JPH10505490A - ヒト免疫不全ウイルスの結合により誘導されたコンホメーションが変化したcd4分子に結合する抗体 - Google Patents

ヒト免疫不全ウイルスの結合により誘導されたコンホメーションが変化したcd4分子に結合する抗体

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JPH10505490A
JPH10505490A JP8505251A JP50525196A JPH10505490A JP H10505490 A JPH10505490 A JP H10505490A JP 8505251 A JP8505251 A JP 8505251A JP 50525196 A JP50525196 A JP 50525196A JP H10505490 A JPH10505490 A JP H10505490A
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レトビン,ノーマン
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Abstract

(57)【要約】 CD4+細胞の表面に、その細胞のヒト免疫不全ウイルス(HIV)又はそのエンベロープ蛋白質(例えば、gp120)との接触に際して誘導されたコンホメーションの変化した形態のCD4に結合するが、HIV又はそのエンベロープ蛋白質との接触前の細胞の表面上の自然のままのCD4には実質的に結合しない抗体を開示する。この発明の好適な抗体は、モノクローナルFab断片3−47及び3−51である。この発明の抗体を用いる製薬組成物、並びに診断、スクリーニング及び治療方法をも開示する。この発明の抗体は、細胞表面上のコンホメーションの変化した形態のCD4の検出、gp120結合に際してのこのコンホメーションの変化した形態のCD4の形成を阻止し又は誘導する薬剤の同定、及びCD4+細胞のHIVによる感染の阻止に有用である。CD4+細胞の表面に、その細胞のHIV又はそのエンベロープ蛋白質との接触に際して誘導されるコンホメーションの変化した形態のCD4上に発現された少なくとも1つのエピトープを発現する分子も又、この発明に包含される。かかる分子を用いて、この発明の抗体を生成し及び患者内の細胞のHIVによる感染を阻止する抗体応答をその患者において誘導することができる。

Description

【発明の詳細な説明】 ヒト免疫不全ウイルスの結合により誘導された コンホメーションが変化したCD4分子に結合する抗体発明の背景 CD4は、Tリンパ球のサブセット(CD4+T細胞)の表面に発現される5 5,000〜62,000ダルトンの分子量を有する膜貫通糖蛋白質である。こ のT細胞のCD4+サブセットは、Tヘルパー又はインデューサー細胞集団の正 体を確認する。抗原刺激の際に、この集団は、T細胞及びB細胞の増殖及び分化 を促進するサイトカインを産生し、それにより、抗体産生及びT細胞細胞毒性等 のエフェクター機構を誘導する。T細胞に加えて、CD4は又、他の細胞型例え ばマクロファージ及びある種の脳細胞においても発現される。 ヒト免疫不全ウイルスウイルス(HIV)を含むある種の感染性病原体の第一 次標的は、表面上にCD4を発現している細胞である。CD4+細胞に対するH IVの向性は、膜固定されたウイルス用レセプターとして機能するCD4に帰因 する。従って、HIVの表面エンベロープ蛋白質により媒介されるHIVのCD 4への結合は、CD4+細胞をHIVの標的とするものであると考えられる。H IVの主要エンベロープ蛋白質は、前駆体ポリペプチド(gp160)として生 成され、それは、成熟形態では、外膜蛋白質(gp120)及び一層小さい膜貫 通蛋白質(gp41)に開裂される(Ratner,L.等(1985)Nature 313:227-284) 。gp120のCD4への結合は、CD4+細胞の感染を開始すると考えられ(D algleish,A.G.等(1984)Nature 312:763-767; Klatzmann,D.等(1984)Nature 312: 767-768)、更に、感染したCD4+細胞と未感染CD4+細胞との膜融合(シン シチウム形成と呼ばれる)を開始することができ、これは、ウイルスの細胞−細 胞伝達及びその細胞病理的効果に貢献し得る(Habeshaw,J.A.及びDalgleish,A. G.(1989)J.AIDS 2:457-468; Lifson,J.D.及びEngleman,E.G.(1989)Immunol.Rev .109:93-117)。 ヒトCD4cDNAのヌクレオチド配列、及びヒトCD4蛋白質の推定のアミ ノ酸配列が報告された(Maddon,P.J.等(1985)Cell 42:93-104; 及びLittman,D. 等(1988)Cell 55:541 に報告された修正された配列参照)。構造的に、このCD 4蛋白質は、細胞外ドメイン(凡そ、アミノ酸1〜375)、膜内ドメイン(凡 そ、アミノ酸376〜395)及び細胞質ドメイン(凡そ、アミノ酸396〜4 33)に分けることができる。CD4は、25アミノ酸のシグナル配列を有する 前駆体蛋白質として合成される。CD4細胞外ドメインは、更に、免疫グロブリ ンVJ領域に対する相同性を有するV1、V2、V3及びV4と呼ばれる4つの 直列の領域に分けることができる。V1領域は、凡そアミノ酸1〜113に及び 、V2領域は、凡そアミノ酸114〜180に及び、V3領域は、凡そアミノ酸 181〜297に及び、そしてV4領域は、凡そアミノ酸298〜375に及ぶ (Maddon,P.J.等(1985)前出参照)。V1領域は、HIVgp120に対する結 合部位として同定された(Arthros,J.等(1989)Cell 57:469-481; Mizukami,T.等 (1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:9273-9277; Peterson,A.及び Seed,B.(1988) Cell 54:65-72; Landua,N.R.等(1988)Nature 334:159-162; Clayton,L.K.等(198 8)Nature 335:363-366)。 天然のCD4分子の特定の領域に結合する幾つかの抗CD4抗体が記載された 。これらの抗体の例には、CD4V1特異的抗体Leu3A及びOKT4A(例 えば、Sattentau,Q.J.等(1986)Science 234:1120-1123; Jameson,B.A.等(1988) Science 240:1335-1339; Peterson,A.及びSeed,B.(1988)前出; Bates,P.A.等( 1988)Prot.Engng.3:13-21; McDougal,J.S.等(1986)J.Immunol.137:2937-2944;及 びDalgleish,A.G.等(1987)Lancet 2:1047-1050を参照)、OKT4A及びLeu 3Aにより結合されるものと異なるCD4エピトープに結合するMT151、V IT4及びMT321(例えば、Sattentau,Q.J.等(1986)前出; Sattentau,Q.J. 等(1989)J.Exp.Med.170:1319-1334; Bates,P.A.等(1989)前出; Landau N.R.等 (1988)前出; 及びMerkenschlager,M.等(1990)J.Immunol.9:2839-2845 を参照) 、CD4V2特異的抗体OKT4B(例えば、Kieber-Emmons,T.等(1989)Bioch im.Biophys.Acta 989:281-300; McDougal,J.S.等(1986)前出; Ludin,K.等(1987 )J.Immunol.Methods 97:93-100;及びLamarre,D.等(1989)EMBO J.8:3271-3277を 参照)、及びCD4V3V4特異的抗体OKT4 (例えば、Berger,E.A.等(1988)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 85:2357-2361 を参照 )が含まれる。かかる抗体は、gp120結合をブロックし、HIV誘導のシン シチウム形成を阻止し及び/又はAIDS、ARC若しくはHIV感染の治療の ための潜在的治療剤として機能するそれらの能力に関して研究されてきた。CD 4のV1領域に結合する抗体例えばLeu3A及びOKT4Aは、gp120の CD4への結合を競争的に阻害する。しかしながら、かかる抗体は、既にHIV gp120に結合したCD4に対して作用する能力のないことにより、それらの 治療上の有用性において制限され得る。CD4の他の領域に結合するある種の抗 体は、シンシチウム形成又はウイルス感染に対する幾らかの効果を有することが 見出されているが、実質的にgp120のCD4への結合を阻止しない。しかし ながら、天然の細胞表面CD4に結合する抗CD4抗体の利用に対する他の潜在 的限界は、それらの免疫抑制活性である。例えば、OKT4A及びOKT4Bの 両者は、免疫抑制性であることが報告されている(例えば、Lamarre,D.等(1989) 前出参照)。 CD4は、gp120との初期結合事象のみならず、ウイルスの細胞膜との融 合(ウイルスの細胞への侵入に必要)及びHIVエンベロープ媒介されたシンシ チウム形成にも関係するということが示唆されてきた(例えば、Healey,D.等(1 990)J.Exp.Med.172:1233-1242; Celada,F.等(1990)J.Exp.Med.172:1143-1150参 照)。ある研究は、単独ではCD4+細胞に結合しないが、精製した組換えgp 120と予備インキュベートしたCD+細胞には弱く結合する自己抗体のHIV 感染した個人における検出を報告した(Sekigawa,I等(1991)Clin.Immunol.and I mmunopathol.58:145-153)。しかしながら、引き続く2つのHIV感染した個人 におけるCD4に対する自己抗体の研究は、この観察を確認することができなか った(Callahan,L.N.等(1992)J.Immunol.149:2194-2202;及びChams,V.等(1991) AIDS 5:565参照)。その上、これらの後者の研究の一方(Callahan,L.N.等(199 2)前出)は、このgp120処理した細胞への自己抗体の観察された結合を、用 いたアッセイ系におけるアーティファクトに帰した。現時点において、HIVの CD4への結合の際に新規なコンホメーション形態のCD4がCD4+細胞の表 面上に誘導されるかどうかは確立されておらず、この 推定上の変化したコンホメーション形態のCD4を認識することのできる試薬が 必要である。発明の要約 この発明は、HIV(又はそのエンベロープ蛋白質)の結合に際して誘導され る新規なコンホメーション形態の細胞表面CD4、抗体及び抗体模倣剤を含むこ の新規な形態のCD4に結合するリガンド、この新規な形態のCD4上に露出さ れた1つ以上のエピトープを発現する単離された分子、及びこれらの利用に関係 する。この発明の1つの面は、CD4+細胞の表面にその細胞とHIV又はその エンベロープ蛋白質(例えば、gp120)との接触に際して発現されたコンホ メーションの変化した形態のCD4分子好ましくはヒトCD4に結合し、それに より、細胞表面CD4におけるHIV誘導されたコンホメーション変化の証拠を 与える抗体又はその断片に関係する。この発明の抗体は、細胞とgp120との 接触に際してコンホメーションの変化した形態のその細胞表面上のCD4に結合 する能力及びgp120との接触前の細胞表面上の自然のままのヒトCD4に実 質的に結合し得ないことにより特徴付けられる。gp120と接触したCD4+ 細胞の集団において、好ましくは、gp120+細胞の少なくとも30%が、こ の発明の抗体により結合される。一層好ましくは、gp120+細胞の少なくと も50%、更に一層好ましくは少なくとも70〜90%が、この発明の抗体によ り結合される。 好適具体例において、この発明の抗体は、モノクローナル抗体好ましくはヒト モノクローナル抗体である。この発明の好適な抗体は、ヒトモノクローナルFa b(3−47及び3−51と呼ぶ)、又は3−47若しくは3−51により認識 される同じエピトープに結合する抗体である。更に、gp120結合に際して、 やはり3−47又は3−51エピトープを示すコンホメーションの変化した形態 のヒトCD4上に露出された他のエピトープに結合する抗体が、この発明により 包含される。この発明は、更に、この発明の抗体と同じエピトープ結合特異性を 有する非抗体化合物である抗体模倣剤例えば3−47又は3−51模倣剤を提供 する。 この発明の他の面は、この発明の抗体の軽鎖又は重鎖可変領域(VL又はVH 領域)をコードする、好ましくはモノクローナルFab3−47又は3−51の VL又はVH領域をコードするヌクレオチド配列を含む単離された核酸分子(例 えば、DNA)に関係する。一具体例において、VL領域をコードする核酸は、 更に、CL領域(即ち、完全長の抗体軽鎖)をコードする。他の具体例において は、VH領域をコードする核酸は、更に、CH1領域(即ち、免疫グロブリン重 鎖の第1の定常ドメイン)をコードする。更に別の具体例においては、VH領域 をコードする核酸は、完全長の抗体重鎖(例えば、CH1、CH2及びCH3領 域を含む)をコードする。この発明の核酸分子を、発現ベクターに取り込ませて 宿主細胞(例えば、細菌又は哺乳動物細胞)に導入することができる。一具体例 において、モノクローナルFab3−47を宿主細胞中で発現させる。他の具体 例においては、モノクローナルFab3−51を宿主細胞中で発現させる。更に 別の具体例においては、モノクローナルFab3−47又は3−51のエピトー プ結合特異性(例えば、VL及びVH領域)を有する完全長抗体を宿主細胞中で 発現させる。従って、この発明の単離した核酸分子、発現ベクター及び宿主細胞 は、この発明の組換え抗体特にモノクローナルFab3−47又は3−51のエ ピトープ結合特異性を有する特定の組換え抗体の産生に有用である。 これらの抗体又はその模倣剤を用いて、例えば、HIV感染の過程又は治療用 養生法の有効性をモニターするために細胞表面上のコンホメーションの変化した 形態のCD4の存在を検出することができる。細胞表面上のコンホメーションの 変化した形態のCD4を検出するためには、その細胞を、この発明の抗体と接触 させ、その細胞の表面に結合した抗体を検出する。 この発明の抗体及び模倣剤は、更に、細胞表面におけるCD4のコンホメーシ ョンの変化した形態の形成を阻止し又は誘導する能力について、薬剤をスクリー ニングするのに有用である。CD4のコンホメーションの変化した形態の形成を 阻止する薬剤を同定するために、CD4+細胞を、gp120及び試験すべき薬 剤と接触させ、更に、この発明の抗体と接触させ、そして、その細胞表面に結合 した抗体の量を測定することができる。その薬剤の不在時におけるgp120処 理した細胞への抗体結合の量に比較して、その薬剤の存在時におけるgp120 処理した細胞への抗体の結合の減少した量は、その薬剤がその細胞表面上でのC D4のコンホメーションの変化した形態の形成を阻止するという指標として用い ることができる。或は、CD4のコンホメーションの変化した形態の形成を誘導 する薬剤を同定するために、CD4+細胞を、試験すべき薬剤と接触させ、更に 、この発明の抗体と接触させ、そして、その細胞表面に結合した抗体の量を測定 することができる。その薬剤の不在時におけるCD4+細胞への抗体結合の量と 比較して、その薬剤の存在時におけるCD4+細胞への抗体の結合の増加した量 は、その薬剤がその細胞表面におけるCD4のコンホメーションの変化した形態 の形成を誘導するという指標として用いることができる。かかる細胞表面CD4 のコンホメーションの変化した形態の発現を阻止し又は誘導する薬剤は、HIV 感染を治療する上で有用であり得る。 この発明の抗体及び抗体模倣剤は又、細胞のヒト免疫不全ウイルス(HIV) による感染を阻止するために用いることもできる。細胞のHIVによる感染を阻 止するためには、その細胞を、治療上有効な量のこの発明の抗体又は模倣剤と接 触させる。細胞を、この抗体又は模倣剤とイン・ビトロで接触させ、或は、この 抗体又は模倣剤を、患者にイン・ビボで投与することができる。 この発明の更に別の面は、HIV又はそのエンベロープ蛋白質若しくはペプチ ドとの接触に際して誘導されるコンホメーションの変化した形態のヒトCD4上 に発現される少なくとも1つのエピトープを発現する単離された分子に関係する 。好ましくは、このコンホメーションの変化した形態のヒトCD4は、モノクロ ーナル3−47又はモノクローナル3−51により結合されるエピトープを表示 するものである。一具体例において、この単離された分子は、3−47又は3− 51により結合される同じエピトープを発現する。他の具体例において、この分 子は、gp120結合に際してこのコンホメーションの変化した形態のCD4上 でやはり発現される他のエピトープをも発現する。この分子は、蛋白質又はペプ チド例えば改変されたヒトCD4蛋白質若しくはそのペプチド断片又は非ヒト霊 長類CD4蛋白質若しくはそのペプチド断片(例えば、アカゲザル又はチンパン ジーからのもの)であってよい。或は、この分子は、3−47又は3−51に結 合する抗イディオタイプ抗体又はその断片であってよい。その上、この分子 は、適当な変化したCD4エピトープを発現するペプチド模倣物であってよい。 コンホメーションの変化した形態のヒトCD4により表示されるエピトープを発 現するこの発明の分子を、製薬組成物好ましくは製薬上許容し得るアジュバント を含む製薬組成物に取込ませることができる。哺乳動物を、かかる組成物で免疫 化して、ヒトCD4のコンホメーションの変化した形態に結合する抗体を誘出す ることができる。 コンホメーションの変化した形態のCD4の少なくとも1つのエピトープを発 現するこの発明の分子を用いて、患者における細胞のHIVによる感染を阻止し 得る抗体応答をその患者において誘導することができる。従って、この発明の更 に別の面は、ヒトCD4のコンホメーションの変化した形態において発現される 少なくとも1つのエピトープを発現する分子の治療上有効な量を、その分子によ り発現されるエピトープに対する抗体応答がその患者において誘導されるように 患者に投与することを含む、細胞のHIVによる感染を阻止する方法に関係する 。 モノクローナルFab3−47の軽鎖及び重鎖遺伝子をコードするプラスミッ ドを有する細菌宿主細胞を、ブダペスト条約の規定の下に、1994年7月19 日に、メリーランド、Rockville 在、American Type Culture Collectionに寄託し、A TCC指定番号69658を与えられた。モノクローナルFab3−51の軽鎖 及び重鎖遺伝子をコードするプラスミッドを有する細菌宿主細胞を、ブダペスト 条約の規定の下に、1994年8月25日に、メリーランド、Rockville在、American Type Culture Collectionに寄託し、ATCC指定番号69684を与えられた 。図面の簡単な説明 図1は、4人のヒトrsCD4免疫されたHIV感染したヒトの血清における ヒトrsCD4特異的抗体の、免疫化の時点及びその後の様々な時点における滴 定のグラフ表示である。矢印は、免疫化の時点を示している。 図2は、組合せヒト免疫グロブリンライブラリーを構築するために用いたファ ージミドpComb3の図式表示である。矢印は、クローニングに用いた制限 部位を示している。Fabの発現は、IPTGを用いてlacZプロモーターを 介して誘導される。pe1Bリーダー配列は、重鎖及び軽鎖を、Fabアセンブ リーが起きる誘導された細菌細胞のペリプラスムへ向ける。この重鎖は、ビリオ ン表面におけるFab分子の発現を指示する遺伝子IIIによりコードされるM1 3コート蛋白質との融合蛋白質として発現される。 図3A〜Jは、PBS(パネルA〜E)又は組換えgp120(パネルF〜J )と予備インキュベートしたヒト末梢血液リンパ球に対する種々の抗体の結合を 描いた一連のフローサイトメトリープロフィルである。次の抗体について描いて ある:対照FITC標識したヤギ抗ヒト第2抗体(パネルA及びF)、19th y5D7(CD4のgp120結合部位に特異的)(パネルB及びG)、L73 6523(gp120のV3ループドメインに特異的)(パネルC及びH)、F abクローン3〜47(パネルD及びI)及びFabクローン3〜51(パネル E及びJ)。 図4は、Fabクローン3−47の、ヒトrsCD4及びヒト末梢血液リンパ 球溶解物由来のCD4の両者を用いたウエスタンブロットにおける反応性を描写 している。これらのレーンは:ヒトrsCD4を用いた無関係のgp120特異 的抗体(L736523)(レーン1)、ヒトrsCD4を用いたCD4特異的 対照抗体(ヒト化5A8)(レーン2)、rsCD4を用いたモノクローナルF ab3−47(レーン3)、ヒトPBL溶解物を用いたgp120特異的抗体( L736523)(レーン4)及びヒトPBL溶解物を用いたモノクローナルF ab3−47(レーン5)の反応性を示している。分子量を、キロダルトンで示 してある。 図5は、免疫沈降実験の写真であり、H9細胞溶解物由来の55kDの細胞表 面蛋白質(CD4の分子量に対応)を免疫沈降させるFab3−47(負の対照 モノクローナル抗体ではない)の能力を描写している。 図6A〜Hは、Fab3−47(パネルD及びH)、対照Fab2−36(パ ネルC及びG)、対照抗HIV−1gp120抗体(パネルB及びF)又は無抗 体(「PBS」、パネルA及びD)の、HIV−1rgp120と4℃で予備イ ンキュベートしたヒトPBLに対する結合(パネルA〜D)又はHIV−1rg p120と37℃で予備インキュベートしたヒトPBLに対する結合(パネルE 〜H)を描いた一連のフローサイトメトリープロフィルであり、Fab3−47 が、HIV−1rgp120と37℃でインキュベートしたヒトPBLに結合す るが、4℃でインキュベートしたものには結合しないことを示している。 図7A〜Dは、Fab3−47(パネルD)、対照Fab2−36(パネルC )、対照抗CD4抗体(「Hu5A8」、パネルB)又は無抗体(「PBS」、 パネルA)の、生きたHIV−1と予備インキュベートしたH9細胞に対する結 合を描いた一連のフローサイトメトリープロフィルであり、Fab3−47が、 生きたHIV−1と予備インキュベートしたH)細胞と結合することを示してい る。発明の詳細な説明 この発明は、HIV又はそのエンベロープ蛋白質の細胞への結合に際してCD 4+細胞上に発現される細胞表面CD4分子のコンホメーションの変化した形態 に関係する。ここに記載のように、このCD4のコンホメーションの変化した形 態は、CD4+細胞を単離したgp120(例えば、可溶性の組換えgp120 )と接触させることにより誘導することができる。この発明の種々の面は、HI V又はその一部との接触に際してCD4上に露出される新規なエピトープに結合 する抗体、抗体断片及び抗体模倣剤を含むリガンド、並びにCD4上に露出され たこれらの新規なエピトープを発現し、そのために用いられる単離された分子に 関係する。この発明の抗体は、CD4をCD4+細胞の表面上に、その細胞のg p120との接触の後に結合させることができるが、gp120との接触前には その細胞の表面上のCD4と実質的に結合しない。従って、これらの抗体は、g p120結合に際してCD4分子上に露出されたエピトープに特異的である。g p120と接触したCD4+細胞の集団において、好ましくは、gp120+細胞 の少なくとも30%が、この発明の抗体により結合される。一層好ましくは、g p120+細胞の少なくとも50%が、この発明の抗体により結合される。更に 一層好ましくは、gp120+細胞の少なくとも70〜90%が、この発明の抗 体により結合される。 この発明の好適な抗体は、3−47及び3−51と呼ばれるヒトモノクローナ ルFab断片である。これらのFab断片は、不完全フロイントアジュバント中 の可溶性組換えヒトCD4で多数回免疫したHIV感染した個人から調製したラ ンダム組合せ免疫グロブリンファージディスプレーライブラリーから単離した。 モノクローナルFab3−47及び3−51の軽鎖及び重鎖可変領域は異なり、 これは、それらが別個の抗体であることを示している。好適具体例において、H IV又はそのエンベロープ蛋白質の結合に際して誘導される細胞表面CD4のコ ンホメーションの変化した形態は、CD4分子上の3−47又は3−51により 認識されるエピトープ(ここでは、それぞれ、3−47及び3−51エピトープ と呼ぶ)の発現により規定される。従って、この発明の一つの面は、3−47若 しくは3−51エピトープに結合し又は、3−47及び/若しくは3−51エピ トープをも発現するCD4のコンホメーションの変化した形態上に露出した他の エピトープに結合する抗体又はその断片に関係する。これらの3−47及び3− 51エピトープの発見は、CD4レセプターにおけるHIV誘導されたコンホメ ーション変化の証拠を提供し、それは、ここに記載のように、診断、スクリーニ ング及び治療目的のための標的となり得る。 用語「抗体」は、ここで用いる場合、免疫グロブリン分子及び免疫学的に活性 な免疫グロブリン分子の部分即ち、抗原例えばCD4のコンホメーションの変化 した形態に特異的に結合する(免疫反応する)抗原結合部位を含む分子をいう。 この発明は、ポリクローナル及び一層好ましくはモノクローナル抗体に関係する 。一具体例において、この発明のモノクローナル抗体は、ヒトモノクローナル抗 体である。更に、組換え抗体例えばキメラ及びヒト化モノクローナル抗体(ヒト 及び非ヒト部分の両者を含む)は、この発明の範囲内にある。 構造的には、最も単純な天然の抗体(例えば、IgG)は、4つのポリペプチ ド鎖{ジスルフィド結合により内部結合された2つの重鎖(H)及び2つの軽鎖 (L)}を含む。抗体の抗原結合機能は、天然の抗体の断片によって達成され得 るということが示されている。従って、これらの抗原結合性断片も又、用語「抗 体」により呼ばれる。この用語の抗体に包含される結合性断片の例には、(i) VL、VH、CL及びCH1ドメインよりなるFab断片、(ii)VH及び CH1ドメインよりなるFd断片、(iii)抗体の単一のアームのVL及びV HドメインよりなるFv断片、(iv)VHドメインよりなるdAb断片(Ward 等(1989)Nature 341:544-546);(v)単離された相補的決定領域(CDR); 及び(vi)F(ab’)2断片{ヒンジ領域でジスルフィド橋により結合され た2つのFab断片を含む二価断片}が含まれる。抗体断片例えばFab及びF (ab’)2断片を、全抗体から、慣用技術例えば、全抗体の、それぞれパパイ ン又はペプシン消化を用いて調製することができる。その上、抗体断片は、ここ に記載のように、標準的組換えDNA技術を用いて得ることができる。更に、F v断片の2つのドメインが別々の遺伝子によりコードされても、それらを、組換 え法によって、単一の蛋白質鎖(単一鎖Fv(scFv)として公知;Bird等(1 988)Science 242:423-426;及びHuston等(1988)PNAS 85:5879-5883)として作成 することを可能にする合成リンカーを作ることができる。かかる単一鎖抗体も又 、用語「抗体」に包含される。この発明の抗体は、更に、CD4のコンホメーシ ョンの変化した形態を認識する結合部分を有する二特異性及びキメラ分子を含む ことを意図している。 用語「抗体結合部位」は、ここで用いる場合、抗原に特異的に結合する(免疫 反応する)重鎖及び軽鎖の可変及び超可変領域よりなる抗体分子の構造的部分を いう。用語「免疫反応する」又は「反応性」はその種々の形態において、ここで 用いる場合、抗原決定基含有分子と抗体結合部位を含む分子例えば全抗体分子又 はその一部分との間の結合をいう。用語「エピトープ」は、ここで用いる場合、 抗体結合部位により免疫学的に結合される抗原の実際の構造部分をいう。この用 語は又、「抗原決定基」と交換可能に用いられる。特定のエピトープが分子上に 存在し且つ免疫学的認識(例えば、抗体による結合)に利用され得る場合は、そ のエピトープは、その分子により「発現される」又は「表示される」という。 自然のままの細胞表面CD4分子上では、この発明に関する特に興味深いエピ トープは、構成的には発現されておらず、むしろ、ここに記載のように、gp1 20結合に際してコンホメーションの変化した形態のCD4上で発現される(即 ち、露出される)ようになる。かかる分子のコンホメーション変化に際して分子 上に露出したエピトープを、この分野では、しばしば、「ネオ−エピトー プ」という。抗体の「エピトープ結合特異性」なる用語は、ここで用いる場合、 特異的エピトープに対する抗体の反応性をいう。即ち、同じエピトープに結合す る抗体は、同じエピトープ結合特異性を有するという。2つの抗体が特定の抗原 上の同じエピトープ(例えば、ここに記載のコンホメーションの変化した形態の CD4上の3−47エピトープ)に結合するかどうかを決定するために、一方の 抗体の、他方の抗体が抗原に結合するのを競争的に阻害する能力を慣用技術によ って測定することができる。 この発明の様々な面を、更に、下記の小区分において詳細に説明する。I.抗体の調製及び同定 A.免疫化 この発明の抗体は、典型的には、適当な患者を適当なCD4免疫原で免疫化し 、ここに記載の特性を有する抗体を単離することにより調製する。好適具体例に おいて、モノクローナル抗体は、慣用の抗体分泌性ハイブリドーマをスクリーニ ングすることによっても単離することができるが、免疫化した患者から調製した 組合せ免疫グロブリンライブラリーをスクリーニングすることにより単離する。 或は、所望のエピトープ結合特異性を有するモノクローナル抗体を、免疫化され た患者(例えば、HIV感染した患者又は未感染患者)から調製した組合せ免疫 グロブリンライブラリーをスクリーニングすることにより単離することも可能で ある。 好適具体例において、CD4免疫原は、ヒト組換え可溶性CD4(rsCD4 )であり、免疫化される患者は、HIV感染したヒトである。或は、免疫化され る患者は、未感染の患者(例えば、ヒト)であってよい。更に、患者を他の種由 来の可溶性CD4で免疫化することにより、細胞表面CD4のコンホメーション の変化した形態に対する抗体を生成することが可能である。例えば、非ヒト霊長 類例えばアカゲザル又はチンパンジーをヒトrsCD4で免疫化することができ 、或は、ヒトを非ヒト霊長類rsCD4分子(例えば、アカゲザル又はチンパン ジーのCD4)で免疫化することができる。他の具体例においては、 3−47及び/又は3−51エピトープを発現する分子(例えば、ペプチド)で 患者を免疫化することができる(以下で、更に詳細に説明する)。或は、可溶性 CD4−gp120複合体で又は、可溶性組換えgp120で処理した(即ち、 該gp120と接触した)CD4+細胞(例えば、末梢血液リンパ球)で動物を 免疫化することも望ましい。ヒトCD4についてトランスジェニックの(それ故 に、自然のままのヒト細胞表面CD4に寛容である)マウスを、CD4免疫原例 えば可溶性形態の非ヒト霊長類CD4分子又は変化した形態の可溶性ヒトCD4 を用いて免疫化することによって、ここに記載のように、抗体を高めることも又 可能であり得る。 CD4免疫原の単位投与量及び免疫化養生法は、免疫化される哺乳動物種、そ の免疫状態、その哺乳動物の体重及び投与されるCD4免疫原のCD4含有量に 依存する。免疫化のためには、CD4免疫原を、典型的には、アジュバント例え ばフロイントの完全又は不完全アジュバントと共に投与する。説明のための具体 例において、不完全フロイントアジュバント中の1mgのヒトrsCD4を、H IV感染した個人に筋肉注射し(500より多い絶対CD4数)、その個人を、 規則的間隔で(例えば、3〜5週毎に)数回(例えば、5回)追加免疫する。 上記のようにCD4免疫原を用いる患者の免疫化は、ポリクローナル抗CD4 抗体応答を誘導する。抗CD4抗体の免疫化した個人における力価は、標準的技 術例えば固定化したrsCD4を用いる酵素結合した免疫吸着剤アッセイ(EL ISA)によって、長期にわたってモニターすることができる。所望であれば、 ポリクローナル抗体分子を、哺乳動物から(例えば、血液から)単離し、更に、 周知の技術例えばプロテインAクロマトグラフィーにより精製してIgG画分を 得ることができる。免疫化後の適当な時点に、例えば、抗CD4抗体力価が最高 の時点において、モノクローナル抗体を調製し及びスクリーニングすることがで きる。B.組換え組合せ抗体ライブラリー 好適具体例において、免疫化した患者のリンパ球由来のmRNAから調製した 免疫グロブリン軽鎖及び重鎖cDNAを用いて、組換え組合せ免疫グロブリンラ イブラリー例えばFabファージディスプレーライブラリーを構築することによ り、モノクローナル抗体を調製することができる。かかるライブラリーを調製し 及びスクリーニングする方法論は、実施例に詳述する。簡単には、mRNAを、 リンパ球含有細胞集団例えば骨髄リンパ球から単離する。第1鎖cDNAを、重 鎖の定常領域(例えば、CH3)並びにκ及びλ軽鎖の各々の定常領域に特異的 なプライマーを用いて合成する。可変及び定常領域に特異的なプライマーを用い て、重鎖及び軽鎖のcDNAを、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)によって増幅 する。増幅されたDNAを、次いで、ディスプレーパッケージのライブラリーの 生成における更なる操作のための適当なベクター中にライゲートする。増幅プロ トコールにおいて有用なオリゴヌクレオチドプライマーは、ユニークであり又は 縮重してよく且つ縮重位置にイノシンを取込むことができる。制限エンドヌクレ アーゼ認識配列も又、プライマーに取込ませることができ、増幅された断片を、 発現のための予め決めたリーディングフレームにてベクター中にクローン化する ことを可能にする。 免疫グロブリンライブラリー例えばFabライブラリーは、ディスプレーパッ ケージ(好ましくは、繊維状ファージ由来)の集団により発現されて、抗体のデ ィスプレーライブラリーを形成する。理想的には、このディスプレーパッケージ は、大きい多様な抗体ディスプレーライブラリーのサンプリング、各アフィニテ ィー分離ラウンドの後の迅速な整理、及び精製したディスプレーパッケージから の抗体遺伝子の容易な単離を可能にする系を含む。ファージディスプレーライブ ラリーの生成のための市販のキット(例えば、Pharmacia Recombinant Phage An tibody System,カタログ番号27−9400−01;及びStratagene SurfZAP( 商標)ファージディスプレーキット、カタログ番号240612)に加えて、抗 体ディスプレーライブラリーの生成における使用に特に従順な方法及び試薬の例 は、例えば、Ladner等米国特許第5,223,409号;Kang等国際公開WO9 2/18619;Dower 等国際公開WO91/17271;Winter等国際公開W O92/20791;Markland等国際公開WO92/15679;Breitling 等 国際公開WO93/01288;McCafferty等国際公開WO92/0104 7;Garrard 等国際公開WO92/09690:Ladner等国際公開WO90/0 2809;Fuchs 等(1991)Bio/Technology 9:1370-1372; Hay 等(1992)Hum Anti bod Hybridomas 3:81-85; Huse等(1989)Science 246:1275-1281; Griffiths等(1 993)EMBO J 12:725-734; Hawkins等(1992)J Mol Biol 226:889-896; Clackson等 (1991)Nature 352:624-628; Gram等(1992)PNAS 89:3576-3580;Garrad等(1991)Bi o/Technology 9:1373-1377; Hoogenboom等(1991)Nuc Acid Res 19:4133-4137;及 びBarbas等(1991)PNAS 88:7978-7982 に見出すことができる。ある種の具体例に おいては、重鎖及び軽鎖のV領域ドメインを同じポリペプチド上で発現させ、フ レキシブルリンカーにより結合して一本鎖Fv断片を形成することができ、sc Fv遺伝子を、次いで、所望の発現ベクター又はファージゲノム中にクローン化 することができる。McCafferty等Nature(1990)348:552-554 に一般的に記載され たように、フレキシブル(Gly4−Ser)3リンカーにより結合された抗体の 完全なVH及びVLドメインを用いて、ディスプレーパッケージ例えば繊維状フ ァージの表面で発現される一本鎖抗体を生成することができる。 一度ディスプレーパッケージ(例えば、繊維状ファージ)の表面上に表示され たならば、この抗体ライブラリーをスクリーニングして、コンホメーションの変 化した形態のCD4に結合する抗体を発現するパッケージを同定し、単離する。 好適具体例において、このライブラリーの第一次スクリーニングは、固定化した rsCD4を用いて又は一層好ましくは固定化したrsCD4/gp120複合 体(実施例3に更に詳述)を用いて選分けることを含む。固定化CD4又は一層 好ましくは固定化rsCD4/gp120複合体に結合する抗体を発現するディ スプレーパッケージを選択する。可溶性形態の選択した抗体を、次いで、(実施 例3に記載のように)生成し、更に、可溶性抗体を、第二次スクリーニングにお いて、例えば、ELISA、放射免疫アッセイ及び/又はフローサイトメトリー (FACS分析)により選択する。例えば、CD4のコンホメーションの変化し た形態に結合する抗体は、好ましくは、組換えgp120と接触したCD4+細 胞に結合するが、gp120処理前のCD4+細胞には実質的に結合しないその 能力に基づいて選択する(実施例4参照)。好ましくは、FACS分析を用い て、抗体が、gp120処理の有る場合又は無い場合において、細胞表面CD4 に結合するかどうかを決定する。FACS分析を用いて、この抗体に結合するg p120+、CD4+細胞のパーセンテージを決定することもできる。 この発明の抗体をスクリーニングするのに有用な試薬は、この分野において詳 細に記載されており且つ/又は市販されている。例えば、上記のスクリーニング アッセイにおいて有用な完全長の及び切り詰められた可溶性形態のヒトCD4は 、PCT特許出願PCT/US88/02940及びFisher,R.A.等(1988)Natu re 331:76-78に開示されている。参照は、Littman(1988)Cell 55:541にも為され 、これは、プレーヒトCD4の正確なシグナル配列開裂部位を記載しており、P CT/US88/02940の出願日後に公開された。組換え可溶性ヒトCD4 は、市販されている(例えば、マサチューセッツ、Cambridge 在、ABT から)。上記のア ッセイにおいて用いるためのHIVgp120は、例えば、HIVから単離され たgp120又は一層好ましくはHIVgp120の遺伝子でトランスフェクト した宿主細胞により発現された組換えgp120であってよい。好ましくは、H IVgp120をコードする切り詰めたgp160遺伝子でトランスフェクトし た単細胞宿主から単離した、精製された可溶性HIVgp120を用いる。精製 された組換えHIVgp120は、市販されている(例えば、マサチューセッツ、Cambri dge 在、Repligen又は英国、Berkshire 在、Celltechから)。組換え体gp12 0を産生する細胞は、例えば、Lasky 等(1986)Science 233:209-212に記載され ている。スクリーニングアッセイで用いるためのCD4+細胞には、末梢血液リ ンパ球(未分画又は選択したCD4+サブポピュレーション)及び完全長のヒト CD4をコードするDNAでトランスフェクトされ表面上にCD4を発現してい る組織培養細胞が含まれる。適当なトランスフェクトされたCD4+組織培養細 胞は、Fisher,R.A.等(1988)Nature 331:76-78に記載されている。 組換え免疫グロブリンディスプレーライブラリーからのこの発明のモノクロー ナル抗体のスクリーニング及び単離の後に、選択した抗体をコードする核酸を、 ディスプレーパッケージから(例えば、ファージゲノムから)回収することがで き、標準的組換えDNA技術によって、他の発現ベクター中にサブクローン化す ることができる。この核酸を更に操作し(例えば、更なる免疫グロブリンドメイ ン例えば更なる定常領域をコードする核酸に結合する)且つ/又は、以下に更に 詳述するように、宿主細胞において発現させることができる。C.ハイブリドーマ 抗体ディスプレーライブラリーのスクリーニングの別法として、この発明のモ ノクローナル抗体を、連続的培養細胞株により抗体分子の産生を与える技術を用 いて調製し、単離することができる。これらは、Kohler及びMilstein(1975,Nat ure 256:495-497)により最初に記載されたハイブリドーマ技術(Brown 等(1981 )J.Immunol 127:539-46; Brown 等(1980)J Biol Chem 255:4980-83; Yeh等(1976 )PNAS 76:2927-31; 及びYeh 等(1982)Int.J.Cancer 29:269-75も参照されたい) 、及びもっと最近のヒトB細胞ハイブリドーマ技術(Kozbor等(1983)Immunol To day 4:72)、EBVハイブリドーマ技術(Cole等(1985)Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy ,Alan R.Liss,Inc.77-96 頁)及びトリオーマ技術を含む が、それらに限られない。 モノクローナル抗体ハイブリドーマを生成する技術は、周知である[一般的に は、R.H.Kenneth,{Monoclonal Antibodies: A New Dimension In Biological Analyses ,(ニューヨーク、ニューヨーク 在、Plenum Publishing Corp.)(1980)中};E.A.Le rner(1981)Yale J.Biol.Med.,54:387-402; M.L.Gefter 等(1977)Somatic Cell G enet.,3:231-36 を参照されたい]。簡単には、不滅化細胞株(典型的には、ミ エローマ細胞)を、上記のように、CD4免疫原で免疫化した哺乳動物由来のリ ンパ球(典型的には、脾臓細胞)と融合させ、その結果生成したハイブリドーマ 細胞の培養上清を、上記のように、組換え免疫グロブリンライブラリーのスクリ ーニングのためにスクリーニングし、それにより、この発明の抗体を同定する。 リンパ球と不滅化細胞株との融合に用いられる多くの周知のプロトコールのど れでも、この発明の抗体を生成する目的に応用することができる(例えば、G.Ga lfre等(1977)Nature 266:55052; Gefter等、Somatic Cell Genet.前出;Lerner,Y ale J.Biol.Med.,前出; Kenneth,Monoclonal Antibodies,前出を参照されたい )。更に、当業者は、やはり有用であるそのような方法の多くの変法があること を認めるであろう。典型的には、不滅化細胞株(例えば、ミエローマ細胞株)を 、リンパ球と同じ哺乳動物種から導く。例えば、マウスハイブリドーマを、CD 4免疫原で免疫化したマウス由来のリンパ球を不滅化したマウス細胞株と融 合させることにより作成することができる。好適な不滅化細胞株は、ヒポキサン チン、アミノプテリン及びチミジンを含む培養培地(「HAT培地」)に感受性 のマウスミエローマ細胞株である。多くのミエローマ細胞株例えばP3−NS1 /1−Ag4−1、P3−x63−Ag8.653又はSp2/O−Ag14ミ エローマ株の何れでも、標準的技術によって、融合の相手として用いることがで きる。これらのミエローマ株は、メリーランド、Rockville在、American Type Culture Collection(ATCC)から入手可能である。典型的には、HAT感受性のマ ウスミエローマ細胞を、ポリエチレングリコール(「PEG」)を用いて、マウ ス脾臓細胞と融合させる。その融合の結果生成したハイブリドーマ細胞を、次い で、HAT培地を用いて選択するが、この培地は、未融合の及び非産生的に融合 したミエローマ細胞を殺す(未融合の脾臓細胞は、トランスフォームされていな いので、数日後に死ぬ)。或は、ヒトハイブリドーマを、ヒトリンパ球(例えば 、上記のように、可溶性ヒトCD4で免疫化したHIV感染した個人からのもの )及びヒトB細胞又はEBVハイブリドーマ技術を用いて作成することができる 。 この発明のモノクローナル抗体を産生するハイブリドーマ細胞は、上記のスク リーニングアッセイを用いて、ハイブリドーマ培養上清をスクリーニングするこ とにより検出される。例えば、第一次スクリーニングを行なって、固定化ヒトr sCD4又は一層好ましくは固定化rsCD4/gp120複合体に結合する抗 体を選択することができる(例えば、ELISAによる)。次いで、第二次スク リーニングを行なって、組換えgp120で処理したCD4+細胞に結合するが 、gp120処理前のCD4+細胞には実質的に結合しない抗体を同定すること ができる。この第二次スクリーニングは、好ましくは、FACS分析により行な う。 上記のスクリーニングアッセイで陽性のハイブリドーマ細胞を、栄養培地で、 それらのハイブリドーマ細胞がモノクローナル抗体を培養培地に分泌する条件下 で十分な時間培養し、それにより、完全な抗体を産生することができる。組織培 養技術及びハイブリドーマに適した培養培地は、周知である(例えば、Lerner,Y ale J.Biol.Med.及びKenneth,Monoclonal Antibodies,前出を参照)。次い で、調整した抗体を含むハイブリドーマ培養上清を集めることができる。或は、 所望の抗体を、ハイブリドーマ細胞を、免疫化したマウスの腹膜腔に注入するこ とにより生成することができる。それらのハイブリドーマ細胞は、腹膜腔内で増 殖して、抗体相同物を分泌し、腹水液として蓄積する(Lerner,Yale J.Biol.Me d.及びKenneth,Monoclonal Antibodies前出参照)。腹水液を腹膜腔から注射器 で引き出すことにより、抗体を収穫した。従って、この発明の抗体は、調整した ハイブリドーマ培養上清又は腹水から容易に精製することができるということは 、当業者には理解されよう。 マウス(又は他の非ヒト)ハイブリドーマから調製したモノクローナル抗体は 、他の種(例えば、ヒト)の患者においては外来物として認識されるという不都 合を有する。この問題を回避する一つのアプローチは、以下に詳述するように、 元の非ヒトモノクローナル抗体に由来する組換えのキメラ又はヒト化抗体を作成 することである。非ヒトモノクローナル抗体をヒト化するための別法としては、 ヒト蛋白質に対するヒトモノクローナルを、ヒト抗体レパトアを有するトランス ジェニックマウスにて生成することができる(例えば、Wood等PCT公開WO9 1/00906、Kucherlapati等PCT公開WO91/10741;Lonberg 等 PCT公開WO92/03918;Kay 等PCT公開92/03917;Lonber g,N.等(1994)Nature 368:856-859; Green,L.L.等(1994)Nature Genet.7:13-21; Morrison,S.L.等(1994)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 81:6851-6855;Bruggeman 等(19 93)Year Immunol 7:33-40; Tuaillon等(1993)PNAS 90:3720-3724; Bruggeman 等 (1991)Eur J Immunol 21:1323-1326を参照されたい)。ヒト抗体−トランスジェ ニックマウスを、上記のようにCD4免疫原を用いて免疫化し、次いで、これら の免疫化したトランスジェニックマウスからの脾臓細胞を用いてハイブリドーマ を作成し、上記のようにこの発明の抗体を同定するためにスクリーニングするこ とができる。更に、二重トランスジェニック動物例えばヒトCD4とヒト抗体遺 伝子の両方についてトランスジェニックの動物を、CD4免疫原で免疫化し、そ れから、リンパ球をこの発明のヒトモノクローナル抗体を生成するために用いる ことができる。D.キメラ抗体及びヒト化抗体 この発明の抗体は、更に、キメラ抗体及びヒト化抗体等の組換え型の抗体を包 含する。非ヒト被験者にて生成した抗体をヒトにおいて治療に用いる場合には、 それらは、種々の程度に外来物として認識され、その患者において免疫応答を生 じ得る。この問題を最小化し又は除去する一つのアプローチは、全体的免疫抑制 に適したものであるが、キメラ抗体誘導体即ち、非ヒト動物の可変領域とヒトの 定常領域とを結合した抗体分子を生成することである。かかる抗体は、元のモノ クローナル抗体のエピトープ結合特異性を保持し且つヒトに投与されたときに免 疫原性が低いであろうから、その患者により寛容とされることは一層ありそうで ある。 キメラモノクローナル抗体は、当分野で公知の組換えDNA技術によって生成 することができる。例えば、非ヒト抗体分子の定常領域をコードする遺伝子をヒ ト定常領域をコードする遺伝子で置き変える(Robinson等、国際特許出願PCT /US86/02269;Akira 等、欧州特許出願第184,187;Taniguch i,M.、欧州特許出願第171,496;Morrison等、欧州特許出願第173,4 94;Neuberger 等、PCT出願WO86/01533;Cabilly 等、米国特許 第4,816,567;欧州特許出願第125,023;Better等(1988 Scien ce 240:1041-1043);Liu 等(1987)PNAS 84:3439-3443; Liu等(1987)J.Immunol.139 :3521-3526; Sun等(1987)PNAS 84:214-218; Nishimura等(1987)Canc.Res.47: 999-1005; Wood等(1985)Nature 314:446-449; 及びShaw等(1988)J.Natl Cancer Inst.80:1553-1559 を参照)。 キメラ抗体を、更に、抗原結合に関与しない可変領域の部分をヒト可変領域由 来の同等部分で置き替えることにより「ヒト化」することができる。「ヒト化」 キメラ抗体の一般的総説は、Morrison,S.L.(1985)Science 229:1202-1207及びOi 等(1986)BioTechniques 4:214 により与えられている。かかる方法は、重鎖又は 軽鎖の少なくとも一方に由来する免疫グロブリン可変領域の全部又は一部をコー ドする核酸配列を単離し、操作し及び発現させることを含む。ヒト化キメラ抗体 又はその断片をコードするcDNAを、次いで、適当な発現ベクター中にクロー ン化することができる。或は、適当な「ヒト化」抗体を、CDR又はCEA置 換により生成することができる(Winterの米国特許第5,225,539;Jone s 等(1986)Nature 321:552-525; Verhoeyan 等(1988)Science 239:1534; 及びBe idler 等(1988)J.Immunol.141:4053-4060参照)。E.誘導体化抗体 他の具体例において、この発明は、この発明の抗体を(化学結合、遺伝的融合 等により)1つ以上の他の分子的実体例えばこの発明の他の抗体、この発明の模 倣剤(後述)、検出用剤、細胞毒性剤及び/又は医薬に機能的に結合した誘導体 化した抗体を提供する。 誘導体化抗体の1つの型は、(同じ型又は異なる型の)2つ以上の抗体を架橋 することにより生成される。適当な架橋剤には、適当なスペーサーで分けられた 2つの異なる反応性の基を有するヘテロ二官能性のもの(例えば、m−マレイミ ドベンゾイル−N−ヒドロキシスクシンイミドエステル)又はホモ二官能性のも の(例えば、ジスクシンイミジルスベレート)が含まれる。かかるリンカーは、イリノイ 、Rockford在、Pierce Chemical Company から入手することができる。 適当な検出用剤には、蛍光性化合物が含まれる。蛍光性検出用剤の例には、フ ルオレセイン、フルオレセインイソチオシアネート、ローダミン、5−ジメチル アミン−1−ナフタレンスルホニルクロリド、フィコエリトリン等が含まれる。 抗体は又、検出可能な酵素例えばアルカリホスファターゼ、西洋ワサビペルオ キシダーゼ、グルコースオキシダーゼ等を用いて誘導体化することもできる。抗 体を検出可能な酵素を用いて誘導体化したときは、それは、その酵素が検出可能 な反応生成物を生成するのに用いる更なる試薬を加えることにより検出される。 例えば、検出用剤西洋ワサビペルオキシダーゼが存在するときには、過酸化水素 とジアミノベンジジンの添加は、検出可能な有色の反応生成物を生じる。抗体は 又、ビオチンを用いて誘導体化し、アビジン結合の間接的測定により検出するこ ともできる。 この発明は又、1つ以上の医薬に結合された抗体をも提供する。有用な医薬に は、生物学的に活性なペプチド、ポリペプチド及び蛋白質例えばCD4以外の ヒトポリペプチドに特異的な抗体が含まれる。他の有用な医薬には、非蛋白質様 医薬例えばHIV逆転写酵素インヒビター(例えば、3’−アジド−2’,3’ −ジデオキシチミジン(「AZT」)及び2’,3’−ジデオキシイノシン(「 DDI)及び他の抗ウイルス性化合物、又は免疫抑制剤(例えば、シクロスポリ ン又はFK506)が含まれる。F.抗体模倣剤 この発明は、更に、ここに記載の抗体のエピトープ結合特異性を真似る非抗体 分子を包含する。これらの薬剤は、ここでは、「抗体模倣剤」と呼ぶことにする 。この発明の抗体模倣剤は、HIV又はそのエンベロープ蛋白質のCD4への結 合に際してコンホメーションの変化した形態のCD4上に露出されたエピトープ に結合する非抗体化合物である。従って、これらの化合物は、gp120とのイ ンキュベーションに際してCD4+細胞に結合するが、gp120処理前のCD 4+細胞には実質的に結合しない。この発明の好適な抗体模倣剤は、モノクロー ナルFab3−47により認識されるエピトープに結合し(ここでは、「3−4 7模倣剤」と呼ぶ)、又はモノクローナルFab3−51により認識されるエピ トープに結合する(ここでは、「3−51模倣剤」と呼ぶ)。好適な抗体模倣剤 例えば3−47又は3−51模倣剤は、CD4+細胞のHIVによる感染を阻止 する。この発明の最も好適な抗体模倣剤は、この発明の1つ以上の抗体(例えば 、モノクローナルFab3−47又は3−51)の特性を示す。 この発明の抗体模倣剤は、複数のペプチド(例えば、5〜20アミノ酸の長さ )、半ペプチド化合物又は非ペプチド有機化合物を合成し、次いで、それらの化 合物を、gp120での細胞の処理に際してCD4+細胞に結合する能力につい て、ここに記載のアッセイを用いてスクリーニングすることにより生成すること ができる。ペプチドライブラリー構築及びスクリーニングの一般的説明について は、米国特許第4,833,092;Scott,J.K.及びSmith,G.P.(1990)Science 249 :86-90; Devlin,J.J.等(1990)Science 249:404-407を参照されたい。或は、 これらの薬剤を、gp120処理したCD4+細胞へのこの発明の抗体の結合を 競争的に阻止するそれらの能力についてスクリーニングすることがで きる。例えば、3−47模倣剤は、gp120処理したCD4+細胞へのモノク ローナルFab3−47の結合を阻止するその能力に基づいて同定することがで きる。好ましくは、FACS分析を用いて、抗体模倣剤がgp120処理したC D4+細胞に対するこの発明の抗体の結合を競争的に阻止し得るかどうかを測定 する。II .抗体の組換え発現 一具体例において、この発明の抗体は、宿主細胞における、免疫グロブリン軽 鎖及び重鎖遺伝子の組換え発現により、定量的に生成される。組換えにより抗体 を発現するためには、宿主細胞における軽鎖及び重鎖の発現に適した形態で抗体 の免疫グロブリン軽鎖及び重鎖をコードするDNAで宿主をトランスフェクトす る。組換え抗体は、周知の遺伝子工学的技術により生成することができる(例え ば、米国特許第4,816,397を参照されたい)。 この発明の抗体(又は抗体断片)を、上記のように、組換え免疫グロブリンデ ィスプレーライブラリーから単離する場合には、関心ある選択した抗体の軽鎖及 び重鎖をコードするDNAを、ディスプレーパッケージから(例えば、繊維状フ ァージのゲノムから)回収し、所望であれば更に、操作することができる。かか る操作には、部分的抗体鎖の完全長抗体鎖への変換が含まれ得る。例えば、Fa b発現ライブラリーをスクリーニングする場合には、Fabの重鎖をコードする 単離したDNAを、そのDNAを更なる重鎖定常領域をコードする他のDNA分 子に機能的に結合することにより、完全長の重鎖遺伝子に変換することができる 。この方法において、ここに記載のモノクローナルFab断片3−47及び3− 51を、3−47又は3−51と同じエピトープ結合特異性を有する完全長の完 全な抗体に変換することができる。同様に、もしscFvライブラリーをスクリ ーニングするならば、scFvの結合されたVL及びVH領域をコードする単離 したDNAの部分を分離し、次いで、分離したVL及びVHコーディングDNA 分子を、適当な軽鎖及び重鎖定常領域をコードする他のDNA分子に機能的に結 合して完全長の抗体遺伝子を生成することができる。 或は、この発明の抗体を、上記のようにハイブリドーマをスクリーニングする ことにより単離するならば、選択した抗体又はその一部分の免疫グロブリン軽鎖 及び重鎖をコードするcDNA又はゲノムDNAを、ハイブリドーマ細胞から、 標準的分子生物学的技術により単離することができる。 単離及び所望であれば更なる操作の後に、部分的又は完全長の軽鎖又は重鎖を コードするcDNA又はゲノムDNAを、発現ベクターに、両遺伝子がそれら自 身の転写及び翻訳制御配列に機能的に結合されるように挿入する。この発現ベク ター及び発現制御配列は、用いる発現宿主細胞に適合性であるものを選択する。 典型的には、両遺伝子を同じ発現ベクター中に挿入する。軽鎖及び重鎖の発現の ために、この発現ベクターを宿主細胞中に標準的技術によりトランスフェクトす る。原核又は真核宿主細胞を用いることができる。用語「トランスフェクション 」又は「トランスフェクトする」は、外因性DNAの原核又は真核宿主細胞への 導入のために一般的に用いられる広範囲の様々な技術例えばエレクトロポレーシ ョン、リン酸カルシウム沈殿、DEAEデキストラントランスフェクション等を 包含することを意図している。真核宿主細胞における抗体の発現は、かかる細胞 は原核細胞よりも適当に折り畳まれた免疫学的に活性な抗体を集めて分泌するこ とがありそうなので好ましい。しかしながら、任意の生成された抗体であって不 適当な折畳みのために不活性であるものは、周知の方法によって復元することが できる(例えば、P.S.Kim 及びR.L.Baldwin(1982)Ann.Rev.Biochem.51:45989参 照)。 宿主細胞を用いて、完全な抗体の部分例えば軽鎖2量体又は重鎖2量体を生成 することもでき、これらは、ここで用いる用語「抗体」に包含される。上記の手 順の変法が本発明の範囲内にあることは理解されよう。例えば、この発明の抗体 の軽鎖又は重鎖(但し、両方ではない)をコードするDNAで宿主細胞をトラン スフェクトすることは望ましいであろう。組換えDNA技術を用いて、コンホメ ーションの変化した形態のCD4への結合に必要な軽鎖及び重鎖の何れか又は両 方をコードするDNAの幾らか又は全部をを除去することもできる。かかる切り 詰められたDNA分子から発現された分子も又、この発明の抗体に包含される。 更に、一方の重鎖及び軽鎖がこの発明の抗体であり且つ他方の重鎖及び軽鎖がC D4以外の抗原又はCD4の他のエピトープに対して特異的である二官能性抗 体を生成することができる。 好適具体例において、モノクローナルFab3−47又は3−47と同じエピ トープ結合特異性を有する完全長抗体(例えば、3−47のVL及びVH領域) を宿主細胞において組換えにより生成する。3−47の軽鎖可変領域(VL)を コードする単離した核酸分子(例えば、DNA)の部分的ヌクレオチド配列をSE Q ID NO:15に示す。3−47の重鎖可変領域(VL)をコードする単離した核 酸分子(例えば、DNA)の部分的ヌクレオチド配列をSEQ ID NO:16に示す。 モノクローナルFab3−47の軽鎖及び重鎖遺伝子をコードするプラスミッド を有する細菌宿主を、ブダペスト条約の規定の下で、1994年7月19日に、メリーランド 、Rockville 在、American Type Culture Collectionに寄託して、ATC C指定番号69658を与えられた。実施例2に記載したオリゴヌクレオチドプ ライマーを用いて、3−47の軽鎖及び重鎖をコードするDNAを、このプラス ミッドをテンプレートDNAとして用いるポリメラーゼ連鎖反応により増幅する ことができる。 好適具体例において、モノクローナルFab3−51又は3−51と同じエピ トープ結合特異性を有する完全長抗体(例えば、3−51のVL及びVH領域) を宿主細胞において組換えにより生成する。3−51の軽鎖可変領域(VL)を コードする単離した核酸分子(例えば、DNA)の部分的ヌクレオチド配列をSE Q ID NO:17に示す。3−51の重鎖可変領域(VL)をコードする単離した核 酸分子(例えば、DNA)の部分的ヌクレオチド配列をSEQ ID NO:18に示す。 モノクローナルFab3−51の軽鎖及び重鎖遺伝子をコードするプラスミッド を有する細菌宿主を、ブダペスト条約の規定の下で、1994年8月25日に、メリーランド 、Rockville 在、American Type Culture Collectionに寄託して、ATC C指定番号69684を与えられた。実施例2に記載したオリゴヌクレオチドプ ライマーを用いて、3−51の軽鎖及び重鎖をコードするDNAを、このプラス ミッドをテンプレートDNAとして用いるポリメラーゼ連鎖反応により増幅する ことができる。 この発明の核酸分子は、この発明の抗体の免疫グロブリン軽鎖及び/又は重鎖 可変領域のみ例えば3−47又は3−51Fabをコードすることができる。 一層好ましくは、核酸分子は又、可変領域をコードするDNAに機能的に結合さ れた少なくとも1つの免疫グロブリン定常領域をコードするヌクレオチド配列を も含む(即ち、VL領域をCL領域に結合することができ、又はVH領域を1つ 以上のCH領域に結合することができる)。この発明の核酸分子を、上記のよう に、発現ベクターに挿入して宿主細胞にトランスフェクトし、モノクローナルF ab断片3−47若しくは3−51又はその断片、又は3−47若しくは3−5 1由来のVL及びVH領域を有する完全長抗体を発現させることができる。一具 体例において、宿主細胞は、細菌細胞(例えば、大腸菌)である。他の好適具体 例においては、宿主細胞は、哺乳動物細胞例えばCHO細胞又はミエローマ細胞 である。モノクローナルFab3−47若しくは3−51を生成し又は、3−4 7若しくは3−51のエピトープ結合特性を有する抗体(例えば、完全長抗体) を生成するために、宿主細胞を、その宿主細胞における抗体の発現を可能にし、 一層好ましくは、その宿主細胞が生育している培養培地中への抗体の分泌を可能 にするだけ十分な期間培養する。III .抗体組成物 この発明の抗体は、第一次標的がCD4+リンパ球である感染性病原体により 引き起こされる病気の予防又は治療において、予防用又は治療用に用いることの できる医薬組成物に取り込ませることができる。かかる病気には、ヒトにおける AIDS、ARC及びHIV感染が含まれる。包括的用語「HIV」は、AID S患者由来の独立の分離株及びそこから導かれた実験室的株をいうことを意図し ている。この用語HIVは又、何処かで、ヒトT細胞リンホトロフィックウイル スIII型(HTLV−III)、リンパ節障害関連ウイルス(LAV)及びAIDS 関連レトロウイルス(ARV)として同定されたウイルスを含むことをも意図す る。この組成物は又、他のレトロウイルス例えばサル免疫不全ウイルスにより引 き起こされるAIDS様疾患を治療し又は予防するために有用であり得る。 この発明の好適な医薬組成物は、モノクローナルFab3−47のエピトープ 結合特異性又はモノクローナルFab3−51のエピトープ結合特異性を有する 抗体を含む。この抗体は、例えば、3−47若しくは3−51それ自身であって よく、又は3−47若しくは3−51由来のVL及びVH領域を含む完全な抗体 であってよい(ここに記載のように)。 この発明の医薬組成物は、更に、AIDS、ARC及びHIV感染の予防又は 治療のための他の治療剤を含むことができる。例えば、この発明の抗体は、逆転 写酵素をブロックする抗ウイルス性剤例えばAZT、DDI、HPA−23、ホ スホノホルメート、スラミン、リバビリン及びジデオキシシチジンと共に、又は HIVプロテアーゼを阻害する薬剤と共に用いることができる。更に、この発明 の医薬組成物は、抗ウイルス剤例えばインターフェロン(アルファインターフェ ロン、ベータインターフェロン及びガンマーインターフェロンを含む)又はグル コシダーゼインヒビター例えばカスタノスペルミン、又は免疫抑制剤例えば副腎 コルチコステロイド、アザトリオプリン、シクロスポリン若しくはFK506を 含むことができる。 その上、この発明の抗体は、ここに記載した抗体と異なる抗原特異性を有する 抗CD4抗体、例えばgp120結合のない場合に自然のままの細胞表面CD4 と結合する抗CD4抗体(例えば、自然のままのCD4のV1、V2、V3又は V4ドメインに特異的なもの)と組合せて投与することができる。それらは又、 HIVポリペプチド例えばgp120及びgp41に特異的な抗体(抗イディオ タイプ等)と組合せて投与することができる。 更に、この発明の1つ以上の抗体を、前述の治療剤の2つ以上と組合せて用い ることができる。かかる組合せ治療は、有利には、投与する治療剤の一層少ない 投与量を用いることができ、それ故、種々の単独の治療と関連する可能な毒性又 は合併症を回避することができる。 好ましくは、この発明の医薬組成物は、免疫療法上有効な量の1種以上のこの 発明による抗体又はその誘導体型及び好ましくは製薬上許容し得るキャリアーを 含む。「治療上有効な量」とは、AIDS、ARC若しくはHIV感染又は第一 次標的がCD4+リンパ球である感染性病原体により引き起こされる他の疾患の 広がり、重さ又は免疫無防備効果を減じることのできる量を意味する。好ましく は、この治療上有効な量は、予防に用いた場合に、かかるウイルスによる感染を 完全に予防することのできる量である。 用語「製薬上許容し得るキャリアー」は、それが投与される患者において、ア レルギー反応又は他の望ましくない効果を引き起こさないキャリアーをいう。適 当な製薬上許容し得るキャリアーには、例えば、水、塩溶液、リン酸緩衝塩溶液 、デキストロース、グリセロール、エタノール等の内の1つ以上、及びこれらの 組合せが含まれる。製薬上許容し得るキャリアーは、更に、抗体の棚持ち又は有 効性を増大させる少量の補助的物質例えば湿潤剤又は乳化剤、防腐剤又は緩衝剤 を含むことができる。 この発明の組成物は、種々の形態であってよい。これらは、例えば、固体、半 固体及び液体の投薬形態、例えば錠剤、丸剤、粉末、液体溶液、分散若しくは懸 濁液、リポソーム、坐剤、注射及び注入溶液を含む。好適形態は、意図する投与 及び治療応用の様式に依存する。これらの好適組成物は、注射又は注入溶液の形 態である。この発明の好適な医薬組成物は、他の抗体を用いるヒトの受動免疫化 に用いられるものと類似している。投与の好適な様式は、非経口投与(例えば、 静脈、皮下、腹膜腔投与)である。 この発明の抗体の治療上有効な量は、とりわけ、投与スケジュール、投与する 抗体の単位投与量、抗体を他の治療剤と組み合わせて投与するかどうか、患者の 免疫状態及び健康並びに投与する特定の抗体の治療活性に依存することは、当業 者には明らかとなろう。HIV感染、ARC又はAIDSの治療又は予防のため の単独の治療において、完全な抗体の単位投与量当りの治療上有効な量は、典型 的には、約0.5〜5mg/kg患者の体重に及び、好ましくは約2〜3mg/ kg患者の体重に及ぶ。単位投与量を、無期限の治療期間の間中、3日に1回〜 28日に1回、抗ウイルス効果が認められるまで、好ましくは毎週1回投与すべ きである。抗ウイルス効果は、ウイルス量の評価、リンパ球計数並びに臨床的徴 候及び症状を含む様々な方法によって測定することができる。しかしながら、一 層低いか又は一層高い投薬量及び他の投与スケジュールを採用することができる ことは、当業者には明らかとなろう。完全でない抗体(例えば、Fab断片)の ための治療養生法は、それらのサイズ及び医薬特性に依って異なり得る。 この発明の抗体模倣剤も又、前述の記載に従って、医薬組成物に取込むことが できるということは認められるべきである。抗体模倣剤のための治療養生法は、 それらのサイズ及び医薬特性に依って異なり得る。更に、この発明の抗体模倣剤 は、この発明の抗体と組み合わせて用いることができる。 この発明の抗体及び抗体模倣剤は又、診断用組成物及び方法例えばヘルパーT 細胞数の変化を含む病気の診断のための診断用組成物及び方法においても有用で ある。例えば、それらを用いて、HIV感染の経過又は治療の効果をモニターす ることができる。従って、この発明は、診断用に有効な量のこの発明による抗体 又は抗体模倣剤により特徴付けられる組成物、キット及び方法を包含する。「診 断用に有効な量の」抗体又はその模倣剤は、HIV感染の経過又はHIV感染に 対する治療の効果をモニターするのに十分な量をいう。例えば、患者若しくは患 者から得た試料中のCD4+細胞数の定量を与え、又は、コンホメーションの変 化した形態のCD4を表面に発現しているCD4+細胞の患者若しくは患者から 得た試料中の量を測定するのに十分な抗体又は模倣剤の量。IV .この発明の抗体の利用 この発明の抗体は、診断、スクリーニング又は治療目的のために標的となり得 る細胞表面CD4の新規なコンホメーション形態を同定する。従って、種々の具 体例において、この発明の抗体は、コンホメーションの変化した形態のヒトCD 4分子を表面に発現している細胞を検出する方法、細胞のHIVによる感染を( 例えば、ウイルスの細胞への侵入を邪魔することにより)阻止する方法及びこの コンホメーションの変化した形態のCD4の細胞表面での形成を阻止し又は誘導 する薬剤を同定する方法(これらの薬剤は、それら自身、HIV感染の治療にお いて有用であり得る)において有用である。 一具体例において、この発明は、HIV又はそのエンベロープ蛋白質(例えば 、gp120)の細胞への結合に際して誘導されたコンホメーションの変化した 形態のヒトCD4分子を表面に発現している当該細胞を検出する方法を提供する 。この方法は、細胞をこの発明の抗体と接触させ、その細胞表面に結合した抗体 を検出し、それにより、その細胞表面に発現されたヒトCD4分子のコンホメー ションの変化した形態を検出することを含む。この方法で使用するために好適な 抗体は、モノクローナルFab3−47及び3−51、又は3−47若しくは 3−51と同じエピトープ結合特異性を有する抗体である。細胞表面に結合した 抗体は、直接検出することができ、例えば、抗体を、検出可能な物質(例えば、 上記のように、蛍光標識又は放射性同位体で標識したこの発明の誘導体化した抗 体)で直接標識することができ、或は、細胞表面に結合した抗体を、例えばこの 発明の抗体を認識する標識した第2の抗体を用いて、間接的に検出することがで きる。このコンホメーションの変化した形態のCD4の細胞表面での形成は、C D4+細胞のHIVによる感染の機構の中間段階であると考えられるので、この 検出方法を用いて、例えば治療養生法において、HIV感染の進行をモニターす ることができる。 他の具体例において、この発明は、細胞表面に誘導されるヒトCD4分子のコ ンホメーションの変化した形態の形成を阻止又は誘導する薬剤を同定する方法を 提供する。コンホメーションの変化したCD4の形成を阻止する薬剤を同定する ためには、CD4+細胞をgp120組成物及び試験すべき薬剤と接触させ、次 いで、更に、この発明の抗体(例えば、モノクローナルFab3−47若しくは 3−51、又は3−47若しくは3−51と同じエピトープ結合特異性を有する 抗体)と接触させる。続いて、それらの細胞に結合した抗体の量を測定する(例 えば、上記のように、直接又は間接的に)。この薬剤の存在時におけるgp12 0処理した細胞に対する抗体の結合の減少した量(この薬剤の不在時におけるg p120処理した細胞に結合した抗体の量と比較して)は、その薬剤がコンホメ ーションの変化した形態のCD4の細胞表面上での形成を阻止することの指標と して用いられる。CD4のコンホメーションの変化した形態の形成を誘導する薬 剤(即ち、gp120以外の薬剤)を同定するためには、CD4+細胞を試験す べき薬剤と接触させ、次いで、更に、この発明の抗体と接触させる。続いて、そ れらの細胞に結合した抗体の量を測定する(例えば、上記のように、直接又は間 接に)。この薬剤の存在時におけるCD4+細胞への抗体の結合の減少した量( この薬剤の不在時におけるCD4+細胞に結合した抗体の量と比較して)は、そ の薬剤がコンホメーションの変化した形態のCD4の細胞表面上での形成を誘導 することの指標として用いられる。 これらのスクリーニングアッセイにおいて使用するためのCD4+細胞は、例 えば、CD4+リンパ球(例えば、末梢血液由来)又は、上記のように、CD4 をコードするDNAでトランスフェクトした組織培養細胞であってよい。HIV 自身又はHIVに感染した細胞もCD4+細胞の表面上にCD4のコンホメーシ ョン変化を誘導するために用いることができるが、細胞と接触してその細胞表面 にCD4のコンホメーションの変化した形態を誘導するgp120組成物は、好 ましくは、可溶性の組換えgp120である。CD4+細胞の表面への抗体結合 の量は、FACS分析又はその他の当分野で公知の適当なアッセイにより測定す ることができる。 更に別の具体例において、この発明は、細胞をこの発明の抗体(又は抗体模倣 剤)と接触させることを含む、CD4+細胞のHIV(又は関連するCD4向性 ウイルス例えばSIV)による感染を阻止する方法を提供する。この方法で使用 するための好適な抗体は、モノクローナルFab3−47及び3−51、又は3 −47若しくは3−51と同じエピトープ結合特異性を有する抗体である。好適 具体例において、この抗体を患者に投与して、細胞のイン・ビボでのHIVによ る感染を阻止する。機構によって限定される意図はないが、これらの抗体は、ウ イルス感染において、ウイルスの膜融合及びウイルスの細胞への侵入に必要な細 胞表面CD4のコンホメーション変化の誘導の後に必要な中間段階を阻止するこ とができる(即ち、コンホメーションの変化した形態のCD4への抗体の結合は 、ウイルス感染に必要な引き続くプロセスを阻止することができる)と考えられ る。更に、この発明の抗体は、CD4+細胞の表面上の自然のままのCD4には 結合せず、gp120結合に際してCD4+細胞に結合するだけであるので、こ れらの抗体が、自然のままの細胞表面CD4に結合する抗CD4抗体よりも免疫 抑制が低いということはありそうなことである。 細胞を、細胞のHIVによる感染を実質的に阻止するのに十分な治療上有効な 量の抗体と接触させる。好ましくは、細胞の「感染の実質的阻止」は、CD4+ 細胞のHIVによるイン・ビトロでの感染の少なくとも80%の減少を示す。こ の発明の特定の抗体が、CD4+細胞のHIVによる感染を実質的に阻止するか どうかを決定するために、HIV感染及び/又は複製の如何なる表示をもモニタ ーすることができる。例えば、HIV感染の阻止は、HIV感染したCD4+ 細胞培養における抗体の存在時及び不在時におけるHIVp24レベルを比較す ることにより測定することができる。HIVp24レベルは、例えば、ELIS A、放射免疫アッセイ等により測定することができる。ウイルスの感染性に対す る抗体の効果を測定するために用い得る他のアッセイには、逆転写活性のアッセ イ、骨髄細胞コロニー形成アッセイ及び骨髄マクロファージのウイルス感染をイ ン・ビトロで測定するアッセイが含まれる(各々、PCT特許出願PCT/US 90/00358に記載されている)。 更に、HIV感染の初期事象(例えば、ウイルスのCD4+細胞への侵入)を ブロックするこの発明の抗体の能力を、ウイルス複製の一巡のみを与えるアッセ イにおいて測定することができる。例えば、CD4+細胞に、この発明の抗体の 存在時又は不在時に、組換えHIV株を感染させることができる。このアッセイ に用いる組換えHIV株は、感染した細胞において検出可能な遺伝子産物(例え ば、クロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CAT))の発現を指 示し且つウイルスエンベロープ遺伝子に欠失を有する。かかるビリオンは、標的 CD4+細胞に感染することができるが、そのウイルスゲノム中のエンベロープ 遺伝子中の欠失の結果、感染性の子孫ビリオンの合成を指示しない。感染細胞数 は、このウイルスにさらされた細胞中で合成された検出可能な遺伝子産物(例え ば、CAT)の量を測定することにより評価することができる。従って、この発 明の抗体の存在下での、ウイルスにさらされた細胞における、検出可能な遺伝子 産物の、この抗体の不在時に測定されたものと比較して減少した量(例えば、減 少したCAT活性)は、この抗体がCD4+細胞のHIV感染の初期事象をブロ ックする(例えば、阻止する)ことの指標として用いることができる。 HIV感染と関連した他の現象もアッセイして、かかる現象に対するこの発明 の抗体の効果を測定することができる。例えば、この抗体の存在下におけるシン シチウム形成を調べることができる。特定の抗体がCD4+細胞間のHIV誘導 されたシンシチウム形成に有意に影響する(例えば、ブロックする)かどうかを 測定するために、任意の公知のシンシチウムアッセイを用いることができる。好 ましくは、HIVの実験室分離株又はHIV感染したCD4+組織培養細胞(例 えば、H9)を、C8166又はCEMX174細胞培養物に加え、且つこの抗 体を量を変えて対照培養以外のすべてに加える。或は、抗体を、HIV遺伝子産 物(gp160)を発現する組織培養細胞間でのシンシチウムを阻止する能力に ついて評価することができる。対照用培養物(負の対照)には、何も補わないか 又は抗体相同物と同じイソタイプの無関係の抗体を補う。インキュベーション後 に、すべての培養物を、シンシチウムについて、視覚的検査により評価する。こ の方法において、この抗体のシンシチウム形成をブロックする能力が評価される 。 更に、CD4+細胞の表面でのコンホメーションの変化した形態のCD4の発 現を阻止し又は誘導する薬剤(例えば、上記のようなスクリーニングアッセイに て同定)は、HIV感染の治療において治療上の有用性を有し得る。従って、か かる薬剤を、医薬組成物中に配合することができ、患者に投与して、例えば、そ の患者中の細胞のHIVによる感染を阻止することができる。V.変化したCD4エピトープを発現する分子及びそれらの利用 この発明の他の面は、gp120との接触に際してCD4+細胞の表面に誘導 されたコンホメーションの変化した形態のヒトCD4上に露出した少なくとも1 つのエピトープを発現する単離した分子に関係する。好ましくは、この変化した コンホメーション形態は、3−47エピトープ及び/又は3−51エピトープ( 即ち、それぞれ、モノクローナルFab3−47及び3−51により結合される エピトープ)を発現するものである。更に一層好ましくは、この単離した分子そ れ自身が3−47エピトープ及び/又は3−51エピトープを発現する。或は( 又は、更に)、この分子は、gp120結合に際してコンホメーションの変化し た形態のCD4上に露出した他のエピトープを発現することができる。 ここで用いる場合、用語「単離した」は、天然の起源から精製するか組換えD NA技術によって宿主細胞において生成した場合に細胞性物質若しくは培養培地 を実質的に含まない分子、又は化学合成した場合に化学的前駆物質若しくは他の 化学物質を実質的に含まない分子をいう。一具体例において、この単離した分子 は、蛋白質又はペプチドである。例えば、この分子は、改変されたヒトCD4蛋 白質若しくはそのペプチド断片、又は非ヒトCD4蛋白質若しくはそのペプチド 断片例えば非ヒト霊長類CD4蛋白質若しくはペプチド(例えば、アカゲザル又 はチンパンジー由来のもの)であってよい。或は、この分子は、モノクローナル Fab3−47又は3−51に結合する抗イディオタイプ抗体又はその断片であ ってよい(即ち、この分子は、3−47又は3−51Fabの抗原結合部位に対 する特異性を有する抗体であってよい)。或は、この分子は、ペプチド模倣物で あってよい。このペプチド模倣物は、gp120結合に際してコンホメーション の変化した形態のCD4上に露出したエピトープ例えば3−47エピトープ又は 3−51エピトープのコンホメーションを真似する半ペプチド化合物又は非ペプ チド有機化合物であってよい。 コンホメーションの変化した形態のCD4上に露出したエピトープを発現して いるこの発明の分子は、例えば、この発明の抗体を用いて化合物のライブラリー をスクリーニングして、その抗体に結合する化合物を選択することによって同定 することができる。このライブラリーは、例えば、改変した(例えば、突然変異 した)ヒトCD4蛋白質、非ヒトCD4蛋白質(例えば、非ヒト霊長類CD4蛋 白質)、ペプチド、半ペプチド化合物又は非ペプチド有機化合物からなってよい 。好適具体例において、ランダムペプチドディスプレーライブラリーをディスプ レーパッケージ例えば繊維状ファージの表面上に発現させ、このペプチドライブ ラリーをこの発明の抗体を用いてスクリーニングする。このライブラリーをモノ クローナルFab3−47を用いてスクリーニングして、3−47に結合する( 即ち、3−47エピトープを発現している)ペプチドを同定して単離することが できる。或は、このライブラリーをモノクローナル3−51を用いてスクリーニ ングして、3−51に結合する(即ち、3−51エピトープを発現している)ペ プチドを同定して単離することができる。ランダムペプチドディスプレーライブ ラリーを調製してそれを抗体を用いてスクリーニングする技術は、当分野で公知 である(例えば、Parmley,S.F.及びSmith,G.P.(1988)Gene 73:305-318; Cwirla, S.E.等(1990)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 87:6378-6382; Devlin,J.J.等(1990)Scie nce 249:404-406; Scott,J.K.及びSmith,G.P.(1990)Science 249:386-390; Houg hten,R.A.等(1991)Nature 354:84-86; Houghten,R.A.等(1992)BioTechniques 1 3 :412-421; Pinilla,C.等(1992)BioTechniques 13:901-905; 及びOldenburg,K.R .等(1992)Proc.Natl.Acad.Sci.USA 89:5393-5397 を参照されたい)。 このライブラリーから選択した抗体結合性ペプチドを、標準的技術によって、 配列決定し、次いで、それらの選択したペプチドのアミノ酸配列を比較して、抗 体により認識される好適又は最適アミノ酸配列を表す共通のモチーフを生成する ことができる。この発明の抗体により結合されるエピトープの共通モチーフは、 更に、このエピトープを発現する他の分子をデザインするために用いることがで きる。例えば、ヒト若しくは非ヒトCD4蛋白質又はそれらのペプチド断片を、 系統的に変異させて(例えば、位置指定突然変異導入法により)、その蛋白質又 はペプチドを、それが、この発明の抗体により結合されるエピトープを構成的に 発現するように変化させる(即ち、CD4蛋白質を変化させて、gp120の不 在時にこのエピトープを発現させる)ことができる。 細胞表面CD4のコンホメーションの変化した形態の上に露出された少なくと も1つのエピトープを発現するこの発明の分子は、この発明の抗体をその分子で 動物を免疫化することにより生成するために有用である。従って、この発明は、 ここに記載のこの発明の分子で動物を免疫化することを含む、コンホメーション の変化した形態のヒトCD4分子上に露出したエピトープに結合する抗体を生成 する方法を提供する。標準的技術によってポリクローナル抗体を誘導することが でき且つモノクローナル抗体を、前に記載のようにして、調製して選択すること ができる。 イン・ビボ投与のためには、コンホメーションの変化した形態のCD4上に露 出した少なくとも1つのエピトープを発現しているこの発明の分子を、医薬組成 物に取込むことができる。かかる組成物は、典型的には、少なくともそのエピト ープを発現する分子及び製薬上許容し得るキャリアーを含む。かかる組成物の配 合及び投与は、この発明の抗体組成物について上記したものと同様である。好ま しくは、この分子は、患者においてこの分子に対する免疫応答(例えば、この分 子に対する抗体応答)を誘導するのに有効な量でこの組成物中に含まれる。好ま しくは、この組成物を、1回以上の、好ましくは数回の投与により、筋肉中に投 与する。 この分子に対する免疫(即ち、抗体)応答を誘導するためには、製薬上許容し 得るアジュバントをもこの組成物に含ませるのが望ましい。アジュバントは、最 も広義に用い、如何なる免疫刺激性化合物をも含むことを意図している。当分野 で用いられる典型的アジュバントは、フロイント不完全アジュバントである。説 明のための適当なアジュバント及びキャリアー組成物の例は、ムラミルジペプチ ド誘導体及び、デタージェント及び遊離脂肪酸の組合せを含むキャリアーである 。これらの組成物における使用のための他の適当なアジュバント及びキャリアー には、例えば、イオン交換剤、アルミナ、アルミニウムステアレート、レシチン 、血清蛋白質(例えば、ヒト血清アルブミン)、緩衝用物質例えば、ホスフェー ト、グリシン、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、飽和植物性脂肪酸の部分的グ リセリド混合物、水、塩又は電解質例えばプロタミン、硫酸塩、リン酸水素二ナ トリウム、塩化ナトリウム、亜鉛塩、コロイドシリカ、マグネシウムトリシリケ ート、ポリビニルピロリドン、セルロースベースの物質及びポリエチレングリ コールが含まれる。局所用又はゲルベース形態のためのアジュバントは、カルボ キシメチルセルロースナトリウム、ポリアクリレート、ポリオキシエチレン−ポ リオキシプロピレンブロックポリマー、ポリエチレングリコール及び木蝋アルコ ールから選択することができる。 患者において、コンホメーションの変化した形態の細胞表面CD4上に露出し た1つ以上のエピトープに対する抗体応答を誘導するこの発明の分子の能力は、 患者における細胞のHIVによる感染を阻止する治療法において利用することが できる。機構により限定される意図はないが、これらの分子は、患者において抗 ウイルス活性を有する抗体応答を誘導することにより治療上の有用性を有するこ とができ、例えば、誘導された抗体は、ウイルスの細胞への侵入に必要な中間段 階を阻止することができ、それにより、その細胞のHIVによる感染を阻止し得 るものと考えられる。従って、他の具体例においては、この発明は、患者におけ る細胞のHIVによる感染を阻止する方法であって、その患者にコンホメーショ ンの変化した形態のヒトCD4上に露出した少なくとも1つのエピトープを発現 する分子の治療上有効な量を、その分子により発現されるエピトープに対する抗 体応答がその患者において誘導されるように投与することを含む当該方法を提供 する。好ましくは、この患者を、3−47エピトープ及び/又は3−51エピト ープを発現する分子を用いて免疫化する。 この分子を、好ましくは上記の医薬組成物(例えば、アジュバントを含む)に て、患者における抗体応答を誘導するのに十分な投薬量及び経路にて投与する。 この分子を、典型的には、筋肉内投与するが、他の適当な経路例えば皮下、皮内 、静脈経路等によっても投与し得る。この分子は、1回で投与することができ、 又は、一層好ましくは、一連の治療にわたって投与する。投与及び投薬養生法の 最も効果的な様式は、治療に用いる特定の組成物及び/又はアジュバント感染の 重さ及び経過、以前の治療、患者の健康状態及び治療に対する応答、及び治療す る医師の判断に依存する。例えばアジュバントを使用した場合のように、より高 い免疫原性の化合物の形態は、より少ない投薬量又は治療時間しか必要としない ということは認められよう。 非制限的な説明のための具体例において、体重1kg当り約0.1〜1.0 mgの活性化合物の1日量を、患者に、1日1回、約30日間投与する。その患 者は、断続的な追加免疫(例えば、週ベース又は月ベースで、約0.1〜1.0 mg/kg体重)を必要とし得る。他の具体例 他のCD4向性ウイルスの細胞への結合に際して非ヒト細胞表面上に誘導され たコンホメーションの変化した形態の非ヒトCD4分子例えばサル免疫不全ウイ ルス(SIV)の結合に際して誘導された変化した形態のサルCD4分子に結合 する抗体も又、この発明の教示を用いて生成することができ、それらもこの発明 の範囲内にあるということは認められるべきである。例えば、SIV感染したア カゲザルを、可溶性のアカゲザル又はヒトのCD4を用いて免疫化し、SIV結 合に際して細胞表面上に誘導されたコンホメーションの変化した形態のアカゲザ ルCD4に結合する抗体を上記のように選択することができる。 更に、ここに記載のコンホメーションの変化した形態のCD4(例えば、3− 47及び3−51エピトープを発現するCD4の形態)は、HIV又はそのエン ベロープ蛋白質の結合に際して誘導されるが、HIV結合に際して誘導されるC D4ネオエピトープは、CD4分子の天然の隠れたエピトープである。従って、 このCD4の変化した形態は、HIV結合に加えて、他の機構によって(例えば 、CD4が自然に相互作用する他の蛋白質を介して)誘導することが可能であろ う。 この発明を、更に、下記の実施例によって説明するが、それらは、限定するも のと解釈すべきではない。この出願中で引用されたすべての参考文献、特許及び 公開された特許出願の内容を、参考として、本明細書中に援用する。実施例1 : ヒトrsCD4を用いるHIV感染したヒトの免疫化による rsCD4特異的抗体の誘出 この実施例においては、HIV感染したヒトを、アジュバント中の組換え可溶 性ヒトCD4(rsCD4)を用いて免疫化し、ポリクローナル抗CD4抗体の 力価を測定して、抗CD4応答が免疫化により誘出されたかどうかを測定した。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)に感染した個人のヒト組換え可溶性CD4免疫 500より多い絶対CD4カウントを有する4人の無症候性のHIV感染した ヒトを、不完全フロイントアジュバント中の1mgのヒト組換え可溶性CD4( rsCD4)(マサチューセッツ、Cambridge 在、Biogen,Inc.)を用いて免疫化し、筋 肉中に5回追加免疫した。rsCD4免疫化したHIV感染したヒトの血清中のrsCD4特異的抗体力価 の測定 ヒトrsCD4を、一晩、4℃で、終濃度0.3μg/mLにて、Nunc Maxisorp Immunoplate上に被覆した。それらのウェルを、 PBSで3回洗い、0.5%脱脂粉乳/PBSで室温で2時間ブロックした。こ れらのウェルを、次いで、0.5%脱脂粉乳/0.05%ツイーン20/PBS で3回洗った。1mlの患者の血漿を、56℃で、30分間、加熱不活性化し、 0.5%脱脂粉乳/0.05%ツイーン20/PBSで1:60、1:180、 1:540及び1:1620に希釈した。希釈した血漿の50μlを適当なウェ ルに加え、室温で2時間インキュベートした。これらのウェルを0.5%脱脂粉 乳/0.05%ツイーン20/PBSで3回洗った後に、50μlの1:50, 000希釈したHRP結合したF(ab’)2ヤギ抗ヒトIgG(H+L)を加 えた。室温で1時間経過後に、これらのウェルを、0.5%脱脂粉乳/0.05 %ツイーン20/PBSで3回洗った。100μlのTMBOne Compo nent Substrate Solution(メリーランド、Gaithersburg在、 KPL)を加えることにより、発色させた。この反応を、100μlの1N H2S O4を加えることにより停止させた。プレートを、Dynatechプレートリ ーダーにて、OD=450nmで読んだ。結果 これらの4人の免疫化した個人の、ELISAにより測定した抗CD4抗体力 価を図1に示す。4人のrsCD4免疫化した個人すべての血清中の抗体がヒト rsCD4に結合することを、標準的ELISAにより示すことができた。しか しながら、これらの抗体は、比較的低力価で存在する。これらの抗体の、自己蛋 白質を用いる免疫化による誘出は、これらの個人が寛容でないエピトープが、こ れらのヒトrsCD4分子により免疫系に与えられたことを示唆する。実施例2 : rsCD4免疫化したHIV感染した個人由来の ヒト組合せ免疫グロブリンライブラリーの調製 この実施例においては、実施例1に記載のrsCD4免疫化したHIV感染し た患者HET由来のヒト組合せ免疫グロブリンライブラリーを生成した。この個 人は、免疫後に、この研究の他の患者よりも高い抗CD4抗体力価を示した(図 1参照)。免疫グロブリン遺伝子増幅のためのmRNA源として用いる骨髄細胞 を、この個人から、最初の免疫化の200日後に、ピークのrsCD4特異的抗 体力価の時点で得た。3×106メンバーの組合せ免疫グロブリンライブラリー を、M13バクテリオファージベクターpCOMB3にて発現させた。このクロ ーニング系において、Fabを、M13コート蛋白質、遺伝子IIIとの融合蛋白 質としての重鎖の発現により、M13バクテリオファージ粒子の表面に発現させ る。次いで、所定の抗原特異性のFabクローンを、これらの組換えバクテリオ ファージを関心ある抗原に関して選り分けることにより選択することができる。 下記の方法論を用いて、組合せ免疫グロブリンライブラリーを生成した:骨髄試料の採取及び貯蔵 20mlのヘパリン化骨髄細胞を、rsCD4免疫化したHIV感染した個人 から、ピークの明白なrsCD4特異的抗体力価の時点(最初の免疫化の200 日後)(図1参照)に採取した。これらの試料から、フィコール−ジアトリゾエ ート密度勾配遠心分離によってリンパ球を単離し、ドライアイス上で急速に凍結 して、RNA抽出まで−70℃に貯蔵した。免疫グロブリンDNAの増幅 2×107の骨髄細胞から、Quickprep Micro−mRNA P urification Kit(ウィスコンシン、Milwaukee在、Pharmacia)を用い てmRNAを単離した。次いで、免疫グロブリン重鎖cDNAを、ヒト重鎖の第 3の定常ドメインに特異的なプライマーを用いて合成した。同様に、免疫グロブ リン軽鎖cDNAを、ヒトのカッパー及びラムダ軽鎖の定常ドメインに対応する プライマーを用いて合成した。免疫グロブリン重鎖及び軽鎖DNAのcDNA合 成及びPCR増幅に用いたプライマーのヌクレオチド配列は、下記の通りである (クローニング目的でプライマーに導入した制限部位に下線を付けた):重鎖可変領域のプライマー カッパー軽鎖可変領域のプライマー ラムダ軽鎖可変領域のプライマー 重鎖定常領域のプライマー カッパー軽鎖定常領域のプライマー ラムダ軽鎖定常領域のプライマー cDNA合成のために、400ngの適当な定常領域プライマーを30μlの 単離したmRNA(2×107の骨髄リンパ球から単離した全mRNAの1/3 に相当)に加え、65℃に5分間加熱して水浴中で室温までゆっくりと冷却した 。逆転写酵素緩衝液(メリーランド、Gaithersburg在、Gibco BRL)、80単位のrR NAsin(ウィスコンシン、Madison在、Promega)、0.8mM dNTP(ウィスコンシン 、Madison在、Promega)、200単位のM−MuLV逆転写酵素(メリーランド、Gait hersburg在、Gibco BRL)及び16.7mM D T T (メリーランド、 Gaithersburg在、Gibco BRL)を加えることにより、逆転写を開始した。この反 応を37℃で2時間進めた後に、反応物を65℃に20分間加熱することにより 逆転写酵素を不活性化した。この結果生成したcDNAをPCR増幅まで−20 ℃に貯蔵した。 PCR増幅の2ラウンドを用いて、クローニングのための十分量の免疫グロブ リン重鎖物質を得た。第1ラウンドのPCR反応物は、20μlの重鎖特異的c DNA、2.5単位のPfuポリメラーゼ(カリフォルニア、La Jolla 在、Stratagene )Pfu緩衝液II、0.2mM dNTP(ウィスコンシン、Madison在、Promega)、 10ngの重鎖CH3定常領域プライマー(SEQ ID NO:12;カリフォルニア、Alameda 在、Operon)、10ngの可変領域プライマー{6つの重鎖ファミリーに対応す る6つの可変領域プライマー(SEQ ID NO:1〜6;カリフォルニア、Alameda 在、Opero n)の1つ}、及びRNアーゼを含んでいない水(オハイオ、Cleveland)を含み、最 終容積は100μlであった。ホットスタート技術を用いる25増幅サイクル及 びその後の72℃で10分間の最終伸長を実施した(使用条件:94℃で1.5 分、52℃で2.5分、72℃で3分)。 この第1ラウンドPCR生成物の1μlを、次いで、同じ条件下で増幅の同一 の25サイクルにさらした{但し、重鎖CH1定常領域プライマー(SEQ ID NO: 11)をCH3定常領域プライマー(SEQ ID NO:12)の代わりに用いた}。 免疫グロブリン軽鎖DNAを、上記したのと同じ35サイクルにより増幅した {但し、カッパー又はラムダ軽鎖の第1の定常ドメインに対応するプライマー( SEQ ID NO:13又は14)、並びに異なるカッパー及びラムダ軽鎖ファミリーに 特異的な4つの可変領域プライマー(SEQ ID NO:7〜10)を使用}。免疫グロブリン重鎖及び軽鎖DNAのM13ファージミドベクターpCOMB3 中へのクローン化 PCR増幅した重鎖及び軽鎖DNAを、Sephaglas Band Pr epキット(ニュージャージー、Piscataway在、Pharmacia)を用いて1.5%アガロー スゲルから精製した。次いで、各軽鎖ファミリーからの等量の物質をプールし、 酵素XbaI及びSacI(インディアナ、Indianapolis在、Boehringer Mannheim)で消化した。消化した物質を上記のようにゲル精製し、XbaI/S acI消化したpCOMB3ベクター(カリフォルニア、La Jolla 在、TSI)と、T4 DNAリガーゼ緩衝液及び10単位のT4DNAリガーゼ(メリーランド、Gaithersbu rg在、Gibco BRL)を含む150μlの反応液中で、2:1の挿入物:ベクター のモル比で、一晩、16℃で、ライゲートした(図2に示してある)。 このライゲーション生成物を、エレクトロコンピテントなXL1ブルー細胞(カリフォルニア 、La Jolla 在、Stratagene)中に、エレクトロポレーションによりトラ ンスフォームした。特に、フェノール/クロロホルム抽出し、エタノール沈殿し たライゲーション生成物を予備冷却した0.2cm遺伝子パルサーキュベット(ニューヨーク 、Melville在、Bio-Rad)中の300μlのエレクトロコンピテントなX L1ブルー細胞に加えた。これらの細胞を、Bio-Rad 遺伝子パルサー装置セット で、25uF、2.5kV及び200オームにてパルスした。次いで、3mlの SOC緩衝液を加え、これらの細胞を37℃で1時間、震盪インキュベーター中 で生育させた。トランスフォームされた細胞を、10mlのスーパーブロス、2 0μg/mlのカーベニシリン、10μg/mlのテトラサイクリン中で、1時 間、37℃で、選択した。最後に、トランスフォームされた細胞を、一晩、37 ℃シェーカーにて、100mlスーパーブロス、50μg/mlのカーベニシリ ン、10μg/mlのテトラサイクリン中で増幅した。 この一晩培養物から、Wizard Magic Miniprepキット(ウィスコンシン 、Madison在、Promega)を用いて、組換えプラスミッドDNAを単離し た。次いで、組換えDNAを、制限酵素XhoI及びSpeI(インディアナ、Indian apolis在、Boehringer Mannheim)で消化し、ゲル精製し、そして、プールした XhoI/SpeI消化してゲル精製した軽鎖PCR生成物と、1.6:1の挿 入物:ベクター比を用いて、一晩、16℃で、ライゲートした。 次いで、これらの結合ライゲーション生成物を、上記のように、XL1ブルー 細胞中にエレクトロポレートした。その結果生成したクローンの制限分析を行な って、このライブラリーが軽鎖及び重鎖挿入物の両方を有するクローンからなる ことを保証した。この組合せライブラリーのFab発現M13バクテリオファージフォーマットへ の変換 この初期組合せライブラリーを、100mlの容積のスーパーブロス、50μ g/mlのカーベニシリン、10μg/mlのテトラサイクリン中で、37℃で 1時間、震盪インキュベーターにて増幅した。次いで、M13ヘルパーファージ VCSM13(カリフォルニア、La Jolla 在、Stratagene)(1012pfu)を加えて 、M13結合バクテリオファージのアセンブリーを指示した。37℃で2時間生 育させた後に、70μg/mlのカナマイシンを加え、ヘルパーファージの感染 した細胞を、一晩、37℃で生育させた。Fabを発現するM13バクテリオファージの沈殿 組換えM13バクテリオファージを、4%のポリエチレングリコール8000 (ミズーリ、St.Louis在、Sigma)及び3%の塩化ナトリウム(ミズーリ、St.Louis在、S igma)の存在下で、氷上で1時間沈殿させた。沈殿したファージを、4℃で、9 000rpm20分にてペレット化した。最後に、このファージペレットを、2 mlのPBSに再懸濁して−20℃に貯蔵した。M13結合バクテリオファージの滴定 バクテリオファージの種々の希釈物を、OD600/ml1.0まで生育させた XL1ブルー培養物50μlと、15分間、室温でインキュベートした。次いで 、感染した細胞を、LB、50μg/mlカーベニシリン寒天プレート上にプレ ートした。実施例3 : rsCD4免疫化したHIV感染した個人由来の ヒト組合せ免疫グロブリンライブラリーのスクリーニング HIV感染した個人のrsCD4免疫化により誘出された抗体を特性決定する ために、実施例2で上記のように生成したヒト組合せ免疫グロブリンライブラリ ーを、CD4特異的抗体についてスクリーニングした。2つの選り分けストラテ ジーを用いて、CD4特異的Fabをこの免疫化した個人から選択した。第1の ストラテジーにおいては、このライブラリーを、ヒトrsCD4に対して選り分 けた。第2のストラテジーにおいては、このライブラリーを、ELISAウェル 上に捕獲された予備形成したCD4/gp120複合体に対して抗CD4モノク ローナル抗体5D4を用いて選り分けた。これらの選り分け手順の各々により選 択した関心あるクローンを、次いで、可溶性Fabを発現するクローンに変換し てELISAによるそれらの結合特異性の特性決定を容易にした。次いで、EL ISAによりCD4に結合したがgp120には結合しなかったクローンを、更 なる特性決定用に選択した。下記の方法論を用いた:選り分け A.ヒトrsCD4に対する選り分け Maxisorp96ウェルプレート(カリフォルニア、Newbury Park 在、Nunc)の 4つのウェルを、一晩、4℃で、100μlの容積のPBS中の2μgのCD4 特異的抗体5D4(Hasunuma,T.等(1992)J.Immunol.148:1841-1846)で被覆し た。未結合の抗体を、350μlのTBSで3回洗うことにより除去した。次い で、これらのウェルを、350μlの2%脱脂粉乳/TBSを用いて室温で30 分間ブロックした。このブロック溶液を振り落とした後に、1.25μgのヒト rsCD4を各ウェルに100μl容積にて加え、室温で2時間結合させた。未 結合のrsCD4を、無菌の2回蒸留水350μlで3回洗うことにより除去し た。これらのウェルを、再び、350μlの3%BSA/PBSを用いて37℃ で1時間ブロックした。このブロック溶液を振り落とした後に、100μlのM 13結合ファージ(1012pfu)を各ウェルに加え、37℃で2時間インキュ ベートした。非付着ファージを除去し、各ウェルを無菌の2回蒸留水で1回洗っ た。次いで、各ウェルを、1時間にわたって、室温で、350μlのTBS/0 .5%ツイーン20で10回洗った。無菌の2回蒸留水で1回洗うことにより デタージェントを除去し、100μlのファージ溶出用緩衝液(0.1M HC l、グリシンを含む1mg/mlのBSA−pH2.2)を加えることによりフ ァージを溶出した。この溶出を、室温で、10分間進行させた。次いで、この溶 液をピペットで数回吸い出しして、無菌のチューブに移し、そして、100μl の溶出したファージ当り6μlの2M トリスベースで中和した。選り分けたフ ァージを滴定して、増幅及び更なる選り分けのラウンド用に−20℃に貯蔵した 。この選り分け手順を、各増幅/選り分けサイクルの後に、ファージの収率パー セント(溶出したファージの数を加えたファージの数で除して100を乗じたも の)により測定して、抗原特異的クローンが豊富になるまで繰り返した。B.ヒトrsCD4/gp120複合体に対する選り分け この手順は、上記のrsCD4選り分けの手順と同じであった{但し、5D4 被覆したウェルを、ブロックした後に、予備形成したrsCD4/gp120複 合体とインキュベートした}。これらの複合体は、gp120とヒトrsCD4 を1.4:1のモル比で37℃で1.5時間インキュベートすることにより形成 した。選り分けたバクテリオファージの増幅 溶出したファージを、2mlのOD600/ml=1.0XL1ブルー培養物と 室温で15分間インキュベートした。次いで、これらの細胞を、37℃の震盪イ ンキュベーターにて、1時間、10mlのスーパーブロス、20μg/mlのカ ーベニシリン、10μg/mlのテトラサイクリン中で生育させた。次いで、こ れらの細胞を、更に1時間、100ml容積のスーパーブロス、50μg/ml の、カーベニシリン、10μg/mlのテトラサイクリン中で生育させた。この 時点において、これらの細胞に、1012pfuのM13ヘルパーファージVCS M13を感染させて、Fabを発現するM13バクテリオファージのアセンブリ ーを指示した。最後に、ヘルパーファージに感染した細胞を、その培養物を、一 晩、70μg/mlのカナマイシンの存在下で生育させることにより選択した。クローンの可溶性Fab発現フォーマットへの変換 可溶性Fabを得るためには、遺伝子III、Fab分子をファージ表面上に固 定する原因となる蛋白質をこれらの結合プラスミッドから除去することが必要で あった。プラスミッドDNAを、個々の選り分けたクローンの3mLの一晩培養 物から、Wizard Magic Miniprepキット(ウィスコンシン、Madis on在、Promega)を用いて単離した。このDNAをSpeI及びNheIで消化 して、遺伝子IIIを除去した(図2参照)。次いで、残りの4.7Kbのベクタ ー断片をゲル精製した。SpeI及びNheI制限部位は、互換性があるので、 このベクターを一晩16℃でライゲートすることにより再環化プラスミッドを生 成した。このライゲーション生成物を、Fab発現の誘導のために、コンピテン トなXL1ブルー細胞中にトランスフォームした。sFab発現の誘導 結合クローンを、500mlのスーパーブロス、50μg/mlのカーベニシ リン、20mM MgCl2に接種して、37℃で、震盪インキュベーター中で OD600/mlが1.0になるまで生育させた。次いで、可溶性Fabの発現を これらの培養物を一晩30℃で、1mM IPTG(カリフォルニア、La Jolla 在、St ratagene)及び4nM ジブチリルcAMP(ミズーリ、St.Louis 在、Sigma)の存 在下で生育させることにより誘導した。誘導した細菌培養物からのsFabの単離 pComb3ベクターのpe1Bリーダー配列は、Fab分子を誘導された細 菌細胞のペリプラスムに向けるので、浸透ショック手順を実施して、これらの細 胞からペリプラスム抽出物を得た。特に、誘導された細菌細胞を、4℃で、30 分間、4000rpmでペレット化した。上清を捨てた後に、誘導された細菌細 胞を、氷上で、40mlの浸透ショック溶液A(100mMトリス−HCl(p H.6)、500mM シュークロース、0.5mM EDTA)に再懸濁させ た。2mlの4mg/mlのリゾチームを加え、その後直ちに160mlの浸透 ショック溶液B(50mMトリス−HCl(pH8.6)、250mM シ ュークロース、0.25mM EDTA、2.5mM MgCl2)を加えるこ とにより、細胞壁を溶解させた。氷上での10分間のインキュベーションの後に 、この溶解物を、4℃で、5分間、12,500rpmで、35mlオークリッ ジ管にて遠心分離することにより、細胞残渣をペレット化した。その上清を新し いオークリッジ管に移した後に、プロテアーゼインヒビターAEBSF(カリフォルニア 、San Diego在、Calbiochem)を、終濃度1mMまで加えた。この抽出物を、再 び、4℃で15分間、12,500rpmで遠心分離することにより、残りの細 菌残渣を除去した。最後に、この上清を、0.2μmのアクロディスク(ミシガン、 Ann Arbor 在、Gelman Sciences)を通して濾過した。可溶性Fabの精製 特性決定のためのFabの純粋な源を得るために、誘導した細胞のペリプラス ム抽出物を、ヤギ抗ヒトF(ab’)2アフィニティーカラムに加えた。これら のアフィニティーカラムは、4mgのヤギ抗ヒトF(ab’)2(ペンシルベニア、West Grove在、Jackson Immunoresearch)を、2mlのGammabind GSe pharoseビーズ(ニュージャージー、Piscataway在、Pharmacia)と、室温で、1 時間、震盪プラットホーム上でインキュベートすることにより調製した。結合し たビーズを、10mlの0.2M ホウ酸ナトリウム(pH9.0)で、4回洗 った後に、それらのビーズを、震盪器上で、0.2M ホウ酸ナトリウム(pH 9.0)中の濃度20mMのカップリング試薬DMPと1.5時間インキュベー トした。このカップリング反応を、0.2M エタノールアミン(pH8.0) で1回洗い、これらのビーズを、震盪器上で、室温で、2時間、エタノールアミ ン中でインキュベートすることにより終了させた。これらのビーズを、0.2M ホウ酸ナトリウム(pH9.0)にて3回洗い、10mlのPBS/0.5% アジ化ナトリウムに再懸濁させて4℃に貯蔵した。 結合したビーズを、Econo−Pacカラム(カリフォルニア、Hercules 在、Bio- Rad)上に載せ、そのカラムをPBSで数回洗うことによりアジ化ナトリウムを 除去した。次いで、そのカラムを、10カラム容積の溶出用緩衝液(3.5Mナ トリウムチオシアネート)で平衡化して、未結合のIgGを除去した。これら のカラムをPBSで数回洗った後に、500mlの誘導した培養物から単離した ペリプラスム抽出物を、4℃のカラムに加えた。非特異的に結合した蛋白質を、 200mlのPBS/1mM AEBSF(カリフォルニア、San Diego在、Calbiochem) を用いて、洗い落とした。最後に、結合したFabを、8カラム容積の3.5M NaSCNを用いて溶出させ、これらの試料を、Centriprep30限外 濾過装置(マサチューセッツ、Beverly 在、Amicon)を用いて脱塩した。可溶性Fabの抗原特異性についてのスクリーニング 96ウェルMaxisorpプレートのウェルを、一晩、4℃で、150μl の容積中の1μgの関心ある抗原で被覆した。TBSで8回洗った後に、これら のウェルを、1時間、37℃で、0.5%脱脂粉乳/0.05%ツイーン20/ TBSでブロックした。次いで、ブロック用溶液を除去し、これらのFabを、 適当なウェル中で、1時間、37℃でインキュベートした。未結合のFabを、 TBSで8回洗うことにより除去した。次いで、結合したFabを、それらのウ ェルを、1時間、37℃で、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合したF(ab’)2 ヤギ抗ヒトF(ab’)2(ペンシルベニア、West Grove 在、Jackson Immunoresearch) の1:50,000希釈物とインキュベートすることにより検出した。8回のT BS洗浄の後に、TMB−成分基質(メリ-ランド、Gaithersburg在、KPL)を加えた 。これらの反応を、20分後に、2/3N H2SO4の添加により終了させ、D ynatech MR5000ELISAリーダー(バージニア、Chantilly在、Dyna tech Lab.,Inc.)にて、OD=450nmで読んだ。sFab濃度の測定 − 定量的ELISA ウェルを、一晩、4℃で、1μgのF(ab’)2ヤギ抗ヒトF(ab’)2(ペンシルベニア 、West Grove 在、Jackson Immunoresearch)で被覆した。8回のTBS 洗浄の後に、これらのウェルを、前に記載のようにブロックした。次いで、各F ab調製物の種々の希釈物、並びに既知濃度の精製ヒトFab標準(メイン、Kenne bunk在、Biodesign International)をロードした。結合したFabの検出を、 上記のように行なった。結果 rsCD4選り分けの2ラウンドの後に、このライブラリーは、ファージの収 率パーセント(溶出されたファージの数を加えたファージの数で除して100を 乗じたもの)により測定して、rsCD4特異的クローンについて3倍豊富であ った。この富化ライブラリー由来の55クローンを、可溶性Fabを発現するク ローンに変換して、ELISAによるそれらの特異性の特性決定を容易にした。 これらのクローンの内の9個が、ELISAにより、ヒトrsCD4との強い反 応性を示したが、組換えgp120との反応性は示さなかった。これらの代表的 クローン2〜6についてのELISAの結果を、下記の表1に示す。 第2に、HIVのCD4レセプターへの結合に際してのみ露出されるCD4の エピトープに特異的であろう抗体へのアクセスを得るために、このライブラリー を、ELISAウェル上に捕獲された予備形成したCD4/gp120複合体に 対して、抗CD4モノクローナル抗体5D4を用いて選り分けた。選り分けの3 ラウンドの後に、このライブラリーは、CD4/gp120特異的クローンにつ いて2倍富化された。この富化ライブラリー由来の35クローンを、可溶性のF abを発現するクローンに変換した。これらのクローンの内の9個が、ELIS Aにより、ヒトrsCD4と反応するが、rgp120とは反応しないことが示 された。2つの代表的クローン3−47及び3−51についてのELISAの結 果を、下記の表1に示す。 同定されたrsCD4特異的Fabクローンのすべてがユニークであるかどう かを測定するために、慣用のDNA配列決定を、これらのクローンの重鎖及び軽 鎖可変領域について行なった。同定された18のrsCD4特異的Fabの内の 14は、クローン3−47及び3−51を含む、重鎖及び軽鎖のユニークな組合 せを有することが示された。クローン3−47の軽鎖及び重鎖可変領域をコード する核酸分子の部分的ヌクレオチド配列を、それぞれ、SEQ ID NO:15及び16 に示す。クローン3−51の軽鎖及び重鎖可変領域をコードする核酸分子の部分 的ヌクレオチド配列を、それぞれ、SEQ ID NO:17及び18に示す。これらの分 子の完全長配列を、ここに開示した配列に基づいてデザインしたオリゴヌクレオ チドプライマーを用いて、標準的DNA配列決定技術(例えば、ジデオキシ配列 決定法)によって決定することができる。実施例4 : rsCD4特異的な可溶性Fabクローンの特性決定 この実施例においては、実施例3に記載した14のCD4特異的抗体の結合特 性を調べた。第1のシリーズの実験においては、rsCD4特異的なFab断片 の、ヒト末梢血液リンパ球(PBL)の表面上に発現された自然のままのCD4 に結合する能力、又はgp120でパルスしたPBLの表面上のCD4に結合す る能力を調べた。PBLの表面上のCD4へのFabの結合を、それらの細胞を この抗体とインキュベートし、その後、フルオレセインイソチオシアネート(F ITC)標識したヤギ抗ヒトF(ab’)2第2抗体とインキュベートすること により評価した。次いで、結合した抗体を、FACS分析により検出し た。I.細胞染色 ヒト末梢血液リンパ球を、フィコールジアトリゾエート密度勾配遠心分離によ り、10mlのヘパリン化血液から単離した。これらの細胞を、PBS又は35 μg/mlの組換えgp120(HIV−1SF2株)(カリフォルニア、Emeryville のC hironの好意により提供された)と、37℃で、1時間、予備インキュベートし た。洗浄後に、これらの細胞を、20分間、氷上で、Fab又は対照用抗体と、 2μg/mlの濃度でインキュベートした。19thy5D7は、CD4ドメイ ン1特異的抗体であり、OKT4は、CD4ドメイン3を認識する。L7365 23は、gp120特異的抗体である。PBSで洗った後に、これらの細胞を、 4℃で、20分間、FITC結合したF(ab’)2ヤギ抗ヒトF(ab’)2(ペンシルベニア 、West Grove 在、Jackson Immunoresearch)又はFITC結合したF( ab’)2ヤギ抗マウスF(ab’)2(ペンシルベニア、West Grove 在、Jackson Immu noresearch)の1:50希釈物を用いて染色した。洗浄後に、これらの試料を、 EPICS−Cフローサイトメーター(フロリダ、Hialeah 在、Coulter Corp.)にて 分析した。負の対照として、間接染色(第一次抗体の代わりにPBSを使用する )を行なった。結果 表面染色実験の代表的結果を、図3のパネルA〜Jに描いた一連のフローサイ トメトリープロフィルに示す。パネルA〜Eにおいては、PBSと予備インキュ ベートしたヒト末梢血液リンパ球を、種々の抗体を用いて染色した。パネルF〜 Jにおいては、組換えgp120と予備インキュベートしたヒト末梢血液リンパ 球を、種々の抗体を用いて染色した。図3は、次の抗体を用いた細胞染色を描い たものである:対照用FITC標識したヤギ抗ヒト第2抗体(パネルA及びF) 、19thy5D7(CD4のgp120結合部位に特異的)(パネルB及びG )、L736523(gp120のV3ループドメインに特異的)(パネルC及 びH)、Fabクローン3−47(パネルD及びI)及びFabクローン 3−51(パネルE及びJ)。 CD4特異的抗体19thy5D7は、PBS処理したPBL上の自然のまま の細胞表面CD4に結合したが、試験したFab断片の何れもPBL上の自然の ままの細胞表面CD4に結合しなかった(クローン3−47により例示;図3、 パネルD)。HIV感染したヒトのrsCD4免疫化により誘出されたrsCD 4特異的FabがCD4分子へのHIVの結合に際して潜在的に露出されたCD 4エピトープを認識したかどうかを測定するために、これらのクローン化したF abの、組換えHIVエンベロープ蛋白質gp120と予備インキュベートした ヒトPBLに結合する能力を評価した。gp120がこの細胞集団上のCD4に 結合したことを確認するために、gp120予備処理したPBLの、CD4のg p120結合部位に特異的なモノクローナル抗体(19thy5D7)を用いる 減じた染色(図3、パネルG){未処理細胞に対する19thy5D7結合(図 3、パネルB)と比較して}を示した。その上、抗体L736523(gp12 0のV3ループドメインに特異的)は、gp120処理したPBLに結合した( 図3、パネルH)。CD4/gp120複合体に対して選り分けたFabクロー ン3−47は、gp120結合したヒトPBLの少なくとも90%を染色した( 図3、パネルI)。やはりCD4/gp120複合体に対して選り分けたFab クローン3−51は、gp120結合したヒトPBLの少なくとも30%を染色 した(図3、パネルJ)。これらの結果は、Fabクローン3−47及び3−5 1が、gp120結合後にのみ細胞表面に露出されるCD4レセプターの以前に は未同定であったエピトープを認識したことを示している。 Fabクローン3−47のCD4特異性の更なる証拠を提供するために、ヒト PBL溶解物のウエスタンブロットを、この精製Fabをプローブとして探り、 免疫沈降実験を、下記のように実施した。 II.ウエスタンブロット 末梢血液リンパ球を、フィコールジアトリゾエート勾配遠心分離により、70 mlのヘパリン化ヒト血液から、末梢血液リンパ球を単離した。PBSで洗った 後、これらの細胞を、トリトンX−100溶解緩衝液(300mM NaCl、 50mM トリスHCL(pH7.6)、0.5% トリトンX100、10μ g/mlのロイペプチン、10μg/mlのアプロチニン、1mM PMSF、 1.8mg/mlヨードアセタミド)にて、氷上で、45分間、時々混合して、 溶解させた。細胞残渣を、4℃で、12,500rpm、15分にてペレット化 した後に、その上清を、1.5mlのエッペンドルフチューブに移した。ドデシ ル硫酸ナトリウム及びデオキシコール酸ナトリウムを、終濃度0.2%に加え、 これらの溶解物を、ゲルに載せるまで氷上に貯蔵した。 非還元的5×試料用緩衝液(60mM トリスHCL(pH6.8)、25% グリセロール、2%SDS、0.1%ブロモフェノールブルー)を加えた後に、 この溶解物を、95℃に、10分間加熱し、6%分離用/5%スタッキングSD Sポリアクリルアミドゲルに載せた。ヒトrsCD4及び組換えgp120試料 (15μg/ウェル)も又、このゲルに載せた。このゲルを、100Vで、約6 時間、ランしてから、これらの蛋白質を、トランスファー用緩衝液(50mM トリスベース、380mM グリシン、0.1%SDS、20%メタノール)に て、一晩、4℃で、Transphor Transfer電気泳動TE42ユ ニット(カリフォルニア、San Francisco在、Hoefer Scientific Instruments)にて、 ニトロセルロース膜(カリフォルニア、La Jolla 在、Stratagene)にトランスファーし た。 トリス緩衝塩溶液(TBS)にて3回すすいだ後に、この膜を、空気乾燥して TBST(100mM トリスHCl(pH7.5)、0.9%NaCl、0. 1%ツイーン20)にて、2時間、穏やかに震盪してブロックした。この膜を、 ストリップ状に切り、適当な抗体又はFab(TBSTにて、2μg/mlの濃 度に稀釈したもの)をプローブとして、1時間、室温で、穏やかに震盪して検査 した。5分間のTBST洗浄を5回行なった後に、これらのストリップを、西洋 ワサビペルオキシダーゼ(HRP)結合したヤギ抗ヒトF(ab’)2(ペンシルペニア 、West Grove 在、Jackson Immunoresearch)の1:50稀釈物をプローブとし て、室温で、1時間、穏やかに震盪して、検査した。次いで、これらのストリッ プを、2時間、多量のTBSTで洗った。結合したFabを、ECL化学ルミネ セントウエスタンブロッティング検出試薬(Amersham)を用いて、製 造者の指示に従って検出した。結果 これらのウエスタンブロッティングの結果は、図4に示してあり、無関係のg p120特異的抗体(L736523)とヒトrsCD4との反応性(レーン1 )、CD4特異的対照抗体(ヒト化5A8)とヒトrsCD4との反応性(レー ン2)、モノクローナルFab3−47とrsCD4との反応性(レーン3)、 gp120特異的抗体(L736523)とヒトPBL溶解物との反応性(レー ン4)及びモノクローナルFab3−47とヒトPBL溶解物との反応性(レー ン5)を示している。更に、このFabクローンは、ヒトPBL溶解物(レーン 5)からの60kDa蛋白質(CD4の分子量に対応)を認識する。これらの結 果は、Fabクローン3−47のCD4特異性を確認し、上記の細胞染色データ と共に、Fabクローン3−47が、コンホメーションの変化した形態のCD4 分子上に露出されるエピトープ(gp120のCD4への結合に際して露出され る)を認識することを示唆する。従って、Fabクローン3−47は、CD4レ セプターにおけるHIV誘導されたコンホメーション変化の直接的証拠を提供す る。HIVエンベロープ蛋白質の、CD4におけるこのコンホメーション変化を 誘導する能力は、HIV侵入は、CD4の第1のドメインへのエンベロープの結 合及びその後の細胞膜との融合に関係するだけでなく、CD4レセプターの多く の領域に関係する一連の事象にも関係することを示唆する。 III.免疫沈降 Fab3−47がCD4分子を認識することを更に示すために、免疫沈降実験 を、ビオチン化H9細胞を用いて行なった。これらの細胞をビオチン化するため に、3×107のH9細胞を、PBS−Plus(PBS/0.1mM CaC l2/0.1mM MgCl2)で3回洗い、3mlのSulfo−NHS−Bi otin(Pierceより入手;PBS−Plus中の1mg/ml)中に再懸濁し た。1時間、4℃で、穏やかに撹拌してインキュベートした後に、これらの細胞 を、RPMI−1640培地で1回洗い、その後、PBS− Plusで3回洗った。 ビオチン化H9細胞ペレットを、トリトンX−100溶解用緩衝液(300m M NaCl、50mM トリスHCl(pH7.6)、0.5% トリトンX −100、100μg/mlのロイペプチン、10μg/mlのアプロチニン、 1mM PMSF、1.8mg/mlのヨードアセタミド)にて、氷上で、45 分間、時々混合して溶解させた。細胞残渣を、ミクロ遠心分離機にて、4℃で、 15分間、12,500rpmにてペレット化した後に、上清を、1.5mlの エッペンドルフチューブに移した。この細胞溶解物を予備清澄化するために、こ の溶解物を、1時間、4℃で、PBS中のGammabind Gビーズ(Phar macia)の50%懸濁液300μlと、穏やかに撹拌してインキュベートした。 これらの試料を、ミクロ遠心分離機にて、12,5000rpmで、1分間、遠 心分離した。次いで、この予備清澄化した溶解物を、Fab3−47又は負の対 照抗体(gp120特異的モノクローナル抗体L736523)(15μg/m lの濃度)と、一晩、インキュベートした。次に、これらの試料を、PBS中の ヤギ抗ヒトIgG、F(ab’)2結合したGammabind Gビーズの7 5%懸濁液200μlと、1時間、4℃で、震盪してインキュベートした。次い で、これらのビーズを、上記のようにペレット化し、高塩洗浄用緩衝液(0.5 M NaCl、20mM トリスHCl、1mM EDTA、1% Na−デオ キシコレート0.5%NP−4、30%シュークロース)で3回洗い、その後、 低塩洗浄用緩衝液(10mM NaCl、10mM ト リ スHCl、pH7 .6)で2回洗った。 これらのビーズから、免疫沈降した蛋白質を、非還元的試料用緩衝液(60m M トリスHCl、H6.8、25% グリセロール、2% S D S、0. 1% ブロモフェノールブルー)にて、95℃で、10分間溶出させ、10%S DS−ポリアクリルアミドゲル上に載せた。電気泳動の後に、これらの蛋白質を 、一晩、ニトロセルロースにトランスファーした。この膜を、5%ウシ血清アル ブミン(BSA)/TBST(100mM トリスHCl、pH7.5、0.9 %NaCl、0.1%ツイーン20)を用いてブロックし、2μg/mlの西洋 ワサビペルオキシダーゼ結合したアビジン(Pierce)/0.3%BSA/ TBSTをプローブとして、ビオチン化蛋白質を検出した。多量のTBSTで洗 った後に、HRP−アビジン結合したビオチン化蛋白質を、ECL検出システム (Amersham)を用いて可視化した。 これらの結果(図5に示した)は、Fab3−47(負の対照抗gp120モ ノクローナル抗体ではない)が、ビオチン化したH9細胞溶解物から、55kD の蛋白質(即ち、CD4の分子量に対応する)を免疫沈降させることを示してい る。実施例5 : CD4特異的Fabのドメイン特異性のマッピング Fab3−47が結合するCD4分子内の位置を決定するために、完全長又は 切り詰めたCD4分子を、酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)において、 Fab3−47及び対照抗体と共に用いた。完全長のヒトrsCD4(アミノ酸 1〜371を含む)又は切り詰めたヒトrsCD4(アミノ酸1〜183を含み 、V1及びV2ドメインに対応する)の1μgを、Maxisorpプレートの ウェル上に、一晩、4℃で、吸着させた。トリス緩衝塩溶液(TBS)で8回洗 った後に、これらのウェルを、0.5%脱脂粉乳/0.05%ツイーン20/T BSを用いて、1時間、37℃でブロックした。次いで、ブロック用溶液を除去 し、Fab断片を、適当なウェルにて、1時間、37℃でインキュベートした。 TBSで8回洗うことにより、未結合のFabを除去した。次いで、結合したF abを、これらのウェルを、西洋ワサビペルオキシダーゼ結合したヤギ抗ヒトI gGF(ab’)2(ペンシルベニア、West Grove 在、Jackson Immunoresearch)の1 :50,000希釈物と共に、1時間、37℃でインキュベートすることにより 検出した。8回のTBS洗浄の後に、TMP1成分基質溶液(メリーランド、Gaithers burg在、KPL)を加えた。これらの反応を、20分後に、2/3N H2SO4の 添加により終了させた。吸光度を、Dynatech M R5000LI SAリーダー(バージニア、Chantilly在、Dynatech Lab,Inc.)にて、OD=450 nmで読んだ。 Fab3−47についての代表的結果を、下記に要約する: これらの結果は、Fab3−47が、完全長のrsCD4(ドメイン1〜4を含 む)に結合するのと同程度に切り詰めた形態のrsCD4(ドメイン1及び2の みを含む)に結合することを示し、これは、Fab3−47に対する結合部位が ヒトCD4のドメイン1及び2(即ち、V1及びV2)に含まれていることを示 している。実施例6 : CD4特異的Fabにより認識される コンホメーションの変化したCD4分子の形成の条件 この発明の特異的抗CD抗体例えばFab3−47により認識されるコンホメ ーションの変化したCD4分子の形成を生じた条件を更に調べるために、上記の 実施例4、第I節に記載したものと類似する更なる細胞染色研究を実施した。第 1の一連の実験において、Fab3−47又は種々の対照抗体を、HIV−1組 換えgp120(rgp120)と4又は37℃で予備インキュベートしたヒト 末梢血液リンパ球(PBL)とインキュベートした。これらの対照には、正の対 照抗gp120モノクローナル抗体(L736523)、負の対照Fab(2− 36)及び無抗体対照(即ち、PBSのみ)が含まれた。これらの細胞染色実験 を、上記の実施例4、第I節に記載のように実施した。それらのフローサイトメ トリープロフィルを、図6のパネルA〜Hに示す。パネルA〜Dは、rgp12 0と4℃で予備インキュベートしたヒトPBLを表す。パネルE〜Hは、rgp 120と37℃で予備インキュベートしたヒトPBLを表す。パネルA及びDの 細胞は、PBSだけとインキュベートした。パネルB及びFの細胞は、対照gp 120抗体とインキュベートした。パネルC及びGの細胞は、対照Fab2−3 6とインキュベートした。パネルD及びHの細胞は、Fab3−47とインキュ ベートした。これらの結果は、Fab3−47により認識さ れるコンホメーションの変化した形態のCD4は、ヒトPBLをrgp120と 37℃で予備インキュベートしたときに形成され、ヒトPBLをrgp120と 4℃で予備インキュベートしたときではない(即ち、Fab3−47のヒトPB Lへの結合は、予備インキュベーションを37℃で行なったときに認められ、予 備インキュベーションを4℃で行なったときではない)ということを示している 。 第2の一連の実験において、Fab3−47の、生きたHIV−1ウイルスと 予備インキュベートしたH9細胞に結合する能力を調べた。これらのウイルス結 合実験において、H9細胞を、一晩、37℃で、感染性組換えHIV−1MN(1 .5×106細胞当り20ngのp24)と、Fab3−47、正の対照抗CD 4モノクローナル抗体(Hu5A8、CD4のドメイン2を認識するヒト化抗体 )又は負の対照Fab(2−36)(各々、2μg/mlの濃度)の存在下でイ ンキュベートした。洗浄後、結合した抗体を、これらの細胞を4℃で20分間、 ヤギ抗ヒトIgGF(ab’)2(ペンシルベニア、West Grove 在、Jackson Immunores earch)の1:50希釈物とインキュベートすることにより検出した。洗浄後、 これらの細胞試料を、EPICS−Cフローサイトメーター(フロリダ、Hialeah 在 、Coulter Corp.)にて分析した。負の対照として、間接染色(第1抗体の代わ りにPBSを使用)を行なった。これらの結果を、図7、パネルA〜Dに示す。 パネルAは、PBS対照を表している。パネルBは、正の対照抗CD4抗体(H u5A8)を用いる細胞染色を表している。パネルCは、負の対照Fab2−3 6を用いる細胞染色を表している。パネルDは、Fab3−47を用いる細胞染 色を表している。これらの結果は、Fab3−47は、生きたHIV−1と予備 インキュベートしたH9細胞に結合することを示しており、これは、H9細胞の 生きたHIV−1との予備インキュベーションが、Fab3−47により認識さ れるCD4のコンホメーションの変化した形態の形成へと導くことを示している 。同等物 当業者は、ここに記載したこの発明の特定の具体例に対する多くの同等物を認 識し、又は常例的実験を用いて確かめることができる。かかる同等物は、後記の 請求の範囲に包含されるものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 1/21 C12P 21/08 15/02 C07K 14/73 C12P 21/08 C12N 15/00 C // C07K 14/73 A61K 37/02 (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/08 C12R 1:19) (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,UG,US,UZ,VN

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.CD4+細胞のヒト免疫不全ウイルス(HIV)又はそのエンベロープ蛋白 質との接触に際してその細胞表面に発現されるコンホメーションの変化した形態 のCD4分子に結合する抗体又はその断片であって、その抗体又はその断片が、 HIV又はそのエンベロープ蛋白質とその細胞との接触前にはその細胞表面上の CD4に実質的に結合しない、上記の抗体又はその断片。 2.モノクローナル抗体である、請求項1に記載の抗体。 3.ヒトモノクローナル抗体である、請求項2に記載の抗体。 4.American Type Culture Collectionに寄託されて指定番号69658を与え られた細菌により運ばれるプラスミッドによりコードされるモノクローナルFa b3−47により結合されるエピトープ、又はAmerican Type Culture Collecti onに寄託されて指定番号69684を与えられた細菌により運ばれるプラスミッ ドによりコードされるモノクローナルFab3−51により結合されるエピトー プを発現するコンホメーションの変化した形態のヒトCD4に結合する、請求項 2に記載の抗体。 5.American Type Culture Collectionに寄託されて指定番号69658を与え られた細菌により運ばれるプラスミッドによりコードされるモノクローナルFa b3−47のエピトープ結合特異性を有する、請求項4に記載の抗体。 6.モノクローナルFab3−47の免疫グロブリン重鎖及び軽鎖可変領域を有 する完全長モノクローナル抗体である、請求項5に記載の抗体。 7.American Type Culture Collectionに寄託されて指定番号69684を与え られた細菌により運ばれるプラスミッドによりコードされるモノクローナルFa b3−51のエピトープ結合特異性を有する、請求項4に記載の抗体。 8.モノクローナルFab3−51の免疫グロブリン重鎖及び軽鎖可変領域を有 する完全長モノクローナル抗体である、請求項7に記載の抗体。 9.Fab断片である、請求項1に記載の抗体。 10.抗体、抗体模倣剤、検出用剤、細胞毒性剤及び医薬よりなる群から選択す る剤に機能的に結合された、請求項1に記載の抗体。 11.American Type Culture Collectionに寄託されて指定番号69658を与 えられた細菌により運ばれるプラスミッドによりコードされるモノクローナルF ab3−47のエピトープ結合特異性を有するモノクローナル抗体又はその断片 。 12.モノクローナルFab3−47である、請求項11に記載のモノクローナ ル抗体。 13.抗体、抗体模倣剤、検出用剤、細胞毒性剤及び医薬よりなる群から選択す る剤と機能的に結合された、請求項11に記載のモノクローナル抗体。 14.American Type Culture Collectionに寄託されて指定番号69684を与 えられた細菌により運ばれるプラスミッドによりコードされるモノクローナルF ab3−51のエピトープ結合特異性を有するモノクローナル抗体又はその断片 。 15.モノクローナルFab3−51である、請求項14に記載のモノクローナ ル抗体。 16.抗体、抗体模倣剤、検出用剤、細胞毒性剤及び医薬よりなる群から選択す る剤と機能的に結合された、請求項14に記載のモノクローナル抗体。 17.請求項1に記載の抗体及び製薬上許容し得るキャリアーを含む、製薬組成 物。 18.請求項11に記載のモノクローナル抗体及び製薬上許容し得るキャリアー を含む、製薬組成物。 19.請求項14に記載のモノクローナル抗体及び製薬上許容し得るキャリアー を含む、製薬組成物。 20.請求項12に記載のモノクローナルFab3−47の免疫グロブリン軽鎖 可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。 21.免疫グロブリン軽鎖定常領域をコードするヌクレオチド配列を更に含む、 請求項20に記載の核酸分子。 22.請求項21に記載の核酸を含む発現ベクター。 23.請求項22に記載の発現ベクターが導入された宿主細胞。 24.請求項12に記載のモノクローナルFab3−47の免疫グロブリン重鎖 可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。 25.少なくとも1つの免疫グロブリン重鎖定常領域をコードするヌクレオチド 配列を更に含む、請求項24に記載の核酸分子。 26.請求項25に記載の核酸を含む発現ベクター。 27.請求項26に記載の発現ベクターが導入された宿主細胞。 28.請求項15に記載のモノクローナルFab3−51の免疫グロブリン軽鎖 可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。 29.免疫グロブリン軽鎖定常領域をコードするヌクレオチド配列を更に含む、 請求項28に記載の核酸分子。 30.請求項29に記載の核酸を含む発現ベクター。 31.請求項30に記載の発現ベクターが導入された宿主細胞。 32.請求項15に記載のFabモノクローナル3−51の免疫グロブリン重鎖 可変領域をコードするヌクレオチド配列を含む、単離された核酸分子。 33.少なくとも1つの免疫グロブリン重鎖定常領域をコードするヌクレオチド 配列を更に含む、請求項32に記載の核酸分子。 34.請求項33に記載の核酸を含む発現ベクター。 35.請求項34に記載の発現ベクターが導入された宿主細胞。 36.CD4+細胞の表面に、その細胞のヒト免疫不全ウイルス(HIV)又は そのエンベロープ蛋白質との接触の際に発現されたコンホメーションの変化した 形態のCD4分子に結合する抗体模倣剤であって、その抗体模倣剤が、その細胞 のHIV又はそのエンベロープ蛋白質との接触まえにはその細胞表面のCD4に 実質的に結合しない、上記の抗体模倣剤。 37.American Type Culture Collectionに寄託されて指定番号69658を与 えられた細菌により運ばれるプラスミッドによりコードされるモノクローナル3 −47のエピトープ結合特異性を有する、請求項36に記載の抗体模倣剤。 38.American Type Culture Collectionに寄託されて指定番号69684を与 えられた細菌により運ばれるプラスミッドによりコードされるモノクローナル3 −51のエピトープ結合特異性を有する、請求項36に記載の抗体模倣剤。 39.ヒト免疫不全ウイルス又はそのエンベロープ蛋白質のCD4+細胞への結 合に際して誘導されたコンホメーションの変化した形態のCD4をその表面上に 発現しているCD4+細胞を検出する方法であって、下記を含む当該方法: CD4+細胞を、3−47及び3−51から選択するモノクローナルFabと 接触させ;及び その細胞表面に結合したモノクローナルFabを検出し、それにより、その細 胞表面上で発現されたコンホメーションの変化した形態のCD4分子を検出する 。 40.CD4+細胞の表面上に、ヒト免疫不全ウイルス又はそのエンベロープ蛋 白質のその細胞への結合に際して発現されるコンホメーションの変化した形態の CD4分子の形成を阻止する薬剤を同定する方法であって、下記を含む当該方法 : このCD4+細胞を下記のものと接触させ: gp120組成物;及び この細胞表面上のコンホメーションの変化した形態のCD4の形成を阻止す る能力について試験すべき薬剤; この細胞を、更に、3−47及び3−51から選択するモノクローナルFab と接触させ;及び その細胞に結合したモノクローナルFabの量を測定し、ここに、この薬剤の 存在時におけるモノクローナルFabのgp120処理した細胞への結合の、こ の薬剤の不在時におけるモノクローナルFabのgp120処理した細胞への結 合の量と比較して減少した量は、この薬剤がこの細胞表面上でのコンホメーショ ンの変化した形態のCD4の形成を阻止することを示す。 41.CD4+細胞の表面上のコンホメーションの変化した形態のCD4の形成 を誘導する薬剤を同定する方法であって、下記を含む当該方法: CD4+細胞を、この細胞表面でのコンホメーションの変化した形態のCD4 の形成を誘導する能力について試験すべき薬剤と接触させ; その細胞を、更に、3−47及び3−51から選択するモノクローナルFab と接触させ;及び その細胞に結合したモノクローナルFabの量を測定し、ここに、この薬剤の 存在時におけるモノクローナルFabのCD4+細胞への結合の、この薬剤の不 在時におけるモノクローナルFabのCD4+細胞への結合の量と比較して増加 した量は、この薬剤がこの細胞表面上でのコンホメーションの変化した形態のC D4の形成を誘導することを示す。 42.CD4+細胞のヒト免疫不全ウイルスによる感染を阻止する方法であって 、その細胞を、その細胞のヒト免疫不全ウイルス(HIV)又はそのエンベロー プ蛋白質との接触に際してその細胞表面上に発現されるコンホメーションの変化 した形態のCD4分子と結合する抗体又はその断片と接触させることを含み、こ の抗体又はその断片が、この細胞のHIV又はそのエンベロープ蛋白質との接触 前にはその細胞表面上のCD4に実質的に結合しない、上記の方法。 43.抗体又はその断片がモノクローナル抗体又はその断片である、請求項42 に記載の方法。 44.このモノクローナル抗体又はその断片がヒトモノクローナル抗体である、 請求項43に記載の方法。 45.抗体がモノクローナルFab3−47のエピトープ結合特異性を有する、 請求項44に記載の方法。 46.抗体がモノクローナルFab3−47である、請求項45に記載の方法。 47.抗体がモノクローナルFab3−51のエピトープ結合特異性を有する、 請求項44に記載の方法。 48.抗体がモノクローナルFab3−51である、請求項47に記載の方法。 49.抗体を患者に投与する、請求項42に記載の方法。 50.CD4+細胞表面上に、その細胞のヒト免疫不全ウイルス又はそのエンベ ロープ蛋白質との接触に際して誘導されるコンホメーションの変化した形態のC D4上に発現される少なくとも1つのエピトープを発現する単離された分子。 51.コンホメーションの変化した形態のCD4が、モノクローナルFab3− 47により結合されるエピトープを発現する、請求項50に記載の分子。 52.モノクローナルFab3−47により結合されるエピトープを発現する、 請求項51に記載の分子。 53.コンホメーションの変化した形態のCD4が、モノクローナルFab3− 51により結合されるエピトープを発現する、請求項50に記載の分子。 54.モノクローナルFab3−51により結合されるエピトープを発現する、 請求項53に記載の分子。 55.蛋白質又はペプチドである、請求項50に記載の分子。 56.改変されたヒトCD4蛋白質又はそのペプチド断片である、請求項55に 記載の分子。 57.非ヒト霊長類CD4蛋白質又はそのペプチド断片である、請求項55に記 載の分子。 58.アカゲザル又はチンパンジーCD4蛋白質又はそのペプチド断片である、 請求項57に記載の分子。 59.モノクローナルFab3−47又はモノクローナルFab3−51に結合 する抗イディオタイプ抗体又はその断片である、請求項55に記載の分子。 60.ペプチド模倣物質である、請求項50に記載の分子。 61.請求項50に記載の分子及び製薬上許容し得るキャリアーを含む、製薬組 成物。 62.製薬上許容し得るアジュバントを更に含む、請求項61に記載の製薬組成 物。 63.請求項50に記載の分子を用いて動物を免疫化することを含む、CD4+ 細胞表面上に、その細胞のヒト免疫不全ウイルス又はそのエンベロープ蛋白質と の接触に際して誘導されるコンホメーションの変化した形態のCD4分子上に発 現されるエピトープに結合する抗体を製造する方法。 64.患者におけるCD4+細胞のヒト免疫不全ウイルスによる感染を阻止する 方法であって、その患者に、CD4+細胞の表面に、その細胞のヒト免疫不全ウ イルス又はそのエンベロープ蛋白質との接触に際して誘導されるコンホメーショ ンの変化した形態のCD4上に発現される少なくとも1つのエピトープを発現す る分子の治療上有効な量を、その分子により発現される少なくとも1つのエピ トープに対する抗体応答がその患者において誘導されるように投与することを含 む、上記の方法。 65.コンホメーションの変化した形態のCD4が、モノクローナルFab3− 47により結合されるエピトープを発現する、請求項64に記載の方法。 66.分子が、モノクローナルFab3−47により結合されるエピトープを発 現する、請求項65に記載の方法。 67.コンホメーションの変化した形態のCD4が、モノクローナルFab3− 51により結合されるエビトープを発現する、請求項64に記載の方法。 68.分子が、モノクローナルFab3−51により結合されるエピトープを発 現する、請求項67に記載の方法。 69.分子が、改変されたヒトCD4蛋白質又はそのペプチド断片である、請求 項64に記載の方法。 70.分子が、非ヒト霊長類CD4蛋白質又はそのペプチド断片である、請求項 69に記載の方法。 71.非ヒト霊長類CD4蛋白質又はそのペプチド断片が、アカゲザル又はチン パンジー由来のものである、請求項70に記載の方法。
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