【発明の詳細な説明】
広い分子量分散を有する新規なポリプロピレン組成物
ポリプロピレン共重合体は、食品用包装材(フィルム、瓶)からパイプ、付属
器具類、発泡体等のような益々需要の増している分野に亘る応用に好適な多くの
性質を有している。配管材としてのポリプロピレンは、主として、非加圧材(パ
イプおよび付属器具)および異形材に使用される。圧力管、主として、熱水管お
よび工業用管に使用されるものは非常に少ない。他のポリオレフィンに比べて良
い耐熱性を有するポリプロピレンはパイプに応用される。プロピレンポリマーの
主要な3つの型、即ち、単独重合体、ランダム共重合体およびブロック共重合体
の全てがパイプとして使用される。単独重合体で製造したパイプは優れた剛性を
有するが、衝撃特性およびクリープ特性はあまり良くない。ブロック共重合体で
製造したパイプは衝撃特性には優れるが、マトリックスが単独重合体であるため
にクリープ特性については単独重合体で製造したものと同程度である。プロピレ
ン―エチレンランダム共重合体は熱水管および工業用管に適用される圧力管とし
て使用される。それは、プロピレン単独重合体およびブロック共重合体に比べて
耐クリープ性に優れるからである。
圧力管に使用されるプロピレン―エチレン共重合体は、現在、様々なプロセス
(バルクまたは気相)で高生産性のチーグラー・ナッタ触媒を用いて製造されて
おり、約5という比較的狭い分子量分布(MWD=Mw/Mn)を有する材料が
得られている。メルトフローレート(MFR2)が0.2〜0.5であるパイプ材料の
分子量(Mw)は約1000000 である。この高い分子量分布および狭いMWDによ
って、パイプとするための混合および押し出しの際に問題を生じる。そのような
材料の加工は低い剪断感度のために困難であり、材料の望ましくない劣化と溶融
破壊とを生じる。このことはパイプの一様でない表面および不均一な厚さとして
見て取れる。さらに、一相で製造された従来のプロピレンランダム共重合体パイ
プ材料は、良い圧力管に必要とされる短期的および長期的性質(ノッチ付抵抗お
よ
びクリープ)に十分な強度を有していない。
従来のプロピレンランダム共重合体の加工性は多段重合法を用いてMWDを広
げることによって改善されうる。多段重合においては、各段階で異なった分子量
のポリマーを製造することによって、ポリマーのMWDを広げることができる。
各段階に分けて適切な分子量と反応器とを選択することにより、低分子量のポリ
マーを高分子量のポリマー中に反応器ブレンドして最終的なMFRを調整すると
、ポリマーのMWDは広くなる。各段階におけるポリマーの分子量は、連鎖移動
剤として機能する水素によって制御することもできる。反応器の温度によっても
各段階におけるポリマーの分子量を制御することができる場合もある。多段階重
合は、例えば、WO 91 014 718の特許出願に開示されている。
高生産性のチーグラー・ナッタ触媒は、プロピレンランダム共重合体に不均一
なエチレンコモノマー分散を供与することがわかっている。高分子量鎖は低分子
量鎖よりも少ない量のエチレンを含有していることが分別法によって確認されて
いる(図1)。低分子量鎖のエチレン含有量が高いと、溶解性も増大する。重合
を炭化水素稀釈剤中で実施した場合に、このことは特に大きな問題になる。低分
子量のフラクションはパイプ材料の趣と匂いとに悪い影響を与える。
MWDのより広いランダム共重合体を製造することによって加工性が改良され
ると、各段階でコモノマーの供給が同じであれば低分子量のフラクションの量も
増大する。パイプ材料の趣(taste)と匂いとに影響が出る。
これらの理由により、TiCl3を用いた一段階スラリー法でパイプ材料を製
造しているポリプロピレン製造業者もいる。スラリー法ではポリプロピレンの分
子量分散はより広い。しかしながら、コモノマー、例えば、エチレンまたはブテ
ン−1の必要量が増大すると、収率(yield)はより低く、反応器稀釈剤溶解性
(reactor diluent solubility; 反応器における稀釈剤に対する溶解性)が増大
する。スラリー法では、通常、コモノマーの分散性もまた、TiCl3触媒を使
用
する方が高生産性触媒を使用するよりもよい。
本発明は、生産コストが低いだけではなく、スラリー法でTiCl3触媒を用
いて製造されたプロピレンランダム共重合体パイプ材料と類似またはそれよりも
良い性質を有する材料の生産について特に記載する。高生産性のTiCl4触媒
を用いる発明された概念を用いることによって、機械的性質およびパイプとして
の性質が改善され、しかも優れた押出成形性を有するパイプ材料を製造すること
が可能である。前記材料の向上した強度に関する性質はMw=2,000,000〜4,000
,000(MFR2=0.01〜0.08)の非常に高分子量のフラクション、および広い分
子量分散と共に改良されたコモノマー分散から来ている。
発明された概念は、広い分子量分散と改良されたコモノマー分散とを有し、高
分子量であるプロピレンランダム共重合体を、2または数段階の反応器中でそれ
ぞれ異なる反応条件で高生産性触媒を用いて製造することに基づいている。この
発明に記載されているように長鎖に組み込まれたコモノマーは鎖の規則性を破壊
し、その結果、パイプ材料のクリープ特性と靭性とに本質的に必要な結合鎖(ti
e-Chain)および絡み合いがより均一に分散されるようになる。
高生産性のTiCl4触媒を使用した場合の不均一なコモノマー分散に伴う問
題は、使用するコモノマーの総量を使用する複数の反応器に分割して投入すると
いう方法で解決される。高分子量のプロピレンポリマーが製造される反応器へは
、低分子量のプロピレンポリマーが製造される反応器よりも多量のコモノマーが
供給される。より多量のコモノマーを供給することができるのは、高分子量のポ
リマーの溶解度が低いからである。最終的なコモノマーの量は反応器へのコモノ
マーの供給を制御することによって調整される。この方法において製造されたプ
ロピレン共重合体は、高生産性TiCl4触媒を用いて製造された従来のプロピ
レンランダム共重合体よりも、より均一なコモノマー分散を有している。
得られた製造物は、プロピレンと少なくとも一種の炭素数2〜12のα−オレフ
ィンまたはその混合物、特に炭素数2〜6のα−オレフィンとの共重合体であっ
て、2.0〜10.0重量%、好ましくは3.0〜6.0重量%のコモノマーを含有し;0.05
〜2.5 g/10分(2.16 kg負荷)、好ましくは0.1〜0.5g/10分(2.16 kg負荷)のメ
ルトフローレート(MFR)、フローレート比 MFR(10 kg負荷)/MFR
(2.16 kg負荷)≧15〜40、好ましくはMFR(10 kg負荷)/MFR(2.16 kg
負荷)=16〜26、および6〜15のMWDを有する。
得られた製造物は二種の異なる分子量の共重合体のマトリクスを有する広い分
子量分散(MWD)の反応器ブレンド物である。高分子量マトリクスはある1つ
の反応器で製造され、低分子量マトリクスは他の1つまたは複数の反応器で製造
される。高分子量共重合体が製造される反応器中のコモノマー濃度は、他の1つ
または複数の反応器中のコモノマー濃度よりも高い。したがって、得られる共重
合体は以下に示すAとBとの反応器ブレンド物である。
A)コモノマー量が3〜10重量%、好ましくは4〜6重量%で高分子量マトリク
スが製造される段階で製造された共重合体40〜70重量%
B)コモノマー量が2〜6重量%、好ましくは2〜3重量%で低分子量マトリク
スが製造される段階で製造された共重合体60〜30重量%
触媒組成物と共に水素および/または重合温度によって分子量を制御すること
ができる。本発明の共重合体は連続して操作される少なくとも2基の反応器を有
する多段階重合プロセスで製造することができる。気相−気相、スラリー−スラ
リー、バルク―気相、バルク―バルクなどのような重合反応器の種々の組合せを
採用することもできる。
重合に際しては、全ての種類の立体規則性、高生産性チーグラー・ナッタ型触
媒を使用することができる。これらの触媒は、例えばエチレンまたはプロピレン
と予備重合されていてもよい。勿論、予備重合されていない触媒を使用すること
にも何等制限はない。種々の外部ドナーを有するあらゆる種類の触媒組成物を使
用することができる。
プロピレン共重合体のコモノマーとしては、エチレン、ブテン−1、へキセン
−1、4−メチル−1−ペンテン、オクテン−1およびデセン−1またはこれら
の組合せを使用することができる。
分子量分散の広さはフローレート比(FRR=MFR10/MFR2)、ゲル透
過クロマトグラフィー(GPC)または流動学的測定によって、測定することが
できる。多分散性インデックス(PI)、剪断減粘性インデックス(SHI)お
よび溶融弾性インデックスのような流動学的パラメータは、ポリマーの分子量分
散の広さを示す。これらの値が高いほど分子量分散(MWD)は広い。
このようにして(例1〜4を参照材料と比べた場合)製造された、広い分子量
分散(MWD)と改良されたコモノマー分散とを有する高分子量プロピレンラン
ダム共重合体パイプ材料は、溶融破断のない優れた押出性を有している。このこ
とは、より著しい剪断減粘性(SHI)挙動による(図2および表)。得られた
材料は高い溶融弾性も有しており、結果として、溶融強度が向上している。広い
分子量分散(MWD)を有する非常に高分子量の材料でさえ、問題なく押し出し
成形することができることを比較例1は示している。
複数の反応器または唯一の反応器において殆ど同じ量のコモノマーで製造され
た材料の剛性と比べて、この材料の剛性、は耐衝撃性を失うことなく高くなって
いる。このことは、参照材料および比較例1と実施例4とを比較したときに最も
よくわかる。比較例1と実施例4とは同じ条件で製造を行っているが、エチレン
供給量の反応器毎の分割量が相違している。材料中の絡み合いおよび結合鎖によ
って、該材料はパイプとしてのより良い性質、特に負荷をかけたESCR(en-v
ironmental stress crackingresistance)において、一定の引張荷重によって測
定された緩速亀裂性(slow crack properties)を付与される。さらに、従来の
方法で製造されたランダムパイプ材料に比べて、本発明の共重合体は、標準パイ
プ圧力試験(standard pipe pressure tests)において同じフープ応力レベルで
破損するまでの時間が長くなった(このことも実施例1〜4と比較例1および参
照例とを比べた場合にわかる)。
吹込成形に本発明の広い分子量分布(MWD)を有するランダムポリプロピレ
ン(PP)を使用することによって、優れた機械的性質および向上したコモノマ
ー分散性が必要なフィルムおよび繊維製品を製造することができる。
重合プロセスの記載
:
このプロセスでは、連続して操作される一基の 100リットルループ反応器および一
基の2m3撹拌流動床反応器(GPR)を使用する。非常に少量の不活性稀釈剤
中の適量の触媒が、第一の反応器中に導入される。使用される触媒は予備重合さ
れている(モノマー/触媒比 3〜7 g/1g)。共触媒および外部ドナーは第一
の反応器に供給される。ポリマーの分子量を制御するのに水素が使用される。ル
ープ反応器中の製造物はフラッシュタンクに送られ、そこで未反応液体モノマー
は分離され、前記撹拌流動床反応器(GPR)に導入される。ガス抜きと触媒の
失活との後に最終製造物は回収される。触媒システム
:
FI 70028,FI 86472,もしくはFI 862459、またはUSP 4,784,983に記載されて
いるように、触媒としてMgCl2-担持アルコキシシラン変性TiCl4を使用
する。共触媒としてはトリエチルアルミニウムアルキル(TEA)を使用する。
外部ドナーとしては、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン(CHMMS)ま
たはジシクロペンチルジメトキシシラン(DCPDMS)を使用する。
実施例重合条件
:
ループ反応器中の液体プロピレン中で高分子量共重合体を、GPR中で低分子
量共重合体を製造することによって、パイロット反応器中で広い分子量分布を有
するプロピレン―エチレンランダム共重合体が製造された。
実施例中で採用された重合温度は70℃であった。製造速度は、ループ反応器で
6 kg/h、GPRで4 kg/hであった。このことは製造割合が60/40 であることを
意味する。実施例1
:
予備重合されたMgCl2-担持TiCl4(フィンランド特許 70028または864
72)を用いて材料が製造された。共触媒はTEA、外部ドナーはCHMMSであ
った。
ループ反応器およびGPRで以下の材料が製造された。粉体試料から測定され
た値の全ては以下の通りである。
(1)MFR10はループ反応器の製造物から測定された。MFR2は実験的に決定
された定数(16)を用いてMFR10から計算される。
(2)GPRの製造物のMFRは、ループ反応器の製造物のMFRおよび前・後
段反応の製造割合を用いて見積もる。GPRからの製造物のエチレン含有量はル
ープ反応器の製造物および最終製造物のエチレン含有量によって見積もる。実施例2
:
触媒を変えた外は(US 4,784,983の触媒を使用)実施例1と同様にして行った
。
次のような材料がループ反応器およびGPRで製造された。測定は全て粉末試料
を用いて行った。
(1)MFR10はループ反応器の製造物から測定された。MFR2は実験的に決定
された定数を用いてMFR10から計算される。
(2)GPRの製造物のMFRは、ループ反応器の製造物のMFRおよび前・後
段反応の製造割合を用いて見積もる。GPRからの製造物のエチレン含有量はル
ープ反応器の製造物および最終製造物のエチレン含有量によって見積もる。実施例3
:
触媒をフィンランド特許 862459のようにした外は、実施例1と同様にして行
った。次のような材料がループ反応器およびGPRで製造された。測定は全て粉
末試料を用いて行った。
注1 MFR10はループ反応器の製造物から測定された。MFR2は実験的に決
定された定数を用いてMFR10から計算される。
注2 GPRの製造物のMFRは、ループ反応器の製造物のMFRおよび前・後
段反応の製造割合を用いて見積もる。GPRからの製造物のエチレン含有量はル
ープ反応器の製造物および最終製造物のエチレン含有量によって見積もる。実施例4
:
外部ドナーをDCPDMSとした外は、実施例1と同様にして行った。
次のような材料がループ反応器およびGPRで製造された。測定は全て粉末試
料を用いて行った。
(1)MFR10はループ反応器の製造物から測定された。MFR2は実験的に決定
された定数(16)を用いてMFR10から計算される。
(2)GPRの製造物のMFRは、ループ反応器の製造物のMFRおよび前・後
段反応の製造割合を用いて見積もる。GPRからの製造物のエチレン含有量はル
ープ反応器の製造物および最終製造物のエチレン含有量によって見積もる。比較例1
:
ループ反応器におけるエチレン量とGPRにおけるエチレン量とをわずかに変
えた以外は、実施例4と同様にして行った。
次のような材料がループ反応器およびGPRで製造された。測定は全て粉末試
料を用いて行った。
(1)MFR10はループ反応器の製造物から測定された。MFR2は実験的に決定
された定数を用いてMFR10から計算される。
(2)GPRの製造物のMFRは、ループ反応器の製造物のMFRおよび前・後
段反応の製造割合を用いて見積もる。GPRからの製造物のエチレン含有量はル
ープ反応器の製造物および最終製造物のエチレン含有量によって見積もる。参照例
:
高生産性立体規則性触媒を用いて製造された市販の単一形態の(unimodal)ラ
ンダム共重合体(XA30 21D、ボレアリスの製造物)で、MFR2=0.2〜0.3、エ
チレン含有量が 3.5 重量%のものを使用した。
実施例1〜4、比較例1および参照例で得られた共重合体をペレット化したも
のを表1にまとめた。ペレット化された材料のエチレン含有量は各例で示した粉
末試料のエチレン含有量とわずかに相違している。この相違は粉末試料が不均一
であることに起因している。ペレット化された試料でのMFR(メルトフローレ
ート)の低下は、一般的に、二相材料についてもみられる。
4mm の加圧成形プラックを用いての機械的試験。ISO 527による試験片。
ISO 527による引張強度(クロスヘッド速度=50 mm/min)。
ISO 527によるE−モジュラス(クロスヘッド速度=1mm/min)。
ISO 179/leA によるシャルピーノッチ付き衝撃試験。
DIN 8078 による 95 ℃でのパイプ試験。
破損に至る時間は一定のフープ応力レベルで測定された。
CTL=60℃、10% Igepal CO-630(GAFによる)で、ESCR(=environm
ental stress cracking resistance、環境応力亀裂抵抗)における緩慢な亀裂の
成長の一定引張荷重試験(=constant tensile load)。破損に至る時間は一定
の荷重レベルで測定された。試験片は6mm加圧成形プラックから機械加工され、
安全剃刀の刃でノッチを付けた。(パイプ材料の緩慢な亀裂成長を測定するテス
トはボレアリス法である。)
動的流動学的測定はレオメトリクスシステム(Rheometrics System)IVのレオ
メーターによって、200℃、周波数範囲0.01〜400 Hzで行った。
剪断減粘性インデックス、SHI=ηo/η(剪断応力G*=100,000 Pa)、こ
こでG*=η×ω、但し、ηは粘度、ωは剪断速度。
弾性インデックスは、損失弾性率G”=5000 Pa のときの動的貯蔵弾性率G’
の値として定義される。
多分散性インデックス(PI)は交錯モジュラス(crossover modulus)Gcか
らPI−105/Gcとして計算される。
【手続補正書】特許法第184条の4第4項
【提出日】1996年3月12日
【補正内容】
請求の範囲
1.高分子量、広い分子量分散および向上したコモノマー分散を有する2種のプ
ロピレン―α−オレフィン共重合体の組成物において、組成物が以下の工程 A)
および B)によって調製された共重合体の混合物であって、
A) プロピレンとC2〜C12-α-オレフィンコモノマーとをチーグラー・ナッタ
触媒系によって共重合して、コモノマー含有量が3〜10重量%および0.005〜0.8
のメルトフローレートMFR2を有する高分子量共重合体を製造する工程、
B) 一基または複数の反応器を用いて、前記コモノマーを工程Aからの共重合体
を含む重合反応に追加して重合反応を継続し、相対的に高分子量の共重合体と混
合された相対的にり低分子量の共重合体を製造する工程、
かつ、最終製造物である組成物のコモノマー含有量が、工程Aでの共重合体のコ
モノマー量よりも少ない2〜9重量%、メルトフローレートMFR2が0.05〜2.5
、メルトフローレートの割合MFR10/MFR2が15〜40、および分子量分散M
WDが6〜15であり、相対的に高分子量(A)である共重合体と相対的に低分子量(
B)である共重合体との割合が40/60〜70/30であることを特徴とすること。
2.前記コモノマーがエチレンである請求項1に記載の共重合体。
3.相対的に高分子量である共重合体中のコモノマーの含有量が4〜6重量%で
ある請求項1に記載の共重合体。
4.最終製造物である共重合体において、MFR2が 0.1〜0.5、およびMFR10
/MFR2が16〜26であることを特徴とする請求項1に記載の共重合体。
5.最終製造物である共重合体のエチレンユニット濃度が2〜4重量%であり、
MFR2が 0.1〜0.5 である請求項2に記載の共重合体。
6.高分子量、広い分子量分散および向上したコモノマー分散を有するプロピレ
ン―α−オレフィン共重合体の組成物の製造方法において、
A) 第一工程で、プロピレンおよびC2〜C12-α-オレフィンコモノマーをチー
グラー・ナッタ触媒系と接触させ、コモノマー含有量が3〜10重量%およびメル
トフローレートMFR2が 0.005〜0.8 である高分子量共重合体を製造し、
B) 第二工程で、一基または複数の反応器を用いて、前記コモノマーを工程Aか
らの共重合体を含む重合反応に追加して、コモノマーの含有量が工程Aでの共重
合体のコモノマー量よりも少ない2〜9重量%メルトフローレートMFR2が0.0
5〜2.5、メルトフローレートの割合MFR10/MFR2 が15〜40、および分子量
分散MWDが6〜15である最終生成物を製造し、相対的に高分子量(A)である共
重合体と相対的に低分子量(B)である共重合体との割合が40/60〜70/30である
ことを特徴とすること。
7.前記チーグラー・ナッタ触媒系において、主触媒が要すれば予備重合された
MgCl2担持4価チタン化合物である請求項6に記載の方法。
8.前記第一工程がスラリー中、好ましくはモノマースラリーまたは不活性稀釈
剤スラリー中で行われる請求項6に記載の方法。
9.前記第一工程が気相反応器、好ましくは流動床反応器中で行われる請求項6
に記載の方法。
10.請求項1から5のいずれかに記載の共重合体をブロー成形またはフィルム、
発泡、もしくは繊維製造に適用すること。
11.請求項1から5のいずれかに記載の共重合体をパイプ、取付部品または異形
材に適用すること。
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フロントページの続き
(51)Int.Cl.6 識別記号 FI
C08J 9/04 CES C08J 9/04 CES
D01F 6/30 D01F 6/30
(81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE,
DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M
C,NL,PT,SE),AT,AU,BR,BY,C
A,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB
,GE,HU,JP,KR,KZ,LT,LV,MX,
NO,NZ,PL,PT,RO,RU,SE,SG,S
I,SK,TJ,TM,UA,US,UZ,VN
(72)発明者 マルム,ボー
フィンランド,エフイーエン−02110 エ
スポー,イテランタ 11 エー 44
(72)発明者 ピトケネン,ペイビ
フィンランド,エフイーエン−07190 ハ
ルキア,リルーンヘルメ 15