JPH10512761A - ポリヌクレオチド性免疫原性剤 - Google Patents
ポリヌクレオチド性免疫原性剤Info
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Abstract
(57)【要約】
上皮増殖因子レセプター(EGFR)ファミリーのメンバーに対する免疫応答を誘発することが可能なポリヌクレオチド性免疫原性剤が開示される。
Description
【発明の詳細な説明】
ポリヌクレオチド性免疫原性剤
発明の分野
本発明は、免疫原性剤としての、断片もしくは完全長のerbBタンパク質(
EGFレセプター)、とりわけher−2/erbB−2/neuレセプターを
コードする発現ベクターに関する。
より具体的には、本発明は、宿主細胞での特異的免疫応答を誘導する薬物の調
製のための前述の発現ベクターの使用に関する。
発明の背景
EGFR1、HER−2/neu、HER−3、Her−4のような多様なE
GFレセプターが既知である。
とりわけHER−2/neuは抗腫瘍戦略の標的として提案されている(WO 9
0/14357)。
癌原遺伝子HER−2/neuは185kDaの膜レセプタータンパク質(p185
)をコードする(シェクター(Schechter,A.)ら 1984、Nature 312/513)。
HER−2/neuの機能は現在のところ十分に知られていないが、しかしそ
れらはチロシンキナーゼ活性の増大に関連するようである(ディフィオレ(Di FI
ore,P.)ら 1990 Mol.Cell.Biol.10:2749)。
リガンドおよび/もしくは実験条件に依存して刺激および阻害の双方のシグナ
ルを誘導し得る多様なリガンドが、当該レセプターについて提案された(ペレス
(Peles,E.)ら 1992 Cell、69:205)。
HER−2/neuは胎盤形成および器官形成の間に発現され(コケイ(Kokay
,Y)ら 1987 Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.84:8498; クネ
ゼヴィク(Knezevic V.)ら 1994 J.Anat.1985:181)、また、それは多数の上皮
/腺の成体組織で少量で検出可能である(プレス(Press,M.)ら 1990 Oncogenes
,5:953)。
p185の突然変異および/もしくは過剰発現は腫瘍の病因論に関連する。癌
原遺伝子は点突然変異により活性化される(バーグマン(Bargmann,C.)とヴァイ
ムベルク(Weimberg R.A.)、1988 EMBO J,7:2043)。ヒトでは突然変異は見出さ
れず、また、腺起源の癌(例えば乳房、卵巣、肺および腎の腺癌)においては、
形質転換活性は正常の構造をもつp185の増幅/過剰発現に関連することが見
出された。
p185の増幅は、乳癌患者で好ましくない予後を伴っている(ヨコタ(Yokot
a,J.)ら 1986 Lancet,i.765;スラモン(Slamon,D.J.)ら 1987 Science,235
:1772;ヨネムラ(Yonemura,Y.)ら 1991、Cancer Research、51:1034;グスター
ソン(Gustarson,B.A.)ら 1992、Europ.J.Cancer、 28:263)。
最近の研究はまた、レセプターの過剰発現と薬物耐性の現象との間の関連も示
唆する。
事実、HER−2/neuを過剰発現する癌は5-フルオロフラシル治療に反
応しない(パイキ(Paikj S.M.)ら 1991 Peoc.Am.Assoc.Cancer Resear.32、
291)。これはタモキシフェンおよびシスプラチンに抵抗性となっている乳癌細
胞系でのHER−2/neuのトランスフェクション研究により確認された(ベ
ンツ(Benz C.C.)ら 1992 Breast Cancer Research Treat.24、84)。
良好な予後を伴うがしかし免疫化学的に検出可能なHER−2/neuをもつ
乳癌のステージIの患者は化学療法的治療後に再発する(アル
フレッド(Alfred D.C.)ら 1992 J.Clin.Onc.10、599およびグスターソン(Gus
tarson B.A.)ら 1992 J.Clin.Onc.10、1049)。さらに、抗HER−2/ne
u抗体は乳癌および卵巣癌に対しシスプラチンおよび腫瘍壊死因子(TNF)の
細胞毒性を増大させる(ハンコック(Hancock M.C.)ら 1991 Canc.Res.51、45
75およびフドジアック(Hudziac R.M.)1989 Mol.Cell.Biol.9、1165)。一方
、薬物抵抗性の細胞系では、上皮増殖因子(EGF)レセプターの量が増大され
(マイヤース(Meyers M.B.)ら 1986 Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.83、5521
)、また、前述のレセプターに対する抗体は薬物の細胞毒性効果を増大させる(
アブド−ピラク(Aboud-Pirak E.)ら 1988 J.Natl.Canc.Inst.80、1605;バ
セルガ(Baselga J.)ら 1993 J.Natl.Canc.Inst.85、1327)。
抗体と同様にまたEGFも、シスプラチンのようなアルキル化剤の、電離線の
、マイトマイシンの、5-フルオロウラシルのおよびアドリアマイシンの細胞毒
性性効果を増大させる(クリステン(Cristen R.D.)1990 J.Clin.Inv.86、163
2;コウク(Kowk T.T.)ら 1989 J.Natl.Canc.Inst.81、1020;アマガセ(Amag
ase H.)ら 1990 J.Pharm.Dyn.13、263;アマガセ(Amagase H.)ら XXX Jpn.J
.Canc.Res.80、 670;コウク(Kowk T.T.)ら 1991 Int.J.Cancer 49、73)
。
癌組織でのより大量に比較して正常上皮で発現されるp185の少量は、レセ
プターが受動的免疫療法の戦略(例えばモノクローナル抗体を投与することによ
る)のための標的抗原として作用しうることを考えさせた。例えば、若干の抗p
185モノクローナル抗体は、インビトロおよびヌードマウスでの双方で乳癌細
胞の増殖を阻害し得ることが知られている(マルクス(Marx,J.)1993 Science 2
59:226)。
最近、抗erbB−2モノクローナル抗体が、レセプターそれ自身のダウンレ
ギュレーションにより腫瘍に対する細胞増殖抑制効果を発揮し得ることが示され
ている(カツマツ(Katsumatu M.)ら、1985、Nature Medicine 1:644-648)。
能動的免疫戦略(ワクチン接種)がこの抗原について提案されたとは言え、こ
の仮説は、誘導された免疫性がこの抗原を生理学的に発現する上皮に毒性であり
得るという可能性により害された。
一方、neu癌遺伝子の細胞外ドメインを完全にかつ特異的に発現する組み換
えワクシニアウイルスの接種は、この抗原を発現する腫瘍細胞に対しマウスを保
護した(バーナーズ(Bernards,R.)ら 1987 Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.84
:6854)。
増殖因子およびそれらのレセプターは、腫瘍形成の間のみならず胎芽の発達の
間にもオートクリンおよびパラクリン調節回路として中心的役割を演じるため、
これらの発達過程双方に基づく実験モデルはとりわけ本発明の目的に意義がある
。
発明の要約
本発明は、腫瘍学的免疫療法での使用のための免疫原性薬物の調製のための、
相同的な外来性HER−2/neuもしくは別のEGFレセプター、または前述
のレセプターの部分的配列をコードする、本質的に純粋なcDNAの使用に関す
る。
本発明は、上に挙げられたcDNAのひとつを含有する発現ベクターすなわち
前述のプラスミドにもまた関する。
本発明は、特異的モノクローナル抗体の産生で使用されるべきB−リンパ球の
単離および選択のための前述のcDNAの使用にもまた関する。
図面の簡単な説明
第1図。pCDneuNT構築物。
第2図。妊娠に対するpCDneuNTのワクチン接種の影響。スイス(Swiss)
(異系交配された)雌性マウス(3ないし6匹)を、pCDneuNTに反対し
て免疫し、そして最後の投与(boost)から2週間後に1日間雄性と交配した。交
尾は膣スメア中の精液細胞の存在により評価した(妊娠の第1日)。報告された
データは妊娠の間の体成長速度を指す。マウス1−2は非免疫動物(コントロー
ル)である。
発明の詳細な説明
本発明により、EGFの、とりわけHER−2/neuのレセプターをコード
する非感染性のcDNA配列のインビボ投与は、抗腫瘍療法で有用な免疫応答を
誘導する。
事実、前述の療法は腫瘍の大きさを有意に減少させ、かつ、実験的に誘導され
た同系腫瘍の増殖を阻害する。
インビボ免疫の有効性はまた妊娠モデルを使用しても示された。胎芽のおよび
腫瘍の発達は、実際、少なくともそれらの開始段階で、いくつかの関連する生物
学的特徴例えばerbB−2/neu遺伝子の増大された発現を共有する。
事実、妊娠マウスでの免疫応答は、無視できるかもしくはない、分化した成熟
上皮に対する細胞毒性効果をもつ胎芽の発達を損傷するように抗原に対し選択的
であることが判明した。前述の選択性は、観察された特異的細胞毒性効果によれ
ば、レセプターの細胞外ドメインのエピトープを認識する抗p185抗体の産生
を伴い、ホルムアルデヒド処理に対する異常な抵抗性を示す。前述の選択性は、
さらに、pCDneuNT
プラスミドにより形質転換されたNIH−3T3線維芽細胞と、および、c−e
rbB−2を過剰発現する乳房腫瘍細胞系SK−BR3と相互作用する抗体の能
力により、ならびにヒト乳房浸潤腺管癌からおよびneuトランスジェニックマ
ウスの結節性乳房腺癌からの双方の組織学的サンプルを染色することにより、確
認される。
免疫後の2つの過程すなわち腫瘍形成および妊娠の阻害は、驚くことに、発達
する組織中でerbB−2/neuを過剰発現しかつ分化した組織中でしない構
造に限られたため、EGFレセプターをコードする配列でのDNAワクチン接種
が、特異的かつ有効な抗腫瘍療法として使用されうるはずである。
本発明は既知の免疫療法に比較していくつかの利点を有する。モノクローナル
抗体の受動的移送に比較し、ポリヌクレオチドのワクチン接種は、抗体の産生の
みならず細胞毒性のCD8+MHCクラスITリンパ球の産生および広がりも誘
導するという利点を有する。
それに対し免疫応答が起こされねばならないタンパク質のエピトープを表す選
択された配列をもつペプチドの使用に比較してさえ、本発明の利点は注目すべき
であり、実際、後者は選択されたアプロタイプ(aplotype)に制限されない。なぜ
なら、潜在的に、隠れたおよび副支配的なエピトープに対するT細胞レパートリ
ーは、それ自身のアプロタイプに基づき各患者で自発的に選択されたTh応答を
得るために、相同の外来抗原により活性化され得るためである。
さらに、高親和性抗体は抗原濃度が制限条件となる場合に慣習的な免疫により
産生されるため、低濃度の抗原の発現は、ポリヌクレオチドの免疫で観察される
ように、すでに第一の免疫段階で高親和性抗体の発生
を誘導しうる。
ウイルスベクターでの免疫療法に比較して、裸のDNAの投与は著しくより安
全である。なぜなら1)DNAは感染性でない、2)宿主染色体への抗原DNA
の組み込みが存在しない、からである(発現ベクターは約1週間エピソームの形
態に留まる)。
ウイルス免疫により誘導される細胞毒性効果はウイルス抗原を発現する宿主細
胞の数を減少させうる。
さらに、多くのウイルスは宿主の転写因子を負に調節し、これは一面で細胞表
面上のMHCクラスI分子の発現を減少させるとみられ、また他の面では、細胞
内タンパク質の正常のプロセシングを損なうとみられ、この方法でもまたMHC
分子上のエピトープの存在を減少させる。本発明のさらなる利点は、抗原DNA
配列の容易な入手可能性および制御により提供される。
本発明により、免疫原性剤が既知の方法により調製されうる。EGFRもしく
はHER−2/neuDNA配列は既知であり、かつPCR、組み換えNDAな
どのような慣習的方法により調製され得る。遺伝子もしくはキメラ構造の部分的
配列もまた使用することが場合によっては可能であるが、ただし生じる発現生成
物は適する免疫原性の特性を有する。例えば、当該作用物質は、EGFRのDN
Aを、調製処置のために組織中および微生物中の前述のDNAの発現を可能にす
るひとつもしくはそれ以上の配列(プロモーターおよび複製開始点)に連結させ
ることにより調製され得る。制御配列はプラスミドあるいはSV40もしくはサ
イトメガロウイルス(CMV)またはラウス肉腫ウイルス(1994年9月29日のWO
94/21707)のようなウイルスから得られうる。
当該作用物質は既知の方法により投与されうる(ドネリー(Donnelly J.J.)ら
1994、The immunologist 2:1)。
感染性疾患の治療のための新規のワクチン接種の手段としてのDNAの筋肉内
注入の効果が考慮された。筋肉内経路に加え、DNAの他の投与経路例えば非経
口および粘膜の経路が可能である(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A.1986 83、9
551;1990年10月4日のWO 90/11092)。DNAはまた、弾動(ballistic)装置に
よる経皮投与のための金微小粒子上に吸着してもよい(ジョンストン(Johnston)
、1992 Nature、356、152)。
さらに、以前の議論を考慮すると、当該免疫はインビボの生物学的活性を有す
るモノクローナル抗体の調製において非常な利点を有する。事実、前述の癌遺伝
子もしくは関連する癌原遺伝子(neuNT、neu)でのDNAワクチン接種
は、前述のモノクローナル抗体の調製に使用されるべき、脾から単離されたリン
パ球系の、治療に応答した動物からの直接の選択を可能にする。同様に、前述の
ワクチンは、受動免疫療法で使用されるべき細胞毒性分子と場合によっては結合
させたアジュバントとしての使用のためのモノクローナル抗体の産生のための末
梢血からのヒトリンパ球系の選択に使用されうる。
実施例
I.1 pCDneuNT発現ベクターのクローニング
DNAの全ての酵素的操作、クローニングおよび組み換え構築物の特徴づけは
、マニアティス(Maniatis)("Gene Cloning")により記述された方法の厳密な厳
守で実施した。neuNT癌タンパク質全体をコードするcDNAを含有するプ
ラスミドpSV2neuNT(ヴァインベル
ク(Weinberg)の引用文献)を、酵素HindIII、SalIおよびEcoRIで切断した。EcoR
Iでの切断は元来のプラスミド(pSV2neo)の2個の断片を生じた。HindI
II/SalIでの複合切断は完全長のcDNA(約4600bp)を生じた。HindIII/SalI
遺伝子区分をその後、以前に酵素HindIII/SalIで切断された中間ベクターpSP
64中にクローニングした。組み換え構築物pSP64neuNT(アマーシャ
ム(Amersham))をクローニングしそして以前に記述されたように特徴づけした。
pSP64neuNTを、2個の断片すなわち1)3000bp(pSP64);2)
約4600bp(neuNT)を生じるHindIII/EcoRIで切断した。断片2を、以前に
調製されかつ酵素HindIII/EcoRIで切断されたpCDNA3neo( )にクロ
ーニングした。最終的な組み換えベクターを免疫処置に利用した。
1.2 マウスおよびラットの免疫
雌性の異系交配されたスイス(Swiss)、CD1およびBalb−Cならびに同
系交配されたFVBNおよびBalb−c H2 Dマウスを、0.3ml/100g体重の用
量のネンブタール−エキテシナイン溶液で麻酔した。インスリンシリンジ(1ml
)での注入は生理的食塩水のDNA溶液(1mg/ml)の100μlを送達した。動物
を2週間間隔で実施した3回の接種で免疫した。同じ免疫スケジュールをウィス
ター(Wistar)ラットに使用した。
1.3 抗原のインビボ発現
pCDneuNTプラスミドの、インビボでneuNT抗原を発現する能力を
証明するため、動物を注入から48時間に殺し、そして大腿四頭筋を1片で取り出
した。筋組織をプロテアーゼ阻害剤のおよび非イオン
性界面活性剤の存在下にホモジェナイズした。総抽出タンパク質をその後、標準
的処置(ドットブロッティングおよびここから先に報告される全ての他の免疫化
学的技術の双方は、"Antibodies: a laboratory manual"1988 Cold Spring Harb
or Laboratory、ハーロウ(Harlow)/デイヴィッド・レイン(David Lane)編、で指
摘された処置に従って実施された)に従い、一特異性ウサギポリクローナル抗n
euIgG抗体(K15)SC−07(サンタクルズ バイオテクノロジー(San
ta Cruz Biotechnology)、USA)を使用するp185抗原の存在についてのド
ットブロットでアッセイした。
結果は、pCDneuNTが注入されておりかつコントロールのプラスミドで
処理されない筋由来のタンパク質のみが抗p185抗原に結合することが可能で
あったことを明示した。これから、pCDneuNTプラスミドは筋線維内でp
185分子の合成を支配することが可能であると結論し得る。
1.4 宿主での免疫反応性
i)マウス
外因性抗原に応答する能力は使用される動物系統により大きく変化することが
知られている。また、マウスでのneuラットの免疫原性に関して、ワクチンウ
イルスでの免疫による癌遺伝子の細胞外ドメイン(ECD)に対する抗体産生は
、異型接合性集団に属する宿主に制限されることが、文献(バーナーズ(Bernard
s R.)ら1987 Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89: 6854-6858)から知られている。
従って、当該遺伝子での免疫後の異なる系統の抗p185免疫反応性をアッセイ
することが必要であった。
異系交配されたBalb−c、CD1もしくはスイスまたは同系交配されたB
alb−c H2 DもしくはFVBNの8週齢のマウスに、以前に記述されたスケ
ジュールに従い、100μgのコントロールプラスミドでもしくはpCDneuNT
の等用量でのいずれかを接種した。コントロールとして同じ動物からの免疫前血
清を使用した。
抗p185抗体の産生および特異性を、抗原源としてpSVneuNTで形質
転換された3T3細胞からの細胞ライセートを使用するウェスタンブロッティン
グ技術で評価した(バーナーズ(Bernards,R.)ら、1987、Proc.Natl.Acad.Sc
i.USA 84: 6854-6858)。結果は、同型接合性および異型接合性の双方のマウス
が、pCDneuNTで免疫後にラットのタンパク質を認識することが可能であ
ったことを示す。
抗原抗体複合体の形成は、レセプターの過剰産生により特徴づけられるトラン
スジェニックMMTV,neuNマウスでのマウス乳房腫瘍の免疫化学的分析に
よりさらに明示された(ガイ(C.T.Guy)ら1992 PNAS 89: 10578-582)。
MMTV,neuNトランスジェニックマウスの乳癌の切片(3-5μ)を、
上に報告された同じ処置に従って調製し、そして、pCDneuNTでもしくは
コントロールのプラスミドでのいずれかで免疫されたマウス由来の抗血清(抗血
清の希釈 30倍)とインキュベーションし、その後ペルオキシダーゼと結合させ
たヤギ抗マウス抗体(100倍希釈)の添加が続いた。pCDneuNT抗血清の
みが腫瘍細胞の膜上の明確な染色を顕出させることが可能であったことが見出さ
れた。
ii)ラット:
マウスでのpCDneuNTでの免疫は、この処置が異なる種(マウ
ス)の宿主でのある種(ラット)の免疫原性タンパクを与えることを考えると、
古典的な異種個体性免疫を表す。抗p185の免疫性が、完全に共通遺伝子の系
での当該遺伝子の免疫により生じされ得るかどうかを証明するため、ウィスター
ラット(異型交配された)に、マウスで採用されたのと同じ免疫スキームを使用
してpCDneuNTプラスミドを接種した。抗p185の血清陽性性は、筋中
に接種された量を0.8mgまで増加させてさえ処理した動物で明示されなかった。
この結果はバーナーズ(Bernards R.)らProc.Natl.Acad.Sci.USA 84: 6854-6
858(1987)により報告されたものと一致し、かつ、マウスモデルは自己抗原に対
し上昇された耐性(例えばヒトに関して)を与えるという概念(ホートン(Hough
ton A.N.)J.Exp.Med.180:1-4(1994))を補強する。いずれの場合でも、同じ
もしくは他の経路によるベクターのおよび薬物の刺激性の接種が自己p185に
対する耐性の現象を低下させ得るもしくは避けさえし得ることがなお可能である
。
1.5 抗体特異性
i)自己抗体としての抗ラットp185IgG
ラットpCDneuNTの注入がラットのレセプターに対して反応性の(ne
uNTに対する反応性)抗体の産生を誘導することが可能であることを考えると
、単純な遺伝子親和性の(philogenetic)理由から、同じマウス抗体がマウスレセ
プターそれ自身(自己抗原)および相同的なヒト異性体erbB−2の双方を認
識することが可能であるはずであることを期待することが合理的であった。マウ
スの循環する抗p185抗体の自己抗原に対する免疫反応性が組織化学的手段に
より明示された。
マウスでは、成体ラットでのように、neu癌原遺伝子は、肺、肝、
腎、消化管のような上皮/内分泌組織でおよび表皮細胞の基底層で生理学的に発
現される(クネレヴィク(Knerewik V.)ら1994 J.Anat.181:1985)。実験では
、動物をエーテル蒸気の過剰用量で殺し、そして切片(3−5μ)を腎のような
erbB−2/neuを本質的に発現する組織から、カルノワ(Carnoix)による
方法で調製された材料から調製し、また、標準的手順に従い組織学的分析のため
に調製した。サンプルをその後、抗p185抗血清ともしくはコントロール血清
と60倍希釈で、そして連続してアルカリフォスファターゼと結合させたヤギ抗マ
ウス抗体(100倍希釈)とインキュベーションした。結果は、a)同じ動物の腎
細胞に対する循環するp185抗体の反応性およびb)コントロールのpCDN
A−3での免疫後に誘導される抗体による同じ細胞の認識の非存在をはっきりと
証明する。標的抗原としてのマウスp185の同一性は、その後、免疫マウス血
清ともしくは以前に記述されたウサギ抗neu K15 SC-07抗体とイン
キュベーションされたマウス腎ホモジェネート抽出物を使用するウェスタンブロ
ッティングにより証明された。
ii)ヒトレセプターと交差反応する抗ラットp185IgG
pCDneuNTで免疫されたマウスにより産生された抗p185抗体がヒト
p185相同変異体erbB−2を認識することもまた可能であり得るという可
能性は、p185erbB-2を過剰発現するヒト乳癌細胞系由来のSKBR3細胞(
106レセプター分子/細胞;クラウス(Kraus M.H)ら 1987 EMBO J.6:605-610)
を使用する共焦点顕微鏡での免疫蛍光の研究から生じた。
カバーガラスで覆ったスライドガラス上で増殖され、冷メタノール-
アセトン(1:1v/v)(浸透化された細胞)の混合物でもしくは2%パラホ
ルムアルデヒド(浸透化されない細胞)でのいずれかで固定されたSKBR3細
胞のスライドガラスの調製後、細胞サンプルを30倍の最終希釈で抗p185抗血
清とインキュベーションし、そして抗原抗体反応を、フルオレセインと結合させ
たヒツジ抗マウスIgG抗体(FITC)(ベーリンガー(Boehringer))(60倍
希釈)を使用して明示した。据えつけたスライドガラスを、三重アルゴンレーザ
ーおよび60倍油浸積(immersion)対物鏡をもつレーザー共焦点顕微鏡(バイオラ
ド(BioRad)MRC800K)下に検査した。
強い蛍光を示した双方の浸透化されない細胞の反応性は、核周囲の領域で十分
に輪郭を示した蛍光を示した原形質膜のおよび浸透化されたそれの細胞外側に拡
散した方法で分布し、抗p185抗体が、抗原の細胞外および細胞内のドメイン
の双方を認識することが可能な免疫グロブリンの混合された集団から成ったこと
を指摘した。
マウス抗p185抗体が当該抗体のヒト変異体を認識することが可能であった
ことの確認は、SKBR3、T23.1(レトロウイルスのerbB−2 DN
Aでトランスフェクションされた3T3 NIH線維芽細胞)、およびコントロ
ールの3T3細胞の細胞ライセートを使用するウェスタンブロッティングにより
得た。結果は、pCDneuNTで免疫されたマウスの血清中の、ストレプトア
ビジンと結合させたペルオキシダーゼ(ワサビ)(200倍希釈)と反応されたビ
オチニル化ヤギ抗マウスIgG抗体(サンタクルズ バイオテクノロジー イン
ク(Santa Cruz Biotechnology Inc))で検出される抗p185抗体の存在はっき
りと指摘した。
抗p185抗体が、強い固定処置後でさえヒトerbB−2と相互作用し得か
つ当該タンパク質の細胞外ドメインを認識し得たという事実は、若干のヒト乳房
腺癌で観察され得るerbB−2/neuの過剰発現をこれらの抗体で分析する
可能性を示唆した。
かように、外科手術の受理から得られたおよびマセラタの「オスペダーレ シ
ビレ(Ospedale Civile)」の病理解剖部門から採取された管浸潤癌の組織タイプ
に対応する21個のサンプルを、マウス組織について従われた固定、パラフィン塊
への封入、組織切片の染色の同じ処置を使用する組織化学により検査した。
pCDneuNTで免疫された雌性マウスからの血清の抗p185陽性性は、
絶対的に重ね合わせられる様式で、商業的に入手可能な抗体で染色される場合に
、erbB−2について陽性を生じていた21例中8例でのみ観察された。
マウス抗erbB−2/neu抗体が例えばEGFR−1のようなEGFRフ
ァミリーのメンバーの他のメンバーと反応し得るかどうかを証明するため、マウ
ス抗体を、それらの表面で非常に多数のEGFR−1レセプター分子を発現する
(2−3×106/細胞)ことが既知のヒトA431表皮様癌系の細胞とインキュ
ベーションした。p170EGFR-1に関する抗p185neu抗体の免疫反応性を、
FACSスキャンを用いる免疫蛍光により分析した。抗原および抗体の双方につ
いてのコントロールを、ネガティブコントロールとしてリンパ球様細胞CEM(
急性リンパ芽球性白血病患者由来のヒト細胞、EGFR−1を発現しない)、お
よびポジティブコントロールとして、erbB−2/neuのECDに特異的か
つEGFR−1抗原と交差反応しないモノクローナル抗体W6
00(ナタリ(P.G.Natali)博士、イスチツト ディ リチェルカ スペリメン
タレ レギナ エレナ(Istituto di ricerca sperimentale Regina Elena)、ロ
ーマ)をそれぞれ使用して調製した。細胞を、抗マウスFITを結合させた二次
抗体とインキュベーション後、ベクトン ディッキンソン(Bekton Dickinson)F
ACS(励起アルゴンレーザー光488nm、放射光の測定525nm)を使用して分析し
た。得られた結果は、免疫されたマウスの抗血清に存在する抗p185免疫グロ
ブリンが正にW600 MAbのように挙動する、すなわちそれらがp170EG FR-1
に対し反応性を表さないことをはっきりと指摘する。
1.6 p185抗血清のインビトロ反応性
抗p185抗血清によるSKBR3細胞増殖阻害
SKBR3細胞を、103細胞/プレートの濃度で35mm培養プレートで培養した
。30μl(約300μgの総IgG)の抗p185抗血清およびコントロールの抗血
清を第0日に全く同一に添加した。1週後、細胞をプレートから取り除き、そし
てそれらの数を血球計算器で測定した。pCDneuNTで免疫されたマウスか
らのIgGアイソタイプの免疫グロブリンは、SKBR3細胞の増殖を阻害する
ことが可能であった。
1.7 免疫の生物学的効果
i)処理の毒性
DNAワクチンの投与後の循環する抗DNA抗体の非産生を、高度に精製され
た仔ウシ胸腺二本鎖DNAを抗原として使用する商業的に入手可能なELISA
キット(INOV ディアグノスティックス インク(INOV Diagnostics Inc)、
カリフォルニア州サンジエゴ)を使用して立証した。IgMおよびIgGの含量
の変動はとくに示されなかった。
血液学的パラメータ、およびヘモクロム、VESの白血球の式、タンパク血症
などのような血清パラメータのいくつかのアッセイが実施されており、全て正常
範囲内を生じた。
ii)組織の組織病理学的検査
免疫された動物が、それら自身の組織のneuレセプターと相互作用し得る循
環する抗体を保有するという事実は、ある自己免疫タイプの病理学的現象が例え
ば補体系(補体依存性細胞毒性、CDC)および/もしくはナチュラルキラー細
胞(抗体依存性の細胞性細胞毒性、ADCC)により媒介されるメカニズムによ
り生じ得るという可能性につながる(ストライブリング(Stribling)ら Proc.Na
tl.Acad.Sci.USA 89: 11277-11281(1992))。
こうした仮説を証明するため、動物をエーテル蒸気の過剰用量で殺し、そして
erbB−2/neuを本質的に発現する組織、腎、消化管、卵巣、胎盤および
乳腺を慣習的方法を使用して固定し、パラフィン塊への封入、切片の切断(3−
5μ)および同物の脱パラフィン化を、以前に記述された標準的手順を使用して
実施た。こうした方法で処理されたサンプルをヘマトキシリンおよびエオジンで
染色した。
反復された組織学的検査は、免疫マウスで、pCDNAneuNTで免疫され
た動物での損傷の最小の痕跡(例えば壊死領域、リンパ球浸潤もしくは他者によ
り明示される)さえの存在を定常的に排除した。従って、DNAワクチン接種は
、実際、動物がそれ自身のレセプターに対する抗体を保有するという事実にもか
かわらず、全身のおよび組織のレベルの双方での明かな毒性を剥奪することを言
明し得る。全身性のもしくは器官特異的な自己免疫病理のいかなる兆候も観察さ
れなかった。
要約すると:i)動物はワクチン接種の1年後でさえ正常に摂食し摂水する;
ii)それらは優れた柔毛の質を示し、それらの個々のもしくは社会的な挙動でい
かなる変化も示されない;iii)いくつかの血液学的パラメータは正常範囲内に
存続する;iv)neuが発現される組織は組織学的検査に際していかなる損傷も
示さない;v)ワクチン接種は循環する抗DNA IgMおよび/もしくはIg
G抗体の検出可能な増大を生じない。
iii)マウスでの妊娠に対するpCDneuNTでのワクチン接種の影響
免疫された雌性スイスマウス(n=16)の83%が循環する抗p185抗体を顕
出させた。10匹の血清陽性の動物を雄性とともにケージに入れ、そして、交尾を
、膣スメア中の精液細胞の存在によりその翌日(妊娠第1日)に確認した。妊娠
マウス(pregnants)の体重を2日おきに記録した。10匹の雌性マウスのうち7匹
が減少した数の一腹仔あたりの仔を示した(コントロールでの13±3に比較し
て5±2)一方、残りの3匹の子宮切除は完全な胎仔の再吸収を示した。
全てが抗p185抗体の著しい顕出を示したBalb/c H2 Dのような同系
交配された系統に対する前述のワクチン接種の効果はより著しかった。19匹のワ
クチン接種された雌性マウスのうち14匹が全く出産せず、他はコントロールのそ
れ(15匹;8±3の仔)と比較して限られた数の仔(1−2)を出産した。
逆に、受胎能力での有意の差異は、非処置マウス群とコントロールのプラスミ
ドで免疫されたマウス群もしくはpCDneuNTで免疫されたラット群(共通
遺伝子性免疫)との間で観察されなかった。
iv)胎盤のおよび乳房組織の組織病理学的検査
7匹のp185血清陽性妊娠マウスを、胎盤および乳腺組織の組織学的検査の
ため妊娠第18日に殺した。
ホルマリン固定組織の切片(3−5μ)を以前に記述されたように染色した。
全ての試料は、組織病理学的要素が全くないことが見出された。
v)マウス腫瘍に対する効果
erbB−2/neuを過剰発現する腫瘍に関してこの癌原遺伝子に対するワ
クチン接種の免疫療法的効果を証明するため、腫瘍を、異系交配されたマウスで
以下の手順に従って誘発させた。すなわち、CMVneuNTでトランスフェク
ションされかつ細胞表面に当該レセプターの実質的レベルを発現するNIH 3
T3線維芽細胞のクローンを、免疫サイクル終了2週間後にスイスCD1マウス
に接種した。注入部位での新生物塊の増殖を換算法により時間とともに測定した
。免疫されないマウスもしくはコントロールのプラスミドで免疫されたものでは
、細胞は約3週間累進的に増殖した(表を参照)。根本的に異なる結果が、形質
転換された線維芽細胞をpCDneuNTで免疫されたマウスに接種した場合に
得られ、それでは注入部位で新生物の塊の成長は観察されなかった。
これらの結果は、従って、裸のDNAの注入可能な生理学的溶液の形態のCM
VneuNTプラスミドでの免疫が、neu癌遺伝子を過剰発現する腫瘍細胞の
接着および播種を劇的にかつ特異的に阻害することが可能であることを示す。
腫瘍増殖の阻害。10週齢のスイスCD1(チャールズ リバー(Charles River)
)雌性マウス(各群12匹)を、試験に記述されたように、neuNT(C)およ
び関連しない遺伝子(p24−FIV)(B)の双方をコードするプラスミドD
NAで免疫した。A群のマウスは生理的食塩水の注入を受けた。2週間後、当該
マウスにneuNTでトランスフェクションした107個の3T3 NIH細胞を
接種した。
W、攻撃後の週。データは腫瘍の平均平方を指す(±SD)。
nd、検出可能でない腫瘍。
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C12P 21/08 C12P 21/08
// C12P 21/02 C12P 21/02 C
(C12P 21/02
C12R 1:91)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L
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,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,
SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S
Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD
,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ
,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ,
DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I
S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR
,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN,
MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S
D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT
,UA,UG,US,UZ,VN
(72)発明者 コンチエツテイ,アントニオ
イタリア・アイ−62032カメリノ・ビアデ
ルバステイオネ3・ウニベルシタ・デグ
リ・ストウデイ・デイ・カメリノ・デイパ
ルテイメント・デイ・ビオロジア・モレコ
ラレ・セルラレ・アニマレ
(72)発明者 ベナンジ,フランコ・マリア
イタリア・アイ−62032カメリノ・ビアデ
ルバステイオネ3・ウニベルシタ・デグ
リ・ストウデイ・デイ・カメリノ・デイパ
ルテイメント・デイ・ビオロジア・モレコ
ラレ・セルラレ・アニマレ
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1.筋肉内にもしくは他の経路により投与される場合に上皮増殖因子レセプター (EGFR)をコードするcDNAの発現を支配することが可能な制御配列に機 能的に連結された前記cDNAを含むポリヌクレオチド性免疫原性剤。 2.cDNAがHER−2/erbB−2/neu癌遺伝子をコードする、請求 の範囲1に記載されるような免疫原性剤。 3.cDNAがEGFレセプターファミリーの癌原遺伝子もしくは癌遺伝子をコ ードする、請求の範囲1および2に記載されるような免疫原性剤。 4.腫瘍の予防的もしくは治療的処理のための、請求の範囲1、2もしくは3に 記載されるような免疫原性剤。 5.乳房および/もしくは卵巣、肺および腎の腺癌のならびに上の癌遺伝子を発 現する他の新生物の予防的もしくは治療的処理のための、請求の範囲4に記載さ れるような免疫原性剤。 6.制御配列がプラスミドもしくはウイルス由来である、上の請求の範囲のいず れかひとつに記載されるような免疫原性剤。 7.請求の範囲1、2、3および6に従い免疫原性に処置された動物から選択さ れた抗レセプターモノクローナル抗体の産生のための免疫原性剤。 8.それ自体細胞毒性薬物(イムノトキシン)と組み合わしてもしくは結合して 免疫療法で使用するためのヒトモノクローナル抗体の産生のための請求の範囲7 に記載されるような免疫原性剤。 9.腫瘍の治療での補助療法を高めるための、請求の範囲1、2、3、 4、5に記載されるような免疫原性剤。
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