【発明の詳細な説明】
イミダゾール誘導体、その製造およびS−アデノシルメチオニン
デカルボキシラーゼ(=SAMDC)阻害剤としてのその使用発明の概要
:
本発明は新規イミダゾール誘導体、それらの互変異性体および/またはそれら
の塩、それらの化合物の製造法、それらの化合物を含む医薬組成物および
a)ヒトまたは動物の治療に用いるためのそれらの化合物、
b)ヒトまたは動物の治療におけるそれらの化合物の使用
;および/または医薬組成物の製造においてのそれらの化合物の使用に関するも
のである。発明の背景
:
治療目的にS−アデノシルメチオニンデカルボキシラーゼの阻害を利用し得る
ことが知られている。驚くべきことに、価値ある薬理学的性質を持つ新規化合物
群が、本発明により発見された。発明の詳細な記述
:
本発明に記載のイミダゾール誘導体は特に式I
[式中、
R1は水素またはヒドロキシであり;
R2、R2'およびR2"は各々独立して水素または水素以外の置換基であり;
R3は水素または水素以外の置換基であり、
R4は水素または低級アルキルであるか、
またはR3およびR4が共に式-(CH2)n-(n=2 または 3)で示される2価の残基
を形成し;
R5およびR6は各々独立して水素、アルキルまたはアリールであり;
R7およびR8が各々水素であるか、またはR7およびR8が共に結合を形成してい
る]
で示される化合物;少なくとも一つの互変異性可能な基があれば、それらの互変
異性体;またはそれらの塩である。
本発明の範囲内において、全記述に使用した一般用語は(特記しない限り)好ま
しくは以下の意味を有するものである:
用語『低級』は最大限7を含めた7炭素原子までの残基を意味し、好ましいの
は最大限4を含めた4炭素原子までである。
低級アルキルは、例えば、n-プロピル、イソプロピル、n-ブチル、イソブチル
、sec-ブチル、tert-ブチル、n-ペンチル、ネオペンチル、n-ヘキシルまたは n-
ヘプチルであり、または好ましくはエチルかまたは特にメチルである。
水素以外の置換基は特に低級アルキル、1つ以上好ましくは3つまでのハロゲ
ン原子を有するハロ-低級アルキル、シクロアルキル、アリール-低級アルキル、
ヒドロキシ、低級アルコキシ、アリール-低級アルコキシ、アリールオキシ、例
えば低級アルカノイルオキシまたはアリールカルボニルオキシのようなアシルオ
キシ、ハロゲン、アミノ、N-低級アルキルアミノ、N,N-ジ(低級アルキル)ア
ミノ、例えば低級アルカノイルアミノまたはアリールカルボニルアミノのような
アシルアミノ、ニトロ、低級アルカノイル、アリールカルボニル、カルボキシ、
低級アルコキシカルボニル、例えば 1-アリール-低級アルコキシカルボニルのよ
うなアリール-低級アルコキシカルボニルであり、例としてはベンジルオキシカ
ルボニル、カルバモイル(-CONH2)、N-低級アルキルカルバモイル、N,N-
ジ-(低級アルキル)カルバモイル、N-アリールカルバモイル、シアノ、メルカプ
ト、低級アルキルチオ、低級アルカンスルホニル、スルファモイル(-SO2NH2
)、N-低級アルキルスルファモイルまたはN,N-ジ(低級アルキル)-スルファモ
イルである。
ハロ-低級アルキルは特にモノ-、ジ-または例えばトリフルオロメチルのよう
なトリ-(ハロ)-低級アルキルである。
ハロゲンは例えばヨウ素であり、または好ましくは臭素、または特にフッ素や
塩素である。
シクロアルキルは好ましくは(3から8個までの環状炭素原子を有する)C3−
C8シクロアルキルおよび特に(5から6個の環状炭素原子を有する)C5−C6シ
クロアルキルであり、シクロアルキルは低級アルキルにより置換されていてもま
たは置換されていなくてもよい。
アリールは好ましくは、1つ以上の各々互いに独立したあらゆる種類の置換基
により置換されているかまたは置換されていない 6〜12 環状炭素原子をもつ芳
香環系であり、二環系または好ましくは単環系であり;特に未置換であるか 1-
または 2-ナフチルのような置換されているフェニルまたはナフチルであり;こ
こで適当な置換基は、低級アルキル、フェニル、例えば 1-または 2-ナフチルの
ようなナフチル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級アルカノイルオキシ、ニト
ロ、アミノ、ハロゲン、例えばトリフルオロメチルのようなハロ-低級アルキル
、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N-低級アルキルカ
ルバモイル、N,N-ジ(低級アルキル)カルバモイル、シアノ、低級アルカノイル
、フェニル-またはナフチル-カルボニル、低級アルカンスルホニル、スルファモ
イル、N-低級アルキルスルファモイルおよびN,N-ジ-低級アルキルスルファモ
イルからなる群から互いに独立して選択した1つ以上の、特に1から3つまでの
、さらに特定すると1または2つの残基である。アリールは特に 1-あるいは 2-
ナフチルであるか;または例えばフッ素あるいは塩素(各場合とも特にp位にお
いて)のようなハロゲン、例えばメチルまたは tert-ブチル(各場合とも特にp位
において)のような低級アルキル、例えばメトキシのような低級アルコキシおよ
びフェニルからなる群から互いに独立して選択した1つまたは2つの残基により
置換されているか、または置換されていないフェニルである。
アリール-低級アルキルは好ましくは上記に定義したアリール残基を含み、好
ましくはフェニル-低級アルキルであり、特にベンジルである。
アリール-低級アルコキシは好ましくは上記に定義したアリール残基を含み、
特に例えばベンジルオキシのようなフェニル-低級アルコキシである。
低級アルカノイルは特にホルミルであるかまたはより特定するとアセチル、プ
ロピオニルあるいはピバロイルである。
低級アルカノイルオキシは特にアセトキシ、プロピオニルオキシまたはピバロ
イルオキシである。
アリールカルボニルは好ましくは上記に定義したアリール残基を含み、例えば
ベンゾイルまたは 1-または 2-ナフトイルであり、これらは各々低級アルキル、
低級アルコキシ、ヒドロキシ、ハロゲンまたはトリフルオロメチルのようなハロ
-低級アルキルにより置換されているか、または未置換である。
低級アルカンスルホニル(低級アルキル-SO2-)は好ましくはメタン-または
エタン-スルホニルである。
アルキルは好ましくは最大限 20 を含めた 20 個までの炭素原子を有する炭化
水素残基であり、それらは例えば 1-(n-ドデシル)のようなドデシル、例えば 1-
(n-デシル)のようなデシル、例えば 1-(n-ノニル)のようなノニル、例えば 1-(n
-オクチル)のようなオクチル、または好ましくは例えば特にメチル、またはより
特定するとエチルのような低級アルキルのような分枝鎖を1つ以上有しているか
、または分枝していない。
その他の残基は全記述の各段階において定義した意味を有しているが(一般的
に定義した式Iで示されるの化合物および好ましい式Iで示される化合物)、以
下の化合物は特に好ましい:
a)R1が水素である式Iの化合物はR1がヒドロキシである化合物よりも好まし
く;
b)R7およびR8が各々水素であるとき、式Iで示される好ましい化合物におい
てはR5およびR6が同様に各々水素であり;
c)R3およびR4が共に-(CH2)3-、または特に-(CH2)2-である式Iで示され
る化合物は、R3が水素または水素以外の置換基であり、R4が水素または低級ア
ルキルである化合物よりも好ましい。
互変異性可能な基が式Iで示される化合物中にあるときには、(例えば溶媒、
pH値または凝集状態に依存して)式Iで示される化合物(およびそれらの前駆体
)を互変異性体形にすることが可能である。例えば、R7およびR8が各々水素で
ありその他の残基が定義された通りである式Iで示される化合物においては、4,
5-ジヒドロイミダゾリル残基は以下の互変異性体形であり得る。
当業者はこのような互変異性および同類の互変異性がおこることを良く知って
いるので容易に対応する化合物と互変異性体を推論し得る。この発明はまたこの
ような互変異性体にも関するものである。
もしシス/トランス異性化が可能であり、および/または不斉中心が存在すれ
ば、式Iで示される化合物は例えばジアステレオ異性体混合物、エナンチオ混合
物または光学活性な異性体の形というように、異性体または異性体の混合物の形
で存在し得る。
その基本的な性質ゆえに、式Iで示される化合物の塩は特に酸付加塩であり、
1つ以上の酸性残基(例えば-COOH)がある場合には、内部塩でもあり;混合
塩でもあり得る。塩とは特に医薬的に許容可能な、すなわち無毒性の式Iで示さ
れる化合物の塩であり、これはすなわち特に毒性学的に耐えられる(用量が問題
となる)、酸アニオンをもつ対応する酸付加塩のことである。
このような化合物は、例えば式Iで示される化合物と、塩化水素酸または臭化
水素酸のようなハロゲン化水素酸と、硫酸またはリン酸のような無機酸と、また
は酢酸、プロピオン酸、グリコール酸、コハク酸、マレイン酸、ヒドロキシマレ
イン酸、メチルマレイン酸、フマル酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸、グルコン酸、
グルカル酸、グルクロン酸、クエン酸、安息香酸、ケイ皮酸、マンデル酸、サリ
チル酸、4-アミノサリチル酸、2-フェノキシ安息香酸、2-アセトキシ安息香酸、
エンボン酸、ニコチン酸またはイソニコチン酸のような有機カルボン、スルホン
、スルホまたはホスホン酸またはN-置換スルファミン酸と、また例えばグルタ
ミン酸またはアスパラギン酸のような自然界でタンパク質の合成に関与している
20 種類のα-アミノ酸のようなアミノ酸およびメタンスルホン酸、エタンスル
ホン酸、2-ヒドロキシエタンスルホン酸、エタン-1,2-ジスルホン酸、ベンゼン
スルホン酸、4-メチルベンゼンスルホン酸、ナフタレン-2-スルホン酸、ナフタ
レン-1,5-ジスルホン酸、2-または3-ホスホグリセリン酸、グルコース-6-リン酸
、N-シクロヘキシルスルファミン酸(シクラメートの形成を伴う)、またはアス
コルビン酸のようなそのほかの酸性有機化合物とで形成される。炭酸塩または炭
酸水素塩でも可能である。
混合塩は、例えば式Iで示される化合物に、クエン酸やリン酸のように異なる
解離定数をもつ酸性残基を有する2または3価の酸がついたものを含んでおり、
これらの酸の1つまたは2つのプロトンはNa+またはK+のような例えばアルカ
リ金属カチオンのようなカチオンで置換されており、それ故対応する塩は式Iで
示される化合物と対応する酸アニオンに加えて、対応するカチオンも含む。
分子内塩もまた混合塩の形であり得る。
用語『化合物』および『塩』は個々の化合物および個々の塩もまた明らかに含
んでいる。
単離または精製の目的で、例えばピクリン酸塩や過塩素酸塩のような薬剤学的
に許容可能な塩を使用することもまた可能である。薬剤学的に許容でき、無毒性
の塩のみが治療に使用し得るため、そのような塩が好ましい。この発明に記載の
化合物は価値のある、特に薬理学的に有益な性質を有している。特に、酵素であ
るS−アデノシルメチオニンデカルボキシラーゼ(SAMDC)に対し顕著で特
異的な阻害作用をもつ。SAMDCは、ヒト細胞を含めた殆ど全ての動物細胞で
行なわれているポリアミン合成に鍵酵素として重要な役割を果している。SAM
DCは細胞中のポリアミン濃度を調節する。酵素SAMDCの阻害はポリアミン
濃度の減少を引き起こす。ポリアミン濃度の減少は細胞成長阻害を引き起こすた
め、SAMDC阻害物質を投与すれば、真核細胞および原核細胞両方の成長を阻
害し
細胞を殺戮するかまたは細胞分化の開始を阻害することが可能である。例えば腫
瘍細胞の同系移植により生じた腫瘍のような模擬実験において、腫瘍を抑制する
ことが可能である。同系移植は実質上遺伝学的に同一である個体間の系統内での
移植を意味する。
酵素SAMDCの阻害は慣用的な方法(例えば H.G.Williams-Ashmann および
A.Schenone による方法、Biochem.Biophys.Res.Communs.46,288 (1972)参
1.94,234-239(1983)参照)で実証し得る。本発明の化合物は10-9〜10-4Mの
範囲内の、特に2×10-9〜10-7Mの範囲内のIC50値をもつ。
本発明に記載の化合物の更なる利点として、SAMDCを顕著に阻害するのに
比べほんの僅かしかジアミンオキシダーゼを阻害せず、また非常に耐性があると
いうことである。ジアミンオキシダーゼの阻害は、プトレッシンの蓄積をもたら
すことで間接的にSAMDCを活性化するため不利である。ジアミノキシダーゼ
照)。
ポリアミン代謝拮抗物質である式Iで示される化合物は抗増殖作用を有し、こ
れは例えばヒトT24 膀胱細胞癌の成長に対する阻害作用を確認することで実証
し得る。これは細胞を、5%(v/v)のウシ胎児血清を加えた『イーグルの最小必須
培地』(Eagle,H.,Science,130,c1432-1437(1959)参照)中で、加湿したイン
キュベーター中、37℃で空気中 体積5%のCO2下にインキュベートすることで
実証される。癌細胞(1000-1500;ATCC HTB 4)を 96 穴のマイクロタイタープレー
トに移し、上記条件下で一晩インキュベートする。試験化合物を第一日目に連続
希釈溶液に加える。ブレートを上記条件下で5日間インキュベートする。その間
、対照培養物は少なくとも4回の細胞分裂を行う。インキュベーション後に細胞
を3.3%(重量/容量=w/v)のグルタルアルデヒド水溶液で固定し、水で洗浄し、
0.05%(w/v)のメチレンブルー水溶液で染色する。洗浄後、色素を3%塩酸水溶液
で溶出する。各穴ごとの吸光度(OD)(細胞数に正比例している)を光度計(Titer
tek multiskan)を用い 665nmにおいて測定する。IC50値は式
を用いてコンピューターで計算する。
IC50値は、各穴における細胞数がインキュベーション期間の終了時に対照培
養物中の細胞数に比し 50%となる活性成分の濃度として定義される。 式Iで
示される化合物において、10-4〜5×10-7M、特に10-5〜10-6Mの範囲のIC50
値が得られる。
式Iで示される化合物の in vivo 中での耐性および抗腫瘍活性は、例えばU.
cer Res.54,3210-3217(1994)参照)を用いた既知方法により実証し得る。簡
潔に述べると、手法は以下の通りである:最大耐量(MTD)を決めるために、
発明に記載の化合物(これは例えば蒸留水/0.9%NaClに溶解する)を各グルー
プのネズミ3匹ずつに腹腔注射する。最初の動物が 10 日間の期間内に死亡する
まで用量を増加する。抗腫瘍活性を決定するために、例えばヒトT−24膀胱癌細
胞(ATCC HTB 4)を少量培養し、異種移植(『異種植皮』)として雌の BALB/c
ヌードマウスに移植する(Bomholtgarden、コペンハーゲン、デンマーク)。式I
で示される化合物を用いる抗腫瘍処置は、少なくとも3体の移植体を作った後に
始める。およそ25g重量の腫瘍断片をネズミの左横腹に移植する(6匹/1グループ
)。腫瘍の平均容積が150〜200mm3となればすぐに処置を始める。腫瘍の成長は一
週間に2回互いに垂直である腫瘍直径を測定することで決定する。腫瘍容積
載した方法(Cancer Res.54,3210-3217(1994)参照)により決定し、相対的
腫瘍サイズ(すなわち、処置の開始時の腫瘍容積に比較した腫瘍容積の増加)とし
てT/C%(処置/コントロール パーセント)で与えられる。試験化合物は蒸
留水に溶かし 3倍の容積の 0.9%(w/v)NaCl水溶液で希釈する。
MTD値は、特に例えば 500mg/kg(経口投与)以上のように特に 200mg/kg以
上の範囲であるか;または例えばおよそ125mg/kg(腹腔投与)のように50mg/kg
(腹腔投与)以上の範囲である。腫瘍に対する活性の決定において、式Iで示さ
れる化合物の投与時に用量依存的な腫瘍成長阻害がみられ;特に腹腔投与の場合
において、腫瘍成長の顕著な減退がおよそ 5mg/kg という少量の用量でみられ、
経口投与の場合においては、腫瘍成長の非常に顕著な減少が最小使用用量(3.13
mg/kg)で 60%以下という好ましいT/C値でみられた。
式Iで示される化合物のトリパノソーマ属の住血鞭毛虫に対する効果をそれ自
体既知の試験系(例えばBrun,R.および Kunz,C.,Acta Tropica 46,361-368(1989
))を用いて実証することも可能である。
この化合物は(例えばネズミに)経口投与したとき良好か非常に良好な血漿レ
ベルを示す。
オクタノールと水(log P で決定する)間に分配すると、式Iで示される化合
物は良好な脂肪親和性を示す。
従って、式Iで示される化合物は、例えば良性および悪性の腫瘍の処置に使用
し得る。これらは腫瘍の減退をもたらし、また腫瘍細胞の広がりおよび微小癌組
織の転移の増大を妨げる。さらに、トリパノソーマ症、マラリアまたはニューモ
スチス・カリニ肺炎のような原生動物感染の処置に有益である。
定温動物、特に哺乳飼育動物およびヒトにおける対応する疾病、特に腫瘍の疾
病を処置し得る。
選択的なSAMDC阻害剤である式Iで示される化合物は、単独でまたは薬理
活性をもつ他の物質と組み合わせて使用し得る。例えば(a)オルニチンデカルボ
キシラーゼ阻害剤のような、ポリアミンの生合成におけるその他の酵素阻害剤、
(b)プロテインキナーゼCの阻害剤、(c)チロシンプロテインキナーゼの阻害剤
、(d)サイトカイン、(e)負の成長調節剤、(f)アロマターゼ阻害剤、(g)抗エ
ストロゲンまたは(h)慣用的な細胞増殖抑制性のまたは細胞毒性活性を有する活
性成分などと組み合わせて用いる。
好ましいのは、式I
[ここで、式中、
R1はヒドロキシまたは、特に水素であり、
残基R2、R2’およびR2”は各々独立して、水素または、低級アルキル、トリ
フルオロメチルのように1つ以上、好ましくは3つまでのハロゲン原子をもつハ
ロ-低級アルキル、C3−C8シクロアルキル、フェニル-低級アルキル、ヒドロキ
シ、低級アルコキシ、フェニル-低級アルコキシ、フェニルオキシ、低級アルカ
ノイルオキシまたはベンゾイルオキシ、ハロゲン、アミノ、N-低級アルキルア
ミノ、N,N-ジ(低級アルキル)アミノ、低級アルカノイルアミノ、ベンゾイル
アミノ、ニトロ、低級アルカノイル、ベンゾイル、カルボキシ、低級アルコキシ
カルボニル、例えばベンジルオキシカルボニルのような 1-フェニル-低級アルコ
キシカルボニル、カルバモイル、N-低級アルキルカルバモイル、N,N-ジ(低
級アルキル)カルバモイル、N-フェニルカルバモイル、シアノ、メルカプト、低
級アルキルチオ、低級アルカンスルホニル、スルファモイル、N-低級アルキル
スルファモイルおよびN,N-ジ-(低級アルキル)スルファモイルおよびN,N-ジ-
(低級アルキル)スルファモイルから選択した置換基であり;
R3は水素であり
R4は水素または低級アルキルであるか
または
R3およびR4は共に式-(CH2)n-(n=2 または 3)で示される2価の残基を形成
し;
R5およびR6は各々独立して水素、低級アルキル;または各々が未置換または低
級アルキル、フェニル、ナフチル、低級アルコキシ、ヒドロキシ、低級アルカノ
イルオキシ、ニトロ、アミノ、ハロゲン、トリフルオロメチルのようなハロ-低
級アルキル、カルボキシ、低級アルコキシカルボニル、カルバモイル、N-低級
アルキルカルバモイル、N,N−ジ(低級アルキル)カルバモイル、シアノ、低級
アルカノイル、フェニル-またはナフチル−カルボニル、低級アルカンスルホニ
ル、スルファモイル、N-低級アルキルスルファモイルおよびN,N-ジ-低級アル
キル-スルファモイルからなる群から互いに独立して選択した置換基で、モノ-ま
たはジ-置換、1-または 2-ナフチルのように特にモノ-またはジ-置換しているフ
ェニルまたはナフチルであり;R5は好ましくは水素であり;および
R7およびR8は各々水素であるか、またはR7およびR8は共に結合を形成する]
で示される化合物、少なくとも1つの互変異性基が存在するのであれば、その互
変異性体;またはその塩。
特に好ましいのは式I
[ここで、式中、
R1はヒドロキシまたは特に水素であり;
残基R2、R2'およびR2"は各々水素であり;
R3は水素であり、
R4は水素または低級アルキルであるか、または
R3およびR4が共に-(CH2)2-または-(CH2)3-であり;
R5は水素、メチルまたはエチルのような低級アルキル;または各々がメトキシ
のような低級アルコキシ、臭素または特に塩素またはフッ素のようなハロゲン、
メチルまたはまたは tert-ブチルのような低級アルキル、およびフェニルから選
択された 1〜3 つの、特に1つまたは2つの残基により置換されているか、また
は置換されていないナフチルまたはフェニルであり;
R6は水素であり;および
R7およびR8が各々水素であるか、またはR7およびR8が共に結合を形成する]
で示される化合物;少なくとも1つの互変異性基が存在するのであれば、その互
変異性体;またはその塩である。
非常に好ましいのは式I
[ここで、式中、
R1はヒドロキシまたは、特に水素であり;
残基R2、R2’およびR2”は各々水素であり;
R3は水素であり、
R4が水素または低級アルキルであるか、または
R3およびR4が共に-(CH2)2-または-(CH2)3-であり;
R5は水素、低級アルキル、フェニル、2-,3-または4-低級アルコキシフェニル
、2,5-ジ-低級アルコキシフェニル、4-フルオロフェニル、4-クロロフェニル、4
-低級アルキルフェニル、4-ビフェニルイルまたは 1-または 2-ナフチルであり
;
R6は水素であり;
R7およびR8が各々水素であるか、またはR7およびR8が共に結合を形成する]
で示される化合物またはそれらの塩であり;
記載した低級アルキルは各場合において特にメチルまたはエチルである。
大変好ましいのは式I、
[ここで、式中、
R1、R2、R2’およびR2”は各々水素であり;
R3は水素であり、
R4は水素またはメチルであるか、または
R3およびR4が共に-(CH2)2-または-(CH2)3-であり;
R5は水素、エチル、フェニル、2-,3-または4-メトキシフェニル、2,5-ジメト
キシフェニル、4-フルオロフェニル、4-クロロフェニル、4-メチルフェニル、4-
ビフェニルイルまたは2-ナフチルであり;
R6は水素であり;
R7およびR8が各々水素であるか、またはR7およびR8が共に結合を形成する]
で示される化合物、またはその塩である。
極めて大変好ましいのは式I
[ここで、式中、
R1、R2、R2'およびR2"は各々水素であり;
R3およびR4は共に-(CH2)2-または-(CH2)3-であり;
R5は 3,4-ジメトキシフェニル、3,4,5-トリメトキシフェニル、3,5-ジメトキシ
フェニル、3,4-ジメチルフェニル、3,5-ジメチルフェニル、2,4-ジメチルフェニ
ル、3,4-ジクロロフェニル、3,5-ジクロロフェニル、2,4-ジクロロフェニルまた
は3,5-ジ-(tert-ブチル)フェニルであり;
R6は水素であり;および
R7およびR8は共に結合を形成する]
で示される化合物またはそれらの塩である。
本発明は特に実施例に記載した特定の化合物またはそれらの塩に関するもので
ある。
式Iで示される化合物は既知方法に従って製造され、例えば
a)式II
[ここで、式中
W1は官能基がカルボキシで修飾されており、その他の残基は式Iで示される化
合物について定義された通りである]
で示される化合物またはその塩を式III
R1-NH2 (III)
[ここで、式中R1は水素またはヒドロキシである]
で示されるアンモニアまたはヒドロキシルアミンと、またはその塩と反応させる
(ここで反応に関与しない出発原料中の官能基を必要であれば保護し、ついで存
在する保護基を全て除去する);または
b)式IV
[ここで、式中、
残基は式Iで示される化合物について定義された通りである]
で示されるヒドロキシイミノ化合物またはその塩を式V
[ここで、式中、
残基は式Iで示される化合物について定義された通りである]
で示されるアミノイミダゾールと、またはその塩と反応させる(ここで、反応に
関与しない出発原料中の官能基を必要であれば保護し、ついで存在する保護基を
全て除去する);または
c)R1が水素であり、その他の残基が定義された通りである式Iで示される化
合物を製造するために、式VI
[ここで、式中
残基は式Iで示される化合物について定義された通りである]
で示されるオキソ化合物もしくはその反応活性誘導体またはその塩を式V
[ここで、式中、
残基は式Iで示される化合物について定義された通りである]
で示されるアミノイミダゾールまたはその塩と反応させ(反応に関与しない出発
原料中の官能基を必要であれば保護し、ついで存在する保護基を全て除去する)
;であり、そして、
所望により、a)、b)またはc)の方法の1つに従い得られた式Iで示される
化合物を所望により式Iで示される別の化合物へと転換し、所望により式Iで示
される化合物の塩を別離化合物へと転換し、所望によりある塩から直接または最
後に記載した方法により得た塩形成能を有する式Iで示される遊離化合物を別の
塩に転換し、および/または、所望により式Iで示される化合物の異性体混合物
を個々の異性体へと分割する。製法の詳細な記述
好ましい製法条件についての以下の詳述において、出発物質、中間体および最
終生成物におけるR1、R2、R2'、R2"、R3、R4、R5、R6、R7およびR8は
特記しない限り式Iで示される化合物で定義された通りである。製法a):シアノ基をヒドロキシアミジノまたはアミジノ基に転換
式IIで示される中間体において、W1は官能基がカルボキシ、好ましくはイミ
ノアルコキシカルボニル、イミノ-アルカンチオカルボニル(両方とも塩の形であ
る)、または特にシアノで修飾されている。
式I(R1=HまたはOH)で示されるアミジンの製造において、式IIで示され
る化合物のW1基は例えば:イミノ-低級アルキルエステル(イミノ-低級アルキル
エーテルに相当する)またはイミノ-低級アルカンチオールエステルの酸付加塩で
、例えば-C(=NH)-OC2H5・HClまたは-C(=NH)-SC2H5・HClの残
基を有する。しかしながら、シアノが好ましい。
式IIで示されるイミノ-(低級)アルキルエステルまたはイミノ-(低級)アルカン
チオールエステル(塩の形である)をアンモニアと反応させると、アミジノ基(R1
=H)を含む式Iで示される化合物が得られる。好ましくは、式IIで示されるシ
アノ化合物を例えばKNH2のようなアルカリ金属アミドと反応させて対応する
式I(R1=H)で示される対応するアミジノ化合物へと変換する。
式I(R1=OH)で示されるN-ヒドロキシアミジノ化合物は同様の方法で製造
し得、例えば式IIで示されるイミノ-(低級)アルキルエステルまたはイミノ-(低
級)アルカンチオールエステル(塩の形である)をヒドロキシルアミンまたはその
塩と反応させる。
好ましくは、式IIで示されるシアノ化合物をアンモニアまたは特に式IIIで示
されるヒドロキシルアミンまたはその塩を用いて、式Iで示される対応するアミ
ジノ(R1=H)または、特にN-ヒドロキシアミジノ化合物(R1=OH)へ変換し
、これは、例えばメタノールやエタノールのような低級アルカノールの金属アル
コラート、または炭酸水素金属、または特に炭酸金属、好ましくはその塩のよう
な塩基の存在下での反応により行なわれ、ここで『金属』とはナトリウムまたは
カリウムメタノレートまたは炭酸ナトリウムまたは炭酸カリウムのような、ナト
リウムまたはカリウムといったアルカリ金属を意味する。反応は(i)金属アルコ
ラートの場合、好ましくはメタノールまたはエタノールのような金属アルコラー
トに適合するアルコール中で、好ましくは 0〜50℃、特に室温で行う;または(i
i)炭酸金属の場合(または炭酸水素金属)の場合、メタノールまたはエタノールの
ようなアルコール中、N,N-ジメチルホルムアミドのようなN,N-ジ-低級アル
キル-アルカノイルアミド、または水、またはそれらの混合物中で、好ましくは
50℃から還流温度で、特に75℃から還流温度内で行う。
W1がイミノ-(低級)アルコキシカルボニルである式IIで示される出発物質は、
例えばW1がシアノである式IIで示される化合物をアルカノール、特に低級アル
カノールと酸触媒反応することで、また例えばクロロホルムやジエチルエーテル
中でエタノールおよび塩酸を用いて反応することで製造する。W1がイミノ-(低
級)アルカンチオカルボニルである式IIで示される出発原料は、例えば始めにW1
がシアノである式IIで示される化合物を硫化水素で処理(例えばピリジン中、ト
リエチルアミンのような3級窒素塩基の存在下、0〜50℃の温度で例えばおよそ4
0℃で行う)することで対応するチオカルボキシアミド(W1の代わりに-C(=S)-
NH2である)に転換することにより、得られる。チオカルボキシアミドを次いで
例えば対応する(低級)ヨウ化アルキルを用いて、または好ましくはトリ(低級)ア
ルキルオキソニウムテトラフルオロホウ酸を用いて、好ましくはアルゴンのよう
な保護ガスの下、塩素化炭化水素例えば塩化メチレンのような不活性極性溶媒中
で、好ましくは0〜50℃、特におよそ室温でS-アルキル化し得、イミノ-(低級)
アルカンチオールエステルヨウ化水素(-C(=NH)-S-アルキル・HI)またはイ
ミノ-(低級)アルカンチオールエステルテトラフルオロホウ酸にそれぞれ変換し
た。
W1がシアノである式IIで示される化合物は、例えば式VII
[ここで、式中、
CW2W3は官能基修飾されていないかまたは官能基修飾すなわち保護されている
カルボニルである]
で示される化合物を式V
[ここで、式中、
残基は上記(方法b)およびc))で定義された通りである]
で示されるイミダゾールと反応させることで製造し得る。
官能基修飾すなわち保護したカルボニルは、例えば:ジ-低級アルコキシメチ
レン(W2およびW3は各々低級アルコキシである)、C1-C2アルキレンジオキシ
メチレン(W2およびW3は共にC1-C2アルキレンジオキシである)、ジ-低級アル
キルチオメチレン(W2およびW3は各々低級アルキルチオである)、C1-C2アル
キレンジチオメチレン(W2およびW3は共にC1-C2アルキレンジチオである)ま
たは特にヒドロキシイミノメチレン(W2およびW3は共に=N-OHである)であ
る。
カルボニル(ヒドロキシメチレンと共に)が修飾されていない場合が好ましく、
その場合W2とW3は共にオキソである。
反応はそれ自体カルボニル誘導体のアミノ化合物との反応として知られている
反応条件下で、特に酸触媒を用いて、好ましくは式IVおよび式VIで示される化合
物の式Vで示される化合物との反応について方法b)およびc)と同様の条件下
で行なわれる。
式VIIで示される化合物は、既知であるかまたは既知方法(例えばColl.Czecho
slov.Chem.Commun.43,3227(1978)参照)に従い製造される。
例えば、CW2W3基がカルボニルでありその他の残基が式Iで定義された通り
である式VIIで示される化合物は、式VIII
[ここで、式中、
W2およびW3は共にカルボニルであり、W4はハロゲン、特に臭素、またはアセ
チルアミノのような保護アミノ酸である]
で示される化合物から、例えばシアン化銅(I)と反応させて(臭素の場合)または
アセチル保護基の除去、ジアゾ化およびシアン化銅(I)との反応(アセチルアミ
ノの場合)により得られ得る。
CW2W3基がカルボニルである式VIIで示される化合物もまた、対応する式VII
Ia
[ここで、式中、
W4'はシアノまたはハロゲン、特に臭素または例えばアセチルアミノのような保
護アミノであり、R2、R2'、R2"、R3およびR4は式VIIIで示される化合物で
定義された通りであり;W4'がシアノでなく上記記載のその他の残基の1つであ
る場合には、シアノ基への転換は式VIIIで示される化合物を用いたときと同様の
上記の方法で行なう]
で示される化合物から例えば三酸化クロム(CrO3)を用いて、酸化することで
製造し得る。
対応する式VII(W2およびW3が共に=-OH)で示されるヒドロキシイミノ化合
物は、カルボニル基と窒素塩基との反応で慣用的に行われている反応条件下、続
けてヒドロキシルアミン(塩のない形または塩の形で)と反応することにより製造
し得る。反応において、式VII(W2およびW3=オキソ)で示されるオキソ化合物
を、式VIIで示される出発原料に対して等量または過剰量、好ましくは 10 倍ま
での量を好ましく用いたヒドロキシルアミンと反応させるか、またはヒドロキシ
ルアミン塩、好ましくは例えばフッ化水素酸、塩化水素酸、臭化水素酸またはヨ
ウ化水素酸、特に塩化水素酸のようなハロゲン化水素のような無機酸との塩、硫
酸または例えば硫酸水素ナトリウムといったアルカリ金属硫化水素塩のような硫
化水素塩との塩、リン酸、リン酸化水素塩またはリン酸化二水素塩、例としては
アルカリ金属リン酸化水素または例えばリン酸価水素カリウムまたはリン酸水素
二カリウムのようなアルカリ金属リン酸化二水素塩、または有機酸との塩例えば
好ましくはフッ素、塩素またはヨウ素により低級アルキル残基が置換されている
かまたは置換されていない低級アルカンカルボン酸であり例としては酢酸、塩化
酢酸、ジクロロ酢酸またはトリフルオロ-あるいはトリクロロ酢酸との塩、また
は低級アルカンスルホン酸のようなスルホン酸との塩で例としてはメタンスルホ
ン酸、エタンスルホン酸またはエタンジスルホン酸、またはベンゼン-あるいは
ナフタレン-スルホン酸またはナフタレン-1,5-ジスルホン酸のようなアリールス
ルホン酸、またはZn(NH2OH)2Cl2(Crismer試薬)のような複塩と;または
in situで、例えば銅塩の存在下一酸化炭素およびSn(II)Cl2のようなスズ塩の
アルコール溶液から、またはN,O-ビス[トリメチルシリル]ヒドロキシルアミン
のカリウム塩から(テトラヒドロフラン中、(H3C)3Si-NH-O-Si(CH3)3お
よび水素化カリウムから製造され、続けて式VIIで示される化合物を塩化アンモ
ニウムのような酸でカリウム塩をぬく);反応は水中(界面活性剤の存在下または
非存在下)、メタノールやエタノールのような1つ以上のアルコール、ジメチル
スルホキシドのようなジ-低級アルキルスルホキシ、またはジメチルホルムアミ
ドのようなジ-低級アルキル-低級アルカノイルアミドまたはアセトニトリルのよ
うな充分に不活性なニトリル類、および水との水性混合物中で行なう;そのよう
な有機溶媒の混合物;またはアンモニア中、好ましくはメタノール/水またはエ
タノール/水のような水性アルコール溶液中;反応温度は -78℃から対応する反
応混合物の蒸留温度までであり、好ましくは -30℃〜100℃、特に 5〜90℃で例
えば 75〜80℃であり;およそ1〜10000気圧までの圧力下、好ましくは、ヒドロ
キシルアミン塩を用いている場合においては常圧で;塩基の非存在下に、好まし
くはシドロキシルアミンの酸性塩を用いている場合には酸を塩基、特にアルカリ
金属水酸化物のような水酸化物で例えばナトリウムまたはカリウム水酸化物で、
または炭酸塩あるいは炭酸水素塩、特にアルカリ金属またはアルカリ土類金属炭
酸塩または炭酸水素塩例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウ
ム、炭酸水素カリウムまたは炭酸バリウムで、または弱有機酸塩、特にアルカリ
金属または低級アルカンカルボン酸のアルカリ土類金属塩例えば酢酸ナトリウム
または酢酸カリウムで、または有機窒素塩基、特に2級または3級アミン例えば
ピロリジンやピリジンのような環状 5-または 6-員環の2級または3級アミ
ンで、またはアルコラート例えばナトリウムまたはカリウムメタノレート、エタ
ノレートまたはtert-ブタノレートのようなアルカリ金属低級アルコラートで、
または陰イオン交換体このときアルカリ金属炭酸塩が存在することが特に好まし
い、で中和し;W2およびW3が共にヒドロキシイミノである式VIIで示される化
合物が得られ、好ましくは直接結晶形で適当なときは再結晶後に溶媒または溶媒
混合物から得られる。好ましくはヒドロキシルアミンの記載した塩の1つ、特に
塩化水素塩のようなハロゲン化水素酸を記載した有機溶媒中、特にメタノールや
エタノールのようなアルコール中、記載温度で特におよそ 75〜80℃で反応させ
ると、式VIIで示される対応するオキシムが得られ、それは精製するかまたは直
接次段階に用いる。
W2およびW3がオキソまたはヒドロキシイミノ以外の上記記載の意味を1つ有
する式VIIで示されるその他の化合物は、ケタール、アセタール、チオケタール
またはチオアセタールの製造において慣用的に用いられている条件下でオキソま
たはヒドロキシイミノ化合物から製造し得る。
式VIIIおよびVIIIaは既知の方法に従って製造し得る(例えば、J.Org.Chem.49
,4226(1984)参照)。
さらに、W1がシアノであり、R7およびR8が共に結合を形成しその他の残基
が定義された通りである式IIで示される化合物の好ましい製造法は、出発物質と
して式IX
[ここで、式中、
R2、R2'、R2"、R3およびR4は式Iで示される化合物で定義された通りであ
る]
で示されるグアニルヒドラゾン誘導体を、式X
[ここで、式中、
W5は求核的な脱離基であり、R5およびR6は式Iで定義された通りである]で
示される化合物またはその活性誘導体と反応させて、対応する式IIで示される化
合物を形成する。
求核的な脱離基であるW5は特に、強力な無機または有機酸によりエステル化
されたヒドロキシ、特に、例えば塩化水素酸、臭化水素酸またはヨウ化水素酸の
ようなハロゲン化水素酸のような鉱酸、または例えば置換されていないかまたは
例えばフッ素のようなハロゲンにより置換されている低級アルカンスルホン酸の
ような強力な有機スルホン酸、置換されていないかまたはメチルや臭素のような
ハロゲンのような低級アルキルにより置換されているベンゼンスルホン酸のよう
な芳香族スルホン酸、および/またはメタンスルホン酸、p-ブロモトルエンス
ルホン酸またはp-トルエンンスルホン酸のようなニトロによりエステル化され
ているヒドロキシ、またはヒドラゾン酸によりエステル化されているヒドロキシ
から選択した脱離基である。問題となっている化合物は in situ でW5基を例え
ば塩素で、他の残基W5を例えばヨウ素(好ましくはNaIのようなアルカリ金属
ヨウ化物を用いる)で置換し、生じた反応混合液をさらなる反応に用いる。
式Xで示される化合物の反応活性誘導体は、例えばメタノールやエタノールの
ような特に定休アルカノールをもつ特に対応するアセタールまたはケタールであ
る。式Xのカルボニル基は、その場合ジ-低級アルコキシメチレン基の形である
。
式Xで示される遊離化合物の場合、反応は、好ましくはアルコール例えばメタ
ノールまたは特にエタノールのようなアルコールのような適当な極性溶媒中で、
-10℃から還流温度間の温度で、好ましくは0〜25℃または還流温度で行なう。所
望または必要により、トリエチルアミンのようなトリ-低級アルキルアミンとい
った3級窒素塩基を加える(特に式IXで示される化合物を式Xで示される化合
物
に対して過剰モル例えば 2 倍 過剰モル使用せず、それゆえ反応中に放出された
プロトンがもはや式IXで示される化合物の過剰により結合し得ないとき)。式
Xで示される化合物の反応活性誘導体を用いるとき(R5が水素であることが好ま
しい)、反応は特に例えばN,N-ジメチルホルムアミドまたはN,N-ジメチルア
セトアミドのようなN,N-ジ-低級アルキル-低級アルカノイルアミドのような非
極性溶媒中、強塩基、特に例えば水素化カリウムまたは特に水素化ナトリウムの
ようなアルカリ金属ハイドライド存在下、好ましくは 0〜100℃特に 18〜60℃の
温度で、好ましくは窒素やアルゴンのような保護ガスを用いて行ない、W5基は
式IXで示される化合物の2'-イミノ窒素(式IX中に矢印で示す)により求核的
に置換されている。得られた中間体(反応活性を有する誘導カルボニル基を含む)
を例えばHClのようなハロゲン化酸のような鉱酸といった酸を用いて、水性溶
液中好ましくは 60℃から還流温度で処理すると、対応する式IIで示される化合
物が得られる。
式IXで示される化合物は既知方法に従って、上記で定義したような特に式VII
で示される化合物から、好ましくは式Iで示される化合物のモル量に比しておよ
そ等量または過剰量、特にモル量にして 1〜2 倍量のアミノグアニジンと反応さ
せて製造し得る。反応はカルボニル基の窒素塩基との反応で慣用的に行われてい
る条件下で、好ましくはアミノグアニジンを、例えばフッ化水素、塩化水素、臭
化水素またはヨウ素化水素、特に塩化水素のようなハロゲン化水素酸、例えば硫
化水素ナトリウムのようなアルカリ金属硫酸水素といった硫酸水素または硫酸、
またはリン酸塩、リン化水素またはリン化二水素例えばリン酸水素ナトリウム、
リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カリウムまたはリン酸水素二カリウムのよ
うなアルカリ金属リン酸水素またはリン酸二水素といったリン酸、リン酸水素、
またはリン酸二水素といった酸の塩の形で、特に低級アルキル部位が置換されて
いないかまたは好ましくはフッ素、塩素またはヨウ素のようなハロゲンにより置
換されている例えば酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸またはトリフルオロ-ある
いはトリクロロ-酢酸のような低級アルカンカルボン酸といったカルボン酸、例
えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸またはエタンジスルホン酸のような低
級アルカンスルホン酸、ベンゼン-あるいはナフタレン-スルホン酸またはナフタ
レン-1,5-ジスルホン酸のようなアリールスルホン酸といったスルホン酸または
乳酸といった有機酸との塩の形で使用し;式IIIで示される化合物の強酸塩特にi
n situ で、例えば硫酸またはより特定すると、記述したハロゲン化水素酸の1
つまたはメタンスルホン酸のような強酸により放出され得る、例えば酢酸、また
は特に炭酸または重炭酸のような易揮発性の対応する塩から形成され、;水中(
界面活性剤の存在下または非存在下)、例えばメタノール、エタノールまたはイ
ソプロパノールのようなアルコール1つ以上、ジメチルスルホキシドのようなジ
-低級アルキルスルホキシド、ジメチルホルムアミドのようなジ-低級アルキル-
低級アルカノイルアミドと水との混合物中のような水性溶媒混合物中、例えばメ
タノールまたはエタノールのような1つ以上のアルコール、ジメチルスルホキシ
ドのようなジ-低級アルキルスルホキシド、ジメチルホルムアミドのようなジ-低
級アルキル-低級アルカノイルアミドといった有機溶媒中、アセトニトリルのよ
うな十分に不活性なニトリル中、またはそのような有機溶媒の混合物中、水/メ
タノール、水/エタノールまたは水/イソプロパノールのような好ましくは水性-
アルコール性溶液中;好ましくは-20℃から反応混合物の還流温度までの温度で
、特に室温から反応混合物の還流温度までの温度で、より特定するとおよそ還流
温度で;式VIIで示される化合物が直接、遊離の形でまたは、特に塩の形で、好
ましくは反応に存在する酸の形で例えば結晶形で得られる。
既知である式Xで示される化合物は既知方法に従って製造し得、または商業的
に入手できる。
既知である式Xで示される化合物の対応する反応活性誘導体は、商業的に入手
し得、または既知方法、例えば式Xで示される化合物を対応するアルコールと、
必要であれば硫化ジメチルのような脱水剤の存在下に、反応せしめることにより
製造し得る。
既知である式Vで示される化合物は既知方法に従って製造し得るか、または商
業的に得られる。例えば以下のように製造する:
式V(R7およびR8が共に結合を形成している)で示される化合物は、式XI
[ここで、式中、
Qは保護基として用いたアリール-1-アルキリデン基、特にベンジリデンまたは
フェニル-1-エチリデンである]
で示されるグアニジノ化合物を式X
[ここで、式中、
W5は求核性脱離基であり、R5およびR6は式Iで定義されている通りである]
で示される化合物またはその反応活性誘導体と反応させることで製造する。
求核性脱離基W5は、特に強無機または有機酸によりエステル化したヒドロキ
シ、特に例えば塩酸、臭化水素酸またはヨウ化水素酸のようなハロゲン化水素酸
といった鉱酸、または例えばフッ素のようなハロゲンにより置換されているかま
たは置換されていない低級アルカンスルホン酸、または例えばメチルのような低
級アルキル、臭素のようなハロゲン、および/またはニトロにより置換されてい
る例えばメタンスルホン酸、p-ブロモトルエンスルホン酸またはp-トルエンス
ルホン酸のような芳香族スルホン酸といった強有機スルホン酸によりエステル化
したヒドロキシ、ヒドラゾ酸によりエステル化したヒドロキシから選択した脱離
基である。問題となっている化合物は、また in situ で例えばヨウ素であるW5
基を、別の残基W5例えばヨウ素(好ましくはNaIのようなアルカリ金属ヨウ化
物を用いる)で置換することで製造し得、得られた反応混合物を次の反応に用い
る。
式Xで示される化合物の反応活性誘導体は、メタノールまたはエタノールのよ
うな特に低級アルカノールのついた、特に対応するアセタールまたはケタールで
ある。式Xで示される化合物のカルボニル基は、その場合、例えばジ-アルコキ
シメチレン基の形である。
式Xで示される遊離化合物の場合において、反応は、例えばメタノールまたは
特にエタノールのようなアルコールといった適当な極性溶媒中で、-10℃から還
流温度で、好ましくは 0から 20℃または 20℃から還流温度の範囲内で行なう。
所望によりまたは必要であれば、トリエチルアミンのようなトリ-低級アルキル
アミンのような 3 級窒素塩基を加える(特に式XIで示される化合物を式Xで示さ
れる化合物に比して例えば 2 倍量モル過剰のように過剰モル使用していないた
め、反応中に放出されるプロトンが式XIで示される化合物の過剰により結合し得
ないとき)(Chem.Ber.101,3151-3162(1968)または J.Het.Chem.11(3),327-329
(1974)参照)。式Vで示される遊離化合物を得るために、ついで保護基Q(とく
にベンジリデン)を、好ましくはヒドラジン(例えばヒドラジン水和物の形)を用
いて、ジエチレングリコールのようなジ-低級アルキレン-ジ-低級アルカノール
といった高沸点アルコール中で、例えば140℃〜170℃といった100℃から還流温
度で、または例えば硫酸、リン酸または特にHClまたはHBrのようなハロゲン
化水素酸といった鉱酸のような酸の存在下で、50℃から沸騰温度、特に100℃〜1
20℃の温度の水性溶液中、好ましくは式Q=O(ここでQは式XIで定義した通り
である)で示される遊離化合物の同時蒸留(共沸蒸留または水蒸気蒸留)により除
去する。
式Xで示される化合物の反応活性誘導体を用いるとき(R5が水素であることが
好ましい)、反応を、例えばN,N-ジメチルホルムアミドまたはN,N-ジメチル
アセトアミドのようなN,N-ジ-低級アルキル-低級アルカノイルアミドといった
非プロトン性溶媒中で、強塩基、例えば水素化カリウムまたは水素化ナトリウム
のような強塩基特にアルカリ金属ハイドライドの存在下で 0〜100℃、特に 18〜
60℃の温度で、好ましくは窒素またはアルゴンのような保護ガスを用いて行なう
と、式XI(式XI中に矢印により示す)で示される化合物のW5基が2'-イミノ窒素に
より置換される。ついで得られた中間体(反応活性誘導したカルボニル基を含
む)を、60℃から還流温度(例えば反応開始時の 60℃から加熱して反応の終了時
には120℃とする)という好ましい温度において水性溶媒中で、例えばHClのよ
うなハロゲン化水素といった鉱酸のような酸で処理することで加熱すると、式II
で示される化合物が得られ、適切には、反応時に保護基の除去により同時に形成
されるアリールアルキル-1-オキソ化合物Q=O(例えばベンズアルデヒド)を共
沸蒸留による除去する。
式V(R5はアリールであり、R6は水素であり、R7およびR8は共に結合を形
成する)で示される化合物は対応する臭化 2-アミノ-3-アロイルアルキル-5-低級
アルキル-1,2,3-オキサゾリジンを、NH3(室温または加熱する)と反応させて 2
-アミノ-4-アリール-1-低級アルキルカルボニル-イミダゾールとし、それを加水
分解し(例えばHClのような水/鉱酸と共にエタノールのようなアルコールの存
在下または非存在下)、低級アルカンカルボン酸を除去すると、先程定義した式
Vで示される化合物が生成する(Hetzheim 等、Chem.Ber.100,3418-3426(1967
)参照)。
式Vで示される化合物(R5およびR6は定義した通りであり、各々特に水素で
あり、R7およびR8は各々水素である)は、特に式XII
[ここで、式中、
Zは酸素または、好ましくは硫黄であり、R5およびR6は式Iで示される化合物
で定義した通りであり、各々特に水素であり、R7およびR8は各々水素である]
で示されるイミダゾリルケトンまたは(好ましくは)イミダゾリルチオンを式XI
II
Y-W6 (XIII)
[ここで、式中、
Yは低級アルキル、特にメチルであり、W6は求核性脱離基、特に強無機または
有機酸によりエステル化したヒドロキシ、特に、例えば塩酸、臭化水素酸または
ヨウ化水素酸のようなハロゲン化水素酸といった鉱酸、または好ましくは、例え
ばフッ素のようなハロゲンにより置換されているか、または置換されていない低
級アルカンスルホン酸といった強有機スルホン酸、またはメチルのような低級ア
ルキル、臭素のようなハロゲン、および/またはニトロにより置換されているか
または置換されていない例えばメタンスルホン酸、p-ブロモトルエンスルホン
酸または特にp-トルエンスルホン酸といった例えばベンゼンスルホン酸といっ
た芳香族スルホン酸によりエステル化されているヒドロキシ、ヒドラゾ酸により
エステル化されているヒドロキシから選択した脱離基である]
で示される化合物と反応させて製造する。
例えばメタノールまたはエタノールのような低級アルコールといったアルコー
ルのような適当な溶媒または溶媒混合物中、例えば還流温度のような高い温度で
反応を行なうと、式XIV
[ここで、式中、
Yは低級アルキルでありその他の残基は式XIIで定義された通りである]
で示される化合物が生成する。ついで、後者を酸添加塩の形の式Va
[ここで、式中、
YおよびR5およびR6は式XIVで示される化合物で定義した通りである]
で示される化合物へと、所望によりメタノール、エタノール、イソプロパノール
またはそれらの混合物のようなアルコールといった極性有機溶媒の存在下、好ま
しくは 0℃から還流温度、特に室温から還流温度(EP 0 327 919)で、水溶液中
アンモニアと反応させて変換する。式Vaで示される化合物は式V(R5およびR6
は定義された通りであり、各々水素であり、R7およびR8は各々水素である)で
示される化合物に対応する。対応する式Vで示される遊離化合物はついで、例え
ば酸HYの陰イオンの塩の形で導入した陰イオン交換体上でのイオン交換による
といった(例えば陰イオンY-を対イオンとして導入した、4 級アンモニウム基の
ついたスチレン/ビニリベンゼンンポリマーに基づく陰イオン交換体)、『追加
の方法』で以下に記載の式Iで示される化合物の方法と同様に、塩を遊離塩基ま
たは別の塩へと変換することでその化合物から得られ得る。
他の出発原料は既知方法に従って製造し得るか、または商業的に入手できるこ
とが知られている。
全ての出発原料(例えば式IIおよびIIIの出発原料)において、反応に関与しな
い官能基は、互いに独立して、保護形とし得る。必要であれば、保護基は適当な
段階で除去するか、または式Iで示される最終生成物の保護前駆体の段階まで除
去しない。
特定の保護基をすでに記述したが、これらの基が好ましい。
反応を回避すべき出発原料中の官能基、特にカルボキシ、アミノ、ヒドロキシ
およびメルカプト基についての保護基は、ペプチド化合物の合成、およびセファ
ロスポリンおよびペニシリンならびに核酸誘導体および糖の合成に慣用的に用い
られている保護基(慣用的な保護基)を特に含む。そのような保護基は、前駆体中
にすでに存在し得、アシル化、エーテル化、エステル化、酸化、加溶媒分解等な
どの望ましくない副反応に対して問題となっている官能基を保護する。ある場合
においては、保護基は追加的に、反応における例えば立体選択性などの選択性を
高め得る。保護基の特徴は、容易に除去し得、すなわち例えば加溶媒分解、還元
、
光分解のような望ましくない副反応が起こることなく、およびまた生理学的な条
件下で触媒的に除去し得ることであり、またそれらは最終生成物中には存在しな
い。
そのような保護基による官能基の保護、保護基それ自体およびその除去反応が
、例えば、J.F.W.McOmie、『Protective Groups in Organic Chemistry』、Plen
um Press、ロンドンおよびニューヨーク 1973、Th.W.Greene、『Protective Gro
upsin Organic Synthesis』、Wiley、ニューヨーク1981、『The Peptides』;Vo
l.3(E.Gross および J.Meinhofer 監修)、Academic Press、ロンドンおよびニュ
ーヨーク1981、『Methoden der organischen Chemie』、Houben-Weyl、第 4 版
、Vol.15/I、Georg Thieme Verlag、シュツットガルト1974、H.-D.Jakubke およ
び H.Jesc
ld Beach and Basle 1982、および Jochen Lehmann、『Chemie der Kohlenhydra
te:Monosaccharide und Derivate』、Georg Thieme Verlag、シュツットガルト
1974 の標準的な研究において、記載されている。
カルボキシル基は、例えば穏やかな条件下で選択的に除去し得るエステル基の
形で保護する。エステルの形で保護したカルボキシ基は、好ましくは低級アルキ
ル基の 1-位において分枝しているかまたは低級アルキル基の 1-または 2-位に
おいて適当な置換基により置換されている、特に低級アルキル基によりエステル
化する。
低級アルキル基によりエステル化した保護カルボキシ基は例えばメトキシカル
ボニルまたはエトキシカルボニルである。
低級アルキル基の 1-位が分枝している低級アルキルによりエステル化した保
護カルボキシ基は、例えば tert-ブトキシカルボニルのような例えば、tert-低
級アルコキシカルボニルである。
低級アルキル基の 1-または 2-位において適当な置換基により置換されている
低級アルキル基によりエステル化された保護カルボキシ基は、1 つまたは 2 つ
のアリール残基をもつ例えばアリールメトキシカルボニルのような 1-アリール-
低級アルコキシカルボニル(アリールは例えば tert-ブチルのような tert-低級
アルキルといった低級アルキル、メトキシのような、低級アルコキシ、ヒドロキ
シ、塩素のようなハロゲン、および/またはニトロによりモノ-、ジ-またはトリ
-置換されているかまたは置換されていないフェニルである)であり、例えば 4-
ニトロベンジルオキシカルボニルまたは 4-メトキシベンジルオキシカルボニル
のように、記載の置換基で置換されたベンジルオキシカルボニル、ベンジルオキ
シカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニルまたは、例えばジ(4-メトキシフ
ェニル)メトキシカルボニルのように記載の置換基で置換されているジフェニル
メトキシカルボニルであり、また例えばメトキシメトキシカルボニル、1-メトキ
シエトキシカルボニルまたは 1-エトキシエトキシカルボニル、1-メチルチオメ
トキシカルボニルまたは 1-エチルチオエトキシカルボニルのような 1-低級アル
キルチオ-低級アルコキシカルボニル、フェナシルオキシカルボニルのようなア
ロイルメトキシカルボニル(アロイル基は例えば臭素のようなハロゲンにより置
換されているかまたは置換されていない)、例えば 2,2,2-トリクロロエトキシカ
ルボニル、2-ブロモエトキシカルボニルまたは 2-ヨードエトキシカルボニルの
ような 2-ハロ-低級アルコキシカルボニル、ならびに、例えば 2-トリメチルシ
リルエトキシカルボニルまたは 2-(ジ-n-ブチルメチルシリル)-エトキシカルボ
ニルのような 2-トリ-低級アルキルシリルエトキシカルボニルといった 2-トリ-
低級アルキルシリル-低級アルコキシカルボニルまたはトリフェニルシリルエト
キシカルボニルのような 2-トリアリールシリルエトキシカルボニルのような、
例えば上記により置換されているまたは未置換の低級アルキル、フェニル-低級
アルキル、シクロアルキルまたはフェニルといった、2-(トリ置換シリル)-低級
アルコキシカルボニル(置換基は、例えば、低級アルキル、低級アルコキシ、ア
リール、ハロゲンおよび/またはニトロにより置換されているか、または置換さ
れていない脂肪族、アリファティクまたは芳香族炭化水素残基からなる群から、
各々独立して選択する)によりエステル化されたカルボキシである。
カルボキシ基はまた有機シリルオキシカルボニル基の形で保護し得る。有機シ
リルオキシカルボニル基は、例えばトリメチルシリルオキシカルボニルのような
トリ-低級アルキルシリルオキシカルボニル基である。シリルオキシカルボニル
基のケイ素原子はまた、例えばメチル基のような2つの低級アルキル基により置
換し得、化合物の第二の分子のアミノ基またはカルボキシ基を保護し得る。その
ような保護基をもつ化合物は、例えばシリル化剤である tert-ブチル-ジメチル
クロロシランのような対応するトリ-低級アルキルハロシランを用いて製造し得
る。
カルボキシ基はまた、例えばカルボキシル基に対してγ-位、すなわちラクト
ンの形で、好ましくは、γ-ラクトンの形で、適当な距離に存在するヒドロキシ
ル基との内部エステルの形で保護される。
保護カルボキシ基は好ましくは、例えば tert-ブトキシカルボニル、ベンジル
オキシカルボニル、4-ニトロベンジルオキシカルボニル、9-フルオレニルメトキ
シカルボニルまたはジフェニルメトキシカルボニルのようなtert-低級アルコキ
シカルボニルであるか、またはカルボキシル基はラクトン特にγ-ラクトンの形
で保護されたカルボキシ基である。
保護アミノ基は、例えばアシルアミノ、アリールメチルアミノ、エステル化メ
ルカプトアミノ、2-アシル-低級アルク-1-エニルアミノまたはシリルアミノ基の
形で、またはアジド基の形のようにアミノ基-保護基により保護される。
アシルアミノ基の中で、アシルは、例えば、18 炭素原子までを有する有機カ
ルボン酸、特に例えばハロゲンまたはアリールにより置換されているかまたは置
換されていない低級アルカンカルボン酸、または例えばハロゲン、低級アルコキ
シまたはニトロにより置換されているかまたは置換されていない安息香酸、また
は好ましくはカルボン酸半エステルのアシル残基である。そのようなアシル基は
好ましくはホルミル、アセチル、プロピオニルまたはピバロイルのような低級ア
ルカノイル、2-クロロ-、2-ブロモ-、2-ヨード-、2,2,2-トリフフルオロまたは2
,2,2-トリクロロ-アセチルのような2-ハロ-アセチルといったハロ-低級アルカノ
イル、例えばハロゲン、低級アルコキシまたはニトロにより置換されているか、
または置換されていない例えばベンゾイル、4-クロロベンゾイル、4-メトキシベ
ンゾイルまたは4-ニトロベンゾイルのようなベンゾイル、低級アルコキシカルボ
ニル、または好ましくは低級アルキル基の 1-位が分枝しているか、または 1-ま
たは 2-位が例えば適当に置換されており、例えば tert-ブトキシカルボニルの
ような tert-低級アルコキシカルボニル、1 つ、2 つまたは 3 つのアリール基(
これは例えば低級アルキル、特に tert-ブチルのような tert-低級アルキル、メ
トキシのような低級アルコキシ、ヒドロキシ、塩素のようなハロゲン、および/
またはニトロによりモノ-またはポリ-置換されているフェニルである)を有する
アリールメトキシカルボニルのような、例えばベンジルオキシカルボニル、4-ニ
トロベンジルオキシカルボニル、ジフェニルメトキシカルボニル、9-フルオレニ
ルメトキシカルボニルまたはジ(4-メトキシフェニル)メトキシカルボニルといっ
た 1-アリール-低級アルコキシカルボニル、フェナシルオキシカルボニルのよう
なアロイルメトキシカルボニル(ここで、アロイル基は好ましくは、例えば臭素
のようなハロゲンにより置換されているか、または置換されていないベンゾイル
である)、2,2,2-トリクロロエトキシカルボニル、2-ブロモエトキシカルボニル
または 2-ヨードエトキシカルボニルのような 2-ハロ-低級アルコキシカルボニ
ル、2-トリメチルシリルエトキシカルボニルまたは2-(ジ-n-ブチルメチルシリル
)エトキシカルボニルのような 2-(3 置換シリル)-低級アルコキシカルボニルま
たは 2-トリフェニルシリルエトキシカルボニルのような 2-トリ-低級アルキル
シリル-低級アルコキシカルボニルといったトリアリールシリル-低級アルコキシ
カルボニルである。
例えばモノ-、ジ-または特にトリ-アリールメチルアミノ基のようなアリール
メチルアミノ基において、アリール基は、特に未置換または置換フェニル基であ
る。そのような残基は、例えばベンジル-、ジフェニルメチル-または特にトリチ
ル-アミノである。
エステル化メルカプトアミノ基において、メルカプト基は、例えば 4-ニトロ
フェニルチオのように特に置換アリールチオまたはアリール-低級アルキルチオ
の形(ここでアリールは、例えば、メチルまたは tert-ブチルのような低級アル
キル、メトキシのような低級アルコキシ、塩素のようなハロゲン、および/また
はニトロにより置換されているかまたは置換されていない例えばフェニルである
)である。
アミノ-保護基として用い得る 2-アシル-低級アルク-1-エニル基において、ア
シル基は例えば、低級アルカンカルボン酸、安息香酸(これは、メチルまたは te
rt-ブチルのような低級アルキル、メトキシのような低級アルコキシ、塩素のよ
うなハロゲン、および/またはニトロにより置換されているかまたは置換されて
いない)、または特に例えば炭酸低級アルキル半エステルのような炭酸半エステ
ルの対応する残基である。対応する保護基は特に、1-アセチル-プロップ-1-エン
-2-イルのような 1-低級アルカノイル-プロップ-1-エン-2-イルといった 1-低級
アルカノイル-低級アルク-1-エン-2-イル、または例えば 1-エトキシカルボニル
-プロップ-1-エン-2-イルのような低級アルコキシカルボニル-プロップ-1-エン-
2-イルといった低級アルコキシカルボニル-低級アルク-1-エン-2-イルである。
シリルアミノ基は、例えば、トリ-メチルシリルアミノまたは tert-ブチル-ジ
メチルシリルアミノのようなトリ-低級アルキルシリルアミノ基である。シリル
アミノ基のケイ素原子はメチル基のような唯 2 つの低級アルキル基により、お
よび式Iで示される化合物のアミノ基または、第 2 分子のカルボキシ基により
置換し得る。そのような保護基をもつ化合物は、例えばシリル化剤として tert-
ブチル-ジメチルクロロシランのような対応するクロロシランを用いて製造し得
る。
アミノ基もまたプロトン形に変換することで保護し得;適当な陰イオンは、特
に例えば硫酸、リン酸または例えば塩素イオンまたは臭素イオンのようなハロゲ
ン化水素酸といった強無機酸、またはp-トルエンスルホン酸のような有機スル
ホン酸の陰イオンである。
好ましいアミノ-保護基は、低級アルコキシカルボニル、フェニル-低級アルコ
キシ-カルボニル、フルオレニル-低級アルコキシカルボニル、2-低級アルカノイ
ル-低級アルク-1-エン-2-イルまたは低級アルコキシカルボニル-低級アルク-エ
ン-2-イル、特にtert-ブトキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニルであ
る。
ヒドロキシ基は、例えば、塩素のようなハロゲンにより置換されているかまた
は置換されていない例えばアセチルまたは 2,2-ジクロロアセチルのような低級
アルカノイルにより、または特に保護アミノ基で記載した炭酸半エステルのアシ
ル残基により保護され得る。ヒドロキシ基はまた例えばトリメチルシリル、トリ
イソプロピルシリルまたは tert-ブチル-ジメチルシリルのようなトリ-低級アル
キルシリル、例えば tert-ブチル、オキサ-またはチア-アリファティクまたは-
シクロアリファティク、特に 2-オキサ-または 2-チア-アリファティクまたは-
シクロアリファティクのような tert-低級アルキルのようなアルキル基といった
容易に除去し得るエーテル化残基、メトキシメチル、1-メトキシエチル、1-エト
キシエチル、メチルチオメチル、1-メチルチオメチルまたは 1-エチルチオエチ
ルのような 1-低級アルコキシ-低級アルキル、または 1-低級アルキルチオ-低級
アルキルといった炭化水素基、または 2-テトラヒドロフリルまたは 2-テトラヒ
ドロピラニルのような 5〜7 環状原子をもつ 2-オキサ-または 2-チア-シクロア
ルキル、または対応するこの類似体、ならびにベンジル、ジフェニルメチルまた
はトリチルのような 1-フェニル-低級-アルキル(ここでフェニル基は例えば塩素
のようなハロゲン、メトキシのような低級アルコキシ、および/またはニトロに
より置換し得る)により保護し得る。好ましいヒドロキシ保護基は、例えば、2,2
,2-トリクロロエトキシカルボニル、4-ニトロベンジルオキシカルボニル、ジフ
ェニルメトキシカルボニル、ベンジルまたはトリチルである。
分子内の 2 つのヒドロキシ基、特に隣接するヒドロキシ基または隣接するヒ
ドロキシおよびアミノ基は、例えばメチレン基(これは、1つまたは2つの低級
アルキル基、またはオキソにより置換されている)のような例えばイソプロピリ
デンのような低級アルキルジエン、シクロヘキシリデンのようなシクロアルキリ
デン、カルボニル基またはベンジリデンといった 2 価の保護基により保護し得
る置換または未置換アルキリデンである。
カルボキシル基に隣接するヒドロキシ基は内部エステル(ラクトン)、特にγ−
ラクトンの形成により保護し得る。
保護ヒドロキシ基は、好ましくはトリ-低級アルキルシリルにより、またはラ
クトンの形で、特に tert-ジメチルシリルによりまたはγ-ラクトンの形で保護
される。
例えばシステイン内のメルカプト基は、未置換または置換アルキル基を用いた
S-アルキル化、シリル化、チオアセタール形成、S-アシル化によりまたは非対
称ジスルフィド群の形成により保護し得る。好ましいメルカプト-保護基は、例
えばフェニル基が例えばメトキシまたはニトロにより置換されているかまたは置
換されていない、例えば 4-メトキシベンジルといったベンジル、フェニル部分
が例えばメトキシにより置換されているかまたは置換されていない例えばジ-(4-
メトキシフェニル)メチルのようなジフェニルメチル、トリフェニルメチル、ピ
リジルジフェニルメチル、トリメチルシリル、ベンジルチオメチル、テトラヒド
ロピラニル、アセトアミドメチル、イソブチリルアセトアミドメチルまたは 2-
クロロアセトアミドメチルのようなアシルアミノメチル、ベンゾイル、ベンジル
オキシカルボニルまたはアルキルアミノカルボニル、特にエチルアミノカルボニ
ルのような低級アルキルアミノカルボニル、ならびにS-エチルチオまたはS-te
rt-ブチルチオのような低級アルキルチオまたはS-スルホである。
当業者は問題となっている反応条件に適する保護基を良く知っているので保護
基を難無く選択し得る。
保護基の除去においては、すでに特記した反応条件を好ましく用いる。
所望の中間体の成分または特に式Iの最終生成物の成分でない保護基の除去は
、例えば加溶媒分解、特に加水分解、アルコーリシスまたは酸加水分解による方
法、または還元、特に水素化分解またはその他の還元剤による方法、ならびに光
分解のような既知方法、適当に段階を追ってまたは同時に、また酵素的な方法を
用いることも可能である。保護基の除去は、例えば保護基に関する章で上記に記
載した標準的な研究に記載されている。
例えば、tert-低級アルコキシカルボニルのような低級アルコキシカルボニル(
好ましくは 1-位が分枝)、2-位が 3 置換シリル基で、または1-位が低級アルコ
キシまたは低級アルキルチオにより置換されている低級アルコキシカルボニル、
または未置換あるいは置換ジフェニルメトキシカルボニルのような保護カルボキ
シは、ギ酸、酢酸、塩酸またはトリフルオロ酢酸のような適当な酸と処理するこ
とにより遊離のカルボキシに変換し得、ここで適切にはフェノールやアニソール
の
ような求核性化合物を添加する。未置換または置換ベンジルオキシカルボニルは
、例えば水素化分解により、すなわちパラジウム触媒のような金属性水素化触媒
の存在下で水素を用いて処理することで遊離し得る。さらに、4-ニトロ-ベンジ
ルオキシカルボニルのような適当に置換したベンジルオキシカルボニルは、例え
ば、亜ジチオン酸ナトリウムのようなアルカリ金属亜ジチオン酸塩を用いて、ま
たは亜鉛のような還元金属を用いて、または塩化クロム(II)のようなクロム(II)
塩といった還元金属塩を用いて還元することにより、遊離カルボキシに変換し得
、これは慣用的に、例えば金属と共に、酸、特に適当なヒドロキシ-置換のよう
な未置換または置換カルボン酸、例えば酢酸、ギ酸、グリコール酸ジフェニルグ
リコール酸、乳酸、マンデル酸、4-クロロマンデル酸または酒石酸のような、金
属を用いて、発生水素を産生し得る水素−発生剤の存在下、またはアルコールま
たはチオールの存在下で、好ましくは水を添加する。上記に記載したように、還
元金属または金属塩を用いて処理することで、2-ハロ-低級アルコキシカルボニ
ル(適切には 2-ブロモ-低級アルコキシカルボニル基を対応する 2-ヨード低級ア
ルコキシカルボニル基に変換後)またはアロイルメトキシカルボニルをまた遊離
のカルボキシ基に変換し得る。アロイルメトキシカルボニルはまたチオフェノー
ルナトリウムまたはヨウ化ナトリウムのような求核性、好ましくは塩-形成試薬
を用いて処理することでもまた除去し得る。カルボキシ基は、水酸化ナトリウム
またはカリウムのようなアルカリ金属水酸化物といった塩基の存在下で加水分解
することでベンジルオキシカルボニルのようなアリールメトキシカルボニルとい
った 1-アリール-低級アルコキシカルボニルから遊離し得る。2-トリ-低級アル
キルシリル-低級アルコキシカルボニルのような 2-(3 置換シリル)-低級アルコ
キシカルボニルもまた、フッ化ナトリウムまたはカリウムのようなアルカリ金属
フッ化物といったフッ素陰イオンを生じるフッ化水素酸の塩を用いて処理するこ
とで遊離のカルボキシ基に変換し得、ここで適切には大環状ポリエーテル(『ク
ラウンエーテル』)の存在下、またはフッ化テトラエチルアンモニウムまたはフ
ッ化テトラブチルアンモニウムのようなフッ化 tetra-低級アルキルアンモニウ
ムまたはフッ化 tri-低級アルキルアリール-低級アルキルアンモニウムのような
有機
4 級塩基のフッ化物を用いて、ジメチルスルホキシド、N,N-ジメチルホルムア
ミドまたはN,N-ジメチルアセトアミドのような非プロトン性の極性溶媒の存在
下で行なう。例えばトリメチルシリルオキシカルボニルのような tri-低級アル
キルシリルオキシカルボニルといった有機シリルオキシカルボニルの形で保護さ
れたカルボキシは、例えば水、アルコールまたは酸、またはさらに上記のフッ化
物を用いて処理するといった加溶媒分解による慣用的な方法で遊離し得る。エス
テル化カルボキシはまた、リジンメチルエステルのようなエステル化アルギニン
またはリジンといったエステラーゼまたは適当なペプチダーゼにより、、トリプ
シンを用いることにより、触媒的に遊離し得る。例えばγ-ラクトンの形での内
部エステルの形で保護したカルボキシは、アルカリ土類金属水酸化物または特に
、例えばNaOH、KOHまたはLiOH、より特定的にはLiOHのようなアル
カリ金属水酸化物といった水酸化物-含有塩基の存在下での加水分解により遊離
し得、同時に対応する保護ヒドロキシ基が遊離する。
保護アミノ基は、既知方法および保護基の性質により様々な方法で、好ましく
は加溶媒分解または還元により遊離する。tert-ブトキシカルボニルアミノのよ
うな低級アルコキシカルボニルアミノは、塩化水素または臭化水素、特に臭化水
素のようなハロゲン化水素酸、または硫酸またはリン酸、好ましくは塩酸といっ
た鉱酸のような酸の存在下で、またはギ酸、トリクロロ酢酸またはトリフルオロ
イ酢酸のような比較的強い有機酸の存在下で、水または例えば酢酸またはギ酸の
ようなカルボン酸といった極性溶媒中、ジクロロメタンまたはクロロホルムのよ
うな塩化低級アルカンといったハロゲン化炭化水素中、またはエーテル、好まし
くはジオキサンのような環状エーテルといった中で、または例えばギ酸のように
溶媒なしでも反応温度において液体である有機カルボン酸中で行なう。2-ハロ-
低級アルコキシカルボニルアミノ(適切には2-ブロモ-低級アルコキシカルボニル
アミノ基を 2-ヨード-低級アルコキシカルボニルアミノ基へ変換後)、アロイル
メトキシカルボニルアミノまたは 4-ニトロベンジルオキシカルボニルアミノは
、例えば亜鉛のような適当な還元剤を用いて、酢酸水溶液のような適当なカルボ
ン酸の存在下で処理することで除去し得る。アロイルメトキシカルボニルアミノ
は
またチオフェノールナトリウムのように求核性の、好ましくは塩-形成試薬を用
いて処理することで除去し得、4-ニトロベンジルオキシカルボニルアミノもまた
亜ジチオン酸ナトリウムのようなアルカリ金属ジチオン酸を用いて処理すること
で除去し得る。2-トリ-低級アルキルシリル-低級アルコキシカルボニルアミノの
ような未置換または置換ジフェニルメトキシカルボニルアミノ、tert-低級アル
コキシカルボニルアミノまたは 2-(3 置換シリル)-低級アルコキシカルボニルア
ミノは、例えばギ酸またはトリフルオロ酢酸のような適当な酸を用いて、塩化メ
チレンまたはクロロホルム(特にベンジルで保護したヒドロキシを同時に遊離し
ないとき)のようなハロゲン化炭化水素中で除去し得、未置換または置換ベンジ
ルオキシカルボニルアミノのような 1-アリール-低級アルコキシカルボニルアミ
ノは、例えば水素化分解、すなわち例えば炭素のような担体に結合させたパラジ
ウム触媒のような適当な水素化触媒の存在下で水素を用いた処理により、好まし
くはジメチルホルムアミドのようなジ-低級アルキル-低級アルカノイルアミド、
ジオキサンのような環状エーテルといったエーテル、例えば酢酸エチルのような
低級アルカン酸低級アルキルエステルのようなエステル、メタノール、エタノー
ルまたはプロパノール、メタノールは特に好ましい、のようなアルコールといっ
た極性溶媒中で、好ましくはおよそ室温で除去し得、未置換または置換トリアリ
ールメチルアミノまたはホルミルアミノは、例えば、塩酸のような鉱酸またはギ
酸、酢酸またはトリフルオロ酢酸のような有機酸といった酸を用いて、適切には
水の存在下で、処理することで除去し得、トリフェニルアミノメチルは特に白金
、パラジウムまたは特に水酸化パラジウムのような触媒として貴金属または貴金
属酸化物を用いて水素化することで除去し得、触媒は好ましくは炭素、シリカゲ
ルまたは酸化アルミニウムのような担体に結合し、エーテル好ましくは酢酸エチ
ルのような低級アルキル-低級アルカン酸塩のような不活性溶媒中、20〜80℃、
特に 50〜70℃で、必要であれば例えば約 1〜10 バールのように加圧して行ない
、するとシリルアミノの形で保護したアミノ基は例えば加水分解またはアルコー
ル分解により遊離し得る。 2-クロロアセチルのような 2-ハロアセチルで保護し
たアミノ基は、塩基存在下チオ尿素処理することで、またはチオ尿素のアリカリ
金
属チオレートのようなチオレート塩と処理し、続いて得られた置換生成物をアル
コール分解または加水分解といった加溶媒分解により遊離し得る。2-トリ-低級
アルキルシリル-低級アルコキシカルボニルのような 2-(3 置換シリル)-低級ア
ルコキシカルボニルにより保護されたアミノ基は、対応する保護カルボキシル基
の遊離化と関連して上記に示したように、フッ化物陰イオンを生じるフッ化水素
酸塩を用いて処理することで遊離のアミノ基へと変換し得る。同様に、窒素のよ
うなヘテロ原子に直接結合しているトリメチルシリルまたは tert-ブチルジメチ
ルシリルのようなシリルは、フッ化物イオン、好ましくは例えばフッ化テトラエ
チルアンモニウムまたはフッ化テトラブチルアンモニウムのようなフッ化テトラ
-低級アルキルアンモニウムまたはフッ化トリ-低級アルキルアリール-低級アル
キルアンモニウムといった有機 4 級窒素塩基のフッ素物を用いて、ジメチルス
ルホキシドまたはN,N−ジメチルアセトアミドまたは特にテトラヒドロフラン
のようなエーテルといった非プロトン性極性溶媒の存在下で、0℃〜50℃、特に
およそ室温で除去し得る。
アジド基の形で保護したアミノ基は、例えば酸化白金、パラジウムまたはラネ
ーニッケルのような水素化触媒の存在下で水素を用いた触媒的水素化による還元
、ジチオトレイトールまたはメルカプトエタノールのようなメルカプト化合物を
用いた還元、または酢酸のような酸の存在下で亜鉛を用いての処理により遊離の
アミノに変換する。触媒的水素化は好ましくは、塩化メチレンのようなハロゲン
化炭化水素といった不活性溶媒中、または水中またはアルコールまたはジオキサ
ンのような有機溶媒と水との混合物中、およそ 20℃〜25℃で、冷却または加熱
しながら行なう。
適当なアシル基、トリ-低級アルキルシリル基または未置換または置換 1-アリ
ール-(例えば 1-フェニル)-低級アルキルにより保護したヒドロキシまたはメル
カプト基は、対応する保護アミノ基と同様に遊離する。2,2-ジクロロアセチルに
より保護したシドロキシまたはメルカプト基は、例えば基本的な加水分解により
遊離され、tert-低級アルキルまたは 2-オキサまたは 2-チア-アリファティクま
たは-シクロアリファティク炭化水素残基により保護したヒドロキシまたはメル
カプト基は、例えば鉱酸またはトリフルオロ酢酸のような強カルボン酸を用いた
処理といった酸分解により遊離する。ベンジルオキシにより保護したヒドロキシ
基は、例えば水素化分解、すなわち炭素のような担体に結合したパラジウム触媒
のような適当な水素化触媒の存在下で、好ましくはジメチルホルムアミドのよう
なジ-低級アルキル-低級アルカノイルアミドといった極性溶媒中、ジオキサンの
ような環状エーテルといったエーテル、酢酸エチルのような低級アルキルアルカ
ン酸塩のようなエステルまたはメタノール、エタノール、プロパノール、メタノ
ールが特に好ましい、のようなアルコール中、好ましくはおよそ室温で、水素を
用いて処理することで遊離する。ピリジルジフェニルメチルにより保護したメル
カプト基は、例えばpH 2-6 で水銀(II)塩、または亜鉛/酢酸によりまたは電
解還元を用いて遊離し得;アセトアミドメチルおよびイソブチリルアミドメチル
は、例えばpH 2-6 で水銀(II)塩を用いた反応により除去し得;2-クロロアセ
トアミドメチルは、例えば 1-ピペリジノチオカルボキシアミドを用いて除去し
得;S-エチルチオ、S-tert-ブチルチオおよびS-スルホは、例えば、チオフェ
ノール、チオグリコール酸、チオフェノール酸ナトリウムまたは 1,4-ジチオト
レイトールを用いたチオリシスにより除去し得る。2 価の保護基、好ましくは例
えば、イソプロピリデンのような低級アルキリデン、シクロヘキシリデンのよう
なシクロアルキリデン、またはベンジリデンのような低級アルキルによりモノ-
またはジ-置換されたメチレン基により共に保護した 2 つのヒドロキシ基または
隣接するアミノおよびヒドロキシ基は、特に鉱酸または強有機酸の存在下で加溶
媒分解により遊離し得る。トリ-低級アルキルシリル基は、例えば鉱酸、好ましく
はフッ化水素酸または強カルボン酸による酸分解により同様に除去する。ヒドロ
キシは、フッ化ナトリウムまたはカリウムのようなアルカリ金属フッ化物といっ
たフッ化物陰イオンを生成するフッ化水素酸の塩を用いて、適切には大環状ポリ
エーテル(『クラウンエーテル』)の存在下で、またはフッ化テトラエチルアンモ
ニウムまたはフッ化テトラブチルアンモニウムのようなフッ化テトラ-低級アル
キルアンモニウムまたはフッ化トリ-低級アルキルアリール-低級アルキルアンモ
ニウムといった有機 4 級塩基のフッ化物を用いて、ジメチルスルホキシドまた
はN,N-
ジメチルアセトアミドのような非プロトン性極性溶媒の存在下で、処理すること
により、トリ-低級アルキルシリルオキシから遊離し得る。2-ハロ-低級-アルコ
キシカルボニルは、亜鉛のような還元金属、クロム(II)塩のような還元金属塩の
ような上記の還元剤を用いて、または亜ジチオン酸ナトリウムまたは好ましくは
硫化ナトリウムおよび二硫化炭素のような硫黄化合物を用いて除去する。例えば
アセチルオキシのような低級アルカノイルオキシといったエステル化ヒドロキシ
基もまた、エステラーゼを用いて遊離し得、アシル化アミノは、例えば適当なペ
プチダーゼを用いて遊離し得る。
保護基を遊離する温度は、好ましくは-80℃から反応混合物の沸騰温度で、と
くに−80℃から 110℃で、より特定するとおよそ室温といった例えば約 10℃か
ら35℃のように-20℃から50℃であり、または例えば100℃といった 80℃から問
題となっている反応混合物の沸騰温度までである。
いくつかの保護基が存在する場合には、所望により、保護基はトリフルオロ酢
酸を用いた処理といった酸分解により、又は炭素−パラジウム触媒のような水素
化触媒および水素を用いて、同時にそのような基を1つ以上除去し得るように選
択し得る。逆に、所望の順序で、この場合には中間体が得られるが、全てを同時
に除去しないような基を選択し得る。工程b)ヒドロキシイミノ化合物をアミノ化合物を用いて反応させることによる シッフ塩基の形成
式IVおよびVで示される化合物において、反応に関与しない官能基は、必要で
あれば、保護形と得る;保護基、導入方法および得られた式Iで示される保護化
合物の除去法は、工程a)の詳細な記述と同様である。
式IVで示される出発原料において、および式Iで示される生成物において、R1
基は好ましくはヒドロキシである。
式IV(ヒドロキシイミノ化合物)および式V(アミノイミダゾール)で示される化
合物間の反応は、既知の条件下で行ない、式Vで示されるアミノイミダゾールは
好ましくは式IVで示される化合物のモル量に比しておよそ等量または過剰量、特
に 0.95 倍から 2 倍にモル量、−特に反応はカルボニル化合物の窒素塩基との
反応で慣用的な条件下で行なう;好ましくは、例えばフッ化水素、塩化水素、臭
化水素またはヨウ化水素、特に塩化水素のようなハロゲン化水素酸、硫化水素ナ
トリウムのようなアルカリ金属硫化水素といった硫化水素または硫酸、亜リン酸
水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、亜リン酸水素カリウムまたはリン酸
水素二カリウムのようなアルカリ金属リン酸水素またはリン酸二水素といったリ
ン酸、リン酸水素またはリン酸二水素の存在下、または有機酸、特に低級アルキ
ル部分が、フッ素、塩素またはヨウ素のような好ましくはハロゲンにより置換さ
れているかまたは置換されていない、例えば酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸ま
たはトリフルオロ-またはトリクロロ-酢酸のようなカルボン酸、乳酸、またはメ
タンスルホン酸、エタンスルホン酸またはエタンジスルホン酸のような低級アル
カンスルホン酸といったスルホン酸、ベンゼン-またはナフタレン-スルホン酸ま
たはナフタレン-1,5-ジスルホン酸のようなアリール-スルホン酸といったスルホ
ン酸といった酸の存在下;特にスルホン酸のような強酸、またはより特定すると
記載したハロゲン化水素酸の1つまたはメタンスルホン酸;水中(界面活性剤の
存在下または非存在下)またはメタノール、エタノールまたは特にイソプロパノ
ールのようなアルコール1つ以上と水との水性溶媒混合物中、ジメチルスルホキ
シドのようなジ-低級アルキルスルホキシド、またはジメチルホルムアミドのよ
うなジ-低級アルキル-低級アルカノイルアミド、メタノールまたはエタノールの
ような1つ以上のアルコールといった有機溶媒、ジメチルスルホキシドのような
ジ-低級アルキルスルホキシド、ジメチルホルムアミドのようなジ-低級アルキル
-低級アルカノイルアミド、またはアセトニトリルのような十分に不活性なニト
リル中、そのような有機溶媒の混合物中、好ましくは水/メタノール、水/エタ
ノールまたは特に水/イソプロパノールのような水性-アルコール性溶液中;好
ましくは-20℃から反応混合物の還流温度で、特に室温から反応混合物の還流温
度まで、より特定するとおよそ 80℃から還流温度までで;式Iで示される化合
物(適切には慣用的な後処理の後に)が直接遊離の形で、特に塩の形で、好ましく
は例えば結晶形のような反応に存在する酸の形で得られる。特に好ましいのは式
IVで示されるヒドロキシイミノ化合物および式Vで示されるアミノイミダゾー
ルをHCl水溶液を用いた、イソプロパノール中、80℃から還流温度(例えば120
℃よりも高くない)での反応である。
式Vで示される出発原料の製造は、工程a)の出発原料の製造と関連してすで
に記載されている。
式IVで示されるヒドロキシイミノ化合物は、工程a)で出発原料として記載さ
れている式VIIで示される化合物(ここでW2およびW3は特に共にオキソであり、
その他の残基はここで定義されている通りである)から好ましく製造され、別の
方法も可能である。
例えば、R1が水素でありその他の残基が定義された通りである式IV
[ここで、式中、
残基は式Iで示される化合物で定義された通りである]
で示される化合物を、式VIIで示されるシアノ化合物(ここで、W2およびW3は特
に共にオキソであり、一方R2、R2'、R2"、R3およびR4は式Iで示される化
合物で定義されている通りである)とアンモニアまたはその塩との反応により式V
Iで示される化合物へと変換する。反応は、好ましくは式VIIで示される出発原料
から始め、酸触媒反応をシアノ基と
a)アルカノール、特に低級アルカノール、例えばエタノールおよび塩酸と反応
させて、例えば、クロロホルムまたはジエチルエーテル中、シアノ基の代わりに
イミノ-(低級)アルコキシカルボニル残基(好ましくは塩の形で)である対応する
化合物を経由し;または
b)好ましくは硫化水素(例えばトリエチルアミンのような 3 級窒素塩基の存在
下でピリジン中、0℃から50℃で例えば約 40℃で)と処理することで、チオカル
ボキシアミド(式VII中に残基-C(=S)-NH2がシアノ基の代わりに存在する)を
経由し、ついでそれはイミノ-(低級)アルカンチオカルボニル基をもつ対応する
経由し、ついでそれはイミノ-(低級)アルカンチオカルボニル基をもつ対応する
化合物、好ましくは対応するイミノ-(低級)アルカンチオールエステル塩、例え
ばチオカルボキシアミドを対応する(低級)ヨウ化アルキル、または好ましくはト
リ-(低級)アルキルオキソニウムテトラフルオロホウ酸を用いてS-アルキル化す
ることで、好ましくはアルゴンのような保護ガスの下、塩化メチレンのような塩
化炭化水素といった不活性極性溶媒中、好ましくは 0℃から50℃、特におよそ室
温で、行ない、このようにイミノ-(低級)アリカンチオールヨウ化水素(-C(=N
H)-S-アルキル・HI)またはイミノ-(低級)アルカンチオールエステルテトラフ
ルオロホウ酸にそれぞれ変換する;
ついで、式VII(塩の形である)で示される化合物のイミノ-(低級)アルキルエス
テル誘導体またはイミノ-(低級)アルカンチオールエステル誘導体をアンモニア
またはその塩と反応させて、アミジド基(R1=H)を含む対応する式VIで示され
る化合物が得られる。アンモニアとの反応−式VII(塩の形である)で示される化
合物のイミノ-(低級)アルキルエステル誘導体またはイミノ-(低級)アルカンチオ
ールエステル誘導体を前以て単離するまたは単離せずに−は、好ましくは例えば
エタノールのようなアルコールといった適当な有機溶媒中で、40℃から還流温度
で、好ましくは還流温度で、例えば硫酸、リン酸、または特にHClのようなハ
ロゲン化水素酸といった鉱酸のような酸の存在下で行ない;特に好ましい方法の
形はアンモニアを対応する塩の形で直接に加えるというものである。
得られた式VIで示される化合物をついで、カルボニル基をヒドロキシイミノ基
に変換することにより、対応する式IV(ここで、R1は水素であり、その他の残基
は定義した通りである)で示される化合物へと変換する。反応において、式VI
で示されるオキソ化合物を、式VIIで示される出発化合物に比して等量または
過剰量、好ましくは 10倍量までの好ましく導入したヒドロキシルアミン、また
はその塩、好ましくは例えばフッ化水素酸、塩化水素、臭化水素またはヨウ化水
素、特に塩化水素のようなハロゲン化酸といった無機酸との塩、例えば亜リン酸
水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、亜リン酸水素カリウムまたはリン酸
水素二カリウムのようなアリカリ金属リン酸水素またはリン酸二水素といったリ
ン酸、
亜リン酸水素またはリン酸二水素との塩、または低級アルキル部位がフッ素、塩
素またはヨウ素のような好ましくはハロゲンにより置換されているかまたは置換
されていない低級アルカンカルボン酸のような、例えば酢酸、塩化酢酸、ジクロ
ロ酢酸またはトリフルオロ-またはトリクロロ-酢酸といったカルボン酸のような
有機酸との塩、または、例えばメタンスルホン酸、エタンスルホン酸またはエタ
ンジスルホン酸のような低級アルカンスルホン酸といったスルホン酸との塩、ま
たは、ベンゼン-またはナフタレン-スルホン酸またはナフタレン-1,5-ジスルオ
ン酸のようなアリールスルホン酸またはZn(NH2OH)2Cl2のような複塩との
塩;または銅塩の存在下で例えば一酸化窒素およびSn(II)Cl2のようなスズ(II
)塩のアルコール溶液から、またはN,O-ビス[トリメチルシリル]ヒドロキシル
アミン(テトラヒドロフラン中(H3C)3Si-NH-O-Si(CH3)3および水酸化カ
リウムから製造し、続いて式VIで示される化合物のカリウム塩を酸例えば塩化ア
ンモニウムを用いて遊離する)のカリウム塩から in situ で製造され;反応は水
中(界面活性剤の存在下または非存在下)、メタノールまたはエタノールのような
1つ以上のアルコール、ジメチルスルホキシドのようなジ-低級アルキルスルホ
キシドまたはジメチルホルムアミドのようなジ-低級アルキル-低級アルカノイル
アミドと水との混合物のような水性溶媒混合物中で行ない;メタノールまたはエ
タノールのようなアルコール、ジメチルスルホキシドのようなジ-低級アルキル
スルホキシド、ジメチルホルムアミドのようなジ-低級アルキル-低級アルカノイ
ルアミド、またはアセトニトリルのような十分に不活性なニトリル中;そのよう
な有機溶媒混合物;または液体アンモニア中、メタノール/水またはエタノール
/水のような好ましくは水性-アルコール性溶液中;-78℃から対応する反応混合
物の還流温度で、好ましくは-30℃〜100℃、特に 5〜90℃、例えば約 75〜80℃
の温度で;約 1〜10 000 バールの圧力下で、好ましくはヒドロキシアミン塩を
用いた場合は常圧で;塩基の非存在下でまたは好ましくはヒドロキシアミン塩を
用いた場合は酸を塩基、特に水酸化ナトリウムまたはカリウムのようなアルカリ
金属水酸化物といった水酸化物で、または、炭酸塩または炭酸水素塩、特にアル
カリ金属またはアルカリ土塁金属炭酸塩または炭酸水素塩、例えば炭酸ナトリウ
ム、
炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムまたは炭酸バリウムで、
弱有機酸塩、特に低級アルカンカルボン酸のアルカリ金属またはアルカリ土類金
属塩、例えば酢酸ナトリウムまたは酢酸カリウムで、有機窒素塩基、特に 2 級
または 3 級アミン、例えばピロリジンまたはピリジンのような環状 5-または 6
-員環 2 級または 3 級アミンで、またはナトリウムまたはカリウムメタノラー
ト、エタノラートまたは tert-ブタノラートのようなアルカリ金属低級アルキル
アルコラートといったアルコラートで、または陰イオン交換体で中和し;アルカ
リ金属炭酸塩の存在が特に好ましい。好ましくは、上記したヒドロキシルアミン
塩の一つ、特に塩酸塩のようなハロゲン化酸の塩を、上記の有機溶媒、特にメタ
ノールまたはエタノールのようなアルコール中、上記の温度で、特に約 75〜80
℃で反応させると、式IVで示される対応するオキシムが得られ、これは精製し得
うるか、または次段階に直接使用される。
式IV(R1=OH)で示されるN−ヒドロキシアミジノ化合物は、例えば式VII(
塩の形である)(ここで、W2およびW3は共にオキソ(製造は上記)である)で示さ
れるイミノ−(低級)アルキルエステル誘導体またはイミノ−(低級)アルカンチオ
ールエステル誘導体の反応により、または好ましくは直接式VIIで示される化合
物をヒドロキシルアミンまたはその塩との反応により、アミジノ基(R1=H)を
含有する式Iで示される化合物が得られる−反応は式VIで示される化合物を式IV
で示される化合物に変換について上記したのと同様な条件下で行なう。式VIIで
示される出発原料中のシアノ基およびカルボニル基のどちらも反応する。
最後に、式IV(ここで、R1は水素またはヒドロキシであり、その他の残基は定
義した通りである)で示される化合物は、式VII(ここで、W2およびW3は共にオ
キソである)で示される化合物を、式VIで示される化合物の反応において上記し
たのと同じ条件下で、始めにカルボニル基をヒドロキシルアミンまたはその塩と
反応させて式VIIで示される化合物を形成し、好ましくは上記の塩基を除去し、
ここで式VII(ここで、W2およびW3は共にヒドロキシイミノであり、その他の残
基は工程a)の対応する出発原料に上記で定義した通りである)で示される化合
物が得られ、ついで(所望であれば得られた式VIIで示される化合物を単離した後
)
工程a)の式II(W1=シアノ)で示されるシアノ化合物の反応で記載したのと同
様な条件下、好ましくはナトリウムまたはカリウムメタノラート、エタノラート
または tert-ブタノラートのようなアルカリ金属低級アルキルアルコラートとい
ったアルコラートの存在下、メタノール、エタノールまたは tert-ブタノールの
ような対応するアルコール中、好ましくは0℃から還流温度で、特に室温から還
流温度で、シアノ基をアンモニアまたはヒドロキシルアミンまたはその塩と反応
させる。工程c)カルボニル誘導体をアミノ化合物と反応させることによるシッフ塩基の 形成
式VおよびVIで示される化合物において、反応に関与しない官能基は、必要で
あれば保護形とし;保護基、導入方法および得られた式Iで示される保護化合物
からの除去法は、工程a)の詳細な記述と同様である。
式VIで示される化合物の反応活性誘導体は、特に式Iで示される化合物中のカ
ルボニル基の代わりにジ-低級アルコキシメチレン、C1-C2アルキレンジオキシ
メチレン、ジ-低級アルキルチオメチレンまたはC1-C2アルキレンジチオメチレ
ンの形の修飾または保護したカルボニルで存在する。
式VI(オキソ化合物)、またはその反応活性誘導体および式Vで示される化合物
間の反応は、既知の条件下で行われ、好ましくは式Vで示されるアミノイミダゾ
ールを式VIで示される化合物のモル量に比しておよそ等量または過剰量、特にモ
ル量にして 0.95 から 2 倍量を用いて、−特に反応はカルボニル化合物の窒素
塩基との反応で慣用的な条件下で行なう;好ましくは酸、例えばフッ化水素、塩
化水素、臭化水素またはヨウ化水素、特に塩化水素といったハロゲン化酸の存在
下、硫化水素ナトリウムのようなアルカリ金属硫化水素といった硫酸または硫化
水素の存在下、リン酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、リン酸水素カ
リウムまたはリン酸水素二カリウムのようなアルカリ金属リン酸水素またはリン
酸二水素といったリン酸、リン酸水素またはリン酸二水素の存在下、有機酸、特
に低級アルキル部分が、好ましくはフッ素、塩素またはヨウ素のようなハロゲン
により置換されているかまたは置換されていない低級アルカンカルボン酸、例え
ば酢酸、クロロ酢酸、ジクロロ酢酸またはトリフルオロ-またはトリクロロ-酢酸
ようなカルボン酸の存在下、乳酸または、例えばメタンスルホン酸、エタンスル
ホン酸またはエタンジスルホン酸のような低級アルカンスルホン酸、ベンゼン-
またはナフタレン-スルホン酸またはナフタレン-1,5-ジスルホン酸のようなアリ
ールスルホン酸といったスルホン酸;特に硫酸のような強酸、より特定すると記
載したハロゲン化酸またはメタンスルホン酸の1つ;水中(界面活性剤の存在下
または非存在下)またはメタノール、エタノールまたは特にイソプロパノールの
ようなアルコール1つ以上と水との混合物といった水性溶媒混合物中、ジメチル
スルホキシドのようなジ-低級アルキルスルホキシド中、ジメチルホルムアミド
のようなジ-低級アルキル-低級アルカノイルアミド中、メタノールまたはエタノ
ールのようなアルコール1つ以上といった有機溶媒中、ジメチルスルホキシドの
ようなジ-低級アルキルスルホキシド中、ジメチルホルムアミドのようなジ-低級
アルキル-低級アルカノイルアミド中、またはアセトニトリルのように十分に不
活性なニトリル中、そのような有機溶媒の混合物中、好ましくは水/メタノール
、水/エタノールまたは、特に水/イソプロパノールのような水性-アルコール
性水溶液中;好ましくは-20℃から反応混合物の還流温度で、特に室温から反応
混合物の還流温度で、より特定するとおよそ80℃から還流温度で;式Iで示され
る化合物(適切には慣用的な後処理の後)が直接遊離の形でまたは特に塩、好まし
くは反応に存在する酸の形で、例えば結晶形で得られる。特に好ましいのは式VI
で示されるオキソ化合物と式Vで示されるアミノイミダゾールとHCl水溶液を
、イソプロパノール中、80℃から還流温度(例えば120℃よりも高くない)での反
応である。
対応する反応活性誘導体は、ケタール、アセタールまたはチオアセタールの製
造における慣用的な条件下で式VIで示されるオキソ化合物から製造し得る。対応
する式VIIで示される化合物からの式VIで示される出発原料の製造は、工程b)
の出発原料の製造に関連してすでに記載されている。
式Vで示される出発原料の製造は、工程a)の出発原料の製造に関連してすで
に記載されている。追加の方法
所望により行なう追加の方法においては、反応に関与しない出発原料中の官能
基は、例えば工程a)で上記した保護基の1つ以上により保護された保護形また
は脱保護形であり得る。いくつかのまたは全ての保護基は工程a)で記載した方
法の1つにより導入および/または除去し得る。
式I(ここでR1はヒドロキシであり、その他の残基の各々は与えられた意味の
1つを有する)の異なる式I(ここで、R1は水素である)への変換は、還元法、特
に選択的水素化により遂行される。選択的水素化は触媒および酸の存在下で行な
われる。触媒としてコバルトおよび特にニッケルを使用し、これはそのままでま
たは値の粘土、軽石、酸化アルミニウム、シリカゲルまたは活性炭素のような担
体上に細かく分散した形で使用し、ラネーニッケルが特に大変好ましい。酸とし
て、特に塩の定義において上記した酸を使用し、この酸は問題となっている式I
の出発原料に比して少なくとも等量または過剰量、特に式Iで示される化合物の
塩基中心との塩形成に必要な化学量論的用量で使用する;溶媒として、メタノー
ル、エタノールまたはイソプロパノールのような反応条件下で不活性なアルコー
ル、ジエチルエーテルのようなエーテル、ジオキサン、テトラヒドロフランまた
はアニソール、酢酸エチルのようなエステルといった有機溶媒を使用し、または
酸が反応条件下で液体である有機酸であるときは、例えば酢酸、それらの溶媒の
混合物、記載したアルコールまたは液体有機酸のような水溶性有機溶媒の混合物
といった酸自体、または水自体の溶媒は、水、メタノールまたはそれらの混合物
が特に大変好ましい;反応温度は 0℃から反応混合物の還流温度であり特に 10
〜70℃、例えば約 20℃から約 55℃であり、反応は、わずかに減圧下、常圧また
はわずかな加圧下で、好ましくは 0.5〜10 バールで、特に大気圧で、水素を導
入し、好ましくは水素の計算値量が吸収されるまで、特に水素の吸収が反応条件
下で止まるまで行なう。特に好ましくはラネーニッケルの存在下、メタノール、
水またはそれらの混合物中、常圧下で 20〜55℃の温度で水素を用いた水素化で
ある。
水素化はまた連続的に、例えば式I(R1はヒドロキシである)の出発原料の溶
液を固定触媒上に流し、上記の条件下で、その溶液を同じように流れているか、
または逆の方向に流れている水素に接触させる。
塩は慣用的な方法で遊離化合物に変換し得る;金属塩およびアンモニウム塩は
、例えば適当な酸または酸陰イオン交換体を用いた処理により変換し、酸添加塩
は、例えば適当な塩基試薬または塩基性イオン交換体を用いた処理により変換す
る。
少なくとも1つの塩-形成残基を有する式Iで示される遊離化合物の塩は既知
方法により製造し得る。例えば、酸性残基を有する式Iで示される化合物の塩は
、例えば2-エチル-ヘキサン酸のナトリウム塩のような適当な有機カルボン酸の
アルカリ金属塩といった金属化合物で、水酸化、炭酸または炭酸水素ナトリウム
またはカリウムのような対応する水酸化物、炭酸塩または炭酸水素塩といった無
機アルカリ金属またはアルカリ土塁金属化合物で、対応するカルシウム化合物ま
たはアンモニアでまたは適当な有機アミンで、処理することにより形成し得え、
好ましくは化学量論的用量またはわずかに過剰の塩-形成剤を用いる。式Iで示
される化合物の酸添加塩は、慣用的な方法で得られ、例えば酸または適当な陰イ
オン交換体試薬で処理する。例えば遊離カルボキシ基および遊離アミノ基のよう
な酸性および塩基性塩-形成基を含む式Iで示される化合物の内部塩は、弱塩基
を用いてまたはイオン交換体を用いた処理により、例えば酸添加塩のような塩を
等電点に中和化することで形成する。
式Iで示される化合物の異性体混合物、すなわちジアステレオ異性体および/
またはエナンチオマーの混合物、例えばラセミ混合物は、適当な分割法により既
知の方法で対応する異性体に分割し得る。例えば、ジアステレオ異性体混合物は
、分別結晶、クロマトグラフィー、溶媒分配またはその他の慣用的な方法により
個々のジアステレオ異性体に分割し得る。ラセミ体は光学異性体を、例えば光学
活性化合物との反応により、光学的に活性な酸または塩基を用いて光学的に純粋
な塩-形成剤を用いて塩を形成することにより反応により、ジアステレオ異性体
に変換した後に互いに分割し得、例えば分別結晶によりジアステレオ混合物の分
割物が得られ;光学的に活性な化合物をのせたカラム物質上でのクロマトグラフ
ィーにより;または2つのエナンチオマーの唯1つを選択的に反応させるといっ
た
酵素的方法による。分割は出発物質の1つの段階においてか、あるいは式Iそれ
自体で示される化合物を用いてなされる。一般的方法条件
全ての上記反応段階は、既知の反応条件下で、好ましくは特記した条件下で、
溶媒または希釈剤の非存在下または慣用的には存在下で、好ましくは使用する試
薬に対して不活性な溶媒または希釈剤で、およびそれゆえ溶媒は触媒の非存在下
または存在下で、例えばH+の形の陽イオン交換体のようなイオン交換体といっ
た縮合剤または中和化剤であり、反応および/または反応物の性質に依存して、
低温、常温または加温して、例えば約-100℃から約190℃の範囲で、好ましくは-
80℃から約150℃、例えば-80〜-60℃、-20〜40℃、例えば室温、または還流温度
で、大気圧下または、閉じた容器においては、例えばアルゴンまたは窒素気流下
で、および/または遮光下で行ない得る。
反応の全ての段階において、形成される異性体の混合物は、所望により、例え
ばジアステレオ異性体またはエナンチオマーのような個々の異性体に、または例
えばラセミ体またはジアステレオ異性体の混合物のような所望の異性体混合物に
、例えば『追加の方法』で記載した方法と同様に分割し得る。
どのような特定の反応にも適する溶媒は、方法の記載中にその他の指示がない
限り、例えば水、低級アルキル低級アルカノエート、例えば酢酸、アリファティ
クエーテルのようなエーテル、例えばジエチルエーテルまたは 1,2-ジエトキシ
エタンまたは例えばテトラヒドロフランのような環状エーテル、ベンゼン、トル
エンまたは o-、m-または p-キシレンのような液体芳香炭化水素、ヘキサン
またはヘプタンのような液体鎖状炭化水素、例えばメタノール、エタノール、1-
または 2-プロパノールまたはジエチレングリコールのようなアルコール、アセ
トニトリルのようなニトリル、塩化メチレンまたはクロロホルムのようなハロゲ
ン化炭化水素、例えばジメチルホルムアミドまたはジメチルアセトアミドのよう
な酸アミド、例えばアセトンのような低級アルカノンといったケトン、例えばピ
リジン、または 1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミドン(DM
PU)のようなヘテロ環状窒素塩基といった塩基のようなヘテロ環状溶媒、酢酸
またはギ酸のようなカルボン酸、例えば無水酢酸のような無水低級アルカン酸と
いった無水カルボン酸、シクロヘキサン、ヘキサンまたはイソペンタンのような
環状、直鎖または分枝炭化水素、例えば水性溶液のようなそれら溶媒の混合物で
あり得る。そのような溶媒、またはそれらの混合物はまた、例えばクロマトグラ
フィーまたは分配により、後処理に使用し得る。
塩を含んだ化合物は水和物の形で得られ得、またはそれらの結晶は、例えば結
晶化に使用する溶媒を含み得る。
反応後の後処理は所望により既知方法、好ましくは実施例に記載した方法と同
様にして行われる。
記載した多くの出発原料はすでに知られているか、または既知方法に従って、
例えばヨーロッパ特許出願 EP 0 538 193(1993 年 4 月 21 日発行)、ヨーロッ
パ特許出願 EP 0 456 133(1991 年 11 月 13 日発行)またはハンガリー特許出願
HU 93 02416(1994 年 6 月 28 日発行)により製造し得る。
発明はまた、工程のあらゆる段階で中間体として得られる化合物を出発原料と
して使用し、残りの工程段階を行なう方法の形、または出発原料を反応条件下で
形成し、または例えば保護形または塩の形でといった誘導体の形、または本発明
に記載の方法により得られる化合物、またはその塩を方法条件下で製造し、更に
in situ で処理で処理する方法の形に関するものである。本発明の方法におい
ては、特に価値のあるものとして始めに記載した化合物が結果として得られる出
発原料を、好ましくは使用するものである。特に好ましくは実施例に述べたのと
同様な反応条件である。
必要であれば、または所望により、保護した出発原料は全ての工程段階におい
て使用し得、保護基は反応の適当な段階で除去し得る。
保護基、導入およびその脱離は方法a)に記載している。
遊離の形のおよび塩の形における式Iで示される化合物および出発原料間の密
接な関係の観点から、遊離化合物および出発原料またはその塩に関して上述した
ことおよび下記することは、適切および都合のよい場合においてそれぞれ対応す
る塩または遊離化合物および出発原料を意味すると理解される。製剤方法および組成物
本発明は、活性成分として薬理学的に活性な式Iで示される化合物の1つを含
む医薬組成物にも関するものである。腸管投与、特に経口、および非経口投与が
特に好ましい。組成物は活性成分、好ましくは薬剤学的に許容可能な担体を共に
含んでいる。活性成分の用量は、処置する疾病、処置する個体の種、年齢、体重
および個々の状態および投与方法に依存する。
医薬組成物は、約 0.1%から約 95%の活性物質を含み、一回の用量形である
ものは好ましくは約 1%から約 90%の活性物質を含み、一回分の用量形でない
ものは好ましくは 0.1%から約 20%の活性物質を含む。糖衣剤、錠剤またはカ
プセル剤のような単位用量形は、約 1mg から約 500mg の活性物質を含む。
本発明の医薬組成物は、既知方法、例えば慣用的な混合、顆粒化、糖衣、溶解
または凍結乾燥により調製する。例えば、経口投与の医薬組成物は、活性物質を
1つ以上の担体に、所望により得られた混合物に結合することで得られ、所望に
より混合物または顆粒を、適切であれば添加の賦形剤を添加し、錠剤または糖衣
芯を形成する。
適する担体は、例えばラクトース、サッカロース、マンニトールまたはソルビ
トールのような糖といった増量剤、セルロース調製および/またはリン酸トリ-
カルシウムまたはリン酸水素カルシウムのようなリン酸カルシウム、および例え
ばコーン、小麦、米またはトマトデンプンのようなデンプン、メチルセルロース
、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムおよび
/またはポリビニルピロリドンといった結合剤、および/または、所望により上
記のデンプンおよびカルボキシメチルデンプンのような崩壊剤、架橋ポリビニル
ピロリドン、またはアルギニン酸ナトリウムのようなアルギニン酸またはその塩
である。
添加的補形剤は、例えばケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウムまたはカ
ルシウムのようなステアリン酸またはその塩、および/またはポリエチレングリ
コールまたはその誘導体といった特に流動調整剤および滑沢剤である。
糖衣芯は、適当な、所望により腸溶性の、コーティングし、提供され、すなわ
ちアラビアゴム、タルク、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコールおよ
び/または二酸化チタニウムを含み得る濃縮糖溶液、または適当な溶媒または、
溶媒混合物中のコーティング溶液または、腸溶性コーティングの調製のための、
アセチルセルロースフタル酸またはヒドロキシプロピルメチルセルロースフタル
酸のような適当なセルロース調製物の溶液を使用する。
経口投与用の医薬組成物は、またゼラチンおよび可塑剤を含む例えばグリセロ
ールまたはソルビトールのような硬ゼラチンカプセル、および軟被包カプセルで
ある。硬ゼラチンカプセルは、例えばコーンスターチのような増量剤、結合剤お
よび/またはタルクまたはステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤および、適
切な場合には安定化剤を混合した、顆粒剤の形の活性物質を含み得る。軟カプセ
ル剤においては、活性成分は好ましくは、例えば脂肪油、パラフィンまたは液体
ポリエチレングリコールのような適当な液体賦形剤に溶解または懸濁し、同様に
安定化剤を加えることが可能である。
その他の経口投与形は、例えば慣用的な方法で調製したシロップであり、これ
は、活性物質を例えば分散形でおよび濃度が約0.1から10%、好ましくは約1%
または投与時に適当な1回分の量となる同じような濃度で、例えば 5 から 10m
lの定量を含む。例えばミルク中でシェイクの調製用の、例えば粉末または液体
濃縮物もまた適している。そのような濃縮物はまた一服量で包装され得る。
適当な直腸に投与可能な医薬組成物の組成物は、例えば活性物質と基剤との組
み合わせから成る坐剤である。適当な坐剤基剤は、例えば天然または合成トリグ
リセライド、炭化水素パラフィン、ポリエチレングリコールまたは高級アルカノ
ールである。
非経口投与に適するものに、特に、例えば水溶性塩の形のような水溶性形中の
活性物質の水性水溶液(好ましくは塩化ナトリウムの存在下)、または例えばカル
ボキシメチルセルロースナトリウム、ソルビトールおよび/またはデキストラン
のような粘性増加物質および所望により安定化剤を含む注射懸濁水溶液がある。
適切な場合には賦形剤を含んだ、活性成分を、親油性の形とし得、適当な溶媒添
加により非経口投与する前の溶液とし得る。
例えば、非経口投与に使用する種類の溶液は、浸出液としてもまた使用し得る
。
本発明は、医薬組成物、および例えば腫瘍、転移または原生動物疾病のような
上記の疾病の処置法(治療的にまたは予防的に)にも関するものであり、記述した
疾病に対して予防的、または好ましくは治療的有効量である発明に記載の式Iで
示される化合物量が、恒温動物、特に上記の疾病の1つのための処置にそのよう
な処置を必要としているヒトに対する投与に適当な医薬品組成物中に存在し;発
明に記載の式Iで示される化合物の治療有効量を例えば記述の疾病の1つのため
にそのような処置を必要としている、ヒトのような恒温動物に対して、処置方法
で、その疾病に対して予防的または治療的有効な量を投与する。
本発明は、また上記の病理学状態の処置の方法にも関するものである。
従って、本発明の化合物は、予防的または治療的に、好ましくは医薬組成物の
形で投与される。約 70kg の体重では、一日量が約 1mg から約 1000mg 、好
ましくは経口投与で約 25 から 100mg 、および非経口的に 2 から50mg の本発
明の化合物を投与する。小児はたいてい成人の半量である。
以下の実施例は発明を説明するためのものであって、何れにおいてもその範囲
を制限するものではない。
温度はセルシウス温度である。
以下の略語を使用する:DMF=N,N-ジメチルホルムアミド;DMSO=ジ
メチルスルホキシド;MS(FAB)=マススペクトル(高速原子衝撃)。
N−ヒドロキシアミジノは、-C(=NOH)-NH2基である。4-トリルはp-メ
チルフェニル基である。実施例1
:1-[4-( N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリ デンアミノ]-2-アミノ-4-フェニル-イミダゾール二塩酸塩
4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オンオキシム 4.1
g(0.02mol)、1,2-ジアミノ-4-フェニル-イミダゾール(Beyer H.等、Chem.Ber.1 01
,3151(1968)参照)とイソプロパノール 150ml からなる混合物に撹拌しな
がら 32% 塩酸(メルク、ダルムシュタット、ドイツ)6ml を加え、混合物を 8
0℃ で 5 時間撹拌する。その間に出発原料が溶けて、表題の化合物
が結晶化する。反応終了時に、混合物を冷却する。結晶化した生成物を吸引濾過
しイソプロパノールで洗い、乾燥させる。生成物は 1 モルのイソプロパノール
で結晶化する。mp 238-240℃、1H-NMR(DMSO/D2O):δ=8.24(d,1H
); 7.88(s,1H); 7.73(d,1H); 7.55-7.68(m,3H); 7.34-7.5(m,3H);3.26(s,4
H).
(その他の合成法については実施例 32 参照)。
出発原料は以下のように製造する:
a)4-( N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オンオキシム 別法1:
4-シアノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン[Coll.Czechoslov.Chem.Commun
.43,3227(1978)]20.43g(0.13mol)、塩酸ヒドロキシルアミン 18.07g(0.26mol
)、炭酸ナトリウム 13.46g(0.127mol)と 50% エタノール水溶液 650mlからな
る混合物を 80℃で 3.5 時間撹拌する。ついで、さらに塩酸シドロキシルアミン
9.035g(0.13mol)と炭酸ナトリウム 6.73g(0.0635mol)を反応混合物に加え
80℃ でさらに 5 時間撹拌を続け、ついで反応混合物をゆっくりと室温まで冷却
する。ついで反応混合物を 10℃ まで冷却し、濾過し、生じた生成物を 50% エ
タノール水溶液 20ml と少量のジエチルエーテルで洗う。ついで結晶物にメタノ
ール 900ml を加え、混合物を室温で1時間撹拌し、不溶性成分を濾別し、濾液
を約 150ml まで濃縮する。5℃ まで冷却したときに沈殿する生成物を濾過して
分け、少量のメタノールとジエチルエーテルで洗い、乾燥させる。得られた表題
化合物のmp は 192-194℃(分解)である。別法2
:
4-シアノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン[Coll.Czechoslov.Chem.Commun
.43,3227(1978)]7.86g(50mmol)のN,N-ジメチルホルムアミド 75ml 溶液に
、撹拌しながら塩酸ヒドロキシルアミン 10.4g(150mmol)と 2M Na2CO3溶
液 37.5ml を加え、反応混合物を 3.75 時間 75℃ で加熱する。まだ温
かいうちに、反応混合物を水 25ml に溶かし温かいうちに濾過する。ついで、撹
拌しながら水 88ml を濾液に加え、混合物を 0-5℃ に冷却する。結晶化した生
成物を吸引濾過して分け、DMF/水 1:3 で洗い最後にエタノールで洗い、乾燥
させ、DMFの 3 倍量から再結晶する。そのような方法で表題化合物が得られ
る。mp 192-194℃(分解); MS(FAB):(M+H)+=206;1H-NMR(DMS
O): δ=10.87(s,1H);9.64(s,1H); 7.56(d,1H); 7.49(d,1H); 7.30(t,1H)
; 5.76(s,2H); 3.15(t,2H); 2.74(t,2H).別法3:
4-シアノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン[Coll.Czechoslov.Chem.Commun
.43,3227(1978)]157mg(1.0mmol)と塩酸ヒドロキシルアミン 139mg(2.0mmol
)のエタノール 4ml 溶液混合物を 80℃ で 1.5 時間撹拌し、氷水浴で冷却する
。結晶化した生成物を吸引濾過して分け、冷エタノールとジエチルエーテルで洗
い乾燥させる。そのような方法で中間体 4-シアノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-
1-オンオキシムが得らる。mp 200-202℃(分解);1H-NMR(DMSO): δ=
11.22(s,1H); 7.84(d,1H); 7.81(d,1H); 7.45(t,1H); 3.15(t,2H); 2.84(t
,2H).
中間体である 4-シアノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン オキシム 360mg
(2.06mmol)と塩酸ヒドロキシルアミン 355mg(5.1mmol)のエタノール 10ml溶
液混合物にナトリウムメトキシド 920mg(5.1mmol)を加え、反応混合物を室温
で 10分間撹拌する。反応混合物を次いで濾過し、濾液を 2 時間加熱還流する。
冷却後、生じた生成物を濾過して分け、少量のメタノールで洗い、乾燥させる。
そのような方法で表題化合物が得られる。mp 192-194℃(分解); 1H-NMR(
DMSO): δ=10.87(s,1H); 9.64(s,1H); 7.56(d,1H); 7.49(d,1H); 7.30
(t,1H); 5.76(s,2H); 3.15(t,2H); 2.74(t,2H).実施例2
:1-[4-( アミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2- アミノ-4-フェニルイミダゾール二塩酸塩
1-[4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンア
ミノ]-2-アミノ-4-フェニル-イミダゾールジヒドロクロライドのメタノール 100
ml 溶液にラネーニッケル 0.2g(0.0048mol)を加え、室温常圧下で水素の吸収
が止まるまで水素化を行なう。ついで反応混合物を濾過し、触媒はメタノールで
よく洗浄する。濾液は少量の 2Nアルコール性塩酸でpH 4 に合わせ、濃縮す
る。結晶化した生成物は吸引濾過して分けメタノール 30ml で再結晶すると、表
題化合物が 3 水和物の形で得られる。mp 211-215℃、1H-NMR(DMSO):
δ=9.56(d,4H); 8.34(d,1H); 8.14(s,1H); 7.97(s,2H); 7.82(m,3H); 7.
67(t,1H); 7.3-7.52(m,4H); 3.41(s,4H).実施例3
:1-[4-( N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリ デンアミノ]-2-アミノ-4-(4-メトキシフェニル)-イミダゾール二塩酸塩
4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン オキシム4.9
2g(0.024mol)、1,2-ジアミノ-4-(4-メトキシフェニル)-イミダゾール(Hetzheim
A.等、Chem.Ber.100,3418(1967)参照)4.9g(0.024mol)、イソプロパノール 1
20ml の混合物に 32% 塩酸(メルク、ダルムシュタット、ドイツ)7.2ml を撹
拌しながら加え、反応混合物を 80℃ で 19 時間撹拌する。反応混合物を温かい
うちに濾過し濾液を冷却する。結晶化した淡黄色の表題化合物を吸引濾過して分
け、乾燥させる。単水和物の形で結晶化する。mp>220℃、MS(FAB):(M
+H)+=377、1H-NMR(DMSO/D2O): δ=8.23(d,1H); 7.74(s,1H); 7
.72(d,1H); 7.57-7.63(m,3H); 7.02(d,2H); 3.75(s,3H); 3.26(s,4H).実施例4
:1-[4-( アミジノ)-2.3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2- アミノ-4-(4-メトキシフェニル)-イミダゾール二塩酸塩
実施例2と同様に、1-[4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデ
ン-1-イリデンアミノ]-2-アミノ-4-(4-メトキシフェニル)-イミダゾール二塩酸
塩 5.8g(0.00129mol)のメタノール 600ml 溶液にラネーニッケルを約 2g 加え
、室温常圧下で水素の吸収が止まるまで水素化を行う。ついで反応合物を濾過し
、濾液を濃縮する。結晶化した生成物は吸引濾過して分け、メタノー
ルから再結晶すると表題の化合物が単水和物の形で得られる。mp>220℃、1H
-NMR(DMSO): δ=9.56(d,4H); 8.33(d,1H); 7.99(s,1H); 7.94(s,2H
); 7.75-7.84(m,3H); 7.64(t,1H); 7.04(d,2H); 3.80(s,3H); 3.40(m,4H).実施例5
:1-[4-( N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリ デンアミノ]-2-アミノ-4-(2-メトキシフェニル)-イミダゾール二塩酸塩
4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オンオキシム 0.4
1g(0.002mol)、1,2-ジアミノ-4-(2-メトキシフェニル)-イミダゾール 0.408g(0
.002mol)とイソプロパノール 10ml の混合物に撹拌しながら 32% 塩酸(メルク
、ダルムシュタット、ドイツ)0.6ml を加え、反応混合物を 80℃ で 20時間撹拌
する。反応混合物は温かいうちに濾過し、濾液生成物をイソプロパノールで洗い
、乾燥させる。そのような方法で表題化合物が得られる。mp>220℃、1H-N
MR(DMSO/D2O): δ=8.22(d,1H); 7.77(m,2H); 7.58(m,2H); 7.36(m
,1H); 7.12(d,1H); 7.05(t,1H); 3.88(s,3H); 3.24(s,4H).
出発物質は以下のように製造する:
a)2- アミノ-1-ベンジリデンアミノ-4-(2-メトキシフェニル)-イミダゾール
ベンズアルデヒドグアニルヒドラゾン(Thiele,A.、Liebigs Annalen der Che
mie 270,35)と 2-メトキシフェナシルブロマイド(Aldrich、Buchs、スイス;
98%、商品番号 10,085-4)エタノールの 130ml 溶液を 1 時間加熱還流する。
冷却後、結晶化した生成物を吸引濾過して分け、エタノールから再結晶する。そ
のような方法で表題化合物が得られる。mp 166-167℃、1H-NMR(DMSO)
: δ=8.61(s,1H); 8.0(m,3H); 7.88(s,1H); 7.5(m,3H); 7.19(m,1H); 7.0
3(d,1H); 6.96(t,1H); 6.16(s,2H); 3.94(s,3H).
b)1,2- ジアミノ-4-(2-メトキシフェニル)-イミダゾール
2-アミノ-1-ベンジリデンアミノ-4-(2-メトキシフェニル)-イミダゾール 23.2
g とヒドラジン一水和物 15.8ml のジエチレングリコール 80ml 溶液を 170℃で
7 時間撹拌する。冷却後、反応混合物に水 400ml を加える。分離した
生成物を吸引濾過し、水で洗い、エタノール 200ml から再結晶する。そのよう
な方法で、表題化合物が得られる。mp 195-196℃、1H-NMR(DMSO): δ
=7.9(d,1H); 7.06(m,2H); 6.91(m,2H); 5.52(s,2H); 5.3(s,2H); 3.88(s
,3H).実施例6
:1-[4-( アミジノ)-2.3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2- アミノ-4-(2-メトキシフェニル)-イミダゾール二塩酸塩
実施例2と同様に、1-[4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデ
ン-1-イリデンアミノ]-2-アミノ-4-(2-メトキシフェニル)-イミダゾール二塩酸
塩 0.45g(0.001mol)のメタノール/水 1:1 の 50ml 溶液にラネーニッケル約 0
.2g を加え、室温常圧下で水素の吸収が止まるまで水素化を行なう。反応混合物
をついでメタノール 100ml で希釈し、濾過する。濾液は少量の 2Nアルコール
性塩酸でpH 4 に合わせ、濃縮し蒸発乾固する。残渣は酢酸エチルから再結晶
すると、表題の化合物が二水和物の形で得られる。mp>220℃(分解)、1H-N
MR(DMSO/D2O): δ=8.28(d,1H); 7.80(m,2H); 7.64(m,2H); 7.38(t,1
H); 7.16(d,1H); 7.06(t,1H); 3.91(s,3H),3.30(m,4H).実施例7
:1-[4-( N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリ デンアミノ]-2-アミノ-4-(2,5-ジメトキシフェニル)-イミダゾール二塩酸塩
4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オンオキシム 0.4
1g(0.002mol)と 1,2-ジアミノ-4-(2,5-ジメトキシフェニル)-イミダゾールと
イソプロパノール 10ml の混合物に撹拌しながら濃塩酸 0.6ml を加え、反応混
合物を 80℃ で 3 時間撹拌する。反応混合物を熱いうちに濾過し、濾過生成物
をイソプロパノールで洗い乾燥させる。そのような方法で表題化合物が得られる
。mp>220℃、1H-NMR(DMSO/D2O): δ=8.23(d,1H); 7.75(m,2H); 7
.61(t,1H); 7.17(d,1H); 7.07(d,1H); 6.93(q,1H); 3.82(s,3H); 3.71(s,
3H); 3.25(bs,4H).
出発物質は以下のように製造する:
a)2- アミノ-1-ベンジリデンアミノ-4-(2,5-ジメトキシフェニル)-イミダゾー ル
ベンズアルデヒドグアニルヒドラゾン 1.62g(0.01mol)と 2,5-ジメトキシフ
ェナシルブロマイド(Aldrich、Buchs、スイス、97%、商品番号 10,458-2)のエ
タノール 5ml 溶液を 45 分間加熱還流する。冷却後、結晶化した生成物を吸引
濾過して分け、エタノールから再結晶する。そのような方法で、表題化合物が得
られる。mp 180-181℃、1H-NMR(DMSO): δ=8.62(s,1H); 7.97(m,2
H); 7.90(s,1H); 7.42-7.60(m,4H); 6.95(d,1H); 6.76(m,1H); 6.18(s,2H)
; 3.9(s,3H); 3.73(s,3H).
b)1,2- ジアミノ-4-(2,5-ジメトキシフェニル)-イミダゾール
2-アミノ-1-ベンジリデンアミノ-4-(2,5-ジメトキシフェニル)-イミダゾール
26.1g とヒドラジン一水和物 16.2ml のジエチレングリコール 80ml 溶液を 170
℃ で 6 時間撹拌する。冷却後、反応混合物に水 400ml を加える。分離した生
成物を吸引濾過して分け、水で洗い、エタノール 150ml から再結晶する。その
ような方法で表題化合物が得られる。mp 159-160℃、1H-NMR(DMSO):
δ=7.47(d,1H); 7.07(d,1H); 6.87(d,1H); 6.63(q,1H); 5.52(s,2H); 5.3
4(s,2H); 3.79(s,3H); 3.69(s,3H).実施例8
:1-[4-( アミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2- アミノ-4-(2,5-ジメトキシフェニル)-イミダゾール二塩酸塩
実施例2と同様に、1-[4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデ
ン-1-イリデンアミノ]-2-アミノ-4-(2,5-ジメトキシフェニル)イミダゾール二塩
酸塩 0.48g(0.001mol)のメタノール/水 1:1 50ml 溶液にラネーニッケル約 0.
2g を加え、室温常圧下で水素の吸収が止まるまで水素化を行なう。ついで反応
混合物をメタノール 100ml で希釈し、濾過する。濾液は少量の 2 Nアルコール
性塩酸でpH 4 に合わせ真空で約 500ml まで濃縮する。結晶化した生成物を吸
引濾過して分け、乾燥させると、表題化合物が二水和物の形で得られる。mp 2
60℃(分解)、1H-NMR(DMSO/D2O): δ=8.27(d,1H)
; 7.82(m,2H); 7.64(t,1H); 7.28(d,1H); 7.09(d,1H); 6.94(q,1H); 3.76(
s,3H); 3.30(m,4H).実施例9
:1-[4-( N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリ デンアミノ]-2-アミノ-4-(3-メトキシフェニル)-イミダゾール二塩酸塩
4-(N-ヒドロキシアミジノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オンオキシム 4.1g
(0.02mol)と 1,2-ジアミノ-4-(3-メトキシフェニル)-イミダゾール 4.08g(0.02m
ol)とイソプロパノール 100ml の混合物に撹拌しながら、32% 塩酸(メルク社
、ダルムシュタット、ドイツ)6.0ml を加え、反応混合物を 80℃ で 18 時間撹
拌する。反応混合物を熱いうちに濾過し濾過生成物をイソプロパノールで洗い乾
燥させる。そのような方法で表題化合物が得られる。mp 257-259℃、1H-NM
R(DMSO/D2O): δ=8.24(d,1H); 7.91(s,1H); 7.75(d,1H); 7.61(t,1
H); 7.38(t,1H); 7.25(m,2H); 6.95(m,1H); 3.76(s,3H); 3.27(s,4H).
出発原料は以下のように製造する:
a)2- アミノ-1-ベンジリデンアミノ-4-(3-メトキシフェニル)-イミダゾール
ベンズアルデヒドグアニルヒドラゾン 16.2g(0.1mol)と 3-メトキシフェナシ
ルブロマイド(Aldrich、Buchs、スイス; 98% 商品番号 11,567-3)のエタノー
ル 50ml 溶液を 20℃ で 3 時間撹拌する。結晶化した生成物は吸引濾過して分
け乾燥させる。そのような方法で表題化合物が得られる。mp 170-171℃、1H-
NMR(DMSO): δ=8.56(s,1H); 8.03(s,1H); 7.92(m,2H); 7.5(m,3H);
7.26(m,3H); 6.76(m,1H); 6.2(s,2H); 3.8(s,3H).
b)1,2- ジアミノ-4-(3-メトキシフェニル)-イミダゾール
2-アミノ-1-ベンジリデンアミノ-4-(3-メトキシフェニル)-イミダゾール 8.1g
とヒドラジン一水和物 5.5ml のジエチレングリコール 28ml 溶液を 170℃ で
7 時間撹拌する。冷却後、反応混合物に水 150ml を加える。結晶化した生成物
は吸引濾過して分け、水で洗いエタノール 100ml から再結晶する。そのような
方法で表題化合物が得られる。mp 181-182℃、1H-NMR(DMS
O): δ=7.17(m,3H); 7.06(s,1H); 6.64(m,1H); 5.52(s,2H); 5.35(s,2H)
; 3.74(s,3H).実施例10
:1-[4-( アミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2- アミノ-4-(3-メトキシフェニル)-イミダゾール二塩酸塩
実施例2と同様に1-[4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン
-1-イリデンアミノ]-2-アミノ-4-(3-メトキシフェニル)-イミダゾール二塩酸塩
4.1g(0.008mol)の水 410ml 溶液にラネーニッケル約 2g を加え、室温常圧下
で水素の吸収が止まるまで水素化を行なう。ついで反応混合物をメタノール 1.3
l で希釈し、濾過する。濾液を少量の 2Nアルコール性塩酸でpH 4 に合わせ
真空で約 200ml まで濃縮する。結晶化した生成物は吸引濾過して分け、乾燥さ
せると表題化合物が一水和物の形で得られる。mp 260℃(分解)、1H-NMR(
DMSO/D2O): δ=8.32(d,1H); 8.05(s,1H); 7.83(d,1H); 7.65(t,1H);
7.3-7.44(m,3H); 6.94(d,1H); 3.81(s,3H); 3.36(s,4H)実施例11
:1-[4-( N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリ デンアミノ]-2-アミノ-4-(4-クロロフェニル)-イミダゾール二塩酸塩
4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オンオキシム、1,
2-ジアミノ-4-(4-クロロフェニル)-イミダゾール(Beyer H.等、Chem.Ber.101,
3151(1968)参照)1.043g(5mmol)と 4N 塩酸 20ml からなる混合物を 120℃
で 18 時間撹拌しながら過熱し、ついで留去し濃縮乾燥する。エタノール25ml
を結晶性残渣に加え、混合物を撹拌しながら 5℃ に冷却し、濾過し、結晶物を
少量のエタノールとジエチルエーテルで洗浄する。高真空下で乾燥させた粗表題
化合物は 8.17% の水分を含みmpは 226-228℃(分解)、1H-NMR(D2O):
δ=8.06(d,1H); 7.75(d,1H); 7.55(t,1H); 7.40(s,1H); 7.38(d,2H); 7.2
8(d,2H); 3.21-3.27(m,2H); 3.03-3.09(m,2H)。実施例12
:1-[4-( アミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2- アミノ-4-(4-クロロフェニル)-イミダゾール二塩酸塩
実施例 2 と同様に、1-[4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-イ
ンデン-1-イリデンアミノ]-2-アミノ-4-(4-クロロフェニル)-イミダゾール二塩
酸塩 1.0g(2.024mmol)のメタノール 35ml 溶液と水 20ml からなる溶液にラネ
ーニッケル 0.2g を加え室温常圧下で水素の吸収が止まるまで水素化を行なう。
ついで反応混合物をメタノール50ml で希釈し濾過する。濾液を少量の 3Nメタ
ノール性塩酸でpH 3 に合わせ、およそ 30ml の容積となるまで濃縮する。氷
浴で冷却後、結晶化した生成物を濾過して分け少量のメタノールとジエチルエー
テルで洗い、120℃の高真空条件下で乾燥させる。表題化合物が一水和物の形で
得られる。mp 245-250℃(分解)、1H-NMR(DMSO/D2O):δ=8.33(d,1
H); 8.12(s,1H); 7.79-7.87(m,3H); 7.67(t,1H); 7.57(d,2H); 3.38(s,4H)
.実施例13
:1-[4-( N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリ デンアミノ]-2-アミノ-4-(4-トリル)-イミダゾール二塩酸塩
4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オンオキシム 1.2
0g(5.848mmol)と 1,2-ジアミノ-4-(4-トリル)イミダゾール 1.10g(5.844mmol
)(Beyer H.等、Chem.Ber.101,3151(1968)参照)と 4 N塩酸 20ml からな
る混合物を 110℃で 22 時間撹拌しながら加熱し、ついで真空下で元の用量の約
半分となるまで濃縮する。結晶化した生成物を濾別して分け、イソプロパノール
で洗い、エタノール 15ml とイソプロパノール 30ml の混合物から再結晶すると
、二水和物の表題化合物が得られる。mp 225-232℃(分解)、1H-NMR(D2O
):δ=8.04(d,1H); 7.74(d,1H); 7.55(t,1H); 7.30(s,1H); 7.26(d,2H); 7
.07(d,2H); 3.17-3.23(m,2H); 2.98-3.04(m,2H); 2.07(s,3H).実施例14
:1-[4-( アミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2- アミノ-4-(4-トリル)-イミダゾール二塩酸塩
実施例 2 と同様に、1-[4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-イン
デン-1-イリデンアミノ]-2-アミノ-4-(4-トリル)-イミダゾール二塩酸塩 0.9g(
1.917mmol)のメタノール/水(1:1)溶液 60ml にラネーニッケル 0.2g
を加え室温常圧下で水素の吸収が止まるまで水素化を行なう。ついで、反応混合
物を濾過し、濾液を 3Nメタノール性塩酸を用いてpH 3 に酸性化し、およそ
20ml の用量となるまで濃縮する。結晶化した生成物を濾過して分け、エタノー
ル/水から再結晶すると水分含量 11.81% の表題化合物が得られる。mp 220-2
25℃(分解)、1H-NMR(DMSO/D2O): δ=8.33(d,1H); 7.98(s,1H); 7.
83(d,1H); 7.61-7.71(m,3H); 7.29(d,2H); 3.37(s,4H); 2.34(s,3H).実施例15
:1-[4-( N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリ デンアミノ]-2-アミノ-4-(4-フルオロフェニル)-イミダゾール二塩酸塩
4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オンオキシム1.30
3g(6.35mmol)、1,2-ジアミノ-4-(4-フルオロフェニル)-イミダゾール 1.22g
(6.348mmol)とイソプロパノール 32ml からなる混合物に撹拌しながら 37%
塩酸1.91mlを加え、反応混合物を 110℃ で 4 時間撹拌する。熱反応混合物を濾
過し、結晶物をイソプロパノールで洗浄し高真空条件下で乾燥させるとイソプロ
パノール含量 4.17% の一水和物形の表題化合物が得られる。mp 242-247℃(
分解),1H-NMR(D2O): δ=8.12(d,1H); 7.79(d,1H); 7.52-7.63(m,3H)
; 7.47(s,1H); 7.65(t,2H); 3.28-3.32(m,2H); 3.16-3.20(m,2H).
出発原料は以下のように製造する:
a)2- アミノ-1-ベンジリデンアミノ-4-(4-フルオロフェニル)-イミダゾール
ベンズアルデヒドグアニルヒドラゾン 8.11g(0.05mol)のエタノール 40ml
溶液に、トリエチルアミン 7.32ml(0.0525mol)と2-クロロ-4'-フルオロ-アセ
トフェノン 8.63g(0.05mol)(Aldrich,Buchs,スイス; 99%、商品番号 13,28
8-8)を加える。 5 ℃に冷却した後、結晶化した生成物を濾過して分け、ジエチ
ルエーテルで洗い乾燥させる。そのような方法で表題化合物が得られる。反応混
合物を 20℃ で 0.5 時間撹拌し、ついで 2.5 時間過熱還流する。mp 207-210
℃、1H-NMR(DMSO): δ=8.55(s,1H); 8.00(s,1H); 7.90-7.
98(m,2H); 7.69-7.79(m,2H); 7.45-7.57(m,3H); 7.15-7.27(m,2H); 6.22(s
,2H).
b)1,2- ジアミノ-4-(4-フルオロフェニル)-イミダゾール
2-アミノ-1-ベンジリデンアミノ-4-(4-フルオロフェニル)-イミダゾール 5.3g
(0.0189mol)とヒドラジン一水和物 12.5ml のジエチレングリコール 18.8ml
溶液を 140℃ で 15 時間撹拌する。80℃に冷却した後、反応混合物にアセトニ
トリル 70ml を加え、ついで 0℃ まで冷却する。分離した生成物を濾別しアセ
トニトリルとジエチルエーテルで洗う。そのような方法で表題化合物が得られる
。mp 227-230℃、1H-NMR(DMSO): δ=7.57-7.68(m,2H); 7.06-7.15(
m,2H); 7.01(s,1H); 5.52(s,2H); 5.36(s,2H).実施例16
:1-[4-( アミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2- アミノ-4-(4-フルオロフェニル)イミダゾール二塩酸塩
実施例 2 と同様に、1-[4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-イン
デン-1-イリデンアミノ]-2-アミノ-4-(4-フルオロフェニル)-イミダゾール二塩
酸塩 1.0g(2.105mmol)のメタノール/水(1:1)70ml 溶液にラネーニッケル 0.
25g を加え、室温常圧下で水素の吸収が止まるまで水素化を行なう。ついで反応
混合物を濾過し、濾液を 3 Nメタノール性塩酸で酸性化しpH 3 とし、真空留
去により濃縮する。結晶性残渣をメタノール/ジエチルエーテルから再結晶する
と、水分含量4.88%の表題化合物が得られる。mp 245-250℃(分解)、1H-NM
R(D2O): δ=8.09(d,1H); 7.81(d,1H); 7.44-7.61(m,3H); 7.42(s,1H);
7.03-7.15(m,2H); 3.27-3.33(m,2H); 3.11-3.17(m,2H).実施例17
:1-[4-( N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリ デンアミノ]-2-アミノ-4-エチル-イミダゾール二塩酸塩
4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オンオキシム3.28
g(0.016mol)と 1,2-ジアミノ-4-エチル-イミダゾール塩酸塩 2.6g(0.016mol
)とイソプロパノール 150ml からなる混合物に、撹拌しながら 32% 塩酸
(Merck、ダルムシュタット、ドイツ;p.a.)3.2ml を加え、反応混合物を 80℃
で 90 時間撹拌する。反応混合物は熱いうちに濾過し、濾取した生成物をイソ
プロパノールで洗浄し乾燥させる。そのような方法で表題化合物が得られる。m
p 245-246℃、1H-NMR(DMSO/D2O): δ=8.22(d,1H); 7.73(d,1H);
7.59(t,1H); 7.19(s,1H); 3.2(m,4H); 2.47(m,2H); 1.17(t,3H).
出発原料は以下のように製造する:
a)2- アミノ-1-ベンジリデンアミノ-4-エチル-イミダゾール
ベンズアルデヒドグアニルヒドラゾン 1.62g(0.01mol)と 1-ブロモ-2-ブタ
ノン(Aldrich、Buchs、スイス; tech.90%、商品番号24,329-9)0.84g(0.005m
ol)のエタノール 5ml 溶液を氷水浴中で 1 時間、20℃で 16 時間撹拌する。つ
いで反応混合物を留去により濃縮乾燥させる。残渣を酢酸エチルにとり、水で 2
回、希釈塩化ナトリウム水溶液で 1 回洗い、MgSO4で乾燥させる。酢酸エ
チル溶液を濃縮すると、表題化合物が結晶化する。mp 164-167℃、1H-NMR
(DMSO): δ=8.41(s,1H); 8.89(m,2H); 7.46(m,3H); 7.13(s,1H); 5.9(
s,2H); 2.34(q,2H); 1.13(t,3H).
b)1,2- ジアミノ-4-エチル-イミダゾール塩酸塩
2-アミノ-ベンジリデンアミノ-4-エチル-イミダゾール 4.29g(0.02mol)と 2
N塩酸 25ml からなる混合物を 120℃ に過熱し、1時間水蒸気蒸留した。蒸留
残渣を冷却しついで留去により濃縮し乾燥させ、残渣をエタノール/酢酸エチル
から再結晶する。そのような方法で表題化合物が得られる。mp 124-125℃、1
H-NMR(DMSO/D2O): δ=6.53(s,1H); 2.36(q,2H); 1.07(t,3H).実施例18
:1-[4-( アミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2- アミノ-4-エチル-イミダゾール二塩酸塩
実施例2と同様に、1-[4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデ
ン-1-イリデンアミノ]-2-アミノ-4-エチルイミダゾール二塩酸塩 1.0g(0.0
027mol)のエタノール 100ml 溶液にラネーニッケル約 0.4g を加え、室温常圧
下で水素の吸収が止まるまで水素化を行なう。ついで反応混合物を濾過し、少量
の 2Nアルコール性塩酸でpH 4 に合わせ、留去により濃縮し乾燥させる。残
渣はエタノールから再結晶し、二水和物の形で表題化合物が得られる。mp>24
0℃(分解)、1H-NMR(DMSO/D2O): δ=8.21(d,1H); 7.75(d,1H); 7.6(
t,1H); 7.18(s,1H); 3.26(m,2H); 3.18(m,2H); 2.46(q,2H); 1.15(t,3H).実施例19
:1-[4-( N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリ デンアミノ]-2-アミノ-4,5-ジヒドロ-イミダゾール二塩酸塩
4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オンオキシム 0.5
1g(0.0025mol)と 1,2-ジアミノ-4,5-ジヒドロ-イミダゾール塩酸塩 0.342g(0.
0025mol)[mp 245-246℃;EP 0 327 919、実施例 12参照、Amberlite(登録商
標)IRA-400(Cl-の形での 4 級アンモニウム残基とのスチレン/ジビニルベ
ンゼンポリマーに基づく陰イオン交換樹脂)のイオン交換により、対応するp-
トルエンスルホン酸塩から製造]とイソプロパノール 12ml からなる混合物に撹
拌しながら 32% 塩酸(Merck社、ダルムシュタット、ドイツ)0.5ml を加え、
反応混合物を 80-90℃ で 16 時間撹拌する。反応混合物を熱いうちに濾過し、
濾取した生成物をイソプロパノールで洗浄し、熱水から再結晶する。そのような
方法で表題化合物が得られる。mp>245℃、1H-NMR(D2O):δ=8.08(d,1
H); 7.72(d,1H); 7.56(t,1H); 4.14(t,2H); 3.81(t,2H); 3.3(m,2H); 3.15
(m,2H).実施例20
:1-[4-( アミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2- アミノ-4,5-ジヒドロ-イミダゾール二塩酸塩
実施例2と同様に、1-[4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデ
ン-1-イリデンアミノ]-2-アミノ-4,5-ジヒドロ-イミダゾール二塩酸塩 4.75g(
0.0138mol)の水 240ml 溶液にラネーニッケル約 2.0g を加え、室温常圧下で水
素の吸収が止まるまで水素化を行なう。ついで、反応混合物を濾過し、
少量の 2 Nアルコール性塩酸でpH 4 に合わせ、留去により濃縮し乾燥させる
。残渣を水から再結晶すると、一水和物の表題化合物が得られる。mp 280℃(
分解)、1H-NMR(DMSO/D2O): δ=8.17(d,1H); 7.66(d,1H); 7.54(t,
1H); 4.18(t,2H); 3.70(t,2H); 3.25(m,2H); 3.13(m,2H).実施例21
:1-[4-( N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリ デンアミノ]-2-アミノ-4-(4-ビフェニルイル)-イミダゾール二塩酸塩
4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オンオキシム 5.0
9g(0.0248mol)、1,2-ジアミノ-4-(4-ビフェニルイル)-イミダゾール 6.23g(0.02
48mol)とイソプロパノール 70ml からなる混合物に撹拌しながら、濃塩酸20ml
を加え、混合物を 120℃ で 28 時間撹拌する。室温まで冷却し、濾過し、イソ
プロパノールで結晶物を洗浄し、高真空条件下で乾燥させると水分含量 0.9%
の表題化合物が得られる。mp 284-285℃(分解)、1H-NMR(DMSO/D2O)
: δ=8.28(d,1H); 7.99(s,4H); 7.80(s,4H); 7.60-7.76(m,4H); 7.35-7.53
(m,3H); 3.32(s,4H).
出発原料は以下のように製造する。
a)2- アミノ-1-ベンジリデンアミノ-4-(4-ビフェニルイル)-イミダゾール
ベンズアルデヒドグアニルヒドラゾン 8.11g(0.05mol)のエタノール 40ml
溶液に、トリエチルアミン7ml(0.0507mol)と2-ブロモ-4'-フェニルアセトフェ
ノン(Aldrich、Buchs、スイス; tech.、商品番号 10,108-7)13.75g(0.050mol
)を加える。反応混合物を 20℃ で 15 時間撹拌し、濾過し、結晶物を塩化メチ
レンにとり、1 N塩酸でpH 1 に酸性化する。濾過後、濾取生成物をメタノー
ルで抽出し、塩基性反応物が得られるまで(pH 11)2N水酸化ナトリウム溶液
を加える。濾過し、結晶生成物をメタノール/水(1:1)で洗浄する。得られた表
題化合物のmpは 254-255℃(分解)、1H-NMR(DMSO): δ=8.60(s,1H);
8.10(s,1H); 7.93-7.98(m,2H); 7.67-7.83(m,6H); 7.32-7.55(m,6H); 6.24
(s,2H).
b)1,2- ジアミノ-4-(4-ビフェニルイル)-イミダゾール
2-アミノ-1-ベンジリデンアミノ-4-(4-ビフェニルイル)-イミダゾール 9.2g(0
.0189mol)とヒドラジン一水和物 22ml のジエチレングリコール 73ml 溶液を 14
0℃ で 48 時間撹拌する。20℃ に冷却後、反応混合物にアセトニトリル 100ml
を加え、これをついでさらに 5℃ に冷却する。分離してくる生成物を濾別し、
アセトニトリルとジエチルエーテルで洗う。そのような方法で水分含量 0.41%
の表題化合物が得られる。mp >280℃、1H-NMR(DMSO): δ=7.29-7.7
3(m,9H); 7.12(s,1H); 5.55(s,2H); 5.39(s,2H).
実施例22:1-[4-( アミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2- アミノ-4-(4-ビフェニルイル)-イミダゾール二塩酸塩
実施例 2 と同様に、1-[4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-イン
デン-1-イリデンアミノ]-2-アミノ-4-(4-ビフェニルイル)-イミダゾール二塩酸
塩 9.27g(18.54mmol)、水800ml、メタノール 820mlとラネーニッケル 7.3g か
らなる混合物を 25-51℃で常圧下にて水素の吸収が止まるまで水素化を行なう。
ついで、反応混合物を濾過し、濾液を濃塩酸でpH 1 に酸性化し真空留去によ
り濃縮する。残渣をエタノールから 2 回再結晶すると表題化合物が得られる。
mp 269-270℃(分解)、1H-NMR(DMSO/D2O): δ=8.32(d,1H); 8.03(
s,1H); 7.62-7.83(m,8H); 7.35-7.53(m,3H); 3.36(s,4H).実施例23
:1-[4-( N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリ デンアミノ]-2-アミノ-4-(2-ナフチル)-イミダゾール二塩酸塩
4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オンオキシム 2.0
1g(9.8mmol)と、1,2-ジアミノ-4-(2-ナフチル)-イミダゾール(J.Heterocycl.
Chem.11,327-329(1974)参照)2.2g(9.8mmol)とイソプロパノール 25ml か
らなる混合物に、撹拌しながら濃塩酸 7ml を加え、混合物を 120℃で 24 時間
撹拌する。混合物を 20℃ に冷却し、濾過しイソプロパノールで洗浄し、濾取生
成物を塩化メチレン 60ml にとる。懸濁液を室温で 15 時間撹拌し、ついで濾過
し、結晶物を塩化メチレンで洗浄する。そのような方法で、表題化合
物が得られる。mp 265-270℃、1H-NMR(DMSO/D2O): δ=8.32(s,1H
); 8.29(d,1H); 8.19(s,1H); 8.04(d,1H); 7.88-7.98(m,3H); 7.81(d,1H);
7.53-7.68(m,3H); 3.38(s,4H).実施例24
:1-[4-( アミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2- アミノ-4-(2-ナフチル)-イミダゾール二塩酸塩
実施例 2 と同様に、1-[4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-イン
デン-1-イリデンアミノ]-2-アミノ-4-(2-ナフチル)-イミダゾール二塩酸塩1.0g
(2.13mmol)のメタノール/水(1:1)120ml 溶液にラネーニッケル 0.3g を加
え、室温常圧下で水素吸収が止まるまで水素化を行なう。ついで、反応混合物を
濾過し、濾液を 3Nメタノール性塩酸でpH 3 に酸性化し、真空留去により濃
縮する。残渣に少量のメタノールを加え、エタノールから再結晶すると表題化合
物が得られる。mp>280℃、1H-NMR(DMSO/D2O): δ=8.31(d,1H);
8.18(s,1H); 8.05(s,1H); 7.92-8.03(m,3H); 7.79-7.86(m,2H); 7.52-7.69(
m,3H); 3.35(s,4H).実施例25
:1-[4-( N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリ デンアミノ]-2-アミノ-イミダゾール二塩酸塩
4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オンオキシム 0.8
37g(4.079mmol)、1,2-ジアミノ-イミダゾール 0.40g(4.077mmol)、イソプロパノ
ール 23ml と濃塩酸 1.33ml からなる混合物を 22 時間過熱還流する。熱反応混
合物を濾過し、イソプロパノールとジエチルエーテルで結晶物を洗浄し、高真空
下で乾燥させると表題化合物が得られる。mp 258-260℃(分解)、1H-NMR(
DMSO/D2O): δ=8.29(d,1H); 7.80(d,1H); 7.65(t,1H); 7.55(d,1H);
7.13(d)1H); 3.22-3.32(m,4H).
出発物質は以下のように製造する:
a)N-ベンジリデンアミノ-N'-(2,2-ジメトキシ-エチル)-グアニジン
ベンズアルデヒドグアニルヒドラゾン 8.1g(0.05mol)のDMF 80ml 溶液に
撹拌しながら窒素導入下、水素化ナトリウム粉末(約 50%油性;Fluka、Bu
chs、スイス)2.88g(0.06mol)を 10 分間かけて少しずつ加える。室温で 25
分間撹拌後、ブロモアセトアルデヒドジメチルアセタール(Aldrich、Buchs、ス
イス;97%、商品番号 24,250-0)を混合物に滴下して加え、これを氷浴で冷却
する。反応混合物を室温で 1 時間、55℃で 20 時間撹拌し、ついで真空留去に
より濃縮し、残渣は水と酢酸エチルの間に分配する。有機層を水と食塩水で洗浄
し、留去により濃縮し、油状残渣は粒子サイズが 0.04-0.063mm であるシリカゲ
ル上で、酢酸エチルと酢酸エチル/メタノール(9:1)を用いて、フラッシュク
ロマトグラフィーで精製する。生成物を含有する分画を留去し濃縮すると、表題
化合物がオイル状の形で得られる。Rf値=0.80(シリカゲル/塩化メチレン:メ
タノール:濃アンモニア(40:10:1))、1H-NMR(DMSO): δ=8.07(s,1H);
7.67-7.73(m,2H); 7.23-7.40(m,3H); 5.93(bs,3H); 4.48(t,1H); 3.32(s,
6H); 3.29(d,2H).
b)1,2- ジアミノ-イミダゾール
N-ベンジリデンアミノ-N'-(2,2-ジメトキシ-エチル)-グアニジン 2.5g(0.0
1mol)と 2N塩酸 50ml からなる混合物を撹拌しながら 4 時間かけてゆっくり
と 60℃ から 120℃ に加熱する。反応の過程で分離してくるベンズアルデヒド
を反応混合物から共沸蒸留(約 2 時間)により除去する。水の添加により元の
容量とした後、反応混合物をさらに 8 時間加熱還流し、ついで真空留去により
濃縮する。樹脂様の残渣をメタノール 3ml と 30% 水酸化ナトリウム溶液 2.5m
l からなる混合物に溶解し、粒子サイズ 0.04-0.063mm であるシリカゲル上で、
塩化メチレン:メタノール(9:1)および塩化メチレン:メタノール:濃アンモ
ニア(90:10:0.5 および 40:10:1)を用いてフラッシュクロマトグラフィーにて
精製する。生成物を含む分画を留去により濃縮するとオイル状の表題化合物が得
られる。1H-NMR(DMSO): δ=6.60(s,1H); 6.38(s,1H); 5.67(bs,2H)
; 5.54(bs,2H).実施例26
:1-[4-( アミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2- イミダゾール二塩酸塩
1-[4-(N-ヒドロキシーアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンア
ミノ]-2-アミノ-イミダゾール二塩酸塩のメタノール/水(1:1)60ml 溶液にラ
ネーニッケル 0.3g を加え、室温常圧下で水素の吸収が止まるまで水素化を行な
う。濾液を少量の 3 Nメタノール性塩酸を用いてpH 3 に合わせ、真空で留去
し濃縮する。メタノール/水から残渣を再結晶すると表題化合物が得られる。m
p>260℃、1H-NMR(D2O): δ=8.15(d,1H); 7.82(d,1H); 7.58(t,1H);
7.17(d,1H); 6.90(d,1H); 3.29-3.35(m,2H)); 3.12-3.18(m,2H).実施例27
:1-[4-( N-ヒドロキシルアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イ リデンアミノ]-2-アミノ-4(4-tert-ブチルフェニル)-イミダゾール二塩酸塩
4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オンオキシム 0.3
07g(0.0015mol)、1,2-ジアミノ-4-(4-tert-ブチルフェニル)-イミダゾール(Iva
schenko A.V.等、Khim.Geterotsikl.Soedin.(2),236-1241(1982)-英訳:Chem.He
terocycl.Compd.1982,185-189 参照)0.345g(0.0015mol)とイソプロパノール 7
.5mlからなる混合物に、32%塩酸(メルク、ダルムシュタット、ドイツ;p.a.)
0.45ml を加え、反応混合物を 80-90℃ で 16 時間撹拌する。反応混合物を熱
いうちに濾過し、濾取生成物をイソプロパノールで洗浄し、乾燥させる。そのよ
うな方法で表題化合物が得られる。mp>250℃、1H-NMR(D2O):δ=8.26
(d,1H); 7.86(s,1H); 7.75(d,1H); 7.6(m,3H); 7.47(d,3H); 3.28(d,2H);
1.27(s,9H).実施例28
:1-[4-( アミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2- アミノ-4-(4-tert-ブチルフェニル)-イミダゾール二塩酸塩
実施例 2 と同様に、1-[4-(N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-イン
デン-1-イリデンアミノ]-2-アミノ-4-(4-tert-ブチルフェニル)-イミダゾール二
塩酸塩のメタノール 400ml 溶液にラネーニッケル約 2.0g を加え、室温常圧下
で水素の吸収が止まるまで水素化を行なう。ついで、反応混合物を濾過し、少量
の 2 Nアルコール性塩酸でpH 4 に合わせ、留去により濃縮し乾燥する。残渣
をエタノールから再結晶すると表題化合物が三水和物の形で得られる。mp 250
℃(分解)、1H-NMR(DMSO/D2O): δ=8.27(d,1H); 7.75-7.92(m,2H);
7.6(m,3H); 7.46(m,2H); 3.32(bs,4H);1.27(s,9H).実施例29
:1-[4-( アミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2- アミノ-4,5-ジヒドロ-イミダゾール二塩酸塩
4-アミジノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オンハイドロクロライド 0.24g(0.
001mol)および 1,2-ジアミノ-4,5-ジヒドロ-イミダゾール塩酸塩[mp 245-246
℃、Amberlite(登録商標)IRA-400(Cl-の形の四級アンモニウム残基を用い
たスチレン/ジビニルベンゼンポリマーに基づく陰イオン交換樹脂;Fluka、Buch
s、スイス)でのイオン交換を用いた対応するp-トルエンスルホン酸塩から製造
、EP 0 327 919、実施例 12 参照]0.136g(0.001mol)の水 3ml溶液を室温で
18 時間放置する。結晶化した生成物を吸引濾過し、水から再結晶すると表題化
合物(一水和物)が得られる。mp 280℃、1H-NMR(DMSO/D2O): δ=
8.17(d,1H); 7.66(d,1H); 7.54(t,1H); 4.18(t,2H); 3.70(t,2H); 3.25(m
,2H); 3.13(m,2H).
出発物質は以下のように製造する:
a)4- チオカルバモイル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン
4-シアノ-2.3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン[Coll.Czechoslov.Chem.Commun.43
,3227(1978)参照]12.1g(77mmol)のピリジン 220ml とトリエチルアミン 10.6
ml(77mmol)からなる溶液を 40℃で 3 時間硫化水素で飽和化し、ついで同じ音頭
で 16 時間撹拌する。反応混合物を冷却し、ついで留去し濃縮乾燥し、残渣に水
300ml を加える。結晶化した黄色生成物を吸引濾過して分け、水で洗浄し、乾
燥させ、酢酸エチルから再結晶する。そのような方法で表題化合物が得られる。
mp 197℃(分解).
b)4- アミジノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン塩酸塩
4-チオカルバモイル-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン 9.8g(51.3mmol)の
無水塩化メチレン 500ml 溶液に、トリエチルオキソニウムテトラフルオロホウ
酸 10.8g(54mmol)を室温にてアルゴン気流下で加える。16 時間後反応混合物
に炭酸カリウム 4.2g と水 4.2ml からなる混合物を加える。次いで反応混合物
を簡潔に撹拌し、濾過し、濾液を水で洗浄する。有機相を硫酸マグネシウムで乾
燥させ、濾過し、留去濃縮する。得られた粗エチルチオ-イミノエーテルを無水
エタノール 160ml に溶かし;塩化アンモニウム 3.3g(60mmol)を加え、反応混
合物を 20 時間加熱還流する。冷却後、反応混合物を留去し、乾燥濃縮する。表
題化合物を Amberlite(登録商標)ER-180(Rohm & Haas、ダルムシュタット、
ドイツ;ER-180 は脂肪親和性不純物の分離および脱色に用いるポリスチレンベ
ースの吸収レジンである;溶出液は水)1000ml 上でクロマトグラフィーで精製
し、エタノール/ジエチルエーテルから再結晶する。mp215-218℃(分解).実施例30
:1-[5-( アミジノ)-テトラリン-1-イリデンアミノ]-2-アミノ-4,5-ジヒ ドロ-イミダゾール二塩酸塩
5-(アミジノ)-1-テトラロンハイドロクロライド 0.25g(0.001mol)と 1,2-ジ
アミノ-4,5-ジヒドロ-イミダゾール塩酸塩 0.136g(0.001mol)のイソプロパノ
ール 5ml 溶液に撹拌しながら 32% 塩酸(メルク、ダルムシュタット、ドイツ
;p.a.)を加え、混合物を 80-90℃で 16 時間撹拌する。反応混合物を熱いうち
に濾過し、濾取精製物をイソプロパノールで洗浄し乾燥させると表題化合物が得
られる。mp>220℃(分解)、1H-NMR(DMSO/D2O): δ=8.15(d,1H);
7.67(d,1H); 7.55(t,1H); 4.17(t,2H); 3.68(t,2H); 3.23(m,2H); 3.15(m
,2H); 1.9(m,2H).
出発原料は以下のように製造する:
a)5- シアノ-1-テトラロン
5-ブロモ-1-テトラロン[J.Org.Chem.49,4226(1984)参照]1.0g(4.4mmol)
のDMF1.3ml 溶液にシアン化銅(I)0.41g(4.5mmol)を加え、反応混合物を160
℃で 6 時間撹拌する。ついで反応混合物を 80℃に冷却し、塩化鉄(III)六水和
物 1.6g の水 2.5ml 溶液と濃塩酸 0.44ml を加える。45 分間撹拌を続け、反応
混合物を冷却し水で洗浄し、トルエンで抽出する。有機相を水で洗浄し、硫酸マ
グネシウムで乾燥させ、濾過し、留去し濃縮する。そのような方法で黄-橙色の
結晶形の表題化合物が得られる。IR(CH2Cl2): 2220,1690 cm-1; 1H-NMR(
CDCl3): δ=8.26(q,1H); 7.81(q,1H); 7.43(t,1H); 3.21(t,2H); 2.72
(t,2H); 2.23(m,2H).
b)5- チオカルバモイル-1-テトラロン
実施例 29a)と同様に、5-シアノ-1-テトラロン 10.6g(62mmol)のピリジン2
00ml 溶液とトリエチルアミン 8.6ml を硫化水素で処理し、後処理する。このよ
うにして黄色の結晶形の表題化合物が得られる。mp200-205℃.
c)5- アミジノ-1-テトラロン塩酸塩
実施例 29b)と同様に、5-チオカルバモイル-1-テトラロン 8.6g(42mmol)を
トリエチルオキソニウムテトラフフルオロホウ酸 8.8g(44mmol)および塩化ア
ンモニウム 2.6g(49mmol)で処理する。このようにしてわずかに桃色がかった
結晶形の表題化合物が得られる。MS(FAB):(M+H)+=189.実施例 31
:1-[5-( アミジノ)-テトラリン-1-イリデンアミノ]-2-アミノ-4-フェ ニル-イミダゾール二塩酸塩
実施例 3 と同様に、5-(アミジノ)-1-テトラロン塩酸塩を 1,2-ジアミノ-4-フ
ェニル-イミダゾールと反応させると、表題化合物が得られる。mp>240℃(分
解)、1H-NMR(DMSO/D2O): δ=8.54(d,1H); 7.6-7.8(m,4H); 7.3-7.
58(m,5H); 2.96(m,2H); 2.88(m,2H);1.9(m,2H).実施例 32
:1-[4-( N-ヒドロキシアミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリ デンアミノ]-2-アミノ-4-フェニル-イミダゾール塩酸塩
4-シアノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン 2'-アミジノヒドラゾン(水溶
液中でNaOHを用いてHCl塩から製造)とフェナシルブロマイド(Aldrich、B
uchs、スイス;商品番号 11,583-5)0.19g(0.0009mol)のエタノール 40ml 溶液
からなる混合物を 4 時間加熱還流する。反応混合物を熱いうちに濾過し、濾取
生成物をエタノールで洗浄し、乾燥させると1-[4-シアノ-2,3-ジヒドロ-1H-イ
ンデン-1-イリデンアミノ]-2-アミノ-4-フェニル-イミダゾールが得られる。M
S(FAB):(M+H)+=314、1H-NMR(DMSO): δ=8.32(d,1H); 7.94(d
,1H); 7.76(m,3H); 7.56(t,1H); 7.32(m,2H); 7.16(t,1H); 6.12(s,2H);
3.35(bs,4H).
エタノール中で等量の塩酸ヒドロキシルアミンと炭酸ナトリウムとともに 4
時間還流下にあるときは中間体で存在し、後処理後に塩酸と共に表題化合物が得
られる(物理学データについては実施例1参照)。
出発物質は以下のように製造する:
a)4- シアノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン2'-アミジノヒドラゾン塩酸塩
4-シアノ-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-オン 314mg(2mmol)をメタノール 2
0mlの溶かし、重炭酸アミノグアニジン 272mg(2mmol)の水 9ml 溶液と 2N塩
酸 1ml をそれに加え、混合物を 4 日間還流しながら撹拌する。冷却後、反応混
合物を留去し濃縮乾燥させ残渣を水から再結晶する。このようにして表題化合物
が得られる。mp>230℃; 1H-NMR(DMSO-d6/D2O): δ=8.16(d,1H)
; 7.9(d,1H); 7.55(t,1H); 3.28(m,2H); 2.9(m,2H); IR(ヌジョール): 21
90 cm-1(CN).実施例 33
:1-(3- アミジノベンジリデンアミノ)-2-アミノ-4-フェニル-イミダゾ ール二塩酸塩
実施例 31と同様に、3-アミジノベンズアルデヒド塩酸塩を 1,2-ジアミノ-4-
フェニル-イミダゾールと反応させると、表題化合物が得られる。
出発物質は以下のように製造する:
a)エチル-3-ホルミルベンゾイミダゾール塩酸塩(塩化 3-ホルミル-ベンゾイミ ド酸エチルエステル):
3-シアノベンズアルデヒド(Aldrich、Buchs、スイス、商品番号 14,625-0)8
6.7g(0.662mol)の無水ジエツルエーテル 530ml 溶液に無水エタノール 59.7ml
(1.025mol)を加え、反応混合物を 0℃に冷却する。反応溶液を乾燥塩酸ガスで
飽和化し、ついで 6 日間 0℃で放置する。細かい沈澱物を濾過して分け、反応
溶液にジエチルエーテル 1 リットルを加える。表題化合物が結晶化する。mp1
26-128℃(起泡を伴う).
b)3- アミジノベンズアルデヒド塩酸塩
実施例 33a)から得られるイミノエーテル 21.3g(0.1mol)に無水エタノール
250ml と飽和エタノール性アンモニア溶液 250ml を加え、混合物を 70℃で 3
時間加熱する。冷却後、エタノールを留去し、粗表題化合物に相当する残渣は次
の反応に直接用いる。実施例 34
:1-( α-メチル-3-アミジノベンジリデンアミノ)-2-アミノ-4-フェニ ル-イミダゾール二塩酸塩
実施例 3 と同様に、3-アミジノアセトフェノン塩酸塩を1,2-ジアミノ-4-フェ
ニル-イミダゾールと反応させると表題化合物が得られる。
出発原料は以下のように製造する:
a)エチル-3-アセチルベンゾイミダゾール塩酸塩(3-アセチル-ベンゾイミド酸 エチルエステル塩酸塩)
3-アセチルベンゾニトリル(Aldrich、Buchs、スイス; 商品番号29,221-4)7.
25g(0.05mol)のジエチルエーテル 150ml とエタノール 4.5ml 溶液を 0℃で乾
燥塩酸ガスを用いて飽和化し、ついで 0℃で 2 時間放置する。結晶化した生成
物を濾過して分け、エタノール/ジエチルエーテルから再結晶すると表題化合物
が得られる。mp110℃(分解).
b)3- アミジノアセトフェノン塩酸塩
実施例 34a)で得られた表題化合物 11.4g、エタノール 200mlおよび飽和エタ
ノール性アンモニウム溶液 125mlを 6 時間加熱還流する。冷却後、反応混合物
を留去し濃縮し、残渣を 4N塩酸に希釈し、ジエチルエーテルで洗浄し、留去し
乾燥濃縮する。生成する粗生成物(表題化合物)は次の反応に直接用いる。
以下の化合物は本出願(実施例 35〜44)に記載した方法の一つと同様にして
製造する。実施例 35:1-[4-(アミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2 -アミノ-4-(3,4-ジメトキシフェニル)-イミダゾール二塩酸塩 実施例 36:1-[4-(アミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2 - アミノ-4-(3,4,5-トリメトキシフェニル)-イミダゾール二塩酸塩 実施例 37:1-[4-(アミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2 -アミノ-4-(3,5-ジメトキシフェニル)-イミダゾール二塩酸塩 実施例 38:1-[4-(アミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2 -アミノ-4-(3,4-ジメチルフェニル)-イミダゾール二塩酸塩 施例 39:1-[4-(アミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2- アミノ-4-(3,5-ジメチルフェニル)-イミダゾール二塩酸塩 実施例 40:1-[4-(アミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2 -アミノ-4-(2,4-ジメチルフェニル)-イミダゾール二塩酸塩 実施例 41:1-[4-(アミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2 -アミノ-4-(3,4-ジクロロフェニル)-イミダゾール二塩酸塩 実施例 42:1-[4-(アミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2 -アミノ-4-(3,5-ジクロロフェニル)-イミダゾール二塩酸塩 実施例 43:1-[4-(アミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2 -アミノ-4-(2,4-ジクロロフェニル)-イミダゾール二塩酸塩 実施例 44:1-[4-(アミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリデンアミノ]-2 -アミノ-4-(3,5-ジ-(tert-ブチル)フェニル)-イミダゾール二塩酸塩 実施例 45
:カプセル剤
実施例 1〜34のいずれかに記載の式Iで示される化合物である活性成分を 1g
含有するカプセル剤は、以下のように製造する:組成
(カプセル 1250個用):
活性成分 1250g
タルク 180g
小麦澱粉 120g
ステアリン酸マグネシウム 80g
ラクトース 20g
細粉物質は 0.6 mmの網目のふるいにかけ、混合する。混合物 1.32gずつをカ
プセル充填機を用いてゼラチンカプセルにつめる。実施例 46:錠剤
実施例 1〜34 で製造した式Iで示される化合物の一つである活性物質 を各々
5mg 含有している 10,000 個の錠剤を調製する:組成
:
活性物質 50.00g
ラクトース 2535.00 g
コーンスターチ 125.00 g
ポリエチレングリコール 6.000 150.00g
ステアリン酸マグネシウム 40.00 g
精製水 適量方法
:全ての細粉物質は 0.6mm の網目のふるいにかける。次いで活性物質、ラ
クトース、硫酸マグネシウムおよびスターチ半量を適当な撹拌機で混合する。も
う半分のスターチを水 65ml に懸濁し、生じる懸濁液をポリエチレングリコール
の水 260ml の沸騰溶液に加える。顆粒は一晩 35℃で乾燥させ、1.2mm の網目の
ふるいにかけ、圧縮して割線を有する錠剤とする。実施例 47:点滴または注射溶液
5% D−グルコース水溶液 5ml に溶かした活性物質 100mg を含有する点滴液
または注射溶液を調製する。使用する活性成分は実施例 1〜34 の化合物の一つ
である。溶液はバイアルに入れる。実施例 48:乾燥バイアル
乾燥バイアルは実施例 37 で調製した、ここで記載の活性成分の一つの溶液を
凍結乾燥させて調製する。実施例 49:S-アデノルメチオニンデカルボキシラーゼ(SAMDC)の阻害
(1983)参照)の方法に従って、下記に述べた式Iで示される化合物に対する酵素
SAMDCの阻害における、対応するIC50値が得られる。
実施例の式Iで示される表題化合物 IC50(nM)
2 2
4 3.6
6 8.4
8 8.9
10 4.2
12 6.7
14 3.4
16 4.0
18 6.1
20 3.4
22 11
24 7.5
28 5.4
31 240実施例 50:ヒトT24膀胱癌細胞成長阻害
ヒトT24膀胱癌細胞成長阻害は、以前に上記した方法を用いて測定する。次に
示すIC50値(最大阻害の半分を引き起こす化合物の試験濃度)は以下の実施例
を用いて測定する:
実施例の式Iで示される IC50(μM)
表題化合物
2 1.16
4 2
6 1.2
8 1.6
10 2.6
12 1.55
14 1.12
16 2.70
18 1.5
20 0.28
22 0.44
24 2.46
26 2.15
28 0.23
実施例 51:in vivo におけるT24膀胱癌細胞成長阻害(ヌードマウス)
上記の方法を用いて(Regenass 等、Cancer Res.54,3210-3217(1994)も参照
)、本出願の実施例 2 の化合物を、以下に示す処置法に従って移植ヒトT24膀胱
細胞癌を有するBALB/cヌードマウスに投与する:化合物は経口投与(50、2
5および 12.5 mg/kg)または腹腔投与(12.5、6.25 および 3.13 mg/kg)する。化
合物は蒸留水に溶かし、3 倍の 0.9%NaCl(w/v)水溶液で希釈する。
以下の表に示すように、1-[4-(アミジノ)-2,3-ジヒドロ-1H-インデン-1-イリ
デンアミノ]-2-アミノ-4-フェニル-イミダゾール二塩酸塩は、経口および腹腔投
与のいずれにおいてもT24膀胱癌細胞の成長を阻害する。活性に用量相関が観察
される。最大耐量は経口投与の場合>500mg/kgであり、腹腔投与の場合 125mg/k
gである。
T24腫瘍成長阻害:
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