JPH10508655A - 架橋樹脂 - Google Patents

架橋樹脂

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JPH10508655A JP8515743A JP51574396A JPH10508655A JP H10508655 A JPH10508655 A JP H10508655A JP 8515743 A JP8515743 A JP 8515743A JP 51574396 A JP51574396 A JP 51574396A JP H10508655 A JPH10508655 A JP H10508655A
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Abstract

(57)【要約】 ジエノフィルとジエンから得られるディールス―アルダー付加物であって,後者が2,5―アルキル置換フランである該付加物を介して互いに結合されたポリマー鎖からなる再成形性架橋樹脂。

Description

【発明の詳細な説明】 架橋樹脂 本願発明は、ディールス−アルダー付加物を介して互いに結合されたポリマー 鎖を含む再成形性架橋樹脂に関する。 従来の熱硬化性樹脂組成物は、一般に、硬化反応により高分子量の架橋樹脂へ 転換される低分子量化合物である。従来の熱硬化性樹脂は、その一般に有利な特 性、例えば未硬化状態の樹脂を成形物にする易成形性、硬化後樹脂の高剛性およ び高強度の観点から広く使用される。一方、硬化反応は非可逆であるので、従来 の熱硬化性樹脂は一度硬化すると再成形できない。これは、リサイクル性に欠け ることを意味し、そのことが次第に不利に感ずるようになっている。 S.A.Canaryらは、フルフラール誘導体をジエンとして、そしてマレイミドをジ エノフィルとして得られるディールス−アルダー付加物を介して互いに結合され たポリマー鎖からなる架橋樹脂を開示した〔J.Polym.Sci.Part A:Polym Chem.30 1992(p.1755)〕。このディールス−アルダー付加物は、前記ジエンおよび前 記ジエノフィルから形成され、該樹脂を高められた温度に加熱すると、前記ジエ ンと前記ジエノフィルに戻る。したがって、高められた温度に加熱すると、架橋 が消失し、樹脂を再成形して成形物にできるため、これらの架橋樹脂は、基本的 にリサイクル能力性と従来の熱硬化性樹脂の有利な特性とを兼ね備える。しかし 、提供された実験の詳細から明らかなように、架橋反応および逆反応、ならびに (著者自身が述べたように)成形されたフルフリル基の安定性もが、フルフリル をベースとする架橋樹脂の実用性を疑わしいものにする。 ポリマー主鎖に接合した(2−フリル)−2−エチル基およびマレイミド基の ディールス−アルダー付加物をベースとする同様の架橋樹脂が、Y.Chujo らによ り開示されている(Macromolecules 23(1990)p.2636)。 主鎖ポリマーに接合されたフルフリル基、およびビス−マレイミド架橋剤に基 づく架橋樹脂が、DE-A 4104319に開示されている。この文献の樹脂は再成形のた めに、明らかに比較的高温を要する。フルフリル基の安定性が比較的低いという 上記教示を考慮すると、より低温で加工できる樹脂が望ましい。 本発明は、2,5−ジアルキル置換フランおよびジエノフィルをベースとし、 実用性のある可逆架橋方式を提供する。2,5−ジアルキル置換フランおよびジ エノフィルをベースとするディールス−アルダー付加物が、フルフリル化合物に 基づく同様のディールス−アルダー付加物に比べて、より低温で好適に可逆反応 を受けることを発見した。 さらに、発明された架橋方式は、架橋(すなわち、硬化)反応および逆反応が 速く、かつ発明された再成形性架橋樹脂は、機械的特性の実質的変化が無く数回 の再成形が可能である。本発明の樹脂は、魅力的に低いか、または魅力的に高い ガラス転移温度を有し得、そして特に優れた機械的特性、例えば高機械的強度お よび剛性(例えばヤング率)、あるいは代わりに高柔軟性を有し得る。 したがって、この発明は、ジエノフィルおよびジエンから得られるディールス −アルダー付加物を介して互いに結合するポリマー鎖からなる再成形性架橋樹脂 であって、後者が2,5−ジアルキル置換フランである該樹脂に関する。 本発明の再成形性架橋樹脂のポリマー鎖をディールス−アルダー付加物を介し て結合させるには、いくつかの方法がある。この発明の一実施態様においては、 ディールス−アルダー付加物が得られる2,5−ジアルキル置換フラン基が、ポ リマー鎖に接合し、またはポリマー鎖の一部を形成し、かつディールス−アルダ ー付加物が得られる2個またはそれ以上のジエノフィルを分子構造中に含む架橋 剤を使用する。これらのジエノフィルは、明らかに、化学結合または架橋基によ り互いに結合してもよい。したがって、本発明はまた、再成形性架橋樹脂の製造 に適する組成物であって、該組成物が2,5−ジアルキル置換フラン部分を含有 するポリマー、および2個またはそれ以上のジエノフィルを分子構造中に含有す る架橋剤からなる組成物に関する。 逆に、また、ジエノフィルがポリマー鎖に接合するか、またはポリマー鎖の一 部を形成してもよく、かつ2個またはそれ以上の2,5−ジアルキル置換フラン 基を分子構造中に含有する架橋剤を使用する。したがって、本発明は、再成形性 架橋樹脂の製造に適する組成物であって、ジエノフィル部分を含有するポリマー 、および2個またはそれ以上の2,5−ジアルキル置換フランを分子構造中に含 有する架橋剤からなる組成物に関する。 さらに、本発明の別の実施態様においては、2,5−ジアルキル置換フラン基 が接合し、あるいは2,5−ジアルキル置換フラン基をポリマー鎖の一部として 含有するポリマー鎖に、ジエノフィルが接合する。したがって、本発明は、再成 形性架橋樹脂の製造に適するポリマーであって、該ポリマーが2,5−ジアルキ ル置換フラン部分およびジエノフィル部分を含有する該ポリマー鎖に関する。 EP-A-372602 は、エポキシドと、重合性2,5−ジアルキルフランおよびマレ イン酸無水物のディールス−アルダー付加物とを反応させることにより得られる 樹脂を開示する。このディールス−アルダー付加物とエポキシドとの反応は、デ ィールス−アルダー付加物の環状無水物を開環させ、それにより、ディールス− アルダー付加物を熱的に不安定にするため、後者は迅速に分解して重合性2,5 −ジアルキルフランおよびマレイン酸エステルを生じる。したがって、EP-A-372 602 に開示された樹脂組成物は、ここに発明された再成形性樹脂組成物ではない 。 この発明によるディールス−アルダー付加物が得られる2,5−ジアルキル置 換フランは、3−および4位が置換しても、または置換しなくてもよい。好まし い置換基は、アルキルまたはアルキルオキシ基、典型的には炭素原子数を10個 まで有するもの、例えばメチル、エチル、1−プロピル、メトキシ基および1− ヘキシルオキシ基である。 前記したように、ディールス−アルダー付加物が得られる2,5−ジアルキル フランは、この発明の再成形性架橋樹脂組成物のベースポリマーのポリマー鎖に 接合する基として、存在してもよい。それらは、化学結合または二価有機架橋基 を介してそこへ直接接合してもよく、そのためにフランの置換基のいずれか、ま たはフランの3−もしくは4位が接合点として機能する。フランの2−および5 位のアルキル置換基は、同一でも相違してもよく、通常10個までの炭素原子数 を有する。適するアルキル基の例は、メチル、エチル、2−プロピルおよび1− ヘキシル基である。ポリマー鎖に接合できる適当なフリル基の例は、2,5−ジ メチルフリ−3−イル、2,5−ジエチル−3−メチルフリ−4−イル、5−エ チルフルフリルまたは5−(1−ブチル)フルフリル基である。前記二価有機架 橋基の性質については後述する。 2,5−ジアルキル置換フランが接合するポリマー鎖の形態は重要でない。好 適には、ポリマー鎖は、ポリオレフィン、例えばポリエチレン、ポリプロピレン 、ポリスチレン、ポリ(アクリル酸)、またはエテンとアクリル酸もしくはエス テルの共重合体、一酸化炭素とオレフィン系不飽和化合物のランダムまたは交互 共重合体鎖(そのような共重合体を後述する)、またはヘテロ原子を含有する鎖 、例えばポリアミドまたはポリエステルである。 2,5−ジアルキル置換フランが、ポリマー主鎖自身の構成要素を形成するこ とが好ましい。その場合、特に好ましくは、フランの2,5−ジアルキル置換基 のそれぞれが、ポリマー鎖の一部を形成する置換または非置換のアルキレン基で ある。そのような配座(constellation)は、一酸化炭素とオレフィン系不飽和 化合物との共重合体であって、ポリマー鎖中に1,4−ジカルボニル部(entity )を含有するものをフラン化、すなわち、1,4−ジカルボニル部をフラン部分 に転換することにより容易になし得る。 ポリマー鎖中に1,4−ジカルボニル部を含有する一酸化炭素とオレフィン系 不飽和化合物との共重合体は、それ自体公知である。それらは、例えばEP-A-121 965、EP-A-181014、EP-A-322018、EP-A-372602、およびEP-A-516238 から公知の 方法を用いたパラジウム触媒重合により調製される。こうして得られる重合体は 、一酸化炭素とオレフィン系不飽和化合物の交互共重合体であり、すなわち、ポ リマー鎖が、一酸化炭素に由来するモノマー単位(すなわち、カルボニル基)と 、オレフィン系不飽和化合物に由来するモノマー単位とを、ポリマー鎖の4番目 ごとの炭素原子がカルボニル基に属するように交互配列に含有してなる共重合体 である。共重合体の分子量は、重合温度を変えることにより適当に変わり得、す なわち、比較的低分子量の共重合体は比較的高温にて得られる。いくつかの重合 触媒により、カルボニル基の一部がフラン基に転化するポリマー形成が可能にな る。1,4−ジカルボニル部を含有する一酸化炭素とオレフィン系不飽和化合物 の交互共重合体は、ランダム共重合体、すなわちポリマー鎖が前記モノマー単位 をランダムな順序に含有する共重合体であってもよい。後者の共重合体は、例え ばUS-A-2495286およびUS-A-4024326から公知の方法を用いたラジカル開始重 合により調製される。 一酸化炭素とオレフィン系不飽和化合物の共重合体のフラン化は、当業界に公 知の方法により行われ、例えばA.Sen ら(J.Polym.Science,Part A.Polym.Chem.3 2(1994)p.841)により開示されるように、脱水剤として五酸化燐を作用させるこ とにより、またはUS-A-3979373に開示されるように、p−トルエンスルホン酸な どの強酸の存在下で加熱することにより行われる。これらの方法は、使用する反 応条件に応じて、ポリマー鎖中の1,4−ジカルボニル部分のフランへの転化を さまざまな転化レベルで可能にする。当業者は、定型的な実験法により、適当な 反応条件を見つけ得る。 フラン化の際に一酸化炭素とオレフィン系不飽和化合物の交互共重合体を使用 することが好ましい。なぜなら、ポリマー主鎖のカルボニル基含有量が高くなり 、そのためにフラン化によるフラン基の取り込みが高い水準で効率的になされる からである。それにもかかわらず、低度のフラン化を望む場合には、カルボニル 基のフラン基への転化を低くしておけばよく、この場合、未転化のカルボニル基 の存在が、再成形性架橋樹脂の機械的特性に有利に作用することもある。 前記一酸化炭素とオレフィン系不飽和化合物との共重合体は、オレフィン系不 飽和化合物として炭化水素をベースとしてもよいが、該オレフィン系不飽和化合 物は、例えばビニルアセテート、メチルビニルエーテル、エチルアクリレートお よびN−ビニルピロリドンのようにヘテロ原子を含有してもよい。該ポリマーは 、オレフィン系不飽和炭化水素、好適にはα−オレフィン、特には炭素原子数1 0個までのα−オレフィンをベースとするのが好ましい。きわめて好適なものは 、脂肪族α−オレフィン、特に炭素原子数を3〜6個有するもの、特定的には直 鎖炭素、例えばプロペン、1−ブテン、1−ペンテンおよび1−ヘキセンである 。プロペンが最も好ましい。 フラン化反応で導入される2,5−ジアルキル置換フランの3−または4−位 にどの置換基が存在するかを、取り込むオレフィン系不飽和化合物の形態が決め るのは明らかである。一酸化炭素とオレフィン系不飽和化合物の共重合体が、一 酸化炭素と炭素原子を3個以上有するα−オレフィンとの交互共重合体である場 合、該α−オレフィンは、位置規則的(regioregular fashion)に共重合体に取 り込まれてもよく、あるいは位置不規則的(regioirregular fashion)でもよい 。炭素原子を3個以上有するα−オレフィンを位置規則的に取り込むのが好まし い。(フラン化した)共重合体がより低粘度をもたらすからである。該α−オレ フィンを位置規則的に、特に頭−尾構造で含ませることも好ましく、典型的には 該α−オレフィンは、80%以上、特には90%以上が位置規則的に取り込まれ るようにする。これは、フラン化反応により導入されたフラン基が同一またはほ とんど同一な立体環境および電子環境を有し、その結果、これらのフラン基がデ ィールス−アルダー反応および逆反応の反応性を、オレフィン系不飽和化合物を 位置不規則的に取り込んだときより均一にするという効果をもつ。これは、特に 共重合体が一酸化炭素および単一オレフィン系不飽和化合物をベースとする場合 に顕著である。炭素原子数を3個以上有するα−オレフィン(類)が共重合体中 に立体規則的に取り込まれるか否かは重要ではない。粘着性ポリマーを用いると 好結果が得られる。 一酸化炭素とプロペンとの位置規則的粘着性線状交互共重合体をフラン化した もの(ここで、該プロペンは90%以上が頭−尾式で取り込まれる)、および一 酸化炭素とプロペンの位置不規則的線状交互共重合体を用いると、きわめて良好 な結果が得られる。 架橋樹脂が再成形性であるように該ディールス−アルダー付加物が熱的安定性 を有する限り、ディールス−アルダー付加物が得られるジエノフィルの厳密な性 質は、重要でない。当業者は、ジエノフィルが再成形性の基準(特に、架橋樹脂 を再成形にかけたい温度範囲に関する)に沿うかどうかを、定型的な実験作業に より決定することができる。通常、再成形性架橋樹脂が再成形される最低温度は 、再成形性架橋樹脂の最終用途の利用に要する最高温度に依存し、また、逆も同 じである。再成形は、好適には80℃以上の温度、より好ましくは110℃以上 、特には140℃以上である。費用効果的および実用的な加工の理由から、再成 形が起こる温度は、例えば300℃以下、特には250℃以下、さらに特には2 20℃以下が望ましい。 適するジエノフィルは、エチン部分の両側に接合する電子吸引基(例えばエス テルおよびケト基)を有するアルキンである。例は、ブチン二酸(すなわち、ア セチレンジカルボン酸)のモノ−およびジエステル、ならびに置換ブチ−2−イ ン−1,4−ジオンである。他の適するジエノフィルは、5−または6−員環中 に包含されたブテ−2−エン−1,4−ジオン部分を含有する化合物、特に一般 式 〔ここで、XはO、S、N−、またはP−(ここで少なくとも一個の自由原子価 (free valencies)は、該ジエノフィルをポリマー鎖の一つまたは別のジエノフィ ルと結ぶ架橋基で占められ、残りの原子価(もしあれば)は、低級アルキルもし くはアシル基、または好ましくは水素原子で占められる)を表す〕 の化合物である。 前記架橋基の性質は後述する。低級アルキル基は、好適には4個までの炭素原 子を含有し、そして例えばメチルまたはエチル基である。この一般式のジエノフ ィルは、好ましくはマレイン酸無水物の環状誘導体、特にはマレイミド(すなわ ち、XはO、または特にはN−を表す)である。 前記したように、この発明の一実施態様においては、ディールス−アルダー付 加物が得られるジエノフィルを2個またはそれ以上分子構造中に含有する架橋剤 を使用する。該分子構造中のジエノフィルの実用的な最大数は、典型的には20 、さらに典型的には10である。前記架橋剤において、1個またはそれ以上の架 橋基により、ジエノフィルが互いに結合してもよい。例えば4価架橋基により4 個のジエノフィルを互いに結合してよい。分子構造中のジエノフィルが多くなれ ばなるほど、再成形性架橋樹脂のガラス転移温度も高くなる。しかし、分子構造 中に2〜3個のジエノフィル、特にマレイミド基が二価または三価の架橋基によ り互いに結合したジエノフィルが存在する架橋剤を使用することで、充分かつ単 純かもしれない。ジエノフィルは互いに化学結合により結ばれてもよい。 架橋剤の架橋基の分子量および化学的性質は、両方とも広範囲に変わり得る。 架橋剤を変更すると、再成形性架橋樹脂が幅広い機械的特性をカバーするように なることを発見した。架橋基は有機でもよく、架橋中に炭素原子だけを含有して もよいが、架橋中に専らヘテロ原子、例えば酸素、珪素または窒素原子を含有す ることも可能である。該架橋基は軟質でも硬質でもよい。 例えば、軟質ポリマー鎖を有する重合性架橋基、例えばポリ(アルキレンオキ サイド)またはポリシロキサンであって、数平均分子量が例えば300以上のも のが、ゴム状再成形性架橋樹脂を与える。該重合性軟質鎖は、数平均分子量が1 ,500〜10,000またはそれ以上を有するときに、例えば0℃以下、典型 的には−45℃まで(down to)、あるいはせめて−60℃までの低ガラス転移温 度を有するような性質の熱可塑性ゴム類似再成形性架橋樹脂が得られる。 したがって、この種の適する架橋剤は、マレイミドでキャップ(cap)されたポ リ(アルキレンオキサイド)、例えばポリ(エチレンオキサイド)またはポリ( プロピレンオキサイド)、およびマレイミドでキャップされたポリシロキサン、 例えば一般式 H2N−CH2[−O−SiR2]n−O−CH2−NH2 (ここで、nは平均で10以上の整数、特に20〜70の整数、各Rは独立にア ルキル基、特に炭素原子数5まで、好ましくはメチル基である) 示されるようなポリシロキサン、のビスマレイミドである。 トリス−またはビスアミノでキャップされたポリ(アルキレンオキサイド)、 特には数平均分子量が少なくとも300、好ましくは1,500〜10,000 、より好ましくは1,500〜5,000を有するアミノでキャップされたポリ (アルキレンオキサイド)、のトリス−またはビスマレイミドを用いると、きわ めて良好な結果が得られる。 低分子量架橋基、すなわち、分子量または数平均分子量が、500以下、特に は300以下、あるいは各結合架橋中の炭素原子数が20までのものを使用して もよい。脂環式および芳香族の架橋基は、架橋基を堅固にし、そして再成形性架 橋樹脂を比較的硬くて強く、かつガラス転移温度を比較的高くする傾向がある。 二価の脂環式および芳香族低分子量架橋基の例は、架橋中に(ノル)ボルナン骨 格を含有する基、 1,3−フェニレン基、および以下の式: −Φ−CH2−Φ−、 −Φ−O−Φ−O−Φ−、−Φ−O−Φ−SO2−Φ−O −Φ−、−CH2−O−CO−Φ−CO−O−CH2− および−Φ−C(CH3 2−Φ− (ここで、−Φ−は1,4−フェニレン基を表す) の基である。他に適する二価架橋基は、非脂環式(アルキレン)およびオキシカ ルボニル(エステル)基、およびこれらの組み合わせである。適する架橋剤は、 例えばヒドラジン、2,4−ジアミノトルエン、ヘキサメチレンジアミン、ドデ カメチレンジアミン、一般式: のジアミン、およびビスアミノでキャップされた低分子量の(ポリ)シロキサン 〔例えば一般式 H2N−CH2[−O−SiR2]n−O−CH2−NH2 (ここで、nの範囲は平均で1〜10、好ましくは1〜5、Rは好ましくはメチ ル基である) 示されるようなポリシロキサン〕のビスマレイミドである。式Iのジアミンの異 性体混合物は、ヘキスト(HOECHST)から商業的に手に入る。三価架橋基は、上記 した二価の基の性質と同様である。きわめて良好な結果は、ビス(4−マレイミ ドフェニル)メタン、2,4−ジマレイミドトルエン、トリス(4−マレイミド メチル)1,3,5−ベンゼントリカルボキシレートおよびジメチル−ビス[( N−マレイミドメチル)オキシ]シランで得られる。 マレイン酸無水物に基づく好適な架橋剤は、例えば一般式 (ここで、Aは上記の架橋基、特に架橋中に20個までの炭素原子を有する架橋 基を示す) の化合物である。特には、該架橋基Aは、二価のヒドロカルビル基、特にはアル キレン基(例えばヘキサメチレン基)、または −D−O−CO− もしくは −CO−O−D−O−CO−基 (ここで、Dは二価のヒドロカルビル基、例え ばヘキサメチレン基のようなアルキレン基を示す)である。 さらに、適する他の架橋剤は、ブチン二酸およびジオールをベースとするポリ エステル、例えばエチレングリコール、ポリ(エチレングリコール)、プロピレ ングリコールまたはポリ(プロピレングリコール)である。これらのポリエステ ルは、上記したような低分子量架橋剤でもよく、それらは数平均分子量が、2, 000〜6,000の範囲のように、例えば400以上有していてもよい。 本発明は、架橋剤自身、すなわち、上記したマレイミドでキャップされたポリ (アルキレンオキサイド)、およびマレイミドでキャップされた(ポリ)シロキ サン、特に一般式 H2N−CH2[−O−SiR2]n−O−CH2−NH2 (ここで、nの範囲は少なくとも1の整数、Rは独立にアルキル基、特には炭素 原子数5まで、好ましくはメチル基である) の(ポリ)シロキサン、のビスマレイミドである。ビスマレイミドでキャップさ れた(ポリ)シロキサンは、一般に公知の方法により、ホルムアルデヒドを用い たマレイミドのN−ヒドロキシメチル化、続いて、塩基および水の存在下、適当 なジクロロアルキルシランとの反応により調製される。 上記したように、この発明の一定の実施態様においては、2個またはそれ以上 の2,5−ジアルキルフラン部分を分子構造中に含む架橋剤を使用する。この架 橋剤は、2,5−ジアルキル置換フラン基が、化学結合または架橋基を介して互 いに好適に結合する。分子構造中の2,5−ジアルキルフランの実用的な最大数 は、典型的には20、より典型的には10である。この架橋基の性質は、一般に 、上記した2個またはそれ以上のジエノフィルを含む架橋剤の架橋基と同様であ る。適する架橋剤の例は、ビス(5−エチル−フルフリル)アジペートおよび( 5−エチル−フルフリル)オキシアセチックアシッドのビスアミド、ならびに前 段で述べたジアミンである。 上記したように、この発明の一定の実施態様においては、ジエノフィル部分、 または2,5−ジアルキル置換フラン部分およびジエノフィル部分を含有するポ リマーを使用する。これらの部分は、化学結合または架橋基によりポリマー鎖に 結合してよい。この架橋基は、上記した2個またはそれ以上のジエノフィルを含 む架橋剤の架橋基と同様の形態でよい。例を以下に挙げる。ポリマーがポリスチ レンの場合、ポリスチレンとN−クロロメチルマレイミドとの塩化錫(IV)触媒ア ルキル化により、ジエノフィルとしてのマレイミドがそこへ接合され、そしてポ リマーが(スチレン/マレイン酸無水物)共重合体の場合、ピリジン中での(ス チレン/マレイン酸無水物)共重合体と5−エチルフルフリルアルコールとのエ ステル化によりそこへ接合される。ポリマーが、一酸化炭素とオレフィン系不飽 和化合物との共重合体であってポリマー鎖中に1,4−ジカルボニル部を含有す る場合には、例えばUS-A-3979374から公知の方法を使用して、共重合体と適当な 置換第一ヒドロカルビルアミンとの反応により、2,5−ジアルキルフランおよ びジエノフィルがそこへ接合される。この反応では、1,4−ジカルボニル部は ピロール部(entities)に転化され、このピロール部はポリマー鎖の一部を形成す るとともに、置換ヒドロカルビル基によりN−置換される。例えば、1,4−ジ カルボニル部を含有する一酸化炭素とオレフィン系不飽和化合物の共重合体は、 マレイン酸のモノ−アミドおよびヘキサメチレンジアミンと反応し、またはマレ イン酸のモノ−アミドおよびビス(4−アミノフェニル)メタンと反応し、続い て酸−アミド部分の閉環によりマレイミド部分になる。これは、ポリマー鎖中に N−(6−マレイミドヘキシル)ピロールまたはN−{4−[(4’−マレイミ ドフェニル)メチル]フェニル}ピロール部を有するポリマーを生じさせる。2 ,5−ジアルキル置換フラン部分およびジエノフィル部分を含有するポリマーの 使用を望む場合、一酸化炭素とオレフィン系不飽和化合物の2,5−ジアルキル 置換部の一部をフラン部分転化して、1,4−ジカルボニル部の他の部分(すな わち、残部)をN−置換ピロール部に転化することが望ましく、このピロール部 のN−置換基がジエノフィルを含有する。 この発明の再成形性架橋樹脂がベースとするポリマーの分子量は、広い範囲の 間で変わり得る。適する分子量範囲は、利用形態、予定する架橋樹脂の(再)成 形方法に応じて選ばれる。強化または充填複合材料の場合、特にガラス強化複合 材料を用意するときは、補強材または充填材との濡れを良くする点から、低粘度 が極めて有利である。低粘度は、例えば樹脂を複雑形状の成形物に使用するとき 、または塗料材として使用するときにも極めて有利である。そのような場合、樹 脂の粘度は、190℃で測定して、通常1000mPa.s以下、通常1mPa .s以上、好ましくは5〜500mPa.s、特には10〜100mPa.sで ある。(再)成形の間の低粘度は、例えば低分子量のポリマーの選択、およびも し使うのであれば低分子量の架橋剤の選択によりなされる。数平均分子量が50 0〜100,000、好ましくは1,000〜25,000、特には2,000 〜10,000のポリマーを用いると、良好な結果が得られた。(共)押出およ び射出成形法では、処理の間、190℃で測定した粘度が10Pa.sより高く 、好ましくは50〜2,000Pa.sの範囲、特には100〜1,000Pa .sの範囲を有する樹脂組成物を用いることが望ましい。 この発明の再成形性架橋樹脂中に存在するディールス−アルダー付加物の量は 、ディールス−アルダー付加物が形成される組成物中に存在する2,5−ジアル キルフラン基の量およびジエノフィル基の量で決まる。当業者には明らかなよう に、ディールス−アルダー付加物の2,5−ジアルキル置換フランおよびジエノ フィルに戻る温度以下で、架橋樹脂が固体材料を成すために、ディールス−アル ダー付加物が一定最少量存在することを要する。この最少量は、明らかに樹脂の ベースポリマーの分子量および形態に依存し、およびもし架橋剤を使用するとき には、架橋剤の1分子あたりのジエノフィルまたは2,5−ジアルキルフラン基 の数(すなわち、官能価)に依存する。より低分子量のポリマーは、より多くの ディールス−アルダー付加物量を要することになるであろう。より高い官能価を 持っ架橋剤を使用するときは、ディールス−アルダー付加物の数はより低くてよ い。一般に、数平均分子量が1000以上のポリマー(これは1分子あたり平均 して少なくとも4個の2,5−ジアルキル置換フラン基を含有する)を使用する ことにより、良好な結果が達成され得る。好ましくは、数平均分子量が1500 以上、特には2000以上のポリマーが使用され、そしてこれは1分子あたり平 均して少なくとも1.5個、好ましくは2.5個、より好ましくは3個の2,5 −ジアルキル置換フラン基を含有する。2,5−ジアルキル置換フラン基とジエ ノフィルとのモル比は、典型的には20:1〜1:4、より典型的には10:1 〜1:2、好ましくは5:1〜1:1.5、より好ましくは5:1〜1:1にな る。 前記したように、補強材および(導電性)充填材が、この発明の再成形性架橋 樹脂中に、例えば得られる組成物の重量に対して40重量%まで存在してもよい 。存在してよい他の化合物は、例えばフェノール性酸化防止剤、ハイドロキノン などのラジカル捕そく剤、pHの範囲が2〜7(20℃の水中で測定)の緩衝液 などの弱酸安定化システム、UV安定剤、剥離剤などの加工助剤、ならびに顔料 である。前記弱酸安定化システム、特にpKaが2〜7、好ましくは2〜5(2 0℃の水中で測定)の酸、例えば炭素原子が通常20までのカルボン酸が、一酸 化炭素とオレフィン系不飽和化合物のフラン化共重合体の安定化に適することを 発見した。この発明は、また、そのような安定化組成物に関する。安定化カルボ ン酸に適する例は、酢酸および2−エチルヘキサンカルボン酸である。前記弱酸 安定化システムの量は、広い範囲で変わり得る。フラン化共重合体の重量に対し て、好適には0.01〜10重量%、特には0.05〜5重量%で使用される。 ハイドロキノンはマレイミドの安定化にきわめて好適であることを発見した。 この発明の再成形性架橋樹脂は、適当な成分を周囲温度で混合し、得られた混 合物を加熱し、次いで所望の形に成形することにより調製される。この調製は、 押出成形機中で都合よく行われる。該成分は、混合物として押出成形機へ供給さ れる。いくつかの成分または全部の成分を分けて供給してもよく、特には一つの 成分が液体であり、もう一つの成分が固体でもよい。固体成分(または成分の混 合物)を、液体成分(または成分の混合物)に対して上流に位置する点で供給す ることにより、固体は液体と混合するところで溶解する。 樹脂の再成形は、樹脂を液体への転換に充分な高温にもってゆき、得られた液 体を所望の形に成形し、次いで該樹脂の凝固に充分な低温に冷却することで、一 般に充分である。この発明は、また、そのような再成形方法に関する。 適する成形および再成形技術には、押出、共押出(特に、固材料上の軟材料) 、射出成形、樹脂圧送成形、フィラメントワインディング、引出し成形、および 吹き付けが挙げられる。この樹脂は、極めて好適に高速成形工程に適用される。 モールドおよび溶接部の修理は、極めて都合よく類似の方法でなされる。架橋樹 脂の液体自身への転換およびその逆の所要時間は、一般に短い。たびたびこの時 間は、反応熱の移動に要する時間より短い。 この発明の再成形性架橋樹脂の調製に要する原料成分は、構成成分キットの形 で、都合よく保管され、取扱われ、および使用される。そのようなキットの第1 構成成分は、2,5−ジアルキル置換フラン部分を含有するポリマーであり、該 キットの第2構成成分は、2個またはそれ以上のジエノフィルを分子構造中に含 有する架橋剤からなる。代わりに、そのようなキットは、ジエノフィル部分を含 有するポリマーからなる第1構成成分と、2個またはそれ以上の2,5−ジアル キル置換フランを分子構造中に含有する架橋剤からなる第2構成成分でもよい。 本発明は、また、そのような構成成分のキットに関する。 成分の物理的特性に応じて、室温での成分の混合が、ポリマーと架橋剤との貯 蔵安定性不均質混合物を生じることも考えられる。 この発明の再成形性架橋樹脂は、従来の熱硬化性樹脂で使用されていた用途、 例えばプリプレグ、シート成形化合物またはバルク成形化合物に使用することが できる。さらに、例えば鋳物場、使い捨て品の着脱可能カーネル(removable ke rnel)のような臨時モールドまたは構造部材として、インクまたはトナーとして 、(導電性)ハンダとして、塗布(特にシームレス高光沢塗料)、熱可逆ゲル( thermoreversible gels)の修復材として、ポリ(塩化ビニル)の加工助剤とし て、ビチューメンの接着剤として、(硬質)発泡体として、電気絶縁材として、 および保安装置の可溶性ジョイントまたはシーラントとしての利用も考えられる 。 本発明を、さらに以下の実施例で説明する。1H−NMRおよび13C−NMR は、ジュウテリオクロロホルム溶媒中で行った。テトラメチルシランに対するケ ミカルシフトを示す。ショアーA硬度(軟質材料)およびショアーD硬度(硬質 材料)は、FRANK(商標)装置を用いて、DIN 53505(30秒、20℃)に従って 測定した。実施例1 パラジウムアセテート、コバルトペルクロレート、1,3−ビス(ジエチルフ ォスフィノ)−プロパンおよびナフトキノンをベースとする触媒系の存在下で、 一酸化炭素とプロペンとを共重合させ、位置規則的粘着性線状交互一酸化炭素/ プロペン共重合体を調製した。 この生成物を、酢酸無水物中でp−トルエンスルホン酸を用いて処理すること によりフラン化した。該ポリマーの溶液をジクロロメタン中で抽出し、連続して 重炭酸ナトリウム水溶液、酢酸水溶液および水で抽出して、該ポリマーを取り出 した。 得られたポリマーは数平均分子量1000を有し、カルボニル基の55%がフ ラン基に転化した。実施例2 実施例1の手順を少し変更して繰り返した。 ポリマーは、数平均分子量が7700で、カルボニル基の27%がフラン基に 転化した。実施例3 パラジウムアセテート、コバルトペルクロレート、1,3−ビス[ビス(2− メトキシフェニル)フォスフィノ]プロパンおよびナフトキノンをベースとする 触媒系の存在下で、一酸化炭素とプロペンとを共重合して、位置不規則的線状交 互一酸化炭素/プロペン共重合体を調製した。 この生成物を、酢酸無水物中でパラトルエンスルホン酸で処理してフラン化し た。 得られたポリマーは数平均分子量8500を有し、カルボニル基の47%がフ ラン基に転化した。実施例4 ビス−マレイミドでキャップされたポリ(プロペンオキサイド)を、以下のよ うにして調製した。 マレイン酸無水物(11.0g、0.11モル)のN,N−ジメチルホルムア ミド(DMF)溶液(50ml)を、分子量が約400のビス−アミノでキャップさ れたポリ(プロペンオキサイド)(商標JEFFAMINE D400によって手に入る)20 gのDMF攪拌溶液(250ml)へ、室温で1時間かけて添加した。一晩中攪 拌を続けた。炭酸ナトリウム(5.3g、0.05モル)を添加した。該DMF 希釈剤を、真空フラッシュ蒸発により除去した。該残査に酢酸無水物(40ml )を添加した。得られた混合物を140℃で2時間攪拌した。真空中で揮発分を 蒸発分離し、引き続きジクロロメタン、ジエチルエーテルおよび水を用いて抽出 し、有機抽出物を蒸留して乾燥することにより、反応混合物を取り出した。この 生成物は、1H−NMRシグナルが、6.58、4.25、3.78および0. 95〜1.30ppmを示した。実施例5 ジメチル−ビス[(N−マレイミドメチル)オキシ]シランを、以下のように して調製した。 9.8g(0.1モル)のマレイミド、37%ホルムアミド水溶液9ml、お よび40mgの炭酸ナトリウムを室温で1時間攪拌した。この混合物を30ml の水で希釈し、ろ過により形成された結晶(9.1gのN−ヒドロキシメチルマ レイミド)を採集した。 N−ヒドロキシメチルマレイミド2.5g(20mモル)およびピリジン1. 6g(20mモル)の混合物のジクロロメタン溶液(50ml)を室温で攪拌し た。ジメチルシリルジクロライド(1.29g、10mモル)をゆっくり添加し 、攪拌を20分間続けた。この反応混合物を水で抽出した。有機層をシリカゲル 5gとともに攪拌し、ろ過した。ろ液を蒸発させて乾燥し、無色に近い生成物( 融点65℃)を2.1g得た。生成物は、1H−NMRシグナルが0.17pp m、5.08ppmおよび6.73ppm、そして13C−NMRシグナルが3. 10ppm、60.08ppm、134.58ppmおよび169.78ppm を示した。実施例6 架橋樹脂を以下のようにして調製した。 実施例1のフラン化共重合体4g、および実施例4のビス−マレイミド6gの 成分混合物を、20℃で攪拌することにより均質混合物を調製した。この混合物 をモールド中に入れ、一晩中周囲温度に置いた。 ショアーA硬度が29のゴム状成形樹脂を得た。 成形物を小片に切断し、150℃で5分間加熱した。こうして形成された液体 、モールド中に入れ、3分以内に20℃へ冷却した。得られた成形物は、ショア ーA硬度が30であった。実施例7 架橋樹脂を以下のようにして調製した。 実施例1のフラン化共重合体12g、ビス(4−マレイミドフェニル)メタン 1.6g、および安定剤として酢酸0.05mlの成分混合物を、150℃で攪 拌することにより均質混合物を調製した。この混合物の一部をモールド(2×1 0×50mm)中に流し入れ、残部を円筒形モールド中に流し入れた。両モール ドの内容物を3分以内に20℃へ冷却した。 円筒形の成形物は、ショアーD硬度が83であった。該成形物を粉砕して微粉 体にした。この粉体を150℃に加熱して液体を得て、続いて円筒形モールドへ 流し入れ、3分以内に20℃へ冷却した。得られた成形物は再び、前記と同様の 粉砕、加熱および冷却の手順に従った。最終的に得られた成形物のショアーD硬 度は83であった。 2×10×50mmの成形物を、動的機械分析(DMA、加熱速度2℃/分)で 試験した。温度を上げると、108℃でのモジュラスが、25℃におけるモジュ ラスの50%になることがわかった。115℃以上では、該試料の剛性はわずか であった。実施例8 架橋樹脂を以下のようにして調製した。 実施例1のフラン化共重合体16g、およびビス(4−マレイミドフェニル) メタン4gの成分混合物を、150℃で攪拌することにより均質混合物を調製し た。この混合物をモールド(2×10×50mm)中に流し入れ、3分以内に2 0℃へ冷却した。 固体の硬質材料が得られた。実施例9 再成形性架橋樹脂を以下のようにして調製した。 実施例3のフラン化共重合体5.5g、および実施例5のジメチル−ビス[( N−マレイミドメチル)オキシ]シラン0.3gの成分混合物を、150℃で攪 拌することにより均質混合物を調製した。この混合物を円筒形モールド中に流し 入れた。このモールドを5分以内に20℃へ冷却した。 ショアーA硬度が39の軟質成形物が得られた。実施例10 再成形性架橋樹脂を以下のようにして調製した。 実施例3のフラン化共重合体4.5g、およびビス(4−マレイミドフェニル )メタン0.5gの成分混合物を、150℃で攪拌することにより均質混合物を 調製した。この混合物を円筒形のモールド中に流し入れた。このモールドを5分 以内に20℃へ冷却した。 ショアーA硬度が86の強靭な成形物が得られた。実施例11 再成形性架橋樹脂を以下のようにして調製した。 実施例3のフラン化共重合体1.8g、およびビス(4−マレイミドフェニル )メタン0.45gの成分混合物を、165℃で攪拌することにより均質混合物 を調製した。この混合物を円筒形のモールド中に流し入れた。このモールドを5 分以内に20℃へ冷却した。 ショアーD硬度が83の成形物が得られた。 この成形物を小片に切断し、165℃で10分間加熱した。こうして得られた 液体、モールド中に流し出し、5分以内に20℃まで冷却した。 得られた成形物は、ショアーD硬度が84であった。この成形物は、前記と同 様の切断、加熱および冷却の手順に従った。最終的に得られた成形物のショアー D硬度は88であった。実施例12 再成形性架橋樹脂を以下のようにして調製した。 実施例2のフラン化共重合体4.5g、およびビス(4−マレイミドフェニル )メタン0.5gの成分混合物を、150℃で攪拌することにより均質混合物を 調製した。この混合物をモールド中に流し入れた。このモールドを5分以内に2 0℃へ冷却した。 硬質成形物が得られた。実施例13 再成形性架橋樹脂を以下のようにして調製した。 実施例3の手順に従がったが、反応条件を変更して、位置不規則的線状交互一 酸化炭素/プロペン共重合体を調製した。得られたポリマーは、数平均分子量が 4500で、カルボニル基の17%がフラン基に転化した。 このポリマー試料を、前記2,5−ジアルキルフランとマレイミドとのモル比 が1:1になる量の2,4−ジマレイミドトルエンと混合した。この混合物を液 体になるまで加熱し、モールド中で冷やした。この成形物のショアーD硬度は6 1であった。実施例14 再成形性架橋樹脂を以下のようにして調製した。 実施例3の手順に従がったが、反応条件を変更して、位置不規則的線状交互一 酸化炭素/プロペン共重合体を調製した。得られたポリマーは、数平均分子量が 1170で、カルボニル基の48%がフラン基に転化した。安定剤として2−エ チルヘキサンカルボン酸を添加した。 このポリマー試料を、前記2,5−ジアルキルフラン基とマレイミド基とのモ ル比が1:1になる量の2,4−ジマレイミドトルエンと混合した。この混合物 を液体になるまで加熱し、モールド中で冷やした。固体の成形物が得られた。こ の生成物の融点(融点顕微鏡で測定)は114℃であった。 このポリマーの別の試料を、前記2,5−ジアルキルフラン基とマレイミド基 とのモル比が1:1になる量のトリス(マレイミドメチル) 1,3,5−ベン ゼントリカルボキシレートと混合した。この混合物を液体になるまで加熱し、モ ールド中で冷やした。固体の成形物が得られた。この生成物の融点(融点顕微鏡 で測定)は114℃の代わりに130℃であった。融点が16℃高いことは、ガ ラス転移温度が約16℃高いことを示す。実施例15 再成形性架橋樹脂を以下のようにして調製した。 実施例3の手順に従がったが、反応条件を変更して、位置不規則的線状交互一 酸化炭素/プロペン共重合体を調製した。得られたポリマーは、数平均分子量が 1770で、カルボニル基の27%がフラン基に転化した。 実施例4において、約400の分子量をもつポリ(プロペンオキサイド)を、 約2000の分子量を有するビス−アミノでキャップされたポリ(プロペンオキ サイド)(商標JEFFAMINE D2000 によって入手)等モル量に変える相違のもとで 、実施例4の手順を繰り返した。 前記フラン化ポリマーの試料を、こうして得られたビス−マレイミドでキャッ プされたポリ(プロペンオキサイド)に前記2,5−ジアルキルフラン基と前記 マレイミド基とのモル比が1:1になる量で40℃にて混合した。この液体混合 物をモールド中に流し出し、一晩保持した。ゴム状の生成物が得られた。DMA (加熱速度2℃/分)において、ガラス転移開始温度が−45℃を示した。 実施例4において、約400の分子量をもつ前記ポリ(プロペンオキサイド) を、約3000の分子量を有するトリス−アミノでキャップされたポリ(プロペ ンオキサイド)(商標 JEFFAMINE T3000 によって入手)2/3モル量に変える 相違のもとで、実施例4の手順を繰り返した。 前記フラン化ポリマーの別の試料を、こうして得られたトリス−マレイミドで キャップされたポリ(プロペンオキサイド)と2,5−ジアルキルフラン基とマ レイミド基とのモル比が1:1になる量で40℃にて混合した。この液体混合物 をモールド中に流し出し、一晩保持した。ゴム状の生成物が得られた。DMA( 加熱速度2℃/分)において、ガラス転移開始温度が−41℃を示した。実施例16 購入したジメチル1,4−ジメチル−1,4−エポキシシクロヘキサ−2,5 −ジエン−2,3−ジカルボキシレート(すなわち、ジメチルアセチレンジカル ボキシレートと2,5−ジメチルフランのディールス−アルダー付加物)の試料 (0.76g)を180℃にて窒素雰囲気で5分間加熱した。揮発性分解生成物 をコールドトラップ(−80℃)に採集した。1H−NMRおよび13C−NMR 分析により、トラップされた揮発性反応生成物は、実質的に2,5−ジメチルフ ランであり、残査は、実質的に未転化の出発材料およびジメチルアセチレンジカ ルボキシレートを含有することを確認した。アセチレンおよび2,5−ジメチル フラン−3,4−ジカルボキシレートは、検出されなかった。 この実験から、2,5−ジアルキルフランと、エチン部分の両側に接合した電 子吸引基をもつアルキンとのディールス−アルダー付加物は、加熱により2,5 −ジアルキルフランおよびアルキンに戻ることがわかる。ディールス−アルダー 反応および逆反応に必要な温度水準は、(再)成形操作に適用される好適な温度 範囲と一致する。驚くべきことに、他の可能な逆反応(すなわち、アセチレンお よび3,4−ジカルボキシ置換2,5−ジアルキルフラン)は、生じていないこ とが明らかとなった。したがって、エチン部分の両側に接合した電子吸引基をも つアルキンは、この発明において使用する好適なジエノフィルである。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1996年10月15日 【補正内容】 補正明細書 架橋反応および逆反応、ならびに(著者自身が述べたように)成形されたフルフ リル基の安定性もが、フルフリルをベースとする架橋樹脂の実用性を疑わしくす る。 ポリマー主鎖に接合した(2−フリル)−2−エチル基およびマレイミド基の ディールス−アルダー付加物をベースとする同様の架橋樹脂が、Y.Chujo らによ り開示されている(Macromolecules 23(1990)p.2636)。 主鎖ポリマーに接合されたフルフリル基、およびビス−マレイミド架橋剤に基 づく架橋樹脂が、DE-A 4104319に開示されている。この文献の樹脂は再成形のた めに、明らかに比較的高温を要する。フルフリル基の安定性が比較的低いという 上記教示を考慮すると、より低温で加工できる樹脂が望ましい。 さらに、US-A-4,656,235は、ビス−マレイミドジエノフィルおよびビス−フラ ンジエン含有シロキサンの分子間重合、続いて中間ディールス−アルダー付加物 の芳香化を介して作られる、シロキサン含有ポリイミド重合体に関する。 本発明は、2,5−ジアルキル置換フランおよびジエノフィルをベースとし、 実用性のある可逆架橋方式を提供する。2,5−ジアルキル置換フランおよびジ エノフィルをベースとするディールス−アルダー付加物が、フルフリル化合物に 基づく同様のディールス−アルダー付加物に比べて、より低温で好適に可逆反応 を受けることを発見した。 さらに、発明された架橋方式は、架橋(すなわち、硬化)反応および逆反応が 速く、かつ発明された再成形性架橋樹脂は、機械的特性の実質的変化が無く数回 の再成形が可能である。本発明の樹脂は、魅力的に低いか、または魅力的に高い ガラス転移温度を有し得、そして特に優れた機械的特性、例えば高機械的強度お よび剛性(例えばヤング率)、あるいは代わりに高柔軟性を有し得る。 したがって、この発明は、高められた温度に加熱することにより架橋がもとに 戻る架橋樹脂であって、ジエノフィルおよびジエンから得られるディールス−ア ルダー付加物を介して互いに結合するポリマー鎖を含み、後者が2,5−ジアル キル置換フランである該樹脂に関する。高められた温度に加熱することにより架 橋がもとに戻る樹脂を、以下、再成形性樹脂と呼ぶ。 本発明の再成形性架橋樹脂のポリマー鎖をディールス−アルダー付加物を介し て結合させるには、いくつかの方法がある。この発明の一実施態様においては、 ディールス−アルダー付加物が得られる2,5−ジアルキル置換フラン基がポリ マー鎖に接合し、またはポリマー鎖の一部を形成し、かつディールス−アルダー 付加物が得られる2個またはそれ以上のジエノフィルを分子構造中に含む架橋剤 を使用する。これらのジエノフィルは、明らかに、化学結合または架橋基により 互いに結合してもよい。したがって、本発明はまた、再成形性架橋樹脂の製造に 適する組成物であって、該組成物が2,5−ジアルキル置換フラン部分を含有す るポリマー、および2個またはそれ以上のジエノフィルを分子構造中に含有する 架橋剤からなる組成物に関する。 逆に、また、ジエノフィルがポリマー鎖に接合するか、またはポリマー鎖の一 部を形成してもよく、かつ2個またはそれ以上の2,5−ジアルキル置換フラン 基を分子構造中に含有する架橋剤を使用する。したがって、本発明は、再成形性 架橋樹脂の製造に適する組成物であって、ジエノフィル部分を含有するポリマー 、および2個またはそれ以上の2,5−ジアルキル置換フランを分子構造中に含 有する架橋剤からなる組成物に関する。 補正請求の範囲 1.高められた温度に加熱することにより架橋が元に戻る架橋樹脂であって、ジ エノフィルおよびジエンから得られるディールス−アルダー付加物を介して互い に結合されたポリマー鎖を含み、後者が2,5−ジアルキル置換フランである該 樹脂。 2.110〜250℃、特には140〜220℃の範囲の温度で再成形性である ことを特徴とする、請求項1に記載の樹脂。 3.前記ジエノフィルが、エチン部分の両側に接合した電子吸引基をもつアルキ ンであるか、または5−もしくは6−員環中に包含されたブテ−2−エン−1, 4−ジオン部分を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の樹脂。 4.前記ジエノフィルが、マレイン酸無水物の環式誘導体、特にはマレイミドで ある、請求項3に記載の樹脂。 5.前記樹脂が2,5−ジアルキル置換フラン部分を含有するポリマー、および 2個またはそれ以上のジエノフィルを分子構造中に含有する架橋剤から得られる ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂。 6.前記架橋剤が、 − マレイミドでキャップされたポリ(アルキレンオキサイド)、 − マレイミドでキャップされた(ポリ)シロキサン、ならびに − マレイミド基が化学結合、または(数平均)分子量が500以下の架橋基 もしくは結合架橋中の炭素原子数が20までの架橋基により互いに結合されてい るトリス−およびビス−マレイミド からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項5に記載の樹脂。 7.2,5−ジアルキル置換フラン部分を含む前記ポリマーが、ポリマー鎖中に 1,4−ジカルボニル部を含有する一酸化炭素とオレフィン系不飽和化合物との 共重合体、好ましくは一酸化炭素と前記オレフィン系不飽和化合物との交互共重 合体を、フラン化することにより得られることを特徴とする、請求項5または6 に記載の樹脂。 8.前記オレフィン系不飽和化合物が、脂肪族α−オレフィン、特にはプロペン であることを特徴とする、請求項7に記載の樹脂。 9.樹脂が得られる前記ポリマーは、数平均分子量が1,000〜25,000 の範囲、特には2,000〜10,000の範囲であることを特徴とする、請求 項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂。 10.前記樹脂が、前記2,5−ジアルキル置換フラン基と前記ジエノフィルとの モル比を、10:1〜1:2、特には5:1〜1:1.5にすることにより得ら れることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂。 11.マレイミドでキャップされたポリ(アルキレンオキサイド)、および一般式 H2N−CH2[−O−SiR2]n−O−CH2−NH2 (ここで、nは少なくとも1の整数、各Rは独立にアルキル基 特に炭素原子数 5までのアルキル基) の(ポリ)シロキサン、のビス−マレイミドから選ばれることを特徴とする架橋 剤。 12.高められた温度に加熱することにより架橋が元に戻る樹脂の製造に適する組 成物であって、2,5−ジアルキル置換フラン部分を含有するポリマー、および 2個またはそれ以上のジエノフィルを分子構造中に含有する架橋剤からなる該組 成物。 13.高められた温度に加熱することにより架橋が元に戻る樹脂の製造に適する組 成物であって、ジエノフィル部分を含有するポリマー、および2個またはそれ以 上の2,5−ジアルキル置換フラン基を分子構造中に含有する架橋剤からなる該 組成物。 14.高められた温度に加熱することにより架橋が元に戻る樹脂の製造に適するポ リマーであって、2,5−ジアルキル置換フラン部分およびジエノフィル部分を 含有する該ポリマー。 15.高められた温度に加熱することにより架橋が元に戻る樹脂の製造に適するキ ットであって、2,5−ジアルキル置換フラン部分を含有するポリマーからなる 第1構成成分、および2個またはそれ以上のジエノフィルを分子構造中に含有す る架橋剤からなる第2構成成分からなることを特徴とする該キット。 16.高められた温度に加熱することにより架橋が元に戻る樹脂の製造に適するキ ットであって、ジエノフィル部分を含有するポリマーからなる第1構成成分、お よび2個またはそれ以上の2,5−ジアルキル置換フラン基を分子構造中に含有 する架橋剤からなる第2構成成分からなることを特徴とする該キット。 17.請求項7で定義された2,5−ジアルキル置換フラン部分含有ポリマー、お よびpHが2〜7(20℃の水中で測定)の緩衝液またはpKaが2〜7(20 ℃の水中で測定)の酸を含む組成物。 18.請求項1に記載の樹脂を、液体へ転化するのに充分な高温へ加熱し、得られ た液体を所望の形に成形し、次いで該樹脂を凝固するのに充分な低温へ冷却する ことからなる、高められた温度に加熱することにより架橋が元に戻る樹脂の再成 形方法。
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Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ジエノフィルおよびジエンから得られるディールス−アルダー付加物であっ て、後者が2,5−ジアルキル置換フランである該付加物を介して互いに結合さ れたポリマー鎖を含む再成形性架橋樹脂。 2.110〜250℃、特には140〜220℃の範囲の温度で再成形性である ことを特徴とする、請求項1に記載の樹脂。 3.前記ジエノフィルが、エチン部分の両側に接合した電子吸引基をもつアルキ ンであるか、または5−もしくは6−員環中に包含されるブテ−2−エン−1, 4−ジオン部分を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の樹脂。 4.前記ジエノフィルが、マレイン酸無水物の環式誘導体、特にはマレイミドで ある、請求項3に記載の樹脂。 5.前記樹脂が2,5−ジアルキル置換フラン部分を含有するポリマー、および 2個またはそれ以上のジエノフィルを分子構造中に含有する架橋剤から得られる ことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか1項に記載の樹脂。 6.前記架橋剤が、 − マレイミドでキャップされたポリ(アルキレンオキサイド)、 − マレイミドでキャップされた(ポリ)シロキサン、ならびに − マレイミド基が化学結合、または(数平均)分子量が500以下の架橋基 もしくは結合架橋中の炭素原子数が20までの架橋基により互いに結合されてい るトリス−およびビス−マレイミド からなる群から選ばれることを特徴とする、請求項5に記載の樹脂。 7.2,5−ジアルキル置換フラン部分を含む前記ポリマーが、ポリマー鎖中に 1,4−ジカルボニル部を含有する一酸化炭素とオレフィン系不飽和化合物との 共重合体、好ましくは一酸化炭素と前記オレフィン系不飽和化合物との交互共重 合体を、フラン化することにより得られることを特徴とする、請求項5または6 に記載の樹脂。 8.前記オレフィン系不飽和化合物が、脂肪族α−オレフィン、特にはプロペン であることを特徴とする、請求項7に記載の樹脂。 9.樹脂が得られる前記ポリマーは、数平均分子量が1,000〜25,000 の範囲、特には2,000〜10,000の範囲であることを特徴とする、請求 項1〜8のいずれか1項に記載の樹脂。 10. 前記樹脂が、前記2,5−ジアルキル置換フラン基と前記ジエノフィルと のモル比を、10:1〜1:2、特には5:1〜1:1.5にすることにより得 られることを特徴とする、請求項1〜9のいずれか1項に記載の樹脂。 11. マレイミドでキャップされたポリ(アルキレンオキサイド)、および一般 式 H2N−CH2[−O−SiR2]n−O−CH2−NH2 (ここで、nは少なくとも1の整数、各Rは独立にアルキル基 特に炭素原子数 5までのアルキル基) の(ポリ)シロキサン、のビス−マレイミドから選ばれることを特徴とする架橋 剤。 12. 2,5−ジアルキル置換フラン部分を含有するポリマー、および2個また はそれ以上のジエノフィルを分子構造中に含有する架橋剤からなる、再成形性架 橋樹脂の製造に適する組成物。 13. ジエノフィル部分を含有するポリマー、および2個またはそれ以上の2, 5−ジアルキル置換フラン基を分子構造中に含有する架橋剤からなる、再成形性 架橋樹脂の製造に適する組成物。 14. 2,5−ジアルキル置換フラン部分およびジエノフィル部分を含有する、 再成形性架橋樹脂の製造に適するポリマー。 15. 2,5−ジアルキル置換フラン部分を含有するポリマーからなる第1構成 成分、および2個またはそれ以上のジエノフィルを分子構造中に含有する架橋剤 からなる第2構成成分からなることを特徴とする、再成形性架橋樹脂の製造に適 するキット。 16. ジエノフィル部分を含有するポリマーからなる第1構成成分、および2個 またはそれ以上の2,5−ジアルキル置換フラン基を分子構造中に含有する架橋 剤からなる第2構成成分からなることを特徴とする、再成形性架橋樹脂の製造に 適するキット。 17. 請求項7で定義された2,5−ジアルキル置換フラン部分含有ポリマー、 およびpHが2〜7(20℃の水中で測定)の緩衝液またはpKaが2〜7(2 0℃の水中で測定)の酸を含む組成物。 18. 請求項1に記載の樹脂を、液体へ転化するのに充分な高温へ加熱し、得ら れた液体を所望の形に成形し、次いで該樹脂を凝固するのに充分な低温へ冷却す ることからなる、架橋樹脂の再成形方法。
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