JPH10509660A - 非円形の孔を形成するための精密穿孔機 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 ドリルスピンドル（２）に備えたドリルバイト（３）と、加工すべきワーク（５）のためのホルダ（６）とを有する、非円形の孔を形成するための精密穿孔機は、高い回転数での経済的な使用のために形成されなければならない。この目的のために、ワーク（５）のためのホルダ（６）がドリルバイト（３）のその都度の回転数により規定される振動数で、少なくとも１方向で並進的に、形成すべき孔形状により規定される変位軌道上で振動する。

Description

【発明の詳細な説明】 非円形の孔を形成するための精密穿孔機 本発明は請求項１の上位概念に基づく非円形の孔を形成するための精密穿孔機 に関する。 この種の精密穿孔機は例えばドイツ連邦共和国特許第３８１８８２７号明細書 、ヨーロッパ特許第０４３０９８４号明細書及びドイツ連邦共和国特許第４３１ ２９３７号明細書から公知である。 この装置では、バイトを備えたドリルスピンドルもしくはドリルバイトだけが それぞれ、穿孔中に、穿孔すべき孔形状に相応して周期的に変位させられる。こ の装置によれば、実際に任意の形の孔を得ることができる。任意の形状は、ドリ ルスピンドルの技術的に可能な運動力学もしくはドリルバイトの支承部によって のみ制限される。 ドリルスピンドルもしくはドリルヘッド全体が調整されるような装置では、運 動させようとする質量が比較的大きいために、比較的わずかな回転数しか得られ ない。 ドリルバイトの支承部がドリルヘッドの内部でのみ変位させられるような装置 は比較的大きな回転数で作動することができる。しかし、このような場合には、 ドリルバイトの支承部が比較的わすかな強度しか有し ておらず、このことにより、作業の品位が損なわれる。 このような状況から出発して本発明は、高い作業品位と経済的な使用のために 必要な高い回転数とで、従来に比して改善されかつコスト的に有利な非円形の孔 を製作することを課題とする。 この課題は請求項１の特徴概念に記載した構成により解決される。 この解決手段によれば、従来技術と異なり、孔の非円形の形成のために、ドリ ルバイトもしくはその支承部又はスピンドルではなくワークが周期的に変位させ られる。このことにより、周期的な変位を回転運動と重複させる必要がなく、周 期的な変位がむしろこの部分のために単一の運動形態であることにより、簡単化 される。 本発明に基づく装置は特に楕円形を有する孔の形成にために適している。この 場合、ワークは要するにドリルバイトの１回転につき１運動周期を実施すればよ い。このことについては後で線図に基づいて詳細に説明する。これに対して、ド リルバイトが変位する場合には、このドリルバイトが１回転運動中に２つの周期 、換言すれば二倍の数の周期を実施しなければならず、このことにより作業回転 数は運動力学における限界を考慮して経済的に不利に低い範囲に保持される必要 がある。楕円の長軸が通る周領域まで実際に任意の楕 円形状・非円形状が得られるような楕円の基本形を有する孔を形成するためには 、工具はたんに１方向でのみ並進的に振動させられればよい。 請求項２によれば、ワークの変位はドリルバイトのその都度の実際位置に基づ いて制御される。その場合、各実際位置には例えば電子的なメモリ内で所定の変 位値が対応しており、この所定の変位値はワークの変位装置にそれぞれ調整パラ メータとして与えられる。さらに、効果的には、ワークのその都度の現実の実際 位置も位置調整回路により一緒に考慮される。 孔に長手方向で付加的に円錐状の延びを付与する場合には、ドリルスピンドル を変位可能に支承することができる。この種の変位を生じるための適当な装置自 体は公知である。 本発明の良好な理解のための原理図が図面に示されている。 ここに、 第１図は本発明に基づく装置の略示斜視図を示し、かつ、 第２図はドリルバイトと、これにより加工されるワークとの運動経過の原理図 を示す。 精密穿孔機１では、スピンドル２に固定的に結合されたドリルバイト３がワー ク５としてのピストンの孔４の円環状の加工軌道上で回転する。 ワーク５はホルダ６内に固定的に緊定されている。 スピンドル２はセンタ７内で対向支承されている。これにより、スピンドルの 高い強度が得られる。 ホルダ６は二重矢印Ａで示す方向で振動可能に定置の受容部８内に支承されて いる。 ホルダ６の振動運動は次のように制御される。 電子的なメモリ９内には、ホルダの振動運動のための相応の変位値がドリルバ イトの各実際位置に対応するように、形成すべき孔形状が記憶されている。この ことにより、基本的には、回転するドリルバイト３のその都度の実際位置だけが 、スピンドル２と同期的に回転する発生器１０により検出されて、メモリ９に伝 えられる。次いでこのことにより、振動するホルダ６の変位のためのパラメータ が導出され、このパラメータがこのホルダのアクチュエータに伝えられる。 上述の装置では、ほぼ楕円形の基本形、換言すればホルダ６の運動方向Ａに対 して横方向に位置する周辺領域がスピンドル２の中央軸線に対するその半径方向 の間隔に関して変化しないような形状を有する孔形状しか製作することができな い。この制約は、ホルダが付加的にさらに二重矢印Ａで示された方向に対して直 角方向に振動することにより排除されることができる。 効果的には、ホルダ６はドリルバイト３の測定された実際位置とこの実際位置 にメモリ９内で対応する変位位置の値とに基づいて制御されるのみでなく、位置 調整回路を介して調整される。この位置調整回路調整は、ホルダ６のその都度の 実際位置がやはり電子的メモリ９に応答されかつこのメモリ９においてドリルバ イト３のその都度の実際位置に対応するホルダ６の目標位置と比較されることに より得られる。電子的に予め与えられた孔形状に対して決定されたこの変位は、 次いでホルダ６のための操作信号に処理される。 第２図には、ドリルバイト３とワーク５との運動経過が明瞭に図示されている 。第２図の上方範囲には、ドリルバイト３の３／４回転に対してドリルバイト３ がそれぞれ角９０度ずれた状態でワーク３の位置が示されている。これらの位置 はＡ，Ｂ，Ｃ，Ｄで表されている。出発位置Ａからの最大の変位はそれぞれ反対 の方向で位置Ｂ及びＤで生じる。これらの変位はそれぞれａで距離として表され ている。 第２図の下方部分には、ドリルバイト３の回転角ａｌｐｈａに応じてワーク５ の振動軌道が表されており、その場合、縦軸に振幅Ｓが表示されている。位置Ｂ 及びＤに対応するワークの変位ａは振動軌道の表示では拡大されて示されている 。ＯＶで示された振動曲線の振幅は孔の楕円率の寸法である。

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １． ドリルスピンドルに備えたドリルバイトと、加工すべきワークのためのホ ルダとを有する、非円形の孔を形成するための精密穿孔機において、 ワーク（５）のためのホルダ（６）が、ドリルバイト（３）のその都度の回 転数により規定される振動数で、少なくとも１方向で並進的に、形成すべき孔形 状により規定される変位軌道上で振動することを特徴とする、非円形の孔を形成 するための精密穿孔機。 ２． ワーク（５）の変位が、ドリルバイト（３）の実際位置に応じて、この実 際位置に対応していて孔の形状を規定する値に基づき制御される、請求項１記載 の精密穿孔機。 ３． ワーク（５）の精密な変位のために、ワーク（５）のその都度の実際位置 も考慮される、請求項２記載の精密穿孔機。 ４． スピンドル（２）の中央軸線に対するドリルバイト（３）の半径方向の間 隔が、穿孔運転中に、予め与えられた運動図式に基づき、形成する孔直径に影響 を与えるために増大もしくは減少させられる、請求項１から３までのいずれか１ 項記載の精密穿孔機。