JPH10510436A - ポリアミドを加水分解するアミダーゼ活性を有する酵素および微生物 - Google Patents

ポリアミドを加水分解するアミダーゼ活性を有する酵素および微生物

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Abstract

(57)【要約】 本発明は、6,6ポリアミドを酵素的加水分解してアジピン酸モノマー及びヘキサメチレンジアミンモノマーを得る方法に関する。本発明は更に、特に6,6ポリアミド及び/又は6ポリアミドに由来するオリゴマー型基質に対してアミダーゼ活性を有する酵素に関する。該酵素は、配列番号1に対応するペプチド配列及び/又はその配列に対して相同性を有するポリペプチド少なくとも一つからなることを特徴とする。本発明は更に酵素をコードするDNA;その生物学的前駆体;酵素を産生することのできる微生物;及び、酵素及び/又は微生物を用いて加水分解する方法に関する。

Description

【発明の詳細な説明】 ポリアミドを加水分解するアミダーゼ活性を有する酵素および微生物 技術分野 本発明は概括的にはアミド、特に2次アミドの酵素的加水分解に関する。 より詳しくは、本発明は6,6型ポリアミド基質を酵素的加水分解し、2個の コモノマーA及びBを得る方法に関する。本発明は更に、好ましくは少なくとも 一個のアミド基を含む基質、例えばポリアミド(PA)上で、アミド基を酵素的 加水分解するのに用いることのできる酵素及び/又は微生物に関する。本発明は 更にこれらの酵素を発現する遺伝子ツールに関する。 先行技術 本発明の分野においては、炭素14で標識付けしたポリアミド66をパパイン 、トリプシン及びα−キモトリプシン型の酵素と接触させることをSMITH R.他が 「Journal of Biomedical Materials Research(1987),vol.21,p.991-1003」に開 示している。これら公知のポリペプチドはポリアミド66を僅かに分解するが、 この程度の加水分解では工業規模での利用には不十分である。 更に、KINOSHITA他の文献(Eur.J.Biochem.116,547-551,1981)により、フ ラボバクテリウム(Flabovacterium)KI72株は、6−アミノヘキサン酸の環 状ダイマーを同じ酸の線状ダイマーに加水分解する触媒反応を有する第一の酵素 (E1)及びこの線状ダイマーを2分子の6−アミノヘキサン酸又はアミノカプ ロン酸に変換する第二の酵素(E2)を産生することが知られている。この酵素 反応の経路は以下のように要約される。 線状分子分解アミダーゼE2の活性はダイマーに対して最適であり、重合化の 程度が高まるにつれて活性は減少し、重合化程度(DPn)が7を超えるオリゴ マーでは活性は有為でなくなる。 DPn≧3(PA6)である6−アミノヘキサン酸の環状及び線状オリゴマー に対して活性を有する酵素E3の存在も知られている。E3はNEGORO他により、「J ournal of Bacteriology,Dec.1992,vol.174,no.24,p.7948-7953」に記載されてい る。E3もフラボバクテリウムKI72株に由来する。 「Journal of Bacteriology,June 1989,p.3187-3191,vol.171 no.6」において、T SUCHIYA他はフラボバクテリウムKI72株に由来する酵素E1とシュードモナス (Pseudomonas)NK87株に由来する酵素の1つとの間に高度の相同性がある ことを示 唆している。酵素E1及びその相同体、並びに酵素E2、特に後者は、式 ―CO−[NH―(CH2)5−CO]n−NH― (2≦n≦20) で表わされるオリゴマー又はポリアミド(PA6)に対して活性を有すると言わ れている。 フラボバクテリウム又はシュードモナス由来のこれら酵素の欠点は、オリゴマ ーに対する特異的活性が比較的に低く、トリマーからなる基質から産生されるア ミノカプロン酸の量は、1分間に1mgの蛋白質あたり、せいぜい1.05ミク ロモルに過ぎない。更に、これらの酵素はホモオリゴマーに対して特異的である 。 従って、高い遂行性があり、実現可能であり、特に二次アミドを含む様々なア ミド、特にコオリゴマー及び/又はホモオリゴマー型アミドに適用できるような アミド基の酵素的加水分解方法を従来技術は包含していないことは明らかである 。 本発明の開示 長期にわたる研究に努力を注いだ結果、本発明者らは1個以上のポリペプチド 、特に同遺伝子個体群(biotype)から単離した新規な微生物及び/又は天然の 微生物を用いて得た新規な組換え微生物に由来するポリペプチドからなるアミダ ーゼ型の新規な酵素を単離・解析することに成功した。 従って、本発明は第一に酵素的加水分解方法に関し、第二に酵素に関する。 本発明による(ポリ)アミドの加水分解方法は以下の特徴を有する。 酵素的加水分解は、下記式(I)で表わされる(ポリ)アミドからなる基質につ いて行われ、 (ここで、 A及びBはモノマー単位であり、 R1及びR3は同一又は異なる、好ましくは異なる2価の基であり、置換又は非 置換で線状又は分枝状の(環状)アルキレン、アリレン又はアリルアルキレンで あり、芳香基が重縮合してもよく、アルキレンの炭素数は4以上、好ましくは4 から12であり、 R2は水素及びアルキル基、好ましくは炭素数1から6のアルキル基からなる 群から選ばれる、同一又は異なる、好ましくは同一の基であり、 XはX1又はX2のいずれかであり、 X1はOH、OM又はOR4(ここでMは金属、好ましくはアルカリ金属及び アルカリ土類金属であり、R4は炭素数1から6の線状又は分枝状アルキルであ る)であり、 X2(ここでR2及びR3は上で定義した通りであり、R5及びR6はR2の定義と同様 で、同一又は異なる)であり、 YはY1又はY2のいずれかであり、 Y1は水素であり、 Y2(ここでR1は上で定義した通りであり、Zは水素、上で定義したMと同様のM1 又はR4)であり、 XとYは下記の条件 −a− X=X1のとき、Y=Y1又はY2 −b− X=X2のとき、Y=Y2 を満たし、 pは1から4、好ましくは1から3である); 上記した基質(I)をモノマーAとモノマーBに変換することができる。 本発明は更に、(とりわけ)上で定義した方法に用いることのできる、アミダ ーゼ型酵素群に関する。 本発明の酵素群に属する酵素は以下の特徴を有するアミダーゼである。 (1)下記式によって表わされる(ポリ)アミド型基質に対して特に活性を有す る。 (ここで、 A及びBはモノマー単位であり、 R1及びR3は同一又は異なる、好ましくは異なる2価の基であり、置換又は非 置換で線状又は分枝状の(環状)アルキレン、アリレン又はアリルアルキレンで あり、芳香基が重縮合してもよく、アルキレンの炭素数は4以上、好ましくは4 から12であり、 R2は水素及びアルキル基、好ましくは炭素数1から6のアルキル基からなる 群から選ばれる、同一又は異なる、好ましくは同一の基であり、 XはX1又はX2のいずれかであり、 X1はOH、OM又はOR4(ここでMは金属、好ましくはアルカリ金属及び アルカリ土類金属であり、R4は炭素数1から6の線状又は分枝状アルキルであ る)であり、 X2(ここでR2及びR3は上で定義した通りであり、R5及びR6はR2の定義と同様 で、同一又は異なる)であり、 YはY1又はY2のいずれかであり、 Y1は水素であり、 Y2(ここでR1は上で定義した通りであり、Zは水素、上で定義したMと同様のM1 又はR4)であり、 XとYは下記の条件 −a− X=X1のとき、Y=Y1又はY2 −b− X=X2のとき、Y=Y2 を満たし、 pは1から4、好ましくは1から3である); (2)上記した基質(I)をモノマーAとモノマーBに変換することができる。 本発明による酵素群の中から、配列番号1に示されるペプチド配列、又は配列 番号1に少なくとも80%、好ましくは少なくとも90%、特に好ましくは少な くとも95%の相同性を有する相同ペプチド配列を包含する、アミダーゼ活性を 有する酵素を単離するのが有利である。 本発明の有利な特徴によれば、この酵素は特に下記式(II)に示される(ポ リ)アミド型基質に対してアミダーゼ活性を有する。 ここで、 R2及びR3は上で定義した通りであり、 U及びVはそれぞれ請求項1に示した式(I)中のX1及びY1と同様の定義で あり、 qは1から8である。 本発明は元来、酵素を産生する野生型株、Comamonas acidovorans N12の単 離から得られたものである。 この野生型株の同定は、長期にわたる煩雑なスクリーニングの結果得られた。 この同定は、形態、培養、生化学及び抗原性における特性に基づいて、微生物分 類の公式国際基準を参照に行った。 本発明の有利な点は、この野生型株の単離のみならず、上で定義したアミダー ゼの単離にもある。微生物Comamonas acidovorans N12はこのアミダーゼの唯 一の生物学的前駆体ではない。実際には、同様の酵素活性を有するあらゆる組換 え微生物及び野生型株について考慮する必要がある。 組換え微生物は、本発明の対象となるアミダーゼをコードするDNA配列をゲ ノム内に有する。 他の態様によると、本発明は更に、上記した酵素及び/又は上記した野生型株 微生物及び/又は少なくとも1つの上記した組換え微生物を用いる酵素的加水分 解の方法に関する。 本発明によれは、酵素基質及び/又はその生化学的前駆体(微生物/組換え微 生物)はポリアミドであり、より詳しくは、繰り返し重合基が2次アミド基−C O−NH−であるオリゴマーである。 これらのオリゴマーは式(I)及び/又は(II)で示される繰り返し単位を 有する。繰り返し単位(I)は2つのモノマーA及びBからなる。これらはそれ ぞれジカルボニル単位及びジアミン単位であり、2次アミン基によって結合して いる。 本発明の一つの好ましい態様にあっては、 モノマーAは残基 (ここでrは4から12、好ましくは4である)であり、 モノマーBは残基 ―HN―(CH2)s―NH― (ここでsは4から12、好ましくは6である)である。 それゆえ、基質(I)として好ましいダイマーの例としては、 からなるものである。 これに相当するポリアミドはPA6,6である。 一方、繰り返し単位(II)は好ましくはa−c−bで示されるモノマー単位 からなり、ここでcはアミノ酸型の骨格であり、両端のa及びbはそれぞれカル ボキシル基及びアミノ基である。 a−c−bの典型的な例はポリアミド6(PA6)のモノマーであるε−アミ ノカプロン酸の誘導体である。 下記のものを、本発明に適したポリアミド型のオリゴマーとして挙げることが できる。 炭素数6−12の飽和脂肪族カルボキシル二酸と炭素数6−12の飽和脂肪族 1次ジアミンとの重縮合により得られるポリアミドオリゴマー; 炭素数4−12の炭化水素鎖を含むω−アミノアルカン酸の直接ホモ重縮合に より得られる、又はこれらの酸に由来するラクタムの加水分解開裂及び重合によ り得られるポリアミノ酸; 上記ポリアミドの出発モノマーから得たコポリアミドオリゴマー(これらのコ ポリアミドの酸部分が、部分的にテレフタル酸及び/又はイソフタル酸などの芳 香酸であってもよい);及び これらのポリアミドオリゴマーの混合物。 二酸とジアミンの重縮合によって得られるポリアミドの例として、下記のもの を挙げることができる。 ポリアミド4,6(テトラメチレンジアミンとアジピン酸の重合体)、 ポリアミド6,6(ヘキサメチレンジアミンとアジピン酸の重合体)(PA6.6)、 ポリアミド6,9(ヘキサメチレンジアミンとアゼライン酸の重合体)、 ポリアミド6,10(ヘキサメチレンジアミンとセバシン酸の重合体)、及び ポリアミド6,12(ヘキサメチレンジアミンとドデカン二酸の重合体)。 適当なポリアミノ酸として、下記のものを挙げることができる。 ポリアミド4(4−アミノブタン酸とγ−ブチロラクタムの重合体)、 ポリアミド5(5−アミノペンタン酸とδ−アミロラクタムの重合体)、 ポリアミド6(ε−カプロラクタムの重合体)、 ポリアミド7(7−アミノヘプタン酸の重合体)、 ポリアミド8(カプリルラクタムの重合体)、 ポリアミド9(9−アミノノナン酸の重合体)、 ポリアミド10(10−アミノデカン酸の重合体)、 ポリアミド11(11−アミノアンデカン酸の重合体)、及び ポリアミド12(12−アミノドデカン酸とラウロラクタムの重合体)。 コポリアミドとして、以下のものを挙げることができる。 ポリアミド6,6/6,10(ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸及びセバシ ン酸の共重合体)、及び ポリアミド6,6/6(ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸及びカプロラクタ ムの共重 合体)。 制限を付けずに言うと、本発明で好ましい基質は、二酸AとジアミンBの重縮 合によって得られるポリアミドオリゴマー、特にPA6.6のオリゴマーである 。 本発明における基質(I)及び(II)中にそれぞれ含まれるモノマーA・B 、a−b−cの数は、有利には2から8、好ましくは2から6である。 オリゴマー又はポリマー分子中のモノマーA・Bの個数を、本開示においてD Pnと称する。 特徴的な基質(I)の例としてはAB,ABA及びABABなどの水溶性オリ ゴマーが挙げられる。 オリゴマー又はポリマー分子中のモノマーA・Bの個数を、本開示においてD Pnと称する。 これらの特殊な基質は基質(I)及び(II)に含まれ、カルボキシル末端基 を少なくとも1個有するため本発明の酵素及び/又はその生物学的前駆体によっ て加水分解される。 酵素的基質がモノマーA・Bを含むオリゴマーである場合、加水分解の最終産 物はモノマーA・Bとなりうる。 基質がオリゴマー(II)(モノマーa−c−b)である場合、加水分解の最 終産物はモノマーa−c−bとなりうる。 本発明の酵素は、上記した基質のいくつかに対する活性及び/又は親和性によ っても特徴付けられる。 従って、第一の有利な特徴によれば、対象となるアミダーゼは: 第一に、テトラマーA・Bにより形成される基質(I)(DPn=4,すなわ ちp=2、X=X1及びY=Y1)に対して活性を有し、 第二に、特異的な酵素活性(UE)の値が1,000以上でこの基質をDPn =3のオリゴマー及びモノマーAに変換することができる[酵素活性は蛋白質1 mgにつき1時間に加水分解された基質の量、すなわちABABxh-1xmg-1 (単位:μmol)で表わされ、所与の条件下で測定する]。 第二の有利な特徴によれば、このアミダーゼは、トリマーABAにより構成さ れる基質(I)に対して活性を有し、特異的な酵素活性の値(加水分解された基 質xh-1xmg-1)が1,000μmol以上で、このトリマーをモノマーA及 びダイマーABに変換することができる。 第三の有利な特徴によれば、このアミダーゼは、ダイマーABにより構成され る基質(I)に対して活性を有し、特異的な酵素活性の値(加水分解された基質 xh-1xmg-1)が1,500μmol以上で、このダイマーをモノマーA及び Bに変換することができる。 精製したアミダーゼの酵素活性の測定はリン酸緩衝液、pH6−8及び30℃ の条件で行われる。 本発明のアミダーゼ酵素は上記三つの特徴のうち少なくとも一つの特徴を有す る。 上で示したように、加水分解における本発明の酵素の使用は、酵素のみ又は酵 素それ自体と酵素を産生する生物学的前駆体(野生型又は組換え微生物)との混 合物を用いることからなる。 酵素の産生については、本発明の酵素が、Comoamonas acidoborans(N12)、 好ましくはCollection Nationale de Cultures de Microorganismes−Institut Pasterur PARISに、No.I1522として1995年1月4日に寄託された株 と同じタイプのもの及び/又は上記した組換え微生物により産生される、という ことにも注目すべきである。 本発明は更に、上で定義したアミダーゼ酵素を産生することのできる新規な微 生物に関する。従って、少なくとも1個のアミド基、特にオリゴマーを包含する ポリアミド化合物のアミド基を加水分解する能力がこれらの微生物の特殊な特徴 である。より詳しくは、これら微生物は上で定義した基質(I)及び(II)に 対して特異な選択性及び加水分解活性を有する。基質(I)の場合、オリゴマー は例えばとりわけABAB及び/又はABA及び/又はABのような上記した水 溶性オリゴマーである。 より詳しくは、これらの微生物は好ましくは上記したComoamonas acidovorans からなり、より好ましくは上記したCollection Nationale de Cultures de Micr oorganismes−Institut Pasterur PARISに、No.I1522として1995年 1月4日に寄託されたもの、又は上記したように、その組換え微生物である。 本発明による微生物は、ポリアミドオリゴマー、より詳しくはダイマーAB( 2個のモノマーA及びBに変換される)により構成される基質を少なくとも一つ 加水分解することができる。 上記したアミダーゼの生物学的前駆体に加え、本発明は更に、組換え又は非組 換え微生物を用いて合成できる遺伝物質に関する。従って、本発明は、以下の配 列から選ばれることを特徴とする、アミダーゼ活性を有する酵素をコードするD NAに関する。 配列リストの配列番号2により表わされ、アミダーゼ活性を有する酵素を少な くとも一つコードするDNA配列、 遺伝子コードの変性に由来する、この配列の類似体、 上記の配列又はその断片の少なくとも一つとハイブリダイズし、アミダーゼ活 性を有する酵素をコードするDNA配列。 上記のDNA配列の発現により得られる酵素も本発明の範囲に含まれる。 野生型微生物(例えばI1522)及び本出願者により単離された組換え微生 物はそれぞれ上記した配列番号2のDNA配列を包含する発現カセットを少なく とも1個含有するが、さらに、上流に少なくとも1個のプロモーター及び少なく とも1個のリボソーム結合部位を有していてもよい。 本発明は更に、上で定義した基質(I)及び/又は(II)で少なくとも一部 分が構成される基質を加水分解する方法に関し、上述した酵素のうち少なくとも 1個及び/又は微 生物のうち少なくとも1個からなることを特徴とする。 本発明によると、相補的なスペクトルを有する複数の酵素を準備するのが有利 である。従って、上記した方法の改変の一つとしては、少なくとも一つの他型の 酵素及び/又は少なくとも一つの野生型酵素及び/又は組換え生物学的前駆体を 用いるものが挙げられる。この改変の基質は、少なくともDPnが40未満、好 ましくは20、より好ましくは12であり、二酸モノマー(A)及びジアミンモ ノマー(B)の重縮合から少なくとも得たポリアミドに由来するオリゴマーの部 分からなる。 この改変による加水分解の方法は、以下のことを特徴とする。 まず、重合度(DPn)が3以下のオリゴマーを産生し、好ましくはモノマー A及びBを産生する。 次に、下記のものを用いる。 上で定義した少なくとも一つの酵素及び/又は少なくとも一つの微生物; 少なくとも一つの他型の酵素及び/又は少なくとも一つの野生型及び/又は組 換え生物学的前駆体。ここで、酵素は、 フラボバクテリウムKI72株のnyl−c遺伝子の制御下で産生した酵素 E3、 及び/又は配列番号3のペプチド配列により定義される、PAM Iと呼ば れる酵素(このような酵素はとりわけ、Collection Nationale de Cultures de M icroorganismes−Institut Pasterur PARISに、No.I1495として199 4年11月29日に寄託された微生物によって産生することができる)。 上記の酵素によって加水分解されたオリゴマーはアミド型基の加熱及び/又は 化学(酸)分解によって得ることができる。 本発明の方法の他に有利な改変では、酵素の生物学的前駆体及び例えば下記の 材料を包含する培養基を用いる。 好ましくは、アミド基を少なくとも1個含有する化合物を少なくとも1個包含す る炭素源であって、炭水化物、特に好ましくはスクロースから選ばれる補体を更 に包含してもよい炭素源;さらに、 生物学的前駆体を消費すること無く酵素産生を促進することのできる化合物であ って、好ましくはアミドから選ばれる化合物を加えてもよい。 本発明によるアミドの酵素的加水分解方法には、多くの適用が考えられる。例 えば、アミド化合物から他の化合物を製造する有機合成において用いることや、 ポリアミドを含有する材料を処理する有機合成において用いることが挙げられる 。 特に、ポリアミド重合体の出発原料の再生工程に有用である。 以下に実施例を挙げて本発明の特徴、改変や長所を例証するが、本発明の範囲 を制限するものではない。 図の説明 配列リストはWIPO規格ST23に拠る。 配列番号1は本発明の酵素PAM IIに対応するアミノ酸配列である。 配列番号2はアミダーゼPAM IIをコードするDNA(pamII)である 。 配列番号3はPAM Iに対応するアミノ酸配列である。 配列番号4は酵素PAM IをコードするDNAである。 図1は、アミダーゼPAM Iをコードする遺伝子(pamI)を含有するプラ スミドpXL2297の制限酵素地図である。 図2は、アミダーゼPAM Iをコードする遺伝子(pamI)を含有するプラ スミドpXL2564の制限酵素地図である。 実施例 実施例1:Comoamonas acidovorans N12野生型株の単離及び同定 1.1 微生物学的スクリーニング 大量の微生物学的スクリーニングを行い、様々な同遺伝子個体群からComoamon as acidovorans N12を集めた。 1.2 微生物の選択及び同定 この微生物を、PA6.6の合成オリゴマーについてのアミダーゼ活性テスト を用いて選択した。活性の評価の詳細を下に記す。 選択した微生物を、形態、生理、生化学及び抗原性の特徴に基づいて、Bacter iology Laboratory of the INSTITUT PASTEURの公知の方法を用いて同定した。 これらの結果並びにオリゴマーAB、ABA、BAB及びABABの混合物に 対する加水分解活性に基づいて、選択した天然株について更なる特徴付けを行っ た。 実施例2:Comoamonas acidovorans N12の詳細にわたる特徴づけ 2.1 培養条件の最適化 下記成分の最適培養基M9YE3を用意した。 KH2PO4 0.75g/l K2HPO4・3H2O 1.00g/l Na2HPO4・12H2O 1.00g/l (NH4)2SO4 2.50g/l 酵母エキス 3.00g/l MgSO4・7H2O 1.00g/l FeSO4・7H2O 2.30g/l MnSO4・7H2O 2.70g/l CoCl2・2H2O 2.30g/l CaCl2・2H2O 1.50g/l CuSO4・5H2O 0.25g/l PH 7.2 更に、アジビン酸塩10g/lを追加した。 培養を、エルレンマイアーフラスコ内にフラスコ全容量の5分の1の量だけ用 意した。培養基を30℃でインキュベートし、150rpmで攪拌した。 M9YE3寒天培養基及びアミド基(例えばPA6.6のペンタマーからデカ マーのオリゴマー等)を含有する化合物5g/lを含有するペトリ皿に由来する コロニーを、10mlのLB培養基(トリプトン:10g/l、酵母エキス:5 g/l、NaCl:10g/l)に植え、準備培養とした。 この培養を最適培養基に1%(v/v)で植えた。培養が成熟したら、遠心分 離(12,000gで10分間)して細胞片を得て、105℃で一晩乾燥し、得 られた乾燥抽出を用いて細胞産生量を決定した。 加水分解の効率を最大にするため、アミド基を少なくとも1個含有する化合物 を培養基に加えた。 本発明の他に好ましい特徴によれば、炭素源が、炭水化物、特にスクロースか ら選ばれる補体を、可溶性の成分と共に含有しているのが好ましい。 加水分解の効率を最大にするため、アミド基を少なくとも1個含有する化合物 を培養基に加えた。 2.2 酵素的加水分解−野生型微生物の活性の測定 pH7.5、最終体積1mlのリン酸緩衝液10.5mmol/l中、28℃ で活性を測定した。 得られた結果を表1に示す。 実施例3:Comoamonas acidovorans N12のポリアミド加水分解酵素の精製 標準プロトコル: 酵素(PAM II)の活性を、ABABからBAB+Aへの加水分解活性を 調べることによってモニターした。 3.1 用語 DTE = 1,4−ジチオエリトリトール EDTA酸 = エチレンジアミン四酢酸 CHAPS = 3−[(3−コラミドプロピル)ジメチルアンモニオ]プロパ ン−1−スルホン酸 SDS = ドデシル硫酸ナトリウム 3.2 酵素的抽出物の調製 出発原料は、実施例2で述べたM9YE3を500ml含み、更にアジピン酸 塩10g /lを迫加した2.5Lフラスコ内で20時間培養したものに由来する細胞から なる。 超音波処理による第一の抽出 25gのComoamonas acidovorans細胞を、1mM DTE、5mM EDTA 、100mM KCl及び15%v/vのグリセロルを含有する、pH7.5の 100mMトリス−塩酸緩衝液75ml中に再懸濁した。 懸濁液について、氷水中で不連続超音波処理(10%処理、90%非処理)を7 0分間行った。 この懸濁液を50,000gで1時間30分間遠心分離した(ベックマン超遠 心分離器使用)。 これにより以下のものが得られた。 まず、21mg/mlの蛋白質、すなわち6μmol/h/mg(計11,34 0ユニット)の特異的活性を有する1,890mgの蛋白質を含有する上澄み( S1)90ml;及び 2mM DTE、8mM CHAPS及び15%v/vのグリセロルを含有す る、pH8の25mMトリス−塩酸緩衝液30ml中に再懸濁した残さ(C1)。 ポリアミダーゼII活性を有するこの残さを更に処理した。ここで、グリセロ ルを含まないが他は同じ成分の緩衝液を用いた上澄み90mlから塩を除去し、 超遠心分離を行った後に、明らかに第一の遠心沈殿に可溶性であるポリアミダー ゼIIを精製し、新たに微粒残さに再凝縮することができる、ということを指摘 しておく。実際に、緩衝液の濃度を(グリセロルを除去することによって)減少 させると、微粒子の沈降が促進される。これは、勾配に渡って活性が見られるた め、例えばMonoQカラムを用いたクロマトグラフィーでは第一の上澄みは単 離できないという事実に一致する。 第一の遠心分離で得た残さの補助処理 再懸濁した残さ(C1)を4,000gで30分間遠心分離し、第一の超音波 処理で溶解しなかった細胞を沈降させた。 上澄み(S2)を回収し、氷水中で不連続超音波処理(10%処理、90%非 処理)を20分間行った。これを50,000gで2時間遠心分離し、上澄み( S3)を回収した。 クロマトグラフィーによる精製 第1段階:上澄みS3を3つの画分に分け、2mM DTE、8mM CHA PS及び15%v/vのグリセロルを含有する、pH8の25mMトリス−塩酸 緩衝液で平衡させたMonoQ HR10/10カラム(ファルマシア)を用い てクロマトグラフィーにかけた。0から0.6M NaClの線形勾配で、3m l/分の速度で、60分に渡り溶出を行った。ポリアミダーゼII活性を、0. 2M NaClでかなり広いピークとして溶出した。活性のある画分を回収し、 Centriprep10(Amicon)で5mlに濃縮した。 第2段階:得られた5mlの濃縮物に、1mM DTE、8mM CHAPS 、1.5 M硫酸アンモニウム及び15%v/vのグリセロルを含有する、pH8の25m Mトリス−塩酸緩衝液5mlを加えた。得られた10mlの混合物を2つの画分 に分け、2mM DTE、8mM CHAPS、1M硫酸アンモニウム及び15 %v/vのグリセロルを含有する、pH8の25mMトリス−塩酸緩衝液で平衡 させたPhenylsuperose HR10/10カラム(ファルマシア) を用いてクロマトグラフィーにかけた。1から0M硫酸アンモニウムの線形勾配 で、1.25ml/分の速度で、70分に渡り溶出を行った。ポリアミダーゼ活 性を、約0.8M硫酸アンモニウムで溶出した。活性のある画分を回収し、Ce ntriprep10(Amicon)で400μlに濃縮した。 第3段階:得られた400μlの濃縮物を2つの画分に分け、2mM DTE 、8mM CHAPS、150mM NaCl及び15%v/vのグリセロルを 含有する、pH7.5の100mMトリス−塩酸緩衝液で平衡させたTSK G 3000SWカラム(Supelco)を用いてクロマトグラフィーにかけ、0 .5ml/分の速度で溶出を行った。溶出物中、分子量約30kDaまで活性が 見られた。最も活性のある画分を5ml回収し、2mM DTE、8mM CH APS及び15%v/vのグリセロルを含有する、pH8の25mMトリス−塩 酸緩衝液で平衡させたPD10セファデックスG25カラム(ファルマシア)( カラム1個あたり2.5ml)を用いて塩を除去した。 第4段階:PD10で塩を除去して得られたもの7mlについて、2mM D TE、8mM CHAPS及び15%v/vのグリセロルを含有する、pH8の 25mMトリス−塩酸緩衝液で平衡させたMonoQ HR5/5カラム(ファ ルマシア)を用いてクロマトグラフィーにかけた。0から0.6M NaClの 線形勾配で、1ml/分の速度で、30分に渡り溶出を行った。ポリアミダーゼ 活性を、0.15M NaClでかなり広いピークとして溶出した。活性のある 画分を回収し、0.05%SDSを加えた後、Centriprep10及びC entricon10(Amicon)で200μlに濃縮した。 第5段階:得られた200μlの濃縮物を、40mM硫酸ナトリウム、20m Mリン酸ナトリウム緩衝液(pH6.8、0.25%w/vSDS含有)で平衡 させたTSK G3000SWカラムを用いてクロマトグラフィーにかけ、0. 25ml/分の速度で溶出を行った。電気泳動でモニターしたところ、ポリアミ ダーゼは狭いピークとして現れた。この物質を配列決定に用いた。 電気泳動による分子量の測定 ポリアミダーゼII試料の調製方法に応じて、ポリアクリルアミドゲル電気泳 動により測定される分子量は異なってくる。 2.5%SDS及び5%メルカプトエタノールの存在下では、バンドは36− 40kDaに現れるが、90℃で5分間加熱された場合、同じ試料は分子量約1 50kDa付近へしか移動しない。精製プロトコルに応じたこのような現象は、 膜に関連した蛋白質においてよく見られる。 配列決定 60gの細胞を用い、Phenylsuperoseの段階を第二のMono Q HR10/10の段階に置き換えたことを除いては、標準プロトコルに従っ て、約60μgのポリアミダーゼを調製した。このポリアミダーゼを、0.25 %w/vSDSの存在下、5μgの酵素LysCで直接に消化した。得られた断 片をVydacC18カラムで精製した。 公知のヌクレオチド配列決定法を用いて、配列番号1の配列を得た。 実施例4:2次アミド結合によって連結したモノマーA及びBから構成されるオ リゴマーの、本発明の酵素とPAM I加水分解酵素との混合物による酵素的加 水分解 本実施例では純粋な酵素を用いる代わりに、生物学的前駆体、すなわち本発明 によるComoamonas acidovorans N12及び以下のプロトコルにより作成した、pa mI遺伝子(配列番号4)を有し酵素PAM I(配列番号3)を産生する株を 用いた。 上記のものを作成した目的は、ファージλcll遺伝子のリボソーム結合部位 で始まりE.coliトリプトファンオペロンプロモーターから発現する、pamI遺 伝子(酵素PAMIをコードする)を得ることである。そのために、1994年 11月29日にCNCMに寄託された株I1495に収容されたプラスミドpX L2297(図1参照)を鋳型としたPCR法により、pamI開始コドンにN del制限酵素部位を作成した。Ndel部位の上流に、一対のヌクレオチドプ ライマー(5‘−AGCAAGCTTGGAGGCCATATGAATACGA C−3')(5‘−CACCGGTGGGCCCCTC−3')を用いてHind III部位を導入しながら、pamI遺伝子の5'末端を含む208bpのNd el−Apal断片をPCRにより増幅した。増幅したHindIII−Apa l断片を、HindIII及びApalで消化したpUC29[Benes他( 1993)、Gene130:151−152]内に挿入・クローニングし、A pal部位にpXL2297の867bpのApal断片を挿入してpamI遺 伝子を再構築した。従って、Ncol部位はpamI停止コドンの約30ヌクレ オチド下流に位置する。このプラスミドの、隣接する500bpのNdel−E coRI断片及び600bpのEcoRI−Ncol断片を、トリプトファンプ ロモーターのすぐ下流に位置するNdel部位で消化したpXL2158(特許 FR92−09882)に挿入した。 得られたプラスミドpXL2564(図2参照)はアンピシリン耐性を与える 遺伝子及びPtrp−RBScll発現カセットの制御下にあるpamI遺伝子を 含有するpBR322[Sucliffe(1978)、Nucleic Aci d Res.5:2721]の誘導体である。 プラスミドpXL2564を、アンピシリンLBで選択したE.coliTG1株に 導入した。特許FR2694571に記載の手順に従って、pXL2564を含 むクローン(PAMI株と称する)を寒天皿に二度移植し、100μg/mlの アンピシリンを含むM9グルコース培養基に37℃で培養した。 Comoamonas acidovorans N12を、上記項2.1で記したのと同じ条件で19時 間培養した。 アジピン酸(モノマーA)及びヘキサメチレンジアミン(HMD)(モノマー B)から成り、平均DPnが4であるオリゴマーを用いた。 平均DPnが8であるオリゴマー25.25gを300mlの水に再懸濁した 。細胞(計3.1g)を含む200mlの水を加えた。混合物を窒素流下で18 時間攪拌した。 溶液を遠心分離にかけ、400mlの上澄みを得た。上澄みの乾燥重量は14 g/lであった。画分をとり、アジピン酸とHMDのオリゴマーについて分析し た。 分析の結果を表2に示す。 アジピン酸のモル産出量は66%、HMDのモル産出量は58%であった。 モノマーとDPn4未満のオリゴマーのモル産出量は、モノマーのモル量で7 2%であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI (C12N 9/80 C12R 1:15) (C12N 1/21 C12R 1:01) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FI,FR,GB,GR,IE,IT,L U,MC,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF ,CG,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE, SN,TD,TG),AP(KE,LS,MW,SD,S Z,UG),UA(AM,AZ,BY,KG,KZ,MD ,RU,TJ,TM),AL,AM,AT,AU,AZ ,BB,BG,BR,BY,CA,CH,CN,CU, CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB,GE,H U,IL,IS,JP,KE,KG,KP,KR,KZ ,LK,LR,LS,LT,LU,LV,MD,MG, MK,MN,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,R O,RU,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM ,TR,TT,UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 ファーブルビュル,オリビエ フランス国 エフ69007 リヨン,リュ デュ ペール シュブリエ,22 (72)発明者 ジュールダ,カトリーヌ フランス国 エフ69003 リヨン,リュ エティエンヌ リシュラン,55 (72)発明者 ペートル,ドミニク フランス国 エフ69006 リヨン,リュ デュケーヌ,43 (72)発明者 ピエラール,ジェローム フランス国 エフ69009 リヨン,リュ エクトル ベルリオーズ,3 (72)発明者 ティボー,ドニ フランス国 エフ75013 パリ,リュ ジ ャン コリ,28 (72)発明者 ギトン,カロル フランス国 エフ69009 リヨン,シュマ ン デュ プティ モンテスュイ,23

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.酵素的加水分解を、下記式(I)で表わされる(ポリ)アミドからなる基質 について行い、 (ここで、 A及びBはモノマー単位であり、 R1及びR3は同一又は異なる、好ましくは異なる2価の基であり、置換又は非 置換で線状又は分枝状の(環状)アルキレン、アリレン又はアリルアルキレンで あり、芳香基が重縮合してもよく、アルキレンの炭素数は4以上、好ましくは4 から12であり、 R2は水素及びアルキル基、好ましくは炭素数1から6のアルキル基からなる 群から選ばれる、同一又は異なる、好ましくは同一の基であり、 XはX1又はX2のいずれかであり、 X1はOH、OM又はOR4(ここでMは金属、好ましくはアルカリ金属及び アルカリ土類金属であり、R4は炭素数1から6の線状又は分枝状アルキルであ る)であり、 X2(ここでR2及びR3は上で定義した通りであり、R5及びR6はR2の定義と同様 で、同一又は異なる)であり、 YはY1又はY2のいずれかであり、 Y1は水素であり、 Y2(ここでR1は上で定義した通りであり、Zは水素、上で定義したMと同様のM1 又はR4)であり、 XとYは下記の条件 −a− X=X1のとき、Y=Y1又はY2 −b− X=X2のとき、Y=Y2 を満たし、 pは1から4、好ましくは1から3である); モノマーAとモノマーBを得る(ポリ)アミドの加水分解方法。 2.下記式(I)で表わされる(ポリ)アミド型の基質に対して特に活性を有し 、 (ここで、 A及びBはモノマー単位であり、 R1及びR3は同一又は異なる、好ましくは異なる2価の基であり、置換又は非 置換で線状又は分枝状の(環状)アルキレン、アリレン又はアリルアルキレンで あり、芳香基が重縮合してもよく、アルキレンの炭素数は4以上、好ましくは4 から12であり、 R2は水素及びアルキル基、好ましくは炭素数1から6のアルキル基からなる 群から選ばれる、同一又は異なる、好ましくは同一の基であり、 XはX1又はX2のいずれかであり、 X1はOH、OM又はOR4(ここでMは金属、好ましくはアルカリ金属及び アルカリ土類金属であり、R4は炭素数1から6の線状又は分枝状アルキルであ る)であり、 X2(ここでR2及びR3は上で定義した通りであり、R5及びR6はR2の定義と同様 で、同一又は異なる)であり、 YはY1又はY2のいずれかであり、 Y1は水素であり、 Y2(ここでR1は上で定義した通りであり、Zは水素、上で定義したMと同様のM1 又はR4)であり、 XとYは下記の条件 −a− X=X1のとき、Y=Y1又はY2 −b− X=X2のとき、Y=Y2 を満たし、 pは1から4、好ましくは1から3である); 該基質(I)をモノマーAとモノマーBに変換することができる特徴を有するア ミダーゼ活性を有する酵素。 3. 配列番号1に示されるペプチド配列、又は配列番号1に少なくとも80% 、好ましくは少なくとも90%、特に好ましくは少なくとも95%の相同性を有 する相同ペプチド配列を包含することを特徴とする、請求項2に記載のアミダー ゼ活性を有する酵素。 4. 式(II)に示される(ポリ)アミド型基質に対してアミダーゼ活性を有 する請求項2又は3に記載の酵素。 (ここで、 R2及びR3は上で定義した通りであり、 U及びVはそれぞれ請求項1に示した式(I)中のX1及びY1と同様の定義で あり、 qは1から8である。) 5. 少なくとも1個のカルボキシル末端基を含む基質(I)及び(II)を加 水分解できることを特徴とする、請求項2から4のいずれかに記載の酵素。 6. ABAB型のテトラマーで構成される基質(I)に対して活性を有し; 特異的な酵素活性(UE)の値が1,000以上でこの基質をトリマーABA及 びモノマーAに変換することができる[酵素活性は蛋白質1mgにつき1時間に 加水分解された基質の量、すなわちABABxh-1xmg-1(単位:μmol) で表わされ、所与の条件下で測定する]ことを特徴とする、請求項2から5のい ずれかに記載の酵素。 7. ABA型のトリマーで構成される基質(I)に対して活性を有し; 特異的な酵素活性(UE)の値が1,000以上でこのトリマーをダイマーAB 及びモノマーAに変換することができる[酵素活性は蛋白質1mgにつき1時間 に加水分解された基質の量、すなわちABAxh-1xmg-1(単位:μmol) で表わされ、所与の条件下で測定する]ことを特徴とする、請求項2から6のい ずれかに記載の酵素。 8. AB型のダイマーで構成される基質(I)に対して活性を有し; 特異的な酵素活性(UE)の値が1,500以上でこの基質をモノマーA及びB に変換することができる[酵素活性は蛋白質1mgにつき1時間に加水分解され た基質の量、すなわちABxh-1xmg-1(単位:μmol)で表わされ、所与 の条件下で測定する]ことを特徴とする、請求項2から7のいずれかに記載の酵 素。 9. 微生物Comoamonas acidovorans、より好ましくはCollection Nationale de Cultures de Microorganismes−Institut Pasterur PARISに、No.I1522 として1995年1月4日に寄託されたものと同型の株、及び/又はその組換え 微生物から産生されることを特徴とする、請求項2から8のいずれかに記載の酵 素。 10. 請求項2から9のいずれかに記載の酵素を産生可能であることを特徴と する微生物。 11. Comoamonas acidovorans、より好ましくは上記したCollection Nationa le de Cultures de Microorganismes−Institut Pasterur PARISに、No.I1 522として1995年1月4日に寄託されたもの、又はその組換え微生物であ ることを特徴とする、請求項10に記載の微生物。 12. 配列リストの配列番号2により表わされ、アミダーゼ活性を有する酵素 を少なくとも一つコードするDNA配列;及び 遺伝子コードの変性に由来する、この配列の類似体、 から選ばれることを特徴とする、アミダーゼ活性を有する酵素をコードするDN A配列。 13. 請求項12に記載のDNAが発現して得られる酵素。 14. 請求項12に記載のDNA配列を包含する発現カセットを少なくとも1 個含有し、さらに、上流に少なくとも1個のプロモーター及び少なくとも1個の リボソーム結合部位を有していてもよいことを特徴とする微生物。 15. 請求項2から9及び13のいずれかに記載の酵素の少なくとも一つ及び /又は請求項10、11及び14のいずれかに記載の微生物の少なくとも一つを 用いることを特徴とする、請求項1、2及び請求項3でそれぞれ定義した基質( I)及び/又は(II)で少なくとも一部分が形成される基質の加水分解方法。 16. DPnが40未満、好ましくは20、より好ましくは12であり、請求 項1及び2で定義した二酸モノマー(A)及びジアミンモノマー(B)の重縮合 から少なくとも得たポリアミドに由来するオリゴマーの部分から少なくともなる 基質を加水分解する方法であって、 重合度(DPn)が3以下のオリゴマーを産生し、好ましくはモノマーA及び Bを産生し; 請求項2から9及び13のいずれかに記載の酵素の少なくとも一つ及び/又は 請求項10、11及び14のいずれかに記載の微生物の少なくとも一つと、 少なくとも一つの他型の酵素及び/又は少なくとも一つの野生型及び/又は組換 え生物学的前駆体を使用し、 該酵素は、フラボバクテリウムKI72株のnyl−c遺伝子の制御下で産生し た酵素E3、 及び/又は配列番号3のペプチド配列により定義される、PAM Iと呼ば れる酵素(このような酵素はとりわけ、Collection Nationale de Cultures de Microorganismes−Institut Pasterur PARISに、No.I1495として199 4年11月29日に寄託された微生物によって産生することができる)である; ことを特徴とする加水分解方法。
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