JPH10510844A - テキサフィリンを用いるrnaの光切断 - Google Patents

テキサフィリンを用いるrnaの光切断

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JPH10510844A JP9501740A JP50174097A JPH10510844A JP H10510844 A JPH10510844 A JP H10510844A JP 9501740 A JP9501740 A JP 9501740A JP 50174097 A JP50174097 A JP 50174097A JP H10510844 A JPH10510844 A JP H10510844A
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ダレン マグダ,
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Abstract

(57)【要約】 光感受性テキサフィリンを用いる、リボ核酸のポリマーの光切断方法を提供する。好適な使用方法は、リボ核酸のポリマーの部位特異的切断であり、そして好適な光感受性テキサフィリンは、結合特異性を有する誘導体化されたテキサフィリン、特に、部位指向性分子、好ましくはオリゴヌクレオチドに共有結合したテキサフィリンである。光切断の可能な基質は、メッセンジャー、リボソーマル、トランスファー、核内低分子、細胞質内低分子のリボ核酸、そしてリボ核酸の共同因子を包含する。従って、これらのリボ核酸を不活化し、良性もしくは悪性ガン細胞、または所望でない細胞もしくは組織の処置への多方面からのアプローチを提供する。

Description

【発明の詳細な説明】 テキサフィリンを用いるRNAの光切断 発明の背景 光力学的療法(PDT)は、光増感色素を使用する処置技術である。光増感色素 は、処置部位またはその近傍に局在し、そして酸素の存在下で照射した場合に、 穏和な前駆体(例えば、(O2(3Σg-)))から一重項酸素(O2(1Δg))のような細 胞傷害性物質を生じるように作用する。スーパーオキシド、ヒドロペルオキシル 、またはヒドロキシルラジカルのような他の反応種が含まれ得る。使用量におい て、光または薬品のいずれもが、標的疾患に対し何ら独立的な活性を有さない。 PDTの効果は3つの主要因に基づく:i)PDTで使用される光感受性色素は、周辺 組織に対峙する処置部位に局在化する能力を有さなければならない。ii)活性酸 素の高反応性および短存続性は、活性酸素が非常に短い期間を有し、そしてそれ が生成される細胞から漏出しそうにないことを意味する;従って、細胞傷害性は 光を吸収する組織のまさにその領域(おそらく細胞レベルまで)に限定される。 iii)レーザーおよび光ファイバーの進歩により、強い光線を体の多くの部分へ正 確に送達することが可能となる。 光力学的療法の総説については、米国特許第5,252,720号(本明細書中で参考 として援用される);Sindelarら、(1991);Grossweiner(1991);Hendersonおよ びDougherty(1992);ならびにMoanおよびBerg(1992)を参照のこと。近年におい て、かなりの労力が新規な光増感剤の合成および研究に費やされている(総説が BrownおよびTruscott(1993)中に見出される)。より効果的な光化学的治療剤の 開発は、生組織が比較的透過性で(すなわち、700〜1000nm)、高収量の三重項 量子を有し、そして毒性が最少であるスペクトル領域において吸収する化合物の 合成が必要である。本発明のテキサフィリン分子は、組織透過性である730〜770 nmの範囲で強く吸収し;反磁性錯体は、1O2の生成物に増感性を高い量子収量で 与える;完全な合成物である本発明のテキサフィリンは、望ましい特性を組み込 むように調節され得る。 DNAの光力学的切断は公知である。Praseuthら(1986)は、酸素の存在下での合 成水溶性ポルフィリンと可視光とによるプラスミドDNAの切断を報告した。Fiel( 1989)もまた、鉄ポルフィリンによる光増感性のDNA鎖切断および酸化還元性のDN A鎖切断を報告した。別の例によれば、Kobayashiら(1993)は、酸素の存在下で のフェオホルビド(pheophorbide)ナトリウム(クロロフィルの誘導体)と可視 光とによるプラスミドDNAの切断を報告した。ポルフィリン-オリゴヌクレオチド 誘導体を使用して、DNA基質の配列特異的修飾、それに続く熱ピペリジンを用い る切断を行うことが報告された(Vlassovら、1991;Le Doanら、1990)。これら のポルフィリン結合体の吸収波長は700nm未満であり、より長い波長の光と同じ ように組織を有効に透過しない範囲である。WO96/09315は、テキサフィリンを用 いたDNAの光切断に関している。 乾癬を処置するために紫外光と薬品8-メトキシソラレンとを使用することが 詳細に確立されている。Leeら(1988)の報告は、ソラレン誘導化オリゴデオキ シリボヌクレオシドメチルホスホネートと一本鎖DNAとの相互作用に関する。ピ リミジンとソラレンとの間で架橋された光付加物が形成するようである。この処 置は、ガン細胞の発生をもたらし得る。さらに、約365nmの短波長の照射は体を 透過せず、それゆえ体表面においてのみ有効である。ソラレンに基づいた処置は 、患者が可視光に曝されるかまたは反応が皮膚表面上で継続する前に、薬品を体 から取り除くことが可能でなければならない。 DNAの配列特異的切断はまた、金属錯体で誘導化されたオリゴヌクレオチドを 使用する暗反応として報告されている。いくつかの例としては、オリゴヌクレオ チド-EDTA-鉄錯体(StrobelおよびDervan、1989;Linら、1989;DreyerおよびDe rvan、1985)、オリゴヌクレオチド-金属結合付加物を有する三価カチオンポル フィリン(GrovesおよびFarrell,1989)、オリゴヌクレオチド-フェナントロリ ン-銅錯体(ChenおよびSigman,1988)、オリゴヌクレオチド-マンガン-ポルフ ィリン(Meunierら、1993)、およびオリゴヌクレオチドに結合した鉄-ポルフィ リン(Le Doanら、1986,1987)が挙げられる。 現在の光感受性分子は良好な腫瘍選択性を欠き、そして光増感に必須である光 励起をもたらすために波長の短い光を必要とする。 本発明はRNAの光切断、特に、生物学的系におけるRNAの光誘導性光切断の活性 を有する光感受性分子に関する。PDTおよびRNAの光切断に有効な光感受性分子は 以下の特性を有する;容易に入手可能、低い内毒性、長波長吸収、一重項酸素生 成に有効な光増感剤、良好な水溶性、アテロームまたは腫瘍組織のような脂肪親 和性組織での選択的な取り込み、エンベロープウィルスに対する高親和性、使用 後の迅速な分解および/または排出、化学的に純粋および安定、合成的改変への 容易な適用、生理学的温度およびpHでの有効性、特定の生物学的基質に対する特 異性、生物学的系への簡便な投与、ならびに感受性の高い部位指向性キャリア分 子への結合。 本発明はこれらの問題に関し、そして本明細書中でRNAを切断する能力を有す る光増感剤を提供する。従って、光力学的療法に対して全く新しい範囲の標的を 提供する。これらの光増感剤は、腫瘍局在性、約800nmまでのより長波長範囲に おける吸収、ならびに、無毒性、皮膚感受性の欠失、および純粋な形態での容易 な生成を示す。 略語の一覧表 DCC : ジシクロヘキシルカルボジイミド DMF : ジメチルホルムアミド EDTA : エチレンジアミン四酢酸 NHS : N-ヒドロキシスクシンイミド NM : ナノメートル RNA : リボ核酸 TEA : トリエチルアミン THF : テトラヒドロフラン Txp(txph)(Tx) : テキサフィリン 発明の要旨 本発明は、リボ核酸のポリマーの光誘導性光切断方法を提供する。本方法は、 リボ核酸のポリマーと光感受性テキサフィリンとを接触する工程、およびポリマ ーを切断するために十分な時間光感受性テキサフィリンを光に曝す工程を含包す る。本明細書中で用いられるテキサフィリンは、付加された官能基を有するポル フィリンアナログを拡張した芳香族ペンタデンテートである。この付加基は溶解 性または生物学的局在性を増強し得るか、またはオリゴヌクレオチドのような部 位指向性分子のカップリング部位を提供し得る。 リボ核酸のポリマーは、RNAの溶液もしくは懸濁液であり得るか、またはイン ビトロ、インビボ、もしくはエクスビボで細胞RNAであり得る。特異的にRNAを光 切断する能力は、種々の疾患の処置;レトロウィルスRNA、メッセンジャーRNA、 腫瘍形成mRNA、リボソームRNA、RNA共同因子、トランスファーRNA、核内低分子 RNA、または細胞質内低分子RNAの破壊に重要な密接な関係を有する。従って、疾 患の、癌の、または他の所望でない細胞または組織排除に対する多方面からのア プローチを提供する。所望の光切断の部位は、宿主に有害な産物をコードするRN Aであり得るか、または何らかの形で有害な正常RNAであり得る。 本明細書中に記載のRNAの光切断は、光分解的切断である。切断は、加水分解 (水分子が結合を破壊するように結合をはさんで添加される)ではないと考えら れており、また光切断は、単独の酸化(光の非存在下で酸化反応が結合の破壊を 引き起こす)ではないとも考えられている。 このRNAの部位特異的光切断の方法は、少なくとも2つの特異性の供給源を包 含する。相補的なオリゴヌクレオチドが標的化基質と塩基対を形成するように設 計されて第1の特異性の供給源を提供し、そしてインビトロまたはインビボ適用 のための第2の特異性の供給源としてレーザー光線が適切に配置される。手動ま たは機械的手段のいずれかによるこのようなレーザー光線の適切な配置は、この オリゴヌクレオチド光切断反応が特定の生物学的位置(例えば、深部腫瘍部位) において効果的である場合に、特に有益である。本明細書のテキサフィリンが、 体組織が比較的透過性である波長(700〜900nm)において光を吸収するという事 実は特に有益である。この手順は、テキサフィリン結合体が局在しない他の組織 の比較的有害性の少ない光に基づく光増感とともに、体内深部での光に基づくオ リゴヌクレオチドストラテジーの効果的な実施を可能にする。 良性または悪性腫瘍細胞を有する宿主の処置方法は、本発明のさらなる実施態 様である。本方法は、宿主に有効量の光感受性テキサフィリン−オリゴヌクレオ チド結合体を投与する工程(このオリゴヌクレオチドは、良性または悪性腫瘍細 胞のRNA分子と相補的な配列を有する)、および腫瘍細胞の近傍で光感受性テキ サフィリンに光を照射する工程を包含する。本方法はさらに、テキサフィリンを 参照することによって、宿主における光感受性テキサフィリンの局在化部位を決 定する工程を包含し得る。 本発明のさらなる実施態様は、標的化細胞内RNA光切断のための方法である。 本方法は、標的化RNAに相補的な結合親和性を有するオリゴヌクレオチドと結合 するテキサフィリンが細胞内へ導入され、それにより標的化RNAの光切断がテキ サフィリンによって触媒されることを包含する。 メッセンジャーRNAの破壊、そしてそれによる動物における遺伝子発現の阻害 の方法は、本発明のさらなる実施態様である、テキサフィリン−オリゴヌクレオ チド結合体を動物へ投与する工程を包含する。オリゴヌクレオチドはメッセンジ ャーRNA分子の領域またはメッセンジャーRNAのスプライシング反応に関与する核 内低分子RNAに相補的な結合親和性を有する。本発明のさらなる実施態様は、組 織特異性を有するテキサフィリンを動物へ投与する工程を包含する、動物の組織 特異的メッセンジャーRNAを阻害する方法である。テキサフィリンは標的メッセ ンジャーRNAと相補的なオリゴヌクレオチドを付加し得る。 本発明のさらなる実施態様は、2つ以上の分離したテキサフィリン錯体がオリ ゴヌクレオチドに3'末端、5'末端、および/または1つ以上の内部残基で結合 している、テキサフィリン結合体である。テキサフィリンは、金属非含有であり 得るかまたは金属配位され得る。テキサフィリン錯体のそれぞれの金属イオンは 同じであり得るかまたは異なり得る。同様に、テキサフィリンそれぞれが異なり 得る。2重テキサフィリン錯体-結合体の使用は、金属錯体の協同的な活性によ り、効率の高いRNAの光切断をもたらす。診断および処置の目的で、一方が反磁 性金属種を有するテキサフィリン錯体であり他方が常磁性金属種を有するこのよ うな結合体の投与は、結合、イメージング(imaging)、および光切断(すべて が1つの結合体により達成される)を可能にする。この場合、結合はオリゴヌク レオチドにより達成され、イメージングは常磁性金属イオンの存在によりMRIに よって達成され、そして光切断は反磁性金属カチオンを含む光感受性テキサフィ リンにより達成される。従って、結合体の生物分布性および細胞貫通性が決定さ れ得る。 本発明のさらなる局面は、リボ核酸のポリマーの光切断に用いる薬学的組成物 の調製における光感受性テキサフィリンの使用である。好ましい実施態様によれ ば、リボ核酸のポリマーはメッセンジャーRNAであり、そして光感受性テキサフ ィリンは本明細書中で提供される構造IまたはIIを有する。 好適な実施態様の詳細な説明 本発明は、リボ核酸のポリマーの光誘導性切断のための光感受性テキサフィリ ンの使用を提供する。光感受性テキサフィリンはフリーの塩基性テキサフィリン でもよく、あるいは反磁性金属で金属配位(metallated)されていてもよい。好ま しい反磁性金属は、Lu(III)、La(III)、In(III)、Y(III)、Zn(II)、またはC d(II)、そして最も好ましい反磁性金属はLu(III)またはY(III)である。本明細書 中で使用される用語「光感受性」は、照射時にテキサフィリンが細胞傷害性酸素 生成物の生成をもたらすことを言う。この酸素生成物は、例えば、ヒドロキシル ラジカル、スーパーオキシド、またはヒドロペルオキシルラジカルのような一重 項酸素である。それゆえ、光感受性分子の近傍で、標的化光誘導性治療効果を達 成する。本明細書中で概説したように、鎖の破壊は光化学的に引き起こされた損 傷の範囲を測定するのに有用であるが、その一方で、それ自身によるこの損傷( 例えばヌクレオチドの修飾)は、核酸の生物学的機能(例えば、RNAの翻訳、フ ァージの伝染力)を阻害することが知られている。 本発明の光誘導性光切断において、光の波長は、約650〜900nmの範囲であり得 、好ましくは約700〜800nmであり、そして最も好ましくは約730〜770nmであり得 る。 リボ核酸のポリマーの光誘導性光切断に用いるためのテキサフィリンまたはテ キサフィリン金属錯体は、構造IまたはIIを有し得る。 Mは、Hまたは反磁性金属カチオンである。R1〜R4、R7およびR8は、独立 して、水素、ハロゲン化物、ヒドロキシル、アルキル、アルケニル、アルキニル 、 アリール、ハロアルキル、ニトロ、ホルミル、アシル、ヒドロキシアルキル、ア ルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロキシアルケニル、ヒドロキシアルキニ ル、サッカライド、カルボキシ、カルボキシアルキル、カルボキシアミド、カル ボキシアミドアルキル、アミノ、アミノアルキル、部位指向性分子、触媒基、あ るいは部位指向性分子または触媒基に結合しているカップルである。 R6およびR9は、独立して、R1〜R4、R7およびR8の群から選択される。た だし、ハロゲン化物はヨウ化物以外であり、そしてハロアルキルはヨードアルキ ル以外である。 R5およびR10〜R12は、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニ ル、アリール、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒド ロキシアルケニル、ヒドロキシアルキニル、カルボキシアルキル、カルボキシア ミド、カルボキシアミドアルキル、アミノ、アミノアルキル、あるいはサッカラ イド、部位指向性分子または触媒基に結合しているカップルである;そしてnは 5以下の整数値である。 R13は約3個までの炭素原子を有し、そして最初に結合した炭素原子の周囲で 回転自由性を有するアルキル、アルケニル、オキシアルキル、またはヒドロキシ アルキルである。回転自由性は、残りの基をテキサフィリンの平面の外側に位置 することを可能にする。従って、好ましいアルケニルは、例えば、CH2−CH =CH2である。ピロール窒素置換基は最も好ましいメチル基である。 本発明のテキサフィリンは、金属フリーであり得るか、または金属との錯体で あり得る。上記の構造Iで、nは代表的には5以下の整数である。2価または3 価の金属カチオンを有する基本的な大員環(macrocycle)に関して、nは1または 2である;しかし、当業者は、本発明の開示を考慮すると、nの値が置換基R1 〜R12に存在する電荷および共有結合した部位指向性分子に存在する電荷によっ て変化するということを認識する。当業者により、本発明に記載される錯体が、 金属イオンの電荷中和および/または配位飽和を提供する、1つ以上の付加的な リガンドを有することが理解される。このようなリガンドは、例えば、塩化物、 硝酸塩、酢酸塩、および水酸化物を含む。 本発明のアルキル基置換基として有用なアルカンの代表例は、メタン、エタン 、 ならびにプロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン 、およびデカンの直鎖状、分岐状または環状異性体であり、好ましくは、メタン 、エタン、およびプロパンである。アルキル基は本発明では、約30個まで、ま たは約50個までの炭素原子を有することを意味する。置換されたアルキルの代 表例は、本明細書中に記載されるように、2個以上の官能基によって置換された アルキルを包含する。 アルケニル基置換基として有用なアルケンの代表例は、エテン、ならびにプロ ペン、ブテン、ペンテン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ノネン、およびデセ ンの直鎖状、分岐状または環状異性体であり、好ましくは、エテンおよびプロペ ンである。アルケニル基は本発明では、約30個まで、または約50個までの炭 素原子を有し、そして約5個までの二重結合を有し、あるいはより好ましくは約 3個までの二重結合を有することを意味する。 アルキニル基として有用なアルキンの代表例は、エチン、ならびにプロピン、 ブチン、ペンチン、ヘキシン、ヘプチン、オクチン、ノニン、そしてデシンの直 鎖状、分岐状または環状異性体であり、好ましくは、エチンおよびプロピンであ る。アルキニル基は、本発明では、約30個まで、または約50個までの炭素原 子を有し、そして約5個までまたは約3個までの三重重結合を有することを意味 する。 アリールは、ベンゼン、ナフタレン、フェナントレン、アントラセンなど、即 ち、ベンゼンの6炭素環または他の芳香族誘導体の縮合6炭素環のいずれかに特 徴的な環構造を有する分子の化合物であり得る。例えば、アリール基はニトロ、 カルボキシ、スルホン酸、ヒドロキシ、オキシアルキル、またはハロゲン化物置 換基で置換されていないか、または置換されたフェニルまたはナフチルであり得 る。この場合、フェニルまたはナフチルでの置換は、大員環を形成する縮合工程 の後、合成工程に加えられ得る。 ハロゲン化物置換基において、塩化物、臭化物、フッ化物およびヨウ化物は、 本発明の実施によれば、ヨウ化物を除いて、R6およびR9であることを意味する 。R6およびR9は塩化物、臭化物、またはフッ化物置換基を有し得る。本発明で 用いられるハロアルキルの代表例は、メタン、エタン、プロパン、ブタン、 ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、およびデカンのハロゲン化 合物を包含し、メタン、エタン、およびプロパンの塩化物、または臭化物である ハロゲン化物が好ましい。 「ヒドロキシアルキル」はアルキルアルコール基を意味する。1〜20、より好 ましくは1〜10のヒドロキシルを有するヒドロキシアルキル基が好ましい。「ヒ ドロキシアルキル」は、グリコールおよびポリグリコール;アルキルのジオール (C1-10アルキルのジオールが好ましく、そしてC1-3アルキルのジオールがより 好ましい);ならびに、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールお よびポリブチレングリコール、ならびにエチレン、プロピレン、およびブチレン の組み合わせを含むポリアルキレングリコールを含むことを意味する。 オキシアルキルの代表例は、本明細書中で記載されるように、いずれも結合を 有するアルキル基を含む。「オキシアルキル」は、一つ以上の官能基を有するポリ エーテルを包含すること意味する。置換基中のオキシアルキルの繰り返しの数は 、200まで、好ましくは1〜20、より好ましくは1〜7であり得、そして最も好 ましくは2〜3である。好ましいオキシアルキルはO(CH2CH2O)xCH3であ り、ここでxは1〜120、好ましくは1〜10、そして最も好ましくは1〜5であ る。 オキシヒドロキシアルキルは、エーテル結合またはエステル結合を有するアル キル基、置換ヒドロキシル基、ヒドロキシル基、カルボキシル基、置換カルボキ シル基などを意味する。 チオアルキルの代表例は、エタンのチオール、プロパン、ブタン、ペンタン、 ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、およびデカンの直鎖状、分岐状または 環状異性体のチオールを含み、好ましくはエタンのチオール(エタンチオール、 C25SH)またはプロパンのチオール(プロパンチオールC37SH)である 。硫酸置換アルキルは、上記のように、1つ以上の硫酸基によって置換されたア ルキルを包含し、代表例はジエチル硫酸((C252SO4)である。 ホスフェートの代表例は、ホスフェート基またはポリホスフェート基を含む。 ホスフェート置換アルキルの代表例は、上記のように、1つ以上のホスフェート またはポリホスフェート基で置換されたアルキルを含む。ホスフェート置換アル キルの代表例は、上記のように、1つ以上のホスフェート基で置換されたアルキ ルを含む。 カルボキシ基の代表例は、上記にアルキルのカルボン酸、および安息香酸のよ うなアリールカルボン酸を含む。カルボキシアミドの代表例は、1級カルボキシ アミド(CONH2)、2級(CONHR')カルボキシアミドおよび3級(CONR'R")カルボキシ アミドを含む。ここで、R'およびR”のそれぞれは、本明細書に記載の官能基で ある。 有用なアミンの代表例は、本明細書において上記のアルキルの1級、2級また は3級アミンを含む。 「カルボキシアミドアルキル」は、2級または3級アミド結合などを有するアル キル基を意味する。「カルボキシアルキル」は、ヒドロキシル基、カルボキシル 置換エーテルまたはアミド置換エーテル、エステル結合、エーテルから取り出さ れた3級アミド結合などを有するアルキル基を意味する。 用語「サッカライド」は、酸化、還元、または置換されたサッカライド;D-グ ルコース、D-マンノース、またはD-ガラクトースのようなヘキソース;D-リ ボースまたはD-アラビノースのようなペントース;D-リブロースまたはD-フ ルクトースのようなケトース;スクロース、ラクトース、またはマルトースのよ うなジサッカライド、アセタール、アミン、およびホスフェート化糖のような誘 導体;オリゴサッカライド;ならびに開鎖形態の種々の糖などを含む。アミン誘 導体化糖の例は、ガラクトサミン、グルコサミン、シアル酸、および1-アミノ-1 -デオキシソルビトールのようなD-グルカミン誘導体である。 本発明の実施態様において、テキサフィリンは部位指向性分子とさらに結合さ れ、標的化インビボ送達のための結合体を形成する。「部位指向性」は、標的化 部位に対する特異性を有することを意味する。「標的部位への特異性」は、テキ サフィリン結合体が標的化部位と接触する際に、例えば、イオン強度、温度、p Hなどの生理的条件下で、特異的結合が起こることを意味する。相互作用は、相 互作用を促進するのに効果的な条件下で安定な錯体を形成するために、特異的な 静電作用、疎水作用、熱力学作用、または、結合体の特定の残基と標的の特定な 残基との他の相互作用によって起こり得る。部位指向性分子は、処置部位への局 在化のための結合特異性を有し得る。本発明で意図する代表的な部位指向性分子 は、以下を含むがこれらに限定されるわけではない;ポリデオキシリボヌクレオ チド、オリゴデオキシリボヌクレオチド、ポリリボヌクレオチド、オリゴリボヌ クレオチド、そおよびこれらのアナログ;生物学的レセプターに親和性を有する ペプチドを含むポリアミド;抗体のようなタンパク質;ステロイドおよびステロ イド誘導体;エストラジオールまたはヒスタミンのようなホルモン;モルヒネの ようなホルモン類似物;ならびにサプフィリンおよびルビリンのようなさらなる 大員環である。 本発明の好適な実施態様において、本発明は、光感受性テキサフィリン−部位 指向性分子結合体を用いるリボ核酸のポリマーの部位特異的光切断を包含する。 この部位指向性分子は切断されるRNAの一部と相補的な配列を有するオリゴヌク レオチドである。 実証例5のデータでは、反磁性金属−テキサフィリン−オリゴヌクレオチド結 合体が、RNAアンチセンス試薬の中で形成され得ることを示す。このアンチセン スストラテジーは、新薬のデザインのための明確かつ合理的な方法を提供する。 なぜなら、1つの必要条件、即ちアンチセンスプローブがその標的分子とハイブ リダイズすることが存在するからである。ハイブリダイゼーションに必要な条件 は、相補的なワトソン−クリックの塩基対形成によることが周知である。何千も の化合物のスクリーニング、およびX線結晶構造解析を必要とする当該分野の現 存する方法と異なり、アンチセンス技術に必要な情報は、標的の配列である。テ キサフィリン−オリゴヌクレオチド結合体での天然RNAの処置は、付加オリゴヌ クレオチドを介した、結合体への相補的なRNA配列の結合をもたらす。反磁性金 属−テキサフィリン錯体は、次いでこの特異的部位の近傍でRNAを切断する。2 個のテキサフィリン分子は、結合したオリゴヌクレオチドに付加され得、光切断 活性を増強する。また、オリゴヌクレオチドに付加されたより多くのテキサフィ リンは、アンチセンス剤に、腫瘍での選択的局在化のような、テキサフィリンの 薬力学的および生物学的分布特性をさらに獲得させる。 テキサフィリン-オリゴヌクレオチド結合体は、抗ウィルスおよび抗菌療法、 ならびにガン(例えば、ガン形成型メッセンジャーRNAと相補的なオリゴヌクレ オチド)および特定のタンパク質の過剰発現による炎症反応に対する即時的適用 を有する。アンチセンス技術は、米国特許第5,194,428号,同第5,110,802号,およ び同第5,216,141号で論議されており、これら全てが本明細書中で参考として援 用される。 オリゴヌクレオチドは、従来の薬品におけるいくつかの利点、特に標的部位へ の高い特異性、およびデザインの容易性を有す。オリゴヌクレオチドは、インビ ボでの安定性を促進するために骨格の塩基、糖、鎖の末端、またはホスフェート 基で誘導体化され得る。CpG配列は分解を最小化するように誘導体化され得る ;誘導体化は、アルキル化であり得、好ましくはメチル化である。ホスフェート 基の修飾は、ホスフェート結合がヌクレアーゼ活性に感受性であるため、本発明 の1つの実施態様において好ましい。好ましい誘導体はメチルホスホネート、ホ スホトリエステル、ホスホロチオエート、およびホスホルアミデートである。誘 導体はまた、改変ホスホロチオエートおよび未修飾結合、改変メチルホスホネー トおよび未修飾結合、または改変ホスホロチオエートおよびメチルホスホネート 結合を含み得る。さらに、ホスフェート結合は、アミド結合のような非ホスフェ ート結合で完全に置換され得る。オリゴヌクレオチド鎖の末端の付加物はまた、 エキソヌクレアーゼ耐性を提供する。5’末端または3’末端は、ホスホルアミ デート結合、3'-3'結合でオリゴヌクレオチドに結合された逆位ヌクレオチド 、アミノアクリジン残基、またはポリL-リジンで誘導体化され得るか、または「 キャップ」され得る。 糖の修飾は、リボヌクレオチドのリボースの部分の酸素に結合される、ハロ、 アルキル、アルケニル、またはアルコキシのような基を含み得る。好適な実施態 様において、この基はリボースの2’酸素に結合される。特に、フルオロのよう なハロゲン部分が用いられ得る。アルコキシ基はメトキシ、エトキシ、またはプ ロポキシであり得る。アルケニル基は好ましくはアリルである。アルキル基は好 ましくはメチル基でありそしてメチル基はリボースの2’酸素に結合される。他 のアルキル基はエチルまたはプロピルであり得る。O-メチル化誘導体化は、リ ボヌクレオチドが分解するのを防ぐために用いられる。 用語「ヌクレオチド」、「ポリヌクレオチド」および「オリゴヌクレオチド」 は、本明細書中および添付の請求の範囲において使用されるように、天然に存在 する、および合成のヌクレオチド、ポリヌクレオチドおよびオリゴヌクレオチド 、ならびにこれらのアナログおよび誘導体(メチルホスホネート、ホスホトリエ ステル、ホスホロチオエート、およびホスホルアミデートなど)ということが理 解される。 用語「テキサフィリン−オリゴヌクレオチド結合体」は、オリゴヌクレオチド が、テキサフィリンが結合体の内部残基であることを可能にする、5’結合、3 ’結合、または両方のタイプの結合でテキサフィリンに結合していることを意味 する。用語はまた、オリゴヌクレオチドの内部塩基に結合しているテキサフィリ ンを言い得る。オリゴヌクレオチドまたは他の部位指向性分子は、テキサフィリ ンに直接結合され得るか、または種々の長さのリンカーまたはカップルを介して テキサフィリンに結合され得る。例えば、触媒反応の間、テキサフィリン金属錯 体-オリゴヌクレオチド結合体のテキサフィリンの部分は、標的化核酸基質との オリゴヌクレオチドの結合の際に、RNA基質の近傍に位置される。「サプフィリ ン−オリゴヌクレオチド結合体」は、テキサフィリン分子がサプフィリン分子で 置換されることを除き、上記同様にテキサフィリン−オリゴヌクレオチド結合体 をいう。 テキサフィリン−オリゴヌクレオチド結合体を細胞内に送達する代表的な方法 は、標的化配列に特異的なオリゴヌクレオチドを送達するための糖結合体の使用 である。両末端を保護され、そして糖結合体にジスルフィド結合を介して結合し ているオリゴヌクレオチドは、対応する遊離オリゴヌクレオチドよりも標的部位 への送達に有意に効果的である。ポリ-L-リジンは3つの成分によって置換され 得る;認識シグナルとしての糖、治療的オリゴヌクレオチドエレメント、中和お よび溶解剤としてのグルコン酸である。このタイプの中性で高い水溶性のグリコ シル化されたポリマーは、ポリマーに結合される糖の性質により、細胞内に薬品 を送達するに有効なキャリアーである。 有用なステロイドの代表例は、以下の5つの分類のステロイドホルモンのいず れかを含む;プロゲステロンのようなプロゲスタゲン、コルチゾルのようなグル ココルチコイド、アルドステロンのような電解質コルチコイド、テストステロン またはアンドロステンジオンのようなアンドロゲン、エストロンまたはエストラ ジオールのようなエストロゲンである。 用語「生物学的レセプターに親和性を有するペプチド」は、例えば、生物学的 レセプターとのペプチドの接触において、イオン強度、温度、pHなどの適切な 条件下で、特異的結合が起こることを意味する。相互作用は、相互作用を促進す るに効果的な条件下で安定な錯体を形成するために、特異な静電作用、疎水作用 、熱力学的作用、またはペプチドの特定のアミノ酸または糖分解残基とレセプタ ーの特定のアミノ酸または糖分解残基との他の相互作用により生じ得る。相互作 用は、相互作用に関与するペプチドおよびレセプターのいずれかまたは両方の三 次元配置および作用または活性を変化させ得る。生物学的レセプターに親和性を 有するペプチドは、天然に存在および合成のペプチド(エンドルフィン、エンケ ファリン、上皮成長因子などの成長因子、ポリ-L-リジン、ホルモン、蛋白質の ペプチド領域など)を含み得る。特異な例として、例えば、インシュリン、リボ ヌクレアーゼ、またはβ-エンドルフィンを含む。 テキサフィリン錯体またはテキサフィリン錯体一部位指向性結合体に付加され る「触媒基」は一般的な酸、ブレンステッド酸、一般的な塩基、ブレンステッド 塩基、求核基または反応に対する活性化の障壁を低くするか、基質の基底状態エ ネルギーを増加する他のいずれかの手段として作用し得る化学的官能基を意味す る。意図される例示的な触媒基は、以下を包含するが、これらに限定されない; イミダゾール;グアニジン;D−グルコサミン、D−マンノサミン、D−ガラク トサミン、D−グルカミンなどのような置換サッカライド;L-ヒスチジンおよ びL-アルギニンなどのアミノ酸;ヒスタミンのようなアミノ酸の誘導体;ポリ- L-リジン、(LysAla)n、(LysLeuAla)n(nは1〜30、好ましくは1〜10、またはさ らに好ましくは2〜7など)のようなアミノ酸ポリマー;それらの誘導体;およ びテキサフィリン金属錯体である。 用語テキサフィリンまたはテキサフィリン結合体に「付加された」は、触媒基 がテキサフィリンに直接結合されるか、または種々の長さのリンカーもしくはカ ップルを介して結合体に結合していることを意味する。 カップルはリンカー、すなわちテキサフィリンの大員環から所定の距離の別の 分子と共有結合するよう設計された反応基の反応によって形成される共有結合の 生成物と記載され得る。代表的なリンカーまたはカップルは、アミド、アミン、 ジスルフィド、チオエーテル、エーテル、エステル、またはホスフェート共有結 合である。もっとも好ましい実施態様において、結合体と付加基は、炭素−炭素 、炭素−窒素、炭素−硫黄、または炭素−酸素結合を介してテキサフィリンに共 有結合され、より好ましくは、炭素−酸素または炭素−窒素結合である。 好ましい官能基化は:R6およびR9が水素以外のときは、R5およびR10は水 素またはメチル基であり;R5およびR10が水素以外のときは、R6およびR9が 水素、ヒドロキシル、またはヨウ化物以外のハロゲン化物である。他の好ましい 官能化は、R6およびR9が水素である場合は、R5、R10、R11、およびR12は 低級アルキルまたは低級ヒドロキシアルキルである。低級アルキルは好ましくは メチルまたはエチル、より好ましくはメチルである。低級ヒドロキシアルキルは 好ましくは1個から6個の炭素および1個から4個のヒドロキシ基を有し、より 好ましくは3−ヒドロキシプロピルである。 本発明の好ましい実施態様において、R1、R2、R3、R7、およびR8の少な くとも1つは、部位指向性分子または部位指向性分子に結合しているカップルで ある。より好ましい実施態様において、R1、R2、R3、R7、およびR8の少な くとも1つは、オリゴヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドに結合しているカ ップルである。 本発明の好ましいテキサフィリンによれば、R1は(CH2)2CH2OH、R2お よびR3はCH2CH3、R4はCH3、R8が部位指向性分子または部位指向性分子 に結合しているカップル、およびR7はHである。 別の好ましいテキサフィリンによれば、置換基R1は(CH2)2CH2OH;R2 およびR3はCH2CH3;R4はCH3;R7はO(CH2CH2O)2CH2CH2OC H3、H、またはOCH3;および、R8は部位指向性分子または部位指向性分子 に結合しているカップルである。 オリゴヌクレオチドに結合しているカップルは、さらにO(CH2)nCO-オリ ゴヌクレオチドとして記載され得、ここでnは1〜7、そして好ましくは1〜3 である。 さらに本発明の好ましい実施態様において、R1は(CH2)2CH2OH、R2お よびR3はCH2CH3、R4はCH3、ならびにR7およびR8はO(CH2CH2O)2 CH2CH2OCH3である。 本発明の好ましいテキサフィリンの化合物によれば、R1〜R4、R7、および R8は表1のテキサフィリンのA1〜A22、R5、R6、およびR9〜R12はH、 そしてMは本明細書中で上記した定義どおりである。しかし、上記のテキサフィ リンは、本発明での使用に好ましい化合物であるが、本発明はこれらに限定され ず、そしてすべての光感受性テキサフィリンは本発明の実施に有用であり得る。 テキサフィリン金属錯体は、米国特許第5,252,720号に記載されるように、例 えば、肝臓、腎臓、腫瘍やアテロームのような脂質に富む領域で局在化する固有 の生物局在化特異性を有する。重要なことは、水酸化テキサフィリンは、親油性 領域への局在化に最適な脂質−水分配係数を有するが、十分に水溶性であり、容 易な取り扱いを可能にする。「水溶性」は、水性の液体で約1mMかそれ以上に 可溶であることを意味する。「親油性領域への局在化」は、周囲の非脂質に富む 組織または物質よりも、脂質に富む組織または物質に高い親和性を有することを 意味する。そして、懸濁液中のウィルスの場合、この用語は、ウィルスの膜外皮 の親和性を有することを意味する。「脂質に富む」とは、より多くのトリグリセ リド、コレステロール、脂肪酸などを有することを意味する。 本明細書中で使用される「テキサフィリンを参照することにより」テキサフィ リンの局在化部位を決定するということは、テキサフィリンが常磁性の金属を含 んでいれば、磁気共鳴イメージング、金属がガンマ放出性であればガンマ線の検 出のような局在化により、または、単色性のX線光子源もしくは蛍光分光法の使 用によって、その位置を見出し得ることを意味する。放射免疫診断法に用いるガ ンマ放出性金属は、本明細書中で参考として援用される米国特許第5,252,720号 に記載される。好ましいガンマ放出性金属は、111In(III)である。テキサフィリ ンの非金属化形態が、特に蛍光性がテキサフィリンの検出に好ましい手段である 場合、用いられ得る。 金属を含まないテキサフィリン化合物および反磁性金属化テキサフィリン化合 物、それらを製造する方法およびそれらを使用する方法は、米国特許第4,935,49 8号;同第5,162,509号;同第5,252,720号;同第5,256,399号;同第5,272,142号;同第 5,292,414号;同第5,369,101号;同第5,432,171号;同第5,439,570号;同第5,451,57 6号;同第5,457,183号;および同第5,475,104号;ならびに係属中の米国出願第08/0 98,514号、同第08/196,964号、同第08/227,370号、および同第08/207,845号に記 載されている。各特許および各出願は本明細書中で参考として援用される。サプ フィリン化合物が、米国特許第第5,041,078号;同第5,159,065号;同第5,120,411 号;同第5,302,714号;および同第5,457,195号に開示される。各特許は、本明細書 中で参考として援用される。 有機合成の当業者は、本開示および参考として援用される特許、出願、および 出版物の開示を参照して、様々な置換基を有する光感受性テキサフィリンを生成 するために、上記の基本的な合成化学を拡大し、そして改善し得る。例えば、ポ リエーテル結合されたポリヒドロキシル化基、サッカライドがアセタール様グリ コシド結合を介して結合しているサッカライド置換基、オリゴサッカライド、ま たはポリサッカライドは、テキサフィリンに同様に結合し得る。カルボキシル基 がアリールエーテルまたは官能基化されたアルキル置換基を介してテキサフィリ ンコアに結合する2重にカルボキシル化されたテキサフィリンは、様々のエステ ル化生成物に変換され得る。ここで、エステル結合は、さらにヒドロキシル基を 含む置換基を結合するのに役立つ。ポリヒドロキシル化されたテキサフィリン誘 導体は、第2級アミド結合の使用を介して合成され得る。サッカライド部分はア ミド結合を介して結合し得る。分岐したポリヒドロキシル(ポリオール)サブユ ニットを含むポリヒドロキシル化テキサフィリン誘導体は、アリールエーテルま たはエステル結合を介してテキサフィリンコアに結合し得る。 カルボキシル化テキサフィリンのチオニルクロライドまたはp-ニトロフェノー ルアセテートでの処理は、目的のモノクローナル抗体または他の生体分子への結 合に適する活性化されたアシル種を生成する。標準的なインサイチュカップリン グ(例えば、1,1'-カルボニルジイミダゾール)法は、結合体を生じさせるために 用いられ得る。 下記の構造は、本発明のR基の位置と、大員環の周囲の原子位置についてのI UPAC命名法との相関を示す。 大員環のB(ベンゼン環)部分のR6位およびR9位での置換基は、分子の3位お よび6位でオルト−フェニレンジアミンへの結合によって大員環に組み込まれる 。大員環のT(トリピラン(tripyrrane))部分のR5位およびR10位での置換基 は、置換されたオルト−フェニレンジアミンとの縮合前の合成行程で、トリピラ ンの5位のカルボキシル基の適切な官能基化によって組み込まれる。 非芳香族テキサフィリンは、構造Aを有するトリピランアルデヒドまたはトリ ピランケトン;および構造Bを有する置換オルト−フェニレンジアミンの縮合に よって都合よく得られる。 置換基R1〜R12は、本明細書中に記載される通りである。好適な合成方法で は、ブレンステッド塩基は、トリエチルアミンまたはN,N,N',N'-テトラメチル-1 ,8-ジアミノナフタレン(「プロトンスポンジ」)であり、酸化剤は空気飽和の 有機溶媒、酸素、酸化白金、O-クロラニル、または2,3-ジクロロ-5,6-ジシアノ- 1,4-ベンゾキノンである。還流の工程での攪拌または加熱は、少なくとも24時 間の還流時に混合物を攪拌し、加熱することを包含し得る。有機溶媒は、メタノ ール、またはエタノールとクロロホルム、またはメタノールとベンゼン、または メタノールとジメチルホルムアミドを含む。 PCT公報WO94/29316は、テキサフィリンオリゴヌクレオチド結合体、特に、置 換基R2、R3、R7、またはR8が、オリゴヌクレオチド、またはオリゴヌクレオ チドに結合される結合であるテキサフィリン分子の合成に関して、本明細書中で 参考として援用される。アミド、エーテル、およびチオエーテルは、本目的のた めに用いられ得る結合の代表例である。5’末端、3’末端、または内部の糖も しくは塩基残基でアミンにより官能基化されたオリゴヌクレオチドは、テキサフ ィリン錯体の活性化カルボン酸エステル誘導体で合成後に修飾され得る。あるい は、1つ以上のチオホスフェートまたはチオール基を含むオリゴヌクレオチドア ナログは、イオウ原子でテキサフィリン錯体のハロゲン化アルキル誘導体を用い て選択的にアルキル化され得る。得られるオリゴヌクレオチド錯体の結合体は、 標的核酸と結合テキサフィリンとの最適な触媒相互反応を提供するように設計さ れ得る。オリゴヌクレオチドは、おそらく少なくとも約8ヌクレオチドの相補的 な核酸に結合するのに十分な長さであり得る。 DNA、RNA、およびそれらのアナログの合成の一般的な総説に関しては以下を参 照のこと:Oligonucleotides and Analogues,F.Eckstein編,1991,IRL Press,New York;Oligonucleotide Synthesis,M.J.Gait編,1984,IRL Press Oxford,England ; Caraccioloら(1989);Bioconjugate Chemistry,Goodchild,J.(1990);またはホ スホネート合成に関しては、Matteucci,MD.ら、Nucleic Acids Res.14:5399(198 6)(これらの参考文献は、本明細書中で参考として援用される)。 一般的には、従来の5'-3'結合を含むオリゴヌクレオチド合成のために、3つ の日常的に用いられる固相に基づいたアプローチがある。これらは、ホスホルア ミデート法、ホスホネート法、およびトリエステル法である。 オリゴマーDNAを合成するために商業的に用いられている現在の方法の概要は 以下の通りである:約100残基までの長さのオリゴマーは、ホスホルアミデー ト化学を用いる市販の合成機、例えばApplied Biosystems Inc.(ABI)model 392 で調製される。DNAは、ホスホルアミデートと呼ばれる高い反応性のリン(III)試 薬の連続的な付加を介して3’から5’の方向に合成される。最初の3’残基は 、制御された有孔性シリカ固体支持体に共有結合している。その支持体は、ポリ マーの操作を大いに容易にする。各残基が成長ポリマー鎖に結合された後、リン (III)は、ヨウ素溶液による短い処理によってより安定な状態であるリン(V)に酸 化される。未反応残基は無水酢酸でキャップされ、5’保護基は弱酸で除去され 、そして、所望のDNAポリマーが合成されるまで、さらに残基を付加するために このサイクルが繰り返され得る。十分な長さのポリマーが、塩基にさらすことに よって、残っている保護基の除去とともに固体支持体から放出される。一般的な プロトコルでは、飽和したエタノール性アンモニアが用いられる。 ホスホネートに基づく合成は、酸に対して安定なホスホネートエステル結合を 得るのに適切な活性化剤の存在下、フリーの水酸基を有する固相誘導されたヌク レオチド鎖を用いて結合されるべき位置でホスホネート部分を含む適切に保護さ れたヌクレオチドの反応によって行われる。従って、ホスフェートまたはチオホ スフェートへの酸化は、オリゴヌクレオチドの合成時、またはオリゴヌクレオチ ドの合成が完了した後の任意の時点で行われ得る。ホスホネートはまた、四塩化 炭素の存在下で第1級アミンまたは第2級アミンとの反応によって、ホスホルア ミデート誘導体に変換され得る。 トリエステル合成において、保護されたホスホジエステルヌクレオチドは、カ ップリング剤の存在下、固体支持体に誘導体化された成長ヌクレオチド鎖のフリ ーの水酸基と縮合する。この反応は、未保護のオリゴヌクレオチドを形成するた めにオキシム溶液で処置され得る保護されたホスフェート結合をもたらす。 一般的にこれらの3つのアプローチを示すと、次に来るヌクレオチドは、「活 性化」ホスファイト/ホスフェート基を有すると見なされる。一般的に用いられ る固相合成技術を用いることに加えて、オリゴヌクレオチドはまた、ジエステル 合成のような溶液相法を用いて合成され得る。その方法は実行可能であるが、一 般的に、任意の実質的な長さのオリゴヌクレオチドにはほとんど効果がない。 インビボでの加水分解に抵抗性の好ましいオリゴヌクレオチドは、各塩基にホ スホロチオエート置換を含む(J.Org.Chem.,55:4693-4699,(1990)およびAgrawal, (1990))。オリゴデオキシヌクレオチドまたはそれらのホスホロチオエートアナ ログは、Applied Biosystem 380B DNA 合成機(Applied Biosystems,Inc.,Foster City,CA)を用いて合成され得る。 上記に示した使用法で、テキサフィリンは薬学的調製物として提供される。テ キサフィリンの薬学的調製物は、単独または薬学的に受容可能なキャリアととも に、単回用量または複数用量のいずれかで投与され得る。適切な薬学的キャリア は、不活性な固体の希釈剤または添加剤、無菌の水性溶液、および様々の有機溶 媒を含む。本発明のテキサフィリンと薬学的に受容可能なキャリアとの組合わせ で形成された薬学的組成物は、次いで、様々な投薬形態で容易に投与され得る。 投与は、静脈内、腹腔内、非経口的、筋肉内、皮下、経口、または局所であり得 、好ましくは局所または静脈内投与、そしてさらに好ましくは静脈内投与である 。 ゴマ油もしくはピーナツ油、水性のプロピレングリコール中の、または無菌の 水溶液中のテキサフィリンの溶液が用いられ得る。このような、水溶液は必要で あれば、適切に緩衝化され、そして液体希釈剤はまず、十分な食塩水またはグル コースで等張にされる。これらの特定の水溶液は、特に、静脈内、筋肉内、皮下 、および腹腔内投与に適している。これに関して、使用され得る無菌の水性媒体 は、本明細書の開示に照らして当業者には公知である。局所用クリーム、乳液、 溶液などが、身体の表面領域への適用に意図される。局所的適用はまた、イオン 浸透療法によってなされ得る。 アンチセンスの適用には、オリゴヌクレオチドの安定性を保つための賦形剤お よび保存剤が選択される。オリゴヌクレオチド骨格の高度に負に帯電したホスフ ェート基やイオウ基は、上皮または他の表面細胞を刺激し得る。対イオンは、刺 激を防止する処方目的のため用いられ得る。 薬学的形態は、注射可能な無菌溶液または分散剤の即時の調製のための無菌の 水溶液または散剤、および無菌の粉剤を含む。すべての場合において、形態は無 菌でなければならず、シリンジでの使用に容易な程度に流体でなければならない 。 製造および保存条件下で安定でなければならず、そして、細菌および真菌などの 微生物による汚染作用に対して保護されなければならない。キャリアは、例えば 、水、エタノール、ポリオール(例えばグリセロール、プロピレングリコール、 および液体のポリエチレングリコールなど)を含む溶媒または分散媒体、それら の適切な混合物、および植物油であり得る。適切な流動性は、例えば、レシチン などのコーティング剤の使用、分散剤の場合、必要とされる粒子サイズを維持す ること、および、界面活性剤の使用によって保持され得る。微生物の活動防止に は、様々な抗生物質や抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノ ール、ソルビン酸、チメロサールなどにより得られ得る。多くの場合、例えば、 マンニトールまたはデキストロースの糖あるいは、塩化ナトリウムの等張剤を含 むことが望ましい。より好ましい等張剤は、約2〜8%の濃度のマンニトール溶 液であり、最も好ましくは約5%の濃度である。注射可能な組成物の吸収は、組 成物において、吸収を遅らせる薬物、たとえばアルミニウムモノステアレートお よびゼラチンの使用によって長くされ得る。 無菌溶液は、要求される量で、適切な溶媒中で、要求される上記の様々な他の 成分とともに活性化合物を取り込むことによって調製され、その後濾過滅菌され る。一般的に、分散剤は、様々な無菌の活性成分を、基礎的な分散媒体および上 記の成分からの必要な他の成分を含む無菌ビヒクル内に取り込むことで調製され る。無菌の注射可能な溶液の調製のための無菌粉末の場合、好ましい調製方法は 、真空乾燥および凍結乾燥技術である。これらは、活性成分および任意のさらな る所望の成分の粉末を、その前もって濾過滅菌された溶液から生産する。 本明細書中で使用する、「薬学的に受容可能なキャリア」とは、任意のそして すべての溶媒、分散媒体、コーティング剤、透過性増加剤、抗生物質および抗真 菌剤、等張剤および吸収遅延剤などを含む。薬学的活性物質のための、このよう な媒体および薬剤の使用は当該分野で周知である。いずれかの従来の媒体または 薬剤が活性成分と適合しないことを除いて、治療組成物でのその使用は意図され る。補足的な活性成分はまた、組成物内に組み込まれ得る。 テキサフィリンオリゴヌクレオチド結合体のRNA光切断能力に対する信頼でき るアッセイは、実施例5で示す、相補的なリボ核酸の光切断に関するアッセイで ある。結合体による光切断は、結合体が意図された能力および活性を有すること を実証する。 1μMのLuB2T2でRNAを処理すると、光の存在下と同様に、光がないときでも 加水分解生成物が生じる(本明細書中で参考として援用されるPCT公報WO/94/2931 6を参照)。従って、RNAとのこの反応は、光誘導によるものではなく、そして本 発明の光切断と異なる生成物を生成する。光酸化による損傷の生成物は、グアニ ンの9位での反応を含む。この反応は、一般に、脱プリン化、鎖破壊、および両 方がホスフェート化末端を含む2個のより小さな断片の形成を導く。一方、加水 分解は、2つの生じる断片の一方ではフリーのリボース、他方ではホスフェート 末端をもたらす。 下記の実施例は、本発明の好ましい実施態様を示すために包含する。当業者に は、添付の実施例において開示される技術は、本発明の実施において十分に機能 するために、本発明者らによって発見された技術を表わしており、従ってその実 施のための好適な様式を構成していると見なされ得ると理解されるべきである。 しかし、当業者は、本発明の精神および範囲から逸脱することなく、本発明の開 示に照らし、多くの変化が開示された特定の実施態様においてなされ得、そして さらに同様のまたは類似の結果が得られ得ることを理解する。 実施例1 ルテチウムテキサフィリン-オリゴヌクレオチド結合体の合成 本実施例は、相補的なRNAの部位指向性光切断に有用な、ルテチウムテキサフ ィリン−オリゴヌクレオチド結合体の合成を提供する(スキームAを参照のこと )。 4-アミノ-1-[1-(エチルオキシ)アセチル-2-オキシ]-3-ニトロベンゼン1B(n=1 )。炭酸カリウム(14.0g、101mmol)および4-アミノ-3-ニトロフェノール1A(1 0.0g、64.9mmol)を150mLの乾燥アセトニトリル中に懸濁した。エチル-2-ヨード アセテート(10mL、84.5mmol)(またはエチルヨードブチレートを使用し得、こ の場合、n=3である)をシリンジにより添加し、そして懸濁液を室温にて約21時 間撹拌した。クロロホルム(約375mL)を添加し、懸濁液を分液漏斗に移し、 そこでこれを水(2×約100mL)で洗浄した。水洗浄液を次いでCHCl3(約100mL )で洗浄し、そして合わせたCHCl3抽出液を水(約100mL)で洗浄した。溶媒をロ ータリーエバポレーターにより除去し、そして残渣をCHCl3(約500mL)で再び溶 解し、そしてヘキサン(1.5L)中に沈澱させた。2日間放置した後、粗フリット (coarse fritted)漏斗を用いて沈澱を濾過し、そして真空中で乾燥して14.67g の化合物1B(n=1)(94.1%)を得た。TLC:Rf=0.43、CHCl3。 4-アミノ-1-[1-(ヒドロキシ)アセチル-2-オキシ]-3-ニトロベンゼン1c(n=1) 。4-アミノ-1-[1-(エチルオキシ)アセチル-2-オキシ]-3-ニトロベンゼン1B(n=1 )、(10.00g、37.3mmol)をテトラヒドロフラン(100mL)中に溶解し、水酸化ナ トリウム水溶液(1M溶液、50mL)を添加し、そして溶液を室温で約21時間撹拌し た。テトラヒドロフランをロータリーエバポレーターにより除去し、そして水( 100mL)を添加した。溶液をCHCl3(約200mL)で洗浄し、次いで、塩酸(1M溶液 、50mL)の添加により中和した。数分間放置した後、形成した沈澱を濾過し、水 で洗浄し、そして真空中で乾燥して8.913gの化合物1c(n=1)(99.5%)を得た。 TLC:Rf=0.65、10%メタノール/CHCl3。 16-[1-(ヒドロキシ)アセチル-2-オキシ]-9,24-ビス(3-ヒドロキシプロピル)-4 ,5-ジエチル-10,23-ジメチル-13,20,25,26,27-ペンタアザペンタ-シクロ-[20.2. 1.13,6.18,11.014,19]ヘプタコサ-3,5,8,10,12,14(19),15,17,20,22,24-ウンデ カエン1E(n=1)。4-アミノ-1-[1-(ヒドロキシ)アセチル-2-オキシ]-3-ニトロベ ンゼン1c(n=1)(1.800g、8.49mmol)を、1Lフラスコ中のメタノール(100mL) に溶解した。カーボン上のパラジウム(10%、180mg)を添加し、フラスコ内の 雰囲気を、大気圧の水素で置換した。灰色の沈澱が、約3時間後に形成され、そ して上清は透明であった。メタノールを真空下で除去し、酸素に曝さないように 注意しながら、化合物を真空下で一晩乾燥した。イソプロピルアルコール(500m L)およびHCl(12M、400μL)を添加し、そして懸濁液を約15分間撹拌した。 2,5-ビス[(3-ヒドロキシプロピル-5-ホルミル-4-メチルピロール-2-イル)メチル ]-3,4-ジエチルピロール1D(n=1)(4.084g、8.49mmol)を添加し、そして反応物 を室温で、アルゴン雰囲気下で3時間撹拌した。塩酸(12M、400μL)を再び添 加し、そして反応物を再度さらに3.5時間撹拌した。得られた赤い溶液を、セラ イトを通して濾過し、そして濾過ケークをイソプロピルアルコールを用いて濾液 が無色になるまで洗浄した。ロータリーエバポレーターを用いて溶媒を約50mLの 容積まで減らし、そして溶液を、急速撹拌中のEt2O(約700mL)に沈澱させた。 濾過して、真空下での乾燥の後、化合物1E(n=1)を、赤色の固体(5.550g、98 .4%)として得た。TLC:Rf=0.69、20%メタノール/CHCl3(条痕、プレート上 でI2により緑色に変化する)。 16-[1-(ヒドロキシ)アセチル-2-オキシ]-9,24-ビス(3-ヒドロキシプロピル)-4 ,5-ジエチル-10,23-ジメチル-13,20,25,26,27-ペンタアザペンタシクロ-[20.2.1 .13,6.18,11.014,19]ヘプタコサ-1,3,5,7,9,11(27),12,14(19),15,17,20,22(25) ,23-トリデカエン1Fのルテチウム錯体(M=Lu、n=1)。ほぼ等モル量の大員環のプ ロトン化体、16-[1-(ヒドロキシ)アセチル-2-オキシ]-9,24-ビス(3-ヒドロキシ プロピル)-4,5-ジエチル-10,23-ジメチル-13,20,25,26,27-ペンタアザペンタシ クロ-[20.2.1.13,6.18,11.014,19]ヘプタコサ-3,5,8,10,12,14(19),15,17,20,22 ,24-ウンデカエン塩酸塩1E(n=1)、および酢酸ルテチウム5水和物を、メタノー ル中のトリエチルアミンと合わせ、そして加熱して、空気中で5.5時間還流した 。反応物を室温まで冷却し、そして-20℃にて一晩保存した。溶媒をロータリー エバポレーターにより除去し、アセトンを添加し、そして懸濁液をロータリーエ バポレーターにより2時間撹拌した。懸濁液を濾過し、そして沈澱を真空下で短 時間乾燥させ、そしてメタノール(約250mL)および水(25mL)中で溶液を形成 させた。HCl(1M)を用いてpHを4.0に調整し、HClで洗浄したゼオライトLZY54( 約5g)を添加して、懸濁液をロータリーエバポレーターにより約6時間撹拌した 。AmberliteTMIRA-900イオン交換樹脂(NaF処理、約5g)を添加し、そして懸濁 液をさらに1時間撹拌した。懸濁液を濾過し、樹脂をメタノール(約100mL)で 洗浄し、そしてHCl(1M)を用いて濾液をpH 4.0に調整した。ロータリーエバポ レーターにより溶媒を除去し、エタノール(無水)を用いて微量の水を除去した 。 真空下で乾燥した後、化合物をメタノール(25mL)に溶解し、そして急速撹拌中 のEt2O(300mL)中に沈澱させた。濾過および真空下で乾燥した後に、化合物1F(M =Luおよびn=1)を沈澱物として得た。分析サンプルを、50mgの1F(n=1)を酢酸で洗 浄したゼオライトとともにメタノール(25mL)中に溶解し、次いで約1時間、酢 酸で洗浄したAmberliteTMで処理することにより調製した。メタノールを最少容 量に減少させた後、溶液を急速撹拌中のEt2O(70mL)中に沈澱させ、濾過し、そ して真空下で乾燥させた。 オリゴデオキシヌクレオチド-アミン1Gとルテチウム-テキサフィリン結合体1F (n=1)との合成後の修飾。16-[1-(ヒドロキシ)アセチル-2-オキシ]-9,24-ビ ス(3-ヒドロキシプロピル)-4,5-ジエチル-10,23-ジメチル-13,20,25,26,27-ペン タアザペンタシクロ-[20.2.1.13,618,11014,19]ヘプタコサ-1,3,5,7,9,11(27),1 2,14(19),15,17,20,22(25),23-トリデカエンのルテチウム錯体1F(M=Lu,n=1)( 約30μmol)、およびN-ヒドロキシスクシンイミド(43μmol)を、共に真空下で 一晩乾燥させた。化合物をジメチルホルムアミド(無水、500μL)中に溶解させ 、そしてジシクロヘキシルカルボジイミド(10mg、48μmol)を添加した。得ら れた溶液を、遮光しながら、8時間、アルゴン下で撹拌した。ここで、1.6mLのE ppendorfチューブにおいて350μLの容量の0.4M重炭酸ナトリウム緩衝液中のオリ ゴヌクレオチド1G(87nmol)の溶液に110μLのアリコートを添加した。短時間 撹拌した後に、遮光しながら23時間溶液を放置した。0.45μmナイロンの微量遠 心用濾過(microfilterfuge)チューブを通して懸濁液を濾過し、そしてEppendo rfチューブを150μLの滅菌水で洗浄した。合わせた濾液を2つのEppendorfチュ ーブに分け、そしてグリコーゲン(20mg/mL、2μL)および酢酸ナトリウム(3 M、pH 5.4、30μL)をそれぞれのチューブに加えた。ボルテックスした後に、エ タノール(無水、1mL)を各チューブに添加してDNAを沈澱させた。遠心分離の後 にエタノールを静かに除き、DNAをさらに1mLのエタノールのアリコートで洗浄し 、そして風乾した。ペレットを50%ホルムアミドゲル積載緩衝液(20μL)に溶 解し、90℃で約2分間変性し、そして20%変性ポリアクリルアミドゲルに載せた 。結合体1H(M=Lu,n=1)に対応するバンドをゲルから切り出し、つぶし、そして1 ×TBE緩衝液(約7mL)中に1〜2日間浸した。ナイロンフィルター(0.4 5μM)を通して懸濁液を濾過し、Sep-pakTM逆相カートリッジを用いて脱塩した 。40%アセトニトリルを用いてカートリッジから結合体を溶出して、一晩凍結乾 燥して、そして1mM HEPES緩衝液、pH 7.0(500μL)に溶解した。UV/vis分光器 を用いて溶液濃度を決定した。 実施例2 テキサフィリンまたはアミン、チオール、もしくは ヒドロキシ結合オリゴヌクレオチドとのテキサフィリン金属錯体の合成 アミド、エーテル、およびチオエーテルは、テキサフィリンまたはテキサフィ リン金属錯体に対してオリゴヌクレオチドのような部位指向性分子を結合するた めに用いられ得る代表的な結合である。PCT公報WO 94/29316は、これらのタイプ の結合およびカップルを有するテキサフィリンオリゴヌクレオチド結合体の合成 を提供するものとして本明細書中で参考として援用される。 アミン官能基性、あるいは5’末端、3’末端、または糖もしくは塩基の残基 で内在的に官能基化されたオリゴヌクレオチドを有する部位指向性分子は、合成 後、テキサフィリンまたはテキサフィリン金属錯体の活性化されたカルボキシル エステル誘導体で修飾される。FeBr3のようなルイス酸の存在下、臭化物誘導体 化されたテキサフィリンは、オリゴヌクレオチドの水酸基と反応して、テキサフ ィリンリンカーとオリゴヌクレオチドとの間でエーテル結合を形成する。 あるいは、一つまたはそれ以上のチオホスフェート基またはチオール基を含む オリゴヌクレオチドアナログは、アルキルハロゲン化物誘導体によりテキサフィ リン錯体のイオウ原子で選択的にアルキル化される。オリゴヌクレオチド錯体結 合体は、標的化RNAホスホジエステル骨格とテキサフィリンとの最適な触媒的相 互作用を提供するために設計される。 本発明では、オリゴヌクレオチドを、実質的に相補的な配列を含む相補的なリ ボヌクレオチド、またはオリゴリボヌクレオチド、またはポリリボヌクレオチド を含む化合物を選択的に結合するために用いる。本明細書中で使用される、実質 的に相補的な配列は、ヌクレオチドが一般的に相補的なヌクレオチドと塩基対を 形成し、そして、塩基対のミスマッチがほとんどない配列である。オリゴヌクレ オチドは、おそらく少なくとも9ヌクレオチドの相補的核酸と結合するのに十分 な大きさであり得る。本発明者らは、本発明のテキサフィリンオリゴヌクレオチ ド結合体を、たとえば、アンチセンス能力において、化学療法剤であるとして意 図する。 実施例3 オリゴヌクレオチドの3'末端に結合されるテキサフィリンを有する テキサフィリン-オリゴヌクレオチド結合体の合成 12塩基の2つのオリゴデオキシリボヌクレオチドの各々を、アルキルアミン基 を3'末端ホスフェートで含有させるために合成した(Keystone Labs、Menlo Pa rk、California)。オリゴヌクレオチドをHPLCで精製し、そして使用前に、LiCl を用いて沈澱させた。Lu(III)テキサフィリン錯体(M=Luおよびn=1の1F)のよ うなカルボン酸官能基化金属テキサフィリン錯体と、カルボジイミドおよびN-ヒ ドロキシスクシンイミドとの反応により、対応する活性化エステルが得られた。 これを、選択したオリゴデオキシヌクレオチドアミンの溶液に直接添加した。得 られたテキサフィリン金属錯体-オリゴヌクレオチド結合体を、電気泳動により 精製した。 これらの3'結合体は、本発明の特定の実施態様において特に重要であり得る 。なぜなら、大きな基(例えば、本発明のテキサフィリン錯体)のオリゴヌクレ オチドの3'末端への結合は、オリゴヌクレオチドを細胞エクソヌクレアーゼに 対して耐性にさせるからである。 同様に、本発明の1つの実施態様は、その5'末端がテキサフィリンに結合し ているオリゴヌクレオチドの3'末端へ、特定のリガンドを付加することである 。3'リガンドの機能は、結合体の細胞内への取り込みを補助することである。 このようなリガンドは、当該分野で公知であり、コレステロールおよびポリリジ ンが挙げられるが、これらに限定されない。 テキサフィリンまたはテキサフィリン金属錯体-オリゴヌクレオチド結合体を 用いるRNAの光切断における本発明のさらなる実施態様は、2つの結合体のセッ トの使用である。結合体の一方は、オリゴマーの5'末端に結合したテキサフィ リンを有し、もう一方は、オリゴマーの3'末端に結合したテキサフィリンを有 し、そして、これらのオリゴマーは、同一のRNA基質に相補的である。両方のテ キサフィリンが標的の光切断部位の近傍に位置するように、一方は、他方のちょ うど上流にある。2つの触媒基を分ける距離は、長さが変化したオリゴマー5' 結合体のネストされた(nested)セットの調製、およびRNAテンプレートに対す る2つの結合体の同時の結合により生じる光切断効率の比較により変化し得る。 実施例4 テキサフィリン-オリゴヌクレオチドの2重結合体の合成 12塩基を有するオリゴデオキシリボヌクレオチドを、アルキルアミン基を3' 末端および5'末端の両方で含有させるために合成した(Keystone Labs、Menlo Park、California)。このオリゴマーを、過剰のカルボン酸官能基化金属テキサ フィリン錯体と反応させ、実施例3の手順に従い、12マーの3'と5'末端の両方 にテキサフィリン-金属錯体を有する2重結合体を得た。 同一のオリゴヌクレオチドに結合した2つのテキサフィリン(末端各々に1つ )の使用は、金属錯体の協調した活性により、効率が増大して、RNAの光切断を 達成するはずである。この実施態様において、テキサフィリンが金属化される場 合、両方のテキサフィリン錯体が、同一の金属、好ましくは、反磁性の金属カチ オン、そしてより好ましくは、ルテチウム(III)を含有することが好ましい。 さらに、2重結合体は、この1つの分子により達成され得る機能の多様性を提 供する。例えば、オリゴヌクレオチドは結合特異性を提供し、一方のテキサフィ リン金属錯体(例えば、金属イオンとしてGd(III)を有する)は、イメージ化(i maging)を提供し得、他方はRNA光切断を提供する。このような2重結合体は、 2つの機能、イメージ化および光切断を1つの分子により果たし得る。 実施例5 LuTxp-オリゴヌクレオチド結合体による RNAの部位特異的光依存性切断 本実施例は、4つの異なるルテチウムテキサフィリン-オリゴヌクレオチド結 合体によるRNAの部位特異的光依存性光切断を提供する。テキサフィリン-オリゴ ヌクレオチド結合体による対応するDNA基質の光切断は、対照研究として役立ち 、そして、RNAおよびDNAの基質を用いてグアニン残基で光切断が起こるというこ とを実証する。 反応混合物は、ルテチウムテキサフィリンオリゴヌクレオチド結合体(スキー ムBおよびCに示すように)、4×緩衝液(5μL)、キャリアDNA(1μL)、およ び最終容量を20μLとするための水から作製された溶液に、約100,000cpmの5'-3 2 P-標識RNA36マーまたはDNA36マーの基質を添加することにより調製した。最終 の結合体濃度は50nMであった。4×緩衝液は、400mM NaCl、200mM HEPES、pH7.5 、100μM EDTAである。 すべてのサンプルは、室温で、150mW/cm2の出力密度を用いて732nmに調節された 色素レーザー(Coherent,Palo Alto,CA)を用いて15分間照射した。照射後、RNAま たはDNAは標準法によりエタノールで沈殿させた。 放射性標識されたDNAを含むサンプルを、10%ピペリジン水溶液(50μL)中に溶 解し、90℃で30分間加熱した。放射性標識されたRNAを含むサンプルを、1:1:8の アニリン/酢酸/水(50μL)中に溶解し、58℃で30分加熱した。水(500μL)をすべ てのサンプルに添加し、次いでスピードバック(Speedvac)で乾燥した。すべて のサンプルを、50%ホルムアミド積載緩衝液中に再懸濁し、60℃で5分間変性し 、20%変性ポリアクリルアミドゲル上で電気泳動して分析した。オートラジオグ ラフは、適切な相補的な15マーLuTx結合を含むレーンでのみ実質的な光切断を示 した。非相補的オリゴヌクレオチドと結合したテキサフィリンは、基質の光切断 を行わなかった。スキームBおよびスキームCで、矢印は、光切断が観察された部 位を示す。グアニン特異的配列決定レーンでジメチルスルフェートによって生じ たバンドと同時に移動するLu-Tx-媒介光切断バンドを、対照とする。光切断の強 度は、LuTx錯体の予想される位置に隣接する部位でより高かった。これらの測定 は、RNAまたはDNAの相補的配列へのLuTx結合体のハイブリダイゼーションがグア ニン残基での部位特異的な光修飾を生じ、そしてその結果、塩基性の条件下の研 究で部位特異的光切断を行う、というモデルと一致する。 2'-O-メチルRNAおよびDNAオリゴヌクレオチド結合体の比較において、より大 きな程度の光切断がゲルの低位で生じているのが見出された。これは、アンチセ ンス結合体と標的との間に形成された2本鎖の主要溝に沿い、そして横切る部位 での光修飾に対応する。光切断パターンにおけるこれらの差異は、2'-O-メチルR NA-とDNA-由来の2本鎖間の配座の差異と明らかに関連し、2'-O-メチルRNA結合 体は全体的な光切断の効率をさらに高める。 光切断の効率は、DNA基質について70%〜90%の範囲であった。RNA基質の光切 断のパターンは、収率は低いが、そのDNAアナログの光切断パターンと平行して いた。このことは、より穏やかなアニリンの処理によって光誘導された損傷のほ とんど有効でない暴露を反映するようである。(RNAは、アルカリ条件下でのよ り高度な不安定性により、ピペリジン処理に供されなかった。)基質(配列番号 4)とテキサフィリン-オリゴヌクレオチド結合体標識の基質(配列番号2)との組 み合わせは、相補的な結合体を含む他のレーンと比較して、相対的にほとんど光 切断が見られなかった。このことは、このRNA配列に対するDNA-LuTx結合体の結 合がより弱いものであることを示し得、そして、さらに本適用で用いた2'-O-メ チルRNA結合体が優れていることを明らかにする。 本発明者らは、DNAポリマーの光切断活性を有するテキサフィリンに気がつい ていたが(WO 96/09315)、RNAもまた光切断されることは明らかでなかった。2'部 位は、RNAにおいては水酸基によって保護されており、そのポリマーの配座はDNA と異なり、そして、グアニンのC9位からの電子的影響がDNAと異なる。本実施例 で実証された光切断は、オリゴヌクレオチドに結合したテキサフィリンによるも のだとしても、本発明者らは、本明細書中で用いられた濃度よりも高い濃度では あるが、非結合テキサフィリンもまた光切断に効果的であることを予想する。 実施例6 真核生物細胞内におけるテキサフィリン- オリゴヌクレオチド結合体の蛍光局在性 本発明者らは、テキサフィリン-オリゴヌクレオチド結合体が、蛍光局在性に より観測されるように、真核細胞により取り込まれることを示した。 HL-60細胞(ヒト骨髄性白血病細胞株)をY(III)金属イオンまたはLu(III)金属 イオンのいずれかで錯体化したテキサフィリン-オリゴヌクレオチド結合体(オ リゴヌクレオチドは15塩基を有するホスホロチオエートである)の溶液(最終濃 度15μmol)でインキュベートした。細胞を最少10分〜約60分までの間インキュ ベートし、その後細胞を洗浄した。蛍光を、共焦点のアルゴンレーザー(488nm で励起する)で測定した。テキサフィリンにより生じた蛍光を可視化するために 、700nm未満の波長を除くためのカットオフフィルターを用いた。得られた蛍光 像は、蛍光が集中する明らかな局所的な「ホットスポット」を有する、散乱した 細胞質の蛍光を示した。 本明細書中で開示し、そして請求の範囲に記載するすべての組成物および方法 は、本開示に照らし、過度な実験を行うことなく、製造されそして実行され得る 。 本発明の組成物および方法は、好ましい実施態様の見地から記載されているが、 改変が、本発明の概念、精神、および範囲から逸脱することなく、組成物、方法 に対して、そして本明細書中に記述される方法の工程または一連の工程において 、適応され得ることは、当業者に明らかである。さらに詳細には、同様のまたは 類似した結果が得られる場合、化学的および生理学的にともに関連する特定の薬 剤は本明細書中に記載される薬剤に置換され得ることが明らかである。当業者に 明らかなすべてのこれらの類似の置換および修飾は、添付した請求の範囲により 定義されるように、本発明の精神、範囲、および概念の範囲に入ると考えられる 。 以下の参考文献は、本明細書で引用するために、適切な部分で本明細書中で 参考として援用される。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CZ, DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,HU,I S,JP,KE,KG,KP,KR,KZ,LK,LR ,LS,LT,LU,LV,MD,MG,MK,MN, MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU,S D,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TR,TT ,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 マグダ, ダレン アメリカ合衆国 カリフォルニア 95014, クパーティノ,ユニバーシティ ウェイ 10234 (72)発明者 セスラー, ジョナサン エル. アメリカ合衆国 テキサス 78731, オ ースティン,クレストウェイ ドライブ 5005

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.リボ核酸のポリマーの光誘導性光切断の方法であって、該方法が: 該リボ核酸のポリマーと光感受性テキサフィリンとを接触させる工程;および 該ポリマーを光切断するに十分な時間、該光感受性テキサフィリンを光に曝す 工程、 を包含する、方法。 2.前記光感受性テキサフィリンが以下の構造IまたはIIを有する、請求項1に 記載の方法: ここで、MがHまたは反磁性金属カチオンであり; R1〜R4、R7およびR8が、独立して、水素、ハロゲン化物、ヒドロキシル、 アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ハロアルキル、ニトロ、ホルミ ル、アシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロ キシアルケニル、ヒドロキシアルキニル、サッカライド、カルボキシ、カルボキ シアルキル、カルボキシアミド、カルボキシアミドアルキル、アミノ、アミノア ルキル、部位指向性分子、触媒基、または部位指向性分子もしくは触媒基に結合 しているカップルであり; R6およびR9が、R1〜R4、R7およびR8からなる群より独立して選択され、 ただし、ハロゲン化物はヨウ化物以外であり、そしてハロアルキルはヨードアル キル以外であり; R5およびR10〜R12が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニ ル、アリール、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒド ロキシアルケニル、ヒドロキシアルキニル、カルボキシアルキル、カルボキシア ミド、カルボキシアミドアルキル、アミノ、アミノアルキル、またはサッカライ ド、部位指向性分子、もしくは触媒基に結合しているカップルであり; R13が約3個までの炭素原子を有し、そして最初に結合した炭素原子の周囲で 回転自由性を有するアルキル、アルケニル、オキシアルキル、またはヒドロキシ アルキルであり;そして、 nが5以下の整数値である。 3.前記部位指向性分子が、オリゴヌクレオチド、抗体、ホルモン、生物学的レ セプターに親和性を有するペプチド、またはサプフィリン分子である、請求項2 に記載の方法。 4.R1、R2、R3、R7、およびR8の少なくとも1つが、部位指向性分子、ま たは部位指向性分子に結合しているカップルである、請求項2に記載の方法。 5.R1、R2、R3、R7およびR8の少なくとも1つが、オリゴヌクレオチド、 またはオリゴヌクレオチドに結合しているカップルである、請求項2に記載の方 法。 6.R1が(CH2)2CH2OHであり、R2およびR3がCH2CH3であり、R4が CH3であり、R8が部位指向性分子または部位指向性分子に結合しているカップ ルであり、そしてR7がHである、請求項2に記載の方法。 7.R1が(CH2)2CH2OH;R2およびR3がCH2CH3;R4がCH3;R7が O(CH2CH2O)2CH2CH2OCH3であり、HまたはOCH3;およびR8が部 位指向性分子または部位指向性分子に結合しているカップルである、請求項2に 記載の方法。 8.前記部位指向性分子がオリゴヌクレオチドである、請求項7に記載の方法。 9.R1が(CH2)2CH2OHであり、R2およびR3がCH2CH3であり、R4が CH3であり、そしてR7およびR8がO(CH2CH2O)2CH2CH2OCH3であ る、請求項2に記載の方法。 10.R1〜R4,R7およびR8が表1に示されるテキサフィリンA1〜A22である 、請求項2に記載の方法。 11.Mが反磁性金属カチオンであり、そして該反磁性金属カチオンがLu(III) 、La(III)、In(III)、Y(III)、Zn(II)、またはCd(II)である、請求項2に記載の 方法。 12.Mが反磁性金属カチオンであり、そして該反磁性金属カチオンがLu(III) である、請求項2に記載の方法。 13.前記光が約700〜800ナノメートルの範囲の波長を有する、請求項1に記載 の方法。 14.前記リボ核酸のポリマーが処置の標的にされる細胞のメッセンジャーリボ 核酸であり、そして該光感受性テキサフィリンが該メッセンジャーリボ核酸と相 補的な配列を有するオリゴヌクレオチドに結合している、請求項1に記載の方法 。 15.良性または悪性の腫瘍細胞を有する宿主の処置方法であって: 該宿主に有効な量の光感受性テキサフィリン−オリゴヌクレオチド結合体を投 与する工程、ここで、オリゴヌクレオチドは良性または悪性の腫瘍細胞のRNA分 子と相補的な配列を有する;および、 腫瘍細胞の近傍で該光感受性テキサフィリンに光照射する工程 を包含する、方法。 16.前記テキサフィリンを参照することによって前記宿主内の前記光感受性テ キサフィリンの局在化部位を決定する工程をさらに包含する、請求項15に記載 の方法。 17.前記宿主に、光感受性テキサフィリン反磁性金属錯体を投与する工程をさ らに包含する、請求項15に記載の方法。 18.前記光感受性テキサフィリン−オリゴヌクレオチド結合体が以下の構造I またはIIを有する、請求項15に記載の方法: ここで、MがHまたは反磁性金属カチオンであり; R1〜R4、R7およびR8が、独立して、水素、ハロゲン化物、ヒドロキシル、 アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ハロアルキル、ニトロ、ホルミ ル、アシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロ キシアルケニル、ヒドロキシアルキニル、サッカライド、カルボキシ、カルボキ シアルキル、カルボキシアミド、カルボキシアミドアルキル、アミノ、アミノア ルキル、オリゴヌクレオチド、またはオリゴヌクレオチドに結合しているカップ ルであり; R6およびR9が、R1〜R4、R7およびR8からなる群より独立して選択され、 ただし、ハロゲン化物はヨウ化物以外であり、そしてハロアルキルはヨードアル キル以外であり; R5およびR10〜R12が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニ ル、アリール、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒド ロキシアルケニル、ヒドロキシアルキニル、カルボキシアルキル、カルボキシア ミド、カルボキシアミドアルキル、アミノ、アミノアルキル、またはオリゴヌク レオチドに結合しているカップルであり; R13が約3個までの炭素原子を有し、そして最初に結合した炭素原子の周囲で 回転自由性を有するアルキル、アルケニル、オキシアルキル、またはヒドロキシ アルキルであり; R1、R2、R3、R7およびR8の少なくとも1つがオリゴヌクレオチド、また はオリゴヌクレオチドに結合しているカップルであり;そして nが5以下の整数値である。 19.R1が(CH2)2CH2OH;R2およびR3がCH2CH3;R4がCH3;R7 がO(CH2CH2O)2CH2CH2OCH3、HまたはOCH3;そしてR8がオリゴ ヌクレオチドまたはオリゴヌクレオチドに結合しているカップルである、請求項 18に記載の方法。 20.Mが反磁性金属カチオンであり、そして該反磁性金属カチオンがLu(III) 、La(III)、In(III)、Y(III)、Zn(II)、またはCd(II)である、請求項19に記載 の方法。 21.リボ核酸のポリマーを光切断する工程で使用するための薬学的組成物の調 製における光感受性テキサフィリンの使用。 22.前記リボ核酸のポリマーがメッセンジャーRNAである、請求項21に記載 の使用。 23.前記光感受性テキサフィリンが以下の構造IまたはIIを有する、請求項2 2に記載の使用: ここで、MがHまたは反磁性金属カチオンであり; R1〜R4、R7およびR8が、独立して、水素、ハロゲン化物、ヒドロキシル、 アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ハロアルキル、ニトロ、ホルミ ル、アシル、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒドロ キシアルケニル、ヒドロキシアルキニル、サッカライド、カルボキシ、カルボキ シアルキル、カルボキシアミド、カルボキシアミドアルキル、アミノ、アミノア ルキル、オリゴヌクレオチド、またはオリゴヌクレオチドに結合しているカップ ルであり; R6およびR9が、R1〜R4、R7およびR8からなる群より独立して選択され、 ただし、ハロゲン化物はヨウ化物以外であり、そしてハロアルキルはヨードアル キル以外であり; R5およびR10〜R12が、独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニ ル、アリール、ヒドロキシアルキル、アルコキシ、ヒドロキシアルコキシ、ヒド ロキシアルケニル、ヒドロキシアルキニル、カルボキシアルキル、カルボキシア ミド、カルボキシアミドアルキル、アミノ、アミノアルキル、またはオリゴヌク レオチドに結合しているカップルであり; R13が約3個までの炭素原子を有し、そして最初に結合した炭素原子の周囲で 回転自由性を有する、アルキル、アルケニル、オキシアルキル、またはヒドロキ シアルキルであり; R1、R2、R3、R7およびR8の少なくとも1つがオリゴヌクレオチド、また はオリゴヌクレオチドに結合しているカップルであり;そして nが5以下の整数値である。
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