JP2002356427A - β−ラクタマーゼ阻害剤 - Google Patents

β−ラクタマーゼ阻害剤

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JP2002356427A
JP2002356427A JP2001162353A JP2001162353A JP2002356427A JP 2002356427 A JP2002356427 A JP 2002356427A JP 2001162353 A JP2001162353 A JP 2001162353A JP 2001162353 A JP2001162353 A JP 2001162353A JP 2002356427 A JP2002356427 A JP 2002356427A
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lower alkyl
lactamase
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antibacterial
hydrogen
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JP2001162353A
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Yoshikazu Ishii
良和 石井
Gyareni Moreno
モレノ・ギャレニ
Frere Jean-Marie
ジャン−マリー・フレール
Yoshinori Yamano
佳則 山野
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Shionogi and Co Ltd
Original Assignee
Shionogi and Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のβ−ラクタム系抗菌薬では無効だった
β−ラクタマーゼ高産生により生じた耐性菌に対し、有
効な処置方法を提供する。 【解決手段】 本発明のβ−ラクタマーゼ活性を阻害す
るための医薬組成物は、7位側鎖に置換分:R−CON
H−(ここにRはオレフィン基であってその二重結合が
直接カルボニル基に結合している基)を有するセファロ
スポリン誘導体を含有することを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、抗菌薬として知ら
れているセファロスポリン誘導体の新たな用途に関し、
詳細にはβ−ラクタマーゼ活性を阻害するための医薬組
成物に関する。
【0002】
【従来の技術】細菌感染症に対する治療薬として最も多
く利用される抗菌薬の一つとしてβ−ラクタム系抗菌薬
が挙げられる。しかし、幾つかの病原菌はβ−ラクタマ
ーゼとよばれるβ−ラクタム系抗菌薬を分解する酵素を
産生することによってβ−ラクタム系抗菌薬による攻撃
に対する耐性を獲得しているため、処置が困難となって
いる場合がある。このような耐性菌に対する処置対策の
一つとして、β−ラクタマーゼ活性を阻害することは有
効な手段である。
【0003】β−ラクタマーゼにはクラスA、B、C、D型
が知られている20)。これまでβ−ラクタマーゼ阻害剤
として開発され、市販されているのはクラスA型酵素に
高い活性を有するクラブラン酸21)、タゾバクタム22)
スルバクタム23)の3剤である。これらのオキサペナム
又はペナム系化合物は他のペニシリン系抗菌薬との併用
によりペニシリン系抗菌薬のクラスA型β−ラクタマー
ゼ産生タイプの抗グラム陰性菌に対する抗菌活性を強化
し、臨床においても大きな効果が見出されている。その
他にβ−ラクタマーゼ阻害剤は、特開平5−19452
8、特開平7−82273、特表平10−51107
6、特表平11−514981および特表2001−5
01978に記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】Enterobacter cloacae
Pseudomonas aeruginosaをはじめとする多くのグラム
陰性菌は、クラスC型β−ラクタマーゼを高産生するこ
とによっても多くのβ−ラクタム系抗菌薬に対する耐性
を獲得しており、臨床上の大きな問題となっている。ク
ラブラン酸などの既発売のβ−ラクタマーゼ阻害薬は、
このクラスC型β−ラクタマーゼに対する阻害活性が弱
いため、上記のようなグラム陰性耐性菌には十分な効力
を発揮できない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、クラスC型
β−ラクタマーゼに対する強い阻害剤を併用できれば、
従来のβ−ラクタム系抗菌薬では無効だったβ−ラクタ
マーゼ高産生により生じた耐性菌に対し、有効な処置手
段を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者らは鋭意研究し
た結果、セフェム系抗菌薬の活性成分であるセフカペン
やセフカペンの7位側鎖における特徴を共有するその関
連化合物がβ−ラクタマーゼ、特にクラスC型β−ラク
タマーゼに対して強い阻害活性を有することを見出し、
本発明を完成した。
【0007】即ち、本発明は、(1) 7位側鎖に置換
基:R−CONH−(ここにRはオレフィン基であって
その二重結合を構成している炭素原子のひとつが直接カ
ルボニル基に結合している基)を有するセファロスポリ
ン誘導体を含有する、β−ラクタマーゼ活性を阻害する
ための医薬組成物;好ましくは、セファロスポリン誘導
体が式:
【化6】 [式中、Rは置換されていることあるヘテロアリール
であり;RおよびRはそれぞれ独立して、水素、置
換されていることある低級アルキル、置換されているこ
とある低級アルコキシ、または置換されていることある
シクロアルキルであり;およびRは水素、ヒドロキ
シ、置換されていることある低級アルコキシ、置換され
ていることあるアミノカルボニルオキシ(ここに、置換
基は低級アルキル)、置換されていることある低級アル
キルカルボニルオキシ、または−S−(置換されている
ことあるヘテロアリール)である]で示される化合物、
そのプロドラッグまたはそれらの製薬的に許容される塩
もしくは溶媒和物である、本発明の医薬組成物;
【0008】(2) 上記いずれかの化合物、そのプロ
ドラッグまたはそれらの製薬的に許容される塩もしくは
溶媒和物を、他の抗菌薬とともに含有する抗菌性医薬組
成物;好ましくは他の抗菌薬がセファロスポリン誘導体
である抗菌性医薬組成物;さらに好ましくはセファロス
ポリン誘導体がセフェム系抗菌薬である抗菌性医薬組成
物;に関する。
【0009】セフカペンやそのセフカペンにおける7位
側鎖における特徴を共有するその関連化合物が通常のβ
−ラクタマーゼ阻害活性の生物学的検定および酵素学的
なパラメーターの算出により、β−ラクタマーゼ、詳細
にはクラスC型β−ラクタマーゼに対して強い阻害活性
を有することが明らかとなった。セフカペンとは、式:
【化7】 で示される(6R,7R)−7−[(Z)−2−(2−
アミノ−4−チアゾリル)−2−ペンテンアミド]−3
−ヒドロキシメチル−8−オキソ−5−チア−1−アザ
ビシクロ[4.2.0]オクト−2−エン−2−カルボ
ン酸であり、またその4位カルボン酸のピボキシルエス
テル塩酸塩は、そのプロドラッグであり(特開昭62−
89公報や特開平4−295485公報等)、商品名フ
ロモックス(登録商標)(化学名:セフカペンピボキシ
ル)として市販されている。
【0010】また、セフカペンにおける7位側鎖におけ
る特徴を共有するその関連化合物における「7位側鎖に
おける特徴」とは、7位側鎖に置換基:R−CONH−
(ここにRはオレフィン基であってその二重結合を構成
している炭素原子のひとつが直接カルボニル基に結合し
ている基)を有していることである。以下の試験例にて
詳細に説明するが、酵素学的解析によると、β−ラクタ
マーゼとセフカペンがアシル化結合して複合体を形成す
る速度は速いものの、その複合体が解離してβ−ラクタ
ム環が開裂したセフカペンを遊離する速度は極めて遅い
ことが見出された。これは、セフカペンとβ−ラクタマ
ーゼが安定な複合体を容易に形成することを意味する。
セフカペンのような構造を有するセフェム薬がクラスC
型β−ラクタマーゼの活性を阻害することが見出された
のは今回が初めてであり、これと類似構造を有するセフ
ェム薬、即ち上記7位側鎖における特徴を有する関連化
合物にも同様の阻害活性が見出されることが期待でき
る。なお、セフカペンと同じセフェム系抗菌薬である
が、上記7位側鎖における特徴を有していないセフポド
キシム(cefpodpxime)はクラスC型β−ラクタマーゼ
によって容易に分解され、その阻害活性は認められなか
った。
【0011】7位側鎖に置換基:R−CONH−(ここ
にRはオレフィン基であってその二重結合を構成してい
る炭素原子のひとつが直接カルボニル基に結合している
基)を有するセファロスポリン誘導体における「セファ
ロスポリン誘導体」とは、広くペニシリン系抗菌薬以外
のβ−ラクタム系抗菌薬を意味し、セフェム系抗菌薬、
オキサセフェム系抗菌薬、カルバセフェム系抗菌薬、セ
ファム系抗菌薬である。また、本発明において「オレフ
ィン基」とは、置換されていることある、炭素−炭素二
重結合をする脂肪族不飽和炭化水素基を意味し、この基
はβ−ラクタマーゼ活性阻害作用を妨害しない限り、ど
のような有機基であってもよい。
【0012】上記式中、Rは置換されていることある
ヘテロアリールである。本発明においてヘテロアリール
とは、好ましくは酸素原子、イオウ原子および窒素原子
から選択される同一または異なるヘテロ原子を1〜4個
含有する5〜6員環を意味し、例えば1から4個の窒素
原子を含有する5−または6−員環、1または2個の窒
素原子および1個の酸素原子もしくはイオウ原子を含有
する5−または6−員環、1個の酸素原子もしくはイオ
ウ原子を含有する5−員環が例示される。具体的には、
2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−チエ
ニル、3−チエニル、2−フリル、3−フリル、イミダ
ゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、ピラゾリル、ピ
ロリル、2−チアゾリル、3−イソチアゾリル、2−オ
キサゾリル、3−イソオキサゾリルなどである。置換基
としては、ハロゲン、置換されていることあるアミノ
(ここに置換基は低級アルキル等)、低級アルキル、低
級アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヒドロキシ
低級アルキル、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級アルキ
ル低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルキルなどが
挙げられる。
【0013】好ましくは、RはR’であり、式:
【化8】 で示される群の中から選ばれる基であり、ここにXは水
素、ハロゲン、低級アルキルまたは低級アルコキシであ
り、Yは水素またはアミノである。R’は好ましくは
(a)または(b)で示され、特に好ましくは(a)で
示される基である。
【0014】上記式中、RおよびRはそれぞれ独立
して、水素、置換されていることある低級アルキル、置
換されていることある低級アルコキシ、または置換され
ていることあるシクロアルキルである。本発明において
「低級アルキル」とは、炭素原子1−6個を有する直鎖
状または分枝鎖状アルキル基であり、例えばメチル、エ
チル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、i−
ブチル、s−ブチル、t−ブチル、n−ペンチル、i−
ペンチル、ネオペンチル、s−ペンチル、t−ペンチ
ル、n−ヘキシル、ネオヘキシル、i−ヘキシル、s−
ヘキシル、およびt−ヘキシルが挙げられる。本発明に
おいて「低級アルコキシ」とは、アルキル部分が前記の
低級アルキルであるアルキルオキシ、例えばメトキシ、
エトキシ、n−プロポキシ、i−プロポキシ、n−ブト
キシ、i−ブトキシ、s一ブトキシ、t−ブトキシ、n
−ペントキシ、i−ペントキシ、ネオペントキシ、s−
ペントキシ、t−ペントキシ、n−ヘキシルオキシ、ネ
オヘキシルオキシ、i−ヘキシルオキシ、s−ヘキシル
オキシ、t−ヘキシルオキシが挙げられる。本発明にお
いて「シクロアルキル」とは炭素原子3−8個を有する
シクロアルキル基を意味し、例えばシクロプロピル、シ
クロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロ
ヘプチル、シクロオクチルが挙げられる。置換基として
は、ハロゲン、ヒドロキシ、置換されていることあるア
ミノ(ここに置換基は低級アルキル等)、低級アルキ
ル、低級アルコキシ、アリール、ヘテロアリール、ヒド
ロキシ低級アルキル、ヒドロキシ低級アルコキシ、低級
アルキル低級アルコキシ、低級アルコキシ低級アルキル
などが挙げられる。
【0015】好ましくは、RおよびRはそれぞれ独
立して、水素、低級アルキル、低級アルコキシ、低級ア
ルコキシ低級アルキル、シクロアルキル、ヘテロアリー
ル低級アルキルであるか、または水素、ハロゲン、低級
アルキルもしくは低級アルコキシによって置換されてい
ることあるアリール低級アルキルである。ここに、「ア
リール」とは炭素原子6−10個を有するアリール基で
あり、例えばフェニルまたはナフチルが挙げられる。特
に好ましくは、Rは水素、Rは低級アルキル(例、
C1〜C3アルキル)である。
【0016】上記式中、Rは水素、ヒドロキシ、置換
されていることある低級アルコキシ、置換されているこ
とあるアミノカルボニルオキシ(ここに、置換基は低級
アルキル等)、置換されていることある低級アルキルカ
ルボニルオキシ、または−S−(置換されていることあ
るヘテロアリール)である。低級アルキルカルボニルオ
キシとは、アルキル部分が前記の低級アルキル基または
シクロアルキル基であるアルキルカルボニルオキシ、例
えばメチルカルボニルオキシ、エチルカルボニルオキ
シ、n−プロピルカルボニルオキシ、イソプロピルカル
ボニルオキシ、n−ブチルカルボニルオキシ、イソブチ
ルカルボニルオキシ、s−ブチルカルボニルオキシ、t
−ブチルカルボニルオキシ、シクロプロピルカルボニル
オキシ、シクロブチルカルボニルオキシ、シクロペンチ
ルカルボニルオキシを意味する。
【0017】好ましくは、Rは水素、ヒドロキシ、低
級アルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、式:
【化9】 (ここに、RおよびRはそれぞれ独立して水素また
は低級アルキルである)で示される基、または式:
【化10】 で示される群の中から選ばれる基(ここにXは水素また
は低級アルキルである)である。特に好ましくは、R
は−OCONHである。
【0018】本発明化合物における「プロドラッグ」と
は、化学的または代謝的に分解され得る基を有する化合
物誘導体であり、加溶媒分解によりまたは生理学的条件
下、生体内において薬学的に活性な化合物となる化合物
である。例えば、もとになる酸性化合物と適当なアルコ
ールを反応させることによって製造されるエステル、ま
たはもとになる酸性化合物と適当なアミンを反応させる
ことによって製造されるアミドのような酸性誘導体を含
むプロドラッグは当業者によく知られている。該化合物
が有している酸性基から誘導される単純な脂肪族のまた
は芳香族のエステルは好ましいプロドラッグである。さ
らに好ましくは、酸性基のC1−C6アルキルエステル
(例えば、メチルエステル、エチルエステル)である。
場合によっては、(アシルオキシ)アルキルエステルま
たは((アルコキシカルボニル)オキシ)アルキルエス
テルのような二重エステル型プロドラッグを製造するこ
ともできる。好ましいプロドラッグは特開昭62−89
公報等に記載の4位カルボン酸におけるエステル体であ
り、経口吸収性等の点からは特に低級アルカノイルオキ
シ低級アルキルエステル(例、ピボキシルエステル、ア
キセチルエステル)やアルコキシカルボニルオキシ低級
アルキルエステル(例、プロキセチルエステる、ヘキセ
チルエステル)である。
【0019】本発明化合物における「製薬的に許容され
る塩」とは適当な有機または無機酸や有機または無機塩
基と反応させて得られる塩である。無機酸との塩として
は塩酸、フッ化水素酸、臭化水素酸、硝酸、硫酸、リン
酸、過塩素酸、ヨウ化水素酸などとの塩が挙げられる。
有機酸との塩としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢
酸、フマル酸、シュウ酸、酒石酸、マレイン酸、クエン
酸、コハク酸、リンゴ酸、マンデル酸、アスコルビン
酸、乳酸などとの塩が挙げられる。有機塩基としては、
トリエチルアミン、ピリジン等が例示される。無機塩基
としては、アルカリ金属(例、Na、K)、アルカリ土
類金属(例、Ca、Mg)が例示される。溶媒和物とし
ては、有機溶媒および/または水との溶媒和物を包含す
る。水和物を形成する時は、任意の数の水分子と配位し
ていてもよい。例えば、1塩酸塩1水和物等が例示され
る。
【0020】
【発明の実施の形態】1) β−ラクタマーゼ活性を阻
害するための医薬組成物 本発明の医薬組成物は、通常のβ−ラクタム系抗菌薬と
併用して用いると効果的である。併用とは、抗菌薬を投
与する前後に、あるいは同時に投与することを意味す
る。要は、抗菌薬が体循環している間に本発明医薬組成
物の有効成分がβ−ラクタマーゼと接触すればよい。
【0021】本発明医薬組成物に含有されるセフカペン
はIshikura, K., Kubota, T., Minami, K., Hamashima,
Y., Nakashimizu, H., Motokawa, K., Kimura, Y., Mi
wa,H., and Yoshida, T., "Synthesis and structure -
activity relationships of 7β-[(Z)-2-(2-aminothia
zol-4-yl)-3-(substituted)-2-propenoylamino]-3-ceph
ems with C-3 substitutions." J. Antibiot., 47, 466
-476 (1994)に記載の手法により合成される。また、他
のβ−ラクタマーゼ阻害物質は、例えば、特開昭57−
93982、特開昭62−89、特開平4−29548
5等に記載の手法に準じて製造することができる。そし
て、治療有効量の化合物を製薬的に許容される担体また
は希釈剤とともに組み合わせる(例えば混合する)こと
によって本発明の医薬組成物は製造される。本発明の医
薬組成物は、周知の、容易に入手できる成分を用いて既
知の方法により製造される。「製薬的に許容される」な
る用語は、製剤中の他の成分と適合し、受容者にとって
有害ではない担体、希釈剤または添加剤を意味する。本
発明医薬組成物は経口、直腸、経皮、皮下、静脈内、筋
肉内を含む様々な経路によって投与できる。
【0022】本発明の組成物は錠剤、丸剤、顆粒剤、粉
末剤、口中剤、エリキシル剤、懸濁剤、エマルジョン
剤、溶液剤、シロップ剤の形態にすることができる。当
業者には公知の適当な担体はいずれもこの製剤のために
使用できる。このような製剤では担体は、固体、液体、
または固体と液体の混合物である。固形の製剤は粉末、
錠剤およびカプセルを包含する。固形担体は、香料、滑
沢剤、溶解剤、懸濁剤、結合剤、錠剤崩壊剤、カプセル
剤にする材料としても役立つ1またはそれ以上の物質で
ある。経口投与のための錠剤は、トウモロコシデンプ
ン、アルギン酸などの崩壊剤、および/またはゼラチ
ン、アカシアなどの結合剤、およびステアリン酸マグネ
シウム、ステアリン酸、タルクなどの滑沢剤とともに炭
酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カ
ルシウムなどの適当な賦形剤を含む。無菌液体製剤は注
射用溶液剤、注射用懸濁剤、懸濁剤、エマルジョン剤、
シロップ剤、およびエリキシル剤を含む。活性成分は、
滅菌水、滅菌有機溶媒、または両者の混合物などの製薬
上許容し得る担体中に溶解または懸濁することができ
る。活性成分はしばしば適切な有機溶媒、例えばプロピ
レングリコール水溶液中に溶解することができる。水性
デンプン、ナトリウムカルボキシメチルセルロース溶
液、または適切な油中に細かく砕いた活性成分を散布す
ることによってその他の組成物を製造することもでき
る。投与量は疾患の状態、投与経路、患者の年齢、また
は体重によっても異なるが、成人に経口または静注で投
与する場合、通常約0.1g〜5gである。
【0023】2)他の抗菌薬とともに含有する抗菌性医
薬組成物 上記化合物、そのプロドラッグまたはそれらの製薬的に
許容される塩もしくは溶媒和物を、他のβ−ラクタム系
抗菌薬とともに含有する抗菌性医薬組成物は、β−ラク
タマーゼ活性を抑えつつ、本来の抗菌活性を奏すること
ができるため、耐性菌に対して効果的である。ここに、
「他のβ−ラクタム系抗菌薬」とは好ましくは、上記セ
ファロスポリン誘導体であり、さらに好ましくはセフェ
ム系抗菌薬である。具体的なセフェム系抗菌薬としては
次のものが挙げられる。
【0024】セフェム系(第1世代)と分類されるセフ
ァクロル(商品名ケフラール)、セファトリジンプロピ
レングリコール(商品名セプチコール)、セファドロキ
シル(商品名サマセフ)、セファレキシン(商品名ケフ
レックス)、セフラジン(商品名セフロ)、セフロキサ
ジン(商品名オラスポア);
【0025】セフェム系(第2世代)と分類されるセフ
ジトレンピボキシル(商品名メイアクト)、セフジニル
(商品名セフゾン)、セフチブテン(商品名セフテ
ム)、セフロキシムアキセチル(商品名オラセフ)、塩
酸セフェタメトピボキシル(商品名セフィル)、塩酸セ
フォチアムヘキセチル(商品名パンスポリン);および
【0026】セフェム系(第3世代)と分類されるセフ
ィキシム(商品名セフスパン)、セフチゾキシムナトリ
ウム(商品名エポセリン)、セフテラムピボキシル(商
品名トミロン)、セフポドキシムプロキセチル(商品名
バナン)、塩酸セフカペンピボキシル(商品名フロモッ
クス)。
【0027】その他にも、塩酸セフマチレン、塩酸セフ
ォゾプラン(商品名ファーストシン)、セフタジジム
(商品名モダシン)、硫酸セフピロム(商品名プロアク
ト)、塩酸セフェピム(商品名マキシピーム)、硫酸セ
フォセリス(商品名ウインセフ)、セフォテタン(商品
名ヤマテタン)、ラタモキセフナトリウム(商品名シオ
マリン)、フロモキセフナトリウム(商品名フルマリ
ン)、セファゾリンナトリウム(商品名セファメジ
ン)、セフメタゾールナトリウム(商品名セフメタゾ
ン)等が例示される。さらに、本発明における他のβ−
ラクタム系抗菌薬としてペネム系と分類されるファロペ
ネムナトリウム(商品ファロム)も包含される。
【0028】本発明の抗菌性医薬組成物はまた、他のβ
−ラクタム系抗菌薬の効力を相対的に増強させるため、
当該他の抗菌薬の本来の用量よりも少ない量での処置を
可能とする。本発明の抗菌性医薬組成物も上述の手法に
より製造することができる。上記化合物、そのプロドラ
ッグまたはそれらの製薬的に許容される塩もしくは溶媒
和物と、上記「他のβ−ラクタム系抗菌薬」との使用割
合は特に限定されないが、例えば1:10〜10:1、
好ましくは1:3〜3:1(例、1:1)の比率であ
る。
【0029】
【実施例】本発明を以下の実施例および試験例によりさ
らに詳細に説明するが、本発明はこれらに制限されるも
のではない。
【0030】実施例1 セフカペンに適量の崩壊剤、結合剤、賦形剤、および滑
沢剤を加えて打錠することにより、錠剤を調製する。 実施例2 セフカペンおよび塩酸セフマチレンに、適量の崩壊剤、
結合剤、賦形剤および滑沢剤を混合したものをカプセル
充填することにより、カプセル剤を調製する。
【0031】試験例1 β−ラクタマーゼに対する阻害活性の生物学的検定 化合物のβ−ラクタマーゼ阻害活性は、β−ラクタマー
ゼにより生ずる基質の分解活性を50%阻害する濃度IC
50値を算出することにより測定した。β−ラクタマーゼ
の活性測定のためには、染色体由来クラスC型β−ラク
タマーゼであるAmpCを高産生しているEnterobacter clo
acaeより部分精製したAmpC標品(配列番号:1)を用い
た。β−ラクタマーゼ活性測定においては、基質として
50μg/mlニトロセフィン(nitrocefin、Oxoid,
U.K.)溶液を用いAmpC存在下で室温30分間反応後、4
90nmにおけるOD値を測定することにより算出した。
ニトロセフィンはβ−ラクタマーゼによって加水分解さ
れることによって黄色から赤褐色に変色する試薬であ
る。化合物を1−1000nM共存させた時に生ずるβ
−ラクタマーゼ活性阻害の程度を測定し、IC50値を算出
した。
【0032】得られた結果を以下の表1に示す。これら
の結果は、本発明にかかるセフカペンおよびその関連化
合物がβ−ラクタマーゼ活性を良好に阻害していること
を示している。
【表1】
【0033】試験例2 β−ラクタマーゼに対する阻害活性の酵素学的解析 本試験では、セフカペンを被検化合物として、対象化合
物としてセフポドキシムを用いた。使用したβ−ラクタ
マーゼ酵素は、クラスCβ−ラクタマーゼとしてEnterob
acter cloacae 908R6, 14)Escherichia coli K126)
Citorobacter freundii 6)Pseudomonas aeruginosa 6)
が産生するAmpCであった。これらのβ−ラクタマーゼは
電気泳動により単一のタンパクとして認められた95%以
上の純度を持つ酵素である。
【0034】β−ラクタマーゼ活性の測定として、kcat
値およびKm値の算出は、基質が酵素によって完全に分解
されるまでの吸光度変化を経時的に測定し、その値をHe
nri-Michaelis方程式をもとに算出した。また、k+3
およびk+2/KもHenri-Michaelis方程式をもとに誘
導された方程式に順じて算出した。
【0035】セフカペンのβ−ラクタマーゼに対するKm
値が小さいあるいはβ−ラクタマーゼに対する阻害反応
を有する場合や不活化作用を有するなどの理由から上記
の方法で直接各種パラメータを算出することが不可能な
場合は、100μM ニトロセフィン(Oxoid, U.K.)溶液を
リポーター基質として使用し、測定波長482nm、反応温
度30℃の条件で測定した。Galleniらの報告にしたがっ
てHenri-Michaelis方程式をもとに分解されにくい基質
のために誘導された方程式によってKi値を算出した。得
られたデータをさらにグラフにプロットして、その傾き
およびY−軸との交点の値をもとにKi値を算出した5,
12)。計算式に関しては省略する。さらに、可能な場合
には、得られたKi値を参考にその値の10倍濃度以上の基
質を用いてkcat値を求めた。
【0036】なお、Km値およびKi値はどのくらいの基質
濃度があればβ−ラクタマーゼ酵素の活性中心を満たす
ことができるのかを示す値であり、酵素とβ−ラクタム
系抗菌薬との親和性を示す値である。従って、それら数
値が小さいほど親和性が高いことを示す。クラスA型お
よびクラスC型β−ラクタマーゼは活性中心にセリンを
有しておりβ−ラクタム系抗菌薬の種類を認識したうえ
で一旦β−ラクタマーゼの分子内にそれを捕捉し、次い
で加水分解を引き起こす。β−ラクタマーゼは以下の3
段階の反応を行っており、この反応様式は、β−ラクタ
ム系抗菌薬の標的分子であるペプチドグリカンの生合成
に関わるペニシリン結合蛋白質のトランスペプチダーゼ
(PBP)の反応様式と同一であると考えられている。
【化11】 [式中、Eは酵素、Cはβ−ラクタム系抗菌薬、ECはHenr
i-Michaelis複合体、EC*は酵素とβ−ラクタム系抗菌薬
の共有結合体(アシル中間体)、P(s)は不活化された分
解産物をぞれぞれ示す] 上述のようにKm値およびKi値が小さいほど親和性は高
く、一方、kcat値はk+1からk+3までのスピードを総合し
て示した値であり、その数値が小さいほど酵素による分
解速度が遅いことを示す。
【0037】得られた結果を以下の表2に示す。なお、
Km値およびKi値は同じ意味を持つパラメータであること
から同一のカラムに示し特に区別はしなかった。
【表2】
【0038】クラスC型β−ラクタマーゼに対するそれ
ぞれのパラメーターを見てみると、セフポドキシムのKm
値は0.09から2.7μM、kcatは0.8から1.3
であったが、セフカペンについてはKmおよびkcat
値を算出することができず、不活化パターンを示す酵素
と基質に特有のパラメーターが算出された。すなわち、
アシル中間体の形成効率を示すk+2/Kは8.7×1
から7.0×10 −1・s−1と高い数値を示
し、脱アシル化速度を示すk+3は0.002から0.
2s−1と低い値を示した。これらの結果からも、セフ
カペンはクラスC型βラクタマーゼに対して強い阻害作
用を示すことが判明した。
【0039】
【発明の効果】本発明医薬組成物を通常の抗菌薬と併用
することによりβ−ラクタム系抗菌剤の抗菌スペクトル
の拡大や抗菌力の増大が期待できる。他方、上記のよう
にβ−ラクタマーゼは細菌がβ−ラクタム系抗菌薬に対
する耐性を獲得する場合の主要な耐性機構の一つであ
る。最近、古典的なクラスA、クラスCあるいはクラスD
型β−ラクタマーゼが突然変異を起こしてその基質特異
性を拡張させた新規β−ラクタマーゼが多数発見されて
いる2, 3, 7, 9, 10, 15 , 16)。さらに、クラスB型β−
ラクタマーゼに分類される基質特異性が極めて広い、す
なわち現在市販されているβ−ラクタム系抗菌薬のほと
んどのものを加水分解してしまう酵素も見出されている
16)。多くのクラスBおよび一部のクラスAに属するβ−
ラクタマーゼは、β−ラクタマーゼに極めて安定である
と考えられているカルバペネム系抗菌薬をも容易に分解
する15, 16)。したがって、これらの新しく発見された
酵素を含む複数のβ−ラクタマーゼに対するβ−ラクタ
ム系抗菌薬の安定性を評価することは、今後これらの耐
性菌が増加する可能性があることを考えあわせると重要
な試験の一つであると考えられる。
【0040】以下に、本明細書中に引用している文献を
示す。 1. Barthelemy, M., J. Peduzzi, C. Verchere-Beaur,
H. Ben Yaghlane, andR. Labia. 1986. Purification
and biochemical properties of Pitton's type2 beta-
lactamase (SHV-1). Annales de l Institut Pasteur -
Microbiologie. 137B:19-27 2. Bush, K., G. A. Jacoby, and A. A. Medeiros. 19
95. A functional classification scheme for beta-la
ctamases and its correlation with molecularstructu
re. Antimicrobial Agents & Chemotherapy. 39:1211-3
3 3. Danel, F., L. M. Hall, D. Gur, and D. M. Liver
more. 1997. OXA-15, anextended-spectrum variant of
OXA-2 beta-lactamase, isolated from a Pseudomonas
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m, P. Ledent, B. Joris, L. Fanuel, and J. M. Frer
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class B beta-lactamases. Biochemical Journal. 291:
151-5. 5. Galleni, M., and J. M. Frere. 1988. A survey o
f the kinetic parameters of class C beta-lactamase
s: Penicillins. Biochemical. Journal. 255:199-122.
【0041】6. Gallenii, M., G. Amicosante, and
J. M. Frere. 1988. A survey of thekinetic paramete
rs of class C beta-lactamases: Cephalosporins and
otherbeta-lactam compounds. Biochemical Journal. 2
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class A beta-lactamase isolated from Escherichia c
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nduced inactivation ofthe OXA2 beta-lactamase. Bio
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the gene encoding Toho-2, a class A beta-lactamase
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【0042】11. Matagne, A., A. Dubus, M. Gallen
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-lactamases and mechanism-based inactivators: a ki
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ctamases: efficiency and diversity. Biochemical Jo
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analysis of the gene for a carbapenem-hydrolyzing
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an enterobacterial metallo beta-lactamase found in
a clinical isolate of Serratia marcescens that sh
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986 23. Chemotherapy 36(S-8), 1988
【0045】
【配列表】 <210> 1 <211> 361 <212> PRT <213> Enterobacter cloacae <400> 1 Thr Pro Val Ser Glu Lys Gln Leu Ala Glu Val Val Ala Asn Thr Val 1 5 10 15 Thr Pro Leu Met Lys Ala Gln Ser Val Pro Gly Met Ala Val Ala Val 20 25 30 Ile Tyr Gln Gly Lys Pro His Tyr Tyr Thr Phe Gly Lys Ala Asp Ile 35 40 45 Ala Ala Asn Lys Pro Val Thr Pro Gln Thr Leu Phe Glu Leu Gly Ser 50 55 60 Ile Ser Lys Thr Phe Thr Ala Val Leu Gly Gly Asp Ala Ile Ala Arg 65 70 75 80 Gly Glu Ile Ser Leu Asp Asp Pro Val Thr Arg Tyr Trp Pro Gln Leu 85 90 95 Thr Gly Lys Gln Trp Gln Gly Ile Arg Met Leu Asp Leu Ala Thr Tyr 100 105 110 Thr Ala Gly Gly Leu Pro Leu Gln Val Pro Asp Glu Val Thr Asp Asn 115 120 125 Ala Ser Leu Leu Arg Phe Tyr Gln Asn Trp Gln Pro Gln Trp Lys Pro 130 135 140 Gly Thr Thr Arg Leu Tyr Ala Asn Ala Ser Ile Gly Leu Phe Gly Ala 145 150 155 160 Leu Ala Val Lys Pro Ser Gly Met Pro Tyr Glu Gln Ala Met Thr Thr 165 170 175 Arg Val Leu Lys Pro Leu Lys Leu Asp His Thr Trp Ile Asn Val Pro 180 185 190 Lys Ala Glu Glu Ala His Tyr Ala Trp Gly Tyr Arg Asp Gly Lys Ala 195 200 205 Val Arg Val Ser Pro Gly Met Leu Asp Ala Gln Ala Tyr Gly Val Lys 210 215 220 Thr Asn Val Gln Asp Met Ala Asn Trp Val Met Ala Asn Met Ala Pro 225 230 235 240 Glu Asn Val Ala Asp Ala Ser Leu Lys Gln Gly Ile Ala Leu Ala Gln 245 250 255 Ser Arg Tyr Trp Arg Ile Gly Ser Met Tyr Gln Gly Leu Gly Trp Glu 260 265 270 Met Leu Asn Trp Pro Val Glu Ala Asn Thr Val Val Glu Gly Ser Asp 275 280 285 Ser Lys Val Ala Leu Ala Pro Leu Pro Val Ala Glu Val Asn Pro Pro 290 295 300 Ala Pro Pro Val Lys Ala Ser Trp Val His Lys Thr Gly Ser Thr Gly 305 310 315 320 Gly Phe Gly Ser Tyr Val Ala Phe Ile Pro Glu Lys Gln Ile Gly Ile 325 330 335 Val Met Leu Ala Asn Thr Ser Tyr Pro Asn Pro Ala Arg Val Glu Ala 340 345 350 Ala Tyr His Ile Leu Glu Ala Leu Gln 355 360
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山野 佳則 大阪府豊中市二葉町3丁目1番1号 塩野 義製薬株式会社内 Fターム(参考) 4C075 AA06 BB02 CC13 CC14 CD10 EE02 EE05 FF01 GG01 HH01 LL10 4C084 AA19 MA02 ZB35 ZC20 4C086 AA01 AA02 CC14 MA01 MA02 MA04 NA14 ZB35 ZC20

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 7位側鎖に置換基:R−CONH−(こ
    こにRはオレフィン基であってその二重結合を構成して
    いる炭素原子のひとつが直接カルボニル基に結合してい
    る基)を有するセファロスポリン誘導体を含有する、β
    −ラクタマーゼ活性を阻害するための医薬組成物。
  2. 【請求項2】 該セファロスポリン誘導体が式: 【化1】 [式中、Rは置換されていることあるヘテロアリール
    であり;RおよびRはそれぞれ独立して、水素、置
    換されていることある低級アルキル、置換されているこ
    とある低級アルコキシ、または置換されていることある
    シクロアルキルであり;およびRは水素、ヒドロキ
    シ、置換されていることある低級アルコキシ、置換され
    ていることあるアミノカルボニルオキシ(ここに、置換
    基は低級アルキル)、置換されていることある低級アル
    キルカルボニルオキシ、または−S−(置換されている
    ことあるヘテロアリール)である]で示される化合物、
    そのプロドラッグまたはそれらの製薬的に許容される塩
    もしくは溶媒和物である、請求項1記載の医薬組成物。
  3. 【請求項3】 該セファロスポリン誘導体が式: 【化2】 [式中、R’は式: 【化3】 で示される群の中から選ばれる基であり、ここにXは水
    素、ハロゲン、低級アルキルまたは低級アルコキシであ
    り、Yは水素またはアミノであり;R’およびR
    はそれぞれ独立して、水素、低級アルキル、低級アルコ
    キシ、低級アルコキシ低級アルキル、シクロアルキル、
    ヘテロアリール低級アルキルであるか、または水素、ハ
    ロゲン、ヒドロキシ、低級アルキルもしくは低級アルコ
    キシによって置換されていることあるアリール低級アル
    キルであり;およびR’は水素、ヒドロキシ、低級ア
    ルコキシ、低級アルキルカルボニルオキシ、式: 【化4】 (ここに、RおよびRはそれぞれ独立して水素また
    は低級アルキルである)で示される基、または式: 【化5】 で示される群の中から選ばれる基であり、ここにXは水
    素または置換されていることある低級アルキルである]
    で示される化合物、そのプロドラッグまたはそれらの製
    薬的に許容される塩もしくは溶媒和物である、請求項2
    記載の医薬組成物。
  4. 【請求項4】 セファロスポリン誘導体がセフカペン、
    そのプロドラッグ、またはそれらの製薬的に許容される
    塩もしくは溶媒和物である、請求項1記載の医薬組成
    物。
  5. 【請求項5】 請求項1から4までのいずれかに記載の
    化合物、そのプロドラッグまたはそれらの製薬的に許容
    される塩もしくは溶媒和物を、他のβ−ラクタム系抗菌
    薬とともに含有する抗菌性医薬組成物。
  6. 【請求項6】 他のβ−ラクタム系抗菌薬がセファロス
    ポリン誘導体である請求項5記載の抗菌性医薬組成物。
  7. 【請求項7】 セファロスポリン誘導体がセフェム系抗
    菌薬である請求項6記載の抗菌性医薬組成物。
  8. 【請求項8】 β−ラクタマーゼがクラスC型β−ラク
    タマーゼである、請求項1〜7のいずれかに記載の医薬
    組成物。
  9. 【請求項9】 適用対象の菌がグラム陰性菌である、請
    求項1〜8のいずれかに記載の医薬組成物。
  10. 【請求項10】 β−ラクタム系抗菌薬の抗菌スペクト
    ルの拡大および/または抗菌力の増大のための、請求項
    1から4までのいずれかに記載の化合物、そのプロドラ
    ッグまたはそれらの製薬的に許容される塩もしくは溶媒
    和物の使用。
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