JPH10509174A - N−置換デヒドロアミノ酸エステルの効率良い製造法 - Google Patents

N−置換デヒドロアミノ酸エステルの効率良い製造法

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JPH10509174A
JPH10509174A JP8516953A JP51695396A JPH10509174A JP H10509174 A JPH10509174 A JP H10509174A JP 8516953 A JP8516953 A JP 8516953A JP 51695396 A JP51695396 A JP 51695396A JP H10509174 A JPH10509174 A JP H10509174A
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JP8516953A
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ウイリアム・アロイシウス ヌジエント,
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イー・アイ・デユポン・ドウ・ヌムール・アンド・カンパニー
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C07ORGANIC CHEMISTRY
    • C07CACYCLIC OR CARBOCYCLIC COMPOUNDS
    • C07C231/00Preparation of carboxylic acid amides
    • C07C231/14Preparation of carboxylic acid amides by formation of carboxamide groups together with reactions not involving the carboxamide groups

Abstract

(57)【要約】 β−ヒドロキシ−α−アミノ酸エステル又はN−若しくはO−置換β−ヒドロキシ−α−アミノ酸エステルを過剰の無水酢酸及び塩基と接触させることにより、N−置換デヒドロアミノ酸エステルを製造する方法を開示する。

Description

【発明の詳細な説明】 N−置換デヒドロアミノ酸エステルの効率良い製造法 発明の分野 本発明は、β−ヒドロキシ−α−アミノ酸エステル又はN−若しくはO−置換 β−ヒドロキシ−α−アミノ酸エステルの脱水反応によるN−置換デヒドロアミ ノ酸エステルの製造に関する。 発明の背景 デヒドロ−α−アミノ酸は、不斉水素化技術を用いて、自然には存在しないD −α−アミノ酸や非蛋白質由来のα−アミノ酸を合成する上での重要な中間体で ある。このようなアミノ酸は、製薬、農薬、及び香味料・香料工業において、ま すます重要な中間体となっている。例えば、アミノ酸のD−アラニンは、人工甘 味料アリターム(alitame)の成分であり、非蛋白質由来の2−アミノブ チル酸は、抗結核薬エタムブトール(etambutol)の成分である。既存 の不斉水素化反応触媒によれば、単一のエナンチオマーに対して極めて高い選択 性をもってこれらのα−アミノ酸を合成することができる。例えば、キラルなホ スフォラン配位子を有するロジウム触媒を用いることにより、アラニンのL−又 はD−異性体若しくは2−アミノブチル酸が対応するデヒドロアミノ酸から99 %を超えるエナンチオマー透過率(e.e.)で製造される。 デヒドロフェニルアラニンのような芳香族デヒドロアミノ酸誘導体は、「エル レンマイヤー合成法」により安価に合成されうるものの、脂肪族類似体は、製造 がより難しい。現在まで考案されているいくつかの方法 のなかでは、対応するβ−ヒドロキシ−α−アミノ酸エステルの脱水が最も実際 的である。このような合成法は、他の合成法において必要とされるアジ化物,次 亜塩素酸t−ブチル、ピルビン酸又はシステイン誘導体などの高価で有害な試薬 の使用を回避することができる。この方法は、必要とされるβ−ヒドロキシ−α −アミノ酸が安価に入手できるときには、特に魅力的である。更に出発物質であ るヒドロキシアミノ酸は、鏡像異性体に関し(enantiomericall y)純粋である必要がない。例えば、容易に入手可能なDL−セリンは、デヒド ロアラニンに変換可能であるし、トレオニンは2−アミノブチル酸の前駆体とな る。 β−ヒドロキシ−α−アミノ酸を脱水する既存の方法としては、二つの範ちゅ うがあり、具体的には、段階的工程と直接脱水手法である。段階的工程では、し ばしば、水酸基は、より遊離しやすい離脱基、代表的にはp−トルエンスルフォ ン酸基に先ず変換される。あるいは、この目的のために、水酸基は、O−ジフェ ニルホスフォリル化される。両方法共に、湿度に敏感な誘導体化試薬を用いる。 別の段階的工程では、アミンを環状ジアミドに変換することによりアミン官能基 を活性化し、次いで酸性触媒である硫酸水素カリウムを用いた脱水反応を行うも のである。 A.G.Brown及びT.C.Smale、 J. Chem. Soc., Perkin Trans, 1, 65 (1972)。これらのすべての 段階的工程は、反応性中間体の単離及び精製を含むために、本質的に効率が悪い 。 ほとんどの直接脱水方法は、塩化ジイソプロピルカルボジイミド/銅(I)、 N,N’−カルボニルジイミダゾール又はDAST(三フッ化ジエチルアミノ硫 黄)などの高価な試薬を使用する。他の方法では、比 較的安価なクロロリン酸ジエチルを用いるが、脱離を行なうために有害で(発火 性の)塩基である水素化ナトリウムを更に必要とする。 このように、容易に入手でき、安価であって、有害でない試薬を用いる改良さ れた単一脱水工程が必要である。本発明は、そのような工程を提供する。 発明の概略 本発明は、N−置換デヒドロアミノ酸エステルの製造法であって、式Iのβ− ヒドロキシ−α−アミノ酸エステル又はN−若しくはO−置換β−ヒドロキシ− α−アミノ酸エステル 56又はCNで置換されていてもよいC3−C20アルキル、C1−C20シクロアル キル、C6−C14アーリル、C7−C20アラルキル又はC7−C20アルキルアリー ルであり、ここで、R5及びR6は、それぞれ独立してC1−C6アルキル又はC6 −C14アリールであり、 で置換されていてもよいC1−C20アルキル、C3−C20シクロアルキル、C6− C14アリール、C7−C20アラルキル又はC7−C20アルキルアリールであり、こ こでR5及びR6は、それぞれ独立してC1−C6アルキル又はC6−C14アリール であり、 はCNで置換されていてもよいC1−C20アシル、C1−C20アルキル、C3−C2 0 シクロアルキル、C6−C14アリール、C7−C20アラルキル又はC7−C20アル キルアリールであり、ここで、R5及びR6は、それぞれ独立してC1−C6アルキ ル又はC6−C14アリールであり、 R4は、水素又はC1−C20アシルである] を過剰の無水酢酸及び塩基と接触させることにより、式IIのN−置換デヒドロ アミノ酸エステル [式中R1、R2及びR3は、式Iで定義されたとおりである] を生成することを特徴とする製造方法を提供する。 発明の詳細な説明 本発明は、N−置換デヒドロアミノ酸エステルの製造方法を提供する。 素、C1−C20アルキル、C6−C14アリール、C7−C20アラルキル、C7−C20 アルキルアリール及びそれらの種々の異性体を意味する。 ここで用いられている「アルキル」という語は、メチル、エチル、n−プロピ ル、i−プロピル、又は、異なるブチル、ペンチル、ヘキシル及び炭素数20ま でのその他の異性体などの直鎖又は枝分れ鎖アルキル 基を意味する。 「シクロアルキル」という語は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペン チル、シクロヘキシル及びその他の炭素数20までのシクロアルキルを意味する 。 「アリール」という語は、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル又はビフェ ニリルなどの芳香族基を意味する。 「アラルキル」という語は、芳香族基の炭素原子を介して結合された少なくと も1つのアルキル置換基を有する芳香族基を意味する。例として、ベンジル、α −フェネチル及びβ−フェネチルが含まれる。 「アルキルアリール」という語は、アルキル置換基の炭素原子を介して結合さ れた少なくとも1つのアルキル置換基を有する芳香族基を意味する。例として、 o−トリル、m−トリル、p−トリル及びp−t−ブチルフェニルが含まれる。 β−ヒドロキシ−α−アミノ酸エステル又はN−若しくはO−置換β−ヒドロ キシ−α−アミノ酸エステルを無水酢酸及び塩基と接触させることにより、N− 置換デヒドロアミノ酸エステルを製造する本発明の製造方法は、下記の反応式1 )に示される。 [式中、R1、R2、R3及びR4は、上記式Iで定義されたとおりである] 例として、下記反応式2)に示すセリンメチルエステルからα−(N,N−ジ アセチル)アミドアクリル酸メチル(モノアセトアミドとの混合物として得られ る)の製造及び下記反応式3)に示すトレオニンメチル エステルからα−(N,N−ジアセチル)アミド−Z−クロトン酸メチルを合成 する方法が含まれる。 本発明の製造方法での使用に適する塩基は、無機化合物又は有機化合物である 。該塩基の共役酸は、pKaが約4.75から約14の範囲にあり、好ましくは 4.75から約10であり、最も好ましくは4.75から8である。適切な無機 塩基の例としては、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、などの種々のエステル塩、 炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウムが含ま れる。本発明の製造方法に適切な有機塩基の例としては、三級アミン塩基が含ま れる。例として、ピリジン、ピコリン、ジイソプロピルエチルアミン、トリエチ ルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルフォリン、DABCO(1、4− ジアザビシクロ[2.2.2] オクタン)及びDBU(1、8−ジアザビシク ロ [5.4.0]ウンデカ−7−エン)が含まれる。塩基の試薬に対するモル 比は、約1:1から約30:1である。塩基の試薬に対するモル比は、好ましく は約1:1から約15:1である。3:1から7:1の範囲が最も好ましい。 当方法の出発物質であるβ−ヒドロキシ−α−アミノ酸エステル又はN−若し くはO−置換β−ヒドロキシ−α−アミノ酸エステルは、遊離塩基として利用す ることができるし、あるいは、塩酸塩、硫酸塩又はシュ ウ酸塩などの塩として導入することができる。多くのそのような化合物が商業的 に入手可能であるし、あるいは後述する実施例7に更に示されているように、当 該技術分野における既知の方法で製造することができる。本発明の方法は、大気 圧、または100から1000kPaの圧力で行なうことができる。大気圧での 反応が望ましい。この方法は大気下で望ましく行なわれるが、窒素やアルゴンな どの不活性ガス雰囲気も利用することができる。 望ましい溶媒は、過剰の無水酢酸である。しかしながら、有機共溶剤(co− solvent)も必要に応じて用いることができた。適切な有機共溶剤の例と しては、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ピリジン、ジ−n−ブチルエー テル及びジメチルアセトアミドが含まれる。 反応は、約80℃から約200℃の温度範囲で行なわれる。好ましくは、反応 は約100℃から180℃の温度で行なわれる。120℃から150℃の範囲が 最も好ましい。反応時間は、約0.5時間から48時間まで変動し得る。1から 4時間が好ましい。 反応は還流条件下で行なわれるため、反応中には攪拌を行なうことが好ましい 。生成物は、蒸留、抽出又はクロマトグラフィーなどの通常の手法により分離さ れる。生成物は、モノ若しくはジ−N−アセチル誘導体又はそれらの混合物とし て得られる。 本発明は、いくつかの点において、従来の技術に比較して利点を提供している 。脱水反応に用いられる試薬、好ましくは、無水酢酸及び酢酸ナトリウム又はピ リジンのような塩基は、安価で比較的無害である。アミンの官能基性(func tionality)を保護したり、脱離させるために水酸基を活性化するため の別な工程は、必要とされない。生 成物であるデヒドロ−α−アミノ酸は、モノ−又はジ−N−アセチル誘導体とし て得られ、このアセチル基は、続いて行なわれる不斉水素化反応において適切な 誘導基である。 本発明の方法は、デヒドロアミノエステルの製造に有益である。そのようなエ ステルは、製薬、農薬、及び香味料・香料工業において重要であるα−アミノ酸 の特定の異性体を製造する不斉水素添加反応における有益な出発物質である。 以下の実施例は、本発明の方法を例証するものである。これらの実施例で用い た出発物質のアミノ酸は、ミズーリ州、セント・ルイスにあるシグマ・ケミカル ・カンパニー(Sigma Chemical Company)より購入する ことができる。 実施例1 DL−セリンメチルエステル塩酸塩(15.6g,100mmol),ピリジ ン(50mL)及び無水酢酸(100mL)の混合物を還流下2時間加熱した。 過剰の溶媒を減圧除去した。残留物を水(250mL)に加えて、エーテル(5 00mL)に抽出した。エーテル相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(100m L)と共に1時間攪拌し、水(50mL)で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥させ た。減圧でエーテルを除去して、8.40gのコハク色の油状物質が得られたが 、これはNMRによってα−アセトアミドアクリル酸メチルとα−(N,N−ジ アセチル)アミドアクリル酸メチルの混合物であることが判明した。この生成物 の一部を減圧蒸留して、0.5torr(66.7pa)で沸点63−72℃の 物質(3.01g)[これは、α−アセトアミドアクリル酸メチルを多く含んで いた]及び沸点72−74℃の分画(2.28g)[これ は、1H−及び13C−NMRにより実質的に純粋なα−(N,N−ジアセチル) アミドアクリル酸メチルであることが判明した]が得られた。ジアミド:1H− NMR(CDCl3/TMS):σ2.36(s,6H),3.83(s,3H ),5.82(s,1H),6.60(s,1H);13C−NMR(CDCl3 /TMS):σ25.97, 52.90, 128.00, 137.16, 163.30, 172.10。モノアミド:1H−NMR(CDCl3/TM S):σ2.15(s,3H),3.84(s,3H),5.90(s,1H) ,6.60(s,1H)、7.81(br.s,1H);13C−NMR(CDC l3/TMS):σ24.66、52.96、108.66、130.82、1 64.55、168.77。 実施例2 L−トレオニンメチルエステル塩酸塩(17.0g,100mmol),ピリ ジン(50mL)及び無水酢酸(100mL)の混合物を還流下2時間加熱した 。過剰の溶媒を減圧下で除去した。残留物を水(250mL)にあけ、エーテル (500mL)に抽出した。エーテル相を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10 0mL)と共に1時間攪拌し、水(50mL)で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥 させた。減圧でエーテルを除去して得られた残留物を蒸留して(0.25tor r(33.3pa)で76−82℃)、薄黄色で油状のα−(N,N−ジアセチ ル)アミド−Z−クロトン酸メチル(11.95g,60%)が得られた。1H −NMR(CDCl3/TMS):σ1.80(d,J=7,3H),2.32 (s,6H),3.80(s,3H),7.22(q,J=7,1H);13C− NMR(CDCl3/TMS):σ13.37、25. 44、52.35、130.66、140.36、163.52、171.73 。 実施例3 丸底フラスコにL−トレオニンメチルエステル塩酸塩(17.0g,0.10 mol)、無水酢酸ナトリウム(50g, 0.61mol)、及び無水酢酸( 150mL)を入れた。還流下2時間加熱した後、揮発成分を減圧除去した。残 留物をエーテル(250mL)に溶かし、2回水(250mL、 50mL)で 洗った。揮発成分を減圧除去し、残留物を0.4torr(53.3pa)、8 6−90℃で蒸留し、薄黄色液体としてのα−(N,N−ジアセチル)アミド− Z−クロトン酸エステル(13.82g, 69%)が得られた。1H−NMR (CDCl3/TMS):σ1.80(d,J=7,3H)、2.32(s,6 H),3.80(s,3H)、7.22(q,J=7,1H);13C−NMR( CDCl3/TMS):σ13.37, 25.44、 52.35、 130 .66、 140.36、 163.52、 171.73。 実施例4 砕いた無水炭酸カリウム(5.0g, 35mmol)、L−トレオニンメチ ルエステル塩酸塩(1.70g, 10mmol)及び無水酢酸(15mL)の 混合物を還流下2時間加熱した。生成した固体塊を冷却下エーテル(25mL) 及び水(25mL)とともに攪拌した。エーテル層に更に水(5mL)を加えて 洗い、揮発成分を減圧蒸留して赤色油状物質1.17gを得た。この粗生成物は 、NMRによって、未反応の若干の無水酢酸に加え、主成分としてα−(N,N −ジアセチル)アミド−Z−クロトン酸エステルを含むことが分かった。1H− NMR(C DCl3/TMS):σ1.80(d,J=7,3H)、2.32(s,6H)、 3.80(s,3H)、7.22(q,J=7,1H);13C−NMR(CDC l3/TMS):σ13.37、25.44、52.35、130.66、14 0.36、163.52、171.73。 実施例5 炭酸水素ナトリウム(5.0g, 60mmol)、DL−セリンメチルエス テル塩酸塩(1.56g,10mmol)及び無水酢酸(15mL)の混合物を 還流下2時間加熱した。生成した混合物を冷却下エーテル(25mL)及び水( 25mL)とともに攪拌した。エーテル層に更に水(5mL)を加えて洗い、揮 発成分を減圧蒸留してコハク色の液体1.17gを得た。ヒドロキノン結晶を少 量加えて、重合を防いだ。この粗生成物は、NMRによって、未反応の若干の無 水酢酸に加え、α−アセトアミドアクリル酸メチル及びα−(N,N−ジアセチ ル)アミドアクリル酸メチルを約2:3のモル比で含むことが分かった。ジアミ ド:1H−NMR(CDCl3/TMS):σ2.36(s,6H)、3.83( s,3H)、5.82(s,1H)、6.60(s,1H);13C−NMR(C DCl3/TMS):σ25.97、52.90、128.00、137.16 、163.30、172.1。モノアミド:1H−NMR(CDCl3/TMS) :σ2.15(s,3H)、3.84(s,3H)、5.90(s,1H)、6 .60(s,1H)、7.81(br.s,1H);13C−NMR(CDCl3 /TMS):σ24.66、52.96、108.66、130.82、164 .55、168.77。 実施例6 セリンベンジルエステル塩酸塩(4.63g,20mmol)、酢酸ナトリウ ム(10g, 12mmol)及び無水酢酸(30mmol)の混合物を還流下 2時間加熱した。揮発成分を減圧除去し、残留物をエーテルに溶かし、水で洗っ た(各50mL)。エーテル層を更に水(10mL)で洗い、揮発成分を減圧除 去して、コハク色の液体5.83gの粗生成物を得た。ヘキサン/酢酸エチル( 3:1)を溶媒として、シリカを用いたフラッシュ (flash)クロマトグ ラフィーでこの残留物を精製した。この方法で得られた生成物(4.44g,8 8%)は,α−アセトアミドアクリル酸ベンジルとα−(N,N−ジアセチル) アミノアクリル酸ベンジルの3対1混合物であり、1H及び13C−NMRでその 同定が確認された。ジアミド:1H−NMR(CDCl3/TMS):σ2.33 (s,6H)、5.25(s,2H)、5.82(s,1H)、6.62(s, 1H)、7.3−7.4(m,5H)。モノアミド:1H−NMR(CDCl3/ TMS):σ2.11(s,3H)、5.26(s,2H)、5.94(s,1 H)、6.60(s,1H)、7.3−7.4(m,5H)、7.76(br. s,1H)。ジアミドとモノアミドの混合物:13C−NMR(CDCl3/T MS):σ24.58、25.93、67.64、67.72、108.90、 128.04、128.12、128.20、128.46、128.53、1 28.60、130.91、135.02、135.05、137.19、16 2.65、163.92、168.82、172.08。 実施例7 N,O−ジアセチル−DL−トレオニンメチルエステル(2.07g, 9. 5mmol),ピリジン(5mL)及び無水酢酸(10mL)の 混合物を還流下2時間加熱した。揮発成分を減圧除去し、残留物をエーテル(5 0mL)に溶かした。エーテル溶液を水(25mL)で2回洗い、揮発成分を減 圧除去した。得られた赤色油状物質は、NMRにより、未反応の若干の無水酢酸 に加えて、α−(N,N−ジアセチル)アミド−Z−クロトン酸エステルを主成 分として含むことが分かった。1H−NMR(CDCl3/TMS):σ1.80 (d,J=7,3H)、2.32(s,6H)、3.80(s,3H)、7.2 2(q,J=7,1H);13C−NMR(CDCl3/TMS):σ13.37 、 25.44、52.35、130.66、140.36、163.52、1 71.73。 本実施例で出発物質として用いられたN,O−ジアセチル−DL−トレオニン メチルエステルは以下のように調製された。トレオニンメチルエステル塩酸塩( 5g)、ピリジン(15mL)及び無水酢酸(15mL)を室温で一晩攪拌した 。揮発成分を減圧除去し、残留物をエーテル(200mL)に加えた。得られた エーテル溶液を固体沈殿物からデカントして、溶媒を減圧蒸留し粗生成物を得、 これをトルエンで再結晶し、目的の生成物(2.26g)が融点112℃の白色 結晶固体として得られた。1H−NMR(CDCl3/TMS):σ1.27(d ,J=7,3H)、2.03(s,3H)、2.10(s,3H)、3.73( s,3H)、4.80(dd,J=3,12,1H)、5.43(dq,J=3 ,7,1H)、6.17(br.d,J=12,1H);13C−NMR(CDC l3/TMS):σ17.30、21.09、23.32、52.90、55. 56、70.60、169.85、170.50、170.60。 実施例8 DL−セリンメチルエステル塩酸塩(15.6g, 0.1mol)、ジイソ プロピルエチルアミン(50mL)及び無水酢酸(100mL)の混合物を2時 間還流下加熱した。揮発成分を高減圧下で除去し、残留物をエーテル(500m L)に溶かして、1N塩酸(100mL)で洗った。飽和炭酸水素ナトリウム水 溶液(100mL)を加えて、混合液を1時間攪拌した。エーテル層を水(50 mL)で洗い、硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶媒を減圧除去し、残った赤色 液体を蒸留して、0.5torr(66.7pa)で沸点60−65℃のα−ア セトアミドアクリル酸メチルを豊富に含む分画(4.00g)及び、1.2to rr(160pa)で87−97℃の分画(5.57g)[1H−及び13C−N MRにより実質的に純粋なα−(N,N−ジアセチル)アミドアクリル酸メチル であることが分かった]を得た。ジアミド:1H−NMR(CDCl3/TMS) :σ2.36(s,6H)、3.83(s,3H)、5.82(s,1H)、6 .60(s,1H);13C−NMR(CDCl3/TMS):σ25.97、5 2.90、128.00、137.16、163.30、172.10。モノア ミド:1H−NMR(CDCl3/TMS):σ2.15(s,3H)、3.84 (s,3H)、5.90(s,1H)、6.60(s,1H)、7.81(br .s,1H);13C−NMR(CDCl3/TMS):σ24.66、52.9 6、108.66、130.82、164.55、168.77。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.N−置換デヒドロアミノ酸エステルの製造法であって、式Iのβ−ヒドロ キシ−α−アミノ酸エステル又はN−若しくはO−置換β−ヒドロキシ−α−ア ミノ酸エステル 6又はCNで置換されいてもよいC1−C20アルキル、C3−C20シクロアルキ ル、C6−C14アリール基、C7−C20アラルキル又はC7−C20アルキルアリー ルであり、ここでR5及びR6は、それぞれ独立してC1−C6アルキル又はC6− C14アリールであり、 で置換されていてもよいC1−C20アルキル、C3−C20シクロアルキル、C6− C14アリール、C7−C20アラルキル又はC7−C20アルキルアリールであり、こ こで、R5及びR6は、それぞれ独立してC1−C6アルキル又はC6−C14アリー ルであり、 又はCNで置換されていてもよいC1−C20アシル、C1−C20アルキル、C3− C20シクロアルキル、C6−C14アリール、C7−C20アラルキル又はC7−C20 アルキルアリールでありここで、R5及びR6は、それぞ れ独立してC1−C6アルキル又はC6−C14アリールであり、 R4は、水素又はC1−C20アシルである] を過剰の無水酢酸及び塩基と接触させることにより、式IIのN−置換デヒドロ アミノ酸エステル [式中R1、R2及びR3は、上記式Iで定義されたとおりである] を生成することを特徴とする製造方法。 2.トルエン、キシレン、クロロベンゼン、ピリジン、ジ−n−ブチルエーテ ル又はジメチルアセトアミドから成る群より選ばれる共溶媒を更に含む、請求の 範囲第1項に記載の方法。 3.該塩基が無機又は有機塩であって、その共役酸のpKaが約4.75〜約 14である、請求の範囲第1項に記載の方法。 4.該塩基が酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム 、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、ピリジン、ピコリン、ジイソプロピ ルエチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルフォリ ン、1、4−ジアザビシクロ[2.2.2] オクタン及び1、8−ジアザビシ クロ [5.4.0]ウンデカ−7−エンから成る群から選ばれる、請求の範囲 第4項に記載の方法。 5.該塩基の試薬に対するモル比が約1:1から約30:1である、請求の範 囲第3項に記載の方法。 6.該塩基の試薬に対するモル比が約3:1から約7:1である、請 求の範囲第5項に記載の方法。 7.約80℃から約200℃の温度で行なわれる請求の範囲第1項に記載の方 法。 8.式IIがα−(N,N−ジアセチル)アミドアクリル酸メチル又はα−( N,N−ジアセチル)アミド−Z−クロトン酸メチルである請求の範囲第1項に 記載の方法。
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