JPH10511879A - こんろ上で利用するための調理鍋 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 こんろ上で利用するための調理鍋は、底（２）とこれに結合された側壁（１）を有している。底（２）は少なくともその外側面が平らな面を形成し、耐熱性を有しほとんど熱膨張しない熱良導性の工業セラミックスから成っている。有利な材料は窒化けい素セラミックス（Ｓｉ3 Ｎ4）、炭化けい素（ＳｉＣ）、窒化アルミニウム（ＡｌＮ）である。従ってこの調理鍋は全調理過程中にこんろにぴったり接触し、これによって熱伝導による熱伝達が行われる。これによってエネルギ消費が著しく減少される。

Description

【発明の詳細な説明】 こんろ上で利用するための調理鍋 本発明は、請求の範囲第１項の上位概念部分に記載のこんろ上で利用するため の調理鍋に関する。 数年前から総エネルギ消費を減少する試みが盛んになされている。このエネル ギ消費処置は食料の調理に関係する。しかし、家庭において特に、使用者は調理 する際にこんろをエネルギを意識して利用することに神経質になっている。即ち 、使用者は例えば不要に多量の水を沸かさず、あるいは既に熱くなっているこん ろを別の料理を調理するために利用して、他のこんろを使用しない。 調理鍋あるいはこんろを開発する際に、いままではエネルギ的観点を全く考慮 に入れていない。即ち、結晶化セラミックスこんろが広く普及しているが、その 熱源から結晶化セラミックス表面までの熱伝達は熱放射によって行われ、従って 発生する熱損失によってそのエネルギ消費は大きい。同様に、調理鍋特にその底 は、これができるだけ耐久性を有するように形成され、即ちその形状がそれが受 ける熱負荷および熱衝撃によって壊れないように形成されている。この形状が安 定した調理鍋は、これが熱伝達するこんろとの良好な接触を保証するかも知れな いので、ある程度はエネルギが節約される。しかし形状強度の達成を考慮してい るこの方式はエネルギ消費の最適化を妨げている。従って主に二つのグループの 金属製調理鍋が知られている。 その第１のグループは、非常に小さな質量と薄くて単純な底を有している調理 鍋を含んでいる。その底は、底中心とこんろの表面とに間隔が存在するように、 図１における凹面状の引っ込みｅを有している。この間隔は調理鍋直径の６％と なっている。調理鍋を加熱した際に底は、その間隔が縮小するように熱源の方向 に膨張する。 この調理鍋は質量が小さいために非常に僅かなエネルギで加熱させられる。し かし薄い底は機械的な荷重に敏感である。底は不均一な加熱の際にゆがみを生じ 、これによって短い使用時間経過後に最良の形状を失ってしまう。この種の不均 一な加熱は、こんろおよび調理鍋が同じ直径を有していないときあるいは調理鍋 がこんろ上にぴったり置かれていないときに生ずる。不均一な加熱の主な原因は 底自体の凹面形状にある。底が加熱された際に熱膨張が生ずるので、底は熱源の 方向に変位する。底の温度が上昇するにつれて、調理鍋とこんろとの接触面積が 増大し、これによって熱伝達が向上される。しかし底表面全体の完全な接触は生 じないので、こんろ表面に不均一な温度分布が存在する。具体的に説明するため に図２に、種々の調理鍋に対するこんろＫ上における温度分布が概略的に示され ている。その測定においてこんろの温度制限は切られて（無視されて）いる。曲 線範囲Ａは今日において「良好」として格付けされている調理鍋の加熱中におけ るこんろにわたる温度分布を示している。これに対して曲線範囲Ｂは「悪い」調 理鍋を利用する場合の同じこんろの温度分布を示している。「良好な」調理鍋の 場合もその底の引っ込みによって条件づけれて一様な温度分布が存在しないこと は明らかである。従って一般に調理鍋への熱伝達は、放射損失で条件づけられて 非常に悪く、これによって調理時間が長くなり、エネルギ消費が高められる。更 にこんろの温度は非常に高く維持されねばならない。例えばこの温度は結晶化セ ラミックス板の場合に約５５０°Ｃである。 第２のグループの公知の調理鍋はたいてい異なった金属から成っているいわゆ るサンドイッチ構造底を有している。この底は頑丈であり、小さな引っ込みを有 し、その形状を長い間維持する。しかしこれは大きな質量を有し、しばしばこれ は調理鍋の重さの半分より大きい。この質量の増大によって、調理鍋を加熱する ために必要な時間も長くなる。更に底の引っ込みは結果としてこんろにおける不 均一な温度分布を生ずる。調理時間が長くなり、エネルギ消費が増大される。更 にこのサンドイッチ構造底を備えた調理鍋は製造費が高いことにより非常に高価 となる。 本発明の目的は、調理の際におけるエネルギ消費が極めて小さく、それにもか かわらず寿命が長い調理鍋を作ることにある。 本発明によればこの目的は、底が少なくともその外側面が平らな面を形成し、 少なくとも底が耐熱衝撃性を有しほとんど熱膨張しない熱良導性の工業セラミッ クス（Ingenieurkeramik）から成っていることによって特徴づけられる底とこれ に結合された側壁とを備えたこんろ上で利用するための調理鍋で達成される。 家庭用において、同様にほぼ平らな底を有しセラミックスで作られている鍋は 知られている。しかしこの鍋はこんろ上で利用するための調理鍋ではなく、特に 焼くために利用される。例えばパン焼き炉に対する陶器鍋あるいはフォンジュ鍋 である。これらの鍋は熱伝導性が悪く耐熱性が小さく、従って調理鍋として適さ ない陶器のようないわゆる建造セラミックス（Baukeramik）あるいは家庭セラミ ックス（Haushaltkeramik）から成っている。これに対して工業セラミックスの 場合、原料がそれが特別な目的に対して望まれる特性を有するように意図して選 択されている。陶器鍋がほぼ平らな底を有していることは製造技術に条件づけら れ、エネルギの最適化を図るために使用されていない。 これに対して本発明に基づく調理鍋はその平らな底によりこんろにぴったり接 触するので、熱伝導による熱伝達が行われる。この接触は、底が材料に条件づけ られてほとんど平面膨張せず、変形しないので、全調理時間中において完全に維 持される。更に底の材料は、それが良好な熱伝導が保証され、更にできるだけ耐 熱性を有するように選択されている。この後者の特性がはじめて調理鍋として無 制限に利用することを可能にする。 そのように得られた良好な熱伝達は、放射損失が生ぜず、こんろを高い温度に 加熱する必要がないので、エネルギ需要を減少する。更に底の質量が非常に小さ くされているので、この調理鍋は上述の公知の調理鍋よりも非常に速く加熱され 、熱流が食料品に早く供給される。そのエネルギ需要はサンドイッチ構造底を備 えた調理鍋よりも全般的に１５〜２５％だけ小さくなる。 本発明に基づく調理鍋は誤って使用されても不利な作用を生じない。公知の調 理鍋は、これがこんろの中心に存在しないときあるいはこんろが小さすぎるとき 、既に上述した理由からゆがみを生ずる。本発明に基づく調理鍋の底は高い熱応 力を生じないので、偏心して置かれても熱伝導は遅延されない。 図には以下において詳細に説明する本発明の実施例が示されている。 図１は従来における調理鍋の概略断面図、 図２は種々の調理鍋に対するこんろＫの表面における温度分布を示す線図、 図３は本発明に基づく調理鍋の概略断面図、 図４は本発明に基づく調理鍋の異なった実施例の部分断面図、 図５は本発明に基づく調理鍋の更に異なった実施例の断面図である。 図１には、こんろＫ上に存在する既に上述した公知の引っ込みｅ付きの調理鍋 が示され、そのこんろ表面には図２における温度分布が存在する。 図３には本発明に基づく調理鍋Ｐの一実施例が示されている。これは側壁１と これに結合された底２とを有している。側壁１は好適には金属あるいは合金で作 られ、公知の調理鍋と同じ材料が利用されている。調理鍋Ｐの底２は少なくとも 外側表面２０が平らな面を形成している。この実施例において底２は、内側表面 ２１も平らな面を形成するように面平行な板で作られている。 底２は種々の方式で側壁に結合でき、一般にはかみ合い結合と摩擦結合との組 合せが利用されている。図３において側壁１は調理鍋内部に向けて傾斜された鍔 部１０を有し、この鍔部１０の上に底２の環状突起２２が載っている。その場合 底２の厚さは、加熱される面の大きさが使用者にとって明らかに分かるように、 底２が調理鍋の下側面において側壁より僅かに突出している程の大きさをしてい る。底２は調理鍋内部において弾力的に側壁１に押しつけられている保持リング ４によってその位置を保持されている。結合部の密封性が保証されるように、シ ール材３が保持リング４の下側で突起２２上に置かれている。ガスケットとして 特にシリコン基のシール材が利用されている。 図４には底２と側壁１との間の他の結合方式が示されている。底２の縁部は、 これが断面ｓ字状をしているように僅かに深絞り加工されている。この縁部は更 に側壁１の内側に向かって傾斜した鍔部１０上に載っており、その接触範囲に上 述したようなシール材３が存在している。この実施例の場合も、底は調理鍋内側 壁に押されている保持リング４によってその位置を固定されている。 図５において他の結合方式が示されている。この結合方式は、特に側壁がガラ スあるいは小さな熱膨張係数の他の材料から成っている場合に利用される。底２ は側壁１の中にモールドされている。これは例えばほう素シリコンガラスで行え る。この場合底はガラスろうないし他の適当な接着剤で側壁に結合することもで きる。 底２は熱良導性を有し、耐熱衝撃性を有し、利用される温度範囲においてほと んど熱膨張しないような小さな熱膨張係数を有する工業セラミックスから成って いる。これによって底２はどんな温度でも平らなままであり、熱放射による熱損 失が生ぜず、熱搬送が熱伝導でしか行われないように、こんろと最良に接触する ことができる。特に底２は窒化けい素セラミックス（Ｓｉ3 Ｎ4）、炭化けい素 （カーボランダム）（ＳｉＣ）、窒化アルミニウム（ＡｌＮ）あるいはこれらに 匹敵する特性の他の材料で作られる。この材料は高い曲げ強度、強靭性および耐 酸性によって特徴づけられる。一般にこの種の材料から成る板の製造は非常に高 い経費がかかり、従って高価である。しかし必要な板を平面押出し成形で非常に 安価に製造できる方法も知られているので、この種の調理鍋はサンドイッチ構造 底を備えたものよりも安価に製造できる。 底２の厚さは特にその直径の１％であり、厳しい規定を受けない。 上述した材料で作られた底２は手入れがし易く毒性がない。セラミックス表面 はその硬さのために傷つき難い。見栄えを改良するために、従って保持リングお よび底の上に密閉表面にするために、調理鍋あるいは少なくとも底の内側面が被 覆される。その被膜は特に公知の調理鍋に対して既に利用されている組成を有す る。 ここで示されている実施例において、側壁も工業セラミックスで作られている 。浅い調理鍋の場合、側壁および底が深絞り加工によって一体部品として作られ る。 本発明に基づく調理鍋は、普通の調理鍋も置かれるすべての公知のこんろ上で 利用できる。エネルギ消費をできるだけ少なくするために、更にこんろ自体もエ ネルギ的に最良にしなければならない。

【手続補正書】特許法第１８４条の８第１項 【提出日】１９９７年２月６日 【補正内容】 調理時間が長くなり、エネルギ消費が増大される。更にこのサンドイッチ構造 底を備えた調理鍋は製造費が高いことにより非常に高価となる。 更にフランス特許第２４３６５９６号明細書において結晶化セラミックスで作 られた調理鍋が知られている。熱伝導性および耐熱性を改良するために、少なく とも外側面の一部にアルミニウム層が被覆されている。 ドイツ特許第Ａ３２０４２１４号明細書に調理鍋と保温容器との組合せが記載 されている。その側壁はプラスチックで作られ、底は金属で作られている。側壁 はプラスチックが溶融しないようにするために、底に対して熱絶縁されている。 特開昭９０−４０９４０７号明細書に、炊事道具に対する熱伝達体として窒化 アルミニウムを利用することが開示されている。 本発明の目的は、調理の際におけるエネルギ消費が極めて小さく、それにもか かわらず寿命が長い調理鍋を作ることにある。 本発明によればこの目的は、調理鍋が２分割構造で形成され、底および側壁が それぞれ一つの部材を形成し、これらが互いに結合され、少なくとも底が耐熱性 を有しほとんど熱膨張しない熱良導性の工業セラミックス（Ingenieurkeramik） から成り、これが少なくともその外側面が平らな面を形成していることによって 特徴づけられる底とこれに結合された側壁とを備えたこんろ上で利用するための 調理鍋で達成される。 家庭用において、同様にほぼ平らな底を有しセラミックスで作られている鍋は 知られている。しかしこの鍋はこんろ上で利用するための調理鍋ではなく、特に 焼くために利用される。例えばパン焼き炉に対する陶器鍋あるいはフォンジュ鍋 である。これらの鍋は熱伝導性が悪く耐熱性が小さく、従って調理鍋として適さ ない陶器のようないわゆる建造セラミックス（Baukeramik）あるいは家庭セラミ ックス（Haushaltkeramik）から成っている。これに対して工業セラミックスの 場合、原料がそれが特別な目的に対して望まれる特性を有するように意図して選 択されている。陶器鍋がほぼ平らな底を有していることは製造技術に条件づけら れ、エネルギの最適化を図るために使用されていない。 底２の厚さは特にその直径の１％であり、厳しい規定を受けない。 上述した材料で作られた底２は手入れがし易く毒性がない。セラミックス表面 はその硬さのために傷つき難い。見栄えを改良するために、従って保持リングお よび底の上に密閉表面にするために、調理鍋あるいは少なくとも底の内側面が被 覆される。その被膜は特に公知の調理鍋に対して既に利用されている組成を有す る。 本発明に基づく調理鍋は、普通の調理鍋も置かれるすべての公知のこんろ上で 利用できる。エネルギ消費をできるだけ少なくするために、更にこんろ自体もエ ネルギ的に最良にしなければならない。 請求の範囲 １． 底（２）とこれに結合された側壁（１）とを備えたこんろ上で利用する ための調理鍋において、調理鍋が２分割構造で形成され、底（２）および側壁（ １）がそれぞれ一つの部材を形成し、これらが互いに結合され、少なくとも底（ ２）が耐熱性を有しほとんど熱膨張しない熱良導性の工業セラミックスから成り 、これが少なくともその外側面が平らな面を形成していることを特徴とするこん ろ上で利用するための調理鍋。 ２． なくとも底（２）が窒化けい素セラミックス（Ｓｉ3 Ｎ4）、炭化けい 素（ＳｉＣ）、窒化アルミニウム（ＡｌＮ）で作られていることを特徴とする請 求の範囲第１項記載の調理鍋。 ３． 側壁（１）が金属あるいはガラスで作られていることを特徴とする請求 の範囲第１項又は第２項に記載の調理鍋。 ４． 底（２）が面平行な板であることを特徴とする請求の範囲第１項ないし 第３項のいずれか１項に記載の調理鍋。 ５． 底（２）が側壁（１）に対してシリコン基のシール材（３）によって密 封されていることを特徴とする請求の範囲第１項記載の調理鍋。 ６． 底（２）が保持リング（４）によって側壁（１）に保持されていること を特徴とする請求の範囲第１項記載の調理鍋。 ７． 底（２）が側壁（１）にモールドされていることを特徴とする請求の範 囲第１項ないし第４項のいずれか１項に記載の調理鍋。 ８． 底（２）が調理鍋の内側面において被覆されていることを特徴とする請 求の範囲第１項記載の調理鍋。 ９． 底（２）がその直径の約１％の厚さを有していることを特徴とする請求 の範囲第１項記載の調理鍋。 １０． 側壁（１）が工業セラミックスから成っていることを特徴とする請求 の範囲第１項記載の調理鍋。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 ＥＰ(ＡＴ，ＢＥ，ＣＨ，ＤＥ， ＤＫ，ＥＳ，ＦＲ，ＧＢ，ＧＲ，ＩＥ，ＩＴ，ＬＵ，Ｍ Ｃ，ＮＬ，ＰＴ，ＳＥ)，ＯＡ(ＢＦ，ＢＪ，ＣＦ，ＣＧ ，ＣＩ，ＣＭ，ＧＡ，ＧＮ，ＭＬ，ＭＲ，ＮＥ，ＳＮ， ＴＤ，ＴＧ)，ＡＰ(ＫＥ，ＬＳ，ＭＷ，ＳＤ，ＳＺ，Ｕ Ｇ)，ＵＡ(ＡＺ，ＢＹ，ＫＺ，ＲＵ，ＴＪ，ＴＭ)，Ａ Ｌ，ＡＭ，ＡＴ，ＡＴ，ＡＵ，ＡＺ，ＢＢ，ＢＧ，ＢＲ ，ＢＹ，ＣＡ，ＣＨ，ＣＮ，ＣＺ，ＤＥ，ＤＥ，ＤＫ， ＥＥ，ＥＳ，ＦＩ，ＧＢ，ＧＥ，ＨＵ，ＩＳ，ＪＰ，Ｋ Ｅ，ＫＧ，ＫＰ，ＫＲ，ＫＺ，ＬＫ，ＬＲ，ＬＳ，ＬＴ ，ＬＵ，ＬＶ，ＭＤ，ＭＧ，ＭＫ，ＭＮ，ＭＷ，ＭＸ， ＮＯ，ＮＺ，ＰＬ，ＰＴ，ＲＯ，ＲＵ，ＳＤ，ＳＥ，Ｓ Ｇ，ＳＩ，ＳＫ，ＴＪ，ＴＭ，ＴＲ，ＴＴ，ＵＡ，ＵＧ ，ＵＳ，ＵＺ，ＶＮ

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． 底（２）とこれに結合された側壁（１）とを備えたこんろ上で利用する ための調理鍋において、底（２）が少なくともその外側面が平らな面を形成し、 少なくとも底（２）が耐熱性を有しほとんど熱膨張しない熱良導性の工業セラミ ックスから成っていることを特徴とする調理鍋。 ２． 少なくとも底（２）が窒化けい素セラミックス（Ｓｉ3 Ｎ4）、炭化け い素（ＳｉＣ）、窒化アルミニウム（ＡｌＮ）で作られていることを特徴とする 請求の範囲第１項記載の調理鍋。 ３． 側壁（１）が金属あるいはガラスで作られていることを特徴とする請求 の範囲第１項又は第２項に記載の調理鍋。 ４． 底（２）がかみ合い結合および摩擦結合で側壁（１）に結合されている ことを特徴とする請求の範囲第１項ないし第３項のいずれか１項に記載の調理鍋 。 ５． 底（２）が側壁（１）に対してシリコン基のシール材（３）によって密 封されていることを特徴とする請求の範囲第４項記載の調理鍋。 ６． 底（２）が保持リング（４）によって側壁（１）に保持されていること を特徴とする請求の範囲第４項記載の調理鍋。 ７． 底（２）が側壁（１）にモールドされていることを特徴とする請求の範 囲第１項ないし第３項のいずれか１項に記載の調理鍋。 ８． 底（２）が調理鍋の内側面において被覆されていることを特徴とする請 求の範囲第１項記載の調理鍋。 ９． 底（２）がその直径の約１％の厚さを有していることを特徴とする請求 の範囲第１項記載の調理鍋。 １０． 側壁（１）が工業セラミックスから成っていることを特徴とする請求 の範囲第１項記載の調理鍋。