【発明の詳細な説明】
漂白剤
本発明は、ペルオキシ化合物及び5〜10個の炭素原子を有するジカルボン酸ま
たはその塩を含む粒子に関する。また、本発明はその粒子の使用及びこのような
粒子を含む組成物に関する。
粉末洗剤組成物はしばしば、水溶液中で過酸化水素またはペルオキシ酸を放出
するペルオキシ化合物を漂白剤として含む。しかしながら、多くのペルオキシ化
合物は貯蔵安定性ではない。それらの分解は、洗剤中に通常存在する水の中を比
較的自由に移動する金属陽イオンにより触媒されるものと推定されるが、アルカ
リ性pH(通常約8〜約12)により、また洗剤中に普通存在するその他の成分、例
えば、ゼオライトまたは漂白活性剤、例えば、TAED(テトラアセチルエチレンジ
アミン)、TAGU(テトラアセチルグルコルリル)またはPAG(ペンタアセチルグ
ルコース)によっても促進される。
環境にやさしい洗剤を製造するために、過炭酸塩として一般に知られているア
ルカリ金属炭酸塩ペルオキシヒドレートを漂白剤として使用することが望ましい
。しかしながら、洗剤中の過炭酸塩の活性は、洗剤が通常の室温及び湿度で貯蔵
される場合、分解により迅速に低下する。
過炭酸塩を安定化しようとする多くの試みが、例えば、安定化物質、例えば、
硫酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩、ケイ酸塩または有機物質と混合または被覆すること
により行われてきた。このような安定化方法が特許文献、例えば、GB 1466799、
GB 1538893、GB 1575792、EP 459625、US 3975280及びEP 573731に記載されてい
る。
US 4075116は炭酸ナトリウム、過酸化水素及び種々の添加剤からの過炭酸塩の
調製を記載している。
CH特許659082は漂白剤を多量の無機炭酸塩及び水溶性酸と混合し、それにより
溶解速度を増大することを記載している。
日本特開昭第58-74508号明細書は過炭酸塩をケイ酸塩及びナトリウムのリン酸
塩、ホウ酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩またはコハク酸塩と混合し、それにより溶
解速度を増大することを記載している。
US特許5340496は無機塩とカルボン酸、特にオレイン酸の如き長鎖酸との或る
種の組み合わせによる過炭酸塩の安定化を記載している。
本発明の目的は、特に洗剤組成物中での改良された貯蔵安定性を有する、ペル
オキシ化合物、特にアルカリ金属過炭酸塩を含む粒子を提供することである。本
発明の別の目的は、環境にやさしい成分のみを含むペルオキシ化合物を含む粒子
を提供することである。
本発明により、これらの目的は水溶液中で過酸化水素またはペルオキシ酸を放
出する能力を有するペルオキシ化合物を含む粒子を提供することにより達成され
、その粒子は更に、15重量%以下、好ましくは約10重量%以下、最も好ましくは
約5重量%以下の5〜10個の炭素原子を有する好ましくは水溶性のジカルボン酸
またはその塩を含む。この粒子は好ましくは約0.01重量%より多く、最も好まし
くは約0.05重量%よりも多いこのようなジカルボン酸またはその塩を含む。該粒
子中のペルオキシ化合物の量は好適には約10〜約99重量%、好ましくは50重量%
より多く、最も好ましくは約95重量%以下である。該粒子中のジカルボン酸は、
ペルオキシ化合物と混合されてもよく、かつ/または被覆物中に含まれてもよい
。
ジカルボン酸はキレート剤として作用するものと推定されるが、驚くことに、
本発明に係るジカルボン酸は、EDTAの如き通常のキレート剤と較べて優れた貯蔵
安定性を与えることがわかった。しかしながら、ジカルボン酸またはその塩の濃
度があまりに高いと、特に高濃度のペルオキシ化合物では、熱安定性を低下させ
る。
ジカルボン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を使用することが好
ましい。アルカリ金属はナトリウム、カリウムまたはこれらの混合物から選ばれ
ることが好ましく、またアルカリ土類金属はカルシウム、マグネシウムまたはこ
れらの混合物から選ばれることが好ましい。ナトリウム塩が特に好ましい。本発
明の以下の説明において、ジカルボン酸という用語はその塩をも表す。
好適には、ジカルボン酸は5〜8個の炭素原子、好ましくは5〜7個の炭素原
子を含む。カルボン酸基は炭素鎖の末端に位置されることが好ましい。更に、ジ
カルボン酸はヒドロキシル基を含まないことが好ましく、それはカルボン酸基以
外の官能基を含まないことが最も好ましい。
最も好ましいジカルボン酸は式:
COOH−R−COOH
(式中、Rは3〜8個の炭素原子、好ましくは3〜5個の炭素原子を有するアル
キレン(これが好ましい)またはアルケニレンである)
を満足する。Rは分岐を有しない直鎖であることが好ましい。
有益なジカルボン酸の例はグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸
、アゼライン酸、セバシン酸及びこれらの混合物であり、そのうちグルタル酸、
アジピン酸及びピメリン酸が特に好ましい。グルタル酸が最も好ましい酸である
。
本発明の粒子は、本明細書に記載された二種以上の異なるジカルボン酸を含ん
でもよいことが理解されるべきである。また、該粒子はその他の環境上許される
安定剤または不活性物質を含んでもよい。
本発明の粒子は安定性を更に改良し、また機械的強度を増進するケイ酸塩を含
むことが好ましい。ケイ酸塩はペルオキシ化合物と混合されてもよく、かつ/ま
たは被覆物中に含まれてもよい。ケイ酸塩の少なくとも一部がペルオキシ化合物
と混合されることが好ましい。ケイ酸塩は、好ましくはナトリウム、カリウムま
たはこれらの混合物の、最も好ましくはナトリウムのアルカリ金属ケイ酸塩であ
ることが好適である。モル比SiO2:M2O(Mはアルカリ金属である)は好ましく
は約1〜約3、最も好ましくは約1〜約2.5である。本発明の粒子は、ケイ酸ナ
トリウムとして表して約0.1〜約20重量%、好ましくは約0.2〜約15重量%、最も
好ましくは約0.5〜約10重量%のケイ酸塩を含むことが好適である。
本発明の粒子は、水溶性マグネシウム化合物、好ましくは硫酸マグネシウムを
含む場合、安定性が更に改良されることがわかった。マグネシウム化合物はペル
オキシ化合物と混合されてもよく、かつ/または被覆物中に含まれてもよい。好
ましくはマグネシウムの少なくとも一部が、最も好ましくはアルカリ金属ケイ酸
塩と組み合わせて、ペルオキシ化合物と混合される。本発明の粒子は、硫酸マグ
ネシウムとして表して好ましくは約0.01〜約5重量%、最も好ましくは約0.1〜
約3重量%のマグネシウム化合物を含む。
本発明の実施態様によれば、本発明の粒子はまた式:
R'CnHm(OH)nCOOH
(式中、R'はCH2OHまたはCOOHであり、nは2〜6であり、かつmは0
〜nである)
を満足するヒドロキシカルボン酸またはその塩から選ばれたキレート剤を含む場
合、相乗効果が現れることがわかった。
そのヒドロキシカルボン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩を使用
することが好ましい。アルカリ金属はナトリウム、カリウムまたはこれらの混合
物から選ばれることが好ましく、またアルカリ土類金属はカルシウム、マグネシ
ウムまたはこれらの混合物から選ばれることが好ましい。ナトリウム塩が特に好
ましい。本発明の以下の説明において、ヒドロキシカルボン酸という用語はその
塩をも表す。
本発明の粒子は約0.01〜約15重量%、最も好ましくは約0.01〜約10重量%、特
に好ましくは約0.05〜約5重量%の上記の式のヒドロキシカルボン酸を含むこと
が好ましい。ジカルボン酸対ヒドロキシカルボン酸の重量比は好ましくは約0.05
:1〜約4:1、最も好ましくは約0.1:1〜約1:1である。ヒドロキシカルボン酸は、
ペルオキシ化合物と混合されてもよく、かつ/または被覆物中に含まれてもよい
。
上記の式中のR’はCH2OHであることが好ましい。また、nは4または5
であることが好ましい。mはnまたはn−2に等しいことが好ましく、こうして
炭素鎖は飽和されており、または1個の二重結合を含む。ヒドロキシカルボン酸
の特に好ましい塩はアルカリ金属グルコヘプトネート(R’がCH2OHであり
、n及びmが5である)である。ヒドロキシカルボン酸のその他の好ましい塩は
、アルカリ金属グルコネート(R’がCH2OHであり、n及びmが4である)
及びアルカリ金属アスコルベート(R’がCH2OHであり、nが4であり、か
つmが2である)である。その他の有益なヒドロキシカルボン酸として、例えば
、トリヒドロキシグルタル酸、酒石酸またはサッカリン酸が挙げられる。本発明
の粒子は、上記の式の二種以上の異なるヒドロキシカルボン酸を含んでもよいこ
とが理解されるべきである。
本発明の粒子は被覆されなくても高い安定性を有するが、粒子が被覆される場
合に最高の安定性が通常得られる。このような被覆物は、例えば、本明細書に記
載された一種以上のジカルボン酸、本明細書に記載されたヒドロキシカルボン酸
、アルカリ金属ケイ酸塩、水溶性マグネシウム化合物、例えば硫酸マグネシウム
、炭酸、重炭酸もしくは硫酸のアルカリ金属塩、または環境上許される有機キレ
ート剤を含んでいてもよく、異なる成分が一つまたは幾つかの層に適用される。
本発明の一実施態様において、本明細書に記載されたジカルボン酸はペルオキ
シ化合物と混合してのみ存在し、一方、本明細書に記載されたヒドロキシカルボ
ン酸は被覆物中にのみ存在し、またはその逆も真である。
別の実施態様において、本明細書に記載されたジカルボン酸及び本明細書に記
載されたヒドロキシカルボン酸の両方がペルオキシ化合物と混合され、かつ/ま
たは被覆物中に含まれる。
好適には、本発明の粒子は約50〜約3000μm、好ましくは約100〜約1600μmの
平均直径を有する。好ましい密度は約600〜約1500g/l、特に約800〜約1100g/lで
ある。高い平均粒子サイズだけでなく、高密度であることが貯蔵安定性を改良す
ることがわかった。
本発明は、ペルオキシ化合物がアルカリ金属過炭酸塩である場合に特に有利で
あるが、その他のペルオキシ化合物、例えば過ホウ酸、ペルオキシ硫酸、ペルオ
キシリン酸もしくはペルオキシケイ酸のアルカリ金属塩、ペルオキシカルボン酸
またはペルオキシカルボン酸放出化合物、例えばジ−アシル化ジ−ペルオキシカ
ルボン酸(WO 91/17143を参照のこと)も安定化され得る。
本発明の粒子は通常の方法により調製し得る。ペルオキシ化合物と混合すべき
成分は、グラニュール化工程で添加されることが好ましいが、例えば、アルカリ
金属過炭酸塩がアルカリ金属炭酸塩及び過酸化水素から製造される場合には、直
接含まれてもよい。アルカリ金属ケイ酸塩が含まれる場合、それは水溶液の形態
で添加されることが好ましく、次いでジカルボン酸またはその塩及び必要により
ヒドロキシカルボン酸またはその塩がペルオキシ化合物への添加の前にその中に
混合されることが好ましい。グラニュール化は当業者に公知の通常の方法、例え
ば、圧縮、押出、ドラムもしくはディスク中での凝集、流動床グラニュール化、
噴射造粒により、または異なる種類のミキサー中で行われてもよい。任意の被覆
工程は粒子を、例えは、ドラムまたは流動床中で、適用すべき成分の好ましくは
水溶液で噴霧することにより行われてもよい。
更に、本発明は、好ましくは繊維の洗浄または食器洗浄に関連した、漂白剤と
してペルオキシ化合物及びジカルボン酸を含む記載された粒子の使用に関する。
洗浄水が洗剤組成物中に含まれる本発明の粒子または独立の漂白粉末の形態であ
る本発明の粒子とともに供給され得る。洗浄水は、1リットル当たり約0.001〜
約1グラムの活性酸素(これは、例えば、約0.01〜約6グラムの過炭酸ナトリウ
ムに相当する)を含むような量の粒子とともに供給されることが好ましい。
最後に、本発明は不活性増量剤、及び/または洗浄時に活性な一種または数種
の物質を含む組成物に関するものであり、その組成物は、例えば約1〜約100重
量%の量の、本発明のペルオキシ化合物及びジカルボン酸を含む粒子を更に含む
。この組成物は、異なる種類のペルオキシ化合物を含む粒子の混合物を含んでも
よい。洗浄時に活性な物質は洗剤ビルダー、表面活性剤、アルカリ発生物質、漂
白活性剤、酵素、または洗剤に普通使用されるその他の物質であってもよい。洗
剤ビルダーは、例えばアルカリ金属またはアンモニウムのトリポリリン酸塩、ピ
ロリン酸塩またはオルトリン酸塩の如きリン酸塩、ゼオライトA(例えばゼオラ
イト4A)、ゼオライトB、ゼオライトP、ゼオライトX、またはゼオライトHS
、ゼオライトMAPの如きゼオライト、結晶性層状ジシリケート(例えば、式NaMSIx+1・
yH2O(式中、Mはナトリウムまたは水素であり、xは1.9〜4の数であり、
かつyは0〜20の数である)の結晶性層状ジシリケート)、無定形ジシリケート
(例えばブライトシルTM)の如きシリケート、ポリカルボキシレート、クエン酸
塩、炭酸塩、重炭酸塩、セスキ炭酸塩、硫酸塩、ホウ酸塩またはこれらの混合物
から選ばれてもよい。表面活性剤はアニオン表面活性剤、非イオン表面活性剤、
石鹸またはこれらの混合物から選ばれることが好ましい。アニオン表面活性剤は
、例えば線状アルキルベンゼンスルホネート、二級アルカンスルホネート、α−
スルホン化メチル脂肪酸エステル、アルキルスルフェート、アルコールエトキシ
スルフェート、α−オレフィンスルホネート、アルカリ金属サルコシネートまた
はアルキルエステルスルホネートから選ばれてもよい。非イオン表面
活性剤は、例えばアルコキシル化化合物、例えば脂肪アルコール、アルキルフェ
ノール及びアルキルアミンから選ばれてもよく、またはアルキルポリグルコシド
もしくはポリヒドロキシ脂肪酸アミドから選ばれてもよい。石鹸は、例えば牛脂
のナトリウム塩またはカリウム塩から選ばれてもよい。また、カチオン表面活性
剤、例えば四級アンモニウム化合物またはイミドアゾリニウム塩、並びに両性表
面活性剤が使用されてもよい。アルカリ発生物質は、例えば炭酸塩、ケイ酸塩、
リン酸塩またはこれらの混合物から選ばれてもよい。漂白活性剤は、例えばN−
またはO−アシル化化合物、例えばTAED、TAGU、SNOBS(ノニルベンゼンスルホ
ン酸ナトリウム)、PAG(ペンタアセチルグルコース)またはジアシル化ジペル
オキシカルボン酸(WO 91/17143を参照のこと)から選ばれてもよい。増量剤と
して、不活性物質、例えば硫酸ナトリウムが挙げられる。組成物は、完全洗剤ま
たは洗浄時に別に添加される漂白粉末を構成し得る。酵素は、例えばアミラーゼ
、中性プロテアーゼ及びアルカリ性プロテアーゼ、リパーゼ、エステラーゼまた
はセルラーゼから選ばれてもよい。
繊維の洗浄用の完全洗剤は約1〜約40重量%、好ましくは約10〜約30重量%の
本発明の粒子を含むことが好適である。更に、その洗剤は洗剤ビルダー、例えば
約5〜約50重量%、表面活性剤、例えば約5〜約35重量%及びアルカリ発生物質
、例えば約5〜約20重量%を含むことが好適である。該洗剤は約5〜約20重量%
のアニオン表面活性剤、約2〜約15重量%の非イオン表面活性剤、及び約0.1〜
約5重量%の石鹸を含むことが好ましい。また、洗剤は漂白活性剤、例えば約1
〜約10重量%、酵素、例えば約0.5〜約2.5重量%、及び硫酸ナトリウム等の増量
剤を、例えば約5〜約50重量%を含んでもよい。また、例えば、約0.1〜約1重
量%の量のキレート剤、例えばホスホネート、EDTA、NTA(ニトリロトリ酢酸)
、イミノジ酢酸誘導体またはEDDS(エチレンジアミン−N,N−ジコハク酸)を
含むことが可能である。更に、洗剤は通常の成分、例えば水ガラス、カルボキシ
メチルセルロース、分散剤例えば、ポリカルボン酸のホモポリマーまたはコポリ
マー、発泡調節剤、酸化防止剤、香料、着色剤、蛍光増白剤及び水(通常約3〜
約15重量%)を含んでもよい。洗剤は通常の方法、例えば乾式混合、凝集または
噴霧乾燥により調製し得る。その調製が噴霧乾燥を伴う場合、ペルオキシ化合
物、酵素及び香料を含む粒子の如き熱感受性成分は乾燥された材料に添加される
べきである。
別個の漂白粉末は、本発明のペルオキシ化合物を含む粒子ほぼ100重量%まで
を含有してもよいが、その含量は約5〜約90重量%であることが好ましい。漂白
粉末は唯一のペルオキシ化合物または異なる種類のペルオキシ化合物を含む粒子
の混合物を含んでもよい。例えば、約10〜約75重量%の過炭酸塩の如き過酸化水
素発生物質が、例えば、約2〜約25重量%のTAEDまたはTAGUの如き漂白
活性剤と組み合わせて使用されることが有利である。また、ジアシル化ジペルカ
ルボン酸の如きその他の漂白活性剤が、例えば、約2〜約25重量%の量で使用さ
れてもよい。また、漂白粉末は漂白ビルダー、例えば約5〜約90重量%、表面活
性剤、例えば約10重量%まで、酵素、例えば約2重量%まで、または増量剤、例
えば約5〜約90重量%を含んでもよい。好ましい漂白粉末は、実質的には約30〜
約75重量%の過炭酸塩を含む粒子、約10〜約25重量%の漂白活性剤からなり、残
部が実質的に洗剤ビルダー、増量剤、表面活性剤、水またはこれらの混合物であ
ることが好ましい。
食器洗浄用の洗剤は、好適には約2〜約15重量%の本発明の粒子を含む漂白剤
、約5〜約50重量%のアルカリ金属ジシリケート、0〜約40重量%のアルカリ金
属炭酸塩、約15〜約50重量%のビルダー、例えばクエン酸ナトリウム及びポリカ
ルボキシレートまたはトリポリリン酸ナトリウム(STPP)、約0.5〜約5
重量%の低発泡性非イオン表面活性剤、約0.5〜約5重量%の酵素及び約1〜
約6重量%の漂白活性剤、例えばTAED、を含む低アルカリ性洗剤(約10〜11
であることが意図される洗浄水のpH)の形態であってもよい。また、食器洗浄
洗剤は低アルカリ性洗剤と同様の組成を有する高アルカリ性(約11〜12であるこ
とが意図される洗浄水のpH)であってもよいが、そのジシリケートが約20〜約
80重量%のアルカリ金属メタシリケートで置換されており、ビルダーが実質的に
STPPからなることが好ましい。
本発明は、ペルオキシ化合物、特に過炭酸塩を含む安定な漂白剤を調製するこ
とを可能にし、これらはゼオライト4Aの如きゼオライトを含む洗剤に使用し得
る。また本発明は、環境上の観点からそれ程適しない例えばEDTAまたはホス
ホ
ネートの使用を、減少または排除することを可能にする。
本発明が下記の実施例により説明されるが、これらは本発明の範囲を限定する
ことを目的とするものではない。特にことわらない限り、全ての含量及び%は全
粒子を基準とする含量及び重量%を表す。
実施例1
約315〜1250μmの直径及び約900g/lの密度を有する過炭酸ナトリウム粒子を、
水溶液として供給される異なる添加剤と一緒に過炭酸塩微粒子を回転エイリッチ
(Eirich)ドラム中でグラニュール化し、グラニュールを流動床中で乾燥すること
により調製した。過炭酸塩の貯蔵安定性を試験するために、調製された粒子並び
に純粋な過炭酸ナトリウムの基準粒子を、9.7%の線状アルキルベンゼンスルホ
ネート(C平均11.5)、5.2%のエトキシル化C12-18アルコール(EO7)、3.6%のナ
トリウム石鹸、32.5%のゼオライト4A、11.8%の炭酸ナトリウム、5.2%のアク
リル酸とマレイン酸の共重合体のナトリウム塩(ソコラン(Sokolan)CP5)、3.4
%のナトリウム水ガラス(比3.3)、1.3%のカルボキシメチルセルロース、0.3
%のEDTA、0.3%の蛍光増白剤(スチルベン型)、7.4%の硫酸ナトリウム、12.2
%の水、6.5%の発泡抑制剤(SIK)、0.5%の酵素プリルプロテアーゼ(活性300
.00)からなる標準洗剤IEC-Z(ヘンケル)に入れた。サンプルを64gのIEC-Z、12
gの過炭酸塩粒子及び4gのTAEDから調製した。迅速安定性インデックス(QSI)を
、40℃で24時間の貯蔵中に生成した酸素の量を測定し、放出された酸素の量を初
期の過炭酸塩中の活性酸素の相対含量(%)で割ることにより夫々のサンプルに
ついて測定した。こうして、低QSI値は高い安定性を意味する。結果が下記の表
に見られ、表中、異なる成分の含量は全粒子を基準とする重量%を表す。下記の
略号が使用される。SPC=過炭酸ナトリウム; GA=グルタル酸のナトリウム塩; GH=
ナトリウムグルコヘプトネート; AA=アジピン酸のナトリウム塩; PA=ピメリン酸
のナトリウム塩; SDS=ナトリウムジシリケート; AO=活性酸素; QSI=迅速安定性
インデックス。
実施例2
過炭酸ナトリウムを実施例1のようにして調製し、試験した。結果が下記の表
に見られる。
実施例3
約315〜1250μmの直径及び約900g/lの密度を有する過炭酸ナトリウム粒子を、
水溶液として供給されるグルタル酸のナトリウム塩、ナトリウムジシリケート及
び硫酸マグネシウムと一緒に過炭酸塩微粒子からのグラニュール化により調製し
た。グラニュール化は、成分の混合物を押出し、生成された紐(string)を粉砕
し、得られた粒子を回転ディスクで丸みをつけ、丸みつけされた粒子を乾燥し、
篩にかけることにより行った。比較目的のために、一つのサンプルをグルタル酸
を用いないで調製し、一つのサンプルをグルタル酸に代えてEDTAを用いて調製し
た。粒子の安定性を実施例1と同じ方法で標準IEC-Z洗剤中で試験し、結果が下
記の表に見られる。
実施例4
315〜1250μmの直径を有する過炭酸ナトリウム粒子を、流動床中で噴霧するこ
とにより水溶液として適用されるグルタル酸及び/またはグルコヘプトン酸のナ
トリウム塩で被覆した。比較目的のために、粒子をまた安息香酸及びカプロン酸
で被覆した。粒子の安定性を実施例1と同じ方法で標準IEC-Z洗剤中で試験し、
結果が下記の表に見られる。
実施例5
315〜1250μmの直径を有する過炭酸ナトリウム粒子を流動床中でケイ酸ナトリ
ウム(SiO2:Na2O 比1)、ナトリウムグルコヘプトネート及び/またはグルタル酸
のナトリウム塩の第一水溶液並びに硫酸マグネシウム及び必要により硫酸ナトリ
ウムまたは重炭酸ナトリウムの第二溶液で噴霧することにより被覆した。一つの
実験において、炭酸ナトリウムの第三溶液を適用した。粒子の安定性を実施例1
と同じ方法でIEC-Z洗剤中で試験し、結果が下記の表に見られる。
実施例6
実施例3のようなグラニュール化により調製された過炭酸ナトリウム粒子は、
98.8%の過炭酸ナトリウム、0.12%のMgSO4、0.63%のナトリウムジシリケート
、0.5%のグルタル酸(ナトリウム塩として)を含み、14.2%の活性酸素の含量
を有していた。この粒子を実施例5のようにして1.4%のMgSO4、2%のナトリウ
ムジシリケート、10%のNa2CO3、及び1%のグルタル酸(ナトリウム塩として)
で被覆した。被覆粒子は12.6%の活性酸素を含んでいた。粒子の安定性を実施例
1と同じ方法てIEC-Z洗剤中で試験し、未被覆粒子に関するQSIが2.20であり、被
覆粒子に関するQSIが0.04であることがわかった。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項
【提出日】1996年9月19日
【補正内容】
請求の範囲(34条補正)
1.水溶液中で過酸化水素またはペルオキシ酸を放出する能力を有するペルオキ
シ化合物を含む粒子であって、該粒子は15重量%以下の5〜10個の炭素原子を有
するジカルボン酸またはその塩を含むことを特徴とする。
2.約10重量%以下の5〜10個の炭素原子を有するジカルボン酸またはその塩を
含むことを特徴とする請求の範囲第1項に記載の粒子。
3.5〜10個の炭素原子を有するジカルボン酸のアルカリ金属塩またはアルカリ
土類金属塩を含むことを特徴とする請求の範囲第1項〜第2項のいずれか一項に
記載の粒子。
4.前記5〜10個の炭素原子を有するジカルボン酸またはその塩が、前記ペルオ
キシ化合物と混合されることを特徴とする請求の範囲第1項〜第3項のいずれか
一項に記載の粒子。
5.前記5〜10個の炭素原子を有するジカルボン酸またはその塩が、被覆物中に
含まれることを特徴とする請求の範囲第1項〜第4項のいずれか一項に記載の粒
子。
6.前記ジカルボン酸が式:
COOH−R−COOH
(式中、Rは3〜8個の炭素原子を有するアルキレンまたはアルケニレンである
)を満足することを特徴とする請求の範囲第1項〜第5項のいずれか一項に記載
の粒子。
7.Rが分岐を有しない直鎖であることを特徴とする請求の範囲第6項に記載の
粒子。
8.前記ジカルボン酸がグルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、ア
ゼライン酸、セバシン酸のいずれか一種またはこれらの混合物であることを特徴
とする請求の範囲第7項に記載の粒子。
9.前記ジカルボン酸がグルタル酸であることを特徴とする請求の範囲第8項に
記載の粒子。
10.ケイ酸塩を含むことを特徴とする請求の範囲第1項〜第9項のいずれか一項
に記載の粒子。
11.アルカリ金属ケイ酸塩を含むことを特徴とする請求の範囲第10項に記載の粒
子。
12.前記ケイ酸塩が前記ペルオキシ化合物と混合されることを特徴とする請求の
範囲第10項〜第11項のいずれか一項に記載の粒子。
13.前記ケイ酸塩が被覆物中に含まれることを特徴とする請求の範囲第10項〜第
12項のいずれか一項に記載の粒子。
14.水溶性マグネシウム化合物を含むことを特徴とする請求の範囲第1項〜第13
項のいずれか一項に記載の粒子。
15.式:
R'CnHm(OH)nCOOH
(式中、R'はCH2OHまたはCOOHであり、nは2〜6であり、かつmは0
〜nである)
を満足するヒドロキシカルボン酸またはその塩を含むことを特徴とする請求の範
囲第1項〜第14項のいずれか一項に記載の粒子。
16.R'がCH2OHであり、nが4または5であり、かつmがnまたはn−2に
等しいことを特徴とする請求の範囲第15項に記載の粒子。
17.前記ヒドロキシカルボン酸がグルコヘプトン酸であることを特徴とする請求
の範囲第16項に記載の粒子。
18.請求の範囲第15項〜第17項のいずれか一項に記載のヒドロキシカルボン酸ま
たはその塩が、前記ペルオキシ化合物と混合されることを特徴とする請求の範囲
第1項〜第17項のいずれか一項に記載の粒子。
19.請求の範囲第15項〜第17項のいずれか一項に記載のヒドロキシカルボン酸ま
たはその塩が、被覆物中に含まれることを特徴とする請求の範囲第1項〜第17項
のいずれか一項に記載の粒子。
20.前記5〜10個の炭素原子を有するジカルボン酸及び請求の範囲第15項〜第17
項のいずれか一項に記載のヒドロキシカルボン酸が、両方とも前記ペルオキシ化
合物と混合されることを特徴とする請求の範囲第1項〜第19項のいずれか一項に
記載の粒子。
21.前記5〜10個の炭素原子を有するジカルボン酸及び請求の範囲第15項〜第17
項のいずれか一項に記載のヒドロキシカルボン酸が、両方とも被覆物中に含まれ
ることを特徴とする請求の範囲第1項〜第20項のいずれか一項に記載の粒子。
22.前記ペルオキシ化合物がアルカリ金属過炭酸塩であることを特徴とする請求
の範囲第1項〜第21項のいずれか一項に記載の粒子。
23.洗剤中の漂白剤としての請求の範囲第1項〜第22項のいずれか一項に記載の
粒子の使用。
24.不活性増量剤、及び/または洗浄時に活性な一種または数種の物質を含む組
成物であって、更に請求の範囲第1項〜第22項のいずれか一項に記載の粒子を含
む組成物。
25.請求の範囲第1項〜第21項のいずれか一項に記載の粒子を含む洗剤組成物。
26.ビルダーとしてゼオライトを含むことを特徴とする請求の範囲第25項に記載
の洗剤組成物。
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(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C11D 7/26 C11D 7/26
7/38 7/38
(31)優先権主張番号 9403778−5
(32)優先日 1994年11月3日
(33)優先権主張国 スウェーデン(SE)
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG
,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN,
TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG),
AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C
H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR,
KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M
N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU
,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT,
UA,UG,US,UZ,VN
(72)発明者 オッドスティグ セシリア
スウェーデン国、エス−414 58 コテボ
ルグ、ロツガタン 10