JPH10509429A - ポリヌクレオチドのポルフィリン標識 - Google Patents

ポリヌクレオチドのポルフィリン標識

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JPH10509429A JP8513351A JP51335195A JPH10509429A JP H10509429 A JPH10509429 A JP H10509429A JP 8513351 A JP8513351 A JP 8513351A JP 51335195 A JP51335195 A JP 51335195A JP H10509429 A JPH10509429 A JP H10509429A
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Abstract

(57)【要約】 本発明は種々のポルフィリン標識した化合物およびポルフィリンで分子を標識するための試薬を提供する。ポルフィリン標識した化合物にはポルフィリン標識したヌクレオシド、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、その他を包含する。本発明のポルフィリン標識した化合物は標識した化合物上のポルフィリン部分がポルフィリン検出試薬でポルフィリンが触媒する酸化反応によって生成する反応生成物に基づいて検出しうるように設計されている。このポルフィリン検出試薬の酸化反応は光の形成、すなわち化学発光反応、を招くことも、または着色化合物の形成、すなわち呈色反応、を招くこともある。本発明の化合物は一般構造:

Description

【発明の詳細な説明】 ポリヌクレオチドのポルフィリン標識発明の分野 この発明はポルフィリン標識したヌクレオシド、ポルフィリン標識したヌクレ オチド、ポルフィリン標識したオリゴヌクレオチド、ポルフィリン標識したポリ ヌクレオチド、およびこれら化合物の合成法と使用法の分野に関する。発明の背景 標識したプローブを用いる核酸のハイブリッド形成は複雑な核酸混合物中にあ る相補的な標的配列の存在を検出する主要な方法である。ポリヌクレオチドプロ ーブ中に導入するために有用な標識の数種が参考文献に記載されている。 現在までに最も通常に使用された標識は、たとえば32P、35S、3H、14C、 および125Iのような放射性同位元素であった。同位元素標識したプローブの製 造および使用の詳細はSambrookなど、「分子クローニング便覧(Mol ecular・Cloning・Manual)」、第2版、Cold・Spr ing・Harbor・Laboratory社、Cold・Spring・H arbor、ニューヨーク(1989年)およびAusubelなど、「分子生 物学における最新プロトコール(Current・Protocols・in・ Molecular・Biology)」、John・Wiley・&・Son s、ニューヨーク(1987年)(継続的に改訂)に見出される。同位元素標識 の基本的な長所は感度である。例えば125Iで標識したプローブは1.6アット モル(1.6×10-18モル)の低濃度で検出されている。Langdaleお よびMalcolm、Gene、36巻:201頁(1985年)。 しかしながら、この感度の長所にもかかわらず、同位元素標識は多数の短所を 持つ。例えば、典型的にはシグナルの高感度な検出には非常に長いオートラジオ グラフィー露出時間を要する。放射能標識を採用する方策は長時間を要し、労働 集約的であり、高価であり、そして危険である。同位元素標識の他の短所は最も 通常に使用される同位元素32Pの半減期が短く(tH=14.3日)、プローブ の頻繁な調製を要することを含む。放射能標識プローブの貯蔵寿命はまた放射能 標識によって誘導される自己分解によっても削減される。 同位元素標識の短所を克服するために、非同位元素標識が開発されて文献報告 がされている。非同位元素標識は直接または間接であるものに分類される。直接 的標識は検出可能なシグナルを発生することによってレポーター基として働く。 間接的標識はシグナルを発生せず、シグナルを発生するレポーター基を持つ第二 の基と結合しなければならない。 最も通常に使用される直接的非同位元素標識は、たとえばフルオレッセインお よびロダミンのような螢光団である。様々なプローブ分子へ螢光色素を結合する 性能はプローブ1個またはそれ以上が関係するハイブリッド形成または生合成産 物の同時検出を可能にする。自動化螢光DNA配列決定と制限エンドヌクレアー ゼ指紋検出とが螢光団を使用して実施されている。たとえばProberなど、 Science、233巻:336頁(1987年);Smithなど、Nat ure、321巻:674頁(1986年)参照。 使用するには安全で便利であるが、螢光団のような直接的標識は試料中にある 内因性螢光による高いバックグラウンドのために、感度の問題に欠陥がある。そ れに加え、螢光エネルギー移動(消光)がシグナル強度を減少することがある。 螢光団の感度を増強する方式、たとえばDahlen、Anal.Bioche m.、164巻:78巻(1987年)の蛋白質にキレート剤で結合したユーロ ピュームまたはテルビウムを用いる螢光遅延などが開発されているが、これらの 方法は広範な使用を得られておらず、困難な操作を必要とする。 ポリヌクレオチドプローブに導入する間接的標識はシグナル発生系に標識を結 合した後に検出しなければならない。ビオチン標識は最も広範に使用されている 間接的標識である。ポリヌクレオチドプローブにビオチンを導入した後、通常は ビオチンを、たとえば酵素、螢光基または発光基のようなレポーター基に共有結 合的に結合しているアビジンまたはストレプトアビジンと接触させて検出する。 酵素が提供する増幅のため、酵素標識は最も高感度の非同位元素性のシグナルを 提供する。 最も通常に使用されている、アビジンまたはストレプトアビジンに結合させた レポーター基はアルカリホスファターゼおよびセイヨウワサビペルオキシダーゼ の両酵素である。RenzおよびKurz、Nucleic・Acids・Re s.、12巻:3435頁(1984年)およびJablonskiなど、Nu cleic・Acids・Res.、14巻:6115頁(1986年)。Ja blonskiなど、Nucleic・Acids・Res.、14巻:611 5頁(1986年)。ルミノール、H22、およびパラヨードフェノールかヒド ロキシ桂皮酸かを使用して化学発光シグナルを発生させる検定法のためにセイヨ ウワサビペルオキシダーゼおよびアルカリホスファターゼをプローブに直接的に 結合した報告がある。Pollard−Knightなど、Anal.Bioc hem.、185巻:84頁(1990年)。 化学発光標識剤であるイソルミノールおよびアクリジニウムは直接的にプロー ブに結合された。Urdeaなど、Nucleic・Acids・Res.、1 6巻:4937頁(1988年)およびSeptak、J.Biolumin. Chemilumin.、4巻:357頁(1989年)。しかしながら、これ らの標識の感度は酵素レポーターが達成するものよりも低い。直接的に結合した イソルミノールおよびアクリジニウムはレポーター基1個につき光子1個に限定 された化学発光シグナルを発生した。Urdeaなど、Nucleic・Aci ds・Res.、16巻:4937頁(1988年)参照。アルカリホスファタ ーゼと直接的に結合した化学発光基質のブロティング後の間接的な検出はDNA 配列決定における放射能標識に置換するに十分な感度のシグナルをもたらした。 Tizardなど、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、87巻: 4514頁(1990年)参照。 酵素が関与する間接的な検出法が直接的な同位元素標識と同様な感度を示すこ とができるけれども、これらの方法は時間がかかり、労働集約的である。これら 方法は典型的にはブロッキング、レポーター複合体との反応および洗浄の各段階 を含み、労働集約的な操作を要する。これに加えて、酵素はハイブリッド形成検 定法でしばしば使用される高温度には安定であるとは限らない。 従って、直接的放射能標識または間接的酵素由来標識で達成されるものに匹敵 する感度水準を持つポリヌクレオチドプローブを直接的に標識するための安全、 簡単な非同位元素標識の方法および試薬に対する必要性は引続いて現存する。 本発明は現在まで使用されてきた標識の方法および試薬に固有な限界を克服す る。本発明はポルフィリンレポーター部分を有するポリヌクレオチドを直接的に 標識するために有用なポルフィリン標識したヌクレオチド(および構造的に関連 する分子)を含む。 ポルフィリンは一群の低分子であって、触媒中心として作用する性能を持ち、 長い間有機合成において酸化反応のための触媒として使用されてきた。ポルフィ リンは種々の生物学的酸化反応を選択的に触媒するヘム含有酵素の配合団の類縁 基である。 文献にはポルフィリン部分がDNAと関連している実例が見出される。たとえ ばMeunier、Chem.Rev.、92巻:1411頁(1992年)と その引用文献;Le・Doanなど、Nucleic・Acids・Res.、 15巻:8643頁(1987年);およびLe・Doanなど、Biocon jugate・Chem.、1巻:108頁(1990年)参照。これらの操作 法では、ポルフィリンで修飾されたポリヌクレオチドは標識ポリヌクレオチドを 相補的DNAとハイブリッド形成させた後に、隣接DNA鎖を修飾(たとえば、 切断)する目的のために調製する。Ciなど、Anal.Chem.Acta、 282巻:695頁(1993年)はポルフィリンと核酸の間の相互作用を研究 した。しかしながら、この研究にはポルフィリンとDNAとの間の非共有結合相 互作用を包含し、レポーター基としてのポルフィリンで標識したポリヌクレオチ ドプローブは包含していなかった。これらの場合にポルフィリン部分は検出のた めには使用されず、ポルフィリン標識モノヌクレオチドについては報告がない。 少数の報告はポリヌクレオチドの切断を誘導するためにポリヌクレオチドの末端 に共有結合的に結合させたカチオン性ポルフィリンを記載している。たとえば、 Le・Doanなど、Biochemistry、25巻:6736〜6739 頁(1986年);Le・Doanなど、Nucleic・Acids・Res .、15巻:8643〜8659頁(1987年);Casasなど、Bioc o njugate・Chem.、4巻:366〜371頁(1993年)。 ポルフィリンは抗体免疫検定法におけるシグナル源として使用されている。例 えば、Forgioueなどに授与された米国特許第4375972号は体液中 に微量に存在する抗体および抗原を抗体−ポルフィリン複合体で検出し、定量す る方法を記載している。米国特許4614723号はポルフィリン標識した抗体 の直接的な検出法を記載している。Motsenbockerなど、Anal. Chem.、65巻:397頁(1993年)は免疫検定に応用できると称する ポルフィリン化学発光系を記載している。しかしながら、これら報告はいずれも ポリヌクレオチドプローブを標識するためのポルフィリン標識したヌクレオチド の使用は開示していない。 ポルフィリンは数々の理由から理想的な非同位元素性ポリヌクレオチド標識を 与える。これらの理由には次のものを含む。(1)ポルフィリン部分はある種の 化学反応(たとえば、ルミノールのような化学発光基質の酸化)を触媒でき、セ イヨウワサビペルオキシダーゼのようなレポーター酵素と機能的に同様である。 (2)ポルフィリン部分は相対的に小型(分子量=1Kd)で、ヌクレオチドに 結合した時にはヌクレオチド構造を不当には混乱させず、ポリメラーゼによる本 来のポリヌクレオチドへの導入および他のヌクレオチド依存性酵素に対し、基質 としての作用を可能にする。(3)ポルフィリン標識は32Pのような通常に使用 される同位元素標識よりも安定であって、プローブの頻繁な調製が不要である。 (4)ポルフィリン標識はハイブリッド形成にしばしば使用する高温度に対して 安定である。(5)ポルフィリン標識は、同位元素標識が分解を誘導する程には プローブの分解を誘導しない。 本発明はポルフィリン標識したヌクレオシド、ヌクレオチド、オリゴヌクレオ チド、ポリヌクレオチド、およびその種々の誘導体を初めて提供する。本発明の 組成物および方法は以前に使用されたポリヌクレオチドを標識するための技術を 超える多数の長所を提供し、以前に使用された標識および標識法を超える有利性 のある置換をすることができる。発明の要約 本発明は種々のポルフィリン標識した化合物およびポルフィリンで分子を標識 するための試薬を提供する。ポルフィリン標識した化合物にはポルフィリン標識 したヌクレオシド、ヌクレオチド、ポリヌクレオチド、その他を包含する。本発 明のポルフィリン標識した化合物は標識した化合物上のポルフィリン部分がポル フィリン検出試薬でポルフィリンが触媒する酸化反応によって生成する反応生成 物に基づいて検出しうるように設計されている。このポルフィリン検出試薬の酸 化反応は光の形成、すなわち化学発光反応、を招くことも、または着色化合物の 形成、すなわち呈色反応、を招くこともある。 本発明の一側面は一般構造: ポルフィリン−リンカー−塩基−糖−(phos)n−OH (I) を持つ化合物を提供することである。 用語phosおよび(phos)nは、ここにnは0〜5であるが、phos はホスフェート、ホスホロチオエート、ホスホネート、または式: (−Y−P(=X)(−OH)−) [式中、XはOまたはSである。YはO、S、CH2−、CF2−およびNH−か ら構成される群から選択される。] によって表される構造から構成される群から選択した種々な基のいずれかであり うる。 本発明が提供する好適なポルフィリン標識した化合物には、たとえばMn−テ トラキス(カルボキシフェニル)ポルフィリン−12−dUTP、Mn−トリス (スルホナトフェニル)−(カルボキシフェニル)ポルフィリン−12−dUT P、Mn−トリス(スルホナトフェニル)−カルボキシフェニルポルフィリン− 24−dUTP、Mn−トリス(スルホナトフェニル)−カルボキシフェニルポ ルフィリン−12−ddUTP、Mn−トリス(スルホナトフェニル)−カルボ キシフェニルポルフィリン−24−ddUTP、およびMn−トリス(スルホナ トフェニル)−カルボキシフェニルポルフィリン−12−dCTPのようなポル フィリン標識したモノヌクレオチド(および対応するリボヌクレオチド)を包含 する。しかしながら、熟練した当業者はこれら好適化合物の変種が、例えば金属 イオン、リンカー、塩基、ポルフィリン、およびそれらの置換基の変化などを含 めて、合成されることがあることも認識するものである。 本発明の別の側面はポルフィリンをポリヌクレオチドに共有結合的に結合する ことによってポリヌクレオチドを標識する方法を提供する。ここに記載する標識 方法には、たとえばポルフィリン標識したヌクレオシド三燐酸などポルフィリン 標識したポリヌクレオチド前駆体によるポリヌクレオチドの酵素的合成法による 標識、ポルフィリン標識したポリヌクレオチドの直接的化学合成およびポルフィ リン標識試薬とポリヌクレオチドとの混合、を包含する。 本発明の別の側面は目的とするポリヌクレオチドを検出する方法を提供するこ とである。本発明のある種のポリヌクレオチド検出法は、好ましくはポルフィリ ン部分が触媒する化学反応によるポルフィリン標識ポリヌクレオチドを検出する ためのポルフィリン検出剤を添加する段階を含む。本発明の検出法はさらに、目 的とするポリヌクレオチド標的とハイブリッド形成することのできるポルフィリ ン標識したポリヌクレオチドとの核酸のハイブリッド形成反応を行う段階を含む こともある。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)のハイブリッド形成段階、すなわ ちアニーリング段階、はPCR増幅生成物に導入するためにポルフィリン標識し たプライマーを採用するように適合させることもある。 本発明の別の側面ではポルフィリン標識したポリヌクレオチドを製造するため のキットを提供する。このようなキットは次の事項の1個またはそれ以上を包含 する:本発明のポルフィリン標識したヌクレオチド、ヌクレオシドトリホスフェ ート、ヌクレオチド重合活性を持つ酵素、緩衝液、ポルフィリン検出試薬、およ びポルフィリン標識したポリヌクレオチドの分子量標準。同様にして本発明の別 の側面ではポルフィリン標識したポリヌクレオチドを使用することによって目的 とするポリヌクレオチドの存在を検出するためのキットを提供する。具体的な態様の記載 定義 用語「ヌクレオシド」は本明細書中では五炭素環状糖(フラノース)、たとえ ばリボース、2’−デオキシリボース、および2’,3’−ジデオキシリボース など、に共有結合的に結合したプリンまたはピリミジン塩基(またはそれらの類 似体)からなる化合物を示す。 用語「ヌクレオチド」は本明細書中ではホスフェート部分に共有結合的に結合 したヌクレオシドからなる化合物またはその機能的等価物を示す。 用語「ポリヌクレオチド」は本明細書中ではそれら各ヌクレオシド基が他のヌ クレオシド基の1個(末端)または2個(中間)にホスフェート結合、ペプチド 結合、ホスホネート結合、ホスフォロチオエート結合、その他を介して結合して いるヌクレオシド部分2個またはそれ以上からなるポリマーを示す。RNAおよ びDNAはポリヌクレオチドの例である。用語「ポリヌクレオチド」は本明細書 中では特段の指摘がない限り種々の結合、ホスフェート、その他によって結合す る複数のヌクレオシドからなり、また天然起源ポリヌクレオチドに存在する塩基 の間の空間的関係を保持するような分子を示す。 用語「オリゴヌクレオチド」は本明細書中では比較的に小さいポリヌクレオチ ド、たとえば長さが2塩基と約35塩基の間のポリヌクレオチドなどを示す。本発明 本明細書に記載した発明は多数の様々なポルフィリン標識したヌクレオシド、 ポルフィリン標識したヌクレオチド、またはポルフィリン標識したポリヌクレオ チドおよび種々の構造的に関連した分子を提供する。ポルフィリン標識はポルフ ィリン標識が触媒する化学発光または呈色反応によって検出することもある。こ こに提供する新規なポルフィリン標識した化合物は、たとえばDNA、RNAお よび、たとえばPNA(ペプチド核酸)、ホスホネート、ホスホロチオエート、 その他のような非天然起源ポリヌクレオチド誘導体のような種々の構造を持つこ とがある。 本発明は次式: ポルフィリン−リンカー−塩基−糖−(phos)n−OH (I) で表される構造を持つポルフィリン標識したヌクレオシド部分からなるポルフィ リン標識したヌクレオシド、ポルフィリン標識したヌクレオチド、およびポルフ ィ リン標識したポリヌクレオチドの多数の態様を提供する。 そこで、式Iで示される化合物は5個の部分(1)ポルフィリン、(2)リン カー、(3)塩基、(4)糖、および(5)(phos)n[ここにnは0〜5 である]を含む。式(I)中のハイフンは指摘した基の間の共有結合を示す。結 合の正確な位置は特定部分構造の性質に従って変化する。 式(I)の化合物の「糖」基は、たとえばリボース、デオキシリボース、リボ ースおよびデオキシリボースの非環化類縁体、リボースおよびデオキシリボース の炭素環類縁体、たとえばジオキソラン、ジチオラン、およびオキサチオラン誘 導体、その他の余分なヘテロ原子を持つリボースおよびデオキシリボースの環状 類縁体ヌクレオシド糖の構造的機能および化学的機能を発揮しうる炭水化物に対 応する。 「(phos)n」基は、ホスフェート、ホスホロチオエート、ホスホネート 、または式: (−Y−P(=X)(−OH)−) [式中、XはOまたはSである。YはO、S、CH2−、CF2−およびNH−か ら構成される群から選択される。] によって示される構造から構成される群から選択した種々の部分のいずれかであ りうる。「(phos)n」部分は核酸の天然構造に構造的に同等な、すなわち フラノース環の5’位にホスフェート基が結合するようにして糖部分に共有結合 的に結合する。記号「n」は(phos)部分サブユニットが0個から5個存在 することもあることを示す。「n」が0の時は(phos)基は不在である。 式(I)の化合物の「塩基」部分は天然起源核酸に存在する、たとえばアデニ ン、シトシン、ヒポキサンチン、ウラシル、チミン、グアニンおよび、天然起源 ヌクレオチド塩基との間に塩基対関係を形成することのできる非天然起源塩基を 含むそれらの類縁体のようなヘテロ環ヌクレオチド塩基に対応する。このような 非天然起源ヘテロ環塩基には、これに限定するものではないが、アザおよびデア ザピリミジン類縁体、アザおよびデアザプリン類縁体ならびにその他のヘテロ環 塩基類縁体であってプリンおよびピリミジン環の炭素原子および窒素原子の1個 またはそれ以上が、たとえば酸素、硫黄、セレン、燐、その他のヘテロ原子によ って置換されたものを包含する。これに加えて、その他のヘテロ環系には、たと えば7−デアザアデニン、7−デアザグアニン、および7−デアザヒポキサンチ ンなどの7−デアザプリン類縁体;たとえば9−デアザアデニン、9−デアザグ アニン、および9−デアザヒポキサンチンなどの9−デアザプリン類縁体;たと えば8−アザアデニン、8−アザグアニン、および8−アザヒポキサンチンなど の8−アザプリン類縁体;たとえば5−アザシトシン、5−アザチミン、および 5−アザウラシルなどの5−アザピリミジン(1,3,5−トリアジン);たと えば6−アザシトシン、6−アザチミン、および6−アザウラシルなどの6−ア ザピリミジン(1,2,4−トリアジン);たとえば8−アザ−7−デアザプリ ン(ピラゾロ−[3.4−d]ピリミジン)、アミノイミダソールカルボキサミ ド、適当な誘導体とした1,2,4−トリアゾール、チアゾールなどのジデアザ ヘテロ環塩基類縁体;セレナゾール;たとえば5−メチルシトシンなどのメチル 化塩基類縁体;その他を包含する。式Iで示す化合物中の塩基として役立つこと がある非天然起源塩基のその他の例には5−フルオロウラシル、5−ブロモウラ シル、5−クロロウラシル、5−ヨードウラシル、5−(カルボキシヒドロキシ メチル)ウラシル、5−カルボキシメチルアミノメチル−2−チオウリジン、5 −カルボキシメチルアミノメチルウラシル、メチルシュードウラシル、N2,N 2−ジメチルグアニン、2−メチルアデニン、2−メチルグアニン、4−N−メ チルシトシン、5−メチルシトシン、N6−メチルアデニン、5−メチルアミノ メチルウラシル、5−メトキシアミノメチル−2−チオウラシル、5’−メトキ シカルボニルメチルウラシル、ウラシル−5−オキシ酢酸(v)、シュードウラ シル、2−チオシトシン、2−チオウラシル、4−チオウラシル、5−メチルウ ラシル、および2,6−ジアミノプリンを含む。好適な塩基部分は二重鎖ポリヌ クレオチドにおける相補鎖上の天然起源塩基との間に塩基対を形成する構造関係 を維持するように二重鎖ポリヌクレオチドの1鎖に導入されうる塩基である。適 当な塩基はリンカーが実質的に塩基対を形成する関係または所与の方法で使用す るために選択した酵素の機能を妨害しないようなリンカーへの結合部位を含む。 本発明の 好適な態様はリンカー部分がピリミジン塩基のC−5、C−6、またはN−4位 に、プリン塩基のC−8、N−6、またはN−2位に、およびデアザプリンのC −8、C−7、N−6、またはN−2位に結合する化合物を含む。 二重鎖ポリヌクレオチドの第三次元的構造は非常によく理解されている。当技 術分野の当業者は式Iで表される化合物にとって適当な塩基部分を容易に選択す ることができる。従って、当技術分野の当業者は天然起源ポリヌクレオチド塩基 に機能的に等価な塩基部分および、それと同時にリンカーを結合するために適当 な部位を容易に選択し得る。ヘテロ環塩基は糖に共有結合的グリコシド結合を介 して結合する。 式(I)で示される化合物の「リンカー」部分は種々な長さの本質的に直線状 分子に対応し、ヘテロ環塩基部分をポルフィリン部分に結合するために役立つ。 これに加えて、このリンカーは分子の他の部分から十分な距離にポルフィリン部 分を置いて立体障害の問題を避けるためのスペーサーとしても機能する。このリ ンカーは種々の構造のいずれかで構成されることもある。このリンカーの長さは かなり変化しうる。好ましくはリンカーの骨格(直鎖部分)は原子1個から50 個を含む。本発明に使用するために適当なリンカーは米国特許第5047519 号および第5151507号に記載されているようなリンカーを包含する。その 他の適当なリンカーは次の構造: を持つ部分を包含する。 しかしながら、本開示の利益を受ける当分野に熟練した者は塩基対を形成する 関係または本方法で使用するために選択した酵素の機能を実質的に妨害すること なしに所定のポルフィリンを式Iに従う分子の他の部分に結合することができる ことを条件として本発明では別のリンカー構造多数が利用しうることを認識する ものである。 式(I)で示される化合物の「ポルフィリン」部分は金属イオンによる錯体形 成をすることのできるポルフィリン構造を持つ分子(たとえば置換ポルフィンま たはフタロシアニン)多数の中のいずれかでありうる。別段の指摘がない限り、 用語「ポルフィリン」は本明細書中ではポルフィリンおよび対応する金属ポルフ ィリンの双方を示す。各ポルフィリン分子の合成に関する詳細は、たとえば化学 抄録誌および「ポルフィリン類(The・Porphyrins)」、第1〜7 巻、D.Dolphin編(Academic・Press社、ニューヨーク、 1978年)のような総合的報文などの化学文献を参照することによって見出す ことができる。式Iで示される化合物上のポルフィリン部分は好ましくはメソ位 置4個の各々に結合するフェニル基を含み、さらに好ましくは各フェニル環はた とえ ばスルフェート基、カルボキシレート基、その他のような電子吸引性基で置換さ れている。このポルフィリン部分は一般式: で示される。 式(I)で示される化合物の(phos)n部分がトリホスフェートである時 には式(I)で示される化合物の好適な態様は構造: 1.Mn−テトラキス(カルボキシフェニル)ポルフィリン−12−dUTP (R=COOH、X,Y=OH、Q=−(CH25−NH−)。 2.Mn−トリス(スルホナトフェニル)−カルボキシフェニルポルフィリン −12−dUTP (R=SO3H、X,Y=OH、Q=−(CH25−NH−)。 3.Mn−トリス(スルホナトフェニル)−カルボキシフェニルポルフィリン −24−dUTP (R=SO3H、X,Y=OH、Q=−NHC(O)(CH22C(O)NH− (CH23O(CH23O(CH23O(CH23)NH−)。 4.Mn−トリス(スルホナトフェニル)−カルボキシフェニルポルフィリン −12−ddUTP (R=SO3H、X=H、Y=OH、Q=−(CH25−NH−)。 5.Mn−トリス(スルホナトフェニル)−カルボキシフェニルポルフィリン −24−dUTP (R=SO3H、X=H、Y=OH、Q=−NHC(O)(CH22C(O)− NH(CH23O(CH23O(CH23O(CH23)NH−)。 6.Mn−トリス(スルホナトフェニル)−カルボキシフェニルポルフィリン −12−dCTP (R=SO3H、X=OH、Y=NH2、Q=−(CH25−NH−)。 で示される。 別の好適な態様には対応するアデノシンおよびグアノシン類縁体を包含する。 式Iのこれらの化合物は通常の熟練当業者によく知られている有機合成技術を使 用して製造しうる。本明細書中に記載する実施例および有機化学でよく知られて いる技術を参照することによって、通常の熟練当業者は例示した化合物の変種を 多数製造しうる。 本発明はまた、たとえばヌクレオシドホスホロアミダイト、ヌクレオシドトリ ホスフェート、ポリヌクレオチド、その他のような式(I)で示されるポルフィ リン標識したヌクレオシドを含む種々の化合物も提供する。本発明の化合物は、 たとえばホスホロアミダイト誘導体などの固相ポリヌクレオチド合成で使用する ために適合するポルフィリン標識したヌクレオシド誘導体を包含する。ホスホロ アミダイト、その合成、およびポリヌクレオチド合成におけるその使用に関する 記載は中でも「オリゴヌクレオチドおよび類縁体:実際的手法(Oligonu cleotides・and・Analogues:A・Practical・ Approach)」、Eckstein編、IRL・Press社、オックス フォード(1992年)に見出すことができる。 本発明はまた構造の一部として式(I)で示されるポルフィリン標識した化合 物を少なくとも1個および第二のヌクレオシド部分(ポルフィリン標識したもの かまたは無標識のものかどちらか)が、たとえばホスフェート結合(天然起源ポ リヌクレオチドのような)、ホスホロチオエート結合、ペプチド結合(PNAで のような)、ホスホネート結合、その他の結合によって結合されたもの含む、種 々のポルフィリン標識したポリヌクレオチドを提供する。これら種々の結合は部 分的には式Iで示される化合物中の「phos」部分によって示される。本発明 のポルフィリン標識したポリヌクレオチド中の各ヌクレオシド部分の間の結合は 二重鎖ポリヌクレオチド中の塩基対形成を可能にするに適当な塩基間の空間的関 係を維持するように選択される。本発明のポルフィリン標識したポリヌクレオチ ドは実質的にいかなる長さであってもよい。 本発明のポルフィリン標識したポリヌクレオチドは、殊に目的とするポリヌク レオチドを検出するためのハイブリッド形成用プローブとして、種々の応用に利 用できる。ポルフィリン標識したハイブリッド形成用プローブによる検出のため の目的とするポリヌクレオチドには実質的にはいかなるポリヌクレオチドも、す なわち同位元素標識したポリヌクレオチドで検出するために適当なものも包含す る。ポルフィリン標識したポリヌクレオチドの多数の使用法の中にはDNA足紋 研究、DNAゲルシフト検定法、DNA配列ラダーの検出、およびPCR増幅生 成物の検出するためのシグナル源としての使用がある。 本発明のポルフィリン標識したポリヌクレオチドはポリメラーゼ媒介合成反応 によって製造したポリヌクレオチドにポルフィリン標識したヌクレオチド、例え ば(phos)nがトリホスフェートを示す式Iで示される化合物を1個または それ以上導入することによって適切に製造しうる。通常のヌクレオシドトリホス フェートにおけるように、本発明のポルフィリン標識したヌクレオシドトリホス フェートは当業者によく知られている酵素反応によって容易に種々の長さのポリ ヌクレオチドに導入しうる。 例えば、ポリヌクレオチドプローブはポリヌクレオチドの合成過程の間にポリ ヌクレオチドに本発明のポルフィリン標識したヌクレオシドを導入することによ ってポリヌクレオチド内の多数の塩基においてポルフィリンにより標識できる。 このポルフィリン標識したポリヌクレオチドはヌクレオチドを導入するためにも 有用な様々な技術のいずれかによってヌクレオシドトリホスフェート中間体を経 由してポリヌクレオチドを合成しうる。これらの技術は分子生物学の領域におけ る通常の熟練者にはよく知られている。これらの技術にはここに参考のために引 用するRigbyなど、J.Mol.Biol.、113巻:237頁(197 7年)に記載のあるニックトランスレーション;ここに参考のために引用するF einbergとVogelstein、Anal.Biochem.、132 巻:6頁(1983年)およびFeinbergとVogelstein、An al.Biochem.、137巻:266頁(1984年)に記載されたラン ダムプライミング;ここに参考のために引用するSaikiなど、Scienc e、 239巻:487頁(1988年)、Langerなど、Proc.Natl. Acad.Sci.USA、78巻:6633頁(1981年)およびDayな ど、Biochem.J.、267巻:119頁(1990年)に記載のPCR (ポリメラーゼ連鎖反応)を包含する。 ポルフィリン標識したポリヌクレオチドプローブはまた単一鎖DNA鋳型、た とえばM13、からの最終的重合によってまたはここに参考のため引用するSt 90年)に記載されているようなTaq・DNAポリメラーゼを使用する不斉P CRによってプライマー延長により製造しうる。 同様に、試験管内転写によって本発明のポルフィリン標識してヌクレオチドを 導入することにより塩基の位置多数に標識したポルフィリン標識したRNAプロ ーブを製造しうる。この方法は、ここに参考のために引用するGreenなど、 Cell、32巻:681頁(1983年);TaborとRichardso n、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、82巻:1074頁(1 985年);およびLangerなど、Proc.Natl.Acad.Sci .USA、78巻:6633頁(1981年)に記載されている。 本発明のポルフィリン標識したヌクレオチドはまたここに参考のために引用す るLangerなど、Proc.Natl.Acad.Sci.USA、78巻 :6633頁(1981年)およびDeliusなど、Nucleic・Aci ds・Res.、13巻:5457頁(1985年)に記載されている二重鎖D NAの3’−末端を大腸菌DNAポリメラーゼI(クレノフ断片)で充填するこ とによって、または前記Langerなどに記載のようにT4・DNAポリメラ ーゼを使用する置換合成によって反応において標識するために使用しうる。 本発明のポルフィリン標識したヌクレオチドは、ここに参考のために引用する Kumarなど、Anal.Biochem.、169巻:376頁(1988 年)に記載のようなポリヌクレオチドの3’−末端を末端トランスフェラーゼで 標識する反応において標識するために使用しうる。本発明のポルフィリン標識し たヌクレオチドはここに参考のために引用するProberなど、Scienc e、238巻:336頁(1987年)に記載のような糖の3’−ヒドロキシル 基が欠けている場合に鎖延長を終結するために使用しうる。 ポルフィリン標識したポリヌクレオチドの酵素媒介合成に提供するのに加え、 本発明のポルフィリン標識したポリヌクレオチドはまた化学的な標識法によって も製造しうる。例えば、ポルフィリン標識したポリヌクレオチドは(1)ポルフ ィリン類縁体、たとえば活性化エステル、を反応性のアミンまたはチオール基を 含むように修飾されたポリヌクレオチドと反応することによって、または(2) ポリヌクレオチドの固相合成(このような固相合成は自動化されていてもよい) におけるポルフィリン標識したホスホロアミダイト試薬を使用することによって も製造されうる。 これらの実例は本発明のポルフィリン標識したヌクレオシドおよびポリヌクレ オチドの使用法多数を例示する一方で、当業者はヌクレオシド、デオキシヌクレ オシドトリホスフェート、およびこれらの類縁体の化学的または酵素的導入が関 与する実質的にいかなる方法もポリヌクレオチドに本発明のポルフィリン標識し たヌクレオチドの導入のために使用できることを認識するものである。 本発明のポルフィリン標識したポリヌクレオチドに導入する酵素的に合成した ポルフィリン標識の量はポルフィリン標識したポリヌクレオチド前駆体の数を変 化することによって容易に制御しうる。例えば、ポリメラーゼが触媒するポリマ ー反応によって鋳型から合成したポルフィリン標識したポリヌクレオチドは、た とえばdCTPおよびTTPなどのヌクレオチド前駆体2個が本発明のポルフィ リン標識した化合物である時にはヌクレオチド前駆体1個のみが本発明のポルフ ィリン標識した化合物である時よりも多量のポルフィリンを含有しうる。これに 加えて、与えられたポリヌクレオチド上のポルフィリンの所望の数はポルフィリ ン標識したポリヌクレオチド前駆体、たとえばポルフィリン標識したdCTPな どとそれに対応する非標識ポリヌクレオチド前駆体、たとえばdCTPなどとの 混合物を使用してポリヌクレオチド合成反応を行うことによって達成しうる。 それ故に、本発明のポルフィリン標識したポリヌクレオチド上のポルフィリン 部分および結合したポリヌクレオチドは金属ポルフィリンが酸化反応を触媒する ように作用するポルフィリン部分が触媒する化学発光または呈色反応で検出しう る。これらの反応に用いる基質は本明細書中では「ポルフィリン検出試薬」と呼 称する。ポルフィリン検出試薬が酸化されるポルフィリン触媒反応は本明細書中 では「ポルフィリン検出反応」と呼称する。しかしながら、ポルフィリン部分は たとえばポルフィリン特異的抗体のようなポルフィリン特異的免疫試薬または分 光光学的にも検出しうる。 本発明の化合物中のポルフィリン部分は化学発光または呈色反応のような検出 可能なシグナルを発生するように反応剤を酸化する触媒として作用することので きる種々のポルフィリン分子のいずれかでありうる。金属ポルフィリンが触媒す る化学発光反応はMotsenbockerなど、Anal.Chem.、65 巻:397〜402頁(1993年)に記載されている。Motsenbock erなどが記載した金属ポルフィリンは数々の利点の中でも特に過酸化水素の不 在下にポルフィリン検出反応を触媒できる点で式(I)の化合物中のポルフィリ ン部分として殊に好適である。その他の適当なポルフィリン部分とポルフィリン 検出反応は、特にSaitoなど、Chem.Pharm.Bull.、7巻: 2885頁(1986年)に記載されている。あるポルフィリンが本発明の化合 物におけるポルフィリン部分として使用するために適当であるかどうかを決定す るためには、そのポルフィリン、対応するポルフィリン標識したヌクレオシドま たは対応するポルフィリン標識したポリヌクレオチドを容易に検査してその特定 のポルフィリンが反応剤(ポルフィリン検出試薬)の酸化を触媒して、たとえば 光または呈色反応生成物のような容易に検出できる生成物を産生できるかどうか を測定する。そのような反応およびその反応のためのポルフィリン検出試薬の例 は当技術分野ではよく知られている。例えば、これらの反応には、たとえばルミ ノール、イソルミノール、およびその他の環状ヒドラジッドを使用する、前記M otsenbockerなどに記載されたタイプの化学発光反応を包含する。ポ ルフィリン検出試薬として使用するために適当な化合物には式: を持つ化合物を包含する。別種のポルフィリン検出試薬は金属ポルフィリンで酸 化された時に検出可能な呈色反応生成物を産生する化合物であって、ペルオキシ ダーゼ酵素のよく知られている呈色反応基質を含む。これらの呈色反応基質には 3,3’−ジアミノベンジジン、4−クロロ−1−ナフトール、および3−アミ ノ−9−エチルカルバゾール、その他を包含する。マンガンは検出反応が前記M otsenbockerなどに記載されたタイプの化学発光反応である時には金 属ポルフィリン中の金属として使用するために殊に好適である。ポルフィリンの 化学的合成法は有機化学分野の当業者には多数が知られている。 ポルフィリン検出試薬がポルフィリン触媒化学発光反応における基質である時 には、反応は好ましくは高pHの溶液中で実施する。好ましくは、化学発光反応 を実施する溶液のpHは約13である。溶液のpHが高いとルミノール(または 構造的に関連するポルフィリン検出試薬)の大部分がジアニオン状態に誘導され る。化学発光検出反応を実施する溶液、すなわちポルフィリン検出溶液は、好ま しくは前記Motsenbockerなどが記載したようにトゥイーン−20ま たはリノレイン酸を含む。トゥイーン−20およびリノレイン酸は検出可能な化 学発光シグナルを増強する役に立つ。本発明の好適な態様では、過マンガン酸カ リウムを加熱して得られる生成物をルミノールまたは類似のポルフィリン検出試 薬を含む溶液に導通して検出反応の感度を増強する。これとは別の好適な態様で は過マンガン酸カリウムをルミノール溶液に直接的に添加する。 本発明はまた前記本発明のポルフィリン標識したポリヌクレオチドであるポリ ヌクレオチドプローブとのハイブリッド形成に基づいて目的とするポリヌクレオ チドを検出するための新規方法も提供する。目的とするポリヌクレオチドはその 目的とするポリヌクレオチドに特異的なポリヌクレオチドハイブリッド形成用プ ローブ中のポルフィリン標識の存在によって検出しうる。好ましくは、ポルフィ リン標識したポリヌクレオチドハイブリッド形成用プローブはそのプローブポリ ヌクレオチド上にあるポルフィリン部分が触媒する酸化反応によって産生された 検出可能な反応生成物に基づいて検出される。 ポルフィリン標識したポリヌクレオチドは通常の核酸ハイブリッド形成技術に おけるポリヌクレオチドのハイブリッド形成プローブにおけるものと本質的に同 様に相補的標的ポリヌクレオチドにハイブリッド形成するために使用しうる。核 酸ハイブリッド形成技術は当技術分野における当業者によく知られており、これ らの技術に関する詳細な記載が、例えばSambrookなど、「分子クローニ ング:実験室便覧(Molecular・Cloning:A・Laborat ory・Manual)」、第2版、Cold・Spring・Harbor・ Press社、Cold・Spring・Harbor(1989年)に見出さ れる。本発明のポルフィリン標識したポリヌクレオチドは目的とするポリヌクレ オチドを検出する方法およびポルフィリン標識ポリヌクレオチドを製造する方法 を提供する標準的なハイブリッド形成法における通常のポリヌクレオチド(放射 能標識またはその他)に置換しうる。 典型的には、本発明のポリヌクレオチド検出法は本発明のポルフィリン標識し たポリヌクレオチドを目的とする相補的ポリヌクレオチドを含有すると推測され る組成物とポルフィリン標識したポリヌクレオチドと目的とするポリヌクレオチ ド、すなわち標的、との間で二本鎖を形成させる核酸ハイブリッド形成条件下に 混合する段階を包含する。ポルフィリン標識したポリヌクレオチドプローブと目 的とするポリヌクレオチドとの間の相同性領域においてハイブリッドを形成して 二本鎖が形成される。ポルフィリン標識したポリヌクレオチドおよび、それ故、 ポルフィリン標識したポリヌクレオチドプローブにハイブリッド形成した目的と する標的ポリヌクレオチドはポルフィリン検出試薬を添加することによって検出 しうる。次にポルフィリン検出試薬が標識したポリヌクレオチド上のポルフィリ ン基と接触して試薬の酸化を招き、これが標識したポリヌクレオチド上のポルフ ィリンによって触媒される。ポルフィリン検出試薬の酸化で検出可能な反応生成 物1種またはそれ以上が形成される。検出可能な反応生成物には呈色化合物(呈 色反応において)および光(化学発光反応において)を包含する。本発明のポリ ヌクレオチド検出法はさらに反応生成物を検出する段階を包含しうる。目的とす るポリヌクレオチド標的に対してプローブすべき組成物は種々の形を取りうるが 、しかしながら、分析用組成物は好ましくは本質的にポリヌクレオチドまたはポ リヌクレオチドに結合する蛋白質から構成される組成物である。目的とする標的 ポリヌクレオチドを検出する本方法は、たとえば診断、微生物混入、裁判上の利 用、その他のような種々の使用法に適合させうる。 本発明のポルフィリン標識したポリヌクレオチドは、たとえばポリメラーゼ連 鎖反応、リガーゼ連鎖反応、およびストランドディスプレースメント増幅のよう なハイブリッド形成段階を採用するプライマー媒介サイクル増幅技術、Guat elliなど、Proc.Natl.Acad.Sci.、87件:1874〜 1878頁(1990年);Walkerなど、Nucleic・Acids・ Res.、20巻:1691〜1696頁(1992年)、すなわち標的配列に 対して標識したプライマーをアニール(ハイブリッド形成)させる技術、におけ るプライマーとして使用しうる。例えば、目的とするポリヌクレオチドはポルフ ィリン標識したヌクレオチドの導入によってポルフィリン標識プライマーまたは 無標識プライマーを使用してポルフィリン標識ポリヌクレオチドの合成をプライ ムするために使用するPCR(または同様な増幅技術)を実施することによって 検出しうる。それとは別に、無標識ヌクレオチドの導入によってポリヌクレオチ ドの合成をプライムするためにポルフィリン標識したプライマーを使用する。増 幅中に合成されたポルフィリン標識したポリヌクレオチドは目的とするポリヌク レオチドの存在または不在を検出するためにも使用しうる。 本発明のポルフィリン標識したポリヌクレオチドはSangerタイプの配列 決定技術を使用して得られたDNA配列情報を検出するためにも使用しうる。例 えば、ポルフィリン標識したポリヌクレオチドを配列決定用プライマーとしてま た、ポルフィリン標識したジデオキシヌクレオチドを鎖延長ターミネーターとし ても使用しうる。配列決定用ゲル(またはその他の適当な分離手段)中に形成し た目的とするバンドを配列決定用ゲルとポルフィリン検出溶液とともにインキュ ベーションし、続いてバンドを検出するようにフィルム(またはその他の適当な 検出手段)に露光することによって検出しうる。それとは別に、配列決定反応に よって生成した分離した標識したポリヌクレオチドを固体の支持膜に移して配列 情報の検出を処理するために転写しうる。 本発明はまたハイブリッド形成段階を必要としないポルフィリン標識したポリ ヌクレオチドの検出方法も提供する。例えば、本発明のある態様では、この検出 方法を目的とする標的ポリヌクレオチドとハイブリッド形成していないポルフィ リン標識したポリヌクレオチドの検出に応用しうる。たとえばポルフィリン標識 したポリヌクレオチド分子量サイズマーカーを使用する時にはハイブリッド形成 段階を実行する必要がない。 ポルフィリン検出試薬が化学発光反応液中で酸化される時には標識したポリヌ クレオチド上のポルフィリン部分によって触媒される反応によって産生される光 は当技術分野の当業者によく知られている種々の方法によって検出しうる。適当 な光検出法には写真フィルム、帯電関連装置、化学発光計、その他を包含する。 化学発光反応によって産生される光の量は定量的にまたは定性的に測定しうる。 同様に、呈色反応生成物の量は定量的にまたは定性的によく知られている種々の 装置および技術によって測定しうる。 本発明の別の態様は、本発明の方法を使用してポルフィリン標識したポリヌク レオチドを製造するためのキットを提供するものである。本発明のキットは本発 明の化合物1個またはそれ以上および本標識法を実行するために使用するための その他の試薬1個またはそれ以上を提供する。キットは本方法を実施する時に精 度と正確度を確保するようにあらかじめ測定してある量の本発明の化合物および 試薬を包含しうる。キットはまた本発明の方法を実行するための指示書も包含し うる。本発明のキットには、典型的には次の物件を1種またはそれ以上包含しう る:本発明のポルフィリン標識したヌクレオチド、無標識ヌクレオチド(dAT P、dCTP、dGTPおよびTTPの混合物を含む)、ヌクレオチドの重合体 形成を触媒する酵素(DNAポリメラーゼIのクレノフ断片、Taq・DNAポ リメラーゼ、Pfu・DNAポリメラーゼ、ターミナルトランスフェラーゼ、そ の他を含む)、緩衝液、ポルフィリン標識したサイズマーカー、ポルフィリン検 出試薬(ルミノールを含む)、その他。 同様に、本発明はハイブリッド形成プローブとしてのポルフィリン標識したポ リヌクレオチドを使用して目的とするポリヌクレオチドを検出するためのキット を提供する。本発明のキットはポルフィリン標識したポリヌクレオチド1種また はそれ以上および本ポリヌクレオチド検出法を実行するにあたって使用するため のその他の試薬1種またはそれ以上を提供する。キットは本方法を実施する時に 精度と正確度を確保するようにあらかじめ測定してある量の本発明の化合物およ び試薬を包含しうる。キットにはまた本発明の方法を実行するための指示書も包 含しうる。本発明のキットには典型的には次の物件1種またはそれ以上を含む: 本発明のポルフィリン標識したヌクレオチド、ポルフィリン検出試薬(ルミノー ルを含む)、ポリヌクレオチドハイブリッド形成試薬、ポリヌクレオチド固定化 膜、その他。 本発明を前記し終え、ここに本発明の理解と実行を促進するために以下の実施 例を記載する。以下の実施例はいかなる意味においても本発明を限定するために 提出するものではない。 実施例 実施例1 アミノ−4−dUTPの合成 400mg(1.1ミリモル)の5−(トリフルオロアセチル−4−アミノ− プロピニル)−2’−デオキシウリジン(Hobbs,F.W.、J.Org. Chem.、1989年、54巻:3420〜3422頁または米国特許第50 47519号)を30mLの乾燥燐酸トリメチル(TMP)に溶解し、314μ L(3.3ミリモル)のPOCl3および474mg(2.2ミリモル)の1, 8−ビスジメチルアミノナフタレンで処理した。この反応物を−5℃でアルゴン 下に5時間撹拌し、その後冷却(−10℃)したピロ燐酸トリブチルアンモニウ ム(1.0M、4.2mL)のTMP溶液およびトリ−N−ブチルアミン(2. 5mL)を添加し、続いて15分間後に50mLの0.5M−重炭酸トリエチル アンモニウム(TEAB)を添加した。得られた粗製物質をDEAEセファロー スイオン交換カラム(4×40cm)に負荷し、0.0〜0.4M−TEABの 直線状勾配で溶離した。適当な画分を集めて真空濃縮し、200mLの7M−水 酸化アンモニウムと室温で3時間処理した。反応物を次に蒸発乾固して脱イオン 水中に再懸濁した。ヌクレオチド、m.s.(FAB−)520(M−H+)は 後続する結合反応のためには十分な純度であった。実施例2 Fmoc−6−アミノカプロン酸、N−ヒドロキシサクシンイミジル エステルの合成 6−アミノカプロン酸(13mg、100ミリモル)を70mLの100mM −重炭酸ナトリウムおよび200mLのアセトニトリルの混合物に懸濁し、撹拌 しながらこれにN−(9−フルオレニルメトキシカルボニルオキシ)サクシネー ト(Fmoc−NHS、5g、14ミリモル、Aldrich社)を添加し、得 られた懸濁液を室温で2時間撹拌した。反応混合物を次に蒸発乾固し、ジクロロ メタンに溶解し、ジクロロメタン:メタノール(10:1)を使用するシリカゲ ルカラムクロマトグラフィーによって精製してFmoc−6−アミノカプロン酸 5.34gを得た。 20mLのDMF中の350mg(1ミリモル)のFmoc−6−アミノカプ ロン酸に10mLのDMF中のN−ヒドロキシサクシンイミド(230mg、2 ミリモル)およびジシクロヘキシルカルボジイミド(412mg、2ミリモル) を添加した。この溶液を室温で一夜撹拌すると徐々に懸濁液となった。混合物を 真空濃縮して容積5mLとしたが、これは後続する結合反応で使用するには十分 に純粋であった。実施例3 アミノ−11−dUTPの合成 アミノ−4−dUTP(100mg、100μモル)を0.1M−ホウ酸ナト リウム水(25mL、pH9)中に溶解し、実施例2のFmoc−アミノカプロ ン酸−N−ヒドロキシサクシンイミジルエステル5mLと混合した。この混合物 を室温で6時間撹拌し、2000×gで5分間遠心分離した。Fmoc−保護ヌ クレオチドを含有する固体のペレットをモルホリンおよびDMF(1:1、10 0mL)の混合物で6時間室温で処理し、ほとんど乾固するまで蒸発し、C−1 8カラム(7μm、10×250mm、Sherisorb社)および0.1M −重炭酸トリエチルアンモニウム(TEAB)と60%アセトニトリルと(各々 AおよびBと呼称する)を溶媒として使用する分取逆相HPLCによって分離し た。毎分3mLの流速でカラムを10分間2.5%Bで、続いて勾配(50分後 65%Bに増加)で溶離した。所望の生成物は保持時間20.4分でカラムから 溶離した。実施例4 Mn−テトラキス(カルボキシフェニル)ポルフィリン−12−dU TPの合成 スルホ−N−ヒドロキシサクシンイミド(25mg、115μモル)とエチル −3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(EDAC、25mg、 130μモル)とを8mLの25mM−燐酸ナトリウム緩衝液、pH6に添加し た。この溶液にMn−テトラキス(カルボキシフェニル)ポルフィン塩化物(6 mg、6.8μモル、Porphyrin・Products社、ローガン、ユ タ)をDMF4.5mL中に溶解して添加した。反応物を室温で2時間撹拌し、 そこで5mgのアミノ−11−dUTP(5μモル)を含有する水溶液1mLを 添加して、溶液を室温の暗所で撹拌した。0.1M−重炭酸トリエチルアンモニ ウム(A)および60%アセトニトリル(B)を溶媒として使用する分取逆相H PLCによりポルフィリンヌクレオチドを分離した。10分間2.5%B、続い て勾配(50分後65%アセトニトリルに増加)でカラム(10×250mm) を溶離した。所望の生成物は保持時間19.9分を示した。生成物を含有する画 分を集め、真空下に蒸発乾固し、エタノール水(3×100mL)と共沸し、1 .3mgのポルフィリン標識したヌクレオチド(A470=96000)を得た。実施例5 Mn−トリス(スルホナトフェニル)カルボキシフェニルポルフィリ ン−12−dUTPの合成(方法A) スルホ−N−ヒドロキシサクシンイミド(25mg、115μモル)およびE DAC(25mg、130μモル)を8mLの25mM−燐酸ナトリウム緩衝液 pH6に添加した。この溶液に4.5mLのDMF中のMn−トリス(スルホナ トフェニル)カルボキシフェニルポルフィン塩化物(6mg、6.8μモル、P orphyrin・Products社)を添加した。反応物を室温で2時間撹 拌し、その後アミノ−11−dUTP(5μモル)を含有する水溶液1mLを添 加して溶液を24時間室温の暗所で撹拌した。反応混合物の分析用HPLC分析 は溶離時間30.7分を持つ新生成物を示した。生成物であるMn−トリス(ス ルホナトフェニル)カルボキシフェニルポルフィリン−12−dUTPは逆相H PLCによって実施例3に記載した方法によって単離した。実施例6 Mn−トリス(スルホナトフェニル)カルボキシフェニルポルフィリ ン−N−ヒドロキシサクシンイミジルエステルの合成 Mn−モノカルボキシフェニル−トリス(スルホナトフェニル)ポルフィン塩 化物(50mg、49μモル、Porphyrin・Products社)を1 0mLの乾燥ピリジンに溶解し、氷浴上で0℃に冷却した。ピリジン1mL中の N−ヒドロキシサクシンイミド(11.4mg、0.1ミリモル)とジシクロヘ キシルカルボジイミド(20.6mg、0.1ミリモル)との混合物を添加し、 溶液を0℃で4時間撹拌した。反応の過程は実施例3に記載したものと同じ勾配 条件で分析用逆相HPLC(4.6×250mm、C−18カラム、流速1mL /分)によって監視した。10日後に反応内容物を真空下に取り、湿気を避けて 暗所に貯蔵した。生成物は後続する結合反応に使用するに十分な純度であった。実施例7 Mn−トリス(スルホナトフェニル)カルボキシフェニルポルフィリ ン−6−アミノカプロン酸、N−ヒドロキシサクシンイミジルエステルの合成 実施例6からの残渣を2mLのDMFに溶解し、27mg(200μモル)の 6−アミノカプロン酸の撹拌0.1M−ホウ酸ナトリウム、pH9溶液中に添加 した。溶液を室温で2.5時間撹拌し、実施例3に記載の分取HPLCによって 分離した。生成物は保持時間29分間で溶離した。m.s.(電子スプレー): 1063(M−H+)。実施例8 Mn−トリス(スルホナトフェニル)カルボキシフェニルポルフィリ ン−12−dUTPの合成(方法B) 実施例7の生成物(50mg)を乾燥ピリジン10mLに溶解し、N−ヒドロ キシサクシンイミド(NHS、11.4mg、100μモル)と混合し、得られ た溶液を氷浴上で0℃に冷却した。ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC、 20.6mg、100μモル)を1mLの乾燥ピリジンに溶解して添加し、得ら れた反応物を0℃で5時間撹拌し、そこでNHS(11.4mg)およびDCC (21mg)を添加した。40時間撹拌後、内容物を蒸発乾固し、DMF2mL に溶解し、さらに40mg(40μモル)のアミノ−4−dUTPと6mLの1 00mM−ホウ酸ナトリウム緩衝液、pH9中で混合し、内容物を一夜室温で撹 拌した。所望の生成物を分取HPLCによって分離してヌクレオチド15.4m gを得たが、HPLC分析および、たとえばポリメラーゼ触媒プライマー延長検 定(実施例17)などの機能的検定によって測定すると方法A(実施例5)で得 た生成物と同一であった。実施例9 Mn−テトラキス(カルボキシフェニル)ポルフィリン−4−dUT Pの合成 スルホ−N−ヒドロキシサクシンイミド(8mg、38ミリモル)を4mLの 25mM−燐酸ナトリウム水、pH6.0に溶解し、4mLのDMF中の6mg のMn−テトラキス(カルボキシフェニル)ポルフィン塩化物(6.8μモル、 Porphyrin・Products社)および4mLの同一燐酸ナトリウム 緩衝液中の25mgのエチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイ ミド(EDAC、130μモル)と混合した。反応物を室温の暗所で1.5時間 撹拌し、次に燐酸ナトリウム緩衝液1mL中のアミノ−4−dUTP(5mg、 5μモル)に添加した。溶液を室温で16時間撹拌し、他のポルフィリンヌクレ オチドについて記載したような分取HPLCによって分離した。実施例10 Mn−トリス(スルホナトフェニル−メソ−15−アミノ−4, 7,10−トリオキサトリデカン−1−カルボキサミドフェニルポルフィリンの 合成 Mn−トリス(スルホナトフェニル)カルボキシフェニルポルフィリン塩化物 (30mg、30μモル、Porphyrin・Products社)をピリジ ン(15mL、4Åモレキュラーシーブズ上で乾燥)に溶解した。この溶液に4 mLの乾燥ピリジン中のN−ヒドロキシサクシンイミド(24mg、210μモ ル)およびジシクロヘキシルカルボジイミド(54mg、260μモル)を添加 し、溶液を0℃の暗所で1時間撹拌し、冷蔵庫に4日間保存した。溶媒を真空下 に除去し、残留した生成物をDMF5mLに溶解して4,7,10−トリオキサ トリデカン−1,13−ジアミン(600mg、2.7ミリモル、BASF社) の100mM−ホウ酸ナトリウム水(pH9)撹拌溶液25mL中に滴加した。 反応物を0℃で1時間撹拌し、5℃の暗所で一夜貯蔵した。生成物を0.1M− 重炭酸トリエチルアンモニウム(A)および60%アセトニトリル(B)を溶媒 として使用する分取逆相HPLCによって分離した。このカラム(10×250 mm、7μm)を10分間2.5%Bにより、続いて勾配(50分間に65%B まで)で溶離した。生成物を含有する画分を集め、真空下に蒸発乾固し、エタノ ール水と共沸(3×100mL)してポルフィリンアミン45mgを得た。 MS(電子スプレー):1154(M+H+),1176(M+Na+),11 98(M−H+2Na+)。実施例11 Mn−トリス(スルホナトフェニル)−15−サクシノイルアミノ −4,7,10−トリオキサトリデカン−メソ−1−カルボキサミドフェニルポ ルフィリンの合成 実施例10の生成物(20mg)を10mLの乾燥したDMF中で無水コハク 酸(50mg、0.5ミリモル)と混合した。反応物を室温で18時間撹拌し、 生成物を前記実施例10に記載したような分取HPLCによって分離した。 MS(電子スプレー):1252(M+H+)。実施例12 Mn−トリス(スルホナトフェニル)−N−ヒドロキシサクシンイ ミジル−15−サクシノイルアミノ−4,7,10−トリオキサトリデカン−メ ソ−1−カルボキサミドフェニルポルフィリンの合成 実施例11の生成物(20mg)を8mLの乾燥ピリジンに溶解し、氷浴上で 0℃に冷却した。これを撹拌しつつN−ヒドロキシサクシンイミド(24mg、 210モル)およびジシクロヘキシルカルボジイミド(50mg、250μモル )を2mLの乾燥ピリジン中で添加した。溶液を0℃で6時間撹拌し、4℃で3 日間貯蔵した後、溶液を蒸発乾固した。この生成物は後続結合反応に使用するた めには適当であった。実施例13 トリス(スルホナトフェニル)カルボキシフェニルポルフィリン− 24−dUTPの合成 実施例11の生成物を2mLの乾燥DMFに溶解し、20mg(21μモル) のアミノ−4−dUTPの6mLのホウ酸ナトリウム水(100mM、pH9) 溶液と混合し、室温で24時間撹拌した。このヌクレオチド生成物を分析用HP LCカラム(5μ、C−18、4.6×250mm)を使用して流速毎分1mL で前記と同一の緩衝液と勾配プロファイルを使用して精製した。適当なHPLC 画分を集めて蒸発乾固し、エタノールと数回共沸して、過剰のTEAB塩を分解 した。実施例14 メソ−トリス(スルホナトフェニル)カルボキシフェニルポルフィ リン−12−ddUTPの合成 実施例7からの生成物(10mg)を8mLのピリジンに溶解し、0℃に冷却 した。6mgのN−ヒドロキシサクシンイミド(NHS)および12mgのDC Cを2mLのピリジン中で混合し、続いてポルフィリンカプロン酸溶液に添加し た。混合物を冷蔵庫に2日間貯蔵した後、前回同様にDCCおよびNHSを再度 添加した。さらに1日後、12mgのNHSおよび24mgのDCCを追加して さらに24時間反応させた。反応内容物を次に蒸発乾固し、1.2mLの乾燥D MF中に溶解し、撹拌しつつ17mgの5−アミノプロピニル−2’,3’−ジ デオキシUTP(Hobbs,F.W.、J.Org.Chem.、54巻:3 420〜3422頁(1988年))の4mLの0.1M−ホウ酸ナトリウム水 (0.1M、pH9)溶液中に添加した。結合反応を18時間室温で進行させ、 その後ジデオキシヌクレオチド生成物を逆相HPLCによって実施例13に記載 した分離操作法に従って単離した。実施例15 メソ−トリス(スルホナトフェニル)カルボキシフェニルポルフィ リン−24−ddUTPの合成 メソ−トリス(スルホナトフェニル)カルボキシフェニルポルフィリン−24 −dd−UTPは対応するデオキシヌクレオチド合成操作法(実施例13)に従 ってアミノ−4−dUTPの代わりにアミノプロピニル−ddUTP(アミノ− 4−ddUTP、Hobbs,F.W.、J.Org.Chem.、54巻:3 420〜3422頁(1988年))を置き換えて合成した。分離精製操作は実 施例13に記載したものと同様であった。実施例16 ランダムプライム合成におけるポルフィリン−12−dUTP取込 の測定 方法1:線状化したpBluescript・DNAをランダムノナマー、無 修正ヌクレオチド、3H−dCTP、および種々の比率のTTP/ポルフィリン −12−dUTPを使用して標識した。鋳型DNA(pBluescript・ DNAをXhoI、10ngで線状化したもの)およびランダムノナマー(6. 8μg)を混合し、5分間煮沸して変性し、室温まで冷却した。各反応物にトリ ス緩衝液(pH7.5)、MgCl2およびジチオスレイトール(各々最終濃度 35mM、5mMおよび1mM)を添加した。dATP、dGTP、dCTPを 含む(各最終濃度20μモル)ヌクレオチド混合物(0.1mCi/mL、3H −dCTPを1μL含有)およびポルフィリン−dUTPおよびTTPの様々な 混合物(各々0:100、25:75、50:50、75:25および100: 0の比率)を添加した。エキソヌクレアーゼ不含Klenowポリメラーゼ(5 U)を添加し、混合物を37℃で10分間インキュベーションした。適量(4μ L)をDE81ディスク上にスポットし、白熱灯で15分間乾燥し、2×SSC (6×3分間)で洗浄し、冷エタノールで洗浄(1分間)し、非洗浄対照と比較 しながらシンチレーション計数によって相対的放射能水準を測定した。反応は3 回実施した。 3H−dCTPの取込水準はポルフィリン−dUTP:TTP比率が25:7 5および50:50である反応で最高であってポルフィリン−dUTPを添加し なかった試料(ポルフィリン−dUTP:TTP=0:100)で観察された最 高の取込水準に匹敵していた。75:25(ポルフィリン−dUTP:TTP) を含む各試料の取込水準は最高値の約75%であることが観察された。実施例17 ポルフィリン−12−dUTPを使用するプライマー延長検定 〜20プライマー(M13)を32P−ATPおよびT4ポリヌクレオチドキナ ーゼで末端標識し、相補的な80重合体鋳型にアニールさせ、ヌクレオチド(ポ ルフィリン−12−dUTPを含む)および種々のポリメラーゼの存在下に伸長 させ、結果を10%PAGEで分析した。検査した酵素にはその他多数の中で: TaqTM、PfuTM、およびエキソヌクレアーゼ不含Pfu、VentTM、Se quenaseTMおよびエキソヌクレアーセ不含Klenow・DNAポリメラ ーゼを包含する。プライマーは32P・ATP(10mCI/mL、DuPont /NEN社)およびポリヌクレオチドキナーゼ(Sambrookなど、「分子 クローニング便覧(Molecular・Cloning・Manual)」、 第2版、10.59〜10.66に記載のもの)を使用してキナーゼ処理した。 5’−標識したプライマーの適量(10ng)を100ngの相補的80重合体 鋳型、dATP、dCTPおよびdGTPの10μM−溶液(各々)、20μM −ポルフィリン−12−dUTP、および各ポリメラーゼに対して適当な反応緩 衝液と混合した。反応物は90℃に短時間加熱し、徐々に反応温度まで冷却し、 5単位のポリメラーゼを添加した。SequenaseTMおよびエキソヌクレア ーゼ不含のKlenowを含有する反応物を37℃で15分間反応させた。その 他のインキュベーションはすべて72℃で行った。反応は95%ホルムアミド、 0.1%ブロムフェニルブルー、0.2M−EDTAを含有する溶液3μLを添 加することによって終結させ、適量を10%アクリルアミドゲル上に負荷して5 5ワット/2250mVで3時間電気泳動させた。各酵素を使用する反応物中に 延長が観察された。VentTMポリメラーゼ以外の全ての酵素で全長の延長が観 察された。最適の延長はTaq・DNAポリメラーゼおよびエキソヌクレアーゼ 不含PfuTMDNAポリメラーゼで観察された。実施例18 PCRによるDNAへのポルフィリンの取込 各PCR反応物(50μL、最終容積)には5μLのTaq・DNAポリメラ ーゼ反応緩衝液、20ngのBluescript・KS+、各125ngのM 13リバースおよび〜20プライマー、7.5μLの各1mM−dGTP、dA TPおよびdCTP、4.5μLの1mM−TTP、および5μLの600μM −ポルフィリン−12−dUTPを含有させた。各反応物にTaq・DNAポリ メラーゼ(5U)を添加した。反応物は次のように加熱した:95℃で45秒、 50℃で90秒および72℃で90秒、これを30回反復した。対照DNAへの ポルフィリン−dUTPの非特異的挿入によるバックグラウンドシグナルを監視 するためにネガティブコントロール反応を行ったが、これには5μLの600μ M−ポルフィリン−dUTPを含むがTaqポリメラーゼを含まない。反応混合 物(50μL)を2mLのBio・Gel・P60を含むカラムの上端に負荷し て低塩緩衝液(15mM−NaClと15mM−トリス緩衝液、pH7.5)で 溶離し、溶離物を125μL画分に分けて全長PCR生成物を精製した。各カラ ムからの適量を1%アガロースゲル上に負荷し、90mAで1時間電気泳動して 分離し、エチジウムブロミドで染色して可視化した。次にゲルを短時間0.25 M−HCl(3分間)、1.5M−NaCl−0.5M−NaOH(3分間)、 および次に0.1M−トリスpH7.5〜1.5M−NaCl(3分間)で処理 し、毛細管技術によってPall・Biodyne(N+)膜上に移した。オー トクロスリンクに設定したStratalinkerTMUVクロスリンカー(S tratagene社、La・Jolla、CA)を使用してUV光で核酸成分 を膜上に固定した。次に膜を脱イオン水で1分間洗浄し、乾燥し、5mM−ルミ ノール、1%リノレイン酸および0.1M−NaOH水、pH13からなる検出 緩衝液を噴霧し、透明なプラスティックのラップで被覆し、直ちにフィルムに露 光した。 フィルムへの露光は5分間行った。ポルフィリン標識の不在下またはTaqポ リメラーゼの不在下に行ったDNAバンドからは化学発光シグナルは検出されな かったが、しかしポルフィリン−dUTPの存在下に行ったPCR生成物には化 学発光シグナルが検出された。実施例19 ポルフィリン標識したDNAの検出 ポルフィリン検出溶液は次のようにして製造した:ルミノール(270mg、 1.5ミリモル、Aldrich社)を300mLの0.1M−NaOH水に添 加した。ルミノールが完全に溶解するまで塩基(6N−NaOH)を追加した。 リノレイン酸(3.3g、11.8ミリモル、Aldrich社)を添加して、 混合物をふりまぜてリノレイン酸を溶解した。6N−NaOHを追加して溶液を pH13とした。 強化されたポルフィリン検出溶液は次の方法の一つによって製造した:(a) 前記(非強化)からのルミノール緩衝液を0℃に冷却し、その溶液を撹拌しなが ら過マンガン酸カリウムの固体を加熱して得た生成物を5分間導通した。それと は別に、(b)50mLの非強化(前記)ルミノール緩衝液に5mg(32μモ ル)の過マンガン酸カリウムを添加した。この強化された緩衝液はポルフィリン 標識したDNAプローブ(ドットブロット)の逐次的希釈の検出に使用されて、 非強化溶液よりも少なくとも10倍も高い感度を示した。 実施例18に記載したPCR増幅生成物を検出するためにはこの検出溶液を使 用した。実施例20 サザンハイブリッド形成におけるポルフィリン標識したDNAプロ ーブ 1.プローブの標識 XhoIで線状化した200ng量のpBluescript・DNAをポル フィリン−12−dUTPでランダムプライミングによって次の通り標識した: 200ngの鋳型DNAを全容39μL中で6.75μgのランダムノナマープ ライマーと5分間煮沸することによって変性させた。反応管を氷上に置いて10 μLの5×ヌクレオチド緩衝液(175mM−トリス、pH7.5、25mM− MgCl2中、各100μMのdATP、dCTP、dGTP、および100μ M−ポルフィリン−12−dUTPまたは90μM−ポルフィリン−12−dU TPおよび10μM−TTP)および10単位のエキソヌクレアーゼ不含Kle nowポリメラーゼを添加した。混合物を37℃1時間インキュベーションし、 反応を15mM−EDTAで終結させた。25mM−トリス−HCl、pH7. 5、25mM−NaClと平衡させたBioGel・P60ドリップカラムを用 いてプローブ断片を非導入ヌクレオチドから精製した。反応混合物(50μL) を2mLカラムに負荷して4×340μL量の平衡緩衝液を添加した。溶離した 画分を別々に集め、1μL量をPall・Biodyne・Plusナイロン膜 にスポットし、Stratagene・UVクロスリンカーでクロスリンクし、 短時間5mM−ルミノール、1.1%リノレイン酸、pH13.0に浸漬してか らX線フィルムに15分間露光してポルフィリン活性を検定した。画分2からの スポットは最大のシグナルを示し、後続するハイブリッド形成実験におけるポル フィリンプローブポリヌクレオチドの源泉としてはこの画分を使用した。 2.標的DNAとのプローブのハイブリッド形成 標的pBluescript・DNAの希釈物(10ng、1ng、500p g、100pg、50pgおよび10pg)を煮沸によって変性し、Biody ne・Plus膜上にスポットし、紫外線光によって固定した(Stratal inkerTM、オートクロスリンク設定)。鮭精子DNAの適量(1μgおよび 100ng)を同様に膜に固定し、それを次に1.5×SSPE、3%SDS、 10%PEG中で68℃で30分間プレハイブリッド化した。ポルフィリン標識 したプローブを5分間煮沸して変性し、前ハイブリッド化緩衝液にハイブリッド 化緩衝液1mL当り300ng出発鋳型の最終濃度になるように添加し、得られ た混合物を一夜68℃でハイブリッド形成させた。膜を0.1×SSC/0.1 %SDSで15分間室温でおよび同じ緩衝液で2回(各15分間)60℃で洗浄 した。膜を室温で2回5分間づつTBS(50mM−トリス−HCl、pH7. 5、150mM−NaCl)中で洗った。ルミノール溶液(実施例19に記載) を各膜の表面に注意深く散布した。ルミノール溶液の過剰を膜から落とし、これ を次にプラスチックのラップで被覆し、X線フィルムに感光させた。 PBluescript・DNAスポットからはすべての場合にシグナルが得 られたが、対照鮭精子DNAスポットからは得られなかった。フィルムに30分 間露光後、100%のポルフィリンヌクレオチド置換で作成したプローブ(反応 緩衝液中にTTP不含)は少なくとも50pgの標的pBluescript・ DNAを検出させたが、90%のポルフィリンで作成したプローブ(反応緩衝液 中に10%TTP含有)は少なくとも10pgの標的DNAを検出させた。実施例21 ポルフィリン標識したDNAマーカー DNAサイズマーカー(ラムダHindIII消化、2μg)をTaqポリメ ラーゼ(5U)を使用して10μLの5×ヌクレオチド緩衝液(25mM−トリ スHCl、pH7.5、100mM−KCl緩衝液中、各100μMのdATP 、dCTP、dGTPおよび90μM−ポルフィリン−12−dUTPおよび1 0μM−TTP)中で標識した。この混合物を60℃で10分間インキュベーシ ョンし、管内の凝固物を簡単な遠心分離で沈降させ、反応物を再び60℃に10 分間加熱した。反応混合物をエタノール沈降し、沈殿を50μLの水に懸濁し、 P60ドリップカラムを使用して実施例20に記載のようにして精製した。陽性 の化学発光シグナルを与えた(前記実施例20に記載のように検定)溶離した画 分を集め、0.8%アガロースゲル上で電気泳動してエチジウムブロミドで染色 した。ゲルを次にPall・Biodyne・Plusナイロン膜に移した。膜 を紫外線光で照射(オートクロスリンクに設定したStratalinkerを 使用)し、脱イオン水で1分間洗浄し、乾燥し、ルミノール検出緩衝液を噴霧( 前記のように)して直ちにフィルムに露光した。5分間感光した後、ポルフィリ ン標識DNAサイズマーカーのラダーが観察され、これはエチジウムブロミドで 染色した後に観察されたものと同一であった。実施例22 チェインターミネーション ポルフィリンジデオキシヌクレオチド(ポルフィリン−12−ddUTP)を 次の様式でのチェインターミネーターとしての有用性について検査した: 800ng(4μL)のM−13・DNAを次のSequenaseTMプロト コールに従って、ユニバーサルな〜20プライマー(10ng)およびSequ enaseTM緩衝液および標識混合物(United・States・Bioc hemicals社)を使用して鎖終結した。ポルフィリン−12−ddUTP を用いるチェインターミネーションを証明するために、終結混合物をdGTP、 dCTPおよびdATP(各80μM)で50mM−NaClおよびddTTP (対照として、8μM)、またはポルフィリン−12−ddUTPで20μM、 80μM、または160μMのいずれかの濃度で製造した。全ての試料について 標識および終結段階は製造社のプロトコールに従って、α33P−dATPを標識 段階の間に取込ませて実施した。試料は6%変性ポリアクリルアミドゲル上で電 気泳動した。20μM−ポルフィリン−12−ddUTPを含有する試料はポル フィリン−12−ddUTPを含まない対照と類似のパターンのバンド構成を示 した。参考のための引用 引用した特許、特許出願および刊行物は参考のために本明細書に引用したもの である。均等物 前記明細書は当業者が本発明を実施するに十分と考える。事実、前記の種々の 修正は分子生物学またはその関連分野の当業者に本発明の実施を可能とするもの であって、以下に記載する請求項の範囲内にあるとの意図である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C07H 21/04 C07H 21/04 B C12Q 1/68 C12Q 1/68 A G01N 33/58 G01N 33/58 A // C12N 15/09 C12N 15/00 A (72)発明者 アンダーソン,ジャック・ディ アメリカ合衆国92054カリフォルニア州 オーシャンサイド、マクドナルド・ストリ ート 2959番 (72)発明者 ファン,ハオキアン アメリカ合衆国92128カリフォルニア州 サンディエゴ、ブライアーデイル・ウェイ 12338番

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.式: ポルフィリン−リンカー−塩基−糖−(phos)n−OH [式中、nは0から5までであり、 phosはホスフェート、ホスホロチオエート、ホスホネート、および式: (−Y−P(=X)(−OH)−) (式中、XはOまたはSであり、YはO、S、CH2−、CF2−およびNH−か ら構成される群から選択される) によって示される構造から構成される群から選択される] で示される化合物。 2.糖がリボース、デオキシリボース、2',3'−ジデオキシリボース、炭素環 リボース類縁体、リボースの非環状類縁体、およびリボースのヘテロ環状類縁体 から構成される群から選択される請求項1の化合物。 3.化合物がヌクレオチドである請求項2の化合物。 4.塩基部分がアデニン、チミン、ウラシル、グアニン、シトシン、またはそれ らに機能的に同等なヘテロ環類縁体から構成される群から選択される請求項3の 化合物。 5.ヘテロ環状類縁体がアザプリン、アザピリミジン、デアザプリン、デアザピ リミジン、酸素ヘテロ原子を含むプリン類縁体、硫黄ヘテロ原子を含むプリン類 縁体、酸素ヘテロ原子を含むピリミジン類縁体、および硫黄ヘテロ原子を含むピ リミジン類縁体から構成される群から選択される請求項4の化合物。 6.リンカー骨格が1〜50原子の間の長さを持つ請求項2の化合物。 7.化合物が Mn−テトラキス(カルボキシフェニル)ポルフィリン−12−dUTP、 Mn−トリス(スルホナトフェニル)カルボキシフェニルポルフィリン−12− dUTP、 Mn−トリス(スルホナトフェニル)カルボキシフェニルポルフィリン−24− dUTP、 Mn−トリス(スルホナトフェニル)カルボキシフェニルポルフィリン−12− ddUTP、 Mn−トリス(スルホナトフェニル)カルボキシフェニルポルフィリン−24− ddUTP、および Mn−トリス(スルホナトフェニル)カルボキシフェニルポルフィリン−12− dCTP から構成される群から選択される請求項3の化合物。 8.請求項1の化合物の式を有する部分を含む構造を持つポルフィリン標識した ポリヌクレオチド。 9.請求項2の構造を有する部分を含む構造を持つポルフィリン標識したポリヌ クレオチド。 10.請求項3の構造を有する部分を含む構造を持つポルフィリン標識したポリ ヌクレオチド。 11.請求項4の構造を有する部分を含む構造を持つポルフィリン標識したポリ ヌクレオチド。 12.目的とするポリヌクレオチドを検出する方法であって、請求項8のポルフ ィリン標識したポリヌクレオチドをポルフィリン検出試薬と混合することを含ん でなる方法。 13.目的とするポリヌクレオチドを検出する方法であって、 a)請求項8のポルフィリン標識したポリヌクレオチドであって、目的とするポ リヌクレオチドと相同的な配列領域を少なくとも1つ有しているポルフィリン標 識したポリヌクレオチドと、目的とするポリヌクレオチドを含むと推測される成 分とを混合し、二本鎖を形成する工程、 b)ポルフィリン標識したポリヌクレオチドをポルフィリン検出試薬を含む溶 液と反応生成物が形成されるような条件下に接触する工程、 c)反応生成物を検出する工程、 を含んでなる方法。 14.ポルフィリン検出試薬が化学発光反応の基質である請求項12の方法。 15.ポルフィリン検出試薬が化学発光反応の基質である請求項13の方法。 16.ポルフィリン検出試薬が呈色反応の基質である請求項12の方法。 17.ポルフィリン検出試薬が呈色反応の基質である請求項13の方法。 18.さらに反応生成物の検出を強化することのできる試薬を少なくとも1種添 加する工程を含む請求項12の方法。 19.さらに反応生成物の検出を強化することのできる試薬を少なくとも1種添 加する工程を含む請求項13の方法。 20.目的とするポリヌクレオチドを検出する方法であって、 a)ポリヌクレオチドプライマーを検出すべきポリヌクレオチド配列にハイブリ ダイズさせる工程、 b)請求項3のポルフィリン標識したヌクレオチドを混合する工程、 c)該プライマーから開始するポルフィリン標識したポリヌクレオチドの合成を 行う工程、および d)ポルフィリン標識したポリヌクレオチドを検出する工程 を含んでなる方法。 21.目的とするポリヌクレオチドを検出する方法であって、 a)請求項8のプライマーポリヌクレオチドを検出すべきポリヌクレオチド配列 にハイブダイズさせる工程、 b)ヌクレオチドと混合する工程、 c)該プライマーから開始するポルフィリン標識したポリヌクレオチドの合成を 行う工程、および d)ポルフィリン標識したポリヌクレオチドを検出する工程、 を含んでなる方法。 22.ヌクレオチドがポルフィリン標識したヌクレオチドである請求項21の方 法。 23.ポルフィリン標識したヌクレオチドを生産するためのキットであって、請 求項3の化合物とポリヌクレオチドポリメラーゼ活性を有する酵素とを含んでな るキット。 24.目的とするポリヌクレオチドを検出するためのキットであって、請求項8 のポリヌクレオチドとポルフィリン検出試薬とを含んでなるキット。
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