JPH10507920A - 植物の花の咲き方を改変する方法 - Google Patents

植物の花の咲き方を改変する方法

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JPH10507920A JP8514322A JP51432296A JPH10507920A JP H10507920 A JPH10507920 A JP H10507920A JP 8514322 A JP8514322 A JP 8514322A JP 51432296 A JP51432296 A JP 51432296A JP H10507920 A JPH10507920 A JP H10507920A
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ヘキスト シェリング アグレボ ゲーエムベーハー
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Abstract

(57)【要約】 野生型の植物と比較して花の咲き方が改変された植物を作成するための、とくに、花の形成が早く、開花の程度が増大した植物を作成するための方法、および、該方法により生じた植物が開示される。さらに、植物の花の咲き方を改変するための、ショ糖担体をコードするDNA分子の使用が開示される。

Description

【発明の詳細な説明】 植物の花の咲き方を改変する方法 本発明は、野生型植物と比較して花の咲き方が改変された植物、特に、開花が 早く、開花の程度が増大した植物を作成する方法に関する。本発明は該方法で得 られた植物にも関する。このような植物は植物におけるショ糖担体活性を高める ことにより作成される。さらに、本発明は、植物の花の咲き方を改変することを 目的とした、ショ糖担体をコードするDNA分子の使用にも関する。 花の形成は、植物の有性生殖の前提条件であり、従って、種子と果実の形成だ けでなく、栄養生殖ができない植物の繁殖に不可欠である。植物が単なる栄養成 長から花の形成に転じる時点は、農業、園芸および植物育種にとって非常な重要 性をもつ。また、花の数が経済的な重要性を持つ場合も多く、例えばさまざまな 有用植物(トマト、キュウリ、ズッキーニ、ワタなど)など、花の数が増えれば 収量が上がるもの、または観賞植物や切り花などを栽培する場合などがある。 応用分野において、植物が早く花を咲かせれば有利な場合は数多くある。例え ば農業分野においては、早く花が咲くということは、播種から収穫までの時間が 短縮される、そのため年に二回の収穫が可能になる、開花から収穫までの時間を 延長して収量が増加できるといった、さまざまな有用植物ができることを意味す る。また、植物育種の分野においては、早い開花は育種過程の大幅な短縮に貢献 しうるものであり、また収益性を上げうるものである。早い開花が園芸および鑑 賞植物の栽培において経済的に有用であることは明らかである。 植物の花の形成時点を決定する機構についてこれまでに行われた研究は、どの 因子が関与し、決定しているのかについて明確な結論を導くには至っていない。 多くの植物について、明暗のリズム、温度および水分供給などの環境的な影響に より、栄養成長から花の形成への遷移が決定されることがわかっている。これら の刺激がどのように受け取られ、茎頂分裂組織に花の形成を誘導する生理学的な シグナルに変換されていくのかはほとんどわかっていない。さまざまな仮説が論 じられ、開花ホルモン(フロリケン/アンチフロリケン)、炭水化物、サイトカ イニン、オーキシン、ポリアミンおよびカルシウムイオンなどの可能性のある多 数の因子が考慮されている(Bernierら、Plant Cell 5(1993),1147-1155)。 明暗リズム、温度および水分供給などの外生的な刺激の調節による花の形成時 点の制御は、温室の中など限られた程度でしか行うことができない。植物を屋外 で育てつつ早く花を咲かせるためには、外生的な刺激とは無関係に早く花が咲く 植物を用いることが必要である。このような植物の生育は、突然変異誘発という 手法により可能となるが、全ての植物種に応用できるわけではなく、また育種と いう手法では非常に時間がかかるうえ、それぞれの植物種について個別に行わな くてはならない。そのほか、遺伝子工学による方法がある。しかしながら、遺伝 子工学を用いるためには、前提条件として、開花の時点に大きな影響をもつ遺伝 子の座位が決定されていること、関連する産物をコードするDNA配列が得られて いることが必要である。しかしながら、事実はそうではない。 開花の時点に関する研究で最も広く用いられているアラビドーシス・タリアナ (Arabidopsis thaliana)種については、野生型植物に比べて早く花が咲く変異 株が多数報告されている(Leeら、Plant Cell 6(1994),75-83の参考文献を参照 )が、これらの変異株については詳しく調べられてはいない。また、早い開花に 関与する生化学的な因子の検出も成功していない。 ベル(Bell)ら(Plant Mol.Biol.23(1993),445-451)は、シゾサッカロミ セス・ポンベ(Schizosaccharomyces pombe)由来のcdc25-cDNAを形質転換した タバコ植物体が、この有糸分裂誘導タンパクの発現の結果、早い開花と花数の実 質的な増加を呈したことを報告した。しかしながら、これらの植物体は葉の形態 が重度に変化しているという欠点がある。特に、これらの植物体の葉は縮れ上が っている。 従って、この手法は、花の咲き方を改変した有用植物の育成に適しているとは 思われない。 従って、個体あたりの花の数が増加しているか、または早く花が咲く、無傷の 植物の育成は、依然として古典的な育種の手法または突然変異誘発の手法に依存 している。 従って、花の咲き方が改変されるように、特に、早い開花および/または程度 が増大した開花がもたらされるように、植物を改変することが本発明の技術的な 課題である。 この課題は、請求の範囲に記載された態様を提供することにより解決される。 よって、本発明の主題は、植物の花の咲き方を改変することを目的とした、シ ョ糖担体としての生物学的活性を持つタンパク質をコードするDNA分子の使用で ある。 公開済のPCT出願国際公報第94/00574号においては、DNA配列はホウレンソウま たはジャガイモ由来のショ糖担体をコードするものと述べられている。この出願 においては、ショ糖担体を過剰発現させることを目的として、これらの配列を転 写調節のためのDNA配列と共に植物に導入する可能性について言及している。し かしながら、植物の花の咲き方を改変するための、ショ糖担体をコードするDNA 配列の利用については述べられていない。 ショ糖担体はショ糖、すなわち光合成により形成された光同化産物の最も重要 な輸送形態の、光合成活性のある組織から師部への輸送に重要な役割を演じてい ると推定される。ショ糖担体が師部から、光同化産物の取り込みに依存する、光 合成活性をもたない組織(「貯蔵」組織)へのショ糖の輸送にどの程度の役割を 演じているかについては議論が分かれている(Riesmeierら、Plant Cell 5(1993 ),1591-1598;Riesmeierら、EMBO J.13(1994),1-7)。 花の咲き方の調節に関するショ糖担体の機能はこれまで考慮されていない。シ ョ糖は、茎頂分裂組織における開花誘導のシグナルである可能性が何度か議論さ れている(Bernierら、Plant Cell 5(1993),1147-1155;Lejeuneら、Planta 19 0(1993),71-74;Lejeuneら、Plant Physiol.Biochem.29(1991),153-157)。 しかしながら、ショ糖担体がその活性増加の結果として花の咲き方に与える影響 については知られておらず、またいくつかの理由から、期待されてもいなかった 。 驚くべきことに、非形質転換植物と比較して組織中のショ糖担体活性が増加し ているトランスジェニック植物において、花の咲き方の変化が観察された。本出 願の文脈において、ショ糖担体の活性増加とは、トランスジェニック植物におけ るショ糖活性が非形質転換植物体と比較して、特に最低30パーセント、好ましく は最低50パーセント、特に最低100パーセント、および特に最低200パーセント、 増加していることを意味する。ショ糖担体は、生体内の膜を通過してショ糖を輸 送する能力をもつタンパク質と理解さている。これらの担体の活性は、リースマ イアー(Riesmeier)らによる方法(EMBO J.11(1992),4705-4713)に従って決 定される。本出願の文脈において、花の咲き方が改変されたということは、形質 転換された植物が、非形質転換植物と比較して、 a)早く花が咲き(「早く」とは、形質転換された植物が野生型の植物と比較して 、最低でも数日、好ましくは1〜数週間、特に1〜2週間早く花を形成すること をいう)、かつ/または、 b)開花の程度が増大している、つまり形質転換された植物が野生型の植物と比較 して、個体あたりの平均で通常最低5パーセント、特に10-100パーセント、およ び好ましくは10〜40パーセント多くの花をつける、ようになった場合と理解され る。 野生型植物と比較して、ショ糖担体活性を増加させるためには、ショ糖担体を コードするDNA分子を植物に導入すればよい。これにより、ショ糖担体活性をも つタンパク質がトランスジェニック細胞中で付加的に合成される。結果として、 形質転換された組織は、その内部で導入されたDNA分子が発現するため、非形質 転換細胞と比較して高いショ糖担体活性をもつ。 植物組織のショ糖担体活性を高めるためには、好ましくは、ショ糖担体をコー ドしたDNA配列のコード領域を、植物細胞内での転写に必要なDNA配列と連結し、 植物細胞に導入する。転写に必要な調節配列はプロモーターであり、選択的に、 転写開始を司る促進因子である。さらに、転写を終結し、生成した転写産物にポ リAテイルを付加する終止シグナルを、必要に応じて付加できる。これらの配列 は、ショ糖担体活性をもつタンパク質に翻訳されるメッセンジャーRNAが合成さ れるべく、ショ糖担体遺伝子のコード領域がプロモーターの3’末端にセンスの 方向でつながるように、またコード領域の3’末端に終止シグナルが続くように 、連結する。 さらに、コード領域は、実施例に示すように、植物細胞内での翻訳を増加させ る配列に連結することもできる。 ショ糖担体をコードするDNA分子は、このような配列をもつすべての生物種、 特にすべての真核生物または原核生物に由来しうる。好ましい態様としては、DN A分 子は植物、菌類または細菌に由来する。植物の場合には、より高等な植物が好ま しく、特に単子葉または双子葉植物が好ましい。ショ糖担体をコードするDNA分 子は様々な生物種で既知であり、以下に言及されるものである。これらは好まし く本発明において使用される。 本発明は、植物中のショ糖担体活性の増加により影響される花の咲き方を改変 する手法にも関する。 非形質転換植物と比較して花の咲き方が改変されている、特に、早くかつ/ま たは程度が増大して開花するトランスジェニック植物は、以下の段階からなる手 法を用いることにより作成される: a)以下のDNA配列を含む発現カセットの構築: i)結果として生ずるDNA配列の転写を保証する、植物細胞内で機能するプロモー ター、 ii)ショ糖担体をコードし、プロモーターの3’末端にセンスの方向に連結され る、少なくとも1つのDNA配列、および、 iii)必要に応じて、コード領域の3’末端に連結される、転写の終結、および生 成した転写産物へのポリAテイルの付加のための終止シグナル、 b)段階a)で構築された発現カセットによる植物細胞の形質転換、および発現カセ ットの植物ゲノム内への安定な組み込み、ならびに、 c)形質転換された植物細胞からの完全で無傷の植物体の再生。 i)で言及したプロモーターは、原理的に植物中で機能するいかなるプロモー ターであってもよい。適当なものとして、たとえば全ての植物組織中において構 成的発現を保証するカリフラワーモザイクウイルスの35Sプロモーター(Odellら 、Nature 313(1985),810-812)、および、国際公報第9401571号に開示されてい るそのプロモーター構築物がある。 しかしながら、外生的影響により決定されるある時点において(たとえば国際 公報第9307279号を参照)、または植物の特定の組織においてのみ、それに連結 された配列を発現するようなプロモーターも使用できる(たとえば、Hadashら、 Plant Cell 4(1992),149-159、Stockhausら、EMBO J. 8(1989),2245-2251)。 ショ糖担体のコード領域からなるDNA分子は、自前の、つまり形質転換される 植 物種から得られたもの、および外来の、つまり形質転換される植物とは異なる種 から得られたもののいずれでもよい。原核生物由来のDNA分子、および真核生物 、特に植物由来のDNA分子のいずれも使用できる。原核生物の配列としては、た とえば大腸菌由来のものが知られている(Bockmannら、Mol.Gen.Genet,235(199 2),22-32; EMBL gene bank: accession numberはX63740)。好ましい態様は植物 のショ糖担体をコードするDNA分子の使用である。例えばアラビドーシス・タリ アナ(Arabidopsis thaliana)(suc1-遺伝子およびsuc2-遺伝子;EMBL gene ba nk:accession numberはそれぞれX75365およびX75382、ほかにH36128、H36415、R 64756、T76707およびT42333)、ソラヌム・ツベロスム(Solanum tuberosum)( Riesmeierら、Plant Cell 5(1993),1591-1598; EMBL gene bank: accession nu mberはX69165、および国際公報第94/00547号)、プランタゴ・マジョール(Plan tago major)(EMBL gene bank: accession numberはX75764およびX84379)、L .エスクレンタム(L.esculentum)(EMBL gene bank: accession numberはX82 275)、ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacum)(EMBL gene bank: access ion numberはX82276およびX82277)、R.コムニス(R.communis)(EMBL gene b ank: accession numberはZ31561)、B.ブルガリス(B.vulgaris)(EMBL gene bank: accession numberはX83850)およびイネ(EMBL gene bank: accession nu mberはD40522およびD40515)に由来し、ショ糖担体をコードするRNAおよびDNA配 列が知られている。本発明の特別な態様は、ショ糖担体をコードするスピナチア ・オレアセア(Spinacia oleracea)由来のDNA分子(Riesmeierら、EMBO J.11(1 992),4705-4713および国際公報第94/00547号も参照)。 本発明による方法のさらに好ましい態様は、出来る限り低いKm値をもつショ糖 担体をコードするDNA分子の使用である。このような担体の活性は、たとえばカ ンジダ・アルビカンス(Candida albicans)で知られている(Williamsonら、Bi ochem.J.291(1993),765-771)。 ショ糖担体をコードする分子は、cDNA分子でもゲノム配列でもよい。これらの DNA分子は、当業者によく知られている従来の方法、たとえばハイブリダイジン グやポリメラーゼ連鎖反応によりそれぞれの生物種から単離する、または合成に より作り出すことができる。 セクションiii)で言及した植物細胞内での転写のための終止シグナルは、説明 されているもの、および交換することもできる。たとえば、アグロバクテリウム ・ツメファシェンス(Agrobacterium tumefaciens)由来のノパリンシンターゼ 遺伝子の終止配列(たとえば、Gielenら、EMBO J.8(1989),23-29を参照)を使 用できる。説明された発現カセットは、植物細胞内でコード領域の翻訳を増加さ せるDNA配列を含みうる。 本発明記載の方法は、原理的に、花を形成するすべての植物種、好ましくは以 下に言及する植物に応用しうる。 本発明の主題は、さらに、ショ糖担体活性の増加によって、野生型の植物と比 較して変化した花の咲き方、特に早い花形成および開花、ならびに/もしくは開 花の程度の増大を示すトランスジェニック植物を包含する。 このようなトランスジェニック植物は、好ましくは上に述べた手法によって得 られる。これは、それらの植物においてはショ糖担体活性の増加が、好ましくは 、ショ糖担体をコードするDNA分子の植物への導入およびその発現に基づいてい ることを意味する。DNA分子は、好ましくは、植物、菌類または細菌に由来する 。 本発明記載の植物は、好ましくは単子葉または双子葉の有用植物、たとえば穀 類(大麦、オート麦、ライ麦、小麦など)、トウモロコシ、イネ、野菜類(トマ ト、メロン、ズッキーニなど)、ワタ、ナタネ、ダイズ、果物(プラム、リンゴ 、洋ナシなど)、鑑賞花舟または切り花である。 高等植物に外来の遺伝子を導入するための準備として、大腸菌の複製シグナル および形質転換した細菌細胞の選択のためのマーカー遺伝子を含む、非常に多く のクローニング用ベクターが入手可能である。このようなベクターの例として、 pBR322、pUC系、M13mp系、pACYC184などがある。目的の配列は、ベクターの適当 な制限酵素切断部位に導入することが出来る。得られたプラスミドは、大腸菌の 形質転換に使用される。形質転換された大腸菌の細胞は、適当な培地中で培養さ れ、集菌され、溶解される。プラスミドが回収される。回収されたプラスミドDN Aの特徴づけのための解析法として、制限酵素による解析、ゲル電気泳動および さらなる生化学的・分子生物学的手法が用いられる。各操作の後で、プラスミド DNAは、切断され、他のDNA配列に連結できる。各プラスミドDNAの配列は、同じ 、ま たは他のプラスミドにクローン化できる。 植物細胞の形質転換のためには、方法において説明した発現カセットを用いる ことにより、プラスミドが好ましく用いられる。 植物宿主細胞にDNAを導入するためには、多くの方法が利用できる。これらの 方法には、アグロバクテリウム・ツメファシェンス(Agrobacterium tumefacien s)またはアグロバクテリウム・リゾゲネシス(Agrobacterium rhizogenesis) を形質転換の手段として用いる、T-DNAによる植物細胞の形質転換、プロトプラ スト融合法、注入法、DNAのエレクトロポレーション法、バイオリスティック法 (biolistic method)によるDNAの導入、およびその他の可能な方法が包含され る。 植物細胞へのDNA注入およびエレクトロポレーション法により取り込ませる場 合には、用いるプラスミドは特殊な要求を満たす必要がない。pUC誘導体のよう な単純なプラスミドが使用できる。しかしながら、これらの形質転換細胞から全 植物体を再生しようとする場合には、選択を可能にするマーカー遺伝子の存在が 必要となる。 植物細胞に目的の遺伝子を導入する方法によっては、さらに他のDNA配列が必 要になるかもしれない。たとえば、Ti-プラスミドまたはRi-プラスミドを植物細 胞の形質転換に使う場合には、少なくともTi-プラスミドおよびRi-プラスミドの 右境界領域、しばしば左右の境界領域が、導入しようとする遺伝子の隣接領域と して連結されなくてはならない。形質転換にアグロバクテリアを使う場合には、 導入しようとするDNAは特別なプラスミド、つまり中間ベクターまたはバイナリ ーベクターにクローン化されなくてはならない。 中間ベクターは、T-DNAにおける配列と相同な配列により、アグロバクテリア のTi-プラスミドまたはRI-プラスミドに相同組み換えにより組み込まれる。Ti- またはRi-プラスミドはさらに、T-DNAの移動に必要なvir領域を含む。中間ベク ターはアグロバクテリア内では複製できない。ヘルパープラスミドを用いること により、中問ベクターはアグロバクテリウム・ツメファシェンス(Agrobacteriu m tumefaciens)に移動する(接合)。バイナリーベクターは、大腸菌とアグロ バクテリアの両方で複製される。それらは選択マーカー遺伝子と、右および左の T-DNA境界領域に隣接したリンカーおよびポリリンカーを含む。これらは直接ア グロバクテ リアを形質転換できる(Holstersら、Mol.Gen.Genet.163(1978),181-187) 。宿主細胞として働くアグロバクテリアは、vir領域を含むプラスミドを含むべ きである。vir領域は、T-DNAの植物細胞への移動に必要である。さらに別のT-DN Aも存在するかもしれない。このようにして形質転換されたアグロバクテリウム は、植物細胞の形質転換に用いられる。 植物細胞の形質転換のためのT-DNAの利用に関しては非常に多くの研究がなさ れており、欧州特許第12516号(EP12516)、「Hoekema,The Binary Plant Vect or System Offsetdrukkerij Kanters B.V.,Alblasserdam,第5章(Chapter V )」、「Flraleyら、Crit.Rev.Plant.Sci.,4(1985),1-46」および「Anら、 EMBO J.4(1985),277-287」に、十分に説明されている。 DNAを植物細胞に移動させるには、植物の切片をアグロバクテリウム・ツメフ ァシェンス(Agrobacterium tumefaciens)またはアグロバクテリウム・リジゲ ネシス(Agrobacterium rhizogenes)と共培養するのが適当である。感染した植 物材料(たとえば葉の切片、茎の断片、根、さらにプロトプラストまたは懸濁培 養した植物細胞など)から、形質転換された細胞の選択のための抗生物質または バイオザイドを含むかもしれない適当な培地中で、全植物体を再生することがで きる。このようにして得られた植物は、次に、導入されたDNAの存在について調 べられる。 導入されたDNAが植物細胞のゲノムに組み込まれれば、通常組み込まれたDNAは そこに安定して存在し、最初に形質転換された細胞の後代にも含まれる。それに は通常、形質転換された植物細胞をバイオザイド、またはカナマイシン、G418、 ブレオマイシン、ハイグロマイシンまたはホスフィノトリシンおよびその他の抗 生物質に抵抗性にさせる選択マーカーが含まれる。従って、個々に選ばれたマー カーにより、導入したDNAを持たない細胞から、形質転換された細胞を選択する ことを可能となる。 形質転換された細胞は、植物体内で通常と同様に増殖する(McCormickら、Pla nt Cell Reports 5(1986),81-84も参照)。生じた植物体は普通に育成、および 形質転換に用いたものと同じ、または異なる遺伝情報をもつ植物と交配すること ができる。そこから生じた雑種個体は、対応する表現形質をもつ。 表現形質が安定に維持され、後代に伝わることを確認するためには、2代以上 育成すべきである。対応する表現形質または他の性質が維持されていることを確 認するためには、種子を収穫すべきである。 図1は、プラスミドpΩA7DE-S21-Myc8を示す。 A=フラグメントA:CaMVの35Sプロモーター、第6909-7437ヌクレオチド(Franc kら、Cell 21(1980),285-294)。プロモーターの5’末端領域に、2つの35Sエ ンハンサー因子(330塩基対のHincII/ EcoRV断片)がNcoI切断部位に挿入されて いる。 B=フラグメントB:タバコモザイクウイルス由来の翻訳エンハンサーを含む73 塩基対の長さをもつNco I/Asp 718断片(TMV-U1)。 C=フラグメントC:ホウレンソウ由来のショ糖担体をコードするcDNAの第70-16 44ヌクレオチドからなる、約1600塩基対の長さをもつDNA断片(Riesmeierら、EM BO J.11(1992),4705-4713)。 D=フラグメントD:EQKLISEEDLN-COOHのアミノ酸配列をコードする、33塩基対 の長さをもつDNA断片。 E=フラグメントE:オクトピンシンターゼ遺伝子の終止配列;TiプラスミドpTi ACH5のT-DNAの第11748-11939ヌクレオチド(Gielenら、EMBO J.3(1984),835-8 46)。 フラグメントA、B、C、DおよびEはベクターpUC18に含まれる。本プラスミドの サイズは約5700塩基対である。 図2はプラスミドpΩ-S21を示す。 A=フラグメントA:CaMVの35Sプロモーター、第6909-7437ヌクレオチド(Franck ら、Cell 21(1980),285-294)。プロモーターの5’末端領域に、2つの35Sエ ンハンサー因子(330塩基対のHincII/ EcoRV断片)がNcoI切断部位に挿入されて いる。 B=フラグメントB:タバコモザイクウイルス由来の翻訳エンハンサーを含む73 塩基対の長さをもつNco I/Asp 718断片(TMV-U1)。 C=フラグメントC:ホウレンソウ由来のショ糖担体をコードするcDNAの第70-16 44ヌクレオチドからなる、約1600塩基対の長さをもつDNA断片(Riesmeierら、EM BO J.11(1992),4705-4713)。 D=フラグメントD:EQKLISEEDLN-COOHのアミノ酸配列をコードする、33塩基対 の長さをもつDNA断片。 E=フラグメントE:オクトピンシンターゼ遺伝子の終止配列;TiプラスミドpTi ACH5のT-DNAの第11748-11939ヌクレオチド(Gielenら、EMBO J.3(1984),835-8 46)。 本プラスミドのサイズは約12.6キロ塩基対である。 図3はプラスミドp35 S-Ω-OCSを示す。 図4aおよびbは形質転換したタバコ植物体と非形質転換体との比較を示す。 a:プラスミドpΩ-S21で形質転換したタバコの第12番系統の3植物体(手前) を、2個体の非形質転換タバコ植物体(後)との比較で示した。植物体はファイ トトロンの中で約128日間育成した。 b:プラスミドpΩ-S21で形質転換したタバコの第32番系統の3植物体(後)を 、2個体の非形質転換タバコ植物体(手前)との比較で示した。植物体はファイ トトロンの中で約128日間育成した。 図5は、植物体を組織培養から土に植え替えた時点から最初の花が咲くまでの 平均日数を、棒グラフで示す。各遺伝子型について12個体を、以下に示す光条件 下、ファイトトロンの中で育成した。 午前7〜9時 1平方メートル当たり毎秒300マイクロモルクアンタ 午前9〜11時 1平方メートル当たり毎秒600マイクロモルクアンタ 午前11時〜午後1時 1平方メートル当たり毎秒900マイクロモルクアンタ 午後1〜5時 1平方メートル当たり毎秒1200マイクロモルクアンタ 午後5〜7時 1平方メートル当たり毎秒900マイクロモルクアンタ 午後7〜9時 1平方メートル当たり毎秒600マイクロモルクアンタ 午後9〜11時 1平方メートル当たり毎秒300マイクロモルクアンタ 図6は、植物体を組織培養から土に植え替えた時点から最初の花が咲くまでの 平均日数を、棒グラフで示す。各遺伝子型について12個体を、以下に示す光条件 下、ファイトトロンの中で育成した。第32、12、5および1番の系統は、プラスミ ドpΩ-S21で形質転換された4つの独立したトランスジェニック系統である。 午前7時〜午後11時 1平方メートル当たり毎秒400-500マイクロモルクアンタ 図7は、花の形成までの平均葉身基部(leaf bases)数を棒グラフで示す。試験 の条件については図6を参照。 実施例で用いた培地と溶液 20×SSC 塩化ナトリウム 175.3g クエン酸ナトリウム 88.2g 超純水で1000mlとする 10N 水酸化ナトリウムでpH7.0に調整 I0×MEN 200mM MOPS 50mM 酢酸ナトリウム 10mM EDTA pH7.0 NSEB緩衝液 0.25M リン酸ナトリウム緩衝液pH7.2 7% SDS 1mM EDTA 1% BSA (重量/体積) 4×レムリ緩衝液 200mM トリス pH6.8 8% SDS 0.4% ブロムフェノールブルー 40%グリセロール 実施例で用いた方法: 1.クローニングの方法 大腸菌へのクローン化には、ベクターpUC18を用いた。植物の形質転換には、 遺伝子の構築物はバイナリーベクターpBinARにクローン化した(HofgenおよびWi lmitzer、Plant Sci.66(1990),221-230)。 2.細菌の菌株 pUCベクターおよびpBinARの構築物には、大腸菌のDH5α株(Bethesda Researc h Laboratories、Gaithersburgh、米国)を用いた。それらのプラスミドによる タバコ植物体の形質転換は、アグロバクテリウム・ツメファシェンス(Agrobact er ium tumefaciens)C58C1 pGV2260株(Debleareら、Nucl.Acids Res.13(1985) ,4777-4788)を用いて行った。 3.アグロバクテリウム・ツメファシェンス(Agrobacterium tumefaciens)の 形質転換 DNAの移入はホフゲン(Hofgen)およびウィルミッツァー(Willmitzer)の方 法(Nucleic Acids Res.16(1988),9877)を用いて直接形質転換により行った 。形質転換されたアグロバクテリアのプラスミドDNAはバーンボイム(Birnboim )およびドリー(Doly)の方法(Nucleic Acids Res.7(1979),1513-1523)を 用いて単離し、適当な制限酵素により切断し、ゲル電気泳動により解析した。 4.タバコの形質転換 それぞれのアグロバクテリウム・ツメファシェンス(Agrobacterium tumefaci ens)のクローンは1晩培養し、遠心し(毎分6500回転;3分)、菌体をYEB培地 に再懸濁した。無菌培養したタバコ(ニコチアナ・タバカム(Nicotiana tabacu m cv.)、サムスンNN)の葉を約1センチ平方メートルの大きさに細かく刻み、 菌体懸濁液に浸した。次に葉の切片をMS培地(0.7%の寒天)上に置き、暗所で 2日間培養した。つづいて、シュートを誘導するため、葉の切片を1.6%のグルコ ース、1mg/Lの6-ベンジルアミノプリン、0.2mg/Lのナフチル酢酸、500mg/L のクラフォランおよび50mg/Lのカナマイシン存在下、MS培地(0.7%の寒天)上 に置いた。培地は7日から10日毎に交換した。シュートが誘導されると、葉の切 片を同じ培地を含むガラス容器に移した。形成されたシュートは切り離して2% ショ糖と250mg/Lのクラフォランを含むMS培地に置き、そこから全植物体を再生 させた。 5.DNA断片の放射性標識化 DNA断片の放射性標識化は、ベーリンガー社(ドイツ)のDNAランダムプライマ ーラベリングキットを用い、製造者による指示に従って行った。 6.ノーザンブロット解析 RNAは標準的なプロトコルに従って植物体の葉組織から抽出した。50μgのRNA を分離した(1.5%アガロース、1×MEN緩衝液、16.6%ホルムアルデヒド)。泳 動後、ゲルを簡単に水洗した。RNAは、20×SSCを用い、ブロッティング法により ハイボンドNタイプのナイロンメンブレン(アマシャム、英国)に転写した。つ ぎにメ ンブレンを減圧下で80℃2時間、乾熱処理した。メンブレンをNSEB緩衝液中で68 ℃で2時間プレハイブリダイゼーションし、つづいて放射性標識したプローブの 存在下、NSEB緩衝液中で68℃で1晩ハイブリダイゼーションした。 7.葉組織からのタンパク質の単離とウエスタンブロット解析 葉組織からタンパク質を単離するため、直径約5mmの完全な円形の葉切片を2 つタバコの葉から打ち抜き、100μLの4×ラエムリ緩衝液、5%β-メルカプトエ タノールとともに、エッペンドルフ(Eppendorf)ガラス容器中で磨砕した。生 じた懸濁液を軽く遠心した。10μLの上清を直接、ホーファー(Hofer)社「マイ ティー・スモール(MighTy Small)」SDSポリアクリルアミドゲル(分離用ゲル は10%ポリアクリルアミド:回収用ゲルは3.5%ポリアクリルアミド)にのせ、 ゲル電気泳動により分離した。タンパク質は、セミドライエレクトロブロット法 によりニトロセルロースメンブレンに転写した。トランスジェニックタバコ植物 体抽出物中からのホウレンソウ由来ショ糖担体の同定は、「ウサギ抗体用ブロッ ティング検出キット(blotting detection kit-for rabbit antibodies)」(ア マシャム(Amersham)社、英国)を用い、製造者の指示に従って行った。一次抗 体として、図1にフラグメントDとして示すmycエピトープを標的とする、マウス 9E10(KolodziejおよびYoung、In:Methods in Enzymology 194(1991),508-519 )由来のモノクローナル抗体を使用した。 8.植物の維持管理 温室内: 明期 25℃、1300ルクスで14時間 暗期 20℃、10時間 湿度 60% ファイトトロン内:明期 25℃、15時間 1平方メートル当たり毎秒800ミリアインシュタイン 暗期 22℃、9時間 湿度 80% 実施例で本発明を説明する。 実施例1 プラスミドpΩ-s21の構築、およびそのプラスミドのタバコ植物体ゲノムへの導 入 植物細胞の形質転換にふさわしい、および植物細胞内でのショ糖担体の過剰発 現を起こすためのプラスミドを構築するために、まずホウレンソウのショ糖担体 をコードするcDNAのコード領域を単離した。この目的のために、クローンpS21( Riesmeierら、EMBO J.11(1992),4705-4713に説明)を用いた。以下のオリゴヌ クレオチド、(1)5'-GAGACTGCAAGCCATGGCAGGAAGAAATATATAAAAAATGGTG-3’(配 列番号:1)、および(2)5'-GAGACTGCAGTCAGTTGAGGTCTTCTTCGGAGATTAGTTTTTGTTC ATGACCACCCATGGACCCACCAATTTTAGC-3'(配列番号:2)を用いて、約1600塩基対の長 さで、Riesmeierら(EMBO J.11(1992),4705-4713)に述べられたクローンpS21 の配列の第70-1644ヌクレオチドからなるDNA断片を、PCRの技術を用いて増幅し た。オリゴヌクレオチド(1)を用いることにより、PstI切断部位とNocI切断部 位がコード領域の5’末端に導入された。オリゴヌクレオチド(2)を用いるこ とにより、11アミノ酸の長さをもつ(EQKLISEEDLN-COOH、配列番号:3)の配列が コード領域のC末端に付加され、さらに1ヶ所のpstI切断部位が導入された。こ れはc-Myc遺伝子に由来する配列で、マウス9E10由来のモノクローナル抗体(Kol odziejおよびYoung、「Methods in Enzymology 194(1991)」中、508-519頁;ハ ンブルグのディアノヴァ(Dianova)社から入手可能)の認識部位に相当する。 生じたPCR産物は制限酵素Pst Iで切断し、PSt Iで切断したpUC18ベクターに結合 した。生じたプラスミドはp-S21-Myc8と名付けた。これから、Nco I/Pst Iによ る部分分解で、PCR産物を含む約1600塩基対の断片を単離し、これにNco IとPst Iで切断したベクターp35SDE-Ω-OCSを結合した。 ベクターp35SDE-Ω-OCSは以下の要領で作成した。カリフラワーモザイクウイ ルスのプロモーター領域から530塩基対の長さのEcoRI/Asp718断片(第6909-7439 ヌクレオチド(Franckら、Cell 21(1980),285-294))を分離し、EcoRIとAsp71 8で切断したpUC18ベクターに結合した。生じたプラスミドをp35Sと名付けた。次 に、約330塩基対の長さの断片をEcoRI/Asp718プロモーター断片から、制限酵素H incIIとEcoRVによる切断により分離した。この断片をプラスミドp35Sの35Sプロ モーターのNco I切断部位を平滑化したところへクローン化した。生じた構築物 には、2つのHincII/EcoRV-I断片が互いに逆向きに入っており、これを以下に示 す順序でNco I切断部位に挿入した。 Eco RI-----(NcoI)/(EcoRV)---330塩基対----(HincII)/(EcoRV)---330塩基対--- -(HincII)/(NcoI)--------525塩基対---Asp718 生じたプラスミドはp35SDEと名付けた。2つの余分なHincII/EcoRV断片を含む 、この断片に含まれている35Sプロモーターは、35SDEと名付けた。さらにもう1 つ、図3に示す構造をもつpUCプラスミドを構築した。以下のDNA断片を、pUC18 ベクターのポリリンカー部位のEco RIおよびHind III切断部位の間に挿入した。 1.35SプロモーターのEcoR I/Asp718断片(第6909-7439ヌクレオチド(Franckら 、Cell 21(1980),285-294)) 2.以下の配列をもつ、タバコモザイクウイルスの翻訳促進因子Ω(Ω translat ion enhancer)由来のAsp718/Nco I断片(TMV-U1):5'-GGTACCTTTACAACAATTACC AACAACAACAAACAACAAACAACATTACAATTACTATTTACAATTACCATGG-3'(配列番号:4) 3.以下の制限酵素切断部位をもつポリリンカー Nco I/Sac I/Xho I/Sma I/Bam HI/ Xba I/Sal I/Pst I/Sph I 4.オクトピンシンターゼ遺伝子(Ti-プラスミドpTiACH5のT-DNAの第11748-1193 9ヌクレオチド(Gielenら、EMBO J.3(1984),835-846))由来の終止配列。 このプラスミドはp35S-Ω-OCSと名付けた。 プラスミドp35S-Ω-OCSを、EcoR I/Asp718で切断して35Sプロモーターを除い た。35Sプロモーターを、プラスミドp35SDEからEcoR IおよびAsp718により分離 した35SDEプロモーターと入れ替えた。生じたプラスミドはp35SDE-Ω-OCSと名付 けた。 プラスミドはポリリンカー内にあるNco Iおよびpst Iで切断した。切断部位に 、プラスミドp-S21-Myc8からNco IおよびPSt Iによる部分分解により分離した、 上記の(above-described)PCR産物を含む、約1600塩基対の長さの断片を結合し た。プラスミドpΩA7DE-S21-Myc8はそれから生じた。このプラスミドを図1に示 す。 プラスミドpΩA7DE-S21-Myc8から、プロモーター35SDE、翻訳促進因子、ホウ レンソウ由来のショ糖担体をコードしc-Mycエピトープをコードする配列と終止 配列をもつコード領域をもつ完全な発現カセットを、EcoR IおよびHind IIIによ る切断により分離した。 この配列を、EcoR IおよびHind IIIで切断して、これら2つの制限酵素切断部 位の間に含まれる発現カセットをEcoR I/Hind III切断によりあらかじめ取り除 いた、ベクターTCSAS(1994年8月10日、ドイツ・ブラウンシュベイグ(Braunsch weig)のカルチャー・コレクション機関(culture collection institute)であ る「Deutsche Sammlung von Mikroorganismen」に、受託番号DSM 9359で寄託) に結合した。生じたプラスミドはpΩ-S21と名付け、図2に示した。 実施例2 プラスミドpΩ-S21によるタバコ植物体の形質転換 プラスミドpΩ-S21を、アグロバクテリアで誘導される遺伝子の移動を利用し て、タバコ植物体の形質転換に用いた。形質転換の結果として、ホウレンソウ由 来のショ糖担体をコードする転写産物が、トランスジェニックタバコ植物体から いろいろな量で検出できた。検出は、ノーザンブロット解析により行った。この 解析のために、RNAをトランスジェニックおよび非形質転換植物の葉組織から抽 出した。このRNA50μgをアガロースゲル上で分離し、ナイロンメンブレンに転写 し、ホウレンソウ由来ショ糖担体をコードするcDNAを放射性標識したものとハイ ブリダイズさせた。このノーザンブロット解析で、3つの形質転換体(5番、12 番および32番)のうち2つの形質転換体(12番と32番)が、ホウレンソウ由来シ ョ糖担体の高い発現を示したこと、1つの形質転換体(5番)はホウレンソウ由 来ショ糖担体の比較的低い発現を示したこと、および非形質転換ジャガイモ植物 体はホウレンソウ由来ショ糖担体をコードする転写産物が検出されないことが示 された。 ホウレンソウ由来のショ糖担体をコードする転写産物が、トランスジェニック タバコ植物体の中でショ糖担体の合成を導いていることを示すために、ウエスタ ンブロット解析を行った。この目的のために、トランスジェニック植物体の葉組 織からタンパク質を抽出し、SDSゲル上で分離し、ニトロセルロースメンブレン に転写した。トランスジェニックタバコ植物体中のホウレンソウのショ糖担体の 検出は、プラスミドpΩ-S21のコード領域の3’末端にコードされているc-Myc遺 伝子のエピトープを認識するモノクローナル抗体を用いて行った。 このウエスタンブロット解析で、約48kD(キロダルトン)のタンパク質がトラ ンスジェニックタバコ植物体のタンパク質抽出物中に特異的に検出された。これ は、ホウレンソウ由来ショ糖担体の期待される分子量と一致する。 ホウレンソウ由来ショ糖担体の発現により、プラスミドpΩ-S21で形質転換さ れたタバコ植物体は、非形質転換タバコ植物体と比較して、花の咲き方に変化が 見られた。特に、ホウレンソウショ糖担体の高い発現を示した12番および32番の 形質転換体において、早い開花だけでなくわずかに程度の強まった開花が観察さ れた。 形質転換されたタバコ植物体は、非形質転換植物と比較して、茎頂分裂組織が 花形成に誘導されるまでの葉身基部(leaf bases)の数が少なかった。表1に、 ファイトトロンで育成した、約128日齢の形質転換および非形質転換タバコ植物 体が、茎頂分裂組織が花に分化する以前に生じた葉身基部の平均数を示す。 分裂組織から花形成の誘導が早いために、蕾および花は野生型の植物と比較し て早く形成される。 図4のaおよびbに、ファイトトロンで育成された12番(図4a)および32番( 図4b)の形質転換タバコ植物体を、それぞれ非形質転換タバコ植物体と比較し て示す。非形質転換タバコ植物体と同じ栽培条件下における花形成および開花は 、ファイトトロンで育成した植物体よりも平均約14日という顕著な遅れを示した 。 早い開花とは別に、形質転換された植物体は、野生型の植物体と比較して花数 の増加を示した。これを表2に示す。 分裂組織から花形成の誘導が早いために、蕾および花は野生型の植物と比較し 調査した植物体は約128日齢でファイトトロンで育成した。 以上に述べた結果は、形質転換された第32番、12番、5番および1番の系統を用 いた複数回の実験により確認された。結果を図5、6および7に示す。
【手続補正書】特許法第184条の8第1項 【提出日】1996年9月9日 【補正内容】 請求の範囲 1.植物の花の咲き方を改変するための、ショ糖担体の生物学的活性を有するタ ンパク質をコードするDNA分子の使用。 2.改変された花の咲き方がショ糖担体活性の増加に基づく、請求項1記載の使 用。 3.花の咲き方の改変が早い開花および早い花形成を引き起こす、請求項2記載 の使用。 4.花の咲き方の改変が開花の程度の増大を引き起こす、請求項2または3のい ずれかに記載の使用。 5.ショ糖担体活性の増加が、ショ糖担体をコードするDNA分子の植物体への導 入とその発現によって行われる、請求項2から4のいずれかに記載の使用。 6.DNA分子が植物のショ糖担体をコードする、請求項1から5のいずれかに記 載の使用。 7.DNA分子が菌類由来のショ糖担体をコードする、請求項1から5のいずれか に記載の使用。 8.DNA分子が細菌由来のショ糖担体をコードする、請求項1から5のいずれか に記載の使用。 9.植物におけるショ糖担体の活性が増加することを特徴とする、植物の花の咲 き方を改変する方法。 10.ショ糖担体活性が、ショ糖担体をコードするDNA分子の植物体への導入お よびその発現によって増加する、請求項9に記載の方法。 11.DNA分子が植物のショ糖担体をコードする、請求項10に記載の方法。 12.DNA分子が菌類由来のショ糖担体をコードする、請求項10に記載の方法 。 13.DNA分子が細菌由来のショ糖担体をコードする、請求項10に記載の方法 。 14.細菌又は菌類由来のショ糖担体をコードするDNA分子の取り込み及び発現 の結果として、野生型と比較して高いショ糖担体活性を示すことを特徴とする、 野生型と比較して花の咲き方が改変されたトランスジェニック植物。 15.花の咲き方の改変が早い花形成および早い開花を引き起こす、請求項14 に記載のトランスジェニック植物。 16.花の咲き方の改変が、野生型と比較して開花の程度の増大を引き起こす、 請求項14または15のいずれかに記載のトランスジェニック植物。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.植物の花の咲き方を改変するための、ショ糖担体の生物学的活性を有するタ ンパク質をコードするDNA分子の使用。 2.花の咲き方の改変がショ糖担体活性の増加に基づく、請求項1記載の使用。 3.花の咲き方の改変が早い花形成および早い開花を引き起こす、請求項2記載 の使用。 4.花の咲き方の改変が開花の程度の増大を引き起こす、請求項2または3のい ずれかに記載の使用。 5.ショ糖担体活性が、ショ糖担体をコードするDNA分子の植物体への導入とそ の発現によって増加する、請求項2から4のいずれかに記載の使用。 6.DNA分子が植物のショ糖担体をコードする、請求項1から5のいずれかに記 載の使用。 7.DNA分子が菌類由来のショ糖担体をコードする、請求項1から5のいずれか に記載の使用。 8.DNA分子が細菌由来のショ糖担体をコードする、請求項1から5のいずれか に記載の使用。 9.植物におけるショ糖担体の活性が増加することを特徴とする、植物の花の咲 き方を改変する方法。 10.ショ糖担体活性が、ショ糖担体をコードするDNA分子の植物体への導入お よびその発現によって達成される、請求項9に記載の方法。 11.DNA分子が植物のショ糖担体をコードする、請求項10に記載の方法。 12.DNA分子が菌類由来のショ糖担体をコードする、請求項10に記載の方法 。 13.DNA分子が細菌由来のショ糖担体をコードする、請求項10に記載の方法 。 14.野生型と比較して高いショ糖担体活性を示すことを特徴とする、非形質転 換野生型と比較して花の咲き方が改変されたトランスジェニック植物。 15.花の咲き方の改変が野生型と比較して早い花形成および早い開花を引き起 こす、請求項14に記載のトランスジェニック植物。 16.花の咲き方の改変が野生型と比較して開花の程度の増大を引き起こす、請 求項14または15のいずれかに記載のトランスジェニック植物。 17.ショ糖担体活性の増加が、ショ糖担体をコードするDNA分子の導入および その発現により達成される、請求項14から16のいずれかに記載のトランスジ ェニック植物。 18.DNA分子が植物のショ糖担体をコードする、請求項17に記載のトランス ジェニック植物。 19.DNA分子が菌類由来のショ糖担体をコードする、請求項17に記載のトラ ンスジェニック植物。 20.DNA分子が細菌由来のショ糖担体をコードする、請求項17に記載のトラ ンスジェニック植物。
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