JPH10511076A - β−ラクタマーゼ阻害剤としての6β−置換ペニシラン酸 - Google Patents

β−ラクタマーゼ阻害剤としての6β−置換ペニシラン酸

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JPH10511076A
JPH10511076A JP8506364A JP50636496A JPH10511076A JP H10511076 A JPH10511076 A JP H10511076A JP 8506364 A JP8506364 A JP 8506364A JP 50636496 A JP50636496 A JP 50636496A JP H10511076 A JPH10511076 A JP H10511076A
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カズハル ノグチ
ロナルド ジー. ミケティシュ
モーゼン ダネシュタラブ
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シンファー ラボラトリーズ,インコーポレーティッド
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    • A61MEDICAL OR VETERINARY SCIENCE; HYGIENE
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Abstract

(57)【要約】 式(XII)の6β−置換ペニシラン酸又はその薬学的に許容される塩若しくはエステル (式中、A及びBは、それぞれ水素であり、その場合A及びBが結合している炭素原子は単結合により結合されており、又はA及びBは一緒に結合を形成しており、その場合A及びBが結合している炭素原子は二重結合により結合されており、R1は、a)水素、b)薬学的に許容される塩及びC)C1-10アルキル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-10シクロアルキル、C3-10シクロアルケニル、アリル、アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリルアルキル、ヘテロサイクリルアルケニル、ヘテロサイクリルアルキニル及びアルキルヘテロサイクリルからなる群より選ばれる薬学的に許容される基、からなる群から選択され;該基c)は、置換されていないか又はフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、アジド、ニトロ、モノアルキル置換アミノ、ジアルキル置換アミノ、アリール置換アミノ、アルカノイルアミノ、アリールカルボニルアミノ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルカノイルオキシ、アリールカルボニルオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、アルカノイルチオ、アリールカルボニルチオ、オキシイミノ、アルコキシイミノ及びカルボキシからなる群より選択される置換基により置換されており、nは、0〜2の整数である。)。

Description

【発明の詳細な説明】 β−ラクタマーゼ阻害剤としての6β−置換ペニシラン酸 発明の背景 β−ラクタム抗生物質は、グラム陽性、グラム陰性、好気性及び嫌気性菌によ り引き起こされる感染症の治療に使用される抗生物質のグループである。β−ラ クタム抗生物質は、細菌感染の予防にも使用される。それらの高い効力及び安全 性により、β−ラクタム抗生物質は、ここ数十年間多くの国において抗菌剤とし て最も頻繁に用いられてきた。臨床上用いられるβ−ラクタム抗生物質の典型的 な例は、ペニシリングループに分類されるベンジルペニシリン(ペニシリンG) 、フェノキシメチルペニシリン(ペニシリンV)、アンピシリン、カルベニシリ ン及びピペラシリン;セファロスポリングループに属するセファロチン、セファ レキシン、セファゾリン、セファロチン、セフォタキシム、セフタジジム及びセ フトリアキソン;モノバクタム類として公知のアズトレオナム及びカルモナム( carmonam);カルバペネム類の一種であるイミペネム(imipenem)である。 β−ラクタム環を加水分解してβ−ラクタム抗生物質を破壊し、該抗生物質を 不活性化する酵素のグループで あるβ−ラクタマーゼは、化学療法剤としてのβ−ラクタム抗生物質の歴史の最 も初期から、ある種のバクテリアにより産生されるものとして知られてきた。β −ラクタム抗生物質が多量に使用された後、β−ラクタマーゼ産生により引き起 こされる細菌耐性の頻度が急速に増大した。β−ラクタマーゼの分離されたもの の数も、急速に増え、その数はなお連続的に増大している。 β−ラクタマーゼを阻害することができる物質は、β−ラクタマーゼ阻害剤と 呼ばれている。慣用されているβ−ラクタマーゼ感受性β−ラクタム抗生物質の 効果は、このようなβ−ラクタマーゼ阻害剤を同時に使用することにより高める ことが可能である。3つのこのような阻害剤、クラブラン酸、スルバクタム及び タゾバクタム(tazobactam)が、目下の所、それぞれアモキシシリン、アンピシ リン及びピペラシリンとの組み合わせにより市場において入手可能である(Anti microb.Agents Chemother.1977,11,852,Antimicrob.Agents Chemother.1 978,14,414,J.Med.Chem.1987,30,1074)。これら阻害剤は、慣用されて いる抗生物質の種々のバクテリアに対する効果を高めることが判ったが、染色体 中にコード化された誘導性のセファロスポリナーゼ又はクラスCセファロスポリ ナーゼとして知られているβ−ラク タマーゼの主要なクラスの一つから、抗生物質を保護することができなかった。 診療所におけるより新しい世代のセファロスポリン抗生物質の頻繁な使用により 、クラスCセファロスポリナーゼにより引き起こされる細菌耐性の出現が増加し ている。セファロスポリナーゼを阻害することのできるいくつかのセファロスポ リン誘導体が報告されている(Antimicrob.Agents Chemother.1982,21,613 )。 発明の概要 本発明は、式I及びIIの新規な6β−置換ペニシラン酸並びにその薬学的に 許容される塩基塩(base salts)及びそのエステルを提供する。 (式中、R1は、水素、薬学的に許容される塩基塩、置換された又は置換されて いない炭素原子数1〜10のアルキル、アルケニル、又はアルキニル基、例えば 、メチ ル、エチル、プロピル、イソプロピル、プロペニル、プロピニル、ブチル、イソ ブチル、tert−ブチル、ブテニル、ブチニル、ペンチル、ペンテニル、ペンチニ ル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等、炭素原子数3〜10の シクロアルキル、シクロアルケニル、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、 シクロペンチル、シクロペンテニル、シクロヘキシル、シクロヘキセニル、シク ロヘプチル、シクロオクチル、シクロノニル、シクロデシル等、アリール基、ア ラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロサイクリル(heterocyclyl)、 ヘテロサイクリルアルキル、ヘテロサイクリルアルケニル、ヘテロサイクリルア ルキニル、アルキルヘテロサイクリルであって、分子のアリール部分がフェニル 又はナフチルのいずれかであって、分子の複素環部分が1〜5個の炭素原子及び 少なくとも1つのヘテロ原子を有している、例えば、ピリジニル、ピラジニル、 ピロリル、フリル、チエニル、イミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チ アゾリル及びオキサゾリル等であり、上記した基の置換基は、フルオロ、クロロ 、ブロモ、ヨード、アジド、ニトロ、モノアルキル若しくはジアルキル又はアリ ール置換されたアミノ、アルカノイルアミノ、アリールカルボニルアミノ、シア ノ、ヒドロキシ、アルキル オキシ、アリールオキシ、アルカノイルオキシ、アリールカルボニルオキシ、メ ルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、アルカノイルチオ、アリールカルボニ ルチオ、オキシイミノ、アルコキシイミノ、カルボキシであってもよく、該置換 基は、互いに独立して、1以上存在し、分子のアルキル部分は、1〜10個の炭 素原子を有しており、分子のアルカノイル部分は、1〜6個の炭素原子を有して おり、分子のアリール部分は、フェニル又はナフチルであって;nは、0〜2の 整数である。) 上記した薬学的に許容される塩の例は、リチウム、ナトリウム、カリウム塩等 のようなアルカリ金属塩、カルシウム、マグネシウム塩等のようなアルカリ土類 金属塩、アンモニア、エチルアミン、エタノールアミン、ブチルアミン、ジエチ ルアミン、モルホリン、ピロリジン、トリエチルアミン等の無機又は有機アミン 塩である。 上記した薬学的に許容されるエステルの例は、例えば、アリル、メチル、エチ ル、ベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、p−メトキシベンジ ル、ジフェニルメチル、トリクロロエチル、ピバロイルオキシメチル、トリメチ ルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、トリエチルシリル等のような化学 的に又は酵素により容易に脱離できる基である。 本発明の式I及びIIの化合物並びにその薬学的に許容される塩基塩は、効果 的なβ−ラクタマーゼ阻害剤であり、それらは、慣用されているβ−ラクタマー ゼ感受性β−ラクタム抗生物質を、バクテリアから産生されたβ−ラクタマーゼ による分解から保護する。高濃度においては、本発明の化合物は、広い範囲のβ −ラクタマーゼを阻害し、一方、低濃度においては、該化合物は、クラスCセフ ァロスポリナーゼを選択的に阻害する。 従って、本発明は、ほ乳類の被験者におけるβ−ラクタマーゼ産生バクテリア により引き起こされる細菌感染の改良された治療方法をも提供するものであり、 該方法においては、本発明の化合物は、慣用されているβ−ラクタム抗生物質と 併用される。ここでいう慣用されているβ−ラクタム抗生物質は、いわゆる古典 的及び非古典的β−ラクタム抗生物質である。古典的β−ラクタム抗生物質は、 ペニシリン類及びセファロスポリン類を含み、一方、非古典的β−ラクタム抗生 物質は、モノバクタム類、ペネム類及びカルバペネム類のような抗生物質を示す 。 本発明は、本発明のβ−ラクタマーゼ阻害剤及び薬学的に許容される担体又は 希釈剤を含有する製剤組成物にも関する。 本発明は、さらに、式III及びIVの化合物にも関する: (式中、R1及びnは、前記に定義された通りであり、R2は、例えば、メチル 、アリル、ベンジル、メトキシベンジル、ジメトキシベンジル、p−ニトロベン ジル、o−ニトロベンジル、ベンズヒドリル、トリクロロエチル、トリメチルシ リル、トリエチルシリル、トリイソプロピルシリル、tert−ブチルジメチル シリルシリル、tert−ブチルジフェニルシリル又はピバロイルオキシメチル 基のようなカルボキシル保護基である)。式III及びIVの化合物は、本発明の 式I及びIIのβ−ラクタマーゼ阻害剤の中間体として有用である。 本発明は、式XII: の6β−置換ペニシラン酸又はその薬学的に許容される塩若しくはエステルにも 関する (式中、A及びBは、それぞれ水素原子であって、その場合A及びBが結合して いる炭素原子は単結合により結合されており、又はA及びBは一緒に結合を形成 しており、その場合A及びBが結合している炭素原子は二重結合により結合され ており、 R1は、a)水素、b)薬学的に許容される塩及びc)C1-10アルキル、C2- 10 アルケニル、C2-10アルキニル、C3-10シクロアルキル、C3-10シクロアルケ ニル、アリル、アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロサ イクリル、ヘテロサイクリルアルキル、ヘテロサイクリルアルケニル、ヘテロサ イクリルアルキニル及びアルキルヘテロサイクリルからなる群より選ばれる薬学 的に許容される基、からなる群から選択され;該基c)は、置換されていないか 又はフルオロ、クロロ、 ブロモ、ヨード、アジド、ニトロ、モノアルキル置換アミノ、ジアルキル置換ア ミノ、アリール置換アミノ、アルカノイルアミノ、アリールカルボニルアミノ、 シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルカノイルオキシ、アリ ールカルボニルオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチオ、アルカノイ ルチオ、アリールカルボニルチオ、オキシイミノ、アルコキシイミノ及びカルボ キシからなる群より選択される置換基により置換されており、該置換基は、各々 独立して、1以上存在し、分子のアルキル部分は、1〜10個の炭素原子を含有 し、分子のアルカノイル部分は、1〜6の炭素原子を含有し、分子のアリール部 分はフェニル又はナフチルであり;nは、0〜2の整数であり、 nは0から2の間の整数である。 発明の詳細な記載 本発明のβ−ラクタマーゼ阻害剤は、式I及びIIの化合物である。 本発明の化合物は、バクテリアにより産生される広い範囲のβ−ラクタマーゼ に対する有用なβ−ラクタマーゼ阻害剤であるが、本発明の化合物は、グラム陰 性バクテリアにより産生される、臨床的に重要な、染色体中に コードされたセファロスポリナーゼの特に強力な阻害剤であることを強調する必 要がある。 β−ラクタマーゼの分類には、いくつかの方法が知られている。上記したセフ ァロスポリナーゼは、リッチモンド及びサイクスの方法(the method of Richmo nd and Sykes)(Adv.Microb.Physiol.1973,9,31)によるとクラスI酵素 に、ブッシュの分類(Bush's classification)(Antimicrob.Agents Chemothe r.1989,33,259,264,及び271)によるとグループ1に属する。これらセファ ロスポリナーゼは、アミノ酸配列に基づく分類(Proc.Natl.Acad.Sci.U.S.A .1981,78,4897)によると“クラスC”酵素とも呼ばれる。 クラスCセファロスポリナーゼにより引き起こされる臨床上の問題は、研究者 及び臨床医によく認識されている。クラスCセファロスポリナーゼ産生バクテリ アの最も大きな問題は、“抑制解除(derepression)”と呼ばれる現象に由来す るものであり、該現象は、セファロスポリナーゼの安定な高産生をもたらす。“ 抑制解除”は、グラム陰性バクテリアを、半致命的な濃度のβ−ラクタム抗生物 質でチャレンジした後に時々起こる。グラム陰性バクテリアの抑制解除された突 然変異体において、セファロスポリナーゼは、第三世代セファロスポリンのよ うなセファロスポリナーゼに安定なβ−ラクタム抗生物質でさえ徐々に且つ広範 囲に分解されるほど大量に産生される。 本発明の代表的な化合物Ia(I、R1=Me、n=0)、Ib(I、R1= Et、n=0)、Ic、(I、R1=Na,n=0)、Id(I,R1=Et, n=2)、及びIIa(II、R1=アリル、n=0)は、エンテロバクターク ロアカエ(Enterobacter cloacae)から分離された代表的なセファロスポリナー ゼを、それぞれ、6.1x10-10M、4.9x10-10M、9.1x10-9M、 1.5x10-7M及び7.0x10-9MのIC50濃度において阻害することが 見出された。同じ化合物IaIbIc及びIdが、それぞれ1.4x10-6 M、7.3x10-6M、9.8x10-6M及び5.3x10-5MのIC50濃度 において、大腸菌(E.coli)由来のTEM2酵素を阻害した。異なる種類のβ −ラクタマーゼに対するIC50値のこのような相違のために、これら阻害剤は 、低い濃度における選択的なセファロスポリナーゼ阻害剤とみなされる。 全細胞バクテリアを用いて、化合物Ia及びIcは、セファロチンと組み合わ せて用いると、表1に示されるように、グラム陰性バクテリアに対する相乗的な 活性を 有することが示された一方で化合物Ia及びIc自体は、濃度128mg/ml までは抗菌活性を示さなかった。 本発明の化合物は、治療上の目的に有用なだけでなく、上記したセファロスポ リナーゼに対する高い選択性により、細菌性のβ−ラクタマーゼを研究する有用 な手段をも提供する。これら阻害剤は、例えば、バクテリアがセ ファロスポリナーゼの一種と他のクラスからのもう一つの又はそれ以上のβ−ラ クタマーゼを同時に産生するような場合において、実験ツールとして極めて有用 である。β−ラクタマーゼの混合物に適当な濃度の該阻害剤を加えることにより 、例えば、セファロスポリナーゼの酵素による効果は、混合物から選択的に除去 され、共存するβ−ラクタマーゼの性質が、各々の酵素を分離することなくより 容易に特定できる。 式Iの本発明化合物は、以下の反応スキームに描かれた手順により調製される : そして、化合物IIは、以下の反応スキームに描かれた手順により調製される: 上記両方の反応スキーム中、R1及びR2は、前記に定義した通りであり、mは 、1又は2であり、R3は、典型的には、置換されていない又は置換されたアリ ール又はヘテロサイクリル基等であり、上記した基の置換基は、フルオロ、クロ ロ、ブロモ、ヨード、アジド、ニトロ、アルキル、アルキルオキシ、カルボキシ 、アルキルオキシカルボニル等であってもよく、式中置換基は各々独立して、1 以上存在し、分子のアルキル部分は1〜6個の炭素原子を含有する。X1又はX 2は、クロロ、ブロモ、ヨードから選択され、互いに独立している。 以下に、前記の反応ダイアグラムを、より詳細に説明する。 スルフィドからスルホキシド(m=1)又はスルホン(m=2)への酸 化は、慣用されている酸化剤により行うことができる。スルホキシド(m=1 )への酸化の場合、過酸化水素又はペルオキシ有機酸、例えば、過酢酸、3−ク ロロペルオキシ安息香酸若しくはモノペルオキシフタル酸マグネシウム塩を、例 えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、メタノール、エタノール、 アセトン、蟻酸、酢酸、H2O等又は該溶媒の2種以上の混合物のような適当な 溶媒中において用いることができる。典型的には、1〜5当量の酸化剤を用いる 。 スルホキシド(m=1)への酸化も、オゾン分解又は過剰の酸化剤を用いる一 般的なオゾン化物によりを処理することによりなし得る。スルホン(m=2 )は、スルフィドを、2当量を越える、典型的には2〜10当量の有機ペルオ キシ酸、例えば3−クロロペルオキシ安息香酸、モノペルオキシフタル酸マグネ シウム塩等を用いて、3−クロロペルオキシ安息香酸の場合は、ジクロロメタン 、クロロホルム、四塩化炭素のような有機溶媒中で、モノペルオキシフタル酸マ グネシウム塩の場合は水性エタノール又は相間移動試薬(phase transfer agent )を用いるクロロホルム/H2O中で処理することにより調製できる。スルホン (m=2)は、スルフィドを、過マンガン酸カリウムで、水性アセトン、水 性酢酸のような適当な溶媒中で酸化することにより合成することもできる。該反 応は、通常、−30℃から室温の間において行い、典型的には、2〜5当量の試 薬を用いる。スルホン(m=2)は、反応(−−>、m=2)について記 載された方法を用いることにより、スルホキシド(m=1)から誘導すること もできる。通常、スルフィドからスルホキシド(m=1)への酸化反応は、 スルホキシド2(m=1)からスルホン2(m=2)への反応よりもかなり穏や かな条件で進行する。例 えば、3−クロロペルオキシ安息香酸を用いてをスルホン(m=2)へ酸化 する場合、スルホキシド(m=1)への最初の酸化は、0℃において2〜30 分で完了し、一方、スルホン(m=2)への次の酸化は、完了までに室温にお いて15〜40時間を必要とする。従って、適当な酸化剤を選ぶことにより、及 び適当な反応条件を選択することにより、スルホキシド(m=1)とスルホン (m=2)を、独立して合成することができる。 及びを形成するためのスルフィド及びスルホキシド又はスルホンの側 鎖へのジチオラン基の導入は、又はを、大過剰の二硫化炭素の存在下で2〜 5当量の適当な塩基及び1〜5当量の1,2−ジハロエタンを用いて処理するこ とにより行うことができる。或いは、二硫化炭素及び1,2−ジハロエタンは、 塩基を用いて又はを処理した後に導入することができる。塩基としては、ト リエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン(Dabco )、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン(DBN)、1,8− ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)、水素化ナトリウム 、カリウムtert−ブトキシド等が使用できる。上記した1,2−ジハロエタ ンには、1,2−ジクロロエタン、1−ブロモ−2−クロロエタン、1−クロロ −2−ヨードエタン、1,2−ジブロモエタン、1−ブロモ−2−ヨードエタン 、1,2−ジヨードエタンが包含される。前記反応は、通常、適当な溶媒中にお いて行われる。好ましい溶媒は、例えば、ベンゼン、トルエン、エチルエーテル 、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルホル ムアミド、1−メチル−2−ピロリジノン、メチルスルホキシド、ヘキサメチル ホスホルアミド等のような非プロトン性溶媒である。前記反応は、過剰の二硫化 炭素又は過剰のジハロエタンを用いて、他の溶媒を用いずに行うこともできる。 一般的には、前記反応は、極性の小さい非プロトン性溶媒中よりも、ジメチルホ ルムアミド、メチルスルフィド又はヘキサメチルホスホルアミドのような極性非 プロトン性溶媒中の方が速く進行する。典型的な反応温度は、約−70℃から室 温であり、典型的な反応時間は、約10分〜24時間である。 11及び12を形成するためのスルフィド及びスルホキシド又はスルホン の側鎖へのジチオラン基の導入は、2つの反応工程により行うことができる。ま ず、又はを、大過剰の二硫化炭素の存在下において2〜5当量の適当な塩基 及び1〜5当量のジハロ試薬を用い て処理し、ジチオラン誘導体及び10を得る。或いは、二硫化炭素及びジハロ 試薬を、塩基を用いて又はを処理した後に導入することができる。塩基と しては、トリエチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン( Dabco)、1,5−ジアザビシクロ[4,3,0]−5−ノネン(DBN) 、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]−7−ウンデセン(DBU)、水素化 ナトリウム、カリウムtert−ブトキシド等が使用できる。該反応は、通常、 適当な溶媒中において行われる。好ましい溶媒は、例えば、ベンゼン、トルエン 、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタ ン、ジメチルホルムアミド、1−メチル−2−ピロリジノン、メチルスルホキシ ド、ヘキサメチルホスホルアミド等のような非プロトン性溶媒である。前記反応 は、付加的な溶媒を用いずに、過剰の二硫化炭素を用いて行うことも可能である 。一般的には、前記反応は、極性の小さい非プロトン性溶媒中よりも、ジメチル ホルムアミド、メチルスルフィド又はヘキサメチルホスホルアミドのような極性 非プロトン性溶媒中の方が速く進行する。典型的な反応温度は、約−70℃から 室温であり、典型的な反応時間は、約10分〜24時間である。第2番目に、 及び10を、例えば、メタノー ル、エタノール、ジクロロメタン、クロロホルム、酢酸エチル、ベンゼン、トル エン、キシレン、テトラヒドロフラン等のような適当な溶媒中において加熱する ことにより11及び12に転換できる。典型的な反応温度は、40℃〜150℃ であり、典型的な反応時間は、10分〜5時間である カルボキシル保護基の脱離(−−>)、(−−>)、(11−−> )又は(12−−>14)は、慣用されている手順により行われる。例えば、 アリル基は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)のような 0価のパラジウム触媒を用いて、1〜5当量のアルカン酸アルカリ塩、例えば2 −エチルヘキサン酸ナトリウム、シクロヘキサンカルボン酸カリウム等の存在下 において、適当な溶媒中においてアリルエステルを処理することにより脱保護で きる。該溶媒は、プロトン性又は非プロトン性溶媒、例えば、メタノール、エタ ノール、ベンゼン、トルエン、酢酸エチル、エチルエーテル、テトラヒドロフラ ン、1,2−ジメトキシエタン、ジメチルホルムアミド、メチルスルホキシド等 である。上記した溶媒の2種又はそれ以上を、混合物として反応に用いることが できる。反応におけるパラジウム触媒の典型的な量は、0.01〜0.5当量で あって、 好ましくは、0.05〜0.2当量の触媒が用いられる。この反応の典型的な反 応温度は、−30℃から室温であり、反応は、典型的には5分〜5時間続く。得 られた所望のカルボン酸のナトリウム又はカリウム塩が反応混合物から沈殿する 場合、前記反応は、通常、より短い時間で終了する。得られたカルボン酸ナトリ ウム又はカリウムは、該カルボン酸塩を1当量を越える有機酸又は塩酸、硫酸等 のような無機酸を用いて処理することにより、遊離のカルボン酸又はに転換 できる。置換された又は置換されていないベンジル基は、チャーコール上のパラ ジウム、アルミナ上のパラジウム等を用いてメタノール、エタノール、酢酸エチ ル等の適当な溶媒中で、H2Oの存在下又は非存在下において接触水素化を行う ことにより脱離できる。水素化の典型的な圧力は、1〜50atmである。反応は 、典型的には、室温において5分〜24時間以内に完了する。メトキシベンジル 基及びベンズヒドリル基は、アニソールの存在下に、ルイス酸を用いてエステル を処理することにより脱離できる。ルイス酸としては、典型的には、塩化アルミ ニウム又はトリフルオロ酢酸が用いられる。1.5〜5当量の塩化アルミニウム 又は大過剰のトリフルオロ酢酸が、通常、必要とされる。反応は、付加的な溶媒 の存在下又は非存在下において行 うことができる。好ましい溶媒は、ジクロロメタン、クロロホルム、ベンゼン、 トルエン、エチルエーテル、テトラヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン等 の非プロトン性溶媒である。典型的な反応温度は、−70℃から室温であり、典 型的な反応時間は、10分〜5時間である。トリクロロエチル基の脱離は、酢酸 、テトラヒドロフラン/H2O、テトラヒドロフラン/NH4Cl水溶液等のよ うな溶媒中での亜鉛還元により行うことができる。亜鉛の典型的な量は、2〜1 0当量であり、典型的な反応温度は、0℃から室温であり、典型的な反応時間は 、5分〜2時間である。シリルエステルは、例えばテトラブチルアンモニウムフ ルオライド、ピリジニウムフルオライド等のフルオロアニオン種を含有する試薬 を用いてエステルを処理することにより脱離できる。 以下に、出発物質の合成を詳述する。は、以下の反応スキーム に示されるように6−アミノペニシラン酸(15)から調製するか: 又は、以下の反応スキームに示されるようにカルボキシ保護された6−アミノペ ニシラン酸18から出発して製造される: (上記式中、R1、R2は、すでに定義された通りである。X3は、クロロ、ブ ロモ、イミダゾリル、(シクロヘキシアミノ)(シクロヘキシルイミノ)メチル オキシ、ベンズトリアゾリル−Nl−オキシ、フタルイミド−N−オキシ等のよ うなアシル活性化基である。) アシル化反応(15−−>17)のために、6−アミノペニシラン酸15を適 当な塩基の存在下又は非存在下において1〜3当量のアシル化剤16を用いて処 理する。典型的には、1〜5当量の塩基、例えば炭酸水素ナトリウム、トリエチ ルアミン、ピリジン、4−ジメチルアミ ノピリジン等を、必要に応じて用いる。該反応は、典型的には、付加的な溶媒を 用いて、又は用いずに、水溶液中において行われる。該付加的な溶媒は、アセト ン、メタノール、エタノール、テトラヒドロフランのような水混和性溶媒、又は 酢酸エチル、エチルエーテル、ベンゼン、トルエン、ジクロロメタン、クロロホ ルム等のような非水混和性溶媒であってよい。塩化アシル(X3=Cl)をアシ ル化試薬として用いる場合には、例えば、塩化アシルの有機溶媒溶液を、6−ア ミノペニシラン酸と炭酸水素ナトリウムの水溶液に加えて反応させる。典型的な 反応温度は、0℃から室温であり、典型的な反応時間は、10分〜5時間である 。 カルボン酸17を、慣用されているエステル化反応(一般的な手順は、Protec tive Groups in Organic Synthesis,T.W.Greene,A Wiley-Interscience Pub lication,U.S.A.に記載されている)によりエステルに転換することができ る。例えば、17を、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムア ミド又はメチルスルホキシドのような適当な溶媒中において、1〜5当量の塩基 、例えばトリエチルアミン、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム等及び1〜10 当量の適当なアルキルハライドを用いて処理すると、アリルエステル、置換さ れていない又は置換されたベンジルエステル、その他の所望のエステルが合成 できる。17を、1〜2当量のジフェニルジアゾメタンを用いて処理すると、ベ ンズヒドリルエステル(R2=CHPh2)が合成できる。17を、1〜2当 量のジシクロヘキシルカルボジイミドを用いて過剰のトリクロロエタノールの存 在下において処理すると、トリクロロエチルエステル1(R2=CH2CCl3) が合成できる。 公知の6−アミノペニシラン酸エステル18(Synthesis、1983,549 −552)から出発すると、−アシル化反応により合成できる。従って、18 を、1〜5当量のアシル化剤16を用いてジクロロメタン、クロロホルム、 酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド等のような適当な溶媒 中において、塩基を用いて又は用いずに処理すると、所望の出発化合物を得る 。該塩基は、必要に応じて、トリエチルアミン、ピリジン、炭酸水素ナトリウム 、炭酸ナトリウム等であり得る。典型的には、1〜5当量の塩基を用いる。該塩 基は、反応混合物に直接又は水溶液として添加することができる。典型的な反応 温度は、−70℃から室温であり、典型的な反応時間は、10分〜5時間である 。 ジハロ試薬は、以下のスキームに示されるように合成される: (式中、R3、X1及びX2は、すでに定義した通りである。) 即ち、β−ハロ−チオエーテル19を、最初に、1〜1.5当量の適当なハロ ゲン化試薬、例えば塩素、塩化スルフリル、臭素等を用いて19を処理すること により、α,β−ジハロ−チオエーテル20に転換する。この反応のために、ジ クロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ベンゼン等のようなハロゲン化反応 に対して不活性である非プロトン性溶媒を適当に用いる。典型的には、 反応は、−70℃から室温で行い、典型的な反応時間は、10分〜5時間である 。 スルフィド20からスルホキシドへの酸化反応は、1〜3当量の酸化剤、例 えば過酸化水素、過酢酸、3−クロロペルオキシ安息香酸、モノペルオキシフタ ル酸マグネシウム塩等を用いて、適当な溶媒又は2以上の溶媒の混合物中におい て行うことができる。典型的には、溶媒は、ジクロロメタン、クロロホルム、二 硫化炭素、エチルエーテル、酢酸エチル、H2O、メタノール、エタノール、蟻 酸、酢酸等から選択される。典型的な反応温度は、−20℃〜50℃であり、反 応は、典型的には、5分〜2時間を要する。 本発明の一般的な記載において、R1は、水素、薬学的に許容される塩基塩、 置換された又は置換されていない1〜6個の炭素原子を有する、アルキル、アル ケニル、アルキニル基、3〜6個の炭素原子を有する、シクロアルキル、シクロ アルケニル、分子のアリール部分がフェニル又はナフチルであるアリール基、ア ラルキル基から選択されるのが好まく、上記した基の置換基は、フルオロ、クロ ロ、ブロモ、ヨード、アジド、ニトロ、シアノ、アルコキシ、アリールオキシ、 アルキルチオ、アリールチオ、アルコキシイミノ、カルボキシルであって、該置 換基は、各々独立しており、1つ以上存在し、分子のアルキル部分は、1〜6個 の炭素原子を含有しており、分子のアリール部分は、6〜10個の炭素原子を有 している。R2は、好ましくは、メチル、アリル、ベンジル、メトキシベンジル 、ジメトキシベンジル、o−ニトロベンジル、p−ニトロベンジル、ベンズヒド リル、トリクロロエチル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリイソプロ ピルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、tert−ブチルジフェニルシ リル又はピバロイルオキシメチル基から選択される。好ましいnは、0〜2の整 数である。 式I及びIIの化合物の薬学的に許容される塩も、本発明の範囲内とみなされ る。これら塩は、慣用されている方法、例えば、式I及びIIの酸を無機又は有 機塩基を用いて水性の、非水系の、又は部分的に水性の媒体中で混合することに より製造できる。塩の形成のための通常の塩基性物質は、アルカリ金属の水素化 物、水酸化物、アルコキシド、炭酸水素塩、炭酸塩、カルボン酸塩、アルカリ土 類金属の水素化物、水酸化物、アルコキシド及び炭酸塩、アンモニア並びに有機 アミン類である。これら塩基性物質の代表的な例は、水素化ナトリウム、水酸化 ナトリウム、ナトリウムメトキシド、炭酸水素ナトリ ウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸水素カリウム、炭酸カリウム、水 素化カルシウム、水酸化バリウム、炭酸カルシウム、2−エチルヘキサン酸ナト リウム、アンモニア、エチルアミン、エタノールアミン、ブチルアミン、ベンジ ルアミン、アニリンのような第一級アミン類;ジエチルアミン、モルホリン、ピ ロリジン及びピペリジンのような第二級アミン類;トリエチルアミン、N−エチ ルピペリジン、1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネン及び1,8 −ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセンのような第三級アミン類であ る。 式I及びIIの化合物の好ましい塩は、ナトリウム、カリウム及びトリエチル アミン塩である。 以下に示すように、式I及びIIの化合物は、強力なβ−ラクタマーゼ阻害剤 であり、それらは多くのβ−ラクタマーゼ産生微生物に対する慣用されているβ −ラクタム抗生物質の抗菌効果を増大させる。該慣用されているβ−ラクタム抗 生物質は、ペニシリンG、ペニシリンV、アンピシリン、アモキシシリン、カル ベニシリン、スルベニシリン、チカルシリン、アズロシリン(azlocillin)、メ ズロシリン、ピペラシリン、アズトレオナム、カルモナム、イミペネム(imipen em)、メロペネム、ビ アペネム(biapenem)、セファロチン、セファピリン(cephapirin)、セファレ キシン、セフラジン(cephradine)、セフロキシム(cefroxime)、セファクロ ル、セファドロキシル、セファマンドール、セファゾリン、セフィキシム、セフ メタゾール、セフォニシド(cefonicid)、セフォペラゾン、セフォタキシム、 セフォテタン(cefotetane)、セフォキシチン、セフチゾキシム、セフトリアキ ソン、セフタジジム、セフピロム、及びセフェピムである。式I及びIIの化合 物並びにその薬学的に許容される塩のこの能力により、これら化合物は、ペニシ リン類及びセファロスポリン類のような慣用されているβ−ラクタム抗生物質と 共に使用して、ほ乳類、特にヒトにおける細菌感染を治療するのに価値あるもの になる。式I及びIIの化合物並びにその薬学的に許容される塩は、治療に先立 ってβ−ラクタム抗生物質と混合し、2つの物質を同時に投与することができ、 又は、式I及びIIの化合物又はその薬学的に許容される塩は、β−ラクタム抗 生物質を用いる治療の間に別個の薬剤として投与することができる。それらは、 経口、局所、又は非経口、即ち、静脈内、筋肉内、皮下若しくは腹腔内投与でき る。これらβ−ラクタマーゼ阻害剤及びβ−ラクタマーゼ阻害剤/β−ラクタム 抗生物質の組合せは、 カプセル剤形、錠剤形、散剤形、溶液、懸濁液若しくはエマルジョン剤形、エリ キシル剤形又は軟膏剤、クリーム若しくはローションの剤形をとることができる 。 β−ラクタム抗生物質を有し又は有しない本発明化合物の上記製剤は、活性成 分に加え、希釈剤、安定剤、酸化防止剤、バインダー、防腐剤、滑沢剤、懸濁化 剤、粘度調節剤、矯味矯臭剤、着色剤等の薬学的に許容される付加的な成分を含 有することができる。 本発明のβ−ラクタマーゼ阻害剤とβ−ラクタム抗生物質の比率は、標準的に は、約1:10〜10:1、好ましくは、約1:5〜5:1の範囲である。本発 明の化合物が、β−ラクタム抗生物質の抗菌効果を高めるためにβ−ラクタム抗 生物質と共に用いられる場合、各活性成分の一日当たりの投与量は、経口及び非 経口の投与のいずれも、標準的には、体重1キログラム当たり10〜400mg の範囲である。しかし、投与量は、治療される被験者の状態、宿主の体重、投与 の方法及び頻度に依存し、上記した範囲外の用量を使う必要もある。 β−ラクタマーゼ阻害剤とβ−ラクタム抗生物質は、キットの形で提供し得る 。そのようなキットは、薬学的に許容される担体と組み合わせたβ−ラクタマー ゼ阻害剤と薬学的に許容される担体と組み合わせたβ−ラクタ ム抗生物質を含むであろう。β−ラクタマーゼ阻害剤とβ−ラクタム抗生物質は 、別々に包装され、投与する前に合わせるか又は別々に投与することができる。 以下の実施例は、本発明の生成物、方法、調製及び治療方法をさらに説明する 。 実施例1 6β−[(1,3−ジチオラン−2−イリデン)(メトキシカルボニル)アセ トアミド]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボン酸、そのナトリウム塩及び そのアリルエステルの製造 A.アリル 6β−[(メトキシカルボニル)アセトアミド]−2,2−ジメチ ルペナム−3−カルボキシレート マロン酸モノメチルエステル(2.95g,25mmol)を25mLの無水 ベンゼン中に溶解し、2.5mLの塩化オキサリル及び2滴のジメチルホルムア ミドで処理した。反応混合物を室温で3時間攪拌した。溶媒を蒸発させて粗メチ ルマロニルクロライドを得、これを精製せずに次反応に用いた。 メチルマロニルクロライド(25mmol)を25mLのトルエンに溶解させ てなる溶液を、6−アミノペニ シラン酸(5.41g,25mmol)及び重炭酸ナトリウム(5.25g,6 2.5mmol)を50mLのH2Oに溶解させてなる溶液に0℃で加えた。反 応混合物を室温で30分攪拌した。水層を分取し、ジクロロメタンで洗浄し、濃 HCl溶液でpH2に酸性化した。混合物を酢酸エチルで数回抽出し、合せた有 機層を飽和NaCl溶液で洗浄した。Na2SO4で乾燥後、抽出物を真空中で濃 縮して粗カルボン酸を得、即座にこれをエステル化反応に供した。 得られたカルボン酸を、ふるい乾燥した(seive-dried)20mLのジメチル ホルムアミドに溶解し、トリエチルアミン(3.5mL,25mmol)及び臭 化アリル(2.60mL,30mmol)で処理した。反応混合物を室温で、窒 素雰囲気下にて一晩攪拌した。溶媒を除去し得られた残渣を、ジクロロメタンに 溶解し、水及び飽和NaCl溶液で洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥した。濃縮 後、残渣をクロロホルム一酢酸エチル(95:5)を溶出液に用いたシリカゲル クロマトグラフィーに供し、標題化合物(2.82g,32%)を白色泡沫とし て得た。:IR(CHCl3)1790,1740,1685cm-1;1H NM R(CDCl3)δ1.51及び1.67(それぞれ3H,s,C2−(C 32 ),3. 30−3.45(2H,m,COC 2CO),3.76(3H,s,OC 3) ,4.48(IH,s,C3),4.64−4.68(4H,m,OC 2C H=CH2),5.25−5.41(41,m,OCH2CH=C 2),5.5 6(1H,d,J=4Hz,C5−),5.75(1H,dd,J=4及び9 Hz,C2),5.84−5.98(2H,m,OCH2=CH2),8 .07(1H,d,J=9Hz,N)。 B.アリル 6β−[(1,3−ジチオラン−2−イリデン)(メトキシカルボ ニル)アセトアミド]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボキシレート アリル 6β−[(メトキシカルボニル)アセトアミド]−2,2−ジメチル ペナム−3−カルボキシレート(713mg,2mmol)を、ふるい乾燥した (seive-dried)2mLのジメチルホルムアミドに溶解させてなる攪拌溶液に、 0℃で二硫化炭素(1mL)を加え、次いで水素化ナトリウム、60%(160 mg,4mmol)を小分けにして加えた。反応混合物を窒素雰囲気下にて0℃ で10分攪拌し、ジブロモメタン(413mg,2.2mmol)で処理した。 混合物を0℃で30分攪拌し、トルエンで希釈し、水及び飽和NaCl溶液で洗 浄し、Na2SO4で乾燥した。溶液を褐色オイルにまで濃縮し、これをクロロ ホルム−酢酸エチル(95:5)を溶出液に用いたシリカゲルクロマトグラフィ ーに供し、標題化合物(811mg,88%)を黄色泡沫として得た。:IR( CHCl3)1790,1750,1685cm-1;1H NMR(CDCl3)δ 1.50及び1.67(それぞれ3H,s,C2−(C 32),3.33(4 H,s,SC 2 2S),3.88(3H,s,CO2C 3),4.48( 1H,s,C3),4.64−4.68(2H,m,OC 2CH=CH2) ,5.25−5.42(2H,m,OCH2CH=C 2),5.58(1H,d ,J=4Hz,C5),5.83(1H,dd,J=4及び9Hz,C6 ),5.85−6.00(1H,m,OCH2=CH2),8.97(1H, d,J=9Hz,N) C.6β−[(1,3−ジチオラン−2−イリデン)(メトキシカルボニル)ア セトアミド]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボン酸ナトリウム アリル 6β−[(1,3−ジチオラン−2−イリデン)(メトキシカルボニ ル)アセトアミド]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボキシレート(459 mg, 1mmol)を0.25Nの2−エチルヘキサン酸ナトリウム/酢酸エチル溶液 (4mL)に溶解し、トリフェニルホスフィン(30mg)及びテトラキス(ト リフェニルホスフィン)パラジウム(0)(30mg)で処理した。反応混合物 を窒素雰囲気下にて室温で2時間攪拌した。生成した沈殿を濾過して集め、酢酸 エチル及びジエチルエーテルで洗浄し、真空中で乾燥し、標題化合物(368m g,84%)を淡黄色粉末として得た。:1H NMR(D2O)δ1.40及び 1.50(それぞれ3H,s,C2−(C 32),3.25−3.45(4H ,m,SC 2 2S),3.69(3H,s,OC 3),4.13(1H, s,C3),5.45−5.52(2H,m,C5及びC6) 実施例2 6β−[(1,3−ジチオラン−2−イリデン)(エトキシカルボニル)アセ トアミド]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボン酸、そのナトリウム塩及び そのアリルエステルの製造 A.アリル 6β−[(エトキシカルボニル)アセトアミド]−2,2−ジメチ ルペナム−3−カルボキシレー ト 上記の実施例1の方法Aに記載されているものと同様の方法により、マロン酸 モノエチルエステル(6.61g,50mmol)及び6−アミノペニシラン酸 (10.8g,50mmol)から標題化合物(9.35g,51%)を無色結 晶として得た。:m.p.68−69℃(トルエン);IR(CHCl3)17 90,4745,1725,1680cm-1;1H NMR(CDCl3)δ1. 28(3H,t,J=7Hz,CH2 3),1.50及び1.67(それぞれ 3H,s,C2−(C 32),3.37(2H,s,COC 2CO),4.2 1(2H,q,J=7Hz,C 2CH3),4.48(1H,s,C3), 4.64−4.70(2H,m,OC2CH=CH2),5.25−5.40 (2H,m,OCH2CH=C 2),5.56(1H,d,J=4Hz,C5 ),5.75(1H,dd,J=4及び9Hz,C6),5.84−6. 00(1H,m,OCH2=CH2),8.11(1H,d,J=9Hz,N )。 B.アリル 6β−[(1,3−ジチオラン−2−イリデン)(エトキシカルボ ニル)アセトアミド]−2,2 −ジメチルペナム−3−カルボキシレート 二硫化炭素(1.5mL)、1,2−ジブロモエタン(845mg,4.5m mol)及び水素化ナトリウム、60%(240mg,6mmol)を順次0℃ で、アリル 6β−[(エトキシカルボニル)アセトアミド]−2,2−ジメチ ルペナム−3−カルボキシレート(1.11g,3mmol)を3mLのジメチ ルホルムアミドに溶解させてなる溶液に加えた。反応混合物を窒素雰囲気下にて 0℃で30分攪拌した。混合物をトルエンで希釈し、水及び飽和NaCl溶液で 洗浄し、Na2SO4で乾燥した。濃縮後、残渣を、クロロホルム−酢酸エチル( 95:5)を溶出液に用いたシリカゲルクロマトグラフィーに供し、標題化合物 (926mg,65%)を黄色結晶として得た。:m.p.116−117℃( 酢酸エチル);IR(CHCl3)1790,1750,1680cm-1;1H NMR(CDCl3)δ1.39(3H,t,J=7Hz,CH2 3),1. 49及び1.66(それぞれ3H,s,C2−(C 32),3.32(4H, s,SC 2 2S),4.30−4.40(2H,m,C 2CH3),4.4 6(1H,s,C3),4.62−4.68(2H,m,OC 2CH=CH2 ),5.26−5.40(2H,m,OCH2CH=C 2),5. 57(1H,d,J=4Hz,C5),5.83(1H,dd,J=4及び 9Hz,C6),5.83−6.00(1H,m,OCH2=CH2), 9.05(1H,d,J=9Hz,N)。 C.6β−[(1,3−ジチオラン−2−イリデン)(エトキシカルボニル)ア セトアミド]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボン酸ナトリウム 上記の実施例1の方法Cに記載したものと同様の方法により、アリル 6β− [(1,3−ジチオラン−2−イリデン)(エトキシカルボニル)アセトアミド ]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボキシレート(473mg,1mmol )から標題化合物(418mg,92%)を褐色粉末として得た:1H NMR (DO)δ1.21(3H,t,J=7Hz,CH2 3),1.41及び1 .50(それぞれ3H,s,C2−(C 32),3.25−3.40(4H, m,SC 2 2S),4.12(1H,s,C3),4.10−4.20 (2H,m,OC 2CH3),5.45−5.55(2H,m,C5及びC6 )。 D.6β−[(1,3−ジチオラン−2−イリデン) (エトキシカルボニル)アセトアミド]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボ ン酸 6β−[(1,3−ジチオラン−2−イリデン)(エトキシカルボニル)アセ トアミド]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボン酸ナトリウム(46mg, 0.1mmol)を1mLのH2Oに溶解させてなる溶液に、0℃で濃塩酸溶液 一滴(38mg)を加えた。混合物をジクロロメタンで数回抽出した。集めた有 機層をH2O及び飽和NaCl溶液で洗浄し、Na2SO4で乾燥し、減圧下で濃 縮して標題化合物(32g,74%)を黄色オイルとして得た。:1H NMR (D2O)δ1.40(3H,t,J=7Hz,CH2 3),1.55及び1 .66(それぞれ3H,s,C2−(C 32),3.33(4H,s,SC 2 2S),4.31−4.41(3H,m,C3及びOC 2CH3),5. 57(1H,d,J=4Hz,C5−H),5.82(1H,dd,J=4及び 9Hz,C6−),9.03(1H,d,J=9Hz,NH)。 実施例3 6β−[(1,3−ジチオラン−2−イリデン)(エトキシカルボニル)アセ トアミド]−2,2−ジメチル ペナム−3−カルボン酸 1,1−ジオキシド、そのナトリウム塩及びそのアリ ルエステルの製造 A.アリル 6β−[(エトキシカルボニル)アセトアミド]−2,2−ジメチ ルペナム−3−カルボキシレート 1,1−ジオキシド 3−クロロペルオキシ安息香酸、80%(4.31g,20mmol)を、ア リル 6β−[(エトキシカルボニル)アセトアミド]−2,2−ジメチルペナ ム−3−カルボキシレート(3.70g,10mmol)を50mLの無水ジク ロロメタンに溶解させてなる冷却溶液に、小分けにして0℃で加えた。混合物を 窒素雰囲気下にて室温で16時間攪拌した。50mLのトルエンを加えた後、混 合物を真空中で約50mLにまで濃縮した。沈殿した3−クロロ安息香酸を濾過 により除去した。濾液を10%のNa223溶液、飽和NaHCO3溶液及び飽 和NaCl溶液で順次洗浄し、次いでNa2SO4で乾燥した。溶媒を除去して残 渣を得、これをクロロホルム−酢酸エチル(90:10)を溶出液に用いたシリ カゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標題化合物(2.30g,57%) を黄色結晶として得た。:m.p.114−115℃(トルエン),IR(CH Cl3)181 5,1755,1730,1690cm-1;1H NMR(CDCl3)δ1.2 7(3H,t,J=7Hz,CH2 3),1.40及び1.61(それぞれ3 H,s,C2−(C 32),3.38(2H,s,COC 2CO),4.22 (2H,q,J=7Hz,C 2CH3),4.52(1H,s,C3),4 .60−4.76(2H,m,OC 2CH=CH2),4.78(1H,d,J =5Hz,C5),5.30−5.42(2H,m,OCH2CH=C 2) ,5.84−6.00(1H,m,OCH2=CH2),6.16(1H,d d,J=5及び10Hz,C6),8.61(1H,d,J=10Hz,N )。 B.アリル 6β−[(1,3−ジチオラン−2−イリデン)(エトキシカルボ ニル)アセトアミド]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボキシレート 1, 1−ジオキシド 実施例2の方法Bに記載の方法に従って、アリル 6β−[(エトキシカルボ ニル)アセトアミド]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボキシレート 1, 1−ジオキシド(804mg,2mmol)から標題化合物(535mg,53 %)を淡黄色結晶として製造した。: m.p.150−153℃(分解);IR(CHCl3)1810,1755, 1690cm-1;1H NMR(CDCl3)δ1.36(3H,t,J=7Hz ,CH2 3),1.39及び1.60(それぞれ3H,s,C2−(C 32 ),3.33(4H,s,SC 2 2S),4.30−4.43(2H,m, C 2CH3),4.51(1H,s,C3),4.60−4.7−6(2H ,m,OC 2CH=CH2),4.79(1H,d,J=5,C5),5. 30−5.42(2H,m,OCH2CH=C 2),5.85−6.00(1H ,m,OCH2=CH2),6.31(1H,dd,J=5及び10Hz,C6),9.44(1H,d,J=10Hz,N)。 C.6β−[(1,3−ジチオラン−2−イリデン) (エトキシカルボニル)アセトアミド]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボ ン酸ナトリウム 1,1−ジオキシド 上記の実施例1の方法Cと同様な方法により、アリル 6β−[(1,3−ジ チオラン−2−イリデン)(エトキシカルボニル)アセトアミド]−2,2−ジ メチルペナム−3−カルボキシレート 1,1−ジオキシド (505mg,1mmol)から標題化合物(391mg,80%)を褐色粉末 として得た。:1H NMR(D2O)δ1.19(3H,t,J=7Hz,CH2 3),1.32及び1.46(それぞれ3H,s,C2−(C 32),3 .25−3.40(4H,m,SC 2 2S),4.10−4.25(2H, m,OC 2CH3),4.23(1H,s,C3),5.13(1H,d, J=4Hz,C5),5.99(1H,d,J=4Hz,C6)。 実施例4 6β−[(1,3−ジチオラン−2−イリデン)(カルボキシ)アセトアミド ]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボン酸、そのナトリウム塩及びそのアリ ルエステルの製造 A.アリル 6β−[(アリルオキシカルボニル)アセトアミド]−2,2−ジ メチルペナム−3−カルボキシレート 実施例1の方法Aに記載したのと同様な方法により、マロン酸モノアリルエス テル(2.88g,20mmol)及び6−アミノペニシラン酸(4.33g, 20m mol)から標題化合物(3.53g,46%)を無色結晶として製造した。: m.p.59−60℃(トルエン);IR(CHCl3)1790,1730, 1685cm-1;1H NMR(CDCl3)δ1.51及び1.67(それぞれ3 H,s,C2−(C 32),3.35−3.47(2H,m,COC 2CO) ,4.48(1H,s,C3),4.60−4.70(4H,m,2×OC 2 CH=CH2),5.22−5.42(4H,m,2×OCH2CH=C 2) ,5.56(1H,d,J=4Hz,C5−),5.75(1H,dd,J= 4及び9Hz,C6),5.84−6.00(2H,m,2×OCH2= CH2),8.03(1H,d,J=9Hz,N)。 B.アリル 6β−[(アリルオキシカルボニル)(1,3−ジチオラン−2− イリデン)アセトアミド]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボキシレート 上記の実施例2の方法Bの操作に従って、アリル 6β−[(アリルオキシカ ルボニル)アセトアミド]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボキシレート( 1.15g,3mmol)から標題化合物(843mg,58%)を黄色結晶の 形で製造した。:m.p.76−77℃ (酢酸エチル);IR(CHCl3)1790,1750,1680cm-1;1H NMR(CDCl3)δ1.49及び1.65(それぞれ3H,s,C2−(C 32),3.33(4H,s,SC 2 2S),4.46(1H,s,C3 ),4.60−4.82(4H,m,2×OC 2CH=CH2),5.24 −5.44(4H,m,2×OCH2CH=C 2),5.57(1H,d,J= 4,C5),5.82(1H,dd,J=4及び9Hz,C6),5.8 2−6.08(2H,m,2×OCH2=CH2),8.99(1H,d,J =9Hz,N)。 C.ジソディウム 6β−[カルボキシラト(1,3−ジチオラン−2−イリデ ン)アセトアミド]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボキシレート アリル 6β−[(アリルオキシカルボニル)(1,3−ジチオラン−2−イ リデン)アセトアミド]−2,2−ジメチル ペナム−3−カルボキシレート( 485mg,1mmol)を、ジメチルホルムアミド(2mL)、酢酸エチル( 2mL)及び0.5Nの2−エチルヘキサン酸ナトリウム/酢酸エチル溶液(4 mL)の混合物に溶解し、トリフェニル−ホスフィン(30mg)及びテ トラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(30mg)で処理した 。反応混合物を窒素雰囲気下にて室温で1時間攪拌した。生成した沈殿を濾過に より集め、酢酸エチル及びジエチルエーテルで順次洗浄し、真空下で乾燥して、 標題化合物(388mg,87%)を淡黄色粉末として得た。:1H NMR( D2O)δ1.31及び1.36(それぞれ3H,s,C2−(C 32),3. 30−3.50(4H,m,SC 2 2S),3.96(1H,s,C3 ),5.98(1H,d,J=5Hz,C6H)。 実施例5 6β−[(1,3−ジチオラン−2−イリデン)(カルボキシ)アセトアミド ]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボン酸 1,1−ジオキシド、そのナト リウム塩及びそのアリルエステルの製造 A.アリル 6β−[(アリルオキシカルボニル)アセトアミド]−2,2−ジ メチルペナム−3−カルボキシレート 1,1−ジオキシド 上記の実施例3の方法Aに記載の操作に従い、アリル 6β−[(アリルオキ シカルボニル)アセトアミド] −2,2−ジメチルペナム−3−カルボキシレート(1.91g,5mmol) から標題化合物(843mg,41%)を無色結晶として得た。:m.p.10 4−106℃(トルエン);IR(CHCl3)1815,1755,1730 ,1690cm-1;1H NMR(CDCl3)δ1.40及び1.61(それぞ れ3H,s,C2−(C 32),3.42(2H,s,COC 2CO),4. 52(1H,s,C3),4.64−4.72(4H,m,2×OC 2CH =CH2),4.78(1H,d,J=5Hz,C5),5.24−5.43 (4H,m,2×OCH2CH=C 2),5.83−5.99(2H,m,2× OCH2=CH2),6.16(1H,dd,J=5及び10Hz,C6− ),8.56(1H,d,J=10Hz,N)。 B.アリル 6β−[(アリルオキシカルボニル)(1,3−ジチオラン−2− イリデン)アセトアミド]−2,2−ジメチル ペナム−3−カルボキシレート 1,1−ジオキシド 実施例2の方法Bに記載の操作により、アリル 6β−[(アリルオキシカル ボニル)アセトアミド]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボキシレート 1 ,1− ジオキシド(829mg,2mmol)から標題化合物(708mg,69%) を黄色泡沫として得た。:IR(CHCl3)1810,1755,1690c m-1;1H NMR(CDCl3)δ1.39及び1.60(それぞれ3H,s, C2−(C 32),3.34(4H,s,SC 2 2S),4.51(1H ,s,C3),4.60−4.85(5H,m,2×OC 2CH=CH2及 びC5),5.24−5.42(4H,m,2×OCH2CH=C 2),5 .85−6.08(2H,m,2×OCH2=CH2),6.30(1H,d d,J=5及び10Hz,C6),9.47(1H,d,J=10Hz,N )。 C.ジソディウム 6β−[カルボキシラト(1,3−ジチオラン−2−イリデ ン)アセトアミド]−2,2−ジメチルペナム−3 −カルボキシレート 1, 1−ジオキシド 上記の実施例4の方法Cの操作に従い、アリル 6β−[(アリルオキシカル ボニル)(1,3−ジチオラン−2−イリデン)アセトアミド]−2,2−ジメ チルペナム−3−カルボキシレート 1,1−ジオキシド(517mg,1mm ol)から標題化合物(433m g,90%)を淡黄色粉末として製造した。:1H NMR(D2O)δ1.30 及び1.45(それぞれ3H,s,C2−(C 32),3.18−3.30( 4H,m,SC2C 2S),4.21(1H,s,C3),5.09(1 H,d,J=4Hz,C5),5.98(1H,d,J=4Hz,C6) 。 実施例6 6β−[(アリルオキシカルボニル)(1,3−ジチオレン−2−イリデン) アセトアミド]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボン酸、そのアリエステル 及びそのナトリウム塩 A.(2−ブロモ−1−クロロエチル)フェニルスルホキシド チオフェノール(5.50g,50mmol)及び1,2−ジブロモエタン( 37.6g,200mmol)を150mLのジクロロメタンに溶解させてなる 冷却溶液に0℃でトリエチルアミン(5.05g,50mmol)を滴下した。 2時間攪拌した後、混合物を水及び飽和NaCl溶液で洗浄し、Na2SO4で乾 燥し、真空中で濃縮した。 得られた残渣を100mLのジクロロメタンに溶解し、0℃でスルフリルクロ リド(6.75g,50mmol)で処理した。混合物を0℃で1時間攪拌し、 真空下で濃縮乾固した。再度残渣を200mLのジクロロメタンに溶解し、0℃ に冷却し、3−クロロペルオキシ安息香酸、50%(20.71g,60mmo l)で処理した。混合物を同じ温度で15分攪拌し、重炭酸ナトリウム及びチオ 硫酸ナトリウムの混合水溶液で洗浄し、次いで飽和NaClで洗浄した。有機層 をNa2SO4で乾燥し、真空中で濃縮して残渣を得た。この残渣を、クロロホル ム−酢酸エチル(98:2)を溶出液に用いたシリカゲルカラムクロマトグラフ ィーにより精製し、標題のスルホキシド(3.15g,24%)を無色オイルと して得た。:1H NMR(CDCl3)δ3.88−4.02(2H,m,−C HC 2Br),4.60−4.66(1H,m,CCH2Br) 7.55− 7.85(5H,m,芳香環H)。 B.アリル 6β−[(アリルオキシカルボニル)(1,3−ジチオレン−2− イリデン)アセトアミド]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボキシレート アリル 6β−[(アリルオキシカルボニル)アセト アミド]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボキシレート(3.20g,8. 37mmol)及び二硫化炭素(3.2g,42mmol)を、ふるい乾燥した (seive-dried)10mLのジメチルホルムアミドに溶解させてなる溶液に、水 素化ナトリウム、60%(0.669g,16.7mmol)を0℃で小分けに して加えた。混合物を15分攪拌し、次いで(2−ブロモ−1−クロロエチル) フェニルスルホキシド(2.67g,10mmol)を加えた。反応混合物を室 温で30分攪拌し、氷水中に注ぎ、ベンゼン−酢酸エチル(1:1)混合物で抽 出した。有機層を水で数回洗浄し、飽和NaCl溶液で洗浄し、Na2SO4で乾 燥し、濃縮し、得られた残渣を更に精製することなく次反応に供した。 上記で得られた粗ジチオラン誘導体を20mLのトルエンに溶解し、混合物を 15分間加熱還流した。溶液を濃縮し、得られた残渣をクロロホルム−酢酸エチ ル(95:5)を溶出液に用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精 製し、標題化合物(1.59g,39.4%)を褐色オイルとして得た。:1H NMR(CDCl3)δ1.52及び1.68(それぞれ3H,s,C2−(C 32),4.50(1H,s,C3),4.55−4.90(4H,m, 2×OC 2CH=CH2), 5.25−5.50(5H,m,2×OCH2CH=C 2及びC5),5. 62(1H,d,J=4Hz,C5),5.90(1H,dd,J=4及び 9Hz,C6),5.60−6.10(2H,m,OCH2=CH2), 7.26(2H,s,SC=CS),9.14(1H,d,J=9Hz,N )。 C.6β−[(アリルオキシカルボニル)(1,3−ジチオレン−2−イリデン )アセトアミド]−2,2−ジメチル ペナム−3−カルボン酸ナトリウム 実施例1の方法Cに記載の操作を用いて、アリル 6β−[(アリルオキシカ ルボニル)(1,3−ジチオレン−2−イリデン)アセトアミド]−2,2−ジ メチルペナム−3−カルボキシレート(965mg,2mmol)から標題化合 物(682mg,85%)を淡黄色粉末として得た。:1H NMR(CDCl3 )δ1.53及び1.65(それぞれ3H,s,C2−(C 32),4.70 −4.82(3H,s,OC 2CH=CH2及びC3),5.33−5.5 0(2H,m,OCH2CH=C 2),5.73(2H,s,C5及びC6 ),5.90−6.15(1H,m,OCH2=CH2),7.21(2H ,s,SC=CS)。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,UG,UZ,VN (72)発明者 ミケティシュ ロナルド ジー. カナダ国 ティー8エー 3ヴィ6 アル バータ シャーウッド パーク ブラエサ イド テラス 12 (72)発明者 ダネシュタラブ モーゼン カナダ国 ティー6ジェイ 6ジー2 ア ルバータ エドモントン 10エー アベニ ュー 10419

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.一般式XII 〔式中、A及びBは、それぞれ水素であって、その場合A及びBが結合してい る炭素原子は単結合で結合されており、又はA及びBは一緒に結合を形成してお り、その場合A及びBが結合する炭素原子は二重結合で結合されており、 R1は、a)水素、b)薬学的に許容される塩及びc)C1-10アルキル、C2-10 アルケニル、C2-10アルキニル、C3-10シクロアルキル、C3-10シクロアル ケニル、アリル、アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロ サイクリル、ヘテロサイクリルアルキル、ヘテロサイクリルアルケニル、ヘテロ サイクリルアルキニル及びアルキルヘテロサイクリルからなる群から選ばれる薬 学的に許容される基、からなる群から選ばれ;上記基c)は、非置換であるか又 はフロロ、クロロ、ブロモ、ヨード、アジド、ニトロ、モ ノアルキル置換アミノ、ジアルキル置換アミノ、アリール置換アミノ、アルカノ イルアミノ、アリールカルボニルアミノ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、ア リールオキシ、アルカノイルオキシ、アリールカルボニルオキシ、メルカプト、 アルキルチオ、アリールチオ、アルカノイルチオ、アリールカルボニルチオ、オ キシイミノ、アルコキシイミノ及びカルボキシからなる群から選ばれる置換基で 置換されており、 nは、0から2の間の整数である〕 で表される6β−置換ペニシラン酸、又はその薬学的に許容される塩もしくはエ ステル。 2.R1が、アリール、アラルキル、アラルケニル又はアラルキニルからなる群 から選ばれ、そのアリールがフェニル又はナフチルである請求項1に記載の化合 物。 3.R1が、ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリルアルキル、ヘテロサイクリル アルケニル、ヘテロサイクリルアルキニル及びアルキルヘテロサイクリルからな る群から選ばれ、該ヘテロサイクリルが1〜5個の炭素原子及び少なくとも1個 のヘテロ原子を含んでいる5又は6員環である請求項1に記載の化合物。 4.上記ヘテロ原子が、窒素原子、酸素原子及び硫黄原子からなる群から選ばれ る請求項3に記載の化合物。 5.上記ヘテロサイクリルが、ピリジニル、プラジニル、フリル、チエニル、イ ミダゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリル及びオキサゾリルからな る群から選ばれる請求項3に記載の化合物。 6.R1が、メチルである請求項1に記載の化合物。 7.R1が、エチルである請求項1に記載の化合物。 8.R1が、水素原子である請求項1に記載の化合物。 9.上記薬学的に許容される塩が、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、無機 アミン塩及び有機アミン塩からなる群から選ばれる請求項1に記載の化合物。 10.上記化合物が、6β−[(1,3−ジチオラン−2−イリデン)(メトキシ カルボニル)アセトアミド]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボン酸である 請求項 1に記載の化合物。 11.上記化合物が、6β−[(1,3−ジチオラン−2−イリデン)(エトキシ カルボニル)アセトアミド]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボン酸である 請求項1に記載の化合物。 12.上記化合物が、6β−[(1,3−ジチオラン−2−イリデン)(エトキシ カルボニル)アセトアミド]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボン酸 1, 1−ジオキシドである請求項1に記載の化合物。 13.上記化合物が、6β−[(1,3−ジチオラン−2−イリデン)(カルボキ シ)アセトアミド]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボン酸である請求項1 に記載の化合物。 14.上記化合物が、6β−[(1,3−ジチオラン−2−イリデン)(カルボキ シ)アセトアミド]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボン酸 1,1−ジオ キシドである請求項1に記載の化合物。 15.R1が、アリル基である請求項1に記載の化合物。 16.上記化合物が、6β−[(アリルオキシカルボニル)(1,3−ジチオレン −2−イリデン)アセトアミド]−2,2−ジメチルペナム−3−カルボン酸で ある請求項1に記載の化合物。 17.薬学的有効量の請求項1に記載の化合物及び薬学的に許容される担体を含有 する組成物。 18.a)β−ラクタマーゼ感受性β−ラクタム抗生物質をβ−ラクタマーゼによ る分解から保護するために有効な量の請求項1に記載の化合物、 b)細菌感染の治療に有効な量のβ−ラクタム抗生物質、及び c)薬学的に許容される担体 を含む薬学的組成物。 19.β−ラクタム抗生物質が、ペニシリンG、ペニシリンV、アンピシリン、ア モキシシリン、カルベニシリン、スルベニシリン、チカルシリン、アズロシリン 、メズロシリン、ピペラシリン、アズトレオナム、カルモナム、 イミペネム、メロペネム、ビアペネム(biapenem)、セファロチン、セファピリ ン、セファレキシン、セフラジン、セフロキシム(cefroxime)、セファクロル 、セファドロキシル、セファマンドール、セファゾリン、セフィキシム、セフメ タゾール、セフォニシド、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフォテタン、セ フォキシチン、セフチゾキシム、セフトリアキソン(ceftriaxon)、セフタジジ ム、セフピロム及びセフェピムからなる群から選ばれる請求項18に記載の組成 物。 20.β−ラクタマーゼ阻害物質とβ−ラクタム抗生物質との比率が、1:10〜 10:1である請求項18に記載の組成物。 21.β−ラクタマーゼ産生細菌により引き起こされる細菌感染を治療する方法で あって、そのような治療を必要とする患者に、該細菌感染を治療するのに有効な 量のβ−ラクタム抗生物質と、β−ラクタマーゼによる加水分解から該β−ラク タム抗生物質を保護するのに有効な量の一般式XII で表される6β−置換ペニシラン酸とを組み合わせて投与することを包含する方 法: 〔式中、A及びBは、それぞれ水素であり、その場合A及びBが結合している 炭素原子は単結合で結合されており、又はA及びBは一緒に結合を形成しており 、その場合A及びBが結合する炭素原子は二重結合で結合されており、 R1は、a)水素、b)薬学的に許容される塩及びc)C1-10アルキル、C2-10 アルケニル、C2-10アルキニル、C3-10シクロアルキル、C3-10シクロアル ケニル、アリル、アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロ サイクリル、ヘテロサイクリルアルキル、ヘテロサイクリルアルケニル、ヘテロ サイクリルアルキニル及びアルキルヘテロサイクリルからなる群から選ばれる薬 学的に許容される基、からなる群から選ばれ、上記基は、非置換であるか又はフ ロロ、クロロ、ブロモ、ヨード、アジド、ニトロ、モノアル キル置換アミノ、ジアルキル置換アミノ、アリール置換アミノ、アルカノイルア ミノ、アリールカルボニルアミノ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリール オキシ、アルカノイルオキシ、アリールカルボニルオキシ、メルカプト、アルキ ルチオ、アリールチオ、アルカノイルチオ、アリールカルボニルチオ、オキシイ ミノ、アルコキシイミノ及びカルボキシからなる群から選ばれる置換基で置換さ れており、 nは、0〜2の整数である〕 22.β−ラクタム抗生物質が、ペニシリンG、ペニシリンV、アンピシリン、ア モキシシリン、カルベニシリン、スルベニシリン、チカルシリン、アズロシリン 、メズロシリン、ピペラシリン、アズトレオナム、カルモナム、イミペネム、メ ロペネム、ビアペネム(biapenem)、セファロチン、セファピリン、セファレキ シン、セフラジン、セフロキシム(cefroxime)、セファクロル、セファドロキ シル、セファマンドール、セファゾリン、セフィキシム、セフメタゾール、セフ ォニシド、セフォペラゾン、セフォタキシム、セフォテタン、セフォキシチン、 セフチゾキシム、セフトリアキソン(ceftriaxon)、セフタジジム、セフピロム 及びセフェピムからなる群から 選ばれる請求項21に記載の方法。 23.上記β−ラクタム抗生物質及び上記6−β−置換ペニシラン酸を同時に投与 する請求項21に記載の方法。 24.上記β−ラクタム抗生物質及び上記6−β−置換ペニシラン酸を別々に投与 する請求項21に記載の方法。 25.上記β−ラクタム抗生物質及び上記6−β−置換ペニシラン酸を経口的、局 所的又は非経口的に投与する請求項21に記載の方法。 26.一般式XII 〔式中、A及びBは、それぞれ水素であり、その場合A及びBが結合している 炭素原子は単結合で結合されており、又はA及びBは一緒に結合を形成しており 、その場合A及びBが結合している炭素原子は二重結合 で結合されており、 R1は、a)水素、b)薬学的に許容される塩及びc)C1-10アルキル、C2-10 アルケニル、C2-10アルキニル、C3-10シクロアルキル、C3-10シクロアル ケニル、アリル、アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘテロ サイクリル、ヘテロサイクリルアルキル、ヘテロサイクリルアルケニル、ヘテロ サイクリルアルキニル及びアルキルヘテロサイクリルからなる群から選ばれる薬 学的に許容される基、からなる群から選ばれ、上記基は、非置換であるか又はフ ロロ、クロロ、ブロモ、ヨード、アジド、ニトロ、モノアルキル置換アミノ、ジ アルキル置換アミノ、アリール置換アミノ、アルカノイルアミノ、アリールカル ボニルアミノ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルカノイ ルオキシ、アリールカルボニルオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリールチ オ、アルカノイルチオ、アリールカルボニルチオ、オキシイミノ、アルコキシイ ミノ及びカルボキシからなる群から選ばれる置換基で置換されており、 nは、0〜2の整数である〕 で表される6−β−置換ペニシラン酸、又はその薬学的に許容される塩もしくは エステルをβ−ラクタム抗生物 質に加えることを包含する、β−ラクタマーゼ感受性β−ラクタム抗生物質をβ −ラクタマーゼによる分解から保護する方法。 27.一般式I 〔式中、R1は、a)水素、b)薬学的に許容される塩及びc)C1-10アルキ ル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-10シクロアルキル、C3-10シク ロアルケニル、アリル、アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、 ヘテロサイクリル、ヘテロサイクリルアルキル、ヘテロサイクリルアルケニル、 ヘテロサイクリルアルキニル及びアルキルヘテロサイクリルからなる群から選ば れる薬学的に許容される基、からなる群から選ばれ;上記基は、非置換であるか 又はフロロ、クロロ、ブロモ、ヨード、アジド、ニトロ、モノアルキル置換アミ ノ、ジアルキル置換アミノ、アリール置換アミノ、アルカノイルアミノ、アリー ルカ ルボニルアミノ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルカノ イルオキシ、アリールカルボニルオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリール チオ、アルカノイルチオ、アリールカルボニルチオ、オキシイミノ、アルコキシ イミノ及びカルボキシからなる群から選ばれる置換基で置換されており、 nは、0〜2の整数である〕 で表される6−β−置換ペニシラン酸を製造する方法であって、 a)一般式V: 〔式中、R1は上述の定義のとおりであり、R2はカルボキシル保護基である 〕 で表される化合物を酸化し、一般式VI: 〔式中、R1及びR2は上述の定義のとおりであり、mは1又は2である〕 で表される化合物を生成させ、 b)一般式VII: 〔式中、X1及びX2はクロロ、ブロモ及びヨードからなる群から独立して選 ばれる〕 で表される1,2−ジハロエタンの1〜5当量及び過剰量の二硫化炭素の存在下 にて2〜5当量の適当な塩基で式VIの化合物を処理し、一般式VIII: 〔式中、R1、R2及びmは上述の定義のとおりである〕 で表される化合物を生成させ、 c)式VIIIの化合物からカルボキシル保護基R2を除去して一般式I: 〔式中R1及びmは上述の定義のとおりである〕 で表される化合物を生成させる工程を包含する方法。 28.一般式II 〔式中、R1は、a)水素、b)薬学的に許容される塩及びc)C1-10アルキ ル、C2-10アルケニル、C2-10アルキニル、C3-10シクロアルキル、C3-10シク ロ アルケニル、アリル、アリール、アラルキル、アラルケニル、アラルキニル、ヘ テロサイクリル、ヘテロサイクリルアルキル、ヘテロサイクリルアルケニル、ヘ テロサイクリルアルキニル及びアルキルヘテロサイクリルからなる群から選ばれ る薬学的に許容される基、からなる群から選ばれ、上記基は、非置換であるか又 はフロロ、クロロ、ブロモ、ヨード、アジド、ニトロ、モノアルキル置換アミノ 、ジアルキル置換アミノ、アリール置換アミノ、アルカノイルアミノ、アリール カルボニルアミノ、シアノ、ヒドロキシ、アルコキシ、アリールオキシ、アルカ ノイルオキシ、アリールカルボニルオキシ、メルカプト、アルキルチオ、アリー ルチオ、アルカノイルチオ、アリールカルボニルチオ、オキシイミノ、アルコキ シイミノ及びカルボキシからなる群から選ばれる置換基で置換されており、 nは、0〜2の整数である〕 で表される6−β−置換ペニシラン酸を製造する方法であって、 a)一般式V: 〔式中、R1は上述の定義のとおりであり、R2はカルボキシル保護基である 〕 で表される化合物を酸化し、一般式VI: 〔式中、R1及びR2は上述の定義のとおりであり、mは1又は2である〕 で表される化合物を生成させ、 b)一般式IX: 〔式中、X1及びX2はクロロ、ブロモ及びヨードか らなる群から独立して選ばれ、R3は非置換又は置換アリール又はヘテロサイク リル基である〕 で表される化合物の1〜5当量及び過剰量の二硫化炭素の存在下にて2〜5当量 の適当な塩基で式VIの化合物を処理し、一般式X: 〔式中、R1、R2、R3及びmは上述の定義のとおりである〕 で表される化合物を生成させ、 c)式Xの化合物を適当な溶媒中で加熱して一般式XI: 〔式中R1、R2及びmは上述の定義のとおりである〕 で表される化合物を生成させ、 d)式IXの化合物からカルボキシル保護基R2を除去 して一般式II: 〔式中R1及びmは上述の定義のとおりである〕 で表される化合物を生成する工程を包含する方法。 29.以下の成分: a)薬学的に許容される担体と組み合わせられた請求項1に記載の6β−置換ペ ニシラン酸、及び b)薬学的に許容される担体と組み合わせられたβ−ラクタム抗生物質 を含んでおり、上記6β−置換ペニシラン酸及び上記β−ラクタム抗生物質が別 々の容器内にある製剤キット。 30.上記β−ラクタム抗生物質が、ペニシリンG、ペニシリンV、アンピシリン 、アモキシシリン、カルベニシリン、スルベニシリン、チカルシリン、アズロシ リン、メズロシリン、ピペラシリン、アズトレオナム、カルモナム、イミペネム 、メロペネム、ビアペネム(biapenem)、セファロチン、セファピリン、セファ レキシン、セフラ ジン、セフロキシム(cefroxime)、セファクロル、セファドロキシル、セファ マンドール、セファゾリン、セフィキシム、セフメタゾール、セフォニシド、セ フォペラゾン、セフォタキシム、セフォテタン、セフォキシチン、セフチゾキシ ム、セフトリアキソン(ceftriaxon)、セフタジジム、セフピロム及びセフェピ ムからなる群から選ばれる請求項29に記載の製剤キット。
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