JPH10511082A - 組換え分泌成分の製造 - Google Patents

組換え分泌成分の製造

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JPH10511082A JP8518228A JP51822896A JPH10511082A JP H10511082 A JPH10511082 A JP H10511082A JP 8518228 A JP8518228 A JP 8518228A JP 51822896 A JP51822896 A JP 51822896A JP H10511082 A JPH10511082 A JP H10511082A
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ノバルティス・アクチエンゲゼルシャフト
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Abstract

(57)【要約】 本発明は、結晶化でき、従って、その三次元構造の全体的研究が可能な、チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞から得られる新規組換え分泌成分(rSC)の新規な形態に関する。結晶化された形態は、直接的または間接的に(例えば、由来構造を経て)、端緒発見、スクリーニングおよび結合研究に使用し得る。

Description

【発明の詳細な説明】 組換え分泌成分の製造 本発明は、組換えチャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞系から得られる 組換え分泌成分(rSC)の新規形態に関し、それは結晶化でき、従って、その三 次元構造の全体的研究が可能である。結晶可能形は、直接的に(例えば、免疫グ ロブリンを安定化するのに)または間接的に(例えば、由来構造を経て)、端緒発 見、スクリーニングおよび結合研究に使用し得る。 インビボで分泌成分(SC)は、重合免疫グロブリン(Ig)の外部粘膜表面への 輸送を担う特異的細胞の必須膜糖タンパクの細胞外部分として合成される。この ような細胞は、呼吸器、胃腸、胆管および泌尿管の内側の細胞を含む幾つかの組 織の上皮細胞および唾液、涙および乳腺中およびまた肝細胞に見られる。膜タン パク質は、重合免疫グロブリン受容体(pIgR)と名付けられ、細胞の基底部の重 合IgA(ポリ−IgA)およびIgM(ポリ−IgM)と特異的に結合する。pIg R/ポリ−Ig複合体が細胞の基底部から頂上部(体外)側へ輸送される間、pIg Rは開裂されて、その結果SCを形成する。ほとんどのSCがSC/ポリ−Ig 複合体の一部として細胞から遊離されるが、遊離SCもまた外部分泌物中に見ら れる。SC/ポリ−Ig複合体中、SCはポリ−Igの四基構造を安定化し、種 々のタンパク質分解酵素に対する耐性を増加させると考えられている。例えば、 消化プロテアーゼに対するこの耐性は、分泌免疫グロブリンの保護機能に必須で ないとしても重要な条件である。 従って、SCは通常3つの分子形態で発現する: −上皮細胞および肝細胞の表面の膜タンパクとして; −分泌性IgAおよび可溶性IgMの組成鎖として;および −幾つかの外部分泌物における遊離糖タンパクとして。 cDNA(配列番号1)を基本にして、ヒトpIgR(配列番号2)の推定アミノ酸 配列は、764残基を有し、ウサギおよびラットの対応物とそれぞれ56%およ び64%の相対的な相同性を示す(Krajci et al.,Human Genetics(1991),8 7,642-648)。ヒト乳から単離された遊離SCは、20%までの炭水化物を含む 78kDa一本鎖糖タンパクである。最初の配列分析は、SCが、各々が約10 0アミノ酸長の5つのドメインから成ることを示す。これらのドメインは大きさ は均一であり、ドメインに対する配列はタンパク質の免疫グロブリンスーパーフ ァミリーに特徴的である。 上記のように、pIgRはIgAおよびIgMの粘膜分泌物への輸送を媒介する 。粘膜抗体は、免疫応答において非常に重要である。それらは、まだ体内に入っ ていない病原体、および、体内に入っていないが、体内に取り込まれる毒素を分 泌することにより疾病を引き起こす病原体を不活性化する。従って、SCのアン タゴニストおよび好ましくはアゴニストは、粘膜免疫応答の調整に大きな医薬的 価値がある。 有効な医薬設計のために受容体の三次元構造知ることは重要である。種々の努 力にもかかわらず、pIgRも天然SCもまだ結晶化に成功していない。 rSCのような組換え糖タンパクの糖付加パターンは、タンパク質のアミノ酸 配列におけるある間違えて理解された決定基により、およびグリカンの最終構造 を決定する競合処理酵素活性の利用により決定されている。従って、同じポリペ プチドの、グリコフォームと呼ばれる異なる糖付加変異体は、それらの細胞系中 の競合オリゴサッカライド処理酵素活性の分布に依存して、異なる細胞系により 製造できる。糖タンパクの糖付加のタイプは、タンパク質の機能的および構造的 パラメーターに影響する。例えば、糖付加は、しばしばタンパク質分解酵素存在 下でポリペプチドの安定性を増加させる。一方、特に、SCの場合のように、実 質的糖付加は、しばしば、タンパク質結晶化の試みを妨害する。 CHO細胞中に発現される組換え糖タンパクは、シアル酸で末端置換された炭 水化物鎖を含むことが知られている。最も多いシアル酸、α2−3結合N,O− アセチルノイラミン酸(NeuAc)およびα2−3結合N−グリコイルノイラミン 酸(NeuGc)は、約97:3の比率で存在する(Hokke et al.,FEBS Lett.(19 90),275,9-14)。CMP−Neu5Acから糖タンパクへのNeu5Gcの取り込 みの前駆体として働くCMP−Neu5Gへの変換をもたらすCN−アセチルノイ ラミンモノオキシゲナーゼ(EC1.14.99.18)活性が、正常成人ヒト組織中で発現 されることは証明されていない。更なる研究は、正常成人ヒト細胞が動物の血清 に暴露された場合に、免疫原性応答が起こり得ることを示した。いわゆるHanga nutziu-Deicher(血清病)抗体は、β−Galに末端Neu5Gc、α2−3−結合を 含む糖結合体を指向する。驚くべきことに、我々は、CHO SSF 3細胞が他のCH O細胞で産生される典型的糖タンパクで見られたのより遥かに低い量で、rSC の炭水化物鎖にNeuGcを取り込むことを発見した。CHO SFF3細胞で製造される rSCに対するNeuGcの比率は、全シアル酸の0.25%以下であり、CHO 細胞で産生される典型的組換え糖タンパクは約3%含む。通常ヒト糖タンパクで 存在しないNeuGcの減少した濃度は、CHO SSF 3細胞で産生されるrSCを、よ りヒトに近くし、従って、より抗原性が低く、ヒトへの使用に、より安全である 。 更に驚くべき事実は、結合重合免疫グロブリンに両方とも活性であり、結晶化 できる組換えSC(rSC)のグリコフォームを産生することが可能なことである 。本発明の糖付加rSCは、例えば、“懸滴法”により結晶化でき、SCの三次 元構造の評価の理想的な出発点を提供し、SCポリペプチド自体の変異体を含む SCアンタゴニストおよび好ましくはSCアゴニストの研究を容易にする。発明の詳細な説明 本発明は、分泌成分またはその機能的フラグメントをコードするDNAを含む ベクターで形質導入したCHO SSF 3細胞を培養し、発現タンパク質を培養培地か ら単離することを含む工程により得られる、組換え分泌成分(rSC)またはその 機能的フラグメントに関する。 上記で定義のrSCは、例えば、全シアル酸に関して0.5%より低いN−グ リコリルノイラミン酸(NeuGc)の含量を有する。従って、本発明のrSCは、 例えば、ヒトに対して減少した抗原性を示す。 本発明の方法は、好ましくは以下の工程を含む: a)分泌成分またはその機能的フラグメントを発現できるベクターの構築; b)該ベクターによるCHO SSF 3細胞の形質導入; c)形質導入細胞の培養;および d)培養培地からの分泌成分またはそのフラグメントの単離。分泌成分(SC) pIgRは、ポリ−Ig、特にIgAおよびIgMに結合できる受容体である。 ヒトpIgRは配列番号1に記載のヌクレオチド配列および基本的に配列番号2に 記載のアミノ酸配列を有する。pIgRはpIgR/ポリ−Ig複合体の細胞の基底 から頂上(細胞外)への輸送中に開裂され、従ってSCを形成する。rSCの機能 的フラグメントは一個またはそれ以上のアミノ酸欠損または修飾を有し、ポリ− Ig、特にポリ−IgAと結合できるおよび/またはアンタゴニストおよび好ま しくはアゴニストの存在下で天然SCと同等に反応できるpIgRの誘導体である 。好ましいフラグメントは、例えば、pIgRのアミノ酸639−661の間にあ る、例えば、膜固定ドメインおよび/またはアミノ酸662−764の間の細胞 内C−末端ドメインを欠く可溶性フラグメントである。特に好ましいのは、配列 番号3および配列番号4に記載のフラグメントである。 rSCまたはそのフラグメントをコードするDNAフラグメントは、例えば、 宿主の好ましいコドン用法に適用する限り修飾し得、またはコード配列の直前ま たは直後のDNA配列を、転写の促進、産生したmRNAの安定化のために修飾 し得、または例えば、制限部位の挿入により、遺伝子修飾を容易にする。プラスミド 上記の分泌成分またはその機能的フラグメントをコードするDNAは、通常、 該DNAを発現できるポリペプチド発現カセット中に含まれる。本発明の好まし い発現カセットにおいては、プロモーターが、該プロモーターの制御下で転写す る該DNAに、およびターミネーターに操作可能に結合している。 プロモーターはほとんど任意の起源であり得る。例えば、緊密に制御されたプ ロモーターまたは該DNAに天然に結合しているプロモーターの使用が可能であ る。好ましくは、CHO細胞中で活性な、SV40の“初期”プロモーターのよ うなウイルスプロモーター、サイトメガロウイルス(マウス、サルまたはヒト)の 即時初期プロモーター、またはβ−アクチン遺伝子、メタロチオネイン遺伝子ま たは熱ショック遺伝子のような細胞性プロモーターである。特に好ましいのは、 NEO遺伝子のSV40初期プロモーター、SCのマウスまたはヒトサイトメガ ロウイルス即時初期プロモーターおよびDHFR遺伝子のヒトアデノウイルス2 型プロモーターである。 転写停止信号を含むDNA配列は、好ましくは、所望の宿主の転写およびポリ アデニル化の停止の正確な信号を含む遺伝子の3'フランキング配列である。好 適な信号は、例えば、ヒト成長ホルモンまたはウサギβ−グロビン遺伝子のよう な細胞性遺伝子またはSV“初期”および“遅延”遺伝子のようなウイルス遺伝 子である。 プラスミドは、所望の宿主中の安定性を増加させるまたはプラスミドDNAま たはその必須部分の、所望の宿主の染色体への統合を容易にするDNAのフラグ メントを含み得る。好適なDNAフラグメントの例は、組換え遺伝子がレトロウ イルス粒子、SV40、EBV、AAV、ワクシニア、パピローマウイルス、セ ムリキ森林ウイルスなどのウイルス起源複製またはCREおよびFLPのような 部位特異的リコンビナーゼの認識部位を含むDNAセグメントとして移入しなけ ればならない場合、レトロウイルスの長末端反復である。 プロモーター、分泌成分またはその機能的フラグメントをコードするDNA配 列および転写停止信号を含むDNA配列は、互いに操作可能に連結している、す なわち、それらの通常の機能が維持されるように、並列している。配列は、プロ モーターがSC遺伝子の適切な発現に作用し、転写停止信号が転写およびポリア デニル化の好適な停止に作用するようなものである。これらの配列の結合は、例 えば、具体的エンドヌクレアーゼの認識配列を担持する合成オリゴデオキシヌク レオチドリンカーにより行い得る。 本発明の発現カセットは、好適なエピソームまたはプラスミドの形でまたは染 色体の一部として所望の宿主中で維持され、後者の場合が好ましい。 しかしながら、本発明の発現プラスミドが、プラスミド、マーカーおよび細菌 宿主、特にEscherichia coliの複製起源の構築、増幅および試験に使用するた めの宿主の1個またはそれ以上、特に1個または2個の選択遺伝子マーカーを含 むことも同様に可能である。 選択遺伝子マーカーに関して、マーカー遺伝子の表現型の発現により、形質転 換体の選択を容易にする、任意のマーカー遺伝子が使用できる。好適なマーカー は、例えば、抗生物質または他の抗代謝物に耐性を発現するもの、または、栄養 要求宿主変異体の場合、宿主の障害を補う遺伝子である。対応する遺伝子は、例 えば、抗生物質テトラサイクリン、アンピシリン、G418、ヒグロマイシン、 ピューロマイシンまたはブレオマイシンに耐性を付与するものまたは(条件)栄養 要求変異体に原栄養を提供するもの、例えば、チミジンキナーゼ(TK)遺伝子、 ジヒドロフルオレートレダクターゼ(DHFR)遺伝子およびE.coli gpt、His DまたはTrp遺伝子である。これらの選択可能マーカー遺伝子は、また、発現遺 伝子と物理的に無関係な選択遺伝子の共形質導入により提供できる。このような 共形質導入後、酵素的機構が高い可能性で、非形質転換細胞の除去が可能なよう に、二つの遺伝子のセットを共制御する。 発現プラスミドの増幅が通常、E.coliのような原核生物で行われるため、原 核生物、例えばE.coli遺伝子マーカーおよび原核生物、例えばE.coli複製起 源は、有利に含まれる。これらは、原核生物、例えばE.coli複製起源およびア ンピシリンおよびテトラサイクリンのような抗生物質に耐性を付与する遺伝子マ ーカーの両方を含む、対応する原核生物プラスミド、例えば、pBR322、pT Z18RまたはpUCプラスミド、例えば、pUC18またはpUC19のよう なE.coliプラスミドから得ることができる。 ポリペプチド発現カセット、複製起源および遺伝子マーカーとは別に、本発明 の発現プラスミドは、同一または異なり得る1個から3個の付加ポリペプチド発 現カセットのような付加発現カセットを所望により含むことができる。 好適なベクターの例は、例えば、pEUK−C1(Clontech Inc.,Paro Al to,California,USA)、pcDNAIneo(Invitrogen Corp.San Diego Cal ifornia,USA)、pCGA28(Asselbergs et al.,Fibrinolysis(1993),7,1 -14)またはpCGA93D-PPREN(Asselbergs et al.,Biotech.(1994),32,191-20 2)を基本にした、哺乳類細胞発現ベクターである。 本発明の発現プラスミドは、当分野で既知の方法、例えば、ポリペプチド発現 カセット、試験で使用する宿主および所望により細菌宿主の選択遺伝子マーカー 、 複製起源を含むDNAフラグメントおよび所望により付加ポリペプチド発現カセ ットを、予め決定した配列で、既知の化学的または生物学的インビトロ合成法に より結合させて、製造する。好ましくは、プラスミドは組換えDNA法を使用し て構築および製造される。組換えDNA法による製造においては、DNAフラグ メントはインビトロで既知の方法でライゲートする。次いでライゲーション混合 物を、使用した制御因子の性質に応じて、好適な原核または真核宿主に形質転換 し、所望のベクターを含む形質転換体を既知の方法で選択する。プラスミドは、 形質転換宿主により増幅でき、既知の方法により単離できる。宿主の選択は、ベ クターに存在する制御配列に依存する。ベクターの構築および増幅においては、 原核宿主、例えばE.coliが好ましい。宿主、形質導入および培養 rSCの製造に好適な宿主は、CHO SSF 3細胞(Gandor,C.R.(1993)Estab lishment and charaterization of growth-prototropic Chinese hamster ovar :Dissertation Nr 10087,Swiss Federal Institute of Technology)ま たはそれ由来であり、rSCの同じグリコフォームを形成する細胞である。 上記のように、好適な宿主は、例えば、カチオン性脂質小胞、エレクトロポレ ーションまたは粒子ガンを使用して、遺伝子工学の標準法で形質導入できる。産 生rSCの量を増加させるために、高コピープラスミドを使用するのが、または プラスミドDNAを数コピーのゲノムに統合するのが有利である。後者は、例え ば、(Asselbergs et al.,J.Biotechnol.(1994),32,191-202;Asselber gs et al.,J.Biotechnol.(1992),23,143-151;Asselbergs et al.,J .Mol.Biol.(1986),189,401-411およびKaufman et al.,Mol.Cell B iol.(1985),5,1750-1759)に記載のように、メトトレキサートでの増幅によっ て達成できる。 修飾CHO SSF 3細胞は、細胞培養の標準法で培養できる。本発明の好ましい態 様においては、細胞を無血清培地、およびより好ましくは、無血清無タンパク質 培地で培養する。 驚くべきことに、Pluronic(登録商標)の培養培地への添加は、生産性向上効 果を有することが判明した。平均倍加時間はPluronic(登録商標)非存在下より 約20%低いが、rSCの1日収量は数倍高い。この細胞に体する特異的生産性 向上効果は驚くべきことであり、今まで観察されていなかった。培地に添加する Pluronic(登録商標)、特にPluronic F−68(登録商標)の量は、好ましくは約 0.005から0.5%(w/v)、より好ましくは0.01から0.1%(w/v)で ある。単離 本発明の方法により製造されたrSCを、主として培養培地に分泌させる。そ れは、既知の手段で、単離できる。単離中、タンパク質安定化剤、プロテイナー ゼ阻害剤等の慣用の添加剤を添加し得る。例えば、第1段階は、通常、遠心また は濾過の手段による細胞の培養液からの分離から成る。添加タンパク質および不 純物存在下で、得られる上清はrSCに富むことができる。代表的精製スキーム は、例えば、ほとんどの非タンパク質性物質を除去するためのポリエチレンイミ ンとの処理および硫酸アンモニウム等の溶液で飽和させることによるタンパク質 の沈殿、限外濾過、ダイアフィルトレーション、ゲル電気泳動、無担体電気泳動 、イオン交換クロマトグラフィー、サイズ排除クロマトグラフィー、分配クロマ トグラフィー、親和性クロマトグラフィー、HPLC、逆相HPLCのようなク ロマトグラフィー処理、Sephadex(登録商標)での処置、透析または他の工程、 特に文献から既知のものを含む。当業者は、精製スキームの組み合わせを使用で きることを認識するであろう。一般に、実質的に不純物がないrSC生産物を得 るために、数工程の精製が必要とされるだけである。結晶化 本発明の更なる態様は、分泌成分の溶液を、沈殿剤緩衝液を含む容器に入れ、 そこでは溶液および緩衝液が分離されている、本発明の分泌成分(SC)の結晶化 法である。“懸滴法(the hanging drop method)”によるタンパク質の結晶化の 一般法および詳細は、例えば、McPherson,A(1982):Preparation and Ana lysis of protein crystals,John Wiley and Sons,NYに記載されている。 タンパク質を結晶化するために、分泌成分またはその機能的フラグメントの溶 液は、沈殿剤緩衝液を含むことができる。例えば、本発明のrSCを含む溶液お よび沈殿剤緩衝液を、1:2から2:1、好ましくはおよそ等量で混合すること が好ましい。 沈殿剤緩衝液は、通常、あるpHを確立するのに使用する化合物、1個または それ以上の吸湿性化合物および防腐剤を含む。好適な成分の例は、NaN3、ク エン酸ナトリウム、HEPES、リン酸アンモニウムおよび/またはLi2SO4 である。好ましい緩衝液は、例えば、クエン酸ナトリウム、リン酸アンモニウム およびNaN3の混合物;またはHEPES、Li2SO4およびNaN3の混合物 である。 更に好ましい方法においては、rSCを含む溶液を沈殿剤緩衝液上に、懸滴状 態で置く(懸滴法)。 結晶化は、3℃から30℃、より好ましくは5℃から25℃および特に好まし くは室温で行う。単離rSCの使用 上記のように単離および結晶化したrSCを、タンパク質全体または少なくと もポリ−Igへの結合および分泌を担う領域の三次元構造の決定に使用できる。 三次元構造を決定するための既知の方法は、例えば、X線法またはNMR法であ る。これらまたは同様な方法から得られたデータは、rSC媒介IgA輸送のア ンタゴニストまたは好ましくはアゴニストの同定に直接的または間接的に使用し 得る。これに関して通常使用されている方法は、例えば、コンピューターを使用 したドラッグデザインまたは分子モデリングである。 高度に富化されたrSCは、また、直接、結合研究およびポリ−Ig結合に影 響する能力についての化合物のスクリーニングに使用し得る。これらの試験にお いては、本発明のrSCは、例えば、マイクロタイタープレートまたはビーズの ような固体担体上に固定し得るし、またはビオチンまたは放射活性、蛍光または 化学発光基のような1個またはそれ以上の同定可能なマーカーを担持し得る。 本発明の更なる態様は、本発明のrSCまたはそれの三次元構造を使用して同 定され、治療方法に使用するためのアンタゴニストまたは好ましくはアゴニスト に関する。 本発明のrSCは、先に知られているSCと比較して、低い免疫原性のために 、貴重な医薬特性を有する。この低い免疫原性は、例えば、NeuGcの低い含量( 全シアル酸の0.25%またはそれ以下)に基づく。従って、本発明の更なる態様 は、上記で定義のrSCの、例えば、ポリIg、特にポリIgAの安定化を行う 治療方法への使用に関する。実施例: 以下の実施例は本発明を説明するものであり、限定するものと見なしてはなら ない。 制限酵素での開裂、ライゲーション、形質転換およびアニーリングのような遺 伝子工学における標準法は、本質的に、Sambrook et al.,Molecular Clonin g:A laboratory manual,第2版,Cold Spring Habor Laboratory Press ,Cold Spring Habor NY,1989に記載のように行う。実施例1:ヒト重合免疫グロブリン受容体cDNA ヒト重合免疫グロブリン受容体のcDNA配列(pIgR、配列番号1)は既知で ある(Krajci et al.,Biochem.Biophys.Res.Commun.(1989),158,783 -789;Krajci et al.,Hum.Genet.(1991),87,642-648;Piskurich et a l.,Mol.Immunol.(1993),30,413-421;配列番号1)。このようなcDNA は、遺伝子工学の標準法を使用して、例えば、pIgRを発現する組織サンプル( Krajci et al.,1989,前掲)またはHT29(ATCC HTC-38,Piskurich et al. ,Mol.Immunol.(1993)30,413-421)のような公的に入手可能な細胞系からの mRNAの逆転写により産生できる。クローンcDNAは、cDNA混合物と公 知のcDNA配列を使用して設計されたプライマーから産生されたPCRフラグ メントとのハイブリダイゼーションにより同定できる。 cDNAは、E.coli内で増殖できるプラスミドベクターにクローン化する。 プラスミドDNAは、既知の方法(Sambrook et al.,Molecular Cloning:A laboratory manual,第2版,Cold Spring Habor Laboratory Press,Co ld Spring Habor NY,1989)で製造され、cDNA配列のヌクレオチド配列を 決定する。pIgRタンパク質前駆体の天然コード配列(配列番号2)はATGメチ オニンコドンで開始し、TAG停止コドンで終わる。コード配列中の明らかな特 徴は: a)開始コドン直後の疎水性リーダー配列の存在(アミノ酸1−18)および b)細胞外アミノ末端部分をpIgRの細胞内カルボキシ末端部分と分ける、膜通 過領域に対応する疎水性アミノ酸の第2の伸長(639−661) である。 リーダーペプチドは、細胞膜の受容体タンパク質発現前に細胞内で前駆体ポリ ペプチドから開裂される。実施例2:ヒトpIgR cDNAのPCR変異誘発 分泌成分をコードする人工DNA分子を、PCR変異誘発を使用して膜通過セ グメントの直前に停止コドンを作ることにより製造する。この目的のために、プ レーpIgRをコードするDNA配列に含まれる情報が充分であるが、所望により 、分泌成分をコードするDNA分子を作るために、ATG開始コドンの上流に位 置するベクターDNA配列が使用できる。 ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)は、2つの合成オリゴヌクレオチドプライマー で行い、本明細書で前部および後部プライマーと呼ぶ(用語は、pIgR翻訳リー ディングフレームの方向に対応して各々のオリゴヌクレオチドにより開始される 転写の方向に対応する)。 前部PCRプライマーは、リーダーペプチドの機能的性質が残されるように選 択する。これを達成するのに最も単純な方法は、天然リーダーペプチド配列を変 えないことである。ATGコドンの上流のプライマー配列は、更に、適当な発現 ベクターの制限部位と適合可能な制限部位を作るように、選択する。一つの好ま しい制限部位は、制限エンドヌクレアーゼHindIIIのもの、AAGCTTである 。PCR修飾のために好ましいDNA分子は、ベクターpCB6にクローンされ たpIgR cDNAである。このベクターにおいて、pIgR cDNAをヒトサイ トメガロウイルスの主要即時初期プロモーターの下流にクローン化する。この場 合、 サイトメガロウイルスプロモーターセグメントにハイブリダイズしたプライマー を使用でき、開始部位とATGの間のベクターに既に存在する制限部位を残す。 好ましいオリゴヌクレオチドプライマーは5'PCRプライマー1(配列番号5) である。 オリゴヌクレオチドの設計に使用される第2の基準は、ATGコドンの周りの 配列が、ATGからのタンパク質合成の開始が効率的であるようになっているこ とである。天然mRNAのATGコドンの上流に見られるDNA配列は、天然条 件下では限られた量のタンパク質しか必要とされないので、必ずしも最適ではな い。最適開始効率の基準は既知である(Kozak et al.,Nucleic Acids Res. (1987),15,8125-8148;Peabody D.S.in Setlow J.K.ed.Genetic Engineering Vol.12,99-76頁)。ATGの直後のヌクレオチドがGであるこ とが好ましい。これは、天然pIgRのcDNAとは異なるが、前部PCRプラー マーをそれに応じて設計することにより達成できる。しかしながら、これは、第 2のアミノ酸、ロイシンのコドンを、Gで始まる、バリン、アラニン、アスパラ ギン酸、グルタミン酸またはグリシンをコードするものに変えることによっての み達成できる。好ましいアミノ酸はバリンである。これは、量アミノ酸が疎水性 アミノ酸クラスに属するので、保存的置換である。タンパク質の分泌促進におけ るペプチドリーダー配列の機能的特性は保存される。ATGGの直ぐ上流の好ま しいDNA配列の一つはCCであり、従って、ATGコドンを、制限エンドヌク レアーゼNcoIの認識部位内、CCATGGに置く。このNcoI部位は多くの効 率的な発現ベクター内のNcoI部位と適合する。ATGGの直ぐ上流の他の好ま しいDNA配列は、GCCACCである。ATGの上流にまたHindIII部位を作 る好ましい5'プライマーは、5'PCRプライマー2(配列番号6)である。 後部プライマーは、二つの主な基準を考慮して設計する。第1は、pIgRタン パク質の疎水性膜通過セグメントのちょうど上流の1906位に停止コドンを産 生するために働く。初期翻訳生産物は、従って、Ser−Glu−Glu−Gln−Gly −Gly−COOHで終了する。第2は、新規停止コドンの下流に、好適な発現ベ クターの制限部位と適合する制限エンドヌクレアーゼ部位を作るために働く。一 つの好ましい停止コドンはTGAおよび好ましい制限部位は、好ましい3'PC Rプライマー1(配列番号表7)により作られるようなXbalのもの、TCTAG Aである。実施例3:ポリメラーゼ連鎖反応 DNAフラグメントは、実施例2に記載のように、特異的前部および3'PC Rプライマーを使用して、熱安定DNAポリメラーゼにより、および鋳型として のプラスミドベクターにクローン化されたpIgR cDNAをもって転写される 。PCR反応を(Sambrook et al.,Molecular Cloning:A laboratory manu al,第2版,Cold Spring Habor Laboratory Press,Cold Spring Habo r NY,1989に従い)、4つのデオキシリボヌクレオチドトリホスフェートを含む 緩衝溶液中で行い、温度は、SC−コードフラグメントのプライマー誘発転写の 多重サイクルが行われるように、制御されたインキュベーションのものである。 これは、2つのオリゴヌクレオチドプライマーのDNA配列で終了するDNAフ ラグメントを製造する。SCをコードするHindIII−Xbalフラグメントは、第 1にSC DNAフラグメントをプライマーおよびPCR反応の他の成分から分 離し、次いでこのDNAをHindIIIおよびXbalで、完了まで消化させることに よりこのDNAフラグメントから産生する。続いて、1.9kb HindIII−Xbal フラグメントを制限酵素反応から精製し、制限発現ベクターDNAへのライゲー ションに準備ができる。 この方法で、5'PCRプライマー1(配列番号5)および3'PCRプライマー 1(配列番号1)で製造したPCR生産物は、SC DNAフラグメント1(配列番 号3)と称する。この方法で、5'PCRプライマー2(配列番号6)および3'P CRプライマー1(配列番号7)で製造したPCR生産物は、SC DNAフラグ メント2(配列番号4)と称する。実施例4:ゲネチシン耐性遺伝子を有するSC発現ベクターの構築 分泌成分(SC)をコードする人工DNAセグメントを、好適な哺乳類細胞発現 ベクターの制限エンドヌクレアーゼ部位の間に挿入する。一つの好ましい発現ベ クターはpCB6であり、その主な性質を表1に記載し、それは遺伝子工学の標 準法で容易に合成できる: pCB6またはpIgR cDNAを含むpCB6(pCB6pIgR)を完了するま でHindIIIおよびXbalで切断し、6.1kbフラグメントを単離する。このDNA フラグメントを、DNAリガーゼ1(バクテリオファージT4からまたはライゲ ーション活性を有する他の酵素から)を使用して、SC DNAフラグメント1に ライゲートする。このライゲーション生産物を、E.coli DH5αを形質転換 するのに使用し、アンピシリン耐性株を単離する。プラスミドDNAを、このよ うなアンピシリン耐性株から単離し、pCB6−SCと名付ける。これは、pC Bのような構造であるが、pCB6の小さいHindIII−Xbalフラグメントが1. 9kb SC DNAフラグメント1(実施例3)で置換されている。 別の発現ベクターは、ヒトサイトメガロウイルスの主要即時初期プロモーター を、マウスサイトメガロウイルス(mCMV)由来のより強い主要即時初期プロモ ーターに置換して、pCB6−SCから構築する。このプロモーターは、1.1k b Pvul−HindIIIフラグメントとして、アンピシリン耐性遺伝子の開始と共に 、プラスミドpCGA93D-PPPRN(Asselbergs et al.,J.Biotechnol.(1994),3 2,191-202)から得られる。並行して、pCB6をPvulおよびHindIIIで切断し 、 ヒトサイトメガロウイルスプロモーター以外およびpTZ18R−由来アンピシ リン耐性以外、発現ベクターの全ての構造要素を含む(表1参照)最大フラグメン ト(6.1kb)を精製する。1.1kbおよび6.1kbフラグメントをライゲートし、 ライゲーション生産物でE.coliを形質転換した後、プラスミドpMC−SC含 有アンピシリン耐性コロニーを得る。pMC−SCは、ヒトサイトメガロウイル スプロモーターが、マウスのものに置換されている以外、pCB−6(表1参照) と機能的に同等である。実施例5:SC発現プラスミドpCGA93D−SCの構築 分泌成分(SC)をコードする人工DNAセグメントを、好適な哺乳類細胞発現 ベクターの制限エンドヌクレアーゼ部位の間に挿入する。一つの好ましい発現ベ クターは、Asselbergs et al.,J.Biotech.(1994),32,191-202に従い構 築されたpCGA93D-PPPENであり、その主要な特性を表2に記載する。 ベクターpCGA93D-PPPENを、BamHIで完全に切断し、大きい4.9kbフラグメ ントを単離し、自己ライゲートし、E.coli DH5αの形質転換に使用する(プ ラスミドはpINTERMED1と名付ける)。アンピシリン耐性株から、プラスミドpINTE RMED1(4.9kb)を精製する。pINTERMED1において、プロレニンcDNAHindIII およびXbal部位は独特な制限部位である。pINTERMED1を、HindIIIおよびXbal で完了するまで切断し、3.5kbフラグメントを単離する。このDNAフラグメ ントを、DNAリガーゼ2(バクテリオファージT4からまたはライゲーション 活性を有する他の酵素から)を使用して、SC DNAフラグメント2(実施例3) にライゲートする。このライゲーション生産物を、E.coli DH5αを形質転 換するのに使用し、アンピシリン耐性株を単離する。プラスミドDNAを、この ようなアンピシリン耐性株から単離し、pINTERMED2(6.8kb)と名付ける。pINTE RMED2をSalIおよびXbalで完全に切断し、大きい(6.5kb)フラグメントを単 離する。並行して、pCGA93D-PPRENを、SalIおよびXbalで完全に切断し、3. 3kbフラグメントを単離する。二つのDNAフラグメントをライゲートし、生産 物をE.coli DH5αの形質転換に使用する。アンピシリン耐性株から、この ようにして得たpCGA93D-SCを単離する。pCGA93D-SCにおいて、SCコードDNA はNcol部位で開始し、SCのATG開始コドンの周りのDNA配列は、組換え SC mRNAの翻訳を効率よく開始させる。実施例6:pCB6−SCまたはpMC−SCで形質導入したCHO SSF3細胞中に おけるヒト分泌成分の発現 CHO SSF 3細胞は既知である(Gandor C.R.,Establishment and characte rization of growth-factor-prototropic Chinese hamster ovary(CHO)cell li #10087,Swiss Federal Institute of Technology,1993)。細胞ストックは 、更なる添加剤なしにFMX−8培地(Dr.F.Messi Cell Culture Techn ol 導入を血清無しで行わなければならない場合、100万から1000万個の細胞 を低速度で遠心してペレットにし、細胞を、200,000細胞/mlで、新鮮な FMX−8培地に37℃で再懸濁する。別法において、CHO SSF 3細胞の濃密培 養を、4%ウシ胎児血清含有FMX−8培地で10倍に希釈し、3cm直径の組織 培養ペトリ皿に入れる。この方法で培養して、CHO SSF 3細胞は単層を形成し、 それはペトリ皿のプラスチックに粘着する。この単層が30−50%コンフルエ ントな場合、それらを形質導入に使用できる。 形質導入用溶液を、使用したカチオン性脂質およびカチオン性脂質とDNAか ら形成された複合体の容器壁への吸着を防止するためポリスチレン溶液中で調製 する。pCB6−SC(実施例3)DNAを、以下のように形質導入用に製造する :プラスミドDNA 4μgをFMX−8培地0.1mlに溶解する。別に、カチオ ン性脂質溶液(リポフェクチン、GIBCO)14μlをFMX−8培地0.1mlで希釈 する。次いで、DNA溶液およびリポフェクチン溶液を注意深く混合し、室温で 15分インキュベートし、リポフェクチン−DNA複合体の形成をさせる。 無血清方法については、リポフェクチン−DNA複合体をCHO SSF 3細胞懸濁 液(最終量0.5ml)と混合し、CO2インキュベーター(5%CO2)中に37℃で 置く。16時間後、FMX−8 1mlを細胞に添加し、インキュベーションを続 ける。更に24時間後、細胞を新鮮FMX−8+0.25mg/mlゲネチシンで1 0倍に希釈し、96ウェルマイクロタイタープレートに分け、37℃でインキュ ベートし、約3週間インキュベーション後、濃密細胞成育がウェルの幾つかで検 出される。このようなウェル由来の培地のアリコートを、ヒトSCの存在につい て評価する。SCが検出されたウェル由来の細胞を大きい培養容器に移し、撹拌 タンクバイオリアクターを接種するのに充分な細胞が得られるまで成育させる。 別の方法においては、血清含有培地を吸引し、細胞を血清無しのFMX−8で 洗浄し、血清無しのFMX−8培地0.3mlを添加する。この培地に、リポフェ クチン−DNA複合体溶液を添加し、細胞をCO2インキュベーター(5%CO2) 中で、37℃でインキュベートし、その後、4%血清含有FMX−8 1mlを添 加する。24時間後、細胞を、Asselbergs et al.,J.Biotechnol.(1992) ,26,301-313に記載のように非希釈0.25%ブタトリプシン(JRH Bioscie nces Lenexa,Kansas U.S.A.)でトリプシン処理し、4%血清および1mg/ mlゲネチシン含有FMX−8で20倍に希釈し、ペトリ皿に入れる。2−3週間 後、ゲネチシン耐性細胞のコロニーが成育し、それを個々に削り取り、24ウェ ルマイクロタイタープレートに移す。血清無し、0.25mg/mlゲネチシン含有 FMX−8を細胞に添加する。1週間後、ほとんどの非粘着細胞の濃密培養が発 達する。各ウェルからの条件培地中のSCの濃度をELISA(実施例10に記載のよ うに)で測定し、高い量のSCが検出されたウェルからの細胞を大きい培養容器 に移し、撹拌タンクバイオリアクターを接種するのに充分な細胞が得られるまで 成育させる。 ヒトSCを産生するCHO SSF 3の一つの細胞系をSSF3-HCS-1と名付け、撹拌タ ンクバイオリアクターでのヒトSCの産生に使用する。細胞集団は、一日に10 μgSC/100万細胞以上を製造する。 同様な方法を使用して、pCB6−SCの変わりにpMC−SCで形質導入し た細胞を得る。ヒトSCを産生する一つのpMC−SC形質導入CHO SSF3細胞系 を、CHO-SSF3/pMC-SC3(DSM ACC2203)と名付け、撹拌バイオリアクター中のヒト SCの製造に使用する。この細胞集団は、一日に10μgSC/100万細胞以 上を製造する。実施例7:pCGA93D-SCで形質導入したCHO SSF 3細胞中におけるヒト分泌成分の 発現 CHO SSF 3細胞およびリポフェクチン−DNA複合体を、プラスミドpCB6 −SCの変わりにプラスミドpCGA993DOSC(実施例5)を使用した以外、上記(実施 例6)のように製造する。 無血清方法については、リポフェクチン−DNA複合体をCHO SSF 3細胞懸濁 液(最終量0.5ml)と混合し、CO2インキュベーター(5%CO2)中に37℃で 置く。16時間後、FMX−8−マイナス(グリシン、ヒポキサンチンおよびチ ミジン非含有FMX−8) 1mlを細胞に添加し、インキュベーションを続ける 。更に24時間後、細胞を新鮮FMX−8−マイナス+5nMメトトレキサート で10倍に希釈し、96ウェルマイクロタイタープレートに分け、37℃でイン キュベートし、約3週間インキュベーション後、濃密細胞成育がウェルの幾つか で検出される。このようなウェル由来の培地のアリコートを、ヒトSCの存在に ついて評価する。SCが検出されたウェル由来の細胞を大きい培養容器に移し、 増加したメトトレキサート耐性を有する細胞系を選択するのに充分な細胞が得ら れるまで(実施例8)または撹拌タンクバイオリアクターを接種するのに充分な細 胞が得られるまで成育させる。 別の方法においては、血清含有培地を吸引し、細胞を血清無しのFMX−8で 洗浄し、血清無しのFMX−8培地0.3mlを添加する。この培地に、リポフェ クチン−DNA複合体溶液を添加し、細胞をCO2インキュベーター(5%CO2) 中で、37℃でインキュベートし、その後、4%血清含有FMX−8−マイナス 1mlを添加する。24時間後、細胞をトリプシン処理し、4%透析血清および5 nMメトトレキサート含有FMX−8−マイナスで20倍に希釈し、ペトリ皿に 入れる。2−3週間後、ゲネチシン耐性細胞のコロニーが成育し、それを個々に 削り取り、24ウェルマイクロタイタープレートに移す。血清無し、5nMメト トレキサート含有FMX−8−マイナスを細胞に添加する。1週間後、ほとんど の非粘着細胞の濃密培養が発達する。各ウェルからの条件培地中のSCの濃度を 測定し、高い量のSCが検出されたウェルからの細胞を大きい培養容器に移し、 増加したメトトレキサート耐性を有する細胞系を選択するのに充分な細胞が得ら れるまで(実施例8)または撹拌タンクバイオリアクターに接種するのに充分な細 胞が得られるまで成育させる。 ヒトSCを産生する一つのCHO SSF 3細胞系をSSF-HSC-M1と名付け、撹拌タン クバイトリアクター中でのヒトSCの産生に使用する。この細胞集団は、一日に 10μgSC/100万細胞以上を製造する。実施例8:pCGA93D-SCのコピーの増加した数による、細胞系のメトトレキサート 選択 形質導入CHO SSF 3細胞の染色体に編入されたプラスミドDNAの自然増幅を 選択することは可能である。これを達成するために、5nMメトトレキサートに 耐性であることを選択した形質導入CHO SSF 3細胞を、徐々に濃度を増加したメ トトレキサート中で副次培養する。形質導入と同様に、この工程は、無タンパク 質培地または血清含有培地中で行うことができる。後者の方法が、高い濃度のメ トトレキサートに耐性な細胞の個々のコロニーの単離が容易なため有利であるが 、細胞は無タンパク質培地中で成育するように再適合させなければならない。こ れは、2週間の成長期間にわたり、血清を徐々に希釈除外することにより行う。 無血清工程において、FMX−8−マイナス(グリシン、ヒポキサンチンおよ びチミジンを欠くFMX−8)+5nM メトトレキサート中で培養した細胞を培 地中で、約500細胞/mlの細胞濃度まで、新しいメトトレキサート濃度で希釈 し、幾つかの96ウェルマイクロタイター培養皿に分割する。増幅の頻度は、約 1/10000であり、メトトレキサート濃度の僅かな上昇は、他の遺伝子変質 よりむしろ遺伝子増幅による耐性の発達を助ける(Kaufman R.J.,Methods in Enzymology(1990),185,537-566)。従って、選択は、最初の濃度の5nM メトトレキサートの約2倍で開始する。20ウェル中の約1つにおいて、増加し たメトトレキサート耐性を有する細胞の濃密培養が、約2−3週間の期間にわた り発達する。このような細胞を大きい培養容器に移し、分泌成分の特異的製造の 試験のために充分な細胞が得られるまで成長させる。より高い特異的SC製造の 細胞は、より耐性の副次培養の20−40%の頻度で得られる。この選択工程を 数回繰り返し、各回にメトトレキサートを1.5−2.5倍増加させる。50−1 50nMメトトレキサートの濃度に到達した場合、10μg SC/100万細 胞/日以上を産生する細胞集団を得る。次いで、これらの細胞を、大規模SC製 造のために好適なバイオリアクターに移す。 別法において、細胞を、4%透析ウシ胎児血清および最初5nMメトトレキサ ート含有FMX−8−マイナス培地中でプラスチックに付着させて培養する。こ れらの細胞をトリプシン処理し、同じ培地であるが、高い濃度のメトトレキサー トを含有する、幾つかの10cm直径のペトリ皿(全量10ml培地)中に20000 細胞/mlで再び置く。上記と同様に、選択を最初の濃度の5nMメトトレキサー トの約2倍で開始する。3週間後、より耐性な細胞のコロニーが発育し、それを 個々に削り取り、同じ濃度のメトトレキサートの培地を含む多数個ウェル皿に移 す。充分な細胞が得られた場合、SCの特異的製造を測定する。非常に特異的S C製造の細胞が、より耐性な副次培養から、20−40%の頻度で得られる。こ の選択工程を数回繰り返し、各回にメトトレキサートを1.5−2.5倍増加させ る。50−150nMメトトレキサートの濃度に到達した場合、10μg SC/ 100万細胞/日以上を産生する細胞集団を得る。このようにして得た細胞を、 1−2週間の期間にわたり、血清濃度を徐々に減少させることにより、無タンパ ク質FMX−8マイナス中での成育に再適合させる。次いで、これらの細胞を大 規模SC製造のために好適なバイオリアクターに移す。実施例9:条件培地中の形質導入CHO SSF 3細胞のヒトSCのELISA検定 ポリスチレンマイクロタイタープレートを、0.1mg/mlの静細菌性エチルメ ルクリチオサリチル酸エチルナトリウム含有、MgCl2およびCaCl2無しの PBS(GIBCO)中に溶解した、100μl/ウェルの10μg/mlウサギ抗−ヒト SC免疫グロブリン(DAKO Code nr.A187)で一晩4℃でコートする。続いて、プ レートを洗浄溶液:MgCl2およびCaCl2を欠き、0.05%トゥイン−2 0(EIA−グレード、BIORAD)および0.1mg/mlメルクリチオサリチル酸エチルナ トリウム含有PBSで3回濯ぐ。ポリスチレンの非特異的タンパク質結合部位を ブロッキング緩衝液:2%ウシ血清アルブミン(BSA)、0.5%ウサギ血清お よび0.05%トゥイン−20含有PBSとインキュベーションすることにより 中和する。続いて、プレートを3回洗浄溶液で濯ぐ。ブロッキング溶液で希釈さ れたSC−含有溶液(条件培地、精製工程のカラムフラクション等)のサンプル1 00μlを各ウェルに加え、一晩4℃でインキュベートする。続いて、プレート を3回洗浄溶液で濯ぐ。次に、ブロッキング緩衝液中の250ng/mlビオチニル 化抗ヒトSC免疫グロブリンを含む溶液50μlを添加し、続いて室温で1時間 インキュベーションする。このビオチニル化抗体を、ウサギ抗ヒトSC免疫グロ ブリン(DAKO Code nr.A187)を、アミノヘキサノイル−ビオチン−n−ヒドロキ シサクシンイミドエステル(Zymed)で、製造者の指示により処理することにより 製造する。続いて、プレートを3回洗浄溶液で濯ぐ。次に、ブロッキング緩衝液 で1000倍希釈した西洋ワサビペルオキシダーゼ(Zymed)に架橋したアビジン 50μlを添加し、続いて1時間室温でインキュベーションする。プレートを3 回洗浄溶液で洗浄後、150μl/ウェルの酵素色素基質溶液、1.5mg/ml O −フェニルジアミン(SIGMA)および1μl/ml 30%H22含有21mg/mlクエ ン酸および35.6mg/ml Na2HPO4、pH4.5を添加する。37℃で15 分後、酵素反応を0.5N H2SO4 50μl/ウェル添加することにより停止 し、吸収を492nmで測定する。SCの相対濃度(力価)を、特異単位(A.U.)、 すなわち、測定吸光度にサンプルの容量および希釈係数を掛けて計算する。ある いは、検定を、平行して精製組換えヒトSCの連続希釈を試験することにより標 準化する。実施例10:SCのヒトIgAへの結合のELISA検定 ポリスチレンマイクロタイタープレートを、0.1mg/ml静細菌性メルクリチ オサリチル酸エチルナトリウム含有、MgCl2およびCaCl2無しのPBS(G IBCO)に溶解した10μg/ml ヒト血清アルブミン(陰性対照、Sigma A-6003) 、ヒトIgG(Sigma I-4506)、IgM(Sigma I-8640)、IgA(Sigma I-0633) またはウサギ抗ヒトSC免疫グロブリン(DAKO Code nr.A187)の何れかで、一晩 4℃でコートする。続いて、プレートを洗浄溶液:MgCl2およびCaCl2を 欠き、0.05%トゥイン−20(EIA−グレード、BIORAD)および0.1mg/mlメ ルクリチオサリチル酸エチルナトリウム含有PBSで3回濯ぐ。ポリスチレンの 非特異的タンパク質結合部位をブロッキング緩衝液:2%ウシ血清アルブミン( B SA)、0.5%ウサギ血清および0.05%トゥイン−20含有PBSとインキ ュベーションすることにより中和する。続いて、プレートを3回洗浄溶液で濯ぐ 。ブロッキング溶液で希釈されたSC−含有溶液のサンプル100μlを各ウェ ルに加え、一晩4℃でインキュベートする。続いて、プレートを3回洗浄溶液で 濯ぐ。次に、ブロッキング緩衝液中の250ng/mlビオチニル化抗ヒトSC免疫 グロブリンを含む溶液50μlを添加し、続いて室温で1時間インキュベーショ ンする。このビオチニル化抗体を、ウサギ抗ヒトSC免疫グロブリン(DAKO Code nr.A187)を、アミノヘキサノイル−ビオチン−n−ヒドロキシサクシンイミド エステル(Zymed)で、製造者の指示により処理することにより製造する。続いて 、プレートを3回洗浄溶液で濯ぐ。次に、ブロッキング緩衝液で1000倍希釈 した西洋ワサビペルオキシダーゼ(Zymed)に架橋したアビジン50μlを添加し 、続いて1時間室温でインキュベーションする。プレートを3回洗浄溶液で洗浄 後、150μl/ウェルの酵素色素基質溶液、15mg/ml O−フェニルジアミ ン(SIGMA)および1μl/ml 30%H22含有21mg/mlクエン酸および35. 6mg/ml Na2HPO4、pH4.5を添加する。37℃で15分後、酵素反応 を0.5N H2SO4 50μl/ウェル添加することにより停止し、吸収を49 2nmで測定する。SCの相対濃度(力価)を、特異単位(A.U.)、すなわち、サン プル測定吸光度に容量および希釈係数を乗じて計算する。あるいは、検定を、平 行して精製組換えヒトSCの連続希釈を試験することにより標準化する。実施例11:血清および無タンパク質培養CHO SSF 3細胞における小試験的規模 懸濁培養中のIgAのSCの製造 全ての培養を、海洋タイプインベラーを用いて、10Lガラスバイオリアクタ ー中で、懸濁反復段階的添加バッチ培養として行う。定常増殖期の開始により示 される最大細胞密度および作業容量に到達した後、細胞懸濁液の90%を回収し 、残りの10%を、新鮮培地で率1:10に希釈する。工程を、温度、pHおよ びPO2のをオンライン制御ループで制御する。細胞濃度、細胞生存率および生 産物濃度(最終濃度)をオフラインで測定する。基本培地はFMX−8から成る( Dr. 造動態に関してはシアセンシティブであることが証明される。しかしながら、成 長動態は僅かに影響を受けるだけである(下記参照)。培地に、従って、Pluroni c F−68(P−1300,SIGMA)を製造促進剤として添加する。二つの異なる培地形 状を下記に比較する。実施例11.1:FMX−8培地でのバッチ培養 バイオリアクターに1.2×105細胞/mlおよび2.5Lの作業容量を接種し た後、細胞は9.8×105細胞/mlまで成育する。成育相の間、作業容量は、そ れぞれ4日後の新鮮培地3Lおよび7日後の新鮮培地2Lの添加により2倍に増 加する。このバッチ培養は、培養9日後の最終作業容量8LおよびIgAのSC の最終濃度109mg/Lをもたらす。細菌の平均倍増時間は2.82日であり、 IgAのSCに一日の収率は12.1mg/L/日である。実施例11.2:Pluronic F-68を添加したFMX−8培地でのバッチ培養 FMX−8培地に、製造促進剤として0.05%(w/v)Pluronic F-68を添加 する。バイオリアクターに2.3×105細胞/ml(実施例8から)および2.5L の作業容量を接種した後、細胞は1.1×106細胞/mlまで成育する。成育相の 間、作業容量は、それぞれ1日後の新鮮培地2.5L、3日後の3Lおよび4日 後の1Lの添加により3倍に増加する。このバッチ培養は、培養9日後の最終作 業容量9LおよびIgAのSCの最終濃度229mg/Lをもたらす。細菌の平均 倍増時間は2.26日であり、Pluronic促進財を添加しない場合より20%低い だけである。比較して、IgAのSCに一日の収率は32.7mg/L/日で、促 進剤を添加しない場合より3倍高い。実施例12:Pluronic非存在下および存在下でチャイニーズハムスター卵巣細 胞から製造されるヒト分泌成分 残った細胞性バイオマスの除去後、ヒト分泌成分(hSC)をFMX−8基本細 胞培養培地から単離する。プロテアーゼ阻害剤、例えば、PMSF(2−プロパ ノール中に0.1M)およびE−64(50%(v/v)水性エタノール中に7mM) およびNaClを添加し、それぞれ最終濃度1mM、2.8μMおよび0.5Mに 調整し、pHを4N HClで5.6に調節する。CaCl2およびMnCl2を それぞれ最終濃度1mMになるように添加した後、コンカナバリンAセファロー ス(Pharmacia)スラリー150mlを添加し、一晩4℃で懸濁させる。固定化レク チンをガラスフィルター上に回収し、0.5M NaCl、1mM CaCl2お よび1mM MnCl2(結合緩衝液)含有5mM 酢酸ナトリウム、pH5.6で洗 浄し、2.6cm×30cmカラム−ハウジングに詰める。コンカナバリンA−結合 タンパク質を、0.5M メチル−α−D−マンノピラノシド含有結合緩衝液で 溶出する。hSC−含有フラクションを濃縮し、0.15M NaClおよび0. 02%(w/v)NaN3含有50mM 酢酸ナトリウムpH5.5に対して、Amic onセルのYM10(登録商標)膜(AMICON)により限外濾過して透析する。更に、S ephacryl S−300(Pharmacia)のカラム(1.6cm×61cm)でゲル透過クロマト グラフィーにより分画する。カラムを0.15M NaCl含有50mM 酢酸ナ トリウム、pH5.5で溶出し、溶出液を278nmで追跡する。SDS/PAG Eで追跡してhSCを含む主要ピークを回収し、AmiconセルのYM10膜を使 用して超濾過して濃縮し、約20mg/mlの濃度にする。約35mgのhSCを、I gGを標準として使用したBio−Radタンパク質検定を使用して測定して、細胞 培養培地当たり単離する。最終調整物は、95%を越える見かけの純度を示し、 0.02%(w/v)NaN3存在下、4℃で貯蔵する。実施例13:組換え可溶性Ig受容体(hSC)の結晶化 結晶化実験は、懸滴法を使用して行う。 実施例12由来の、100mM NaCl含有、pH5.5の10mM 酢酸ナ トリウム緩衝液中の濃度約5mg/mlのSC溶液2μlを、等量の沈殿剤緩衝液と 混合する。沈殿剤緩衝液は: A)0.1M Na−クエン酸、1.0M リン酸アンモニウムおよび0.02% NaN3;または B)0.1M HEPES、1.5M (Li)2SO4および0.02%NaN3であ る。 タンパク質および沈殿剤溶液をガラスカバースライド上で混合する。対応する 沈殿剤緩衝溶液(貯蔵物)1000μlをLinbroプレートのウェルの上に置く。タ ンパク質の懸滴のガラスカバースライドをウェルの上に置く。蒸気相を経由した 貯蔵物と懸滴の間の沈殿剤の濃度の平衡化が、室温で数週間内に起こる。この期 間の間、hSCのプレート様結晶が滴中に出現する。実施例14:組換え可溶性重合化Ig受容体(hSC)のシアル酸分析 シアル酸分析は、本質的に、Harra et al.,Anal.Biochem.(1989),179 ,162-166に記載のように行う。0.15M 塩化ナトリウム含有0.05M 酢 酸ナトリウム、pH5.5 10μl中の組換え可溶性ポリIg受容体(hSC)の 236μgのアリコートを減圧下で乾燥し、2M酢酸200μlに溶解し、3時間 80℃で加熱する。遊離シアル酸を、0.75M β−メルカプトエタノールお よび18mM ジチオン酸ナトリウム含有1.4M酢酸中の7.0mM 1,2−ジ アミノ−4,5−メチレンジオキシベンゼン(DMB)200μlを、50℃で2. 5時間添加することにより蛍光誘導体に変換する。N−アセチルノイラミン酸( Neu5Ac,Sigma)、N−グリコイルノイラミン酸(Neu5Gc,Sigma)、ヒト 血清トランスフェリン(hST,Serva)、ウシ糖タンパク質フラクションVI(bG P,Miles Laboratories)およびNeu5Ac、Neu5Gc、N−アセチル−7− O−アセチルノイラミン酸(Neu5,7Ac2)、N−グリコイル−9−O−アセチ ルノイラミン酸(Neu9Ac5Gc)、N−アセチル−9−O−アセチルノイラミン 酸(Neu5,9Ac2)、N−アセチル−7(8),9−ジ−O−アセチルノイラミン酸 (Neu5,7(8),9Ac3)(Oxford Glycosystems)の混合物を、標準として工程 中に取り入れる。HPLC分析を、2つのモデル、WISPモデル712サンプ ル処理機、モデル490プログラム可能多重波長検出機の510HPLCポンプ および、カットオフフィルターを使用して波長>418nmで発光を検出する励起 波長373nmで作動させるKratos GM 970蛍光検出機を備えたWaters 840ク ロマトグラフィーシステムを備えたWaters Novapak C18 4−μm(60Å)カ ラム(3.9×150mm)で行う。同時に、溶出液の吸光を373nmの波長で追跡 する。溶出を、アセトニトリル:メタノール:水(6.4:4.9:88.7、v/ v/v)を溶出液として、流速0.7ml/分でアイソクラティックに行う。 hSTおよびbGP由来のDMBシアル酸のHPLCプロフィールで、hST についてはNeu5Acのみ(Spik et al.,FEBS Lett.(1975),50,296-299お よびHokke et al.,FEBS Lett.(1990),275,9-14に記載のように)およびbG PについてはNeu5GcおよびNeu5Acの混合物が1.0:1.0の比率で示され る。hSC由来のDMBシアル酸のHPLCパターンは、それぞれ、Neu5Gc およびNeu5Acの溶出位置でピークを示す。hSCのNeu5Acの含量は、99 .9%以上およびNeu5Gcのは0.1%以下である。寄託 以下の微生物株を、ドイツェ・サムルング・フォン・ミクロオルガニズメン( DSM)、デー−37124ブラウンシュヴェイグ、マシェロダーヴェーグ1ベ ー番に寄託した(受託番号および寄託日は):
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/53 C12N 15/00 ZNAA 33/566 5/00 B //(C12N 5/10 C12R 1:91) (C12N 15/09 ZNA C12R 1:91) (C12P 21/02 C12R 1:91) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U G),AL,AM,AU,BB,BG,BR,BY,C A,CN,CZ,EE,FI,GE,HU,IS,JP ,KG,KP,KR,KZ,LK,LR,LT,LV, MD,MG,MK,MN,MX,NO,NZ,PL,R O,RU,SG,SI,SK,TJ,TM,TT,UA ,US,UZ,VN (72)発明者 ライスト,クリスティアン スイス、ツェーハー−5073ギップフ−オー バーフリック、ホファッケルシュトラーセ 7番 (72)発明者 グリュッター,マルクス スイス、ツェーハー−4146ホッホヴァル ト、ネッテンベルクシュトラーセ1番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.分泌成分またはその機能的フラグメントをコードするDNAを含むベクタ ーで形質導入したCHO SSF 3細胞を培養し、発現タンパク質を培養培地から単離 することを含む工程により得られる、組換え分泌成分(rSC)またはその機能的 フラグメント。 2.全シアル酸に関して0.5%より低いN−グリコリルノイラミン酸の含量 を有する、請求項1記載の分泌成分。 3.a)分泌成分またはその機能的フラグメントを発現できるベクターの構築 ; b)該ベクターによるCHO SSF 3細胞の形質導入; c)形質導入細胞の培養;および d)培養培地からの分泌成分またはそのフラグメントの単離 を含む、請求項1記載の分泌成分またはその機能的フラグメントの製造法。 4.ベクターが分泌成分の可溶性フラグメントを発現できる、請求項3記載の 方法。 5.ベクターが配列番号3および配列番号4に記載の分泌成分の機能的フラグ メントを含む、請求項3記載の方法。 6.ベクターが哺乳類発現ベクターである、請求項3記載の方法。 7.ベクターがpCB6またはpCGA93D-PPRENに基づくものである、請求項3 記載の方法。 8.ベクターがpCB6−SC、pMC−SCまたはpCGA93D-SCである、請求 項3記載の方法。 9.ベクターがCHO SSF 3細胞の染色体へ統合されている、請求項3記載の方 法。 10.増幅された統合ベクターDNAを有する形質導入CHO SSF 3細胞を選択 する、請求項9記載の方法。 11.細胞を無血清培地で培養する、請求項3記載の方法。 12.生産性増加のために、Pluronic(登録商標)を培養培地へ添加する、請 求項3記載の方法。 13.分泌成分またはその機能的フラグメントの溶液を、沈殿剤緩衝液を含む 溶液に入れ、溶液および緩衝液を分離することを含む、分泌成分またはそのフラ グメントの結晶化法。 14.分泌成分またはその機能的フラグメントの溶液が沈殿剤緩衝液を含む、 請求項13記載の方法。 15.沈殿剤緩衝液がNa−クエン酸、HEPES、NaN3、リン酸アンモ ニウムおよび/またはLi2SO4を含む、請求項13記載の方法。 16.沈殿剤緩衝液がNa−クエン酸、NaN3およびリン酸アンモニウム; またはHEPES、NaN3およびLi2SO4を含む、請求項13記載の方法。 17.分泌成分またはその機能的フラグメントが、懸滴法で沈殿剤緩衝液に置 かれている、請求項13記載の方法。 18.請求項1記載のrSCの処置法への使用。 19.三次元構造の決定への、請求項1記載の結晶化rSCの使用。 20.結合研究への請求項1記載のrSCの使用。 21.化合物のポリ−Ig結合への影響の能力のスクリーニングにおける請求 項1記載のrSCの使用。 22.SC媒介IgA輸送のアンタゴニストまたはアゴニストの同定への請求 項1記載のrSCの使用。 23.固体担体に固定化されたもしくはビオチンまたは放射活性、蛍光または 化学発光基を有する、請求項1記載の修飾rSC。 24.請求項1記載のrSCを使用して同定されたアンタゴニストまたはアゴ ニストの処置法における使用。 25.請求項19に従った三次元構造を使用して同定されたアンタゴニストま たはアゴニストの処置法における使用。
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