JPH10505320A - 治療剤のビロゾーム媒介細胞内輸送 - Google Patents

治療剤のビロゾーム媒介細胞内輸送

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JPH10505320A
JPH10505320A JP8500118A JP50011896A JPH10505320A JP H10505320 A JPH10505320 A JP H10505320A JP 8500118 A JP8500118 A JP 8500118A JP 50011896 A JP50011896 A JP 50011896A JP H10505320 A JPH10505320 A JP H10505320A
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Abstract

(57)【要約】 ウイルス膜融合蛋白質を含み、治療用化合物を包むビロゾームは、哺乳動物ホスト細胞の細胞質に治療用化合物を効果的に輸送するのに用いられる。

Description

【発明の詳細な説明】 治療剤のビロゾーム媒介細胞内輸送 発明の背景 本発明は医薬的使用のためのビロゾーム組成物に関する。更に詳しくは、本発 明はビロゾームの水のルーメン中に包まれた及び/又はビロゾームの膜中に含ま れた治療剤と組み合わされた、それらの膜中に含まれたインフルエンザウイルス 血球凝集素のような機能的に再構成されたウイルスの膜融合蛋白質を有するリポ ソームからなるビロゾームの組成物に関する。このウイルス蛋白質は細胞膜との ビロゾーム膜の融合を媒介し、それゆえ治療剤の細胞内への輸送を容易にする。 リポソームは、試験管内及び生体内の両方において生きている細胞に対して標 的として生物学的もしくは薬理学的活性物質を輸送するための有望なビヒクルで あると考えられている(Gregoriadis,Liposome Technology,CRC Press,Boca Raton,F1.,2d ed.,1993)。しかしながら、リポソームは細胞と融合する可能 性がほとんどなく、このため一般的にカプセルに包まれた分子の細胞の細胞質へ の検出できるほどの輸送を供することができない。リポソームの融合への難しさ を回避する試みは、異なる脂質組成物を有するリポソームを調製することを含む 。例えば、いわゆるpHセンシティブリポソームは、エンドサイト−シスによるリ ポソームの細胞の取り込みの初期的機構を利用しようとする。エンドソーム細胞 区画は酸性である(Mellman et al.,Ann .Rev.Biochem.,55:663(1986))ので 、pHセンシティブリポソームは次のエンドサイト−シスを分解するようデザイン される(例えばConner et al.,Proc .Natl.Acad.Sci .USA,81: 1715(1984); Wang and Huang,Proc .Natl.Acad.Sci.USA,84:785 1(1987); Nair et al.,J .Exp,Med.,175:609(1992))。しかしながら、pHセ ンシティブリポソームは、エンドソーム膜と実際に融合しないようである。リポ ソーム周囲のpHがリポソーム膜におけるイオン化可能化合物のpKa の値より低い 場合、その化合物はプロトン化されてビヒクルを安定化する能力を失う。結果と して、リポソームはその成分をエンドソームのルーメン内に分解して遊離する。 この過程の間にカプセルに包まれた成分の小さなフラクションは、エンドソーム 膜の付随した瞬間的かつ局所的不安定化を通して細胞の細胞質にアクセスし得る (Chu et al.,Pharmaceut. Res.7:824(1990))。しかしながら、一般に細胞質 輸送の有効性は低い(Chu et al.,前掲;Legendre and Szoka,Pharmaceut.Re s.9:1235(1992))。更に、低いpHにおいてリポソームの成分の完全な遊離を許 容するpHセンシティブリポソーム組成物が37℃におけるヒト血清中で生得的に不 安定であることが報告されている(Tari et al.,in Liposome Technology,前 掲)ように、pHセンシティブリポソームが生体内に有効に適用され得るか否かは 不確かである。 リポソーム細胞質薬剤輸送を増強するための他の試みは、陽イオン脂質を含む 膜製剤を用いる。これらのリポソームは、細胞に核酸を転移するために特にデザ インされている。DNA 又はRNA は、ジオレオイルホスファチジルエタノールアミ ン及びN−〔1−(2,3−ジオレイロキシ)プロピル〕−N,N,N−トリメ チルアンモニウムクロライドのような陽イオン脂質(DOTMA;Felgner et al.,P roc .Natl.Acad.Sci.USA ,84:7413(1987))、又はDOTAP,DDAB 等からなる小 さな単一層のリポソームに複合される。これらのリポソームは核酸の細胞質への 転位を許容する細胞の形質膜と相互作 用する。核酸−リポソーム複合体がエンドサイト−シスで取り込まれること及び 細胞質への核酸の実際の転位が酸性のエンドソーム内からおこることも可能であ る、DOTMA 含有リポソーム製剤はリポフェクチン(Lipofectin)の名で市販され ている。リポフェクチンは吸入により肺の組織に上手く適用され得ることが現在 証明されているが(Hyde et al.,Nature,362:250(1993))、陽イオン脂質製剤が 組織内又は循環系内に注入された場合に生体内に適用され得るか否かは不確かで ある。 当該技術において必要とされるのは、カプセルに包まれた薬剤及び他の治療用 化合物の細胞の細胞質内への有効かつ信頼できる導入のための方法である。この ような方法において、カプセルに包まれたビヒクルと細胞膜との間の膜融合の誘 導は、カプセルに包まれた物質の細胞への効果的な輸送を達成するのに避けられ ないものである。この方法は広範囲の種々の化合物を細胞内に誘導するのに役立 つはずである。全く驚くことに、本発明はこれら及び他の関連する必要性にかな う。 発明の概要 本発明は、ホストの治療のための医薬組成物を提供する。この組成物は膜及び 水性の内部を有するビロゾームを含み、ここでウイルス膜融合蛋白質、例えばイ ンフルエンザ血球凝集素蛋白質が膜内に含まれ、そしてビロゾーム内に含まれた 治療用化合物、及び医薬として許容される担体を更に含む。この治療用化合物は ビロゾームの水性の内部中又は膜中に維持される、核酸、蛋白質、ペプチド、及 び他の化合物は本発明の組成物内に維持され得る。一般的に、血球凝集素はイン フルエンザAから得られる。 ホストの細胞内に治療用化合物を導入するための方法も提供する 。この方法は治療用化合物を含むビロゾームに細胞を接触させることを典型的に 含む。広範囲の種々の化合物が本発明によりホスト細胞内に導入され得る。この ビロゾームは、非経口的、局所的又は吸入的投与によるものを含む種々の経路に よりホストに投与され得る。 図面の簡単な説明 図1は、再構成されたインフルエンザビロゾームの赤血球膜との融合が低pHに 依存することを示す。 図2は、ピレンエキシマー蛍光の減少により監視されるようなBHK 細胞エンド ソーム内からのインフルエンザビロゾームの融合、及びエンドソーム酸性化のイ ンヒビターであるNH4Cl による融合のブロッキングを示す。 図3は、フソジェニック(fusogenic)のビロゾーム内にカプセルに包まれた ジフテリア毒素A鎖の輸送がBHK-21細胞における細胞の蛋白質合成の完全な阻害 を導き、他方遊離DTA 又は空のビロゾームは蛋白質合成に効果がないこと、及び ビロゾームカプセルに包まれたDTA の効果はNH4Cl により、又はそれらの融合活 性の不可逆的な不活性化を引きおこす低pHにおけるビロゾームの前処理により完 全にブロックされることを示す。 図4は、エンドソーム内からのインフルエンザビロゾーム融合により媒介され るようなBHK 細胞へのゼロニン(gelonin)輸送時間経過を示す。 図5は、エンドソーム内からのインフルエンザビロゾーム融合により媒介され るBHK-21細胞へのゼロニン輸送を示す。 図6は、インフルエンザビロゾームがBHK 細胞の形質膜と融合することができ 、これによりカプセルに包まれたゼロニンの細胞内輸 送を媒介することを示す。 図7は、細胞当りに融合する1つのビロゾームに相当するレベルまでの蛋白質 合成のゼロニン媒介阻害の滴定を示す。 図8は、融合蛋白質TCS におけるDODAC 百分率の関数としての移入されたBHK 細胞におけるβ−Gal の発現を示す。 図9は、30モル%のDODAC を含むビロゾームのDNA 結合能力を示す。ここで、3 H−pCMVβ−gal の増加量がビロゾームに加えられ、インキュベーション及び 遠心の後、2つの独立した実験におけるペレット(●,■)において及び上清( ▲,▼)において放射能が測定される。 図10は、ビロゾームに十分に複合化されたウエル当りに添加されたDNA の関数 としての移入されたBHK 細胞におけるβ−Gal の発現を示す。 特定の実施形態の記載 本発明は、治療用化合物をホストの細胞内に導入するための組成物及び方法を 提供する。膜結合ウイルスエンベロープ融合蛋白質を有するリポソーム(本明細 書において“ビロゾーム”として言及される)を治療用化合物のための担体とし て用いる。より詳細に以下に説明されるように、ウイルス融合蛋白質はビロゾー ムと細胞膜との間の膜融合を容易にして細胞の細胞質内に治療用化合物を遊離す る。 “リポソーム”、“ベシクル”及び“リポソームベシクル”は、水性の内部を 包む脂質含有膜を有する構造を示すと理解されるであろう。一般的にリポソーム は1つの膜のみを有するであろうが、この構造は特に示さなければ1以上の脂質 膜を有し得る。単一層のリポソームは本明細書において“単一層状(unilamella r)”として言 及される。多層のリポソームは本明細書において“多層状(multilamelar)”と して言及される。 本発明の医薬組成物中に存在するビロゾームは、リポソームの膜中に、インフ ルエンザ血球凝集素のような少くとも1つのウイルス融合蛋白質を有する。この 構造は、引用により本明細書に組み込まれるBron et al.,Meth .Enzymol.,220 :313〜331(1993)に広く記載されるような、調製の間にリポソーム膜におけるウ イルス融合蛋白質の挿入を典型的に必要とする。ビロゾームは、ウイルス融合蛋 白質E1−E2を含むセムリキ森林ウイルス、膜融合蛋白質としてG蛋白質を有 する水疱性口炎ウイルス、並びにHN及びF膜融合蛋白質を有するセンダイウイル ス等のような脂質二重層エンベロープを有する他のウイルスからも調製され得る 。 ビロゾームを調製するために、例えば血球凝集素のようなウイルス膜融合蛋白 質は対応するウイルスからしばしば精製されるが、それは組換え技術によっても 製造され得る。ウイルス保存液からの血球凝集素の精製は以下により詳細に記載 される。インフルエンザA、インフルエンザB、もしくはインフルエンザCのヒ ト株又は動物(鳥類、豚類、及び馬類等)インフルエンザ株からの血球凝集素が ビロゾームを調製するために用いられ得るが、インフルエンザA血球凝集素が一 般的に好ましい。広範囲の種々の適切なウイルス保存液が、American Type Cult ure Collection(ATCC),Rockville MD、又は他のソースから利用できるような血 球凝集素ソースとして一般的に利用できる。 インフルエンザウイルスは脂質二重層エンベロープも有する。このビリオンは 、それらが感染したホスト細胞の形質膜から発芽する時にこの膜を獲得する。エ ンベロープで包まれたウイルスは、一般に、後の感染の段階の間に新しいホスト 細胞の細胞質内にそれらの ゲノムを導入するための膜融合を利用する(例えばWhite,Ann .Rev.Physiol. ,52:675 〜697(1990)を参照のこと)。この融合反応はホスト細胞形質膜のレベ ルにおいて、又は酸性エンドソーム内のいずれかにおいてレセプター媒介エンド サイト−シスを通した完全なビリオンの取り込みの後におこり得る。エンドサイ ト−シスでの細胞感染の間、ウイルスエンベロープの融合のための標的膜は、エ ンドソームの細胞区画の限定的膜である。 インフルエンザ膜融合能力は弱酸性条件下でのみ活性化される。インフルエン ザウイルスのような低pH依存性ウイルスは、それらがエンドソームのルーメンに おいて出くわす必要な酸性条件にさらされるための細胞感染のエンドサイト−シ スの経路を利用しなければならない(Mellman et al.,Ann .Rev.Biochem.55: 663 〜700(1986))。形質膜における融合は、それらの融合活性の絶対的pH依存 性により妨げられる。低pH依存性ウイルスによる細胞の感染は、クロロキン(ch loroquine)又はNH4Cl のような胞の酸性化の阻害によりブロックされ得る。培 養した細胞系において、インフルエンザウイルスは細胞外媒体におけるpHの瞬間 的低下により細胞形質膜と融合するよう誘導され得る。 インフルエンザウイルス膜は2つの主要な一体化スパイクグリコプロテイン、 血球凝集素(HA)及びノイラミニダーゼ(NA)を含む。ホスト細胞内へのビリオ ンの感染侵入は血球凝集素により媒介される。最初にHAは、細胞表面上のシアル 酸含有レセプターに結合する。第2にエンドソーム細胞区画内へのウイルス粒子 のインターナリゼーションに続いて(Stegmann et al.,Biochem .Biophys-Acta ,904:165〜170(1987)、HAはエンドソーム膜との融合反応も誘発する。 ウイルス表面から約13.5nm突き出すHAスパイクは、ホモトリマー 分子である。各々のモノマーは2つのジスルフィド結合したサブユニット:HA1 (47kD)及びHA2(28kD)からなり、これらは、ホスト細胞プロテアーゼによる 翻訳後切断により一本鎖ポリペブチド鎖、HA0(75kD)から形成される。球状HA 1ドメインはシアル酸結合ポケットを含む。HA0の翻訳後切断により形成される HA2のN末端は、HAの融合活性の発現のために重大であるようである:切断され ていないHA0は融合活性がなく、一方この分子のこの部位内の部位特異的変異誘 発はHAの融合活性に強く影響を与える(Gething et al.,J .Cell.Biol.,102:1 1〜23(1986))。HA2のN末端、いわゆる“融合ペプチド”は、それ自体ほとんど が疎水性である約20のアミノ酸残基の保存された範囲である(White、前掲)。 中性pHにおいて、融合ペプチドはウイルス表面から約3.5nm、HAトリマーのステ ム内に埋まる。しかしながら、低pHにおいて、HAにおける不可逆的なコンホメー ション変化がそれらの露出を引きおこす(White and Wilson,J .Cell.Biol.,1 05:2887〜2896(1987))。 血球凝集素を含むインフルエンザウイルスエンベロープは、ウイルス粒子の界 面活性剤での処理により可溶化され得る。比較的低い臨界ミセル濃度(CMC)を有 する非イオン性界面活性剤は、エンベロープ膜を可溶化するのに一般的に用いら れる。オクタエチレングリコールモノ(n−ドデシル)エーテル(C128)及び トリトン(Triton)X−100 が可溶化のために用いられ得るが、他の非イオン性 界面活性剤も用いられ得る。 ウイルスエンベロープの可溶化及び再構成のために低CMC 界面活性剤を用いる ことの1つの潜在的な不利な点は、それらが、例えば透析によりその系から容易 に除去され得ないことである。N−オクチル−β−D−グルコピラノシド(オク チルグルコシド;約20nmの(CMC)のような比較的高いCMC を有する界面活性剤 がインフルエ ンザウイルスエンベロープを可溶化するのに用いられ得る。しかしながら、融合 遺伝子ビロゾームは後のオクチルグルコシド界面活性剤の除去により直ちに調製 されない。透析の間、血球凝集素は極めて限定された水の空間での脂質の乏しい 凝集体内に主に凝集するようであり、他方ウイルス脂質は蛋白質の乏しいベシク ルにおいて回収される。これらのベシクルはいくらかHA媒介膜融合活性を示すが 、HAの少しのフラクションのみがこれらのベシクルにおいて回収される(Stegman n et al.,前掲)。 可溶化のためにウイルスを得るために、培養された細胞(例えばMadin-Darby Kidney Cells、又はMDCK)上において、又は10日を経た胚を有するニワトリ卵の 尿膜腔においてインフルエンザウイルスを高タイターに増殖させる。尿膜腔液か らウイルスを精製するために、収集した尿膜腔液を(例えば冷やした状態で15 分間1000gで)遠心して残物を除去した後、上清からウイルスを(例えば4°で 90分間、75,000gで)沈殿させる。このウイルスペレットを“HNE”(pH7.4に調 節された150mM NaCl,0.1mM EDTA、及び5mM HEPES)のような緩衝液中で懸濁し てスクロース勾配遠心(例えば4℃で16時間、100,000gにおいてHNE 中直線的 スクロース勾配、10〜60%(w/v))。このウイスルは約45%(w/v)スクロ ースにおける単一バンドとして平衡に達する。このバンドを収集して、その後− 80℃において小アリコートで凍結させた。ウイルスは、細胞培養から得られたウ イルスに特に有用であるワンステップアフィニティーカラムクロマトグラフィー によっても精製され得る。ウイルス調製物の蛋白質成分は、引用により本明細書 に組み込まれるPeterson,Anal .Biochem.,83:346(1977)に従って測定され得 、リン脂質成分は、ウイルスの周知の量からの脂質の定量的抽出の後、引用によ り本 3(1961)に従って測定される。 ウイルスエンベロープの可溶化のために、例えばC128(Nikko Chemicals,T okyo,Japan;Fluka,Buchs,Switzerland;又はCalbiochem,San Diego,CA)の ような界面活性剤が約100mM の濃度においてHNE 中に溶解される。バイオビーズ (Biobeads)SM2(Bio-Rad,Richmond,CA)等は、引用により本明細書に組み 込まれるHolloway,Anal .Biochem.,55:304(1973)に従って、メタノール、次 に水で洗浄され、水で保存される。使用直前に、ビーズをろ紙上で水をとり、重 さを測る。勾配遠心のためのスクロース溶液を容量当りの重量を基礎としてHNE 中に作成した。 本発明のビロゾームを作製するための代表的な例は、それがその方法が結果に 影響を与えることなく種々の態様において改良され得ることが理解されるであろ うがここで記載される。実験セクションにおいて以下により十分に記載されるよ うに、インフルエンザウイルス(約1.5 μmol 膜リン脂質の等価物)はHNE 中に 希釈されて4°で沈降(例えばBeckman Ti50 rotorにおいて50,000gで30分間) される。界面活性剤を含む緩衝液はペレット(例えば0.7ml の100mM C128)に 加えられ、このペレットは再懸濁されて氷上で更に15分、可溶化が行われる。次 に、ウイルスヌクレオキャプシドを遠心(例えば4℃において85,000gで30分間 )により除去し、上清の少しのサンプルを蛋白質及びリン脂質分析のためこの段 階で取り得る。最初のウイルス蛋白質及びリン脂質の35%(ほとんど全ての膜蛋 白質を表す)及び90%超の各々を上清が回収し得る。この上清(例えば0.63ml) を予め洗浄したバイオビーズSM2(例えば180mg、湿重量)を含む1.5ml エッペ ンドルフ瓶に移して上清を静かにビーズと混合する。バイオビーズの更なる量( 例えば90mg湿重量)を加えて連続的に混合する。懸濁液が濁った時に小胞構造の 形成が示され る。小容量から界面活性剤を除去するためのかわりの方法は引用により本明細書 に組み込まれるLundberg et al.,Biochim .Biophys.Acta 1149:305(1993)に 従う。バイオビーズはミニカラム内に充填され、このカラムに調製物を流す。遠 心分離方法及び陰圧を適用することはカラムを通して調製物を押すのに用いられ 得る。このカラム方法は用いられるバイオビーズの量と調製物の容量との比によ りより順応性を供する。その後ビロゾーム懸濁液を不連続的スクロース勾配(例 えば4°において 130,000gで90分間、10〜40%(w/v))上で遠心して、ビロゾ ームは薄いオパール様のバンドとして現れ、これを2つのスクロース含有層の間 の界面から収集する。 他の脂質も調製の間にビロゾーム膜に加えられる。ビロゾームの融合活性はウ イルスエンベロープの脂質組成物に極めて似たウイルス源又は脂質混合物のもの に類似した脂質が加えられた場合に最適に維持される。これらの脂質はコレステ ロール並びにホスファチジルコリン(PC)、スフィンゴマイシン(SPM)、ホスフ ァチジルエタノールアミン(PE)、及びホスファチジルセリン(PS)のようなリ ン脂質を含む。しかしながら、他のリン脂質も添加され得る。これらは、これら に限定されないが、脂肪アシル組成物を変化させた、並びに天然及び/又は(半 )合成源並びにジセチルホスフェートの、ホスファチジルグルセロール(PG)、 ホスファチジン酸(PA)、カルジオリピン(CL)、及びホスファチジルイノシト ール(PI)を含む。セラミド並びにセレブロシドもしくはガングリオシドのよう な種々の糖脂質も添加され得る。陽イオン性脂質も、例えばビロゾーム中の核酸 を濃縮するために、及び/又は細胞への核酸のビロゾーム媒介輸送を容易にする ために添加され得る。これらはDOTMA,DOTAP(N−〔1−(2,3−ジオレオイ ロキシ)プロピル〕−N,N,N−トリメチルアンモニウムクロライド)、DODA C(N,N−ジ オレイル−N,N−ジメチルアンモニウムクロライド)、DDAB及びステアリルア ミン又は他の脂肪族アミン等を含む。DODAC は核酸をビロゾームに複合し、核酸 の細胞への輸送を確かにするための好ましい陽イオン脂質であり、引用により本 明細書に組み込まれる同時係属出願米国通し番号08/316,399 号に記載される。 DNA 又はアンチセンスRNA のような核酸の細胞への輸送のためにDODAC の特に好 ましい濃度は25〜45%(ウイルス中の全リン脂質のモル%)、更に好ましくは30 〜40%、最も好ましくは約30%の範囲である。本発明のビロゾームにおいて用い るのに適し得る更なる脂質は当業者に公知である。オリゴヌクレオチド及びDNA のような核酸も、粒子を形成するためのポリリシンとの凝縮の後にビロゾーム内 に含まれ得る。この粒子は、その後、それに複合するよりむしろ細胞への輸送の ためにビロゾーム内に包まれ、これにより、必要に応じて陽イオン性脂質の使用 を最小化する又は避ける。更に、カプセルに包まれたDNA はDNase 分解から保護 される。 典型的には、付加的脂質に関連するビロゾーム調製法において、付加的脂質は 、溶媒のエバポレーション及び次の1時間の真空への露出により、クロロホルム /メタノール中の混合溶液からチューブの底におけるフイルムに乾燥される。そ の後、界面活性剤(例えばC128)におけるウイルスエンベロープの可溶化及び 超遠心によるヌクレオキャプシドの沈降の後に得られる上清フラクションがフイ ルムに加えられる。付加的脂質及び上清の量は、付加的脂質に対するウイルスの 要求される比率が得られるように選択される。その後界面活性剤は先に記載され るようなバイオビーズ等での処理により除去される。 一般的に、ビロゾームは、可能な限り構造及び組成においてウイルスエンベロ ープに類似するべきである。ビロゾーム調製物はサイ ズ及び蛋白質対脂質比に関してベシクルの比較的均一な割合から一般的になるべ きである。残った界面活性剤は最小となり、ビロゾーム機能を妨害しないべきで ある。ビロゾームはネイティブウイルスエンベロープの生物学的活性に凝似する べきである。一般的に、ビロゾームはpH依存性膜融合活性を示すべきである。 ビロゾームは、例えば異なるインフルエンザウイルス株から得られる異なるpH センシティビティーを有するウイルス融合蛋白質でも調製され得る。ビロゾーム の異なるpHセンシティビティーは、先のプロトコルに従って調製されたビロゾー ムに直接又は高効率で包むことが困難である得るDNA 又は蛋白質のような大きな 治療用分子をカプセルで包んで輸送するビロゾーム−リポソームハイブリッドを 調製することに有利であり得る。高効率で治療剤をカプセルで包むリポソームが 最初に調製される。その後リポソームは融合のためのより高いpHしきい値を有す るウイルス膜融合蛋白質のpHにおいてビロゾームと融合される。これは、カプセ ルに包まれた治療剤を含むビロゾーム−リポソームハイブリッドを生じる。その 後ビロゾーム−リポソームハイブリッドは、融合のためのより低いpHしきい値を 有するウイルス融合蛋白質のpHにおいて誘発される融合により、カプセルに包ま れた治療剤を細胞の細胞質に輸送するのに用いられる。 再構成されたベシクルにおける血球凝集素の組込みは、平衡密度勾配分析によ り直ちに評価される。不連続性スクロース勾配から収集されたビロゾーム調製物 はHNE で希釈され、HNE 中の直線的スクロース勾配(例えば10〜60%(w/v))及 び(例えば4°において30時間、170,000gにおいて)遠心された勾配に適用さ れ、その後フラクションが収集されて蛋白質及びリン脂質成分について分析され る。ビロゾームは蛋白質とリン脂質とを含む単一バンドとして現 れる。ビロゾームの密度は、付加的脂質の存在により異なるであろう。一般に、 この密度は、ウイルス脂質に対する付加的脂質の比が増加する時、減少するであ ろう。 ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)によ るインフルエンザビロゾームの分析は、ビロゾームが血球凝集蛋白質を含むこと を確認するために行われ得る。ウイルス核蛋白質NP、マトリックス蛋白質MI、イ ンフルエンザウイルスの小内在膜蛋白質M2は、このような分析において一般的 に検出することができない。ビロゾームは、ヌクレオキャプシドの沈降後の可溶 化混合物における比率に類似するが付加的脂質がビロゾーム調製物に加えられる 場合に変化しないであろう蛋白質対(リン)脂質比を有する。 ビロゾーム調製物におけるウイルス膜蛋白質及びリン脂質の回収率は、最初に 可溶化された材料に対して30〜50%の範囲である。先のプロトコルに従って調製 されたビロゾーム中に残った界面活性剤は、全ビロゾーム脂質に対して典型的に 約7.5 モル%である。界面活性剤のこのレベルは、ビロゾームのフソジェニック (fusogenic)活性に一般的に大きな影響を与えないが、残った界面活性剤はビロ ゾームが低分子量カプセル化合物を保持する能力に影響を与え得る。 逆染色電子顕微鏡(EM)は最も広範囲に適用され、ビロゾームの構造及びサイ ズを測定するためのアクセス可能な技術である。この染色溶液は、血球凝集蛋白 質の酸誘導コンホメーション変化を避けるために中性pHを好ましくは有する。要 約すると、5mM HEPESと中性pHに緩衝された等張酢酸アンモニウムに対して透析 した後のビロゾーム懸濁液のドロップレットはグリッドのグロー放電後の炭素被 覆Formvar フイルムを有するグリッドに適用される。試料は、中性 pHにおける2%リンタングステン酸(PTA)(又は例えば中性pHの1%ケイタングス テン酸ナトリウム)のドロップレット上に1分間、さかさまにして置かれ、水気 をとって、空気で乾燥される。 生物学的又は人工的標的膜とのビロゾームの融合の後に蛍光共鳴エネルギー転 位アッセイ(RET)を続けることができる。便利なアッセイにおいて、N−(7 −ニトロベンズ−2−オキサ−1,3−ジアゾール−4−イル)ホスファチジル エタノールアミン(N−NBD−PE)がドナープローブとして用いられ、N−リス アミンロダミンBスルホニル)PE(N−Rh−PE)がアクセプターとして用いられ る。同じドナーN−NBD−PEを利用するが異なるアクセプターコレステロール− アントラセン−9−カルボキシレート(CAC)を利用するこのアッセイの変形も 用いられ得る。N−NBD−PE/N−Rh−PE対で標識された膜の融合により、2つ のフルオロフォア(fluorophores)が標的膜を薄め、これによりそれらの全体の 表面密度の減少及びRET 有効性の付随する減少を引きおこす。この減少はドナー (N−NBD−PE)蛍光の増加としておこり得る。このアッセイは、例えば赤血球 ゴースト及びBHK 細胞を含む膜とのインフルエンザビロゾームのpH依存性融合も 評価するのに用いられ得る。 ビロゾームの融合を評価するための他の試験管内手段は、ピレン標識脂質を用 いるエキシマーアッセイである。ピレンフルオロフォアは励起状態におけるプロ ーブ分子と基底状態におけるプローブ分子との間の励起したダイマー(エキシマ ー)を形成し得る。エキシマーの蛍光発光はモノマーの発光に関して約100nm だ け高い波長にシフトされる。エキシマー形成はプローブ分子間の距離による。こ れにより、ホスファチジルコリン(PC)のようなリン脂質分子のアシル鎖の一つ に結合したピレンプローブは脂質二重層膜における標識分子の表面密度のセンシ ティブな指標を供する。非標識膜とのピ レン−PC標識膜の融合により、ピレン−PC表面密度の減少がエキシマー蛍光の削 減として監視され得る。 RET プローブN−NBD −PE/N−Rh−PE又はピレン−PCプローブ(Molecular Probes,Eugene,OR)を次のようにビロゾーム膜に組み込まれる。ウイルス膜の 可溶化及びヌクレオキャプシドの沈降(上述を参照)の後に得られた上清はプロ ーブの乾燥フイルム(ウイルス脂質に関して10モル%)に加えられる。この混合 物をウイルス脂質とのプローブの混合を許容するために軽く振とうして先に記載 されるように界面活性剤を除去する。 標識されたビロゾームの融合は、モデルの生物学的標的膜システムとして再び 封入されたヒト赤血球ゴーストを用いて便利に測定され得る。あるいは、リポソ ームに対する融合活性が測定され得、この場合において、インフルエンザウイル スはビロゾームとの融合反応を支援することが明らかであるような、その特徴が 生物学的膜との融合のものとは異なるカルジオリピンのような負電荷リン脂質が 主になるリポソームを避けることが重要である。PC及びPEの2:1混合物(Avan ti Polar Lipids,Alabaster,AL)からなり、ウイルス/ビロゾームのためのシ アル酸含有レセプターとして役立つガングリオシドGDta又は全体のウシ脳ガン グリオシド(Sigma Chemical Co.,St.Louis,MO)の5モル%を含むリポソー ムとの融合が便利なアッセイを供する。融合は標的として培養された細胞を用い るオンライン様式においても監視され得る。中性pHにおけるビロゾームのエンド サイト−シスによる取り込み及び次のエンドソーム内からの融合、又は細胞外pH の瞬間的低下により誘導される細胞形質膜との直接の融合のいずれも用いること ができる。 インフルエンザビロゾームの融合活性の直接的測定に代わるものはそれらの溶 血活性を測定することである、先に記載の方法に従っ て製造されたインフルエンザビロゾームの融合活性は、溶血活性に典型的に密接 に対応し、融合のものと同一のpH依存性を示すインフルエンザビロゾームの溶血 活性は、例えば種々のpH値に設定された975μl融合緩衝液(135mM NaCl,15mM クエン酸ナトリウム、10mM MES,5mM HEPES)中の、4×107の洗浄されたヒト 赤血球にビロゾーム(25μlの容量中リン脂質の1nmolの当量)を加えることに より測定され得る。30分間における37℃でのインキュベーションの後、541nm に おける上清のヘモグロビンの吸収の測定により赤血球の溶解が定量される。 更なる構成物は、特定の細胞型にビロゾームを標的づけるためにビロゾームに 加えられ得る。例えば、ビロゾームは特定の細胞型上にのみ存在するエピトープ に結合するモノクローナル抗体に結合され得る。例えば、モノクローナル抗体は 癌関連抗原に特異的に結合し得、これにより全身的投与の後のビロゾームを標的 づけするための手段を供する。あるいは、標的細胞型の結合表面レセプターに結 合するリガンドもビロゾームに結合し得る。リポソームを標的づけするための他 の手段も本発明に用いられ得る。 フソジェニックビロゾームは細胞内への導入のための治療用化合物を運送する のに用いられる。本明細書に用いられる時、“治療用化合物”は治療的使用のた めに適した合成化合物を示すと意味される。“治療用化合物”は、核酸(アンチ センス、DNA)、蛋白質、ペプチド、腫瘍崩壊物、ゼロニンのような毒素及び真核 生物蛋白質合成のインヒビター等を含むと意味される。“合成化合物”は、天然 に存在しない化合物又はそれらが天然に存在する環境から単離される化合物であ る。 治療用化合物は、ビロゾームの水性の内部において又はビロゾームの脂質膜に おいて担持され得る。種々の治療用化合物が本発明の ビロゾームにおいて担持され得る。このビロゾームは治療用化合物の細胞内への 侵入を容易にするための手段を供する。 特に役立つのは、ホスト細胞の細胞質内で活性である治療用化合物をカプセル に包むことである。このような化合物は、例えばホスト細胞中において活性なプ ロモーターに作用的に結合された蛋白質もしくはペプチドをコードするDNA、蛋 白質もしくはペプチドをコードするRNA、(例えば両方とも引用により本明細書 に組み込まれるWO93/09813 及びWO93/01286 に記載されるような)アンチセン スオリゴヌクレオチドのような核酸及び(例えば各々引用により本明細書に組み 込まれる米国特許第4,987,071 号、第5,254,678 号、及びWO94/26877 のような )リボザイム、腫瘍崩壊剤、抗炎症剤、心臓血管剤、抗感染剤、並びに精神作用 剤等を含む。治療用化合物はエンドソーム又は形質膜とのビロゾームの融合によ りホスト細胞細胞質内に輸送される。 治療用化合物は一般的にホストに対して外来のものであろう。“外来”とは、 ホスト中に自然に存在しない化合物を意味する。あるいは、治療用化合物はホス トに対して外来のものであろう。この化合物はホスト内に天然に存在し得る。例 えば、天然に存在する蛋白質をコードする核酸は細胞における蛋白質の発現を増 加させるためにホスト細胞内に導入され得る。この核酸はDNA 又はRNA のいずれ でもあり得る。発現のために、この核酸は少くとも次の作用的に結合した要素: 転写プロモーター、要求される治療用蛋白質をコードする遺伝子、及び転写ター ミネーターを典型的に含むであろう。 治療用化合物はビロゾーム調製の時にビロゾーム内に組み込まれ得る。典型的 に、治療用化合物はヌクレオキャプシドの除去の後に脂質/血球凝集素含有溶液 に添加される。あるいは、治療用化合物は、先に概説されるように、最初にリポ ソーム中に化合物をカプセ ルで包むこと、次の融合のための異なるpHしきい値を有する2つの血球凝集素を 含むビロゾームとのリポソームの融合によりビロゾーム−リポソームハブリッド 内においてカプセルに包まれる。 ホスト細胞への投与のために、ビロゾームは医薬として許容される担体中に担 持される。多くの医薬として許容される担体が本発明の組成物に用いられ得る。 一般的に、標準的な緩衝された塩類溶液(135〜150mM NaCl)が医薬として許容 される担体として用いられるであろうが、他の適切な担体も十分であろう。これ らの組成物はろ過のような慣用的なリポソーム滅菌技術により滅菌され得る。こ の組成物は、pH調節及び緩衝剤並びに緊張調節剤等、例えは酢酸ナトリウム、乳 酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化カルシウム等のような生理 的条件に近づくのに必要とされるような医薬として許容される補助的物質を含み 得る。 担体中のビロゾームの濃度は種々であり得る。一般的に、この濃度は約20〜20 0mg/ml、通常約50〜150mg/ml、最も通常約75〜125mg/ml、例えば約100mg/ml であろう。当業者は異なるビロゾーム構成物での治療を最適化するために、又は 特定の患者のためにこれらの濃度を種々にすることができる。例えば、この濃度 は治療に関連する流体容量を低下させるために増加され得る。これは、アテロー ム性動脈硬化症関連のうっ血性の心不全又は激しい高血圧症を有する患者に特に 必要とされ得る。 本発明は、ホストの細胞内へ治療用化合物を導入するための方法も提供する。 本方法は、治療用化合物を含むビロゾームにホストの細胞を接触させることを一 般的に含み、前記ビロゾームが膜及び水性の内部を有し、そしてウイルス膜融合 蛋白質、例えばインフルエンザ血球凝集素が前記膜内に含まれることを特徴とす る方法である。宿主は、ヒト、非ヒト霊長類、鳥類、ウマ科の動物種、ウシ属の 動物種、豚類、ウサギ類、及びげっ歯動物等を含む種々の動物であり得る。 細胞は、ビロゾームの生体内投与又は細胞へのビロゾームの生体外接触により 接触され得る。生体内接触は、ビロゾームのホストへの投与により得られる。ビ ロゾームは多くの方法で投与され得る。これらは、静脈内、筋内、皮下、及び動 脈内のような投与の非経口経路を含む。一般的に、ビロゾームは静脈内に又は吸 入により投与されるであろう。しばしば、ビロゾームは高濃度の溶液が大容量か つ流れる脈管内に投与されるのを許容するために上大静脈又は下大静脈のような 大きな中央の静脈内に投与されるであろう。ビロゾームは作用される脈管に直接 高濃度を輸送するための脈管の手順の後に動脈内に投与され得る。ビロゾームは 局所的にも投与され得る。いくつかの例において、ビロゾームは経口的又は経皮 的に投与され得る。ビロゾームは配置後長期放出のための埋没可能な器具内にも 組み込まれ得る。 先に記載のように、ビロゾームは、本発明の方法において静脈内に又は吸入に より典型的に投与される。しばしば複数の治療が患者に行われるであろう。治療 の投与スケジュールは、病気及び患者の状態により決定されるであろう。当該技 術で公知である治療用化合物での標準的な治療は、治療用化合物を含むビロゾー ムでの治療への導入として役立つ。治療の継続時間及びスケジュールは、当業者 に公知である方法により種々であり得る。 本発明のビロゾームの投与量は臨床的条件及び治療を受ける動物又は被検体の 大きさにより種々であり得る。カプセルで包まれていない場合の治療用化合物の 標準的な投与量はビロゾームで包まれた化合物の投与量の導入として役立ち得る 。投与量はいくつかの例において種々であり得るか、治療の過程にわたり典型的 に一定であろ う。標準的な生理学的パラメーターは、ビロゾームの投与量を変化させ得る治療 の間に測定され得る。 以下の実施例は実例の手段により提供され限定の手段でない。 実施例I 本実施例はビロゾームのフソジェニシティーを示すピレン−PC−標識インフル エンザビロゾームをヒト赤血球ゴーストに融合した。 ビロゾームの調製は、先に記載される通りであった。ピレン−PCをウイルス脂 質に関して10モル%に先に記載のように組み込んだ。pH7.4,4℃における15分 間の赤血球ゴーストへのビロゾームの前結合の後に融合を測定した。懸濁液を蛍 光分析計キュベット中の37℃における135mM NaCl,15mMクエン酸ナトリウム、10 mM MES、及び5 mM HEPESの融合培地中においた。時間0において、キュベット中 のpHを5.1 に調節するか、又は7.4 に維持した。融合をピレンエキシマー蛍光の 減少として検出した。図1は、ビロゾームの融合が厳密に低pHに依存することを 示す。 ビロゾームのBHK-21細胞への細胞内融合も測定した。ピレン−PC−標識ビロゾ ームをHank's/HEPES緩衝液(137mM NaCl,5.4mM KCl,0.44mM KH2PO4,0.41mM MgSO4,0.40mM MgCl2,1.3mM CaCl2,5.6mMグルコース、及び10mM HEPES,pH7.4 )中で1時間、4℃においてトリプシン処理されたBHK-21細胞の形質膜に結合さ せた。洗浄した後、次にビロゾーム−細胞混合物を予め温められた(37°)Hanks /HEPES 緩衝液を含む蛍光キュベット内に注入した。融合をピレンエキシマー蛍 光の減少として監視した。図2に示すように、3〜4分のラグ相をエンドソーム に到達するためのビロゾームに必要とされる時間により明らかにした後、エキシ マー蛍光が1時間で開始値 の60%未満に減少したことは、細胞関連ビロゾームの40%超が融合したことを示 す。実験の条件下において、これは細胞当りに約1500の融合したビロゾームに相 当する。20mMのエンドソーム酸性化のインヒビターであるNH4Cl の存在下におい て行った時、融合がブロックされた(図2)。 実施例II 本実施例は、哺乳動物細胞の細胞質へのジフテリア毒素A(DTA)の輸送を示 す。DTAはジフテリア毒素の毒性サブユニットであり、延長因子2のADP−リ ボシル化により細胞の蛋白質合成を極めて効果的に阻害する。しかしながら、細 胞に添加する場合、DTA は完全な毒素のBサブユニット上に位置した能力である 毒素のための細胞のレセプターに結合し得ない場合、毒性でない。単離されたDT A をビロゾームの調製の間に包んだ。このDTA をビロゾームのエンドサイト−シ スでの取り込み及びエンドソームのレベルにおける融合によりBHK-21細胞の細胞 質に輸送した。 ビロゾーム内にDTA を包むことは、以下の実施例3に記載されるゼロニンのカ プセル化のために記載される手順に従った。DTA を、ビロゾーム調製の間、界面 活性剤で可溶化されたウイルスの超遠心の後の上清中に約0.5mg/ml(25μM) の濃度において溶解した。ビロゾームを1時間4℃においてBHK-21細胞の単一層 と共にインキュベートした。細胞をゼロニンのために記載されるように洗浄して 6時間、培養した。蛋白質合成をTCA 沈殿可能材料における3H−ロイシンの組 込みにより測定した。 図3に示されるように、フソジェニックビロゾーム内にカプセル化されたDTA は細胞の蛋白質合成の完全な阻害を誘導した(バー3)。対照的に、遊離DTA(バ ー1)又は空のビロゾーム(バー2)は蛋白質合成に影響を与えなかった。ビロ ゾームに包まれたDTA の効 果はNH4Cl(バー4)により、又は血球凝集素に対する抗血清により完全にブロッ クされた。 実施例III 本実施例は、蛋白質ゼロニンの哺乳動物細胞内への導入を示す。大量のゼロニ ンを本発明のビロゾーム組成物と共に細胞内に導入した。 ゼロニンは60Sリポソームサブユニットを触媒的に不活性化することができるゼロニウム・ムルチフロルム(Gelonium multiflorum )の種子において見い出さ れる一本鎖蛋白質である(Stirpe et al.,A .J.Biol.Chem.,255:6947(1980)) 。しかしながら、ゼロニンは細胞表面に結合する能力を欠如し、それゆえ生きて いる細胞に外来的に添加された場合本質的に非毒性である。 ゼロニンをインフルエンザビロゾームの水性の内部に包んだ。株NTB 24から精 製されたインフルエンザウイルス(約5mgの蛋白質を示す約1.5μmol 膜リン脂 質と等価である)を中和pHの緩衝液(例えば0.15M NaCl を含む5.0mM Hepes,p H7.4)中に希釈し、超遠心により4℃において沈降させた。ペレットに同緩衝液 中100mM C128の溶液0.7ml を加えた。25ゲージの針を通してこの溶液を数回 流すことによりこのペレットを懸濁してウイルスを可溶化し、次に室温で15分間 インキュベートして25ゲージ針を通して繰り返し流した。この方法でほぼ完全に ウイルス膜蛋白質及び脂質を可溶化した。 ウイルスヌクレオキャプシドを4℃での超遠心により除去した。ウイルス血球 凝集素を含む上清を0.5mg 凍結乾燥されたゼロニンに加えた。透明な上清を0.18 gの湿ったバイオビーズSM-2を含むガラス瓶に移した。この疎水性樹脂はC12 8に結合し、これによりそれを溶液から除去した。(ビーズと懸濁液との間の 最初の接触を 確実にするために)懸濁液を90分間、静かに振とうして次に0.35gの湿ったバイ オビーズを加えて更に60分間、抽出した。この懸濁液をビーズから除去して0.15 M NaCl を含む5.0mM Hepes(pH7.2)中に0.5ml の40%(w/v)スクロース及 び2.0ml の10%(w/v)スクロースからなる不連続スクロース勾配の上部に適 用した。この勾配を90分間、遠心した。このビロゾームを2つのスクロース含有 層の界面から収集した。 ゼロニン含有ビロゾームをBHK-21細胞に投与した。5μMのリン脂質の投与量 におけるビロゾームを4℃で1時間、5×104のBHK-21細胞の単層に結合させた 。氷冷緩衝液で洗浄した後、37℃に暖められた緩衝液(pH7.4)の添加によりイ ンターナリゼーションを誘導した。暖かい緩衝液を加えた後2,5,10,15,30 及び60分において、この緩衝液を20mM NH4Clを含む培養培地により置換した。対 照において、NH4Clを有する培地を時間0から存在させた。16時間培養した後、 蛋白質合成のレベルを3H−ロイシンの組込みにより測定した。蛋白質合成のレ ベルは、未処理の細胞で得られたレベルに関連して発現される。 蛋白質合成の阻害はゼロニン含有ビロゾームのインターナリゼーションの誘導 後5分まで現れなかった(図4)。この時間間隔は先に記載のように最初のビロ ゾームがエンドソーム区画に到達するのに必要とされる時間に十分に一致する( 図2参照)。更なるインキュベーションの後、蛋白質合成は進行的に阻害された 。インターナリゼーションの1時間後、蛋白質合成はほぼ完全にブロックされた 。 図5に示されるデータは蛋白質合成の阻害がゼロニン−含有ビロゾームとエン ドソームの区画の限定的膜との間の血球凝集素−媒介膜のためであることを示す 。BHK-21細胞を対照として遊離ゼロニン (37℃で3時間、インキュベート、バー1)又は未充填のビロゾーム(4℃で1 時間、前結合されたゼロニンを有さず、37℃で1時間、インターナリゼーション されたビロゾーム、バー2)と共にインキュベートした。遊離ゼロニン又は未充 填ビロゾームのいずれとのインキュベーションも蛋白質合成の測定可能な阻害を おこさなかった。(4℃で1時間予め結合され、37℃で1時間インターナリゼー ションされた)ゼロニン含有ビロゾームのインターナリゼーションの後のみが蛋 白質合成がブロックされた(バー3)。更に、20mM NH4Clの存在下でのインター ナリゼーションは蛋白質合成の阻害を止め(バー4)、膜融合活性を不活性化す ることが知られている結合前の5分間の37℃,pH5.4 へのビロゾームの前露出は 37℃でのインターナリゼーションの後の蛋白質合成の阻害を止めた。結論として 、ビロゾームに包まれたゼロニンによる生きている細胞における蛋白質合成の阻 害はエンドソーム区画の限定的膜とのビロゾーム膜のHA特異的融合により単独で 媒介される。 図6はビロゾームがゼロニンの輸送を媒介する細胞形質膜と融合することがで きることを示す。先のように調製されたゼロニン含有ビロゾームは4℃で1時間 、BHK-21細胞の単層に結合させた。このビロゾームを5.0μMリン脂質の投与量 において投与した。インキュベーションの後、細胞を氷冷緩衝液で洗浄し、37℃ における緩衝液の添加により融合を誘導した。緩衝液の酸性度を異なる実験にお いてpH5.5,5.6,5.7,5.8,5.9,6.0,6.2,6.4及び7.4 に調節した。37℃で2 分間のインキュベーションの後、この緩衝液を20mM NH4Clを含む培養培地により 置換した。37℃での16時間の培養の後、蛋白質合成の阻害を未処理の細胞に関連 して測定した。 pH5.6 でのインキュベーションの後、蛋白質合成はほとんど完全に阻害された 。pH6.0 でのインキュベーションは蛋白質合成を阻害 しなかった。pH6.0 及びpH5.6 は赤血球ゴーストとのウイルスのこの株の脂質混 合を得るために、各々しきい値及び最適pHに相当する。これにより、生きている 細胞の形質膜との融合よるビロゾームに包まれたゼロニンの輸送は、HAの融合活 性の低pH依存性活性化にもよる。 ゼロニンの融合媒介輸送の有効性を評価した。ビロゾームが製造される脂質濃 度において、リポソーム形成性溶液の水性相の約0.7%がビロゾームのルーメン 内にトラップされるであろう。ビロゾーム当りゼロニン約5分子が包まれると見 積もられた。ビロゾームのインターナリゼーションが誘導される前にビロゾーム が低温下で細胞に予め結合され、未結合のビロゾームが洗浄除去される場合、20 μMのリン脂質の投与量において、BHK-21細胞は細胞当り約3,000ビロゾームイ ンターナライズする。3,000 のインターナライズされたビロゾームの約40%がエ ンドソーム膜と融合する(図2)。これにより、これらの条件下において、ゼロ ニンのサイズを有する分子の6,000 のコピーが1つの細胞の細胞質に輸送され得 る。低温下でのビロゾーム予備結合ステップ及び次の未結合のビロゾームの除去 が行われるが代わりにビロゾームの全量が37℃で60分間、細胞と相互作用される 場合、ビロゾームの関連する細胞のインターナリゼーションは約20倍に増加され る。これは、これらの条件下においてゼロニンのような分子の100,000 超のコピ ーが細胞当りに輸送され得ることを示す。 図7は、細胞当りに融合する1つのビロゾームに相当するレベルまでの蛋白質 合成のゼロニン媒介阻害の滴定を示す。ビロゾームの濃度が(細胞当りに融合す る約2〜3のビロゾームに相当する)0.020μMリン脂質に削減した場合、蛋白 質合成の阻害は42%であった。細胞によるビロゾームインターナリゼーションが ポアソン分布に 従い、細胞が死ぬ(蛋白質合成の10%阻害)又は生きる(蛋白質合成の0%阻害 )のいずれかであるという仮定を基礎とすると、細胞当り約3のビロゾームの融 合(細胞当り約15のゼロニンのコピーの輸送)が致死的であると見積もられ得る 。これは最小の可能な数に近く、これにより、融合活性ビロゾームによるカプセ ル化された高分子の輸送が生きている細胞の細胞質内にこれらの物質を導入する 高度に有効的な手段であるという確信を支持する。 実施例IV 本実施例はビロゾームでの試験管内BHK 細胞内へのDNA の輸送及び該細胞内で のDNA の発現を示す。プラスミドpCMVβ−gal を正電荷のリン脂質DODAC を含む ビロゾームに複合させ、ビロゾーム内に包まれる粒子を形成するためにポリリシ ンでの凝集後DNA もビロゾーム内に包んだ。 ビロゾーム−DNA 複合体の形成のために、異なる量のDODAC を含むビロゾーム を調製した。次のようにプラスミドpCMVβ−gal を0,10,20,30,40又は 50m ol% DODAC(ウイルス中のもとの全リン脂質の割合(%))を含むビロゾームに複合 させた。DODAC の示される量をN2の蒸気下で凍結乾燥又は乾燥のいずれかを行 い、次に2時間、真空を引いて200mM C128の小量中に溶解させた。ウイルス 血球凝集素を含む(ヌクレオキャプシドを除去するためのステップにおける超遠 心後の)0.7mlの上清以外は実施例IIIに記載のようにビロゾームを調製し、ウイ ルス脂質を異なる量のDODAC を含む瓶に加えた。界面活性剤をバイオビーズSM− 2と共に除去し、ビロゾームを先に記載のような不連続スクロース勾配により単 離した。これらのビロゾームを(100nmol全リン脂質)P.T において30分間、200 μlPBS の最終容量において30μgのpCMVβ−gal と共にインキュベートした。 ビロゾーム−DNA 複合体を48−ウエルプレート中のBH K −細胞の単層(40μl/ウエル)に加え、37度で30分間、結合させた。この後 、培養培地を加えて細胞を37度で48時間、インキュベートした。次の対照を用い た:i)ビロゾームのないプラスミド、ii)DNA 複合体の形成前に15分間、37° でpH5.4 に予めさらしたビロゾーム、及びiii)20mM NH4Clを含む培養培地。ビ ロゾームの酸性pHへの露出はウイルス及びビロゾームの膜融合活性を不活性化す ることが知られている。細胞培地中の塩化アンモニウムはエンドソームの区画に おいて通常の酸性pHを増加させ、これによりエンドソームの膜とのビロゾームの 融合を防ぐ。 BHK −細胞におけるβ−gal の発現は、プラスミドの細胞内への輸送及びその 核内への組込みのための直接的指標である。48時間のインキュベーションの後、 細胞をβ−gal 活性のために染色して写真を撮るか、又は融解して蛋白質成分及 びβ−gal 活性を測定するかのいずれかを行った。異なる量のDODAC を含むビロ ゾームに複合したDNA での処理により(munits/μg蛋白質において発現された )得られたβ−gal 活性を図8に示す。30mol%DODAC を含むビロゾームにおい て、優秀なトランスフェクション活性が得られた。トランスフェクションは40及 び 50mol%DODAC を含むビロゾームにおいても得られたが、これらの調製物はBH K 細胞に毒性の影響を示した。それ自体によるDNA を細胞に加えた場合、トラン スフェクションは観察されなかった。ビロゾームと酸性pHに予め露出した場合又 はエンドソーム区画において通常の酸性pHを増加させるために細胞培地内に塩化 アンモニウムを用いた場合もトランスフェクションがおこらなかった。酸不活性 化及びNH4Cl データは、ビロゾームに複合されたDNA の輸送がエンドソームの区 画における血球凝集素媒介融合の結果であることを示した。 30モル%DODAC を含むビロゾームのDNA 結合能力をその後測定し た。異なる量の3H−pCMVβ−gal をビロゾーム(20nmolの全リン脂質)に加え てRTでインキュベートした。30分後、ビロゾームを2分遠心(Beckman Microfuge )し、その上清及びそのペレットにおいて放射能を測定した。放射能測定前にペ レットをHBS 緩衝液で2回洗浄して200mM C128中に溶解した。2つの独立し た実験のペレット(●,■)及び上清(▲,▼)において測定された放射能をビ ロゾームに添加されたDNA の関数としてブロットする(図9)。20nmolの全リン 脂質とのビロゾームの結合能力は6μg DNAで達成された。 BHK 細胞の最適トランスフェクションのために必要とされるDNA の量を図10に 示す。30mol%DODAC を含むビロゾームをpCMVβ−gal(ビロゾーム中3μg DNA /10nmolの全リン脂質)と複合して細胞単層に加えて図10に示すようなウエル当 りのDNA の量を得た。β−gal 活性を細胞ライゼートにおいてμg蛋白質当りの 単位として測定し、ビロゾーム複合と共に加えられたDNA の関数としてプロット した。視覚的トランスフェクションを48ウエルプレートを用いてウエル当り2.5 μg DNA として得た。 本明細書において言及される全ての出版物、特許及び特許出願は各々個々の出 版物、特許又は特許出願が引用により本明細書に組み込まれて詳細かつ個々に示 されるような程度まで本明細書に引用により組み込まれる。 先に記載した発明は理解の明快さの目的のために実例及び実施例の手段により いくらか詳しく記載されているが、特定の変化及び改良が添付の請求の範囲の範 囲内において実施し得ることは明らかであろう。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 48/00 A61K 37/02 (81)指定国 EP(AT,BE,CH,DE, DK,ES,FR,GB,GR,IE,IT,LU,M C,NL,PT,SE),OA(BF,BJ,CF,CG ,CI,CM,GA,GN,ML,MR,NE,SN, TD,TG),AP(KE,MW,SD,SZ,UG), AM,AT,AU,BB,BG,BR,BY,CA,C H,CN,CZ,DE,DK,EE,ES,FI,GB ,GE,HU,IS,JP,KE,KG,KP,KR, KZ,LK,LR,LT,LU,LV,MD,MG,M N,MW,MX,NO,NZ,PL,PT,RO,RU ,SD,SE,SG,SI,SK,TJ,TM,TT, UA,UG,US,UZ,VN (72)発明者 シェラー,ピーター カナダ国,ブリティッシュ コロンビア ブイ6エイチ 2ティー5,バンクーバ ー,ビルチ ストリート 2664 (72)発明者 コーン,アルカディオ カナダ国,ブリティッシュ コロンビア ブイ6ジー 1イー1,バンクーバー,ビ ーチ アベニュ 907,スイート 1702

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.ホストの細胞内に治療用化合物を導入するための医薬組成物であって、 膜及び水性内部を有するビロゾームであって、ウイルス膜融合蛋白質が前記膜 内に含まれているビロゾームと、 前記ビロゾーム内に含まれた治療用化合物と、 医薬として許容される担体と、 を含むことを特徴とする医薬組成物。 2.前記治療用化合物が前記ビロゾームの前記水性内部に含まれることを特徴 とする請求項1に記載の医薬組成物。 3.前記治療用化合物が前記ビロゾームの前記膜に含まれることを特徴とする 請求項1に記載の医薬組成物。 4.前記治療用化合物が核酸分子であることを特徴とする請求項1に記載の医 薬組成物。 5.前記核酸分子がDNA であることを特徴とする請求項4に記載の医薬組成物 。 6.前記核酸分子がRNA であることを特徴とする請求項4に記載の医薬組成物 。 7.前記アミノ酸配列がペプチドまたは蛋白質であることを特徴とする請求項 1に記載の医薬組成物。 8.前記治療用化合物がホストに対して外来性であることを特徴とする請求項 1に記載の医薬組成物。 9.前記ビロゾーム膜がホスファチジルセリン又はオクタエチレングリコール モノドデシルエーテルであることを特徴とする請求項1に記載の医薬組成物。 10.前記ビロゾーム膜がコレステロールを更に含むことを特徴と する請求項9に記載の医薬組成物。 11.前記ウイルス膜融合蛋白質がインフルエンザ血球凝集素であることを特徴 とする請求項1に記載の医薬組成物。 12.前記インフルエンザ血球凝集素がインフルエンザ3Aウイルスから調製さ れることを特徴とする請求項10に記載の医薬組成物。 13.ホストの細胞内に治療用核酸を導入するための医薬組成物であって、膜及 び水性内部を有するビロゾームであって、該ビロゾーム膜がウイルス膜融合蛋白 質並びに前記核酸を前記ビロゾームに複合させるのに適した陽イオン性脂質を含 むビロゾームと、前記ビロゾームに複合された前記治療用核酸と、医薬として許 容される担体と、を含むことを特徴とする医薬組成物。 14.前記陽イオン性脂質がDODAC(N,N−ジオレイル−N,N−ジメチルア ンモニウムクロライド)であることを特徴とする請求項13に記載の医薬組成物。 15.前記DODAC が25〜45%リン脂質成分の濃度において存在することを特徴と する請求項14に記載の医薬組成物。 16.前記治療用核酸がDNA 又はアンチセンスRNA であることを特徴とする請求 項13に記載の医薬組成物。 17.ホストにおける細胞内に治療用化合物を導入するための方法であって、該 方法が治療用化合物を含むビロゾームに前記細胞を接触させることを含み、前記 ビロゾームが膜及び水性内部を有し、ウイルス膜融合蛋白質が前記膜に含まれる ことを特徴とする方法。 18.前記治療用化合物が核酸分子であることを特徴とする請求項17に記載の方 法。 19.前記核酸分子が次の作用的に結合された要素: 転写プロモーターと、 治療用蛋白質をコードする遺伝子と、 転写ターミネーターと、 を含むことを特徴とする請求項18に記載の方法。 20.前記治療用化合物がペプチド又は蛋白質であることを特徴とする請求項17 に記載の方法。 21.前記治療用化合物がホストに対して外来性であることを特徴とする請求項 17に記載の方法。 22.前記ビロゾーム膜がホスファチジルセリン又はオクタエチレングリコール モノドデシルエーテルであることを特徴とする請求項17に記載の方法。 23.前記ビロゾームがコレステロールを更に含むことを特徴とする請求項22に 記載の方法。 24.前記ホスト細胞及びビロゾームが局所的投与により接触されることを特徴 とする請求項17に記載の方法。 25.前記ビロゾームが非経口的に投与されることを特徴とする請求項17に記載 の方法。 26.前記ウイルス膜融合蛋白質がインフルエンザ血球凝集蛋白質であることを 特徴とする請求項17に記載の方法。 27.前記血球凝集蛋白質がインフルエンザAから得られることを特徴とする請 求項26に記載の方法。 28.ホストの細胞内に核酸を導入するための組成物を調製するための方法であ って、 ポリリシンと核酸を凝集させて核酸粒子を形成するステップと、 ウイルス膜融合蛋白質、脂質及び界面活性剤の混合物と前記核酸粒子を組み合 わせるステップと、 前記界面活性剤を除去して、膜及び水性内部を有するビロゾームであって、前 記ウイルス膜融合蛋白質が前記膜内に含まれているビロゾームを形成し、それに より前記ビロゾームの内部に前記核酸粒 子を受動的に包むステップと、 を含むことを特徴とする方法。
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