JP2021152357A - 圧縮天然ガス自動車 - Google Patents

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克昌 倉地
Katsumasa Kurachi
克昌 倉地
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Abstract

【課題】走行中においても、圧縮天然ガスタンク内のオイルの排出が可能となり、レギュレータの作動不良や燃料の噴射ノズル先端詰まりを未然に防止することができる圧縮天然ガス自動車を提供する。【解決手段】 圧縮天然ガスを燃料としたエンジンで動力を得る圧縮天然ガス自動車であって、圧縮天然ガスを貯蔵する圧縮天然ガスタンク11と、圧縮天然ガスタンク11内に貯留する液体量を測定する液量測定部とを備え、圧縮天然ガスタンク11は、液量測定部により測定された液量が所定以上の際に、圧縮天然ガスタンク11内の液体を排出する液体排出部21,22,23を備え、液体排出部21はブローバイガス戻し経路20に連通されていることを特徴とする。【選択図】図1

Description

本発明は、圧縮天然ガス自動車に関する。
近年、圧縮天然ガス(CNG)を車両用燃料として用いた自動車の普及が始まっている。天然ガスは、天然ガス供給装置でコンプレッサによって圧縮した状態で圧縮天然ガスタンク内に蓄圧され、運転時に前記圧縮天然ガスタンクから取り出し、レギュレータにより減圧して燃料として使用される。天然ガスを高圧で充填する際に、供給装置のコンプレッサ等を構成するピストンリングや軸受部材から潤滑オイル等のオイルが漏れだしてしまい、漏れたオイルは圧縮天然ガスタンク内に流入して徐々に内部で堆積されてしまうことがある。オイルが燃料ガスの中に混入すると、レギュレータの作動不良や燃料の噴射ノズルの詰まりの原因となるおそれがあるため、オイルの除去の必要がある。圧縮天然ガスタンク内に堆積したオイルは、フィルタを設けて除去を行ったり、定期的に圧縮天然ガスタンクを車から外して中のオイルを外に排出している。フィルタによる除去を行う場合には、定期的にフィルタを交換する手間がかかり、また、フィルタが詰まった場合に流量低下が発生するという課題がある。圧縮天然ガスタンクを車から外す場合には、タンクを外すのに相当な手間がかかってしまうという課題がある。そこで、圧縮天然ガスタンク内の液体を、圧縮天然ガスタンクの外部に容易に排出することができる液体排出装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開平10−54304号公報
しかし、上記技術においては、手間は比較的かからないもの、例えば、圧縮天然ガスタンク内のオイル量を検知するための液体検出用センサ(油面計)が必要である。また、走行中にオイルの排出を行うことは困難であり、さらに、圧縮天然ガスタンク内のオイルを排出させる際に、圧縮天然ガスが大気開放されるので環境保護の観点からは好ましくないという問題がある。
本発明は上記問題点を解決するものであり、油面計等を用いることなく、走行中においても、圧縮天然ガスタンク内のオイルの排出が可能となり、レギュレータの作動不良や燃料の噴射ノズル先端詰まりを未然に防止することができる圧縮天然ガス自動車を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、本発明の圧縮天然ガス自動車は、圧縮天然ガスを燃料としたエンジンで動力を得る圧縮天然ガス自動車であって、前記圧縮天然ガスを貯蔵する圧縮天然ガスタンクと、前記圧縮天然ガスタンク内に貯留する液体量を測定する液量測定部とを備え、前記圧縮天然ガスタンクは、前記液量測定部により測定された液量が所定以上の際に、前記圧縮天然ガスタンク内の液体を排出する液体排出部を備え、前記液体排出部はブローバイガス戻し経路に連通されていることを特徴とする。
また、本発明の圧縮天然ガス自動車において、前記エンジンに燃料を供給するガスインジェクタを備え、前記ガスインジェクタから供給される前記圧縮天然ガスの流量であるインジェクタ流量を検出し、前記液量測定部は、前記インジェクタ流量から導出される補正値が予め定めた閾値以上になったときに、前記液体排出部のドレンを作動させることが好ましい。
本発明によれば、油面計等を用いなくとも、走行中においても、圧縮天然ガスタンク内のオイルの排出が可能となり、レギュレータの作動不良や燃料の噴射ノズル先端詰まりを未然に防止することができる圧縮天然ガス自動車を提供することができる。
図1は、本発明の一実施形態の圧縮天然ガス自動車における燃料供給装置の概略構成を示す図である。 図2は、閾値の判定スキームを説明する図である。図2(A)は、ガスインジェクタ13先端のデポジット堆積量とインジェクタ流量との関係を示すグラフである。図2(B)は、インジェクタ流量とインジェクタ通電時間との関係を示すグラフである。図2(C)は、圧縮天然ガスタンク11内に貯留するオイル量とガスインジェクタ13先端のデポジット堆積量との関係を示すグラフである。
以下、この発明の実施の形態を、図面を参照しながら説明する。ただし、本発明は、以下の例に限定および制限されない。なお、以下で参照する図面は、模式的に記載されたものであり、図面に描画された物体の寸法の比率などは、現実の物体の寸法の比率などとは異なる場合がある。図面相互間においても、物体の寸法比率等が異なる場合がある。
図1に、本発明の一実施形態に係る圧縮天然ガス自動車における燃料供給装置1の概略構成を示す。圧縮天然ガスタンク11内には、天然ガスが高圧(例えば、約20MPa)で圧縮された状態で封入される。天然ガスは、充填口11Aから充填される。圧縮天然ガスタンク11は、エンジン(内燃機関)12内の各気筒内に燃料を噴射するガスインジェクタ13に接続するデリバリーパイプ14を備えている。デリバリーパイプ14上には、デリバリーパイプ14を開閉する遮断弁15、レギュレータ16などが設置される。レギュレータ16で、ガス圧を例えば約0.5MPaまで落として、ガスインジェクタ13に燃料ガスを供給する。
エンジン(内燃機関)12内の各気筒は、気筒内に空気を供給するインテークマニホールド17を有する。インテークマニホールド17の上流には、エアクリーナ18、スロットルバルブ19が、上流からこの順序に配置される。空気はエアクリーナ18から入り、スロットルバルブ19で空気量を調整する。エンジン12で発生するブローバイガスは、ブローバイガス戻し経路20から、エアクリーナ18の下流の空気の供給経路に戻される。ブローバイガスは、エンジンから漏洩する燃焼ガスや未燃焼ガスである。
圧縮天然ガスタンク11の底部には、コンプレッサオイル等のオイルが溜まる。本発明においては、圧縮天然ガスタンク11内に溜まった液量が所定量以上となると、圧縮天然ガスタンク11内から液体を排出する液体排出部を備えている。液体排出部は、例えば、液体排出用パイプ21、減圧弁22およびソレノイド式ドレン23を備える。本実施形態では、液体排出部を構成する液体排出用パイプ21は、ブローバイガス戻し経路20と連通されており、エアクリーナ18の下流の空気の供給経路に接続されている。
本実施形態においては、自動車の運転中であっても、減圧弁22を調整して減圧したうえで、ソレノイド式ドレン23を開放して、オイルを圧縮天然ガスタンク11内から排出させることができる。取り出されたオイルは空気の供給経路からエンジン12内に供給されて、エンジン12内で燃焼させることができる。オイル取出しに際しては、圧縮天然ガスタンク11を大気開放する必要がなく、天然ガスの放出を抑えることができる。排出するオイルには天然ガスも含まれるが、ブローバイガス戻し経路20に排出することで、フィルタの交換や定期的に車両からタンクを外すことなく、自動的にオイルの排出が可能となり、レギュレータの作動不良や、ガスインジェクタのノズル先端詰まりを未然に防止することができる。また取出されたオイルも、燃料として、自動車外部に取り出すことなく有効活用することができる。
圧縮天然ガスタンク11内に貯留する液体量の測定は、液量測定部として油面計や他のセンサ等を用いて行ってもよいが、例えば以下の方法でセンサ等を用いず行うこともできる。
本実施形態においては、液量測定部として、エンジン12に燃料を供給するガスインジェクタ13の流量を検出する手段を用いることができる。圧縮天然ガスタンク11内に貯留するオイル量の推定は、オイルがガスインジェクタ13のノズル先端に堆積するとデポジットとなり、流量低下を起こすことを利用する。
圧縮天然ガスタンク11内に貯留するオイル量が多くなると、ガスインジェクタ13に供給させる天然ガスに混入するオイル量が増える。ガスインジェクタ13のノズル先端にオイルが存在すると、加熱によりオイルが蒸し焼き状態となり、ノズルにデポジットと呼ばれる堆積が生じる。このデポジットにより、ノズルの先端に詰まりが発生して孔が小さくなると、ガスインジェクタ13への通電時間が同じであっても、流量が低下する。そこで、前記流量が低下すれば、圧縮天然ガスタンク11内に貯留するオイル量が多くなったと判定できる。
閾値の判定スキームの一例を図2に示す。図2(A)は、ガスインジェクタ13先端のデポジット堆積量とインジェクタ流量との関係を示すグラフである。図2(B)は、インジェクタ流量とインジェクタ通電時間との関係を示すグラフである。図2(C)は、圧縮天然ガスタンク11内に貯留するオイル量とガスインジェクタ13先端のデポジット堆積量との関係を示すグラフである。
図2(A)を参照して、ガスインジェクタ13先端のデポジット堆積量が増加すると、ノズル径が縮小することによって、インジェクタ流量が減少する。図2(B)において、破線は、通常時(デポジットがない状態)のノズルでのインジェクタ流量とインジェクタ通電時間との関係を示す。実線は、デポジットが生じているある状態でのノズルでのインジェクタ流量とインジェクタ通電時間との関係を示す。インジェクタは、通電している間はノズルが開くので、流量を大きくするためには、通電時間を長くすることになる。図2(B)では、デポジットが生じている状態のノズルで、通常時と同じインジェクタ流量を得るためには、インジェクタ通電時間を長くしなければならないことを説明している。このとき、図中矢印で示す通常時とデポジット堆積時との通電時間差を調整する値を「補正値」とする。
また、図2(C)を参照して、圧縮天然ガスタンク11内に貯留するオイル量が増加すると、ガスインジェクタ13先端のデポジット堆積量が増加するという関係がある。そこで、図2(B)に示す補正値が、ある閾値以上になったときには、油量計等を用いることなく圧縮天然ガスタンク11内に貯留するオイル量が、排出が必要な程度に達したと判定して、ソレノイド式ドレン23(液体排出部)を作動させる。このように、インジェクタ流量すなわちインジェクタ通電時間の補正量を検出することによって、ノズルの詰まり度合からオイルが圧縮天然ガスタンク11内に溜まったとみなして制御することができる。
この補正値は、エンジン12に圧縮天然ガスを噴射するガスインジェクタ13の流量とインジェクタの通電時間との関係から導出される補正値である。上記に示したグラフのように、事前にインジェクター流量と圧縮天然ガスタンク内の液量との関係をマッピングしておき、それを用いて補正値の閾値をあらかじめ決定しておけばよい。本実施形態においては、ガスインジェクタ13の流量およびインジェクタの通電時間をモニタする手段が、液量測定部である。閾値以上になったら、液体排出部のソレノイド式ドレン23を自動的に作動するような制御をおこなってもよい。
なお、補正値および閾値の判定、閾値以上になっているか否かの判定は、エンジン回転が一定であり、点火時期も一定であるアイドリング時に行うことが好ましい。ガスインジェクタの個体差を吸収させるためには、完全暖気後かつアイドル学習後に、閾値を決定することが好ましい。
1…燃料供給装置
11…圧縮天然ガスタンク
11A…充填口
12…エンジン(内燃機関)
13…ガスインジェクタ
14…デリバリーパイプ
15…遮断弁
16…レギュレータ
17…インテークマニホールド
18…エアクリーナ
19…スロットルバルブ
20…ブローバイガス戻し経路
21…液体排出用パイプ
22…減圧弁
23…ソレノイド式ドレン

Claims (2)

  1. 圧縮天然ガスを燃料としたエンジンで動力を得る圧縮天然ガス自動車であって、
    前記圧縮天然ガスを貯蔵する圧縮天然ガスタンクと、
    前記圧縮天然ガスタンク内に貯留する液体量を測定する液量測定部とを備え、
    前記圧縮天然ガスタンクは、前記液量測定部により測定された液量が所定以上の際に、前記圧縮天然ガスタンク内の液体を排出する液体排出部を備え、
    前記液体排出部はブローバイガス戻し経路に連通されていることを特徴とする、圧縮天然ガス自動車。
  2. 前記エンジンに燃料を供給するガスインジェクタを備え、
    前記ガスインジェクタから供給される前記圧縮天然ガスの流量であるインジェクタ流量を検出し、
    前記液量測定部は、前記インジェクタ流量から導出される補正値が予め定めた閾値以上になったときに、前記液体排出部のドレンを作動させる、請求項1記載の圧縮天然ガス自動車。
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