JPH10507059A - アクティブ電話ラインインタフェース回路の保護 - Google Patents
アクティブ電話ラインインタフェース回路の保護Info
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Abstract
(57)【要約】
チップおよびリング・パスに接続される増幅器(12)を有する電話ラインインタフェース回路は、ダイオードブリッジ(28、30)を介してチップおよびリング・パスに結合されるバールタイプ保護デバイス(52)によって過渡電圧から保護される。ダイオードブリッジの正及び負の端子はそれぞれ、グラウンドおよびダイオード(54)を介して増幅器用の負の供給電圧ラインに接続される。ダイオードは、負の供給電圧ラインとグラウンドとの間に接続されるコンデンサ(26)の放電を導通する時に保護デバイスによって保護される。増幅器が過渡電圧の後に保護デバイスへの電流を保持するロック状態は、ダイオードブリッジの負の端子から増幅器の入力に結合されるダイオード(56、58)によって、または、ダイオードが逆バイアスされる時に電流制限器(34)を制御しコンデンサへの電流を遮断するすることによって避けることができ、その結果、コンデンサは放電される。電流制限器は、直列に接続された検知電流用の抵抗(38)とインダクタンス(40)を含み、これによりコンデンサに対する最初の充電電流は、電流制限器と直列に接続されるリレー接点(K1、K2)を閉じるときに減少し、リレー接点の劣化は避けられる。
Description
【発明の詳細な説明】発明の名称
アクティブ電話ラインインタフェース回路の保護発明の分野
本発明は、電話ラインインタフェース回路に関連して、特にアクティブライン
駆動回路を含む電話ラインインタフェース回路、およびラインインタフェース回
路の通常の使用で生じる過渡電圧からライン駆動回路を保護することに関連する
。発明の背景
電話加入者ラインのチップおよびリング・ワイヤがアクティブライン駆動回路
を介して駆動されるアクティブ電話ラインインタフェース回路は公知である。本
発明は、特にアクティブ電話ラインインタフェース回路に適用されるが、それの
みに制限されるものではない。その特徴は、Rosch等による1993年12
月28日に発行された米国特許第5,274,702、「広帯域電話ラインイン
タフェース回路」及びRosenbaum等による1994年6月21日に発行
された米国特許第5,323,461、「電圧切換を有する電話ラインインタフ
ェース回路」に記載されている。
これらの特許で記載されるように、電話加入者ラインインタフェース回路では
、ライン駆動回路は、2つの単一利得直流電流増幅器を含み、その出力はスイッ
チ回路と検出回路を介して電話加入者ラインのチップおよびリング・ワイヤのそ
れぞれに結合される。このラインインタフェース回路は、制御電圧発生器と制御
回路も含んでいる。検出回路は、ラインでの交流および直流の状態をモニタする
のに使用され、検知変成器と一般に供給抵抗と呼ばれる直列抵抗を含んでいる。
スイッチ回路は、制御回路を介してソフトウェア制御に関連して、ライン、ライ
ン駆動回路、制御電圧発生器およびバッテリをいろいろな構成に相互接続し、ラ
インインタフェース回路の異なる動作状態を供給するのに使用される。これらの
状態は、リレー接点がライン駆動回路の出力または制御電圧発生器の出力を選択
的にラインのチップおよびリング・ワイヤに接続し、リレー接点と電子スイッチ
が
制御電圧発生器の出力またはバッテリをライン駆動回路用供給電圧として選択的
に接続する構成を含んでいる。
制御電圧発生器とスイッチ回路のソフトウェア制御は、リレー接点の両端に僅
かな電圧差があるときにのみ、リレー接点を閉じることが好ましい、それによっ
て、スイッチの高電流およびそれによって生じるリレー接点の損傷が避けられる
。しかし、実際には、比較的に速いスイッチング動作の要求、特にラインインタ
フェース回路が接続される電話加入者ラインの誘導性及び一般に知られていない
性質によって、閉じつつあるリレー接点の両端に相当な電圧差が生じる。結果的
に、リレー接点に損傷を与える高電流が一時的に流れる。
アクティブ加入者線インタフェース回路中のライン駆動回路を雷、交流サージ
及び誘導結合による高い過渡電圧がら保護することも公知である。この目的で、
ダイオードブリッジをライン駆動回路の出力と供給抵抗間の点に結合し、正の過
渡電圧をグラウンドにクランプし、負の過渡電圧を負供給電圧とグラウンドの間
に接続される過渡電圧抑制器のブレークオーバ電圧にクランプすることも公知で
ある。負の過渡電圧に対して十分な電力消散を行うには、いくつかの過渡電圧抑
制ダイオード(TRANZORBまたはTRANSILという商品名でしばしば
呼ばれる)を組合せて用いることが必要であった。これは、比較的高いコストに
なり比較的大きい物理スペースが必要となる欠点があった。
いくつかの過渡電圧抑制ダイオードを、TRISILまたはSIDACという
商品名でしばしば呼ばれている単一のバールタイプ(crowbar-type)保護デバイ
スで置き換えできることが好ましい。しかし、そのようなデバイスがアクティブ
ラインインタフェース回路で使われる場合には、ライン駆動回路から供給される
電流が負の過渡電圧の終わりおよび終わった後に保護デバイスが動作し、ライン
インタフェース回路のロック状態を引き起こすという欠点があった。
幾つかの欠点を除去するために、TRANZORBとTRANSIL型の過渡
電圧抑制ダイオードには、過大な電圧をクランプし(即ち、電圧クランプ作用を
行う)、高過渡電力を消散するために特に設計されるアバランシを用いる。この
明細書において、それらのダイオードは過渡電圧抑制器と呼ばれ、ツェナーダイ
オードと同じように表示される。対照的に、TRISILまたはSIDACバー
ルタイプ保護デバイスは、トライアックの電気的特性に似ている電気的特性を有
するが、内部トリガー機構を有している。その保護デバイスはブレークオーバ電
圧までの電圧に対する非常に高いインピーダンスまたはオープン回路を設けてい
る。その上、保護デバイスは保持電流が維持されるように低インピーダンスまた
は短絡回路を設けている。この明細書において、このデバイスは、バールタイプ
保護デバイスと呼ばれ、トライアックと同じように図示される。しかしトリガー
入力の代わりにブレークオーバ・バーを有しいる。
本発明は従来技術の上記の欠点を減らすか無くす改良型電話ラインインタフェ
ース回路を提供することを目的としている。発明の開示
本発明の一側面によれば、本発明は、電話ラインインタフェース回路を提供し
、この電話ラインインタフェース回路は、2線式電話回線への接続のために、チ
ップおよびリング・パスを介してチップおよびリング端子にそれぞれ接続される
出力を有する2つの増幅器と;チップおよびリング・パスにそれぞれ接続される
2つの交流端子、グラウンドに接続される正の直流端子および負の直流端子を有
するダイオードブリッジと;増幅器用負の供給電圧ラインと;さらに、負の電源
電圧ラインとグラウンドとの間に接続されるコンデンサと;ダイオードブリッジ
の負の直流端子とグラウンドとの間に結合され、閾値レベルを超えるダイオード
ブリッジの負の直流端子の負の過渡電圧に応じて、過渡電圧をグラウンドに短絡
するバールタイプ保護デバイスと;負の供給電圧ラインとダイオードブリッジの
負の直流端子との間に接続され、保護デバイスが負の過渡電圧をグラウンドに短
絡するとき、ダイオードが逆バイアスされる極性を有するダイオードと;負の過
渡電圧をグラウンドに短絡するのに応じて、増幅器によって供給される電流を保
持デバイスによって短絡を維持する保持電流より低くなるまで減少させる回路を
含むように構成される。
本発明の一実施の形態においては、2つの増幅器は、直流電流増幅器と2つの
ダイオードを含む増幅器によって供給される電流を減らすための回路とからなり
、
その各ダイオードはダイオードブリッジの負の直流端子と各増幅器の非反転入力
との間に接続され、保護デバイスが負の過渡電圧をグラウンドに短絡するときに
導通する極性を有する。
さらに、本発明の他の実施の形態によれば、増幅器によって供給される電流を
減らす回路は、コンデンサが放電するように負の電圧供給回線に供給される電流
を減らす回路から構成される。電話ラインインタフェース回路はさらに、リレー
接点を含み、供給電圧を負の電圧供給ラインに切換えてコンデンサを充電するス
イッチ回路と;リレー接点と直列に接続され、リレー接点が閉じる時にコンデン
サへの充電電流を制限する電流制限回路とを更に含み;この場合、好ましくは、
増幅器によって供給される電流を減らす回路は、電流制限回路を制御する回路か
ら構成される。
好ましくは、電流制限回路は、充電電流をコンデンサに供給するためのリレー
接点と直列に接続される電流センサおよびトランジスタの制御パスと;電流セン
サの両端の電圧降下に応じて、トランジスタを制御しトランジスタの制御パスを
流れる電流を制限する制御回路とを含み;電流制限回路を制御する回路は、ダイ
オードの逆バイアスに応じて制御回路を制御し、トランジスタの制御パスを流れ
る電流を実質的に減じるように構成される。
好ましくは、電流センサは直列に接続される抵抗とインダクタからなる。リレ
ー接点を閉じたときに、インダクタンスがあると、コンデンサを充電する初期電
流を減少させるのみでなく、電流センサによる電圧降下を増加させ、それによっ
て、電流制限回路のターンオン遅延が減少する。リレー接点を閉じた直後の大き
な充電電流によって起こるリレー接点の劣化は、それによって避けることができ
る。
本発明の他の実施の形態によれば、本発明の電子回路は、供給電圧を平滑化し
リレー接点を介して供給電圧に充電されるコンデンサ、コンデンサを供給電圧に
充電するリレー接点、リレー接点と直列に接続されリレー接点を閉じるとコンデ
ンサへの充電電流を制限する電流制限回路を含み;電流制限回路は、電流センサ
とキャパシタに充電電流を供給するリレー接点と直列に接続されるトランジスタ
の制御パスと、電流センサの両端の電圧降下に応じてトランジスタを制御しトラ
ンジスタの制限パスを介して流れる電流を制限する制御回路とを含み、電流セン
サは直列に接続される抵抗とインダクタから構成される。
本発明は、ラインインターフェース回路のロック状態を発生させることなく、
バールタイプの保護デバイスを使用できる利点がある。これは、簡単なダイオー
ド配置を用いるか、リレー接点の損傷を与えることを防止できる電流制限回路を
用いることによって達成できる。電流制限回路中のインダクタは電流制限を改善
でき、電流制限回路のより早いスイッチングを達成できるメリットを有する。図面の簡単な説明
本発明を以下の図面を参照しながら詳細に述べる:
図1は、既知の構造の電話ラインインタフェース回路の関連した部分の概略図
である。
図2は、本発明の一実施の形態の電流制限回路を含む電話ラインインタフェー
ス回路の概略図である。
図3と図4は、本発明の他の実施の形態の電話ラインインタフェース回路の変
形の概略図である。実施の形態
図1は、アクティブ電話ラインインタフェース回路の部分概略図が示されてい
る。この部分は、以下の説明では電話中央局CO(図示せず)の一部を形成し、
電話局に位置している。しかし、多重通信路を介してCOに結合される遠隔端末
の一部を形成してもよい。本発明を十分に理解するのに関係するラインインタフ
ェース回路の部分だけが図1に示される。
ラインインタフェース回路は、破線のボックス内に示される2つの単一利得直
流電流増幅器12からなるライン駆動回路10を含んでいる。増幅器12の出力
は、ライン駆動回路10の出力を構成し、2線式電話加入者ライン(図示せず)
のチップおよびリング・ワイヤへのそれぞれに接続するために、トランス巻線1
4および図示してない検出回路の供給抵抗16を介して、および2つのラッチン
グリレーの電子スイッチS及びリレー接点K1及びK2を含むスイッチ回路18
を介して端子TとRに接続される。ラインインタフェース回路は、COバッテリ
電圧BV(例えば、−48ボルト)及びOボルトすなわちグラウンド電位のバッ
テリ帰還ラインBRが供給される制御電圧発生器(CVG)20を含んでおり、
図示されてないデジタル制御回路の制御下で制御電圧CVを生成する。この制御
回路はまた、スイッチ回路18の動作、およびライン駆動回路10の入力、すな
わち増幅器12の非反転(+)入力に接続される直流電圧を制御して増幅器12
の直流出力電圧を決定する。
ライン駆動回路10、検出回路、スイッチ回路18、制御回路の更なる詳細と
これらの動作は、前記の米国特許第5,274,702と米国特許第5,323
,461に示される。CVG20は、Rosenbaum等による1992年4
月7日に発行された米国特許番号5,103,387、「高電圧変換器」に更に
記載される。この発生器は、図1のCVG20を表わすボックス内に、制御電圧
CVの出力とグラウンドとの間に破線で示される出力コンデンサを含んでいる。
Xで表わされる一つの開接点と各々が縦線で表わされる2つの閉接点を有する
リレーのリセット状態で、リレー接点K1とK2は示されていて、その内の1つ
が各増幅器12の出力から各端子TまたはRへのパスにあり、もう1つがCVG
20の出力から供給電圧DVをライン駆動回路10に供給するライン22への直
列のパスにある。この状態では、バッテリ電圧BVと供給ライン22との間でダ
イオード24と直列に接続されるスイッチSはオープンになっており、CVG2
0が制御電圧CVを生成しライン駆動回路供給電圧DVを構成するよう制御され
る。ダイオード24は、電圧CVとBVとの間での衝突を防ぐように動作する。
もう一つの動作状態では、CVG20は非アクティブであるよう制御され、そ
の結果、その出力は高インピーダンスを表わし、従って、スイッチSは閉じて、
バッテリ電圧BVはライン22に接続されライン駆動回路供給電圧DVを構成す
る。スイッチ回路18とCVG20の他の動作状態は、例えば、CVG20によ
り生成されるリンギングまたは他の高い信号電圧を端子TかRへ供給するのに使
用され、リレーの1つがセットされ、接点K1またはK2の状態を変更する。
図1にも示されているように、ライン駆動回路10用供給電圧DVは、例えば
、1μFのキャパシタンスを有し、ライン22とグラウンドとの間に接続される
コンデンサ26で平滑化される。さらに、ラインインタフェース回路は2つのダ
イオード28と2つのダイオード30およびお互いに直列に接続され、集合的に
32で示される3つの過渡電圧抑制器により形成されるダイオードブリッジを含
んでいる。ダイオードブリッジは、スイッチ回路18とトランス巻線14との間
で、増幅器12の出力から端子TとRへの送信および受信のパスのそれぞれにお
いて、点TPとRPに接続されている交流端子を有している。ダイオードブリッ
ジの正の直流端子はグラウンドと接続される。ダイオードブリッジの負の直流端
子はライン22に接続される。過渡電圧抑制器32は、ダイオードブリッジの直
流端子間に接続される。
通常の動作では、ライン駆動回路10は制御回路によって制御され、チップ・
ワイヤ端子Tに結合される増幅器12の出力はグラウンドに対してわずかに負の
電圧、例えば5ボルトを有し、リング・ワイヤ端子Rに接続される増幅器12の
出力は、供給電圧DVが−50ボルトである時には、供給電圧DVに対してわず
かに正の電圧、例えば−45ボルトを有している。電話回線に雷が落ち、又は点
TPとRPの1つまたは両方で正の過渡電圧を生成する障害状態の場合には、(
供給抵抗16によって制限される)電流は、ダイオード28の1つまたは両方を
介してグラウンドに導びかれる。電話ラインに雷が落ち、又は点TPとRPの1
つまたは両方で過大な負の過渡電圧を生成する障害状態の場合には、(供給抵抗
16によって制限される)電流は、ダイオード30の1つまたは両方を介して負
の電圧供給ライン22に導びかれる。このライン22の最大の負の電圧は、過渡
電圧抑制器32のブレークオーバ電圧に限定される;例えば、この電圧は約−6
4ボルトである。
上記のようなラインインタフェース回路では、制御電圧CVからライン駆動回
路10に対して、例えば−56ボルトまでの供給電圧DVを供給するために、コ
ンデンサ26は、リレー接点K1とK2を閉じる際CVからDVへのパスで充電
される。このパスに電流制限器がない状態では、最初の充電電流は非常に大きく
、例えば約20アンペアにもなる。リレー接点K1とK2によって切換えられる
この大電流は、リレー接点の劣化を引き起こし、結果として接点の信頼性が低下
する。この問題は、CVG20の出力がリレー接点K1およびK2を介して直前
に接続されていた電話加入者ラインの誘導性の性質によって悪化し、CVG20
の出力コンデンサとの関係で制御電圧CVを相対的に制御できない程度のレベル
にする。
この問題に対する可能性のある解決策は、ライン22に電流制限器を設けるこ
とである。しかし、リレー接点の劣化は、リレー接点が最初に閉じた後、数マイ
クロ秒以内に流れる電流サージによって引き起こされる。典型的な電流制限器は
このサージ電流を制限するほど十分に速くは反応しない。
図2は、図1と同様のラインインタフェース回路であり、コンデンサ26への
ライン22に設けられる電流制限回路34を有している。この電流制限回路34
は上記のようなリレー接点の劣化を引き起こす初期電流サージを制限するよう特
に設計されている。図2のラインインタフェース回路は、制御電圧CVと電流制
限回路34との間の切換パスにダイオード36も含んでいる。ダイオード24と
36は、負の過渡電圧が供給電圧DVを電圧BVとCVのそれぞれよりさらに負
になるとき、電流制限回路34が逆方向にバイアスされるのを防ぐ。
電流制限回路34は、ライン22と直列に接続される抵抗38、インダクタ4
0、及びMOSFET42のソース・ドレイン・パスを含んでいる。ツェナーダ
イオード44は、MOSFET42のゲート・ソース・パスと並列に接続され、
その極性は、ゲート・ソース電圧をMOSFET用最大許容レベルより小さくな
るように制限する極性に選ばれる。抵抗46はグラウンドとゲートとの間に接続
される。NPNバイポーラトランジスタ48はエミッタとベースを有し、そのエ
ミッタは入力(最も負の部分)ライン22に接続され、そのベースは、電流制限
抵抗50を介してMOSFET42のソースに接続される。その結果、直列接続
抵抗38とインダクタ40は、抵抗50とトランジスタ48のベース・エミッタ
ジャンクションと並列に接続される。トランジスタ48のコレクタは、MOSF
ET42のゲートとツェナーダイオード44と抵抗46との間の接合部に接続さ
れる。
電流制限回路34は、インダクタ40を含むことを除いては既知の回路である
。インダクタ40がないと仮定すると、電流制限回路は、以下のように動作する
。入力ライン22、すなわち、抵抗38とトランジスタ48のエミッタとの間の
接合点に入力した負の電圧は、抵抗38と46を介してツェナーダイオード44
によって制限されるMOSFET42のゲート・ソース電圧を供給し、それによ
ってMOSFETにはそのソース・ドレイン・パスを介して電流が流れる。この
電流は抵抗38を介して流れ、これによりそのベース・エミッタ接合を順バイア
スし、コレクタ・エミッタ電流が抵抗46を介して流れる。この電流は抵抗46
の両端で電圧降下を増大させ、これにより、MOSFET42のゲート・ソース
電圧を減少させ、ソース・ドレイン電流を制限する。
前述のように、電流制限回路は、トランジスタ48のターンオン遅れのため、
リレー接点K1およびK2の最初の閉路時に流れる電流サージを制限するほど十
分早くは反応はせず、負の電圧をコンデンサ26を充電するライン22に供給す
る。結果的に、リレー接点の劣化を防ぐには不十分である。この欠点は抵抗38
と直列に挿入されるインダクタ40を設けることによって克服される。
特に、インダクタ40の第1の効果は、そのインダクタンスがリレー接点を閉
じるときに初期電流サージを制限し、これによりリレー接点を閉じる時に流れる
充電電流を直ちに減らすことである。インダクタ40の第2の効果は、インダク
タを流れる電流がトランジスタ48のベース・エミッタ接合に供給される順方向
バイアスを増やすインダクタの両端に電圧を誘起し、これによりこのトランジス
タのターンオン遅れをかなり減らして、その結果、回路34の電流制限効果がよ
り速く動作をするようになるということである。インダクタ40のこれらの2つ
の効果は、リレー接点の劣化の問題を実質的に除去する。
図1と図2のラインインタフェース回路は、点TPとRPに負の過渡電圧を抑
制するための必要な電力と電圧特性を供給するため3つの過渡電圧抑制器32が
必要となる欠点を持っている。例えば、これらの3つの過渡電圧抑制器は、SG
S−Thomson Microelectronicsから入手可能な、2つ
の1.5KE27型のデバイス、1つのAP6KE10A型のデバイスを用いる
ことができる。その場合、各々は、27ボルトと10ボルトの公称ブレークオー
バ電圧を有するので、直列の3つのデバイスは−64ボルトのブレークオーバ電
圧を供給する。発明の背景で説明したように、3つのデバイスを使用するとコス
ト及び容積が増加するという欠点があり、この2つは加入者ラインインタフェー
ス回路にとって重要な問題である。
発明の背景でも説明されたように、3つの過渡電圧抑制器32をバールタイプ
保護デバイスによって置き換えることが好ましい。そのため、1つのデバイスは
、トリガする時にそのようなデバイスで行われる短絡回路動作は電力消散要求を
減じることを意味するので可能性としては用いることができる。しかし、これは
、そのようなデバイスをトリガすることによってコンデンサ26が突然に放電し
、その結果そのデバイスがこのコンデンサの放電電流を取り扱わなければならな
くなる。その上に、バールタイプ保護デバイスを使うことによって、その保持電
流が維持される場合には、デバイスは、負の過渡電圧の終わりおよび終わった後
に導通を続けるという問題を含んでいる。もしライン駆動回路用供給電圧DVが
デバイスをトリガする時に維持されるなら、ライン駆動回路10によって供給さ
れる電流はこの保持電流より大きくなり、ラインインタフェース回路がロックさ
れた状態になる。
図3は、図2のラインインタフェース回路の変形例であり、3つの過渡電圧抑
制器32を1つのバールタイプ保護デバイスによって置き換えたものである。こ
の置き換えにより上記のように3つのデバイス32のコスト及び容積の増加が避
けられる。上記のようにこの置き換えに伴う問題は、以下に示すように3つのダ
イオード54,56,58を図3のラインインタフェース回路に設けることで避
けられる。
図3において、ダイオード54は、ダイオードブリッジの負の直流端子とライ
ン駆動回路10用供給電圧DVとの間のパスに接続され、極性は、ダイオードブ
リッジの負の直流端子が供給電圧DVよりもさらに正である時に逆バイアスされ
るように選ばれる。点TP及び/又は点RPが十分に負の過渡電圧である場合に
は、ダイオード54と1つまたは両方のダイオード30は、増幅器12の出力電
圧が2つ以上のダイオード電圧降下によってライン駆動回路10への供給電圧D
Vより負にならないように順バイアスされる。これはライン駆動回路10への損
害を防止する。負の過渡電圧に応じてバールタイプ保護デバイス52が導通する
と、ダイオードブリッジの負の直流端子は、約−2ボルトの電圧を有する。その
後、ダイオード54は逆バイアスされるので、コンデンサ26はデバイス52を
介しては放電されない。
結果的に、デバイス52はコンデンサ26からの放電電流を何ら取り扱う必要
はない。しかし、これはライン駆動回路10に電力が与えられ続けることを意味
する。別のやり方で防止されない限り、この結果は、過渡電圧の終わりおよび終
わった後に、典型的には約150mAの保持電流がライン駆動回路10の増幅器
12の1つまたは両方により供給される続けるので、導通のままになり、これら
の増幅器12は、上記のように通常動作に対する所望の出力電圧(例えば−5お
よび−45ボルト)に対して駆動される。
ロックされた状態は、図3のラインインタフェース回路において、ダイオード
ブリッジの負の直流端子と各増幅器12の非反転入力との間にダイオード56お
よび58の各々を接続することによって避けられる。極性は、バールタイプ保護
デバイス52がトリガされた時に導通となり、それによってダイオードブリッジ
の負の直流端子が、約−2ボルトの電圧を有するように決められる。増幅器12
が1つの電圧利得を有する直流増幅器(出力が反転入力に接続される)であるの
で、非反転入力は通常−2ボルトより負の電圧である。結果的に、負の過渡電圧
に応じてバールタイプ保護デバイス52が導通すると、増幅器12の非反転入力
をダイオード56と58を介して約−2ボルトの電圧にする。増幅器12の出力
は同様にこの電圧に駆動される。したがって、増幅器12の出力とダイオードブ
リッジの負の直流端子との間の電圧差は実質的に除去される。従って、ライン駆
動回路10からバールタイプ保護デバイス52への電流の流れは結果的に僅かに
なる。この結果、デバイス52の保持電流は過渡電圧の終わった後には維持され
ずに、デバイス52は導通をやめ、ラインインタフェース回路のロックされた状
態が避けられる。
例えば、バールタイプ保護デバイス52は、好ましくは、SGS−Thoms
on Microelectronicsから入手できるTPA62B型のデバ
イスを用いる。これは62ボルトの公称ブレークオーバ電圧を有している。この
ように、ダイオード54が有ることによって、もし増幅器12の出力で生じる電
圧の最大値より大きくすれば、バールタイプ保護デバイス52のブレークオーバ
電圧を供給電圧DVの大きさより小さくできる。このように、供給電圧DVの大
きさは、必要なら増加することができる。
図3のラインインタフェース回路では、増幅器12の非反転入力に供給される
広帯域(例えば、ISDN)信号を損ねないために、低コスト、低い順方向電圧
降下、敏速な応答、低い寄生キャパシタンスを有しているダイオード56と58
が必要とされる。その結果、ダイオード56と58として使用する適当なデバイ
スの選択は難しいかもしれない。この難しさは、図4に関する下記の本発明の他
の実施例を用いることによって避けることができる。ラインインタフェース回路
の他の形態は、上記の電流制限回路34を使用している。電流制限回路34は図
3にも示されているが、この電流制限回路はラインインタフェース回路中ではオ
プションである。
図4のラインインタフェース回路は、図2のラインインタフェース回路と同様
のものであり、図3の上記のダイオード54と、図3のダイオード56と58の
代わりの2つの抵抗60、62およびPNPバイポーラトランジスタ64を有し
ている。トランジスタ64は、ベースとエミッタを有し、そのエミッタはダイオ
ードブリッジの負の直流端子に接続され、そのベースはベース電流を制限する抵
抗60を介して、ライン駆動回路10への供給電圧ラインに接続される。従って
、抵抗60とトランジスタ64のベース・エミッタ接合は、ダイオード54と並
列に接続され、その極性はダイオード54が逆バイアスである時、トランジスタ
のベース・エミッタ接合を順バイアスする。トランジスタ64のコレクタは、コ
レクタ電流を制限する抵抗62を介して電流制限回路のトランジスタ48のベー
スに接続される。
次に、図4のラインインタフェース回路の動作を説明する。点TPとRPの内
の1つが負の過渡電圧なら、図3の前記のバールタイプ保護デバイス52をトリ
ガすることになり、ダイオードブリッジの負の直流端子での電圧は約−2ボルト
になり、ダイオード54は、コンデンサ26が保護デバイス52を介して放電し
ないよう逆バイアスされる。そのため、トランジスタ64のベース・エミッタ接
合は、このトランジスタがトランジスタ48のベース・エミッタ接合を介して流
れるそのコレクタ電流を導通するよう順バイアスされる。トランジスタ48は、
結果的に完全にオンにされ、抵抗46を流れるそのコレクタ電流がMOSFET
42のゲート・ソース電圧を減らし、このMOSFETをオフにする。その結果
、電流はもはやライン22を介してコンデンサ26へは供給はされない。次に、
コンデンサ26はライン駆動回路10により構成された負荷に放電する。ライン
駆動回路10用電力供給を徐々に除去していくと、過渡電圧の終わったすぐ後で
はこの回路の増幅器12が保護デバイス52により必要とされる保持電流を供給
できないことを意味し、導通のままになり結果的にオフになる。その結果、ダイ
オード54はもはや逆バイアスではなくなり、トランジスタ64は導通をやめ、
電流制限回路34はライン駆動回路10はコンデンサ26に電流を供給し、コン
デンサ26に再び電力が与えられる。
図3と図4の回線インタフェースの両方はバールタイプ保護デバイスを用いる
ことができ、上記のロックされた状況を避けることが可能となる。図4のライン
インタフェース回路は特に、他の理由のために既に設けられている電流制限回路
34を使用して図3のダイオードデバイスでのように増幅器12の入力への付加
接続が避けられ、その結果、これらの増幅器に供給される広帯域信号が影響をう
けないという特別な利点がある。
本発明の特別の実施の形態が詳細に記載されているが、多数の変更、変形およ
び適用が本発明の範囲内で行われる。
─────────────────────────────────────────────────────
【要約の続き】
限器と直列に接続されるリレー接点(K1、K2)を閉
じるときに減少し、リレー接点の劣化は避けられる。
Claims (1)
- 【特許請求の範囲】 1. 2線式電話回線への接続ために、チップおよびリング・パスを介してチッ プおよびリング端子にそれぞれ接続される出力を有する2つの増幅器(12)と ;チップおよびリング・パスにそれぞれ接続される2つの交流端子(TP、RP )、グラウンドに接続される正の直流端子および負の直流端子を有するダイオー ドブリッジ(28、30)と;増幅器用負の供給電圧ラインと;さらに、負の電 源電圧ラインとグラウンドとの間に接続されるコンデンサ(26)とを含む電話 ラインインタフェース回路において: ダイオードブリッジの負の直流端子とグラウンドとの間に結合され、閾値レベ ルを超えるダイオードブリッジの負の直流端子の負の過渡電圧に応じて、過渡電 圧をグラウンドに短絡するバールタイプ保護デバイス(52)と; 負の供給電圧ラインとダイオードブリッジの負の直流端子との間に接続され、 保護デバイスが負の過渡電圧をグラウンドに短絡するとき、ダイオードが逆バイ アスされる極性を有するダイオード(54)と; 負の過渡電圧をグラウンドに短絡するのに応じて、増幅器によって供給される 電流を保持デバイスによって短絡を維持する保持電流より低くなるまで減らす回 路を更らに含むことを特徴とする電話ラインインタフェース回路。 2. 請求項1記載の電話ラインインタフェース回路において: 前記2つの増幅器は、直流電流増幅器と2つのダイオード(56、58)を含 む増幅器によって供給される電流を減らすための回路とからなり、その各々はダ イオードブリッジの負の直流端子と各増幅器の非反転入力との間に接続され、保 護デバイスが負の過渡電圧をグラウンドに短絡するときに導通する極性を有する ダイオードであることを特徴とする電話ラインインタフェース回路。 3. 請求項1記載の電話ラインインタフェース回路において: 前記の増幅器によって供給される電流を減らす回路は、コンデンサが放電する ように負の電圧供給回線に供給される電流を減らす回路からなることを特徴とす る電話ラインインタフェース回路。 4. 請求項3記載の電話ラインインタフェース回路において: リレー接点(K1、K2)を含み、供給電圧(CV)を負の電圧供給ラインに 切換えてコンデンサを充電するスイッチ回路と; リレー接点と直列に接続され、リレー接点が閉じる時にコンデンサへの充電電 流を制限する電流制限回路(34)とを更に含み; 増幅器によって供給される電流を減らす前記の回路は、電流制限回路を制御す る回路(60−64)からなることを特徴とする電話ラインインタフェース回路 。 5. 請求項4記載の電話ラインインタフェース回路において: 前記の電流制限回路は、 充電電流をコンデンサに供給するためのリレー接点と直列に接続される電流セ ンサ(38、40)およびトランジスタ(42)の制御パスと; 電流センサの両端の電圧降下に応じて、トランジスタを制御しトランジスタの 制御パスを流れる電流を制限する制御回路(44−50)とを含み; 電流制限回路を制御する前記回路(60−64)は、ダイオード(54)の逆 バイアスに応じて制御回路を制御し、トランジスタの制御パスを流れる電流を実 質的に減じることを特徴とする電話ラインインタフェース回路。 6. 請求項5記載の電話ラインインタフェース回路において: 前記電流センサは直列に接続される抵抗(38)とインダクタ(40)からな ることを特徴とする電話ラインインタフェース回路。 7. 請求項5または6記載の電話ラインインタフェース回路において: 前記制御回路は、ベース・エミッタ接合が電流センサの両端の電圧降下に応じ 、コレクタが制御パスを有するトランジスタ(42)の制御電極に結合されるバ イポーラトランジスタ(48)を有することを特徴とする電話ラインインタフェ ース回路。 8. 供給電圧(CV)を平滑化しリレー接点を介して供給電圧に充電されるコ ンデンサ(26)、コンデンサを供給電圧に充電するリレー接点(K1、K2) 、リレー接点と直列に接続されリレー接点を閉じるとコンデンサへの充電電流を 制限する電流制限回路(34)を含む電子回路において: 前記電流制限回路は、電流センサとキャパシタに充電電流を供給するリレー接 点と直列に接続されるトランジスタ(42)の制御パスと、電流センサの両端の 電圧降下に応じてトランジスタを制御しトランジスタの制限パスを介して流れる 電流を制限する制御回路(44−50)とを含み、前記電流センサは直列に接続 される抵抗(38)とインダクタ(40)からなることを特徴とする電子回路。 9. 請求項8記載の電子回路において: 前記トランジスタ(42)は制御パスを構成するゲートおよびソース・ドレイ ン・パスを有する電界効果トランジスタ(FET)から構成され、前記制御回路 は、ベース・エミッタ接合が電流センサの両端の電圧降下に応じ、コレクタがF ETのゲートに結合され、抵抗(46)を介して共通ポテンシャルの点に接続さ れるバイポーラトランジスタ(48)を含むことを特徴とする電子回路。 10. 請求項8または9記載の電子回路において: コンデンサと並列に接続されるバールタイプ保護デバイス(52)および直列 に接続されるダイオード(54)とを更に含み、前記ダイオードはコンデンサが 充電される時に逆バイアスされる極性を有し、前記バールタイプ保護デバイスは 導電性であり、それによりコンデンサはバールタイプ保護デバイスを介しては放 電せず、回路(60−64)は、ダイオードの逆バイアスに応じて制御回路を制 御しトランジスタ(42)の制御パスを通る電流を実質的に除去することを特徴 とする電子回路。 11. 請求項10記載の電子回路において: 回路(60−64)は、ベース・エミッタ接合がダイオードと並列に接続され 、 コレクタが制御回路(44−50)に接続される第2のバイポーラトランジスタ (64)を含み、ダイオードの逆バイアスに応じることを特徴とする電子回路。
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