JP7211101B2 - トナー、画像形成装置、画像形成方法、及びトナー収容ユニット - Google Patents

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Description

本発明は、トナー、画像形成装置、画像形成方法、及びトナー収容ユニットに関する。
近年、市場においては、省エネルギー化のために、トナーの低温定着性を向上させることが要求されている。低温定着性を発現するためには、結着樹脂のガラス転移点を下げ、塑性変形しやすくすることで可能となるが、耐熱保存性とのトレードオフ関係にある。よって、前記トナーの低温定着性を達成する目的で、結着樹脂として結晶性樹脂と非晶性樹脂を併用することで粘弾性をコントロールしたトナーが従来から数多く提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかしながら、これらのトナーでは、前記結晶性樹脂がトナー表面に露出すると、現像器内での撹拌ストレスなどにより、トナー粒子の凝集体が発生し、前記トナーにより印刷した画像に異常が発生するなどして、トナーの信頼性に関わる問題が起きてしまうという問題があった(例えば、特許文献2参照)。
後端オフセットの発生、ハーフトーン画像における濃度ムラの発生、及び、高温苛酷環境下に放置後のカブリの発生、これらを効果的に抑制することを目的に、トナーの温度を上げていくにつれての粘弾性を規定したトナーが公知であるが、結晶速度が遅いCPESを用いたり、多量のCPESをトナー中に導入しようとすると、定着後のトナーの弾性回復が遅くなり紙に定着したトナーが、定着していない別の紙にくっつくといった問題(スタッキング)についての言及がない(例えば特許文献3参照)。
結晶性ポリエステルを用いてトナー粘弾性を下げる従来の手法では、耐熱保存性およびブロッキング防止など信頼性との両立は不十分であった。
本発明の課題は、低温定着性とスタッキング性とを両立することができるトナーを提供することである。
前記課題を解決するための手段としての本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤、離型剤を含有するトナーであって、
結着樹脂、着色剤、離型剤を含有するトナーであって、
該トナーの動的粘弾性測定において得られる貯蔵弾性率G’について
50℃での貯蔵弾性率をG’(50)とし、
80℃での貯蔵弾性率をG’(80)とし、
100℃から30℃へ降温させた時に貯蔵弾性率G’が10Pa以上となる温度をT(10)としたとき、
次の関係式(1)及び(2)を満たす、トナー。
3.0×10 ≦ G’(50)/G’(80) (1)
T(10) ≧ 75℃ (2)
本発明によると、低温定着性及びスタッキング性に優れたトナーを提供することができる。
図1は、本発明の実施形態の一例を示す概略構成図である。
(トナー)
本発明のトナーは、結着樹脂、着色剤、及び離型剤を含有し、更に必要に応じてその他の成分を含有する。
前記トナーは、以下の条件(1)及び(2)を満たす範囲で、前記結着樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂を含有してもよい。
トナーの動的粘弾性測定において得られる貯蔵弾性率G’について
50℃での貯蔵弾性率をG’(50)とし、
80℃での貯蔵弾性率をG’(80)とし、
100℃から30℃へ降温させた時に貯蔵弾性率G’が10Pa以上となる温度をT(10)としたとき、
次の関係式(1)及び(2)を満たす、トナー。
3.0×10 ≦ G’(50)/G’(80) (1)
T(10) ≧ 75℃ (2)
上記の状態を達成するためには、(1)昇温時のトナーの粘弾性は従来トナーより下がりやすく、かつ(2)降温時は従来トナーの粘弾性が高いことが求められる。
例えば、(1)の昇温時のトナー粘弾性を下げようとして、トナーレジンの分子量を低くした場合、(2)の降温時の従来トナーの粘弾性も下がる。このように、(1)と(2)はトレードオフ関係にある。
本発明によれば、熱によって結合の解離と再結合が可逆的に行うことができる結合様式(架橋点)を有するレジンを用いることで上記課題を解決できる。
例えば熱によって結合が乖離して粘度が低くなり、熱が冷めると再結合することで弾性が向上するので、(1)と(2)を両立することができる。
すなわち、本発明の発明者らは、トナーの組成、物性等を上記のように設計することで、以下のような特性を有し、高品位な画像が提供できるトナーが得られることを見出した。
・トナーの低温定着性と耐熱保存性を高いレベルで両立できるシャープメルト性を有する。
・結晶性樹脂を使用するトナーにおける特有の問題である、機械的耐久性不足による現像機内でのトナーの凝集発生、キャリア汚染、機内汚染、外添剤の埋没による帯電性や流動性の悪化を抑えることができる。
本発明のトナーは、必要に応じて、その他の成分を含有することは可能ではあるが、トナーの動的粘弾性測定において得られる、50℃での貯蔵弾性率をG’(50)とし、80℃での貯蔵弾性率をG’(80)とし、100℃から30℃へ降温させた時に貯蔵弾性率G’が10Pa以上となる温度をT(10)としたとき、トナーとして、下記(1)及び(2)の関係式を満たすことが必須である。
3.0×10≦G’(50)/G’(80) (1)
T(10) ≧ 75℃ (2)
G’(50)/G’(80)の好ましい範囲は、定着性の観点から、3.0×10以上であり、より好ましくは6.0×10以上である。
G’(50)/G’(80)を上記範囲に制御する方法として、結着樹脂の物性を制御する方法、結晶性ポリエステルと他の非晶性樹脂からなる結着樹脂との相溶性、融点、結晶化度を調整があげられる。結晶性ポリエステルに関しては、トナー中で結着樹脂への相溶を減らしつつ、熱をかけた時にすみやかに結晶性ポリエステルが溶融しG’(80)を下げる効果を期待する。しかし、G’(50)/G’(80)の数値を本発明による範囲に合わせようと、結晶性ポリステルを多用する場合、定着直後の紙同士のスタッキングなどで不都合が生じるため、使用するにも限界があることは明確である。
定着直後の紙同士のスタッキングを抑制するためには、動的粘弾性測定において、100℃から30℃へ降温させる時に、所蔵弾性率G’が10Pa以上となる温度をT(10)としたときに、トナーのT(10)が75℃以上を満たす必要がある。
本発明者らが実際に印字しているときの紙の温度を実測したところ、定着器のニップ付近では100℃~120℃程度であり、マシンから排紙された直後はおおよそ75℃前後であった。その際に紙がスタッキングしないトナーの粘弾性が10Paであったことから、T(10)≧75℃は必須と考える。好ましくは76℃以上である。これを下回る場合に、定着直後の画像はべたつき、紙を重ねた場合にくっついてしまう場合があり、特に印刷速度を早くしたい時に好ましくない。
よって上述のとおり、G’(50)/G’(80)を高く、かつT(10)も高くする必要があるため、G’(50)/G’(80)の数値を本発明による範囲に合わせようと、結晶性ポリステルを多用するケースはT(10)>75℃を満たすことが困難であり、結着樹脂の物性を制御することが好ましい。結着樹脂は、結着樹脂のガラス転移点や分子量の変更だけでは、G’(50)/G’(80)の数値を満たすことは困難であるため、これまでの技術では 3.0×10≦G’(50)/G’(80)(1)およびT(10)が75℃以上 (2)を満たすことができないことが理解できる。
<結着樹脂>
ポリステルの組成としては、後述する顔料やWAXなどの離型剤との親和性を加味したものでもよく、以下のようなモノマーが選択される。ジオール成分とジカルボン酸成分の重縮合反応で得られるポリエステルでは、ジオールとジカルボン酸を、また環状エステルモノマーの開環重合反応で得られるポリエステルについては、環状エステルモノマーを以下に示す。
-ジオール成分-
前記ジオール成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、1,4-ブタンジオール、2-メチル-1,3-プロパンジオール、1,5-ペンタンジオール、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、1,6-ヘキサンジオール、1,8-オクタンジオール、1,10-デカンジオール、1,12-ドデカンジオール等の脂肪族ジオール;ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のオキシアルキレン基を有するジオール;1,4-シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等の脂環式ジオール;脂環式ジオールに、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの;ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等のビスフェノール類;ビスフェノール類に、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、ブチレンオキシド等のアルキレンオキシドを付加したもの等のビスフェノール類のアルキレンオキシド付加物などが挙げられる。これらの中でも、炭素数4~12の脂肪族ジオールが好ましい。
これらのジオールは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-ジカルボン酸成分-
前記ジカルボン酸成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、脂肪族ジカルボン酸、芳香族ジカルボン酸などが挙げられる。また、これらの無水物を用いてもよいし、低級(炭素数1~3)アルキルエステル化物を用いてもよいし、ハロゲン化物を用いてもよい。
前記脂肪族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、ドデカン二酸、マレイン酸、フマル酸などが挙げられる。
前記芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、炭素数8~20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
前記炭素数8~20の芳香族ジカルボン酸としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸などが挙げられる。
これらの中でも、炭素数4~12の脂肪族ジカルボン酸が好ましい。
これらのジカルボン酸は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
-環状エステルモノマー-
環状エステルモノマーとしては乳酸の鏡像異性体、2-ヒドロキシブタン酸の鏡像異性体、2-ヒドロキシペンタン酸の鏡像異性体、2-ヒドロキシヘキサン酸の鏡像異性体、2-ヒドロキシヘプタン酸の鏡像異性体、2-ヒドロキシオクタン酸の鏡像異性体、2-ヒドロキシノナン酸の鏡像異性体、2-ヒドロキシデカン酸の鏡像異性体、2-ヒドロキシウンデカン酸の鏡像異性体、2-ヒドロキシドデカン酸の鏡像異性体などが挙げられる。これらの中でも、乳酸の鏡像異性体は、反応性、又は入手容易性の点から特に好ましい。これら環状二量体は単独で、あるいは数種を混合して使用することも可能である。
上記以外の環状エステルとしては、例えば、β-プロピオラクトン、β-ブチロラクトン、γ-ブチロラクトン、γ-ヘキサノラクトン、γ-オクタノラクトン、δ-バレロラクトン、δ-ヘキサラノラクトン、δ-オクタノラクトン、ε-カプロラクトン、δ-ドデカノラクトン、α-メチル-γ-ブチロラクトン、β-メチル-δ-バレロラクトン、グリコリッド、ラクタイドなどの脂肪族のラクトンを挙げることができる。
溶融特性を制御する目的で、分岐成分、架橋成分を含んでもよい。特に、熱可逆型共有結合(熱によって脱着ができる架橋点や分岐点を導入する)ことが望ましい。前記分岐成分、架橋成分としてディールスアルダー反応(ディールスアルダー反応が行える官能基の導入)、金属イオンによる凝集力(イオン結合の導入)を利用したもの、分裂時に安定ラジカルを生成するような動的共有結合の導入およびこれらのシステムが利用できる。
ディールスアルダー型結合は、共役ジエンとジエノフィルによる環化反応又は共役ジエン同士の環化反応による結合である。
本発明において、ディールスアルダー型結合とは、共役ジエンとジエノフィルによる環化反応又は共役ジエン同士の環化反応(ディールスアルダー反応)によって形成される結合を意味する。
共役ジエン(架橋点又は分岐点)としては、フラン環、チオフェン環、ピロール環、シクロペンタジエン環、1,3-ブタジエン、チオフェエン-1-オキサイド環、チオフェエン-1,1-ジオキサイド環、シクロペンタ-2,2-ジヒドロピリジン環、2Hチオピラン-1,1-ジオキサイド環、シクロヘキサ-2,4-ジエノン環及びピラン-2-オン環等が挙げられる。
ジエノフィル(伸長剤)としては、ビニル基、アセチレン基、アリル基、ジアゾ基、ニトロ基、マレイミド基等が挙げられる。これらの官能基は1分子内に平均で2つ以上有することが必須である。
熱によって脱着ができるもの以外の架橋点や分岐点としては、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等の多官能脂肪族アルコール、トリメリット酸等の多官能カルボン酸、ヘキサメチレンジイソシアネートの3両体からなるイソシアヌレートなどがモノマー成分としてあげられ,これらを併用してもよい。
前記結着樹脂としてのポリエステル樹脂は、ガラス転移温度が40℃~70℃が好ましい。また、残存するモノマーオリゴマーが少ないことが望まれ、架橋前のホモポリマーの段階で、重量平均分子量として10,000以上が好ましい。なお、重量平均分子量の上限に制限はないが、製造しやすさ等の都合により、大よそ35,000程度が上限となる。
本願明細書において、分子内の架橋点又は分岐点とは、架橋反応又は分岐反応をする可能性のある部位を意味する。以下では架橋点及び分岐点を合わせて「架橋点」という。
架橋点は、トナーの粘弾性が本発明で規定する数値範囲を満たせば特に制限はないが、分子鎖中に複数有することが好ましい。架橋点と伸長剤とのmol比(架橋点/伸長剤の官能基)は、低分子量の伸長剤が未反応で残らないことが望ましく、架橋点が多い状態が好ましく、2以上、より好ましくは4以上である。
結晶性ポリエステル樹脂としては、上記低温定着性の観点より融点は60℃~120℃が好ましい。また、前記結晶性ポリエステルに残存するモノマーオリゴマーが少ないことが望まれ、重量平均分子量として10,000以上が好ましい。なお、重合平均分子量の上限に制限はないが、製造しやすさ等の都合により、大よそ35,000程度が上限となる。
結晶性ポリエステル樹脂のトナーへの導入方法については、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。一般的には、ビーズミルなどによって結晶性ポリエステル樹脂を機械的に破砕・分散し、分散液の状態で導入する方法や、他の非晶性樹脂からなる結着樹脂と共に混練したマスターバッチのような状態で導入する方法がある。
<その他の成分>
前記その他の成分としては、例えば、着色剤、離型剤、帯電制御剤、外添剤などが挙げられる。
-着色剤-
前記着色剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、顔料などが挙げられる。
前記顔料としては、例えば、黒色顔料、イエロー顔料、マゼンタ顔料、シアン顔料などが挙げられる。これらの中でも、イエロー顔料、マゼンタ顔料、及びシアン顔料のいずれかを含有することが好ましい。
前記黒色顔料は、例えば、ブラックトナーに用いられる。前記黒色顔料としては、例えば、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト、ニグロシン染料、鉄黒などが挙げられる。
前記イエロー顔料は、例えば、イエロートナーに用いられる。前記イエロー顔料としては、例えば、シイ・アイ・ピグメントイエロー(C.I.Pigment Yellow)74、93、97、109、128、151、154、155、166、168、180、185、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエローなどが挙げられる。
前記マゼンタ顔料は、例えば、マゼンタトナーに用いられる。前記マゼンタ顔料としては、例えば、キナクリドン系顔料、シイ・アイ・ピグメントレッド(C.I.Pigment Red)48:2、57:1、58:2、5、31、146、147、150、176、184、269等のモノアゾ顔料などが挙げられる。また、前記モノアゾ顔料に前記キナクリドン系顔料を併用してもよい。
前記シアン顔料は、例えば、シアントナーに用いられる。前記シアン顔料としては、例えば、Cu-フタロシアニン顔料、Zn-フタロシアニン顔料、Al-フタロシアニン顔料などが挙げられる。
前記着色剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、1質量部~15質量部が好ましく、3質量部~10質量部がより好ましい。含有量が1質量部未満では、トナーの着色力が低下することがあり、15質量部を超えると、トナー中での顔料の分散不良が起こり、着色力の低下及びトナーの電気特性の低下を招くことがある。
前記着色剤は、樹脂と複合化されたマスターバッチとして用いることもできる。マスターバッチの製造又はマスターバッチとともに混練される樹脂としては、例えば、ポリスチレン、ポリp-クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン又はその置換体の重合体;スチレン-p-クロロスチレン共重合体、スチレン-プロピレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-ビニルナフタリン共重合体、スチレン-アクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリル酸エチル共重合体、スチレン-アクリル酸ブチル共重合体、スチレン-アクリル酸オクチル共重合体、スチレン-メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-メタクリル酸エチル共重合体、スチレン-メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン-α-クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ビニルメチルケトン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-アクリロニトリル-インデン共重合体、スチレン-マレイン酸共重合体、スチレン-マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記マスターバッチは、例えば、マスターバッチ用の樹脂と前記着色剤とを高せん断力をかけて混合し、混練して得ることができる。この際、前記着色剤と前記樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。また、着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練を行い、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する、いわゆるフラッシング法と呼ばれる方法は、着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高せん断分散装置が好ましく用いられる。
トナーにおいて、着色剤(特に顔料)は、トナー内部に存在していることが好ましく、トナー内部に分散していることがより好ましい。また、着色剤(特に顔料)はトナー表面に存在していないことが好ましい。
-離型剤-
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、カルボニル基含有ワックス、ポリオレフィンワックス、長鎖炭化水素などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、カルボニル基含有ワックスが好ましい。
前記カルボニル基含有ワックスとしては、例えば、ポリアルカン酸エステル、ポリアルカノールエステル、ポリアルカン酸アミド、ポリアルキルアミド、ジアルキルケトンなどが挙げられる。
前記ポリアルカン酸エステルとしては、例えば、カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18-オクタデカンジオールジステアレートなどが挙げられる。
前記ポリアルカノールエステルとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどが挙げられる。
前記ポリアルカン酸アミドとしては、例えば、ジベヘニルアミドなどが挙げられる。
前記ポリアルキルアミドとしては、例えば、トリメリット酸トリステアリルアミドなどが挙げられる。
前記ジアルキルケトンとしては、例えば、ジステアリルケトンなどが挙げられる。
これらカルボニル基含有ワックスの中でも、ポリアルカン酸エステルが特に好ましい。
前記ポリオレフィンワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどが挙げられる。前記長鎖炭化水素としては、例えば、パラフィンワックス、サゾールワックスなどが挙げられる。
前記離型剤の融点としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50℃~100℃が好ましく、60℃~90℃がより好ましい。前記融点が50℃未満であると、耐熱保存性に悪影響を与えることがあり、100℃を超えると、低温での定着時にコールドオフセットを起こし易いことがある。
前記離型剤の融点は、例えば、示差走査熱量計(TA-60WS及びDSC-60、株式会社島津製作所製)を用いて測定することができる。
まず、離型剤5.0mgをアルミニウム製の試料容器に入れ、該試料容器をホルダーユニットに載せ、電気炉中にセットする。次いで、窒素雰囲気下、0℃から昇温速度10℃/minで150℃まで昇温し、その後、150℃から降温速度10℃/minで0℃まで降温した後、更に昇温速度10℃/minで150℃まで昇温してDSC曲線を計測する。得られたDSC曲線から、DSC-60システム中の解析プログラムを用いて、2nd.ヒーティングにおける融解熱の最大ピーク温度を融点として求めることができる。
前記離型剤の溶融粘度としては、100℃における測定値として、5mPa・sec~100mPa・secが好ましく、5mPa・sec~50mPa・secがより好ましく、5mPa・sec~20mPa・secが特に好ましい。前記溶融粘度が、5mPa・sec未満であると、離型性が低下することがあり、100mPa・secを超えると、耐ホットオフセット性、及び低温での離型性が低下することがある。
前記離型剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、1質量部~20質量部が好ましく、3質量部~10質量部がより好ましい。前記含有量が、1質量部未満であると、耐ホットオフセット性が低下することがあり、20質量部を超えると、耐熱保存性、帯電性、転写性、耐ストレス性が低下することがある。
-帯電制御剤-
前記帯電制御剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又は化合物、タングステンの単体又は化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。具体的には、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP-51、含金属アゾ染料のボントロンS-34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE-82、サリチル酸系金属錯体のE-84、フェノール系縮合物のE-89(以上、オリエント化学工業株式会社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP-302、TP-415(以上、保土谷化学工業株式会社製)、LRA-901、ホウ素錯体であるLR-147(日本カーリット社製)などが挙げられる。
前記帯電制御剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、0.01質量部~5質量部が好ましく、0.02質量部~2質量部がより好ましい。前記含有量が、0.01質量%未満であると、帯電立ち上り性や帯電量が十分でなく、トナー画像に影響を及ぼしやすいことがある。前記含有量が、5質量部を超えると、トナーの帯電性が大きすぎ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招くことがある。
-外添剤-
前記外添剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、脂肪酸金属塩、金属酸化物、疎水化処理された酸化チタン、フルオロポリマーなどが挙げられる。
前記脂肪酸金属塩としては、例えば、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなどが挙げられる。
前記金属酸化物としては、例えば、酸化チタン、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化アンチモンなどが挙げられる。
前記シリカの市販品としては、例えば、R972、R974、RX200、RY200、R202、R805、R812(いずれも、日本アエロジル株式会社製)などが挙げられる。
前記酸化チタンの市販品としては、例えば、P-25(日本アエロジル株式会社製)、STT-30、STT-65C-S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF-140(富士チタン工業株式会社製)、MT-150W、MT-500B、MT-600B、MT-150A(いずれも、テイカ株式会社製)などが挙げられる。
前記疎水化処理された酸化チタンの市販品としては、例えば、T-805(日本アエロジル株式会社製)、STT-30A、STT-65S-S(いずれも、チタン工業株式会社製)、TAF-500T、TAF-1500T(いずれも、富士チタン工業株式会社製)、MT-100S、MT-100T(いずれも、テイカ株式会社製)、IT-S(石原産業株式会社製)などが挙げられる。
疎水化処理の方法としては、例えば、親水性の微粒子をメチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、オクチルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤で処理する方法などが挙げられる。
前記外添剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー100質量部に対して、0.1質量部~5質量部が好ましく、0.3質量部~3質量部がより好ましい。
前記外添剤の一次粒子の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、100nm以下が好ましく、3nm~70nmがより好ましい。前記平均粒径が、3nm未満であると、外添剤がトナー中に埋没し、その機能が有効に発揮されにくいことがあり、100nmを超えると、感光体表面を不均一に傷つけることがある。
ここで、上記各種測定法の手順や条件の一例を示す。
<<貯蔵弾性率G’>>
本発明のトナーの50℃における貯蔵弾性率G’(50)と、80℃における貯蔵弾性率G’(80)との比[G’(50)/G’(80)]としては、3.0×10以上である。前記比が、3.0×10未満であると、常温においてはトナーの耐熱保存性、機械的耐久性を保ちつつ、定着温度領域において急激に溶融するといった、トナーに求められるシャープメルト性が十分に発現されないことがある。なお、前記比の上限値としては、6.0×10が好ましい。降温時のT(10)は75℃以上である。75℃未満では耐熱保存性およびブロッキング防止などの信頼性が不十分である。
トナーの貯蔵弾性率(G’)は、例えば、動的粘弾性測定装置(ARES、TAインスツルメント社製)を用いて測定できる。具体的には、測定試料を、直径8mm、厚み1mm~2mmのペレットに成型し、直径8mmのパラレルプレートに固定した後、40℃で安定させ、周波数1Hz(6.28rad/s)、歪み量0.1%(歪み量制御モード)にて100℃まで昇温速度2.0℃/分間で昇温させて、貯蔵弾性率を測定する(G’(50)およびG’(80))。
100℃到達後、歪み量1.0%(歪み量制御モード)にて、10℃/分間で30℃まで降温させて、貯蔵弾性率が10Paとなる温度T(10)を求める。
<<示差走査熱量測定(DSC)による吸熱量>>
前記トナーのDSCの昇温1回目におけるガラス転移温度は40℃以上60℃以下が好ましい。
示差走査熱量の測定は、例えば、次のようにして行う。
示差走査熱量計(「DSC-60」;島津製作所製)を用いて、試料5mgをアルミニウムパンに計量し、降温速度10℃/分で、0℃まで冷却した試料を昇温速度10℃/分で昇温し、0℃から150℃の温度範囲におけるピークの吸熱量を測定する。なお、前記結晶性ポリエステル樹脂由来の吸熱ピークと、ワックス由来の吸熱ピークとの区別が困難な場合もあることから、例えば、以下に示す方法などによって、ワックスをトナーから抽出した後に測定することで、結晶性ポリエステル樹脂に由来する吸熱ピークを単離できる。
<<トナーの粒径>>
本発明のトナーの体積平均粒径(Dv)としては、例えば、3μm~8μmが好ましい。前記体積平均粒径が、3μm~8μmであると、以下の不具合を防止できる。
・二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させる不具合。
・一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなる不具合
・高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなる不具合
前記トナーにおける体積平均粒径(Dv)と個数平均粒径(Dn)との比(Dv/Dn)としては、1.00~1.25が好ましい。
前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(Dv/Dn)が、1.00~1.25であると、以下の不具合を防止できる。
・二成分現像剤では現像装置における長期の撹拌においてキャリアの表面にトナーが融着し、キャリアの帯電能力を低下させたり、クリーニング性を悪化させる不具合
・一成分現像剤では、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するため、ブレード等の部材へのトナー融着が発生し易くなる不具合
・1.25を超えると、高解像で高画質の画像を得ることが難しくなり、現像剤中のトナーの収支が行われた場合にトナーの粒子径の変動が大きくなる不具合
前記(Dv)及び(Dn)は、コールターカウンター法により測定できる。測定装置としては、コールターカウンターTA-IIやコールターマルチサイザーII、コールターマルチサイザーIII(いずれもコールター社製)が挙げられる。
以下に測定方法について述べる。
まず、電解水溶液100mL~150mL中に分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1mL~5mL加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1質量%NaCl水溶液を調製したもので、例えば、ISOTON-II(コールター社製)が使用できる。ここで、更に測定試料を2mg~20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1分間~3分間分散処理を行い、上記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子又はトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。得られた分布から、トナーの体積平均粒径(Dv)、及び個数平均粒径(Dn)を求めることができる。
チャンネルとしては、2.00μm以上2.52μm未満;2.52μm以上3.17μm未満;3.17μm以上4.00μm未満;4.00μm以上5.04μm未満;5.04μm以上6.35μm未満;6.35μm以上8.00μm未満;8.00μm以上10.08μm未満;10.08μm以上12.70μm未満;12.70μm以上16.00μm未満;16.00μm以上20.20μm未満;20.20μm以上25.40μm未満;25.40μm以上32.00μm未満;32.00μm以上40.30μm未満の13チャンネルを使用し、粒径2.00μm以上40.30μm未満の粒子を対象とする。
<トナーの製造方法>
前記トナーの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、湿式造粒法、粉砕法などが挙げられる。前記湿式造粒法としては、例えば、溶解懸濁法、乳化凝集法などが挙げられる。混練による分子切断、及び高分子量樹脂と低分子量樹脂との均一混練の難しさから、結着樹脂の混練を伴わない製造方法である、溶解懸濁法、乳化凝集法が好ましく、トナー粒子中の樹脂均一性の観点から溶解懸濁法がより好ましい。
-溶解懸濁法-
前記溶解懸濁法としては、例えば、トナー材料相調製工程と、水系媒体相調製工程と、乳化乃至分散液調製工程と、有機溶剤除去工程とを含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む方法などが挙げられる。
--トナー材料相(油相)調製工程--
前記トナー材料相調製工程は、少なくとも前記結着樹脂を含有し、更に必要に応じて、前記着色剤、前記離型剤などを含有するトナー材料を有機溶剤中に溶解又は分散させてトナー材料の溶解乃至分散液(トナー材料相又は油相と呼ぶこともある。)を調製する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記有機溶剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、除去の容易性の点で沸点が150℃未満の揮発性のものが好ましい。前記有機溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、1,1,2-トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどが挙げられる。これらの中でも、酢酸エチル、トルエン、キシレン、ベンゼン、塩化メチレン、1,2-ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素が好ましく、酢酸エチルがより好ましい。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記有機溶剤の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記トナー材料100質量部に対して300質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましく、25質量部~70質量部が特に好ましい。
--水系媒体相(水相)調製工程--
前記水系媒体相調製工程としては、水系媒体相を調製する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。この工程においては、水系媒体中に樹脂微粒子を含む水系媒体相を調製することが好ましい。
前記水系媒体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、水、水と混和可能な溶剤、これらの混合物などが挙げられる。これらの中でも、水が特に好ましい。
前記水と混和可能な溶剤としては、水と混和可能であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコール、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類、低級ケトン類などが挙げられる。
前記アルコールとしては、例えば、メタノール、イソプロパノール、エチレングリコールなどが挙げられる。
前記低級ケトン類としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトンなどが挙げられる。
これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記水系媒体相の調製は、例えば、界面活性剤の存在下で前記樹脂微粒子を前記水系媒体に分散させることにより行う。前記水系媒体中に前記界面活性剤、前記樹脂微粒子などを適宜加えるのは、前記トナー材料の分散を良好にするためである。
前記界面活性剤と前記樹脂微粒子の前記水系媒体中への添加量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、それぞれ、前記水系媒体に対して0.5質量%~10質量%が好ましい。
前記界面活性剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、両性界面活性剤などが挙げられる。
前記アニオン性界面活性剤としては、例えば、脂肪酸塩、アルキル硫酸エステル塩、アルキルアリールスルホン酸塩、アルキルジアリールエーテルジスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、アルキルリン酸塩、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル塩、グリセリールボレイト脂肪酸エステルなどが挙げられる。
前記樹脂微粒子は、水性分散体を形成しうる樹脂であればいかなる樹脂も使用でき、熱可塑性樹脂でも熱硬化性樹脂でもよい。前記樹脂微粒子の材質としては、例えば、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、ケイ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂、アニリン樹脂、アイオノマー樹脂、ポリカーボネート樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
これらの中でも、微細球状樹脂粒子の水性分散体が得られやすい点から、ビニル系樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂及びそれらの併用が好ましい。
前記ビニル系樹脂としては、例えば、ビニル系モノマーを単独重合又は共重合したポリマーで、例えば、スチレン-(メタ)アクリル酸エステル共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸-アクリル酸エステル重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-無水マレイン酸共重合体、スチレン-(メタ)アクリル酸共重合体などが挙げられる。
前記樹脂微粒子の平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、5nm~300nmが好ましく、20nm~200nmがより好ましい。
前記水系媒体相の調製においては、分散剤としてセルロースを用いてもよい。前記セルロースとしては、例えば、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムなどが挙げられる。
--乳化乃至分散液調製工程--
前記乳化乃至分散液調製工程としては、前記トナー材料の溶解乃至分散液(トナー材料相)と前記水系媒体相とを混合して乳化乃至分散させて乳化乃至分散液を調製する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
乳化乃至分散の方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、公知の分散機などを用いて行うことができる。前記分散機としては、例えば、低速せん断式分散機、高速せん断式分散機などが挙げられる。
前記トナー材料相100質量部に対する前記水系媒体相の使用量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、50質量部~2,000質量部が好ましく、100質量部~1,000質量部がより好ましい。前記使用量が、50~2,000質量部であると、以下の不具合を防止できる。
・トナー材料相の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない不具合
・経済的でなくなる不具合
--有機溶剤除去工程--
前記有機溶剤除去工程としては、前記乳化乃至分散液から前記有機溶剤を除去し脱溶剤スラリーを得る工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
前記有機溶剤の除去は、(1)反応系全体を徐々に昇温させて、前記乳化乃至分散液の油滴中の有機溶剤を完全に蒸発除去する方法、(2)前記乳化乃至分散液を乾燥雰囲気中に噴霧して、前記乳化乃至分散液の油滴中の有機溶剤を完全に除去する方法などが挙げられる。有機溶剤の除去が行われるとトナー粒子が形成される。
--その他の工程--
前記その他の工程としては、例えば、洗浄工程、乾燥工程などが挙げられる。
---洗浄工程---
前記洗浄工程としては、前記有機溶剤除去工程の後に、前記脱溶剤スラリーを水で洗浄する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記水としては、例えば、イオン交換水などが挙げられる。
---乾燥工程---
前記乾燥工程としては、前記洗浄工程で得られたトナー粒子を乾燥する工程であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
-粉砕法-
前記粉砕法は、例えば、少なくとも結着樹脂を含有するトナー材料を溶融混練したものを、粉砕し、分級することにより、前記トナーの母体粒子を製造する方法である。
前記溶融混練は、前記トナー材料を混合して得られた混合物を溶融混練機に仕込んで行う。前記溶融混練機としては、例えば、一軸又は二軸の連続混練機、ロールミルによるバッチ式混練機などが挙げられる。具体的には、例えば、神戸製鋼所製KTK型二軸押出機、東芝機械社製TEM型押出機、ケイシーケイ社製二軸押出機、池貝鉄工所製PCM型二軸押出機、ブス社製コニーダーなどが挙げられる。この溶融混練は、結着樹脂の分子鎖の切断を招来しないような適正な条件で行うことが好ましい。具体的には、溶融混練温度は、結着樹脂の軟化点を参考にして行われ、該軟化点より高温過ぎると切断が激しく、低温すぎると分散が進まないことがある。
前記粉砕は、前記溶融混練で得られた混練物を粉砕する工程である。この粉砕においては、まず、混練物を粗粉砕し、次いで微粉砕することが好ましい。この際ジェット気流中で衝突板に衝突させて粉砕したり、ジェット気流中で粒子同士を衝突させて粉砕したり、機械的に回転するローターとステーターの狭いギャップで粉砕する方式が好ましく用いられる。
前記分級は、前記粉砕で得られた粉砕物を所定粒径の粒子に調整する工程である。前記分級は、例えば、サイクロン、デカンター、遠心分離器などにより、微粒子部分を取り除くことにより行うことができる。
(現像剤)
本発明の現像剤は、本発明の前記トナーを含有する。前記現像剤は、一成分現像剤として使用してもよく、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。中でも、近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンター等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
前記トナーを用いた前記一成分現像剤の場合、トナーの収支が行われても、トナーの粒子径の変動が少なく、現像ローラへのトナーのフィルミングや、トナーを薄層化するためのブレード等の層厚規制部材へのトナーの融着がなく、現像手段の長期の使用(撹拌)においても、良好で安定した現像性及び画像が得られる。
また、前記トナーを用いた前記二成分現像剤の場合、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像手段における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。また、本発明の現像剤は補給用現像剤として使用することも可能である。
<キャリア>
前記キャリアとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯材と、該芯材を被覆する樹脂層とを有するものが好ましい。
<<芯材>>
前記芯材としては、磁性を有する粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、フェライト、マグネタイト、鉄、ニッケルが好ましい。また、近年著しく進む環境面への適応性を配慮した場合、前記フェライトとしては、従来の銅-亜鉛系フェライトではなく、マンガンフェライト、マンガン-マグネシウムフェライト、マンガン-ストロンチウムフェライト、マンガン-マグネシウム-ストロンチウムフェライト、リチウム系フェライトが好ましい。
前記樹脂層の材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノ系樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコーン樹脂;アルキド樹脂、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、ウレタン樹脂等で変性した変性シリコーン樹脂などが挙げられる。
前記シリコーン樹脂としては、市販品を用いることができる。
前記ストレートシリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR271、KR255、KR152;東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2400、SR2406、SR2410などが挙げられる。
前記変性シリコーン樹脂としては、例えば、信越化学工業株式会社製のKR206(アルキド変性シリコーン樹脂)、KR5208(アクリル変性シリコーン樹脂)、ES1001N(エポキシ変性シリコーン樹脂)、KR305(ウレタン変性シリコーン樹脂);東レ・ダウコーニング・シリコーン株式会社製のSR2115(エポキシ変性シリコーン樹脂)、SR2110(アルキド変性シリコーン樹脂)などが挙げられる。
なお、前記シリコーン樹脂を単体で用いることも可能であるが、架橋反応する成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。
前記樹脂層を形成する成分の前記キャリアにおける含有量としては、0.01質量%~5.0質量%が好ましい。前記含有量が、0.01質量%~5.0質量%であると、以下の不具合を防止できる。
・前記芯材の表面に均一な前記樹脂層を形成することができない不具合
・前記樹脂層が厚くなり過ぎてキャリア同士の造粒が発生し、均一なキャリア粒子が得られない不具合
前記現像剤が二成分現像剤である場合の前記トナーの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記キャリア100質量部に対して、2.0質量部~12.0質量部が好ましく、2.5質量部~10.0質量部がより好ましい。
(トナー収容ユニット)
本発明におけるトナー収容ユニットとは、トナーを収容する機能を有するユニットに、トナーを収容したものをいう。ここで、トナー収容ユニットの態様としては、例えば、トナー収容容器、現像器、プロセスカートリッジが挙げられる。トナー収容容器とは、トナーを収容した容器をいう。
現像器は、トナーを収容し現像する手段を有するものをいう。プロセスカートリッジとは、少なくとも静電潜像担持体(像担持体ともいう)と現像手段とを一体とし、トナーを収容し、画像形成装置に対して着脱可能であるものをいう。前記プロセスカートリッジは、更に帯電手段、露光手段、クリーニング手段から選ばれる少なくとも一つを備えてもよい。
本発明のトナー収容ユニットを、画像形成装置に装着して画像形成することで、低温定着性と耐熱保存性とを両立することのできるトナーの特徴を活かし、長期的な画像安定性を有し、かつ高品質・高精細な画像を形成することができる。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、静電潜像形成手段と、現像手段と、を少なくとも有し、更に必要に応じて、その他の手段を有する。
本発明に関する画像形成方法は、静電潜像形成工程と、現像工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて、その他の工程を含む。
前記画像形成方法は、前記画像形成装置により好適に行うことができ、前記静電潜像形成工程は、前記静電潜像形成手段により好適に行うことができ、前記現像工程は、前記現像手段により好適に行うことができ、前記その他の工程は、前記その他の手段により好適に行うことができる。
本発明の画像形成装置は、より好ましくは、静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する、トナーを備える現像手段と、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段とを含む。
また、本発明の画像形成方法は、より好ましくは、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着工程とを含む。
前記現像手段、及び前記現像工程において、前記トナーが使用される。好ましくは、前記トナーを含有し、更に必要に応じて、キャリアなどのその他の成分が含有された現像剤を用いることにより、前記トナー像を形成するとよい。
<静電潜像担持体>
前記静電潜像担持体(以下、「感光体」とも称する)の材質、構造、大きさとしては、特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができ、その材質としては、例えば、アモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体などが挙げられる。
<静電潜像形成手段>
前記静電潜像形成手段としては、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電部材と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光部材とを少なくとも有する手段などが挙げられる。
<現像手段>
前記現像手段としては、前記静電潜像担持体に形成された前記静電潜像を現像して可視像を形成する、トナーを備える現像手段であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<その他の手段>
前記その他の手段としては、例えば、転写手段、定着手段、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段などが挙げられる。
本発明の画像形成装置においては、滑剤塗布手段を有さないことが好ましい。前記滑剤塗布手段とは、感光体に滑剤を塗布する手段のことである。
前記滑剤とは、感光体等の表面に塗布される潤滑剤のことを指す。前記潤滑剤としては、例えば、ステアリン酸亜鉛などが挙げられる。
前記滑剤を塗布する目的としては、例えば、以下のことが挙げられる。
・摩擦係数μを低くすることでクリーニングブレードエッジの挙動を安定させ、クリーニング手段を補助する。
・帯電ローラーに交流電圧を印加した際の帯電電流から感光体表面を保護する。
・クリーニングブレードを用い像担持体等の表面に塗布された滑剤を削ることで、像担持体等へのトナー成分の固着や、外添剤・紙黛などによる汚染を抑制する。
滑剤を塗布する方法としては、例えば、ブラシローラーで像担持体表面に塗布する方式があり、滑剤の塊である滑剤固形体を塗布ブラシにより引っ掻くことで滑剤を得、像担持体表面に塗布することができる。
一般的に、滑剤塗布手段を除いた画像形成装置では、クリーニングブレードエッジの挙動が安定しないためクリーニング不良の原因となる他、クリーニングブレードが像担持体等と直に接するため、表面磨耗が増加する。
しかし、本発明においては、外添剤の異形性が高いため、上記のようなクリーニング不良が起こりにくい。
次に、本発明の画像形成装置により画像を形成する方法を実施する一の態様について、図1を参照しながら説明する。
図1は、その画像形成装置の一例の概略構成図である。像担持体としての感光体ドラム(以下、感光体という)110の回りには、帯電装置としての帯電ローラ120、露光装置130、クリーニングブレードを有するクリーニング装置160、除電装置としての除電ランプ170、現像装置140、中間転写体としての中間転写体150とが配設されている。中間転写体150は、複数の懸架ローラ151によって懸架され、図示しないモータ等の駆動手段により矢印方向に無端状に走行するように構成されている。この懸架ローラ151の一部は、中間転写体へ転写バイアスを供給する転写バイアスローラとしての役目を兼ねており、図示しない電源から所定の転写バイアス電圧が印加される。また、中間転写体150のクリーニングブレードを有するクリーニング装置190も配設されている。また、中間転写体150に対向し、最終転写材としての転写紙1100に現像像を転写するための転写手段として転写ローラ180が配設され、転写ローラ180は、図示しない電源装置により転写バイアスを供給される。そして、中間転写体150の周りには、電荷付与手段としてのコロナ帯電器152が設けられている。
現像装置140は、現像剤担持体としての現像ベルト141と、現像ベルト141の回りに併設した黒(以下、Bkという)現像ユニット145K、イエロー(以下、Yという)現像ユニット145Y、マゼンタ(以下、マゼンタという)現像ユニット145M、シアン(以下、Cという)現像ユニット145Cとから構成されている。 また、現像ベルト141は、複数のベルトローラに張り渡され、図示しないモータ等の駆動手段により矢印方向に無端状に走行するように構成され、上記感光体110との接触部では感光体110とほぼ同速で移動する。
各現像ユニットの構成は共通であるので、以下の説明はBk現像ユニット145Kについてのみ行ない、他の現像ユニット145Y、145M、145Cについては、図中でBk現像ユニット145Kにおけるものと対応する部分に、該ユニットにおけるものに付した番号の後にY、M、Cを付すに止め説明は省略する。Bk現像ユニット145Kは、トナー粒子とキャリア液成分とを含む、高粘度、高濃度の液体現像剤を収容する現像タンク142Kと、下部を現像タンク142K内の液体現像剤に浸漬するように配設された汲み上げローラ143Kと、汲み上げローラ143Kから汲み上げられた現像剤を薄層化して現像ベルト141に塗布する塗布ローラ144Kとから構成されている。塗布ローラ144Kは、導電性を有しており、図示しない電源から所定のバイアスが印加される。
続いて、本実施形態に係る画像形成装置の動作について説明する。図1において、感光体110を矢印方向に回転駆動しながら帯電ローラ120により一様帯電した後、露光装置130により図示しない光学系で原稿からの反射光を結像投影して感光体110上に静電潜像を形成する。この静電潜像は、現像装置140により現像され、顕像としてのトナー像が形成される。現像ベルト141上の現像剤層は、現像領域において感光体との接触により薄層の状態で現像ベルト141から剥離し、感光体110上の潜像の形成されている部分に移行する。この現像装置140により現像されたトナー像は、感光体110と等速移動している中間転写体150との当接部(一次転写領域)にて中間転写体150の表面に転写される(一次転写)。3色又は4色を重ね合わせる転写を行う場合は、この工程を各色ごとに繰り返し、中間転写体150にカラー画像を形成する。
中間転写体上の重ね合せトナー像に電荷を付与するためのコロナ帯電器152を、中間転写体150の回転方向において、感光体110と中間転写体150との接触対向部の下流側で、かつ中間転写体150と転写紙1100との接触対向部の上流側の位置に設置する。そして、コロナ帯電器152が、該トナー像に対して、該トナー像を形成するトナー粒子の帯電極性と同極性の真電荷を付与し、転写紙1100へ良好な転写がなされるに十分な電荷をトナー像に与える。上記トナー像は、コロナ帯電器152により帯電された後、転写ローラ180からの転写バイアスにより、図示しない給紙部から矢印方向に搬送された転写紙1100上に一括転写される(二次転写)。この後、トナー像が転写された転写紙1100は、図示しない分離装置により感光体110から分離され、図示しない定着装置で定着処理がなされた後に装置から排紙される。一方、転写後の感光体110は、クリーニング装置160によって未転写トナーが回収除去され、次の帯電に備えて除電ランプ170により残留電荷が除電される。カラー画像は通常4色の着色トナーで形成される。1枚のカラー画像には、1層から4層までのトナー層が形成されている。トナー層は1次転写(感光体から中間転写ベルトへの転写)や、2次転写(中間転写ベルトからシートへの転写)を通過する。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。ただし、「部」は、特に明示しない限り「質量部」を表す。
<非晶性樹脂A1の製造>
窒素導入管、脱水管、攪拌器、及び熱電対を装備した5Lの四つ口フラスコに、ジオールとしてプロピレングリコールと、ジカルボン酸としてテレフタル酸ジメチル及びアジピン酸ジメチルとを、テレフタル酸ジメチルとアジピン酸ジメチルとのモル比(テレフタル酸ジメチル/アジピン酸ジメチル)が80/20であり、OH基とCOOH基との比率(OH/COOH)が1.2になるように仕込み、仕込んだ原料の質量に対して300ppmのチタンテトライソプロポキシドとともにメタノールを流出させながら反応させた。最終的に230℃に昇温して樹脂酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。その後、20mmHg~30mmHgの減圧下にてMwが15,000になるまで反応させた。続けて反応温度を180℃まで下げて、無水トリメリット酸を加えることによって、末端にカルボン酸を付与させた非晶性ポリエステル樹脂である[非晶性樹脂A1]を得た。
<非晶性樹脂A2~A3の製造>
[非晶性樹脂A1]の製造において、ジカルボン酸とジオールを表1に示す通りに変更した以外は、[非晶性樹脂A1]と同様にして、非晶性ポリエステル樹脂である[非晶性樹脂A2]及び[非晶性樹脂A3]を得た。
<非晶性樹脂A4の製造>
とCorbion社製L-ラクチド90部、D-ラクチド10部、及びフルフリルアルコール(重合開始剤)2部を4つ口フラスコに加え、窒素雰囲気下、120℃で20分間加熱溶融させた後、オクチル酸スズを0.2部加えて190℃で3時間加熱溶融させた。その後、残留ラクチド等を減圧下留去し、[非晶性樹脂A4]を得た。Mn4800、架橋点密度は0.20mmol/gであった。
非晶性樹脂A1~A4についての原料組成、数平均分子量(Mn)及び架橋点密度(mmol/g)を表1に示す。
なお、架橋点密度は下記の計算式によって定義される数値である。架橋点密度は、架橋する可能性のある構造単位であり、架橋密度(実際に架橋した点)と定義が異なる。
Figure 0007211101000001
※ 式中の64は、重合反応(エステル交換反応)で留出するメタノールの
分子量(2mol相当)である。水が流出する系では、36(水2mol相当)となる。
Figure 0007211101000002
なお、表中の「ビスフェノールAのEO」とは、ビスフェノールAのエチレンオキサイド付加物のことを指す。
また、表1中の非晶性樹脂A1~A3における、ジオール及びジカルボン酸の数値は、ジオールに対する他の成分のモル比を表す。また、非晶性樹脂A4については、L-ラクチドとD-ラクチドとのモル比を表す。
なお、架橋点密度は、仕込み比で算出している。
<非晶性樹脂Bの合成>
冷却管、撹拌機、及び窒索導入管の付いた反応容器中に、3-メチル-1,5-ペンタンジオール、イソフタル酸、アジピン酸、無水トリメリット酸をOH基とCOOH基のモル比(OH/COOH)を1.5とし、ジオール成分の構成は3-メチル-1,5-ペンタンジオールを100mol%、ジカルボン酸成分の構成がイソフタル酸50mol%、アジピン酸50mol%、全モノマー中における無水トリメリット酸の量が1mol%となる様に、チタンテトライソプロポキシド(1000ppm対樹脂(モノマー)成分)とともに投入した。
その後、4時間程度で200℃まで昇温し、ついで、2時間かけて230℃に昇温し、流出水がなくなるまで反応を行った。
その後さらに、10mmHg~15mmHgの減圧で5時間反応し中間体ポリエステル樹脂を得た。
次に、冷却管、撹拌機、及び窒素導入管の付いた反応容器中に、中間体ポリエステル樹脂とイソホロンジイソシアネートとをモル比(中間体ポリエステル樹脂/イソホロンジイソシアネート)2.0で投入し、酢酸エチルで50質量%となるように希釈後、100℃で5時間反応させ、非晶性樹脂Bを得た。
上記非晶性樹脂Aは熱可逆型共有結合(架橋点)のある非晶性樹脂であり、非晶性樹脂Bは、熱可逆型共有結合がない樹脂である。非晶性樹脂Bは、低粘度、低Tgを有する非晶性樹脂であり定着下限温度を下げる役割がある。
<ワックス用分散剤の製造>
温度計及び撹拌機を装備したオートクレーブ反応槽に、融点が108℃の低分子量ポリエチレン(サンワックス151P、三洋化成工業株式会社製)70部、及びキシレン480部を入れ、170℃に昇温し、反応槽内を窒素で置換した。
次に、スチレン805部、アクリロニトリル50部、アクリル酸ブチル45部、及びジ-t-ブチルパーオキサイド36部をキシレン100部に溶解させた溶液を3時間で滴下し、170℃で30分間保持した後、脱溶剤し、ワックス用分散剤を得た。
<樹脂粒子分散液の作製>
撹拌棒及び温度計を装備した反応容器に、水683部、メタクリル酸のエチレンオキサイド付加物の硫酸エステルのナトリウム塩(エレミノールRS-30、三洋化成工業株式会社製)11部、スチレン138部、メタクリル酸138部、及び過硫酸アンモニウム1部を入れ、400rpmで15分間撹拌した後、75℃に昇温し、5時間保持した。
次に、1質量%過硫酸アンモニウム水溶液30部を加え、75℃で5時間熟成して、樹脂粒子分散液1を得た。
レーザ回折/散乱式粒度分布測定装置LA-920(株式会社堀場製作所製)を用いて、樹脂粒子分散液1の粒度分布を測定したところ、体積平均粒径が0.14μmであった。
<水相1の調製>
水990部、83部の樹脂粒子分散液1、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(エレミノールMON-7、三洋化成工業株式会社製)37部、及び酢酸エチル90部を混合し、[水相1]を得た。
<ワックス分散液の作製>
冷却管、温度計及び撹拌機を装備した反応容器に、パラフィンワックス(HNP-9(融点75℃)、日本精蝋株式会社製)130部、[ワックス用分散剤]70部、及び酢酸エチル800部を入れ、78℃に加熱して充分溶解し、撹拌しながら1時間かけて30℃まで冷却した。次いで、ウルトラビスコミル(アイメックス社製)により、送液速度1.0Kg/時間、ディスク周速度:10m/秒間、直径0.5mmジルコニアビーズ充填量80体積%、パス数6回の条件で湿式粉砕し、酢酸エチルを加えて固形分濃度を調整し、固形分濃度20%の[ワックス分散液1]を製造した。
<着色剤マスターバッチの作製>
水1,200部、DBP吸油量が42ml/100mg、pHが9.5のカーボンブラック(Printex35、デクサ社製)540部、及び1,200部の[ 非晶性樹脂A1]を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した後、2本ロールを用いて150℃で30分間混練した。
次に、圧延冷却した後、パルペライザーを用いて粉砕し、着色剤マスターバッチを得た。
(実施例1)
<トナー1の製造>
温度計及び攪拌機を装備した容器に、架橋点密度が0.73mmol/gの[非晶性樹脂A2]85部、[非晶性樹脂B1]9部、及び酢酸エチル94部を入れ、樹脂の融点以上まで加熱してよく溶解させ、[ワックス分散液]25部、及び[着色剤マスターバッチP1]12部を加え、伸長剤として、ビス(3-エチル-5-メチル-4-マレイミドフェニル)メタンを架橋点に対して1/4mol等量として、7部加えた(85×0.73/1000/4×442)。
50℃でTK式ホモミキサー(特殊機化社製)により、回転数10,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させ、[油相1]を得た。
次に、撹拌機及び温度計をセットした別の容器内に、イオン交換水75部、分散安定用の有機樹脂微粒子(スチレン-メタクリル酸-アクリル酸ブチル-メタクリル酸エチレンオキサイド付加物硫酸エステルのナトリウム塩の共重合体)の25%分散液(三洋化成工業社製)3部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5%水溶液(エレミノールMON-7、三洋化成工業社製)16部、及び酢酸エチル5部を混合撹拌して水相溶液を作製した。
この水相溶液に、[油相1]50部を加え、TKホモミキサー(特殊機化社製)により、回転数12,000rpmで1分間混合して、[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリー1]を投入し、50℃で2時間脱溶剤して、トナー母粒子の[スラリー1]を得た。
この[スラリー1]100部を減圧濾過し濾過ケーキを得た。その濾過ケーキについて、以下の(1)~(4)の洗浄処理を行った。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後、濾過した。
(2)前記(1)の濾過ケーキに10%水酸化ナトリウム水溶液100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで10分間)した後、減圧濾過した。
(3)前記(2)の濾過ケーキに10%塩酸100部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後、濾過した。
(4)前記(3)の濾過ケーキにイオン交換水300部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後、濾過する操作を2回行った。
得られた[濾過ケーキ1]を循風乾燥機により45℃で48時間乾燥させた。その後、目開き75μmメッシュで篩い、[トナー母体粒子1]を作製した。
次に、[トナー母体粒子1]100部に疎水性シリカ(HDK-2000、ワッカー・ケミー社製)1.0部、酸化チタン(MT-150AI、テイカ社製)0.3部を、ヘンシェルミキサーにより混合して、[トナー1]を製造した。
(実施例2~4、比較例1~2)
実施例1のトナーの油相の製造工程において、非晶性樹脂の種類およびその比率、伸長剤を下記表2に記載したとおりに変更した以外は実施例1と同様の操作を得た。得られたトナーの粘弾性結果を下記表2に示す。
Figure 0007211101000003
<トナー粘弾性G’(50)、G’(80)、T(10)の測定>
得られたトナーの粘弾性(貯蔵弾性率)を下記の方法により測定した。測定結果を表1に記載した。
貯蔵弾性率は、動的粘弾性測定装置(ARES、TAインスツルメント社製)を用いて測定した。得られたトナーを、直径8mm、厚み1mm~2mmのペレットに成型し、直径8mmのパラレルプレートに固定した後、40℃で安定させ、周波数1Hz(6.28rad/s)、歪み量0.1%(歪み量制御モード)にて100℃まで昇温速度2.0℃/分間で昇温させて、50℃、80℃の貯蔵弾性率を測定した。
100℃到達後、歪み量1.0%(歪み量制御モード)にて、10℃/分間で30℃まで降温させて、貯蔵弾性率が10Paとなる温度T(10)を求めた。
<<低温定着性>>
低温定着性については以下の評価を行った。
imagio MP C4300(株式会社リコー製)のユニットに各現像剤を投入した後、PPC用紙タイプ6000<70W>A4 T目(株式会社リコー製)に、2cm×15cmの長方形のベタ画像を、トナーの付着量が0.40mg/cmとなるように形成した。
このとき、定着ローラの表面温度を変化させ、ベタ画像の現像残画像が所望の場所以外の場所に定着されるオフセットが発生するかどうかを観察し、次の基準で、低温定着性を評価した。
[低温定着性評価基準]
◎:110℃未満
○:110℃以上、120℃未満
△:120℃以上、130℃未満
×:130℃以上
本発明の実施の態様を挙げると以下の通りである。
(1)結着樹脂、着色剤、離型剤を含有するトナーであって、
該トナーの動的粘弾性測定において得られる貯蔵弾性率G’について
50℃での貯蔵弾性率をG’(50)とし、
80℃での貯蔵弾性率をG’(80)とし、
100℃から30℃へ降温させた時に貯蔵弾性率G’が10Pa以上となる温度をT(10)としたとき、
次の関係式(1)及び(2)を満たす、トナー。
3.0×10 ≦ G’(50)/G’(80) (1)
T(10) ≧ 75℃ (2)
(2)前記結着樹脂を構成する高分子がその化学構造中に熱可逆型共有結合を含む、上記(1)に記載のトナー。
(3)前記熱可逆型共有結合がディールスアルダー型結合である、上記(2)に記載のトナー。
(4)静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する、トナーを備える現像手段と、
前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を含み、
前記トナーが、上記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のトナーである画像形成装置。
(5)静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、
前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着工程と、を含み、
前記トナーが、上記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のトナーである画像形成方法。
(6)上記(1)乃至(3)のいずれか1項に記載のトナーを収容したトナー収容ユニット。
110 感光体
120 帯電ローラ
130 露光装置
140 現像装置
141 現像ベルト
142K、142Y、142M、142C現像タンク
143K、143Y、143M、143C汲み上げローラ
144K、144Y、144M、144C 塗布ローラ
145K、145Y、145M、145C 現像ユニット
150 中間転写体
151 懸架ローラ
152 コロナ帯電器
160 クリーニング装置
170 除電ランプ
180 転写ローラ
190 クリーニング装置
1100 転写紙
特開2015-92212号公報 特開2013-142877号公報 特開2017-211647号公報

Claims (5)

  1. 結着樹脂、着色剤、離型剤を含有するトナーであって、
    前記結着樹脂を構成する高分子がその化学構造中に熱可逆型共有結合を含み、
    該トナーの動的粘弾性測定において得られる貯蔵弾性率G’について
    50℃での貯蔵弾性率をG’(50)とし、
    80℃での貯蔵弾性率をG’(80)とし、
    100℃から30℃へ降温させた時に貯蔵弾性率G’が10Pa以上となる温度をT(10)としたとき、
    次の関係式(1)及び(2)を満たす、トナー。
    3.0×10 ≦ G’(50)/G’(80) (1)
    T(10) ≧ 75℃ (2)
  2. 前記熱可逆型共有結合がディールスアルダー型結合である、請求項に記載のトナー。
  3. 静電潜像担持体と、
    前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する、トナーを備える現像手段と、
    前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写手段と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着手段と、を含み、
    前記トナーが、請求項1又は2に記載のトナーである画像形成装置。
  4. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
    前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、トナーを用いて現像してトナー像を形成する現像工程と、
    前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体の表面に転写する転写工程と、
    前記記録媒体の表面に転写されたトナー像を定着する定着工程と、を含み、
    前記トナーが、請求項1又は2に記載のトナーである画像形成方法。
  5. 請求項1又は2に記載のトナーを収容したトナー収容ユニット。
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