JPH10509229A - 内燃機関用の燃料噴射系 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 燃料高圧アキュムレータ（６）が設けられている、内燃機関用の燃料噴射系が提案されており、この燃料高圧アキュムレータからは噴射弁に燃料が電気的に制御されて供給される。高圧アキュムレータに漏れが存在する場合に生じる被害を小さくするために、この高圧アキュムレータはカバーで覆われていて、このカバーによって、流出する漏れ燃料を捕集することが可能である。

Description

【発明の詳細な説明】 内燃機関用の燃料噴射系 背景技術 本発明は請求項１の上位概念に記載の内燃機関用の燃料噴射系に関する。この ような燃料噴射系はドイツ連邦共和国特許公開第４３１８０７８号明細書によっ て公知である。 このような形式の燃料噴射系の場合、１０００バールをはるかに超える高い圧 力が高圧アキュムレータ内に生じる。このような高圧アキュムレータは更に圧力 導管のための接続箇所および燃料供給部のための接続箇所を備えているので、漏 れの生じる危険性がある。漏れ箇所は通常、極めて小さな横断面を有しており、 この横断面は、高圧アキュムレータ内に高い燃料圧が存在している場合に、燃料 噴射ノズル自体において生じるような、ほとんど見えない細い線状の燃料の噴出 を起こさせる。このような燃料噴流は相当の運動エネルギーを有しており、破壊 的であり得る。また、特にこのような燃料高圧アキュムレータの近くで作業をし ている人間に危険を及ぼすこともある。 発明の利点 公知の燃料噴射系とは異なり本発明による燃料噴射系には次のような利点があ る。すなわち本発明による 燃料噴射系では、流出する燃料がカバーによって捕集され、次いで排出されるこ とができるようになっているので、上記のような被害が生じることはない。有利 には、請求項３記載のようにカバーがネット状に形成されたカバーから成ってお り、このカバーは最高度の柔軟性と耐久性とを兼ね備えていて、更に、被害を及 ぼす燃料噴流の流出を確実に防止する。特に有利には請求項５記載のように、流 出する燃料のために捕集装置が設けられており、燃料は有利には、請求項６記載 のように液面高さ測定装置によって監視されることが可能である。以上のことに より、高圧アキュムレータからの燃料流出の際に生じる危険が回避されるばかり でなく、燃料が長い時間制御されずに流出することも回避される。特に簡単な方 法としては、高圧アキュムレータが、既に内燃機関に設けられていてガス交換弁 駆動装置を外側に向かって閉鎖しているシリンダヘッドカバーの中に設置される ことが挙げられる。このシリンダヘッドカバーは、一方では被害を防止するため に役立ち、かつ他方では、オイル戻し部を介して内燃機関のオイル収集容器に戻 される潤滑油を捕集するためにも役立つ。そしてオイル収集容器は同時に高圧ア キュムレータから流出する漏れ燃料を受け入れるためにも働く。オイル収集容器 内に液面高さ測定装置が設けられていることも、特に次の点において有利である 。つまり、内燃機関の潤滑油が燃料によって過度に希 薄化することはなく、このような希薄化が始まると素早く表示され、かつ／また は場合によっては過度の希薄化は制御されて自動的に回避される。 図面 次に図面に示された本発明の３つの実施例を参照して本発明を詳しく説明する 。 第１図は、請求項１の上位概念に記載の燃料噴射系を示す概略図、第２図は、 燃料噴射系の高圧アキュムレータに設けられたカバーの本発明による第１の発明 の構成を示す図、第３図は、金属薄板から成る実質的に閉鎖されている周壁を備 えた高圧アキュムレータのカバーの第２実施例を示す図、第４図は、本発明の第 ３実施例を示す図であって、シリンダヘッドカバー内に設けられた高圧アキュム レータを示す概略図である。 実施例の記載 第１図には燃料噴射システムが略示されており、この燃料噴射系は燃料貯え容 器１を有しており、この燃料貯え容器１から吸入導管２を介して高圧フィードポ ンプ３が燃料を吸い込み、圧力導管４を介して高圧下で燃料高圧アキュムレータ ６に圧送する。 この燃料高圧アキュムレータ内の燃料圧は圧力センサ７によって監視され、圧 力センサ７によって検出された値は制御装置９において目標値と比較される。検 出された値が目標値と異なる場合には、調圧装置１０ が制御され、例えば、燃料高圧アキュムレータ６の放圧導管１１内に配置されて いる調節可能な弁を介して、過剰な燃料は再びタンクの中に戻される。 規定通りに燃料高圧アキュムレータからは複数の燃料噴射弁１２に圧力導管１ ４を介して燃料が供給される。これらの燃料噴射弁を介した燃料の噴射時期およ び噴射時間は、例えば電磁弁により電気的に制御され、この電磁弁は、例えば回 転数や負荷に基づく要求に応じて、制御装置９により制御される。 このような燃料噴射系用の公知の高圧アキュムレータにおいては、安全処置、 つまり燃料高圧アキュムレータに漏れが存在する場合にこの漏れを表示したり、 または制御して燃料噴射系に影響を及ぼして、例えば燃料噴射系を停止させたり 、緊急運転に出力を減じるような安全処置が施されていない。これに対して第２ 図に示されている本発明の実施例にはこのような安全装置が設けられている。第 ２図に示された実施例には再度高圧アキュムレータ６が示されている。この高圧 アキュムレータ６の周りには本発明の第１実施例においてはカバーが配置されて おり、このカバーは目の細かいスチールネット１５から成っている。択一的にこ のカバーは、他の方法から成るネット状の構造体、例えばエキスパンドメタルに おいて可能であるような、スリットを備えた金属薄板で、構成することも可能で ある。 ネット状のカバー１５は、有利には機械的に抵抗力のある材料、特に金属で構 成されていて、燃料高圧アキュムレータを全体的に覆っている。しかしこのカバ ーはプラスチックまたはガラス/炭素繊維材料から成ることも可能であり、この ような材料は流出する燃料に対して高い安定性を備えている。しかしながらまた カバーは次のような範囲、すなわち燃料高圧アキュムレータと燃料噴射系のその 他の部分との間において、特に取り外し可能な結合部が設けられている範囲だけ を、取り囲むように制限されていてもよい。このカバーにより、漏れ箇所におい て、高圧のため高い運動エネルギーをもって噴射ノズルの噴流のように細い線状 で噴出する燃料が、被害を及ぼすことが回避される。このカバーによって、漏れ 箇所において噴出する燃料が高圧に基づく高い運動エネルギーをもって、噴射ノ ズルの噴流のように細い線状で噴出して被害を及ぼすことはなくなる。この噴流 はカバーによって受けとめられたり、若しくは屈折させられたりする。従って特 に高圧アキュムレータの近くで作業する人間に危険が及ぶことはない。スチール ネットの形をとるカバーのネット状の構造に基づいて、このカバーは非常に柔軟 性に富み、幾何学的な形に最も良く適応可能である。それにもかかわらず、この ようなスチールネットまたは択一的なその他の構成のものには、漏れ燃料が最終 的にカバーから漏れて捕集装置において受け止められ るという可能性がある。捕集装置の中では液面高さが形成可能であり、この液面 高さは同様に液面高さ測定装置１７によって検出可能で、この検出値は制御装置 １８に送られ、この制御装置１８により表示装置１９が制御されたり、または燃 料噴射系に影響を及ぼす制御信号が制御装置９に送られる。このような信号によ り燃料噴射系は、次のように影響され得る。すなわち場合によっては燃料噴射系 が停止させられ、そしてこの際に高圧フィードポンプ３が遮断されたり、場合に よってはそれでもなお高圧アキュムレータ６中の圧力が高いときは、確実な緊急 運転を維持するために、この圧力が調圧装置１０を介して低い値に下げられる。 または、高圧アキュムレータの圧力が完全に下げられて、噴射弁の働きが０にさ せられることもある。最終的には、一定の燃料供給がある場合にも、燃料噴射弁 の一部のみが制御され得るということも考えられる。高圧フィードポンプ３の遮 断は、この高圧フィードポンプ３とその駆動装置２６との間に、例えば制御装置 １８によって電気的に切り換え可能なクラッチ２７が設けられていることによっ て、行うこともできる。このクラッチは上述の漏れが生じた場合のみならず、燃 料噴射系のその他の欠陥機能、例えば内燃機関の欠陥運転の場合にも切り換えら れ、または高圧アキュムレータ中の圧力の低下が要求される、特別な運転状況の 場合にもクラッチが切り換えられる。高圧フィードポ ンプの遮断はテストサイクルを用いて検査することができる。 第３図には本発明の変化実施例が示されており、この第３図に示された構成で は、燃料高圧アキュムレータは燃料用の排出部２１だけを有する閉鎖されたカバ ーで覆われている。ここにもまた同様に第２図で示された様な捕集装置１６が設 けられている。この構成によって、高圧アキュムレータの周囲が、漏れが生じた 場合にも燃料による衝撃を受けることはないということが保証される。 第４図に示された構成では、高圧アキュムレータ６が既に内燃機関に設けられ ている空間内に設置されている。この場合燃料高圧アキュムレータ６は内燃機関 のシリンダヘッドカバー２３の下に配置されており、このシリンダヘッドカバー ２３は通常、ガス交換弁駆動装置を外側に向かって閉鎖して、このガス交換弁駆 動装置を汚れから保護し、最終的には、駆動装置を潤滑するオイルを戻し導管２ ４を介して内燃機関のオイル収集容器２５に供給する。このオイル戻し部を介し て漏れ燃料も排出されることが可能である。このことによって、オイルの品質が 、要求されるものよりも低下しないように、ひいては、最終的に燃料高圧アキュ ムレータにおいて生じる漏れをも検出可能になるように、第２図と同じように働 く液面高さ測定装置１７が同様に設けられている。 本発明による構成によって、燃料噴射系の燃料高圧アキュムレータにおける漏 れ損失に基づいて発生する被害を確実に回避することができ、かつこのことを、 適切な対抗処置を施すために、適正時期に検出することができる装置が得られる 。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ベルンハルト ブロンカル ドイツ連邦共和国 73257 ケーンゲン マッティアス−グリューネヴァルト−シュ トラーセ １ (72)発明者 ノルベルト クナープ ドイツ連邦共和国 77767 アッペンヴァ イアー ハウプトシュトラーセ 10アー (72)発明者 マルティン グロッサー ドイツ連邦共和国 70825 コルンタール −ミュンヒンゲン シュテッティナー シ ュトラーセ 37 (72)発明者 アンドレアス ヴェルナー ドイツ連邦共和国 73262 ライヒェンバ ッハ ヴァインベルクシュトラーセ 54 (72)発明者 ベルント シュピールマン ドイツ連邦共和国 74379 インゲルスハ イム マルクトシュトラーセ ９／１ (72)発明者 ライナー エッティンガー ドイツ連邦共和国 75446 ヴィールンス ハイム シェッフェルシュトラーセ 11 (72)発明者 ペーター シューベルト ドイツ連邦共和国 74211 ラインガルテ ン ハイルブロナー シュトラーセ １ (72)発明者 クラウス シェーラー ドイツ連邦共和国 70839 ゲルリンゲン フリードリッヒ−シャッフェルト−シュ トラーセ 21

Claims (1)

1. 【特許請求の範囲】 １．内燃機関用の燃料噴射系であって、燃料を燃料高圧アキュムレータ（６）に 搬送する高圧フィードポンプ（３）を備えており、燃料高圧アキュムレータ（６ ）から複数の燃料噴射弁（１２）に圧力導管（１４）を介して、電気制御式の弁 によって制御されて、燃料が供給される形式のものにおいて、高圧アキュムレー タ（６）が、該高圧アキュムレータを少なくとも部分的に覆うカバー（１５，２ ０，２６）の形をした漏れ燃料捕集装置を有していることを特徴とする、内燃機 関用の燃料噴射系。 ２．カバーが、漏れ燃料のための少なくとも１つの流出口（２１，２４）を有し ている、請求項１記載の燃料噴射系。 ３．カバーがプラスチックまたはガラス繊維から成っている、請求項２記載の燃 料噴射系。 ４．カバーがネット状に形成された金属から成っている、請求項２記載の燃料噴 射系。 ５．カバーがスチールネット（１５）である、請求項４記載の燃料噴射系。 ６．カバー（１５）の下方に、カバーから流出する燃料を捕集するために働きか つ燃料戻し部を備えた捕集装置（１６，２５）が配置されている、請求項２から ５までのいずれか１項記載の燃料噴射系。 ７．捕集装置（１６，２５）が、規定された液面高さに達した時に制御信号を発 する液面高さ測定装置（１７）を有しており、この制御信号によって表示装置（ １９）または制御装置（９）が制御可能である、請求項５記載の燃料噴射系。 ８．カバーが内燃機関のシリンダヘッドカバー（２３）によって形成されており 、漏れ燃料がガス交換弁駆動装置のオイル戻し導管（２４）を介して、内燃機関 のオイル収集容器（２５）に排出される、請求項２記載の燃料噴射系。 ９．オイル収集容器（２５）に液面高さ測定装置（１７）が設けられており、こ の液面高さ測定装置（１７）によってオイル収集容器（２５）中の液面の上昇が 検出可能であり、規定された液面高さに達した時に、液面高さ測定装置（１７） により表示装置（１９）または制御装置（９）が制御可能である、請求項８記載 の燃料噴射系。 10．カバーが全体を覆うカバーである、請求項１から９までのいずれか１項記載 の、燃料噴射系。 11．駆動装置（２６）によって駆動される高圧フィードポンプ（３）が設けられ ていて、この高圧フィードポンプ（３）が燃料を燃料高圧アキュムレータ（６） に搬送しており、この燃料高圧アキュムレータ（６）から制御装置（９）によっ て電気的に制御される少なくとも１つの燃料噴射弁（１２）に圧力導 管（１４）を介して燃料が供給されるようになっており、規定された運転状況や 燃料噴射系の高圧を導く部分の漏れまたは内燃機関の欠陥運転のような燃料噴射 系の欠陥機能を検出する装置（１８）が設けられており、この装置（１８）によ って高圧フィードポンプ（３）と駆動装置（２６）との間にある電気的に切り換 え可能なクラッチ（２７）が、高圧フィードポンプ（３）と駆動装置（２６）と を遮断するために切り換え可能である、請求項１から１０までのいずれか１項記 載の燃料噴射系。