JPH10512543A - 合成ペプチドとそれを含むワクチン - Google Patents

合成ペプチドとそれを含むワクチン

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Abstract

(57)【要約】 本願発明は、免疫学的相互作用を可能にする形態に一つ以上の保護エピトープを含むキメラペプチド、およびそれを含むワクチン組成物に関連する。本発明は、特に、グループA連鎖球菌属(Group A streptococci)に対する保護抗体を含むキメラペプチドに向けられている。

Description

【発明の詳細な説明】 合成ペプチドとそれを含むワクチン 本願発明は、免疫学的相互作用を可能にする形態に一つ以上の保護エピトープ を含むキメラペプチド、およびそれを含むワクチン組成物に関連する。本発明は 、特に、グループA連鎖球菌属に対する保護抗体を含むキメラペプチドに向けら れている。 本願明細書に記載された参考文献の詳細は、この記載の最後にまとめられてい る。明細書中に記載されたアミノ酸配列の配列番号(SEQ ID NO)は、参 考文献の次に定義されている。 この明細書を通じて、文脈に別のことが要求されない限り、用語“含む(comp rise)”、あるいはその変形である“含む(comprises)”または“含む(compr ising)”は、定められた要素もしくは完全体あるいは要素もしくは完全体の群 の含有を意味するが、他の要素もしくは完全体または要素もしくは完全体の群の 排除を意味するものではないと解する。 いくつかの疾患に対して使用できるワクチン候補多くのタンパク質が、コイル したコイル構造(コイルドコイル構造(a coiled-coil structure))を備え、 構造的に重要で生物学的に豊富なモチーフが、種々のグループのタンパク質に見 出された(cohen と parry,1990,1986)。200以上のタンパク質が、コイル ドコイルドメインを含むと推定されている(Lupas ら,1991)。これらは、連鎖 球菌属のプロテインAおよびMタンパク質等のある種のバクテリアの表面タンパ ク質;インフルエンザ等のウイルス赤血球凝集素、ヒト免疫不全ウイルス(HI V)糖タンパク質9p45;およびトリパノソーマ(Trypanosomes)のVSG等 のプロトゾアを含む。全てのコイルドコイルモチーフは、特徴的な7つのアミノ 酸残基の繰り返し(a-b-c-d-e-f-g)nを有する。いくつかのコイルド コイルドメインのX線構造が得られ、これらは、酵素の転写因子GCN4ダイマ ーのロイシンジッパー部位(o′-shea ら,1991)α−スペクトリンの繰り返し モチーフ(Yan,1993)を含み、GCN4ロイシンジッパートリマー(Harburyら ,1994)およびテトラマー(Harbury ら,1993)変異体をともなう。 これらのタンパク質に基づくサブユニットワクチンの開発において、コイルド コイル構造内にエピトープをマッピングすることは一般的に困難である。さらに 、保護エピトープは、抗体結合等による免疫学的認識のために、正しいコンホメ ーションで存在する必要がある。これは、安定な最少のエピトープを定義するこ と、並びにワクチンとしてそれを用いる際に特に重要である。 グループA連鎖球菌属(以降“GAS”と称する)は、いくつかのヒト疾患の 原因であり、深刻な熱病を引き起こす急性リウマチ熱を導くことがある。リウマ チ熱は、連鎖球菌属のMタンパク質と心臓の抗原との間の交差相互作用によって 開始される自己免疫疾患を示す(Beachey ら,1988)。Mタンパク質は、七つの 残基の周期を含み、これは、この分子の中心的なロッド領域がコイルドコイルコ ンホメーションであることを強力に示唆している(Manula と Fischetti,1980 )。この領域にまたがるオーバーラップしたペプチドが作製されており(国際特 許出願PCT/AU93/00131[WO93/21220]を参照)、高度 に保存されたC末端領域に由来する合成20マーペプチド(“p145”と称さ れる)に対して産生されたマウス抗体は、オプソニン作用を促進してGASの多 重単離物を殺すことが可能である。さらに、p145は、ヒト血清に仲介された in vitro 殺傷を阻害することが可能である。重要なことは、p145が心臓交 差反応性T細胞をも刺激してしまうことである(Pruksakornら,1992; 1994b)。 切断されたペプチドが保護抗体反応を引き出せないことから、p145内のB細 胞エピトープは配座し得る(conformational)と考えられる(Pruksakorn,1994) 。それゆえ、オプソニン作用を有する抗体を誘導するのに必要とされるp145 の最小領域を定義する必要があり、これはワクチンの基礎を形成することができ る。このような方法は、病原体のタンパク質のある領域から最小エピト ープ領域を同定することを可能にする。 抗原から最小のエピトープをマッピングするために用いられてきた一つの方法 が、PEPSCAN法(Geysenら,1987)である。しかしながら、短いペプチド を用いた場合には、連続的なエピトープを示すのみである。配座エピトープ(con formational epitopes)、すなわちタンパク質の3次元構造によって形成された エピトープ、を決定する別の方法は、ミモトープ法(mimotope strategies)に よる。ミモトープは、抗体を誘導するエピトープを模造したものである。ペプチ ドは、20の普通のアミノ酸を用いて作製されうるオクタペプチドの全レパート リー、すなわち208ペプチドをカバーするポリプロピレンのピンに合成するこ とができる(Geysenら,1987)。 あるいは、繊維状ファージクローンの莫大な混合物からなるエピトープライブ ラリーであって、ビリオン表面に一つのペプチド配列をそれぞれ示すものを、抗 体認識について調べることができる(scott と smith,1990)。 本願発明によれば、配座エピトープから誘導された重複ペプチドが、類似した 未変性のコンホメーションを備えたペプチドの内部に埋め込まれている。このア プローチは、ある領域の配座エピトープのマッピング、並びに、GASおよび種 々の他の病原体に対するワクチン候補として最小エピトープを設計することに用 いられる可能性を備えている。 従って、本願発明の一つの態様は、第二のアミノ酸配列に挿入された配座エピ トープを含む第一のアミノ酸配列を含むキメラペプチドであり、前記第一および 第二のアミノ酸配列は、類似した未変性のコンホメーションを備えたペプチド、 ポリペプチドもしくはタンパク質から誘導される。 本発明の態様によれば、第二のアミノ酸配列は“フレームワークペプチド”を 構成し、キメラペプチドに適切なコンホメーションを提供する。フレームワーク ペプチドは、自然に生じる形態で最初のアミノ酸配列に類似したコンホメーショ ンを提供するために、選択もしくは設計される。最も好ましい実施態様では、フ レームワークペプチドは、α−ヘリックスコイルドコイルコンホメーションをと るものであり、それゆえ、類似したコンホメーション、すなわちα−ヘリックス コイルドコイルコンホメーションで第一のアミノ酸配列に存在するエピトープを 提示するのに使用することができる。 本願発明の好ましい態様によれば、第二のアミノ酸配列内に挿入された配座エ ピトープを含む第一のアミノ酸配列を含むキメラペプチドが提供され、前記第二 のアミノ酸配列はα−ヘリックスコイルドコイルコンホメーションに保持される 。 本願発明を、連鎖球菌属のMタンパク質から誘導され、特に以下のアミノ酸配 列(アミノ酸残基の一文字略記を使用): LRRDLDASREAKKQVEKALE(SEQ ID NO:1) もしくは、これらのアミノ酸残基の一つ以上の機能的および/または化学的等価 物の内部のB細胞配座エピトープを含む第一のアミノ酸配列を用いて、以下に例 示する。 従って、本願発明の特に好ましい実施態様は、以下の配列 LRRDLDASREAKKQVEKALE(SEQ ID NO:1) の内部から選択された少なくとも3つのアミノ酸を備えた第一のアミノ酸配列を 含むキメラペプチドに向けられ、前記少なくとも3つのアミノ酸は、連鎖球菌属 のMタンパク質の配座B細胞エピトープを構成し、前記第一のアミノ酸配列は、 α−ヘリックスコイルドコイルコンホメーションに保持することができる第二の アミノ酸配列の内部に挿入されている。好ましくは、第一のアミノ酸配列は、少 なくとも5、好ましくは少なくとも10、そしてさらに好ましくは少なくとも1 5の連続するアミノ酸残基を含む。 あるいは、ヘリックスの外表面上等であって、活性に必要もしくは十分である 様な、不連続のアミノ酸を選択してもよい。 フレームワークペプチドの構成は、七つのアミノ酸残基の繰り返し (a-b-c-d-e-f-g)n に基づくものであって、 aとdの位置は好ましくは大きな無極性残基を備え、b、cおよびfの位置は一 般的に極性かつ帯電しており、eおよびgの位置は一般的に鎖間のイオン相互作 用に寄与する。特に好ましいフレームワークペプチドは、GCN4ロイシンジッ パー(O′sheaら,1989; 1991)もしくはそのトリマー(Harbury ら,1994)ま たはテトラマー(Harbury ら,1993)およびα−スペクトリンの繰り返しモチー フ(Yan,1993)に対応するペプチドの構造に基づく。GCN4ロイシンジッパ ーは特に好ましく、GCN4ロイシンジッパーペプチドに共通の特徴から誘導さ れた模範的な7つの繰り返し(a model heptad repeat)は、以下の配列: VKQLEDK(SEQ ID NO:2) を含み、これは、ここで(GCN4)4と称される4つの7つの繰り返しのフレ ームワークペプチドを与える。要求されるものは、フレームワークペプチドが、 もはや4つの繰り返しより長くすることができること、もしくはそうする必要が あるかもしれないことである。 最初のアミノ酸配列は、キメラペプチドを与えるフレームワークコイルドコイ ルペプチドの内部に埋め込まれる。 本願発明のキメラペプチドは、組換え手段で産生することができ、また、例え ば、固相ペプチド合成技術を用いて、決められた順番で一つ以上のアミノ酸残基 を段階的に付加して化学的に合成しても良い。ペプチドを他のタンパク質と組み 合わせて合成し、次いで化学的切断によって単離してもよく、また、ペプチドも しくは多価ペプチドを多重繰り返しユニットで合成してもよい。ペプチドは、未 変性に生じるアミノ酸残基を含んでもよく、また、D型異性体もしくは化学的に 修飾された未変性残基のように未変性には産生されないアミノ酸残基を含んでも 良い。未変性には生じないアミノ酸残基は、例えば、ペプチドに配座の束縛およ び/または限定を促進または提供する必要があるかもしれない。主題のペプチド を産生する方法の選択は、ペプチドの所望のタイプ、量および純度等のファクタ ー、並びに産生の簡便さおよび便利さによる。 ペプチドそのものが十分に長い血清および/または組織半減期を備えていない ために、本願発明のキメラペプチドは、in vivo で用いるための化学的な修飾を 最初に必要とするかもしれない。主題のペプチドの化学的修飾は、ペプチドのあ る領域が、Bおよび/またはT細胞エピトープとして作用する能力を含めた抗原 性を改良するためにも重要である。このように化学的に修飾されたキメラペプチ ドは、ここでは“類似体(analogues)”と称する。用語“類似体”は、本願発明 のキメラペプチドのあらゆる機能的な化学的もしくは組換え等価物にまで拡張さ れ、最も好ましい実施態様では、GASのMタンパク質の少なくとも一つのB細 胞エピトープを備え、かつ、B細胞エピトープに反応する抗体がヒトの心臓の組 織と最小限に反応することを特徴とする。用語“類似体”は、上記ペプチドのあ らゆるアミノ酸誘導体にまで拡張して用いられる。 ここで考慮されるキメラペプチドの類似体は、側鎖の修飾、ペプチド合成中に おける未変性に生じないアミノ酸および/またはその誘導体の取り込み、並びに ペプチドもしくはその類似体における配座を束縛する架橋剤および他の方法の使 用を含むが、これらに限定されるものではない。 本発明で考慮される側鎖修飾の例は、アルデヒドとの反応の後にNaBH4を 用いて還元する還元的アルキル化;メチルアセチミダート(methylacetimidate )を用いたアミジネーション(amidination);無水酢酸を用いたアシル化;シア ナートを用いたアミノ基のカルバモイル化;2,4,6−トリニトロベンゼンス ルホン酸(TNBS)を用いたアミノ基のトリニトロベンジル化;無水スクシン 酸および無水テトラヒドロフタル酸を用いたアミノ基のアシル化;およびピリ ドキサル−5’−ホスファートでリシンをピリドキシル化した後にNaBH4を 用いて還元する等のアミノ基の修飾を含む。 アルギニン残基のグアニジン基を、2,3−ブタンジオン、フェニルグリオキ サルおよびグリオキサル等の試薬を用いて複素環縮合生成物を形成することによ って修飾しても良い。 カルボキシル基を、O−アシリソウレア(O-acylisourea)形成を介したカルボ ジイミド活性化の後に、例えば対応するアミドをデリビチゼーション(derivitis ation)することによって修飾しても良い。 スルフヒドリル基を、ヨード酢酸もしくはヨードアセトアミドを用いたカルボ キシメチル化;システイン酸の過ギ酸酸化;他のチオール化合物を用いた混合ジ スルヒドの形成;マレイミド、無水マレイン酸もしくは他の置換されたマレイミ ドとの反応;4−クロロメルクリベンゾアート、4−クロロメルクリフェニルス ルホン酸、フェニルメルクリクロリド、2−クロロメルクリ−4−ニトロフェノ ールおよび他のメルクリアルを用いたメルクリアル誘導体の形成;アルカリ性p Hにおけるシアナートを用いたカルバモイル化等の方法で修飾してもよい。 トリプトファン残基を、例えば、N−ブロモスクシンイミドを用いた酸化、あ るいは、2−ヒドロキシ−5−ニトロベンジルブロミドまたはハロゲン化スルフ ェニルを用いたインドール環のアルキル化で修飾してもよい。一方、チロシン残 基を、テトラニトロメタンでニトロ化して3−ニトロチロシン誘導体を形成して もよい。 ヒスチジン残基のイミダゾール環の修飾を、ヨード酢酸誘導体を用いたアルキ ル化もしくはジエチルピロカルボナートを用いたN−カルボエトキシル化(N-car bethoxylation)によって行っても良い。 ペプチド合成中における未変性にないアミノ酸および誘導体の取り込みの例は 、ノルロイシン、4−アミノ酪酸、4−アミノ−3−ヒドロキシ−5−フェニル ペンタン酸、6−アミノヘキサン酸、t−ブチルグリシン、ノルバリン、フェニ ルグリシン、オルニチン、サルコシン、4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−メチ ルヘプタン酸、2−チエニルアラニン(thienyl alanine)および/またはアミノ 酸のD型異性体を含むが、これらに限定されるものではない。 架橋結合材を、例えば、3次元コンホメーションを安定化させるために用いる ことができ、n=1からn=6の(CH2nスペーサー基を備えた二価性のイミ ドエステル等のホモ二価性架橋結合材、グルタルアルデヒド、N−ヒドロキシス クシンイミドエステル、およびN−ヒドロキシスクシンイミド等のアミノ反応部 と、マレイミドもしくはジチオ部(SH)またはカルボジイミド(COOH)等 の他の基に特異的な反応部を含むヘテロ二価性試薬が用いられる。さらに、ペプ チドを配座的に強制させることもできる。例えば、CαおよびNα−メチルアミ ノ酸の取り込み、アミノ酸のCαとCβ原子間の二重結合の導入、NおよびC末 端の間、二つの側鎖の間、もしくは側鎖とNまたはC末端との間にアミド結合を 形成するなどして、共有結合を導入することによって環状ペプチドまたは類似体 を形成することもできる。 しかして本願発明は、エピトープが免疫学的に相互作用し得る機能的配座状態 で提供されるようなハイブリッド分子における連鎖球菌属のMタンパク質等の配 座エピトープを提供する。 しかして本願発明は、抗原ペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質の最小 エピトープを決定する方法に係り、この方法は、前記ペプチド、ポリペプチドも しくはタンパク質、もしくはエピトープを保有すると推定されるこれらの一部の 未変性のコンホメーションを決定すること;前記ペプチド、ポリペプチドもしく はタンパク質のペプチドフラグメントを調製すること;前記ペプチドフラグメン トを、最初に言及されたペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質と似た未変 性のコンホメーションを備えた別のペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質 から誘導もしくは基づいて得られた第二ペプチド中に挿入もしくは提示して、ペ プチドフラグメントの推定上のエピトープを、免疫学的相互作用が可能なコンホ メーションで提示されるようにすること;および免疫学的相互作用について前記 ペプチドフラグメントを調べることを含む。 本願発明に関連する態様としては、抗体に認識されるペプチド、ポリペプチド もしくはタンパク質における両親媒性ヘリックスの領域をマッピングする方法を 提供することであり、この方法は、前記ペプチド、ポリペプチドもしくはタンパ ク質、もしくはエピトープを保有すると推定されるこれらの一部の未変性のコン ホメーションを決定すること;前記ペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質 のペプチドフラグメントを調製すること;前記ペプチドフラグメントを、最初に 言及されたペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質と似た未変性のコンホメ ーションを備えた別のペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質から誘導もし くは基づいて得られた第二ペプチド中に挿入もしくは提示して、ペプチドフラグ メントの推定上のエピトープを、免疫学的相互作用が可能なコンホメーションで 提示されるようにすること;および免疫学的相互作用について前記ペプチドフラ グメントを調べることを含む。 抗体に認識される両親媒性ヘリックスは、価値あるワクチン候補となり得る。 両親媒性ヘリックスは、タンパク質における一般的な構造部であり、表面に曝さ れるか(抗原性)もしくは他のタンパク質と相互作用しうる。螺旋のコイルドコ イルは、ホモダイマー、トリマーおよびテトラマーに相互作用するヘリックスの より複雑な形態である。 “免疫学的相互作用”は、免疫細胞または免疫エフェクター細胞との相互作用 のあらゆる形態、および/またはあらゆる形態の免疫応答を意味する。一般的に 、免疫学的相互作用は、抗体結合もしくはペプチドフラグメントとの相互作用に よって測定される。しかしながら、免疫学的相互作用は、細胞性免疫応答を測定 することにも拡張される。 治療および診断の開発においては、免疫学的相互作用を提供することができ、 かつ、治療において保護免疫反応を誘導し得る最小エピトープを決定することが 重要である。従って、本願発明のキメラペプチドは、その製造方法も含めて、特 にワクチンの開発に使用することができる。その例示的かつ好ましい形態では、 本願発明は、GASに対するワクチンに使用するためのキメラペプチドを提供す る。しかしながら、これは、本願発明が、バクテリア、寄生虫、酵母、真菌およ び原生動物を含む病原性微生物、もしくはレトロウイルス、インフルエンザウイ ルス、肝炎ウイルスおよびHIV等の免疫不全ウイルス等のウイルスに対する保 護免疫応答を誘導するのに使用できるキメラペプチドにも拡張することができる という理解のもとに行われる。 従って、本願発明の好ましい態様は、グループA連鎖球菌属に対して使用でき るワクチンを提供するものであり、このワクチンは、以下の配列; LRRDLDASREAKKQVEKALE(SEQ ID NO:1) の内部から選択された少なくとも3つのアミノ酸を備えた第一のアミノ酸配列を 含むキメラペプチドを含み、前記の少なくとも3つのアミノ酸は、連鎖球菌属の Mタンパク質の配座B細胞エピトープを構成し、前記第一のアミノ酸配列はα− ヘリックスコイルドコイルコンホメーションをとり得る第二のアミノ酸配列の内 部に挿入され、前記ワクチンは、一つ以上の薬学的に使用可能なキャリアおよび /または希釈剤をさらに含む。このワクチンは、アジュバントおよび/または他 の免疫刺激分子をさらに含んでも良い。好ましくは、第二のアミノ酸配列が、G CN4から誘導されたフレームワークペプチドを形成する。上述したように、S EQ ID NO:1の連続もしくは非連続なアミノ酸を選択することもできる。 本願発明の別の態様は、Mタンパク質に対する体液性免疫の開発に使用できる が、心臓の組織と最小限に交差反応するワクチンであって、このワクチンは、M タンパク質の少なくとも一つのB細胞エピトープを有する第一のアミノ酸配列を 含むキメラペプチドを含み、前記B細胞エピトープと反応する抗体は心臓の組織 と最小限に反応する。前記第一のアミノ酸配列は、α−ヘリックスコイルドコイ ル形態をとり得る第二のアミノ酸配列の内部に挿入され、前記ワクチンは、一つ 以上の薬学的に使用可能なキャリアおよび/または希釈剤をさらに含む。 ワクチンは、一種類のペプチドもしくは別異もしくは類似のエピトープをカバ ーするある範囲のペプチドを含んでもよい。さらに、もしくは、単一のポリペプ チドに多重のエピトープが設けられてもよい。この場合のワクチンは、多価ワク チンと称される。多重エピトープは、二つ以上の繰り返しエピトープを含む。 ワクチンの作製は、当該技術分野で一般に既知であり、Remington′s Pharmac eutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Co.,Easton, Pennsylvania,U SAを参照することができる。 本願発明は、薬学的組成物もしくはワクチン組成物であり、体液性免疫の発達 に有効量のキメラペプチド(上記の通り)またはその誘導体、類似体もしくは相 同体および/またはこれらの組み合わせを含み、他の活性分子および一つ以上の 薬学的に使用できるキャリアおよび/または希釈剤を含む。キメラペプチドを含 む薬学的組成物の活性成分は、例えば、特定のケースに依存した量で投与された 場合に、連鎖球菌属のMタンパク質に対する抗体の発達において優れた治療活性 を示すが、これらの抗体が心臓組織とは最小限の反応性を示すと考えられる。例 えば、一日に体重一キログラム当たり約0.5μ9〜20m9を投与してもよい 。 投与方法は、最適な治療反応を提供できるように調製しても良い。例えば、投 与量をいくつかに分けて毎日投与してもよく、治療状況に示されるように比例的 に減少させることもできる。活性化合物は、経口、静脈内(水溶性)、筋肉内、 皮下、鼻腔内、皮膚内もしくは座薬経路あるいは移植(例えば、核酸遅延分子を 用いる)等の慣例的な方法で投与することができる。投与経路によっては、キメ ラペプチドを含む活性成分を、酵素、酸、並びに成分を不活性化する別の自然の 条件の作用から前記成分を保護する材料で被覆する必要があるかもしれない。例 えば、キメラペプチドの親油性が低いと、ペプチド結合を切断することのできる 酵素によって胃腸で破壊され、または胃で酸加水分解される。非経口投与以外で キメラペプチドを投与するために、その不活性化を妨げるための材料で被覆する か、もしくは共に投与される。例えば、キメラペプチドを、アジュバントで投与 しても、酵素阻害剤と共に投与しても、リポソームで投与してもよい。アジュバ ントはその最も広い意味で用いられ、インターフェロン等のあらゆる免疫刺激化 合物を含む。ここで言及されるアジュバントは、レゾルシノール、ポリオキシエ チレンオレイルエーテルおよびn−ヘキサデシルポリエチレンエーテル等の非イ オン界面活性剤を含む。酵素阻害剤は、膵臓のトリプシン阻害剤、ジイソプロピ ルフルオロホスファート(DFP)およびトラシロールを含む。リポソームは、 ウォーター・イン・オイル・イン・ウォーター型エマルションおよび従来のリポ ソームを含む。 活性化合物は、非経口的もしくは腹膜内に投与することもできる。分散物を、 グリセロール、液状ポリエチレングリコールおよびこれらの混合物中に、かつ油 中に調製することもできる。貯蔵および使用の通常の条件下では、微生物の成長 を妨げるために、これらの調製物は防腐剤を含む。 注入に適した薬学的形態は、無菌の注入可能な溶液または分散物の即席の調製 のための、無菌の水溶液(水溶性)もしくは分散物および無菌のパウダーを含む 。どの場合でも、その形態は無菌でなければならず、容易に注入できるように液 体でなくてはならない。製造および貯蔵の条件下で安定でなければならず、バク テリアや真菌等の微生物の混入作用に対して保護されていなければならない。キ ャリアは、溶剤もしくは分散物媒体とすることができ、例えば、水、エタノール 、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコールおよび液状ポリエ チレングリコール等)、これらの適切な混合物および植物油である。例えば、リ シチン(licithin)等の被覆を使用することにより、分散物の場合には必要な粒 子サイズを維持することにより、また、界面活性剤を使用することによって、適 切な流動性を維持することができる。微生物の作用を妨げることは、例えば、パ ラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チルメロサル(thirmeros al)等の種々の抗菌および抗カビ試薬によってもたらすことができる。多くの場 合に、糖もしくは塩化ナトリウム等の等張試薬を含むことが好ましい。注入可能 な組成物の長い吸収は、例えばアルミニウムモノステアラートおよびゼラチン等 の吸収遅延試薬を組成物中に用いることによってもたらされる。 無菌の注入可能な溶液は、上記とは別の種々の成分を含んだ適切な溶剤に必要 量の活性化合物を取り込み、必要であれば、濾過された滅菌を行うことによって 調製される。一般的に、分散物は、種々の無菌活性成分を無菌ビヒクルに導入す ることによって調製され、基礎的な分散媒体と上記とは別の必要な成分を含む。 無菌の注入可能な溶液の調製のための無菌パウダーの場合には、好ましい調製方 法は、真空乾燥および凍結乾燥技術であり、活性成分のパウダーと前記無菌濾過 溶液のさらなる所望の成分が得られる。 キメラペプチドを上記のように適切に保護した場合には、例えば、不活性な希 釈剤もしくは吸収できる食用キャリアと共に活性化合物を経口投与することがで き、硬いもしくは柔軟な殻のゼラチンカプセルに内包することもでき、タブレッ トに圧縮してもよく、食事の食品に直接取り込まれても良い。経口治療投与では 、活性化合物は賦形剤と共に取り込まれてもよく、摂取できるタブレット、頬の タブレット(buccal tablets)、トローチ、カプセル、エリキシル、懸濁液、シロ ップ、ウェハース等の形態で用いられても良い。このような組成物および調製物 は、少なくとも1重量%の活性化合物を含むべきである。組成物及び調製物のパ ーセントは、もちろん、変えることができ、ユニットの約5〜80重量%の間と することができる。このような治療に用いられる組成物の活性化合物の量は、適 切な投与量が得られるものである。本願発明に係る好ましい組成物もしくは調製 物は、経口投与ユニット形態が0.1μg〜2000mgの間の活性化合物を含 むように調製される。 タブレット、トローチ、丸薬、カプセル等は以下を含んでも良い。トラガカン トゴム、アカシア、コーンスターチもしくはゼラチン等の結合材;リン酸ジカル シウム等の賦形剤;コーンスターチ、ポテトスターチ、アルギン酸等の分解試薬 ;ステアリン酸マグネシウム等の潤滑剤;およびスクロース、ラクトースもしく はサッカリン等の甘味料を添加しても良く、ペパーミント、ウィンターグリーン 油、もしくはチェリー香料等の香料を添加しても良い。投与ユニット形態がカプ セルである場合には、上記のタイプの材料に液状キャリアを含んでも良い。種々 の他の材料が、コーティングとして、あるいは投与ユニットの物理的形態を修飾 するために含有されてもよい。例えば、タブレット、丸薬もしくはカプセルを、 セラック、糖、またはその両方で被覆しても良い。シロップまたはエリクサが、 活性化合物、甘味料としてスクロース、防腐剤としてメチルおよびプロピルパラ ベン、チェリーまたはオレンジの香料等の着色料および香料を含んでも良い。も ちろん、あらゆる投与ユニット形態の調製に用いられる全ての材料は、薬学的に 純粋で、用いられる分量で実質的に無毒であるべきである。さらに、活性化合物 を、放出持続調製物および薬剤に取り込まれてもよい。 ここで用いられる“薬学的に使用できるキャリアおよび/または希釈剤”とは 、あらゆる、そして全ての溶剤、分散媒体、コーティング、抗菌および抗カビ剤 、等張および吸収遅延剤等を含む。このような媒体および試薬の薬学的活性物質 における使用は当該技術分野において周知である。活性成分に適さない従来の媒 体以外は、治療組成物においてそれらを使用することが考えられる。補足的活性 成分も組成物中に取り込むことができる。 投与しやすく、かつ、一定量で投与できる投与ユニット形態をとる非経口組成 物を調剤することが特に有利である。ここで用いられる投与ユニット形態とは、 処置される哺乳動物への一回の投与に適した物理的に独立したユニットを指す。 各ユニットは、必要とされる薬学的キャリアとともに、所望の薬学的効果を生じ るように計算された所定量の活性剤を含む。本発明の新規の投与ユニット形態に ついての明細は、(a)活性剤の独特の特徴および達成される特定の治療効果と 、(b)ここで詳細に記載したように、健康が害される疾患状態にある患者にお ける疾患を治療するための活性物質等を含む当該技術分野における固有の限定に よって決められ、これらに直接的に依存する。 主な活性成分は、都合よくかつ効果的な投与のために、上記のような投与ユニ ット形態で適切な薬学的に利用できるキャリアと共に有効量で調合される。ユニ ット投与形態は、たとえば、0.5μg〜約2000mgの範囲の量で主な活性 化合物を含むことができる。比率で表すと、活性化合物は一般的に約0.5μg 〜約2000mg/mlキャリアで存在する。補足的活性成分を含む組成物の場 合には、投与量は、通常の投与量および前記成分の投与方法を参照して決定され る。 本願発明の別の態様は、キメラペプチドに対する抗体に向けられている。この ような抗体はモノクローナルまたはポリクローナルであってもよく、Mタンパク 質に対して自然に生じた抗体から選択されても、また、キメラペプチドに対して 特異的に生じたものであってもよい。後者の場合には、最初に、ペプチドをキャ リア分子と結合する必要があるかもしれない。本願発明の抗体および/またはキ メラペプチドは、特に免疫治療および予防接種に使用することができ、感染の診 断、または予防接種もしくは治療体制の進行を観察するための道具として用いる こともできる。 例えば、キメラペプチドは、Mタンパク質に対して自然に生じた抗体を調べる ために用いることができる。あるいは、特異的抗体はMタンパク質を調べるため に用いることができる。このようなアッセイ技術は、当該技術分野において周知 であり、例えば、サンドウィッチアッセイやELISAを含む。 本願発明のこの態様に基づいて、キメラペプチドはMタンパク質に対する抗体 を調べるのに特に使用可能であり、連鎖球菌属の感染を検出する診断プロトコル を提供する。また、血清、唾液、組織および組織抽出物等の生物学的サンプルを 、Mタンパク質について、キメラペプチドに対して生じた抗体を用いて直接的に 調べることができる。 従って、抗体−キメラペプチド複合体を形成するのに十分な時間および条件下 で有効量のキメラペプチドを結合する抗体と、患者の生物学的サンプルとを接触 させ、次いで前記複合体を検出することを含む、患者の連鎖球菌属の感染の診断 方法を提供する。 患者の血清、組織、組織抽出物もしくは他の体液中のMタンパク質抗体の存在 を、米国特許第4016043、4424279および4018653に記載さ れているような広範囲の免疫アッセイ技術を用いて検出することができる。これ は、非競合型の、一および二つの両方の部位の、すなわち“サンドウィッチ”ア ッセイと、慣例の競合結合アッセイを含む。サンドウィッチアッセイは、最も使 用でき、かつ一般に用いられるアッセイであり、本願発明においても使用するこ とが望ましい。多数の種類のサンドウィッチアッセイ技術が存在し、その全てを 本願発明に取り込む。簡単に、典型的な先のアッセイでは、キメラペプチドを固 相に固定して最初の複合体を形成し、Mタンパク質抗体について調べるサンプル をその結合分子と接触させる。インキュベーションに適した時間、すなわち、キ メラペプチド−抗体の第二の複合体を形成するのに十分な時間でインキュベーシ ョンする。検出可能なシグナルを生じうるレポーター分子でラベルされた抗イム ノグロブリン抗体を添加して十分にインキュベートして、キメラペプチド−抗体 −ラベルされた抗体の第三の複合体を形成させる。全ての未反応の物質を洗浄し 、レポーター分子によって生じるシグナルを観察することによって、第一抗体の 存在を調べる。その結果は、視認できるシグナルを単に観察することによっても 、あるいは、既知の量のハプテンを含む対照サンプルと比較することによっても 定量することができる。先のアッセイの変化は、サンプルとラベルされた抗体の 両方を結合抗体に同時に添加する同時アッセイ、もしくは、ラベルされた抗体と 調べるサンプルを最初に結合させ、インキュベートして、結合抗体に同時に添加 するリバースアッセイを含む。これらの技術は当業者に周知であり、小さい変更 の可能性は容易に明らかである。類似したアプローチをMタンパク質の検出に適 用してもよい。用いられる抗体は、モノクローナルであっても、ポリクローナル であってもよい。 固相基質は、典型的にガラスまたはポリマーであり、最も一般に用いられるポ リマーはセルロース、ポリアクリルアミド、ナイロン、ポリスチレン、ポリ塩化 ビニルもしくはポリプロピレンである。固相支持体は、チューブ、ビーズ、円盤 もしくはミクロプレート、あるいはイムノアッセイを行うのに適したあらゆる他 の表面の形態をとることができる。結合方法は当該技術分野で周知であり、一般 的に架橋結合、共有結合、もしくは不溶性キャリアに分子を物理的に吸着するこ とからなる。 本願明細書で用いられる“レポーター分子”とは、その化学的性質により、抗 原−結合抗体を検出する分析的に同定可能なシグナルを生じる分子を意味する。 検出は定量的であっても定性的であってもよい。この種のアッセイで最も一般的 に用いられるレポーター分子は、酵素、フルオロフォア(fluorophores)、もし くは放射性核種含有分子(すなわち、放射性同位元素)である。酵素イムノアッ セイの場合には、グルタルアルデヒドもしくは過ヨウ素酸塩によって、酵素を第 二抗体に接合する。しかしながら、容易に認識されるように、当業者に容易に利 用できる広範囲の種々の接合技術が存在する。一般的に用いられる酵素は、西洋 ワサビペルオキシダーゼ、グルコースオキシダーゼ、β−ガラクトシダーゼおよ びアルカリホスファターゼ等を含む。特異的な酵素と共に用いられる基質は、一 般的に、対応する酵素による加水分解により、検出可能な色の変化を生じるよう に選択される。また、蛍光生成物を生じる蛍光基質を用いることもできる。 また、フルオレセインやローダミン等の蛍光化合物を、抗体の結合力を変えず に抗体に化学的に結合させてもよい。特定の波長の光を照射して活性化した際に 、蛍光色素ラベルされた抗体が光エネルギーを吸収し、分子の励起状態を誘導し 、光学顕微鏡で視覚的に検出可能な特徴的な色の光を発する。EIAでは、蛍光 ラベルされた抗体は第一抗体−ハプテン複合体に結合する。未結合試薬を洗浄し た後に、残存した3つの複合体を適切な波長の光に曝し、観察された蛍光が関心 のハプテンの存在を示す。免疫蛍光法およびEIA技術は共に当該技術分野でよ く確立されており、現行の方法では特に好ましい。しかしながら、放射性同位元 素、化学発光分子もしくは生物学的発光分子等の他のレポーター分子も用いるこ とができる。必要な目的に合うように方法をどのように変えるかは、当業者には 容易に明らかであろう。キメラペプチドをラベルするため、並びにMタンパク質 抗体の検出に直接的に同じものを使用するために、前述のことが用いられること も明らかであろう。 本願発明のさらなる態様は、GASに対するワクチンとして使用される医薬の 製造において記載されるキメラペプチドの使用である。 関連する実施態様では、本願発明は、GASに対するワクチンとして使用でき ることが記載されたキメラペプチドを含む試薬を提供する。 本願発明を、以下の非限定的な図面および実施例によってさらに記載する。 図面において: 図1 キメラペプチドのアミノ酸配列。示された全ての配列は、以下に示された 、α−ヘリックスコイルドコイルの7つの繰り返し(a-b-c-d-e-f-g)に関係す る。A.α−ヘリックスコイルドコイルGCN4ロイシンジッパーペプチド(o ′sheaら.1991)から得られたモデルGCN4ペプチドの配列。B.推定上のコ イルドコイル7つの繰り返しをそろえた連鎖球菌属のMタンパク質ペプチドp1 45(pruksakornら.1992)の配列。C.キメラJペプチド(J1−9)の配列 。p145ペプチドの重複する12マーフラグメントが太字で示されてい る。保存されたアミノ酸残基に下線が付されている。D.対照GCN4モデルペ プチドJcon(G)の配列。 図2 Jペプチドに対する抗p145マウス血清の反応性、反応性は405nm の波長における平均吸収値としてプロットされている。血清は1:100に希釈 され、代表値が示されている。ジフテリアトキソイド(DT)に接合した血清を 示した。NMS、正常なマウス血清。 図3 Jペプチドに対する高力価抗p145ヒト血清の反応性。平均吸収値(4 50nm)は1:100に希釈された血清についてプロットされている。代表的 なサンプルが示されている(GBD、MT、MY、FL、TB、MG)。NHS 、正常なヒト血清。 図4は、αヘリックス誘導溶剤、50%のトリフルオロエタノール(TFE) の存在下におけるペプチドの円偏光二色性スペクトル(circular dichroisum spe ctra)を図示したものである。A,JI1;B,J2;C,Jcon;D,p14 5。Θ,モル楕円率。ペプチドは、水溶液中ではαヘリックス形態を示さなかっ た。ペプチドJ1,J3およびJ4も試験され、これらはJ2に似たプロフィー ルを示した。 図5は、未変性エピトープマッピングELISAを示す図である。c.elegans unc-15の合成ペプチドフラグメント(表7B)をミクロタイタープレート上に被 覆し(ウェル当たり2μg)、モノクローナル抗体(mAb)NE1−6B2と 共にインキュベートし、結合抗体を抗マウス抗体と450nmにおけるOPD比 色アッセイで検出した。 図6は、キメラエピトープマッピングELISAを示す図である。モデルヘリ ックスペプチドに埋め込まれたc.elegans unc-15の重複フラグメント(表8)を ミクロタイタープレート上に被覆し(ウェル当たり2μg)、mAb NE1 −6B2と共にインキュベートし、結合抗体を抗マウス抗体と450nmにおけ るOPD比色アッセイで検出した。ペプチドbd10、bd11、bc18、b c23、bd14、bd15は5残基ずつずれている。ペプチドbc17からb c25は1残基ずつずれている。対照ペプチドav85、av86およびba4 8は、モデルヘリックスペプチド残基のみを含む。 図7Aは、キメラ最小エピトープマッピングELISAを示す図である。モデ ルヘリックスペプチドに埋め込まれたc.elegans unc-15の切断フラグメント(表 9A)をミクロタイタープレート上に被覆し(ウェル当たり2μg)、mAb NE1−6B2と共にインキュベートし、結合抗体を抗マウス抗体と450nm におけるOPD比色アッセイで検出した。ペプチドc1は、15マーのエピトー プのみからなる。対照ペプチドav85、av86およびba48は、モデルヘ リックスペプチド残基のみを含む。 図7Bは、キメラエピトープ置換マッピングELISAを示す図である。保存 された置換によって代わって置換された各残基を備えたbc20から誘導された キメラペプチド(表9B)をミクロタイタープレート上に被覆し(ウェル当たり 2μg)、mAb NE1−6B2と共にインキュベートし、結合抗体を抗マウ ス抗体と450nmにおけるOPD比色アッセイで検出した。 図8Aは、MAb NE1−6B2で認識されたC.elegans unc-15エピトー プのマップである。推定上の7つの繰り返し位置aとbは、上記の未変性の unc -15配列を示唆した。mAb NE1−6B2で認識されたエピトープは太字で 示されている。 図8Bは、極性表面を示すターン当たり3.5残基を備えたC.elegans unc-1 5ヘリックスの円筒状のネット(net)を示す。ヘリックスは左から右に走っている 。影付きの残基は、mAb NE1−6B2と相互作用する。実線の円は決定的 な残基を示し、点線の円は決定的ではない残基である。 図9は、キメラペプチドに対する抗体反応のELISAアッセイを示す図であ る。キメラペプチドbc20、ba39、bd1、bd2およびペプチドc1を ミクロタイタープレート上に被覆し(ウェル当たり2μg)、bd1に対するマ ウス抗血清(抗bd1)もしくはbd2に対するマウス抗血清(抗bd2)、も しくは予め採取したマウスの血清(予め採取)と共にインキュベートした。結合 抗体を抗マウス抗体と450nmにおけるOPD比色アッセイで検出した。 以下の一および三文字略号をアミノ酸残基に用いた。 実施例1 化学薬品 以下の実施例で用いられる全ての化学薬品および溶剤は、別に言及しない限り 分析用である。ポリスチレン(1%v/vジビニルベンゼン)p−メチルベンズ ヒドリルアミンヒドロクロリド樹脂(0.81meq/gまたは樹脂置換)、te rt−ブチルオキシカルボニル(t−Boc)アミノ酸、1,3−ジイソプロピル カルボジイミド(DIC)、N−ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBT)、 トリフルオロ酢酸(TFA)を Auspep(オーストラリア)から購入した。 実施例2 患者 原住民患者であって、あるものは現在もしくは過去においてRF/RHDの経 歴をもつ、オーストラリアのノーザンテリトリーの連鎖球菌属の風土の地域の居 住者を研究した。これらの患者の90%以上が、p145に対する未変性に生じ る抗体を備えていることが見いだされた(Pruksakornら,1994a)。ドナーからの 血清は、使用まで−20℃で貯蔵した。 実施例3 マウス p145に応答することがわかっているB10.BRマウス(Animal Resourc es Centre,Willetton,Western Australia)を免疫化の研究のために用いた。 実施例4 ペプチド合成 ペプチドを、Houghten(1985)の同時多重ペプチド合成“ティーバッグ”法を用 いた手動の固相技術で合成した。出発樹脂はp−メチルベンズヒドリルアミンヒ ドロクロリドであり、慣例的なN−tert−ブチルオキシカルボニル(t−Boc )化学物質を用いた(Merrifield,1963)。全てのアミノ酸基をそのαア ミノ位においてt−Boc基で保護し、以下の側鎖保護基、すなわちベンジルエ ステル(Glu、Asp)、2−クロロベンジルオキシカルボニル(Lys)、 ベンジル(Ser)、トシル(Arg)を用いた。 アミノ酸カップリングを、ジクロロメタン中の1,3−ジイソプロピルカルボ ジイミドを用いて行い、t−Boc基を55%v/vのTFA/ジクロロメタン を用いて各サイクルにおいて除去した。N−ヒドロキシベンゾトリアゾールをA snとGlnを用いたカップリングに添加した。ペプチドを、フッ化水素で処理 して樹脂から切断し、ジエチルエーテルで沈降させ、10%v/v酢酸から凍結 乾燥させた。 粗なペプチドを、水中に2%v/vアセトニトリルから100%v/vアセト ニトリル(両方の溶剤が0.1%v/vTFAを含む)の線形勾配を使用した半 調製用C18逆相HPLCカラム(Biorad)で精製した。精製されたペプチドは 逆相HPLCおよびフライトマススペクトロメトリー(flight mass spectrometr y)のレーザー脱着時間(LaserMat,FinniganMat,UK)で調べたところ均一であ った。 本願発明に基づいて合成されたペプチドは、表1A、1Bおよび1Cに示され ている。ペプチド144、145および146は、Mタンパク質の保存されたC 末端領域内に含まれた重複ペプチドである。Jconは、7つの繰り返し酵母タ ンパク質、GCN4に基づいたモデルペプチドである。ペプチドJ1−J9はJ conペプチドとp145に基づいたハイブリッドペプチドである。145.1 −145.5およびJI1−JI9は、p145配列内部の短い配列を示す。ペプ チド169と171は、それぞれヒト心筋ミオシン(Liewら,1990)およびヒト 骨格筋ミオシン(Saezら,1986)から誘導され、これらのタンパク質とp145 との間の優れた相同性を示した。 実施例5 T細胞増殖アッセイ マウスのT細胞を刺激するために、動物を30μgの乳濁したペプチドで尾の 付け根において免疫し、排出されたリンパ節細胞を8日目に採取して、先に記載 した抗原でin vitro で刺激した(Pruksakornら、1994b)。4日後、増殖の程度 を調べるために0.5μCiの3H−チミジンを培養に加えた。リンパ球の活性化 を、刺激インデックス[SI]を評価することによって測定した(特異的ペプチ ドの存在下における増殖/ペプチドを欠いた増殖)。 ヒトペプチド特異的T細胞増殖を、ペプチドを含む(もしくは対照のためにペ プチドを含まない)ヒト末梢血液リンパ球(PBL)を培養し、かつ、記載の通 りに(Pruksakornら,1994b)、6日後にリンパ球の増殖を評価することによって 調べた。リンパ球の活性化を、マウスアッセイについて上述したようにして調べ た。 実施例6 タンパク質配列の比較 ヒト心筋ミオシンとヒト骨格筋ミオシンのタンパク質配列を、GCG(Wiscon sin)プログラム、BESTFITを用いてp145について20アミノ酸配列 との相同性を調べた。p145と相同な領域は二つのペプチド169と171( 表1C)で表されている。 実施例7 円偏光二色性(CD)スペクトル(CIRCULAR DICHROISM SPECTRA) これらは、室温で、Aviv 62DS CDスペクトロメーター(Lakewood,NJ)を用い て記録された。ペプチドは、10mMリン酸ナトリウムバッファー、pH7.0 、50%v/vトリフルオロエタノール中に20mMもしくは40mMの濃度と された。データは、250nm〜190nmの間で1nmごとに収集した。楕円 率は、平均残基楕円率[Θ]として表示されている。 実施例8 マウス抗血清の調製 B10.BRおよびB10.D2マウスを尾の付け根において皮下に免疫した (Pruksakornら,1992)。PBSに溶解され完全フロイントアジュバントに乳濁 された30μgのペプチドを含む50μlの全量を与えた。ペプチド145.1 −145.5を、免疫の前に、グルタルアルデヒド固定を用いてジフテリアトキ ソイド(DT)に接合させたが、他の全てのペプチドは未接合のまま投与された 。マウスにPBS中の30μgの接合ペプチドを与えた。 実施例9 ELISA ELISAのプロトコルは先に記載されている(Pruksakornら,1992;1994a) 。ペプチドを、ペプチド145.1−145.5を除いて0.5μg/mlの濃 度で被覆し、JI1−JI9は1μ9/mlを用いた。 正常なマウス血清の平均もしくはヒト血清のバックグラウンド(血清含まず) 以上の3つの標準偏差より大きければ意味があるとして、マウスおよびヒト血清 に対する力価を計算した。ペプチド特異的抗体枯渇アッセイを、特異的結合がほ ぼ消耗されるまで、ペプチド(p145)被覆プレート中でインキュベーション することによってヒト血清を用いて行った。負の対照として、血清を、無関係の 住血吸虫属(schistosoma)ペプチドで被覆されたプレート中で同様にインキュ ベートした。p145を欠いた、もしくは住血吸虫属を欠いた血清を、テストペ プチドに対する抗体の存在について調べるためにテストペプチドで被覆されたプ レートに移した。全ての反応をOPD基質キット(Sigma Chemical Co)で現像 し、450nmにおいて吸収を読みとった。 実施例10 オプソニン作用のペプチド阻害 ヒト血清を、60℃、15分間で、加熱不活性化した。GASと新鮮なドナー の全体のヘパリン処理した血液とを添加する前に30分間100μgのペプチド もしくはPBSと共にインキュベートした。阻害率を、ペプチドの存在および非 存在下で生育するコロニー形成ユニットと無添加ヒト血清の対照とを比較するこ とによって計算した。 実施例11 キメラペプチドの設計原理 もしエピトープがαヘリックスコイルドコイル等の特定のタンパク質構造コン ホメーション内に存在することがわかっているなら、このコンホメーションを保 持するようにモデルペプチドを合成することができる。このペプチドはフレーム ワークペプチドとなる。αヘリックスコイルドコイルに保持するモデルペプチド が研究されている。平行な二本鎖コイルドコイルモチーフの設計において、7つ の一般的な考察が重要である(cohen とparry,1990)。aとd位は、大きな非 極性残基を備え、b、cおよびf位は、一般的に極性かつ帯電しており、eおよ びg位は、通常鎖間イオン相互作用を支持する(すなわち、Glu/Lysの酸 /塩基対)。aおよびd位がVとL、もしくはIとLに占有されたときには、コ イルドコイルダイマーが支持されるが、IとIはトリマーの形成を支持し、Lと Iはテトラマー相互作用を支持することもわかっている(Harbury ら,1994)。 モデルαヘリックスコイルドコイルペプチドはGCN4ロイシンジッパーに対 応するペプチドの構造に基づいて設計された(o′sheaら1989;1991)。このペプ チドは7残基ロイシン繰り返し(d位)とa位に共通のValを備えている。最 初の7つは以下の配列を含む。 MKQLEDK(SEQ ID NO:3) この配列は安定なコイルドコイル7つの繰り返しに見られるいくつかの特徴を 含む。これらは、eおよびg位に酸/塩基対(Gly/Lys)を含み、b、c およびf位に極性基を含む(Lupas ら(1991)の推定と一致する)。モデル7つの 繰り返しは、GCN4ロイシンジッパーペプチドの共通の特徴から誘導される 。 VKQLEDK(SEQ ID NO:2) 繰り返しがモデルペプチド(VKQLEDK)nを与えた場合に、αヘリック スコイルドコイルを形成する能力を備える。4つの7つの繰り返しからなるこの ようなモデルペプチドは(GCN4)4と称される[図1A]。研究中の配位エ ピトープの重複フラグメントは、モデルコイルドコイルペプチドの内部に埋め込 まれ、7つの繰り返しと共に登録され、キメラペプチドを与える。 実施例12 連鎖球菌属のMタンパク質ペプチド 連鎖球菌属のMタンパク質ペプチドp145を、先に記載されているように調 製し(Pruksakornら,1992,国際特許出願第PCT/AU93/00131[W O93/21220])、表1Aおよび1Bに示された切断されたフラグメント 145.1、145.2、145.4、145.5、145.12、145.1 3、145.14(pruksakorn,1994)を調製した。 ペプチドp145の領域における連鎖球菌属のMタンパク質の配列を、コイル ドコイル7つの繰り返しについて分析し、推定される7つの位置aからgを指定 した(図1B)。ペプチドp145を1残基が重複する9つの12マーペプチド に分け、隣接するGCN4ペプチドを添加することによって、図1Cに示すよう に9つのJキメラペプチド(J1−J9)を与えるために(GCN4)4に埋め 込んだ。同じ残基がGCN4モデルペプチドとp145配列の両方に見いだされ た場合は常に、保存的アミノ酸置換をJペプチド中に取り込んだ。対照ペプチド (Jcon)を、図1Aに示されたGCN4モデルペプチドに基づいて合成し、 これは、前記の全ての保存的アミノ酸置換も含有されている(図1D)。 キメラペプチドJ1−4および対照ペプチドJconを、HPLCで精製した 。ペプチドJ5−9を合成されたものとして使用した。 実施例13 ペプチド145の免疫優勢エピトープは配座である p145内部の重複する8マーおよび12マー(ペプチド145.1−145 .5、JI1、JI5、JI7(表1Aおよび1B))を用いてp145内部の最 小エピトープをマップすることを最初に試みた。ジフテリアトキソイドに接合し た二つの短いペプチド(145.1、145.5)を用いるとp145特異的免 疫応答をマウスに生じさせることができるにも関わらず、マウス抗p145抗血 清は、重複するp146(表1C)も、p145内部の短いペプチドのいずれを も認識しなかった(表2)。結果は、免疫するペプチドがジフテリアトキソイド に接合されているか未接合であるかによらず類似していた。GASに高度に曝さ れる地域に生活する90%以上のヒトがp145に対する抗体を備えているが、 p145に対して高い力価(>6400)を備えたヒト血清の大半は、より短い ペプチド(JI1−JI9)と反応しなかった(表1B、3)。これらの結果は、 p145の内部に一つ以上の線形エピトープがあるが、p145で免疫した後も しくはGASに対する未変性の暴露の後に認識される優勢配位エピトープもある ことを示している。円偏光二色性は、p145がヘリックス傾向を備えるが(5 0%TFE中)、短い12マーペプチド(JI1:LRRDLDASREAK[ SEQ ID NO:23])は備えていないこと(図4)ことを示し、p145 によって示される免疫優勢エピトープは配位であることを示唆した。 実施例14 配位エピトープのマッピング 疎水性およびヘリックス形成残基を備えたMタンパク質に類似した7つの周期 性を示す無関係のタンパク質を用い、かつ、他のペプチドの内部にp145の配 列を埋め込むための方法を開発した。選択されたペプチドはGCN4のロイシン ジッパーモチーフ、酵母のDNA結合タンパク質に基づくものである(o′shea ら,1991)。GCN4に存在する7つの繰り返しの共通配列は、Val−Lys −Gln−Leu−Glu−Asp−Lysであり、この繰り返しに基づく28 アミノ酸ペプチドは、“Jcon”と称されるペプチドを与えるためにいく つか置換して設計された(表1B)。ペプチド145配列の12アミノ酸ウィン ドウは、あらゆる潜在的ヘリックス構造を保存するようにJconペプチドに挿 入された。このウィンドウは、完全なp145配列を示す9つのペプチド(J1 →J9)を与えるように一度に一つの残基がずれている。対応する12アミノ酸 挿入配列(JI1→JI9)も、対照とする目的のために合成した(表1B)。 p145は、Jキメラペプチドに対するある程度の反応性を示した(図2)。 これらのJペプチドのあるもの(すなわちJ7,J8)は、上記(それぞれ、1 45.12、145.13、145.14)と同じ12マー配列を含むが、GC N4フレームワーク内部にある。ある血清は、p145のN末端残基を示すJペ プチドと反応し(すなわちJ1、J2)、あるものはC末端残基と反応し、そし てあるものは両方と反応した(すなわちJ1、J2、J4、J7、J8)(図2 )。どの血清もJcon配列とは反応しなかった。 高力価145抗体を含むヒト血清は、ペプチド特異的抗体の“フィンガープリ ント”を与えるJペプチドに対する特異性の類似したスペクトルを示した。全て のヒト血清はJ2と反応した(図3)。二つの血清は、全てのJペプチドおよび Jconペプチドと反応した。これらの場合では、Jペプチドに対する特異的反 応が、GCN4様構造に対する交差反応性によって覆い隠されるかもしれない。 全ての残りのヒト血清は、p145配列に特異的応答を示すGペプチドと反応で きなかった。 高い連鎖球菌属の暴露の地域にすむヒトおよびp145で免疫されたマウスか らの血清を、これらのキメラペプチドを結合する能力について調べた。6400 以上のペプチド145に対する力価を備えた23人の血清を調べた(表3)。こ れらの血清の19の抗体が、同様に高い力価で一つ以上のキメラペプチドを結合 したが、重複する8マーペプチド145.1→145.5のいずれも全く認識し なかった。4つの血清が、>3200の力価で、9つの重複する12マー試験ペ プチド(JI1→JI9)の一つ(JI3)と反応した(表3)。p145に対す る 抗体を含まない11の試験血清は、あらゆるキメラペプチドに対する抗体を含ん でおらず、p145と反応する抗体がキメラペプチドとも反応していることを強 力に示唆した。抗ペプチド145+ve抗血清によって最も広く認識されたキメ ラペプチドはJ2であり、J1とJ3はいくらか認識された(表3)。p145 特異的抗体がJ2を認識していることを確かめるために、p145吸収研究を行 い、p145涸渇ヒト血清が、本来認識されたJ2キメラペプチドに結合する能 力を失ったことが示された(表4)。しかして認識された核心の残基は、RRD LDASREAKK[SEQ ID NO:24]からなるが、ある人(J1また はJ3ではなくJ2を認識したヒト)では、核心の残基はRDLDASREAK [SEQ ID NO:25]であった。この距離はαヘリックスの3と3.3タ ーンの間に対応する。抗体フットプリントは、ペプチドのヘリックス保持によっ てもたらされる不連続な残基を認識するようである。円偏光二色性は、キメラペ プチドJ1→J4が50%TFE中でヘリックス形成の傾向を備えることを示し た。 ミオシンもコイルドコイル分子であり、ヒトの筋肉から誘導されたペプチドが p145と類似した配列を備えているため(表1B)、これらのヒト血清は交差 反応エピトープを認識する可能性を備えている。たった二つの血清しかこれらの ペプチド(169と171)と反応しなかったので(表3)、p145およびJ 2を認識する抗体とp169およびp171との間の交差反応はほとんどない。 実施例15 配座が維持されたペプチドJ2はオプソニン作用を備えた抗体と結合することが できる ペプチドJ2に特異的なヒト抗体がオプソニン作用を仲介するか否かを決める ため、遊離したJ2ペプチドがヒト抗血清によるオプソニン作用を阻害できるか 否かを調べた。このアッセイは、p145そのものがオプソニン作用を備えたヒ ト抗体の標的であることを調べるために用いられた。オプソニン作用に与える影 響を調べるためにp145に対する高力価の抗体を含む血清にJ2(100μg /ml)を添加し、J2に対する抗体を含有した3つの血清のうちの3つによる オプソニン作用を阻害することがわかったが(表5)、抗J2抗体を含まない血 清ではそのようにならなかった。非連鎖球菌属の配列をコピーする20マーの無 関係のペプチドは、オプソニン作用を阻害しなかった。 実施例16 ペプチド145上のT細胞エピトープは、B細胞エピトープから区別することが できる T細胞が、同じ領域のペプチドを決定的な抗体結合ペプチドとして認識するか 否かを調べるために、応答するB10.BRマウスをp145で免疫し、排出さ れたリンパ節細胞をp145,J2およびJI2で刺激した。これらはほとんど J2およびJI2を認識しなかった(表6)。21人のRHD原住民患者および 8人の対照原住民患者の末梢血液T細胞もペプチドJ2に対する反応を試験した 。対照群からはペプチドに対して全く反応がなかった、そしてペプチドJ2には 応答しなかった。 実施例17 P145、J2およびJ7に対するヒト抗体は、ヒト好中球の存在下において、 グループA連鎖球菌属をオプソナイズ(opsonise)する p145に対する抗体を、p145の多重コピーを示すカラムを用いて親和精 製した。プロテインA精製抗体をカラムに通して、p145特異的抗体を溶出し た。カラムを通す前に、p145を認識した抗体と破傷風トキソイドをイムノグ ロブリン調製に存在させた。通過後、p145に対する抗体はまだ存在するが、 破傷風トキソイドに対する抗体はもはや検出できなかった。これらの抗体と、p 145への反応性のない等量のヒト抗体の対照調製物をオプソニン作用アッセイ に用いた。表10に示されているように、精製された抗p145抗体は、対照イ ムノグロブリンと比較して58〜94%(平均80%)の間でタイプ5グループ A連鎖球菌属のコロニーの総数を減少することができた。 種々の合成ペプチドをこれらの精製された抗体に添加し、オプソニン作用に与 える影響を調べた(表11)。使用されたペプチドは、p145,J2,J7お よび住血吸虫の配列をコピーする非特異的ペプチドであった。遊離したp145 は、非特異的ペプチドと比べて73−88%(平均83%)でオプソニン作用を 阻害することができ、遊離のJ2は89−93%(平均92%)でオプソニン作 用を阻害することができ、遊離のJ7は82−86%(平均84%)でオプソニ ン作用を阻害することができた。これらのデータは、p145,J2およびJ7 に特異的なヒト抗体がグループA連鎖球菌属をオプソナイズすることができるこ とを示している。 実施例18 αヘリックスコイルドコイルタンパク質内部のエピトープをマッピングする試 みを説明するために、Caenorhabditis elegans パラミオシンタンパク質内部の ある領域を詳細に研究した。他のコイルドコイル含有タンパク質に共通するよう に、ネマトーダパラミオシンは、分子の大部分がコイルドコイルコンホメーショ ンをとることを強力に示唆する7残基の周期性を含む。多くの無脊椎動物の太い フィラメントの中心タンパク質であるパラミオシンは、C.elegans に単一遺伝子 unc−15によってコードされている(waterston ら,1977)。いくつかのu nc−15変異体は、高度に組織化されていない筋構造において見られる変わっ た表現形を有する。これらの一つである対立遺伝子e1215は、弱い未修飾の 表現形を備えていることが示され、遺伝子の解析は809QからRへの一つのアミ ノ酸置換を示唆した(Gengyo-Ando とKagawa,1991)。e1215変異体のパラ ミオシンと反応しないモノクローナル抗体(mAb)NE1−6B2によって認 識されたエピトープは、このポイント変異にマッピングされた。 用いられたアプローチは、αヘリックスコイルドコイルコンホメーションエピ トープから誘導された重複ペプチドを用いて、類似した未変性のコンホメーショ ンを備えた完全に無関係のタンパク質から誘導されたヘリックス隣接ペプチド間 にこれらのペプチドを埋め込むことである。得られたキメラペプチドを、免疫活 性、すなわち抗原性(mAbによる認識)もしくは免疫原性(適切な抗体応答の 生成)について調べることができる。C.elegans パラミオシンタンパク質である unc−15の場合には、構造はαヘリックスコイルドコイルであると考えられ 、このコンホメーションはmAbによって認識されるエピトープに関して最適な 免疫学的応答をするために存在する必要があるのかもしれない。unc−15に 基づいた一連のキメラペプチドは、mAb NE1−6B2によって認識された 最小B細胞エピトープの細かいマッピングを可能にした。このアプローチは、配 位エピトープをマッピングし、かつワクチン候補として用いるための最小エピト ープを設計する可能性を備えている。 (i)キメラペプチドの設計原理 もし、エピトープがαヘリックス等のある特定のタンパク質構造コンホメーシ ョンの内部に存在することがわかっているなら、このコンホメーションを保持す るようにモデルペプチドを合成することができる。このペプチドはフレームワー クペプチドとなる。αヘリックスコイルドコイルに保持するモデルペプチドが研 究されている。平行な二本鎖コイルドコイルモチーフ(a-b-c-d-e-f-g)nの設計 において、7つの一般的な考察が重要である(Cohen と Parry,1990)。aとd 位は、大きな非極性残基を備え、b、cおよびf位は、一般的に極性かつ帯電し ており、eおよびg位は、通常鎖間イオン相互作用を支持する(すなわち、Gl u/Lysの酸/塩基対)。aおよびd位がVとL、もしくはIとLに占有され たときには、コイルドコイルダイマーが支持されるが、IとIはトリマーの形成 を支持し、LとIはテトラマー相互作用を支持することもわかっている(Harbur y ら,1994)。 モデルαヘリックスコイルドコイルペプチドはGCN4ロイシンジッパーに対 応するペプチドの構造に基づいて設計された(o′Sheaら1989;1991)。このペプ チドは7残基ロイシン繰り返し(d位)とa位に共通のValを備えている。最 初の7つは以下の配列:MKQLEDK(SEQ ID NO:3)を含む。この 配列は安定なコイルドコイル7つの繰り返しに見られるいくつかの特徴を含む 。これらは、eおよびg位に酸/塩基対(Gly/Lys)を含み、b、cおよ びf位に極性基を含む。モデル7つの繰り返しは、GCN4ロイシンジッパーペ プチドの共通の特徴から誘導される:VKQLEDK(SEQ ID NO:3) 。繰り返しがモデルペプチド(VKQLEDK)nを与えた場合に、αヘリック スコイルドコイルを形成する能力を備える。研究中の配位エピトープの重複フラ グメントは、モデルコイルドコイルペプチドの内部に埋め込まれ、キメラペプチ ドを与える。 (ii)unc−15の重複フラグメントをマッピングする未変性ペプチドエピト ープ mAb NE1−6B2によって認識されたエピトープの領域における C.eleg ans unc−15パラミオシンタンパク質の配列を、コイルドコイルの7つの繰 り返しについて分析し、推定される7つの位置aから9を指定した(表7A)。 unc−15タンパク質内部のmAb NE1−6B2エピトープをマップす る最初の試みにおいて、1つのアミノ酸残基がずれた重複する21マーのペプチ ドを合成し(表7B)、ELISAでアッセイした。ペプチドba39は、最も 高度なELISA活性を備えており、21マーのペプチドがエピトープの認識に 十分な長さであることを示唆している。モノクローナル抗体の反応性は、ペプチ ドba37〜c9に制限された(図5)。ペプチドba36のmAbの負の反応 性は、タンパク質のC末端に対するエピトープの範囲を描写し、エピトープ内部 の809Q残基の必要性を確実にする(Gengyo-Ando と Kagawa,1991)。抗体反応 性は、ペプチドがN末端から切断されるにつれて減少し、ペプチドc9では弱く 認識されるのみであり、このことは、最小エピトープ残基がペプチドba37と c8の重複の間の14マーペプチドADRLTEKLNIQKRQ[SEQ I D NO:26]であることを示唆している。しかしながら、最大の反応性はペ プチドba39に見いだされ、ずっと長い21マーペプチドMAQDTADRL TEKLNIQKRQLA[SEQ ID NO:43]であり、最適な未変性の エピトープであると考えられる。 (iii)unc−15のキメラペプチドエピトープマッピング mAb NE1−6B2エピトープを含むunc−15タンパク質領域は、5 残基ずつずれた6つの15マーペプチドに分けられており、ヘキサマーヘリック ス隣接ペプチドの添加によって、キメラペプチドbd10,bd11,bc18 ,bc23,bd14およびbd15を与えるべくαヘリックスコイルドコイル フレームワークに埋め込まれている(表8A)。この変化するウィンドウの15 残基は、αヘリックスの4つ以上の完全なターンを含む(ターン当たり3.5残 基)。ペプチドbc18,bc23およびbd14は、必須残基809Qを含む。 ヘリックス隣接ペプチドは、模範的なαヘリックスコイルドコイルペプチド(V KQLEDK)nに基づいており、unc−15のコイルドコイルタンパク質の 7つの繰り返し周期を備えたフレームに添加された。ヘリックスモデルペプチド とunc−15配列の両方に同じ残基が見いだされた場合には、保存アミノ酸置 換をキメラペプチドに取り込んだ。これらの置換は、正しいヘリックスコイルド コイルコンホメーションを確実にするように設計された(Cohen と Parry,1990 )。以下の置換を用いた:位置a、VからI(疎水性残基、ダイマー支持);b 、KからR(類似したチャージの官能基);c、QからN(同じ官能基);d、 LからA(疎水性残基);e、EからQ(類似したサイズの残基);f、Dから E(同じチャージの官能基);9、KからR(類似したチャージの官能基)。こ れらの置換残基の全ては、コイルドコイルタンパク質のそれぞれの位置において 共通して見いだされる(Lupas ら,1991)。キメラペプチドbc18のみが、m Ab NE1−6B2によるELISAで認識された(図6)。この粗なエピト ープマッピングは、ペプチドbd11とbc23から誘導された790Vと814Eの 間に25マーペプチドが重複し、エピトープを含むことを示唆した。(VKQL EDK)nモデルペプチドと(VKQLEDK)3(ペプチドba48)に基づく 対照ペプチドav85とav86は、mAb NE1−6B2に認識されなかっ た。 unc−15タンパク質は、より正確にmAb NE1−6B2エピトープを マップするように1残基ずつずれた15マーペプチドに分けられている。表8B に 挙げたキメラペプチドを与えるように、各フラグメントをヘリックス隣接ペプチ ド内部に埋め込んだ。mAb NE1−6B2との最大のELISA反応性を、 ペプチドbc20に対して得た(図6)。キメラペプチド内部に埋め込まれたu nc−15ペプチドのC末端に908Q残基を移動(ペプチドbc17)およびN 末端に798R残基を移動(ペプチドbc22)した後は、活性は最小であった。 このことは、残基798Rと809Qとの間に最小エピトープ、12マーペプチド:R LTEKLNIQKRQ[SEQ ID NO:27]があることを示している。 このエピトープは上記の未変性のエピトープマッピングから調べられたものより 2残基短い(図5)。 (iv)unc−15のキメラペプチド最小エピトープマッピング キメラペプチドアプローチを用いて、mAb NE1−6B2に認識される最 小エピトープをよりよく調べるために、ペプチドbc20内部に含まれた最適エ ピトープを切りつめた。合成されたキメラペプチドは表9Aに挙げられている。 N末端の切りつめ(ペプチドbe39)と同様に、C末端の埋め込まれたエピト ープの切りつめ(ペプチドbd3、bd4)は、ELISA活性を低減させた( 図7A)。エピトープのNまたはC末端の残基のさらなる切りつめ(ペプチドb d5,bd6,c4,c5)は、耐性がなかった。しかしながら、残基801Eか ら811Aを含むペプチドc6は、まだELISAに反応性があった。しかして、 重複フラグメントエピトープマッピングは、RLTEKLNIQKRQが最小エ ピトープであることを示唆したが、切りつめマッピングは、この領域に隣接する 残基797D、810Lおよび811Aが重要であることを示している。これは、配列D RLTEKLNIQKRQLA[SEQ ID NO:95]が最小の最適なエピ トープであることを定義する。さらに、最適なエピトープ797Dから811Aからな る15マーペプチド(ペプチドc1)は、キメラペプチドbc20に埋め込まれ た同じペプチドより低い度合いに認識された。これは、最大の反応性を確実にす るために隣接領域が必要であることを強調する。 ELISA反応性のためにmAb NE1−6B2エピトープに要求される決 定 的な残基のマッピングを、各残基の保存的置換によって行った。置換マッピング はキメラペプチドbc20(最適なエピトープを含む)に基づいており、合成さ れたペプチドは表9Bに挙げられている。ヘリックスフレームワーク残基を、上 記モデルペプチドルール;位置a,V;b,K;c,Q;d,L;e,E;f, D;9,Kに基づいてエピトープ残基に代えて置換した。フレームワークペプチ ドとエピトープ配列との間に同じ位置に同一の残基が見いだされる場合には、保 存的置換残基を置換した(上記キメラペプチドエピトープマッピングを参照)。 置換が、それぞれペプチドbe40,be43,be47,be50およびbe 51の残基798R,901E,805I,808Rおよび809Qに対してなされた場合には 、ELISA反応性は廃止された(図7B)。エピトープ反応性の減少は、二つ の別の置換、すなわちペプチドbe39とbe53における797Dと811Aに対し ても見いだされた。興味深いことに、802K(KからD)および810L(LからV )における置換は反応性を増大させた。これらの結果は図8Aに示されている。 mAb NE1−6B2エピトープを含むunc−15の配列を円筒状ネットと して図示すると(図8B)、全ての決定的な残基がヘリックスの親水性の表面に 見いだされる。 (v)キメラペプチドの免疫原性 エピトープ特異的抗体反応を誘導する能力を調べるために、Quackenbush マウ スをキメラペプチドで免疫した。キメラペプチドbc20を、MCSリンケージ を介してジフテリアトキソイドにカップリングさせるためにN末端システイン残 基を用いて合成した(ペプチドbd1,CKQLEEKVDRLTEKLNIQ KRQLAQLQDKVK[SEQ ID NO:28])。マウスを、ジフテリ アトキソイドに接合され、完全フロイントアジュバントに乳濁された125μg のペプチドを用いて腹腔内に免疫した。不完全フロイントアジュバント中の12 5μgの等価のペプチド−ジフテリア接合体の追加免疫を4週間後に投与した。 ペプチドbd1に対して生じた抗血清は、ペプチドbc20を認識したが、ペプ チドba39もしくはペプチドc1を認識しなかった(図9)。一方、適切にア ミノ酸が置換されたモデルヘリックスペプチドに基づく対照キメラペプチド( ペプチドbd2,CKQLEEKVDRLTEKLNIQKRQLAQLQDK VK)に対して生じた抗血清は、ペプチドbc20を認識したが、ペプチドba 39もしくはペプチドc1を認識しなかった。しかして、キメラペプチドbd1 を用いて生じた抗体反応は、ペプチドbc20およびba39に見いだされる配 位エピトープに対してのみであった。 当業者であれば、ここに記載された本願発明に、特に記載されたもの以外の変 更および修飾を行うことができることを理解するであろう。本願発明はそのよう な変化および修飾の全てを含むことが理解される。また本発明は、本明細書に、 個々にもしくは集合的に記載もしくは示唆された全ての段階、特徴、組成物およ び化合物、そして前記段階もしくは特徴のあらゆる二つ以上のあらゆる組み合わ せも含む。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI // C07K 14/11 C07K 14/11 14/155 14/155 14/315 14/315 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AL,AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,C A,CH,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI ,GB,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP, KR,KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,M G,MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT ,RO,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ, TM,TT,UA,UG,US,UZ,VN (71)出願人 コモンウェルス サイエンティフィック アンド インダストリアル リサーチ オ ーガニゼーション オーストラリア国 オーストラリアン キ ャピタル テリトリー 2601 キャンベル ライムストーン アヴェニュ (番地な し) (71)出願人 ザ ユニバーシティ オブ メルボルン オーストラリア国 ヴィクトリア 3052 パークヴィル ロイヤル パレイド (番 地なし) (71)出願人 ザ ウォルター アンド エリザ ホール インスティテュート オブ メディカル リサーチ オーストラリア国 ヴィクトリア 3052 パークヴィル ロイヤル パレイド (番 地なし) ロイヤル メルボルン ホスピ タル (71)出願人 バイオテック オーストラリア ピーティ ワイ リミテッド オーストラリア国 ニュー サウス ウェ ールズ 2069 ローズヴィル バークー ストリート 28 (71)出願人 シーエスエル リミテッド オーストラリア国 ヴィクトリア 3052 パークヴィル ポプラー ロード 45 (72)発明者 クーパー,ジュアン アントン オーストラリア国 クィーンズランド 4051 アルダーリー プリマス ストリー ト 40 (72)発明者 レルフ,ウェンディ アンネ オーストラリア国 ニュー サウス ウェ ールズ 2037 グレベ フェリー ロード 67 (72)発明者 グッド,マイケル フランスィス オーストラリア国 クィーンズランド 4061 ザ ギャップ ウィーマラ ストリ ート 46 (72)発明者 サウル,アラン ジェイムズ オーストラリア国 クィーンズランド 4061 ザ ギャップ ダジャラ ストリー ト 14

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1. 第二のアミノ酸配列の内部に挿入された配位エピトープを含む第一のアミ ノ酸配列を含むキメラペプチドであって、前記第一のペプチドと第二のアミノ酸 配列が、類似した未変性のコンホメーションを備えたペプチド、ポリペプチドも しくはタンパク質から誘導されたキメラペプチド。 2. 第二のアミノ酸配列が、αヘリックスコイルドコイルコンホメーションを とる、請求項1記載のキメラペプチド。 3. 第一のアミノ酸配列が、連鎖球菌属のMタンパク質から誘導された、請求 項1または2記載のキメラペプチド。 4. 第一のアミノ酸配列が、アミノ酸配列LRRDLDASREAKKQVE KALE[SEQ ID NO:1]、もしくは一つ以上のこれらのアミノ酸残基 の機能的および/または化学的等価物の内部のB細胞配位エピトープを含む、請 求項3記載のキメラペプチド。 5. 配位B細胞エピトープを構成する少なくとも3つのアミノ酸が、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列から選択された、請求項4記載のキメラペプチド 。 6. 配位B細胞エピトープを構成する少なくとも5つのアミノ酸が、SEQ ID NO:1のアミノ酸配列から選択された、請求項4記載のキメラペプチド 。 7. 第一のアミノ酸配列が、Caenorhabditis elegans から誘導された、請求 項1または2記載のキメラペプチド。 8. 第一のアミノ酸配列が、アミノ酸配列CKQLEEKVDRLTEKLN IQKRQLAQLQDKVK[SEQ ID NO:28]、もしくは一つ以上 のこれらのアミノ酸残基の機能的および/または化学的等価物の配位B細胞エピ トープを含む、請求項7記載のキメラペプチド。 9. 第一のアミノ酸配列が、アミノ酸配列MAQDTADRLTEKLNIQ KRQLA[SEQ ID NO:43]の配位B細胞エピトープを含む、請求項 7記載のキメラペプチド。 10. 第一のアミノ酸配列が、アミノ酸配列ADRLTEKLNIQKRQ[ ID NO:26]、もしくは一つ以上のこれらのアミノ酸残基の機能的および /または化学的等価物の配位B細胞エピトープを含む、請求項7記載のキメラペ プチド。 11. 第一のアミノ酸配列が、アミノ酸配列RLTEKLNIQKRQ[ID NO:27]、もしくは一つ以上のこれらのアミノ酸残基の機能的および/ま たは化学的等価物の配位B細胞エピトープを含む、請求項7記載のキメラペプチ ド。 12. 抗原ペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質上の最小エピトープを 決定する方法であって、前記ペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質あるい はそれらの推定上のエピトープを有する部位の未変性のコンホメーションを調べ ること、前記ペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質のペプチドフラグメン トを調製すること、前記最初のペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質に類 似した未変性のコンホメーションを備えた別のペプチド、ポリペプチドもしくは タンパク質から誘導もしくは基づいて得られた第二のペプチド中に、前記ペプチ ドフラグメントを、ペプチドフラグメント上の推定上のエピトープが免疫学的相 互作用ができるコンホメーションで存在するように、挿入もしくは提示させるこ と、次いで、前記ペプチドフラグメントを免疫学的相互作用について調べること を含む方法。 13. アミノ酸配列LRRDLDASREAKKQVEKALE[SEQ I D NO:1]の内部から選択された少なくとも3つのアミノ酸を備えた第一の アミノ酸配列を含むキメラペプチドを含み、前記少なくとも3つのアミノ酸は連 鎖球菌属のMタンパク質の配位B細胞エピトープを構成し、前記第一のアミノ酸 配列はαヘリックスコイルドコイルコンホメーションに保持可能な第二のアミノ 酸配列の内部に挿入され、さらに一つ以上の薬学的に使用できるキャリアおよび /または希釈剤を含む、グループA連鎖球菌属に対して用いられるワクチン。 14. アミノ酸配列CKQLEEKVDRLTEKLNIQKRQLAQLQ DKVK[SEQ ID NO:28]の内部から選択された少なくとも3つのア ミノ酸を備えた第一のアミノ酸配列を含むキメラペプチドを含み、前記少なくと も3つのアミノ酸は C.eleqans unc-15タンパク質の配位B細胞エピトープを構 成し、前記第一のアミノ酸配列はαヘリックスコイルドコイルコンホメーション に保持可能な第二のアミノ酸配列の内部に挿入され、さらに一つ以上の薬学的に 使用できるキャリアおよび/または希釈剤を含む、Caenorhabditis elegansに対 して用いられるワクチン。 15. アミノ酸配列MAQDTADRLTEKLNIQKRQLA[SEQ ID NO:43]の内部から選択された少なくとも3つのアミノ酸を備えた第 一のアミノ酸配列を含むキメラペプチドを含み、前記少なくとも3つのアミノ酸 はc.elegans unc-15タンパク質の配位B細胞エピトープを構成し、前記第一の アミノ酸配列はαヘリックスコイルドコイルコンホメーションに保持可能な第二 のアミノ酸配列の内部に挿入され、さらに一つ以上の薬学的に使用できるキャリ アおよび/または希釈剤を含む、Caenorhabditis elegans に対して用いられる ワクチン。 16. アミノ酸配列ADRLTEKLNIQKRQ[SEQ ID NO:26 ]の内部から選択された少なくとも3つのアミノ酸を備えた第一のアミノ酸配列 を含むキメラペプチドを含み、前記少なくとも3つのアミノ酸は C.elegans un c-15タンパク質の配位B細胞エピトープを構成し、前記第一のアミノ酸配列はα ヘリックスコイルドコイルコンホメーションに保持可能な第二のアミノ酸配列の 内部に挿入され、さらに一つ以上の薬学的に使用できるキャリアおよび/または 希釈剤を含む、Caenorhabditis elegans に対して用いられるワクチン。 17. アミノ酸配列RLTEKLNIQKRQ[SEQ ID NO:27]の 内部から選択された少なくとも3つのアミノ酸を備えた第一のアミノ酸配列を含 むキメラペプチドを含み、前記少なくとも3つのアミノ酸は c.elegans unc-15 タンパク質の配位B細胞エピトープを構成し、前記第一のアミノ酸配列はαヘリ ックスコイルドコイルコンホメーションに保持可能な第二のアミノ酸配列の内部 に挿入され、さらに一つ以上の薬学的に使用できるキャリアおよび/または希釈 剤を含む、Caenorhabditis elegans に対して用いられるワクチン。 18. 抗体に認識されるペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質における 両親媒性ヘリックスの領域をマッピングする方法であって、前記ペプチド、ポリ ペプチドもしくはタンパク質あるいはそれらの推定上のエピトープを有する部位 の未変性のコンホメーションを調べること、前記ペプチド、ポリペプチドもしく はタンパク質のペプチドフラグメントを調製すること、前記最初のペプチド、ポ リペプチドもしくはタンパク質に類似した未変性のコンホメーションを備えた別 のペプチド、ポリペプチドもしくはタンパク質から誘導もしくは基づいて得られ た第二のペプチド中に、前記ペプチドフラグメントを、ペプチドフラグメント上 の推定上のエピトープが免疫学的相互作用ができるコンホメーションで存在する ように、挿入もしくは提示させること、次いで、前記ペプチドフラグメントを免 疫学的相互作用について調べることを含む方法。
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