【発明の詳細な説明】
新規化合物
発明の分野
本発明は、インドール化合物の新規グループ、その製造方法、IL−8により
媒介される疾病の治療におけるその使用、およびかかる治療のための医薬組成物
に関する。
発明の背景
好中球誘引/活性化蛋白−1(NAP−1)、単球由来好中球化学走性因子(
MDNCF)、好中球活性化因子(NAF)、およびT細胞リンパ球化学走性因
子のごとき多くの異なる名称がインターロイキン−8(IL−8)に付けられて
いる。インターロイキン−8は好中球、好塩基球および一部のT細胞に対する化
学誘引物質である。インターロイキン−8は、マクロファージ、線維芽細胞、T
NF、IL−1α、IL−1βまたはLPSに曝露されている内皮および上皮細
胞を包含する大部分の有核細胞により、ならびにLPSまたはFMLPのごとき
化学走性因子に曝露された場合に好中球自身により産生される。M.Baggiolini e
t al,J.Clin.Invest.84,1045(1989);J.Schroder et al,J.Immunol.139,3474(19
87)およびJ.Immunol.144,2223(1990);Strieter,et al,Science 243,1467(1989)
およびJ.Biol.Chem.264,10621(1989);Cassatella et al,J.Immunol.148,3216(1
992)。
IL−8はインビトロにおいて多くの機能を刺激する。IL−8は、好中球、
Tリンパ球および好塩基球に対する化学誘引特性を有することが示されている。
さらに、それは、正常およびアトピー体質の個体由来の好塩基球からのヒスタミ
ン放出、ならびに好中球からのライソゾーム酵素の放出およびレスピラトリーバ
ーストを誘導する。またIL−8は、好中球上のMac−1(CD11b/CD
18)のデノボ蛋白合成を伴わない表面発現を増加させることが示されてい
る。このことは、血管内皮細胞への好中球の付着促進に貢献しうる。多くの知ら
れた疾病が、大量の好中球の浸潤により特徴づけられている。IL−8が好中球
の蓄積および活性化を促進するので、IL−8は乾癬およびリューマチ性関節炎
を包含する広範な急性および慢性炎症性疾患に関与している。Baggiolini et al
,FEBS Lett.307,97(1992);Miller et al,Crit.Rev.Immunol.12,17(1992);Oppe
nheim et al.,Annu.Rev.Immunol.9,617(1991);Seitz et al.,J.Clin.Invest.87
,463(1991);Miller et al.,Am.Rev.Respir.Dis.146,427(1992);Donnely et al
.,Lancet 341,643(1993)。
インビトロにおいて、IL−8は、7種のトランスメンブランG−蛋白結合フ
ァミリーに結合してそれらの受容体を活性化することにより、詳細には、IL−
8受容体に結合することにより、好中球の形態変化、化学走性、顆粒放出および
レスピラトリーバーストを誘導する。Thomas et al.,J.Biol.Chem.266,14839(19
91);およびHolmes et al.,Science 253,1278(1991)。この受容体ファミリーの
メンバーに対する非ペプチド性小型分子アンタゴニストの開発は先例がある。Pr
ogress in Drug Research,Vol 40,pp.33-98,Birkhauser Verlag,Basel 1993中の
R.Freidinger著の部分参照。ゆえに、IL−8受容体は、新規抗−炎症剤の開発
のための有望な標的を提供する。
2種の高親和性ヒト・IL−8受容体(相同性77%)が特徴づけられている:
それらは、高親和性でIL−8のみに結合するIL−8RαおよびIL−8なら
びにGRO−αおよびNAP−2に対して高親和性を有するIL−8Rβである
。Holmes et al.,上記文献;Murphy et al.,Science 253,1280(1991);Lee etal
.,J.Biol.Chem.267,16283(1992);LaRosa et al.,J.Biol.Chem.267,25402(1992)
;およびGayle et al.,J.Biol.Chem.268,7283(1993)参照。この分野において、
IL−8αまたはβ受容体に結合しうる治療用化合物に対する必要性がある。そ
れゆえ、IL−8産生増加(炎症部位中の好中球の化学走性の原因となる)に関
連した症状は、IL−8受容体結合に対する阻害剤である化合物により恩恵を受
けるであろう。
発明の概要
本発明は、式(I)の新規化合物、ならびに式(I)の化合物および医薬上許
容される希釈剤または担体を含んでなる医薬組成物に関する。
本発明は、ケモカインがIL−8αまたはβ受容体に結合するものであるケモ
カインにより媒介される疾病の治療方法であって、有効量の式(I)の化合物ま
たはその医薬上許容される塩を投与することを特徴とする方法を提供する。詳細
にはケモカインはIL−8である。
また本発明は、IL−8のその受容体への結合を阻害することが必要な哺乳動
物におけるIL−8のその受容体への結合の阻害方法であって、該哺乳動物に有
効量の式(I)の化合物を投与することを特徴とする方法にも関する。本発明に
おいて有用な式(I)の化合物は構造式:
[式中、Arは所望により置換されていてもよいフェニルまたはナフチル基;
Rは水素、ヒドロキシ、C1 〜8アルコキシ、またはO−(CR8R9)n−R6;
R6は所望により置換されていてもよいC3 〜7シクロアルキル、所望により置
換されていてもよいC3 〜7シクロアルケニル、または所望により置換されていて
もよいアリール;
nは0または1、2、3または4の値の整数;
R1は水素、ハロゲン、ハロ置換C1 〜8アルキル、C1 〜8アルキル、ヒドロキ
シ、C1 〜8アルコキシ、ハロ置換C1 〜8アルコキシ、−(CH2)tアリール、O−
(CH2)tアリール、O−CH2−O−C1 〜8アルキル、O−(CH2)vC(O)OC1 〜4
アルキル、NO2、S(O)mR2、N(R3)2、
NHC(O)R4、−C(O)R5であるか;あるいは2個のR1部分は一緒になって
メチレンジオキシ環システムを形成してもよく、あるいは2個のR1部分は一緒
になって所望により置換されていてもよい6員の飽和または不飽和環システムを
形成してもよく;
sは1、2または3の値を有する整数;
vは1、2、3または4の値を有する整数;
mは0または1または2の値を有する整数;
tは0または1、2、3または4の値を有する整数;
R2は所望により置換されていてもよいC1 〜8アルキル;
R3は独立して水素またはC1 〜4アルキルであるか、あるいはそれらが結合し
ている窒素と一緒になって5ないし7員の飽和または不飽和環を形成し;
R4は独立して水素またはC1 〜4アルキル;
R5は水素、所望により置換されていてもよいC1 〜8アルキルまたはC1 〜8ア
ルコキシ;
R8およびR9は独立して水素またはC1 〜4アルキルを意味する]
により示される化合物またはその医薬上許容される塩である。
発明の詳細な説明
式(I)の新規化合物を、IL−8αおよびβ受容体に結合するIL−8また
は他のケモカインの阻害を必要とするヒト以外の哺乳動物の獣医学的治療に関連
して用いてもよい。動物における治療的または予防的に治療すべきケモカインに
より媒介される疾病は、本明細書の治療方法のセクションに記載のごとき疾病状
態を包含する。
式(I)の新規化合物は、構造式:
[式中、Arは所望により置換されていてもよいフェニルまたはナフチル基;
Rは水素、ヒドロキシ、C1 〜8アルコキシ、またはO−(CR8R9)n−R6;
R6は所望により置換されていてもよいC3 〜7シクロアルキル、所望により置
換されていてもよいC3 〜7シクロアルケニル、または所望により置換されていて
もよいアリール;
nは0または1、2、3または4の値の整数;
R1は水素、ハロゲン、ハロ置換C1 〜8アルキル、C1 〜8アルキル、ヒドロキ
シ、C1 〜8アルコキシ、ハロ置換C1 〜8アルコキシ、−(CH2)tアリール、O−
(CH2)tアリール、O−CH2−O−C1 〜8アルキル、O−(CH2)vC(O)OC1 〜4
アルキル、NO2、S(O)mR2、N(R3)2、NHC(O)R4、−C(O)R5であ
るか;あるいは2個のR1部分は一緒になってメチレンジオキシ環システムを形
成してもよく、あるいは2個のR1部分は一緒になって所望により置換されてい
てもよい6員の飽和または不飽和環システムを形成してもよく;
tは0または1、2、3または4の値を有する整数;
sは1、2または3の値を有する整数;
vは1、2、3または4の値を有する整数;
mは0または1または2の値を有する整数;
R2は所望により置換されていてもよいC1 〜8アルキル;
R3は独立して水素またはC1 〜4アルキルであるか、あるいはそれらが結合し
ている窒素と一緒になって5ないし7員の飽和または不飽和環を形成し;
R4は独立して水素またはC1 〜4アルキル;
R5は水素、所望により置換されていてもよいC1 〜8アルキルまたはC1 〜8ア
ルコキシ;
R8およびR9は独立して水素またはC1 〜4アルキルを意味し;
ただし、
a)Rが水素であり、Arが4−メトキシフェニルである場合、R1は(2−
クロロ−4,5−メチレンジオキシ)または(4,5−メチレンジオキシ)でなく
b)Rが水素であり、Arが2−ニトロフェニルである場合、R1は水素でな
く;
c)Rが水素であり、Arが2−ヒドロキシメチル−4−メトキシフェニルで
ある場合、R1は(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシ)でない]
により示される化合物;またはその医薬上許容される塩である。
Arは所望により置換されていてもよいフェニルまたはナフチル基である。好
ましくは、Arは未置換ナフチルまたは所望により置換されていてもよいフェニ
ルである。アリール環は、1箇所またはそれ以上の箇所において、適当には1な
いし3箇所において、独立して、塩素またはフッ素のごときハロゲン;メチルの
ごときC1 〜8アルキル;CF3のごときハロ置換C1 〜8アルキル;フェニルのご
とき所望により置換されていてもよい−(CH2)nアリール;ヒドロキシ;
−OCF3のごときハロ置換C1 〜8アルコキシ;メトキシのごときC1 〜8アルコ
キシ;フェノキシまたはベンジルオキシのごとき所望により置換されていてもよ
いO−(CH2)nアリール;NO2;N(R3)2で示されるようなアミンおよび置換
アミン(ここに、R3は、独立して水素またはC1 〜4アルキルであるか、あるい
はそれらが結合している窒素と一緒になって5ないし7員の飽和または不飽和環
、例えばピロール、ピペリジンまたはピリジンを形成する);または−C(O)R5
(ここにR5は水素、所望により置換されていてもよいC1 〜8アルキルまたは
C1 〜8アルコキシ)により置換されていてもよく、nは0または1ないし4の値
を有する整数である。適当には、置換基は2,4−ジ−メトキシまたは3,5−
ジCF3でない。
より好ましくは、置換基は塩素、フッ素、メチル、OCF3、CF3、アミン、
C(O)H、フェニル、メトキシ、フェノキシまたはフェニルである。より詳細に
は、置換基は4−フルオロ、4−クロロのごときクロロ;2,4−ジクロロ、3,
5−ジクロロまたは3−クロロ−4−フルオロのごときジ−クロロ;4−CF3
のごときCF3;4−メトキシのごときメトキシ;4−フェノキシのごときフェ
ノキシ;4−フェニルのごときフェニル;4−メチルのごときアルキル;3−ア
ミノのごときアミノ;または2−C(O)Hまたは4−C(O)HのごときC(O)R5
である。
Rは水素、ヒドロキシ、C1 〜8アルコキシ、またはO−(CR8R9)n−R6であ
る。R6は所望により置換されていてもよいC3 〜7シクロアルキル、所望により
置換されていてもよいC3 〜7シクロアルケニル、または所望により置換されてい
てもよいアリールである。好ましくは、RはC1 〜8アルコキシまたは所望により
置換されていてもよいO−(CR8R9)n−アリール(ここに、アリールはベンジ
ルオキシ基で示されるようなフェニル)である。
Rが所望により置換されていてもよいO−(CR8R9)n−R6基である場合、R6
環は、所望により、ハロゲン;ヒドロキシ;ヒドロキシ置換C1 〜10アルキル;
メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはt−ブチルのごときC1 〜10ア
ルキル;CF3のごときハロ置換C1 〜10アルキル;メトキシ、エトキシ、イソプ
ロピルオキシまたはプロピルオキシのごときC1 〜10アルコキシ;メトキシメト
キシまたはトリフルオロメトキシのごとき所望により置換されていてもよいC1 〜10
アルコキシ;メチルチオのごときS−C1 〜10アルキル;例えばN(R3)2基
で示されるようなアミノ、一置換および二置換アミノ;アセトアミドのごときN
(R3)−C(O)C1 〜10アルキル;2,2−ジメチルプロパノイルのごときC(O)
C1 〜10アルキル;シアノ;ニトロ;メチレンジオキシ環システム;フェニル、
またはベンジルもしくはフェネチルのごとき所望により置換されていてもよいア
リールアルキルのごとき所望により置換されていてもよいアリール(ここに、こ
れらのアリール部分は、1箇所または2箇所において、ハロゲン;ヒドロキシ;
ヒドロキシ置換アルキル;C1 〜10アルコキシ;mが0、1または2であるS(O
)mC1 〜10アルキル;例えばN(R3)2基におけるアミノ、一置換および二置換ア
ミノ;C1 〜10アルキル、またはCF3のごときハロ置換C1 〜10アルキルにより
置換されていてもよい)により、1箇所またはそれ以上の箇所において置換され
ていてもよい。適当には、2個の置換基がメチレンジオキシ環システムを形成す
る場合には、好ましくは、R6はアリール基、より好ましくは、フェニル環であ
る。
適当には、R6がC3 〜7シクロアルキル部分である場合には、それは、シクロ
ヘキシルメトキシで示されるようなシクロヘキシル環である。
R1は水素、ハロゲン、ハロ置換C1 〜8アルキル、C1 〜8アルキル、ヒドロキ
シ、C1 〜8アルコキシ、ハロ置換C1 〜8アルコキシ、O−CH2−O−C1 〜8ア
ルキル、−(CH2)tアリール、O−(CH2)tアリール、−O−(CH2)vC(O)O
C1 〜4アルキル、NO2、S(O)mR2、N(R3)2、NHC(O)R4、または−C(
O)R5であるか、あるいは2個のR1部分が一緒になってメチレンジオキシ環シ
ステムを形成してもよく、あるいは2個のR1部分は一緒になって所望により置
換されていてもよい6員の飽和または不飽和環システムを形成してもよく;tは
0または1ないし4の値を有する整数である。
好ましくは、フェニル環は一置換である場合、R1基は4−位にある。フェニ
ル環がメチレンジオキシ基により置換される場合、好ましくは、3,4−位にお
いて置換され、より好ましくは、フェニル環は、ハロゲン、好ましくはフッ素ま
たは塩素のごとき別のR1によってもさらに置換されてもよい。2個のR1部分が
6員の飽和または不飽和環システムを形成する場合、環システムは0個ないし2
個の二重結合を含んでいてもよく、好ましくは、ナフチル環システムを形成する
芳香族環であり、その環は所望により本明細書定義のごとく置換されていてもよ
い。R1として好ましい置換基はNO2、OCF3、OCH3、CH3、ベンジルオ
キシ、フェノキシ、水素またはハロゲン、好ましくはフッ素または塩素、より好
ましくは塩素である。
R2は所望により置換されていてもよいC1 〜8アルキルであり、R4は独立して
水素またはC1 〜4アルキルである。
R3は独立して水素またはC1 〜4アルキルであるか、あるいはそれらが結合し
ている窒素と一緒になってピロール、ピペリジンまたはピリジンのごとき5ない
し7員の飽和または不飽和環を形成する。
式(I)の例は以下のものを包含する:
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシフェニルメチル)−3−(4−メ
トキシフェニル)インドール−2−カルボン酸
5−ベンジルオキシ−1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシフェニルメ
チル)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸
5−ベンジルオキシ−1−(4−ベンジルオキシベンジル)−3−フェニルイン
ドール−2−カルボン酸
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシフェニルメチル)−3−フェニル
インドール−2−カルボン酸
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシフェニルメチル)−3−(1−ナ
フチル)インドール−2−カルボン酸
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシフェニルメチル)−3−(3,5−
ジクロロフェニル)インドール−2−カルボン酸
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシフェニルメチル)−3−(3−ク
ロロ−4−フルオロフェニル)インドール−2−カルボン酸
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−フェニル−5−
プロピルオキシインドール−2−カルボン酸
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−フェニル−5−
イソプロピルオキシインドール−2−カルボン酸
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−フェニル−5−
(4−トリフルオロメチルベンジルオキシ)インドール−2−カルボン酸
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−フェニル−5−
(3−トリフルオロメチルベンジルオキシ)インドール−2−カルボン酸
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−(3,4−メチレ
ンジオキシベンジルオキシ)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−(4−メトキシ
ベンジルオキシ)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−シクロヘキシル
メトキシ−3−フェニルインドール−2−カルボン酸
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−フェニル−5−
(2−トリフルオロメチルベンジルオキシ)インドール−2−カルボン酸
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−(4−メチルフ
ェニル)−5−(4−メチルチオベンジルオキシ)インドール−2−カルボン酸
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−(3,5−ジクロ
ロフェニル)−5−(4−トリフルオロメトキシベンジルオキシ)インドール−
2−カルボン酸
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−(2−クロロ−
4,5−メチレンジオキシベンジルオキシ)−3−(3,5−ジクロロフェニル)
インドール−2−カルボン酸
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−(3−フリルメ
トキシ)−3−(4−メチルフェニル)インドール−2−カルボン酸
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−(4−tert
−ブチルベンジルオキシ)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−(3−メトキシ
ベンジルオキシ)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−[4−(2,2−
ジメチルプロパノイル)ベンジルオキシ]−3−フェニルインドール−2−カル
ボン酸
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−(2−メトキシ
ベンジルオキシ)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−(4−シアノブ
チルベンジルオキシ)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−(2−クロロ−
4,5−メチレンジオキシベンジルオキシ)−3−フェニルインドール−2−カ
ルボン酸
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−(4−メチルチ
オベンジルオキシ)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸
5−ベンジルオキシ−1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)
−3−(4−ホルミルフェニル)−2−カルボン酸
5−ベンジルオキシ−1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)
−3−(2−ホルミルフェニル)−2−カルボン酸
5−ベンジルオキシ−1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)
−3−(4−フルオロフェニル)インドール−2−カルボン酸
3−(3−アミノフェニル)−5−ベンジルオキシ−1−(2−クロロ−4,5
−メチレンジオキシベンジル)インドール−2−カルボン酸
5−ベンジルオキシ−1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)
−3−(2,4−ジクロロフェニル)インドール−2−カルボン酸。
式(I)の化合物の好ましい塩の形態はナトリウム塩である。
式(I)に属する化合物の好ましいサブグループは式:
[式中、Arは所望により置換されていてもよいフェニルまたはナフチル基;
Rは水素、ヒドロキシ、C1 〜8アルコキシ、または所望により置換されていて
もよいO−(CH2)n−フェニル;
nは0または1、2、3または4の値を有する整数;
R1は水素、ハロゲン、ハロ置換C1 〜8アルキル、C1 〜8アルキル、ヒドロキ
シ、
C1 〜8アルコキシ、ハロ置換C1 〜8アルコキシ、アリール、アリールC1 〜4アル
キル、アリールオキシ、アリールC1 〜4アルキルオキシ、NO2、またはN(R3)2
;
sは1、2または3の値を有する整数;
R2は所望により置換されていてもよいC1 〜8アルキル;
R3は独立して水素またはC1 〜4アルキルであるか、あるいはそれらが結合し
ている窒素と一緒になって5ないし7員の飽和または不飽和環を形成し;
R4は独立して水素またはC1 〜4アルキル;
ただしRが水素でありArが4−メトキシフェニルである場合、R1は(4−
クロロ−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル)メチル、(6−クロロ−1,3
−ベンゾジオキソール−5−イル)メチルまたは(1,3−ベンゾジオキソール
−5−イル)メチルでない]
を有する構造により表される化合物またはその医薬上許容される塩である。
さらにR1が塩素である特に典型的な式(Ia)の化合物を下表に示す。
本発明のもう1つの態様は、式(I)に属する化合物の好ましいサブグループ
であり、式:
[式中、R、R1およびArは式(I)に関する定義に同じ]
を有する構造により示される。
さらなる典型的な式(I)の化合物は以下のものを包含する:
本発明のもう1つの態様は式(I)の属する化合物の好ましいサブグループで
あり、式(Ic)
を有する構造により示される。特に典型的な式(Ic)の化合物は以下のものを
包含する:
本発明のもう1つの態様は、構造式:
[式中、Arは
であり、Rは
を意味する]
により示される式(II)の化合物の新規ライブラリーである。
本発明の目的からすると、R基を固定し、10種のAr基を取り替えることに
より定義される式(II)の化合物の8種の明確なサブライブラリーが存在し、
それぞれ、式(IIa)から式(IIh)により示される。これらのサブライブ
ラリーのそれぞれは、本明細書記載のアッセイによってIL−8を阻害すること
が示された。
式(II)の化合物のライブラリーはG−蛋白結合受容体への結合に有用であ
る。文献でよく知られているG−蛋白結合受容体は、G−蛋白をそのシグナリン
グ機構の一部として使用する7個のトランスメンブラン受容体であり、IL−8
受容体、ドーパミン受容体、ムスカリン作動性アセチルコリン受容体等を包含す
るがこれらに限らない。
本明細書の用語「所望により置換されていてもよい」は、特に断らないかぎり
、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素のごときハロゲン;ヒドロキシ;ヒドロキシ
置換C1 〜10アルキル;メトキシまたはエトキシのごときC1 〜10アルコキシ;メ
チルチオ、メチルスルフィニルまたはメチルスルホニルのごときmが0、1また
は2であるS(O)mC1 〜10アルキル;N(R3)2基で示されるようなアミノ、一置
換および二置換アミノ;メチル、エチル、プロピル、イソプロピルまたはt−ブ
チルのごときC1 〜10アルキル;CF3のごときハロ置換C1 〜10アルキル;フェ
ニル、またはベンジルもしくはフェネチルのごとき所望により置換されていても
よいアリールアルキルのごとき所望により置換されていてもよいアリール(ここ
に、これらのアリール部分は、1箇所または2箇所において、ハロゲン;ヒドロ
キシ;ヒドロキシ置換アルキル;C1 〜10アルコキシ;S(O)mC1 〜10アルキル
;N(R3)2基で示されるようなアミノ、一置換および二置換アミノ;C1 〜10ア
ルキル、またはCF3のごときハロ置換C1 〜10アルキルにより置換されていても
よい)のような基による置換を意味する。
適当な医薬上許容される塩は当業者によく知られており、塩酸、臭化水素酸、
硫酸、リン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、酢酸、リンゴ酸、酒石酸
、クエン酸、乳酸、シュウ酸、コハク酸、フマル酸、マレイン酸、安息香酸、サ
リチル酸、フェニル酢酸およびマンデリン酸のごとき無機酸または有機酸の塩基
性塩を包含する。さらに、式(I)の化合物の医薬上許容される塩を、例えば、
置換基がカルボキシ部分を含む場合には医薬上許容されるカチオンとともに形成
してもよい。適当な医薬上許容されるカチオンは当業者によく知られており、ア
ルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウムおよび4級アンモニウムカチオン
を
包含する。
本明細書の下記用語はつぎのようである:
・「ハロ」−クロロ、フルオロ、ブロモおよびヨードであるすべてのハロゲン
・「C1 〜10アルキル」または「アルキル」−いずれも、鎖長を限定しないか
ぎり、1個ないし10個の炭素原子からなる直鎖および分枝鎖基であり、メチル
、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、i
so−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル等を包含するが、これらに限ら
ない。
・本明細書の用語「シクロアルキル」は、好ましくは3個ないし8個の炭素か
らなる環状の基を意味し、シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル等
を包含するが、これらに限らない。
・本明細書の用語「シクロアルケニル」は、1個またはそれ以上の不飽和結合
を有する、好ましくは3個ないし8個の炭素からなる環状の基を意味し、シクロ
ペンテニルまたはシクロヘキセニルを包含するが、これらに限らない。
・本明細書の用語「アルケニル」は、すべての場合において、鎖長を限定しな
いかぎり、2個ないし10個の炭素原子からなる直鎖または分枝鎖基を意味し、
エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1
−ブテニル、2−ブテニル等を包含するが、これらに限らない。
・「アリール」−フェニルおよびナフチル環
・「ヘテロアリール」(それ自体、あるいは「ヘテロアリールオキシ」または
「ヘテロアリールアルキル」のごとき何らかの組み合わせ)−そこに含まれる1
個またはそれ以上の環がN、OまたはSからなる群より選択される1個またはそ
れ以上の異種原子を含む、5ないし10員の芳香族環システムであり、ピロール
、ピラゾール、フラン、チオフェン、キノリン、イソキノリン、キナゾリニル、
ピリジン、ピリミジン、オキサゾール、チアゾール、チアジアゾール、トリアゾ
ール、イミダゾールまたはベンゾイミダゾールを包含するが、これらに限らない
。
・「複素環」(それ自体、または「ヘテロシクリルアルキル」のごとき何らか
の組み合わせとなっている)−そこに含まれる1個またはそれ以上の環がN、O
またはSからなる群より選択される1個またはそれ以上の異種原子を含む、4な
いし10員の環システムであり、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、モルホ
リン、テトラヒドロピラン、またはイミダゾリジンを包含するが、これらに限ら
ない。
・本明細書の用語「アラルキル」または「ヘテロアリールアルキル」またはヘ
テロサイクリックアルキル」は、特に断らない限り、本明細書で定義するアリー
ル、ヘテロアリールまたは複素環部分に結合した上記定義のC1 〜8アルキルを意
味する。
・「スルフィニル」一対応スルフィドのオキシドS(O)。用語「チオ」はスル
フィドをいい、用語「スルホニル」は完全に酸化されたS(O)2部分をいう。
以下のスキームにそのいくつかが示されている合成方法を適用することにより
、式(I)の化合物を得ることができる。これらのスキームに示した合成は、種
々の異なるR、R1およびAr基を有する式(I)の化合物の製造に適用でき、
スキームに概説された反応に適合するように適切に保護された任意の置換基を用
いて反応を行う。それらの場合に引き続き行う脱保護により、一般的に開示され
た性質の化合物が得られる。インドール核を形成したならば、当該分野でよく知
られた官能基相互変換に関する標準的方法を用いることにより、さらなる式(I
)の化合物を製造することができる。
下のスキーム1に示す方法と類似の方法により、R1=HでありR3=2−クロ
ロ−4,5−メチレンジオキシフェニルメチルである式Iの化合物を製造する。
1−スキーム1を室温でDMF中で臭素処理して2−スキーム1を得る。非プ
ロトン性溶媒(DMFまたはTHFのごとき)中の強塩基(水素化ナトリウムま
たは水素化カリウム)および塩化6−クロロピペロニルでの処理によりこの物質
をアルキル化する。トルエン、エタノールおよび水の混合物中で、パラジウム(
0)触媒(Pd(PPh3)4、ArPd(PPh3)2I、Pd(OAc)2、[(
アリル)PdCl2]2またはPd2(dba)3のごとき)、アリールボロニック
酸
(フェニルボロニック酸、4−メトキシフェニルボロニック酸、2,4−ジメト
キシフェニルボロニック酸、3,5−ジクロロフェニルビリニック酸、3−クロ
ロ−4−フルオロフェニルボロニック酸または1−ナフチルボロニック酸のごと
き)および塩基(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、水酸化リチ
ウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化タリウムのごとき)での
処理により3−スキーム1をアリール化する。アセトニトリルおよび水の混合物
、またはDMEおよび水の混合物をこの溶媒混合物のかわりに用いてもよい。ア
リール化生成物4−スキーム1を、水酸化物塩基(水酸化カリウム、水酸化ナト
リウムまたは水酸化リチウムのごとき)でケン化してカルボン酸5−スキーム1
を得る。
別法において、スキーム2記載の方法と類似の方法によりR2=フェニルであ
る式Iの化合物を調製する。1−スキーム2を室温のDMF中で臭素処理して2 −スキーム2
を得る。トルエン、エタノールおよび水の混合物中で、パラジウム
(O)触媒(Pd(PPh3)4、ArPd(PPh3)2I、Pd(OAc)2、
[(アリル)PdCl2]2またはPd2(dba)3のごとき)、フェニルボロニ
ック酸および塩基(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、リン酸カリウム、水酸化リ
チウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムまたは水酸化タリウムのごとき)で
の処理によりこの物質をアリール化する。アセトニトリルおよび水の混合物、ま
たはDMEおよび水の混合物をこの溶媒混合物のかわりに用いてもよい。アリー
ル化生成物3−スキーム2を、非プロトン性溶媒(DMFまたはTHFのごとき
)中の強塩基(水素化化ナトリウムまたは水素化カリウム)およびハロゲン化ア
ルキル(塩化6−クロロピペロニルまたは塩化4−ベンジルオキシベンジルのご
とき)での処理によりアルキル化する。水酸化物塩基(水酸化カリウム、水酸化
ナトリウムまたは水酸化リチウムのごとき)での処理により4−スキーム2をケ
ン化してカルボン酸5−スキーム2を得る。
R1がOCH2Ph以外である式Iの化合物をスキーム3記載の方法と類似の方
法により調製する。極性溶媒中(酢酸エチルまたはエタノールのごとき)の水素
雰囲気下での適当な水素化触媒(炭素上パラジウムのごとき)での1−スキーム 3
の処理により2−スキーム3が得られるはずである。非プロトン性溶媒(DM
FまたはTHFのごとき)中での強塩基(水素化ナトリウムまたは水素化カリウ
ム)およびハロゲン化アルキルでの処理によりこの物質をアルキル化してもよい
。別法として、非プロトン性溶媒中(THFまたはN−メチルモルホリン
のごとき)、1級もしくは2級アルコール、トリフェニルホスフィンおよびアゾ
ジカルボキシリックエステル(アゾジカルボン酸ジエチルまたはジイソプロピル
アゾジカルボキシレートのごとき)での処理により、3−スキーム3を調製する
ことができる。水酸化物塩基(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムまたは水酸化
リチウムのごとき)での処理により3−スキーム3をケン化してカルボン酸4− スキーム3
を得ることができる。
下記スキーム4記載の手順と類似の合成手順を適用することにより、式(II
)の化合物のライブラリーを得ることができる。
アルカリ金属水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム
のごとき)での処理により1−スキーム4をケン化してカルボン酸2−スキーム 4
を得る。2−スキーム4を活性化し、次いで、DMFのごとき非プロトン性溶
媒中で樹脂および4−ジメチルアミノピリジンのごとき塩基とともに撹拌するこ
とにより、丸で囲んだPと命名された適当な樹脂、例においてはWang樹脂に2− スキーム4
を結合させる。化合物4−スキーム1について説明したのと類似の方
法により、この物質をアリール化する。化合物3−スキーム1について説明した
のと類似の方法により、アリール化化合物4−スキーム4をアルキル化する。
DMFのごとき適当な溶媒中でアルカリ金属水酸化物(水酸化カリウム、水酸化
ナトリウムまたは水酸化リチウム)での処理によりアルキル化生成物5−スキー ム4
を樹脂から遊離させて、酸性にした後、カルボン酸6−スキーム4を得る。
知られた方法、例えば、適当な溶媒の存在下における適量の酸での処理により
、式(I)の化合物の医薬上の酸付加塩を得ることができる。
実施例において、温度はすべてセ氏(℃)である。特に断らないかぎり、高速
原子衝撃を用いるVG Zab質量分析計により質量スペクトルを行った。
Bruker AM250またはAm 400スペクトル計をそれぞれ用いて250M
Hzまたは400MHzにおいて1H NMR(以後「NMR」という)スペク
トルを記録した。示された多重度は:s=シングレット、d=ダブレット、t=
トリプレット、q=カルテット、m=マルチプレットであり、brは広がったシ
グナルを示す。Satは飽和溶液を示し、eqは主要反応物質に対する試薬のモ
ル当量の割合を示す。
フラッシュクロマトグラフィーをMerckシリカゲル60(230−400メッ
シュ)にて行う。
合成の実施例
単なる説明であり、本発明の範囲を限定するものではない実施例を参考にして
本発明を説明する。温度はすべてセ氏(℃)であり、すべての溶媒は市販の最高
純度のものであり、特に断らない限り、すべての反応をアルゴン雰囲気下の無水
条件下で行うものとする。
実施例1 5−ベンジルオキシ−1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシフェニルメ チル)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸の調製
a)5−ベンジルオキシ−3−ブロモインドール−2−カルボン酸エチル
DMF(30ml)中の5−ベンジルオキシインドール−2−カルボン酸エチ
ル(21.9g,74.0mmol)の懸濁液に、、DMF(40ml)中の臭素
(11.83g,74.0mmol,3.8ml)の溶液を10分かけて滴下した。
室温でさらに20分撹拌後、溶液を3N HClおよび酢酸エチル間に分配した
。水、重炭酸ナトリウム飽和水溶液、水、飽和ブラインで有機層を順次洗浄し、
次いで乾燥(MgSO4)し、濾過し、濃縮して白色固体を得た。固体を酢酸エ
チルから再結晶して標記化合物を得た(19.6g,71%)。1H NMR(4
00MHz,CDCl3)δ8.96(br,s,1H),7.52−7.30(m,6
H),7.15−7.10(m,2H),5.14(s,2H),4.46(q,J=7.
1Hz,2H),1.46(t,J=7.1Hz,3H)。
b)5−ベンジルオキシ−3−フェニルインドール−2−カルボン酸エチル
実施例1(a)の化合物(2.28g,6.1mmol)、フェニルボロニック
酸(0.97g,7.9mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフィン)
パラジウム(0)(141mg,0.12mmol)を混合し、混合物にトルエン
(20ml)、エタノール(20ml)および2N炭酸ナトリウム(8ml)を
添加した。混合物を撹拌しながら90℃で17時間加熱し、次いで、3N HC
lおよび酢酸エチル間に分配した。水、重炭酸ナトリウム飽和水溶液、飽和ブラ
インで順次有機層を洗浄し、次いで、乾燥(MgSO4)し、濾過し、濃縮して
うす黄色固体を得た。固体をエタノール/水から再結晶して標記化合物を得た(
1.21g,53%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ8.93(br
,s,1H),7.55−7.53(m,11H),7.15−7.11(m,2H),5.
03(s,2H),4.29(q,J=7.1Hz,2H),1.24(t,J=7.1H
z,3H)。
c)5−ベンジルオキシ−1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジ
ル)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸エチル
DMF(1.5ml)中の水素化ナトリウム(36.3mg(鉱油中60%),
0.91mmol)の撹拌されている懸濁液に、実施例1(b)(270mg,0
.73mmol)の化合物を添加した。10分後、塩化6−クロロピペロニル(
186mg,0.91mmol)を添加した。1時間後、混合物を水および酢酸エ
チル間に分配した。有機層を水、次いで、飽和ブラインで洗浄し、乾燥
(MgSO4)し、濾過し、濃縮して油状うす黄色固体を得た。固体をエタノー
ルから再結晶して標記化合物を得た(250mg,64%)。1H NMR (4
00MHz,CDCl3)δ7.48−7.30(m,10H),7.20(br,d,
J=9.7Hz,1H),7.12−7.08(m,2H),6.90(s,1H),6.
01(s,1H),5.89(s,2H),5.76(s,2H),5.02(s,2H)
,4.13(q,J=7.1Hz,2H),1.00(t,J=7.1Hz,3H)。
d)5−ベンジルオキシ−1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジ
ル)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸
実施例1(c)の化合物(125mg,0.23mmol)を1.5mlのTH
F/エタノールに溶解し、3N水酸化カリウム(0.8ml)を添加した。混合
物を1.5時間加熱還流し、次いで、酢酸エチルで希釈し、3N HClで酸性
にした。有機層を飽和ブラインで洗浄し、乾燥(MgSO4)そ、濾過し、濃縮
して標記化合物(112mg,94%)を得た。融点213−214℃。
実施例2 5−ベンジルオキシ−1−(4−ベンジルオキシベンジル)−3−フェニルイン ドール−2−カルボン酸の調製
工程(c)において塩化6−クロロピペロニルのかわりに塩化4−ベンジルオ
キシベンジルを用いること以外は実施例1(a)−1(d)の手順に従って、標
記化合物を調製した(全体として収率24%)。融点(酢酸エチル/ヘキサン)
181−182℃。
実施例3 1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−フェニルインド ール−2−カルボン酸の調製
工程(a)において5−ベンジルオキシインドール−2−カルボン酸エチルの
かわりにインドール−2−カルボン酸エチルを用いること以外は実施例1(a)
−1(d)の手順に従って、標記化合物を調製した(全体として収率42%)。
融点(酢酸エチル/ヘキサン)226−227℃。
実施例4 1−(4−ベンジルオキシベンジル)−3−フェニルインドール−2−カルボン 酸の調製
工程(a)において5−ベンジルオキシインドール−2−カルボン酸エチルの
かわりにインドール−2−カルボン酸エチルを用い、工程(c)において塩化6
−クロロピペロニルのかわりに塩化4−ベンジルオキシベンジルを用いること以
外は実施例1(a)−1(d)の手順に従って、標記化合物を調製した(全体と
して収率42%)。融点193−194℃。
実施例5 1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシフェニルメチル)−3−(4−メ トキシフェニル)インドール−2−カルボン酸の調製
工程(a)において5−ベンジルオキシインドール−2−カルボン酸エチルの
かわりにインドール−2−カルボン酸エチルを用い、工程(b)においてフェニ
ルボロニック酸のかわりに4−メトキシフェニルボロニック酸を用いること以外
は実施例1(a)−1(d)の手順に従って、標記化合物を調製した(全体とし
て収率92%)。融点189−190℃。
実施例6 1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシフェニルメチル)−3−(1−ナ フチル)インドール−2−カルボン酸の調製
a)3−ブロモインドール−2−カルボン酸エチル
5−ベンジルオキシインドール−2−カルボン酸エチルのかわりにインドール
−2−カルボン酸エチルを用いること以外は実施例1(a)の手順に従って、標
記化合物を調製した(94%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ9
.07(br s,1H),7.69(d,J=7.7Hz,1H),7.43−7.37
(m,2H),7.26−7.23(m,1H),4.48(q,J=7.2Hz,
2H),1.47(t,J=7.2Hz,3H)。
b)3−ブロモ−1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)イン
ドール−2−カルボン酸エチル
5−ベンジルオキシ−3−フェニルインドール−2−カルボン酸エチルのかわ
りに3−ブロモインドール−2−カルボン酸エチルを用いること以外は実施例1
(c)の手順に従って、標記化合物を調製した(71%)。1H NMR(40
0MHz,CDCl3)δ7.74(d,J=8.1Hz,1H),7.39−7.36
(m,1H),7.29−7.24(m,2H),6.89(s,1H),5.88(s,
2H),5.87(s,1H),5.75(s,2H),4.40(q,J=7.1Hz,
2H),1.39(t,J=7.1Hz,3H)。
c)1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシフェニルメチル)−3−(1
−ナフチル)インドール−2−カルボン酸エチル
5−ベンジルオキシ−3−ブロモインドール−2−カルボン酸エチルのかわり
に3−ブロモ−1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)インド
ール−2−カルボン酸エチルを用い、フェニルボロニック酸のかわりに1−ナフ
チルボロニック酸を用いること以外は実施例1(b)の手順に従って、標記化合
物を調製した(77%)。1H NMR(250MHz,CDCl3)δ7.92
(d,J=10.0Hz,2H),7.67−7.45(m,4H),7.40−7.32
(m,4H),7.16−7.09(m,1H),6.12(s,1H),5.96(d,
J=17.5Hz,1H),5.92(s,2H),5.87(d,J=17.5Hz),
3.82(q,J=7.1Hz,2H),0.43(t,J=7.1Hz,3H)。
d)1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシフェニルメチル)−3−(1
−ナフチル)インドール−2−カルボン酸
5−ベンジルオキシ−1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル
)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸エチルのかわりに1−(2−クロ
ロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−(1−ナフチル)インドール−
2−カルボン酸エチルを用いること以外は実施例1(d)の手順に従って、標記
化合物(94%)を得た。融点241−242℃。
実施例7 1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシフェニルメチル)−3−(3,5− ジクロロフェニル)インドール−2−カルボン酸の調製
工程(c)において1−ナフチルボロニック酸のかわりに3,5−ジクロロフ
ェニルボロニック酸を用いること以外は実施例6(a)−6(d)の手順に従っ
て、標記化合物を調製した(全体として収率51%)。融点221−222℃。
実施例8 3−(3−クロロ−4−フルオロフェニル)−1−(2−クロロ−4,5−メチ レンジオキシフェニルメチル)インドール−2−カルボン酸の調製
工程(c)において1−ナフチルボロニック酸のかわりに3−クロロ−4−フ
ルオロフェニルボロニック酸を用いること以外は実施例6(a)−6(d)の手
順に従って、標記化合物を調製した(全体として収率25%)。融点210−2
11℃。
実施例9 1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−フェニル−5− プロピルオキシインドール−2−カルボン酸の調製
a)1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−ヒドロキシ
−3−フェニルインドール−2−カルボン酸エチルの調製
実施例6(c)の化合物(3.6g,6.67mmol)を酢酸エチル(200
ml)に溶解し、その溶液に炭素上10%パラジウム(1.8g,50% w/w
)を添加した。混合物をParrシェーカー上に置き、60p.s.i.で16時間振
盪し、次いで、セライトで濾過した。溶液を濃縮して残渣を得て、これをカラム
クロマトグラフィー(シリカゲル,酢酸エチル/ヘキサン)により精製して標記
化合物を白色固体として得た(2.47g,82%)。1H NMR(400MH
z,CDCl3)δ7.46(m,4H),7.15(m,2H),6.92(m,3H)
,
6.00(s,1H),5.89(s,2H),5.73(s,2H),4.69(s,1
H),4.11(q,2H),0.99(t,3H)。
b)1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−フェニル−
5−プロピルオキシインドール−2−カルボン酸エチルの調製
DMF(1.5ml)中の水素化ナトリウム(0.010g,(鉱油中60%),
0.250mmol)の撹拌されている溶液に、実施例9(a)の化合物(0.0
75g,0.167mmol)を添加した。15分後、3−ブロモプロパン(0.
023g,0.184mmol)を添加した。1.5時間後、混合物を水および酢
酸エチル間に分配した。有機層を水、次いで飽和ブラインで洗浄し、乾燥(Mg
SO4)し、濾過し、濃縮して残渣を得て、カラムクロマトグラフィー(酢酸エ
チル/ヘキサン)により精製して標記化合物を白色固体として得た(0.064
g,78%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.45(m,5H),
7.19(m,1H),7.04(m,2H),6.90(s,1H),6.00(s,1
H),5.88(s,2H),5.75(s,2H),4.12(q,2H),3.88(
t,2H),1.80(m,2H),1.03(m,6H)。
c)1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−フェニル−
5−プロピルオキシインドール−2−カルボン酸
5−ベンジルオキシ−1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル
)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸エチルのかわりに1−(2−クロ
ロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−フェニル−5−プロピルオキシ
インドール−2−カルボン酸エチルを用いること以外は実施例1(d)の手順に
従って、標記化合物を白色固体として調製した(0.053g,88%)。エタノ
ール中の1.0eqの0.1N水酸化ナトリウムを用いて標記化合物をナトリウム
塩に変換した。MS(MH+):464.0。
実施例10 1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシフェニルメチル)−3−アリール インドール−2−カルボン酸の10個のメンバーのサブライブラリーの調製
a)3−ブロモインドール−2−カルボン酸
NaOH(20.20g,505mmol)を入れたEtOH(600ml)お
よび水(50ml)中の3−ブロモインドール−2−カルボン酸エチル(54.
40g,203mmol)の溶液を1時間還流した。混合物を冷却し、標記化合
物のナトリウム塩を濾過により取った。これを酸性にし(3N HCl水溶液で
)、酢酸エチルで抽出した。有機抽出物を水、次いでブラインで洗浄し、乾燥(
硫酸ナトリウム)、濃縮した。酢酸エチルからの再結晶により生成物(47.1
g,88%)を得た。融点201−203℃。
b)Wang樹脂に支持された3−ブロモインドール−2−カルボキシレート
1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(28.1g,2.8mmol)を含むDM
F(700ml)中の3−ブロモインドール−2−カルボン酸(50.0g,20
8mmol)の溶液に、1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(26.23g,
2.8mmol)を添加した。室温で30分撹拌後、混合物を濾過し、濾液にW
ang樹脂(0.72meq/g)(72g,51.8mmol)を添加した。1
0分後、4−ジメチルアミノピリジン(25.4g,208mmol)を添加し、
室温で撹拌を7日間継続した。混合物を濾過し、樹脂をDMF(3x1リットル
)、メタノール(3x1リットル)、水(3x1リットル)、メタノール(3x
1リットル)で順次洗浄し、50℃にて減圧乾燥した。
c)Wang樹脂に支持された3−フェニルインドール−2−カルボキシレート
実施例10(b)の樹脂結合化合物(2.0g,0.96mmol)、フェニル
ボロン酸(0.70g,5.7mmol)およびテトラキス(トリフェニルホスフ
ィン)パラジウム(0)(150mg,0.13mmol)を混合し、混合物にト
ルエン(25ml)、エタノール(5ml)および2N炭酸ナトリウム(5ml
)を添加した。混合物を90℃で撹拌しながら17時間加熱し、次いで、室温ま
で冷却し、濾過した。樹脂をDMF(3x75ml)、メタノール(3x5ml
)、水(3x75ml)、メタノール(3x75ml)で順次洗浄し、次いで、
50℃にて減圧乾燥した。
d)10成分のWang樹脂に支持された3−アリールインドール−2−カルボ
キシレート混合物
フェニルボロン酸を下記アリールボロン酸の1つと置き換えて実施例10(c
)の手順を9回繰り返した:4−クロロフェニルボロン酸、4−トリフルオロメ
チルフェニルボロン酸、4−ビフェニルボロン酸、4−フェノキシフェニルボロ
ン酸、4−メトキシフェニルボロン酸、3−クロロ−4−フルオロフェニルボロ
ン酸、1−ナフチルボロン酸、3,5−ジクロロフェニルボロン酸、2,4−ジメ
トキシフェニルボロン酸。樹脂を混合し、メタノールに添加し、得られたスラリ
ーを20分撹拌した。溶媒を除去し、樹脂を減圧乾燥した。
e)10成分のWang樹脂に支持された1−(2−クロロ−4,5−メチレン
ジオキシフェニルメチル)−3−アリールインドール−2−カルボキシレート混
合物
実施例10(d)の混合物(1.25g,約0.6mmol)を室温にて乾DM
F(30ml)中でスラリー化した。これにDMF(10ml)中のNaH(6
0%油懸濁液140mg,3.5mmol)のスラリーを添加し、撹拌を18時間
継続した。これにDMF(5ml)中の塩化6−クロロピペロニル(718mg
,3.5mmol)の溶液を添加し、撹拌を20時間継続した。混合物を濾過し、
樹脂をDMF(3x50ml)、メタノール(3x50ml)、水(3x50m
l)、メタノール(3x50ml)で順次洗浄し、50℃で減圧乾燥した。
f)1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシフェニルメチル)−3−アリ
ールインドール−2−カルボン酸の10個のメンバーのサブライブラリー
実施例10(e)の混合物(414mg,約0.2mmol)を5M水酸化ナト
リウム水溶液(1ml)を含むDMF(10ml)中で室温で20分撹拌した。
混合物を濾過し、濾液を3N HClおよび酢酸エチル間に分配した。有機抽出
物を水、次いでブラインで洗浄し、乾燥(硫酸ナトリウム)し、溶媒を減圧除去
してサブライブラリー(37mg)を得た。MS m/e(M−H)-:404.
0,434.0,438.0,454.0,455.8,463.8,471.8,479.8
,495.8。
実施例11 3−アリール−1−(3,5−ジメトキシフェニルメチル)インドール−2−カ ルボン酸の10個のメンバーのサブライブラリーの調製
工程(e)において塩化6−クロロピペロニルのかわりに塩化3,5−ジメト
キシベンジルを用いること以外は実施例10(a)−10(f)の手順に従って
、標記サブライブラリーを調製した(30mg)。MS m/e(M−H)-:
386.0,416.0,420.0,436.0,438.0,446.0,454.0,4
62.0,478.0。
実施例12 3−アリール−1−(2−メトキシ−5−ニトロフェニルメチル)インドール− 2−カルボン酸の10個のメンバーのサブライブラリーの調製
工程(e)において塩化6−クロロピペロニルのかわりに臭化2−メトキシ−
5−ニトロベンジルを用いること以外は実施例10(a)−10(f)の手順に
従って標記サブライブラリーを調製した(40mg)。MS m/e(M−H)-
:401.0,431.0,435.0,451.0,453.0,461.0,469.0
,477.0,493.0。
実施例13 3−アリール−1−フェニルメチルインドール−2−カルボン酸の10個のメン バーのサブライブラリーの調製
工程(e)において塩化6−クロロピペロニルのかわりに塩化ベンジルを用い
ること以外は実施例10(a)−10(f)の手順に従って標記サブライブラリ
ーを調製した(31mg)。MS m/e(M−H)-:326.0,356.0,
360.0,376.0,377.8,386.0,394.0,402.0,418.0。
実施例14 3−アリール−1−(4−メチルフェニルメチル)インドール−2−カルボン酸 の10個のメンバーのサブライブラリーの調製
工程(e)において塩化6−クロロピペロニルのかわりに臭化4−メチルベン
ジルを用いること以外は実施例10(a)−10(f)の手順に従って標記サブ
ライブラリーを調製した(48mg)。MS m/e(M−H)-:340.0,
370.0,374.0,390.0,391.8,400.0,408.0,416.0,4
32.2。
実施例15 3−アリール−1−(4−ベンジルオキシフェニルメチル)インドール−2−カ ルボン酸の10個のメンバーのサブライブラリーの調製
工程(e)において塩化6−クロロピペロニルのかわりに塩化4−ベンジルオ
キシベンジルを用いること以外は実施例10(a)−10(f)の手順に従って
標記サブライブラリーを調製した(35mg)。MS m/e(M−H)-:4
32.0,462.0,466.2,482.0,484.0,492.0,500.0,50
8.0,524.0。
実施例16 3−アリール−1−(4−メトキシフェニルメチル)インドール−2−カルボン 酸の10個のメンバーのサブライブラリーの調製
工程(e)において塩化6−クロロピペロニルのかわりに塩化4−メトキシベ
ンジルを用いること以外は実施例10(a)−10(f)の手順に従って標記サ
ブライブラリーを調製した(35mg)。MS m/e(M−H)-:356.0
,386.0,390.0,406.0,408.0,416.0,424.0,432.0,
448.2。
実施例17 3−アリール−1−(4−トリフルオロメトキシフェニルメチル)インドール− 2−カルボン酸の10個のメンバーのサブライブラリーの調製
工程(e)において塩化6−クロロピペロニルのかわりに臭化4−トリフルオ
ロメトキシベンジルを用いること以外は実施例10(a)−10(f)の手順に
従って標記サブライブラリーを調製した(31mg)。MS m/e(M−H)-
:410.0,440.0,444.0,460.0,470.0,478.0,486.0,
502.0。
実施例18 1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−(2−イソプロ ピルオキシ)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸の調製
a)1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−(2−イソ
プロピルオキシ)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸エチル
実施例9(a)の化合物(0.100g,0.222mmol)、イソプロパノ
ール(0.016g,0.276mmol)、およびトリフェニルホスフィン(0.
070g,0.267mmol)をTHF(2ml)に溶解し、0℃としてからジ
イソプロピルアゾジカルボキシレート(0.054g,0.267mmol)を滴
下した。溶液を放置して室温まで暖め、16時間撹拌してから濃縮した。得られ
た残渣をクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸エチル/ヘキサン)に供して標
記化合物を白色固体として得た(0.078g,71%)。1H NMR(400
MHz,CDCl3)δ7.65(d,2H),7.55(d,2H),7.47(m,5
H),7.21(m,1H),7.11−7.05(m,2H),6.90(s,1H),
6.02(s,1H),5.89(s,2H),5.77(s,2H),5.05(s,2
H),4.18(q,2H),1.08(t,3H)。
b)1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−(イソプロ
ピルオキシ)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸
5−ベンジルオキシ−1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル
)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸エチルのかわりに1−(2−クロ
ロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−(2−イソプロピルオキシ)−
3
−フェニルインドール−2−カルボン酸エチルを用いること以外は実施例1(d
)の手順に従って、標記化合物を白色固体として調製した(0.070g,95%
)。MS(MH-):462.0。
実施例19 1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−フェニル−5− (4−トリフルオロメチルベンジルオキシ)インドール−2−カルボン酸の調製
工程(a)においてイソプロパノールのかわりに4−トリフルオロメチルベン
ジルアルコールを用いること以外は実施例18(a)−18(b)の手順に従っ
て、標記化合物を調製した(0.064g,全体としての収率52%)。MS(M
H-):578.0。
実施例20 1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−フェニル−5− (3−トリフルオロメチルベンジルオキシ)インドール−2−カルボン酸の調製
工程(a)においてイソプロパノールのかわりに3−トリフルオロメチルベン
ジルアルコールを用いること以外は実施例18(a)−18(b)の手順に従っ
て、標記化合物を調製した(0.058g,全体としての収率33%)。MS(M
H-):578.0。
実施例21 1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−(3,4−メチレ ンジオキシベンジルオキシ)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸の調製
工程(a)においてイソプロパノールのかわりにピペロニルアルコールを用い
ること以外は実施例18(a)−18(b)の手順に従って、標記化合物を調製
した(0.042g,全体としての収率52%)。MS(MH-):554.0。
実施例22 1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−(4−メトキシ ベンジルオキシ)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸の調製
工程(a)においてイソプロパノールのかわりに4−メトキシベンジルアルコ
ールを用いること以外は実施例18(a)−18(b)の手順に従って、標記化
合物を調製した(0.060g,全体としての収率50%)。MS(MH-):5
40.0。
実施例23 1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−シクロヘキシル メトキシ−3−フェニルインドール−2−カルボン酸の調製
工程(a)においてイソプロパノールのかわりにシクロヘキシルメタノールを
用いること以外は実施例18(a)−18(b)の手順に従って、標記化合物を
調製した(0.020g,全体としての収率17%)。MS(MH-):518.0
。
実施例24 1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−フェニル−5− (2−トリフルオロメチルベンジルオキシ)インドール−2−カルボン酸の調製
工程(a)においてイソプロパノールのかわりに2−トリフルオロメチルベン
ジルアルコールを用いること以外は実施例18(a)−18(b)の手順に従っ
て、標記化合物を調製した(0.031g,全体としての収率24%)。MS(M
H-):578.0。
実施例25 1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−(4−メチルフ ェニル)−5−(4−メチルチオベンジルオキシ)インドール−2−カルボン酸 の調製
a)1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−ヒドロキシ
−3−(4−メチルフェニル)インドール−2−カルボン酸エチル
工程(b)においてフェニルボロン酸のかわりに4−メチルフェニルボロン酸
を用いること以外は実施例1(a)−1(c)の手順に従って、そして5−ベン
ジルオキシ−1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−フ
ェニルインドール−2−カルボン酸エチルのかわりに5−ベンジルオキシ−1−
(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−(4−メチルフェニ
ル)インドール−2−カルボン酸エチルを用いること以外は実施例9(a)の手
順に従って、標記化合物を白色固体として調製した(0.304g,81%)。1
H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.37(m,2H),7.24(s,1
H),7.15(d,1H),6.97(m,3H),6.00(s,1H),5.89(
s,2H),5.71(s,2H),4.56(s,1H),4.13(q,2H),2.4
3(s,3H),1.03(t,3H)。
b)1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−(4−メチ
ルフェニル)−5−(4−メチルチオベンジルオキシ)インドール−2−カルボ
ン酸
工程(a)において1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)
−5−ヒドロキシ−3−フェニルインドール−2−カルボン酸エチルのかわりに
1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−ヒドロキシ−3
−(4−メチルフェニル)インドール−2−カルボン酸エチルを用い、イソプロ
パノールのかわりに4−メチルチオベンジルアルコールを用いる以外は実施例1
8(a)−18(b)の手順に従って、標記化合物を白色固体として調製した(
全体として収率38%)。MS(MH-):570.0。
実施例26 1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−(3,5−ジクロ ロフェニル)−5−(4−トリフルオロメトキシベンジルオキシ)インドール− 2−カルボン酸の調製
a)5−ベンジルオキシ−1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジ
ル)−3−(3,5−ジクロロフェニル)インドール−2−カルボン酸エチル
工程(b)においてフェニルボロン酸のかわりに3,5−ジクロロフェニルボ
ロン酸を用いる以外は実施例1(a)−1(c)の手順に従って、標記化合物を
白色固体として調製した(7.37g,73%)。1H NMR(400MHz,C
DCl3)δ7.40(m,8H),7.23(m,1H),7.12(m,1H),7.
01(m,1H),6.91(s,1H),5.95(s,1H),5.90(s,2H)
,5.77(s,2H),5.05(s,2H),4.18(q,2H),1.08(t,3
H)。
b)1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−(3,5−ジ
クロロフェニル)−5−ヒドロキシインドール−2−カルボン酸エチル
5−ベンジルオキシ−1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル
)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸エチルのかわりに5−ベンジルオ
キシ−1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−(3,5−
ジクロロフェニル)インドール−2−カルボン酸エチルを用いること以外は実施
例9(a)の手順に従って、標記化合物を白色固体として調製した(3.47g,
64%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.36(m,3H),7.
17(d,1H),6.96(m,2H),6.90(s,1H),5.95(s,1H)
,5.90(s,2H),5.74(s,2H),4.71(s,1H),4.18(q,2
H),1.08(t,3H)。
c)1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−(3,5−ジ
クロロフェニル)−5−(4−トリフルオロメトキシベンジルオキシ)インドー
ル−2−カルボン酸エチル
THF(2ml)中の実施例26(b)の化合物(0.110g,0.212m
mol)にカリウムビス(トリメチルシリル)アミド(0.636ml(トルエ
ン中0.5M),0.361mmol)を添加した。溶液を室温で1時間撹拌し、
次いで、臭化4−トリフルオロメトキシベンジル(0.065g,0.254mm
ol)を添加し、撹拌を4時間継続した。溶液を酢酸エチルおよび水間に分配し
た。水層を酢酸エチルで抽出し、次いで、有機層を一緒にし、MgSO4で
乾燥し、濾過し、濃縮して残渣をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、酢酸
エチル/ヘキサン)により精製して標記化合物を白色固体として得た(0.073
g,50%)。1H NMR(400MHz,CDCl3)δ7.48(m,2H),7
.41(m,1H),7.37(m,2H),7.27−7.21(m,3H),7.11
(m,1H),7.09(m,1H),6.90(s,1H),5.94(s,1H),5.
90(s,2H),5.77(s,2H),5.05(s,2H),4.17(q,2H)
,1.09(t,3H)。
d)1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−(3,5−ジ
クロロフェニル)−5−(4−トリフルオロメトキシベンジルオキシ)インドー
ル−2−カルボン酸
5−ベンジルオキシ−1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル
)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸エチルのかわりに1−(2−クロ
ロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−3−(3,5−ジクロロフェニル)−
5−(4−トリフルオロメトキシベンジルオキシ)インドール−2−カルボン酸
エチルを用いる以外は実施例1(d)の手順に従って、標記化合物を白色固体と
して調製した(全体として収率42%)。MS(MH-):662.0。
実施例27 1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−(2−クロロ− 4,5−メチレンジオキシベンジルオキシ)−3−(3,5−ジクロロフェニル) インドール−2−カルボン酸の調製
工程(c)において臭化4−トリフルオロメトキシベンジルのかわりに塩化6
−クロロピペロニルを用いること以外は実施例26(a)−26(d)の手順を
用いて、標記化合物を白色固体として調製した(全体として収率49%)。MS
(MH-):656.0。
実施例28 5−(4−tert−ブチル)ベンジルオキシ−1−(2−クロロ−4,5−メ チレンジオキシベンジル)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸の調製
工程(c)において1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)
−3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−ヒドロキシインドール−2−カルボ
ン酸エチルのかわりに1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)
−5−ヒドロキシ−3−フェニルインドール−2−カルボン酸エチルを用い、臭
化4−トリフルオロメトキシベンジルのかわりに臭化4−tert−ブチルベン
ジルを用いること以外は実施例26(c)−26(d)の手順に従って、標記化
合物を白色固体として調製した(全体として収率82%)。MS(MH+):5
68.2。
実施例29 1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−(3−メトキシ ベンジルオキシ)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸の調製
工程(c)において1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)
−3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−ヒドロキシインドール−2−カルボ
キシレートのかわりに1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)
−5−ヒドロキシ−3−フェニルインドール−2−カルボン酸エチルを用い、臭
化4−トリフルオロベンジルのかわりに塩化3−メトキシベンジルを用いる以外
は実施例26(c)−26(d)の手順に従って、標記化合物を白色固体として
調製した(全体として収率64%)。MS(MH+):542.4。
実施例30 1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−[4−(2,2− ジメチルプロパノイル)−ベンジルオキシ]−3−フェニルインドール−2−カ ルボン酸の調製
工程(b)において3−ブロモプロパンのかわりに臭化(2,2−ジメチルプ
ロパノイル)ベンジルを用いること以外は実施例9(b)−9(c)の手順に従
って、標記化合物を調製した(全体として収率58%)。MS(MH-):
594.0。
実施例31 1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−(2−メトキシ ベンジルオキシ)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸の調製
工程(a)においてイソプロパノールのかわりに2−メトキシベンジルアルコ
ールを用いる以外は実施例18(a)−18(b)の手順に従って、標記化合物
を調製した(全体として収率30%)。MS(MH-):540.0。
実施例32 1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシフェニルメチル)−5−(4−シ アノフェニルメトキシ)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸の調製
工程(c)において1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)
−3−(3,5−ジクロロフェニル)−5−ヒドロキシインドール−2−カルボ
キシレートのかわりに1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシフェニルメ
チル)−5−ヒドロキシ−3−フェニルインドール−2−カルボン酸エチルを用
い、臭化4−トリフルオロメトキシベンジルのかわりに臭化4−シアノベンジル
を用いること以外は実施例26(c)−26(d)の手順に従って、標記化合物
を白色固体として調製した(全体として収率41%)。MS(MH-):535.
0。
実施例33 1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル)−5−(2−クロロ− 4,5−メチレンジオキシベンジルオキシ)−3−フェニルインドール−2−カ ルボン酸の調製
工程(b)において3−ブロモプロパンのかわりに塩化6−クロロピペロニル
を用いる以外は実施例9(b)−9(c)の手順に従って、標記化合物を調製し
た(全体として収率65%)。MS(MH+):587.0。
実施例34 1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシフェニルメチル)−5−(4−メ チルチオフェニルメトキシ)−3−フェニルインドール−2−カルボン酸の調製
工程(b)において3−ブロモプロパンのかわりに臭化4−メチルチオベンジ
ルを用いる以外は実施例9(b)−9(c)の手順に従って標記化合物を調製し
た(全体として収率70%)。MS(MH+):558.0。
実施例35 1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシフェニルメチル)−3−(4−ホ ルミルフェニル)−5−フェニルメトキシインドール−2−カルボン酸の調製
工程(b)においてフェニルボロン酸のかわりに4−ホルミルフェニルボロン
酸を用いる以外は実施例1(a)−1(d)の手順に従って、標記化合物を白色
固体として調製した(全体として収率76%)。MS(MH-):538.0。
実施例36 5−ベンジルオキシ−1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル) −3−(2−ホルミルフェニル)インドール−2−カルボン酸の調製
工程(b)においてフェニルボロン酸のかわりに2−ホルミルフェニルボロン
酸を用いる以外は実施例1(a)−1(d)の手順に従って、標記化合物を白色
固体として調製した(全体として収率54%)。MS(MH-):538.2。
実施例37 5−ベンジルオキシ−1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル) −3−(4−フルオロフェニル)インドール−2−カルボン酸の調製
工程(b)においてフェニルボロン酸のかわりに4−フルオロフェニルボロン
酸を用いる以外は実施例1(a)−1(d)の手順に従って、標記化合物を白色
固体として調製した(全体として収率77%)。MS(MH-):428.0。
実施例38 3−(3−アミノフェニル)−5−ベンジルオキシ−1−(2−クロロ−4,5 −メチレンジオキシベンジル)インドール−2−カルボン酸の調製
工程(b)においてフェニルボロン酸のかわりに3−アミノフェニルボロン酸
を用いる以外は実施例1(a)−1(d)の手順に従って、標記化合物を黄色固
体として調製した(全体として収率65%)。MS(MH-):525.0。
実施例39 5−ベンジルオキシ−1−(2−クロロ−4,5−メチレンジオキシベンジル) −3−(2,4−ジクロロフェニル)インドール−2−カルボン酸の調製
工程(b)においてフェニルボロン酸のかわりに2,4−ジクロロフェニルボ
ロン酸を用いる以外は実施例1(a)−1(d)の手順に従って、標記化合物を
白色固体として調製した(全体として収率63%)。MS(MH-):578.2
。
治療方法
式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を、ヒトまたは他の哺乳動物
における疾病状態の予防的または治療的処置のための医薬の製造において用いる
ことができ、該疾病はかかる哺乳動物細胞により産生される過剰または調節され
ないIL−8サイトカイン産生により悪化または引き起こされるものであり、該
哺乳動物細胞は単球および/またはマクロファージに限るものではなく、また該
疾病は、タイプIまたはタイプII受容体とも呼ばれるIL−8αまたはβ受容
体に結合する他のケモカインによっても悪化または引き起こされるものである。
したがって、本発明は、IL−8αまたはβ受容体に結合するケモカインによ
り媒介される疾病の治療方法であって、有効量の式(I)の化合物またはその医
薬上許容される塩を投与することを特徴とする方法を提供する。詳細には、ケモ
カインはIL−8である。
サイトカイン機能、詳細にはIL−8を阻害するに十分量の式(I)の化合物
を投与して、生物学的にその生理学的機能を調節して低下させて正常レベルとし
、あるいはいくつかの場合には正常レベル以下とし、疾病状態を改善する。例え
ば本発明によればIL−8の異常なレベルとは、(i)1mlあたり1ピコグラ
ムよりも高いかまたはそれと同じ遊離IL−8レベル;(ii)細胞に関連して
いて正常な生理学的レベルよりも高いIL−8;または(iii)それぞれIL
−8が産生されている細胞または組織における基底レベルよりも高いIL−8の
存在を包含する。
過剰または調節されないIL−8産生が疾病の悪化および/または発生に関与
している多くの疾病状態がある。ケモカインにより媒介される疾病は、乾癬、ア
トピー性皮膚炎、関節炎、喘息、慢性狭窄性肺疾患、成人の呼吸困難症候群、炎
症性腸疾患、Crohn病、潰瘍性大腸炎、卒中、敗血性ショック、エンドトキシン
ショック、グラム陰性敗血病、毒素ショック症候群、心臓および腎臓のリパーフ
ュージョン(reperfusion)障害、糸球体腎炎、血栓症、対宿主移植片反応、同
種移植片拒絶反応、およびマラリアを包含する。
これらの疾病は、主として塊状の好中球浸潤により特徴づけられ、炎症部位へ
の好中球の化学走性の原因となる増加したIL−8産生に関連している。他の炎
症ケモカイン(IL−1、TNF、およびIL−6)とは対照的に、IL−8は
好中球化学走性および活性化というユニークな特性を有している。それゆえ、I
L−8により誘導される化学走性または活性化に対する阻害は好中球浸潤の直接
的減少を引き起こすであろう。
IL−8のIL−8αまたはβ受容体結合を阻害するに十分な量の式(I)の
化合物を投与し、阻害は、例えば好中球の化学走性または活性化の低下により明
らかとなる。式(I)の化合物はIL−8結合に対する阻害剤であるという知見
は、本明細書記載のインビトロ受容体結合アッセイにおける式(I)の化合物の
効果に基づく。式(I)の化合物は、組み換えタイプIおよびタイプII双方の
IL−8受容体に対する二面的阻害剤であることが示されている。
本明細書の用語「IL−8により媒介される疾病または疾病状態」は、IL−
8自体の産生またはIL−8が引き起こす別のモノカイン(例えばIL−1、
IL−6またはTNFであるがこれらに限らない)の放出のいずれかによってI
L−8が役割を果たしている何らかの疾病状態およびすべての疾病をいう。例え
ば、IL−1が主要因であり、その産生または作用がIL−8に応答して悪化ま
たは分泌される疾病状態は、それゆえ、IL−8により媒介される疾病状態と考
えられる。
本明細書の用語「ケモカインにより媒介される疾病または疾病状態」は、IL
−8αまたはβ受容体に結合するケモカイン(例えばIL−8、GRO−α、G
RO−β、GRO−γまたはNAP−2であるがこれらに限らない)が役割を果
たしている何らかの疾病状態およびすべての疾病状態をいう。IL−8自体の産
生またはIL−8が引き起こす別のモノカイン(例えばIL−1、IL−6また
はTNFであるがこれらに限らない)の放出のいずれかによってIL−8が役割
を果たしている疾病状態がこれに包含されるであろう。例えば、IL−1が主要
因であり、その産生または作用がIL−8に応答して悪化または分泌される疾病
状態は、それゆえ、IL−8により媒介される疾病状態と考えられる。
本明細書の用語「サイトカイン」は、細胞機能に影響し、免疫、炎症または造
血応答において細胞間相互作用を転調させる分子であるすべての分泌ポリペプチ
ドをいう。サイトカインは、どの細胞が産生するのかにかかわらず、モノカイン
およびリンホカインを包含するがこれらに限らない。例えば、一般的にはモノカ
インは、マクロファージおよび/または単球のごとき単核細胞により産生され分
泌されるといわれている。しかしながら、天然キラー細胞、線維芽細胞、好塩基
球、好中球、内皮細胞、脳の星状細胞、骨髄幹細胞、皮膚のケラチノサイトおよ
びB−リンパ球のような多くの他の細胞もモノカインを産生する。一般的には、
リンホカインはリンパ球により産生されるといわれている。サイトカインの例は
、インターロイキン−1(IL−1)、インターロイキン−6(IL−6)、イ
ンターロイキン−8(IL−8)、腫瘍壊死因子アルファ(TNFα)および腫
瘍壊死因子ベータ(TNFβ)を包含するがこれらに限らない。
本明細書の用語「ケモカイン」は、上記用語「サイトカイン」と同様に、細胞
機能に影響し、免疫、炎症または造血応答において細胞間相互作用を転調させる
分子であるすべての分泌ポリペプチドをいう。ケモカインは主として細胞トラン
スメンブランを通して分泌され、特定の白血球、好中球、単球、マクロファージ
、T細胞、B細胞、内皮細胞および平滑筋細胞の化学走性および活性化を引き起
こす。ケモカインの例は、IL−8、GRO−α、GRO−β、GRO−γ、N
AP−2、IP−10、MIP−1α、MIP−1β、PF4ならびにMCP1
、2および3を包含するがこれらに限らない。
式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を治療に使用するために、通
常には、標準的製薬慣習に従って医薬組成物中にそれを処方する。それゆえ、本
発明は、有効かつ無毒の量の式(I)の化合物および医薬上許容される担体また
は希釈剤を含んでなる医薬組成物にも関する。
便利には、式(I)の化合物、その医薬上許容される塩およびそれを含んでな
る医薬組成物を、薬剤投与に慣用的に用いられる経路、例えば、経口的、局所的
、非経口的経路により、または吸入により投与することができる。式(I)の化
合物を、慣用的な方法によって式(I)の化合物を標準的な医薬担体と混合する
ことにより製造される慣用的な剤型として投与することができる。式(I)の化
合物を、既知の第2の治療活性化合物と混合して慣用的な用量で投与してもよい
。これらの方法は、所望調合品を得るのに適した成分の混合、顆粒化および打錠
または溶解を包含する。医薬上許容される担体または希釈剤の形態および特性は
混合される有効成分量、投与経路および他のよく知られた変数により決定される
ことが理解されるであろう。担体は、処方の他の成分に適合し、その受容者に有
害でないという意味において「許容される」ものでなければならない。
医薬担体は、例えば、固体または液体であってよい。固体担体の典型例はラク
トース、白陶土、スクロース、タルク、ゼラチン、寒天、ペクチン、アラビアゴ
ム、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸等である。液体担体の典型例は糖
蜜、ピーナッツ油、オリーブ油、水等である。同様に、担体または希釈剤は当該
分野でよく知られた時間遅延材料、例えば、モノステアリン酸グリセリルまたは
ジステアリン酸グリセリルのみ、あるいはそれとロウとの混合物を包含しうる。
種々の医薬形態を用いることができる。よって、固体担体を用いる場合には、
調合品を錠剤化し、硬ゼラチンカプセル中に入れ、粉末もしくはペレット形態、
またはトローチもしくは甘味入り錠剤の形態とすることができる。固体担体量を
広範に変化させることができるが、好ましくは、約25mgないし約1gであろ
う。液体担体を用いる場合には、調合品はシロップ、エマルジョン、軟ゼラチン
カプセル、アンプルのごとき滅菌注射可能液剤または非水性液体懸濁液の形態で
あろう。
式(I)の化合物を局所的に投与してもよく、すなわち、全身的でない投与を
行ってもよい。これには式(I)の化合物の皮膚外部からの投与またはほほ粘膜
からの適用、ならびにかかる化合物の耳、目および鼻からの滴下が包含されるが
、結果的に、化合物は有意には血流に入らないものである。対照的に、全身投与
は経口、静脈内、腹腔内および筋肉内投与をいう。
局部的投与に適する処方は、皮膚から炎症部位への浸透に適した液体または半
固体調合品、例えば、リニメント、ローション、クリーム、軟膏またはパスタ剤
、ならびに目、耳または鼻への投与に適した滴剤を包含する。局部的投与には、
有効成分は処方の0.001重量%ないし10重量%、例えば、1重量%ないし
2重量%を占める。しかしながら、処方の10重量%程度であってもよいが、好
ましくは処方の5重量%未満、より好ましくは処方の0.1重量%ないし1重量
%である。
本発明ローション剤は、皮膚または目への適用に適したものを包含する。アイ
ローションは、所望により殺細菌剤を含んでいてもよい滅菌水溶液からなってい
てもよく、滴剤の製造と同様の方法により製造することができる。皮膚に適用さ
れるローション剤またはリニメント剤は、アルコールまたはアセトンのごとき乾
燥を促進し皮膚を冷却する剤、および/またはグリセロールのごとき保湿剤、あ
るいはヒマシ油もしくは落花生油のごとき油を含有していてもよい。
本発明クリーム剤、軟膏またはパスタ剤は外部からの適用のための半固体処方
である。細かく粉砕された形態または粉末形態の有効成分をそのまま、あるいは
水性または非水性液体中の溶液または懸濁液中に入れて、適当な機械によってグ
リース状または非グリース状基材と混合することによりそれらを製造することが
できる。基材は、硬、軟または液体パラフィンのごとき炭化水素、グリセロール
、蜜ロウ、金属石鹸;ゴムのり;アーモンド油、トウモロコシ油、落花生油、ヒ
マシ油またはオリーブ油のごとき天然油脂;羊毛脂もしくはその誘導体、または
プロピレングリコールもしくはマクロゲルと混合されたステアリン酸もしくはオ
レイン酸のごとき脂肪酸からなる。処方は、アニオン性、カチオン性またはソル
ビタンエステルもしくはそのポリオキシエチレン誘導体のごとき非イオン性界面
活性剤のごとき適当な界面活性剤を含有していてもよい。天然ゴム、セルロース
誘導体または珪酸含有シリカのごとき無機材料のごとき懸濁剤、ならびにラノリ
ンのごとき他の成分を含有していてもよい。
本発明滴剤は、滅菌水性もしくは油性溶液もしくは懸濁液からなっていてもよ
く、殺細菌剤および/または殺真菌剤および/または他の適当な保存料の適当な
水溶液、好ましくは界面活性剤含有水溶液に活性成分を溶解することにより製造
することができる。次いで、得られた溶液を濾過により清澄化し、後で密封され
る適当な容器に移し、オートクレーブまたは98−100℃に半時間維持するこ
とにより滅菌することができる。別法として、溶液を濾過により滅菌し、無菌的
方法により容器に移してもよい。滴剤に含ませるのに適した殺細菌剤および殺真
菌剤の例は硝酸フェニル水銀または酢酸フェニル水銀(0.002%)、塩化ベ
ンザルコニウム(0.01%)および酢酸クロルヘキシジン(0.01%)である
。油性溶液の調製に適する溶媒は、グリセロール、希釈されたアルコールおよび
プロピレングリコールを包含する。
式(I)の化合物を非経口的に、すなわち、静脈内、筋肉内、皮下、鼻腔内、
直腸内、膣内または腹腔内投与により投与してもよい。皮下および筋肉内形態の
非経口投与が一般的に好ましい。かかる投与に適する剤型を慣用的方法により製
造することができる。式(I)の化合物を吸入によって、すなわち、鼻腔内およ
び経口吸入投与によって投与してもよい。かかる投与に適する剤型、例えばエア
ロゾル処方または目盛り付き吸入器を慣用的方法により製造することができる。
式(I)に関して本明細書に開示したすべての使用方法に関して、1日の経口
投与規則は、好ましくは、体重1kgあたり約0.01mgないし80mgであ
ろう。1日の非経口投与規則は、好ましくは、0.1mgないし150mgを1
日1ないし4回、好ましくは2回または3回投与であろう。1日の吸入投与規則
は、好ましくは約0.01mg/kgないし約1mg/kgであろう。式(I)
の化合物またはその医薬上許容される塩の最適量および投与間隔は治療すべき症
状の性質および程度、投与の形態、経路および部位、ならびに治療すべき個々の
患者により決定され、かかる最適値を慣用的方法により決定できることが当業者
により認識されるであろう。治療の最適コース、すなわち、一定の日数の間に投
与される式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩の用量は、治療決定試
験の慣用的コースを用いて当業者により確認されうる。
単に説明的であり本発明の範囲を何ら限定しない下記生物学的実施例を参考に
して本発明を説明する。生物学的実施例
本発明化合物のIL−8サイトカイン阻害効果を下記インビトロアッセイによ
り調べた:
受容体結合アッセイ:
比活性2000Ci/mmolの[125I]IL−8(ヒト組み換え型)をAme
rsham Corp.,Arlington Heights,ILから得た。たのすべての化学試薬は分析グレ
ードのものであった。高レベルの組み換え型ヒト・IL−8タイプαおよびβ受
容体を、以前記載されているようにして(Holmes,et al.,Science,1991,253,127
8)チャイニーズハムスター卵巣細胞において個々に発現させた。以前記載され
ているプロトコール(Kraft,et al.,Nature,1983,301,621)に従ってチャイニ
ーズハムスター卵巣膜をホモジナイズした。ウシ・血清アルブミンを標準物質と
して用いるPierce Co.のマイクロアッセイキットを用いて膜蛋白濃度を決定した
。すべてのアッセイを96ウェルマイクロプレートフォーマットにて行った。各
反応混合物は、125I IL−8(0.25nM)、20mM ビス−トリスプロパ
ン中0.5μg/mlのIL−8Rαまたは1.0μg/mlのIL−8Rβ膜、
および1.2mM MgSO4、0.1mM EDTA、25mM NaClおよび0
.03% CHAPSおよび適当濃度のペプチドを含有する0.4mM トリスHC
lバッファー,pH8.0を含有していた。125I−IL−8を添加することによ
りアッセイを開始した。室温で1時間後、1%ポリエチレンイミン/0.5% B
SAでブロックされたガラス繊維フィルターマット上のTomtec 96ウェルハー
ベスターを用いてプレートを収穫し、25mM NaCl、10mM トリスHC
l、1mM MgSO4、0.5mM EDTA、0.03% CHAPS,pH7.4
で3回洗浄した。次いで、フィルターを乾燥し、Beteplate液体シンチレーショ
ンカウンターでカウントした。組み換え型IL−8受容体αまたはタイプI受容
体を本明細書において非許容性受容体ともいい、組み換え型IL−8受容体βま
たはタイプII受容体を本明細書において許容性受容体ともいう。
サブライブラリー(IIa)から(IIh)までの試験された式(II)の化
合物、ならびに実施例1ないし9および実施例18ないし39により本明細書に
おいて記載された代表的な式(I)の化合物はすべて、IL−8受容体阻害につ
いての非許容性および許容性モデルにおいて約2ないし約71μMのIC50を示
した。しかしながら、RがHであり、Arが未置換フェニルである本明細書記載
の式(Ib)の化合物は上記アッセイにおいて活性が見いだされなかった。
Rがベンジルオキシであり、R1部分が2−クロロ、4,5−メチレンジオキシ
またはベンジルオキシ基であり、Arが3,5−ジクロロフェニルである式(I
)の化合物;あるいはRがベンジルオキシであり、R1が2−クロロ、4,5−メ
チレンジオキシであり、Arが3,5−ジ−トリフルオロフェニルである式(I
)の化合物はこのアッセイにおいて本質的に不活性であることがわかった。
上記説明は、好ましい具体例を含めて本発明を十分に開示する。本明細書に特
に開示した具体例の修飾または改良は下記請求の範囲内である。さらに苦労する
ことなく、上記説明を用いて当業者は本発明を最大限に利用することができると
考えられる。それゆえ、本明細書記載の実施例は単なる説明であり、本発明の範
囲を何ら限定しないものである。排他的権利または特権が請求されている本発明
の具体例を以下に定義する。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
A61K 31/40 ACJ A61K 31/40 ACJ
ADA ADA
ADY ADY
AED AED
C07D 405/06 209 C07D 405/06 209
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,SZ,U
G),AM,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
N,CZ,EE,FI,GE,HU,IS,JP,KE
,KG,KP,KR,KZ,LK,LR,LT,LV,
MD,MG,MN,MX,NO,NZ,PL,PT,R
O,RU,SD,SG,SI,SK,TJ,TM,TT
,UA,US,UZ,VN
(72)発明者 レバー,ジャック・デイル
アメリカ合衆国18901ペンシルベニア州
ドイルズタウン、パインラン・ロード403
番
(72)発明者 トンプソン,スコット・ケビン
アメリカ合衆国19460ペンシルベニア州
フェニックスビル、ギルフォード・サーク
ル75番
(72)発明者 ハルバート,ステイシー・マリー
アメリカ合衆国19438ペンシルベニア州
ハーレーズビル、モンゴメリー・ドライブ
149番