
    移動させる相対移動駆動機構と、 前記回転工具の切刃と前記表面処理用電極との間に電圧
    を印加する放電加工用電源と、 前記回転工具と前記表面処理用電極との間の極間電圧を
    検出する極間検出回路と、 前記極間検出回路の出力によって、前記回転工具の切刃
    と前記表面処理用電極との間に発生する放電を制御する
    制御回路とを具備することを特徴とする放電加工による
    表面処理装置。
  10. 【請求項10】 前記回転工具の切刃に改質層を生成す
    る表面処理用電極は、前記表面処理用電極を前記回転工
    具の切刃に対向する特定角度に固定したことを特徴とす
    る請求項8または請求項9に記載の放電加工による表面
    処理装置。
  11. 【請求項11】 前記回転工具の切刃に改質層を生成す
    る表面処理用電極は、前記表面処理用電極を前記回転工
    具の切刃に対向させ、かつ、その対向角度を設定できる
    ことを特徴とする請求項8または請求項9に記載の放電
    加工による表面処理装置。
  12. 【請求項12】 前記回転工具の切刃に改質層を生成す
    る表面処理用電極は、前記表面処理用電極を回転させる
    ことを特徴とする請求項8から請求項11の何れか1つ
    に記載の放電加工による表面処理装置。
  13. 【請求項13】 前記回転工具と前記表面処理用電極と
    を相対移動させる相対移動駆動機構は、前記回転工具の
    切刃のねじれ角θ、前記改質層を生成する刃長L、工具
    直径Dとするとき、前記回転工具の軸方向の前記刃長分
    の送りに対して(360×L×tanθ)/(π×D)
    の回転関係を維持することによって、前記回転工具の切
    刃と前記表面処理用電極とを相対移動させることを特徴
    とする請求項8から請求項12の何れか1つに記載の放
    電加工による表面処理装置。
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